JP2003326103A - 油水分離装置 - Google Patents

油水分離装置

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JP2003326103A
JP2003326103A JP2002137423A JP2002137423A JP2003326103A JP 2003326103 A JP2003326103 A JP 2003326103A JP 2002137423 A JP2002137423 A JP 2002137423A JP 2002137423 A JP2002137423 A JP 2002137423A JP 2003326103 A JP2003326103 A JP 2003326103A
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Japan
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oil
water
treated
chamber
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Application number
JP2002137423A
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English (en)
Inventor
Yasushi Aoshima
靖 青島
Fumitoshi Shinohara
史敏 篠原
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理対象水中に分散された微細な分散油を短
時間で高度に分離除去することが可能な油水分離装置を
提供する。 【解決手段】 油滴が分散した処理対象水が供給され
て、処理対象水を分離油と処理済水とに分離して外部に
流出する油水分離タンク20を備え、油水分離タンク2
0が、下部に処理対象水が導入される導入口37を有す
るとともに、上部に分離油出口51と処理済水出口54
を有し、導入口37と分離油出口51及び処理済水出口
54との間が多数の細孔を有する透過板42により仕切
られて、透過板42の下側に粗粒化室40が形成され、
粗粒化室40に多数の親油性粒子18が充填され、処理
対象水を多数の親油性粒子18と接触させて分離油と処
理済水とに分離する油水分離装置10であって、親油性
粒子18が、透過板42の多数の細孔より大きいととも
に、1500μm以下の平均粒径を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、処理対象水中に
分散した油滴を分離する油水分離装置に係り、特に処理
対象水を親油性粒子と接触させることにより油滴を分離
する油水分離装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、切削、研削加工用のクーラン
ト、金属の熱処理後の洗浄水、塗装の前処理用の洗浄
水、船舶のビルジ水等の使用済水には、油が混合されて
いることが多い。そのため、再利用する場合などには混
合されている油を分離除去する必要がある。通常、混合
された油を分離するには比重差を利用した重力分離が行
われるが、微細な油滴の状態で水中に分散された油は、
浮力が小さくて重力分離が容易でない。このような微細
な油滴を分離するための装置として、例えば特開昭60
−232212号公報に示されるような油水分離タンク
が知られている。
【0003】この油水分離タンクでは、内部に熱可塑性
プラスチックよりなる外径15mm程度のコアレッサー
体(親油性粒子)の層を設け、このコアレッサー体の層
に処理対象水を接触させることにより微細な分散油滴を
粗粒化して粒径を大きくし、これにより油滴の浮力を増
加して浮上させ、分離油として処理済水から分離してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の油水分離タンクでは、処理対象水をコアレッ
サー体に十分に接触させたとしても、微細な油滴を高度
に分離除去することが困難であった。しかも、コアレッ
サー体に十分に接触させるには、処理時間を長くした
り、コアレッサー体の層を厚くして装置を大型化しなけ
