JP2003326231A - アルカリ含有物の処理方法 - Google Patents

アルカリ含有物の処理方法

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JP2003326231A
JP2003326231A JP2002135317A JP2002135317A JP2003326231A JP 2003326231 A JP2003326231 A JP 2003326231A JP 2002135317 A JP2002135317 A JP 2002135317A JP 2002135317 A JP2002135317 A JP 2002135317A JP 2003326231 A JP2003326231 A JP 2003326231A
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dry ice
soil
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JP2002135317A
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Hideo Sugimoto
英夫 杉本
Jun Mitsumoto
純 光本
Fujio Ito
不二夫 伊藤
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Obayashi Corp
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Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】セメント系材料や石灰系材料が添加された処理
土であっても環境に影響を与えないように埋立材、埋戻
し材又は盛土材として使用する。 【構成】本発明に係るアルカリ含有物の処理方法は、ま
ず、廃棄物処分場1に搬入されてきた処理土2をブルド
ーザ3によって均しながら、ブルドーザ3の走行先端に
位置する処理土2にドライアイス粒体6を噴射すること
で、処理土2をドライアイス又は該ドライアイスから昇
華した炭酸ガスに接触させる。このようにすると、処理
土2の土粒子または土塊21の表面には炭酸カルシウム
被膜が形成される。次に、ドライアイス粒体6が撒き出
された処理土2の上をブルドーザ3が通過した後、その
上を転圧重機7で締め固める。このように処理土2をド
ライアイス又は該ドライアイスから昇華する炭酸ガスに
接触させながら、該処理土を廃棄物処分場1に順次埋め
立てていく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ含有物を
埋立材、埋戻し材又は盛土材として処理する際に使用さ
れるアルカリ含有物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】SMW(ソイルセメント柱列壁)工法
や、地中連続壁工法、シールド工法といった泥水工法に
おいては、建設泥土が多量に発生する。また、水質汚染
を防止するため、その原因となるヘドロ層を浚渫によっ
て除去することがあるが、かかる浚渫工事においても浚
渫泥土が多量に発生する。
【0003】このような発生土は、従来であれば産業廃
棄物として処分されることが多かったが、資源の有効利
用や環境保護あるいは処分コストの低減といった観点か
ら言えば、できるだけ再利用されることが望ましい。
【0004】このような背景の下、最近では、発生土に
セメント系材料または石灰系材料を添加混合して強度を
改善し、かかる処理土を盛土材、法面形成材、遮水壁の
構築材あるいは裏込め等の空洞充填材として有効利用さ
れることが多くなってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる処理
土が使用された箇所では、セメント系材料や石灰系材料
が添加されている関係上、アルカリ性が強くて植物の生
育に適さない環境となり、緑化することが非常に困難と
なる。そのため、せっかくの処理土も、結局は廃棄物処
分場に大量に埋立処分せざるを得ないという問題を生じ
ていた。
【0006】一方、アルカリ性を呈する処理土を廃棄物
処分場に埋設すると、その大部分は空気に接触しないた
め、該処理土は、空気中の二酸化炭素で中和されること
なくアルカリ成分を長期間保持し続け、雨水とともに地
下水に流入して環境に影響を及ぼす懸念を払拭できない
ままとなる。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、セメント系材料や石灰系材料が添加された処
