JP2003327099A - 電動駐車ブレーキ装置 - Google Patents

電動駐車ブレーキ装置

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JP2003327099A
JP2003327099A JP2002136777A JP2002136777A JP2003327099A JP 2003327099 A JP2003327099 A JP 2003327099A JP 2002136777 A JP2002136777 A JP 2002136777A JP 2002136777 A JP2002136777 A JP 2002136777A JP 2003327099 A JP2003327099 A JP 2003327099A
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electric parking
vehicle
brake device
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JP2002136777A
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English (en)
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Yoshihiro Iwakawa
良洋 岩川
Jun Miyagawa
純 宮川
Makoto Taniguchi
谷口  誠
Yutaka Yoshima
豊 吉間
Katsuyuki Takei
且行 武井
Masato Bessho
誠人 別所
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ドライバーに違和感を与えることなく、電動駐
車ブレーキ装置の作動頻度をできるだけ小さくして耐久
性の低下や使い勝手の低下を防止する。 【解決手段】電動駆動機構により車輪ブレーキを作動さ
せる電動駐車ブレーキ装置において、車両の動力源から
の動力に起因して車両を第一の方向に移動させる第一の
移動力よりも、路面の傾斜に起因して車両を第一の方向
と逆の第2方向に移動させる第2の移動力が大きいとき
に車輪ブレーを作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動駆動機構によ
り車輪ブレーキを作動させる電動駐車ブレーキ装置に関
する。 【0002】 【従来の技術】駐車ブレーキ装置を電動モータを用いて
自動的に作動および解除する電動駐車ブレーキ装置は、
例えば、特公平2−39419号公報により公知であ
る。 【0003】このものは、車両が停止し、アクセルペダ
ルが放され、かつブレーキペダルが踏まれたことを条件
として電動駐車ブレーキ装置を自動的に作動させるよう
になっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、緩い上り坂
で車両が停止した場合にシフトポジションがDレンジで
あれば、Dレンジでの前進方向のクリープ力が、重力の
斜面方向の成分に基づく後進方向の移動力に勝るため、
電動駐車ブレーキ装置を特に作動させなくても、ドライ
バーの意思に反して車両が後方にずり下がる虞はない。
同様に、緩い下り坂で車両が停止した場合にシフトポジ
ションがRレンジであれば、Rレンジでの後進方向のク
リープ力が、重力の斜面方向の成分に基づく前進方向の
移動力に勝るため、電動駐車ブレーキ装置を特に作動さ
せなくても、ドライバーの意思に反して車両が前方にず
り下がる虞はない。 【0005】しかしながら上記特公平2−39419号
公報に記載されたものは、車両が停止し、アクセルペダ
ルが放され、かつブレーキペダルが踏まれると一律に電
動駐車ブレーキ装置が作動するため、その作動頻度が高
くなって耐久性が低下する可能性があった。 【0006】また上記特公平2−39419号公報に記
載されたものは、下り坂での停止時にシフトポジション
がDレンジであっても、あるいは上り坂での停止時にシ
フトポジションがRレンジであっても電動駐車ブレーキ
装置が作動するため、ブレーキペダルを緩めながらクリ
ープ力や重力で車両をゆっくりと移動させることができ
ず、使い勝手が悪いという問題があった。 【0007】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、ドライバーに違和感を与えることなく、電動駐車ブ
レーキ装置の作動頻度をできるだけ小さくして耐久性の
低下や使い勝手の低下を防止することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、電動駆動機構
により車輪ブレーキを作動させる電動駐車ブレーキ装置
において、車両の動力源からの動力に起因して車両を第
1の方向に移動させる第1の移動力よりも、路面の傾斜
に起因して車両を前記第1の方向と逆の第2の方向に移
動させる第2の移動力の方が大きいときに車輪ブレーキ
を作動させることを特徴とする電動駐車ブレーキ装置が
提案される。 【0009】上記構成によれば、車両の動力源からの動
力に起因して車両を第1の方向に移動させる第1の移動
力よりも、路面の傾斜に起因して車両を前記第1の方向
と逆の第2の方向に移動させる第2の移動力の方が大き
いときに車輪ブレーキを作動させるので、路面の傾斜に
よってドライバーが車両を移動させようと意図している
方向と逆方向に車両が移動する可能性がある場合だけに
車輪ブレーキが作動し、その反対の場合には車輪ブレー
キが作動することがない。これにより、車両の意図せぬ
方向へのずり下がりを防止してドライバーの違和感を回
避しながら、電動駐車ブレーキ装置の作動頻度を小さく
して耐久性の低下を防止することができる。 【0010】また平地、前進走行レンジでの下り坂、後
進走行レンジでの上り坂では車輪ブレーキが作動しない
ので、ブレーキペダルの踏み込みを緩めながらクリープ
力や重力で滑らかな発進を可能にすることができ、車庫
入れ時や渋滞時のドライバーの負担を軽減することがで
きるだけでなく、動力源からの動力に重力が加わってい
る状態から電動駐車ブレーキ装置が解除されることによ
って生じる、前進走行レンジでの下り坂や後進走行レン
ジでの上り坂における唐突な発進を未然に回避すること
ができる。 【0011】尚、実施例の電動モータ30は本発明の電
動駆動機構に対応する。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 【0013】図1〜図22は本発明の一実施例を示すも
ので、図1は電動駐車ブレーキ装置を備えた車両の全体
平面図、図2は電動駐車ブレーキ装置の制御系のブロッ
ク図、図3は電動駐車ブレーキ装置の一部破断平面図、
図4は図3の4−4線断面図、図5は図4の5−5線断
面図、図6は図4の6−6線断面図、図7は図6の7−
7線断面図、図8は図4に対応する作用説明図、図9は
図7に対応する作用説明図、図10は電動駐車ブレーキ
装置の作用を説明するメインルーチンのフローチャー
ト、図11は自動動作ルーチンのフローチャートの第1
分図、図12は自動動作ルーチンのフローチャートの第
2分図、図13は自動動作ルーチンのフローチャートの
第3分図、図14は自動動作ルーチンのフローチャート
の第4分図、図15は自動作動ルーチンのフローチャー
ト、図16は自動増引ルーチンのフローチャート、図1
7は自動解除1ルーチンのフローチャート、図18は自
動解除2ルーチンのフローチャート、図19は車両が上
り坂にあるときの作用説明図、図20は車両が下り坂に
あるときの作用説明図、図21は自動解除1の作用の一
例を示すタイムチャート、図22は自動解除2の作用の
一例を示すタイムチャートである。 【0014】図1に示すように、車両の左右の後輪W
r,Wrにドラム式の車輪ブレーキ11,11が設けら
れており、運転席の横に配置された電動駐車ブレーキ装
置12が左右のボーデンワイヤー13,13を介して前
記車輪ブレーキ11,11に接続される。各々の車輪ブ
レーキ11はブレーキドラム14と、ブレーキドラム1
4の内周面に接触可能な一対のブレーキシュー15,1
6と、両ブレーキシュー15,16を連結する連結ロッ
ド17と、一方のブレーキシュー15にピン18を介し
て一端を回転自在に支持されたレバー19とを備えてお
り、レバー19の他端に前記ボーデンワイヤー13が接
続される。 【0015】従って、電動駐車ブレーキ装置12に設け
た電動モータ30でボーデンワイヤー13を牽引する
と、レバー19がピン18まわりに図中時計方向に回転
して連結ロッド17に圧縮荷重が作用し、その荷重で他
方のブレーキシュー16が図中左方向に押されてブレー
キドラム14に押し付けられ、かつ連結ロッド17およ
びピン18を介して一方のブレーキシュー15が図中右
方向に押されてブレーキドラム14に押し付けられ、車
輪ブレーキ11が制動力を発生する。逆に、電動モータ
30でボーデンワイヤー13を緩めると、図示せぬリタ
ーンスプリングの弾発力でブレーキシュー15,16が
ブレーキドラム14から離反して車輪ブレーキ11の制
動力が解除される。 【0016】また電動駐車ブレーキ装置12が運転席の
横に配置されているため、乗員による手動の作動操作ま
たは作動解除操作を容易に行うことができ、電動モータ
30あるいはその制御系が故障した場合には、乗員の手
動操作で車輪ブレーキ11に制動力を発生させたり、そ
の制動力を解除させたりすることができる。更に電動駐
車ブレーキ装置12から車輪ブレーキ11,11に延び
るボーデンワイヤー13,13の急激な屈曲を防止して
ブレーキ作動力の伝達ロスを減少させることができる。 【0017】図2に示すように、電動駐車ブレーキ装置
12の作動を制御する電動駐車ブレーキ装置ECU21
は、インターフェース回路22、メインCPU23、フ
ェイルセーフCPU24,電動モータ駆動回路25、電
磁クラッチ駆動回路26およびランプ駆動回路27を備
えており、その電動駐車ブレーキ装置ECU21は電源
系28から給電される。またインターフェース回路22
