JP2003324091A - 電解加工方法及び装置 - Google Patents

電解加工方法及び装置

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JP2003324091A JP2002126400A JP2002126400A JP2003324091A JP 2003324091 A JP2003324091 A JP 2003324091A JP 2002126400 A JP2002126400 A JP 2002126400A JP 2002126400 A JP2002126400 A JP 2002126400A JP 2003324091 A JP2003324091 A JP 2003324091A
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孝行 斉藤
Kaoru Yamada
かおる 山田
Tsukuru Suzuki
作 鈴木
Michihiko Shirakashi
充彦 白樫
Itsuki Obata
厳貴 小畠
Hozumi Yasuda
穂積 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方法では除去加工が困難であったルテ
ニウム膜を、電気化学的作用によって、薬液濃度が薄く
ても速い速度で除去加工できるようにする。 【解決手段】 陽極としたルテニウム膜と陰極とした加
工電極22とを所定の間隔をおいて配置し、ルテニウム
膜と加工電極22との間にハロゲン化物を含む電解液1
5を供給しながらルテニウム膜と加工電極22との間に
電圧を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学的加工方
法及び装置に係り、特に、半導体ウエハ等の基板の外周
部(べベル部乃至エッジ部)や裏面、その他の部分に成
膜ないし付着した不要なルテニウム膜をエッチング除去
するのに使用される電解加工方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、あらゆる機器の構成要素において
微細化かつ高精度化が進み、サブミクロン領域での物作
りが一般的となるにつれて、加工法自体が材料の特性に
与える影響は益々大きくなっている。このような状況下
においては、従来の機械加工のように、工具が被加工物
を物理的に破壊しながら除去していく加工法では、加工
によって被加工物に多くの欠陥を生み出してしまうた
め、被加工物の特性が劣化する。従って、いかに材料の
特性を損なうことなく加工を行うことができるかが問題
となってくる。
【0003】この問題を解決する手段として開発された
特殊加工法に、化学研磨や電解加工、電解研磨がある。
これらの加工法は、従来の物理的な加工とは対照的に、
化学的溶解反応を起こすことによって、除去加工等を行
うものである。従って、塑性変形による加工変質層や転
位等の欠陥は発生せず、前述の材料の特性を損なわずに
加工を行うといった課題が達成される。
【0004】近年、半導体基板上に高誘電率材料ないし
強誘電体を用いたキャパシタを形成する際の電極材料と
して、白金属の金属ないしその酸化物が候補に上がって
いる。なかでもルテニウムは成膜性が良好であり、パタ
ーニングのための加工性も良好であることから、実現性
の高い材料として検討が進んでいる。
【0005】ルテニウム膜を成膜する方法としては、ス
パッタリングやCVDといった方法があるが、いずれに
しても、外周部を含む基板の表面全面にルテニウム膜を
成膜するようにしている。このため、基板外周部にもル
テニウム膜が成膜され、かつ裏面にも不可抗力的にルテ
ニウム汚染が生じる。
【0006】ここで、回路形成部以外の基板の外周部及
び裏面に成膜ないし付着したルテニウムは不要であるば
かりでなく、その後の基板の搬送、保管及び各種処理工
程において、クロスコンタミネーションの原因となり、
例えば、誘電体の性能を低下させることも起こり得る。
従って、ルテニウム膜の成膜工程やルテニウム膜に対し
て何らかの処理を行った後で、これらを完全に除去して
おく必要がある。更に、例えば、キャパシタの電極材料
としてルテニウムを使用した場合には、回路形成部に成
膜したルテニウム膜の一部を除去する工程が必要とな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】例えば、半導体ウエハ
等の基板上に成膜されたルテニウム膜の除去は、一般的
には、化学エッチング加工によって行われる。しかし、