理土であっても環境に影響を与えないように埋立材、埋
戻し材又は盛土材として使用することが可能なアルカリ
含有物の処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るアルカリ含有物の処理方法は請求項1
に記載したように、アルカリ含有物を埋立材、埋戻し材
又は盛土材として処理する方法において、前記アルカリ
含有物にドライアイス又は該ドライアイスから昇華した
炭酸ガスを接触させながら、該アルカリ含有物を埋立、
埋戻し又は盛土することで、前記アルカリ含有物の粒子
又は塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成するものであ
る。
【0009】また、本発明に係るアルカリ含有物の処理
方法は、前記アルカリ含有物にドライアイス又は該ドラ
イアイスから昇華した炭酸ガスを接触させるにあたり、
該アルカリ含有物を均し用重機によって均しながら、前
記均し用重機の走行先端に位置する前記アルカリ含有物
に前記ドライアイスをドライアイス粒体として噴射し、
該ドライアイス粒体が噴射された前記アルカリ含有物の
上を前記均し用重機が通過した後、その上を転圧重機で
締め固めるものである。
【0010】また、本発明に係るアルカリ含有物の処理
方法は、前記アルカリ含有物にドライアイス又は該ドラ
イアイスから昇華した炭酸ガスを接触するにあたり、所
定の処理基盤の上に前記ドライアイスをドライアイス粒
体として撒き出し、次いで、該ドライアイス粒体が撒き
出された前記処理基盤の上に前記アルカリ含有物を均し
用重機によって均しつつ積層して処理層とし、次いで、
該処理層の上を転圧重機で締め固めてあらたな処理基盤
とするものである。
【0011】また、本発明に係るアルカリ含有物の処理
方法は、前記アルカリ含有物を建設泥土、浚渫泥土等の
廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固
化材が添加されてなる処理土とするものである。
【0012】本発明に係るアルカリ含有物の処理方法に
おいては、アルカリ含有物を埋立材、埋戻し材又は盛土
材として処理する際、前記アルカリ含有物にドライアイ
ス又は該ドライアイスから昇華した炭酸ガスを接触させ
ながら、該アルカリ含有物を埋立、埋戻し又は盛土する
ことで、前記アルカリ含有物の粒子又は塊の表面に炭酸
カルシウム被膜を形成する。
【0013】このようにすると、アルカリ含有物の粒子
又は塊の表面に炭酸カルシウム被膜が形成されるまで
は、アルカリ含有物とドライアイス又は該ドライアイス
から昇華した炭酸ガスとの接触によって該アルカリ含有
物内のアルカリ成分が中和されるとともに、炭酸カルシ
ウム被膜がいったん形成された後は、アルカリ含有物中
に残留するアルカリ成分は、炭酸カルシウム被膜によっ
て粒子又は塊の内部に閉じ込められる。
【0014】したがって、埋立、埋戻し又は盛土された
アルカリ含有物からアルカリ成分が溶出して地下水系に
流入し、ひいては環境に拡散するといった懸念がなくな
る。
【0015】また、大気中に過剰に存在する二酸化炭素
を大気に戻らないように液状あるいは固体状で固定する
ことが地球環境保全の面できわめて重要であるが、かか
る意味では、ドライアイスは一時的な固定形態にすぎ
ず、いずれは昇華によって大気に戻ってしまう。しかし
ながら、本発明によれば、ドライアイスを炭酸カルシウ
ム被膜という形態に転換することによって、二酸化炭素
を長期的に固定することが可能となり、地球環境保全の
観点で二酸化炭素削減ひいては地球温暖化の防止にも寄
与する。
【0016】なお、ドライアイスの中和作用及び炭酸カ
ルシウム被膜によるアルカリ成分の溶出抑制作用によっ
て、アルカリ含有物全体のpHや電気伝導度(EC)
は、植物の生育に適した値に低下することとなり、かく
して、炭酸カルシウム被膜が形成された後のアルカリ含
有物は、廃棄物処分場に廃棄処分せずとも、緑化や農地
化のための埋立材、埋戻し材又は盛土材として有効利用
することも可能となる。例えば、海上空港建設工事にお
ける埋立材や橋台背面等への埋戻し材あるいは道路や鉄
道の盛土工事における盛土材として使用することができ
る。
【0017】したがって、本発明に係るアルカリ含有物
の処理方法は、廃棄物処分場への最終処分の際に適用さ
れることに限定されるものではなく、他の場所での埋
立、埋戻し又は盛土においても適用することが可能であ
る。
【0018】アルカリ含有物にドライアイス又は該ドラ
イアイスから昇華した炭酸ガスを接触させる方法は任意
