JP2003327357A - 長尺シート状物の欠陥部検出方法とその検出装置 - Google Patents

長尺シート状物の欠陥部検出方法とその検出装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】走行する長尺シート状物の幅方向にわたって精
度良く且つ効率的に、しかも連続的に監視して様々な欠
陥を即座に判別できる長尺シート状物の欠陥部検出方法
と、簡単な構造で安価であり、メンテナンスが容易で、
常に歩留りが高く且つ安定した製品品質を得ることがで
きる高生産性につながる長尺シート状物の欠陥部検出装
置を提供する。 【解決手段】所要の幅を有する長尺のシート状物(S、F1
〜F4) の走行面を、空気噴出管(3) の空気噴出開口(3a)
に覆い被せて連続的に走行させて、空気噴出開口(3a)か
ら噴出する圧縮空気の外部へ漏れる空気流出量による圧
力変動に基づく空気噴出管(3) 内の圧力変動を連続的に
常時監視する。細幅長尺のシート状物(F1 〜F4) の欠陥
部検出は、各シート状物ごとに独立して検出する。予め
設定された定常状態にあるときの空気噴出管(3) 内の圧
力範囲と空気噴出管(3) 内の実圧縮空気圧力変動とが継
続的に比較され、その比較値が予め設定された圧力範囲
を越えたときシート状物の正常な製造を阻害する異常が
あると判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維トウ、繊維強
化プラスチックの前駆体であるプリプレグ用織物、不織
布、樹脂フィルム又は紙等からなる長尺シート状物の欠
陥部検出方法とその検出装置に係り、特に、全幅が拡幅
された状態で、或いは所要の幅をもち所要の間隔をもっ
て並列された状態で走行する長尺シート状物の幅方向に
わたって欠陥部を連続的に監視できる長尺シート状物の
欠陥部検出方法とその検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】糸切れ検知方法の一例が、例えば特開昭
49−41649号公報に開示されている。同公報に開
示された糸切れ検知方法は、圧縮空気供給源にダクトを
介して接続された2個の空気吹出しノズルを対向して配
しており、各空気吹出しノズルに対して直交する方向に
配された糸案内溝部材を介してフィラメント又はマルチ
フィラメントである単糸を案内すると共に、各空気吹出
しノズルから噴出する対向状態の空気流の中に通過させ
る。対向する2本の前記ダクト内を流れる空気流の圧力
比を予め設定しておき、その圧力比の変化により、各空
気吹出しノズルの間を通過する糸の太さの変化や糸の有
無を検出している。
【0003】また、例えば特許第2936690号公報
には、温度センサーを用いて走行中の2〜50本の単糸
で構成されるマルチフィラメント糸の周囲の雰囲気温度
の変化を検出し、同糸の切断を検知する糸切れ検知方法
が開示されている。同公報に開示された糸切れ検知方法
は、糸条をダクト内に走行させ、その走行中の糸条の近
傍に発生する走行気流中に温度センサーを配している。
その走行気流の有無によって変化する糸条の周囲雰囲気
の温度変化を前記温度センサーにより検出し、得られた
検出信号に基づき糸条の切断を検知している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、合成繊維の紡
糸機は、生産性を向上すべく多錘、多数孔化した紡糸ノ
ズルを使用している。これらの紡糸ノズルから押し出さ
れたフィラメントは、数万〜数十万本が集束されて紡糸
トウとされたのち、延伸、洗浄及び乾燥の次工程を経て
連続的に生産される。かかる生産工程中において、モニ
ターを使用して複数台の紡糸機を常時監視すると共に、
各紡糸機における糸切れ、欠錘、走行する糸の状態など
の様々な管理を同時に行うことは到底不可能である。か
かる実情に鑑みて、前述のごとき紡糸機の糸切れなどの
早期検知と早期解決による歩留まりの向上を達成するこ
とが強く要望されている。
【0005】上記特開昭49−41649号公報に開示
された糸切れ検知方法は、走行中のフィラメント又はマ
ルチフィラメントである単糸に対して糸の太さの変化や
糸の有無を検出するものであり、1以上の糸が所要の幅
に拡幅れた広幅の繊維トウに対する欠陥部の検出を意図
するものではない。
【0006】仮に、従来の上記糸切れ検知方法を所要の
幅に拡幅された繊維トウの欠陥部を検出するために使用
しようとすると、同繊維トウを挟んで全幅にわたって二
組一対の空気吹出しノズルを対向して並設すると共に、
各空気吹出しノズルにダクトを介して予め設定された吹
出圧力を送り出す圧縮空気供給源にそれぞれ接続しなけ
ればならない。また、対向する二本一組の前記ダクト内
を流れる空気流の圧力比の変化に基づき各空気吹出しノ
ズルの間を走行する糸の欠陥部を検出するため、対向す
る二本一組のダクトごとに必要なセンサーを別途に設置
しなければならない。
【0007】しかしながら、前記空気吹出しノズルや糸
案内溝部材、センサーなどの検出設備を、繊維トウの全
幅をカバーするような広い領域にわたって紡糸機に付設
するには、その付設空間の増大に加えて構造が複雑化す
るため、生産性を損い、しかも製造費を高騰させる原因
にもつながる。特に、前述のごとく生産性を高めるべく
複数台の紡糸機を使用する場合には、前記検出設備も各
紡糸機ごとに付設して、制御や管理を行わなければなら
なくなって、構造が更に複雑化し、その製作費が嵩むだ
けではなく、前記検出設備の専有空間も拡大されること
になる。
【0008】一方、上記特許第2936690号公報に
開示された技術にあっては、走行中の単糸に対して糸の
太さの変化や糸の有無を検出するものであるため、温度
センサーの設置位置を一義的に決めるだけで済むが、所
要の幅に拡幅された走行中の繊維トウに対して欠陥部を
検出するには、走行する繊維トウの全幅にわたって均等
に温度変化が生じるという保証がなく、単一の温度セン
サーでは対応できず、複数箇所に温度センサーを設置し
なければならなくなる。このため、上記特開昭49−4
1649号公報に開示された技術と同様に、構造が複雑
化するだけでなく、修理、点検や交換等のメンテナンス
性に欠けるため、生産性の低下につながる。
【0009】本発明は、かかる従来の課題を解消すべく
なされたものであり、全幅が拡幅された状態で、或いは
所要の幅をもち所要の間隔をもって並列された状態で走
行する繊維トウ、プリプレグ用織物、不織布、樹脂フィ
ルム又は紙等からなる長尺シート状物の幅方向にわたっ
て精度良く且つ効率的に、しかも連続的に監視して様々
な欠陥を即座に判別できる長尺シート状物の欠陥部検出
方法を提供することを目的とし、更には、簡単な構造で
安価であり、メンテナンスが容易で、常に歩留りが高く
且つ安定した製品品質を得ることができる高生産性につ
ながる長尺シート状物の欠陥部検出装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本発明にお
ける長尺シート状物は、請求項5〜8に挙げたとおり、
繊維トウ、プリプレグ用織物、不織布、樹脂フィルム又
は紙等がある。本発明によれば、所要の幅に拡幅された
走行中の広幅長尺シート状物、或いは所要の枚数が所要
の間隔をもって並列して走行する長尺シート状物の欠陥
部を検出することができる。以下の説明では、このうち
代表的な長尺シート状物である繊維トウを拡幅して得ら
れる長尺のシート状物、又は広幅の繊維トウを所要の間
隔をもって分割して得られる長尺のシート状物を例に挙
