JP2003321494A - プロmmp−7の活性化調節方法 - Google Patents

プロmmp−7の活性化調節方法

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JP2003321494A
JP2003321494A JP2003048739A JP2003048739A JP2003321494A JP 2003321494 A JP2003321494 A JP 2003321494A JP 2003048739 A JP2003048739 A JP 2003048739A JP 2003048739 A JP2003048739 A JP 2003048739A JP 2003321494 A JP2003321494 A JP 2003321494A
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amino acid
mmp
gln
leu
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JP2003048739A
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English (en)
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Yasunori Okada
保典 岡田
Takayuki Shiomi
隆之 潮見
Takaya Fujita
貴也 藤田
Eiko Ouchi
栄子 大内
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Kyowa Pharma Chemical Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Pharma Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅広い種類の細胞外マトリックスタンパクを
分解するMMP-7の産生は腫瘍や再生上皮細胞において特
異的であることが知られているが、それがプロMMP-7か
らどのようにして活性化されるのかは不明であった。in
vivo での活性化を解明することは、腫瘍の形成、転
移、浸潤などや再生上皮細胞などの細胞の増殖を理解
し、コントロールする薬剤などを開発する上で不可欠で
ある。 【解決手段】 プロMMP-7 は細胞膜上に存在するCD151
と相互作用して活性化されることが判明した。両者の結
合部位は、プロMMP-7のプロペプタイド領域及びCD151の
C末端の細胞外ループ領域にあることも解明された。よ
って、プロMMP-7-CD151 相互作用に起因する疾患、病気
の予防・治療薬剤、診断剤などを開発する途が開かれ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロMMP-7活性化
に関与するプロMMP-7結合因子に関する。本発明は、プ
ロMMP-7とCD151との相互作用を制御し、プロMMP-7活性
化調節技術にも関し、該技術を利用した阻害剤などを含
めた薬剤、アッセイ法、その技術利用に関する。
【0002】
【従来の技術】マトリックスメタロプロテアーゼ7(MMP
-7;マトリライシン)は潜在型酵素(プロMMP-7(ProMMP-
7又はproMMP-7))として分泌され、活性化後、細胞外マ
トリックス(ECM)と非ECM 分子の分解を通して種々の病
理学的条件下で重要な役割を果たしている。MMP-7 は23
個の異なったエンドメタロプロテアーゼより構成される
MMP遺伝子ファミリーの1員である。これらのMMPsは4
つの基本的なドメイン(領域): 細胞からの分泌を指示
するプレ領域、プロ領域、Zn2+結合触媒領域とC-末端ヘ
モぺキシン様領域の4領域からなるプレプロ酵素(prepr
oenzyme)として合成される。膜型MMPs(MT-MMPs)は膜貫
通領域、あるいはヘモペキシン様領域末端にグリコシル
ホスファチジルイノシトール(GPI)を持っているものも
ある。対照的に、MMP-7は分泌と活性(例えば、プレ領
域、プロ領域及び触媒領域)に要求される最小領域のみ
を含んでいるものである。系統発生分析からMMP-7の進
化においてヘモペキシン様領域は祖先のMMP前駆体から
排除されたように思われる。これらMMPsは病理学的組織
の破壊と生理学的リモデリングの両方において含まれ
る。MMPsの中でMMP-7, MMP-2及びMT1-MMPは通常種々の
がん組織で過剰に作られ、予後に大きな影響を持つ。MM
P-7は細胞外マトリックス(ECM)タンパク、すなわちフイ
ブロネクチン、I, III, IV及びV 型ゼラチン、IV型コラ
ーゲン、ラミニン、エンタクチン/ ナイドゲン、エラス
チン、軟骨プロテオグリカン、アグリカン、軟骨リンク
タンパク及びテイネシン-Cアイソホームなど広い種類を
分解する。強タンパク分解活性により、活性化部位やプ
ロセスは厳密にコントロールされている。MMP-7産生は
腫瘍や再生上皮細胞において特異的であるが、その活性
化メカニズムなどはまだよく明らかにされていない。
【0003】CD151(FETA-3/SFA-1)はTM4SFのメンバーで
あり、そのTM4SFは4個の膜貫通領域、2個の細胞外ル
ープ、1個の細胞内ループと細胞質内N及びC末端より
構成されている。CD151 は上皮細胞、血小板、血管内
皮、筋肉細胞の筋細胞膜、平滑筋及び末梢神経束の神経
周膜を含む種々の細胞で発現される。CD151は細胞表面
でインテグリン類(α3β1、α5β1、α6β1及び
α2bβ3)と相互作用することが知られている。これ
らの複合体は主として細胞−細胞及び細胞−ECMで接合
部に存在する。CD151-α3 インテグリン複合体の場合、
その複合体はがん細胞の薄い浸潤性突出の末梢に局在し
ている。それらはお互いCD151のC末端ループとα3イン
テグリンの柄の間でお互い作用している。CD151は細胞
の移動に影響すると思われる。CD151に対するモノクロ
ーナル抗体は抗転移能力を持っており、CD151の高発現
は(肺)非小細胞がん(non-small cell lung carcinom
a) での高運動性をもたらす。これらのデータはCD151は
病巣接着キナーゼやフォスファチジールイノシト4−キ
ナーゼを経てインテグリンシグナルを調節することを説
明する。CD151それ自身の特異機能はまだよく判ってい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】腫瘍や再生上皮細胞に
おいて特異性を有しているMMP-7が、プロMMP-7として分
泌された後、どこで、いかようにin vivo で活性化され
るかを解明することは、腫瘍の形成、転移、浸潤などや
再生上皮細胞などの細胞の増殖を理解し、さらにはそれ
らをコントロールする薬剤などを開発する上で不可欠で
ある且つ重要である。また、上皮細胞、血小板、血管内
皮、筋肉細胞の筋細胞膜、平滑筋及び末梢神経束の神経
周膜などの様々な重要細胞で発現しているCD151の機能
を解明することも、がんなどの腫瘍の形成、発展、さら
には転移、浸潤などとの関係を研究し、医薬品などの開
発・研究などのために重要且つ不可欠である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に鑑
み鋭意研究を進め、その中で、酵母ツーハイブリドシス
テムを利用し、プロMMP-7 に対する結合タンパクを探索
し、プロMMP-7 活性化制御剤の1つの候補としてCD151
を同定することに成功した。かくして、プロMMP-7 がCD
151 との相互作用を通して細胞膜上で活性化されること
が証明され、それを基礎に本発明をなすに至った。
【0006】典型的な態様では、本発明は、〔1〕 細
胞膜上に存在するプロMMP-7結合因子とプロMMP-7との相
互作用を阻害することを特徴とするプロMMP-7活性化阻
害剤; 〔2〕 細胞膜上に存在するプロMMP-7結合因子がCD151
であることを特徴とする上記〔1〕記載の阻害剤; 〔3〕 CD151とプロMMP-7との相互作用を阻害すること
を特徴とするプロMMP-7活性化阻害剤; 〔4〕 プロMMP-7活性化阻害剤が、(i) (a) プロMMP-7
のプロペプタイド領域あるいは(b) CD151のC末端の細胞
外ループ領域を構成する連続したアミノ酸配列から選択
された連続したアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を
有するペプチド及びその誘導体から成る群から選ばれた
もの、(ii) プロMMP-7のプロペプタイド領域を構成す
る連続したアミノ酸配列から選択された連続したアミノ
酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチドに特異
的に結合する抗体及びその誘導体から成る群から選ばれ
たもの、及び(iii) CD151のC末端の細胞外ループ領域
を構成する連続したアミノ酸配列から選択された連続し
たアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチ
ドに特異的に結合する抗体及びその誘導体から成る群か
ら選ばれたもの、から成る群から選ばれたものであるこ
とを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の
阻害剤;〔5〕 (i) プロMMP-7 のプロペプタイド領域
が、次なる配列: Leu Pro Leu Pro Gln Glu Ala Gly Gly Met Ser Glu Leu Gln Trp Glu Gln Ala Gln Asp Tyr Leu Lys Arg Phe Tyr Leu Tyr Asp Ser Glu Thr Lys Asn Ala Asn Ser Leu Glu Ala Lys Leu Lys Glu Met Gln Lys Phe Phe Gly Leu Pro Ile Thr Gly Met Leu Asn Ser Arg Val Ile Glu Ile Met Gln Lys Pro Arg Cys Gly Val Pro Asp Val Ala Glu Tyr Ser Leu Phe Pro Asn Ser Pro Lys Trp Thr Ser 〔配列表の配列番号:1〕 で、プロMMP-7 活性化阻害剤が、上記プロペプタイド領
域を構成する連続したアミノ酸配列から選択された2〜
89の連続したアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有
するペプチド及びその誘導体から成る群から選ばれたも
のである、あるいは(ii) CD151 のC末端の細胞外ループ
領域が、次なる配列: Ala Tyr Tyr Gln Gln Leu Asn Thr Glu Leu Lys Glu Asn Leu Lys Asp Thr Met Thr Lys Arg Tyr His Gln Pro Gly His Glu Ala Val Thr Ser Ala Val Asp Gln Leu Gln Gln Glu Phe His Cys Cys Gly Ser Asn Asn Ser Gln Asp Trp Arg Asp Ser Glu Trp Ile Arg Ser Gln Glu Ala Gly Gly Arg Val Val Pro Asp Ser Cys Cys Lys Thr Val Val Ala Leu Cys Gly Gln Arg Asp His Ala Ser Asn Ile Tyr Lys Val Glu Gly Gly Cys Ile Thr Lys Leu Glu Thr Phe Ile Gln Glu His Leu Arg 〔配列表の配列番号:20 〕で、プロMMP-7 活性化阻害剤
が、上記CD151のC末端の細胞外ループ領域を構成する連
続したアミノ酸配列から選択された2〜109 の連続した
アミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチド
及びその誘導体から成る群から選ばれたものである、こ
とを特徴とする上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一記載の
阻害剤;〔6〕 上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一記載
の阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする医
薬組成物;〔7〕 (i) (a) プロMMP-7のプロペプタイ
ド領域あるいは(b) CD151のC末端の細胞外ループ領域を
構成する連続したアミノ酸配列から選択された連続した
アミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチド
及びその誘導体 又は(ii) (a) 次なる配列: Leu Pro Leu Pro Gln Glu Ala Gly Gly Met Ser Glu Leu Gln Trp Glu Gln Ala Gln Asp Tyr Leu Lys Arg Phe Tyr Leu Tyr Asp Ser Glu Thr Lys Asn Ala Asn Ser Leu Glu Ala Lys Leu Lys Glu Met Gln Lys Phe Phe Gly Leu Pro Ile Thr Gly Met Leu Asn Ser Arg Val Ile Glu Ile Met Gln Lys Pro Arg Cys Gly Val Pro Asp Val Ala Glu Tyr Ser Leu Phe Pro Asn Ser Pro Lys Trp Thr Ser 〔配列表の配列番号:1〕 を構成する連続したアミノ酸配列から選択された2〜89
の連続したアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有す
るペプチド及びその誘導体から成る群から選ばれたも
の、あるいは(b) 次なる配列: Ala Tyr Tyr Gln Gln Leu Asn Thr Glu Leu Lys Glu Asn Leu Lys Asp Thr Met Thr Lys Arg Tyr His Gln Pro Gly His Glu Ala Val Thr Ser Ala Val Asp Gln Leu Gln Gln Glu Phe His Cys Cys Gly Ser Asn Asn Ser Gln Asp Trp Arg Asp Ser Glu Trp Ile Arg Ser Gln Glu Ala Gly Gly Arg Val Val Pro Asp Ser Cys Cys Lys Thr Val Val Ala Leu Cys Gly Gln Arg Asp His Ala Ser Asn Ile Tyr Lys Val Glu Gly Gly Cys Ile Thr Lys Leu Glu Thr Phe Ile Gln Glu His Leu Arg 〔配列表の配列番号:20 〕を構成する連続したアミノ酸
配列から選択された2〜109 の連続したアミノ酸配列に
相当するアミノ酸配列を有するペプチド及びその誘導体
から成る群から選ばれたもの、であることを特徴とする
ペプチド若しくはその誘導体又はその塩; 〔8〕 (1) プロMMP-7のプロペプタイド領域を構成す
る連続したアミノ酸配列から選択された連続したアミノ
酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチドに特異
的に結合する抗体及びその誘導体から成る群から選ばれ
たもの、及び(2) CD151のC末端の細胞外ループ領域を
構成する連続したアミノ酸配列から選択された連続した
アミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチド
に特異的に結合する抗体及びその誘導体から成る群から
選ばれたもの、から成る群から選ばれたものであること
を特徴とするプロMMP-7 活性化阻害性抗体若しくはその
誘導体又はその塩;
〔9〕 上記〔7〕又は〔8〕記載の化合物を有効成分
として含有し、CD151とプロMMP-7との相互作用を阻害す
ることを特徴とするプロMMP-7-CD151 拮抗剤; 〔10〕 上記〔7〕又は〔8〕記載の化合物を有効成分
として含有し、CD151とプロMMP-7との間の結合を阻害す
ることを特徴とするプロMMP-7-CD151 結合阻害剤; 〔11〕 CD151とプロMMP-7との相互作用を阻害する阻害
剤の存在下プロMMP-7の活性化を阻害し、プロMMP-7の活
性化に起因して発生する生物活性を阻害又は抑制するこ
とを特徴とする生物活性阻害又は抑制法; 〔12〕 プロMMP-7とCD151との共存下に、(1) 試験試料
を接触せしめる場合と(2) 試験試料の非存在下の場合と
を比較して、プロMMP-7活性化阻害剤をスクリーニング
することを特徴とするスクリーニング方法; 〔13〕 MMP-7活性を指標にスクリーニングを行うこと
を特徴とする上記〔12〕記載の方法; 〔14〕 プロMMP-7とCD151を共発現している細胞あるい
はその細胞ホモジュネートを使用することを特徴とする
上記〔12〕又は〔13〕記載の方法; 〔15〕 上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一記載の阻害剤
あるいは上記〔7〕又は〔8〕記載の化合物を有効成分
として含有し、CD151とプロMMP-7との相互作用に起因し
た疾患用医薬であることを特徴とする医薬; 〔16〕 (1) 炎症細胞の移動に起因した疾患あるいは病
気の発症及び/又は進展、(2) 腫瘍の転移、浸潤及び/
又は拡散、及び(3) 軟骨破壊に起因する疾患又は変形性
関節症から成る群から選ばれた病的な状態あるいは症状
のためのものであることを特徴とする上記〔15〕記載の
医薬; 〔17〕 (1) がんの浸潤及び/又は転移あるいは(2) 軟
骨破壊に起因する疾患又は変形性関節症を含む病体病的
な状態あるいは症状の予防及び/又は治療のためのもの
である上記〔15〕又は〔16〕記載の医薬; 〔18〕 上記〔7〕又は〔8〕記載の化合物を有効成分
として含有することを特徴とするプロMMP-7活性化阻害
剤; 〔19〕 上記〔7〕又は〔8〕記載の化合物を有効成分
として含有することを特徴とする(1) がん浸潤及び/又
は転移抑制剤あるいは(2) 軟骨破壊に起因する疾患又は
変形性関節症の予防及び/又は治療剤; 〔20〕 細胞膜上に存在するプロMMP-7結合因子とプロM
MP-7との相互作用を阻害することを特徴とする(1) がん
浸潤及び/又は転移抑制剤あるいは(2) 軟骨破壊に起因
する疾患又は変形性関節症の予防及び/又は治療剤; 〔21〕 細胞膜上に存在するプロMMP-7結合因子がCD151
であることを特徴とする上記〔20〕記載の剤; 〔22〕 CD151とプロMMP-7との相互作用を阻害すること
を特徴とする(1) がん浸潤及び/又は転移抑制剤あるい
は(2) 軟骨破壊に起因する疾患又は変形性関節症の予防
及び/又は治療剤; 〔23〕 阻害活性成分が、(i) (a) プロMMP-7のプロペ
プタイド領域あるいは(b) CD151のC末端の細胞外ループ
領域を構成する連続したアミノ酸配列から選択された連
続したアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペ
プチド及びその誘導体から成る群から選ばれたもの、(i
i) プロMMP-7のプロペプタイド領域を構成する連続し
たアミノ酸配列から選択された連続したアミノ酸配列に
相当するアミノ酸配列を有するペプチドに特異的に結合
する抗体及びその誘導体から成る群から選ばれたもの、
及び(iii) CD151のC末端の細胞外ループ領域を構成す
る連続したアミノ酸配列から選択された連続したアミノ
酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチドに特異
的に結合する抗体及びその誘導体から成る群から選ばれ
たもの、から成る群から選ばれたものであることを特徴
とする上記〔20〕〜〔22〕のいずれか一記載の剤;〔2
4〕 (i) プロMMP-7 のプロペプタイド領域が、次なる
配列: Leu Pro Leu Pro Gln Glu Ala Gly Gly Met Ser Glu Leu Gln Trp Glu Gln Ala Gln Asp Tyr Leu Lys Arg Phe Tyr Leu Tyr Asp Ser Glu Thr Lys Asn Ala Asn Ser Leu Glu Ala Lys Leu Lys Glu Met Gln Lys Phe Phe Gly Leu Pro Ile Thr Gly Met Leu Asn Ser Arg Val Ile Glu Ile Met Gln Lys Pro Arg Cys Gly Val Pro Asp Val Ala Glu Tyr Ser Leu Phe Pro Asn Ser Pro Lys Trp Thr Ser 〔配列表の配列番号:1〕 で、阻害活性成分が、上記プロペプタイド領域を構成す
る連続したアミノ酸配列から選択された2〜89の連続し
たアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチ
ド及びその誘導体から成る群から選ばれたものである、
あるいは(ii) CD151 のC末端の細胞外ループ領域が、次
なる配列: Ala Tyr Tyr Gln Gln Leu Asn Thr Glu Leu Lys Glu Asn Leu Lys Asp Thr Met Thr Lys Arg Tyr His Gln Pro Gly His Glu Ala Val Thr Ser Ala Val Asp Gln Leu Gln Gln Glu Phe His Cys Cys Gly Ser Asn Asn Ser Gln Asp Trp Arg Asp Ser Glu Trp Ile Arg Ser Gln Glu Ala Gly Gly Arg Val Val Pro Asp Ser Cys Cys Lys Thr Val Val Ala Leu Cys Gly Gln Arg Asp His Ala Ser Asn Ile Tyr Lys Val Glu Gly Gly Cys Ile Thr Lys Leu Glu Thr Phe Ile Gln Glu His Leu Arg 〔配列表の配列番号:20 〕で、阻害活性成分が、上記CD
151のC末端の細胞外ループ領域を構成する連続したアミ
ノ酸配列から選択された2〜109 の連続したアミノ酸配
列に相当するアミノ酸配列を有するペプチド及びその誘
導体から成る群から選ばれたもの、であることを特徴と
する上記〔20〕〜〔23〕のいずれか一記載の剤; 〔25〕 (a) プロMMP-7のプロペプタイド領域を構成す
る連続したアミノ酸配列から選択された連続したアミノ
酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチド及びそ
の誘導体から成る群から選ばれたものあるいは(b) プロ
MMP-7を構成する連続したアミノ酸配列に存在するエピ
トープに特異的に結合する抗体を含有することを特徴と
するCD151の細胞遊走能あるいは転移能の阻害剤; 〔26〕 細胞が、がん細胞である上記〔25〕記載の阻害
剤; 〔27〕 細胞におけるCD151発現を調節する物質を含有
することを特徴とする創傷治癒剤; 〔28〕 創傷が、気管上皮の創傷であることを特徴とす
る上記〔27〕記載の剤; 〔29〕 CD151発現調節活性物質を含有することを特徴
とするプロMMP-7活性化調節剤; 〔30〕 CD151とプロMMP-7との両者を含有していること
を特徴とするプロMMP-7活性化阻害剤スクリーニング試
薬; 〔31〕 CD151とプロMMP-7との両者を含有しているもの
が、プロMMP-7とCD151を共発現している細胞あるいはそ
の細胞ホモジュネートであることを特徴とする上記〔3
0〕記載のスクリーニング試薬; 〔32〕 CD151とプロMMP-7との相互作用阻害剤存在下
に、CD151発現細胞又はその細胞ホモジュネートと測定
試料とを接触せしめ、CD151とプロMMP-7との相互作用に
起因する生物活性をスクリーニングすることを特徴とす
るスクリーニング法; 〔33〕 CD151、細胞膜上のCD151及びそれらと実質的に
同等の活性を有するポリペプチドから成る群から選ばれ
たものを有効成分とすることを特徴とするプロMMP-7活
性化促進剤; 〔34〕 CD151、細胞膜上のCD151及びそれらと実質的に
同等の活性を有するポリペプチドから成る群から選ばれ
たものを、プロMMP-7含有物に接触せしめて、活性型MMP
-7の活性を促進することを特徴とする方法;及び 〔35〕 (i) (a) CD151のC末端の細胞外ループ領域を構
成する連続したアミノ酸配列から選択された連続したア
ミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチド及
びその誘導体 又は(b) 次なる配列: Ala Tyr Tyr Gln Gln Leu Asn Thr Glu Leu Lys Glu Asn Leu Lys Asp Thr Met Thr Lys Arg Tyr His Gln Pro Gly His Glu Ala Val Thr Ser Ala Val Asp Gln Leu Gln Gln Glu Phe His Cys Cys Gly Ser Asn Asn Ser Gln Asp Trp Arg Asp Ser Glu Trp Ile Arg Ser Gln Glu Ala Gly Gly Arg Val Val Pro Asp Ser Cys Cys Lys Thr Val Val Ala Leu Cys Gly Gln Arg Asp His Ala Ser Asn Ile Tyr Lys Val Glu Gly Gly Cys Ile Thr Lys Leu Glu Thr Phe Ile Gln Glu His Leu Arg 〔配列表の配列番号:20 〕を構成する連続したアミノ酸
配列から選択された2〜109 の連続したアミノ酸配列に
相当するアミノ酸配列を有するペプチド及びその誘導体
から成る群から選ばれたものを有効成分として含有し、
(ii) (1)プロMMP-7 の活性化促進作用を示すか、あるい
は (2)プロMMP-7 の活性化阻害作用を示すことを特徴と
する剤を提供するにある。
【0007】本発明のその他の目的、特徴、優秀性及び
その有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明
白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実
施例などの記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好
ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示され
ているものであることを理解されたい。本明細書に開示
した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は
改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本
明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容
易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての
特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されている
もので、それらは本明細書の一部としてその内容はここ
に含めて解釈されるべきものである。本明細書におい
て、用語「及び/又は」とは、 (1)併合的接続関係と
(2)選択的接続関係の両方が存在することを意味してお
り、例えば「浸潤及び/又は転移」の場合では (1)浸潤
及び転移並びに (2)浸潤又は転移の両方を包含する意味
で使用されている。その他においても用語「及び/又
は」は同様に (1)併合的接続関係と (2)選択的接続関係
の両方を包含する意味で使用されている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で、プロMMP-7 (プロマト
リライシン)は細胞膜上のCD151 との反応により捕捉さ
れ、活性化されることが見出された。本発明において
は、MMP-7 活性化に関連した結合タンパク探索のため、
プロMMP-7 を餌として酵母ツーハイブリッドシステム(t
wo hybrid system)によりヒト肺cDNAライブラリースク
リーニングを実施し、候補としてトランスメンブラン4
スーパーファミリー(TM4SF)のメンバーの1つであり、
細胞表面のインテグリンとの複合体を形成することが知
られているCD151(PETA-3/SFA-1) を同定することに成功
した。CD151 とプロMMP-7の複合体形成は免疫沈降でも
実証された。さらにこれら2分子の特異結合は競合的親
和結合測定によっても確認された。また、本発明でプロ
MMP-7 とCD151 の欠損変異株を用いての酵母ツーハイブ
リッド測定により、プロMMP-7 のプロペプチドがCD151
の2番目の大きな細胞外ループとの相互作用をすること
が示された。こうした知見を利用する技術はすべて本発
明の思想の範囲内である。
【0009】本発明で、レーザースキャンニング共焦点
顕微鏡検査によりプロMMP-7 とCD151 はCD151 安定強制
発現細胞膜上に共存することが証明された。MMP-7 の基
質であるカルボキシルメチル化トランスフェリン(Cm-T
f)を用いてのin situ ザイモグラフィーとイムノブロッ
ト分析によりプロMMP-7は(1)CD151変異体上や(2)CD151
とプロMMP-7 の両方を発現するCaR-1細胞上で効率よく
活性化され、メタロプロテアーゼ活性がこれら細胞で検
出されることが明らかにされた。これらのデータはプロ
MMP-7 がCD151 の相互作用を介して細胞膜上で捕捉さ
れ、活性化されるという新規な知見である。そして、ま
た、MT1-MMP/MMP-2システムのように、MMP-7 はがんの
浸潤、転移を含む種々の病理生理学的条件下で細胞膜上
でのタンパク分解を行う、CD151 を介した細胞膜上活性
化メカニズムを持つことが暗示される。したがって、こ
うした知見を利用する技術もすべて本発明の思想の範囲
内である。本発明で言及するCD151 については、例えば
Fitter S.et al., Blood, 86: 1348-1355, 1995などを
参照することができ、それらの中にある記載はそれを参
照することにより本明細書の開示に含められる。また、
MMP-7 については、例えばImai K. et al., J. Biol. C
hem., 270: 6691-6697, 1995などを参照することがで
き、それらの中にある記載はそれを参照することにより
本明細書の開示に含められる。
【0010】本発明では、遺伝子組換え技術を利用して
所定の核酸を単離・配列決定したり、組換え体を作製し
たり、所定のペプチドを得ることができる。遺伝子組換