であり、例えば、該アルカリ含有物を均し用重機によっ
て均しながら、前記均し用重機の走行先端に位置する前
記アルカリ含有物に前記ドライアイスをドライアイス粒
体として噴射し、該ドライアイス粒体が噴射された前記
アルカリ含有物の上を前記均し用重機が通過した後、そ
の上を転圧重機で締め固める方法や、所定の処理基盤の
上に前記ドライアイスをドライアイス粒体として撒き出
し、次いで、該ドライアイス粒体が撒き出された前記処
理基盤の上に前記アルカリ含有物を均し用重機によって
均しつつ積層して処理層とし、次いで、該処理層の上を
転圧重機で締め固めてあらたな処理基盤とする方法が考
えられる。
【0019】ちなみに、後者の方法においては、撒き出
されたドライアイス粒体によってその上に積層されたア
ルカリ含有物が上述した中和作用及び炭酸カルシウム被
膜形成作用を受けることになる。
【0020】したがって、積層されたアルカリ含有物の
締固めは、ドライアイス粒体による中和作用及び炭酸カ
ルシウム被膜形成作用が確実に行われるように、処理層
の厚さや転圧時期を設定するのが望ましい。前者の方法
においても、同様の目的で処理土の均し厚さや転圧時期
を設定するのが望ましい。なお、後者の方法において
は、ドライアイス粒体が撒き出された上にアルカリ含有
物が均されつつ積層されて処理層となるため、該処理層
の表面が順次、処理基盤となるが、最初のドライアイス
粒体が噴射される際には、その処理基盤は、所定の地盤
面が処理基盤となる。
【0021】ドライアイス粒体は、上述した作用が生じ
る限り、その大きさや形状は問わない。例えば、米粒大
のものやペレット状のものでもかまわないし、粒径が小
さな粒子状のもの、特に、微粒体に成形されたものを噴
霧するようにしてもかまわない。なお、本発明では、噴
霧という用語を噴射又は撒出しの下位概念として用いる
ものとする。
【0022】アルカリ含有物とは、含有カルシウムのた
めにpHが高くなっている物質を言い、建設泥土、浚渫
泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分
とする固化材が添加されてなる処理土やコンクリートガ
ラなどがこの概念に含まれる。
【0023】ここで、前記アルカリ含有物を、建設泥
土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料
を主成分とする固化材が添加されてなる処理土とする場
合においては、該処理土の原材料が廃泥であるため、も
ともと含水比が高く、その土粒子や土塊表面には多くの
表面水が付着している。
【0024】そのため、従来の方法において処理土の土
粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成させる
には、処理土を処理用地に拡げた上、大気中の二酸化炭
素を表面水に溶け込ませ、しかる後、処理土内のカルシ
ウムと反応させる必要があったが、大気中の二酸化炭素
は表面水にゆっくりと溶け込むため、溶け込んだ二酸化
炭素が土粒子又は土塊表面において処理土中のカルシウ
ムと反応するには時間を要し、結果として、処理土の土
粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜が形成される
には非常に長い時間がかかっていた。
【0025】それに対し、上述したように処理土にドラ
イアイス又は該ドライアイスから昇華した炭酸ガスを接
触させると、処理土の土粒子または土塊の表面に付着し
ている水は、ドライアイスによる冷却作用によっていっ
たん凍結し、その後、大気温度、例えば20゜Cであれ
ば、該大気温度との温度差ΔTが実質的に零の状態から
20゜以上の温度差にまで拡大し、かかる温度差の拡大
に伴って温度ポテンシャルによる蒸気圧が大きくなり、
凍結した表面水は、溶解過程を経てすみやかに蒸発する
とともに、その溶解過程で生じた水、ドライアイスによ
る高濃度の二酸化炭素及び処理土内のカルシウムとが反
応し、処理土の土粒子または土塊の表面には炭酸カルシ
ウム被膜が形成される。
【0026】ここで、かかる凍結、溶解、蒸発及び被膜
形成という一連の反応は瞬間的に進行するため、従来の
ように処理土を処理用地上に拡げて大気中の二酸化炭素
による自然処理を行うよりも、炭酸カルシウム被膜の形
成をはるかに短時間に終了させることが可能となる。
【0027】また、本来であれば、産業廃棄物として処
分しなければならない廃泥を有効利用することが可能と
なり、資材のリサイクル及び廃棄物の減容化に大いに寄
与する。
【0028】建設泥土、浚渫泥土等の廃泥とは、建築土
木現場において含水比が高いためにそのままでは運搬等