には、オートモードおよびマニュアルモードを切り換え
るためのモード切換スイッチ29aと、モード切換スイ
ッチ29aの切換状態に関わらず電動駐車ブレーキ装置
12を乗員によるスイッチ操作で作動あるいは作動解除
するための作動・解除スイッチ29bと、電動モータ3
0を流れる電流を検出する電流センサ29cと、後述す
るナット部材31の位置を検出するストロークセンサ2
9dと、自車が乗っている路面の前後方向の傾斜を検出
する傾斜センサ29eと、自車の前後加速度を検出する
前後加速度センサ29fと、前進および後進の車輪速を
検出する車輪速センサ29gと、油圧ブレーキ装置のマ
スタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサ29
hと、ブレーキペダルの操作を検出するブレーキスイッ
チ29iとが接続される。 【0018】また電動駐車ブレーキ装置ECU21のイ
ンターフェース回路22には、燃料噴射装置、オートマ
チックトランスミッション、アンチロックブレーキ装
置、VSAシステム(ビークル・スタビリティ・アシス
ト・システム)等の外部ECU32から、アクセル開
度、シフトポジション、アイドルストップ、ブレーキ制
御信号等の各種信号が入力される。そして電動モータ駆
動回路25は電動モータ30に接続され、電磁クラッチ
駆動回路26は後述する電磁クラッチ33に接続され、
ランプ駆動回路27はブレーキ警告ランプ、作動ラン
プ、モード表示ランプ、ストップランプ等のランプ類3
4に接続される。 【0019】次に、電動駐車ブレーキ装置12の構造を
図3〜図7に基づいて説明する。 【0020】電動駐車ブレーキ装置12の本体部を構成
するハウジング41は、水平に配置される底壁41a
と、底壁41aの前端から起立する前部起立壁41b
と、底壁41aの後端近傍から起立する後部起立壁41
cとを備えており、前部起立壁41bの上面および後部
起立壁41cの上面に上部カバー42の前後端が各々複
数本のボルト43…で固定される。ハウジング41の前
部起立壁41bの前面に、出力軸30aを後ろ向きにし
た前記電動モータ30が複数本のボルト44…で固定さ
れる。 【0021】前部起立壁41bおよび後部起立壁41c
に各々ボールベアリング45,46を介してねじ軸47
が支持されており、このねじ軸47の前端に電動モータ
30の出力軸30aが連結される。ねじ軸47の外周に
多数のボール48…を介して前記ナット部材31が噛み
合っており、これらねじ軸47、ボール48…およびナ
ット部材31によりボールねじ機構49が構成される。
ナット部材31の外周にカラー50が圧入されており、
このカラー50の上面および下面に上下方向に延びる上
部支軸51および下部支軸52が固定される。上部支軸
51の上端に回転自在に支持されたガイドローラ53
が、上部カバー42の下面に前後方向に形成されたガイ
ド溝42aに移動可能に嵌まって回り止めされる。 【0022】ナット部材31の外周を囲むように配置さ
れた断面楕円状のイコライザー54が、上部支軸51お
よび下部支軸52により左右方向に首振り可能に支持さ
れる。前記ボーデンワイヤー13,13はアウターチュ
ーブ13a,13aと、このアウターチューブ13a,
13aに相対移動可能に収納されたインナーケーブル1
3b,13bとから構成されており、アウターチューブ
13a,13aの前端は後部起立壁41cの後面に固定
され、かつインナーケーブル13b,13bの前端は後
部起立壁41cを貫通してイコライザー54の左右両端
部に固定される。 【0023】ねじ軸47に沿うナット部材31の移動量
はねじ軸47の回転数に比例するため、ナット部材31
の移動量を検出する前記ストロークセンサ29dを、例
えばねじ軸47の回転角を検出するロータリエンコーダ
で構成することができる。 【0024】前記電磁クラッチ33は、前部起立壁41
bの後面に4本のボルト61…で固定されたコア62
と、コア62の内部に収納されたコイル63と、ねじ軸
47の前部にキー64で固定されてコア62の後側に位
置するロータ65と、4本のボルト61…に前後動可能
に支持されてロータ65の後面およびボルト61…の頭
部61a…間に配置されたプレート66と、4本のボル
ト61…に前後動可能に支持されてコア62の後面およ
びロータ65の前面間に配置されたアマチュア67とを
備える。上下2本のボルト61,61の各々の外周には
第1コイルばね68および第2コイルばね69が支持さ
れており、コア62の凹部62aおよびアマチュア67
間に配置された第1コイルばね68は、アマチュア67
をロータ65の前面に接触する方向に付勢するととも
に、アマチュア67およびプレート66間に配置された
第2コイルばね69は、アマチュア67およびプレート
66をロータ65の前後面から離反させる方向に付勢す
る。また左右2本のボルト61,61の各々の外周には
第1コイルばね68だけが支持されており、後述する解
除部材72のアーム部71の長孔71aとの干渉を避け
るために第2コイルばね69は支持されていない。 【0025】第1コイルばね68…の付勢力は第2コイ
ルばね69…の付勢力よりも強く設定されており、従っ
てコイル63が消磁しているときに、第1コイルばね6
8…の付勢力によってアマチュア67およびプレート6
6間にロータ65が挟まれてねじ軸47の回転が拘束さ
れる。またコイル63が励磁されると第1コイルばね6
8…の付勢力に抗してアマチュア67がコア62に吸引
され、第2コイルばね69…の付勢力でアマチュア67
およびプレート66がロータ65から離反してねじ軸4
7の回転が許容される。 【0026】左右方向に延びるベース部70と、ベース
部70の両端から上方に延びるアーム部71,71とを
備えてU字状に形成された解除部材72がプレート66
およびアマチュア67の間に配置されており、その左右
のアーム部71,71に形成された上下方向に延びる長
孔71a,71aを前記左右2本のボルト61,61が
貫通することにより、解除部材72は上下方向に移動自
在に案内される。解除部材72の各々のアーム部71の
アマチュア67に対向する側には、上下2個の傾斜面7
1b,71cが形成され、これらの傾斜面71b,71
cに接触可能な上下2個の傾斜面67a,67bがアマ
チュア67に形成される。解除部材72が図6および図
7に示す下降位置にあるとき、解除部材72の傾斜面7
1b,71b;71c,71cはアマチュア67の傾斜
面67a,67a;67b,67bから離れている。 【0027】ハウジング41の底壁41aの後端に設け
たプレーンベアリング73と、ハウジング41の後部起
立壁41cの後端に設けたプレーンベアリング74と
に、回転軸75が上下動自在かつ回転自在に支持され
る。回転軸75の下部にボールベアリング76を介して
支持されたばね座77とハウジング41の底壁41aと
の間にコイルばね78が配置されており、このコイルば
ね78の付勢力で上方に付勢された回転軸75は、その
上部に固定した駆動ベベルギヤ79がハウジング41の
後部起立壁41cの後端に設けたプレーンベアリング7
4の下面に接触する位置に停止する。回転軸75の上端
には、六角レンチ80(図8参照)が挿入される六角孔
75aが軸方向に形成される。 【0028】ハウジング41の底壁41aの中央部に設
けたブラケット41dに、左右方向に延びるピン81を
介してレバー82の中間部が上下に振れるように支持さ
れる。ばね座77の上面に設けたブラケット77aに左
右方向に延びるピン83が固定されており、このピン8
3がレバー82の後端に形成した前後方向に延びる長孔
82aに嵌まっている。またレバー82の前端は、解除
部材72のベース部70に形成した上下方向に延びる長
孔70aに嵌まっている。 【0029】後部起立壁41cを後方に貫通するねじ軸
47の後端に従動ベベルギヤ84が固定される。回転軸
75がコイルばね78の付勢力で上昇した位置にあると
き、回転軸75の駆動ベベルギヤ79およびねじ軸47
の従動ベベルギヤ84は噛み合っていないが、回転軸7
5がコイルばね78の付勢力に抗して下降すると、駆動
ベベルギヤ79および従動ベベルギヤ84は相互に噛み
合うことができる。 【0030】次に、上記構成を備えた本発明の実施例の
作用を説明する。 【0031】電動駐車ブレーキ装置12が作動していな
いとき、ボールねじ機構49のナット部材31は図4に
鎖線で示した後方位置にあり、ナット部材31に支持さ
れたイコライザー54も後方に移動してボーデンワイヤ
ー13,13が緩められている。このとき電磁クラッチ
33のコイル63は励磁されておらず、第1コイルばね
68…の付勢力でアマチュア67およびプレート66間
にロータ65を挟むことにより、ロータ65と一体のね
じ軸47は何らかの外力で妄りに回転しないように拘束
されている。また回転軸75はコイルばね78の付勢力
で上方の第1位置(図4参照)に保持されているため、
駆動ベベルギヤ79および従動ベベルギヤ84の噛み合
いは解除されており、かつ解除部材72は下降した不作
動位置にある(図7参照)。 【0032】この状態から電動駐車ブレーキ装置ECU
21あるいは作動・解除スイッチ29bが電動駐車ブレ
ーキ装置12を作動させるべく指令を出力すると、先ず
電磁クラッチ33のコイル63が励磁してアマチュア6
7がコア62に吸引され、アマチュア67およびプレー
ト66がロータ65から離反してねじ軸47の拘束が解
除される。これと同時に電動モータ30が駆動され、ボ
ールねじ機構49のねじ軸47が回転してナット部材3
1が図4の鎖線位置から実線位置へと前進し、ナット部
材31と一体に前進するイコライザー54に接続された
左右のボーデンワイヤー13,13に張力が発生して左
右の車輪ブレーキ11,11が作動する。このとき、左
右のボーデンワイヤー13,13の張力がアンバランス
であれば、図3においてイコライザー54が上部支軸5
1および下部支軸52を中心として矢印A−A′方向に
振れ、左右のボーデンワイヤー13,13の張力を均等
化して左右の車輪ブレーキ11,11に同じ大きさの制
動力を発生させる。 【0033】以上のように、駆動力を可逆的に伝達可能