げて説明する。
【0011】本件請求項1に係る発明は、長尺シート状
物を連続的に走行させること、走行する長尺シート状物
の少なくとも全幅にわたって空気噴出開口を有する空気
噴出管の前記開口を、前記長尺シート状物の走行面に向
けて近接して配すること、前記空気噴出管に所要の圧力
をもつ圧縮空気を導入すること、空気噴出管内の前記圧
縮空気に対する圧力変動を検出すること、及び同圧力変
動が予め設定された値の範囲を越えたとき前記長尺シー
ト状物に欠陥があると判断することを含んでなることを
特徴とする長尺シート状物の欠陥部検出方法にある。
【0012】本発明にあって、長尺シート状物は所要の
幅に拡幅された広幅状態の他に、請求項2のごとく、所
要の枚数で所要の間隔をもって並列して走行する繊維ト
ウをも含んでいる。広幅のシート状物である場合は、そ
の全幅にわたり単一の検出手段をもって検出し、並列し
て走行するシート状物である場合には、各シート状物ご
とに独立して検出する。
【0013】これらの長尺シート状物である繊維トウの
走行面に、前記空気噴出管の空気噴出開口を近接して配
して所定の圧力をもって空気を噴出させ、前記空気噴出
管内における圧縮空気の圧力変動を連続的に検出してい
る。前記空気噴出管内に導入される圧縮空気圧力は予め
設定されており、空気噴出開口から噴き出される空気は
走行する繊維トウに遮られて、走行状態が定常状態にあ
る繊維トウに対しては空気噴出管内の空気圧はさほど変
動しない。一方、走行する繊維トウに繊維切れや幅寄せ
などの欠陥が生じると、広幅とされた繊維トウの一部に
空隙が生じ、空気噴出開口から噴き出される空気の一部
が前記空隙を通過するようになるため、空気噴出管内の
空気圧が大きく変動するようになる。
【0014】予め設定された定常状態にあるときの圧力
変動と、前記空気噴出管内における空気圧変動とが継続
的に比較される。その比較値が予め設定された変動の許
容範囲(変動圧力下限域)を越えたとき、前記繊維トウ
の正常な製造を阻害する異常があると判断される。
【0015】本発明は、上記構成を採用することによ
り、前記空気噴出管内における圧縮空気の圧力の挙動か
ら走行する繊維トウの状況を連続的に監視して様々な異
常(欠陥)を即座に判別することができると共に、常に
繊維トウの欠陥部に対する安定した検出精度を効果的に
得ることができる。
【0016】請求項3に係る発明は、前記長尺シート状
物の走行面が、前記空気噴出開口を覆い塞ぐように接触
して走行することを含んでいることを特徴としている。
上記構成により、走行中の繊維トウの走行面が前記空気
噴出開口に当接しているため、前記空気噴出開口から外
部へ流出する空気流出量が抑制される。前記空気噴出管
内に導入される圧縮空気の圧力は、前記空気流出量と前
記空気噴出管内への導入空気量とが平衡を維持するよう
に制御されている。
【0017】走行中の繊維トウを監視しているとき、例
えば前記空気噴出開口に接触した走行中の繊維トウの単
繊維の一部が何らかの原因により切断したり、或いは繊
維トウを構成する単繊維が欠けることにより繊維トウの
構成繊維数が減少すると、前記繊維トウの単繊維の幅形
態が崩れて、一部に空隙が生じ、前記空気噴出開口から
の空気流出量が瞬間的に増加する。その結果、前記導入
空気量と前記空気流出量との平衡状態が崩れ、前記空気
噴出管内の圧力は、予め設定された許容範囲の値から逸
脱する圧力値にまで低下する。その圧力変化に応じて変
化した異常な変動圧力が検出され、その検出信号が制御
部に出力される。同制御部では、前記空気噴出管内の予
め設定された変動圧力範囲と比較し、前記繊維トウに異
常や不良があると判断する。
【0018】このように、前記繊維トウの走行面が前記
空気噴出開口を覆い塞ぐように接触して繊維トウを走行
させることにより、前記空気噴出開口から繊維トウを介
して外部へ漏れる圧縮空気の空気流出量に基づいて繊維
トウの異常や欠陥を検出できるようにしたため、常時、
繊維トウの製造中に連続してその異常や欠陥を監視する
ことができるようになる。
【0019】請求項4に係る発明は、前記空気噴出管内
の圧力を5〜500kPaに制御することを含んでいる
ことを特徴としている。前記空気噴出管内における圧縮
空気の圧力変動を検出するには、前記空気噴出管内の圧
力を所定の圧力に維持することが肝要である。前記空気
噴出管内の圧力は、5〜500kPaに制御することが
好ましく、5〜100kPaに制御することが特に望ま
しい。繊維トウ欠陥部に対する検出感度を考慮した場合
には10kPa程度が特に有効である。
【0020】前記空気噴出管内の圧力の上記許容範囲
(変動圧力下限域)の値は予め設定されている。前記空
気噴出管内の変動圧力が予め設定された前記圧力の下限
域の値を逸脱したか否かが常時監視される。その変動圧
力の下限域は、検出対象とする繊維トウの太さや構成本
数などにより任意に設定することができる。前記空気噴
出管内における圧縮空気の圧力変動を精度良く検出する
には、前記空気噴出管内の正常な変動圧力値に対して、
前記変動圧力下限域を2kPa程度低い値に設定するこ
とが特に有効である。
【0021】請求項9に係る発明は長尺シート状物の欠
陥部検出装置にあり、長尺シート状物の欠陥部検出装置
であって、圧縮空気供給源と、同圧縮空気供給源に接続
され、長尺シート状物の少なくとも全幅にわたって開口
する空気噴出開口を有する空気噴出管と、同空気噴出管
内の圧力を検出する圧力センサーと、同圧力センサーか
らの検出信号に基づいて、前記繊維トウの欠陥の有無を
判断する判断部とを備えてなることを特徴としている。
【0022】本発明の長尺シート状物の上記欠陥部検出
方法は、長尺シート状物の欠陥部を検出する本発明の代
表的な装置を使って効果的に実施される。その代表的な
装置が、請求項9に係る発明であり、走行する繊維トウ
の少なくとも全幅にわたって開口する空気噴出開口を有
する空気噴出管に、所要の圧力をもつ圧縮空気供給源を
接続するという簡単な構造を採用する。前記空気噴出管
内の圧力は圧力センサーにより検出され、同圧力センサ
ーからの検出信号に基づいて、制御部に配された判断部
により繊維トウの欠陥部の有無を判断する。
【0023】所要の幅に拡幅された繊維トウを前記空気
噴出管の空気噴出開口に沿って連続的に走行させる間
に、前記空気噴出管内の変動圧力を圧力センサーで連続
して検出し、その変動圧力と予め設定された変動圧力の
下限域とを比較する。繊維トウの走行中に、前記空気噴
出管内の変動圧力と予め設定された変動圧力下限域とを
比較したとき、得られた比較値が予め設定された変動圧
力の下限域外の圧力値まで低下した場合には、繊維トウ
には何らかの欠陥の発生があると判断される。
【0024】上記構成によれば、単一の前記空気噴出管
に前記圧縮空気供給源を接続すると共に、前記空気噴出
管内の圧力を検出する単一の圧力センサーを接続するこ
とにより、所要の幅に拡幅された走行中の繊維トウの異
常が検出される。このため、従来の上記各公報に開示さ
れた技術を所要の幅に拡幅された走行中の繊維トウの欠
陥部検出に適用した場合と較べると、欠陥部検出装置の
構造が簡単となり、実用的であり、且つ廉価な欠陥部検
出装置が得られると共に、その製造費をも高騰させるこ
となく経済的な効果が顕著に得られる。更に、幅の広い
製品の製造に容易に適用することができる。また、欠陥
部検出装置の構造が簡単であるため、メンテナンスが容
易である。
【0025】本発明にあっては、前述のごとく、所要の
幅に拡幅された走行中の広幅繊維トウの欠陥部を検出す