え技術は、例えば J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. M
aniatis, "Molecular Cloning: A Laboratory Manual
(2nd edition)", Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s, Cold Spring Harbor, New York (1989); D. M. Glov
er et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1 to
4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxf
ord University Press (1995);日本生化学会編、「続生
化学実験講座1、遺伝子研究法II」、東京化学同人 (19
86);日本生化学会編、「新生化学実験講座2、核酸 III
(組換えDNA 技術)」、東京化学同人 (1992); R. Wu e
d., "Methods in Enzymology", Vol. 68 (Recombinant
DNA), Academic Press, New York (1980); R. Wu et a
l. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 100 (Recombi
nantDNA, Part B) & 101 (Recombinant DNA, Part C),
Academic Press, New York (1983); R. Wu et al. ed.,
"Methods in Enzymology", Vol. 153 (RecombinantDN
A, Part D), 154 (Recombinant DNA, Part E) & 155 (R
ecombinant DNA, PartF), Academic Press, New York
(1987); J. H. Miller ed., "Methods in Enzymology",
Vol. 204, Academic Press, New York (1991); R. Wu
et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 218, Aca
demic Press, New York (1993)などに記載の方法あるい
はそこで引用された文献記載の方法あるいはそれらと実
質的に同様な方法や改変法により行うことができる (そ
れらの中にある記載はそれを参照することにより本明細
書の開示に含められる) 。核酸は、一本鎖DNA 、二本鎖
DNA 、RNA 、DNA:RNA ハイブリッド、合成DNA などの核
酸であり、またヒトゲノムDNA 、ヒトゲノミックDNA ラ
イブラリー、ヒト組織・細胞由来のcDNA、合成DNAのい
ずれであってもよい。核酸の塩基配列は、修飾(例え
ば、付加、除去、置換など)されることもでき、そうし
た修飾されたものも包含されてよい。核酸は、本発明で
記載するペプチドあるいはその一部をコードするもので
あってよく、好ましいものとしてはDNA が挙げられる。
また核酸は、対象タンパク質、例えばCD151やプロMMP-
7、あるいはそれらの部分配列と同等の抗原性などのそ
れと実質的に同等の生物学的活性を有するペプチドをコ
ードするといったそれと同効の塩基配列を含有するもの
であれば如何なるものであってもよい。ヒト、チンパン
ジー、サル、マウス、ラット、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツ
ジ、イヌ、ネコ、ウサギなどの哺乳動物由来のものも包
含されてもよい。該「同効の塩基配列」とは、例えばス
トリンジェントな条件で問題の遺伝子をコードする塩基
配列のうちの連続した5個以上の塩基配列、好ましくは
10個以上の塩基配列、より好ましくは15個以上の塩基配
列、さらに好ましくは20個以上の塩基配列とハイブリダ
イズし、当該タンパク質と実質的に同等のアミノ酸配列
をコードするものなどが挙げられる。核酸は、化学合成
によって得ることも可能である。その場合断片を化学合
成し、それらを酵素により結合することによってもよ
い。
【0011】本明細書中、「ポリメラーゼ・チェイン・
リアクション(Polymerase Chain Reaction) 」又は「PC
R 」とは、一般的に、米国特許第 4683195号明細書など
に記載されたような方法を指し、例えば、所望のヌクレ
オチド配列をインビトロで酵素的に増幅するための方法
を指している。一般に、PCR 法は、鋳型核酸と優先的に
ハイブリダイズすることのできる2個のオリゴヌクレオ
チドプライマーを使用して、プライマー伸長合成を行う
ようなサイクルを繰り返し行うことを含むものである。
典型的には、PCR 法で用いられるプライマーは、鋳型内
部の増幅されるべきヌクレオチド配列に対して相補的な
プライマーを使用することができ、例えば、該増幅され
るべきヌクレオチド配列とその両端において相補的であ
るか、あるいは該増幅されるべきヌクレオチド配列に隣
接しているものを好ましく使用することができる。5'端
側のプライマーとしては、少なくとも開始コドンを含有
するか、あるいは該開始コドンを含めて増幅できるよう
に選択し、また3'端側のプライマーとしては、少なくと
もストップコドンを含有するか、あるいは該ストップコ
ドンを含めて増幅できるように選択することが好まし
い。プライマーは、好ましくは 5個以上の塩基、さらに
好ましくは10個以上の塩基からなるオリゴヌクレオチ
ド、より好ましくは18〜25個の塩基からなるオリゴヌク
レオチドが挙げられる。プライマーの作製は、当該分野
で知られた方法で行うことができ、代表的にはAngew. C
hem. Int. Ed. Engl., 28: 716-734, 1989に記載されて
いるような既知の方法、例えば、フォスフォトリエステ
ル法、フォスフォジエステル法、フォスファイト法、フ
ォスフォアミダイト法、フォスフォネート法などの方法
により化学合成されることができる。通常合成は、修飾
された固体支持体上で合成を便利に行うことができるこ
とが知られており、例えば、自動化された合成装置、例
えば、model 381A DNA synthesizer (Applied Biosyste
ms) などを用いて行うことができる。該オリゴヌクレオ
チドは、一つ又はそれ以上の修飾された塩基を含有して
いてよく、例えば、イノシンなどの天然においては普通
でない塩基あるいはトリチル化された塩基などを含有し
ていてよい。
【0012】PCR 反応は、当該分野で公知の方法あるい
はそれと実質的に同様な方法や改変法により行うことが
できるが、例えば R. Saiki, et al., Science, 230:13
50, 1985; R. Saiki, et al., Science, 239: 487, 198
8 ; H. A. Erliched., PCR Technology, Stockton Pres
s, 1989 ; D. M. Glover et al. ed.,"DNA Cloning", 2
nd ed., Vol. 1, (The Practical Approach Series), I
RLPress, Oxford University Press (1995) ; M. A. In
nis et al. ed., "PCRProtocols: a guide to methods
and applications", Academic Press, New York (199
0)); M. J. McPherson, P. Quirke and G. R. Taylor
(Ed.), PCR: a practical approach, IRL Press, Oxfor
d (1991); M. A. Frohman et al., Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, 85: 8998-9002, 1988などに記載された方法
あるいはそれを修飾したり、改変した方法に従って行う
ことができる。また、PCR 法は、それに適した市販のキ
ットを用いて行うことができ、キット製造業者あるいは
キット販売業者により明らかにされているプロトコルに
従って実施することもできる。得られたPCR 産物は、通
常 1〜2% アガロースゲル電気泳動にかけて、特異なバ
ンドとしてゲルから切り出し、例えば、gene clean kit
(Bio 101)などの市販の抽出キットを用いてDNA を抽出
する。抽出されたDNA は適当な制限酵素で切断し、必要
に応じ精製処理したり、さらには必要に応じ5'末端をT4
ポリヌクレオチドキナーゼなどによりリン酸化した後、
pUC18 などのpUC 系ベクターといった適当なプラスミド
ベクターにライゲーションし、適当なコンピータント細
胞を形質転換する。クローニングされたPCR 産物はその
塩基配列を解析される。PCR 産物のクローニングには、
例えば、p-Direct (Clontech), pCR-ScriptTM SK(+) (S
tratagene), pGEM-T (Promega), pAmpTM (Gibco-BRL)な
どの市販のプラスミドベクターを用いることが出来る。
宿主細胞の形質転換をするには、例えばファージベクタ
ーを使用したり、カルシウム法、ルビジウム/カルシウ
ム法、カルシウム/マンガン法、TFB 高効率法、FSB 凍
結コンピテント細胞法、迅速コロニー法、エレクトロポ
レーションなど当該分野で知られた方法あるいはそれと
実質的に同様な方法で行うことができる(D. Hanahan,
J. Mol. Biol., 166: 557, 1983 など)。目的とするDN
A を単離するためには、逆転写PCR (polymerase chain
reaction coupled reverse transcription; RT-PCR) 、
RACE (rapid amplification ofcDNA ends) を適用する
ことが出来る。RACEは、例えば、M. A. Innis et al. e
d., "PCR Protocols" (M. A. Frohman, "a guide to me
thods and applications"), pp.28-38, Academic Pres
s, New York (1990) などに記載された方法に従って行
うことができる。
【0013】所定の核酸を同定したりするには、ハイブ
リダイゼーション技術を利用するが、該ハイブリダイゼ
ーションは、所定のDNA をナイロンフィルターなどの膜
に転写せしめ、必要に応じ変成処理、固定化処理、洗浄
処理などを施した後、その膜に転写せしめられたもの
を、必要に応じ変成させた標識プローブDNA 断片と、ハ
イブリダイゼーション用緩衝液中で反応させて行われ
る。ハイブリダイゼーション処理は、普通約35℃〜約80
℃、より好適には約50℃〜約65℃で、約15分〜約36時
間、より好適には約1 時間〜約24時間行われるが、適宜
最適な条件を選択して行うことができる。例えば、ハイ
ブリダイゼーション処理は、約55℃で約18時間行われ
る。ハイブリダイゼーション用緩衝液としては、当該分
野で普通に使用されるものの中から選んで用いることが
でき、例えば、Rapid hybridization buffer(Amersha
m)などを用いることができる。転写した膜の変成処理
としては、アルカリ変性液を使用する方法が挙げられ、
その処理後中和液や緩衝液で処理するのが好ましい。ま
た膜の固定化処理としては、普通約40℃〜約 100℃、よ
り好適には約70℃〜約90℃で、約15分〜約24時間、より
好適には約1 時間〜約4 時間ベーキングすることにより
行われるが、適宜好ましい条件を選択して行うことがで
きる。例えば、フィルターを約80℃で約2 時間ベーキン
グすることにより固定化が行われる。転写した膜の洗浄
処理としては、当該分野で普通に使用される洗浄液、例
えば1M NaCl 、1mM EDTA及び 0.1% sodium dodecyl su
lfate (SDS) 含有50mM Tris-HC1緩衝液,pH8.0 などで
洗うことにより行うことができる。ナイロンフィルター
などの膜としては、当該分野で普通に使用されるものの
中から選んで用いることができ、例えば、ナイロンフィ
ルター[ハイボンド(Hybond)-N、Amersham]などを挙
げることができる。
【0014】上記アルカリ変性液、中和液、緩衝液とし
ては、当該分野で普通に使用されるものの中から選んで
用いることができ、アルカリ変性液としては、例えば、
0.5MNaOH 及び1.5M NaCl を含有する液などを挙げるこ
とができ、中和液としては、例えば、1.5M NaCl 含有
0.5M Tris−HCl 緩衝液,pH8.0 などを挙げることがで
き、緩衝液としては、例えば、 2×SSPE(0.36M NaCl、
20mM NaH2PO4及び2mM EDTA)などを挙げることができ
る。またハイブリダイゼーション処理に先立ち、非特異
的なハイブリダイゼーション反応を防ぐために、必要に
応じて転写した膜はプレハイブリダイゼーション処理す
ることが好ましい。このプレハイブリダイゼーション処
理は、例えば、プレハイブリダイゼーション溶液[50%
formamide、5×Denhardt's溶液(0.2 %ウシ血清アル
ブミン、0.2 % polyvinyl pyrrolidone)、 5×SSPE、
0.1 % SDS、100 μg/ml 熱変性サケ精子DNA ]などに
浸し、約35℃〜約50℃、好ましくは約42℃で、約 4〜約
24時間、好ましくは約 6〜約8時間反応させることによ
り行うことができるが、こうした条件は当業者であれば
適宜実験を繰り返し、より好ましい条件を決めることが
できる。ハイブリダイゼーションに用いる標識プローブ
DNA 断片の変成は、例えば、約70℃〜約100 ℃、好まし
くは約100 ℃で、約1 分間〜約60分間、好ましくは約 5
分間加熱するなどして行うことができる。なお、ハイブ
リダイゼーションは、それ自体公知の方法あるいはそれ
に準じた方法で行うことができるが、本明細書でストリ
ンジェントな条件とは、例えばナトリウム濃度に関し、
約15〜約50mM、好ましくは約19〜約40mM、より好ましく
は約19〜約20mMで、温度については約35〜約85℃、好ま
しくは約50〜約70℃、より好ましくは約60〜約65℃の条
件を示す。ハイブリダイゼーション完了後、フィルター
を十分に洗浄処理し、特異的なハイブリダイゼーション
反応をした標識プローブDNA 断片以外の標識プローブを
取り除く。フィルターの洗浄処理は、当該分野で普通に
使用されるものの中から選んで用いて行うことができ、
例えば、0.1 % SDS含有 0.5×SSC ( O.15M NaCl、15mM
クエン酸)溶液などで洗うことにより実施できる。特
異的なハイブリダイゼーション反応をした標識プローブ
DNA 断片以外の標識プローブを取り除くなどしてから検
出処理をすることができる。
【0015】得られたDNA は、必要に応じてクローニン
グでき、例えば、プラスミド、λファージ、コスミド、
P1ファージ、F因子、YAC などが利用できる。好ましく
はλファージ由来のベクターが挙げられ、例えばCharon
4A 、Charon 21A、λgt10、λgt11、λDASHII、λFIXI
I 、λEMBL3 、λZAPII TM (Stratagene) などが利用で
きる。また得られたDNA を、下記で詳しく説明するよう
な適当なベクター、例えば、プラスミドpEX 、pMAMneo
、pKG5などのベクターに組込み、下記で詳しく説明す
るような適当な宿主細胞、例えば、大腸菌、酵母、CHO
細胞、COS 細胞などで発現させることができる。また、
該DNA 断片は、そのままあるいは適当な制御配列を付加
したDNA 断片として、または適当なベクターに組込み、
そして動物に導入して、所定の遺伝子、例えば、プロペ
プタイド欠失プロMMP-7 あるいはC-末端欠失CD151 を発
現するトランスジェニック動物を作成することができ
る。動物としては、哺乳動物が挙げられ、例えば、マウ
ス、ラット、ウサギ、モルモット、ウシなどが挙げられ
る。好ましくは、マウスなどの動物の受精卵に該DNA 断
片を導入して、トランスジェニック動物を作成すること
ができる。外来遺伝子を哺乳動物などの動物細胞に導入
する方法としては当該分野で知られた方法あるいはそれ
と実質的に同様な方法で行うことができ、例えばリン酸
カルシウム法(例えば、F. L. Graham et al., Virolog
y, 52: 456, 1973など)、DEAE- デキストラン法(例え
ば、D. Warden et al., J. Gen. Virol., 3: 371, 1968
など)、エレクトロポレーション法(例えば、E. Neuma
nn et al., EMBO J, 1: 841, 1982など)、マイクロイ
ンジェクション法、リボソーム法、ウイルス感染法、フ
ァージ粒子法などが挙げられる。こうして所定の遺伝子
をトランスフェクションされた動物細胞の産生する遺伝
子産物は、それを解析することもできる。
【0016】所定の遺伝子など(本発明で得られたDNA
など)を組込むプラスミドとしては遺伝子工学的に常用
される宿主細胞(例えば、大腸菌、枯草菌などの原核細
胞宿主、酵母、CHO 細胞、COS 細胞などの真核細胞宿
主、Sf21などの昆虫細胞宿主)中で該DNA が発現できる
プラスミドであればどのようなプラスミドでもよい。こ
うした配列内には、例えば選択した宿主細胞で発現する
のに好適に修飾されたコドンが含まれていることができ
るし、制限酵素部位が設けられていることもできるし、
目的とする遺伝子の発現を容易にするための制御配列、
促進配列など、目的とする遺伝子を結合するのに役立つ
リンカー、アダプターなど、さらには抗生物質耐性など
を制御したり、代謝を制御したりし、選別などに有用な
配列(ハイブリドタンパク質や融合タンパク質をコード
するものも含む)などを含んでいることができる。好ま
しくは、適当なプロモーター、例えば大腸菌を宿主とす
るプラスミドでは、トリプトファンプロモーター(trp)
、ラクトースプロモーター(lac) 、トリプトファン・
ラクトースプロモーター(tac) 、リポプロテインプロモ
ーター(lpp) 、λファージ PL プロモーターなどを、動
物細胞を宿主とするプラスミドでは、SV40レートプロモ
ーター、MMTV LTRプロモーター、RSV LTR プロモータ
ー、CMV プロモーター、SRαプロモーターなどを、酵母
を宿主とするプラスミドでは、GAL1、GAL10 プロモータ
ーなどを使用し得る。
【0017】大腸菌を宿主とするプラスミドとしては、
例えばpBR322、pUC18, pUC19, pUC118, pUC119, pSP64,
pSP65, pTZ-18R/-18U, pTZ-19R/-19U, pGEM-3, pGEM-
4, pGEM-3Z, pGEM-4Z, pGEM-5Zf(-), pBluescript KSTM
(Stratagene) などが挙げられる。大腸菌での発現に適
したプラスミドベクターとしては、pAS, pKK223 (Pharm
acia), pMC1403, pMC931, pKC30, pRSET-B (Invitroge
n) なども挙げられる。動物細胞を宿主とするプラスミ
ドとしては、SV40ベクター、ポリオーマ・ウイルスベク
ター、ワクシニア・ウイルスベクター、レトロウイルス
ベクターなどが挙げられ、例えばpcD, pcD-SRα, CDM8,
pCEV4, pME18S, pBC12BI, pSG5 (Stratagene) などが
挙げられる。酵母を宿主とするプラスミドとしては、YI
p型ベクター、YEp型ベクター、YRp型ベクター、YCp型ベ
クターなどが挙げられ、例えばpGPD-2などが挙げられ
る。宿主細胞としては、宿主細胞が大腸菌の場合、例え
ば大腸菌K12 株に由来するものが挙げられ、例えばNM53
3, XL1-Blue, C600, DH1, DH5,DH11S, DH12S, DH5α, D
H10B, HB101, MC1061, JM109, STBL2, B834株由来とし
ては、BL21(DE3)pLysSなどが挙げられる。宿主細胞が動
物細胞の場合、例えばアフリカミドリザル線維芽細胞由
来のCOS-7 細胞、COS-1 細胞、CV-1細胞、マウス線維芽
細胞由来のCOP 細胞、MOP 細胞、WOP 細胞、チャイニー
ズ・ハムスター細胞由来のCHO 細胞、CHO DHFR- 細胞、
ヒトHeLa細胞、マウス細胞由来C127細胞、マウス細胞由
来NIH 3T3 細胞などが挙げられる。昆虫細胞としては、
カイコ核多角体病ウイルス (Bombyx mori nuclear poly
hedrosis virus) あるいはそれに由来するものをベクタ
ーとし、カイコ幼虫あるいはカイコ培養細胞、例えばBM
-N細胞などを用いることが挙げられる。植物細胞を宿主
細胞として使用することも可能であり、それに適するベ
クターと共に、それらは当該分野で広く知られている。
本発明の遺伝子工学的手法においては、当該分野で知ら
れたあるいは汎用されている制限酵素、逆転写酵素、DN
A 断片をクローン化するのに適した構造に修飾したりあ
るいは変換するための酵素であるDNA 修飾・分解酵素、
DNA ポリメラーゼ、末端ヌクレオチジルトランスフェラ
ーゼ、DNA リガーゼなどを用いることが出来る。
【0018】本発明に従い、タンパク質をコードする核
酸を含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体
は、必要に応じて適当な選択マーカーを用い、繰り返し
クローニングを行うことにより、高い発現能を安定して
有する細胞株を得ることができる。例えば、宿主細胞と
して動物細胞を用いた形質転換体において、dhfr遺伝子
を選択マーカーとして利用した場合、MTX 濃度を徐々に
上げて培養し、耐性株を選択することにより、本発明の
タンパク質をコードするDNA を増幅させ、より高い発現
を得られる細胞株を得ることができる。本発明の形質転
換体は、本発明のタンパク質をコードする核酸が発現可
能な条件下で培養し、目的物を生成、蓄積せしめること
ができる。該形質転換体は、当該分野で汎用されている
培地中で培養することができる。例えば、大腸菌、枯草
菌などの原核細胞宿主、酵母などを宿主としている形質
転換体は、液体培地を好適に使用することができる。培
地中には、該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素
源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源として
は、たとえばグルコース、デキストリン、可溶性澱粉、
ショ糖など、窒素源としては、たとえばアンモニウム塩
類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カ
ゼイン、肉エキス、麦芽エキス、大豆粕、バレイショ抽
出液などの無機または有機物質、無機物としては,例え
ば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マ
グネシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。また、
酵母、ビタミン類、カザミノ酸、生長促進因子などを添
加してもよい。また、必要によりプロモーターを効率よ
く働かせるために、例えば、3β−インドリル アクリ
ル酸のような薬剤を加えることができる。培地のpHは約
5〜8が望ましい。
【0019】培養は、例えば大腸菌では通常約15〜約45
℃で約3〜約75時間行い、必要により、通気や攪拌を加
えることもできる。宿主が動物細胞である形質転換体を
培養する際、培地としては、たとえば約5〜約20%の胎
児牛血清を含むMEM 培地、PRMI1640培地、DMEM培地など
が用いられる。pHは約6〜約8であるのが好ましい。培
養は通常約30℃〜約40℃で約15〜約72時間行い、必要に
応じて通気や攪拌を加える。所定の遺伝子産物を発現し
ている形質転換体はそのまま利用可能であるが、その細
胞ホモジュネートとしても利用できるが、所定の遺伝子
産物を単離して用いることもできる。上記培養細胞から
抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるい
は細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、
リゾチーム及び/又は凍結融解などによって菌体あるい
は細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により粗抽出液
を得る方法などを適宜用いることができる。緩衝液の中
には尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク変性剤や、ト
リトン X-100(商品名)、ツウィーン-20 (商品名)な
どの界面活性剤を加えてあってもよい。培養液中に目的
生成物が分泌される場合には、培養終了後、それ自体公
知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を
集める。このようにして得られた培養上清、あるいは抽
出液中に含まれる目的生成物は、自体公知の分離・精製
法を適切に組み合わせてその精製を行なうことができ、
例えば硫酸アンモニウム沈殿法などの塩析、セファデッ
クスなどによるゲルろ過法、例えばジエチルアミノエチ
ル基あるいはカルボキシメチル基などを持つ担体などを
用いたイオン交換クロマトグラフィー法、例えばブチル
基、オクチル基、フェニル基など疎水性基を持つ担体な
どを用いた疎水性クロマトグラフィー法、色素ゲルクロ
マトグラフィー法、電気泳動法、透析、限外ろ過法、ア
フィニティ・クロマトグラフィー法、高速液体クロマト
グラフィー法などにより精製して得ることができる。好
ましくは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、リガンド
などを固定化したアフィニティー・クロマトグラフィー
などで処理し精製分離処理できる。例えば、ゼラチン−
アガロース・アフィニティー・クロマトグラフィー、ヘ
パリン−アガロース・クロマトグラフィーなどが挙げら
れる。
【0020】さらに、本発明に係わる遺伝子の塩基配列
を基に遺伝子工学的に常用される方法を用いることによ
り、所定のタンパク質のアミノ酸配列中に適宜、1個な
いし複数個以上のアミノ酸の置換、欠失、挿入、転移あ
るいは付加したごとき変異を導入した相当するタンパク
質を製造することができる。こうした変異・変換・修飾
法としては、日本生化学会編、「続生化学実験講座1、
遺伝子研究法 II 」、p105(広瀬進)、東京化学同人(1
986); 日本生化学会編、「新生化学実験講座2、核酸 I
II(組換えDNA 技術)」、p233(広瀬進)、東京化学同
人(1992); R. Wu, L. Grossman, ed., "Methods in Enz
ymology", Vol. 154, p. 350 & p. 367,Academic Pres
s, New York (1987); R. Wu, L. Grossman, ed., "Meth
ods in Enzymology", Vol. 100, p. 457 & p. 468, Aca
demic Press, New York (1983);J. A. Wells et al.,
Gene, 34: 315, 1985; T. Grundstroem et al., Nuclei
cAcids Res., 13: 3305, 1985; J. Taylor et al., Nuc
leic Acids Res., 13: 8765, 1985; R. Wu ed., "Metho
ds in Enzymology", Vol. 155, p. 568, Academic Pres
s, New York (1987); A. R. Oliphant et al., Gene,
44: 177, 1986 などに記載の方法が挙げられる。例えば
合成オリゴヌクレオチドなどを利用する位置指定変異導
入法(部位特異的変異導入法) (Zoller et al., Nucl.
Acids Res., 10: 6487, 1987; Carter et al., Nucl. A
cids Res., 13: 4331, 1986), カセット変異導入法 (ca
ssette mutagenesis: Wells et al., Gene, 34: 315, 1
985), 制限部位選択変異導入法 (restriction selectio
n mutagenesis: Wells et al., Philos. Trans. R. So
c. London Ser A, 317: 415, 1986),アラニン・スキャ
ンニング法 (Cunningham & Wells, Science, 244: 1081
-1085, 1989), PCR 変異導入法, Kunkel法, dNTP[αS]
法(Eckstein),亜硫酸や亜硝酸などを用いる領域指定変
異導入法などの方法が挙げられる。
【0021】遺伝子組換え法で製造する時に融合タンパ
ク質として発現させ、かくして得られた融合タンパク質
をその融合部を利用してアフィニティクロマトグラフィ
ーなどで精製することも可能である。こうした融合タン
パク質としては、ヒスチジンタグに融合せしめられたも
の、あるいは、β-ガラクトシダーゼ(β-gal) 、マル
トース結合タンパク (MBP), グルタチオン-S-トランス
フェラーゼ (GST)、チオレドキシン (TRX)又は Cre Rec
ombinaseのアミノ酸配列に融合せしめられたものなどが
挙げられる。同様に、ポリペプチドは、ヘテロジーニア
スなエピトープのタグを付加され、該エピトープに特異
的に結合する抗体を用いてのイムノアフィニティ・クロ
マトグラフィーによる精製をなし得るようにすることも
できる。より適した実施態様においては、該エピトープ
タグとしては、例えば AU5, c-Myc, CruzTag 09, CruzT
ag 22, CruzTag 41, Glu-Glu, HA, Ha.11, KT3, FLAG
(registered trademark, Sigma-Aldrich), Omni-probe,
S-probe, T7, Lex A, V5,VP16, GAL4, VSV-G などが挙
げられる。(Field et al., Mol. Cell. Biol., 8:2159-
2165, 1988; Evan et al., Mol. Cell. Biol., 5: 3610
-3616, 1985; Paborsky et al., Protein Engineering,
3: 547-553, 1990; Hopp et al., BioTechnology, 6:
1204-1210, 1988; Martin et al., Science, 255: 192-
194, 1992;Skinner et al., J. Biol. Chem., 266: 151
63-15166, 1991; Lutz-Freyermuthet al., Proc. Natl.
