JP2003321935A - Pc鋼材の固定構造 - Google Patents

Pc鋼材の固定構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着部の形状を複雑にすることなく高い疲労
特性を保持し、ウェッジを正確に配置することができる
PC鋼材の固定構造と固定方法およびPCケーブルを提供す
る。 【解決手段】 固定側PC鋼材(PC鋼より線10)の外周に
装着されるウェッジ20と、このウェッジ20がはめ込まれ
る嵌合孔を有するウェッジ受けと、ウェッジ20の後端側
において、前記PC鋼材10の外周に固定される固定具(ス
リーブ30)とを具える。この固定具は、各分割片21に当
接して、分割片21がPC鋼材の軸方向への移動することを
規制できる程度の把持力でPC鋼材に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PC鋼材の固定構造
と固定方法、ならびに、この固定構造に用いられるPCケ
ーブルに関するものである。特に、プレストレストコン
クリート部材に用いるケーブルとか、斜張橋用吊材、ア
ウターケーブル等に使用されるPC鋼より線の固定定着部
の施工性を向上させ、また複雑な形状の定着具にするこ
となく、疲労性能を向上させることのできる固定構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、PC鋼より線の定着具には、大別し
てウェッジを用いた定着具と、圧着グリップを用いた定
着具がある。
【0003】ウェッジを用いた定着具は、図5に示すよ
うに、ウェッジ20(くさび)と、テーパー孔51を持つア
ンカーディスク50ないしはメスコーン55との組み合わせ
から構成される。ウェッジ20は、通常2〜3つの分割片を
組み合わせることで一端の径が太く、他端の径が細い円
錐台状に形成される。分割片を組み合わせた状態におい
て、ウェッジ20の中心部には軸方向に伸びる円孔が形成
される。この円孔内にてPC鋼より線10がウェッジ20に把
持される。端部をウェッジ20で把持したPC鋼より線10
は、ジャッキで所定の緊張力を付与され、ウェッジ20を
アンカーディスク50またはメスコーン55のテーパー孔51
にはめ込むことで定着される。アンカーディスク50は、
コンクリート構造物の表面に位置するアンカープレート
60上に配置される。
【0004】一方、圧着グリップを用いた定着具は、図
6に示すように、筒状の圧着グリップ70と、アンカープ
レート60との組み合わせから構成される。圧着グリップ
70は、通常、裸のPC鋼より線10の外径より少し大きい内
径を持つ鋼製のスリーブで、図7に示すように、PC鋼よ
り線10とスリーブ70の間に金属40を介在させつつ、スリ
ーブ70の外径より少し小さい径を持つダイス80の中に押
し出しにより通過させ、PC鋼より線10に強く圧着され
る。一方、アンカープレート60はPC鋼より線10は通過す
るが圧着グリップ70は通過しない貫通孔をする金属板で
ある。この貫通孔にPC鋼より線10を通し、PC鋼より線を
緊張したときに圧着グリップ70がアンカープレート60に
押し付けられることで、PC鋼より線10の端部は定着され
る。
【0005】最近、プレストレストコンクリート構造物
の大型化に伴い、使用されるPCケーブルは大容量化並び
に長尺化が進んでいる。これに伴い、従来は構造物のシ
ースの中にPC鋼より線を一本一本挿入していたが、施工
性を上げるため複数本のPC鋼より線を工場で一括して束
状にしたケーブルをつくり、それを一度にシースの中に
引き込む方法が多くなっている。その際にも、上記のウ
ェッジまたは圧着グリップを用いてPC鋼より線の定着が
行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの場合
にも次に述べるように問題があった。 <ウェッジの場合>PC鋼より線を緊張時固定するための
ウェッジは、アンカーディスクのテーパー孔に配置され