なボールねじ機構49を介して電動モータ30の駆動力
をボーデンワイヤー13,13に伝達するので、ボーデ
ンワイヤー13,13に作用するブレーキ作動力(つま
りボーデンワイヤー13,13の張力)の反力が電動モ
ータ30に負荷として作用することになる。従って、電
動モータ30の負荷の大きさとブレーキ作動力の大きさ
との関係を予め記憶しておけば、電動モータ30の負荷
の大きさ(例えば、電流センサ29cで検出した電動モ
ータ30の電流値)に基づいてブレーキ作動力の大きさ
を任意の目標値に制御することができる。 【0034】またボールねじ機構49は摩擦力やガタが
小さくて伝達効率が良いため、電動モータ30に小型軽
量なものを使用しても充分な応答性を確保することがで
き、しかも作動時の騒音を低減することができる。更に
ボールねじ機構49は減速ギヤ機構に比べて小型である
ため、電動駐車ブレーキ装置12全体を小型化すること
ができる。 【0035】このようにして電動駐車ブレーキ装置12
が作動して左右の車輪ブレーキ11,11が必要な制動
力を発生すると、電動モータ30を停止させるとともに
電磁クラッチ33のコイル63を消磁し、第1コイルば
ね68…の付勢力でアマチュア67およびプレート66
間にロータ65を挟んでねじ軸47の回転を拘束する。
これにより、ボーデンワイヤー13,13の張力がボー
ルねじ機構49のねじ軸47に逆伝達されても、そのね
じ軸47が妄りに回転して車輪ブレーキ11,11の制
動力が緩むの確実に防止することができる。 【0036】また電磁クラッチ33でアマチュア67を
駆動してプレート66およびアマチュア67とロータ6
5との間に作用する摩擦力でねじ軸47の回転を制御す
るので、ラチェット機構のような回転阻止手段を用いた
場合に比べて、電動モータ30の慣性力を的確に制御し
て停止位置を精密に制御することができ、しかもロータ
65の拘束や拘束解除を摩擦力を介して緩やかに行うの
で作動音を低減することができる。 【0037】さて、電動駐車ブレーキ装置ECU21あ
るいは作動・解除スイッチ29bが電動駐車ブレーキ装
置12の作動を解除すべく指令を出力すると、先ず電磁
クラッチ33のコイル63を励磁してねじ軸47の拘束
を解除した状態で、電動モータ30を前述と逆方向に駆
動してボールねじ機構49のねじ軸47を逆回転させ、
ナット部材31を図4の実線位置から鎖線位置へと後退
させることで左右の車輪ブレーキ11,11の作動を解
除することができる。 【0038】電動駐車ブレーキ装置12が作動して車輪
ブレーキ11,11が制動力を発生しているとき、電動
モータ30やその制御系が故障すると該電動モータ30
による電動駐車ブレーキ装置12の作動解除が不能にな
るため、乗員の手動操作による作動解除を行う必要があ
る。そのために、図8に示すように回転軸75の六角孔
75aに六角レンチ80を挿入し、コイルばね78の付
勢力に抗して回転軸75を第2位置へと押し下げると、
回転軸75の駆動ベベルギヤ79がねじ軸47の従動ベ
ベルギヤ84に噛み合う。 【0039】これに連動して、中間部をピン81で支持
されたレバー82の後端が押し下げられて前端が押し上
げられるため、その前端に接続された解除部材72がプ
レート66およびアマチュア67間を上昇する。その結
果、図9に示すように、解除部材72に設けた傾斜面7
1b,71b;71c,71cがアマチュア67に設け
た傾斜面67a,67a;67b,67bに乗り上げる
ため、プレート66およびアマチュア67が第1コイル
ばね68…の付勢力に抗してロータ65から離反し、コ
イル63を励磁することなく電磁クラッチ33が手動で
解除される。 【0040】従って、この状態から六角レンチ80を操
作して回転軸75を回転させることにより、相互に噛み
合う駆動ベベルギヤ79および従動ベベルギヤ84を介
してねじ軸47を回転させ、ナット部材31を図8の実
線位置から鎖線位置に移動させることができ、これによ
りボーデンワイヤー13,13を緩めて車輪ブレーキ1
1,11の作動を解除することが可能となる。 【0041】勿論、故障のために電動モータ30による
電動駐車ブレーキ装置12の作動が不能になった場合に
は、上述したように六角レンチ80を用いた手動操作に
より電動駐車ブレーキ装置12を作動させることが可能
である。この場合、六角レンチ80を上述と逆方向に回
転させてナット部材31を図8の鎖線位置から実線位置
に移動させることになる。 【0042】以上のように、電動モータ30やその制御
系の故障時に、六角レンチ80を回転軸75の六角孔7
5aに挿入して押し下げながら回転させるだけの簡単な
操作で、電動駐車ブレーキ装置12を手動で作動させた
り作動を解除することが可能になって利便性が大幅に向
上する。 【0043】次に、電動駐車ブレーキ装置12の制御に
ついて説明する。 【0044】図10のフローチャートは電動駐車ブレー
キ装置12の制御の概略を示すメインルーチンであっ
て、先ずステップS1でエンジンが始動すると、ステッ
プS2で各種のスイッチやセンサ(図2参照)の出力値
を読み込んだ後に、ステップS3で前記出力値に異常が
あるか否かを自己診断し、ステップS4で故障が発見さ
れれば、ステップS5で警報を発する等のフェイルセイ
フ動作を行う。前記ステップS4で故障が発生していな
ければ、ステップS6で電動駐車ブレーキ装置12に発
生させるべき目標ブレーキ力を算出する。ステップS6
の具体的内容は後から詳述する。 【0045】続くステップS7でオートモードおよびマ
ニュアルモードを切り換えるためのモード切換スイッチ
29aがオートモードを選択していれば、ステップS8
で電動駐車ブレーキ装置12の自動動作を行う。自動動
作には「自動作動」、「自動解除」および「自動増引」
が含まれ、それらの具体的内容は後から詳述する。続く
ステップS9で電動駐車ブレーキ装置12をマニュアル
で作動あるいは解除するための作動・解除スイッチ29
bをドライバーが解除側に操作すれば、ステップS10
で電動駐車ブレーキ装置12の解除動作が行われる。ま
たステップS11でドライバーが作動・解除スイッチ2
9bを作動側に操作すれば、ステップS12で電動駐車
ブレーキ装置12の作動動作が行われる。前記ステップ
S9〜S12により、マニュアルモードがオートモード
に対して優先される。 【0046】前記ステップS1でエンジンが停止する
と、ステップS13で電動駐車ブレーキ装置ECU21
の電源オフ等のエンジン停止時動作が行われる。 【0047】次に、図10のフローチャートのステップ
S6の「目標ブレーキ力算出」の内容を説明する。 【0048】電動駐車ブレーキ装置12が発生するブレ
ーキ力はボーデンワイヤー13,13の牽引力によって
決定されるもので、その牽引力には第1の目標牽引力B
fT1と、第2の目標牽引力BfT2と、第3の目標牽
引力BfT3とがある。 【0049】第1の目標牽引力BfT1は、電動駐車ブ
レーキ装置12が通常に機能する場合の牽引力であっ
て、 BfT1=(Hi−sel[Bf0,Bf1]+k1)×k2 …(1) で与えられる。 【0050】(1)式におけるBf0は、路面の傾斜に
よる車両の自重移動力を制するブレーキ力を電動駐車ブ
レーキ装置12に発生させるためのボーデンワイヤー1
3,13の牽引力であって、 Bf0=|車両重量×傾斜量|×Bk1 …(2) で与えられる。ここで傾斜量は傾斜センサ29eで検出
した路面の傾斜角をθとしたとき、sinθに相当す
る。またブレーキ係数Bk1は電動駐車ブレーキ装置1
2のボーデンワイヤー13,13の摩擦損失やブレーキ
シュー15,16の摩擦パッドの摩擦係数等によって決
定される。 【0051】(1)式におけるBf1は、サービスブレ
ーキと同じブレーキ力を電動駐車ブレーキ装置12に発
生させるためのボーデンワイヤー13,13の牽引力で
あって、 Bf1=停止時ブレーキ圧P0×Bk2 …(3) で与えられる。ここで停止時ブレーキ圧P0はマスタシ
リンダ圧センサ29hで検出したブレーキ圧(マスタシ
リンダ圧)であり、ブレーキ係数Bk2はサービスブレ
ーキのブレーキ液圧の損失や摩擦パッドの摩擦係数等に
よって決定される。 【0052】(1)式におけるHi−selは、Bf0
およびBf1の何れか大きい方を選択すること(ハイセ
レクト)を意味している。Bf0およびBf1の何れか
大きい方に加算される係数k1は、表1に示すように車
両の状態によって変化するもので、第1の目標牽引力B
fT1がゼロにならないためのものである。仮に、平地
でブレーキペダルが踏まれていない状態で作動・解除ス
イッチ29bで電動駐車ブレーキ装置12の作動指示が
なされた場合、係数k1がないと第1の目標牽引力Bf
T1がゼロになってしまう。 【0053】 【表1】【0054】表1から明らかなように、係数k1は、通
常(初期値)は0.1Gに相当する牽引力、つまり車両
に0.1Gの減速度を発生させることができる牽引力に
設定される。但し、車両が下り坂にあってDレンジが選
択されている場合には、初期値である0.1GにDレン
ジのクリープ力に相当する牽引力が加算され、車両が上
り坂にあってRレンジが選択されている場合には、初期
値である0.1GにRレンジのクリープ力に相当する牽
引力が加算される。その理由は、路面の傾斜による自重
移動力と同方向にクリープ力が加わると、電動駐車ブレ
ーキ装置12により強いブレーキ力を発生させる必要が
あるためである。 【0055】 【表2】 【0056】(1)式における係数k2は、温度低下に
よってブレーキ力が低下するのを補償するためのもの
で、表2に示すように動作モードフラグの状態によって
変化する。表2から明らかなように、動作モードフラグ
=0である非作動時には、通常(初期値)は1.2に設
定され、PレンジあるいはNレンジが選択されていると
きには1.5に設定される。その理由は、Pレンジある
いはNレンジは他のレンジに比べて長時間継続する可能
性があるため、温度変化の影響を受け易いからである。 【0057】動作モードフラグ=1である1回目の増引
時には、係数k2は1.5に設定され、また動作モード
フラグ=2である2回目の増引時には、係数k2は2.