Acad. Sci. USA, 87: 6393-6397, 1990)など。酵母を
利用した two-hybrid 法も利用できる。さらに融合タン
パク質としては、検出可能なタンパク質となるようなマ
ーカーを付されたものであることもできる。より好適な
実施態様においては、該検出可能なマーカーは、ビオチ
ン/ストレプトアビジン系のBiotin Avi Tag、螢光を発
する物質などであってよい。該螢光を発する物質として
は、オワンクラゲ (Aequorea victorea)などの発光クラ
ゲ由来の緑色螢光タンパク質(green fluorescent prote
in: GFP)、それを改変した変異体(GFPバリアント) 、例
えば、EGFP (Enhanced-humanized GFP), rsGFP (red-sh
ift GFP), 黄色螢光タンパク質 (yellow fluorescent p
rotein: YFP), 緑色螢光タンパク質 (green fluorescen
t protein: GFP),藍色螢光タンパク質 (cyan fluoresce
ntprotein: CFP), 青色螢光タンパク質 (blue fluoresc
ent protein: BFP), ウミシイタケ (Renilla reniformi
s) 由来のGFP などが挙げられる(宮脇敦史編、実験医
学別冊ポストゲノム時代の実験講座3−GFP とバイオイ
ージング、羊土社 (2000年))。また、上記融合タグを特
異的に認識する抗体(モノクローナル抗体及びそのフラ
グメントを含む)を使用して検出を行うこともできる。
【0022】得られたタンパク質(ペプチドあるいはポ
リペプチドを包含していてよい)は、それを酵素免疫測
定法など知られた手法で、適当な担体あるいは固相に結
合せしめて固相化することができる。固相化タンパク
質、固相化ペプチドは、便利に結合アッセイや物質のス
クリーニングに使用できる。本発明に従えば、DNA 配列
は、例えばCD151とプロMMP-7及び関連タンパク質をコー
ドする哺乳動物、特に好ましくはヒトの、ゲノムDNA 及
びcDNAのスクリーニング及び両者の相関性検知のための
プローブの設計などに使用できる。該DNA 配列は、例え
ばCD151 あるいはプロMMP-7 及び関連タンパク質をコー
ドする哺乳動物、特に好ましくはマウス、ラットやヒト
の、ゲノムDNA 及びcDNAのスクリーニング及び両者の相
関性検知のためのプローブとして有用である。プローブ
は、必要に応じて、抗体に関連して挙げられている標識
を付与しておくことができる。遺伝子の単離にあたって
は、PCR 法、さらには逆転写酵素 (RT) を用いたPCR 法
(RT-PCR) を利用することが出来る。例えば、CD151と
プロMMP-7 の両者のmRNAのヒト組織中での発現を各種の
組織由来poly (A)+ RNA に対するノーザンブロット分析
により検討することができる。所定のcDNAをプローブと
して用いれば、例えばノーザン・ブロティング、サザン
・ブロティング、in situ ハイブリダイゼーションなど
によりヒト組織中でのCD151とプロMMP-7 のmRNAの共発
現や両遺伝子自体の制御系などを検出・測定でき、ヒト
組織における細胞の移動能の獲得、細胞の移動の制御、
及び組織マトリックスや骨の改変を含む、多くの正常な
細胞のプロセスに関与する、CD151とプロMMP-7 との間
の相互作用における役割、がんの浸潤・転移、軟骨破壊
に起因する疾患又は変形性関節症のような多くの疾患な
どの研究の発展に貢献できる。CD151とプロMMP-7 の両
者に関連した疾患の遺伝子診断にも利用できる。そうし
た診断は、当該タンパク質及び関連タンパク質をコード
する核酸の異常、例えば損傷、突然変異、発現低下、発
現過多などを診断するものであることができる。
【0023】本発明に従えば、CD151とプロMMP-7 との
間の相互作用に関連する遺伝子診断法(検出方法)が提
供できる。該遺伝子診断法では、(a) 核酸試料を得る工
程、(b) 工程(a) にて得られた核酸試料を、例えばPCR
法、RNA ポリメラーゼを利用した核酸増幅法、鎖置換増
幅法などで遺伝子増幅し、例えば該CD151 のC末端の細
胞外ループ領域に存在しうる変異部位などを含む領域が
増幅された核酸断片を得る工程、及び(c) 工程(b) の核
酸断片について変異の存在を調べる工程を含む態様が挙
げられる。増幅の対象となる、変異部位を含む領域とし
ては、CD151 のC末端の細胞外ループ領域あるいはプロM
MP-7のプロペプタイド領域遺伝子の塩基配列のうち、疾
患の原因となる変異を含んでいる領域であれば特に限定
されない。上記工程(c) においては、当該分野で当業者
に知られている変異の存在に検出方法の中から適切な方
法を選んでそれを適用でき、特には限定されないが、例
えばASPCR (allele-specific PCR) 法により得られたDN
A 断片長を調べることにより検出することができる。DN
A 断片長を調べる方法は、特に限定されるものではない
が、例えば螢光DNA シークエンサーなどを使用して行う
ことができる。本工程で使用される変異検出法として
は、例えば制限酵素断片長多型 (restrictionfragment
length polymorphism: RFLP) を検出して調べる方法な
どが挙げられる。また、変異の検出には、例えば変異部
位を含む適当なDNA 片をプローブに用いるハイブリダイ
ゼーション法や、SSCP法(単鎖高次構造多型)のような
公知の変異検出法を使用してよい。本発明の遺伝子診断
に従い、CD151とプロMMP-7 との間の相互作用に関係し
た遺伝子診断が可能であり、例えばがん、アレルギーな
どへの罹患抵抗性・感受性決定の一素因と考えられる遺
伝子及びその制御機構を含めて所定遺伝子の発現や多型
などを遺伝子診断し、さらに、当該診断結果に基づき関
連疾患罹病へのリスクを下げるような遺伝子治療を行う
ことが可能となる。さらに、本明細書中で開示したCD15
1とプロMMP-7 との間の相互作用を解析するため、CD151
やプロMMP-7 及びそれに関連したタンパク質、そのフラ
グメント、さらにはDNA を含めた核酸(mRNA やオリゴヌ
クレオチドを含む) は、それらを単独あるいは有機的に
使用し、更には以下で説明する技術(アンチセンス法、
モノクローナル抗体を含めた抗体、トランスジェニク動
物など)とも適宜組合わせて、ゲノミックス及びプロテ
オミックス技術に応用できる。例えば、CD151変異体あ
るいはプロMMP-7 のプロペプタイド領域などは、ドミナ
ントネガティブ効果を利用した機能解析にも利用可能で
ある。また、二本鎖RNA (dsRNA) を使用してのRNAi (RN
A interference) 技術への応用の途もある。かくして、
一塩基多型(SNP; single nucleotide polymorphisms)を
中心とした遺伝子多型解析、核酸アレイ、タンパク質ア
レイを使用した遺伝子発現解析、遺伝子機能解析、タン
パク質間相互作用解析、関連疾患解析、疾患治療薬解析
をすることが可能となる。例えば、核酸アレイ技術で
は、cDNAライブラリーを使用したり、PCR 技術で得たDN
Aを基板上にスポッティング装置で高密度に配置して、
ハイブリダイゼーションを利用して試料の解析が行われ
る。該アレイ化は、針あるいはピンを使用して、あるい
はインクジェトプリンティング技術などでもって、スラ
イドガラス、シリコン板、プラスチックプレートなどの
基板のそれぞれ固有の位置にDNA が付着せしめられるこ
とによりそれを実施することができる。該核酸アレイ上
でのハイブリダイゼーションの結果得られるシグナルを
観察してデータを取得する。該シグナルは、螢光色素な
どの標識(例えば、Cy3, Cy5, BODIPY, FITC, Alexa Fl
uor dyes(商品名), Texas red(商品名) など) より得
られるものであってよい。検知にはレーザースキャナー
などを利用することもでき、得られたデータは適当なア
ルゴリズムに従ったプログラムを備えたコンピューター
システムで処理されてよい。また、タンパク質アレイ技
術では、タグを付された組換え発現タンパク質産物を利
用してよく、二次元電気泳動(2-DE)、酵素消化フラグメ
ントを含めての質量分析 (MS)(これにはエレクトロスプ
レーイオン化法(electrospray ionization: ESI), マト
リックス支援レーザー脱離イオン化法(matrix-assisted
laser desorption/ionization: MALDI)などの技術が含
まれ、MALDI-TOF 分析計、ESI-3 連四重極分析計、ESI-
イオントラップ分析計などを使用してよい) 、染色技
術、同位体標識及び解析、画像処理技術などが利用され
ることができる。したがって、本発明には上記で得られ
るあるいは利用できる所定の物質に関連したソフトウエ
ア、データベースなども含まれてよい。
【0024】得られたDNA (例えば、CD151 をコードす
るDNA)を対象動物に転移させるにあたっては、それをDN
A 断片としてあるいは該DNA を動物細胞で発現させうる
プロモーターの下流に結合して用いるのが一般に有利で
ある。たとえば、マウスにCD151 DNA を導入する場合、
これと相同性が高い動物由来のCD151 DNA を動物細胞で
発現させうる各種プロモーターの下流に結合した遺伝子
コンストラクトを、対象動物の受精卵、たとえばマウス
受精卵へマイクロインジェクションすることによってCD
151 を高産生する遺伝子導入(トランスジェニック)マ
ウスを作出できる。マウスとしては、特に純系のマウス
に限定されないが、例えば、C57BL/6 、Balb/C、C3H 、
(C57BL/6×DBA/2)F1(BDF1)などが挙げられる。このプロ
モーターとしては、例えばウイルス由来プロモーター、
メタロチオネインなどのユビキタスな発現プロモーター
などが好ましく使用しうる。また該DNA を導入する場
合、組換えレトロウイルスに組み換えて、それを用いて
行うこともできる。好適には対象DNA を導入されたマウ
ス受精卵は、例えば、ICR のような仮親のマウスを使用
して生育せしめることができる。受精卵細胞段階におけ
る当該DNA (例えば、CD151 をコードするDNA)の転移
は、対象動物の胚芽細胞及び体細胞の全てに存在するよ
うに確保される。DNA 転移後の作出動物の胚芽細胞にお
いて当該DNA 、例えば、CD151 をコードするDNA が存在
することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞及び体
細胞の全てに該CD151 をコードするDNA を有することを
意味する。遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はそ
の胚芽細胞及び体細胞の全てにおいて、該CD151 を発現
できる可能性を有している。
【0025】該CD151 DNA 導入動物は、交配により遺伝
子を安定に保持することを確認して、該DNA 保有動物と
して通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。さ
らに、目的DNA を保有する雌雄の動物を交配することに
より、導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホモザイゴ
ート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによ
りすべての子孫が該DNA を有するように繁殖継代するこ
とができる。該DNA が導入された動物は、該所定タンパ
ク質が高発現させられているので、該所定タンパク質に
対する阻害剤(インヒビター)のスクリーニング用の動
物などとして有用である。またCD151 遺伝子の発現を阻
害することのできるアンチセンス オリゴヌクレオチ
ド、例えば、アンチセンスDNA などのスクリーニング用
の動物などとして有用である。この遺伝子導入動物を、
組織培養のための細胞源として使用することもできる。
こうした手法で、CD151 遺伝子とプロMMP-7 遺伝子とを
共発現するものを得ることができる。例えば、遺伝子導
入マウスの組織中のDNA もしくはRNA を直接分析するか
あるいは遺伝子により発現されたタンパク質・組織を分
析することにより、CD151 とプロMMP-7 との間の相互作
用に関連したタンパク質について分析することができ
る。該CD151 とプロMMP-7 との両者を産生する組織の細
胞を標準組織培養技術により培養し、これらを使用し
て、たとえば脳、胸腺、血管内皮細胞などの血管細胞、
血液細胞、精巣、脳、腸、腎臓やその他の組織由来の細
胞についてその機能を研究することができる。また、そ
の細胞を用いることにより、たとえば各種組織の機能を
高めるような医薬開発に資することも可能である。トラ
ンスジェニック マウスなどに関連した技術は、例え
ば、Brinster, R. L., etal.,; Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 82: 4438, 1985; Costantini, F. & Jaenisch,
R. (eds): Genetic manipulation of the early mamma
lian embryo, ColdSpring Harbor Laboratory, 1985な
どの文献に記載の方法あるいはそこに引用された文献に
記載の方法、さらにはそれらの改変法により行うことが
できる。
【0026】当該問題の遺伝子(例えば、CD151 に相当
するマウスCD151 をコードするDNA並びにプロMMP-7 に
相当するマウスプロMMP-7 をコードするDNA)に変異をも
ち、マウスCD151 並びにマウスプロMMP-7 を全く発現し
ない変異マウス(ノックアウトマウス)を作出すること
ができる。たとえば、該遺伝子の翻訳開始コドンの前後
4kb を含むおよそ8kb のゲノムDNA の中央近傍に位置し
翻訳開始コドンに近いエクソンにneo 耐性遺伝子-polyA
付加シグナルからなる遺伝子カセットを挿入した変異遺
伝子を持つターゲティングベクターを構築することがで
きる。挿入する遺伝子カセットはneo 耐性遺伝子カセッ
ト以外にDT-Aカセット、tkカセット、lacZカセットなど
が挙げられる。ターゲティングベクターを直鎖状に開
き、樹立したマウス胚性幹細胞(embryonic stem cell
s: ES細胞)にエレクトロポレーションで導入、さらに
培養してneo 耐性を獲得したES細胞を選別する。ES細胞
は129、C57BL/6 、F1(C57BL/6×CBA)マウスなどのマウ
ス系統から選択して調製することができる。neo 耐性を
獲得したES細胞は、例えば、マウスCD151 遺伝子領域に
おいて遺伝子カセットを挿入したターゲティングベクタ
ーと相同組換えを起こしていると想定され、少なくとも
マウスCD151 遺伝子アレルのうち一つはそして少なくと
もマウスプロMMP-7 遺伝子アレルのうち一つは破壊さ
れ、マウスCD151 並びにマウスプロMMP-7 を正常に発現
できなくなる。選別には挿入した遺伝子カセットにより
それぞれ適当な方法が選択され、また、変異の導入はPC
R 、サザンハイブリダイゼーションあるいはノーザンハ
イブリダイゼーションなどの方法を用いて確認すること
ができる。
【0027】変異を導入したES細胞は、C57BL/6 、BALB
/c、ICR マウスなどから取り出した8細胞期胚に注入、
1日培養し胚盤胞に発生したものをICR のような仮親に
移植することで個体まで生育させることができる。生ま
れる仔マウスは変異をもつES細胞と正常な宿主胚に由来
するキメラマウスで、ES細胞に由来する細胞がどの程度
含まれるかは個体の毛色で判断する。従って、ES細胞と
宿主胚は毛色の異なった系統の組合わせが望ましい。得
られたキメラマウスの変異はヘテロであり、これらを適
宜交配することでホモ変異マウスを得ることができる。
このようにして得られたホモ変異マウスは生殖細胞及び
体細胞の全てにおいて、マウスCD151 及びマウスプロMM
P-7 遺伝子のみが破壊され、マウスCD151 及びマウスプ
ロMMP-7の両者を全く発現せず、繁殖継代される子孫も
また同様の表現系をもつ。このノックアウトマウスは正
常マウスとの比較において、発生、成長、生殖、老化及
び死など個体のライフサイクルにおけるCD151とプロMMP
-7の相互作用の役割や各臓器、組織におけるCD151とプ
ロMMP-7の機能を解析するのに有用である。また、CD151
とプロMMP-7との間の相互作用に関連した医薬品開発に
も応用できる。ノックアウトマウスはこれらモデル動物
としてだけではなく、組織培養のための細胞源として使
用することもでき、細胞レベルでのCD151 とプロMMP-7
の機能解析などに供することができる。ノックアウトマ
ウスなどに関連した技術は、例えば、Mansour, S. L.,
et al.,; Nature, 336: 348-352, 1988; Joyner, A.L.,
ed.; Gene targeting, IRL Press, 1993; 相沢慎一,
ジーンターゲティングES細胞を用いた変異マウスの作
成,羊土社,1995などの文献に記載の方法あるいはそこ
に引用された文献に記載の方法、さらにはそれらの改変
法により行うことができる。
【0028】本発明に従えば、CD151 の発現を調節、例
えばアップレギュレート(up regulate) することで、例
えばMMP-7 活性を高めるなどの調整を図ることが可能で
ある。CD151 の発現を阻害するあるいは、CD151 の発現
を阻害している因子を阻害することのできるアンチセン
ス・オリゴヌクレオチド(核酸)を、クローン化したあ
るいは決定されたDNA の塩基配列情報に基づき設計し、
合成しうる。そうしたオリゴヌクレオチド(核酸)は、
所定の遺伝子のmRNAとハイブリダイズすることができ、
該mRNAの機能を阻害することができるか、あるいは所定
の遺伝子関連mRNAとの相互作用などを介して当該遺伝子
の発現を調節・制御することができる。また、当該遺伝
子の発現を制御する配列とハイブリダイズすることがで
き、その機能を阻害することができ、その結果、問題の
遺伝子の発現の抑制を解除することも可能となる。問題
の遺伝子あるいはその関連遺伝子の選択された配列に相
補的なオリゴヌクレオチド、及び当該遺伝子と特異的に
ハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチド
は、生体内及び生体外で例えばCD151 遺伝子の発現を調
節・制御するのに有用であり、またそれに関連した病気
などの治療又は診断に有用である。オリゴヌクレオチド
として選択される配列は、問題の遺伝子あるいはその関
連遺伝子に対応するものが好適に使用される。用語「対
応する」とは、遺伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列
又は核酸の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的
であることを意味する。ヌクレオチド、塩基配列又は核
酸とペプチド(タンパク質)との間で「対応する」と
は、ヌクレオチド(核酸)の配列又はその相補体から誘
導される指令にあるペプチド(タンパク質)のアミノ酸
を通常指している。当該遺伝子の5'端ヘアピンループ、
5'端6-ベースペア・リピート、5'端非翻訳領域、ポリペ
プチド翻訳開始コドン、タンパク質コード領域、ORF翻
訳開始コドン、3'端非翻訳領域、3'端パリンドローム領
域、及び3'端ヘアピンループは、好ましい対象領域とし
て選択しうるが、当該遺伝子内の如何なる領域も対象と
して選択しうる。
【0029】目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に
相補的なオリゴヌクレオチドとの関係は、対象物とハイ
ブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドとの関
係を意味し、それは、「アンチセンス」であるというこ
とができる。アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、2-
デオキシ-D-リボースを含有しているポリデオキシヌク
レオチド、D-リボースを含有しているポリデオキシヌク
レオチド、プリン又はピリミジン塩基のN-グリコシドで
あるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌ
クレオチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市
販のタンパク質核酸及び合成配列特異的な核酸ポリマ
ー)又は特殊な結合を含有するその他のポリマー(但
し、該ポリマーはDNA やRNA 中に見出されるような塩基
のペアリングや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレ
オチドを含有する)などが挙げられる。それらは、2本
鎖DNA,1本鎖DNA,2本鎖RNA,1本鎖RNA,さらにDNA:RNA
ハイブリッドであることができ、さらに非修飾ポリヌク
レオチド又は非修飾オリゴヌクレオチド、さらには公知
の修飾の付加されたもの、例えば当該分野で知られた標
識のあるもの、キャップの付いたもの、メチル化された
もの、1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換し
たもの、分子内ヌクレオチド修飾のされたもの、例えば
非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリ
エステル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)を
持つもの、電荷を有する結合又は硫黄含有結合(例え
ば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)
を持つもの、例えばタンパク質(ヌクレアーゼ、ヌクレ
アーゼ・インヒビター、トキシン、抗体、シグナルペプ
チド、ポリ-L- リジンなど)や糖(例えば、モノサッカ
ライドなど)などの側鎖基を有しているもの、インター
カレント化合物(例えば、アクリジン、プソラレンな
ど)を持つもの、キレート化合物(例えば、金属、放射
活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金属など)を含有す
るもの、アルキル化剤を含有するもの、修飾された結合
を持つもの(例えば、αアノマー型の核酸など)であっ
てもよい。ここで「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」
及び「核酸」とは、公知のプリン及びピリミジン塩基を
含有するのみでなく、修飾されたその他の複素環型塩基
をもつようなものを含んでいて良い。こうした修飾物
は、メチル化されたプリン及びピリミジン、アシル化さ
れたプリン及びピリミジン、あるいはその他の複素環を
含むものであってよい。修飾されたヌクレオシド及び修
飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよ
く、例えば1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基
などで置換されていたり、あるいはエーテル、アミンな
どの官能基に変換されていてよい。
【0030】本発明のアンチセンス核酸は、RNA 、DNA
、あるいは修飾された核酸である。修飾された核酸の
具体例としては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘
導体、そしてポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオ
シドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それ
に限定されるものではない。本発明のアンチセンス核酸
は次のような方針で好ましく設計されうる。すなわち、
細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、
アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とす
るセンス鎖に対する親和性をより大きなものにする、そ
してもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより
小さなものにする。こうした修飾は当該分野で数多く知
られており、例えばJ. Kawakami et al.,Pharm Tech Ja
pan, 8: 247, 1992; 8: 395, 1992; S. T. Crooke et a
l. ed.,Antisense Research and Applications, CRC Pr
ess, 1993などに開示がある。本発明のアンチセンス核
酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、塩基、結合
を含有していて良く、リポゾーム、ミクロスフェアのよ
うな特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療により適用
されたり、付加された形態で与えられることができう
る。こうした付加形態で用いられるものとしては、リン
酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジンのよう
なポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高めたり、核
酸の取込みを増大せしめるような脂質(例えば、ホスホ
リピッド、コレステロールなど)といった疎水性のもの
が挙げられる。付加するに好ましい脂質としては、コレ
ステロールやその誘導体(例えば、コレステリルクロロ
ホルメート、コール酸など)が挙げられる。こうしたも
のは、核酸の3'端あるいは5'端に付着させることがで
き、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着さ
せることができうる。その他の基としては、核酸の3'端
あるいは5'端に特異的に配置されたキャップ用の基で、
エキソヌクレアーゼ、RNase などのヌクレアーゼによる
分解を阻止するためのものが挙げられる。こうしたキャ
ップ用の基としては、ポリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコールなどのグリコールをはじめとした当
該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、それ
に限定されるものではない。アンチセンス核酸の阻害活
性などの調節活性は、本発明の形質転換体、本発明の生
体内や生体外の遺伝子発現系、あるいはCD151 とプロMM
P-7 に関する生体内や生体外の翻訳系を用いて調べるこ
とができる。該核酸それ自体公知の各種の方法で細胞に
適用できる。
【0031】こうして典型的には本発明の目的は、CD15
1とプロMMP-7との相互作用を効率てきに検知・分析・定
量したり、その相互作用に影響を与える因子・化合物な
どの物質を測定できる系、被検試料中のそれらの物質な
どを検知・分別定量する優れた方法及びその為の試薬キ
ットを提供することにある。本発明はこうした試薬キッ
トのうちの各試薬をすべてその実施態様のうちに含むと
理解される。さらに本発明の目的は、上記方法を用いて
CD151とプロMMP-7との相互作用を検知・分別定量するこ
とにより、細胞内タンパク質代謝、ホルモン前駆体の活
性化、及び組織マトリックスあるいは骨の改変など、多
くの正常な細胞のプロセスに関与するその相互作用の役
割、アレルギー疾患、炎症性疾患、神経変性疾患及びが
んの浸潤・転移、軟骨破壊に起因する疾患又は変形性関
節症のような多くの疾患などをモニターし得る方法並び
に試薬あるいは診断剤を提供することにある。したがっ
て、医学的・生理学的分野における上記試薬の各種利
用、CD151とプロMMP-7との相互作用に起因する応答・症
状・疾患の研究・解析・測定、診断、予防、治療などの
目的で上記試薬を使用することは、すべて本発明のその
実施態様のうちに含まれると理解される。
【0032】本発明では、例えばCD151とプロMMP-7との
両者を含有しているスクリーニング試薬(プロMMP-7とC
D151を共発現している細胞あるいはその細胞ホモジュネ
ートなど)を使用して、CD151とプロMMP-7との間の相互
作用(結合を含む)により生ずる、生物学的活性などの
機能(例えば、プロMMP-7の活性化、プロMMP-7とCD151
との結合を抑制あるいは阻害する活性など)を促進する
化合物(アゴニスト)や阻害する化合物(アンタゴニス
ト)又はそれらの塩をスクリーニングすることができ、
それは試薬として有用である。また、本発明では、例え
ばCD151とプロMMP-7との両者を含有しているスクリーニ
ング試薬(プロMMP-7とCD151を共発現している細胞ある
いはその細胞ホモジュネートなど)を使用して、CD151
とプロMMP-7との間の相互作用(結合を含む)による生
物学的活性などの機能を促進する化合物(アゴニスト)
や阻害する化合物(アンタゴニスト)又はそれらの塩の
スクリーニング方法も提供される。該CD151とプロMMP-7
との間の相互作用による生物学的活性などの機能(例え
ば、CD151とプロMMP-7との結合を抑制あるいは阻害する
活性など)を促進する化合物(アゴニスト、あるいは促
進剤)又はその塩は、例えばMMP-7機能不全症状などの
各種の疾病の治療及び/又は予防剤として有用な医薬と
して使用できる。一方、該CD151とプロMMP-7との間の相
互作用による生物学的活性などの機能(例えば、プロMM
P-7活性化など)を阻害する化合物(アンタゴニスト、
あるいは阻害剤)又はその塩は、過MMP-7機能症、CD151
とプロMMP-7との間の相互作用に起因した疾患や病気、
がん、軟骨に関わる疾患、変形性関節症などの各種の疾
病の治療及び/又は予防剤などの医薬として使用でき
る。該スクリーニングでは、例えば(i) CD151とプロMMP
-7との共存下(該タンパク質を発現する形質転換体を含
んでいてもよい、以下同様)などにMMP-7などの基質を
接触させた場合と、(ii)CD151とプロMMP-7との共存下に
基質及び試験試料を接触させた場合との比較を行う。具
体的には、上記スクリーニングでは、当該生物学的活性
(例えば、CD151とプロMMP-7との相互作用に関連した活
性など)を測定して、比較する。また、該スクリーニン
グは、細胞膜上のCD151存在下にそれを行ってよい。基
質としては、典型的には活性型MMP-7などの基質となる
ことのできるものであれば何れのものであってよい。例
えば、CD151とプロMMP-7との相互作用を測定する目的で
使用されるものの中から選んで用いることができるが、
好ましくは合成された基質などを使用できる。基質は、
そのまま使用できるが、好ましくはフルオレッセインな
どの蛍光、酵素や放射性物質で標識したものを使用でき
る。
【0033】試験試料としては、例えばタンパク質、ペ
プチド、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、植物抽出物、動物などの組織抽出物、細胞抽出物な
どが挙げられる。試験試料に使用される試験化合物の例