るが、ウェッジは2〜3つの分割片からできているの
で、テーパー孔の中に一つずつ分割片の頭(径の太い
側)が揃うようにウェッジを配置し、落ちないように中
空の筒でテーパー孔内にたたき込むことを行う。
【0007】しかし、このウェッジの配置は、図8に
示すように、円盤状のアンカーディスク50に設けられた
多数のテーパー孔51の配置に拘束される。そのため、ケ
ーブルの外側部分のPC鋼より線には比較的簡単にウェッ
ジを配置できるが、ケーブルの内側部分のPC鋼より線に
は外側PC鋼より線が障害になって非常に作業が困難であ
り、正確な配置ができないことがある。
【0008】ウェッジを配置後、緊張するために緊張
側PC鋼より線にジャッキを装着する際、PC鋼より線はジ
ャッキの緊張用の孔を通過するときに押し付けられるこ
とがある。その場合、反対側の固定側定着具では、配置
したウェッジがPC鋼より線と共に少し飛び出すことがあ
り、このまま緊張するとウェッジ分割片の頭が軸方向に
ずれて段違いを起こし、定着性能に影響を与えることが
ある。
【0009】アンカーディスクにおけるテーパー孔の
内面が錆びていると、ウェッジの外側との摩擦が大きく
なり滑り込みが悪く、ウェッジでPC鋼より線を把持する
力が少なくなってPC鋼より線が緊張時に滑ることもあ
る。
【0010】斜張橋のような高疲労特性を要求される
ケーブルでは、定着具のみならずケーブルを構成するPC
鋼より線の固定側定着具と緊張側定着具間の長さを極力
揃えるためPC鋼より線を架設するときに長さ管理が行わ
れることがある。すなわち、ケーブルが多く、長くなる
と、PC鋼より線個々の間の長さにばらつきが生じ、一度
に緊張すると個々のPC鋼より線間の張力のばらつきがで
きて、疲労特性が低下することがある。この場合、PC鋼
より線の両端部にマーキングを行い、固定側定着具をマ
ークしたところに合わせたあと、緊張側ではまずPC鋼よ
り線1本ずつを所定のマークしたところまでジャッキで
緊張して長さを揃えてから1度に大型ジャッキで緊張す
る。ところが、ウェッジであれば、PC鋼より線を動かし
た場合に軸方向にずれが生じ易く、固定側でのマークし
たところに正確に合わせることが難しい場合がある。
【0011】<圧着グリップの場合>これに対して、圧
着グリップの場合、PC鋼より線の端部にスリーブを工場
で圧着加工し、これをケーブルとした後、そのまま構造
物のシース内に挿入する。そのため、少なくとも固定側
は、現地で一本づつウェッジを配置するといった作業を
行う必要がない。また、緊張側でジャッキを装着する際
にPC鋼より線を押し付け、固定側でウェッジがテーパー
孔から飛び出た後に緊張されても、ウェッジの頭が不揃
いになるようなことはなく、確実な定着ができる。さら
に、圧着グリップであれば、所定のマークのところに合
わせて圧着することができ、その後、PC鋼より線を動か
しても、PC鋼より線のマークしたところから圧着グリッ
プがずれることもない。特に、斜張橋とかエクストラド
ースト橋のケーブルのように斜めに配置される場合は、
下側の定着部を圧着グリップとすればPC鋼より線に固着
されているので作業中に脱落することがない。
【0012】しかし、圧着グリップの場合、PC鋼より
線に対する圧着力で緊張力を保持する機構であるため、
緊張後、繰り返し応力が付加されるとスリーブの出口側
からPC鋼より線が抜け出そうとする。その結果、圧着グ
リップ内面とPC鋼より線との間で相対移動が起こり易
く、いわゆるフレッチング現象が起こりやすい。そのた
め、圧着グリップは、通常のポストテンション構造物等
の場合には十分な疲労特性を有する定着具として利用で
きるが、斜張橋とかエクストラドースト橋等のような疲
労特性を必要とするケーブルの定着具としては適さな
い。
【0013】圧着グリップによる定着具の疲労特性を
向上させるため、特公平7-21163号公報や特開2001-1075
07号公報では、圧着グリップに荷重が伝わり初めの先端
部に色々工夫をして疲労特性を向上させる技術が考案さ
