JP2003322174A - スプリングクラッチ - Google Patents

スプリングクラッチ

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JP2003322174A
JP2003322174A JP2002131139A JP2002131139A JP2003322174A JP 2003322174 A JP2003322174 A JP 2003322174A JP 2002131139 A JP2002131139 A JP 2002131139A JP 2002131139 A JP2002131139 A JP 2002131139A JP 2003322174 A JP2003322174 A JP 2003322174A
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spring
sleeve
groove
spring clutch
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JP2002131139A
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English (en)
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Yoshikazu Terada
義主 寺田
Akira Tokuda
亮 得田
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D41/00Freewheels or freewheel clutches
    • F16D41/20Freewheels or freewheel clutches with expandable or contractable clamping ring or band
    • F16D41/206Freewheels or freewheel clutches with expandable or contractable clamping ring or band having axially adjacent coils, e.g. helical wrap-springs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D7/00Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock
    • F16D7/02Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the friction type
    • F16D7/022Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the friction type with a helical band or equivalent member co-operating with a cylindrical torque limiting coupling surface

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸方向長さのコンパクトなスプリングクラッ
チを提供することである。 【解決手段】 プーリ1の内側に組込まれたプーリハブ
2を出力軸2aとその外側に嵌合されて回り止めされた
スリーブ2bとで形成する。プーリ1の内周に形成され
た円筒状のクラッチ面11にクラッチばね12の外周面
を弾性接触し、そのクラッチばね12の一端部をスリー
ブ2bに係合して、クラッチばね12の巻数を減らし、
スプリングクラッチの軸方向長さのコンパクト化を図
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入力側部材の一
方向の回転を出力側部材に伝達すると共に、出力側部材
の回転速度が入力側部材の回転速度を上回った場合に、
入力側部材から出力側部材への回転伝達を遮断するスプ
リングクラッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のエンジンにおいては、
爆発行程時に駆動エネルギが発生するため、クランクシ
ャフトは一回転中において角速度が変化する。そのよう
なクランクシャフトの回転をベルト伝動装置によってオ
ルタネータ等の慣性力の大きなエンジン補機を駆動した
場合、クランクシャフトの角速度の低下時に、エンジン
補機の回転軸の回転速度が上回ると、その回転軸に取付