には、好ましくは抗CD151抗体、抗MMP-7抗体、CD151と
プロMMP-7との結合阻害剤、MMPsインヒビター活性を有
する化合物、特には合成化合物などを含んでいてよい。
これら化合物は、新規な化合物であってもよいし、公知
の化合物であってもよい。該スクリーニングは、通常の
結合活性の測定法に準じて実施することができ、例えば
当該分野で公知の方法などを参考にして行うことができ
る。また、各種標識、緩衝液系その他適当な試薬などを
使用したり、そこで説明した操作などに準じて行うこと
ができる。測定は通常トリス塩酸緩衝液、リン酸塩緩衝
液などの反応に悪影響を与えないような緩衝液などの中
で、例えば、pH約4〜約10 (好ましくは、pH約6〜約
8)において行うことができる。これら個々のスクリー
ニングにあたっては、それぞれの方法における通常の条
件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて、本発
明のCD151とプロMMP-7との間の相互作用あるいはそれと
実質的に同等な活性を有する系に関連した測定系を構築
すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細について
は、総説、成書などを参照することができる〔例えば、
Methods in Enzymology, Academic Press 社 (USA)発
行) など参照〕。本発明のスクリーニング方法又はスク
リーニングキットを用いて得られる化合物又はその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパク
質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などから選ばれ
た化合物であり、本発明のCD151とプロMMP-7との間の相
互作用に関連するタンパク質などの機能を促進あるいは
阻害する化合物である。該化合物の塩としては、例え
ば、薬学的に許容される塩などが挙げられる。例えば、
無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機
酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げ
られる。
【0034】本発明の一つの態様では、活性化合物及び
活性ペプチド(本発明の活性成分)は、プロMMP-7のプ
ロペプタイド領域あるいはCD151のC末端の細胞外ループ
領域を構成する連続したアミノ酸配列から選択された連
続したアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペ
プチド及びその誘導体から成る群から選ばれたもの、例
えば配列: Leu Pro Leu Pro Gln Glu Ala Gly Gly Met Ser Glu Leu Gln Trp Glu Gln Ala Gln Asp Tyr Leu Lys Arg Phe Tyr Leu Tyr Asp Ser Glu Thr Lys Asn Ala Asn Ser Leu Glu Ala Lys Leu Lys Glu Met Gln Lys Phe Phe Gly Leu Pro Ile Thr Gly Met Leu Asn Ser Arg Val Ile Glu Ile Met Gln Lys Pro Arg Cys Gly Val Pro Asp Val Ala Glu Tyr Ser Leu Phe Pro Asn Ser Pro Lys Trp Thr Ser 〔配列表の配
列番号:1〕を構成する連続したアミノ酸配列から選択さ
れた2〜89個の連続したアミノ酸配列、好ましくは2〜
80個、2〜60個、2〜50個、2〜40個、2〜30個、2〜
20個、2〜10個及び2〜5個から成る群から選ばれたも
のに相当するアミノ酸配列を有するペプチド及びその誘
導体又はその塩、及び配列: Ala Tyr Tyr Gln Gln Leu Asn Thr Glu Leu Lys Glu Asn Leu Lys Asp Thr Met Thr Lys Arg Tyr His Gln Pro Gly His Glu Ala Val Thr Ser Ala Val Asp Gln Leu Gln Gln Glu Phe His Cys Cys Gly Ser Asn Asn Ser Gln Asp Trp Arg Asp Ser Glu Trp Ile Arg Ser Gln Glu Ala Gly Gly Arg Val Val Pro Asp Ser Cys Cys Lys Thr Val Val Ala Leu Cys Gly Gln Arg Asp His Ala Ser Asn Ile Tyr Lys Val Glu Gly Gly Cys Ile Thr Lys Leu Glu Thr Phe Ile Gln Glu His Leu Arg 〔配列表の配列番号:20 〕を構成する連続したアミノ酸
配列から選択された2〜109 個の連続したアミノ酸配
列、好ましくは2〜90個、2〜80個、2〜60個、2〜50
個、2〜40個、2〜30個、2〜20個、2〜10個及び2〜
5個から成る群から選ばれたものに相当するアミノ酸配
列を有するペプチド及びその誘導体又はその塩から成る
群から選ばれたものを含んでいてよい。該ペプチドは、
ペプチド模擬物、合成ペプチド、又はペプチド類縁体で
あり得る。該ペプチドは、天然には見出されない旋光性
を有する非天然ペプチド、すなわちD-アミノ酸(D-amino
acid)又はL-アミノ酸(L-amino acid)であることもでき
る。該アミノ酸は、ペプチドの半減期が増加するよう
に、又はペプチドの効力が増大するように、又は生物利
用度が増大するように改変された合成アミノ酸によって
置換されていてもよい。「ペプチド」及び「ポリペプチ
ド」という用語は、本明細書を通じて、互換的に使用す
る。該ペプチドは、CD151のプロMMP-7 結合部位やプロM
MP-7のCD151結合部位を模擬するのに必要なアミノ酸領
域を保持したものが挙げられる。該ペプチドは、天然の
ペプチドの誘導体、修飾ペプチド、標識ペプチド、非天
然ペプチドを含むペプチドであってもよい。前記ペプチ
ド模擬物は、プロMMP-7とCD151 との相互作用を阻害し
得る化合物を決定するためのスクリーニングを実施し、
ペプチド模擬物である様々な化合物を含む大規模なライ
ブラリーをスクリーニングすることによって同定するこ
とができる。
【0035】本発明のペプチド又はポリペプチドは、天
然型 (native)CD151及びプロMMP-7の当該部位(プロMMP
-7のプロペプタイド領域、例えば配列番号:1あるいはCD
151のC末端の細胞外ループ領域、例えば配列番号:20)の
配列に変化を有していてもよい。本発明のペプチドは、
ペプチドの機能にマイナス方向の影響を与えず、ペプチ
ド機能をプラス方向に増加させることができるような変
更(例えば、ペプチドの効力を増加させる変更)を配列
中に含んでいることができる。該アミノ酸配列中のアミ
ノ酸の実質的に同等な置換体(変更)としては、そのア
ミノ酸が属するところのクラスのうちの他のアミノ酸類
から選ぶことができうる。例えば、非極性(疎水性)ア
ミノ酸としては、アラニン、フェニルアラニン、ロイシ
ン、イソロイシン、バリン、プロリン、トリプトファ
ン、メチオニンなどが挙げられ、極性(中性)として
は、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロ
シン、アスパラギン、グルタミンなどが挙げられ、陽電
荷をもつアミノ酸(塩基性アミノ酸)としては、アルギ
ニン、リジン、ヒスチジンなどが挙げられ、陰電荷をも
つアミノ酸(酸性アミノ酸)としては、アスパラギン
酸、グルタミン酸などが挙げられる。また、L-アラニン
をD-アラニンに置き換えたり、L-リジンをD-リジンに置
き換えたり、L-リジンをL-アルギニンに置き換えたり、
L-バリンをD-バリンに置き換えたりしたものであっても
よい。さらには、当業者に周知の化学的改変技術によっ
ても、上記のペプチドはそれが改変(修飾)できること
は理解されよう。該ペプチドに加えられる改変(修飾)
については、多くの形態のものが知られており、それら
は当該分野の基礎的な参考書及びさらに詳細な論文並び
に多数の研究文献にも詳しく記載されており、これらは
当業者に周知である。幾つかのとりわけ常套的な改変・
修飾としては、例えばグリコシル化、脂質結合、硫酸
化、リン酸化、グルタミン酸残基のγ−カルボキシル
化、脱アミノ化、水酸化及びADP-リボシル化などが挙げ
られ、例えばT. E. Creighton, Proteins-Structure an
d Molecular Properties, Second Edition, W. H. Free
man and Company, New York, (1993); B.C.Johnson (E
d.), Posttranslational Covalent Modification of Pr
oteins, Academic Press, New York, (1983) (Wold,
F., "Posttranslational Protein Modifications: Pers
pective and Prospects", pp.1-12); Seifter et al.,
"Analysis for Protein Modifications and nonprotei
n cofactors", Meth. Enzymol., 182: 626-646, 1990;
Rattan et al., "Protein Synthesis: Posttranslation
al Modification and Aging", Ann. N. Y. Acad. Sci.,
663: 48-62, 1992 などの記載を参照できる。
【0036】本発明のペプチドは、化学的な手法でその
含有されるアミノ酸残基を修飾することもできるし、ペ
プチダーゼ、例えばペプシン、キモトリプシン、パパイ
ン、ブロメライン、エンドペプチダーゼ、エキソペプチ
ダーゼなどの酵素を用いて修飾したり、部分分解したり
してその誘導体などにすることができる。本発明のペプ
チドは、C 末端が通常カルボキシル基(-COOH) またはカ
ルボキシレート (-COO - ) であるが、C 末端がアミド(-
CONH2)またはエステル(-COOR) であってもよい。ここで
エステルにおけるR としては、例えば、メチル、エチ
ル、n-プロピル、イソプロピルもしくはn-ブチルなどの
C1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキ
シルなどのC3-8 シクロアルキル基、例えば、フェニ
ル、α−ナフチルなどのC6-12 アリール基、例えば、ベ
ンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基も
しくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル-C1-2
ルキル基などのC7-14 アラルキル基のほか、経口用エス
テルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが
用いられる。本発明のペプチドが C末端以外にカルボキ
シル基(またはカルボキシレート)を有している場合、
カルボキシル基がアミド化またはエステル化されている
ものも本発明のペプチドに含まれる。この場合のエステ
ルとしては、例えば上記したC 末端のエステルなどが用
いられる。
【0037】本発明の所定のペプチドは、天然に存在す
る形態に加えて、そのペプチドの機能と同等、又はより
強力な、又はよりプラスの機能を有するペプチド類縁体
のような他のポリペプチドも含む。該類縁体は、加水分
解に対してより安定なもの(それ故、天然のものよりも
顕著な、又は長期の効果を有し得る)又は一つ以上の潜
在的なO-グリコシル化及び/ 又はN-グリコシル化部位を
除去又は付加するように改変されたものが含まれる。本
発明のペプチドは、少なくとも一部分が天然でなくても
よいペプチド模擬化合物であってよい。ペプチド模擬化
合物は、当該アミノ酸配列の一部を模擬した小分子であ
ってよい。該化合物は、それを模擬するために、増加し
た安定性、効力、効果(potency) 、生物学的利用性を有
していてよい。さらに、該化合物は、減少した毒性を有
していてよい。該ペプチド模擬化合物は、増大した腸粘
膜透過性を有していてよい。該化合物は、合成的に調製
することができる。本発明の化合物には、L-、D-、DL-
、又は非天然アミノ酸、α,α-二置換アミノ酸、N-ア
ルキルアミノ酸、乳酸が含まれていてよい。該化合物の
ペプチド骨格は、PSI-[CH=CH] で置換された少なくとも
一つの結合を有してもよい。さらに、該化合物には、ト
リフルオロチロシン、p-Cl-フェニルアラニン、p-Br-フ
ェニルアラニン、ポリ-L-プロパルギルグリシン、ポリ-
D,L-アリルグリシン、あるいはポリ-L-アリルグリシン
が含まれていてよい。
【0038】また、該化合物は、プロMMP-7 の活性化、
MMP-7 の活性発現、CD151 の活性発現、さらにはCD151
とプロMMP-7との相互作用、さらにはそれらに起因した
生物学的活性を調整するペプチド模擬化合物であり、該
化合物は、適切な模擬体で置換された結合、ペプチド骨
格、又はアミノ酸成分を有する。適切なアミノ酸模擬物
であってよい非天然アミノ酸としては、例えばβ-アラ
ニン、L-α-アミノ酪酸、L-γ-アミノ酪酸、L-α-アミ
ノイソ酪酸、L-ε-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタ
ン酸、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸、N-ε-Boc-N
-α-CBZ-L-リジン、N-ε-Boc-N-α-Fmoc-L-リジン、L-
メチオニンスルフォン、L-ノルロイシン、L-ノルバリ
ン、N-α-Boc-N-δ-CBZ-L-オルニチン、N-δ-Boc-N-α-
CBZ-L-オルニチン、Boc-p-ニトロ-L-フェニルアラニ
ン、Boc-ヒドロキシプロリン、Boc-L-チオプロリンなど
が挙げられる。本明細書において、「実質的に同等」と
はペプチドの活性、例えば、阻害活性、生理的な活性、
生物学的な活性が実質的に同じであることを意味する。
さらにまた、その用語の意味の中には、実質的に同質の
活性を有する場合を包含していてよく、該実質的に同質
の活性としては、典型的にはCD151とプロMMP-7との間の
相互作用に対する活性、例えば、プロMMP-7 に対するプ
ロMMP-7-CD151 拮抗活性、CD151 に対するプロMMP-7-CD
151 拮抗活性、プロMMP-7-CD151 結合活性に対して抑制
あるいは阻害する活性などを挙げることができる。該実
質的に同質の活性とは、それらの活性が性質的に同質で
あることを示し、例えば、生理的に、薬理学的に、ある
いは生物学的に同質であることを示す。例えば、MMP-7
活性化を阻害する活性などの活性が、同等 (例えば、約
0.001〜約1000倍、好ましくは約0.01〜約100 倍、より
好ましくは約 0.1〜約20倍、さらに好ましくは約 0.5〜
約2倍) であることが好ましいが、これらの活性の程
度、量的な要素は異なっていてもよい。
【0039】本発明のペプチドの合成には、当該ペプチ
ド合成分野で知られた方法、例えば液相合成法、固相合
成法などの化学合成法を使用することができる。こうし
た方法では、例えばペプチド合成用樹脂を用い、適当に
保護したアミノ酸を、それ自体公知の各種縮合方法によ
り所望のアミノ酸配列に順次該樹脂上で結合させてい
く。縮合反応には、好ましくはそれ自体公知の各種活性
化試薬を用いるが、そうした試薬としては、例えばジシ
クロヘキシルカルボジイミドなどカルボジイミド類を好
ましく使用できる。生成物が保護基を有する場合には、
適宜保護基を除去することにより目的のものを得ること
ができる。本発明のペプチドは、それが遊離型のものと
して得られた場合には、それ自体公知の方法あるいはそ
れに準じた方法で塩に変換することができ、またそれら
は塩として得られた場合には、それ自体公知の方法ある
いはそれに準じた方法で遊離型のものあるいは他の塩に
変換することができる。本発明のペプチドの塩として
は、生理的に許容されるものあるいは医薬として許容さ
れるものが好ましいが、これらに限定されない。こうし
た塩としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、
リン酸などの無機酸との塩、例えば酢酸、ギ酸、マレイ
ン酸、フマール酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、リン
ゴ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸との塩などが挙
げられる。さらに該塩としては、アンモニウム塩、例え
ばエチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、
ヒドロキシエチルアミンなどの有機塩基との塩なども挙
げられる。
【0040】本明細書中、「抗体」との用語は、広義の
意味で使用されるものであってよく、CD151 あるいはプ
ロMMP-7 に対する抗体で、CD151とプロMMP-7との相互作
用を阻害する目的で使用されるもの、さらには所望のCD
151 のC末端の細胞外ループ領域のいずれかあるいはプ
ロMMP-7のプロペプタイド領域のいずれかに特異的な新
規な抗体などであってよいし、さらにCD151 C末端の細
胞外ループ領域ポリペプチドあるいはプロMMP-7のプロ
ペプタイド及び関連ペプチド断片に対するモノクローナ
ル抗体の単一のものやそこに含まれる各種エピトープに
対する特異性を持つ抗体組成物であってよく、また1価
抗体または多価抗体並びにポリクローナル抗体及びモノ
クローナル抗体を含むものであり、さらに天然型(intac
t)分子並びにそれらのフラグメント及び誘導体も表すも
のであり、F(ab')2, Fab' 及びFab といったフラグメン
トを包含し、さらに少なくとも二つの抗原又はエピトー
プ(epitope)結合部位を有するキメラ抗体若しくは雑種
抗体、又は、例えば、クワドローム(quadrome), トリオ
ーム(triome)などの二重特異性組換え抗体、種間雑種抗
体、抗イディオタイプ抗体、さらには化学的に修飾ある
いは加工などされてこれらの誘導体と考えられるもの、
公知の細胞融合又はハイブリドーマ技術や抗体工学を適
用したり、合成あるいは半合成技術を使用して得られた
抗体、抗体生成の観点から公知である従来技術を適用し
たり、DNA 組換え技術を用いて調製される抗体、本明細
書で記載し且つ定義する標的抗原物質あるいは標的エピ
トープに関して中和特性を有したりする抗体又は結合特
性を有する抗体を包含していてよい。特に好ましい本発
明の抗体は、天然型プロMMP-7のプロペプタイド領域あ
るいはCD151 のC末端の細胞外ループ領域のポリペプチ
ドを特異的に識別できるものであり、例えば、CD151と
プロMMP-7との相互作用に影響を与えるものあるいはCD1
51とプロMMP-7との結合を認識できるものである。抗体
は公知のものあるいは公知の技術に従って得られたもの
を本発明の思想に従って使用するものであってよい。抗
CD151 抗体としては、例えばAshman L.K. et al., Br.
J. Haematol., 79: 263-270, 1991 に記載のものあるい
はそこに記載の技術を利用して得られるものなどを挙げ
ることができる。また、抗MMP-7 抗体としては、例えば
特開平8-217800号公報に記載のものあるいはそこに記載
の技術を利用して得られるものなどを挙げることができ
る。
【0041】抗原物質に対して作製されるモノクローナ
ル抗体は、培養中の一連のセルラインにより抗体分子の
産生を提供することのできる任意の方法を用いて産生さ
れる。修飾語「モノクローナル」とは、実質上均質な抗
体の集団から得られているというその抗体の性格を示す
ものであって、何らかの特定の方法によりその抗体が産
生される必要があるとみなしてはならない。個々のモノ
クローナル抗体は、自然に生ずるかもしれない変異体が
僅かな量だけ存在しているかもしれないという以外は、
同一であるような抗体の集団を含んでいるものである。
モノクローナル抗体は、高い特異性を持ち、それは単一
の抗原性をもつサイトに対して向けられているものであ
る。異なった抗原決定基(エピトープ) に対して向けら
れた種々の抗体を典型的には含んでいる通常の(ポリク
ローナル)抗体調製物と対比すると、それぞれのモノク
ローナル抗体は当該抗原上の単一の抗原決定基に対して
向けられているものである。その特異性に加えて、モノ
クローナル抗体は、ハイブリドーマ培養により合成さ
れ、他のイムノグロブリン類の夾雑がないあるいは少な
い点でも優れている。モノクローナル抗体は、ハイブリ
ッド抗体及びリコンビナント抗体を含むものである。そ
れらは、所望の生物活性を示す限り、その由来やイムノ
グロブリンクラスやサブクラスの種別に関わりなく、可
変領域ドメインを定常領域ドメインで置き換えたり(例
えば、ヒト化抗体) 、あるいは軽鎖を重鎖で置き換えた
り、ある種の鎖を別の種の鎖でもって置き換えたり、あ
るいはヘテロジーニアスなタンパク質と融合せしめたり
して得ることができる(例えば、米国特許第4816567
号; Monoclonal Antibody Production Techniques and
Applications, pp.79-97, Marcel Dekker, Inc., New Y
ork, 1987 など) 。モノクローナル抗体を製造する好適
な方法の例には、ハイブリドーマ法 (G. Kohler and C.
Milstein, Nature, 256: 495-497, 1975); ヒトB細胞
ハイブリドーマ法 (Kozbor et al., Immunology Today,
4: 72-79, 1983; Kozbor, J. Immunol., 133: 3001, 1
984; Brodeur et al., Monoclonal Antibody Productio
n Techniques and Applications, pp.51-63, Marcel De
kker, Inc., New York (1987);トリオーマ法; EBV-ハイ
ブリドーマ法 (Cole et al., Monoclonal Antibodiesan
d Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp.77-96 (19
85))(ヒトモノクローナル抗体を産生するための方法);
米国特許第4946778 号 (単鎖抗体の産生のための技術)
が挙げられる他、抗体に関して以下の文献が挙げられ
る:
【0042】S. Biocca et al., EMBO J, 9: 101-108,
1990; R.E. Bird et al., Science, 242: 423-426, 198
8; M.A. Boss et al., Nucl. Acids Res., 12: 3791-38
06, 1984; J. Bukovsky et al., Hybridoma, 6: 219-22
8, 1987; M. DAINO et al., Anal. Biochem., 166: 223
-229, 1987; J.S. Huston et al., Proc. Natl. Acad.S
ci. USA, 85: 5879-5883, 1988; P.T. Jones et al., N
ature, 321: 522-525,1986; J.J. Langone et al. (e
d.), "Methods in Enzymology", Vol. 121 (Immunochem
ical Techniques, Part I: Hybridoma Technology and
Monoclonal Antibodies), Academic Press, New York
(1986); S. Morrison et al., Proc. Natl.Acad. Sci.
USA, 81: 6851-6855, 1984; V.T. Oi et al., BioTechn
iques, 4:214-221, 1986; L. Riechmann et al., Natur
e, 332: 323-327, 1988; A. Tramontano et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, 83: 6736-6740, 1986; C. Woo
d et al., Nature, 314: 446-449, 1985; Nature, 314:
452-454, 1985 あるいはそこで引用された文献(それ
らの中にある記載はそれを参照することにより本明細書
の開示に含められる) 。
【0043】本発明に係るモノクローナル抗体は、それ
らが所望の生物活性を示す限り、重鎖及び/又は軽鎖の
一部が特定の種から誘導される又は特定の抗体クラス若
しくはサブクラスに属する抗体の対応配列と同一又はホ
モローガスであるが、一方、鎖の残部は、別の種から誘
導される又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属す
る抗体の対応配列と同一又はホモローガスである、「キ
メラ」抗体(免疫グロブリン) を特に包含する(米国特
許第4816567 号明細書; Morrison et al., Proc. Natl.
Acad. Sci. USA, 81: 6851-6855, 1984) 。以下、モノ
クローナル抗体を例に挙げて、抗体の作製につき詳しく
説明する。本発明のモノクローナル抗体は、ミエローマ
細胞を用いての細胞融合技術を利用して得られたモノク
ローナル抗体であってよく、例えば次のような工程で作
製できる。 1.免疫原性抗原の調製 2.免疫原性抗原による動物の免疫 3.ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)の調製 4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合 5.ハイブリドーマ(融合細胞)の選択及びモノクロー
ン化 6.モノクローナル抗体の製造
【0044】1.免疫原性抗原の調製 抗原としては、上記で記載してあるように、CD151やプ
ロMMP-7 ポリペプチド又はそれから誘導された断片を用
いることもできるが、CD151 とプロMMP-7 間の決定され
た相互作用に関与する領域のアミノ酸配列情報を基に、
適当なオリゴペプチドを化学合成しそれを抗原として利
用することができる。代表的には配列表の配列番号:1の
領域あるいはCD151のC末端の細胞外ループ領域、例えば
配列表の配列番号:20 の領域に存在するアミノ酸残基の
うちの連続した少なくとも5個のアミノ酸を有するペプ
チドが挙げられる。抗原は、そのまま適当なアジュバン
トと混合して動物を免疫するのに使用できるが、免疫原
性コンジュゲートなどにしてもよい。例えば、免疫原と
して用いる抗原は、CD151やプロMMP-7 ポリペプチドを
断片化したもの、あるいはそのアミノ酸配列に基づき特
徴的な配列領域を選び、ポリペプチドをデザインして化
学合成して得られた合成ポリペプチド断片であってもよ
い。また、その断片を適当な縮合剤を介して種々の担体
タンパク質類と結合させてハプテン−タンパク質の如き
免疫原性コンジュゲートとし、これを用いて特定の配列
のみと反応できる(あるいは特定の配列のみを認識でき
る)モノクローナル抗体をデザインするのに用いること
もできる。デザインされるポリペプチドには予めシステ
イン残基などを付加し、免疫原性コンジュゲートの調製
を容易にできるようにしておくことができる。担体タン
パク質類と結合させるにあたっては、担体タンパク質類
はまず活性化されることができる。こうした活性化にあ
たり活性化結合基を導入することが挙げられる。活性化
結合基としては、(1) 活性化エステルあるいは活性化カ
ルボキシル基、例えばニトロフェニルエステル基、ペン
タフルオロフェニルエステル基、1-ベンゾトリアゾール
エステル基、N-スクシンイミドエステル基など、(2) 活
性化ジチオ基、例えば2-ピリジルジチオ基などが挙げら
れる。担体タンパク質類としては、キーホール・リンペ
ット・ヘモシアニン (KLH)、牛血清アルブミン (BSA)、
卵白アルブミン、グロブリン、ポリリジンなどのポリペ
プタイド、細菌菌体成分、例えばBCG などが挙げられ
る。
【0045】2.免疫原性抗原による動物の免疫 免疫は、当業者に知られた方法により行うことができ、
例えば村松繁、他編、実験生物学講座 14 、免疫生物
学、丸善株式会社、昭和60年、日本生化学会編、続生化
学実験講座5、免疫生化学研究法、東京化学同人、1986
年、日本生化学会編、新生化学実験講座 12 、分子免疫
学 III、抗原・抗体・補体、東京化学同人、1992年など
に記載の方法に準じて行うことができる。免疫化剤を
(必要に応じアジバントと共に)一回又はそれ以上の回
数哺乳動物に注射することにより免疫化される。代表的
には、該免疫化剤及び/又はアジバントを哺乳動物に複
数回皮下注射あるいは腹腔内注射することによりなされ
る。免疫化剤は、上記抗原ペプチドあるいはその関連ペ
プチド断片を含むものが挙げられる。免疫化剤は、免疫
処理される哺乳動物において免疫原性であることの知ら
れているタンパク質(例えば上記担体タンパク質類な
ど)とコンジュゲートを形成せしめて使用してもよい。
アジュバントとしては、例えばフロイント完全アジュバ
ント、リビ(Ribi)アジュバント、百日咳ワクチン、BCG
、リピッドA、リポソーム、水酸化アルミニウム、シ
リカなどが挙げられる。免疫は、例えばBALB/cなどのマ
ウス、ハムスター、その他の適当な動物を使用して行わ
れる。抗原の投与量は、例えばマウスに対して約1〜40
0 μg/動物で、一般には宿主動物の腹腔内や皮下に注
射し、以後1〜4週間おきに、好ましくは1〜2週間ご
とに腹腔内、皮下、静脈内あるいは筋肉内に追加免疫を
2〜10回程度反復して行う。免疫用のマウスとしてはBA
LB/c系マウスの他、BALB/c系マウスと他系マウスとのF1
マウスなどを用いることもできる。必要に応じ、抗体価
測定系を調製し、抗体価を測定して動物免疫の程度を確
認できる。本発明の抗体は、こうして得られ免疫された
動物から得られたものであってよく、例えば、抗血清、
ポリクローナル抗体などを包含する。
【0046】3.ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)の調製 細胞融合に使用される無限増殖可能株(腫瘍細胞株)と
しては免疫グロブリンを産生しない細胞株から選ぶこと
ができ、例えば P3-NS-1-Ag4-1 (NS-1, Eur.J. Immuno
l., 6: 511-519, 1976), SP-2/0-Ag14 (SP-2, Nature,
276: 269-270,1978)、マウスミエローマ MOPC-21セルラ
イン由来のP3-X63-Ag8-U1 (P3U1, Curr. topics Microb
iol. Immunol., 81: 1-7, 1978 )、P3-X63-Ag8 (X63, N
ature,256: 495-497, 1975), P3-X63-Ag8-653 (653, J.
