JP2003327539A - 経口用組成物 - Google Patents
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Abstract
とで、当該他の飲食物の有する糖の吸収抑制することに
より、血糖の上昇を抑制し、糖尿病予防又は抗肥満効果
を有し、食味、栄養価に優れ、容易に摂取する事のでき
る経口用組成物を提供すること。 【解決手段】 Brassica oleraceaに属する植物を含む
ことを特徴とする食後血糖上昇抑制用の経口用組成物。
Brassica oleraceaに属する植物は搾汁液若しくは抽出
液、それらの上清画分若しくは水不溶性画分、それらの
粉末又は植物自体若しくは植物自体の乾燥物の粉末を使
用できる。Brassica oleraceaとしてはケールが好まし
い。本発明の経口用組成物は血糖上昇抑制作用を持ち抗
糖尿病用又は抗肥満用として有効な組成物である。
Description
の炭水化物を主体とした飲食物と同時に又は前後して服
用することで、血糖の急激な上昇を抑制し、糖尿病予防
又は抗肥満効果を有する経口用組成物に関する。
肥満や糖尿病に陥る人が急増している。特に、この肥満
発生のメカニズムとして注目を集めているのが、炭水化
物摂取とインスリンの作用である。具体的には、食物中
の炭水化物が消化されて生じたブドウ糖が血中に吸収さ
れ血糖値が上昇するとその刺激によって膵臓よりインス
リンが分泌される。インスリンの作用によって血中のブ
ドウ糖は、脂肪細胞に取り込まれ脂肪に変換されること
になる。この結果、脂肪細胞への脂肪蓄積が起こり、脂
肪細胞は巨大化し、内臓脂肪蓄積型に代表されるような
肥満を生ずる。さらに巨大化した脂肪細胞はインスリン
抵抗性を誘導する生理活性物質を産生する。このため、
インスリンに対する反応性が低下し、食後上昇した血糖
値が長時間持続することとなり糖尿病が誘発される。
血糖を防ぐ為に糖質を過剰に摂取しないことが必要であ
る。急激な血糖値の上昇を抑える事で、インスリンの分
泌も減少し、脂肪細胞での脂肪の合成量が減少し肥満を
予防、改善することができる。しかし、糖質を豊富に含
む食品の摂取制限やカロリー制限等の食事制限は、過度
のストレスを強いることとなり、継続することは難し
い。
のではなく、その糖質が急速に消化吸収されにくい、精
製度の低い穀類を選んで摂取する事で高血糖を防ぐ方法
が提案されている。しかし、精製度の低い穀類などのホ
ールグレインと呼ばれるこれら食品は、日常的に摂取さ
れる白米、パン、芋よりも食味に劣り、日常的に常食さ
れるまで浸透していないのが現状である。さらに、外食
時や、また家庭においてもすべての食材について血糖値
の上昇の少ない食品を選ぶ事は困難である。
原産のギムネマ属ガガイモ科の植物が注目されている
(特開平01-38026号、特開平06-128161号、特開平6-2457
35号)。しかし、特開平01-38026号のギムネマ・シルべ
スタの有効成分であるギムネマ酸は、甘みを感じる感覚
を麻痺させ摂取後しばらくの間は甘みを感じなくなる欠
点があり、さらに苦みが強いという欠点もある。また、
これらの成分を有効量摂取するためには、抽出したもの
を濃縮する必要があり、これらを日常的に摂取するため
には、成分の安定性、食味の観点から、形態が粒状、カ
プセル状にするのが一般的であった。しかし、抽出や濃
縮の工程を経ることで、コストが高く、さらには、錠
剤、カプセル状の医薬品的な形状にした場合には、その
摂取が苦手な高齢者などには不向きであり、広く一般化
されていないのが現状である。
添加し、血糖値の上昇を抑制する方法も知られている。
これらの有効量は、一回に5g以上の摂取が必要である
が、栄養価に乏しく、食物繊維の場合、ミネラルの消化
吸収阻害との関連性も示唆されていることから(出光技
報Vol.33,No.3,341-345,1990,日本栄養・食糧学会誌Vo