の取り扱いができず、固化材を添加する必要があるもの
をすべて包含するものであり、建設泥土の具体例として
は、SMW工法で発生した残土、連続地中壁工法やシー
ルド工法といった泥水工法で発生する劣化泥水などが該
当する。また、その他の廃泥には、下水道汚泥等も含ま
れる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るアルカリ含有
物の処理方法の実施の形態について、添付図面を参照し
て説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等に
ついては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0030】(第1実施形態)
【0031】図1は、本実施形態に係るアルカリ含有物
の処理方法を実施している様子を示した図である。同図
でわかるように、本実施形態に係るアルカリ含有物の処
理方法は、廃棄物処分場1への埋立に本発明を適用する
とともに、アルカリ含有物を、建設泥土、浚渫泥土等の
廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固
化材が添加されてなる処理土2としたものであり、該処
理方法においては、まず、ダンプカー等で廃棄物処分場
1に搬入されてきた処理土2を均し用重機であるブルド
ーザ3によって均しながら、その均し速度に応じて前方
を走行する作業車両4に搭載されたブラスト装置5から
ブルドーザ3の走行先端に位置する処理土2にドライア
イス粒体6を噴射することで、処理土2をドライアイス
又は該ドライアイスから昇華した炭酸ガスに接触させ
る。
【0032】処理土2は、例えば、地中連続壁を構築す
る際に生じた劣化泥水を、サイクロン、スクリューデカ
ンタ、フィルタープレス等で機械脱水して脱水ケーキと
したものとすることができる。なお、固化材については
セメントを採用し、該セメントを例えばフィルタープレ
スで加圧脱水する前に予め添加しておけばよい。
【0033】ブラスト装置5は、ドライアイス粒体6を
噴射可能であればどのような装置でもよく、例えばコー
ティング材、接着剤、塗料その他の付着物の除去を用途
とした公知のブラスト装置から適宜選択すればよい。但
し、公知のブラスト装置は、付着物を除去することが目
的であるという関係上、例えばペレット状のドライアイ
スをブラスト材として一定の速度で噴射しあるいは吹き
付けるようになっているが、本実施形態では、ドライア
イス粒体6の噴射にあたって特段の噴射速度や吹付け速
度は不要であり、単に、処理土2に向けて噴射、噴霧な
いしは撒出しを行うことができれば足りる。
【0034】このようにブラスト装置5からブルドーザ
3の走行先端に位置する処理土2にドライアイス粒体6
を噴射すると、処理土2は、原材料が廃泥であるため、
もともと含水比が高く、その土粒子や土塊の表面には多
くの表面水が付着しているが、上述したようドライアイ
ス粒体6の噴射により、処理土2の土粒子または土塊の
表面に付着している水は、ドライアイス粒体6による冷
却作用によっていったん凍結し、その後、大気温度、例
えば20゜Cであれば、該大気温度との温度差ΔTが実
質的に零の状態から20゜以上の温度差にまで拡大し、
かかる温度差の拡大に伴って温度ポテンシャルによる蒸
気圧が大きくなり、凍結した表面水は、溶解過程を経て
すみやかに蒸発するとともに、その溶解過程で生じた
水、ドライアイス粒体6による高濃度の二酸化炭素及び
処理土2内のカルシウムとが反応し、処理土2の土粒子
または土塊21の表面には、図2に示すように炭酸カル
シウム被膜22が形成される。
【0035】ここで、かかる凍結、溶解、蒸発及び被膜
形成という一連の反応は瞬間的に進行し、炭酸カルシウ
ム被膜22の形成は短時間で終了する。
【0036】なお、かかる炭酸カルシウム被膜22の形
成プロセスにおいては、上述したドライアイス粒体6に
よる水分蒸発作用及び本来の中和作用により、含水比及
びpHが高い処理土2は、含水比が低下して速やかに乾
燥するとともに、pHも低下して中和される。
【0037】次に、ドライアイス粒体6が撒き出された
処理土2の上をブルドーザ3が通過した後、その上を転
圧重機7で締め固める。撒き出された処理土2の締固め
は、ドライアイス粒体6による上述した中和作用及び炭
酸カルシウム被膜形成作用が確実に行われるよう、均し
厚さや転圧時期を適宜設定するのが望ましい。
【0038】このように処理土2をドライアイス又は該
ドライアイスから昇華する炭酸ガスに接触させながら、
該処理土を廃棄物処分場1に順次埋め立てていく。
