JP2003324920A - 高速ロータを有する電気装置 - Google Patents

高速ロータを有する電気装置

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JP2003324920A JP2003123846A JP2003123846A JP2003324920A JP 2003324920 A JP2003324920 A JP 2003324920A JP 2003123846 A JP2003123846 A JP 2003123846A JP 2003123846 A JP2003123846 A JP 2003123846A JP 2003324920 A JP2003324920 A JP 2003324920A
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ぺゴラロ ジャンカルロ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速ロータを有する回転電気装置。 【解決方法】 ロータ(1)が、非磁性材料で作られたシ
ャフト(2)と、このシャフト（２）を取り囲んだ磁性材
料で作られた複数の磁極片(30)と、楔(51)と、この楔(5
1)と磁極片（30）とによって収容空間（40）内に固定さ
れる永久磁石(4)とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明が属する技術分野】本発明は永久磁石を含むロー
タを備えた回転電気装置、特に、ロータの凹部中に磁石
を収容した回転電気装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】上記のような電気装置は一般に「埋め込
み磁石式」の電気装置とよばれている。このロータの構
成は磁束を集中させるブラシレス同期装置で広く用いら
れている。回転電気装置の寸法はその公称トルクに依存
し、他が全て同じ場合、電気モータのトルクが大きくな
ればなる程、モータは大型になる。しかし、両方の要求
を有するモータ、すなわちハイパワーで構造がコンパク
トなモータが望まれる用途も存在する。その１つの具体
例は自動車のホイールに電気駆動モータを取り付ける場
合である。この用途ではモータ１台当たり少なくとも10
kWのパワーが発生できるようにするのが望ましく、大抵
の場合はバネ下重量に過負荷をかけずにできるだけ重量
を軽くするためにモータ１台当たり少なくとも25〜30kW
のパワーを発生できるようにするのが望ましい。さら
に、ホイールの内部容積から飛び出る部分の寸法をでき
る限り小さくして、サスペンションの運動時や自動車本
体に対するホイールの他の運動時に自動車要素と干渉し
ないようにするのが望ましい。
【０００３】上記の２つの要求（ハイパワーで軽量かつ
小型）を乗用車のホイールに取付ける電気駆動モータで
満足させることは極めて難しく、現在市販されている電
気装置の場合には重量／パワー比をドラスティックに改
良する必要がある。パワーの面では高速の電気モータを
選択することでトルク、従って寸法を減らすことができ
る。換言すれば、同じ公称電力のモータの場合、公称回
転速度を速くすれば寸法は小さくなる。しかし、回転電
気装置の回転速度を上げると機械的挙動に多くの問題が
生じ、回転電気装置の重量と寸法をできるだけ小さくし
たい場合には特に困難である。
【０００４】下記文献には回転速度を高速にするための
特殊な構造が記載されている：
【特許文献１】 欧州特許第1,001,507号公報この特許
が予定している速度は約12,000回転／分で、そのために
非磁性体の多角形モノブロックからなるシャフトと、こ
のシャフトの周りに配置された磁極片とからなる特殊な
組立体の構成を提案している。しかし、上記を越える回
転速度でになると、磁石の機械的挙動に問題が生じ、磁
石の放射方向外側端部が破損する危険がある。すなわ
ち、磁極片が飛び出してしまう危険がある。従って、上
記回転速度がこのロータ装置の上限速度であると思われ
る。
【０００５】
【発明の解決しようとする課題】本発明の目的は、磁石
がロータから飛び出るという問題無しに、回転速度を大
幅に上げることが可能な、内部ロータと外部ステータと
を有する電気回転装置の構造を提案することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、外側のステー
タと内側のロータとを有し、ロータとステータとの間に