0に設定される。増引とは電動駐車ブレーキ装置12の
ボーデンワイヤー13,13を更に強く牽引してブレー
キ力を増加させる操作であり、その詳細は後から説明す
る。 【0058】以上のように、第1の目標牽引力BfT1
は基本的に路面の傾斜量を考慮して決定されており、そ
の決定に車両のクリープ力を考慮していないため、電動
駐車ブレーキ装置12の作動中にクリープ力が発生する
DレンジあるいはRレンジからクリープ力が発生しない
Nレンジにシフトしたときに、クリープ力の分だけ電動
駐車ブレーキ装置12のブレーキ力が不足して車両が移
動してしまう虞がない。 【0059】第2の目標牽引力BfT2は、車両の走行
中(例えば、車速が2km/h以上の場合)にサービス
ブレーキが失陥したような場合に、電動駐車ブレーキ装
置12をサービスブレーキの代わりに使用するための牽
引力であって、0.1Gの減速度を発生させることがで
きる牽引力に作動・解除スイッチ29bを作動側に操作
した回数を乗算した値に設定される。作動・解除スイッ
チ29bを作動側に操作できる回数は3回を上限とし、
作動・解除スイッチ29bを作動側に1回操作すると
0.1Gの減速度が発生し、2回操作すると0.2Gの
減速度が発生し、3回以上操作すると0.3Gの減速度
が保持される。減速度の大きさは車速には無関係であ
り、また作動・解除スイッチ29bを作動側に操作する
時間間隔にも無関係である。 【0060】第3の目標牽引力BfT3は、傾斜センサ
29eが故障した場合の牽引力であって、30°傾斜し
た路面で車両が停止可能な牽引力に、前記表2の係数k
2を乗算した値に設定される。 【0061】次に、図10のフローチャートのステップ
S8の「自動動作」の内容を、図11〜図14のフロー
チャートを参照して説明する。 【0062】先ず、ステップS101で車輪速センサ2
9gの出力に基づいて算出した推定車体速度がゼロであ
るか否かを判断する。一般に車体速度は従動輪の車輪速
の平均値として算出するが、アイスバーン等で車輪がロ
ックした場合には前記車体速度がゼロになっても実際の
車体速度はゼロにならないため、ここでは実際の車体速
度を推定して使用する。 【0063】前記ステップS101で推定車体速度がゼ
ロであり、ステップS102でブレーキスイッチ29i
がオンしており(つまりブレーキペダルが踏まれてお
り)、ステップS103でアクセルペダルが踏まれてお
らず、かつステップS104で推定車体速度の前回値が
ゼロでなければ、つまり今回ループで初めて車両が停止
した場合には、ステップS105で、マスタシリダ圧セ
ンサ29hで検出したブレーキ圧(マスタシリンダ圧)
を停止ブレーキ圧P0とする。 また前記ステップS10
4で推定車体速度の前回値がゼロであれば、つまり前回
ループから継続して車両が停止している場合には、ステ
ップS106で停止確定タイマーをインクリメントす
る。 【0064】そして続くステップS107で停止確定タ
イマーのカウント値が規定値(例えば、200mse
c)以上になれば車両が停止したと判断する。一方、前
記ステップS101で推定車体速度がゼロでないか、前
記ステップS102でブレーキペダルが踏まれていない
か、あるいは前記ステップS103でアクセルペダルが
踏まれていれば、ステップS108で停止確定タイマー
をリセットし、ステップS109で停止ブレーキ圧P0
を初期値(例えば、2MPa)にセットし、ステップS
110で停止保持要求タイマーをリセットする。 【0065】さて、前記ステップS107の答えがYE
Sになって車両が停止したと判断されたとき、ステップ
S111でシフトポジションがPレンジであり、かつス
テップS112で、傾斜センサ29eで検出した路面の
傾斜(前上がりの傾斜および前下がりの傾斜の両方を含
む)が規定量(例えば、±10%の傾斜)を超えていれ
ば、ステップS113で電動駐車ブレーキ装置12の自
動作動を実行し、ステップS114で停止保持要求タイ
マーをリセットする。 【0066】このように、シフトポジションがPレンジ
であるときに、路面の傾斜が規定量を超えた場合に限り
電動駐車ブレーキ装置12を作動させる理由は、一般に
Pレンジにシフトされている時間は他のレンジに比べて
長いことから、電動駐車ブレーキ装置12の耐久性を考
慮してのことである。Pレンジではトランスミッション
のパーキングロックが作動するので、路面の傾斜が特に
強くなければ電動駐車ブレーキ装置12が作動しなくて
も支障はない。 【0067】前記ステップS111でシフトポジション
がPレンジでない場合に、ステップS115で外部EC
U32より停止保持要求があれば、前記ステップS11
3で電動駐車ブレーキ装置12の自動作動を優先的に実
行する。外部ECU32からの停止保持要求とは、例え
ばエンジンの自動停止(アイドルストップ制御)を行う
車両ではエンジンECUからの指令であり、また弱クリ
ープおよび強クリープを切換可能な無段変速機を備えた
車両ではミッションECUからの指令である。 【0068】前記ステップS115で外部ECU32よ
り停止保持要求がない場合、ステップS116でマスタ
シリンダ圧が停止ブレーキ圧P0+規定量(例えば、3
MPa)を超えていれば、即ちドライバーがブレーキペ
ダルを踏み増ししていれば、ステップS117で停止保
持要求タイマーをインクリメントし、ステップS118
で停止保持要求タイマーが規定値(例えば、500ms
ec)以上になれば、ドライバーがブレーキ力を高める
意思を持っていると判断し、前記ステップS113に移
行して自動作動を実行する。停止保持要求タイマーは、
マスタシリンダ圧の増加がノイズによる一時的なもので
ないことを確認するために設けられる。前記ステップS
116でマスタシリンダ圧が停止ブレーキ圧P0+規定
量を超えていなければ、即ちドライバーがブレーキペダ
ルを踏み増ししていなければ、ステップS119で停止
保持要求タイマーをリセットする。 【0069】前記ステップS116でドライバーがブレ
ーキペダルを踏み増ししていないか、踏み増ししても前
記ステップS118で停止保持要求タイマーが規定値以
上になっていなければ、ステップS120でシフトポジ
ションがDレンジであるか否かを判断する。前記ステッ
プS120でシフトポジションがDレンジであれば、ス
テップS121で、傾斜センサ29eで検出した路面の
傾斜(正値)が規定量であるθを超えているか否かを判
断する。図19に示すように、ここでいう規定量θとは
上り坂にある車両の前進方向のクリープ力Fが、車両の
重量Wの路面に沿う成分であるW×|sinθ|と釣り
合うとき(F=W×|sinθ|)の路面の傾斜角であ
る。 【0070】前記ステップS121の答えがYESにな
るとき、つまり重力で車両が上り坂を下ろうとする移動
力の方が上り坂を上ろうとするクリープ力よりも大きい
とき、ステップS122で坂判断タイマーをインクリメ
ントし、ステップS123で坂判断タイマーが規定値
(例えば、200msec)以上になったときに、ステ
ップS124でドライバーの意思に反して車両が後進し
ないように電動駐車ブレーキ装置12を自動作動させ、
ステップS125で坂判断タイマーをリセットする。坂
判断タイマーは、ノイズ等による傾斜センサ29eの出
力の一時的な変動を補償するために設けられる。 【0071】前記ステップS121の答えがNOになる
とき、つまり上り坂を上ろうとするクリープ力の方が重
力で車両が上り坂を下ろうとする移動力よりも大きいと
き、ステップS126で、前回ループでシフトポジショ
ンがDレンジ以外であれば、つまり今回ループで初めて
Dレンジにシフトされた場合には、ステップS127で
電動駐車ブレーキ装置12の自動解除1を実行し、ステ
ップS128で坂判断タイマーをリセットする。前記ス
テップS126で、前回ループでシフトポジションがD
レンジである場合、つまり前回ループから継続してDレ
ンジにシフトされている場合にも、前記ステップS12
8で坂判断タイマーをリセットする。 【0072】前記ステップS120でシフトポジション
がDレンジでなく、ステップS129でシフトポジショ
ンがRレンジであれば、ステップS130で、傾斜セン
サ29eで検出した路面の傾斜(負値)が規定量である
−θ未満であるか否かを判断する。図20に示すよう
に、ここでいう規定量−θとは下り坂にある車両の後進
方向のクリープ力Fが、車両の重量Wの路面に沿う成分
であるW×|sinθ|と釣り合うとき(F=W×|s
inθ|)の路面の傾斜角である。 【0073】前記ステップS130の答えがYESにな
るとき、つまり重力で車両が下り坂を下ろうとする移動
力の方が下り坂を上ろうとするクリープ力よりも大きい
とき、前記ステップS122〜S125に移行し、ステ
ップS123で坂判断タイマーが規定値以上になったと
きに、ステップS124でドライバーの意思に反して車
両が前進しないように電動駐車ブレーキ装置12を自動
作動させる。 【0074】前記ステップS130の答えがNOになる
とき、つまり下り坂を上ろうとするクリープ力の方が重
力で車両が下り坂を下ろうとする移動力よりも大きいと
き、ステップS131で、前回ループでシフトポジショ
ンがRレンジ以外であれば、つまり今回ループで初めて
Rレンジにシフトされた場合には、ステップS132で
電動駐車ブレーキ装置12の自動解除1を実行し、ステ
ップS133で坂判断タイマーをリセットする。前記ス
テップS131で、前回ループでシフトポジションがR
レンジである場合、つまり前回ループから継続してRレ
ンジにシフトされている場合にも、前記ステップS13
3で坂判断タイマーをリセットする。 【0075】また前記ステップS120でシフトポジシ