れている。特公平7-21163号公報は、円筒スリーブの先
端部を、割り溝を設けた先細円錐台形とし、円筒スリー
ブ先端部のPC鋼より線の相対移動をできるだけ少なくし
て疲労特性を向上させる技術を開示している。また、特
開2001-107507号公報では、圧着グリップの内面にエポ
キシ樹脂等の緩衝材を充填し、荷重がまず樹脂に伝達さ
れ、その後、圧着グリップに伝わるようにした技術を開
示している。これにより、PC鋼より線の相対移動を緩衝
材中で起こさせ、フレッチング現象を軽減させて、疲労
特性を向上させている。ところが、いずれの技術も定着
具が大きくなり、形状が複雑化したりしてコストが高く
なるという問題がある。
【0014】圧着グリップは、スリーブの圧着加工が
かなりの強加工であると共に、高荷重まで耐えるように
設計されているため、スリーブが緊張時に破損すること
がある。
【0015】従って、本発明の主目的は、定着部の形状
を複雑にすることなく高い疲労特性を保持し、ウェッジ
を正確に配置することができるPC鋼材の固定構造および
固定方法ならびにPCケーブルを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、ウェッジを用
いると共に、ウェッジの位置ずれを抑制する固定具を設
けることで上記の目的を達成する。
【0017】すなわち、本発明PC鋼材の固定構造は、固
定側PC鋼材の外周に装着されるウェッジと、このウェッ
ジがはめ込まれる嵌合孔を有するウェッジ受けと、ウェ
ッジの後端側において、前記PC鋼材の外周に固定される
固定具とを具え、この固定具は、各分割片に当接して、
分割片がPC鋼材の軸方向への移動することを規制できる
程度の把持力でPC鋼材に固定されていることを特徴とす
る。
【0018】また、本発明PCケーブルは、PC鋼材の端部
に装着されるウェッジと、このウェッジの背後側におい
てPC鋼材の外周に固定されて、ウェッジの軸方向への移
動を抑制する固定具とを具えることを特徴とする。
【0019】さらに、本発明PC鋼材の固定方法は、複数
の分割片からなるウェッジをPC鋼材の端部に装着し、こ
のウェッジをウェッジ受けにはめ込んで定着するPC鋼材
の固定方法であって、前記ウェッジの背後側において前
記PC鋼材の外周に固定具を装着し、この固定具により各
分割片の軸方向への移動を抑制してウェッジをウェッジ
受けにはめ込むことを特徴とする。
【0020】定着具にウェッジを用いることで、圧着
加工のまずさに伴う緊張時の耐荷力不足による圧着グリ
ップとPC鋼材とのすべり、疲労特性を上げるための圧
着グリップ形状の複雑さ、といった圧着グリップの欠点
を解消することができる。また、PC鋼材に固定される固
定具を用いることで、PC鋼材をシース内に引き込むと、
固定側に設けた固定具によりウェッジは押されるような
形でテーパー孔の中に配置されるので、ずれがなく正確
にテーパー孔内に配置される。そのため、多数のPC鋼
より線から構成される大容量ケーブルでの中心付近でウ
ェッジを配置する際の煩雑さ、ジャッキ配置時に固定
側でウェッジがテーパー孔から飛び出し後、再配置する
際の頭の不揃い、PC鋼より線のマークに対するウェッ
ジ位置のばらつき、テーパー孔内の錆による把持力低
下に伴うPC鋼より線のすべり、といったウェッジの欠点
を解消できる。
【0021】ここで用いられるウェッジは、従来から用
いられているものと同様のものでかまわない。従って、
特別な形状にウェッジを加工する必要もない。例えば、
2〜3つの分割片を組み合わせることで軸方向にPC鋼材の
把持孔が形成される円錐台状ものが挙げられる。通常、
各分割片の外周には溝が形成され、その溝にOリングな
どはめ込むことで分割片同士がばらばらになることを防
止している。
【0022】ウェッジ受けは、ウェッジがはめ込まれる
テーパー孔を有し、PC鋼材の緊張力を保持するものであ
ればどんなものでも良い。例えば、テーパー孔を有する
筒状のメスコーンや、複数のテーパー孔が形成された板
状のアンカーディスクが挙げられる。