ればならないなどの問題点もあった。
【0005】この発明は、このような問題点を解決する
ために、処理対象水中に分散された微細な油滴を短時間
に高度に分離除去することが可能であり、また、装置を
コンパクトに形成することも可能な油水分離装置を提供
することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、油滴が分散した処理対象
水が供給されて、該処理対象水を分離油と処理済水とに
分離して外部に流出させる油水分離タンクを備え、該油
水分離タンクが、下部に前記処理対象水が導入される導
入口を有するとともに、上部に分離油出口と処理済水出
口を有し、前記導入口と前記分離油出口及び処理済水出
口との間が多数の細孔を有する透過板により仕切られて
該透過板より粗粒化室が形成され、該粗粒化室に多数の
親油性粒子が充填され、前記処理対象水を該多数の親油
性粒子と接触させて油滴を粗粒化することにより前記分
離油と前記処理済水とに分離する油水分離装置であっ
て、前記親油性粒子が、前記透過板の多数の細孔より大
きいとともに、1500μm以下の平均粒径を有するこ
とを特徴とする。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の構成に加え、前記透過板の多数の細孔の孔径が
200μm以上であることを特徴とする。
【0008】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項
1または2に記載の構成に加え、前記粗粒化室内に気泡
を放出することにより前記親油性粒子を攪拌可能なバブ
リングノズルを設けたことを特徴とする。
【0009】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
乃至3の何れか1つに記載の構成に加え、前記親油性粒
子の充填率が、45%以上100%未満であることを特
徴とする。
【0010】さらに、請求項5に記載の発明は、請求項
1乃至4の何れか1つに記載の構成に加え、前記処理対
象水が、分散油以上の油滴を含むものであることを特徴
とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
を用いて説明する。
【0012】図1及び図2は、この実施の形態の油水分
離装置を示している。
【0013】この油水分離装置10の処理対象水は、水
を主成分とする液中に、油が重力により容易に分離でき
ない程度の微細な油滴として分散した水性液、特に1μ
m〜100μm程度の粒径を有する一般に分散油に分類
される油滴を含む水性液が好適である。分散油より大き
い油滴は静置することにより重力分離可能であり、一
方、分散油より小さい油滴は他の処理を併用する必要が
生じるからである。
【0014】このような処理対象水としては、例えば、
切削、研削加工用のクーラント、金属の熱処理後の洗浄
水、塗装の前処理用の洗浄水、船舶のビルジ水等、各種
の工程で使用されて回収された使用済水などが挙げられ
る。
【0015】この実施の形態の油水分離装置10は、処
理対象水を貯留する貯留槽12と、貯留槽12内の処理
対象水を採液路13から採液して圧送路15から圧送す
る液体ポンプ14と、圧送路15からの処理対象水をフ
ィルタ16aで濾過することにより固形分を除去して導
入路17に送る固液分離器16と、固形分が除去された
処理対象水を導入路17から導入し、親油性粒子18と
接触させて分離油及び処理済水に分離させる油水分離タ
ンク20と、油水分離タンク20の分離油を分離油路1
9から取出す分離油槽21と、油水分離タンク20の処
理済水を貯留槽12まで返送する返送路22とを有して
いる。
【0016】また、この油水分離装置10には、固液分
離器16の濾過能力が低下した際にフィルタ16aを逆
洗して回復させる逆洗装置24が設けられ、さらに、油
水分離タンク20の処理能力が低下した際に、気泡を放
出して親油性粒子を攪拌することにより性能を回復させ
るバブリング装置26が設けられている。
【0017】逆洗装置24としては、空気圧源28から
調圧弁28aを通して供給される圧縮空気を電磁弁24
a及び逆止弁24bを経由して導入路17に導入できる
逆洗空圧配管24c、逆洗空圧配管24cより油水分離
タンク20側の導入路17に設けられて導入路17を開