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aerings forskning,No.Suppl.20,64-65,1984,Naerings
forskning,No.Suppl.20,66-68,1984)、日常的に継続し
て摂取するのは好ましくない。また、難消化性澱粉につ
いては、B.W.Wolfらによる研究報告(Nutrition Resear
ch 2001;21:1099-1106.)ではその血糖値に与える影響
が否定されており、摂取量が多い割にはその効果は一様
ではない。
と同時に又は前後して服用することで、当該他の飲食物
の有する糖の吸収を抑制することにより、血糖の上昇を
抑制し、糖尿病予防又は抗肥満効果を有し、食味、栄養
価に優れ、容易に摂取する事のできる経口用組成物を提
供することを目的とする。
行った結果、Brassica oleraceaに属する植物を含む経
口組成物を他の飲食物と同時に又は前後して服用するだ
けで、糖の吸収を効果的に抑制することを見出し、本発
明を完成させたものである。即ち、本発明の第一は、Br
assica oleraceaに属する植物を含むことを特徴とする
食後血糖上昇抑制用の経口用組成物であり、本発明の第
二は、Brassica oleraceaに属する植物の搾汁液若しく
は抽出液、それらの上清画分若しくは水不溶性画分、そ
れらの粉末又は植物自体若しくは植物自体の乾燥物の粉
末を含有する前記一の経口用組成物である。本発明の第
三は、Brassica oleraceaに属する植物を含むことを特
徴とする血糖上昇抑制用を持つ抗糖尿病用の経口用組成
物又は抗肥満用の経口用組成物である。また、本発明の
第四は、Brassica oleraceaがケールであることを特徴
とする前記一、二又は三記載の経口用組成物である。
とは、アブラナ科に属する野菜のことである。glucosin
olate、S-methylcysteine sulfoxideの2種類の含硫化
合物を含んでいるのが特徴であり、キャベツ、ブロッコ
リー、カリフラワー、芽キャベツ、ケール等が例示でき
る。特に一年中栽培でき、収穫量の多いこと、栄養価が
高く、飲みにくくない味であること、さらに刺激性が少
ないことから、ケール(Brassica oleracea var. aceph
ala DC)が血糖上昇抑制用の経口用組成物として摂取す
るには好ましい。ケールとはアブラナ科の南ヨーロッパ
原産の非結球性の野菜で、キャベツやブロッコリーの原
種である。一般的には、どんな土壌でも育つ生命力の強
い野菜で、気温20度の冷涼な気候が栽培に適していると
されている。ケールの品種は(1)キッチンケール、(2)ツ
リーケール、(3)、ブッシュケール、(4)マローケール、
(5)コラード、(6)緑葉カンランの6つの品種に大別され
るが、本発明では、いずれの品種を使用しても良い。一
般的な飲料用途にはツリーケールという木立性の大葉種
が使われている。最近では、ケールと芽キャベツを交配
して得られた非結球性の植物もあるが、同植物を使用し
ても本発明の効果は得ることができる。
raceaは、代表的には、搾汁液若しくは抽出液、それら
の上清画分若しくは水不溶性画分、それらの粉末、植物
自体又は植物自体の乾燥物の粉末である。例えば、抽出
液または搾汁液は、ケールを機械的あるいは酵素的に植
物組織を破砕して得ることができる。緑色を保持するた
めに、植物組織を破砕する前に、含有する酵素の活性を
抑制し葉緑素の安定化を行うためにブランチングなどの
熱処理やpHの調整を行ってもよく、これによって本発
明の得られる効果は変わらない。得られた抽出液または
搾汁液は、そのまま加熱殺菌、冷却、充填されてもよ
い。品質の維持のために冷凍保存あるいは常法の手段に
よって乾燥させてもよい。あるいは、さらに遠心分離に
より固液分離を行い、上清画分と水不溶性画分に分離し
て、それぞれを必要に応じて乾燥し、粉末化しても良い
し、加水しても良い。
ルの全体または葉の部分だけを洗浄し、必要に応じて殺
菌(加熱殺菌あるいは次亜塩素酸水、オゾン水等による