けられたプーリとベルトとの間でスリップが生じる。
【0003】また、エンジンを高速回転状態から急減速
した場合、オルタネータ等のエンジン補機は慣性力によ
って高速回転を続けようとするため、上記と同様にプー
リとベルトとの間でスリップが生じ、そのスリップ時に
異音が発生し、あるいはベルトが摩耗して耐久性が低下
する。
【0004】そのような不都合を解消するため、図7に
示すクラッチプーリ装置が提案されている。このクラッ
チプーリ装置においては、クランクシャフトの回転がベ
ルトを介して伝達されるプーリ21の内側にエンジン補
機の回転軸に取付けられるプーリハブ22を設け、上記
プーリ21とプーリハブ22とを軸受23によって相対
的に回転自在に支持している。
【0005】また、プーリ21の内周に環状の内向き突
出部24を設け、一方、プーリハブ22の外周には上記
内向き突出部24と軸方向で対向する環状の外向き突出
部25を形成し、この外向き突出部25と内向き突出部
24の対向面に、上記両突出部24、25に跨がって軸
方向に延びるスプリング収納空間26を設け、そのスプ
リング収納空間26内に組込まれたコイルスプリングか
ら成るクラッチばね27の外径面をスプリング収納空間
26の外周壁内面に形成されたクラッチ面28a、28
bにそれぞれ弾性接触させるようにしている。
【0006】上記クラッチプーリ装置においては、ベル
トとの接触によって一方向に回転するプーリ21の回転
時にクラッチばね27を拡径させてクラッチ面28a、
28bに対する係合力を高め、そのクラッチばね27を
介してプーリ21の回転をプーリハブ22に伝えるよう
にしている。
【0007】また、プーリハブ22の回転速度がプーリ
21の回転速度より上回った場合に、クラッチばね27
を縮径させてクラッチ面28a、28bに対する係合力
を弱め、クラッチばね27とクラッチ面28a、28b
の接触部で滑りを生じさせて、プーリハブ22からプー
リ21側への回転伝達を遮断し、プーリ21とベルトと
の間で滑りが生じるのを防止するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7に示す
クラッチプーリ装置においては、内向き突出部24に形
成されたクラッチ面28aと外向き突出部25に形成さ
れたクラッチ面28bのそれぞれにクラッチばね27の
外周面を弾性接触させる必要があるため、巻数の多い軸
方向長さの長いクラッチばね27を必要とし、クラッチ
プーリ装置の軸方向長さが長くなるという不都合があっ
た。
【0009】また、クラッチばね27は、軸方向に並ぶ
クラッチ面28a、28bに跨がる配置であるため、ト
ルク伝達時には、各クラッチ面28a、28bの対向端
のエッジがクラッチばね27に当接してクラッチばね2
7にエッジロードが作用し、大きなトルクの伝達時に、
そのエッジロードによってクラッチばね27が破損する
おそれがあった。
【0010】さらに、内向き突出部24と外向き突出部
25に跨がってスプリング収納空間26を設け、そのス
プリング収納空間26内にクラッチばね27を組込む複
雑な構造であるため、組立て性が悪いという不都合があ
った。
【0011】この発明の課題は、巻数の少ない軸方向長
さのクラッチばねによって入力側部材の回転を出力側部
材に伝達することができるようにした軸方向長さのコン
パクトな簡単な構造のスプリングクラッチを提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、入力側部材の内周に円筒形
のクラッチ面を設け、入力側部材の内側に組込まれて相
対的に回転自在に支持された出力側部材を、出力軸と、
その外側に嵌合されて回り止めされた成形品から成るス
リーブとで形成し、そのスリーブと前記入力側部材間に
組込まれたクラッチばねの外周を前記クラッチ面に弾性
接触し、そのクラッチばねの一端部を前記スリーブに係
止した構成を採用したのである。
【0013】上記のように、入力側部材の内周に形成さ
れた円筒形のクラッチ面に弾性接触するクラッチばねの
一端部を出力側部材のスリーブに係止することによっ
て、巻数の少ない軸方向長さの短いクラッチばねを採用
することができ、スプリングクラッチの軸方向長さのコ
ンパクト化を図ることができる。
【0014】また、入力側部材のクラッチ面にはクラッ
チばねと弾性接触する部分にエッジが存在しないため、
入力側部材から出力側部材への回転トルクの伝達時に、
クラッチばねの外周面にエッジロードが作用するという
不都合の発生はなく、エッジロードによるクラッチばね
の破損を防止することができる。
【0015】この発明に係るスプリングクラッチにおい
て、クラッチばねの一端部をスリーブに係止する係止手