閉する開閉弁24d、逆洗空圧配管24cより固液分離
器16側の導入路17に設けられて処理対象水の一部を
蓄える貯水タンク24e、圧送路15に設けられた逆止
弁24f、並びに固液分離器16の下部から例えば貯留
槽12まで送液可能なドレン液路24g、ドレン液路2
4gを開閉する開閉弁24hが用いられている。
【0018】バブリング装置26としては、油水分離タ
ンク20の下部に配置されたバブリングノズル30、空
気圧源28から調圧弁28aを通して供給される圧縮空
気を電磁弁26a及び逆止弁26bを経由してバブリン
グノズル30に導入できる気泡空圧配管26c、油水分
離タンク20から貯留槽12まで送液可能なバイパス液
路26d、バイパス液路26dを開閉する開閉弁26
e、油水分離タンク20の頂部に設けられた自動空気抜
弁26fが用いられている。
【0019】さらに、逆洗装置24及びバブリング装置
26を自動制御するために、圧送路15と導入路17
に、それぞれ内部の圧力を検出する圧力スイッチ31、
32が配置されている。なお、空気圧源28からは、さ
らに、調圧弁28bを通して供給される液体ポンプ14
駆動用の圧縮空気を電磁弁12a及び逆止弁12bを経
由して液体ポンプ14に送る空圧配管12cが接続され
ている。
【0020】そして、このような油水分離装置10の油
水分離タンク20は、図2に示すように、図示しない基
台に固定されたベース部33と、ベース部33の上部に
液密、かつ着脱可能に連結された本体部34とからなっ
ていて、ベース部33には処理対象水が導入される導入
室36が設けられ、本体部34には、導入室36と透過
板38により仕切られた粗粒化室40と、粗粒化室40
と透過板42で仕切られて、粗粒化室40の上部に配置
された分離室44とが配設されている。
【0021】導入室36には、導入路15に連結された
導入口37、バブリング装置26のパブリングノズル3
0、及び油水分離タンク20のドレン弁45が設けられ
ている。
【0022】粗粒化室40には、多数の親油性粒子18
が充填されていて、これらが一対の透過板38、42間
に保持されている。
【0023】この親油性粒子18は、処理対象水が粗粒
化室40内に進入して接触することにより、処理対象水
中の複数の油滴を結合して粗粒化し、粒径の大きい油滴
にする作用を奏するものである。この理由は、例えば親
油性粒子18の表面に複数の油滴が吸着されてそれらが
結合したり、親油性粒子18間に形成される狭い流路を
通過する際に油滴同士が結合する等によるものと推測す
ることができる。
【0024】この発明では、このような親油性粒子18
として、少なくとも表面が処理対象水中で油滴を付着可
能な程度の親油性を有する材料からなる粒子を使用する
ことができる。
【0025】このような親油性粒子18としては、例え
ばポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンな
どの粒子が挙げられる。
【0026】また、この発明では、親油性粒子18とし
て平均粒径が1500μm以下のものを使用する必要が
ある。前記のような作用を考慮すれば、平均粒径が大き
いと、油水分離タンク20内に充填される親油性粒子1
8の表面積が少なくなり、また、親油性粒子18間に形
成される間隙が大きくなる等のため、微細な油滴を十分
に粗粒化できないからである。
【0027】一方、親油性粒子18の平均粒径は、小さ
い程微細な油滴を粗粒化しやすいが、平均粒径が小さす
ぎると、親油性粒子18を粗粒化室40内に保持するた
めの透過板38、42の細孔を親油性粒子18よりも小
さくしなければならず、油水分離タンク20内での圧力
損失が増加する。そのため、透過板38、42の細孔の
孔径は200μm以上とするのが好ましく、親油性粒子
の平均粒径は少なくとも200μmより大きくするのが
適当である。
【0028】また、このような親油性粒子18は、油水
分離タンク20の粗粒化室40内に適度の充填率となる
ように充填されるのが好ましい。即ち、上記のような作
用を考慮すれば、油水分離装置10の稼働時に油水分離
タンク20の粗粒化室40内で親油性粒子18が適度に
移動できるとともに当接できる程度に粗粒化室40内に
充填されることにより、油滴が粗粒化し易くなり、ま
た、バブリング時には、処理能力が回復し易くなる。