【0039】以上説明したように、本実施形態に係るア
ルカリ含有物の処理方法によれば、アルカリ含有物であ
る処理土2とドライアイス又は該ドライアイスから昇華
する炭酸ガスとの接触によって該処理土内のアルカリ成
分が中和されるとともに、処理土2の土粒子又は土塊2
1の表面に炭酸カルシウム被膜22がいったん形成され
た後は、該処理土中のアルカリ成分は、炭酸カルシウム
被膜22によって土粒子又は土塊22の内部に閉じ込め
られる。
【0040】したがって、廃棄物処分場1に埋立された
処理土2からアルカリ成分が溶出して地下水系に流入
し、ひいては環境に拡散するといった懸念がなくなる。
【0041】また、一時的な固定形態にすぎないドライ
アイスを炭酸カルシウム被膜という形態に転換すること
によって、二酸化炭素を長期的に固定することが可能と
なり、地球環境保全の観点で二酸化炭素削減ひいては地
球温暖化の防止にも寄与する。
【0042】また、本実施形態に係るアルカリ含有物の
処理方法によれば、セメント系材料又は石灰系材料を主
成分とする固化材が添加されてなる処理土2をアルカリ
含有物とし、該処理土にドライアイス粒体6を噴射する
ようにしたので、炭酸カルシウム被膜22の形成プロセ
スにおいて、ドライアイス粒体6による水分蒸発作用及
び本来の中和作用により、含水比及びpHが高い処理土
2の含水比を低下させて速やかに乾燥させるとともに、
pHを低下させることも可能となる。
【0043】本実施形態では、本発明に係るアルカリ含
有物の処理方法を廃棄物処分場1への埋立に適用した
が、ドライアイスの中和作用及び炭酸カルシウム被膜2
2の形成によるアルカリ成分の溶出抑制作用により、処
理土2全体のpHや電気伝導度(EC)は植物の生育に
適した値に低下する。
【0044】すなわち、炭酸カルシウム被膜22が形成
された後の処理土2は、廃棄物処分場1に廃棄処分せず
とも、上述した手順に従って緑化や農地化のために適用
することができるとともに、その場合、必ずしも埋立材
としての利用にとどまるものではなく、これに代えて埋
戻し材又は盛土材として利用することもできる。
【0045】かかる構成においては、本来であれば、産
業廃棄物として処分しなければならない廃泥を有効利用
することが可能となり、資材のリサイクル及び廃棄物の
減容化に大いに寄与する。
【0046】また、本実施形態では、アルカリ含有物と
して、建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又
は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処
理土2を使用したが、本発明のアルカリ含有物はかかる
処理土2に限定されるものではなく、例えば該処理土に
代えてコンクリートガラを使用するようにしてもかまわ
ない。
【0047】(第2実施形態)
【0048】次に、第2実施形態について説明する。な
お、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同
一の符号を付してその説明を省略する。
【0049】図3は、第2実施形態に係るアルカリ含有
物の処理方法を実施している様子を示した図である。同
図でわかるように、本実施形態に係るアルカリ含有物の
処理方法も第1実施形態と同様、廃棄物処分場1への埋
立に本発明を適用するとともに処理土2としたものであ
り、該処理方法においては、まず、同図(a)に示すよう
に、廃棄物処分場1の底面31aを処理基盤とし、該処
理基盤の上に作業車両4に搭載されたブラスト装置5か
らドライアイス粒体6を撒き出す。
【0050】次に、その上から廃棄物処分場1に搬入さ
れてきた処理土2を、同図(b)に示すようにブルドーザ
3によって押し均しつつ、積層して処理層32aを形成
する。
【0051】このようにドライアイス粒体6が撒き出さ
れた処理基盤31aの上に処理土2を押し均しつつ、こ
れを積層して処理層32aとすると、該処理層内の処理
土は、ドライアイス又は該ドライアイスから昇華した炭
酸ガスと接触する。
【0052】そして、処理層32a内の処理土2は、原
材料が廃泥であるため、もともと含水比が高く、その土
粒子や土塊の表面には多くの表面水が付着しているが、
上述したようドライアイス粒体6の撒出しにより、処理
土2の土粒子または土塊の表面に付着している水は、第
1実施形態と同様、ドライアイス粒体6による冷却作用
によっていったん凍結し、その後、凍結した表面水は、
溶解過程を経てすみやかに蒸発するとともに、その溶解
過程で生じた水、ドライアイス粒体6による高濃度の二
酸化炭素及び処理土2内のカルシウムとが反応し、処理
