JP2003322209A - ダイナミックダンパ - Google Patents
ダイナミックダンパInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 非回転の振動体に取り付けられるダイナミッ
クダンパにおいて、動的吸振機能の温度依存性を改良す
る。 【解決手段】 非回転の振動低減対象部材に突設した軸
等に外挿固定される金属製の円筒状の取付筒11と、そ
の外周面に加硫接着されたゴム状弾性材料からなる環状
の弾性体12と、この弾性体12の外周に縮径方向の復
元力を有する状態で取り付けられた金属ばねからなる質
量体13とを備える。質量体13は、そのばね性によっ
て、温度による弾性体12の弾性係数変化を補償して、
固有振動数の変化を抑制する機能を有し、コイルスプリ
ングの両端を結合して環状としたエキステンションスプ
リング等を用いることができる。
クダンパにおいて、動的吸振機能の温度依存性を改良す
る。 【解決手段】 非回転の振動低減対象部材に突設した軸
等に外挿固定される金属製の円筒状の取付筒11と、そ
の外周面に加硫接着されたゴム状弾性材料からなる環状
の弾性体12と、この弾性体12の外周に縮径方向の復
元力を有する状態で取り付けられた金属ばねからなる質
量体13とを備える。質量体13は、そのばね性によっ
て、温度による弾性体12の弾性係数変化を補償して、
固有振動数の変化を抑制する機能を有し、コイルスプリ
ングの両端を結合して環状としたエキステンションスプ
リング等を用いることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非回転の振動体に
取り付けられて、振動体に発生する振動を共振による動
的吸振効果により吸収するダイナミックダンパに関す
る。
取り付けられて、振動体に発生する振動を共振による動
的吸振効果により吸収するダイナミックダンパに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の技術による非回転用のダ
イナミックダンパを軸心を通る平面で切断して示す断面
図である。すなわち、この種のダイナミックダンパ10
0は、基本的には、図5に示されるように、振動を発生
する非回転部材に突設した軸等に外挿固定される円筒状
の取付筒101と、その外周側に同心的に配置された環
状の質量体103と、これら取付筒101及び質量体1
03の間に介在されると共に一体的に加硫接着されたゴ
ム状弾性材料からなる環状の弾性体102とで構成され
る。そして、取付筒101に所定の振動数の振動が入力
されると、これによって、弾性体102と質量体103
で構成される副振動系が共振し、その共振が、入力振動
と逆位相の振動波形で生じることによって、動的吸振効
果を発揮するものである。
イナミックダンパを軸心を通る平面で切断して示す断面
図である。すなわち、この種のダイナミックダンパ10
0は、基本的には、図5に示されるように、振動を発生
する非回転部材に突設した軸等に外挿固定される円筒状
の取付筒101と、その外周側に同心的に配置された環
状の質量体103と、これら取付筒101及び質量体1
03の間に介在されると共に一体的に加硫接着されたゴ
ム状弾性材料からなる環状の弾性体102とで構成され
る。そして、取付筒101に所定の振動数の振動が入力
されると、これによって、弾性体102と質量体103
で構成される副振動系が共振し、その共振が、入力振動
と逆位相の振動波形で生じることによって、動的吸振効
果を発揮するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種のダイナミック
ダンパ100は、固有振動数が、質量体103の慣性質
量と、弾性体102のばね定数によって決まる。しかし
ながら、ゴム状弾性材料で成形された弾性体102は、
雰囲気温度が20℃以上では、温度変化によってばね定
数も変化し、具体的には、温度の上昇によって軟らかく
なり、すなわち弾性係数が低下するため、固有振動数が
振動低減対象の振動数域よりも低くなってしまう。した
がって、温度依存性が大きく、ある特定の温度範囲で
は、振動低減対象の振動数域で共振することによる優れ
た動的吸振効果が得られても、温度が変化すると、振動
低減対象の振動数域で共振しなくなり、動的吸振効果を
発揮することができなくなる問題が指摘される。
ダンパ100は、固有振動数が、質量体103の慣性質
量と、弾性体102のばね定数によって決まる。しかし
ながら、ゴム状弾性材料で成形された弾性体102は、
雰囲気温度が20℃以上では、温度変化によってばね定
数も変化し、具体的には、温度の上昇によって軟らかく
なり、すなわち弾性係数が低下するため、固有振動数が