間隙を有する回転電気装置において、ロータが下記の要
素(a)〜(f)を有することを特徴とする装置： (a) ベアリングを介してステータ上に取り付けられ、
少なくとも外側ケーシングが非磁性材料で作られたシャ
フトであって、ベアリングがシャフトの回転軸線を規定
するシャフト、(b) 放射方向内側端縁がシャフトの表
面と接触し、放射方向外側端縁が上記間隙に隣接した、
シャフトを取り囲んだ磁性材料からなる複数の磁極片で
あって、互いに隣接する磁極片の間に収容空間が区画さ
れる磁極片、(c) 磁極片の軸線方向の両側にある側面
フランジであって、シャフトがこの側面フランジに形成
された中央孔を貫通している側面フランジ、(d) ２の
側面フランジの間に磁極片を締め付けるために各磁極に
少なくとも1本設けられたタイロッド、(e) 収容空間内
に収容された永久磁石、(f) 互いに隣接する２つの磁
極片に形成された、永久磁石の放射方向外側への運動を
阻止するための肩部と係合する楔。
【０００７】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明では永久磁石の
収容空間は放射方向外側が閉じられており、それによっ
て永久磁石を破損させずに回転速度を高速化することが
できる。市販の磁極片の多くは所望形状に切断された強
磁性体の鋼板を軸線方向に積層して形成され、全ての鋼
板はシャフトの軸線に対してほぼ直角に配置されてい
る。
【０００８】以下、添付図面を参照して本発明を説明す
るが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【実施例】［図1］〜［図3］は６極からなる本発明の回
転電気装置を示している。この装置はステータS（［図
2］にのみ示す）、ロータ1、シャフト2およびベアリン
グ20を有している。6つの磁極片30は強磁性鋼板3の積層
体から成る。各鋼板3はシャフト２の軸線に対してほぼ
直角に配置されている。非積体の磁極片の場合にも本発
明を利用できるということは理解できよう。シャフト2
の軸線方向両側には側面フランジ5（好ましくは非磁性
材料からなる）がある。この側面フランジ5は磁極片30
の軸線方向両側に位置している。図には任意要素である
追加の中間プレート7（好ましくは非磁性材料からな
る）も見える。各側面フランジ5（および任意要素であ
る追加の中間プレート7）は中央孔を有する。図示した
実施例では中央孔の形状は多角形であるが、これに限定
されるものではない。中央孔の形状はシャフト2の形状
と一致している。磁極片30にはタイロッド6が貫通して
いる。１本のタイロッド6が各積層体を貫通し、鋼板3の
全体は両方の側面フランジ5の間に締め付けられる。
【０００９】２つの磁極片30の間の収容空間40中には永
久磁石4が配置される。［図3］では理解をし易くするた
めに1つの収容空間40の磁石を省略してある。［図2］の
断面図も収容空間40中に磁石が存在しない状態を示して
いる。磁極片30はロータの回転軸線に平行な方向を向い
た縦方向面300を有する。この縦方向面300が永久磁石4
を収容する収容空間40を区画する。各鋼板３の放射方向
外側端縁32はロータの軸線を中心とした円弧を描く。シ
ャフト2の回転軸線に対して直角な断面は凸状多角形で
ある。この凸状多角形は端縁21で区切られた平坦面22を
有する。シャフト２のこの平坦面22上に各永久磁石4が
直接接触する。これ以上の詳細な説明は上記欧州特許第
EP 1,001,597号を参照されたい。この特許に記載の全て
の特徴は本発明で用いることができる。しかし、本発明
がこの特許に記載の組合せに限定されるものではない。
【００１０】本発明の第１実施例では、永久磁石４の各
収容空間40は楔51で閉じられている（［図1］、［図
2］、［図3］参照）。［図2］には2つの楔51が示されて
いる。［図1］から分かるように、楔51は側面フランジ5
の外周縁部（永久磁石４の収容空間40の外周）に形成さ
れた穴50を通っている。中間プレート7が有る場合には
中間プレート7にも穴50が形成される。
【００１１】磁極片30の縦方向面300には溝31が形成さ
れている。この溝31はロータの軸線と平行で、各磁極片
30の放射方向外側端縁32の近傍で磁極片30の各縦方向面
300に凹んで形成されている。磁極片30は永久磁石4の高
さより放射方向にわずかに高くなっている。各楔51は互
いに隣接した２つの磁極片に形成された各溝31と当接
