JP2003324992A - 可変速揚水発電装置及び可変速揚水発電装置の停止方法 - Google Patents

可変速揚水発電装置及び可変速揚水発電装置の停止方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常停止、急停止、普通停止のいずれの停止
についても、可変速幅を逸脱するおそれがなく、安定し
て停止できる可変速揚水発電装置を得る。 【解決手段】 ポンプ水車1の急停止指令が出される
と、流量調整手段90により流入水量が許容される最大
速度にて絞られるとともに、変換器制御装置20にて急
停止指令が出されたときの発電電動機2の励磁電流の周
波数及び位相を記憶し、発電電動機2を上記記憶した周
波数と位相に固定して励磁し、当該発電電動機が同期発
電機として動作するようにした。ポンプ水車1への流入
水量が絞られれば同期発電機としての同期化作用により
電動発電機2の出力も減少するので、出力減少過程にお
ける回転変動が抑えられ、安定して停止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変速揚水発電装
置及び可変速揚水発電装置の停止方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】可変速揚水発電装置は周知の通り、同期
発電装置でありながら回転数を可変速幅、通常は定格回
転数のプラスマイナス数パーセント程度の範囲内で自由
に変更できる、電気出力と回転数とを独立して制御可能
である等、いろいろな特徴を持っている。このような特
徴があるために、発電システムを停止する場合には特別
な配慮が必要である。
【0003】ところで、定速度の発電電動機(同期機)
を使った揚水発電装置(以下、定速機装置と呼ぶ)にお
ける装置の停止方法には、一般的に非常停止、急停止、
普通停止という3つの停止方法が採用されていること
は、公知である。発電電動機の内部や主回路に、例えば
3相短絡のような重大事故が発生した場合には、事故の
拡大を防止するために、事故電流を瞬時に遮断し、回転
数も最速で下げ、速やかに停止する必要がある。非常停
止方法は、このように発電電動機の内部や主回路に重大
事故が発生した場合等に適用される。
【0004】このような非常停止の場合は、発電電動機
の主回路に設けられた並列用遮断器を瞬時にトリップ
し、並列されている電力系統から発電電動機を切り離す
とともにポンプ水車のガイドベーンを急閉鎖し、流入水
量を絞り速度を下げる。また、並列用遮断器の開放を確
認したら、直ちに界磁遮断器を開放し、励磁用電力変換
器からの励磁エネルギーを遮断するとともに、界磁コイ
ルを短絡し界磁に蓄えられた電磁エネルギーを消滅させ
る。
【0005】このようにする理由は、発電電動機内部や
端子での短絡事故の場合には、並列用遮断器を瞬時にト
リップしても事故電流は無くならず、界磁エネルギーを
早期に消滅させる以外に事故電流を消滅させることがで
きないためである。
【0006】ポンプ水車・発電電動機の機械系に、例え
ば軸受メタル焼損のような、重大事故が発生した場合に
は、事故の拡大を防ぐためにできるだけ早く回転数を下
げる必要がある。急停止方法はこのような機械系に重大
事故が発生ときに採用される。急停止の場合にはポンプ
水車のガイドベーンを急閉鎖し流入量を絞り速度を下げ
る。一方、電気系には異常が無いので、直ちに並列用遮
断器をトリップする必要はない。
【0007】この場合、並列用遮断器の寿命を延ばすた
めには不必要な電流遮断を避ける必要があり、ガイドベ
ーンの急閉鎖にともなう発電電動機の出力及び電流の減
少過程で電流がほぼ零のタイミングで並列用遮断器をト
リップし、その後で界磁遮断器を開放する。
【0008】発電運転を運転員の意志で停止する場合に
は、普通停止方法が採用される。普通停止は事故ではな
いので、特別に急速に停止する必要はない。従って、停
止操作に当たり、先ず発電電動機への出力指令値を零に
漸減する。これにともない、ガバナーの機能により自動
的にガイドベーンが閉じ、発電電動機の出力及び電流は
漸減する。発電電動機の出力電流がほぼ零のタイミング
で並列用遮断器をトリップする。並列用遮断器の開放を
確認後、界磁遮断器を開放するとともにガイドベーンを
閉鎖する。
【0009】以上のような同期機形の発電電動機を用い
る定速機装置においては、ガイドベーンを急速に閉鎖し
てポンプ水車の出力を急減させても、同期発電機として
運転されている発電電動機の同期化作用によって回転速
度は電力系統の周波数に保たれたまま発電電動機の出力
が自動的にポンプ水車の入力まで絞り込まれる。このた
め、発電電動機の出力を特別に制御する必要はないし、
ポンプ水車への流入水量と発電電動機の出力との間の設
定のずれや時間遅れの問題もない。
【0010】ところが、上記のような定速機装置に対
し、広い範囲に亘って回転数を変更することが可能な可
変速揚水発電装置においては、交流励磁形の発電電動機
の入出力と、ポンプ水車への流入水量は独立して制御で
きるようになっている。
【0011】従って、例えば発電運転中に重大な機械事
故が発生した場合に、定速機装置と同じ停止方法をとる
と、ガイドベーンを閉じて水のエネルギーを減少させて
も、発電電動機の出力指令値を下げない限り、発電電動
機は初期の出力を維持しようとする。よって、発電電動
機は回転エネルギーを放出して回転数を低下させるが、
発電電動機の出力及び電流は低下しない。このために、
特別な停止方法を採用しなければならない。
【0012】ところで、例えば特開平1−244169
号公報は、上記のような可変速揚水発電装置において急
停止時に発生する問題点を解決する方法を提案してい
る。この方法は、急停止指令が与えられたときに、ガイ
ドベーンを急閉鎖してポンプ水車への流入水量を絞ると
ともに、発電電動機の出力を調整する励磁用電力変換器
への発電出力指令を補正して、上記ガイドベーンの急閉
鎖に見合って電動発電機の発電出力を絞るようにしたも
のである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来の可変速揚水装置の急停止方法においては、以下
に述べるような問題点がある。 1.周知の通り可変速揚水発電装置はポンプ水車への流
入水量と発電電動機の発電出力とを独立して制御できる
特徴を持っており、系統に並列中でも回転数を可変速幅
の範囲内で制御可能である。上記従来の可変速揚水発電
装置の急停止方法は、急停止指令が出たら、直ちにポン
プ水車への流入水量と発電電動機の出力を絞る。しか
し、流入水量は水圧鉄管の水圧上昇が所定値を越えない
ようするために、一定の速さ以上では絞ることはできな
い。
【0014】一方、発電電動機の出力は励磁用電力変換
器を制御し瞬時に絞ることができる。もし、ある量の流
入水量があるときに、発電電動機の出力を瞬時に絞ると
エネルギーは回転子に注入され回転速度が上昇し可変速
幅を逸脱する可能性がある。従って、急停止するときは
流入水量の絞り具合に見合った的確な出力の絞り方をす
る必要がある。しかし、上記従来のもののように励磁用
電力変換器への発電出力指令を補正したとしても、誤差
や制御系の遅れなどにより可変速幅を逸脱するおそれが
ある。
【0015】2.このような急停止方法では、停止制御
中に発電電動機本体や発電電動機の主回路で3相短絡な
どの重大電気事故が発生すると、保護リレーによりその
ときの発電電動機の出力に拘わらず、直ちに並列用遮断
器が開放される。この場合には、電力指令値はまだ零に
到達していないのに実電力が零になり、発電電動機の制
御系は電力増指令を出し続けることになる。励磁用電力
変換器は電力増のために大きな励磁電流を流し続け、解
列して回転中の発電電動機に異常電圧上昇を引き起こす
危険性がある。
【0016】3.このような急停止方法では、ガイドベ
ーンが所定値まで閉め込まれたとき並列用遮断器を開放
する方法を採用しているが、ガイドベーンが所定値まで
閉め込まれたときに流入水量がほぼ無負荷相当の流量に
なっていなければならない。大容量の揚水プラントでは
流入量の計測は実施していないので、ポンプ水車特性、