振動低減対象の振動数域よりも低くなってしまう。した
がって、温度依存性が大きく、ある特定の温度範囲で
は、振動低減対象の振動数域で共振することによる優れ
た動的吸振効果が得られても、温度が変化すると、振動
低減対象の振動数域で共振しなくなり、動的吸振効果を
発揮することができなくなる問題が指摘される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、非
回転の振動体に取り付けられるダイナミックダンパにお
いて、動的吸振機能の温度依存性を改良することにあ
る。
な問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、非
回転の振動体に取り付けられるダイナミックダンパにお
いて、動的吸振機能の温度依存性を改良することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来の技術的課題を有効
に解決するための手段として、請求項1の発明に係るダ
イナミックダンパは、振動低減対象の部材に結合される
取付筒の外周にゴム状弾性材料からなる弾性体が取り付
けられ、この弾性体の外周に、ばねからなる質量体が縮
径方向の復元力を有する状態で取り付けられたものであ
る。前記質量体は、そのばね性によって、温度上昇によ
る前記弾性体の弾性係数低下を補償する機能を有し、例
えばコイルスプリングの両端を結合して環状としたエキ
ステンションスプリング等を用いることができる。
に解決するための手段として、請求項1の発明に係るダ
イナミックダンパは、振動低減対象の部材に結合される
取付筒の外周にゴム状弾性材料からなる弾性体が取り付
けられ、この弾性体の外周に、ばねからなる質量体が縮
径方向の復元力を有する状態で取り付けられたものであ
る。前記質量体は、そのばね性によって、温度上昇によ
る前記弾性体の弾性係数低下を補償する機能を有し、例
えばコイルスプリングの両端を結合して環状としたエキ
ステンションスプリング等を用いることができる。
【0006】また、請求項2の発明に係るダイナミック
ダンパは、請求項1に記載の構成において、弾性体の原
形状態での径方向厚さをtA、質量体を取り付けること
により圧縮された前記弾性体の径方向厚さをtBとする
と、室温状態において、 tA×0.85≦tB≦tA×0.95 としたものである。
ダンパは、請求項1に記載の構成において、弾性体の原
形状態での径方向厚さをtA、質量体を取り付けること
により圧縮された前記弾性体の径方向厚さをtBとする
と、室温状態において、 tA×0.85≦tB≦tA×0.95 としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るダイナミッ
クダンパの好ましい実施の形態において、質量体を分離
した状態を示す断面図、図2は、同じく本発明に係るダ
イナミックダンパの好ましい実施の形態を示す断面図
で、(A)は常温時、(B)は高温時の状態を示すもの
である。これら図1及び図2に示されるように、本形態
のダイナミックダンパは、非回転部分の振動低減に用い
られるものであって、非回転の振動低減対象部材に突設
した軸(図示省略)等に外挿固定される金属製の円筒状
の取付筒11と、その外周面に加硫接着されたゴム状弾
性材料からなる環状の弾性体12と、この弾性体12の
外周に所定の縮径力を有する状態で取り付けられる金属
ばねからなる質量体13とを備える。
クダンパの好ましい実施の形態において、質量体を分離
した状態を示す断面図、図2は、同じく本発明に係るダ
イナミックダンパの好ましい実施の形態を示す断面図
で、(A)は常温時、(B)は高温時の状態を示すもの
である。これら図1及び図2に示されるように、本形態
のダイナミックダンパは、非回転部分の振動低減に用い
られるものであって、非回転の振動低減対象部材に突設
した軸(図示省略)等に外挿固定される金属製の円筒状
の取付筒11と、その外周面に加硫接着されたゴム状弾
性材料からなる環状の弾性体12と、この弾性体12の
外周に所定の縮径力を有する状態で取り付けられる金属
ばねからなる質量体13とを備える。
【0008】弾性体12は、その外面形状と対応する成
形用キャビティを有する金型を用い、この金型のキャビ
ティ内に、予めゴムの加硫接着用の接着剤を塗布した取
付筒11を同心的に配置して固定し、キャビティの内面
と取付筒11の外面との間に形成された空間に成形用ゴ
ム材料を充填することによって、加硫成形と同時に取付
筒11と一体化されたものである。この弾性体12の外
周面には、質量体13を抜け止め状態に保持するため
に、円周方向へ連続した取付凹部12aが形成され、そ
の両側が円周方向へ連続した突条12bとなっている。