ルテニウムそのものが極めて安定であり、硫酸や王水な
どのエッチング剤でもエッチングできないため、ルテニ
ウムを一般的なエッチング加工によって除去する際に
は、種々の薬液が使用される。しかし、薬液による化学
エッチングでは、時間がかかることや、後洗浄を十分に
行う必要があるばかりでなく、廃液処理のための負荷が
大きい等の課題がある。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、従来の方法では除去加工が困難であったルテニウム
膜を、電気化学的作用によって、薬液濃度が薄くても速
い速度で除去加工できるようにした電解加工方法及び装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、陽極としたルテニウム膜と陰極とした加工電極とを
所定の間隔をおいて配置し、前記ルテニウム膜と前記加
工電極との間にハロゲン化物を含む電解液を供給しなが
ら前記ルテニウム膜と前記加工電極との間に電圧を印加
することを特徴とする電解加工方法である。
【0010】例えば、ハロゲン化物を含む電解液として
塩酸を用い、この電解液(塩酸)をルテニウム膜と加工
電極との間に供給しながら、ルテニウム膜と加工電極と
の間に電圧を印加してルテニウム膜の電解エッチングを
行うと、ルテニウム膜で発生する次亜塩素酸等の酸化性
物質との反応によるルテニウム膜の除去も同時に行わ
れ、これにより、これまで除去が困難であったルテニウ
ム膜の効率的な除去加工が可能となる。
【0011】請求項2に記載の発明は、前記ルテニウム
膜と前記加工電極とを相対運動させることを特徴とする
請求項1記載の電解加工方法である。これにより、ルテ
ニウム膜の電解エッチングを効率的に行うことができ
る。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記ハロゲン化
物は、塩素、臭素、沃素から選ばれたハロゲンによる一
種以上の化合物であることを特徴とする請求項1または
2記載の電解加工方法である。例えば、HClやHBr
のようなハロゲン化水素酸、NaClOやKClO
などの次亜ハロゲン酸アルカリ塩の水溶液、NaClや
KClのような中性塩の水溶液を電解液として使用する
ことができる。
【0013】請求項4に記載の発明は、ルテニウム膜を
有する基板を保持する基板ホルダと、前記ルテニウム膜
に給電する給電電極と、前記ルテニウム膜と所定の間隔
をおいて配置された加工電極と、前記ルテニウム膜と前
記加工電極との間にハロゲン化物を含む電解液を供給す
る電解液供給部と、前記給電電極に正電位を前記加工電
極に負電位を印加する電源とを有することを特徴とする
電解加工装置である。
【0014】請求項5に記載の発明は、前記基板ホルダ
と前記加工電極とを相対運動させる駆動機構を有するこ
とを特徴とする請求項4記載の電解加工装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形
態の電解加工装置の概要を示す。この電解加工装置10
は、例えば基板Wの表面の外周部に成膜乃至付着した余
分なルテニウム膜6(図3参照)をエッチング除去する
ようにしたもので、表面を上向き(フェースアップ)に
して基板Wを吸着保持する回転自在な基板ホルダ12
と、ハロゲン化物を含む電解液15を被加工部に供給す
る電解液供給ノズル(電解液供給部)25と、加工後に
電解液15が飛散しないように電解液15を保持する加
工チャンバ16とを有している。この加工チャンバ16
の側部には、内部の電解液15を排出するための排水口
18が設けられている。なお、基板の保持の向きは、下
向き(フェースダウン)や垂直にしてもよく、電解加工
の目的により適宜選択すればよい。また、加工チャンバ
16にハロゲン化物を含む電解液15を保持し、この電
解液15中に基板ホルダ12で保持した基板Wを浸漬さ
せてもよい。
【0016】基板ホルダ12で保持した基板Wの外周部
上方に位置し、この基板Wの表面に接触乃至近接して、
基板Wの表面のルテニウム膜に給電する給電電極20が
配置されている。更に、基板ホルダ12で保持した基板
Wの外周部上方に位置し、この基板Wの表面と所定の間
隔を置いた位置に加工電極22が配置されている。ま
た、この加工電極22の表面(下面)と基板Wの被加工
部であるルテニウム膜との間に、例えば、ハロゲン化物
を含んだ電解液15を供給する電解液供給ノズル25の
他に、加工後の基板表面を洗浄するための超純水を供給
する超純水供給ノズル26が配置されている。