ることができるばかりでなく、請求項10に係る発明の
ごとく、所要の枚数に所要の間隔をもって分割された状
態で走行する繊維トウを常時監視することもできる。勿
論、並列して走行する複数枚の細幅繊維トウを、走行の
途中で合流させて広幅の繊維トウとする場合にも、並列
して走行する複数枚の細幅繊維トウごとに欠陥部を検出
することもできる。
【0026】請求項10に係る発明は、前記空気噴出管
が、所要の枚数で所要の間隔をもって並列して走行する
長尺シート状物の走行路ごとに空気を独立して噴出可能
に構成され、それぞれに圧力センサーを有してなること
を特徴としている。
【0027】この発明は、各繊維トウの複数に並列する
走行路のうち、単一の走行路に対して独立して開口する
空気噴出開口を有する空気噴出管を、繊維トウの走行路
に配している。かかる構成によれば、走行中の細幅の繊
維トウの異常が個別に検出できる。また、前記空気噴出
管は、細幅の繊維トウごとに独立して配することもでき
るが、内部を隔壁により区画した複数の空気噴出室をも
つ単一の空気噴出管を繊維トウの走行路の全幅にわたり
配することもできる。そして、各空気噴出管又は空気噴
出室ごとに、前記圧縮空気供給源及び圧力センサーを接
続することにより、走行中の繊維トウの異常が個別に検
出できる。同圧力センサーからの検出信号に基づいて制
御部に配された判断部により、走行中の各繊維トウごと
にその欠陥部の有無を個別に判断する。
【0028】また、走行中の繊維トウのピッチ間隔、本
数や外径等に応じて前記空気噴出管の配置位置、設置方
法及び構造等を適宜に設定することにより、空気噴出
管、圧縮空気供給源及び圧力センサー等の付帯設備を削
減できると共に、その付設空間を減縮することができ
る。
【0029】請求項11に係る発明は、長尺シート状物
の走行路に交差して配される前記空気噴出管の前後に配
され、同空気噴出管の前記空気噴出開口に、走行中の前
記繊維トウを誘導案内する案内部材を備えていることを
特徴としている。
【0030】前記空気噴出管は繊維トウの走行路に交差
させて配されており、好適には同空気噴出管の前後に高
低差をもって案内部材が並列に配される。この案内部材
は、円形断面のパイプ、中実体からなるバー、又はロー
ラなどを使用することができる。
【0031】走行中の全ての繊維トウは、例えば高位の
案内バーの上を跨いだのち、その案内バーの低位に配さ
れた次位の空気噴出管の下を潜り、同空気噴出管の高位
置に配された次位の案内バーの上を跨ぐようにして互い
違いに順次巻き掛けられる。前記案内バーを設置するこ
とにより、前記空気噴出管の空気噴出口を確実に塞ぐよ
うにして繊維トウを案内走行させることができる。更に
は、前記案内バーの設置高さを調整することにより、前
記空気噴出管の空気噴出開口に対する繊維トウの接触圧
力を調整することができるようになる。その結果、繊維
トウの切れ、擦過傷、破損等を確実に防止することがで
きる。また、前記空気噴出管と各案内部材との間のピッ
チ間隔、本数や外径等を設定すれば、最適な走行が容易
に得られる。
【0032】請求項12に係る発明は、前記空気噴出管
が、空気導入部と圧力センサー接続部とを有しており、
前記空気導入部は配管を介して前記圧縮空気供給源が接
続されると共に、前記圧力センサー接続部は配管を介し
て前記圧力センサーが接続されていることを特徴として
いる。
【0033】前記空気噴出管は、例えば圧縮空気の空気
導入口及び圧力センサー接続口の双方を繊維トウの走行
路から外れた端部に有すると共に、繊維トウの走行路の
幅方向にわたり開口するスリット状又はノズル状の空気
噴出開口を有する中空筒体から構成される。前記空気噴
出管の内部には、前記空気導入口に接続される配管を介
して前記圧縮空気供給源から圧縮空気が送り込まれる。
前記圧力センサー接続口は、圧力センサーに繋がるダイ
アフラムにより封止されている。このため、前記空気噴
出管の空気排出口は前記空気噴出開口のみに制限され
る。同空気噴出開口には、走行中の繊維トウが接触して
いるため、前記空気噴出管内からの空気漏れが抑制され
る。
【0034】前記空気噴出管の材質として、耐摩耗性に
優れた金属材、例えばステンレスやチタンなどを使用す
ることができる。また、前記空気導入口に接続される配
管及び前記圧力センサー接続口に接続される配管とし
て、可撓性をもつプラスチック製パイプやチューブなど
が使用できる。このため、前記空気噴出管の設置位置の
自由度が大きくなる。前記圧力センサーは、前記配管を
介して前記空気噴出管から分離すると共に、前記配管の
長さ分だけ離れた場所に配することができるようにな
り、設置位置、設置方法に特別な制約を受けることはな
い。
【0035】圧力センサーによる圧力変動の検出は、圧
力センサー接続口に配されたダイアフラムに作用する前
記空気噴出管内の圧力変動が、同ダイアフラムを介して
電気量に変換されて圧力センサーに伝えられる。このと
き常に、前記空気噴出管の空気噴出口から噴出する空気
量に平衡する量の空気が圧縮空気供給源から空気噴出管
へと空気導入口を介して供給されている。
【0036】請求項13に係る発明は、前記空気噴出管
の空気噴出開口は長尺シート状物走行方向の開口幅が
0.5〜5.0mmに設定されていることを特徴として
いる。前記空気噴出開口は、走行する繊維トウの幅方向
に細長いスリット孔、又は多角形、楕円又は円形等の形
状の小孔を使用できる。また、前記空気噴出開口は、複
数の小孔を前記繊維トウの幅方向にわたって一列に配列
したり、或いはジグザグ状に配列できる。この空気噴出
開口の寸法は特に限定されるものではないが、繊維トウ
の走行方向開口幅は、0.5〜5.0mmが好ましく、
1.0〜2.0mmが特に有効である。良好な欠陥部検
出精度を効果的に得ることができる。
【0037】請求項14に係る発明は、前記空気噴出開
口の周縁部が、外方に向けて突出する長尺シート状物摺
接面を有していることを特徴としている。走行する繊維
トウの構成糸が細く且つ薄い糸であったり、或いは前記
空気噴出管との接触により繊維トウの切れ、擦過傷、損
傷等を受けやすい場合がある。このため、前記空気噴出
管と走行中の繊維トウの走行面との間の接触抵抗を減ら
すことが肝要である。この発明は、前記空気噴出管の空
気噴出開口の周縁部を突状に膨出した摺接面形状に形成
し、その空気噴出開口の繊維トウ摺接面に沿って繊維ト
ウを走行させる。
【0038】上記構成により、走行中の繊維トウを小さ
な接触圧力で円滑に走行させることができると共に、摩
擦抵抗を低く抑えることができるようになり、走行中の
繊維トウの欠陥部を確実に検出することができる。
【0039】請求項15に係る発明は、前記空気噴出開
口が、走行する長尺シート状物を振分けする複数の振分
けガイド片により分割されていることを特徴としてい
る。上記構成により、走行する広幅の繊維トウは、各振
分けガイド片の範囲内を錘ごとに円滑に振り分けられる
ようになり、各振分けガイド片の間を均等に分散されて
通過する。前記繊維トウは振分けガイド片を通して一定
の幅寸法に制御され、製品化のための次工程に回され
る。
【0040】走行中の広幅の繊維トウを所要数の錘に錘
分けすることができるため、隣接して走行する繊維トウ
間で、単繊維が互いに乱入し合うことを防止することが
できる。単繊維の乱入による紡糸性の悪化を防止するこ
とができると共に、紡糸機の後工程において、繊維トウ
の錘分けを容易に行うことができるようになり、偏平状