形用キャビティを有する金型を用い、この金型のキャビ
ティ内に、予めゴムの加硫接着用の接着剤を塗布した取
付筒11を同心的に配置して固定し、キャビティの内面
と取付筒11の外面との間に形成された空間に成形用ゴ
ム材料を充填することによって、加硫成形と同時に取付
筒11と一体化されたものである。この弾性体12の外
周面には、質量体13を抜け止め状態に保持するため
に、円周方向へ連続した取付凹部12aが形成され、そ
の両側が円周方向へ連続した突条12bとなっている。
【0009】質量体13は、動的吸振効果を得るための
所要の質量を有するものであって、図1に示されるよう
に、弾性体12への未装着状態では、内径d13が弾性
体12の取付凹部12aの外径d12よりも適宜小径か
つ取付筒11の外径d11よりも適宜大径に形成されて
いる。このため、図2に示されるように、質量体13の
取付状態では、質量体13は、適宜拡径された状態で弾
性体12の取付凹部12aに外挿されると共に、弾性体
12は、拡径された質量体13の縮径方向の復元力(以
下、縮径力という)によって径方向に圧縮され、その圧
縮による反力が質量体13の縮径力と均衡する径方向厚
さとなる。
所要の質量を有するものであって、図1に示されるよう
に、弾性体12への未装着状態では、内径d13が弾性
体12の取付凹部12aの外径d12よりも適宜小径か
つ取付筒11の外径d11よりも適宜大径に形成されて
いる。このため、図2に示されるように、質量体13の
取付状態では、質量体13は、適宜拡径された状態で弾
性体12の取付凹部12aに外挿されると共に、弾性体
12は、拡径された質量体13の縮径方向の復元力(以
下、縮径力という)によって径方向に圧縮され、その圧
縮による反力が質量体13の縮径力と均衡する径方向厚
さとなる。
【0010】ここで、図1に示される弾性体12の原形
状態において、取付筒11との接着面から取付凹部12
aまでの弾性体12の径方向厚さ(すなわちd12−d
11)をtAとし、図2に示されるように質量体13が
取り付けられた状態において、取付筒11との接着面か
ら取付凹部12aまでの弾性体12の径方向厚さをt B
とすると、室温状態において、 tA×0.85≦tB≦tA×0.95 となるように、弾性体12の径方向ばね定数及び原形状
態での径方向厚さtAや、質量体13の内径d13及び
径方向ばね定数が設定されている。
状態において、取付筒11との接着面から取付凹部12
aまでの弾性体12の径方向厚さ(すなわちd12−d
11)をtAとし、図2に示されるように質量体13が
取り付けられた状態において、取付筒11との接着面か
ら取付凹部12aまでの弾性体12の径方向厚さをt B
とすると、室温状態において、 tA×0.85≦tB≦tA×0.95 となるように、弾性体12の径方向ばね定数及び原形状
態での径方向厚さtAや、質量体13の内径d13及び
径方向ばね定数が設定されている。
【0011】弾性体12と質量体13は、所定の振動数
域で動的吸振効果を発揮する副振動系を構成している。
すなわち、弾性体12は、振動低減対象の部材に発生し
た振動が取付筒11を介して入力されることによって、
相対変位される取付筒11と質量体13との間で変形を
受けて、前記副振動系におけるばね機能を奏するもので
あり、質量体13は、前記副振動系における質量部とな
るものである。そしてこの副振動系の固有振動数は、弾
性体12が質量体13によって圧縮を受けた状態でのば
ね定数と、質量体13の慣性質量とによって、低減対象
の振動数域、すなわち振動低減対象の部材に発生する振
動の振幅が最大となる振動数域に設定されている。
域で動的吸振効果を発揮する副振動系を構成している。
すなわち、弾性体12は、振動低減対象の部材に発生し
た振動が取付筒11を介して入力されることによって、
相対変位される取付筒11と質量体13との間で変形を
受けて、前記副振動系におけるばね機能を奏するもので
あり、質量体13は、前記副振動系における質量部とな
るものである。そしてこの副振動系の固有振動数は、弾
性体12が質量体13によって圧縮を受けた状態でのば
ね定数と、質量体13の慣性質量とによって、低減対象
の振動数域、すなわち振動低減対象の部材に発生する振
動の振幅が最大となる振動数域に設定されている。
【0012】上述の構成を備える本形態のダイナミック
ダンパによれば、振動低減対象の部材で発生した径方向
又は軸方向の振動が、取付筒11を介して入力される
と、その振幅が最大となる振動数付近の振動数域では、
弾性体12と質量体13によって構成される副振動系が
共振する。そして、その共振による振動波形は入力振動
による振動波形と逆位相となり、すなわち共振による振