Immunol., 123: 1548-1550,1979) などを用いることが
できる。8-アザグアニン耐性のマウスミエローマ細胞株
はダルベッコMEM 培地 (DMEM培地) 、RPMI-1640 培地な
どの細胞培地に、例えばペニシリン、アミカシンなどの
抗生物質、牛胎児血清(FCS) などを加え、さらに8−ア
ザグアニン(例えば5〜45μg/ml) を加えた培地で継代
されるが、細胞融合の2〜5日前に正常培地で継代して
所要数の細胞株を用意することができる。また使用細胞
株は、凍結保存株を約37℃で完全に解凍したのち RPMI-
1640培地などの正常培地で3回以上洗浄後、正常培地で
培養して所要数の細胞株を用意したものであってもよ
い。
【0047】4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細
胞融合 上記2.の工程に従い免疫された動物、例えばマウスは
最終免疫後、2〜5日後にその脾臓が摘出され、それか
ら脾細胞懸濁液を得る。脾細胞の他、生体各所のリンパ
節細胞を得て、それを細胞融合に使用することもでき
る。こうして得られた脾細胞懸濁液と上記3.の工程に
従い得られたミエローマ細胞株を、例えば最小必須培地
(MEM培地) 、DMEM培地、RPMI-1640 培地などの細胞培地
中に置き、細胞融合剤、例えばポリエチレングリコール
を添加する。細胞融合剤としては、この他各種当該分野
で知られたものを用いることができ、このようなものと
しては不活性化したセンダイウイルス(HVJ: Hemaggluti
nating Virus of Japan)なども挙げられる。好ましく
は、例えば30〜60%のポリエチレングリコールを 0.5〜
2ml加えることができ、分子量が 1,000〜8,000 のポリ
エチレングリコールを用いることができ、さらに分子量
が 1,000〜4,000 のポリエチレングリコールがより好ま
しく使用できる。融合培地中でのポリエチレングリコー
ルの濃度は、例えば30〜60%となるようにすることが好
ましい。必要に応じ、例えばジメチルスルホキシドなど
を少量加え、融合を促進することもできる。融合に使用
する脾細胞(リンパ球): ミエローマ細胞株の割合は、
例えば 1:1〜20:1とすることが挙げられるが、より好ま
しくは 4:1〜7:1 とすることができる。融合反応を1〜
10分間行い、次にRPMI-1640 培地などの細胞培地を加え
る。融合反応処理は複数回行うこともできる。融合反応
処理後、遠心などにより細胞を分離した後選択用培地に
移す。
【0048】5.ハイブリドーマ(融合細胞)の選択及
びモノクローン化 選択用培地としては、例えばヒポキサンチン、アミノプ
テリン及びチミジンを含む、FCS 含有MEM 培地、RPMI-1
640 培地などの培地、所謂 HAT培地が挙げられる。選択
培地交換の方法は、一般的には培養プレートに分注した
容量と等容量を翌日加え、その後1〜3日ごとに HAT培
地で半量ずつ交換するというように処理することができ
るが、適宜これに変更を加えて行うこともできる。また
融合後8〜16日目には、アミノプテリンを除いた、所謂
HT培地で1〜4日ごとに培地交換をすることができる。
フィーダーとして、例えばマウス胸腺細胞を使用するこ
ともでき、それが好ましい場合がある。ハイブリドーマ
の増殖のさかんな培養ウェルの培養上清を、例えば放射
免疫分析(RIA) 、酵素免疫分析(ELISA) 、蛍光免疫分析
(FIA) などの測定系、あるいは蛍光惹起細胞分離装置(F
ACS)などで、所定の断片ペプチドを抗原として用いた
り、あるいは標識抗マウス抗体を用いて目的抗体を測定
するなどして、スクリーニングしたりする。目的抗体を
産生しているハイブリドーマをクローニングする。クロ
ーニングは、寒天培地中でコロニーをピック・アップす
るか、あるいは限界希釈法によりなされうる。限界希釈
法でより好ましく行うことができる。クローニングは複
数回行うことが好ましい。
【0049】6.モノクローナル抗体の製造 得られたハイブリドーマ株は、FCS 含有MEM 培地、RPMI
-1640 培地などの適当な増殖用培地中で培養し、その培
地上清から所望のモノクローナル抗体を得ることが出来
る。大量の抗体を得るためには、ハイブリドーマを腹水
化することが挙げられる。この場合ミエローマ細胞由来
の動物と同系の組織適合性動物の腹腔内に各ハイブリド
ーマを移植し、増殖させるか、あるいは例えばヌード・
マウスなどに各ハイブリドーマを移植し、増殖させ、該
動物の腹水中に産生されたモノクローナル抗体を回収し
て得ることが出来る。動物はハイブリドーマの移植に先
立ち、プリスタン(2,6,10,14-テトラメチルペンタデカ
ン)などの鉱物油を腹腔内投与しておくことができ、そ
の処理後、ハイブリドーマを増殖させ、腹水を採取する
こともできる。腹水液はそのまま、あるいは従来公知の
方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿法などの塩析、セフ
ァデックスなどによるゲルろ過法、イオン交換クロマト
グラフィー法、電気泳動法、透析、限外ろ過法、アフィ
ニティ・クロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラ
フィー法などにより精製してモノクローナル抗体として
用いることができる。好ましくは、モノクローナル抗体
を含有する腹水は、硫安分画した後、DEAE−セファロー
スの如き、陰イオン交換ゲル及びプロテインAカラムの
如きアフィニティ・カラムなどで処理し精製分離処理で
きる。特に好ましくは抗原又は抗原断片(例えば合成ペ
プチド、組換え抗原タンパク質あるいはペプチド、抗体
が特異的に認識する部位など)を固定化したアフィニテ
ィ・クロマトグラフィー、プロテインAを固定化したア
フィニティ・クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイ
ト・クロマトグラフィーなどが挙げられる。
【0050】また、トランスジェニックマウス又はその
他の生物、例えば、その他の哺乳動物は、本発明の免疫
原ポリペプチド産物に対するヒト化抗体などの抗体を発
現するのに用いることができる。またこうして大量に得
られた抗体の配列を決定したり、ハイブリドーマ株から
得られた抗体をコードする核酸配列を利用して、遺伝子
組換え技術により抗体を作製することも可能である。当
該モノクローナル抗体をコードする核酸は、例えばマウ
ス抗体の重鎖や軽鎖をコードしている遺伝子に特異的に
結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用するなど
の慣用の手法で単離し配列決定することができる。一旦
単離されたDNA は、上記したようにして発現ベクターに
入れ、CHO,COSなどの宿主細胞に入れることができる。
該DNA は、例えばホモジーニアスなマウスの配列に代え
て、ヒトの重鎖や軽鎖の定常領域ドメインをコードする
配列に置換するなどして修飾することが可能である (Mo
rrison et al., Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 81: 658
1, 1984)。かくして所望の結合特異性を有するキメラ抗
体やハイブリッド抗体も調製することが可能である。ま
た、抗体は、下記するような縮合剤を用いることを含め
た化学的なタンパク合成技術を適用して、キメラ抗体や
ハイブリッド抗体を調製するなどの修飾をすることも可
能である。ヒト化抗体は、当該分野で知られた技術によ
り行うことが可能である(例えば、Jones et al., Natu
re, 321: 522-525, 1986; Riechmann et al., Nature,
332: 323-327, 1988; Verhoeyen et al., Science, 23
9: 1534-1536, 1988)。ヒトモノクローナル抗体も、当
該分野で知られた技術により行うことが可能で、ヒトモ
ノクローナル抗体を生産するためのヒトミエローマ細胞
やヒト・マウスヘテロミエローマ細胞は当該分野で知ら
れている (Kozbor, J. Immunol., 133: 3001,1984; Bro
deur et al., Monoclonal Antibody Production Techni
ques and Applications, pp.51-63, Marcel Dekker, In
c., New York (1987)) 。バイスペシフィックな抗体を
製造する方法も当該分野で知られている (Millstein et
al., Nature, 305: 537-539, 1983; WO93/08829; Trau
necker et al., EMBO J., 10: 3655-3659, 1991; Sures
h et al., "Methods in Enzymology", Vol. 121, p.210
(1986))。
【0051】さらにこれら抗体をトリプシン、パパイ
ン、ペプシンなどの酵素により処理して、場合により還
元して得られるFab 、Fab'、F(ab')2 といった抗体フラ
グメントにして使用してもよい。抗体は、既知の任意の
検定法、例えば競合的結合検定、直接及び間接サンドイ
ッチ検定、及び免疫沈降検定に使用することができる
(Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniq
ues, pp.147-158 (CRC Press, Inc., 1987) 。抗体を検
出可能な原子団にそれぞれコンジュゲートするには、当
分野で知られる任意の方法を使用することができ、例え
ば、David et al., Biochemistry, 13: 1014-1021, 197
4; Pain et al, J. Immunol. Meth., 40: 219-231, 198
1;及び"Methods in Enzymology", Vol. 184, pp.138-16
3 (1990) により記載の方法が挙げられる。標識物を付
与する抗体としては、IgG 画分、更にはペプシン消化後
還元して得られる特異的結合部Fab'を用いることができ
る。これらの場合の標識物の例としては、下記するよう
に酵素(ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼあ
るいはβ-D-ガラクトシダーゼなど)、化学物質、蛍光
物質あるいは放射性同位元素などがある。
【0052】本発明での検知・測定は、イムノ染色、例
えば組織あるいは細胞染色、イムノアッセイ、例えば競
合型イムノアッセイまたは非競合型イムノアッセイで行
うことができ、ラジオイムノアッセイ、ELISA などを用
いることができ、B−F分離を行ってもよいし、あるい
は行わないでその測定を行うことができる。好ましくは
放射免疫測定法や酵素免疫測定法であり、さらにサンド
イッチ型アッセイが挙げられる。例えばサンドイッチ型
アッセイでは、一方を本発明のプロMMP-7のプロペプタ
イド領域あるいはCD151のC末端の細胞外ループ領域又は
その関連ペプチド断片に対する抗体とし、他方をプロMM
P-7 あるいはCD151 に対する抗体とし、そして一方を検
出可能に標識化する。同じ抗原を認識できる他の抗体を
固相に固定化する。検体と標識化抗体及び固相化抗体を
必要に応じ順次反応させるためインキュベーション処理
し、ここで非結合抗体を分離後、標識物を測定する。測
定された標識の量は抗原、すなわちプロMMP-7のプロペ
プタイド領域あるいはCD151のC末端の細胞外ループ領域
ポリペプチド抗原の量と比例する。このアッセイでは、
不溶化抗体や、標識化抗体の添加の順序に応じて同時サ
ンドイッチ型アッセイ、フォワード(forward)サンドイ
ッチ型アッセイあるいは逆サンドイッチ型アッセイなど
と呼ばれる。例えば洗浄、撹拌、震盪、ろ過あるいは抗
原の予備抽出などは、特定の状況のもとでそれら測定工
程の中で適宜採用される。特定の試薬、緩衝液などの濃
度、温度あるいはインキュベーション処理時間などのそ
の他の測定条件は、検体中の抗原の濃度、検体試料の性
質などの要素に従い変えることができる。当業者は通常
の実験法を用いながら各測定に対して有効な最適の条件
を適宜選定して測定を行うことが出来る。
【0053】抗原あるいは抗体を固相化できる多くの担
体が知られており、本発明ではそれらから適宜選んで用
いることができる。担体としては、抗原抗体反応などに
使用されるものが種々知られており、本発明においても
勿論これらの公知のものの中から選んで使用できる。特
に好適に使用されるものとしては、例えばガラス、例え
ば活性化ガラス、多孔質ガラス、シリカゲル、シリカ−
アルミナ、アルミナ、磁化鉄、磁化合金などの無機材
料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリフッ化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリ
レート、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリアクリルアミド、架橋ポリアクリルアミド、ス
チレン−メタクリレート共重合体、ポリグリシジルメタ
クリレート、アクロレイン−エチレングリコールジメタ
クリレート共重合体など、架橋化アルブミン、コラーゲ
ン、ゼラチン、デキストラン、アガロース、架橋アガロ
ース、セルロース、微結晶セルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロースアセテートなどの天然または
変成セルロース、架橋デキストラン、ナイロンなどのポ
リアミド、ポリウレタン、ポリエポキシ樹脂などの有機
高分子物質、さらにそれらを乳化重合して得られたも
の、細胞、赤血球などで、必要に応じ、シランカップリ
ング剤などで官能性基を導入してあるものが挙げられ
る。さらに、ろ紙、ビーズ、試験容器の内壁、例えば試
験管、タイタープレート、タイターウェル、ガラスセ
ル、合成樹脂製セルなどの合成材料からなるセル、ガラ
ス棒、合成材料からなる棒、末端を太くしたりあるいは
細くしたりした棒、末端に丸い突起をつけたりあるいは
偏平な突起をつけた棒、薄板状にした棒などの固体物質
(物体)の表面などが挙げられる。
【0054】これら担体へは、抗体を結合させることが
でき、好ましくは本発明で得られる抗原に対し特異的に
反応するモノクローナル抗体を結合させることができ
る。担体とこれら抗原抗体反応に関与するものとの結合
は、吸着などの物理的な手法、あるいは縮合剤などを用
いたり、活性化されたものなどを用いたりする化学的な
方法、さらには相互の化学的な結合反応を利用した手法
などにより行うことが出来る。標識としては、酵素、酵
素基質、酵素インヒビター、補欠分子類、補酵素、酵素
前駆体、アポ酵素、蛍光物質、色素物質、化学ルミネッ
センス化合物、発光物質、発色物質、磁気物質、金属粒
子、例えば金コロイドなど、放射性物質などを挙げるこ
とができる。酵素としては、脱水素酵素、還元酵素、酸
化酵素などの酸化還元酵素、例えばアミノ基、カルボキ
シル基、メチル基、アシル基、リン酸基などを転移する
のを触媒する転移酵素、例えばエステル結合、グリコシ
ド結合、エーテル結合、ペプチド結合などを加水分解す
る加水分解酵素、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼな
どを挙げることができる。酵素は複数の酵素を複合的に
用いて検知に利用することもできる。例えば酵素的サイ
クリングを利用することもできる。
【0055】代表的な放射性物質の標識用同位体元素と
しては、[32P], [125I], [131I],[3H],[14 C],[35S] な
どが挙げられる。代表的な酵素標識としては、西洋ワサ
ビペルオキシダーゼなどのペルオキシダーゼ、大腸菌β
-D-ガラクトシダーゼなどのガラクトシダーゼ、マレエ
ート・デヒドロゲナーゼ、グルコース-6-フォスフェー
ト・デヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グル
コアミラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、カタラー
ゼ、ウシ小腸アルカリホスファターゼ、大腸菌アルカリ
ホスファターゼなどのアルカリフォスファターゼなどが
挙げられる。アルカリホスファターゼを用いた場合、4-
メチルウンベリフェリルフォスフェートなどのウンベリ
フェロン誘導体、ニトロフェニルホスフェートなどのリ
ン酸化フェノール誘導体、NADPを利用した酵素的サイク
リング系、ルシフェリン誘導体、ジオキセタン誘導体な
どの基質を使用したりして、生ずる蛍光、発光などによ
り測定できる。ルシフェリン、ルシフェラーゼ系を利用
したりすることもできる。カタラーゼを用いた場合、過
酸化水素と反応して酸素を生成するので、その酸素を電
極などで検知することもできる。電極としてはガラス電
極、難溶性塩膜を用いるイオン電極、液膜型電極、高分
子膜電極などであることもできる。酵素標識は、ビオチ
ン標識体と酵素標識アビジン(ストレプトアビジン)に
置き換えることも可能である。標識は、複数の異なった
種類の標識を使用することもできる。こうした場合、複
数の測定を連続的に、あるいは非連続的に、そして同時
にあるいは別々に行うことを可能にすることもできる。
【0056】本発明においては、信号の形成に4-ヒドロ
キシフェニル酢酸、1,2-フェニレンジアミン、テトラメ
チルベンジジンなどと西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ、
ウンベリフェリルガラクトシド、ニトロフェニルガラク
トシドなどとβ-D- ガラクトシダーゼ、グルコース-6-
リン酸・デヒドロゲナーゼなどの酵素試薬の組合わせも
利用でき、ヒドロキノン、ヒドロキシベンゾキノン、ヒ
ドロキシアントラキノンなどのキノール化合物、リポ
酸、グルタチオンなどのチオール化合物、フェノール誘
導体、フェロセン誘導体などを酵素などの働きで形成し
うるものが使用できる。蛍光物質あるいは化学ルミネッ
センス化合物としては、フルオレセインイソチオシアネ
ート、例えばローダミンBイソチオシアネート、テトラ
メチルローダミンイソチオシアネートなどのローダミン
誘導体、ダンシルクロリド、ダンシルフルオリド、フル
オレスカミン、フィコビリプロテイン、アクリジニウム
塩、ルミフェリン、ルシフェラーゼ、エクォリンなどの
ルミノール、イミダゾール、シュウ酸エステル、希土類
キレート化合物、クマリン誘導体などが挙げられる。標
識するには、チオール基とマレイミド基の反応、ピリジ
ルジスルフィド基とチオール基の反応、アミノ基とアル
デヒド基の反応などを利用して行うことができ、公知の
方法あるいは当該分野の当業者が容易になしうる方法、
さらにはそれらを修飾した方法の中から適宜選択して適
用できる。また上記免疫原性複合体作製に使用されるこ
とのできる縮合剤、担体との結合に使用されることので
きる縮合剤などを用いることができる。
【0057】縮合剤としては、例えばホルムアルデヒ
ド、グルタルアルデヒド、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソチオシアネート、N,N'- ポ
リメチレンビスヨードアセトアミド、N,N'-エチレンビ
スマレイミド、エチレングリコールビススクシニミジル
スクシネート、ビスジアゾベンジジン、1-エチル-3-(3-
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、スクシンイ
ミジル 3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPD
P)、N-スクシンイミジル 4-(N-マレイミドメチル)シ
クロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、N-スルホス
クシンイミジル 4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキ
サン-1-カルボキシレート、N-スクシンイミジル (4-ヨ
ードアセチル)アミノベンゾエート、N-スクシンイミジ
ル 4-(1- マレイミドフェニル)ブチレート、 N-(ε-
マレイミドカプロイルオキシ)コハク酸イミド(EMCS),
イミノチオラン、S-アセチルメルカプトコハク酸無水
物、メチル-3-(4'-ジチオピリジル)プロピオンイミデ
ート、メチル-4-メルカプトブチリルイミデート、メチ
ル-3-メルカプトプロピオンイミデート、N-スクシンイ
ミジル-S-アセチルメルカプトアセテートなどが挙げら
れる。
【0058】本発明の測定法によれば、測定すべき物質
を酵素あるいは螢光などで標識したモノクローナル抗体
などの標識抗体試薬と、担体に結合された抗体とを順次
反応させることができるし、同時に反応させることもで
きる。試薬を加える順序は選ばれた担体系の型により異
なる。感作されたプラスチックなどのビーズを用いた場
合には、酵素などで標識したモノクローナル抗体などの
標識抗体試薬を測定すべき物質を含む検体試料と共に最
初適当な試験管中に一緒に入れ、その後該感作されたプ
ラスチックなどのビーズを加えることにより測定を行う
ことができる。本発明の定量法においては、免疫学的測
定法が用いられるが、その際の固相担体としては、抗体
などタンパク質を良く吸着するポリスチレン製、ポリカ
ーボネイト製、ポリプロピレン製あるいはポリビニル製
のボール、マイクロプレート、スティック、微粒子ある
いは試験管などの種々の材料及び形態を任意に選択し、
使用することができる。測定にあたっては至適pH、例え
ばpH約4〜約9に保つように適当な緩衝液系中で行うこ
とができる。特に適切な緩衝剤としては、例えばアセテ
ート緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤、フォスフェート緩衝
剤、トリス緩衝剤、トリエタノールアミン緩衝剤、ボレ
ート緩衝剤、グリシン緩衝剤、炭酸塩緩衝剤、トリス−
塩酸緩衝剤などが挙げられる。緩衝剤は互いに任意の割
合で混合して用いることができる。抗原抗体反応は約0
℃〜約60℃の間の温度で行うことが好ましい。酵素ある
いは螢光などで標識されたモノクローナル抗体などの抗
体試薬及び担体に結合せしめられた抗体試薬、さらには
測定すべき物質のインキュベーション処理は、平衡に達
するまで行うことができるが、抗原抗体反応の平衡が達
成されるよりもずっと早い時点で固相と液相とを分離し
て限定されたインキュベーション処理の後に反応を止め
ることができ、液相又は固相のいずれかにおける酵素な
どの標識の存在の程度を測ることができる。測定操作
は、自動化された測定装置を用いて行うことが可能であ
り、ルミネセンス・ディテクター、ホト・ディテクター
などを使用して基質が酵素の作用で変換されて生ずる表
示シグナルを検知して測定することもできる。
【0059】抗原抗体反応においては、それぞれ用いら
れる試薬、測定すべき物質、さらには酵素などの標識を
安定化したり、抗原抗体反応自体を安定化するように適
切な手段を講ずることができる。さらに、非特異的な反
応を除去し、阻害的に働く影響を減らしたり、あるいは
測定反応を活性化したりするため、タンパク質、安定化
剤、界面活性化剤、キレート化剤などをインキュベーシ
ョン溶液中に加えることもできる。キレート化剤として
は、エチレンジアミン四酢酸塩 (EDTA) がより好まし
い。当該分野で普通に採用されていたりあるいは当業者
に知られた非特異的結合反応を防ぐためのブロッキング
処理を施してもよく、例えば、哺乳動物などの正常血清
タンパク質、アルブミン、スキムミルク、乳発酵物質、
コラーゲン、ゼラチンなどで処理することができる。非
特異的結合反応を防ぐ目的である限り、それらの方法は
特に限定されず用いることが出来る。本発明の測定方法
で測定される試料としては、あらゆる形態の溶液やコロ
イド溶液、非流体試料などが使用しうるが、好ましくは
生物由来の試料、例えば胸腺、睾丸、腸、腎臓、脳、乳
癌、卵巣癌、結腸・直腸癌、血液、血清、血漿、関節
液、脳脊髄液、膵液、胆汁液、唾液、羊水、尿、その他
の体液、細胞培養液、組織培養液、組織ホモジュネー
ト、生検試料、組織、細胞などが挙げられる。これら個
々の免疫学的測定法を含めた各種の分析・定量法を本発
明の測定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操
作などの設定は必要とされない。それぞれの方法におけ
る通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加
えて、本発明の当該対象物質あるいはそれと実質的に同
等な活性を有する物質に関連した測定系を構築すればよ
い。
【0060】これらの一般的な技術手段の詳細について
は、総説、成書などを参照することができる〔例えば、
入江 寛編,「ラジオイムノアッセイ」,講談社,昭和
49年発行;入江 寛編,「続ラジオイムノアッセイ」,
講談社,昭和54年発行;石川栄治ら編,「酵素免疫測定
法」,医学書院,昭和53年発行;石川栄治ら編,「酵素
免疫測定法」(第2版),医学書院,昭和57年発行;石
川栄治ら編,「酵素免疫測定法」(第3版),医学書
院,昭和62年発行;H. V. Vunakis et al. (ed.), "Met
hods in Enzymology", Vol. 70 (Immunochemical Techn
iques, Part A),Academic Press, New York (1980); J.
J. Langone et al. (ed.), "Methods inEnzymology",
Vol. 73 (Immunochemical Techniques, Part B), Acade
mic Press, New York (1981); J. J. Langone et al.
(ed.), "Methods in Enzymology",Vol. 74 (Immunochem
ical Techniques, Part C), Academic Press, New York
(1981); J. J. Langone et al. (ed.), "Methods in E
nzymology", Vol. 84 (Immunochemical Techniques, Pa
rt D: Selected Immunoassays), Academic Press,New Y
ork (1982); J. J. Langone et al. (ed.), "Methods i
n Enzymology", Vol. 92 (Immunochemical Techniques,
Part E: Monoclonal Antibodies and General Immunoa
ssay Methods), Academic Press, New York (1983); J.