に且つ均一に所望の製品幅が得られる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明
の代表的な第1実施形態である繊維トウの欠陥部検出装
置の一例を概略的に示す概略構成図、図2は同欠陥部検
出装置に複数本の繊維トウが走行していく状態を説明す
るための説明図、図3は同欠陥部検出装置に適用される
空気噴出管の一例を概略的に示す正面図、図4は同空気
噴出管の側面図であり、図5は同空気噴出管の下面図で
ある。本発明にあっては、走行する広幅の一枚の長尺シ
ート状物、或いは所要の枚数が所要の間隔をもって並列
されて走行する細幅の長尺シート状物の欠陥部を検出す
ることができる。
【0042】なお、本実施形態では、複数の紡糸ノズル
を備えた紡糸機から紡糸された多数本の繊維トウを並べ
て拡幅した繊維シートを製造するときに適用される繊維
シートの欠陥部検出方法及びその検出装置を例に挙げて
いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例え
ばプリプレグ用織物の製造、又は炭素繊維を焼成する際
の前駆体繊維、不織布、樹脂フィルム又は紙等からなる
長尺シート状物の欠陥部検出方法及び欠陥部検出装置に
も効果的に使用できる。
【0043】図1及び図2において、符号1は第1実施
形態である複数本の繊維トウTをまとめて拡幅した一枚
の広幅繊維シートSの欠陥部検出装置を示している。同
欠陥部検出装置1の基本的な構成は、所要の圧力をもつ
圧縮空気を導入する圧縮空気供給源2と、同圧縮空気供
給源2に接続された空気噴出管3と、同空気噴出管3内
の圧力を検出する圧力センサー4と、同圧力センサー4
からの検出信号に基づいて走行中の繊維シートSの欠陥
部の有無を判断する制御部5とを備えている。前記空気
噴出管3は、図3に示すように、繊維シートSの幅方向
に細長い中空円筒部材により構成されており、繊維シー
トSの全幅にわたって開口する細長いスリット状をなす
空気噴出開口3aを有している。
【0044】本発明の特徴とするところは、所要の幅に
拡幅された走行中の長尺シート状物又は所要の枚数に所
要の間隔をもって分割された走行中の長尺シート状物を
前記空気噴出管3の空気噴出開口3aに近接して連続的
に走行させているとき、同空気噴出管3内における圧縮
空気の圧力の挙動を常に監視することにより、走行中の
長尺シート状物の様々な異常を即座に判別することにあ
る。
【0045】この第1実施形態にあっては、前記空気噴
出開口3aから繊維シートSを介して外部へ漏れる圧縮
空気の空気流出量に基づいて、前記空気噴出管3内にお
ける圧縮空気の変動圧力の挙動を継続的に検出し、予め
設定された定常状態にあるときの予め設定された圧力変
動と前記空気噴出管3内における圧縮空気の変動とが継
続的に比較される。その比較値が予め設定された値の許
容範囲(変動圧力下限域)を越えたとき、繊維シートS
の正常な製造を阻害する異常があると判断される。
【0046】この第1実施形態の欠陥部検出装置1によ
れば、図1による長尺棒材からなるバー6及び空気噴出
管3は、繊維シートSの走行路に直交して一平面上に平
行に並設されている。図1による支持部材7に所定のピ
ッチをおいて前記バー6及び空気噴出管3の両端部が、
それぞれ図示せぬ取付金具を介して固設支持されてい
る。
【0047】図示せぬ凝固浴中の紡糸ノズルから押し出
された数万〜数十万本の単繊維で構成される繊維シート
Sは、同じく図示を省略した駆動ローラーにより把持及
び延伸され、前記バー6により洗浄水を絞られながら繊
維シートSの走行路を走行する。この製造工程では、前
記駆動ローラーによる延伸や前記バー6による絞りによ
り単繊維の切れなどを受けやすく、前記駆動ローラへの
巻付き、繊維シートSの破断、擦過傷、破損等が発生し
やすい。
【0048】第1実施形態によれば、繊維シートSの擦
過傷、破損等を防止すべく案内バー8が繊維シートSの
走行路に直交して前記空気噴出管3の前後に高低差をも
って並んでいる。この案内バー8は、走行中の繊維シー
トSを前記空気噴出管3の空気噴出開口3aに誘導案内
する長尺棒材からなる案内部材であり、本発明の特徴部
の一部を構成している。前後一対の案内バー8は一平面
上に平行に配されており、前記支持部材7に所定のピッ
チをおいて案内バー8の両端部が図示せぬ取付金具を介
して固設支持されている。
【0049】図示例によれば、前記バー6及び案内バー
8は、前記空気噴出管3の外径よりも細い円形断面を有
する長尺の中実体からなり、同じ外径を有している。第
1実施形態では、前記バー6及び案内バー8は円形断面
を有する中実体をなしているが、円形断面の長尺のパイ
プ又はローラなどを使用することができる。繊維シート
Sを損傷しない形状であれば、例えば断面が多角形をな
すバー6及び案内バー8を使用することができ、他の断
面形状を有するバー6及び案内バー8を採用してもよ
い。また、本実施形態では、前記空気噴出管3、前記バ
ー6及び前記案内バー8は、繊維シートSの走行路に直
交して配されているが、繊維シートSに対して斜めに交
差して配してもよい。
【0050】この第1実施形態にあっては、図示せぬ多
数の紡糸ノズルから同一平面上に押し出された走行中の
繊維シートSは、図1に示すように、所定の張力下で高
位の前記バー6の下を潜り、そのバー6の低位に配され
た次位の案内バー8の上を跨いだのち、同案内バー8の
高位に配された次位の前記空気噴出管3の空気噴出開口
3aに接触して潜り、同空気噴出管3の高位置に配され
た次位の案内バー8の上を跨ぐようにして交互に互い違
いに且つ均一に順次巻き掛けられている。巻き掛けられ
た繊維シートSは、前記案内バー8及び空気噴出管3の
間を上下から挟み込むようにして押し付けられる。
【0051】前記空気噴出管3と案内バー8との間のピ
ッチ間隔、設定部位、本数や外径等を設定することによ
り、繊維シートSの破断、擦過傷、破損等を生じること
なく繊維シートSを円滑に走行させることができる。ま
た、前記支持部材7に案内バー8の両端部を調整可能に
固設支持することにより前記空気噴出開口3aに対する
繊維シートSの接触圧力を調整する調整部材として機能
させることができる。
【0052】前記空気噴出管3は本発明の特徴部の一部
を構成している。第1実施形態にあっては、前記空気噴
出管3は直径35〜50mm程度の中空円筒部材からな
っている。同空気噴出管3の材質として、耐摩耗性に優
れた金属材、例えばステンレスやチタンなどを使用する
ことができる。前記空気噴出管3には、図4及び図5に
示すように、細長いスリット状をなす空気噴出開口3a
が繊維シートSとの接触面の幅方向にわたって直線的に
形成されており、この空気噴出開口3aにおける繊維シ
ート走行方向の開口幅が約0.5〜5.0mmに設定さ
れる。好ましくは約1.0〜2.0mmが特に有効であ
る。前記空気噴出開口3aの繊維シートSの幅方向長さ
は、走行する繊維シートSの幅と略同一寸法が好ましく
約600〜900mm程度に設定される。
【0053】図示例によれば、前記空気噴出開口3aで
ある細長いスリット孔3aを前記空気噴出管3の長手方
向にわたって直線的に形成しているが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えば多角形、楕円又は円形
等をなした小孔を使用することができる。また、前記空
気噴出開口3aは、複数の小孔を走行する繊維シートS
の幅方向にわたって一列に配列したり、或いはジグザグ
状に配列できる。また、前記空気噴出管3の表面処理と
して、バフ150〜300番程度のバフ加工による表面