【0023】固定具は、リング状あるいは筒状のものが
好ましい。この固定具をPC鋼材に固定する手段は特に限
定されない。例えば、固定具を鋼製のスリーブとし、固
定側PC鋼材の外周に圧着加工することが挙げられる。ま
た、固定具が鋼製のリングで、このリングを径方向に貫
通するねじで締め付けることによりPC鋼材に固定しても
良い。
【0024】固定具の固着程度は、圧着グリップのよう
に、PC鋼材の緊張力を保持するほど強固に行う必要はな
い。つまり、PC鋼材をシースに引き込んで固定側定着具
のウェッジがテーパー孔に入ったとき、固定具がウェッ
ジを背後から押し、各分割片の軸方向への移動を規制す
ることができる程度の把持力でよい。従って、固定具は
従来の圧着グリップより遥かに長さが短いものでよく、
かつ小さい加工度で固着を行うことができる。この固着
は工事現場ででも簡単に加工することができる。
【0025】固定具の材質は、上述の固着程度に耐えら
れる強度を有する材料であればよい。例えば、鋼などの
金属や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドな
どのプラスチックが挙げられる。
【0026】固定具の装着位置は、ウェッジの背後側、
つまりウェッジの径が大きい側とする。特に、PC鋼材の
マーク位置にウェッジを装着した際、丁度、このウェッ
ジの太径側端面に固定具が接するように固定具を装着す
ることが好ましい。
【0027】固定具とウェッジは一体に取り付けられて
いても良い。これにより、各分割片の軸方向へのずれや
ウェッジのPC鋼材に対する装着位置のずれをより確実に
抑制することができる。
【0028】固定具とウェッジとの取り付け手段は、ね
じの締め付けが好適である。例えば、環状の固定具を用
い、この固定具を軸方向に貫通するねじにより各分割片
を一体化することが挙げられる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 (実施例1)ここでは、JIS G 3156で規定されている
15.2mm径のPC鋼より線を27本束ねたケーブルについて述
べる。図1は固定具を装着した本発明PCケーブルの構成
図である。
【0030】このPC鋼より線10の端部に、従来用いられ
ている15.2mm用のウェッジを取り付ける。PC鋼より線10
は、1本の中心線の回りに6本の側線を撚り合わせて構
成されている。ウェッジ20は3つの分割片21を組み合わ
せることで、PC鋼より線10の把持孔が形成される円錐台
状のものである。ウェッジの把持孔の内面には、PC鋼よ
り線を確実に把持できるように所定のピッチで雌ねじ22
が形成されている。
【0031】次に、PC鋼より線10の端部の所定位置に、
鋼製で外径がφ31mm、内径がφ15.5mmのスリーブ30(固
定具)を通した後、ダイス径がφ30mmの圧着機で圧着加
工してスリーブをPC鋼より線に固着する。この圧着は、
図7に示すように、スリーブ30とPC鋼より線10との間に
金属40を介在させて行う。スリーブ30の長さは25mm、加
工度は約6%である。また、スリーブ30はウェッジ20の
太径側に固着する。
【0032】その後、あらかじめ配置したウェッジ20を
スリーブ30に近接するところまで移動させる。このケー
ブルを工事現場まで輸送してケーブルを挿入するべき構
造物の近くにおく。ここでは、図5(A)に示す定着具と同
様に、アンカーディスク50のテーパー孔51にウェッジ20
をはめ込むことで各PC鋼より線10を定着する。アンカー
ディスク50は、図8に示すように、ウェッジ20がはめ込
まれるテーパー孔51を27個具える金属製の円盤である。
【0033】ケーブル端を引っ張り具に固定できるよう
にPC鋼より線10の端部に加工をした後、固定側アンカー
ディスクのテーパー孔の中にPC鋼より線10を挿通し、ケ
ーブルの先端をウィンチで保持して構造物内に引き込
む。ケーブルの先端が構造物の緊張側から出てきた後、
ウェッジ20が固定側アンカーディスクのテーパー孔51に
