JP2003326578A - 射出成形装置及び射出成形方法 - Google Patents
射出成形装置及び射出成形方法Info
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Abstract
成形品の成形において、高転写性を確保しつつ、歯筋の
傾き等変形の少ない高精度な成形品が得られる射出成形
装置及び射出成形方法を提供する。 【解決手段】 成形キャビティの内壁面となるキャビテ
ィ入れ子には、溶融樹脂を成形キャビティ内へ射出充填
する複数のピンゲート28…、ひけ誘導用のリング状の
通気口17、及びピンゲート28…から外周部に向かう
ゲート放射方向部A上に冷却手段29…が設けられる。
プラスチック歯車のウェブ部分に充填された溶融樹脂
は、通気口17から圧縮空気が導入されてひけが誘導さ
れ、ひけ誘導後に冷却手段29…に気体を通気させるこ
とにより、ひけ誘導部の樹脂冷却を促進する。その結
果、ゲート放射方向部Aと、ゲート間の放射方向ウェル
ド部Bで、外周部への樹脂の流動分布、温度分布が均一
化される。
Description
有する射出成形品を得るための射出成形装置及び射出成
形方法に関し、特に、金型の部分に冷却手段を適用する
ことにより、外周面に転写部を備えた円筒形等の成形品
を高精度に転写成形可能な射出成形装置及び射出成形方
法に関する。
べ、低騒音性、耐腐蝕性、及び量産性に優れる他、軽量
である等の種々の利点を有することから、精密機械、例
えば複写機、カメラ等の動力伝達部等に使用されるケー
スが増えている。このようなプラスチック歯車は、一般
に複数のピンゲートより成形キャビティ内に溶融樹脂を
射出充填し、その後冷却工程を経て固化して成形品を得
るが、ピンゲートの場合、樹脂充填時に流動分布が生じ
易い。プラスチック歯車を高精度に成形する手段として
は、例えば特開2001−79876号公報(動力伝達
用成形品とその成形法及び成形装置)において、成形加
工時に歯面以外の部分を選択的にひけさせる方法が提案
されている。
ることによって確かに歯面転写性の改善効果はみられる
が、流動分布、あるいは温度分布の影響によって、ひけ
の発生度合いが異なり、ゲート放射方向部(A:ゲート
部ライン)と、ゲート間放射方向部(B:ウェルド部ラ
イン)とでは、ひけの深さが異なるため、ゲート放射方
向部とゲート間放射方向部における歯面の転写性の差を
低減するには限界がある。
題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、特に外周面に転写部である歯部又は平担部を備え
た円筒形等の成形品の高転写性を確保しつつ、歯筋の傾
き等変形の少ない高精度な成形品を得ることができる射
出成形装置及び射出成形方法を提供することを課題とす
るものである。
決するためになされたものであって、請求項1の発明
は、金型内に形成された複数のゲートから溶融樹脂を射
出充填し、外周面に転写部を備えたリム及びウェブが一
体に形成された成形品を成形する射出成形装置におい
て、前記リムの内周面と隣接する面にひけ誘導手段と、
前記複数のゲートから前記外周面に向かうゲート放射方
向部上に冷却手段を設けたことを特徴とする。
置において、前記冷却手段は、気体冷却用の通気路と、
該通気路と接続された排気制御手段とからなることを特
徴とする。
置において、前記気体冷却用の通気路は、多孔質部材か
ら形成されることを特徴とする。
形装置において、前記冷却手段は、前記複数のゲートか
ら前記外周面に向かうゲート放射方向部上に複数設けら
れることを特徴とする。
形装置において、前記冷却手段をそれぞれ個別に制御す
る制御手段を有することを特徴とする。
数のゲートから外周面に向かうゲート放射方向部上に冷
却手段を設け、前記複数のゲートから溶融樹脂を射出充
填し、前記外周面に転写部を備えたリム及びウェブが一
体に形成された成形品を成形する際、前記リムの内周面
と隣接する面に選択的に気体を導入してひけ誘導を行う
射出成形方法において、前記ひけ誘導後、前記複数のゲ
ートから前記外周面に向かうゲート放射方向の部分を冷
却することを特徴とする。
〜図7に示す実施例に基づいて説明する。まず、成形金
型について説明する。図1は、本発明の実施例による射
出成形装置を示す断面図である。本実施例における射出
成形装置は、歯車成形金型として実施したもので、歯車