段として、スリーブの一端部に、そのスリーブの外周面
において開口するうず巻き溝を設け、このうず巻き溝に
クラッチばねの一端部を挿入し、その一端に設けられた
係合片をうず巻き溝の閉塞端に形成された係合溝に係合
して成る構成を採用することにより、入力側部材から出
力側部材への回転トルクの伝達時、クラッチばねの一端
部に負荷される荷重をうず巻き溝とクラッチばねの接触
部および係合片と係合溝の係合部で受けることができ
る。このため、係合片の折曲げ部に応力が集中すること
はなく、係合片の破損を防止することができる。
【0016】ここで、うず巻き溝を180°以上の長さ
とすることによって、クラッチばねとうず巻き溝の接触
長さを長くとることができるため、係合片の破損をより
効果的に防止することができる。
【0017】また、クラッチばねの一端に形成される係
合片を内向きとし、その折曲げ角を90°以下とするこ
とによって、折曲げ部に曲げ応力が集中するのを効果的
に防止することができる。
【0018】さらに、前記うず巻き溝の開口部に半径方
向に弾性変形可能な弾性片部を設けることにより、クラ
ッチばねを拡径して入力側部材の回転を出力側部材に伝
達する際に、クラッチばねの一端部が弾性片部を半径方
向外方に向けて押圧し、その押圧によって弾性片部が弾
性変形して上記押圧力を緩衝するため、うず巻き溝の開
口部に亀裂が発生するのを防止することができる。
【0019】この発明に係るスプリングクラッチにおい
て、出力軸とスリーブを相対的に回り止めする回り止め
手段として、出力軸の外周とスリーブの内周の嵌合面に
おける一方に軸方向に延びる回り止め溝を形成し、他方
にその回り止め溝に圧入される回り止め突条を設けた構
成から成るものを採用することができる。この場合、回
り止め溝と回り止め突条の相対間に周方向の締め代を設
けると、回転方向のガタを無くすことができるため、回
転始動時の応答性の向上を図ることができる。
【0020】また、前記回り止め手段は、出力軸の外周
に形成された平坦面とスリーブの内周に設けられて上記
平坦面に係合する係合面から成るものであってもよい。
この場合、平坦面は出力軸の外周対向位置に設けるよう
にしてもよく、あるいは出力軸の外周およびスリーブの
内周を多角形としてもよい。
【0021】ここで、入力側部材のトルクを出力側部材
に伝達するクラッチばねのクラッチ面に対する締め代
を、スリーブに係止する一端部で小さくなるようにする
ことによって、スリーブに係止する部分に応力が集中す
るのを防止することができ、クラッチばねの耐久性の向
上を図ることができる。
【0022】前記スリーブを合成樹脂の成形品とする場
合に、耐熱性ポリアミドを用い、これにグラスファイバ
やカーボンファイバなどの繊維状補強材とチタン酸カリ
ウムなどの各種ウィスカーの少なくとも一種を混合した
材料を用いて成形することによって、スリーブの吸水に
よる強度低下を防止することができる。
【0023】また、耐熱性ポリアミドにフェノール系酸
化防止剤およびCuI、KIなどのよう素化合物、アミ
ン系酸化防止剤並びにハロゲン化銅などの熱老化防止剤
を混入した材料を用いてスリーブを成形することによっ
て、高温使用に耐えるスリーブを得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
1乃至図6に基づいて説明する。図1乃至図5は、この
発明に係るスプリングクラッチを採用したクラッチプー
リ装置を示す。このクラッチプーリ装置は、入力側部材
としてのプーリ1と、そのプーリ1の内側に組込まれた
出力側部材としてのプーリハブ2とを有し、前記プーリ
ハブ2は、金属から成る出力軸2aとその外側に設けら
れたスリーブ2bとから成る。
【0025】スリーブ2bは焼結金属あるいは合成樹脂
の成形品から成っている。クラッチプーリ装置が高温の
条件下で使用される場合、耐熱性に優れた合成樹脂を用
いるようにする。そのような合成樹脂として、耐熱性ポ
リアミド、例えば、66ナイロンや46ナイロンなどの
脂肪族系ポリアミドや6Tナイロン、6/6Tナイロ
ン、MXDナイロン、9Tナイロンなどの芳香族系ポリ
アミドを挙げることができる。これらのナイロンには、
衝撃性と耐熱性を向上させるため、炭化水素エラストマ
ー成分などを配合してもよい。
【0026】また、スリーブ2bの吸水による強度低下
を防ぐため、スリーブ2bの樹脂材料に耐熱性ポリアミ
ドを用い、これに、グラスファイバー(GF)やカーボ
ンファイバ(CF)などの繊維状補強材やチタン酸カリ
ウムなどの各種ウィスカー、炭酸カルシウム、ミネラル
などの粉末状充填材を混入してもよい。
【0027】さらに、スリーブ2bの高温対策として、