収まる時点で引き込みは終了する。
【0034】この引き込み時、PC鋼より線10に圧着され
たスリーブ30がウェッジ20の太径側端面に当接して各分
割片21を軸方向に押圧し、各分割片21の軸方向への位置
ずれが生じることを防止する。同時に、アンカーディス
ク50の各テーパー孔51にウェッジ20を確実に押し込むこ
とができる。
【0035】これにより、PC鋼より線の一本ずつの適性
位置にウェッジを取り付ける手間が省ける。特に、アン
カーディスク50の中央側に位置するPC鋼より線に対して
も各分割21片の軸方向の位置ずれを確実に抑制すること
ができる。また、緊張側でPC鋼より線10にジャッキを装
着する際、固定側のウェッジ20が一旦テーパー孔51から
抜け出しても、緊張時にスリーブ30が各分割片21を押圧
することで再配置され、ウェッジ20の頭の段違いを解消
することができる。
【0036】(実施例2)実施例1ではスリーブ30を圧
着してPC鋼より線に固定したが、圧着ではなくねじ止め
によりPC鋼より線への固着を行っても良い。図2にねじ
止め式の固定具を装着した本発明PCケーブルの構成図
を、図3にねじ止め式固定具の平面図を示す。
【0037】この固定具は、ウェッジ20の太径側とほぼ
同等の外径を有する金属製のリング35である。径方向に
貫通するねじ孔36が等間隔に3箇所形成されている。さ
らに、本例では、リング35とウェッジ20を一体化するた
め、軸方向に貫通するねじ孔37も等間隔に3箇所形成し
た。径方向に貫通するねじ孔36と軸方向に貫通する軸孔
37は交互に配置されている。
【0038】この固定具のPC鋼より線10への装着は、径
方向に貫通するねじ孔36にボルトをねじ込んで締め付け
ることで行われる。また、軸方向に貫通するねじ孔37に
もボルトをねじ込み、ウェッジ20を構成する各分割片21
と一体化する。分割片の太径側端面には、このねじがね
じ込まれるねじ孔を形成しておけば良い。
【0039】この固定具でも、実施例1と同様に各分割
片の軸方向位置を揃えて、PC鋼撚り線の適正位置にウェ
ッジを装着することができる。
【0040】(試験例)上記の実施例1に示す定着構造
の疲労試験を実施した。ここでは、高い耐疲労特性が要
求される構造物に使用するウェッジとして、従来のウェ
ッジより内面の歯(雌ねじ)のピッチを小さくして、歯
に付加される荷重を小さくしたウェッジを用いた。この
雌ねじのピッチは0.5mmである。また、アンカーディス
クのテーパー角度とウェッジのテーパー角度を同じとし
た。このテーパー角度はウェッジの外周と軸方向水平線
とのなす角αのtanα=1/10、ウェッジ長さは45mmであ
る。そして、各PC鋼より線の径は15.2mmである。比較の
ため、従来使用されている圧着グリップによる疲労試験
ならびに固定具を用いずウェッジだけの定着構造による
疲労試験も併せて行った。
【0041】疲労試験は、上限荷重119.7kN、同波数4Hz
で繰り返し振幅応力をPC鋼より線に付与し、破断するま
での繰り返し数を求めた。これらの結果を図4のグラフ
に示す。図4から明らかなように、実施例の定着構造で
は、固定具を用いず単独で同じウェッジを用いたときの
疲労特性と同じレベルの結果を得ることができた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明PC鋼材の固
定構造および固定方法によれば、予めPC鋼材の固定側に
ウェッジを挿入・配置しておくと共に、このウェッジの
太径側においてウェッジの移動を防止する固定具をPC鋼
材に取り付けることで、次の効果を奏することができ
る。
【0043】固定具によりウェッジは押されるような形
でテーパー孔の中に配置されるので、ずれがなく正確に
テーパー孔内に配置することができる。特に、ウェッジ
をPC鋼材上の所定位置にずれなく装着することができ
る。
【0044】多数本のPC鋼材のうち、中心付近に配置さ
れたPC鋼材に対しても、確実にウェッジをテーパー孔に