J. Langoneet al. (ed.), "Methods in Enzymology",
Vol. 121 (Immunochemical Techniques, Part I: Hybri
doma Technology and Monoclonal Antibodies), Academ
ic Press, New York (1986); J. J. Langone et al. (e
d.), "Methods in Enzymology", Vol. 178 (Antibodie
s, Antigens, and Molecular Mimicry), Academic Pres
s, New York (1989); M. Wilchek et al. (ed.), "Meth
ods in Enzymology", Vol. 184 (Avidin-Biotin Techno
logy), Academic Press, New York (1990); J.J. Lango
ne et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 203
(Molecular Design and Modeling: Concepts and Appl
ications, Part B: Anibodies and Antigens, Nucleic
Acids, Polysaccharides, and Drugs), Academic Pres
s, New York (1991) などあるいはそこで引用された文
献 (それらの中にある記載はそれを参照することにより
本明細書の開示に含められる) 〕。
【0061】本発明の抗体、特にモノクローナル抗体を
用いて、エピトープマッピングを行うこともでき、各エ
ピトープを認識する抗体を用いればCD151とプロMMP-7と
の相互作用に関係する部位あるいはそれに関連したペプ
チド断片などの検知・測定を行うことができる。プロMM
P-7-CD151結合部位及びその関連ペプチド断片に対する
抗体は、CD151とプロMMP-7 との相互作用の抑制あるい
は阻害などの現象の検出及び/又は測定、さらにはMMP-
7 活性の不足あるいは過剰、さらにはCD151 活性により
生ずる各種の生理活性物質あるいは生理現象又は生物現
象の検出及び/又は測定、また、MMP-7 やCD151 産生を
制御する因子や機構の研究・開発などに有用である。該
抗体、特にモノクローナル抗体は、(i) プロMMP-7 とCD
151 との間での相互作用に起因する組織あるいは細胞が
関連する障害、異常及び/又は疾患を検出したり、(ii)
プロMMP-7 とCD151 との間での相互作用に起因する細胞
の腫瘍化、細胞の移動、浸潤、遊走及び/又は転移ある
いはその可能性を検出したり、(iii) マトリックス分解
反応に関連して生ずる障害、異常及び/又は疾患あるい
はその可能性を検出したり、(iv)軟骨破壊に起因する疾
患又は変形性関節症あるいはその可能性を検出したり、
(v)MMP-7の発現量を測定したり、(vi)プロMMP-7 活性化
あるいはその変化を検出及び/又は測定したり、(vii)
活性型MMP-7 産生を制御する化合物などの探索をした
り、及び/又は(viii)該CD151 産生を制御する化合物の
活性の検知及び/又は測定をしたりなどするのに有用で
ある。変形性関節症、糖尿病合併症、組織の異常、がん
の移動性、浸潤性、走化性及び/又は転移性の程度を知
るのに使用できると期待される。本発明に従えば、プロ
MMP-7 とCD151 の相互作用の抑制あるいは阻害活性を検
出及び/又は測定し、組織の疾患予防・治療剤、抗炎症
剤、抗がん剤、がん転移阻害剤、軟骨破壊に起因する疾
患治療剤又は変形性関節症治療剤、関節破壊治療剤、抗
アレルギー剤及び/又は免疫抑制剤の効果判定モニター
として使用することが可能となる。また、本発明では、
MMP-7 による組織・細胞あるいはタンパク質の異常化現
象の検出及び/又は測定方法やそのための試薬が提供で
きる。
【0062】さらに、本発明に従って、例えばCD151 な
どの発現を調整するため、該CD151DNA あるいはその制
御遺伝子系に関連するDNA などの核酸をプロMMP-7 の活
性化を調整するための薬剤(例えば、治療及び/又は予
防剤など)として用いる技術も提供する。該核酸はそれ
を単独で用いることもできるし、あるいは上記したよう
な遺伝子組換え技術で使用される適当なベクター、例え
ばレトロウイルス由来ベクターなどウイルス由来のベク
ターなどに結合させるなどして用いることができる。該
DNA などの核酸は通常の知られた方法で投与でき、その
ままで、あるいは、例えば細胞内への摂取が促進される
ように、適当な補助剤あるいは生理的に許容される担体
などと共に、製剤化されて用いることができ、下記する
ような、医薬組成物又は医薬調製物などとして投与する
ことができる。また遺伝子治療として知られた方法を適
用することもできる。本発明の活性成分は、MMP-7 の活
性、特にはプロMMP-7 とCD151 との間の相互作用を調整
(例えば、抑制あるいは阻害を含む)するといった生物
学的活性をもつものであれば特に限定されないが、好ま
しくは有利な作用を持つものが挙げられる。本発明の活
性成分は、プロMMP-7 とCD151 との間の相互作用に起因
する各種組織あるいは細胞における変化を調整(例え
ば、抑制あるいは阻害を含む)するのに有用と期待され
る。また、該活性成分は、MMP-7 活性発現の抑制あるい
は促進に有用であり、プロMMP-7 とCD151 との間の相互
作用に起因する障害、異常及び/又は疾患の予防あるい
は治療に有用である。また、CD151 の機能調整に有用と
期待される。プロMMP-7 とCD151 との間の相互作用が関
与する腫瘍細胞などの移動、浸潤、遊走及び/又は転移
の制御、例えば抑制に有用であると期待される。さら
に、該活性成分は、軟骨破壊に起因する疾患又は変形性
関節症の予防あるいは治療に有用である。
【0063】本発明の活性成分〔CD151とプロMMP-7との
相互作用を阻害する物質、例えば、(a)(i)プロMMP-7の
プロペプタイド領域あるいは(ii) CD151のC末端の細胞
外ループ領域、そのフラグメントペプチド、さらにはそ
れらの誘導体又はその塩など、(b) CD151とプロMMP-7と
の結合に影響を与える、抗CD151 抗体あるいは抗プロMM
P-7 抗体、例えば(i) プロMMP-7のプロペプタイド領域
あるいは(ii) CD151のC末端の細胞外ループ領域に特異
的に結合する抗体(モノクローナル抗体を包含する) 、
さらにはそれらの誘導体( 一部断片を包含する) 又はそ
の塩など、(c) CD151とプロMMP-7との相互作用を調整す
る(抑制あるいは阻害するなどを包含する)などの現象
あるいは組織あるいはタンパク質の変質・過剰生産ある
いは分解現象といった生物学的活性を抑制及び/又は阻
害する化合物またはその塩、活性型MMP-7産生を制御す
る化合物またはその塩、(d) 本発明を使用して見出され
た活性物質など〕を医薬として用いる場合、例えばプロ
MMP-7 とCD151 との間の相互作用阻害剤またはそれらの
塩などは、通常単独或いは薬理的に許容される各種製剤
補助剤と混合して、医薬組成物又は医薬調製物などとし
て投与することができる。好ましくは、経口投与、局所
投与、または非経口投与などの使用に適した製剤調製物
の形態で投与され、目的に応じていずれの投与形態(吸
入法、あるいは直腸投与も包含される)によってもよ
い。また、本発明の活性成分は、抗腫瘍剤(抗がん
剤)、腫瘍移転阻害剤、血栓形成阻害剤、アルツハイマ
ー治療剤、関節破壊治療剤、消炎剤及び/又は免疫抑制
剤と配合して使用することもでき、それらは、有利な働
きを持つものであれば制限なく使用でき、例えば当該分
野で知られたものの中から選択することができる。
【0064】そして、非経口的な投与形態としては、局
所、経皮、静脈内、筋肉内、皮下、皮内もしくは腹腔内
投与を包含し得るが、患部への直接投与も可能であり、
またある場合には好適でもある。好ましくはヒトを含む
哺乳動物に経口的に、あるいは非経口的(例、細胞内、
組織内、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、胸腔
内、脊髄腔内、点滴法、注腸、経直腸、点耳、点眼や点
鼻、歯、皮膚や粘膜への塗布など)に投与することがで
きる。具体的な製剤調製物の形態としては、溶液製剤、
分散製剤、半固形製剤、粉粒体製剤、成型製剤、浸出製
剤などが挙げられ、例えば、錠剤、被覆錠剤、糖衣を施
した剤、丸剤、トローチ剤、硬カプセル剤、軟カプセル
剤、マイクロカプセル剤、埋込剤、粉末剤、散剤、顆粒
剤、細粒剤、注射剤、液剤、エリキシル剤、エマルジョ
ン剤、灌注剤、シロップ剤、水剤、乳剤、懸濁剤、リニ
メント剤、ローション剤、エアゾール剤、スプレー剤、
吸入剤、噴霧剤、軟膏製剤、硬膏製剤、貼付剤、パスタ
剤、パップ剤、クリーム剤、油剤、坐剤(例えば、直腸
坐剤)、チンキ剤、皮膚用水剤、点眼剤、点鼻剤、点耳
剤、塗布剤、輸液剤、注射用液剤などのための粉末剤、
凍結乾燥製剤、ゲル調製品などが挙げられる。医薬用の
組成物は通常の方法に従って製剤化することができる。
例えば、適宜必要に応じて、生理学的に認められる担
体、医薬として許容される担体、アジュバント剤、賦形
剤、補形剤、希釈剤、香味剤、香料、甘味剤、ベヒク
ル、防腐剤、安定化剤、結合剤、pH調節剤、緩衝剤、界
面活性剤、基剤、溶剤、充填剤、増量剤、溶解補助剤、
可溶化剤、等張化剤、乳化剤、懸濁化剤、分散剤、増粘
剤、ゲル化剤、硬化剤、吸収剤、粘着剤、弾性剤、可塑
剤、崩壊剤、噴射剤、保存剤、抗酸化剤、遮光剤、保湿
剤、緩和剤、帯電防止剤、無痛化剤などを単独もしくは
組合わせて用い、それとともに本発明のタンパク質など
を混和することによって、一般に認められた製剤実施に
要求される単位用量形態にして製造することができる。
非経口的使用に適した製剤としては、活性成分と、水も
しくはそれ以外の薬学的に許容し得る媒体との無菌性溶
液、または懸濁液剤など、例えば注射剤などが挙げられ
る。一般的には、水、食塩水、デキストロース水溶液、
その他関連した糖の溶液、エタノール、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類が
好ましい注射剤用液体担体として挙げられる。注射剤を
調製する際は、蒸留水、リンゲル液、生理食塩液のよう
な担体、適当な分散化剤または湿化剤及び懸濁化剤など
を使用して当該分野で知られた方法で、溶液、懸濁液、
エマルジョンのごとき注射しうる形に調製する。
【0065】注射用の水性液としては、例えば生理食塩
液、ブドウ糖やその他の補助薬(例えば、D-ソルビトー
ル、D-マンニトール、塩化ナトリウムなど)を含む等張
液などが挙げられ、薬理的に許容される適当な溶解補助
剤、たとえばアルコール(たとえばエタノールなど)、
ポリアルコール(たとえばプロピレングリコール、ポリ
エチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(た
とえばポリソルベート80TM, HCO-50など)などと併用し
てもよい。油性液としてはゴマ油、大豆油などが挙げら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、
リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)又は浸透
圧調節のための試薬、無痛化剤(例えば、塩化ベンザル
コニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒ
ト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保
存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールな
ど)、アスコルビン酸などの酸化防止剤、吸収促進剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。
【0066】非経口投与には、界面活性剤及びその他の
薬学的に許容される助剤を加えるか、あるいは加えず
に、水、エタノール又は油のような無菌の薬学的に許容
される液体中の溶液あるいは懸濁液の形態に製剤化され
る。製剤に使用される油性ベヒクルあるいは溶剤として
は、天然あるいは合成あるいは半合成のモノあるいはジ
あるいはトリグリセリド類、天然、半合成あるいは合成
の油脂類あるいは脂肪酸類が挙げられ、例えばピーナッ
ツ油、トウモロコシ油、大豆油、ゴマ油などの植物油が
挙げられる。例えば、この注射剤は、通常本発明化合物
を0.1 〜10重量%程度含有するように調製されることが
できる。局所的、例えば口腔、又は直腸的使用に適した
製剤としては、例えば洗口剤、歯磨き剤、口腔噴霧剤、
吸入剤、軟膏剤、歯科充填剤、歯科コーティング剤、歯
科ペースト剤、坐剤などが挙げられる。洗口剤、その他
歯科用剤としては、薬理的に許容される担体を用いて慣
用の方法により調製される。口腔噴霧剤、吸入剤として
は、本発明化合物自体又は薬理的に許容される不活性担
体とともにエアゾール又はネブライザー用の溶液に溶解
させるかあるいは、吸入用微粉末として歯などへ投与で
きる。軟膏剤は、通常使用される基剤、例えば、軟膏基
剤(白色ワセリン、パラフィン、オリーブ油、マクロゴ
ール400 、マクロゴール軟膏など)などを添加し、慣用
の方法により調製される。
【0067】歯、皮膚への局所塗布用の薬品は、適切に
殺菌した水または非水賦形剤の溶液または懸濁液に調剤
することができる。添加剤としては、例えば亜硫酸水素
ナトリウムまたはエデト酸二ナトリウムのような緩衝
剤;酢酸または硝酸フェニル水銀、塩化ベンザルコニウ
ムまたはクロロヘキシジンのような殺菌及び抗真菌剤を
含む防腐剤及びヒプロメルローズのような濃厚剤が挙げ
られる。坐剤は、当該分野において周知の担体、好まし
くは非刺激性の適当な補形剤、例えばポリエチレングリ
コール類、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセライ
ドなどの、好ましくは常温では固体であるが腸管の温度
では液体で直腸内で融解し薬物を放出するものなどを使
用して、慣用の方法により調製されるが、通常本発明化
合物を0.1 〜95重量%程度含有するように調製される。
使用する賦形剤及び濃度によって薬品は、賦形剤に懸濁
させるかまたは溶解させることができる。局部麻酔剤、
防腐剤及び緩衝剤のような補助薬は、賦形剤に溶解可能
である。経口的使用に適した製剤としては、例えば錠
剤、丸剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、トローチのよ
うな固形組成物や、液剤、シロップ剤、懸濁剤のような
液状組成物などが挙げられる。製剤調製する際は、当該
分野で知られた製剤補助剤などを用いる。錠剤及び丸剤
はさらにエンテリックコーティングされて製造されるこ
ともできる。調剤単位形態がカプセルである場合には、
前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有
することができる。
【0068】本発明の活性成分は、検出可能なマーカー
物質と結合さたもの(例えば、125Iで放射能ラベルされ
たもの、又はビオチン化されたもの) として、そのラベ
ルされたものをその受容体を有する細胞、又は組織、及
び血液、脳脊髄液、又は尿のような液体試料における検
出及び定量に有用な試薬とすることも可能である。ペプ
チドのような物質は、投与されるとしばしば体内循環か
ら速やかに除去されるので、比較的短時間においてのみ
その薬理学的活性を示すこととなる。その結果、治療に
有効とする状態を維持するためには、生物活性のある物
質を比較的大量且つ頻繁に投与することが必要とされ
る。ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール
の共重合体、及びポリプロピレングリコール、カルボキ
シメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、又はポリプロリンのよう
な水溶性ポリマーを共有結合せしめてそれを修飾した物
質は、対応する未修飾の物質と比べて、静脈内投与後の
血中においてより長い半減期を示すことが知られてい
る。このような修飾は、水溶液への物質の溶解度を増大
させ、凝集を阻止し、物質の物理的及び化学的安定性を
増大させ、物質の免疫原性及び反応性も著しく減少させ
る場合がある。その結果、未修飾の物質に比べてより少
ない頻度で、あるいはより少ない用量で、このようなポ
リマー−物質付加体を投与することによって、所望のイ
ンビボ生物活性を達成することができる。
【0069】ポリエチレングリコール(PEG)は、哺乳動
物中で極めて毒性が低いことから、それを結合させるこ
とは特に有用である。また、PEG を結合せしめると、異
種性化合物の免疫原性及び抗原性を効果的に減少せしめ
ることができる場合がある。該化合物は、マイクロカプ
セル装置の中に入れて与えてもよい。PEG のようなポリ
マーは、アミノ末端のアミノ酸のα-アミノ基、リジン
側鎖のε-アミノ基、アスパラギン酸又はグルタミン酸
側鎖のカルボキシル基、カルボキシ末端のアミノ酸のα
-カルボキシル基、又はある種のアスパラギン、セリン
又はトレオニン残基に付着したグリコシル鎖の活性化さ
れた誘導体に、簡便に付着させることができる。タンパ
ク質との直接的な反応に適した多くの活性化された形態
のPEG が知られている。タンパク質のアミノ基と反応さ
せるのに有用なPEG 試薬としては、カルボン酸、カルボ
ネート誘導体の活性エステル、特に、脱離基がN-ヒドロ
キシスクシンイミド、p-ニトロフェノール、イミダゾー
ル、又は1-ヒドロキシ-2-ニトロベンゼン-4-スルフォネ
ートであるものが挙げられる。同様に、アミノヒドラジ
ン又はヒドラジド基を含有するPEG 試薬は、タンパク質
中の過ヨウ素酸酸化によって生成したアルデヒドとの反
応に有用である。本発明の活性成分は、その投与量を広
範囲にわたって選択して投与できるが、その投与量及び
投与回数などは、処置患者の性別、年齢、体重、一般的
健康状態、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物
の組み合わせ、患者のその時に治療を行なっている病状
の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して
決められる。
【0070】医薬品製造にあたっては、その添加剤など
や調製法などは、例えば日本薬局方解説書編集委員会
編、第十四改正 日本薬局方解説書、平成13年6月27日
発行、株式会社廣川書店;一番ヶ瀬 尚 他編 医薬品
の開発12巻(製剤素剤〔I〕)、平成2年10月15日発
行、株式会社廣川書店;同、医薬品の開発12巻(製剤素
材〔II〕)平成2年10月28日発行、株式会社廣川書店な
どの記載を参考にしてそれらのうちから必要に応じて適
宜選択して適用することができる。本発明の活性成分
は、MMP-7 の活性発現、特にはプロMMP-7 とCD151 との
間の相互作用を抑制あるいは阻害するといった生物学的
活性をもつものであれば特に限定されないが、好ましく
は有利な作用を持つものが挙げられる。本発明の活性成
分は、プロMMP-7 とCD151 との間の相互作用に起因する
各種組織あるいは細胞における変化を抑制あるいは阻害
するのに有用と期待される。また、該活性成分は、MMP-
7 の活性発現の抑制に有用であり、プロMMP-7 とCD151
との間の相互作用に起因する障害、異常及び/又は疾患
の予防あるいは治療に有用である。また、プロMMP-7 の
活性化、さらにはプロMMP-7 とCD151 との間の相互作用
が関与する腫瘍細胞などの移動、浸潤、遊走及び/又は
転移の制御、例えば抑制に有用であると期待される。該
活性成分は、悪性腫瘍、すなわち、がんの移動、浸潤及
び/又は転移の阻止及び/又は抑制するのに有用で、血
管形成・新生阻害剤、抗腫瘍剤及び/又はがん転移抑制
剤として期待できる。該活性成分は、軟骨破壊に起因す
る疾患又は変形性関節症の予防及び/又は治療剤として
期待できる。また、CD151 発現細胞が関与した障害、異
常及び/又は疾患の予防あるいは治療にも有用であると
期待できる。さらに、アルツハイマー治療剤、関節破壊
治療剤などとしても期待できる。
【0071】さらに、本発明では、プロMMP-7のプロペ
プタイド領域やCD151のC末端の細胞外ループ領域のアミ
ノ酸配列、例えば配列番号:1あるいは配列番号:20 で表
されるアミノ酸配列に基づいて分子設計を施して、プロ
MMP-7 とCD151 との間の相互作用を抑制あるいは阻害す
る活性を有する物質を得るのに使用できる。こうして得
られる物質も本発明の思想の範囲内のものであるし、本
発明の活性成分として扱うことができる。該配列から特
定の特徴部分を選択し、(i) そのうちの薬理作用団をイ
ソスターで置き換えることによりなされるか、(ii) 構
成アミノ酸残基の少なくとも1個をD体のアミノ酸残基
に置き換えるか、(iii) アミノ酸残基の側鎖を修飾する
か、(iv) 該配列に存在するアミノ酸残基とは異なるア
ミノ酸残基を配置して連結するか、(v) 立体構造を解析
してmimic 体をデザインすることなど、当該分野で採用
される技術を駆使して行うことができる(例えば、首藤
紘一 編 医薬品の開発7巻(分子設計)、平成2年6
月25日発行、株式会社廣川書店及びそこで引用している
文献や論文など) 。そうした技術の一部は、上記で説明
したものを含んでいる。明細書及び図面において、用語
は、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatu
reによるか、あるいは当該分野において慣用的に使用さ
れる用語の意味に基づくものである。本明細書で使用す
る略号のうち、アミノ酸に対して慣用的に用いられてい
るものは次のようなものである: A=a=Ala=アラニン; R=r=Arg=アルギニン; N=n=Asn=アス
パラギン; D=d=Asp=アスパラギン酸; C=c=Cys=システイン; Q=q=Gl
n=グルタミン; E=e=Glu=グルタミン酸; G=g=Gly=グリシン; H=h=His=ヒ
スチジン; I=i=Ile=イソロイシン; L=l=Leu=ロイシン; K=k=Lys=リ
シン; M=m=Met=メチオニン; F=f=Phe=フェニルアラニン; P=p=
Pro=プロリン; S=s=Ser=セリン; T=t=Thr=トレオニン; W=w=Trp=トリプ
トファン; Y=y=Tyr=チロシン; V=v=Val=バリン。 *ProMMP-7 propeptide のアミノ酸シークエンス LPL PQEAGGMSEL QWEQAQDYLK RFYLYDSETK NANSLEAKLK EM
QKFFGLPI TGMLNSRVIE IMQKPRCGVP DVAE YSLFPN SPKWTS 〔配列表の配列番号:
1〕 *CD151 の2番目の細胞外ループのうちMMP-7 poripept
ide と相互作用していると思われるアミノ酸シークエン
ス ayyqqlnt elkenlkdtm tkryhqpghe avtsavdqlq qefhccgs
nn sqdwrdsewi rsqeaggrvv pdsccktvva lcgqrdhasn iykveggcit kletfi
qehl r 〔配列表の配列番号:20 〕
【0072】
【実施例】以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されず、本明細書
の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解
されるべきである。全ての実施例は、他に詳細に記載す
るもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又
は実施することのできるものであり、これは当業者にと
り周知で慣用的なものである。なお、以下の実施例にお
いて、特に指摘が無い場合には、具体的な操作並びに処
理条件などは、DNA クローニングでは J. Sambrook, E.