【0029】具体的には、粗粒化室40内で各親油性粒
子18が実質的に変位できない程度に粗粒化室40内に
一杯に充填させた状態を充填率100%としたとき(親
油性粒子18が完全な球形と仮定したとき、粗粒化室4
0の容積を100とすると親油性粒子18の占める体積
は70程度となる。)、45%以上100%未満の範囲
とするのが好適である。
【0030】次に、このような粗粒化室40と透過板4
2により仕切られて配設された分離室44には、まず、
円錐台形状の筒体からなり、細孔から放出される粗粒化
した油滴をガイド面46bにより案内する油分離体46
を透過板42の上面に備えている。この油分離体46は
上端46aが分離室44の上下方向の中間に配置される
ように透過板42に固定されている。また、ガイド面4
6bの下部側には透過板42の細孔が設けられていない
位置に貫通孔46cが形成されている。
【0031】また、分離室44の頂部には上部蓋48が
液密に固定されていて、油分離体46の上端46aの内
側に対向する位置には、上部蓋48から突出して油溜り
50が設けられている。
【0032】そして、この油溜り50には、分離された
分離油を取出すための分離油出口51が開口して分離油
路19に連続している。分離油路19には電磁弁52が
設けられていて、油溜り50の内部に設けられたフロー
トスイッチ53により開閉可能となっている。このフロ
ートスイッチ53のフロートは処理済水より軽く、かつ
分離油より重い比重に設定されている。
【0033】一方、分離室44の下部には、分離油が分
離された処理済水を取出すための処理済水出口54が、
油分離体46の外側であって、上端46aよりできるだ
け下側の位置に開設されて、返送路22に連続してい
る。
【0034】さらに、この分離室44の側面底部側に
は、バブリング用のバイパス液路26dが開口してい
る。このバイパス液路26dには開閉弁26eが設けら
れていて、バブリング時に開通されるようになってい
る。また、バブリング時に分離室44内の液面を検出す
るためのフロートスイッチ26gが分離室44の底部側
に設けられている。このフロートスイッチ26gのフロ
ートは処理済水より軽い比重に設定されている。
【0035】以上のような構成を有する油水分離装置1
0により処理対象水の油水分離処理を行うには、まず、
貯留槽12の処理対象水を液体ポンプ14により採液路
13から採液して圧送路15を通して固液分離器16に
連続的に供給する。この固液分離器16では、処理対象
水中の微細な固形分や塵埃などがフィルタ16aにより
濾過して除去される。
【0036】次に、固液分離器16で固形分が除去され
た処理対象水は、導入路17から油水分離タンク20の
導入口37に導入される。ここでは、導入室36が満た
された後、処理対象水が透過板38を透過して粗粒化室
40内に進入して、粗粒化室40内を層流状態で上昇す
る。その際、親油性粒子18の比重が処理対象水より小
さいため、親油性粒子18は粗粒化室40内の上部に層
状に浮上した状態となり、処理対象水はこの層状の多数
の親油性粒子間を上昇する。
【0037】このように処理対象水が粗粒化室40内を
通過することにより、処理対象水は粗粒化室40内に充
填されている親油性粒子18と接触し、処理対象水中に
分散状態で存在する微細な多数の油滴が、親油性粒子1
8の表面に吸着されて他の複数の油滴と結合した後、再
び処理済水中に脱離することにより粗粒化したり、親油
性粒子18間の流路他の複数の油滴と結合することによ
り粗粒化して、粒径の大きい油滴となる。
【0038】そして、この粗粒化された油滴は、処理済
水とともに混合状態で透過板42を透過し、分離室44
に進入する。
【0039】分離室44では、まず、油滴を含む処理済
水が全て円錐台形状の油分離体46の内側に供給され
る。そして、分離室44が満たされた後、油滴を含む処
理済水が上昇することにより、粗粒化されて浮力が大き
くなった油滴がそのまま油分離体46のガイド面46b
に案内されて上昇し、分離室44の上部に移動して油溜
り50に滞留する。
【0040】一方、それ以外の処理済水は油分離体46
の上端46aから処理済水出口54方向へ移動し、処理
対象水の導入圧により返送路22から貯留槽12に返送
される。
【0041】そして、この油水分離処理を継続すること