回転数、出力、落差の計測値から演算をして流入水量を
推定する必要があるが、このような演算によらず、簡易
に求める方法が望まれる。
【0017】4.ガイドベーンが所定値まで閉め込まれ
たとき並列用遮断器を開放する方法を採用しているが、
有効電力が零であっても無効電力が零でない場合は、並
列用遮断器は何らかの電流を遮断するので、並列用遮断
器の接点の消耗を避けられない。
【0018】この発明は、上記のような問題点を解決し
て、次のような可変速揚水発電装置を得ること及び可変
速揚水発電装置の停止方法を提供することを目的とす
る。 ア.非常停止、急停止、普通停止のいずれの停止につい
ても、可変速幅を逸脱するおそれがなく、安定して停止
できる。
【0019】イ.急停止のときに、ポンプ水車への流入
水量を簡易な方法で求めて所定値以下になったら並列用
遮断器を開放できる。 ウ.並列用遮断器の接点の消耗を軽減できる。 エ.非常停止のときに、系統から解列して回転中の発電
電動機に過励磁による異常電圧上昇を引き起こすおそれ
がない。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の可変速揚水発電装置は、ガイドベーンを有
するポンプ水車への流入水量を調整する流量調整装置
と、二次巻線が巻回された回転子がポンプ水車に結合さ
れた交流励磁形同期機と、この交流励磁形同期機を電力
系統に接続する並列用遮断装置と、交流励磁形同期機が
発電運転中に停止指令が発せられたとき交流励磁形同期
機が同期発電機として動作するように又は同期発電機と
ほぼ同様に動作するように二次巻線の励磁電流を制御す
る励磁装置を備えたものである。発電運転中に停止指令
が発せられたとき交流励磁形同期機が同期発電機として
又は同期発電機とほぼ同様に動作するので、ポンプ水車
への流入水量が絞られれば同期発電機としての同期化作
用によりその出力も減少するので、出力減少過程におけ
る回転変動が抑えられる。
【0021】そして、励磁装置は、停止指令が発せられ
たときの交流励磁形同期機の二次巻線の励磁電流の周波
数を停止指令時周波数として記憶する周波数記憶手段
と、二次巻線の励磁電流の周波数を停止指令時周波数に
固定する周波数固定手段とを有し、二次巻線の励磁電流
の周波数を停止指令時周波数に固定することにより交流
励磁形同期機が同期発電機として動作するようにするも
のであることを特徴とする。発電運転中に停止指令が発
せられたとき交流励磁形同期機が停止指令時周波数に固
定された同期発電機として動作するので、ポンプ水車へ
の流入水量が絞られれば同期発電機としての同期化作用
によりその出力も減少するので、出力減少過程における
回転変動が抑えられる。
【0022】さらに、励磁装置は、停止指令が発せられ
たときの交流励磁形同期機の回転数を停止指令時回転数
として記憶する回転数記憶手段と、交流励磁形同期機の
回転数を停止指令時回転数に固定する回転数固定手段と
を有し、交流励磁形同期機の回転数を停止指令時回転数
に固定することにより交流励磁形同期機が同期発電機と
して動作するようにするものであることを特徴とする。
発電運転中に停止指令が発せられたとき交流励磁形同期
機が停止指令時回転数で回転する同期発電機として動作
するので、ポンプ水車への流入水量が絞られれば同期発
電機としての同期化作用によりその出力も減少するの
で、出力減少過程における回転変動が抑えられる。
【0023】また、励磁装置は、停止指令が発せられた
ときの電力系統の周波数と交流励磁形同期機の二次巻線
の励磁周波数との差である滑り周波数を停止指令時滑り
周波数として記憶する滑り周波数記憶手段と、滑り周波
数を停止指令時滑り周波数に固定する滑り周波数固定手
段とを有し、交流励磁形同期機の滑り周波数を停止指令
時滑り周波数に固定することにより交流励磁形同期機が
同期発電機とほぼ同様に動作するようにするものである
ことを特徴とする。発電運転中に停止指令が発せられた
とき交流励磁形同期機が停止指令時滑り周波数で回転
し、ほぼ同期発電機として動作するので、ポンプ水車へ
の流入水量が絞られれば滑り周波数を維持するように制
御されるので、出力減少過程における回転変動が抑えら
れる。
【0024】そして、ガイドベーンの開度が所定値以下
になり、かつ交流励磁形同期機の無効電力が規定値以下
になったときに並列用遮断装置を開路動作させるガイド
ベーン開度動作開放指令手段を設けたものであることを
特徴とする。ガイドベーンの開度が所定値以下になれば
交流励磁形同期機の出力すなわち有効電力が所定の値以
下になり、かつ無効電力が規定値以下になれば、交流励
磁形同期機の出力電流が予め定められた値以下になり、
この状態で並列用遮断装置を開路することになり、その
接点の損耗を防止できる。
【0025】さらに、ガイドベーンの開度をポンプ水車
に流入する流入水の落差で補正する落差補正手段を設け
たものであることを特徴とする。ガイドベーンの開度を
ポンプ水車に流入する流入水の落差で補正すれば、交流
励磁形同期機の出力すなわち有効電力が所定の値以下に
なるガイドベーンのより正確な開度が得られるので、並
列用遮断装置を開路する時点の精度を向上させることが
できる。
【0026】また、交流励磁形同期機の有効電力が所定
値以下になるとともに無効電力が規定値以下になったと
きに並列用遮断装置を開路動作させる皮相電力動作開放
指令手段を設けたものであることを特徴とする。交流励
磁形同期機の有効電力が所定の値以下になり、かつ無効
電力が規定値以下になれば、交流励磁形同期機の出力電
流が予め定められた値以下になり、この状態で並列用遮
断装置を開路することになり、その接点の損耗を防止で
きる。
【0027】そして、交流励磁形同期機の出力電流が所
定値以下になったときに並列用遮断装置を開路動作させ
る出力電流動作開放指令手段を設けたものであることを
特徴とする。交流励磁形同期機の出力電流が所定値以下
になってから並列用遮断装置を開路することになり、そ
の接点の損耗を防止できる。
【0028】さらに、励磁装置は、停止指令が発せられ
たときに交流励磁形同期機の無効電力が零になるように
指令する零無効電力指令手段を設けたものであることを
特徴とする。流入水量が絞られると有効電力が減少し、
かつ零無効電力指令手段により無効電力が零になるよう
に指令されて無効電力も減少するので、交流励磁形同期
機の出力電流が減少し、この状態で並列用遮断装置を開
路することになり、その接点の損耗を防止できる。
【0029】また、励磁装置は、停止指令が発せられた
ときに交流励磁形同期機の力率が1になるように指令す
る力率指令手段を設けたものであることを特徴とする。
流入水量が絞られると有効電力が減少し、かつ力率指令
手段により力率が1になるようにすなわち無効電力が零
になるように指令されて無効電力も減少するので、交流
励磁形同期機の出力電流が減少し、この状態で並列用遮
断装置を開路することになり、その接点の損耗を防止で
きる。
【0030】そして、並列用遮断装置に開放指令を発す
る開放指令手段と並列用遮断装置の開放を条件に出力電
力を零にする指令を発する零電力指令手段とを有する非
常停止装置を設けたものであることを特徴とする。並列
用遮断装置を開放し出力電力を零にする指令を発すれ
ば、交流励磁形同期機の主回路に例えば三相短絡などの
重大事故が発生して、交流励磁形同期機を電力系統から
直ちに切り離さなければならないような非常停止の場合
に、励磁装置による無用な制御を防止でき、過大な励磁
による異常電圧上昇を引き起こすおそれをなくすことが
できる。
【0031】さらに、並列用遮断装置に開放指令を発す
る開放指令手段と並列用遮断装置の開放を条件に励磁装
置の出力を停止する励磁出力停止手段と交流励磁形同期
機の二次巻線を短絡する二次巻線短絡手段とを有する非
常停止装置を設けたものであることを特徴とする。並列
用遮断装置を開放し励磁装置の出力を停止すれば、交流
励磁形同期機の主回路に例えば三相短絡などの重大事故
が発生して、交流励磁形同期機を電力系統から直ちに切
り離さなければならないような非常停止の場合に、励磁
装置による無用な制御を防止でき、過大な励磁による異
常電圧上昇を引き起こすおそれをなくすことができる。