【0017】そして、直流電源28の陽極を給電電極2
0に、陰極を加工電極22にそれぞれ接続し、これによ
って、基板Wの表面のルテニウム膜を陽極となし、加工
電極22を陰極となして、加工電極22と対面し電解液
15が供給されている部位をエッチング除去するように
なっている。
【0018】ハロゲン化物を溶解させる溶媒としては、
例えば、水またはアルコール類、アセトニトリル、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒
が使用できる。加工するルテニウム膜の用途、加工後に
必要となる洗浄、表面状態等により適宜選択すればよ
い。半導体製造に使われる基板に対しては不純物の汚染
を極力避けるために、純水を使用することが好ましく、
超純水を使用することが更に好ましい。
【0019】また、ハロゲン化物は、その溶液を電解液
としたときに電気化学的相互作用によりルテニウム膜の
エッチング加工が進行し、かつ、電解中に生成した化合
物がルテニウムと反応し、反応物が電解液中に溶解する
か、または揮発して除去されるものであればいずれでも
よい。例えば、HCl、HBr、HIの水溶液のような
ハロゲン化水素酸、HClO、HBrO、HI
、HClO、HBrO、HIOのようなハロゲンオ
キソ酸の水溶液、NaClO、KClO、NaCl
O、KClOのようなハロゲンオキソ酸塩の水溶液、N
aCl、KClのような中性塩の水溶液を電解液として
使用することができる。加工後のルテニウムの使用用途
と残留物質の影響、ルテニウムの膜厚、ルテニウムの下
地膜の特性等により適宜選択して使用すればよい。
【0020】この電解加工装置10において、先ず、基
板ホルダ12で基板Wをフェースアップで吸着保持し、
電解液供給ノズル25から基板Wと加工電極22との間
に電解液15を供給する。加工チャンバ16の内部に溜
まった電解液15は、排水口18から系外に排出され
る。この状態で、基板ホルダ12を基板Wと一体に回転
させつつ、直流電源28の陽極を給電電極20に、陰極
を加工電極22にそれぞれ接続する。これにより、電気
化学反応によりルテニウム膜がエッチング除去されると
ともに、電解により生成したハロゲン化物とルテニウム
が化学反応し、ルテニウム膜のエッチング除去が進行す
る。加工後の表面は、超純水供給ノズル26より供給さ
れる超純水により洗浄される。
【0021】ハロゲン化物の濃度は、1mg/l〜10
g/l、好ましくは100mg/l〜1g/l程度であ
る。ハロゲン化物の種類、加工時間、加工面積、陽極と
したルテニウム膜と陰極とした加工電極との距離、電解
電圧等は、電解加工後の基板の表面状態や廃液処理の能
力等により適宜決めればよい。例えば、希薄濃度の電解
液を使用して電解電圧を高くすることで、薬液使用量を
削減することができ、電解液の濃度を高くすることで、
加工速度を速くすることができる。
【0022】図2及び図3は、ベベルエッチング装置に
適用した、本発明の第2の実施の形態の電解加工装置を
示す。この電解加工装置(ベベルエッチング装置)は、
陰極とした加工電極と、ルテニウム膜を陽極とする給電
電極とを有し、加工電極は、基板の外周部の形状に沿っ
た溝部を有し、この溝部の内部に基板の外周部を位置さ
せて加工を施すことで、基板の外周部(ベベル部乃至エ
ッジ部)に成膜乃至付着したルテニウム膜を除去するこ
とができるようになっている。
【0023】すなわち、この電解加工装置(ベベルエッ
チング装置)144は、例えば表面にルテニウム膜を成
膜した基板Wを上向き(フェースアップ)で吸着保持
し、モータ150の駆動に伴って回転する基板ホルダ1
52と、電源154の陽極に接続され、基板Wの表面に
設けられたルテニウム膜6に接触して該ルテニウム膜6
を陽極とする給電電極156と、電源154の陰極に接
続され、モータ158の駆動に伴って回転(自転)する
円柱状の加工電極160を有している。この加工電極1
60は、基板ホルダ152で保持した基板Wの側方に位
置して基板Wに接離自在に配置されている。そして、加
工電極160には、基板Wの外周部の形状に沿った断面
半円状の溝部160aが設けられている。更に、この加
工電極160の近傍に位置して、この溝部160aと該
溝部160a内に位置する基板Wの外周部との間に、ハ
ロゲン化物を含む電解液、例えば塩酸を供給するための
電解液供給ノズル165と、電解加工後の基板表面を洗
浄するために、純水または超純水を供給する純水供給部
としての純水供給ノズル164が配置されている。
【0024】これにより、基板ホルダ152で保持した