し、それによって永久磁石4は磁極片30と機械的に一体
化される。各溝31は肩部を形成して、磁石が振り飛ばさ
れるのを防ぐ。タイロッドおよび側面フランジ（中間プ
レートがある場合にはさらに中間プレート）によって磁
極片はシャフト2と一体化される。このロータ１は10,00
0回転／分以上の速度すなわち少なくとも約20,000回転
／分の極めて速い回転速度でも破損することはない。
【００１２】本発明の上記組立体は磁石が振り飛ぶのを
防ぐのに極めて有効であることが分かっており、各磁石
を収容空間内に接合（セメント）する必要がなくなり、
ロータの製造が大幅に単純になる。従って、本発明の好
ましい実施例ではロータの各磁石とそれに隣接する部品
との間に接合剤（セメント）が存在しない。各溝31は側
面フランジ5に形成された穴50の周方向端部500と整合
し、同様に、追加の中間プレート7がある場合には、こ
の中間プレート7に形成された穴の周方向端部（図示せ
ず）とも整合する。
【００１３】組立時には、先ず最初に、磁極片と、側面
フランジ（任意要素の追加の中間プレートがある場合に
それも一緒に）と、タイロッドとから成る組立体をシャ
フト2の周りに取付ける。次に、各永久磁石4を各収容空
間40の外側開口から放射方向に摺動させて収容空間40の
中に挿入し、シャフト2と接触させる。最後に、各収容
空間40の外側開口を楔51で閉じる。実際には楔51の端部
510を側面フランジ５の穴50に挿入した後、軸線に平行
に摺動させて上記端部510を反対側の側面フランジに形
成された対応穴中に挿入する。
【００１４】本発明は上記実施例に限定されるものでは
ない。各楔51を磁極片と機械的に一体化させるのに穴50
を用いなくてもよい。さらに、一つの変形例では穴50を
盲穴にして、楔を放射方向に保持するだけにすることも
できる。また、楔およびその他の構成部品を種々に変更
できるということも明らかである。例えば、側面フラン
ジを組立てる前に各磁石中に楔を配置することもでき
る。楔を側面フランジに固定すると組立が容易になる
が、そうした構造は磁石が正しく挙動するのに必須では
ない。楔に要求されることは磁極片と係合することだけ
である。
【００１５】ロータの磁石で生じた磁束の全てまたは一
部がステータに流れ、ステータ電流で生じた磁束と協働
するのを妨害するおそれのある磁気短絡は避けなければ
ならない。そのための1つの解決策は楔を非磁性材料で
作ることであり、この非磁性材料は複合材料、アルミニ
ウム合金、非磁性鋼、セラミックおよびチタンからなる
群の中から選択することができる。さらに、渦電流の発
生を防止するか、小さくして、本発明装置の効率を低下
させないようになければならない。そのための1つの解
決策は楔を電気を通さない材料で作ることである。例え
ば、高速回転中に発生する大きな応力に耐えるのに十分
な機械的強度を有する複合材料を用いる。このような楔
は例えば［図4］に示してある。［図7］は断面形状が台
形である楔の別の実施例を示しており、本発明が［図
1］、［図3］、［図4］に示した楔の断面形状に限定さ
れないことを意味している。
【００１６】［図5］、［図6］に示した楔の変形例で
は、電気を通す非磁性材料で作られた楔を使用すること
ができる。［図5］の楔51Bは軸線に対して平行な方向へ
延びたに細長い薄いベース510Bと、この薄いベース510B
の上面を覆う縦方向に隣接した複数のブロック511Bとか
らなる。各ブロック511Bはスロット512Bで区切られ、従
って、互いに接触していない。ベースの材料は伝導性で
あるが、ベースの厚さが非常に薄いため渦電流は最小に
なり、装置効率に与える影響は無視することができる。
ブロック511Bの縦方向寸法はできるだけ小さくするのが
有利である。楔の放射方向厚さは運転中の機械的応力に
耐えるのに十分な寸法にする。［図6］に示す変形例
は、縦方向に整列した複数の隣接要素511Cを有する楔51
Cからなる。隣接要素511Cは電気を通す材料で作られ、
電気を通さない材料512Cを介して互いに接合される。要
素511Cの縦方向寸法をできるだけ小さくして、渦電流を
最小にするのが有利である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明装置のロータの投影図。
【図２】 本発明装置の回転軸線および磁石収容空間を
通る面でのロータおよびステータの断面図。
【図３】 本発明装置のロータの回転軸に直角な面での
断面図で、一つの磁石は除いてある。