【0032】また、この発明に係る可変速揚水発電装置
の停止方法は、ガイドベーンを有するポンプ水車への流
入水量を調整する流量調整装置と、二次巻線が巻回され
た回転子がポンプ水車に結合された交流励磁形同期機
と、この交流励磁形同期機を電力系統に接続する並列用
遮断装置と、交流励磁形同期機の二次巻線を励磁する励
磁装置とを備えた可変速揚水発電装置の停止方法であっ
て、交流励磁形同期機が発電運転中に停止指令が発せら
れたとき交流励磁形同期機が同期発電機として動作する
ように又は同期発電機とほぼ同様に動作するように交流
励磁形同期機の二次巻線を励磁するものである。発電運
転中に停止指令が発せられたとき交流励磁形同期機が同
期発電機として又は同期発電機とほぼ同様に動作し、ポ
ンプ水車への流入水量が絞られれば同期発電機としての
同期化作用によりその出力も減少するので、出力減少過
程における回転変動が抑えられる。
【0033】そして、停止指令が発せられたとき交流励
磁形同期機の二次巻線の励磁電流の周波数を当該停止命
令が発せられたときの二次巻線の励磁電流の周波数に固
定することにより交流励磁形同期機が同期発電機として
動作するようにするものであることを特徴とする。発電
運転中に停止指令が発せられたとき交流励磁形同期機が
停止指令時周波数に固定された同期発電機として動作
し、ポンプ水車への流入水量が絞られれば同期発電機と
しての同期化作用によりその出力も減少するので、出力
減少過程における回転変動が抑えられる。
【0034】さらに、停止指令が発せられたとき交流励
磁形同期機の回転数を当該停止命令が発せられたときの
交流励磁形同期機の回転数に固定することにより交流励
磁形同期機が同期発電機として動作するようにするもの
であることを特徴とする。発電運転中に停止指令が発せ
られたとき交流励磁形同期機が停止指令時回転数で回転
する同期発電機として動作し、ポンプ水車への流入水量
が絞られれば同期発電機としての同期化作用によりその
出力も減少するので、出力減少過程における回転変動が
抑えられる。
【0035】また、停止指令が発せられたとき電力系統
の周波数と交流励磁形同期機の二次巻線の励磁周波数と
の差である滑り周波数を当該停止命令が発せられたとき
の滑り周波数に固定することにより交流励磁形同期機が
ほぼ同期発電機と同様に動作するようにするものである
ことを特徴とする。発電運転中に停止指令が発せられた
とき交流励磁形同期機が停止指令時滑り周波数で回転
し、ほぼ同期発電機として動作し、ポンプ水車への流入
水量が絞られれば滑り周波数を維持するように制御され
るので、出力減少過程における回転変動が抑えられる。
【0036】
【発明の実施の形態】従来の可変速揚水装置の急停止方
法においては、励磁用電力変換器は電力指令値による電
力制御を実施しているために、上記のような問題点が発
生する。停止したときに、可変速揚水発電装置をほぼ定
速機装置と同じ状態になるように励磁用電力変換器を制
御すれば可変速幅逸脱対策が可能であり、この発明にお
いては具体的には次のような可変速揚水発電装置ないし
その停止方法を提供する。
【0037】1.上記急停止のときにおける第一及び第
二の課題の解決策の一つ目であるが、急停止又は普通停
止指令が与えられたときに、励磁用電力変換器の出力周
波数を急停止指令が出たときの周波数に固定し、流量調
整手段により流入水量を絞ることにより発電電動機の出
力を絞る。このように停止操作すれば発電電動機の励磁
周波数が固定されているため、同期発電機として動作す
るので流入水量を絞れば自動的に発電電動機の出力も下
がり可変速幅を逸脱するおそれもなく、安定に停止でき
る。
【0038】なお、発電電動機の内部や主回路に例えば
3相短絡のような重大事故が発生した場合には、並列用
遮断器を直ちに開放する。並列用遮断器が開放されたら
すぐに励磁用電力変換器への出力指令を零にするか、又
は励磁用電力変換器を停止し発電電動機の2次巻線を短
絡して励磁系の無用な制御を防止する。これにより、発
電電動機の内部や主回路に事故が発生して非常停止を要
する場合に過大な励磁により発生する問題も解決でき
る。
【0039】2.急停止のときにおける第一及び第二の
課題の解決策の二つ目であるが、急停止又は普通停止指
令が与えられたときに、励磁用電力変換器の制御を、そ
のときの回転数を指令値とする速度制御に切替えて速度
が一定になるように制御しながら、流量調整手段により
流入水量を絞る。励磁用電力変換器は回転数一定制御を
しているので、発電電動機は同期発電機として動作し、
流入水量を絞ることにより発電電動機の出力が絞られ、
回転数は維持される形で、流入量の低下にともない出力
が下がるが、可変速幅を逸脱するおそれはなく、安定に
停止できる。
【0040】3.急停止のときにおける第一及び第二の
課題の解決策の三つ目であるが、急停止又は普通停止指
令が与えられたときに、励磁用電力変換器を、そのとき
の滑り周波数(系統周波数と発電電動機の回転数との
差)を指令値とする滑り周波数制御に切替え、流量調整
手段により流入水量を絞ることより発電電動機の出力を
絞る。
【0041】このように停止操作すれば、ある出力のも
とにそのときの流入水量を低下させれば回転数が低下し
系統周波数はほぼ一定であるので滑りが増加するが、励
磁用電力変換器は滑り周波数一定制御をしているので発
電電動機の出力が絞られ、滑りが維持される形で、流入
水量の低下にともない出力が下がり、可変速幅を逸脱す
るおそれがなく、安定に停止できる。
【0042】4.急停止のときにおける第三の課題の解
決策であるが、並列用遮断器を流量調整手段のうちガイ
ドベーンが規定開度以下、すなわち電動発電機の出力が
ほぼ零になる開度以下になったら開放する方式とする。
ダム水位によって発電電動機の出力がほぼ零になるガイ
ドベーンの規定開度の値が変化するが、揚水発電所では
ダム水位変動は少ないので実用上支障ない。また、ダム
水位の変動が大きい場合には、上記ガイドベーンの規定
開度をダム水位で補正する。
【0043】5.急停止のときにおける第四の課題の解
決策であるが、流入水量を絞り発電電動機の出力を零に
するとともに発電電動機の無効電力を零にする。あるい
は、力率を1にする制御を並行して実施し、出力が零又
はガイドベーンが規定開度以下になった条件と、無効電
力が零になった条件とが成立したら並列用遮断器を開放
する方式である。あるいは、単に発電電動機の出力電流
が零になったときに並列用遮断器を開放する。以下、さ
らに具体的に各実施の形態について説明する。
【0044】実施の形態1.図1〜図4は、この発明の
実施の一形態を示すものであり、図1は可変速揚水発電
装置の構成を示す構成図、図2は励磁制御装置の構成及
び遮断器開放指令手段を示す図である。図3は流量制御
装置の詳細構成を示す構成図、図4は流量調整手段の詳
細構成を示す構成図である。図1において、ポンプ水車
1に発電電動機2が機械的に連結されている。
【0045】発電電動機2は、交流励磁同期機であり、
固定子巻線2a及び回転子2bに巻回された二次巻線2
cを有し、回転子2bがポンプ水車1に機械的に連結さ
れている。発電電動機2の固定子巻線2aは、並列用遮
断器4、母線5、昇圧変圧器6を経て電力系統7に接続
されている。発電電動機2の二次巻線2cに、励磁用電
力変換器3から発電電動機2の回転速度に応じた所定の
位相及び周波数の励磁用電流が供給され、発電電動機2
の固定子巻線2aから、電力系統7と同じ周波数の交流
電力が出力される。
【0046】また、発電電動機2の二次巻線2cは、二
次側短絡スイッチ8により短絡しうるようにされてい
る。計器用変圧器11は、母線5に接続され、母線5の
電圧を検出する。計器用変流器12は母線5に流れ電力
系統等7と発電電動機2との間を出入りする電流を検出
する。回転数検出器16は、発電電動機2の回転速度を
検出し回転速度に応じた回転速度信号を発する。
【0047】また、励磁用電力変換器3を制御する励磁
制御装置20、ポンプ水車1に流入する流入水量を制御
する流量制御装置80及び流量調整手段90が設けられ
ている。励磁制御装置20は、その詳細構成を図2に示
すが、電力指令値設定手段31、零電力指令値設定手段