ずれなくはめ込むことができる。
【0045】固定具はPC鋼材の緊張力を保持する必要が
ないため、強加工の圧着を行う必要がなく、現場でも圧
着作業が可能である。
【0046】ウェッジを用いて定着を行うため、圧着不
良による圧着グリップとPC鋼材とのすべりや、疲労特性
を上げるための複雑な圧着グリップの形状といった圧着
グリップの欠点を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定具を圧着した本発明ケーブルの構成図であ
る。
【図2】固定具をねじ止めした本発明ケーブルの構成図
である。
【図3】図2の固定具の平面図である。
【図4】疲労試験結果を示すグラフである。
【図5】(A)はアンカーディスクとウェッジを用いた固
定構造の説明図、(B)はメスコーンとウェッジを用いた
固定構造の説明図である。
【図6】(A)は1本のPC鋼より線を圧着グリップで定着
する構造の説明図、(B)は複数本のPC鋼より線を圧着グ
リップで定着する構造の説明図である。
【図7】ダイスで圧着グリップをPC鋼より線に圧着する
際の説明図である。
【図8】(A)はアンカーディスクの平面図、(B)はその縦
断面図である。
【符号の説明】
10 PC鋼より線 20 ウェッジ 21 分割片 22 雌ねじ 30 スリーブ 35 リング 36 ねじ孔 37 ねじ孔 40 金属 50 アンカーディスク 51 テーパー孔 55 メスコーン 60 アンカープレート 70 スリーブ(圧着グリップ) 80 ダイス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の分割片から構成されて、固定側PC
    鋼材の外周に装着されるウェッジと、 このウェッジがはめ込まれる嵌合孔を有するウェッジ受
    けと、 ウェッジの後端側において、前記PC鋼材の外周に固定さ
    れる固定具とを具え、 この固定具は、各分割片に当接して、分割片がPC鋼材の
    軸方向への移動することを規制できる程度の把持力でPC
    鋼材に固定されていることを特徴とするPC鋼材の固定構
    造。
  2. 【請求項2】 前記固定具が鋼製のスリーブからなり、
    固定側PC鋼材の外周に圧着加工されたことを特徴とする
    請求項1に記載のPC鋼材の固定構造。
  3. 【請求項3】 前記固定具が鋼製のリングで、このリン
    グは径方向に貫通するねじで締め付けることによりPC鋼
    材に固定されることを特徴とする請求項1に記載のPC鋼
    材の固定構造。
  4. 【請求項4】 前記固定具がウェッジと一体に取り付け
    られていることを特徴とする請求項1に記載のPC鋼材の
    固定構造。
  5. 【請求項5】 固定具とウェッジとの取り付けがねじの
    締め付けにより行われていることを特徴とする請求項4
    に記載のPC鋼材の固定構造。
  6. 【請求項6】 PC鋼材の端部に装着されるウェッジと、
    このウェッジの背後側においてPC鋼材の外周に固定され
    て、ウェッジの軸方向への移動を抑制する固定具とを具
    えることを特徴とするPCケーブル。
  7. 【請求項7】 複数の分割片からなるウェッジをPC鋼材
    の端部に装着し、このウェッジをウェッジ受けにはめ込
    んで定着するPC鋼材の固定方法であって、前記ウェッジ
    の背後側において前記PC鋼材の外周に固定具を装着し、
    この固定具により各分割片の軸方向への移動を抑制して
    ウェッジをウェッジ受けにはめ込むことを特徴とするPC
    鋼材の固定方法。
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KR101609619B1 (ko) * 2015-12-14 2016-04-06 대영스틸산업주식회사 강연선 정착용 그립웨지
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