動変位が、入力振動による変位力を相殺する方向に生じ
るので、入力振動の振幅のピークを有効に低減する動的
吸振効果を発揮する。
ダンパによれば、振動低減対象の部材で発生した径方向
又は軸方向の振動が、取付筒11を介して入力される
と、その振幅が最大となる振動数付近の振動数域では、
弾性体12と質量体13によって構成される副振動系が
共振する。そして、その共振による振動波形は入力振動
による振動波形と逆位相となり、すなわち共振による振
動変位が、入力振動による変位力を相殺する方向に生じ
るので、入力振動の振幅のピークを有効に低減する動的
吸振効果を発揮する。
【0013】ここで、ゴム状弾性材料からなる弾性体1
2は、雰囲気温度が20℃以上では使用環境の温度変化
によって柔軟性が変化し、すなわち温度上昇に伴って弾
性体12が軟らかくなり、弾性係数が低下する。ところ
が、本形態によれば、弾性体12の弾性係数が低下する
と、これによって質量体13の縮径力が相対的に大きく
なるので、図2(B)に示されるように、弾性体12の
径方向厚さtBがΔt Bだけ減少して、拡径方向の圧縮
反力が質量体13の縮径力と均衡する径方向厚さtB’
となるまで、質量体13が、そのばね性によって縮径す
る。したがって、雰囲気温度が20℃以上において、温
度上昇による弾性体12のばね定数の低下は、質量体1
3の縮径力によってほぼ一定となるように補償される。
2は、雰囲気温度が20℃以上では使用環境の温度変化
によって柔軟性が変化し、すなわち温度上昇に伴って弾
性体12が軟らかくなり、弾性係数が低下する。ところ
が、本形態によれば、弾性体12の弾性係数が低下する
と、これによって質量体13の縮径力が相対的に大きく
なるので、図2(B)に示されるように、弾性体12の
径方向厚さtBがΔt Bだけ減少して、拡径方向の圧縮
反力が質量体13の縮径力と均衡する径方向厚さtB’
となるまで、質量体13が、そのばね性によって縮径す
る。したがって、雰囲気温度が20℃以上において、温
度上昇による弾性体12のばね定数の低下は、質量体1
3の縮径力によってほぼ一定となるように補償される。
【0014】なお、tB≧tA×0.85としたのは、室温
状態において弾性体12がtA×0.85より小さい径方向
厚さとなるまで圧縮されるような大きな縮径力では、弾
性体12に永久圧縮歪が起こりやすくなるからである。
また、tB≦tA×0.95としたのは、室温状態において
tA×0.95より大きい径方向厚さまでしか弾性体12が
圧縮されない程度の小さな縮径力では、温度上昇による
弾性体12のばね定数の低下を十分に補償できなくなる
からである。
状態において弾性体12がtA×0.85より小さい径方向
厚さとなるまで圧縮されるような大きな縮径力では、弾
性体12に永久圧縮歪が起こりやすくなるからである。
また、tB≦tA×0.95としたのは、室温状態において
tA×0.95より大きい径方向厚さまでしか弾性体12が
圧縮されない程度の小さな縮径力では、温度上昇による
弾性体12のばね定数の低下を十分に補償できなくなる
からである。
【0015】図3は、先に説明した図5の従来技術によ
るダイナミックダンパと、上述の形態によるダイナミッ
クダンパの径方向固有振動数と雰囲気温度との関係を示
す特性線図である。この線図に示されるように、従来技
術によるダイナミックダンパの場合は、雰囲気温度が上
昇するのにつれて弾性体102のばね定数が低下するた
めに、弾性体102と環状の質量体103とで構成され
る副振動系の径方向固有振動数が大きく低下していくの
に対し、本発明によるダイナミックダンパは、雰囲気温
度上昇による弾性体12のばね定数低下が質量体13の
縮径力によって補償され、径方向及び軸方向に対する質
量体13の慣性質量は不変であるから、その結果、弾性
体12と環状の質量体13とで構成される副振動系の径
方向固有振動数の低下が、有効に抑制される。
るダイナミックダンパと、上述の形態によるダイナミッ
クダンパの径方向固有振動数と雰囲気温度との関係を示
す特性線図である。この線図に示されるように、従来技
術によるダイナミックダンパの場合は、雰囲気温度が上
昇するのにつれて弾性体102のばね定数が低下するた
めに、弾性体102と環状の質量体103とで構成され
る副振動系の径方向固有振動数が大きく低下していくの
に対し、本発明によるダイナミックダンパは、雰囲気温
度上昇による弾性体12のばね定数低下が質量体13の
縮径力によって補償され、径方向及び軸方向に対する質
量体13の慣性質量は不変であるから、その結果、弾性
体12と環状の質量体13とで構成される副振動系の径
方向固有振動数の低下が、有効に抑制される。
【0016】したがって、雰囲気温度が変化しても、弾