32、無効電力指令値設定手段33、零無効電力指令値
設定手段34、二次励磁周波数及び位相記憶指令手段3
5、周波数設定手段36、落差補正手段43、ガイドベ
ーン動作開放指令手段としての遮断器開放指令手段4
5、励磁制御手段50にて構成されている。
【0048】励磁制御手段50は、入力を切り替えるス
イッチ51,52,53、有効電力算出手段61、無効
電力算出手段62、q軸成分制御手段64、d軸成分制
御手段65、可変速幅逸脱防止手段67、変換器制御手
段68、減算器71,72,73、非常開放指令手段7
9を備えている。減算器71は、スイッチ51が電力指
令値設定手段31側にあるとき、有効電力算出手段61
の出力信号と電力指令値設定手段31の設定値との差を
q軸成分制御手段64に出力する。q軸成分制御手段6
4は、減算器71の出力に応じて励磁電流のq軸成分を
決定する。
【0049】減算器72は、スイッチ52が無効電力指
令値設定手段33側にあるとき、無効電力算出手段62
の出力信号と無効電力指令値設定手段33の設定値との
差をd軸成分制御手段65に出力する。d軸成分制御手
段65は、減算器72の出力に応じて励磁電流のd軸成
分を決定する。減算器73は、回転数検出器16の出力
信号と周波数設定手段36の設定値との差を可変速幅逸
脱防止手段67に出力する。
【0050】可変速幅逸脱防止手段67は、減算器73
の出力、つまり周波数設定手段36の設定値と回転数検
出器16にて検出された回転数との差が所定値以上にな
ると動作し、q軸成分制御手段64の出力を制限する。
q軸成分制御手段64の出力及びd軸成分制御手段65
の出力は、変換器制御手段68に与えられ、励磁用電力
変換器3を介して発電電動機2の二次巻線2cを励磁す
る周波数及び位相を制御する。
【0051】なお、励磁用電力変換器3及び励磁制御装
置20がこの発明における励磁装置である。非常開放指
令手段79がこの発明における開放指示手段であり、こ
の非常開放指令手段79と零電力指令値設定手段32と
スイッチ51とによりこの発明における非常停止装置を
構成している。また、二次励磁周波数及び位相記憶指令
手段35及びスイッチ53が、周波数固定手段として動
作し、発電電動機2が発電機として運転中に停止指令が
出されたとき、発電電動機2を励磁する励磁電流の周波
数を、停止指令が出されたときの発電電動機2の周波数
に固定するように動作する。
【0052】また、ポンプ水車1への流入水量を制御す
る流量制御装置80は、図3に詳細構成を示すように、
揚水発電のダムの落差を算出するダム水位算出手段8
1、最適ガイドベーン開度指令手段82、最適回転速度
指令手段83、ガバナ制御回路84、減算器86、及び
加算器87を有する。最適ガイドベーン開度指令手段8
2は電力指令値設定手段31にて設定された電力指令値
と、励磁制御装置20のダム水位算出手段81にて算出
されたダム水位とに基づき、ガイドベーンの最適開度を
求め加算器87に出力する。
【0053】最適回転速度指令手段83は、電力指令値
設定手段31にて設定された電力指令値と、ダム水位算
出手段81にて算出されたダム水位とに基づき、ポンプ
水車1の最適回転数を求める。減算器86は、最適回転
速度指令手段83から指令されたポンプ水車1(発電電
動機2)の最適回転数と回転数検出器16から得られた
発電電動機2の回転数との差を求めて、ガバナ制御回路
84に出力する。
【0054】ガバナ制御回路84は、減算器86の出力
が最小になるようにガバナを制御する信号を出力し、加
算器87にて最適ガイドベーン開度指令手段82の出力
と加算され、流量調整手段90へ出力される。流量調整
手段90は、図4に示すように、フィードバック制御す
るための減算器91、減算器91からの信号を増幅する
増幅器92、ガイドベーンを全閉する指令を発する全閉
指令手段93、信号を切り替えるためのスイッチ95、
配圧弁制御手段96、主サーボ制御手段98を有する。
【0055】次に動作について説明する。計器用変圧器
11から系統7の電圧に応じた電圧信号と、計器用変流
器12から電流信号とが供給され、有効電力算出手段6
1及び無効電力算出手段62により発電電動機2の有効
電力、すなわち出力及び無効電力が算出される。励磁制
御装置20(図2)において、通常は、スイッチ51は
電力指令値設定手段31側に切り替えられており、有効
電力算出手段61と電力指令値設定手段31に設定され
た電力指令値が減算器71にて減算され、その差がq軸
成分制御手段64に出力される。
【0056】スイッチ52は、通常は、無効電力指令値
設定手段33側に切り替えられており、無効電力算出手
段62と無効電力指令値設定手段33に設定された無効
電力設定値との減算結果が減算器72からd軸成分制御
手段65へ出力される。d軸成分制御手段65は、入力
された減算器72の信号に基づき発電電動機2の二次巻
線を励磁する励磁電流のd軸成分を求め、可変速幅逸脱
防止手段67を介して変換器制御手段68へ出力する。
【0057】変換器制御手段68は、q軸成分制御手段
64及び可変速幅逸脱防止手段67の出力に基づき、有
効電力算出手段61、無効電力算出手段62にて算出さ
れた有効及び無効電力が電力指令値設定手段31及び無
効電力指令値設定手段33にて設定された指令値になる
ように励磁用電力変換器3を介して発電電動機2の二次
巻線2cを励磁する。なお、スイッチ53は通常は開路
されている。
【0058】なお、回転数検出器16にて検出された発
電電動機2の回転数、つまり周波数が周波数設定手段3
6にて設定された周波数を基準にして所定範囲から外れ
ようとすると、可変速幅逸脱防止手段67が動作してq
軸成分制御手段64から出力されたq軸成分出力を制限
して、発電電動機2が可変速幅を逸脱しないようにす
る。
【0059】通常、以上のようにして、変換器制御手段
68により励磁用電力変換器3を介して発電電動機2の
二次巻線2cの励磁電流を制御することにより、発電電
動機2の発電機運転を行う。
【0060】そして、発電運転中に機械系の事故等によ
り急停止指令が発信されたり、運転員により停止指令が
発信された場合、二次励磁周波数及び位相記憶指令手段
35によりそのときの励磁用電力変換器3の出力周波数
と位相を記憶する。そして、スイッチ53を閉じて、励
磁用電力変換器3の出力周波数と位相とを、すなわち発
電電動機2の二次巻線の励磁電流の周波数と位相とを、
二次励磁周波数及び位相記憶指令手段35に記憶された
周波数と位相に固定する指令を変換器制御手段68に与
える。
【0061】変換器制御手段68により、発電電動機2
を励磁する周波数と位相が固定されると、発電電動動機
2の回転子上の磁束の回転速度と位相が固定されるの
で、発電電動機2はそのときの回転数を維持しながら回
転する通常の同期発電電動機に変身する。
【0062】上記急停止指令は、同時に流量調整手段9
0にも与えられ、スイッチ95が動作して増幅器92か
らの出力を全閉指令手段93からのガイドベーン全閉指
令信号に切り替えて配圧弁制御手段96に与える。配圧
弁制御手段96は、主サーボ制御手段98を介して流入
水量が零になるように最速にて、すなわち安全上許容さ
れる最大速度にて、ガイドベーンを閉鎖する。
【0063】ガイドベーンが閉じて行けば、ポンプ水車
1への流入水量が減少し、ポンプ水車1の入力、すなわ
ち、発電電動機2への軸出力が減少する。発電電動機2
は、既に同期発電機として運転されているので、電力指
令値設定手段31による電力指令値は変更しなくても、
ポンプ水車1への流入水量が絞られると、回転数が変動
することなくその出力を減少させる。
【0064】一方、発電電動機2は電力系統7の要求に
基づく無効電力を送っているので、電力出力零の状態で
も発電電動機2の電流は零にはならない。発電電動機2
の電流がほぼ零の状態で並列用遮断器4を開放した方が
好ましいので、停止指令が発信されたら直ちに変換器制
御装置50のスイッチ52を零無効電力指令値設定手段
34側に切り替えて、発電電動機2の無効電力の出力を
零になるように制御する。
【0065】なお、ダムの水位変動が少ない発電所で
は、ポンプ水車1のガイドべーンの開度と発電電動機2