F. Fritsch & T.Maniatis, "Molecular Cloning", 2nd
ed., Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Ha
rbor, N. Y. (1989) 及び D. M. Glover et al. ed.,
"DNACloning", 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practica
l Approach Series), IRLPress, Oxford University Pr
ess (1995) ; 特にPCR 法では、H. A. Erliched., PCR
Technology, Stockton Press, 1989 ; D. M. Glover et
al. ed.,"DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1, (The Prac
tical Approach Series), IRLPress, Oxford Universit
y Press (1995) 及び M. A. Innis et al. ed.,"PCR
Protocols", Academic Press, New York (1990)に記載
の方法に準じて行っているし、また市販の試薬あるいは
キットを用いている場合はそれらに添付の指示書(proto
cols) や添付の薬品などを使用している。
【0073】実施例1 I. 材料及び方法 (1) セルライン及び抗体 CaR-1ヒト直腸癌細胞及びCOS7細胞は10%牛胎児血清 (F
BS, Tissue Culture Biologicals, Tulare, CA)及び抗
生物質補充ダルベッコ変法イーグル培地 (DMEM, Invitr
ogen社 Carlsbad, CA)で培養した。本発明では以下の抗
体を使用した。抗MMP-7抗体(クローン 125-20H11, 第
一ファインケミカル株式会社、富山)、ウサギポリクロ
ーナル抗体, M8683 (シグマ−アルドリッチ日本社、東
京)、抗CD151抗体, 14A2.H1 (BD PharMingen, San Die
go, CA), 11G5a (Serotec社, Oxford,UK),ネガティブ
コントロール マウスIgG1/κ(MOPC-21;BD PharMinge
n), マウスIgG,ウサギ正常イムノグロブリン画分(ダコ
日本社,京都)。また、抗MMP-7抗体は特開平8-217800
号公報に記載の方法、抗CD151抗体(例えば14A2.H1)はA
shman L.K. et al., Br. J. Haematol., 79: 263-270,
1991 に記載の方法で得ることもできる。
【0074】(2) 酵母ツーハイブリッドスクリーニング 酵母の発現プラスミド構築にRT-PCRを用いた。ISOGEN
(日本ジーン社、東京)を用いプロトコールに従い全RNA
をCaR-1細胞から分離し、オリゴーd(T)プライマー (CLO
NTECH Lab. 日本社、東京) とSuperScript IIリバース
トランスクリプターゼ(Invitrogen 社) で逆転写した。
反応物の一部を5U Takara LA TaqTM DNAポリメラーゼ
(宝酒造社、滋賀)を用いてプロMMP-7 cDNAの増幅をPC
Rで行った。ヒトプロMMP-7に用いたPCR プライマーは 5'pri EcoRI-pM7: 5'-GGA ATT CCT GCC GCT GCC TCA GGA G-3';配列表の配
列番号: 2 と3'pri Sal I-pM7: 5'-ACG CGT CGA CTT TCT TTC TTG AAT TAC TTC TC-3';
配列表の配列番号: 3 の2種で、各々はEcoR IとSal I サイトとを持ったプロ
MMP-7のN末端及びC末端領域に相当する。プロMMP-7をコ
ードするcDNA断片をEcoR IとSal I で消化し、pAS-1 (C
LONTECH Lab.日本社) にクローン化したところ、 pAS2-
プロMMP-7 が生じた。インサートの配列確認のため pAS
2-プロMMP-7 ベクターをDYEnamicTM ETdye terminator
cycle sequencing キット (MegaBASETM) とMegaBASETM1
000 DNAシークエンサー(アマシャム ファルマシア
バイオテック社,東京)を用い分析した。酵母活性領域
プラスミッドpACT2(CLONTECH Lab. 日本社) でクローン
化したヒト肺cDNA ライブラリーを作製説明書に従って
スクリーニングした。
【0075】ライブラリーから調製したプラスミッドと
pAS2-プロMMP-7 をリチウム酢酸法を用いて Saccharom
yces cerevisiae株Y-190(CLONTECH Lab. 日本社)へ共
導入して形質転換した。約1 x 107 個の独立クローンが
スクリーニングされ、 陽性クローンはleucine(-Leu)/tr
yptophan(-Trp)/histidine(-His)が欠損し、 15mM 3-ア
ミノ-1,2,4-トリアゾール(3-AT)含有培地上での生育に
より同定した。-Leu/-Trp/-His/+3-AT培地上で生育した
陽性クローンを更にX-α−ガラクトシダーゼアッセイで
スクリーニングした。5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル
-a-D-ガラクトピラノシド(X-α-1, CLONTECH Lab. 日
本社)を指示プレート作製のため -Leu/-Trp/-His/+3-A
T 培地に散布した。コロニーは指示プレート上で縞にな
り、それを数日間、30℃で培養した。次に、陽性候補は
青色コロニーを形成した。再度縞化を2〜3回実施し、
X-α-galアッセイを再度行った。酵母より分離したプラ
スミッドでもって電気穿孔法でEscherichia coli株HB10
1 を形質転換した。目的プラスミッド細胞をロイシンを
除いたアミノ酸混合物、 50/ml Amp, 40μ/ml proline
及び1mM 塩酸トリアミン含有M9寒天プレート上で単離し
た。各々陽性クローンの挿入を上記したDNA シークエン
サーでもって調べた。ホモロジー探索はBLAST2、Genome
Net(http://www.blast.genome.ad.jp/) によって行っ
た。
【0076】(3) 免疫沈降とイムノブロテイング CaR-1 細胞を1mM EDTA, 150mM NaCl, 10mMトリス−塩酸
緩衝液、pH.7.5含有0.1% NP-40(IGEPAL CA-630, シグマ
- アルドリッチ日本社) 溶解緩衝液とプロテアーゼ阻害
剤カクテル (CompleteTM, Mini, 日本ロシュ社、東京)
で可溶化した。細胞可溶化物をProtein G Sepharose 4
Fast Flow ビーズ(アマシャム ファルマシア バイオ
テック社)で4℃で一晩前処理後、各抗体コートProtei
n G Sepharose 4 Fast Flow ビーズと4℃で一晩インキ
ュベイトし、免疫沈降を実施した。免疫複合体を形成し
たビーズをNP-40 溶解緩衝液で4回洗浄し、その複合体
をドデシル硫酸ナトリウム(SDS) 還元緩衝液で溶出し
た。免疫沈降物を還元下、SDS-ポリアクリルアミドゲル
(12.5% アクリルアミド)電気泳動 (PAGE) で分離し
た。電気泳動後、タンパクはポリビニルディンジフロラ
イド (PVDF) 膜 (ClearBlot P 膜、ATTO社、東京) に転
写した。転写膜のマーカーはコマシーブリリアントブル
ーR250(ナカライテスク社,京都)で染色し、抗MMP-7
抗体あるいは抗CD151 抗体によりイムノブロットを実施
した。イムノブロッティングでは、転写膜を3%牛血清
アルブミン(BSA) 含有リン酸緩衝液食塩(PBS) 中の125I
標識抗MMP-7 抗体又は125I標識抗CD151 抗体で90分間、
室温でインキュベイトした。結合抗体をイメージングプ
レートとBSA-2000システム(富士写真フィルム社、東
京)で検出した。
【0077】(4) 相互作用領域推定のための酵母ツーハ
イブリッド(two-hybrid)アッセイプロMMP-7とCD151の欠
損変異をコードするcDNAsをPCRで調製した。これらのプ
ライマーはEcoR IとSal I サイトを保持したものである
(次に示す)。
【0078】ベクター: pAS2-propeptide, 5' プライマ
ー: GGA ATT CCT GCC GCT GCC TCA GGA G ; 配列表の配列番
号: 4 3' プライマー: ACG CGT CGA CTT AGG AAG TCC ATT ; 配列表の配列番
号: 5 ベクター: pAS2-activeMMP-7, 5'プライマー: CTG AAT TCT ACT CAC TAT TTC CAA ATA GCC CAA AAT G
; 配列表の配列番号: 6 3'プライマー: ACG CGT CGA CTT TCT TTC TTG AAT TAC TTC TC ;配列表
の配列番号: 7 ベクター: pACT2-C1, 5'プライマー: GGA ATT CGA ATG GGT GAG TTC AAC GAG AAG AAG ; 配列
表の配列番号: 8 3' プライマー: CCG CTC GAG GAT GCC CAC TGC CAT GAC AGC ; 配列表の
配列番号: 9
【0079】ベクター: pACT2-EL1, 5' プライマー: GGA ATT CGA CTG CTG TTT ACC TAC AAT TGC TG ;配列表
の配列番号: 10 3'プライマー: CCG CTC GAG GCC CAA GAC CCC AGT CAC ; 配列表の配列
番号: 11 ベクター: pACT2-CL, 5'プライマー: GGA ATT CGA CTG GCC ACA GCC TAC ATC C ; 配列表の配
列番号: 12 3' プライマー: CCG CTC GAG GTA GGC GAG GAT ACC AGC G ; 配列表の配
列番号: 13 ベクター: pACT2-EL2, 5' プライマー: GGA ATT CGA CTG TAC TTC ATC CTG CTC CTC ATC ATC ;
配列表の配列番号: 14 3'プライマー: CCG CTC GAG GCA CGT GAA GAT CAT GCC AAA GAC ; 配列
表の配列番号: 15 ベクター: pACT2-C2, 5'プライマー: GGA ATT CGA GTC ATT GGG GCT GTG GGG ATC ; 配列表の
配列番号: 16 3' プライマー: CCG CTC GAG TCA GTA GTG CTC CAG CTT GAG AC ;配列表
の配列番号: 17
【0080】変異プロMMP-7とCD151をコードする断片は
制限酵素EcoR IとSal I で切断されたpACT2(CLONTECH L
ab. 日本社) に連結し、これらの配列を上記したような
手法で確認した。構築したプラスミッドを図1に示し
た。ツーハイブリッドスクリーニングにより単離したプ
ラスミッドをpACT2-CD151と名づけ、これはCD151の全長
をコードしている。pACT2-C1とpACT2-C2は各々細胞質の
N末とC末を含んでおり、また、pACT2-EL1 とpACT2-EL2
は各々N-領域とC-領域の細胞外ループを含有している。
pACT2-CLはCD151 の細胞質ループの断片を保持してい
る。変異プロMMP-7とCD151をコードするこれらプラスミ
ッドDNAをリチウム酢酸法で酵母Y-187株(CLONTECH La
b. 日本社)へ共導入した。陽性クローンを-Leu/-Trp/-
His培地で生育しX-gal 測定で同定した。
【0081】(5) CD151 安定強制発現細胞の確立 CD151の安定な強制発現細胞を作製するため、CD151発現
ベクターをPCRで構築した。5'pri EcoRI-CD151: 5'-CGG AAT TCA GGA TGG GTG AGT TCA ACG-3'; 配列表
の配列番号: 18 と3'pri SalI-CD151: 5'-ACG CGT CGA CTC AGT AGT GCT CCA GC-3'; 配列表の
配列番号: 19 を用いて上記した方法を行った。CD151 をコードするcD
NAに使用したEcoR IとSal I はpCI ネオ 哺乳動物発現
ベクター(Promega 社,東京)に挿入し、pCI-CD151
ベクターを作製した。キットに添付の作製方法に従い、
各7.5 μgベクターあるいはDOTAP リポゾーマルトラン
スフェクション試薬(日本ロシュ社)によるオリジナル
pCI-ネオ ベクターを10cm dish の50% コンフルエント
としたCOS7細胞へ導入した。37℃、24時間インキュベー
ト後、導入溶液を除去した。細胞を10% FBS と300 μg
/ml G418 (Inritrogen社) を含有した新鮮培地中で生育
させた。60個の安定遺伝子導入細胞が単離され,CD151
発現をフローサイトメーターで調べた。
【0082】(6) フローサイトメーター 安定な遺伝子導入細胞を0.25%トリプシン/0.02%EDTA
(Immuno-Biological Lab.社、群馬) でプレートから剥
離させ、1% FBA 含有PBS で懸濁した。懸濁細胞、106
個細胞当たり1μg抗CD151 抗体(14A2. H1)あるいは非
免疫マウスIgG1/κ抗体(MOPC-21) で氷上30分間インキ
ュベートした。洗浄後、細胞を再度FITC標識ウサギ抗マ
ウス免疫グロブリン、FITC標識 F(ab')2 (ダコ日本社)
でインキュベートした。次に Courter EPICS XL-MCL ジ
ジタルフローサイトメーター(ベクマンーコウター社、
東京)を用いて分析した。60個のCD151 遺伝子導入細胞
から、3個の高レベル発現細胞(クローン4, 14, 16)と
3個の低発現細胞(クローン2, 3, 12)を選んで次の実
験に供した。
【0083】(7) レーザースキャニング共焦点顕微鏡検
査(LSCM) チャンバースライド上で培養したCD151 強制発現細胞
(クローン3 とクローン16) 、COS7とCaR-1 細胞を19%
アセトン、19% メタノール及び2%ホルムアルデヒド含有
PBS で5分間固定した。3%正常ヤギ血清含有PBS で非特
異的結合をブロッキング後、細胞をPBS で10μg/mlに調
製した抗CD151 モノクローナル抗体(11G5a), 抗MMP-7
ポリクロ―ナル抗体 (M8683), 非免疫マウスIgG (MOPC-
21) あるいはウサギ正常免疫グロブリン画分で室温、1
時間インキュベートした。PBS で洗浄後、それら細胞を
FITCあるいはテトラメチルローダミン(TRITC)-標識第二
次抗体と反応させ、次にTexas Red phalloidin (Molecu
lar Probe 社OR,USA) で対比染色した。カバーストリッ
プは蛍光マウント培地(ダコ日本社)でマウントした。
免疫蛍光はLSCM, Fluoview FV300(オリンパス社、東
京)を用いて調べた。
【0084】(8) タンパクのヨード標識 プロMMP-7 は公知の方法に従ってCaR-1細胞の培養液か
ら精製された(Imai K.et al., J. Biol. Chem., 270: 6
691-6697, 1995)。精製プロMMP-7, 抗CD151抗体(11G5
a) 及び抗MMP-7 モノクローナル抗体(125-20H11) はIOD
O-GENR 試薬(Pirece Chemical社、IL, USA)を用いてヨ
ード標識した。簡単にプロMMP-7(300ng)と抗体(100μ
g) 抗体の各タンパク液100 μl を5 μg/ml KI 5 μl
と1 mCi Na 125I (アマシャム ファルマシア バイオテ
ック社)5μl と共にIODOGEN コート試験管中で氷冷
下、5分間インキュベートした。次に遊離 125I は前に
報告したように0.01%BRIJ 35 溶液(シグマーアルドリ
ッチ日本社)含有PBS により平衡化したSephadex G-25
(アマシャム ファルマシア バイオテック社) の回転
カラムを用いヨード標識試料から除去した。
【0085】(9) バインデイングアッセイ CD151 強制発現細胞を24穴プレートで培養し、2回洗浄
後、5%BSA含有新鮮培地で37℃、30分間インキュベート
した。培地を 125I-標識プロMMP-7 (MOUNT) 含有PBS で
置換し,4℃,1時間インキュベートした。その後、培
養液と洗浄液は非結合画分として処理した。細胞可溶化
液は 0.1N NaOHで調整し、PBS で2回洗浄した。細胞可
溶化液と洗浄液は結合画分として一緒にした。結合及び
非結合画分の放射活性はγ−カウンターARC-600(アロカ
社、東京) で計測した。
【0086】(10) In situ ザイモグラフィー 培養細胞(CD151 強制発現細胞あるいはCaR-1 細胞)を
カルボキシメチル化トランスフェリン(Cm-Tf) をコート
した2.5 mmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(富士写真フィルム社)上に播種した。フィルム上
の細胞を5% CO2インキュベータ―中で37℃,6 〜16時間
インキュベートした。空気乾燥後,試料を0.5% Biebric
h Scarlet(シグマーアルドリッチ日本社)とヘマトキシ
リンで染色した。
【0087】(11) ウエスタンブロテイング 細胞と培養液を集め,試料緩衝液で調節した。これら試
料は還元条件下、12.5% SDS−PAGEに供試し、次にPVDF
膜(ATTO 社) に転写した。転写膜を3% BSA/T-PBSでブロ
ックした。抗体を4℃、一晩、転写膜上でインキュベー
トした。抗マウスIgG ビオチン化ウマIgG (Vector La
b., CA, USA)とストレプトアビジン−ビオチン−ペルオ
キシダーゼ複合体(ダコ日本社)でインキュベート後、
塩酸3,3`-ジアミノベンジジン溶液(Muto Pure Chemica
ls 社,東京)で発色した。
【0088】II. 結果 (1) プロMMP-7 結合分子の同定 酵母Two-hybrid system によって、プロMMP-7 に関与す
る候補としてCD151 がスクリーニングされた。つまり、
プロMMP-7 をバイトとした酵母Two-hybrid system によ
って、ヒト肺cDNAライブラリーの1x107 個のクローンを
スクリーニングした。栄養摂取とβ−ガラクトシダーゼ
活性の両者をもとに5個の陽性クローンを単離した。DN
A シークエンシングはこれらのクローンの一つをヒトCD
151 と同定した。CD151 は膜タンパクであるので、この
分子をプロMMP-7 結合分子の候補としてさらに解析する
こととした。免疫沈降により、プロMMP-7 とCD151 との
相互作用があることが示された。多量のMMP-7 を産生し
ているCaR-1 細胞でCD151 が発現していることがRT-PCR
で証明された。そこで、その細胞可溶化物を抗CD151 抗
体(14A2.H1) を用いた免疫沈降に供した。CaR-1 細胞可
溶化物を非免疫抗体(NI)と抗CD151 モノクローナル抗体
(anti-CD151)に対して免疫沈降させ、12.5%(w/v)PAGEに
て分離し、PVDF膜へ転写した。次に I125 アイソトープ
ラベルした抗MMP-7 抗体(anti-MMP-7)あるいは抗CD151
抗体(anti-CD151)によりウエスタンブロットを行った。
図2A に示されたように、抗CD151 抗体はプロMMP-7 の
分子量に相当する29kDa のMMP-7 と共免疫沈降した。CD
151 の免疫沈降を125I標識抗CD151 抗体(11G5a) を用い
たウエスタンブロットで確認できた(図2B)。
【0089】(2) プロMMP-7 とCD151 との相互作用部
位 Two-hybridシステムアッセイにより、プロMMP-7 のprop
eptideとCD151 のC末端細胞外ループとが相互作用する
ことを証明できた。プロMMP-7 とCD151 の結合部位を調
べるために、各々の分子の欠失変異株を酵母へ共導入す
る酵母Two-hybridシステムアッセイを行った。pAS2-pro
MMP-7 とpACT2-CD151 の共導入酵母と、またpAS2-prope
ptide とpACT2-CD151 の共導入酵母を、-Trp/-Leu/-His
培地で培養した。proMMP-7とMMP-7 propeptideを含む両
者のクローンが培養液で生育したので、MMP-7 propepti
deはCD151 と相互作用すると考えられた(図3上段) 。
なお、pAS2-activeMMP-7とpACT2-CD151 の共導入酵母で
は陰性の結果であった。プロMMP-7 をバイト(餌)とし
て用いると、全長CD151 とCD151 のC末端細胞外ループ
を発現しているクローンが培養液中で、生存する(図3
下段) ことから、共通ドメインはC末端の大きな細胞外
ループであることが示唆される。これらの結果はMMP-7
propeptideとC 末端の細胞外ループが結合することを証
明している。
【0090】(3) バインデイング アッセイ プロMMP-7 とCD151 の結合様式を精製プロMMP-7 とCD15
1 強制発現細胞で調べた。プロMMP- 7はCD151 発現細胞
と結合した(図4、上側のグラフはCOS-7 細胞を、下側
のグラフではHeLa細胞を使用しての結果である) 。 (4) CD151の安定強制発現細胞の確立 相互作用をさらに調査するために、CD151 の安定強制発
現細胞をCOS-7 細胞にCD151 を導入することにより確立
した。COS-7 細胞自身のCD151 はフローサイトメトリー
で検出レベル以下であったので、COS-7 細胞を使用し
た。CD151 の導入細胞60クローンの発現レベルをフロー
サイトメトリーで測定し、LSCMイメージングで確認した
(図5)。免疫染色された細胞をLSCMで観察した。緑の
シグナルはCD151 免疫染色シグナルを示し、赤色は細胞
骨格を示すファルイジン染色を示す。CD151 の発現レベ
ルの高い強制発現細胞(クローン 4, 14, 16)と低い強
制発現細胞(クローン 2, 3, 12)を選択した。CD151 の
発現レベルが高い強制発現系細胞では細胞表面上にCD15
1 を発現している(図5A, D)。CD151 の発現レベルの
低い強制発現系細胞(図5B, E)及び宿主のCOS7細胞
(図5C, F)ではシグナルが現れていなかった。
【0091】(5) プロMMP-7 とCD151 の細胞膜上の共
局在 CD151を高発現している強制発現細胞に精製プロMMP-7
を添加しMMP-7とCD151をそれぞれの抗体で免疫染色し、
LSCMで観察すると、細胞膜上にプロMMP-7 が局在してい
た(図6B の赤色シグナル) 。CD151 もまた細胞膜上に
発現していた(図6A の緑色シグナル) 。MMP-7とCD151
の両者をそれぞれ染色する二重免疫染色は二つの分子
が共存在していることが黄色いシグナルで確認された
(図6C)。非免疫IgG を用いた免疫染色は陰性シグナル
を示した(図6D)。同様に、プロMMP-7 とCD151 はCaR-
1 がん細胞の膜上に共存在した。プロMMP-7 の活性化を
調べるために、Cm-Tf フィルムを用いたin situ ザイモ
グラフィーを行った。プロMMP-7 もCD151 も発現してい
ない宿主のCOS7細胞をCm-Tf フィルム上でインキュベー
トすると、外から加えたプロMMP-7 存在下でさえ、Cm-T
f に対するタンパク分解活性を示さなかった (図7A 及
びB)。対照的にCD151 を高発現している強制発現細胞で
は、フィルム上でインキュベートしている細胞にプロMM
P-7 を加えた時のみ細胞表面上のCm-Tf 基質が分解され
た (図7C及びD)。
【0092】一方、プロMMP-7 とCD151 の両者を発現し
ているCaR-1 細胞は細胞表面上の強いCm-Tf のタンパク
分解活性を示した (図8A)。その活性はCm-Tf フィルム
にコートされたオルトフェナントロリン( 図8B)で完全
に阻害され、また、MMP の特異的インヒビターであるリ
コンビナントTIMP-1で阻害された (図8C)。また、イン
キュベーション下に、抗MMP-7 抗体が存在すると活性は
検出されていなかった(図8D)。非免疫IgG 抗体は何の
影響も示さなかった(図8F)が、重要なことに、抗CD15
1 抗体はまた、タンパク活性を阻害した (図8E)。19kD
a の活性型MMP-7は、Cm-Tf フィルム上でインキュベー
トしたCD151 強制発現細胞の可溶化物において検出する
ことができた。このような活性化は低発現や宿主のCOS7
細胞では認められなかった。CaR-1 細胞はプラスチック
シャーレ中にある内因性のプロMMP-7 を活性化しない。
Cm-Tf フィルム上でインキュベートされた細胞の可溶化
物に19kDaの活性型MMP-7が検出された。かくして、CD15
1 を発現している細胞の細胞膜上でプロMMP-7 は活性化
される。
【0093】実施例2 CD151 とプロMMP-7 の相互作用の生体内での役割を調べ
るため、ヒト軟骨におけるCD151 の発現とプロMMP-7 と
の相互作用が変形性関節症(OA)の病態とどのように関わ
っているかを調べた。 I.対象と方法 慶應義塾大学病院、江戸川病院、川崎市立川崎病院にお
ける一次性のOAに対して人工膝関節置換術(TKA) 、人工
股関節置換術(THA) が施行された際に得られる非骨棘性
の軟骨を用いた。正常軟骨としては、大腿骨頸部骨折の
人工骨頭置換術施行例で得られる肉眼的、顕微鏡的に正
常と判断した大腿骨頭を用いた。尚、各病院の倫理委員
会の承認のもと提供者より承諾を得て軟骨サンプルを採
取した。 (1) 組織標本の作製 軟骨サンプルは代表的な部位を3mm の厚さで切除し可及
的に骨をノミ、リウエルで取り除き免疫染色用に PLP(p
eriodate-lysine-paraformaldehyde) 固定または in si
tu hybridization用に4% PFA (paraformaldehyde) 固定
を4℃、約24時間行い、4μm の厚さのパラフィン切片
を作製した。HE (hematoxylin and eosin)染色、トルイ
ジンブルー染色を各一枚ずつ施行しMankinらの方法(H.