基板Wの外周部を加工電極160の溝部160aの内部
に位置させた状態で、基板ホルダ152を回転させて基
板Wを回転させ、同時に加工電極160を回転(自転)
させ、電解液供給ノズル165から加工電極160と基
板Wの外周部との間に電解液を供給しつつ、加工電極1
60と給電電極156との間に所定の電圧を印加するこ
とで、基板Wの外周部(ベベル部乃至エッジ部)に成膜
乃至付着したルテニウムを電解加工によって除去するよ
うになっている。除去加工が終了した後、純水供給ノズ
ル164から加工後の部位に向けて純水または超純水を
供給して、加工後の基板表面を純水または超純水で洗浄
する。
【0025】図4は、本発明の第3の実施の形態の電解
加工装置の概要を示す。この電解加工装置40は、例え
ば基板Wの表面の外周部に成膜乃至付着した余分なルテ
ニウム膜6(図3参照)をエッチング除去するようにし
たもので、基板Wを垂直に吸着保持する回転自在な基板
ホルダ42と、内部にハロゲン化物を含む電解液44を
保持し、この電解液44中に基板ホルダ12で保持した
基板Wの下端外周部を浸漬させる加工チャンバ46とを
有している。この加工チャンバ46の側部には、加工チ
ャンバ46内の電解液44の一部を系外に排出して、こ
の電解液44の液面のレベルを一定にする排水口48が
設けられている。
【0026】基板ホルダ42で保持した基板Wの上端外
周部に位置し、この基板Wの表面に接触乃至近接して、
基板Wの表面のルテニウム膜に給電する給電電極50が
配置されている。更に、加工チャンバ46の内部に保持
した電解液44に一部を浸漬させた加工電極52が、基
板ホルダ42で保持した基板Wの表面と所定の間隔をお
いて配置されている。また、加工チャンバ46の上方に
位置して、この内部にハロゲン化物を有する電解液44
を供給する電解液供給ノズル54と、加工後の加工部位
を洗浄する超純水を供給する超純水供給ノズル56が配
置されている。
【0027】そして、直流電源58の陽極を給電電極5
0に、陰極を加工電極52にそれぞれ接続し、これによ
って、基板Wの表面のルテニウム膜を陽極となし、加工
電極52を陰極となして、電解液44に浸漬させた加工
電極22と対面するルテニウム膜の部位をエッチング除
去するようになっている。
【0028】この電解加工装置40にあっては、基板ホ
ルダ42で基板Wを垂直に吸着保持し、電解液供給ノズ
ル54から加工チャンバ46の内部に電解液44を供給
して、加工チャンバ46の内部に溜まった電解液44の
一部を排水口48から系外に排出しておく。この状態
で、給電電極50を基板Wの表面に近接乃至接触させ、
加工電極52をその一部を電解液44に浸漬させ基板W
の表面に対峙させる。そして、基板ホルダ42を基板W
と一体に回転させつつ、直流電源58の陽極を給電電極
50に、陰極を加工電極52に接続にそれぞれ接続す
る。これにより、ハロゲン化物を有する電解液44の電
解作用によって、ルテニウム膜の除去加工を行う。そし
て、超純水供給ノズル56から加工後の部位に向けて超
純水を供給して、加工後の表面を超純水で洗浄する。
【0029】図5及び図6は、本発明の第4の実施の形
態の電解加工装置60を示す。この電解加工装置60
は、水平方向に揺動自在な揺動アーム62の自由端に垂
設されて基板Wを下向き(フェースダウン)に吸着保持
する基板ホルダ64と、円板状で絶縁体からなり、扇状
の加工電極66と給電電極68とを該加工電極66と給
電電極68の表面(上面)を露出させて交互に埋設した
電極部70とを上下に備えている。
【0030】揺動アーム62は、上下動用モータ74の
駆動に伴ってボールねじ76を介して上下動し、揺動用
モータ78の駆動に伴って回転する揺動軸80の上端に
連結されている。また、基板ホルダ64は、揺動アーム
62の自由端に取付けた自転用モータ82に接続され、
この自転用モータ82の駆動に伴って回転(自転)する
ようになっている。
【0031】電極部70は、中空モータ84に直結さ
れ、この中空モータ84の駆動に伴って回転(自転)す
るようになっている。電極部70の中央部には、電極部
70の上面にハロゲン化物を有する電解液72を供給し
て該電極部70の上面と基板ホルダ64で保持した基板
Wとの間を該電解液72で満たす電解液供給部としての
貫通孔70bが設けられ、この貫通孔70bは、中空モ
ータ84の中空部の内部に延びる電解液供給管87に接
続されている。同様に、電極部70の中央部には、電極
部70の上面に純水または超純水を供給する純水供給部
としての貫通孔70aが設けられ、この貫通孔70a