ョンがDレンジでなく、かつ前記ステップS129でシ
フトポジションがRレンジでないときにも、ステップS
134で坂判断タイマーをリセットする。 【0076】前記ステップS101で推定車体速度がゼ
ロでないか、前記ステップS102でブレーキペダルが
踏まれていないか、前記ステップS103でアクセルペ
ダルが踏まれているか、あるいは前記ステップS107
で停止確定タイマーのカウント値が規定値以上になって
いなければ、ステップS135で緊急作動フラグの状態
を判断する。緊急作動フラグは、現在の電動駐車ブレー
キ装置12の作動が緊急作動によるものか否かを識別す
るためのもので、車体速度が例えば10km/h以上の
状態でドライバーが作動・解除スイッチ29bを作動側
に操作すると「1」にセットされ、作動・解除スイッチ
29bを解除側に操作すると「0」にリセットされる。
尚、緊急作動フラグが「1」にセットされると、車体速
度が例えば10km/h未満になっても、作動・解除ス
イッチ29bを解除側に操作しない限り「0」にリセッ
トされることはない。 【0077】前記ステップS135で、現在の電動駐車
ブレーキ装置12の作動が緊急作動によるものか否かを
識別するための緊急作動フラグが「0」にセットされて
おり(つまり作動・解除スイッチ29bが解除側に操作
されており)、ステップS136でシフトポジションが
Dレンジであり、かつステップS137で路面の傾斜
(正値)が規定量θを超えていれば、即ち、上り坂の傾
斜が図19に示す釣り合い状態よりも急であって車両が
重力で上り坂を下る虞があるとき、ステップS138で
スロットル開度が規定量を超えていれば、つまり意思に
反して車両が上り坂を下るのを阻止しようとしてドライ
バーがアクセルペダルを踏んだ場合には、ステップS1
39で電動駐車ブレーキ装置12を自動解除1する。 【0078】前記ステップS137で路面の傾斜(正
値)が規定量θを超えていなければ、即ち、上り坂の傾
斜が図19に示す釣り合い状態よりも緩くて車両が重力
で上り坂を下る虞がないとき、ステップS140で外部
ECU32より停止保持要求がなければ、電動駐車ブレ
ーキ装置12を自動解除1あるいは自動解除2する。即
ち、ステップS141で路面の傾斜が規定量(例えば、
−15%の下り傾斜)未満であれば、つまり−15%よ
りも急な下り傾斜であれば、ステップS142で自動解
除2を実行し、また傾斜が−15%未満でなければ、ス
テップS143で自動解除1を実行する。 【0079】また前記ステップS136でシフトポジシ
ョンがDレンジでなく、ステップS144でシフトポジ
ションがRレンジであるとき、ステップS145で路面
の傾斜(負値)が規定量−θ未満であれば、即ち、下り
坂の傾斜が図20に示す釣り合い状態よりも急であって
車両が重力で下り坂を下る虞があるとき、ステップS1
46でスロットル開度が規定量を超えていれば、つまり
意思に反して車両が下り坂を下るのを阻止しようとして
ドライバーがアクセルペダルを踏んだ場合には、前記ス
テップS139で電動駐車ブレーキ装置12を自動解除
1する。 【0080】前記ステップS145で路面の傾斜(負
値)が規定量−θ未満でなければ、即ち、下り坂の傾斜
が図20に示す釣り合い状態よりも緩くて車両が重力で
下り坂を下る虞がないとき、ステップS147で外部E
CU32より停止保持要求がなければ、電動駐車ブレー
キ装置12を自動解除1あるいは自動解除2する。即
ち、ステップS148で路面の傾斜が規定量(例えば、
10%の上り傾斜)よりも大きければ、つまり10%よ
りも急な上り傾斜であれば、ステップS149で自動解
除2を実行し、また傾斜が10%を超えていなければ、
ステップS150で自動解除1を実行する。 【0081】以上のようにして自動作動、自動解除1あ
るいは自動解除2の実行が決定されると、ステップS1
51で車両の移動あるいは停止を判定する。即ち、4個
の車輪速センサ29gの検出値Vwの最小値であるVw
<min>がゼロでなく、車両が移動していると判断さ
れるとき、ステップS152で、積算した移動距離S
(n)を、S(n)=S(n−1)+V×Δtで算出す
る。ここでS(n−1)は移動距離の前回値、Vは車体
速度、Δtは1ループの周期である。 【0082】続くステップS153でシフトポジション
がDレンジであるとき、ステップS154で前記移動距
離S(n)が規定量(例えば、−0.2m)未満であれ
ば、つまり車両が0.2m以上後進すれば、ステップS
157で車両の後進を抑制すべく電動駐車ブレーキ装置
12を増し引きした後、ステップS158で移動距離S
(n)をゼロにリセットする。また前記ステップS15
3でシフトポジションがDレンジでなく、ステップS1
55でシフトポジションがRレンジであるとき、ステッ
プS156で前記移動距離S(n)が規定量(例えば、
0.2m)を超えていれば、つまり車両が0.2m以上
前進すれば、ステップS157で車両の前進を抑制すべ
く電動駐車ブレーキ装置12を増し引きした後、ステッ
プS158で移動距離S(n)をゼロにリセットする。 【0083】そして前記ステップS151で車両が停止
していると判断されるとき、あるいは前記ステップS1
53,S155でシフトポジションがDレンジでもRレ
ンジでもないとき、ステップS159で移動距離S
(n)をゼロにリセットする。 【0084】尚、車体速度Vは車輪速センサ29gが出
力するパルス信号に基づいて算出されるが、そのパルス
信号に基づいて車両が前進しているか後進しているかを
識別する技術は、特開平6−174736号公報に開示
されている。 【0085】次に、図11のフローチャートのステップ
S113および図12のフローチャートのステップS1
24の「自動作動」のサブルーチンを、図15に示すフ
ローチャートに基づいて説明する。 【0086】先ず、ステップS201で自動作動禁止フ
ラグの状態を判断する。前記ステップS201で自動作
動禁止フラグ=「0」であって電動駐車ブレーキ装置1
2が正常に作動可能な状態にあり、続くステップS20
2で動作モードフラグ=「0」であって電動駐車ブレー
キ装置12が非作動状態にあるとき、続くステップS2
03で異常検出フラグ=「0」であって傾斜センサ29
eが正常であれば、ステップS204で電動駐車ブレー
キ装置12の目標牽引力BfTを第1の目標牽引力Bf
T1に設定し、異常検出フラグ=「1」であって傾斜セ
ンサ29eに異常があれば、ステップS205で電動駐
車ブレーキ装置12の目標牽引力BfTを第3の目標牽
引力BfT3に設定する。 【0087】尚、前記ステップS201で自動作動禁止
フラグ=「1」であって電動駐車ブレーキ装置12が正
常でないとき、あるいは前記ステップS202で動作モ
ードフラグ=「1」であって電動駐車ブレーキ装置12
が作動状態にあるときには、そのまま図11のフローチ
ャートのステップS114あるいは図12のフローチャ
ートのステップS125に移行する。 【0088】前記ステップS204あるいはステップS
205で目標牽引力BfTが決定されると、ステップS
206で電動駐車ブレーキ装置12の電動モータ30に
供給する目標電流TAを、目標電流TA=目標牽引力B
fT×変換係数aにより算出した後、ステップS207
で電動モータ30および電磁クラッチ33に通電する。
その結果、ステップS208で作動ランプが点滅し、ス
テップS209で作動タイマーがインクリメントされ、
そしてステップS210で作動タイマーが規定突入タイ
ム(例えば、100msec)を超えると、ステップS
211で電動モータ30の電流値nを目標電流TAと比
較する。前記ステップS210で100msecの時間
経過を待つのは、電動モータ30に通電された瞬間の突
入電流を無視するためである。 【0089】前記ステップS211で電動モータ30の
電流値nが目標電流TA以上になれば、ステップS21
2で動作モードフラグ=「1」(電動駐車ブレーキ装置
12が作動中)にセットし、ステップS213で作動ラ
ンプを点灯する。一方、前記ステップS211で電動モ
ータ30の電流値nが目標電流TA以上にならず、ステ
ップS214でその状態が規定値(例えば、1.0se
c)以上継続すれば、ステップS215で電動駐車ブレ
ーキ装置12のボーデンワイヤー13,13が切断して
いる可能性があると判断し、電動モータ30への通電を
停止してブレーキ警告ランプを点灯する。 【0090】続くステップS216で電磁クラッチ33
への通電を停止した後に、ステップS217でモータデ
ィレータイマーをインクリメントする。そしてステップ
S218でモータディレータイマーが規定値(例えば、
50msec)に達すると、ステップS219で電動モ
ータ30への通電を停止し、ステップS220で作動タ
イマーおよびモータディレータイマーをゼロにリセット
した後、図11のフローチャートのステップS114あ
るいは図12のフローチャートのステップS125に移
行する。このように、電磁クラッチ33への通電を停止
した後に電動モータ30への通電を停止することで、ボ
ーデンワイヤー13,13の張力緩みによるブレーキ力
の低下を確実に防止することができる。 【0091】次に、図14のフローチャートのステップ
S157の「自動増引」のサブルーチンを、図16に示
すフローチャートに基づいて説明する。 【0092】先ず、ステップS301で自動作動禁止フ
ラグ=「0」であって電動駐車ブレーキ装置12が正常
に作動可能な状態にあり、続くステップS302で異常
検出フラグ=「0」であって傾斜センサ29eが正常で
あれば、ステップS303で電動駐車ブレーキ装置12