の出力とは、ほぼ1対1に対応する。ダムの水位変動の
多い場合には、流量調整手段80のダム水位算出手段8
1から得られるダム水位に基づいて落差補正手段43に
よりガイドベーンの開度信号をダム水位の信号で補正す
れば、容易に無負荷相当の開度を検出できる。
【0066】上記制御でガイドベーンが閉じて行き発電
電動機2の出力がほぼ零すなわち、ガイドベーンが無負
荷相当の開度になったという条件と、上記制御により無
効電力が所定値以下になった(ほぼ零)という条件の両
条件が成立したら、遮断器開放指令手段45から指令を
発し、並列用遮断器4を開放する。このようにして発電
電動機2の出力電流がほぼ零の状態で並列用遮断器4を
開放するので、その接点の消耗を軽減できる。
【0067】また、通常の運転中や急停止開始後に、発
電電動機2本体や発電電動機2の主回路に例えば3相短
絡のような重大電気事故が発生した場合は、非常停止を
行わなければならない。非常停止においては、非常開放
指令手段79から開放指令が出され、直ちに並列用遮断
器4が開放され、電動発電機2の電気出力を系統に放出
できなくなるので、電力指令値を零にする必要がある。
もし零にしなければ電力指令を出力する指令が出され続
けるので、励磁制御装置50は、励磁用電力変換器3を
介して発電電動機2に過大な励磁電流を流し続ける。
【0068】このため、過励磁を引き起こし、放置すれ
ば発電電動機2を損傷してしまう。従って、並列用遮断
器4の開放と同時に、その開放されたという信号を使っ
て励磁制御装置50のスイッチ51を零電力指令値設定
手段32側に切り替えるか、励磁用電力変換器3を停止
するとともに2次側短絡スイッチ8を閉じて発電電動機
2の二次巻線2cを短絡し、励磁系の無用な制御を防止
する。
【0069】実施の形態2.図5は、この発明の他の実
施の形態である励磁制御装置の構成及び遮断器開放指令
手段を示す図である。図において、励磁制御装置120
は、回転数記憶指令手段37と皮相電力動作開放指令手
段としての遮断器開放指令手段46と励磁制御手段15
0とを有する。回転数記憶指令手段37は、可変速揚水
発電装置に停止指令が出されたときの発電電動機2の回
転数を記憶し指令を発するものである。
【0070】励磁制御手段150は、スイッチ54と減
算器75と非常開放指令手段79とを有する。減算器7
5は、回転数検出器16の回転数信号と回転数記憶指令
手段37に記憶された指令値との差を、スイッチ54へ
出力する。スイッチ54は、減算器71の出力と、減算
器75の出力とを切り替えて、q軸成分制御手段64に
入力する。
【0071】なお、励磁用電力変換器3及び励磁制御装
置120がこの発明における励磁装置である。非常開放
指令手段79がこの発明における開放指示手段であり、
この非常開放指令手段79と零電力指令値設定手段32
とによりこの発明における非常停止装置を構成してい
る。また、回転数記憶指令手段37、減算器75、及び
スイッチ54が、回転数固定手段として動作し、発電電
動機2が発電機として運転中に停止指令が出されたと
き、発電電動機2の回転数を、停止指令が出されたとき
の発電電動機2の回転数に固定するように動作する。そ
の他の構成については、図1に示した実施の形態1と同
様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して
説明を省略する。
【0072】この実施の形態においては、可変速揚水発
電装置が発電運転中に機械系の事故等により急停止指令
が発信されたり、運転員により停止指令が発信された場
合は、急停止指令や停止指令が発信されたときの発電電
動機2の回転数を回転数記憶指令手段37が記憶し、指
令値として発信する。そして、この回転数の指令値は、
減算器75に入力され、回転数検出器16にて検出され
た発電電動機2の回転数との差が出力される。
【0073】急停止指令が発信されたり、運転員により
停止指令が発信された場合は、同時に励磁制御装置50
のスイッチ54を切り替えて、減算器75の出力をq軸
成分制御手段64に出力する。q軸成分制御手段64は
減算器75からの出力信号に基づき励磁電流のq軸成分
を求め、変換器制御手段68を介して励磁用電力変換器
3を制御する。いわゆる励磁系による電力制御から回転
数制御に切り替える。
【0074】一方、上記急停止指令は、流量調整手段9
0(図4)にも与えられ、流量調整手段90はスイッチ
93により、増幅器92の信号から全閉指令手段93か
らのガイドベーン全閉指令信号に切り替え、電圧弁制御
手段96、主サーボ制御手段98を介してポンプ水車1
への流入水量が零になるように最速でポンプ水車1の流
量調整用のガイドベーンを閉鎖する。そして、ポンプ水
車1の流入水量が減ると、発電電動機2の回転数が下が
ろうとする。
【0075】しかし、変換器制御手段68及び励磁用電
力変換器3は発電電動機2の出力を下げて、発電電動機
2の回転数を停止指令が出たときの回転数に維持するよ
うに制御する。従って、ポンプ水車1への流入水量の減
少にともなって、発電電動機2の出力も減少する。この
ように回転数は停止指令が出たときの回転数に維持され
るので、可変速幅を逸脱するおそれはない。
【0076】一方、発電電動機2は電力系統7の要求に
基づく無効電力を送っているので、有効電力の出力が零
の状態でも発電電動機の電流は零にはならない。発電電
動機の電流が零の状態で並列用遮断器4を開放した方が
好ましいので、停止指令が発信されたら直ちに励磁制御
装置150のスイッチ52を零無効電力指令値設定手段
34側に切り替えて、発電電動機2の無効電力出力を零
になるように制御する。
【0077】上記制御でガイドベーンが閉じて行き発電
電動機2の出力がほぼ零になったという条件と、無効電
力が規定値以下になった(ほぼ零)という条件の両条件
が成立すると遮断器開放指令手段46が開放指令を発
し、並列用遮断器4を開放する。このようにして電流が
ほぼ零の状態で並列用遮断器4を開放するので、その接
点の消耗を軽減できる。
【0078】また、運転中や停止制御開始後に、発電電
動機2本体や発電電動機2の主回路に例えば3相短絡の
ような重大電気事故が発生した場合は、非常停止を行わ
なければならない。非常停止においては、直ちに非常開
放指令手段79からの指令により並列用遮断器4が開放
され、電気出力を系統に放出できなくなるので、電力指
令値を零にする必要がある。その理由は実施の形態1で
述べたのと同様である。
【0079】このため、並列用遮断器4の開放と同時
に、その開放されたという信号を使って励磁制御装置1
50のスイッチ51を零電力指令値設定手段32側に切
り替えるか、励磁用電力変換器3を停止するとともに2
次側短絡スイッチ8を閉じて発電電動機の2の二次巻線
2cを短絡し、励磁系の無用な制御を防止する。
【0080】実施の形態3.図6は、さらにこの発明の
他の実施の形態である励磁制御装置の構成及び遮断器開
放指令手段を示す図である。図において、励磁制御装置
220は、滑り周波数記憶指令手段38、力率指令値設
定手段39、力率1指令値設定手段40、出力電流動作
開放手段としての遮断器開放指令手段47、励磁制御手
段250を有する。滑り周波数記憶指令手段38は、可
変速揚水発電装置に急停止指令あるいは停止指令が出さ
れたときの発電電動機2の滑り周波数を記憶し、この滑
り周波数の指令を発するものである。
【0081】励磁制御手段250は、スイッチ55,5
6、力率算出手段69、停止手段70、減算器76,7
7、非常開放指令手段79を有する。スイッチ55は、
減算器71の出力と減算器76の出力を切り替えて、q
軸成分制御手段64へ入力する。スイッチ56は、力率
指令値設定手段39の出力と力率1指令値設定手段40
の出力とを切り替えて、減算器77に入力する。力率算
出手段69は、計器用変圧器11及び計器用変流器12
からの母線5の電圧及び電流から、発電電動機2の力率
を算出する。
【0082】なお、励磁用電力変換器3及び励磁制御装
置220がこの発明における励磁装置である。非常開放
指令手段79がこの発明における開放指示手段であり、
この非常開放指令手段79と停止手段70と2次側短絡