スリーブ2bを形成する樹脂材料にフェノール系酸化防
止剤やCul、Klなどのよう素化合物、アミン系酸化
防止剤、ハロゲン化銅などの熱老化防止剤を添加するよ
うにしてもよい。
【0028】スリーブ2bは外周面の両端部に鍔3a、
3bを有し、その鍔3a、3b間に軸方向に延びる溝状
のグリース溜り4が周方向に等間隔に形成されている。
【0029】図3に示すように、出力軸2aとスリーブ
2b間には相対的に回り止めする回り止め機構5が設け
られている。回り止め機構5は、出力軸2aの外周周方
向に軸方向に延びる複数の回り止め突条6を形成し、各
突条6をスリーブ2bの内周に形成された回り止め溝7
に圧入している。
【0030】ここで、スリーブ2bの内周に形成された
回り止め溝7の周方向で対向する側面は、回り止め溝7
の幅寸法が開口端から閉塞端に至るに従って次第に狭く
なるテーパ面7aとされている。一方、突条6の両側面
も上記テーパ面7aに適合するテーパ面6aとされて、
回り止め溝7に回り止め突条6を容易に圧入し得るよう
にしている。また、回り止め突条6を回り止め溝7は周
方向に締め代をもつ圧入とされている。
【0031】なお、回り止め突条6と回り止め溝7は径
方向にも締め代を設けるようにしてもよい。
【0032】図1に示すように、プーリ1の内周とプー
リハブ2の外周間に形成された環状空間の一端開口は、
プーリ1とプーリハブ2とを相対的に回転自在に支持す
る片シール軸受8によって閉塞されている。また、上記
環状空間の他端の開口はシール部材9によって閉塞さ
れ、そのシール部材9と片シール軸受8間にグリース封
入空間10が形成されている。
【0033】プーリ1にはグリース封入空間10の外周
壁内周に円筒状のクラッチ面11が形成されている。一
方、グリース封入空間10内にはコイルスプリングから
成るクラッチばね12が組込まれている。
【0034】クラッチばね12は断面が角形の線材から
成り、そのクラッチばね12は自然状態において外径が
クラッチ面11の内径より大径とされ、縮径された状態
でグリース封入空間10内に組込まれて、外周面がクラ
ッチ面11に弾性接触している。
【0035】図1及び図2に示すように、プーリハブ2
を形成するスリーブ2bの片シール軸受8側に位置する
一端のフランジ3aには切欠部13が設けられている。
また、スリーブ2bの一端部には上記切欠部13の周方
向で対向する一端面で開口するうず巻き溝14が形成さ
れ、そのうず巻き溝14の閉塞端に内向きの係合溝が設
けられている。
【0036】クラッチばね12の一端部は上記うず巻き
溝14に挿入され、その一端に設けられた係合片16が
係合溝15に係止されている。
【0037】実施の形態で示すクラッチプーリ装置は上
記の構造から成り、エンジン補機としてのオルタネータ
の駆動に際しては、そのオルタネータの回転軸にプーリ
ハブ2を取付けて回り止めし、プーリ1の外周にかけら
れるベルトを介してクランクシャフトの回転をプーリ1
に伝達する。
【0038】上記のような使用状態において、クランク
シャフトの回転がプーリ1に伝達されると、クラッチば
ね12は、クラッチ面11と接触により拡径して、クラ
ッチ面11に対する圧接係合力が増大し、そのクラッチ
ばね12を介してプーリ1の回転がプーリハブ2に伝達
され、オルタネータの回転軸が回転される。
【0039】オルタネータの回転軸の回転時、ベルトの
移動速度が低下し、オルタネータの回転軸を駆動するプ
ーリハブ2の回転速度がプーリ1の回転速度を上回る
と、クラッチばね12が縮径してクラッチ面11に対す
る圧接係合力が弱くなり、クラッチばね12とクラッチ
面11の接触部において滑りが生じ、プーリハブ2の回
転がプーリ1に伝達されず、プーリ1はフリー回転す
る。
【0040】このため、プーリ1とベルトの接触部にお
いて滑りが防止される。
【0041】ここで、プーリ1からプーリハブ2に回転
が伝達されてプーリ1とプーリハブ2とが回転すると
き、グリース封入空間10およびグリース溜り4に充填
されたグリースは遠心力により外径方向に移動してクラ
ッチばね8とクラッチ面11の接触部を潤滑する。
【0042】実施の形態で示すように、クラッチばね1
2の一端部をスリーブ2bに形成されたうず巻き溝14
内に挿入し、その一端に設けられた係合片16をうず巻
き溝14の閉塞端に形成された係合溝15に係止するこ
とによって、プーリ1からクラッチばね12に伝達され
る回転をプーリハブ2に確実に伝達することができると
共に、クラッチばね12はクラッチ面11にのみ弾性接
触させるだけでよいため、クラッチばね12として巻数
の少ないクラッチばね12を採用することができる。こ
のため、クラッチプーリ装置の軸方向長さのコンパクト