仕上げを施すことが好ましい。
【0054】前記空気噴出管3の空気噴出開口3aとは
反対側の外周端末部には、図3に示すように、円筒状を
なす空気導入口3bと圧力センサー接続口3cとが並列
して形成されている。前記空気導入口3bには、配管で
ある第1チューブ9を介して前記圧縮空気供給源2が接
続されており、前記空気噴出管3の内部には、前記第1
チューブ9を介して圧縮空気供給源2からの圧縮空気が
導入されるようになっている。一方、前記圧力センサー
接続口3cは、配管である第2チューブ10を介して前
記圧力センサー4に接続されると共に、同圧力センサー
4により封止されている。同圧力センサー4は、例えば
前記空気噴出管3の圧力変動により発生するダイアフラ
ムのたわみをひずみゲージ等により抵抗変化として検出
するものなどが効果的に使用できる。
【0055】前記配管には、可撓性を有するプラスチッ
ク製パイプやチューブなどが効果的に使用できるため、
前記空気噴出管3の設置位置の自由度が得られる。ま
た、前記圧力センサー4は、前記第2チューブ10を介
して前記空気噴出管3から分離すると共に、前記第2チ
ューブ10の長さ分だけ離れた場所に配することができ
る。また、前記空気噴出管3の付近に設置される紡糸溶
媒、洗浄水、油剤等の影響を受けることなく前記圧力セ
ンサー4を十分に保護できるようになり、その検出精度
が阻害されることはない。
【0056】前記圧力センサー4は、本発明の特徴部の
一部を構成する制御部5に電気的に接続されている。こ
の制御部5は、CPU、ROM、RAM等を有するマイ
クロコンピュータにより構成される。同制御部5には、
正常な状態で前記空気噴出管3の空気噴出開口3aに前
記繊維シートSの走行面を近接して連続走行させたとき
の前記空気噴出管3内における圧縮空気の圧力変動が予
め記憶されている。
【0057】第1実施形態では、前記繊維シートSの走
行時に発生する空気噴出管3内における圧縮空気の圧力
変動を継続的に常に監視している。検出された圧縮空気
の変動圧力は前記制御部5に読込まれる。前記制御部5
の比較部では、検出された圧縮空気の圧力変動と前記空
気噴出管3内に導入される圧縮空気に従って予め設定さ
れた圧力変動とが継続的に比較される。得られた比較値
が予め設定された許容範囲(変動圧力領域)から逸脱し
たか否かを前記制御部5の判断部で判断する。同判断部
では、繊維シートSの正常な製造を阻害する異常がある
と判断すると、その指令が所要の信号に変換されたの
ち、図示せぬモニター、ブザーやランプなどの警報表示
装置へと出力される。
【0058】以上のごとく構成された本発明の繊維シー
トSの欠陥部検出装置1は、圧縮空気供給源2からの圧
縮空気を前記空気噴出管3の空気噴出開口3aを介して
走行中の繊維シートSの全幅にわたって吹き付ける中空
円筒部材を使用している。このため、構造が簡単とな
り、製作費を低く抑えることができると共に、メンテナ
ンスが容易となる。更に、空気を媒体として糸切れなど
を検出するため、被検出物である繊維シートSの走行路
付近に存在する紡糸溶媒、洗浄水、油剤などに阻害され
ることなく、繊維シートSの欠陥部検出を安定して精度
良く行うことができる。
【0059】図6は、前記空気噴出管3における空気噴
出開口3aの変形例を示している。紡糸機による製造工
程において、欠陥部の検出対象とする走行中の繊維シー
トSの構成糸が細く且つ薄い糸であり、或いは前記空気
噴出管3との間の押圧力により繊維シートSの切れ、擦
過傷、損傷等を受けやすい場合がある。
【0060】図示例にあっては、前記空気噴出管3と走
行中の繊維シートSの走行面との間の接触抵抗をさらに
減らすべく、前記空気噴出管3の空気噴出開口3aの周
縁部には、外方に向けて突出する繊維トウ摺接部11が
形成されている。この繊維トウ摺接部11の先端部に
は、繊維シートSを摺接して走行させる繊維トウ摺接面
11aが形成されている。同繊維トウ摺接面11aの長
手方向両側端縁には滑らかな円弧面に面取りが施されて
いる。かかる構成によれば、図3による空気噴出管3と
較べると、走行中の繊維シートSを小さな接触圧力で円
滑に走行させることができるようになり、摩擦抵抗を低
く抑えることができる。
【0061】更に、図7〜図9は前記空気噴出管の他の
実施形態を示している。図7は空気噴出管の正面を概略
的に示し、図8は同空気噴出管の側面を示しており、図
9は同空気噴出管の下面を示している。この実施形態で
は、細長いスリット状をなす空気噴出開口3aを、走行
する広幅の繊維トウTを錘ごとに振り分ける複数の振分
けガイド片12により分割している。なお、図7〜図9
において上記第1実施形態と実質的に同じ部材には同一
の部材名と符号を付している。
【0062】これらの図において、空気噴出管3は長尺
の中空円筒部材からなる。同空気噴出管3には、その長
手方向にわたって前記空気噴出開口3aを構成する繊維
トウ摺接用の繊維トウ摺接部11が延設されている。こ
の繊維トウ摺接部11の繊維トウ摺接面11aには、前
記空気噴出開口3aの横断方向に延び、且つ空気噴出管
3の長手方向にわたって所定の間隔をもって分割する所
要数の振分けガイド片12,…,12が突設されてい
る。同振分けガイド片12は、隣接して走行する繊維ト
ウTを互いに接触させることなく振り分ける。
【0063】図示例の各振分けガイド片12は、約10
0〜120mm程度の間隔に設定される。各振分けガイ
ド片12と繊維トウ摺接部11との間は、所要の曲率を
もつ円弧面に形成された面取りを施すと共に、繊維トウ
摺接面11aにはバフ加工による表面処理(バフ150
〜300番程度) を施している。各振分けガイド片12
の間を多数本の繊維トウTが均等に分散されて通過す
る。繊維トウTは前記振分けガイド片12を介して一定
の幅寸法に制御され、製品化のための次工程に回され
る。
【0064】この振分けガイド片12は、前述のごとく
拡幅された広幅の繊維シートSを走行途中で分割させて
複数本の細幅の繊維トウTとする場合とは逆に、例えば
所要の数で所要の間隔をもって並列して走行する細幅の
繊維トウTを走行途中で合流させて広幅の繊維トウTと
する場合にも適用することができ、各振分けガイド片1
2の存在によって、隣接して走行する細幅の繊維トウT
の各合流位置へと円滑に案内でき、隣接して走行する細
幅の繊維トウT同士が重なり合ったり、あるいはそれら
の繊維トウTの間で単繊維が互いに絡合し合うことが防
止される。そのため、工程の安定性が得られるばかりで
なく、偏平で且つ均一な厚さを有する所望の製品幅を得
ることができる。
【0065】上記第1実施形態では、図2に示すごとく
複数の紡糸ノズルを備えた紡糸機から紡糸された多数本
の繊維トウTを並べて拡幅した一枚の繊維シートSを製
造するときに適用される装置の一例を挙げて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に
あっては、更に製造工程中において走行中の広幅のフィ
ルム又は不織布等のごとき長尺で広幅のシート状物を所
定の幅をもって所要の枚数に切断したのち、走行中の複
数枚の細幅のシート状物ごとに、それぞれ独立して欠陥
部を検出することもあり得る。このように広幅シート状
物から得られる複数枚の細幅のシート状物は、例えば以
降の工程で所望の幅をもつ一本のテープ又は糸条などに
加工され製品化される。前述のごとく、細幅のシート状
物の欠陥部を個別に検出する場合には、最終製品の高品
質が保証される。
【0066】以下に、図10〜図12を参照して複数枚