土2の土粒子または土塊21の表面には炭酸カルシウム
被膜22が形成される。
【0053】ここで、かかる凍結、溶解、蒸発及び被膜
形成という一連の反応は、第1実施形態と同様、瞬間的
に進行し、炭酸カルシウム被膜22の形成は短時間で終
了する。なお、かかる炭酸カルシウム被膜22の形成プ
ロセスにおいては、上述したドライアイス粒体6による
水分蒸発作用及び本来の中和作用により、含水比及びp
Hが高い処理土2は、含水比が低下して速やかに乾燥す
るとともに、pHも低下して中和される。
【0054】次に、処理層31aの上を転圧重機7で締
め固める。処理層31aの締固めは、ドライアイス粒体
6による上述した中和作用及び炭酸カルシウム被膜形成
作用が処理層31a内において確実に行われるよう、転
圧時期や処理層31aの積層厚さを適宜設定するのが望
ましい。
【0055】次に、処理層32aの上をあらたな処理基
盤31bとするとともに、上述と同様にして該処理基盤
の上にドライアイス粒体6を撒き出し、次いで、その上
から処理土2をブルドーザ3によって押し均しつつ積層
して処理層32bを形成した後、所定時間経過後に締固
めを行う。
【0056】このように、ドライアイス粒体6が撒き出
された処理基盤31a,31b,31c,31d・・・
の上に処理土2を押し均しつつこれを積層して処理層3
2a,32b,32c,32d・・・を形成するという
工程を同図(c)に示すように繰り返すことで、各処理層
内の処理土2をドライアイス又は該ドライアイスから昇
華した炭酸ガスと接触させながら、処理土2を廃棄物処
分場1に順次埋め立てていく。
【0057】以上説明したように、本実施形態に係るア
ルカリ含有物の処理方法によれば、アルカリ含有物であ
る処理土2とドライアイス又は該ドライアイスから昇華
する炭酸ガスとの接触によって該処理土内のアルカリ成
分が中和されるとともに、処理土2の土粒子又は土塊2
1の表面に炭酸カルシウム被膜22がいったん形成され
た後は、該処理土中のアルカリ成分は、炭酸カルシウム
被膜22によって土粒子又は土塊22の内部に閉じ込め
られる。
【0058】したがって、廃棄物処分場1に埋立された
処理土2からアルカリ成分が溶出して地下水系に流入
し、ひいては環境に拡散するといった懸念がなくなる。
【0059】また、一時的な固定形態にすぎないドライ
アイスを炭酸カルシウム被膜という形態に転換すること
によって、二酸化炭素を長期的に固定することが可能と
なり、地球環境保全の観点で二酸化炭素削減ひいては地
球温暖化の防止にも寄与する。
【0060】また、本実施形態に係るアルカリ含有物の
処理方法によれば、アルカリ含有物をセメント系材料又
は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処
理土2としたので、炭酸カルシウム被膜22の形成プロ
セスにおいて、ドライアイス粒体6による水分蒸発作用
及び本来の中和作用により、含水比及びpHが高い処理
土2の含水比を低下させて速やかに乾燥させるととも
に、pHを低下させることも可能となる。
【0061】本実施形態では、本発明に係るアルカリ含
有物の処理方法を廃棄物処分場1への埋立に適用した
が、ドライアイスの中和作用及び炭酸カルシウム被膜2
2によるアルカリ成分の溶出抑制作用により、処理土2
全体のpHや電気伝導度(EC)は、植物の生育に適し
た値に低下する。
【0062】すなわち、炭酸カルシウム被膜22が形成
された後の処理土2は、第1実施形態と同様、廃棄物処
分場1に廃棄処分せずとも、上述した手順に従って緑化
や農地化のために適用することができるとともに、その
場合、必ずしも埋立材としての利用にとどまるものでは
なく、これに代えて埋戻し材又は盛土材として利用する
こともできる。
【0063】かかる構成においては、本来であれば、産
業廃棄物として処分しなければならない廃泥を有効利用
することが可能となり、資材のリサイクル及び廃棄物の
減容化に大いに寄与する。
【0064】また、本実施形態では、アルカリ含有物と
して、建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又
は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処
理土2を使用したが、本発明のアルカリ含有物はかかる
処理土2に限定されるものではなく、例えば該処理土に
代えてコンクリートガラを使用するようにしてもかまわ
ない。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るアルカ
リ含有物の処理方法によれば、アルカリ含有物からアル