の目標牽引力BfTを第1の目標牽引力BfT1に設定
し、異常検出フラグ=「1」であって傾斜センサ29e
に異常があれば、ステップS304で電動駐車ブレーキ
装置12の目標牽引力BfTを第3の目標牽引力BfT
3に設定する。 【0093】尚、前記ステップS301で自動作動禁止
フラグ=「1」であって電動駐車ブレーキ装置12が正
常でないときには、そのまま図14のフローチャートの
ステップS158に移行する。 【0094】前記ステップS303あるいはステップS
304で目標牽引力BfTが決定されると、ステップS
305で電動駐車ブレーキ装置12の電動モータ30に
供給する目標電流TAを、目標電流TA=目標牽引力B
fT×変換係数aにより算出した後、ステップS306
で電動モータ30および電磁クラッチ33に通電する。
その結果、ステップS307で作動ランプが点滅し、ス
テップS308で作動タイマーがインクリメントされ、
そしてステップS309で作動タイマーが規定突入タイ
ム(例えば、100msec)を超えると、ステップS
310で電動モータ30の電流値nを目標電流TAと比
較する。前記ステップS309で100msecの時間
経過を待つのは、電動モータ30に通電された瞬間の突
入電流を無視するためである。 【0095】前記ステップS310で電動モータ30の
電流値nが目標電流TA以上になれば、ステップS31
1で動作モードフラグの値を1つ増加させ、ステップS
312で作動ランプを点灯する。一方、前記ステップS
211で電動モータ30の電流値nが目標電流TA以上
にならず、ステップS313でその状態が規定値(例え
ば、1.0sec)以上継続すれば、ステップS314
で電動駐車ブレーキ装置12のボーデンワイヤー13,
13が切断している可能性があると判断し、電動モータ
30への通電を停止してブレーキ警告ランプを点灯す
る。 【0096】続くステップS315で電磁クラッチ33
への通電を停止した後に、ステップS316でモータデ
ィレータイマーをインクリメントする。そしてステップ
S317でモータディレータイマーが規定値(例えば、
50msec)に達すると、ステップS318で電動モ
ータ30への通電を停止し、ステップS319で作動タ
イマーおよびモータディレータイマーをゼロにリセット
した後、図14のフローチャートのステップS158に
移行する。このように、電磁クラッチ33への通電を停
止した後に電動モータ30への通電を停止することで、
ボーデンワイヤー13,13の張力緩みによるブレーキ
力の低下を確実に防止することができる。 【0097】次に、図12のフローチャートのステップ
S127,S132および図13のフローチャートのス
テップS139,S143,S150の「自動解除1」
のサブルーチンを、図17に示すフローチャートに基づ
いて説明する。 【0098】先ず、ステップS401で、電動駐車ブレ
ーキ装置12の自動解除が禁止されているか否かを判定
するための自動解除禁止フラグ=「0」であり(つまり
電動駐車ブレーキ装置12の自動解除が禁止されておら
ず)、続くステップS402で動作モードフラグ=
「0」でなくて電動駐車ブレーキ装置12が作動状態に
あるとき、続くステップS403で電動モータ30に逆
転方向に通電するとともに電磁クラッチ33に通電す
る。尚、前記ステップS401で自動解除禁止フラグ=
「1」であって電動駐車ブレーキ装置12の自動解除が
禁止されているとき、あるいは前記ステップS402で
動作モードフラグ=「0」であって電動駐車ブレーキ装
置12が非作動状態にあるときには、そのまま図12の
フローチャートのステップS128,S133あるいは
図14のフローチャートのステップS151に移行す
る。 【0099】前記ステップS403で電動モータ30に
逆転方向に通電されて電磁クラッチ33に通電される
と、ステップS404で解除タイマー1をインクリメン
トした後、ステップS405でストロークセンサ29d
で検出した電動駐車ブレーキ装置12のストロークが規
定値1(例えば、ゼロ位置ST0の5mm手前位置)以
下になるか、あるいはステップS406で解除タイマー
1が規定値(例えば、500msec)以上になれば、
ステップS407で電動モータ30の逆転方向の通電を
停止する。 【0100】尚、前記ステップS405でゼロ位置ST
0の5mm手前位置で電動モータ30を停止させるの
は、電動モータ30の慣性による行き過ぎを防止するた
めである。また前記ステップS406で解除タイマー1
が規定値以上になると電動モータ30の逆転方向の通電
を停止する理由は、ストロークセンサ29dの故障時に
電動モータ30を過剰に逆転させないためである。 【0101】続くステップS408で慣性によって電動
駐車ブレーキ装置12のストロークが規定値0(例え
ば、ゼロ位置ST0の2mm手前位置:2mmは公差)
以下になると、ステップS409で解除タイマー2をイ
ンクリメントし、ステップS410で解除タイマー2が
規定値3(例えば、0.2sec)以上になると、ステ
ップS411で電磁クラッチ33への通電を停止して作
動ランプを消灯し、ステップS412でストロークセン
サ29dの出力値をゼロ位置ST0とし、更にステップ
S413で動作モードフラグ、解除タイマー1および解
除タイマー2をゼロにリセットした後、図12のフロー
チャートのステップS128,S133あるいは図14
のフローチャートのステップS151に移行する。 【0102】一方、前記ステップS408で電動駐車ブ
レーキ装置12のストロークが規定値0以下にならない
場合には、ステップS414で解除タイマー1が規定値
2(例えば、5sec)に達するまで待った後、ステッ
プS415で例えば電動駐車ブレーキ装置12の増引等
による凍結解除処理を行う。その理由は、5secが経
過してもストロークが規定値0に戻らない場合には、電
動駐車ブレーキ装置12および車輪ブレーキ11,11
間の動力伝達系に凍結が発生している可能性があるため
である。 【0103】上記電動駐車ブレーキ装置12の自動解除
1の作用の一例が図21のタイムチャートに示される。 【0104】電動駐車ブレーキ装置12を作動させた
後、解除すべく電磁クラッチ33に通電するとともに電
動モータ30に逆転方向に通電し、電動駐車ブレーキ装
置12のストロークが規定値1(ゼロ位置ST0の5m
m手前位置)に達したときに電動モータ30の逆転を停
止する。このとき、電動モータ30を逆転させる最大時
間は解除タイマー1の規定値1(500msec)によ
って制限される。電動モータ30の逆転を停止した後も
電磁クラッチ33への通電は継続されるため、電動モー
タ30の慣性でストロークが更にゼロ位置ST0に近づ
いて規定値0(ゼロ位置ST0の2mm手前位置)に達
したとき、解除タイマー2がスタートする。そして解除
タイマー2のカウント中に電磁クラッチ33への通電を
継続することでストロークが更にゼロ位置ST0に近づ
くのを待ち、解除タイマー2の規定値3(0.2se
c)が経過すると、電磁クラッチ33への通電を停止す
る。上記操作の結果、解除タイマー1の規定値2(5s
ec)が経過してもストロークが規定値0(ゼロ位置S
T0の2mm手前位置)に戻らない場合には、凍結が発
生したと判断してフェイルセーフモードに移行する。 【0105】次に、図13のフローチャートのステップ
S142,S149の「自動解除2」のサブルーチン
を、図18に示すフローチャートに基づいて説明する。 【0106】先ず、ステップS501で自動解除禁止フ
ラグ=「0」であって電動駐車ブレーキ装置12の自動
解除が禁止されておらず、続くステップS502で動作
モードフラグ=「0」でなくて電動駐車ブレーキ装置1
2が作動状態にあるとき、続くステップS503で電磁
クラッチ33のデューティCdを、 Cd=Cd(n−1)+OFT×10×(Dk1−|傾斜センサ値|) …(4) により算出する。ここでOFTは後述する解除タイマー
1のカウント値であり、Dk1はデューティ算出係数
(例えば、0.5)であり、デューティCdの初期値C
d0は50%である。従って、デューティCdは最小値
Cdmin=50%から最大値Cdmax=100%ま
で、解除タイマー1のカウント値OFTの増加に応じて
増加し、その際に、|傾斜センサ値|が大きいほど、つ
まり路面の傾斜が急なほどデューティCdはゆっくりと
増加することになる。 【0107】このようにして前記ステップS503で電
磁クラッチ33のデューティCdが算出されると、続く
ステップS504で電磁クラッチ33に前記デューティ
Cdで通電し、ステップS505で解除タイマー1(前
記OFT)をインクリメントする。そしてステップS5
06でストロークが規定値0(ゼロ位置ST0の2mm
手前位置)に達するまで、かつステップS507で解除
タイマー1が規定値4(例えば、2sec)以上になる
まで、前記ステップS503〜S507を繰り返し、そ
の間にデューティCdは次第に増加する。 【0108】その結果、前記ステップS506でストロ
ークが規定値0(ゼロ位置ST0の2mm手前位置)に
達すると、ステップS508で解除タイマー2をインク
リメントし、ステップS509で解除タイマー2が規定
値3(例えば、0.2sec)以上になると、ステップ
S510で電磁クラッチ33への通電を停止して作動ラ
ンプを消灯し、ステップS511でストロークセンサ2
9dの出力値をゼロ位置ST0とし、ステップS512
でデューティCdを初期値である50%にリセットし、
更にステップS513で動作モードフラグ、解除タイマ
ー1および解除タイマー2をゼロにリセットした後、図