【図４】 本発明装置の楔の詳細図。
【図５】 楔の第１変形例を示す図。
【図６】 楔の第2変形例を示す図。
【図７】 楔の第3変形例を示す図。
【符号の説明】
１ ロータ ２ シャフト ４ 永久磁石 ５ 側面フランジ ６ タイロッド ３０ 磁極片 ５１、５１Ｂ、５１Ｃ 楔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャンカルロ ぺゴラロ スイス国 1806 サン−レジエ リュ デ デウ ヴィラージュ 54 Ｆターム(参考） 5H621 BB10 GA01 GA04 GA12 GA16 GB06 HH01 JK01 JK03 5H622 CA02 CA05 CA10 CA11 CB03 PP03 PP11 PP13 PP14 PP17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 外側のステータ(S)と内側のロータ(1)と
    を有し、ロータ(1)とステータ(S)との間に間隙を有する
    回転電気装置において、ロータ(1)が下記の要素(a)〜
    (f)を有することを特徴とする装置： (a) ベアリング(20)を介してステータ(S)上に取り付け
    られ、少なくとも外側ケーシングが非磁性材料で作られ
    たシャフト(2)であって、ベアリング(20)がシャフト(2)
    の回転軸線を規定するシャフト(2)、(b) 放射方向内側
    端縁がシャフト(2)の表面と接触し、放射方向外側端縁
    が上記間隙に隣接した、シャフト(2)を取り囲んだ磁性
    材料からなる複数の磁極片(30)であって、互いに隣接す
    る磁極片(30)の間に収容空間が区画される磁極片(30)、
    (c) 磁極片(30)の軸線方向の両側にある側面フランジ
    (5)であって、シャフト(2)がこの側面フランジ(5)に形
    成された中央孔を貫通している側面フランジ(5)、(d)
    ２の側面フランジの間に磁極片(30)を締め付けるために
    各磁極(30)に少なくとも1本設けられたタイロッド(6)、
    (e) 収容空間内に収容された永久磁石(4)、(f) 互い
    に隣接する２つの磁極片(30)に形成された、永久磁石
    (4)の放射方向外側への運動を阻止するための肩部(31)
    と係合する楔(51、51B、51C)。
  2. 【請求項２】 各肩部が溝(31)で形成され、この溝(31)
    がロータ(1)の軸線と平行で、各磁極片(30)の外側端縁
    近傍で磁極片(30)の縦方向面に形成された凹部から成る
    請求項１に記載の装置。
  3. 【請求項３】 各楔(51)が非磁性材料で作られている請
    求項１または２に記載の装置。
  4. 【請求項４】 非磁性材料が複合材料、アルミニウム合
    金、非磁性鋼、セラミックおよびチタンからなる群の中
    から選択される請求項３に記載の装置。
  5. 【請求項５】 各楔(51)が電導材料で作られ、軸線に平
    行な方向に延びた細長い薄いベース（510B）とこの薄い
    ベース（510B）の上面を覆った縦方向に互いに隣接して
    いるが接触はしていない複数のブロック（511B）とで形
    成されている請求項１または２に記載の装置。
  6. 【請求項６】 各楔(51)が縦方向に整列した複数の互い
    に隣接した導電材料で作られたブロックで形成され、各
    ブロックは非導電性材料によって互いに接合されている
    請求項１または２に記載の装置。
  7. 【請求項７】 ロータ(1)の各永久磁石(4)とそれに隣接
    する部品との間に接合剤が存在しない請求項１〜６のい
    ずれか一項に記載の装置。
  8. 【請求項８】 回転軸線に対して直角なシャフト(2)の
    断面が端縁(21)によって互いに区切られた平らな面を有
    する凸状多角形をしている請求項１〜７のいずれか一項
    に記載の装置。
  9. 【請求項９】 各磁極片(30)が強磁性鋼板(3)の積層体
    を有し、各鋼板(3)がシャフト(2)の軸線に対してほぼ直
    角である請求項１〜８のいずれか一項に記載の装置。
  10. 【請求項１０】 永久磁石(4)がシャフト(2)と直接接触
    している請求項１〜９のいずれか一項に記載の装置。
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