カリ成分が溶出して地下水系に流入し、ひいては環境に
拡散するといった懸念がなくなる。また、一時的な固定
形態にすぎないドライアイスを炭酸カルシウム被膜とい
う形態に転換することによって、二酸化炭素を長期的に
固定することが可能となり、地球環境保全の観点で二酸
化炭素削減ひいては地球温暖化の防止にも寄与する。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るアルカリ含有物の処理方法
を実施している様子を示した図。
【図2】本実施形態に係るアルカリ含有物の処理方法に
よって処理されたアルカリ含有物を示した概念図。
【図3】第2実施形態に係るアルカリ含有物の処理方法
を実施している様子を示した図。
【符号の説明】
2 処理土(アルカリ含有物) 3 ブルドーザ(均し用重機) 6 ドライアイス粒体(ドライ
アイス) 7 転圧重機 22 炭酸カルシウム被膜 31a,31b,31c,31d 処理地盤 32a,32b,32c,32d 処理層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 不二夫 東京都港区港南2丁目15番2号 株式会社 大林組東京本社内 Fターム(参考) 4D004 AA50 AB05 AC08 BB03 CA15 CA34 CC01 CC11 4D059 AA09 BF13 BG00 CC10 DA04 DA05 DA37 DA66 DA70

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ含有物を埋立材、埋戻し材又は
    盛土材として処理する方法において、 前記アルカリ含有物にドライアイス又は該ドライアイス
    から昇華した炭酸ガスを接触させながら、該アルカリ含
    有物を埋立、埋戻し又は盛土することで、前記アルカリ
    含有物の粒子又は塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成
    することを特徴とするアルカリ含有物の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ含有物にドライアイス又は
    該ドライアイスから昇華した炭酸ガスを接触させるにあ
    たり、該アルカリ含有物を均し用重機によって均しなが
    ら、前記均し用重機の走行先端に位置する前記アルカリ
    含有物に前記ドライアイスをドライアイス粒体として噴
    射し、該ドライアイス粒体が噴射された前記アルカリ含
    有物の上を前記均し用重機が通過した後、その上を転圧
    重機で締め固める請求項1記載のアルカリ含有物の処理
    方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ含有物にドライアイス又は
    該ドライアイスから昇華した炭酸ガスを接触するにあた
    り、所定の処理基盤の上に前記ドライアイスをドライア
    イス粒体として撒き出し、次いで、該ドライアイス粒体
    が撒き出された前記処理基盤の上に前記アルカリ含有物
    を均し用重機によって均しつつ積層して処理層とし、次
    いで、該処理層の上を転圧重機で締め固めてあらたな処
    理基盤とする請求項1記載のアルカリ含有物の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ含有物を建設泥土、浚渫泥
    土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分と
    する固化材が添加されてなる処理土とする請求項1乃至
    請求項3のいずれか一記載のアルカリ含有物の処理方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005272546A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Kawai Sekkai Kogyo Kk 土壌中性固化材及び土壌中性固化改良法
JP2011212621A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Chemical Grouting Co Ltd アルカリ性土壌中和工法
CN109482610A (zh) * 2018-10-24 2019-03-19 湖北云应矿业技术开发有限公司 一种碱渣回填处置工艺

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