は、中空モータ84の中空部の内部に延びる純水供給管
86に接続されている。
【0032】そして、電極部70の回転中心Oと基板
ホルダ64の回転中心Oとを所定の距離dだけずら
し、電極部70は回転中心Oを中心に回転(自転)
し、基板ホルダ64は回転中心Oを中心に回転(自
転)するようにしている。また、スリップリング88を
介して電源90と加工電極66および給電電極68とを
電気的に接続している。更に、この例では、電極部70
として、その直径が基板ホルダ64の直径より一回り大
きく、電極部70が回転中心Oを中心に、基板ホルダ
64が回転中心Oを中心にそれぞれ回転(自転)して
も、基板ホルダ64で保持した基板Wの全面を電極部7
0で覆う大きさのものを使用している。
【0033】この電解加工装置60にあっては、基板ホ
ルダ64を介して基板Wを回転(自転)させ、同時に中
空モータ84を駆動して電極部70を回転(自転)させ
ながら、電極部70の上面にハロゲン化物を有する電解
液72を供給して該電極部70の上面と基板ホルダ64
で保持した基板Wとの間を該電解液72で満たし、加工
電極66と給電電極68との間に所定の電圧を印加する
ことで、基板Wの表面を電解加工することができる。
【0034】電極部70の上方には、複数の供給口を有
し、電極部70の長径方向に沿って延びて、電極部70
の上面にハロゲン化物を有する電解液72を供給する電
解液供給部としての電解液供給ノズル91と、同じく、
電極部70の上面に純水または超純水を供給する純水供
給部としての純水供給ノズル92が配置されている。こ
れによって、電解液72、或いは純水または超純水が電
極部70の表裏面側から該電極部70の上面に同時に供
給されるようになっている。
【0035】この例では、電極部70に複数の扇状の電
極板を円周方向に沿って配置し、この電極板にスリップ
リング88を介して電源90の陰極と陽極とを交互に接
続することで、電源90の陰極と接続した電極板が加工
電極66となり、陽極と接続した電極板が給電電極68
となって、基板Wの表面ルテニウム膜が陽極となるよう
にしている。これは、ルテニウムにあっては、陰極と接
続した側に電解加工作用が生じるからである。
【0036】このように、加工電極66と給電電極68
とを電極部70の円周方向に沿って分割して交互に設け
ることで、基板のルテニウム膜(被加工物)への固定給
電部を不要となして、基板の全面加工が可能となる。さ
らに、パルス状もしくは交互に正負を変化させる(交
流)ことで、電解生成物を溶解させ、加工の繰り返しの
多重性によって平坦度を向上させることができる。
【0037】この電解加工装置60による電解加工にあ
っては、表面にルテニウム膜を形成した基板Wを基板ホ
ルダ64で下向きに吸着保持し、揺動アーム62を揺動
させて基板ホルダ64を電極部70の直上方の加工位置
まで移動させる。次に、上下動用のモータ74を駆動し
て基板ホルダ64を下降させ、この基板ホルダ64で保
持した基板Wを電極部70に近接させる。
【0038】この状態で、電源90を接続して加工電極
66と給電電極68との間に所定の電圧を印加しなが
ら、基板ホルダ64と電極部70とを共に回転させる。
そして、貫通孔70bを通じて、電極部70の下側から
該電極部70の上面に電解液72を、電解液供給ノズル
91により電極部70の上側から該電極部70の上面に
電解液72を同時に供給し、加工電極66及び給電電極
68と基板Wとの間に電解液72を満たす。これによっ
て、基板Wのルテニウム膜を陽極となし、加工電極66
に対面する基板Wに設けられたルテニウム膜の電解加工
を行う。
【0039】電解加工終了後、電源90の接続を切り、
貫通孔70aを通じて電極部70の下側から純水または
超純水を、純水供給ノズル92により電極部70の上側
から純水または超純水をそれぞれ電極部70の上面に供
給して加工後の基板表面を洗浄し、基板ホルダ64と電
極部70の回転を停止させ、しかる後、基板ホルダ64
を上昇させて、加工後の基板を次工程に搬送する。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0041】(実施例1)図1に示す電解加工装置を使
用して、基板表面に成膜したルテニウム膜の除去加工を
行った。すなわち、TiNからなる下地膜の上にルテニ
ウム膜を成膜したウエハ(基板)を基板ホルダ12に保
持し、ハロゲン化物を有する電解液15として、塩酸
(ハロゲン化水素酸)及び塩化カリウム水溶液(ハロゲ
ン中性塩の水溶液)をそれぞれ使用し、電解電圧を60