14のフローチャートのステップS151に移行する。 【0109】前記ステップS507で解除タイマー1が
規定値4(例えば、2sec)以上になると、ステップ
S514で解除タイマー1および解除タイマー2をゼロ
にリセットし、ステップS515でデューティCdを初
期値である50%にリセットし、ステップS516で、
図17のフローチャートで説明した自動解除1を実行し
て電動モータ30の逆転により電動駐車ブレーキ装置1
2を強制的に解除した後、図14のフローチャートのス
テップS151に移行する。 【0110】尚、前記ステップS501で自動解除禁止
フラグ=「0」でなくて電動駐車ブレーキ装置12の自
動解除が禁止されており、あるいはステップS502で
動作モードフラグ=「0」であって電動駐車ブレーキ装
置12が非作動状態にあるときにも、図14のフローチ
ャートのステップS151に移行する。 【0111】上記電動駐車ブレーキ装置12の自動解除
2の作用の一例が図22のタイムチャートに示される。 【0112】電動駐車ブレーキ装置12を作動させた
後、解除すべく電磁クラッチ33に通電するとともに、
そのデューティCdを50%から徐々に増加させてゆ
く。このとき、電動モータ30への通電は行われず、車
輪ブレーキ11,11のリターンスプリングの弾発力で
電動駐車ブレーキ装置12が解除される。電動駐車ブレ
ーキ装置12のストロークが規定値0(ゼロ位置ST0
の2mm手前位置)に達したときに解除タイマー2がス
タートし、解除タイマー2が規定値3(例えば、0.2
sec)に達すると、電磁クラッチ33への通電を停止
する。解除タイマー1が規定値4(例えば、2sec)
以上になってもストロークが規定値0(ゼロ位置ST0
の2mm手前位置)に達しないときには、自動解除1を
実行して電動モータ30の逆転により電動駐車ブレーキ
装置12を強制的に解除する。 【0113】上記各フローチャートに基づいて説明した
本発明の実施例の作用が、表3〜表5に纏められてい
る。 【0114】 【表3】【0115】先ず、車両が平坦な路面にある場合の電動
駐車ブレーキ装置12の作用を、表3に基づいて説明す
る。ここでは、Dレンジでの前進方向のクリープ力に抗
して車両が上り坂をずり下がったり、Rレンジでの後進
方向のクリープ力に抗して車両が下り坂をずり下がった
りしない程度に路面が平坦であるとする。 【0116】表3の左欄は電動駐車ブレーキ装置12を
自動作動する場合を説明しており、シフトポジションが
Pレンジであるときには自動作動は行わない。その理由
は、一般にPレンジにシフトされている時間は他のレン
ジに比べて長いことから、Pレンジにおいて電動駐車ブ
レーキ装置12を作動させると、耐久性に悪影響が及び
懸念があるからである。Pレンジではトランスミッショ
ンのパーキングロックが作動するので、路面の傾斜が特
に強くなければ電動駐車ブレーキ装置12が作動しなく
ても支障はない。 【0117】但し、ブレーキペダルがオン、アクセル開
度がオフ、停止確定(車速=0で所定時間経過)の場合
で、かつ路面の傾斜の絶対値が10%を超えた場合に
は、トランスミッションのパーキングロックだけでは不
充分と考えられるので、例外的に電動駐車ブレーキ装置
12を自動作動させる(図11のフローチャートのステ
ップS112,S113参照)。 【0118】Rレンジ、NレンジおよびDレンジでは、
ブレーキペダルがオン、アクセル開度がオフ、停止確定
(車速=0で所定時間経過)の条件に加えて、外部E
CU32からの停止保持要求、ブレーキペダルの踏み
込みによる液圧増加量≧規定量、の少なくとも一方の条
件が成立したときに電動駐車ブレーキ装置12を自動作
動させる。 【0119】表3の右欄は電動駐車ブレーキ装置12を
自動解除する場合を説明しており、この自動解除は動作
フラグがが「1」のとき(電動駐車ブレーキ装置12が
作動した後)に限り行われる。 【0120】PレンジおよびNレンジでは、自動解除を
行わない。その理由は、そもそもPレンジおよびNレン
ジは車両を走行させるレンジではないため、ドライバー
が作動・解除スイッチ29bを解除側に操作しない限り
自動解除する必要がないからである。 【0121】Rレンジでは、ブレーキペダルがオン、ア
クセル開度がオフ、停止確定(車速=0で所定時間経
過)の条件に加えて、他レンジからRレンジにシフトし
た直後に自動解除が実行される。これは、Rレンジへの
シフトによってドライバーが車両を後進させる意思表示
をしたためである。またブレーキペダルのオフ、アクセ
ルペダルのオンの少なくとも一方が行われた場合にも、
ドライバーが車両を後進させる意思表示をしたと判断し
て自動解除が実行される。 【0122】Dレンジでは、ブレーキペダルがオン、ア
クセル開度がオフ、停止確定(車速=0で所定時間経
過)の条件に加えて、他レンジからDレンジにシフトし
た直後に自動解除が実行される。これは、Dレンジへの
シフトによってドライバーが車両を前進させる意思表示
をしたためである。またブレーキペダルのオフ、アクセ
ルペダルのオンの少なくとも一方が行われた場合にも、
ドライバーが車両を前進させる意思表示をしたと判断し
て自動解除が実行される。 【0123】 【表4】【0124】次に、車両が上り坂にあって、路面の傾斜
が規定量(車両重量の斜面方向の成分がクリープ力と釣
り合う角度:図19参照)を超えている場合、つまり車
両が上り坂をずり下がろうとする場合(図13のフロー
チャートのステップS137の答えがYESの場合)の
電動駐車ブレーキ装置12の作用を、表4に基づいて説
明する。ここでは、表3で説明した平坦地での作用と異
なる部分を重点的に説明する。 【0125】Pレンジにおける自動作動は、ブレーキペ
ダルがオン、アクセル開度がオフ、停止確定(車速=0
で所定時間経過)の条件が全て成立したときに実行され
る。Pレンジにシフトしたという条件だけで自動作動を
実行しないのは、シフトポジションセンサが故障する可
能性が考えられるからである。 【0126】RレンジおよびNレンジにおける自動作動
は表3の平坦路の場合と同じである。Nレンジにおい
て、上記Pレンジと異なって外部ECU32からの停
止保持要求、ブレーキペダルの踏み込みによる液圧増
加量≧規定量、の少なくとも一方が成立することが要件
となっているのは、ドライバーがNレンジにシフトする
のは、Pレンジと異なって必ずしも駐車や停車を意図し
ていないからである。 【0127】Dレンジにおける自動作動は、ブレーキペ
ダルがオン、アクセル開度がオフ、停止確定(車速=0
で所定時間経過)の条件が全て成立したときに実行され
る。ここで外部ECU32からの停止保持要求、ブ
レーキペダルの踏み込みによる液圧増加量≧規定量、の
少なくとも一方が成立することを要件としないのは、路
面の傾斜によりドライバーの意思に反して車両が上り坂
をずり下がる可能性があるからである。 【0128】Pレンジ、RレンジおよびNレンジにおけ
る自動解除の条件は、表3の平坦路の場合と同じである
が、Dレンジにおける自動解除の条件は異なっている。
即ち、上り坂では、アクセルペダルがオンされ、かつス
ロットル開度が規定値(エンジンによる前進方向の移動
力が重力による後進方向の移動力に釣り合うスロットル
開度)を超えた場合に自動解除が実行される(図13の
フローチャートのステップS138,S139参照)。
従って、ドライバーが上り坂を上ろうとしてDレンジで
アクセルペダルを踏み込み、車両が前進を開始しようと
した瞬間に電動駐車ブレーキ装置12が解除されるの
で、ドライバーを負担を軽減しながらスムーズな発進を
可能にすることができる。 【0129】 【表5】【0130】次に、車両が下り坂にあって、路面の傾斜
が規定量(車両重量の斜面方向の成分がクリープ力と釣
り合う角度:図20参照)を超えている場合、つまり車
両が下り坂をずり下がろうとする場合(図13のフロー
チャートのステップS145の答えがYESの場合)の
電動駐車ブレーキ装置12の作用を、表5に基づいて説
明する。ここでは、表3で説明した平坦地での作用と異
なる部分を重点的に説明する。 【0131】Pレンジにおける自動作動は、ブレーキペ
ダルがオン、アクセル開度がオフ、停止確定(車速=0
で所定時間経過)の条件が全て成立したときに実行され
る。Pレンジにシフトしたという条件だけで自動作動を
実行しないのは、シフトポジションセンサが故障する可
能性が考えられるからである。 【0132】DレンジおよびNレンジにおける自動作動
は表3の平坦路の場合と同じである。Nレンジにおい
て、上記Pレンジと異なって外部ECU32からの停
止保持要求、ブレーキペダルの踏み込みによる液圧増
加量≧規定量、の少なくとも一方が成立することが要件
となっているのは、ドライバーがNレンジにシフトする
のは、Pレンジと異なって必ずしも駐車や停車を意図し
ていないからである。 【0133】Rレンジにおける自動作動は、ブレーキペ
ダルがオン、アクセル開度がオフ、停止確定(車速=0
で所定時間経過)の条件が全て成立したときに実行され
る。ここで外部ECU32からの停止保持要求、ブ
レーキペダルの踏み込みによる液圧増加量≧規定量、の
少なくとも一方が成立することを要件としないのは、路
面の傾斜によりドライバーの意思に反して車両が下り坂
をずり下がる可能性があるからである。 【0134】Pレンジ、DレンジおよびNレンジにおけ
る自動解除の条件は、表3の平坦路の場合と同じである
が、Rレンジにおける自動解除の条件は異なっている。
即ち、下り坂では、アクセルペダルがオンされ、かつス
ロットル開度が規定値(エンジンによる後進方向の移動