により、分離室44内の油溜り50に滞留する油が増加
すると、油の増加に伴って油と処理済水の界面が油溜り
50内で低下する。そのため、フロートスイッチ53が
低下して、分離油出口51が開き、滞留した油が処理対
象水の導入圧により押し出され、分離油路19から分離
油槽21に排出される。その後、再度、油と処理済水の
界面が上昇すると、フロートスイッチ53が上昇し、分
離油出口51が閉じ、そのまま油滴の分離処理が継続さ
れる。
【0042】なお、このような分離処理では、固液分離
器16のフィルタに分離された固形物が付着して濾過能
力が低下することがある。その場合、導入路17の圧力
が上昇しないで圧送路15の圧力が上昇する。
【0043】この油水分離装置10では、圧力スイッチ
31、32でこのような圧力上昇を検出すると、電磁弁
12aにより液体ポンプ14の駆動を停止し、開閉弁2
4dを閉じて導入路17を閉塞し、開閉弁24hを開い
てドレン液路24gを開通させ、この状態で電磁弁24
aを開いて圧縮空気を逆洗空圧配管24cから導入路1
7に供給し、圧縮空気及び貯水タンク24e内の処理対
象水を、フィルタ16aの内側に供給して逆洗を行う。
【0044】また、分離処理を継続すると親油性粒子1
8や透過板38、42の表面に塵埃や劣化した油等が付
着したまま堆積し、分離処理能力が低下することがあ
る。その場合には、導入路17の圧力が上昇する。
【0045】この油水分離装置10では、このような圧
力を圧力スイッチ32で検出すると、まず、開閉弁26
eを開いてバイパス液路26dを開放するとともに、自
動空気抜弁26fを開放し、分離室44内の処理済水を
抜く。そして、分離室44内の液面の低下をフロートス
イッチ26gにより検知することにより、電磁弁26a
を開いて圧縮空気を気泡空圧配管26cからバブリング
ノズル30に供給することにより、バブリングノズル3
0から導入室36内に多数の気泡を放出させてバブリン
グを行う。これにより気泡が透過板38を透過し、粗粒
化室40内で多数の親油性粒子を攪拌し、さらに透過板
42を透過して、親油性粒子18や透過板38、42に
付着堆積した油等を剥離する。なお、付着堆積物を剥離
させた処理対象水は、バイパス液路26dから貯留槽1
2に送液される。
【0046】以上のような油水分離装置10によれば、
親油性粒子18が粗粒化室40を仕切る透過板38、4
2の多数の細孔より大きくて、1500μm以下の平均
粒径を有しているので、親油性粒子18により微細な油
滴を粗粒化して粒径を大きくする作用が顕著であり、油
滴を重力分離し易くできる。そのため、処理対象水中の
微細な油滴を短時間で高度に分離除去することが可能と
なり、また、装置をコンパクトに形成することも可能と
なる。
【0047】また、透過板38、42として多数の細孔
の孔径が200μm以上のものを装着しているので、処
理対象水が透過板38、42を透過して油水分離タンク
20を流動する際の圧力損失を少なく抑えることがで
き、効率よく油水分離処理を行うことができる。
【0048】さらに、粗粒化室40の下部の導入室36
にバブリングノズル30を設けたので、親油性粒子18
や透過板38、42に塵埃等のごみや油等が付着堆積し
て処理能力が低下しても、バブリングノズル30から気
泡を放出して親油性粒子18を攪拌して当接させれば、
表面の付着堆積物を容易に剥離除去して、処理能力を回
復することができる。そのため所望の分離能力を維持す
ることができるため、粗粒化室40の親油性粒子18の
充填量を少なく抑えることができ、装置をコンパクトに
形成しやすい。
【0049】また、親油性粒子18の充填率を45%以
上100%未満にしているので、多数の親油性粒子18
に適度な流動性を持たせた上で近接或いは当接した状態
で配置することができ、そのため油水分離処理やバブリ
ングによる回復処理を効率よく行うことができる。
【0050】さらに、処理済水を返送路22により貯留
槽12に返送して、処理対象水とともに、再度、油水分
離タンク20の導入口37に導入できる循環流路を設け
たので、処理対象水を繰返し循環させて分離処理を複数
回行うことができ、1回で所定量の処理を行う装置に比
べてコンパクトに形成しやすい。
【0051】なお、この発明は、上記の実施の形態に限
定されることなく、適宜変更可能であり、例えば、上記