化を図ることができる。
【0043】また、クラッチばね12が弾性接触するク
ラッチ面11は円筒状であってエッジが存在しないた
め、プーリ1からプーリハブ2への回転伝達時に、クラ
ッチばね12の外周面にエッジロードが作用するという
不都合の発生はなく、エッジロードによるクラッチばね
12の破損を防止することができる。
【0044】さらに、クラッチばね12の一端部をスリ
ーブ2bのうず巻き溝14内に挿入し、かつ係合片16
を係合溝15に係止することによって、プーリ1からプ
ーリハブ2への回転トルクの伝達時、クラッチばね12
の一端部に負荷される荷重をうず巻き溝14とクラッチ
ばね12の一端部の接触部および係合片16と係合溝1
5の係合部で受けることができる。このため、係合片1
6の折曲げ部に応力が集中することはなく、係合片16
が破損するようなことはない。
【0045】ここで、プーリ1内に対するクラッチばね
12の組込みに際しては、スリーブ2bの外側にクラッ
チばね12をはめ合わせ、そのクラッチばね12の一端
部をうず巻き溝14に挿入し、係合片16を係合溝15
に係止する。スリーブ2bとクラッチばね12の組立て
品を出力軸2aの外側に圧入嵌合し、クラッチばね12
を縮径させた状態でプーリ1の内側に出力軸2a、スリ
ーブ2bおよびクラッチばね12の組立て品を挿入す
る。
【0046】上記のようなクラッチばね12の組込みに
おいて、クラッチばね12の一端部はスリーブ2bに係
止されているため、クラッチばね12の他端部に捩り力
を付与することにより、クラッチばね12を簡単に縮径
させることができる。このため、クラッチばね12をプ
ーリ1内に簡単に組込むことができ、クラッチプーリ装
置の組立ての容易化を図ることができる。
【0047】図4および図5は、スリーブ2bとクラッ
チばね12の係止構造の他の例を示す。この例では、ス
リーブ2bに形成されたうず巻き溝14を180°以上
の長さとし、そのうず巻き溝14の開口部に図5
(I)、(II)で示すようにスリット17を形成して、
上記開口部に径方向に弾性変形可能な弾性片部18を設
けている。また、クラッチばね12の一端に設けられた
内向き係合片16の折曲げ角αを90°以内としてい
る。
【0048】上記のように、うず巻き溝14の長さを1
80°以上とすることによって、うず巻き溝14の内周
とそのうず巻き溝14内に挿入されたクラッチばね12
の一端部の接触長さを長くとることができるため、その
接触部においてクラッチ12の一端部に負荷される荷重
をより確実に支持することができ、係合片16の折曲げ
部に曲げ応力が集中するのをより効果的に防止すること
ができる。
【0049】また、うず巻き溝14の開口部にスリット
17を形成して弾性片部18を設けることにより、クラ
ッチばね12の拡径時に、クラッチばね12の一端部が
弾性片部18を半径方向外方に向けて押圧し、その押圧
により弾性片部18が弾性変形して上記押圧力を緩衝す
ることになる。
【0050】このため、うず巻き溝14の開口端部に大
きな負荷が荷重されることなく、上記開口端部に亀裂が
発生するのを防止することができる。
【0051】図3(I)、(II)では、出力軸2aの外
周に設けた回り止め突条6をスリーブ2bの内周に形成
された回り止め溝7に圧入して出力軸2aとスリーブ2
bとを回り止めしたが、回り止め機構5はこれに限定さ
れない。例えば、図6(I)に示すように、出力軸2a
の外周対向位置に平坦面6aを形成し、スリーブ2bの
内周にその平坦面6aに係合する係合面7aを設けるよ
うにしてもよい。あるいは、図6(II)に示すように、
出力軸2aの外周およびスリーブ2bの内周を多角形と
してもよい。
【0052】
【発明の効果】以上のように、この発明においては、入
力側部材の内周に円筒状のクラッチ面を設け、そのクラ
ッチ面に外周面を弾性接触させたクラッチばねの一端部
を出力側部材のスリーブに係止させたことによって、ク
ラッチばねの巻数を減少することができ、スプリングク
ラッチの軸方向の長さのコンパクト化を図ることができ
る。
【0053】また、クラッチばねが弾性接触するクラッ
チ面は円筒状であってエッジが存在しないため、入力側
部材から出力側部材への回転トルクの伝達時にクラッチ
ばねの外周面にエッジロードが負荷されることなく、エ
ッジロードによるクラッチばねの破損を防止することが
できる。
【0054】さらに、スリーブの端部にうず巻き溝を設
け、そのうず巻き溝にクラッチばねの一端部を挿入し、
クラッチばねの一端に設けた係合片をうず巻き溝の閉塞
端に形成された係合溝に係止することにより、入力側部
材から出力側部材への回転トルクの伝達時、クラッチば