殺菌等)した後、破砕して適当な大きさとし、マスコロ
イダー、グレーダーやミル、コミトロール等の機械的あ
るいは酵素的に植物組織を破砕し、さらに細かく破砕す
る。破砕の程度は特に限定されないが、通常、ピューレ
状になる程度まで破砕する。次いで、破砕したケールを
そのまま、あるいは加水して、フィルタープレス、スク
リュープレス、デカンター、遠心分離等の方法により固
液分離を行い、搾汁液を得る。固液分離を行うことで、
咽越しが良い搾汁液を得ることができる。色を保持させ
るために植物組織を破砕する前にケール中に含まれてい
る酵素の活性を抑制し、葉緑素の安定化を行うために、
例えば60℃〜100℃、30秒〜5分間ブランチング
を行い、pHを4〜8に調整することが好ましい。そう
することで、栄養価を損なうことなく、さらに緑色を保
った良好な風味のケールの経口組成物が得られる。
をする場合もある。必要に応じてデキストリン、ショ
糖、乳糖、麦芽糖、ソルビトール、マンニトール、エリ
スリトール、トレハロース、オリゴ糖などの糖類、セル
ロース、増粘多糖類などの添加物を添加しても良い。
菌、冷却、充填される。品質の維持のために抽出液ある
いは搾汁液は冷凍保存あるいは水分量が7%以下まで乾
燥してもよい。乾燥は、常法の技術により実施すること
ができ、凍結乾燥、スプレードライ、ドラムドライ、棚
式乾燥などの熱風乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロウェー
ブ乾燥などの方法が例示できる。
を、さらに遠心分離して、上清画分と水不溶性画分に分
離して使用してもよい。遠心分離の条件は特に限定され
るものではないが、通常、1,000〜30,000rp
m、1〜30分間程度行う。このようにして遠心分離
後、上清画分と水不溶性画分(沈殿物)を分取すること
ができる。得られた上清画分及び水不溶性画分は、必要
に応じて乾燥し粉末化しても良いし、加水し飲料として
利用しても良い。得られたケールの上清画分及び水不溶
性画分は、単独で用いても本発明の効果は期待できる。
体の生葉をそのままか、あるいはブランチング、pH調
整等の処理を施して乾燥、粉砕してもよく、本発明の効
果は変わらない。乾燥方法は、抽出物あるいは搾汁液で
用いられる凍結乾燥、熱風乾燥、遠赤外線乾燥、マイク
ロウェーブ乾燥などの方法が応用可能であり、必要に応
じて加熱殺菌工程を経る。加熱殺菌方法は、既知の技術
が応用できるが、緑色を良好に保つために、気流式殺菌
方式等が一般的に利用される。
ceaに属する植物以外にも食用植物、薬用植物、食品添
加物等を配合して調整することもできる。その形態とし
ては、飲料、粉末、顆粒などが例示でき、さらに粉末を
加工してゼリー、グミ、飴、キャンディー、ヨーグル
ト、ビスケット、スナック、パン、ケーキ、ふりかけ、
ドレッシング、スープ等に配合することも可能であり、
錠剤やカプセル剤のような形態にしても良い。尚、錠剤
やカプセルに加工する場合には、本発明の効果を得るた
めに速溶化させるように設計する方が好ましい。
品、成分と共に用いた場合の配合割合は、特に限定され
るものでなく、食品の形態に応じて適宜設定可能であ
る。通常、本発明のケール及びケールの上清画分あるい
は水不溶性画分が、乾燥重量として、0.1〜10g程
度となるような量を目安として1回の食事摂取前後に摂
取するのが、血糖上昇抑制効果が得られる量として好ま
しい。
する。なお、Brix.%とは、通常、ショ糖の重量%を示す
目盛りであるが、本発明の場合、糖だけでなく、塩類、
たん白質などを含めた可溶性固形分を示し、水の屈折率
(nD=1.33299)を基準にして算出される。以下の実施
例では、乾燥重量が0.1〜10g程度になるようにBr
ix.を0.1〜10程度になるようにして、経口組成物
を調整した。
(Brix.6.55)を得た。 実施例2 実施例1で得られたケール搾汁液100mlを4,50
0rpm、25分間、遠心分離し、その上澄を得た(Brix.