の細幅をなす長尺のシート状物の欠陥部を独立して検出
する欠陥部検出装置の第2〜第4実施形態を説明する。
図10〜図12は4枚の細幅長尺のシート状物F1〜F
4の欠陥部検出装置の構造例を概略的に示している。な
お、これらの図において、上記実施形態と実質的に同じ
部材には同一の部材名と符号とを付している。従って、
これらの部材に関する詳細な説明は省略する。
【0067】図10において、符号1は長尺の複数枚の
細幅シート状物の異常を独立して検出する欠陥部検出装
置の第2実施形態を示している。図示による欠陥部検出
装置1は、走行する広幅のフィルム又は不織布等の単一
の長尺シート状物Sを同一幅をもって4枚の第1〜第4
細幅シート状物F1〜F4に切断する切断部13をシー
ト状物Sの走行路に直交して配している。図示例によれ
ば、前記切断部13は、走行中の広幅シート状物Sの幅
方向にわたって同一平面上を同一間隔に並設された3つ
の回転刃13a,…,13aを備えている。
【0068】前記切断部13が配されたシート状物走行
路の下流側には、並列して走行する4枚のシート状物F
1〜F4の欠陥部を個別に検出すべく中空円筒部材から
なる第1〜第4の空気噴出管3−1〜3−4が各シート
状物F1〜F4の走行路に直交して一平面上に平行に並
設されている。前記空気噴出管3−1〜3−4には、隣
接して走行するシート状物F1〜F4を互いに接触させ
ることなく均等に振り分けて通過すべく、図7に示すご
とき振分けガイド片12が下方に突設されている。各空
気噴出管3−1〜3−4の前後には、中実体からなる5
本の案内バー8,…,8が各空気噴出管3−1〜3−4
と高低差をもって一平面上に平行に並設されている。前
記切断部13、空気噴出管3−1〜3−4及び案内バー
8は、上記実施形態と同様に支持部材等を介して図示せ
ぬフレーム等に固設されている。
【0069】前記切断部13により均等に切断されたの
ち、所定の間隔をもって走行する細幅の各シート状物F
1〜F4は、所定の張力下で低位の各案内バー8の上を
跨ぎ、各案内バー8の高位置に配された各第1〜第4空
気噴出管3−1〜3−4の空気噴出開口3aに接触させ
て、その下を潜るようにして交互に互い違いに且つ均一
に順次巻き掛けられて案内される。図示例における前記
第1空気噴出管3−1には、第1シート状物F1の摺接
面に接触する細長いスリット状の空気噴出開口3aが形
成され、前記第2〜第4空気噴出管3−2〜3−4に
は、前記第2〜第4シート状物F2〜F4の摺接面にそ
れぞれ接触する細長いスリット状の空気噴出開口3aが
形成されている。
【0070】この第2の実施形態によれば、各空気噴出
管3−1〜3−4には、それぞれ図3に示す空気導入口
と圧力センサー接続口とが並列して設けられている。こ
れらの空気導入口及び圧力センサー接続口には、それぞ
れ圧縮空気を導入する圧縮空気供給源2と、管内の圧力
を検出する圧力センサー4とが接続される。各圧力セン
サー4は、更に制御部5と電気的に接続されており、各
圧力センサー4からの検出信号に基づき走行中のシート
状物F1〜F4のそれぞれの欠陥部の有無を判断し、機
械を停止するととともに欠陥部が検出されたシート状物
F1〜F4を特定してランプ等を点滅させて警報する警
報装置等を作動させる。
【0071】かかる構成により、走行中のシート状物F
1〜F4を前記各空気噴出管3−1〜3−4の空気噴出
開口3aに接触して連続的に走行させているとき、同空
気噴出管3内における圧縮空気の圧力の挙動を常に独立
して監視することができ、走行中のシート状物F1〜F
4ごとに、孔開きや部分的な裂断等の様々な異常を即座
に判別することができる。
【0072】図11は走行する複数枚の細幅シート状物
の異常を独立して検出する欠陥部検出装置1の第3実施
形態を示している。図11に示す細幅長尺のシート状物
は、上記第2実施形態と同様に、走行する広幅のフィル
ム又は不織布等の単一の長尺シート状物を同一幅をもっ
て4枚に切断した第1〜第4のシート状物F1〜F4を
示している。
【0073】図示による欠陥部検出装置1は、前後一対
の第1及び第2空気噴出管3−1,3−2により第1〜
第4の4枚のシート状物F1〜F4の欠陥部を個別に検
出すべく、2本の空気噴出管3−1,3−2が一平面上
に平行に並設されると共に、中実体からなる3本の案内
バー8,…,8が各空気噴出管3−1,3−2の前後に
各空気噴出管3−1,3−2と高低差をもって一平面上
に平行に並設されている。図示せぬ前記切断部、前記空
気噴出管3−1,3−2及び案内バー8は同じく図示を
省略した上記支持部材等を介してフレーム等に固設され
ている。
【0074】図示例にあっては、第1及び第2の空気噴
出管3−1,3−2には、その内部の中央に設けられ隔
壁を挟んで第1及び第2空気噴出室3d−1,3d−2
に区画されている。前記第1空気噴出管3−1の第1空
気噴出室3d−1には、前記第1シート状物F1の摺接
面に対応して接触する空気噴出開口3aが形成されてい
る。前記第1空気噴出管3−1の第2空気噴出室3d−
2には、前記第4シート状物F4の摺接面に対応して接
触する空気噴出開口3aが形成されている。一方、前記
第2空気噴出管3−2の第1空気噴出室3d−1には、
前記第2シート状物F2の摺接面に対応して接触する空
気噴出開口3aが形成されると共に、前記第2空気噴出
管3−2の第2空気噴出室3d−2には、前記第3シー
ト状物F3の摺接面に対応して接触する空気噴出開口3
aが形成されている。
【0075】この第3の実施形態にあっても、各空気噴
出管3−1,3−2の空気噴出室3d−1,3d−2に
は、上記第2実施形態と同様に、圧縮空気供給源2及び
圧力センサー4が接続されており、各圧力センサー4に
は図示せぬ制御部が電気的に接続されている。更に、各
空気噴出管3−1,3−2には振分けガイド片12が下
方に突設されており、隣接して走行するシート状物F1
〜F4を互いに接触させることなく均等に振り分けて通
過するようにしている。
【0076】かかる構成によれば、上記第2実施形態と
比べると、空気噴出管、圧縮空気供給源及び圧力センサ
ーなどの付帯設備を削減できるようになり、その付設空
間を減縮することができる。このため、制御や管理を容
易に行うことができる。なお、各空気噴出管3−1,3
−2における空気噴出開口3aの設置位置は、上記第3
実施形態に限定されるものではなく、各シート状物F1
〜F4の摺接面に対して適宜に設定することができるこ
とは勿論である。
【0077】また、上記第3実施形態では、単一の前記
空気噴出管にその内部を区画する隔壁を挟んで一対の空
気噴出室3d−1,3d−2を形成することにより、各
シート状物F1〜F4のうち1つのシート摺接面に対応
して前記空気噴出室3d−1,3d−2に単独に連通す
る空気噴出開口3a,3aを形成しているが、本発明は
これに限定されるものではない。本発明にあっては、例
えば単一の空気噴出管により多数枚のシート状物の欠陥
部を独立して検出すべく、空気噴出管の内部を各シート
状物に対応して区画した隔壁を挟んで複数の空気噴出室
を形成することにより、各空気噴出室に圧縮空気供給源
及び圧力センサーをそれぞれ接続することもできる。
【0078】更に、本発明によれば、図12に示すよう
に製造工程中に走行する多数枚のシート状物の走行路ご
とに空気噴出管を独立して配することもできる。図12
は本発明の第4実施形態であるシート状物の欠陥部検出
装置1を示しており、複数枚の細幅シート状物の走行路
ごとに、空気噴出管をそれぞれ独立して配している。こ