では油水分離タンク20を基台に固定した例について説
明したが、この基台に車輪等を設けて移動可能に構成し
てもよく、さらに、この基台に液体ポンプ14、固液分
離器16、逆洗装置24、バブリング装置26、及び、
これらの間の各種配管などを取付けて、油水分離タンク
20と他の装置とを有する油水分離装置を移動可能に構
成してもよい。その場合、この発明によれば、油水分離
タンク20を含む油水分離装置10をコンパクトに構成
できるため、特に好適に適用することができる。
【0052】また、上記では親油性粒子18として、粗
粒化室40内の処理対象水の比重以下の比重を有する粒
子を用い、粗粒化室40の上流側と下流側との両方に透
過板38、42を配置したが、親油性粒子18の比重が
処理対象水の比重以下の場合には下流側の透過板42だ
けを用いて導入室36と粗粒化室40とを一体に構成す
ることも可能である。また、比重が処理対象水より大き
い親油性粒子18を使用することも可能であり、その場
合には、さらに、上流側の透過板38だけを用いて粗粒
化室40と分離室44とを一体に構成してもよい。
【0053】さらに、上記では、バブリングノズル30
を粗粒化室40の下部の導入室36に設けたが、バブリ
ングノズル30から放出される気泡により親油性粒子1
8を攪拌できる位置であれば、適宜設定することができ
る。
【0054】
【実施例】図1及び図2に示す油水分離装置10におい
て、異なる平均粒径を有する親油性粒子18を用いて、
n−ヘキサン抽出物質量が20000mg/Lとなるよ
うに油を混入し、十分に攪拌して調整された200Lの
クーラント液を処理対象水として、油水分離処理を行っ
た。
【0055】油水分離タンク20は、粗粒化室40の容
積が約27Lのものであり、測定時の処理水流入速度を
40L/minに設定した。
【0056】親油性粒子18としては、平均粒径700
μm、1500μm、又は3000μmポリプロピレン
粒子を用い、充填率98%に充填した。
【0057】油水分離処理は、液体ポンプ14を駆動し
貯留槽12から処理対象水を油水分離装置10に供給
し、返送路22から返送された処理済液を貯留槽12に
導入して、測定を開始した。
【0058】この測定では、返送路22から採取される
処理済水をn−ヘキサンで抽出することにより、処理済
水中に存在する油滴量としてn−ヘキサン抽出物質量を
求めた。そして、測定は開始後24時間で終了した。
【0059】なお、この測定期間中、導入路17の圧力
は殆ど変化せず、測定期間を通してポリプロピレン粒子
の油水分離能力の低下は確認されなかった。
【0060】その結果、24時間経過後のn−ヘキサン
抽出物質量は表1の通りであった。また、親油性粒子の
平均粒径とn−ヘキサン抽出物質量との関係を図3のグ
ラフに示した。
【0061】
【表1】
【0062】以上の結果から明らかな通り、親油性粒子
18の平均粒径が1500μmより大きい範囲では、2
4時間経過後も処理済水中のn−ヘキサン抽出物質が多
く存在していて、微細な油滴を高度に除去することはで
きなかった。
【0063】しかも、平均粒径が1500μmより大き
い範囲では、親油性粒子の平均粒径に拘わらず、処理済
液中のn−ヘキサン抽出物質量を減少することはできな
かった。
【0064】一方、平均粒径が1500μm以下の範囲
では、平均粒径に応じて24時間経過後の処理済液中の
n−ヘキサン抽出物質量を減少させることができた。即
ち、親油性粒子の平均粒径を1500μm以下にするこ
とにより、処理対象水中に分散した微細な油滴を高度に
除去できることが確認できた。
【0065】そして、上記の各結果は、これ以上処理を
続けても同様の結果しか得られない程度に十分に長い処
理時間の経過後に得られたものであり、しかも、測定中
に親油性粒子の油水分離能力の低下はないのであるか
ら、処理済水中の微細な油滴量は、親油性粒子の平均粒
径を1500μm以下にしない限り、減少できないこと
が明らかとなった。
【0066】
【発明の効果】以上詳述の通り、請求項1に記載の発明
によれば、粗粒化室に充填された多数の親油性粒子に処
理対象水を接触させて分離油と処理済水とに分離する油
水分離装置において、親油性粒子が粗粒化室を仕切る透
過板の多数の細孔より大きいとともに、1500μm以
下の平均粒径を有するので、親油性粒子により微細な油