力が重力による前進方向の移動力に釣り合うスロットル
開度)を超えた場合に自動解除が実行される(図13の
フローチャートのステップS146,S139参照)。
従って、ドライバーが下り坂を上ろうとしてRレンジで
アクセルペダルを踏み込み、車両が後進を開始しようと
した瞬間に電動駐車ブレーキ装置12が解除されるの
で、ドライバーを負担を軽減しながらスムーズな発進を
可能にすることができる。 【0135】尚、作動・解除スイッチ29bによる電動
駐車ブレーキ装置12の作動および解除は、シフトポジ
ションの如何によらずに常時可能である。またモード切
換スイッチ29aによってマニュアルモードが選択され
ている場合に限らず、オートモードが選択されている場
合でも、作動・解除スイッチ29bによる電動駐車ブレ
ーキ装置12の作動および解除を行うことができる。 【0136】以上のように、ドライバーがブレーキペダ
ルを踏み、アクセルペダルを放して車両が停止したと
き、外部ECU32からの指令があった場合と、ブレー
キペダルを踏み増した場合とを除き、上り坂で前進方向
のクリープ力に抗して車両が後方にずり下がる場合と、
下り坂で後進方向のクリープ力に抗して車両が前方にず
り下がる場合とだけに電動駐車ブレーキ装置12を自動
作動させる。これにより、ドライバーが車両を移動させ
ようと意図している方向と逆方向に車両が移動する可能
性がある場合に限って電動駐車ブレーキ装置12が作動
し、車両の意図せぬ方向へのずり下がりを防止してドラ
イバーの違和感を回避しながら、電動駐車ブレーキ装置
12の作動頻度を小さくして耐久性の低下を防止するこ
とができる。 【0137】また外部ECU32からの指令があった場
合と、ブレーキペダルを踏み増した場合とを除き、平
地、Dレンジでの下り坂、Rレンジでの上り坂では電動
駐車ブレーキ装置12が自動作動しないので、ブレーキ
ペダルの踏み込みを緩めながらクリープ力や重力で滑ら
かな発進を可能にすることができ、車庫入れ時や渋滞時
のドライバーの負担を軽減することができる。しかもエ
ンジンからの動力に重力が加わっている状態から電動駐
車ブレーキ装置12が解除されることによって生じる、
Dレンジでの下り坂やRレンジでの上り坂における唐突
な発進を未然に回避することができる。 【0138】またドライバーがブレーキペダルを踏み、
アクセルペダルを放して車両が停止したとき、ドライバ
ーがブレーキペダルを踏み増すと電動駐車ブレーキ装置
12が自動作動するので、スイッチやレバーを操作して
電動駐車ブレーキ装置12を作動させる場合に比べてド
ライバーの操作負担を軽減することができる。しかもブ
レーキペダルの踏み増しはドライバーの視線を変えるこ
となく行えるので、安全性の面からも好都合である。 【0139】また車両が後方にずり下がる虞のある急な
上り坂を除いてDレンジ以外からDレンジにシフトされ
たとき、あるいは車両が前方にずり下がる虞のある急な
下り坂を除いてRレンジ以外からRレンジにシフトされ
たときに、ドライバーの発進意思を汲み取ってアクセル
ペダルの踏み込みを待たずに電動駐車ブレーキ装置12
が自動解除されるので、ドライバーが手動で電動駐車ブ
レーキ装置12を解除する必要がなくなって操作負担が
軽減されるだけでなく、アクセルペダルが踏み込まれて
駆動輪に大きな駆動力が伝達されている状態で電動駐車
ブレーキ装置12が解除されることによる車両の唐突な
発進を防止することができる。特に、Pレンジあるいは
NレンジからDレンジあるいはRレンジへのシフト時だ
けでなく、DレンジからRレンジへのシフト時、あるい
はRレンジからDレンジへのシフト時にも電動駐車ブレ
ーキ装置12が自動解除されるので、上記効果が一層顕
著に発揮される。 【0140】また下り坂での電動駐車ブレーキ装置12
の作動中にDレンジにシフトされたとき、あるいは上り
坂での電動駐車ブレーキ装置12の作動中にRレンジに
シフトされたとき、前記下り坂あるいは前記上り坂の傾
斜が緩ければ電磁クラッチ33に通電して制動を解除
し、かつ電動モータ30に戻し方向に通電して電動駐車
ブレーキ装置12を解除するので、電動駐車ブレーキ装
置12を速やかに解除して引っ掛かり感のないスムーズ
な発進を可能にすることができる。 【0141】一方、前記下り坂あるいは前記上り坂の傾
斜が急であれば、電磁クラッチ33に通電して制動を解
除するだけで、電動モータ30に対する戻し方向の通電
を行わないので、電動駐車ブレーキ装置12は車輪ブレ
ーキ11,11のリターンスプリングの弾発力だけでゆ
っくりと解除される。これにより、重力の斜面方向の成
分とクリープ力との合力によって車両が唐突に発進する
のを未然に防止することができる。特に、電磁クラッチ
33に所定のデューティで通電して制動を解除すること
により、電動駐車ブレーキ装置12の解除速度を任意に
調整することが可能となる。 【0142】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。 【0143】例えば、本発明の電動駐車ブレーキ装置を
適用する車両の動力源は、ガソリンエンジンやディーゼ
ルエンジンに限定されずに電気モータであっても良く、
エンジンおよび電気モータの両方であっても良い。 【0144】 【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、車両の動力源からの動力に起因して車両を第
1の方向に移動させる第1の移動力よりも、路面の傾斜
に起因して車両を前記第1の方向と逆の第2の方向に移
動させる第2の移動力の方が大きいときに車輪ブレーキ
を作動させるので、路面の傾斜によってドライバーが車
両を移動させようと意図している方向と逆方向に車両が
移動する可能性がある場合だけに車輪ブレーキが作動
し、その反対の場合には車輪ブレーキが作動することが
ない。これにより、車両の意図せぬ方向へのずり下がり
を防止してドライバーの違和感を回避しながら、電動駐
車ブレーキ装置の作動頻度を小さくして耐久性の低下を
防止することができる。 【0145】また平地、前進走行レンジでの下り坂、後
進走行レンジでの上り坂では車輪ブレーキが作動しない
ので、ブレーキペダルの踏み込みを緩めながらクリープ
力や重力で滑らかな発進を可能にすることができ、車庫
入れ時や渋滞時のドライバーの負担を軽減することがで
きるだけでなく、動力源からの動力に重力が加わってい
る状態から電動駐車ブレーキ装置が解除されることによ
って生じる、前進走行レンジでの下り坂や後進走行レン
ジでの上り坂における唐突な発進を未然に回避すること
ができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】電動駐車ブレーキ装置を備えた車両の全体平面
図 【図2】電動駐車ブレーキ装置の制御系のブロック図 【図3】電動駐車ブレーキ装置の一部破断平面図 【図4】図3の4−4線断面図 【図5】図4の5−5線断面図 【図6】図4の6−6線断面図 【図7】図6の7−7線断面図 【図8】図4に対応する作用説明図 【図9】図7に対応する作用説明図 【図10】電動駐車ブレーキ装置の作用を説明するメイ
ンルーチンのフローチャート 【図11】自動動作ルーチンのフローチャートの第1分
図 【図12】自動動作ルーチンのフローチャートの第2分
図 【図13】自動動作ルーチンのフローチャートの第3分
図 【図14】自動動作ルーチンのフローチャートの第4分
図 【図15】自動作動ルーチンのフローチャート 【図16】自動増引ルーチンのフローチャート 【図17】自動解除1ルーチンのフローチャート 【図18】自動解除2ルーチンのフローチャート 【図19】車両が上り坂にあるときの作用説明図 【図20】車両が下り坂にあるときの作用説明図 【図21】自動解除1の作用の一例を示すタイムチャー
ト 【図22】自動解除2の作用の一例を示すタイムチャー
ト 【符号の説明】 11 車輪ブレーキ 30 電動モータ(電動駆動機構)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 誠 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 吉間 豊 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 武井 且行 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 別所 誠人 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D046 BB02 BB03 CC01 CC06 EE02 HH00 HH02 HH05 HH16 HH26 HH28 HH36 LL14 MM13 MM34

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 電動駆動機構(30)により車輪ブレー
    キ(11)を作動させる電動駐車ブレーキ装置におい
    て、 車両の動力源からの動力に起因して車両を第1の方向に
    移動させる第1の移動力よりも、路面の傾斜に起因して
    車両を前記第1の方向と逆の第2の方向に移動させる第
    2の移動力の方が大きいときに車輪ブレーキ(11)を
    作動させることを特徴とする電動駐車ブレーキ装置。
JP2002136777A 2002-05-13 2002-05-13 電動駐車ブレーキ装置 Pending JP2003327099A (ja)

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