の第4実施形態にあっても、上記第2及び第3実施形態
と同様に、図示を省略した切断部を備えていても、或い
は備えていなくても良い。図示による欠陥部検出装置1
は、第1〜第4空気噴出管3−1〜3−4をシート状物
F1〜F4の幅方向に向けてジグザグ状に配している。
なお、走行する第1〜第4シート状物F1〜F4に対し
て斜めに交差して配列することもできる。
【0079】図示例にあっては、前記第1〜第4空気噴
出管3−1〜3−4は、図示せぬ上記支持部材等を介し
て各シート状物F1〜F4の走行路に直交して一平面上
に平行に固設支持されている。この空気噴出管3−1〜
3−4の前後には、図示せぬ支持部材等を介して2本の
前記案内バー8,8が高低差をもって一平面上に平行に
固設支持されている。前記第1空気噴出管3−1〜3−
4には、それぞれシート状物F1〜F4の幅方向にわた
って開口する細長いスリット状の空気噴出開口3aが形
成されている。前記空気噴出管3−1〜3−4には図7
に示すごとき振分けガイド片12,12が下方に向けて
突設されている。
【0080】この第4の実施形態にあっても、各空気噴
出管3−1〜3−4には、それぞれ図3に示す空気導入
口と圧力センサー接続口とが並列して設けられている。
この空気導入口及び圧力センサー接続口には、圧縮空気
を導入する圧縮空気供給源2と、管内の圧力を検出する
圧力センサー4とが接続されると共に、各圧力センサー
4からの検出信号に基づき走行中のシート状物F1〜F
4の欠陥部の有無を判断する図示せぬ制御部が電気的に
接続されている。
【0081】上記第2〜第4実施形態によれば、走行中
のシート状物F1〜F4の走行路ごとに空気噴出開口3
aを有する空気噴出管3−1〜3−4を適宜に配するこ
とにより、各空気噴出管3−1〜3−4の内圧を各圧力
センサー4にて独立して検出することができるようにな
る。各圧力センサー4からの検出信号は制御部5へと送
られ、同制御部5に配された判断部により、走行中のシ
ート状物F1〜F4ごとにその欠陥部の有無を個別に判
断することができる。なお、走行中のシート状物F1〜
F4のピッチ間隔、本数や外径等に応じて前記空気噴出
管3−1〜3−4の配置位置、設置方法及び構造等を適
宜に設定することができると共に、空気噴出管3−1〜
3−4、圧縮空気供給源2及び圧力センサー4等の付帯
設備を削減でき、その付設空間を減縮することができる
ことは勿論である。
【0082】以下に、図13及び図14を参照して上記
第1実施形態に係る欠陥部検出装置1を使用して、繊維
シートSの欠陥部を検出する方法について説明する。こ
れらの図は、本発明に適用される繊維シートの製造工程
で発生した欠陥部分の圧力変動の波形図の一例を示す。
これらの図において、図中に示す波形は時間tに対する
空気噴出管3内の圧力Pの変化を示している。
【0083】図示せぬ紡糸機の複数の紡糸ノズルから押
し出されてまとめられ、所要の幅に拡幅された繊維シー
トSを、45m/分の速度で連続走行させる。繊維シー
トSの欠陥を検出する際には、始めに圧縮空気供給源2
に接続された空気噴出管3の空気噴出開口3aを繊維シ
ートSの走行方向に交差させるようにして、その走行面
に向けて近接して設置する。空気噴出管3の設置終了
後、圧縮空気供給源2から導入する圧縮空気の圧力を調
整し、前記空気噴出管3内へ導入する導入空気量と、同
空気噴出管3の空気噴出開口3aから流出する空気流出
量とを平衡状態に保持する。前記空気噴出管3内の圧力
をP1(10kPa)に設定する。ここで、前記圧力P
1が変動したときの下限値を圧力PL(8kPa)とし
ている。
【0084】繊維シートSの走行の開始と同時に、走行
する繊維シートSの全幅にわたって前記空気噴出管3内
の圧力変動の検出を開始する。いま、前記繊維シートS
の走行面を前記空気噴出開口3aを覆い塞ぐように接触
して連続的に走行させる。繊維シートSが安定して連続
走行している場合には、前記空気噴出管3内の変動圧力
は正常な製造工程に従った変動圧力の範囲を維持してい
る。
【0085】しかしながら、繊維シートSの走行中にお
いて、前記空気噴出開口3aに接触した走行中の繊維シ
ートSを構成する単繊維の一部が、何らかの原因により
瞬間的に切断し、或いは破損して急激に繊維シートSの
幅が減少したり、切断部分に空隙が生じる場合がある。
或いは、単繊維の一部が漸次切断し、又は破損して繊維
シートSの幅の減少や空隙が次第に大きくなる場合があ
る。本実施形態にあっては、繊維シートSの走行の開始
時点から終了時点までの間にわたり、前記空気噴出管3
内の圧力変動を継続的に検出して繊維シートSの異常や
不良を常に監視している。
【0086】ここで、走行中の繊維シートSを構成する
単繊維の一部が複数束で瞬間的に切断したときの繊維シ
ートSの欠陥部検出方法について、図13を参照して説
明する。安定した正常な状態で繊維シートSが連続走行
しているとき、前記空気噴出管3内の圧力は前記変動圧
力範囲でP1(10kPa)を維持する。図13におい
て、時間t1が経過するまでの間は空気噴出管3内の圧
力はP1を示し、その変動圧力の許容範囲(>PL)に
あることから正常な状態で繊維シートSが走行している
ことを示している。
【0087】時間t1が経過すると、同空気噴出管3a
内の圧力はP1(10kPa)から瞬間的にP2(6k
Pa)まで低下している。すなわち、時間t1の経過後
に、繊維シートSの一部に何らかの欠陥が生じて、前記
空気噴出管3内への導入空気量と前記空気噴出開口3a
からの空気流出量との平衡状態が崩れ、前記空気噴出開
口3aからの空気流出量が急激に増加し、同空気噴出管
3a内の圧力は基準圧P1(10kPa)から下限値P
Lよりも低いP2へと瞬間的に低下する。
【0088】前述の圧力変化は、圧力センサー4により
検出され、その検出信号は制御部5に出力される。前記
制御部5では、圧力変化に応じて変化した圧力P2と前
記空気噴出管3内の圧力P1とを比較する。その比較値
を前記空気噴出管3内に導入される圧縮空気に従って予
め設定された変動圧力下限域の圧力PLと照合して、得
られた比較値が予め設定された変動圧力下限域外の圧力
値まで低下したとき、繊維シートSに異常があると判断
する。その指令を所要の信号に変換したのち、上記警報
表示装置に出力する。
【0089】次に、図14を参照して、走行中の繊維シ
ートSを構成する単繊維の一部が漸次切断するときの繊
維シートSの欠陥部検出方法を説明する。同図からも明
らかなように、時間t1の経過後に、空気噴出管3a内
の基準圧P1(10kPa)から変動圧力下限域の圧力
PLよりも低い圧力P2(6kPa)まで徐々に低下し
ている。すなわち、時間t1から時間t2までの間に、
繊維シートSの一部が順次切断していき、前記空気噴出
管3内への導入空気量と前記空気噴出開口3aからの空
気流出量との平衡状態が次第に崩れ、前記空気噴出開口
3aからの空気流出量が徐々に増加している。そして、
時間t2の経過後に前記空気噴出管3a内の圧力は、下
限値PLよりも低いP2へと低下する。この圧力変化は
圧力センサー4により検出され、その検出信号は制御部
5で処理される。なお、変動圧力領域に対応する圧力P
Lは、糸切れ時の圧力P2の振動幅(P2L〜P2H)
の上限値P2Hよりも高い値に設定しておく必要があ
る。
【0090】本実施形態にあっては、上述のごとく走行
中の繊維シートSを構成する単繊維の切断形態により圧
力変化や時間が異なる場合があっても、前記空気噴出管
3内における圧縮空気の圧力の挙動から現在の繊維シー