Vとして2分間の電解加工(エッチング)を行った。そ
の時のエッチング効果をXPS(X線光電子分光法)で
評価した結果を図7に示す。この図7より、酸または中
性のハロゲン化物の水溶液によりルテニウム膜がエッチ
ングされていることが分かる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被加工物であるルテニウム膜に物理的な欠陥を与えて特
性を損なうことを防止しつつ、電気化学的作用によっ
て、例えば従来の一般的な除去加工に代わる電解加工等
を施して、ルテニウム膜の除去加工を行うことができ
る。しかも、希薄な濃度の薬液により、基板の表面の余
分な不純物の付着を減らし、除去加工後の洗浄工程を簡
略化できるばかりでなく、廃液処理の負荷を極めて小さ
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電解加工装置の概
略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の電解加工装置の概
略構成図である。
【図3】図2の要部を拡大して示す要部拡大断面図であ
る。
【図4】本発明の第3の実施の形態の電解加工装置の概
略構成図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の電解加工装置の概
略構成図である
【図6】図5の平面図である。
【図7】実施例1の結果を示すXPSのナロースペクト
ル図である。
【符号の説明】
6 ルテニウム膜 10,40,60,144 電解加工装置 12、42,64,152 基板ホルダ 15,44,72 電解液 16,46 加工チャンバ 20,50,68,156 給電電極 22,52,66,160 加工電極 25,54,91,165 電解液供給ノズル 26,56,164 超純水供給ノズル 28,58,90,154 電源 70 電極部 70a,70b 貫通孔 78 揺動用モータ 82 自転用モータ 84 中空モータ 86 純水供給管 87 電解液供給管 88 スリップリング 92,164 純水供給ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 作 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 白樫 充彦 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 小畠 厳貴 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 安田 穂積 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 5F043 AA26 BB18 DD14 EE07 EE08 EE14 GG10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極としたルテニウム膜と陰極とした加
    工電極とを所定の間隔をおいて配置し、 前記ルテニウム膜と前記加工電極との間にハロゲン化物
    を含む電解液を供給しながら前記ルテニウム膜と前記加
    工電極との間に電圧を印加することを特徴とする電解加
    工方法。
  2. 【請求項2】 前記ルテニウム膜と前記加工電極とを相
    対運動させることを特徴とする請求項1記載の電解加工
    方法。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化物は、塩素、臭素、沃素
    から選ばれたハロゲンによる一種以上の化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の電解加工方法。
  4. 【請求項4】 ルテニウム膜を有する基板を保持する基
    板ホルダと、 前記ルテニウム膜に給電する給電電極と、 前記ルテニウム膜と所定の間隔をおいて配置された加工
    電極と、 前記ルテニウム膜と前記加工電極との間にハロゲン化物
    を含む電解液を供給する電解液供給部と、 前記給電電極に正電位を前記加工電極に負電位を印加す
    る電源とを有することを特徴とする電解加工装置。
  5. 【請求項5】 前記基板ホルダと前記加工電極とを相対
    運動させる駆動機構を有することを特徴とする請求項4
    記載の電解加工装置。
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