性体12と環状の質量体13とで構成される副振動系
が、ほぼ一定の振動数域で共振し、その動的吸振作用に
よって、振幅のピークを低減することができる。
性体12と環状の質量体13とで構成される副振動系
が、ほぼ一定の振動数域で共振し、その動的吸振作用に
よって、振幅のピークを低減することができる。
【0017】図4は、本発明に係るダイナミックダンパ
を更に具体化した実施例を、その軸心を通る平面で切断
して示す断面図である。この実施例は、質量体として、
複数のエキステンションスプリング14が用いられてお
り、すなわち、金属製の円筒状の取付筒11と、その外
周面に加硫接着されたゴム状弾性材料からなる環状の弾
性体12と、この弾性体12の外周に縮径力を有する状
態で取り付けられた複数(図示の例では2本)のエキス
テンションスプリング14とを備える。
を更に具体化した実施例を、その軸心を通る平面で切断
して示す断面図である。この実施例は、質量体として、
複数のエキステンションスプリング14が用いられてお
り、すなわち、金属製の円筒状の取付筒11と、その外
周面に加硫接着されたゴム状弾性材料からなる環状の弾
性体12と、この弾性体12の外周に縮径力を有する状
態で取り付けられた複数(図示の例では2本)のエキス
テンションスプリング14とを備える。
【0018】エキステンションスプリング14は、ばね
鋼等からなるコイルスプリングの両端を結合することに
より環状としたものであって、弾性体12の外周面に円
周方向へ連続して形成された取付溝12cに、適当に拡
径された状態で嵌着され、これによって、弾性体12を
締め付ける縮径力を与えられている。また、このエキス
テンションスプリング14は、所要の慣性質量を得るた
めに、比較的線径の太い線材で形成されている。
鋼等からなるコイルスプリングの両端を結合することに
より環状としたものであって、弾性体12の外周面に円
周方向へ連続して形成された取付溝12cに、適当に拡
径された状態で嵌着され、これによって、弾性体12を
締め付ける縮径力を与えられている。また、このエキス
テンションスプリング14は、所要の慣性質量を得るた
めに、比較的線径の太い線材で形成されている。
【0019】なお、本発明は、図示の例に限定されるも
のではなく、質量体としては、図4のエキステンション
スプリング14以外にも、例えば円周方向一箇所が切断
されることによって径方向のばね性を与えられた金属環
など、種々のものが適用可能である。
のではなく、質量体としては、図4のエキステンション
スプリング14以外にも、例えば円周方向一箇所が切断
されることによって径方向のばね性を与えられた金属環
など、種々のものが適用可能である。
【0020】
【発明の効果】請求項1の発明に係るダイナミックダン
パによれば、副振動系を構成する質量体としてばねを用
い、弾性体の外周に、縮径方向の復元力を有する状態で
取り付けることによって、雰囲気温度による弾性体のば
ね定数変化が質量体の縮径力によって補償されるので、
その結果、副振動系の固有振動数の変化が抑制され、雰
囲気温度が変化しても、振動低減対象の振動数域におい
て、共振による優れた動的吸振作用を発揮することがで
きる。
パによれば、副振動系を構成する質量体としてばねを用
い、弾性体の外周に、縮径方向の復元力を有する状態で
取り付けることによって、雰囲気温度による弾性体のば
ね定数変化が質量体の縮径力によって補償されるので、
その結果、副振動系の固有振動数の変化が抑制され、雰
囲気温度が変化しても、振動低減対象の振動数域におい
て、共振による優れた動的吸振作用を発揮することがで
きる。
【0021】請求項2の発明に係るダイナミックダンパ
によれば、弾性体の原形状態での径方向厚さをtA、質
量体を取り付けることにより圧縮された前記弾性体の径
方向厚さをtBとすると、室温状態において、 tA×0.85≦tB≦tA×0.95 とすることによって、請求項1による効果を確実に実現
することができる。
によれば、弾性体の原形状態での径方向厚さをtA、質
量体を取り付けることにより圧縮された前記弾性体の径
方向厚さをtBとすると、室温状態において、 tA×0.85≦tB≦tA×0.95 とすることによって、請求項1による効果を確実に実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイナミックダンパの好ましい実
施の形態において、質量体を分離した状態を、軸心を通
る平面で切断して示す断面図である。
施の形態において、質量体を分離した状態を、軸心を通
る平面で切断して示す断面図である。
【図2】本発明に係るダイナミックダンパの好ましい実
施の形態を示すもので、(A)は常温時、(B)は高温
時の状態を、それぞれ軸心を通る平面で切断して示す断