6.62)。 実施例3 実施例2と同様の操作をして遠心分離し、その沈殿物を
ミネラルウォーターで100mlにメスアップし、分散
したものを得た。 実施例4 ケール生葉50gを凍結乾燥後、粉末化した物3gをミ
ネラルウォーター100mlに分散したものを得た。 実施例5 非結球性の芽キャベツ(ケールと芽キャベツの掛け合わ
せた植物)を搾汁して得られた飲食物100mlを得た
(Brix.5.7)。
時間の絶食後、被験者に50gのグルコース溶液(200mlの
ミネラルウォーターに溶解)と直後に実施例1〜5で得
た飲食物を経口投与した。摂取直前、及び摂取後30、6
0、90、120分に手指毛細血管よりランセット(マイクロ
レット、三共)を用いて採血し、直ちに血糖測定器(デキ
スターZII、バイエル)にて血糖値(mg/100ml)を測定し
た。さらに、対照として50gのグルコース溶液(200mlの
ミネラルウォーターに溶解)を飲用し、同様に血糖値を
測定した。実施例及び対照で得られた血糖値(X)をグラ
フ化し、120分間の血糖増加部分の面積(dS’)を次式に
よって求め、GI(グリセミックインデックス)及び血糖
上昇阻害率を以下の式で算出した。
+X90)+X120−7X0] GI=(dS’/dS0’)×100 血糖上昇阻害率=(1-dS’/dS0’)×100 上記式中、Xnは、X0;空腹時血糖値、X30;30分後血糖
値、X60;60分後血糖値、X90;90分後血糖値、X120;12
0分後血糖値とする。dS'は実施例飲用時の、dS0’は対
照飲用時の血糖増加部分面積を表す。
に、GI及び血糖上昇阻害率の結果を表1に示す。図1、
表1に示したように、実施例1〜5の飲食物を摂取する
ことで、対照であるグルコース溶液に比して、有意に血
糖値の上昇が抑制され、血糖上昇率の目安である血糖上
昇阻害率、GI値とも対照(グルコース溶液)に比べて有
意に低下した。
の絶食後、被験者に50gのシュクロース溶液(200mlのミ
ネラルウォーターに溶解)と直後に実施例1の飲食物を
経口投与した。摂取直前、及び摂取後30、60、90、120
分に手指毛細血管よりランセット(マイクロレット、三
共)を用いて採血し、直ちに血糖測定器(デキスターZI
I、バイエル)にて血糖値(mg/100ml)を測定した。さら
に、比較として50gのシュクロース溶液(200mlのミネラ
ルウォーターに溶解)を摂取し、同様に血糖値を測定し
た。血糖上昇阻害率とGIを算出した。なお、本例におけ
る血糖上昇阻害率は、比較であるシュクロース溶液の糖
吸収量に対する阻害率を示す。以上の結果を表2に示
す。表2に示したように、比較のシュクロース溶液を摂
取した場合においても、実施例1の飲食物を飲用するこ
とで、血糖上昇率の目安である血糖上昇阻害率、GI値と
も低下させた。
ンとケール搾汁液の栄養価を比較し、表3に示した。
は炭水化物摂取時に同時に飲用することで、糖の吸収を
無理なく抑制し血糖値の上昇を抑えることから、日常生
活においてストレスなく肥満を防止することができる。
また、栄養価も優れており、肥満に起因する糖尿病をは
じめとする様々な疾病を未然に回避することができる。
糖値(空腹時血糖値)を1として換算した図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 Brassica oleraceaに属する植物を含む
ことを特徴とする食後血糖上昇抑制用の経口用組成物。 - 【請求項2】 Brassica oleraceaに属する植物の搾汁
液若しくは抽出液、それらの上清画分若しくは水不溶性
画分、それらの粉末又は植物自体若しくは植物自体の乾
燥物の粉末を含有する請求項1記載の経口用組成物。 - 【請求項3】 Brassica oleraceaに属する植物を含む
ことを特徴とする血糖上昇抑制作用を持つ抗糖尿病用の
経口用組成物又は抗肥満用の経口用組成物。 - 【請求項4】 Brassica oleraceaがケールであること
を特徴とする請求項1、2又は3記載の経口用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002134900A JP2003327539A (ja) | 2002-05-10 | 2002-05-10 | 経口用組成物 |
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