成形金型10は固定金型と可動金型とからなる分割型で
あって、油圧駆動の横型の射出成形機を例示している。
図2は、図1に示す歯車成形金型によって成形されるプ
ラスチック歯車を示す図で、図2(A)は断面図、図2
(B)は平面図である。このプラスチック歯車1は、歯
形部2、リム3、ウェブ4及びボス5で構成され、ポリ
アセタール等の結晶性樹脂を射出成形することにより一
体成形されるものである。なお、6は後述するキャビテ
ィプレート11に形成されたピンゲート28…に対応す
る位置を示している。歯車成形金型10の固定金型であ
るキャビティプレート11の内部には、キャビティ入れ
子13が設けられており、可動金型であるコアプレート
12の内部には、成形品(プラスチック歯車1)に歯形
部2を形成するための転写面(ギヤ駒15)を備えたコ
ア入れ子14が設けられている。これらのキャビティ入
れ子13、コア入れ子14によって所定容積の歯車成形
キャビティを画成している。また、コア入れ子14に
は、プラスチック歯車1の軸穴を形成するためのセンタ
コアピン16が備えられている。
は、プラスチック歯車1の非転写面であるリム3の内周
面と隣接する面に所定面積で開口するリング状の通気口
17,17がそれぞれ形成され、通気口17,17は圧
縮空気供給手段18,18に接続されている。図3は、
圧縮空気供給手段の構成を示す回路図である。圧縮空気
供給手段18は、空気圧源19、エアフィルタ20、減
圧弁21、圧力計22、電磁弁23、電磁弁23のON
/OFFを切替えるリレー24等から構成されている。
空気圧源19は、例えばエアコンプレッサあるいは工場
内に設けられた圧縮空気配管等である。また、リレー2
4は、射出成形機からの制御信号に基づいて動作し、電
磁弁23のON/OFFを切替える。そして、射出成形
機からの制御信号によりリレー24が電磁弁23をON
に切替えると、圧縮空気が通気口17を介して歯車成形
キャビティに供給される。また、上記キャビティプレー
ト11とコアプレート12には、第一次温調手段25、
第二次温調手段26が備えられており、成形品のリム3
及びウェブ4の近傍には温度センサ及びヒータからなる
温度調整手段27…が設けられ、またキャビティ入れ子
13とコア入れ子14中の適宜の複数個所にも同様の温
度センサとヒータからなる温度調整手段27…が設けら
れている。
示す、図1のA−A断面図である。図4に示すように、
成形キャビティの一方の内壁面となるキャビティ入れ子
13には、射出成形機の射出部からの溶融樹脂を成形キ
ャビティ内へ射出充填する複数のピンゲート28…、及
びプラスチック歯車1のリム3の内周面と隣接する位置
にはリング状の通気口17が形成されている。プラスチ
ック歯車1のウェブ部分に充填された溶融樹脂は、複数
のピンゲート28…を中心に成形キャビティ内を放射状
に広がり、成形キャビティの外周部(歯形部2)に到達
する。その結果、ゲート放射方向部(A:ゲート部ライ
ン)と、ゲート間の放射方向ウェルド部(B:ウェルド
部ライン)で外周部への樹脂の流動分布、温度分布が発
生し、これによってA部とB部ではひけの発生度合いが
異なり、成形品であるプラスチック歯車1外周のギヤピ
ッチ円は、図2(B)に模式的に示すように、目的とし
た実線で示されているような円形状ではなく、点線で示
されるようなピンゲート28…位置に対応した凹凸形状
の花びら状となり、外周面を均一に転写した高精度な成
形品としてのプラスチック歯車1を得ることはできな
い。
外周部に向かうそれぞれのゲート放射方向部上に冷却手
段29…が設けられる。冷却手段29…は、気体冷却用
の多孔質部材等からなる通気路30と、通気路30と連
結された真空ポンプなどからなる排気制御手段31から
構成され、ひけ誘導後に気体を通気させることにより、
ひけ誘導部の樹脂冷却を促進する。なお、気体の排気条
件として、気体の排気時間及び排気量を調整することに
より、広範囲かつ微細な条件設定が可能である。
ついて説明する。図5は、6点ピンゲート金型を用い
て、リムの内周面と隣接する面に圧縮気体を導入するこ
とによってひけ誘導を実施した場合の、ひけの発生状況
を示す図で、図5(A)は本発明の成形方法によって形
成した成形品を示し、図5(B)は従来の成形方法によ
って形成した成形品を示す。図5(B)に示す従来の成