スイッチ8とによりこの発明における非常停止装置を構
成している。また、滑り周波数記憶指令手段38、減算
器76、及びスイッチ55が、滑り周波数固定手段とし
て動作し、発電電動機2が発電機として運転中に停止指
令が出されたとき、発電電動機2の滑り周波数を、停止
指令が出されたときの発電電動機2の滑り周波数に固定
するように動作する。その他の構成については、図1に
示した実施の形態1と同様のものであるので、相当する
ものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0083】可変速揚水発電装置が発電運転中に機械系
の事故等により急停止指令が発信されたり、運転員によ
り停止指令が発信された場合、滑り周波数記憶指令手段
38は当該指令が出されたときの滑り周波数を記憶する
とともに減算器76へ指令値として出力する。減算器7
6は、減算器73から出力される発電電動機2の回転数
と系統周波数の差から求まる発電電動機2の滑り周波数
と、滑り周波数記憶指令手段38からの滑り周波数の指
令値との差を求めてスイッチ55へ出力する。
【0084】そして、励磁制御装置250のスイッチ5
5を、減算器76からの出力がq軸制御手段64に入力
されるように切り替えて、発電電動機2の滑り周波数を
滑り周波数記憶指令手段38に記憶された滑り周波数に
なるように励磁用電力変換器3を制御する。いわゆる励
磁系による電力制御から滑り周波数制御に切り替える。
系統周波数は変動が少ないのでほぼ一定回転数制御と同
様な動作になる。
【0085】一方、上記急停止指令は、流量調整手段9
0(図4)にも与えられ、流量調整手段90はスイッチ
93により、増幅器92の信号から全閉指令手段93か
らのガイドベーン全閉指令信号に切り替え、電圧弁制御
手段96、主サーボ制御手段98を介してポンプ水車1
への流入水量が零になるように最速でポンプ水車1の流
量調整用のガイドベーンを閉鎖する。そして、ポンプ水
車1の流入水量が減ると、発電電動機2の回転数が下が
ろうとする。
【0086】しかし、変換器制御手段68及び励磁用電
力変換器3は発電電動機2の出力を下げて、発電電動機
2の滑り周波数を停止指令が出たときの滑り周波数に維
持するように制御する。従って、ポンプ水車1への流入
水量の減少にともなって、発電電動機2の出力も減少す
る。このようにして、回転数は停止指令が出たときの滑
り周波数に維持されるので、可変速幅を逸脱する恐れは
ない。
【0087】一方、発電電動機2は電力系統7の要求に
基づく無効電力を送っているので、電力出力零の状態で
も発電電動機の電流は零にはならない。発電電動機の電
流が零の状態で並列用遮断器4を開放した方が好ましい
ので、停止指令が発信されたら直ちに励磁制御装置25
0のスイッチ56を、力率指令値設定手段39側から力
率1指令値設定手段40側に切り替えて、発電電動機2
の力率を1になるように制御する。
【0088】上記制御でガイドベーンが閉じて行き発電
電動機2の出力がほぼ零になったという第1の条件と、
力率が規定値以上になった(ほぼ1)という第2の条
件、すなわち無効電力がほぼ零になったという第2の条
件の両条件が成立すると遮断器開放指令手段47が動作
して、並列用遮断器4を開放する。このようにして電流
がほぼ零の状態で並列用遮断器4を開放するので、その
接点の消耗を軽減できる。
【0089】また、運転中や停止制御開始後に、発電電
動機2本体や発電電動機2の主回路に例えば3相短絡の
ような重大電気事故が発生した場合は、非常停止を行わ
なければならない。非常停止においては、直ちに非常開
放指令手段79により並列用遮断器4が開放され、電気
出力を系統に放出できなくなるので、電力指令値を零に
しておく必要がある。その理由は実施の形態1で述べた
のと同様である。
【0090】このため、並列用遮断器4の開放と同時
に、その開放されたという信号を使って励磁制御装置5
0の停止手段70により励磁用電力変換器3を停止する
とともに2次側短絡スイッチ8を閉じて発電電動機2の
二次巻線2cを短絡し、励磁系の無用な制御を防止す
る。
【0091】なお、上記各実施の形態における並列用遮
断器4の開放に際して、ガイドベーンの開度、有効電
力、無効電力等の組み合わせで、発電電動機2の出力電
流がほぼ零になったことを判定して開放するものを示し
たが、発電電動機2の出力電流を測定して出力電流がほ
ぼ零になったら並列用遮断器を開放するようにしてもよ
い。
【0092】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0093】この発明に係る可変速揚水発電装置は、ガ
イドベーンを有するポンプ水車への流入水量を調整する
流量調整装置と、二次巻線が巻回された回転子がポンプ
水車に結合された交流励磁形同期機と、この交流励磁形
同期機を電力系統に接続する並列用遮断装置と、交流励
磁形同期機が発電運転中に停止指令が発せられたとき交
流励磁形同期機が同期発電機として動作するように又は
同期発電機とほぼ同様に動作するように二次巻線の励磁
電流を制御する励磁装置を備えたので、発電運転中に停
止指令が発せられたとき交流励磁形同期機が同期発電機
として又は同期発電機とほぼ同様に動作するので、ポン
プ水車への流入水量が絞られれば同期発電機としての同
期化作用によりその出力も減少するので、出力減少過程
における回転変動が抑えられ、安定して停止できる。
【0094】そして、励磁装置は、停止指令が発せられ
たときの交流励磁形同期機の二次巻線の励磁電流の周波
数を停止指令時周波数として記憶する周波数記憶手段
と、二次巻線の励磁電流の周波数を停止指令時周波数に
固定する周波数固定手段とを有し、二次巻線の励磁電流
の周波数を停止指令時周波数に固定することにより交流
励磁形同期機が同期発電機として動作するようにするも
のであることを特徴とするので、発電運転中に停止指令
が発せられたとき交流励磁形同期機が停止指令時周波数
に固定された同期発電機として動作するので、ポンプ水
車への流入水量が絞られれば同期発電機としての同期化
作用によりその出力も減少するので、出力減少過程にお
ける回転変動が抑えられ、安定して停止できる。
【0095】さらに、励磁装置は、停止指令が発せられ
たときの交流励磁形同期機の回転数を停止指令時回転数
として記憶する回転数記憶手段と、交流励磁形同期機の
回転数を停止指令時回転数に固定する回転数固定手段と
を有し、交流励磁形同期機の回転数を停止指令時回転数
に固定することにより交流励磁形同期機が同期発電機と
して動作するようにするものであることを特徴とするの
で、発電運転中に停止指令が発せられたとき交流励磁形
同期機が停止指令時回転数で回転する同期発電機として
動作するので、ポンプ水車への流入水量が絞られれば同
期発電機としての同期化作用によりその出力も減少する
ので、出力減少過程における回転変動が抑えられ、安定
して停止できる。
【0096】また、励磁装置は、停止指令が発せられた
ときの電力系統の周波数と交流励磁形同期機の二次巻線
の励磁周波数との差である滑り周波数を停止指令時滑り
周波数として記憶する滑り周波数記憶手段と、滑り周波
数を停止指令時滑り周波数に固定する滑り周波数固定手
段とを有し、交流励磁形同期機の滑り周波数を停止指令
時滑り周波数に固定することにより交流励磁形同期機が
同期発電機とほぼ同様に動作するようにするものである
ことを特徴とするので、発電運転中に停止指令が発せら
れたとき交流励磁形同期機が停止指令時滑り周波数で回
転し、ほぼ同期発電機として動作するので、ポンプ水車
への流入水量が絞られれば滑り周波数を維持するように
制御されるので、出力減少過程における回転変動が抑え
られ、安定して停止できる。
【0097】そして、ガイドベーンの開度が所定値以下
になり、かつ交流励磁形同期機の無効電力が規定値以下
になったときに並列用遮断装置を開路動作させるガイド
ベーン開度動作開放指令手段を設けたものであることを
特徴とするので、ガイドベーンの開度が所定値以下にな
れば交流励磁形同期機の出力すなわち有効電力が所定の
値以下になり、かつ無効電力が規定値以下になれば、交
流励磁形同期機の出力電流が予め定められた値以下にな