面図である。
施の形態を示すもので、(A)は常温時、(B)は高温
時の状態を、それぞれ軸心を通る平面で切断して示す断
面図である。
【図3】実施の形態によるダイナミックダンパの温度依
存性を、従来技術によるダイナミックダンパと比較して
示す特性線図である。
存性を、従来技術によるダイナミックダンパと比較して
示す特性線図である。
【図4】本発明に係るダイナミックダンパの具体的な実
施例を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
施例を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図5】従来の技術によるダイナミックダンパを軸心を
通る平面で切断して示す断面図である。
通る平面で切断して示す断面図である。
11 取付筒
12 弾性体
12a 取付凹部
12b 突条
12c 取付溝
13 質量体
14 エキステンションスプリング(質量体)
Claims (2)
- 【請求項1】 振動低減対象の部材に結合される取付筒
(11)の外周にゴム状弾性材料からなる弾性体(1
2)が取り付けられ、この弾性体(12)の外周に、ば
ねからなる質量体(13)が縮径方向の復元力を有する
状態で取り付けられたことを特徴とするダイナミックダ
ンパ。 - 【請求項2】 弾性体(12)の原形状態での径方向厚
さをtA、質量体(13)を取り付けることにより圧縮
された前記弾性体(12)の径方向厚さをt Bとする
と、室温状態において、 tA×0.85≦tB≦tA×0.95 であることを特徴とする請求項1に記載のダイナミック
ダンパ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002125453A JP2003322209A (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | ダイナミックダンパ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002125453A JP2003322209A (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | ダイナミックダンパ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003322209A true JP2003322209A (ja) | 2003-11-14 |
Family
ID=29540169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002125453A Withdrawn JP2003322209A (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | ダイナミックダンパ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003322209A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010174958A (ja) * | 2009-01-28 | 2010-08-12 | Kurashiki Kako Co Ltd | マス部材の取付構造 |
JP2013249604A (ja) * | 2012-05-30 | 2013-12-12 | Hayashi Bussan Hatsumei Kenkyusho:Kk | 免震機能を具えた墓石 |
KR20160115363A (ko) * | 2015-03-27 | 2016-10-06 | 현대자동차주식회사 | 드라이브 샤프트용 다이내믹 댐퍼 |
JP2017203466A (ja) * | 2016-05-09 | 2017-11-16 | トヨタ自動車株式会社 | タンク |
-
2002
- 2002-04-26 JP JP2002125453A patent/JP2003322209A/ja not_active Withdrawn
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US9909646B2 (en) | 2015-03-27 | 2018-03-06 | Hyundai Motor Company | Dynamic damper for drive shaft |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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