形方法によって形成した成形品では、樹脂温度が高いゲ
ート放射方向部(A:ゲート部ライン)上のひけが、ゲ
ート間の放射方向部(B:ウェルド部ライン)より大き
くなっている。これにより、歯筋の周期的な傾きが生
じ、精度低下の原因となっている。
形方法によって形成した成形品では、ゲート放射方向部
(A:ゲート部ライン)上に設けられた冷却手段29…
を用い、ひけ誘導後に気体を通気させることにより、ゲ
ート間の放射方向部(B:ウェルド部ライン)との温度
差が低減し、周方向に均一な温度分布が形成され、結果
として、歯筋の傾きのない高精度な成形品を得ることが
できる。なお、ピンゲートの場合、ゲート点数が多い方
が、ゲート放射方向部(A:ゲート部ライン)とゲート
間の放射方向部(B:ウェルド部ライン)との流動分
布、温度分布は少なくなるが、その分、ゲート穴加工、
ゲートランナー部の樹脂量が増え成形品のコストアップ
につながる。
示す、図1のA−A断面図である。図6に示す第2の実
施例は、キャビティ入れ子13に形成されるピンゲート
28の点数が3点と少なく、ゲート放射方向部(A:ゲ
ート部ライン)とゲート間の放射方向部(B:ウェルド
部ライン)との流動分布、温度分布が大きくなる場合に
おいても、確実に周方向に均一な温度分布が形成される
ように、ゲート放射方向部(A:ゲート部ライン)上に
冷却手段29を複数(図6の場合2個)設けた例であ
る。
示す、図1のA−A断面図である。図7に示す第3の実
施例は、ゲート放射方向部(A:ゲート部ライン)上に
設けられた冷却手段29…を、それぞれ個別に制御可能
とした例である。これにより、各ゲートバランス不良
や、金型の上下に温度差がある等に対しても、微細な条
件設定が可能となる。なお、前記第1〜3の実施例で
は、樹脂成形品としてプラスチック歯車を成形する場合
について説明したが、歯車に限らず外周面が平面である
円筒形状の樹脂成形品を優れた転写性をもって、しかも
高精度に成形することができる。
に対応する成形材料の通気口に圧縮空気を付与する構成
について説明したが、付与する気体は圧縮空気に限ら
ず、例えば高圧窒素ガスボンベを設けて圧縮窒素ガスを
通気口に供給することもできる。さらに、油圧で作動す
る横型の射出成形機に適用した例について説明したが、
これに限られるものではなく、電動で作動するものや、
縦型の射出成形機に適用できるのはもちろんである。
出成形方法を用いることにより、外周面に転写部である
歯部または平担部を備えた円筒形等の成形品の高転写性
を確保しつつ、変形(歯筋の傾き)の少ない高精度な成
形品を得ることができる。
によれば次のような効果を奏する。請求項1の発明によ
れば、金型内に形成された複数のゲートから溶融樹脂を
射出充填し、外周面に転写部である歯部又は平担部を備
えたリムと、ウェブ及びボスが一体に形成された成形品
を成形する射出成形装置において、前記リムの内周面と
隣接する面に設けられたひけ誘導手段と、前記複数のゲ
ート部から前記外周面に向かうゲート放射方向部上に冷
却手段を設けたことにより、樹脂温度が高く、ひけ量が
大きいゲート部の冷却を促進させることができる。その
結果、ひけ誘導部の樹脂温度分布が低減され、歯筋の傾
き等変形の少ない高精度な成形品が得られる。
周部に向かうゲート放射方向部上に設けられた冷却手段
が、気体冷却用の通気路と、該通気路と連結された排気
制御手段とから構成されたことにより、ひけ誘導部の樹
脂温度分布を容易に低減させることができる。その結
果、歯筋の傾き等変形の少ない高精度な成形品が得られ
る。
周部に向かうゲート放射方向部上に設けられた冷却手段
である気体冷却用の通気路が、多孔質部材から構成され
たことにより、簡単な構造で効率的な排気が可能とな
る。その結果、ひけ誘導部の樹脂温度分布が低減され、
歯筋の傾き等変形の少ない高精度な成形品が得られる。
周部に向かうゲート放射方向部上に、少なくとも2つ以
上の冷却手段を有することにより、ゲート数が少ない等
により、ゲート放射方向部とゲート間放射方向部(ウェ
ルド部)との温度差がより大きな場合についても確実に
ひけ誘導部の樹脂温度分布を低減させることができる。
その結果、歯筋の傾き等変形の少ない高精度な成形品が
得られる。
周部に向かうゲート放射方向部上に設けられた冷却手段
を、それぞれ個別に制御する制御手段を有することによ
り、広範囲かつ微細な制御が可能となる。その結果、ひ