滴を粗粒化して粒径を大きくする作用が顕著になり、油
滴を重力により分離し易くなる。そのため、処理対象水
中の微細な油滴を短時間で高度に分離除去することが可
能となり、また、装置をコンパクトに形成することも可
能となる。
【0067】また、請求項2に記載の発明によれば、透
過板の多数の細孔の孔径が200μm以上であると、処
理対象水が透過板を透過して粗粒化室を流動する際の圧
力損失を少なく抑えることができ、効率よく油水分離処
理を行うことができる。
【0068】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
粗粒化室内に気泡を放出することにより親油性粒子を攪
拌可能なバブリングノズルを設けたので、親油性粒子や
透過板に塵埃等のごみや油等が付着堆積して処理能力が
低下しても、バブリングノズルから気泡を放出すれば親
油性粒子を攪拌して当接させることにより、表面の付着
堆積物を剥離除去して、処理能力を回復することができ
る。
【0069】また、請求項4に記載の発明によれば、親
油性粒子の充填率が45%以上100%未満であるの
で、多数の親油性粒子に適度な流動性を持たせた上で近
接或いは当接した状態で配置することができ、そのため
に油水分離処理や気泡による処理能力の回復処理を効率
よく行うことができる。
【0070】さらに、請求項5に記載の発明によれば、
油水分離装置が微細な油滴を粗粒化して処理対象水中か
ら分離しやすいため、分散油以上の微細な油滴が存在す
る処理対象水の油水分離処理に特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の油水分離装置の図であ
る。
【図2】同実施の形態の油水分離タンクの縦断面図であ
る。
【図3】実施例の結果を示すグラフである。
【符号の簡単な説明】
10 油水分離装置 12 貯留槽 14 液体ポンプ 16 固液分離器 18 親油性粒子 20 油水分離タンク 22 返送路 24 逆洗装置 26 バブリング装置 30 バブリングノズル 36 導入室 38、42 透過板 40 粗粒化室 44 分離室 51 分離油出口 54 処理済水出口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油滴が分散した処理対象水が供給され
    て、該処理対象水を分離油と処理済水とに分離して外部
    に流出させる油水分離タンクを備え、 該油水分離タンクが、下部に前記処理対象水が導入され
    る導入口を有するとともに、上部に分離油出口と処理済
    水出口を有し、前記導入口と前記分離油出口及び処理済
    水出口との間が多数の細孔を有する透過板により仕切ら
    れて該透過板より粗粒化室が形成され、該粗粒化室に多
    数の親油性粒子が充填され、前記処理対象水を該多数の
    親油性粒子と接触させて油滴を粗粒化することにより前
    記分離油と前記処理済水とに分離する油水分離装置であ
    って、 前記親油性粒子が、前記透過板の多数の細孔より大きい
    とともに、1500μm以下の平均粒径を有することを
    特徴とする油水分離装置。
  2. 【請求項2】 前記透過板の多数の細孔の孔径が200
    μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の油水
    分離装置。
  3. 【請求項3】 前記粗粒化室内に気泡を放出することに
    より前記親油性粒子を攪拌可能なバブリングノズルを設
    けたことを特徴とする請求項1または2に記載の油水分
    離装置。
  4. 【請求項4】 前記親油性粒子の充填率が、45%以上
    100%未満であることを特徴とする請求項1乃至3の
    何れか1つに記載の油水分離装置。
  5. 【請求項5】 前記処理対象水が、分散油以上の油滴を
    含むものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れ
    か1つに記載の油水分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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