ねの一端部に負荷される荷重をうず巻き溝とクラッチば
ねの一端部の接触部で受けることができる。このため、
係合片の折曲げ部に応力が集中するのを防止することが
でき、係合片の破損防止に効果を挙げることができると
共に、スプリングクラッチのトルク容量の向上を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るスプリングクラッチの実施の形
態を示す縦断正面図
【図2】図1のII−II線に沿った断面図
【図3】(I)は図1のIII −III 線に沿った断面図、
(II)は(I)のイ−イ線に沿った断面図
【図4】この発明に係るスプリングクラッチのクラッチ
ばねとスリーブの係止構造の他の例を示す縦断側面図
【図5】(I)は図4に示すうず巻き溝の開口部の拡大
図、(II)は(I)の平面図
【図6】(I)、(II)は出力軸とスリーブの回り止め
機構の他の例を示す断面図
【図7】従来のクラッチプーリ装置を示す縦断正面図
【符号の説明】
1 プーリ(入力側部材) 2 プーリハブ(出力側部材) 2a 出力軸 2b スリーブ 5 回り止め機構 6 回り止め突条 6a 平坦面 7 回り止め溝 7b 係合面 11 クラッチ面 12 クラッチばね 14 うず巻き溝 15 係合溝 16 係合片 17 スリット 18 弾性片部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力側部材の内周に円筒形のクラッチ面
    を設け、入力側部材の内側に組込まれて相対的に回転自
    在に支持された出力側部材を、出力軸と、その外側に嵌
    合されて回り止めされた成形品から成るスリーブとで形
    成し、そのスリーブと前記入力側部材間に組込まれたク
    ラッチばねの外周を前記クラッチ面に弾性接触し、その
    クラッチばねの一端部を前記スリーブに係止したスプリ
    ングクラッチ。
  2. 【請求項2】 前記クラッチばねの一端部をスリーブに
    係止する係止手段が、スリーブの一端部に、そのスリー
    ブの外周面において開口するうず巻き溝を設け、このう
    ず巻き溝にクラッチばねの一端部を挿入し、その一端に
    設けられた係合片をうず巻き溝の閉塞端に形成された係
    合溝に係合して成る請求項1に記載のスプリングクラッ
    チ。
  3. 【請求項3】 前記うず巻き溝を180°以上の長さと
    した請求項2に記載のスプリングクラッチ。
  4. 【請求項4】 前記クラッチばねの一端に設けられた係
    合片を内向きとした請求項2又は3に記載のスプリング
    クラッチ。
  5. 【請求項5】 前記係合片の内方への折曲げ角を90°
    以内とした請求項4に記載のスプリングクラッチ。
  6. 【請求項6】 前記うず巻き溝の開口部に半径方向に弾
    性変形可能な弾性片部を設けた請求項2乃至5のいずれ
    かに記載のスプリングクラッチ。
  7. 【請求項7】 前記出力軸とスリーブを相対的に回り止
    めする回り止め手段が、出力軸の外周とスリーブの内周
    の嵌合面における一方に軸方向に延びる回り止め溝を形
    成し、他方にその回り止め溝に圧入される回り止め突条
    を設けた構成から成る請求項1乃至6のいずれかに記載
    のスプリングクラッチ。
  8. 【請求項8】 前記回り止め溝と回り止め突条の相互間
    に周方向の締め代を設けた請求項7に記載のスプリング
    クラッチ。
  9. 【請求項9】 前記出力軸とスリーブを相対的に回り止
    めする回り止め手段が、出力軸の外周に平坦面を設け、
    スリーブの内周に上記平坦面に係合する係合面を設けた
    構成から成る請求項1乃至6のいずれかに記載のスプリ
    ングクラッチ。
  10. 【請求項10】 前記クラッチばねのクラッチ面に対す
    る締め代を、スリーブに係止する一端部で小さくなるよ
    うにした請求項1乃至9のいずれかに記載のスプリング
    クラッチ。
  11. 【請求項11】 前記スリーブが、耐熱性ポリアミドに
    繊維状補強材とウィスカーの少なくとも一種を混合した
    材料から成る請求項1乃至10のいずれかに記載のスプ
    リングクラッチ。
  12. 【請求項12】 前記スリーブが、耐熱性ポリアミドに
    フェノール系酸化防止剤およびよう素化合物、アミン系
    酸化防止剤並びに熱老化防止剤を混入した材料から成る
    請求項1乃至10のいずれかに記載のスプリングクラッ
    チ。
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