け誘導部の樹脂温度分布が低減され、歯筋の傾き等変形
の少ない高精度な成形品が得られる。
れた複数のゲートから溶融樹脂を射出充填し、外周面に
転写部である歯部又は平担部を備えたリムと、ウェブ部
及びボスが一体に形成された成形品を成形するにあた
り、リムの内周面と隣接する面に選択的に気体を導入す
ることにより、ひけ誘導を行う射出成形方法において、
前記ゲート部から外周部に向かうゲート放射方向部上に
冷却手段を設けたことにより、樹脂温度が高く、ひけ量
が大きいゲート部の冷却を促進させることができる。そ
の結果、ひけ誘導部の樹脂温度分布が低減され、歯筋の
傾き等変形の少ない高精度な成形品が得られる。
である。
プラスチック歯車を示す図で、図2(A)は断面図、図
2(B)は平面図である。
る。
のA−A断面図である。
と隣接する面に圧縮気体を導入することによってひけ誘
導を実施した場合の、ひけの発生状況を示す図で、図5
(A)は本発明の成形方法によって形成した成形品を示
す図、図5(B)は従来の成形方法によって形成した成
形品を示す図である。
のA−A断面図である。
のA−A断面図である。
ム、4…ウェブ、5…ボス、10…歯車成形金型、11
…キャビティプレート、12…コアプレート、13…キ
ャビティ入れ子、14…コア入れ子、15…ギヤ駒、1
6…センタコアピン、17…通気口、18…圧縮空気供
給手段、19…空気圧源、20…エアフィルタ、21…
減圧弁、22…圧力計、23…電磁弁、24…リレー、
25…第1次温調手段、26…第2次温調手段、27…
温度調整手段、28…ピンゲート、29…冷却手段、3
0…通気路、31…排気制御手段。
Claims (6)
- 【請求項1】 金型内に形成された複数のゲートから溶
融樹脂を射出充填し、外周面に転写部を備えたリム及び
ウェブが一体に形成された成形品を成形する射出成形装
置において、前記リムの内周面と隣接する面に設けられ
たひけ誘導手段と、前記複数のゲートから前記外周面に
向かうゲート放射方向部上に冷却手段を設けたことを特
徴とする射出成形装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の射出成形装置において、
前記冷却手段は、気体冷却用の通気路と、該通気路と接
続された排気制御手段とからなることを特徴とする射出
成形装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の射出成形装置において、
前記気体冷却用の通気路は、多孔質部材から形成される
ことを特徴とする射出成形装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3いずれかに記載の射出成
形装置において、前記冷却手段は、前記複数のゲートか
ら前記外周面に向かうゲート放射方向部上に複数設けら
れることを特徴とする射出成形装置。 - 【請求項5】 請求項1乃至4いずれかに記載の射出成
形装置において、前記冷却手段をそれぞれ個別に制御す
る制御手段を有することを特徴とする射出成形装置。 - 【請求項6】 金型内に形成された複数のゲートから外
周面に向かうゲート放射方向部上に冷却手段を設け、前
記複数のゲートから溶融樹脂を射出充填し、前記外周面
に転写部を備えたリム及びウェブが一体に形成された成
形品を成形する際、前記リムの内周面と隣接する面に選
択的に気体を導入してひけ誘導を行う射出成形方法にお
いて、前記ひけ誘導後、前記複数のゲートから前記外周
面に向かうゲート放射方向の部分を冷却することを特徴
とする射出成形方法。
Priority Applications (1)
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JP2002138098A JP3816021B2 (ja) | 2002-05-14 | 2002-05-14 | 射出成形装置及び射出成形方法 |
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2002
- 2002-05-14 JP JP2002138098A patent/JP3816021B2/ja not_active Expired - Fee Related
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