り、この状態で並列用遮断装置を開路することになり、
その接点の損耗を防止できる。
【0098】さらに、ガイドベーンの開度をポンプ水車
に流入する流入水の落差で補正する落差補正手段を設け
たものであることを特徴とするので、ガイドベーンの開
度をポンプ水車に流入する流入水の落差で補正すれば、
交流励磁形同期機の出力すなわち有効電力が所定の値以
下になるガイドベーンのより正確な開度が得られるの
で、並列用遮断装置を開路する時点の精度を向上させる
ことができる。
【0099】また、交流励磁形同期機の有効電力が所定
値以下になるとともに無効電力が規定値以下になったと
きに並列用遮断装置を開路動作させる皮相電力動作開放
指令手段を設けたものであることを特徴とするので、交
流励磁形同期機の有効電力が所定の値以下になり、かつ
無効電力が規定値以下になれば、交流励磁形同期機の出
力電流が予め定められた値以下になり、この状態で並列
用遮断装置を開路することになり、その接点の損耗を防
止できる。
【0100】そして、交流励磁形同期機の出力電流が所
定値以下になったときに並列用遮断装置を開路動作させ
る出力電流動作開放指令手段を設けたものであることを
特徴とするので、交流励磁形同期機の出力電流が所定値
以下になってから並列用遮断装置を開路することにな
り、その接点の損耗を防止できる。
【0101】さらに、励磁装置は、停止指令が発せられ
たときに交流励磁形同期機の無効電力が零になるように
指令する零無効電力指令手段を設けたものであることを
特徴とするので、流入水量が絞られると有効電力が減少
し、かつ零無効電力指令手段により無効電力が零になる
ように指令されて無効電力も減少するので、交流励磁形
同期機の出力電流が減少し、この状態で並列用遮断装置
を開路することになり、その接点の損耗を防止できる。
【0102】また、励磁装置は、停止指令が発せられた
ときに交流励磁形同期機の力率が1になるように指令す
る力率指令手段を設けたものであることを特徴とするの
で、流入水量が絞られると有効電力が減少し、かつ力率
指令手段により力率が1になるようにすなわち無効電力
が零になるように指令されて無効電力も減少するので、
交流励磁形同期機の出力電流が減少し、この状態で並列
用遮断装置を開路することになり、その接点の損耗を防
止できる。
【0103】そして、並列用遮断装置に開放指令を発す
る開放指令手段と並列用遮断装置の開放を条件に出力電
力を零にする指令を発する零電力指令手段とを有する非
常停止装置を設けたものであることを特徴とするので、
並列用遮断装置を開放し出力電力を零にする指令を発す
れば、交流励磁形同期機の主回路に例えば三相短絡など
の重大事故が発生して、交流励磁形同期機を電力系統か
ら直ちに切り離さなければならないような非常停止の場
合に、励磁装置による無用な制御を防止でき、過大な励
磁による異常電圧上昇を引き起こすおそれをなくすこと
ができる。
【0104】さらに、並列用遮断装置に開放指令を発す
る開放指令手段と並列用遮断装置の開放を条件に励磁装
置の出力を停止する励磁出力停止手段と交流励磁形同期
機の二次巻線を短絡する二次巻線短絡手段とを有する非
常停止装置を設けたものであることを特徴とするので、
並列用遮断装置を開放し励磁装置の出力を停止すれば、
交流励磁形同期機の主回路に例えば三相短絡などの重大
事故が発生して、交流励磁形同期機を電力系統から直ち
に切り離さなければならないような非常停止の場合に、
励磁装置による無用な制御を防止でき、過大な励磁によ
る異常電圧上昇を引き起こすおそれをなくすことができ
る。
【0105】また、この発明に係る可変速揚水発電装置
の停止方法は、ガイドベーンを有するポンプ水車への流
入水量を調整する流量調整装置と、二次巻線が巻回され
た回転子がポンプ水車に結合された交流励磁形同期機
と、この交流励磁形同期機を電力系統に接続する並列用
遮断装置と、交流励磁形同期機の二次巻線を励磁する励
磁装置とを備えた可変速揚水発電装置の停止方法であっ
て、交流励磁形同期機が発電運転中に停止指令が発せら
れたとき交流励磁形同期機が同期発電機として動作する
ように又は同期発電機とほぼ同様に動作するように交流
励磁形同期機の二次巻線を励磁するので、発電運転中に
停止指令が発せられたとき交流励磁形同期機が同期発電
機として又は同期発電機とほぼ同様に動作し、ポンプ水
車への流入水量が絞られれば同期発電機としての同期化
作用によりその出力も減少するので、出力減少過程にお
ける回転変動が抑えられ、安定して停止できる。
【0106】そして、停止指令が発せられたとき交流励
磁形同期機の二次巻線の励磁電流の周波数を当該停止命
令が発せられたときの二次巻線の励磁電流の周波数に固
定することにより交流励磁形同期機が同期発電機として
動作するようにするものであることを特徴とするので、
発電運転中に停止指令が発せられたとき交流励磁形同期
機が停止指令時周波数に固定された同期発電機として動
作し、ポンプ水車への流入水量が絞られれば同期発電機
としての同期化作用によりその出力も減少するので、出
力減少過程における回転変動が抑えられ、安定して停止
できる。
【0107】さらに、停止指令が発せられたとき交流励
磁形同期機の回転数を当該停止命令が発せられたときの
交流励磁形同期機の回転数に固定することにより交流励
磁形同期機が同期発電機として動作するようにするもの
であることを特徴とするので、発電運転中に停止指令が
発せられたとき交流励磁形同期機が停止指令時回転数で
回転する同期発電機として動作し、ポンプ水車への流入
水量が絞られれば同期発電機としての同期化作用により
その出力も減少するので、出力減少過程における回転変
動が抑えられ、安定して停止できる。
【0108】また、停止指令が発せられたとき電力系統
の周波数と交流励磁形同期機の二次巻線の励磁周波数と
の差である滑り周波数を当該停止命令が発せられたとき
の滑り周波数に固定することにより交流励磁形同期機が
ほぼ同期発電機と同様に動作するようにするものである
ことを特徴とするので、発電運転中に停止指令が発せら
れたとき交流励磁形同期機が停止指令時滑り周波数で回
転し、ほぼ同期発電機として動作し、ポンプ水車への流
入水量が絞られれば滑り周波数を維持するように制御さ
れるので、出力減少過程における回転変動が抑えられ、
安定して停止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の一形態を示す可変速揚水発
電装置の構成を示す構成図である。
【図2】 図1の励磁制御装置の構成及び遮断器開放指
令手段を示す図である。
【図3】 図1の流量制御装置の詳細構成を示す構成図
である。
【図4】 図1の流量調整手段の詳細構成を示す構成図
である。
【図5】 この発明の他の実施の形態を示す励磁制御装
置の構成及び遮断器開放指令手段を示す図である。
【図6】 さらに、この発明の他の実施の形態を示す励
磁制御装置の構成及び遮断器開放指令手段を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ポンプ水車、2 発電電動機、3 励磁用電力変換
器、4 並列用遮断器、7 電力系統、8 2次側短絡
スイッチ、20,120,220 励磁制御手段、5
0,150,250 励磁制御装置、31 電力指令値
設定手段、32 零電力指令値設定手段、33 無効電
力指令値設定手段、34 零無効電力指令値設定手段、
35 二次励磁周波数及び位相記憶指令手段、36 周
波数設定手段、37 回転数記憶指令手段、38 滑り
周波数記憶指令手段、39 力率指令値設定手段、40
力率1指令値設定手段、43 落差補正手段、45,
46,47 遮断器開放指令手段、61 電力算出手
段、62 無効電力算出手段、69 力率算出手段、7
0 停止手段、79 非常開放指令手段、80 流量制
御装置、81 ダム水位算出手段、90 流量調整手