トSの状態を連続的に監視して、様々な異常を即座に判
別することができると共に、走行する繊維シートSに対
して常に安定した検出精度を効果的に得ることができ
る。
【0091】なお、上記第2〜第4実施形態に係る欠陥
部検出装置1を使用して、複数枚からなる長尺シートF
1〜F4の欠陥部を個別に検出する場合にも、各長尺シ
ート状物を並列して連続的に走行させ、上記方法により
各長尺シート状物ごとの圧力変動を効果的に検出するこ
とができることは勿論である。また、本発明におけるシ
ート状物は、上述の繊維トウに限るものではなく、他の
同様な長尺なシート状物にも適用が可能であり、更には
上記各実施形態に限定されるものではなく、それらの実
施形態から当業者が容易に変更可能な技術的な範囲をも
当然に包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態である長尺シート状
物の欠陥部検出装置の一例を概略的に示す概略構成図で
ある。
【図2】同欠陥部検出装置に複数本の繊維トウが走行し
ていく状態を説明するための説明図である。
【図3】同欠陥部検出装置における空気噴出管の一例を
概略的に示す正面図である。
【図4】同空気噴出管の側面図である。
【図5】同空気噴出管の下面図である。
【図6】同空気噴出管における空気噴出開口の変形例を
示す図である。
【図7】同空気噴出管の変形例を示す正面図である。
【図8】同空気噴出管の側面図である。
【図9】同空気噴出管の下面図である。
【図10】同欠陥部検出装置の他の実施形態を概略的に
示す概略構成図である。
【図11】同欠陥部検出装置の更に他の実施形態を概略
的に示す概略構成図である。
【図12】同欠陥部検出装置の更に他の実施形態を概略
的に示す概略構成図である。
【図13】繊維トウの欠陥現象の一例を示す波形図であ
る。
【図14】繊維トウの欠陥現象の他の例を示す波形図で
ある。
【符号の説明】
1 欠陥部検出装置 2 圧縮空気供給源 3 空気噴出管 3-1 〜3-4 第1〜第4空気噴出管 3a 空気噴出開口 3b 空気導入口 3c 圧力センサー接続口 3d-1,3d-2 第1及び第2空気噴出室 4 圧力センサー 5 制御部 6 バー 7 支持部材 8 案内バー 9 第1チューブ 10 第2チューブ 11 繊維トウ摺接部 11a 繊維トウ摺接面 12 振分けガイド片 13 切断部 13a 回転刃 F1〜F4 シート状物 S 繊維シート T 繊維トウ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3F104 AA07 JA08 JB01 3F105 AA11 AB13 BA35 CA20 DA64 DB02 DB19 DC19

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺シート状物を連続的に走行させるこ
    と、 走行する長尺シート状物の少なくとも全幅にわたって空
    気噴出開口を有する空気噴出管の前記開口を、前記長尺
    シート状物の走行面に向けて近接して配すること、 前記空気噴出管に所要の圧力をもつ圧縮空気を導入する
    こと、 空気噴出管内の前記圧縮空気に対する圧力変動を検出す
    ること、及び同圧力変動が予め設定された値の範囲を越
    えたとき前記長尺シート状物に欠陥があると判断するこ
    と、を含んでなることを特徴とする長尺シート状物の欠
    陥部検出方法。
  2. 【請求項2】 前記長尺シート状物が複数枚からなり、 それらの長尺シート状物を並列して連続的に走行させる
    こと、及び各長尺シート状物ごとの圧力変動を検出する
    こと、を含んでなることを特徴とする請求項1記載の欠
    陥部検出方法。
  3. 【請求項3】 前記長尺シート状物の走行面が、前記空
    気噴出開口を覆い塞ぐように接触して走行することを含
    んでなることを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥部
    検出方法。
  4. 【請求項4】 前記空気噴出管内の圧力を5〜500k
    Paに制御することを含んでなることを特徴とする請求
    項1又は2記載の欠陥部検出方法。
  5. 【請求項5】 前記シート状物が繊維トウからなる拡幅
    シートであることを特徴とする請求項1又は2記載の欠
    陥部検出方法。
  6. 【請求項6】 前記シート状物がプリプレグ用織物であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥部検出方
    法。
  7. 【請求項7】 前記シート状物が紙又は不織布であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥部検出方法。
  8. 【請求項8】 前記シート状物が合成樹脂シートである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥部検出方
    法。
  9. 【請求項9】 長尺シート状物の欠陥部検出装置であっ
    て、 圧縮空気供給源と、 同圧縮空気供給源に接続され、長尺シート状物の少なく
    とも全幅にわたって開口する空気噴出開口を有する空気
    噴出管と、 同空気噴出管内の圧力を検出する圧力センサーと、 同圧力センサーからの検出信号に基づいて、前記長尺シ
    ート状物の欠陥の有無を判断する判断部と、を備えてな
    ることを特徴とする長尺シート状物の欠陥部検出装置。
  10. 【請求項10】前記空気噴出管は、所要の枚数で所要の
    間隔をもって並列して走行する長尺シート状物の走行路
    ごとに空気を独立して噴出可能に構成され、それぞれに
    圧力センサーを有してなることを特徴とする請求項9記
    載の欠陥部検出装置。
  11. 【請求項11】長尺シート状物の走行路に交差して配さ
    れる前記空気噴出管の前後に配され、同空気噴出管の前
    記空気噴出開口に、走行中の前記長尺シート状物を誘導
    案内する案内部材を備えてなることを特徴とする請求項
    9又は10記載の欠陥部検出装置。
  12. 【請求項12】 前記空気噴出管は、空気導入部と圧力
    センサー接続部とを有しており、前記空気導入部は配管
    を介して前記圧縮空気供給源に接続されると共に、前記
    圧力センサー接続部は配管を介して前記圧力センサーに
    接続されてなることを特徴とする請求項9〜11のいず
    れかに記載の欠陥部検出装置。
  13. 【請求項13】 前記空気噴出管の空気噴出開口は、長
    尺シート状物走行方向の開口幅が0.5〜5.0mmに
    設定されてなることを特徴とする請求項9〜12のいず
    れかに記載の欠陥部検出装置。
  14. 【請求項14】 前記空気噴出開口の周縁部に、外方に
    向けて突出する長尺シート状物摺接面を有してなること
    を特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の欠陥部
    検出装置。
  15. 【請求項15】 前記空気噴出開口が、走行する長尺シ
    ート状物を振分けする複数の振分けガイド片により分割
    されてなることを特徴とする請求項9〜14のいずれか
    に記載の欠陥部検出装置。
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