段、93 全閉指令手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H072 AA17 BB29 CC25 CC42 3H073 AA13 BB06 BB10 CC06 CC13 CD03 CD04 CE09 CE27 5H530 AA23 BB39 CC08 CC11 CC15 CC20 CC30 CD21 CD33 CE30 CF02 CF09 DD03 5H590 AA22 AA23 AA30 CA12 CC01 CC10 CC18 CC24 CE01 DD43 EA05 EA10 EA14 EB14 EB20 EB21 FA01 FA08 FB07 FC26 GA06 GA07 GA09 GA10 GB05 HA02 HA04 HA06 HA07 HA10 HA14 HA23 HA26 HA27 HB02 HB03 JA02 JB02 JB18

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイドベーンを有するポンプ水車への流
    入水量を調整する流量調整装置と、二次巻線が巻回され
    た回転子が上記ポンプ水車に結合された交流励磁形同期
    機と、この交流励磁形同期機を電力系統に接続する並列
    用遮断装置と、上記交流励磁形同期機が発電運転中に停
    止指令が発せられたとき上記交流励磁形同期機が同期発
    電機として動作するように又は同期発電機とほぼ同様に
    動作するように上記二次巻線の励磁電流を制御する励磁
    装置を備えた可変速揚水発電装置。
  2. 【請求項2】 励磁装置は、停止指令が発せられたとき
    の交流励磁形同期機の二次巻線の励磁電流の周波数を停
    止指令時周波数として記憶する周波数記憶手段と、二次
    巻線の励磁電流の周波数を上記停止指令時周波数に固定
    する周波数固定手段とを有し、二次巻線の励磁電流の周
    波数を上記停止指令時周波数に固定することにより交流
    励磁形同期機が同期発電機として動作するようにするも
    のであることを特徴とする請求項1に記載の可変速揚水
    発電装置。
  3. 【請求項3】 励磁装置は、停止指令が発せられたとき
    の交流励磁形同期機の回転数を停止指令時回転数として
    記憶する回転数記憶手段と、交流励磁形同期機の回転数
    を上記停止指令時回転数に固定する回転数固定手段とを
    有し、交流励磁形同期機の回転数を上記停止指令時回転
    数に固定することにより交流励磁形同期機が同期発電機
    として動作するようにするものであることを特徴とする
    請求項1に記載の可変速揚水発電装置。
  4. 【請求項4】 励磁装置は、停止指令が発せられたとき
    の電力系統の周波数と交流励磁形同期機の二次巻線の励
    磁周波数との差である滑り周波数を停止指令時滑り周波
    数として記憶する滑り周波数記憶手段と、滑り周波数を
    上記停止指令時滑り周波数に固定する滑り周波数固定手
    段とを有し、交流励磁形同期機の滑り周波数を上記停止
    指令時滑り周波数に固定することにより交流励磁形同期
    機が同期発電機とほぼ同様に動作するようにするもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の可変速揚水発電
    装置。
  5. 【請求項5】 ガイドベーンの開度が所定値以下にな
    り、かつ交流励磁形同期機の無効電力が規定値以下にな
    ったときに並列用遮断装置を開路動作させるガイドベー
    ン開度動作開放指令手段を設けたものであることを特徴
    とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の
    可変速揚水発電装置。
  6. 【請求項6】 ガイドベーンの開度をポンプ水車に流入
    する流入水の落差で補正する落差補正手段を設けたもの
    であることを特徴とする請求項5に記載の可変速揚水発
    電装置。
  7. 【請求項7】 交流励磁形同期機の有効電力が所定値以
    下になるとともに無効電力が規定値以下になったときに
    並列用遮断装置を開路動作させる皮相電力動作開放指令
    手段を設けたものであることを特徴とする請求項1ない
    し請求項4のいずれか1項に記載の可変速揚水発電装
    置。
  8. 【請求項8】 交流励磁形同期機の出力電流が所定値以
    下になったときに並列用遮断装置を開路動作させる出力
    電流動作開放指令手段を設けたものであることを特徴と
    する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の可
    変速揚水発電装置。
  9. 【請求項9】 励磁装置は、停止指令が発せられたとき
    に交流励磁形同期機の無効電力が零になるように指令す
    る零無効電力指令手段を設けたものであることを特徴と
    する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の可
    変速揚水発電装置。
  10. 【請求項10】 励磁装置は、停止指令が発せられたと
    きに交流励磁形同期機の力率が1になるように指令する
    力率指令手段を設けたものであることを特徴とする請求
    項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の可変速揚水
    発電装置。
  11. 【請求項11】 並列用遮断装置に開放指令を発する開
    放指令手段と上記並列用遮断装置の開放を条件に出力電
    力を零にする指令を発する零電力指令手段とを有する非
    常停止装置を設けたものであることを特徴とする請求項
    1ないし請求項4のいずれか1項に記載の可変速揚水発
    電装置。
  12. 【請求項12】 並列用遮断装置に開放指令を発する開
    放指令手段と上記並列用遮断装置の開放を条件に励磁装
    置の出力を停止する励磁出力停止手段と交流励磁形同期
    機の二次巻線を短絡する二次巻線短絡手段とを有する非
    常停止装置を設けたものであることを特徴とする請求項
    1ないし請求項4のいずれか1項に記載の可変速揚水発
    電装置。
  13. 【請求項13】 ガイドベーンを有するポンプ水車への
    流入水量を調整する流量調整装置と、二次巻線が巻回さ
    れた回転子が上記ポンプ水車に結合された交流励磁形同
    期機と、この交流励磁形同期機を電力系統に接続する並
    列用遮断装置と、上記交流励磁形同期機の上記二次巻線
    を励磁する励磁装置とを備えた可変速揚水発電装置の停
    止方法であって、上記交流励磁形同期機が発電運転中に
    停止指令が発せられたとき上記交流励磁形同期機が同期
    発電機として動作するように又は同期発電機とほぼ同様
    に動作するように上記交流励磁形同期機の上記二次巻線
    を励磁する可変速揚水発電装置の停止方法。
  14. 【請求項14】 停止指令が発せられたとき交流励磁形
    同期機の二次巻線の励磁電流の周波数を当該停止命令が
    発せられたときの二次巻線の励磁電流の周波数に固定す
    ることにより交流励磁形同期機が同期発電機として動作
    するようにするものであることを特徴とする請求項13
    に記載の可変速揚水発電装置の停止方法。
  15. 【請求項15】 停止指令が発せられたとき交流励磁形
    同期機の回転数を当該停止命令が発せられたときの交流
    励磁形同期機の回転数に固定することにより交流励磁形
    同期機が同期発電機として動作するようにするものであ
    ることを特徴とする請求項13に記載の可変速揚水発電
    装置の停止方法。
  16. 【請求項16】 停止指令が発せられたとき電力系統の
    周波数と交流励磁形同期機の二次巻線の励磁周波数との
    差である滑り周波数を当該停止命令が発せられたときの
    滑り周波数に固定することにより交流励磁形同期機がほ
    ぼ同期発電機と同様に動作するようにするものであるこ
    とを特徴とする請求項13に記載の可変速揚水発電装置
    の停止方法。
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