J. Mankin et al., J. Bone Joint Surg. Am., 53: 523
-537, 1971) に従い、histologic-histochemical gradi
ng(0-14)を行った。
【0094】(2) CD151, MMP-7の免疫染色 脱パラフィン後、CD151 と活性型MMP-7 の免疫染色につ
いては抗原性賦活化処理を要した。それぞれ0.4%ペプシ
ン溶液37℃10分、0.04% ペプシン溶液37℃10分で行っ
た。0.3%過酸化水素水にて内因性ペルオキシダーゼをbl
ocking10分、1%BSA/PBS で非特異的反応のblocking30分
を行った後、PBS で10μg/mlに調製した抗CD151 モノク
ローナル抗体 (11G5a)、抗プロMMP-7 モノクローナル抗
体 (141-7B2)、抗活性型MMP-7 モノクローナル抗体 (17
6-5F2)あるいは非免疫マウスIgG で室温、1時間インキ
ュベートした。PBS で洗浄後、二次抗体Envisioin (DAK
O, Glostrup,Denmark) と反応させDAB (3,3'-diaminobe
nzidine tetrahydrochloride)で発色させ、Hematoxylin
でcounterstainを行った。 (3) 免疫染色におけるCD151 陽性率 Mankin scoreの値をgrading した視野におけるCD151 陽
性細胞の数を計測し、その視野内の全軟骨細胞に対する
割合をカウントした。Mankin scoreとの相関性の解析に
はSpearman rank correlation を用いた。
【0095】(4) 軟骨RNA 抽出 軟骨にメスで切り込みを入れた後、メスで薄く削り採取
した。採取した軟骨を可及的に細かくmince し、軟骨片
を50ml遠心管に入れ液体窒素(-194 ℃) で凍結した。同
じく液体窒素で凍結したクールミル(TOYOBO)の分銅の入
ったセル内に凍結した軟骨片を入れ再凍結した後、90秒
クイックレンチでゴム板に叩きつけて破砕した。粉末状
に粉砕されたサンプルを乾熱滅菌したスパーテルで取り
出し重量測定しRNA 抽出操作を行った。RNA 抽出には、
silica-gel membrane technologyを用いたQIAGEN RNeas
y mini column を使用し、Bioanalyzer(Agilent Techno
logy) でRNA の濃度及び純度を測定した。 (5) RT-PCR 1μg のtotal RNA に対してM-MLV Reverse Transcript
ase RNaseH-(ReverTraAceR, TOYOBO Co., LTD)を用いて
cDNAを作製した。PCR amplification は、cyclesをGAPD
H は25, 30サイクル、CD151, MMP-7は25サイクル、30サ
イクルで行い、94℃1分で変性処理し、CD151 は65.5℃
1分、MMP-7 は6 7 ℃1分、GAPDH は62℃1分でアニー
ル化処理し、72℃1分で伸長処理した。用いたプライマ
ーは、以下の通りである。 ヒトCD151 に特異的なプライマー: 産生物のサイズ 197
bp フォアードプライマー 5'-ACAGCCTACATCCTGGTGGT-3':
配列表の配列番号21 リバースプライマー 5'-TTCTCCTTGAGCTCCGTGTT-3': 配
列表の配列番号22 ヒトプロMMP-7 に特異的なプライマー: 産生物のサイズ
373bp フォアードプライマー5'-GGTCACCTACAGGATCGTATCATAT-
3':配列表の配列番号23 リバースプライマー 5'-CATCACTGCATTAGGATCAGAGGAA-
3':配列表の配列番号24 GAPDH に特異的なプライマー: 産生物のサイズ 598bp フォアードプライマー5'-CCACCCATGGCAAATTCCATGGCA-
3': 配列表の配列番号25 リバースプライマー5'-TCTAGACGGCAGGTCAGGTCCACC-3':
配列表の配列番号26
【0096】(6) 軟骨細胞の単離 軟骨にメスで切り込みを入れた後、メスで薄く削り採取
した。メスで可及的に細かくミンスし、0.8%(w/v) Pron
ase (Calbiochem, La Jolla, California)37℃1時間、
2%FBS 含有0.4%(w/v) bacterial collagenase type I
(Worthington Biochemical Corporation, Freehold, Ne
w Jersey)37℃3時間で酵素処理しデブリスをメッシュ
フィルターで除去し、遠心で細胞塊をペレットダウンし
10%FBS 含有のDMEM/Ham's F-12 に浮遊させ、6cm ディ
ッシュに 10000 cell/cm2 で播種した。週2回の培地交
換を行った。 (7) Carboxymethylated transferrin(Cm-Tf) film を用
いたin situ zymography単離した軟骨細胞を単層培養
し、コンフルエントに達したら、血清フリー培地に交換
し、その24時間後、IL-1α(1ng/ml)とTNF-α(5ng/ml)及
び0.2% lactalbumin hydrolysate(Invitrogen Corp.)含
有血清フリー培地で48時間培養した。0.05% トリプシン
と0.02%EDTA で細胞をデッシュからはがし、トリプシン
中和液でトリプシンを中和後1500rpm 5分間遠心し、細
胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液をCm-Tf(2.5 μm thic
kness)(Fuji Photo Film Co., Ltd.) でコートされたfi
lm上で下記の各々の条件で6時間培養した後、自然乾燥
しアミドブラックで染色した。 1) 0.2%LH 含有血清フリー培地で培養 2) 0.8mMオルトフェナントロリンでコートしたCm-Tf fi
lmの上で培養 3) リコンビナントTIMP-1 (20μg/ml) 含有培地で培養 4) 25μg/ml抗CD151 抗体(11G5a) 含有培地で培養 5) 25μg/ml抗MMP-7 ポリクローナル抗体(M8683) 含有
培地で培養 6) 25μg/ml非免疫マウスIgG 含有培地で培養 7) 25μg/ml非免疫ウサギIgG 含有培地で培養
【0097】(8) 蛍光免疫染色 Lab-Tek chamber slides (Nalge Nunc International
K. K., Tokyo)で培養した軟骨細胞を4% PFA5分間で固
定し、3%BSA/T-PBS で非特異反応をブロッキング後、一
次抗体10μg/ml抗CD151 抗体(11G5a) 、10μg/ml抗MMP-
7 ポリクローナル抗体(M8683) 、10μg/ml非免疫マウス
IgG あるいは、10μg/ml非免疫ウサギで室温、1時間イ
ンキュベートした。二重染色する際は未固定で一次抗体
を室温1時間反応後、固定した。二次抗体はFITCあるい
はTRITC でラベルされた二次抗体(DAKO Japan K.K.) を
用いた。一重染色の場合は Phallotoxin(Molecular Pro
bes, Inc., Eugene, OR)でcounterstainを行った。Fluo
rescent mount medium (DAKO Japan Co., Ltd.) で封入
し、共焦点レーザー顕微鏡Fluoview FV300(Olympus C
o., Ltd., Tokyo, Japan) で観察した。 (9) 軟骨のphenotype 軟骨のphenotype は、アグリカン、コラーゲンtype II
に対する免疫染色で確認した。一次抗体は1/10倍希釈し
たマウス抗ヒトアグリカン抗体(Abcam Limited, Cambri
dge, UK)と1/20倍希釈したウサギ抗ヒトポリクローナル
コラーゲンII型抗体(Monosan, Am Uden, Netherlands)
を用いた。
【0098】II.結果 (1) CD151 の免疫染色 Mankin scoreの低いより正常に近い軟骨組織ではCD151
陽性細胞は認められず(図9-a) 、Mankin scoreが高く
なると軟骨表層にCD151 陽性細胞が認められる(図9-
b) 。OAが進行しMankin scoreが高くなると軟骨細胞がc
luster を形成したところにCD151 が陽性となった(図
9-c) 。図9は、hematoxylin counterstainの結果を示
し、そこで a: Normal cartilage, Mankin grade 1, b: OA Cartilage, Mankin grade 8, c: OA Cartilage, Mankin grade 11, そして d: OA Cartilage, Mankin grade 11, 非免疫マウスIgG である。 (2) CD151 陽性細胞率とMankin scoreとの相関 CD151 陽性細胞率はMankin scoreと相関係数0.71と強い
正の相関が認められた(図10) 。 (3) CD151 とプロMMP-7 の共発現 連続切片を用いたCD151 とpro MMP-7 の免疫染色からCD
151 とプロMMP-7 がほぼ同じ部位に染色性があることが
分かった(図11) 。特にMankin scoreが高いものでは、
どちらも軟骨細胞がcluster を形成している部位に染ま
っていた。図11では、 OA Cartilage, Mankin score grade 11 a: プロ MMP-7抗体(141-7B2; 10μg/ml) b: CD151 抗体(11G5a; 10μg/ml) c: 活性型MMP-7 抗体(176-5F2; 10μg/ml) 、そして d: 非免疫マウスIgG(10μg/ml) である。
【0099】(4) CD151 と MMP-7の mRNA 発現 代表症例のOA cartilage 5例(OA)とnormal cartilage 6
例(NOR) についてCD151, MMP-7のmRNAの発現についてRT
-PCRで検討した。CD151 のmRNA発現レベルはOA例では80
% でNOR 例 30%に比して有意に高かった。MMP-7 のmRNA
発現レベルもOA例 40%, NOR 例 0% で有意に高かった
(図12) 。
【0100】(5) In situ zymography IL-1α(1ng/ml)とTNF-α(5ng/ml)で刺激し何も阻害因子
を添加しなかったものは細胞周囲にproteolytic な像が
見られたが(図13-A) 、サイトカイン非刺激の細胞周囲
は溶けていない(図13-B) 。またオルトフェナントロリ
ンでコートされたCm-Tf filmでも(図13-C) 、MMP の特
異的なインヒビターであるリコンビナントTIMP-1が添加
されていたものも(図13-D) 細胞周囲は溶けていない。
また、CD151 の抗体を添加したもの(図13-E) 、MMP-7
の抗体を添加したもの(図13-G)では細胞周囲は溶けて
いなかったが、それぞれの非免疫マウスIgG,ウサギIgG
を添加したものにはproteolytic な像が見られた(図13
-F,H) 。基質を分解したのは、MMP-7 でありCD151 を介
して活性化が起こっていることが分かった。図13では、
軟骨細胞のCm-Tf film上でのインキュベーションは、そ
れぞれ次のとおりであった: A. IL-1α(1ng/ml)とTNF-α(5ng/ml)で刺激した軟骨細
胞 B. 非刺激軟骨細胞 C. オルトフェナントロリンでコートされたCm-Tf film
上でインキュベートした刺激軟骨細胞 D. リコンビナントTIMP-1 (20μg/ml) を加えた刺激軟
骨細胞 E. 抗CD151 抗体(11G5a、25μg/ml) を加えた刺激軟骨
細胞 F. 非免疫マウスIgG(25μg/ml) を加えた刺激軟骨細胞 G. 抗MMP-7 ポリクローナル抗体(M8683、25μg/ml) を
加えた刺激軟骨細胞、 そして H. 非免疫ウサギIgG(25μg/ml) を加えた刺激軟骨細
胞。
【0101】〔考察〕本発明では、CD151 をプロMMP-7
の結合能を有するタンパクとして同定することに成功し
た。本発明で、まず最初に酵母two-hybridシステムを用
いてその相互関係を確立し、両者の結合相手を含有する
CaR-1 細胞可溶化物(NP-40 の溶解緩衝液にて調整し
た)の免疫沈降法によってそれを証明した。また、直接
的及び特異的相互作用は125I標識プロMMP-7 と非標識プ
ロMMP-7 を用いた競合的親和結合アッセイ及びCD151 強
制発現細胞により確認された。本発明で、結合を担うド
メインを発見しようと試みた。かくして欠失変異株を用
いた酵母two-hybridシステムによりプロMMP-7 のプロペ
プタイドと2番目の大きい細胞外ループが結合能力を持
つことを示した。本発明で、LSCMもまた、細胞表面上の
プロMMP-7 とCD151 の共存を明確に示していた。CD151
の機能はインテグリンの修飾分子と考えられており、細
胞表面の外側でのMMPsに結合機能を持つという知見は新
規なものである。がん組織でのCD151 の分布については
よく研究されてはいないが、CD151 はがん細胞の浸潤突
出の末梢部に局在している。また、CD151 とMMP-7 は上
皮細胞に発現しており、間質細胞には発現していなく、
この発現パターンはCD151 とMMP-7 の相互関係に関連し
ているものと思われる。その上、従来の研究により、MM
P-7 がプロテオグリカンに結合することを明らかにして
いるから、本発明の知見はMMP-7 が基質でないタンパク
に結合する初めての報告である。プロMMP-7 とCD151 複
合体の機能はプロMMP-7 の効率的な活性化を促進してい
るということができる。Cm-Tf in situ ザイモグラフィ
ー及びウエスタンブロットで、CD151 が発現している細
胞表面でプロMMP-7 を活性化し、活性化されたMMP-7 が
その基質を分解することを証明した。MMP-7 とCD151 の
相互作用はプロMMP-7 の活性化に重要な役割を果たして
いることを見出した。MMP-7, MMP-2及びMT1-MMP は通常
多種のがん組織から分泌されている。MT1-MMP によるMM
P-2 の活性化機能とその細胞膜上の局在が明らかにされ
てきた。しかしながら、MMP-7 のこれらの機構は全く明
確にされていない。MMP-7 結合タンパクが細胞膜上で活
性化に関与する報告は本発明が初めてである。本相互作
用はプロMMP-7 のアクチベーターがCD151 の近くに存在
することを示している。従来の研究において、他のMMPs
及びトリプシンがMMP-7 アクチベーターとして働くこと
を示してある。また、タンパク分解性MMP ドメインとイ
ンテグリン結合ディスインテグリンドメインを持つADAM
s はアクチベーターの候補でなければならない。MMP-7
とECM (細胞外マトリックス)タンパクは細胞膜上のCD
151 とインテグリン複合体によって結合している。CD15
1 はインテグリンと相互作用し、細胞-ECM結合部に局在
している。特に、CD151 はα3β1, α5β1 とα6β1
インテグリンに結合している。これらのインテグリンは
MMP-7 の基質であるフィブロネクチン、コラーゲン、ラ
ミニン及びエンタクチンを含んだECM 構成成分に結合し
ている。捕捉されたMMP-7 が基質の近くに局在すること
は合理的である。CD151 は抗原とそれに特異的に反応す
る免疫学的細胞を結合させる主要組織適合性複合体とし
て働く。その強いタンパク分解活性によりMMP-7 の活性
化は厳密にコントロールされている。TIMPs は内因性の
溶解型のMMPs阻害剤として知られており、この結合は組
織治療においてその局在の調整による活性のコントロー
ルに寄与する。プロMMP-7 はMMPsとして小さなドメイン
を持っているので、他のMMPsはこの相互作用を細胞膜上
の局在と活性化に使うことができる。また、他のTM4SF
は同様な複合体かもしれない。これらの複合体は各々の
ECM と特異的ECM 分解MMPsに結合している。本発明で、
プロMMP-7 とCD151 様複合体がその活性と局在をコント
ロールしていることを示している。分泌されたプロテア
ーゼは消化管の管腔でタンパクを自由に分解していると
考えられてきた。しかしながら、最近の研究では、タン
パク分解はMT1-MMP とTIMP-2を介したMMP-2 のように細
胞膜上でコントロールされていることが明らかにされて
いる。そこで、細胞膜上のタンパク分解をコントロール
する分子複合体を“Cellular Interface Proteolysis"
(「細胞表面のプロテオライソゾーム」)と名づけるこ
とが提案できる。ECM と細胞の相互作用はECM分子とイ
ンテグリンのようにそれらのリガンドが正確にコントロ
ールされた相互作用として理解され、タンパク分解は二
次的に生じ、よくコントロールされていないと考えられ
ていた。この“Cellular Interface Proteolysis" は正
確にタンパク分解の調整に寄与する。さらにこれらの研
究を進めれば、がん治療、変形性関節症及びリウマチの
ような破壊的炎症性疾患の新しいターゲットとなるであ
ろう。
【0102】
【発明の効果】本発明により、プロMMP-7活性化機構を
解明する途が開かれ、MMP-7の活性を調整し、様々なプ
ロMMP-7-CD151 相互作用調節物質などが提供でき、それ
によりがんの転移・浸潤などを含めた疾患、軟骨破壊に
起因する疾患又は変形性関節症などの病気の予防・治療
用の薬剤(医薬品、診断薬なども含む)が提供できる。
本発明は、プロMMP-7 とCD151 の間の相互作用に起因す
る疾患の診断、MMP-7 活性に付随する病的な状態の原因
究明、診断・リスク予知などに有用である。該プロMMP-
7-CD151相互作用に影響を与える、抗MMP-7抗体、抗CD15
1抗体、プロMMP-7のプロペプタイド領域ペプチド、CD15
1のC末端の細胞外ループ領域ペプチドなどの活性物質を
作製し、これを用いた当該タンパクの測定系、生物活性
調整系を開発することが可能で、がんの転移、浸潤、軟
骨破壊に起因する疾患又は変形性関節症などの診断など
にも有用である。本発明は、前述の説明及び実施例に特
に記載した以外も、実行できることは明らかである。上
述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能
であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内
のものである。
【0103】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> DAIICHI FINE CHEMICAL CO., LTD. <120> REGULATION OF PRO-MMP-7 ACTIVATION <130> P-03NF410 <150> JP 2002-50185 <151> 2002-02-26 <160> 26 <170> PatentIn version 3.1 <210> 1 <211> 89 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Leu Pro Leu Pro Gln Glu Ala Gly Gly Met Ser Glu Leu Gln Trp Glu 1 5 10 15 Gln Ala Gln Asp Tyr Leu Lys Arg Phe Tyr Leu Tyr Asp Ser Glu Thr 20 25 30 Lys Asn Ala Asn Ser Leu Glu Ala Lys Leu Lys Glu Met Gln Lys Phe 35 40 45 Phe Gly Leu Pro Ile Thr Gly Met Leu Asn Ser Arg Val Ile Glu Ile 50 55 60 Met Gln Lys Pro Arg Cys Gly Val Pro Asp Val Ala Glu Tyr Ser Leu 65 70 75 80 Phe Pro Asn Ser Pro Lys Trp Thr Ser 85 <210> 2 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 2 ggaattcctg ccgctgcctc aggag 25 <210> 3 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 3 acgcgtcgac tttctttctt gaattacttc tc 32 <210> 4 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 4 ggaattcctg ccgctgcctc aggag 25 <210> 5 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 5 acgcgtcgac ttaggaagtc catt 24 <210> 6 <211> 37 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 6 ctgaattcta ctcactattt ccaaatagcc caaaatg 37 <210> 7 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 7 acgcgtcgac tttctttctt gaattacttc tc 32 <210> 8 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 8 ggaattcgaa tgggtgagtt caacgagaag aag 33 <210> 9 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 9 ccgctcgagg atgcccactg ccatgacagc 30 <210> 10 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 10 ggaattcgac tgctgtttac ctacaattgc tg 32 <210> 11 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 11 ccgctcgagg cccaagaccc cagtcac 27 <210> 12 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 12 ggaattcgac tggccacagc ctacatcc 28 <210> 13 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 13 ccgctcgagg taggcgagga taccagcg 28 <210> 14 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 14 ggaattcgac tgtacttcat cctgctcctc atcatc 36 <210> 15 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 15 ccgctcgagg cacgtgaaga tcatgccaaa gac 33 <210> 16 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 16 ggaattcgag tcattggggc tgtggggatc 30 <210> 17 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 17 ccgctcgagt cagtagtgct ccagcttgag ac 32 <210> 18 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 18 cggaattcag gatgggtgag ttcaacg 27 <210> 19 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 19 acgcgtcgac tcagtagtgc tccagc 26 <210> 20 <211> 109 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 20 Ala Tyr Tyr Gln Gln Leu Asn Thr Glu Leu Lys Glu Asn Leu Lys Asp 1 5 10 15 Thr Met Thr Lys Arg Tyr His Gln Pro Gly His Glu Ala Val Thr Ser 20 25 30 Ala Val Asp Gln Leu Gln Gln Glu Phe His Cys Cys Gly Ser Asn Asn 35 40 45 Ser Gln Asp Trp Arg Asp Ser Glu Trp Ile Arg Ser Gln Glu Ala Gly 50 55 60 Gly Arg Val Val Pro Asp Ser Cys Cys Lys Thr Val Val Ala Leu Cys 65 70 75 80 Gly Gln Arg Asp His Ala Ser Asn Ile Tyr Lys Val Glu Gly Gly Cys 85 90 95 Ile Thr Lys Leu Glu Thr Phe Ile Gln Glu His Leu Arg 100 105 <210> 21 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 21 acagcctaca tcctggtggt 20 <210> 22 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 22 ttctccttga gctccgtgtt 20 <210> 23 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 23 ggtcacctac aggatcgtat catat 25 <210> 24 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 24 catcactgca ttaggatcag aggaa 25 <210> 25 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 25 ccacccatgg caaattccat ggca 24 <210> 26 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide to act as a primer for PCR <400> 26 tctagacggc aggtcaggtc cacc 24
【図面の簡単な説明】
【図1】作製した各酵母発現プラスミッドの構成並びに
CD151 の細胞膜上での形態(すなわち、右下側に示した
ように、4個の膜貫通領域、2個の細胞外ループ(EL1及
びEL2)、1個の細胞内ループ(CL)と細胞質内N末端(C1)
及び細胞質内C末端(C2)より構成されている)を示す。
GAL4 DNA-BDと融合した変異プロMMP-7 とGAL4 ADと融合
した変異CD151のそれぞれの酵母プラスミッドとして構
築したことが示されている。 図中、GAL4 DNA-BD ;ガラクトシダーゼ4 DNA 結合ドメ
イン GAL4 AD ;ガラクトシダーゼ4 活性ドメイン
【図2】CD151を発現するCaR-1 細胞可溶化物を非免疫
抗体と抗CD151モノクローナル抗体に対して免疫沈降
後、PAGE分離し膜転写物を125I標識抗MMP-7抗体(Figure
2A)及び125I標識抗CD151抗体(Figure 2B)によりウエス
タンブロットを行った結果を示す。CD151 免疫沈降CaR-
1 細胞可溶化物においてプロMMP-7 及びCD151 が検出さ
れた。MMP-7 とCD151 の結合を示している。
【図3】酵母 two-hybrid アッセイの結果である。MMP-
7 プロペプタイドがCD151の大きい方の細胞外ループに
結合することを示す。×: 結合性なし、○: 結合性pAS2
-proMMP-7 とpACT2-CD151 の共導入酵母を -Trp/-Leu/-
His 培地で培養した。ProMMP-7とMMP-7プロペプタイド
を含む両者のクローンが培養液で生育したので、MMP-7
プロペプタイドはCD151 と相互作用すると考えられた。
ProMMP-7をバイトとして全長CD151, CD151-C1, CD151-E
L1, CD151-CL, CD151-EL2 及びCD151-C2の共導入酵母を
-Trp/-Leu/-His 培地で培養した。C末端細胞外ループ
を発現しているクローンが培養液中( 全長CD151 及びCD
151-EL2)で生存した。
【図4】プロMMP-7 バインディングアッセイの結果を示
す。CD151 強制発現細胞(Cos7 細胞(上のグラフ)もし
くはHeLa細胞(下のグラフ)) を24穴プレートで培養
し、2回洗浄後、5% BSA含有新鮮培地で37℃、30分間イ
ンキュベートした。培地を125I- 標識プロMMP-7 (MOUN
T) 含有PBS で置換し、4℃、1時間インキュベートし
た。その後、培養液と洗浄液は非結合画分として処理し
た。細胞可溶化液は 0.1 NaON で調整し、非結合画分の
放射活性はγ- カウンター ARC-600で計測した。宿主細
胞の125I- 標識プロMMP-7 の結合を1とし、CD151 強制
発現細胞の低発現、高発現細胞でCD151 とプロMMP-7 の
結合を測定した。
【図5】CD151 遺伝子導入細胞(COS-7細胞) のLSCMイメ
ージングの結果を示す細胞の形態を示す写真である。免
疫染色された細胞をLSCMで観察した。緑のシグナルはCD
151 免疫染色シグナルを示し、赤色はファルイジンを示
す。A, Dは、CD151 高発現細胞で、B, Eは、CD151 低発
現細胞で、C, Fは、宿主細胞である。A, B, C は、抗CD
151 抗体で染色し、D, E, F は、抗CD151 抗体及びファ
ルイジン染色を示す。A, Dは、CD151高発現細胞の細胞
表面上にCD151 を発現している。すなわち、A では緑の
シグナルが明確に観察されている。E, Fは、赤色の染色
があるのが明確に観察され、Dではその赤に加えて、A
におけると類似の形状の緑のシグナルが明確に観察され
ている。
【図6】CD151遺伝子導入細胞(COS-7細胞) の二重染色
の結果を示す細胞の形態を示す写真である。A) CD151
(緑色) と B) MMP-7(赤色) の免疫染色は細胞表面にシ
グナルを示す。C) CD151 と MMP-7とが二重免疫染色さ
れている結果を示している(緑と赤が重なり黄色を示し
ている様子がわかる) 。D) 非免疫マウスIgG 抗体と非
免疫ウサギIgG 抗体での染色を示す。染色が観察されな
いことがわかる。
【図7】CD151強制発現に使用した宿主細胞(COS7 細胞)
のin situ ザイモグラフィーの結果を示す。細胞をin
situ ザイモグラフィーフィルム上でインキュベートし
た。 A) CD151 遺伝子未導入の宿主細胞はタンパク分解活性
を示さない。 B) プロMMP-7 を添加した宿主細胞にも有意な変化は現
れなかった。 C) CD151 遺伝子導入細胞はタンパク分解活性を持って
いない。 D) プロMMP-7 を添加したCD151 遺伝子導入細胞(CD151
強制発現COS7細胞) は細胞膜上でタンパク分解活性を
示した。
【図8】CaR-1 細胞のin situ ザイモグラフィーの結果
を示す。CaR-1 細胞をin situ ザイモグラフィーフィル
ム上でインキュベートした。 A) CaR-1 細胞はCm-Tf を分解した。 B) オルトフェナントロリンでCaR-1 細胞のCm-Tf 分解
活性は阻害された。 C) リコンビナントTIMP-1でCaR-1 細胞のCm-Tf 分解活
性は阻害された。 D) 抗MMP-7 抗体によりCaR-1 細胞のCm-Tf 分解活性は
阻害された。 E) 抗CD151 抗体によりCaR-1 細胞のCm-Tf 分解活性は
阻害された。 F) 非免疫抗体ではCaR-1 細胞はCm-Tf を分解した。
【図9】組織の免疫染色の結果を示す生物の形態の写真
である。Hematoxylin counterstainを行ってある。
【図10】CD151 陽性細胞率とMankin scoreとの相関関
係を示すグラフである。Spearmanrank correlation
(ρ=0.711; p=0.0009; n=22)
【図11】組織の連続切片を用いたCD151 とプロMMP-7
の免疫染色の結果を示す生物の形態の写真である。
【図12】CD151及びMMP-7 のmRNAの発現についてRT-PC
Rで検討した結果を示す電気泳動の写真である。
【図13】培養した軟骨細胞につき in situ zymograph
y を行った結果の生物の形態の写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 48/00 4C086 48/00 A61P 17/02 4H045 A61P 17/02 19/02 19/02 19/08 19/08 29/00 29/00 35/00 35/00 35/04 35/04 37/02 37/02 37/08 37/08 43/00 111 43/00 111 C07K 16/00 C07K 16/00 C12N 9/00 C12N 9/00 9/99 9/99 C12Q 1/02 C12Q 1/02 1/37 1/37 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/53 D 33/53 33/566 33/566 A61K 37/02 (72)発明者 藤田 貴也 東京都世田谷区深沢4−33−23 リージェ ンシー駒沢102 (72)発明者 大内 栄子 富山県高岡市長慶寺530番地 第一ファイ ンケミカル株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BB10 BB14 BB20 BB24 BB41 BB46 BB48 BB50 BB51 CB01 DA13 DA36 FA18 FB02 FB03 FB05 FB08 FB12 GC12 GC15 4B050 CC06 DD11 HH01 LL01 4B063 QA01 QA05 QA18 QQ08 QQ36 QR48 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 AA17 BA01 BA08 BA20 BA23 CA17 MA01 NA14 ZA962 ZB052 ZB072 ZB112 ZB132 ZB212 ZB262 ZC202 4C085 AA13 AA14 CC32 EE01 GG01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA96 ZB05 ZB07 ZB11 ZB13 ZB21 ZB26 ZC20 4H045 AA10 AA30 BA10 CA40 DA56 EA20

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞膜上に存在するプロMMP-7結合因子
    とプロMMP-7との相互作用を阻害することを特徴とする
    プロMMP-7活性化阻害剤。
  2. 【請求項2】 細胞膜上に存在するプロMMP-7結合因子
    がCD151であることを特徴とする請求項1記載の阻害
    剤。
  3. 【請求項3】 CD151とプロMMP-7との相互作用を阻害す
    ることを特徴とするプロMMP-7活性化阻害剤。
  4. 【請求項4】 プロMMP-7活性化阻害剤が、(i) (a) プ
    ロMMP-7のプロペプタイド領域あるいは(b) CD151のC末
    端の細胞外ループ領域を構成する連続したアミノ酸配列
    から選択された連続したアミノ酸配列に相当するアミノ
    酸配列を有するペプチド及びその誘導体から成る群から
    選ばれたもの、(ii) プロMMP-7のプロペプタイド領域
    を構成する連続したアミノ酸配列から選択された連続し
    たアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチ
    ドに特異的に結合する抗体及びその誘導体から成る群か
    ら選ばれたもの、及び(iii) CD151のC末端の細胞外ル
    ープ領域を構成する連続したアミノ酸配列から選択され
    た連続したアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有す
    るペプチドに特異的に結合する抗体及びその誘導体から
    成る群から選ばれたもの、から成る群から選ばれたもの
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載
    の阻害剤。
  5. 【請求項5】 (i) プロMMP-7 のプロペプタイド領域
    が、次なる配列: Leu Pro Leu Pro Gln Glu Ala Gly Gly Met Ser Glu Leu Gln Trp Glu Gln Ala Gln Asp Tyr Leu Lys Arg Phe Tyr Leu Tyr Asp Ser Glu Thr Lys Asn Ala Asn Ser Leu Glu Ala Lys Leu Lys Glu Met Gln Lys Phe Phe Gly Leu Pro Ile Thr Gly Met Leu Asn Ser Arg Val Ile Glu Ile Met Gln Lys Pro Arg Cys Gly Val Pro Asp Val Ala Glu Tyr Ser Leu Phe Pro Asn Ser Pro Lys Trp Thr Ser 〔配列表の配列番号:1〕 で、プロMMP-7 活性化阻害剤が、上記プロペプタイド領
    域を構成する連続したアミノ酸配列から選択された2〜
    89の連続したアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有
    するペプチド及びその誘導体から成る群から選ばれたも
    のである、あるいは(ii) CD151 のC末端の細胞外ループ
    領域が、次なる配列: Ala Tyr Tyr Gln Gln Leu Asn Thr Glu Leu Lys Glu Asn Leu Lys Asp Thr Met Thr Lys Arg Tyr His Gln Pro Gly His Glu Ala Val Thr Ser Ala Val Asp Gln Leu Gln Gln Glu Phe His Cys Cys Gly Ser Asn Asn Ser Gln Asp Trp Arg Asp Ser Glu Trp Ile Arg Ser Gln Glu Ala Gly Gly Arg Val Val Pro Asp Ser Cys Cys Lys Thr Val Val Ala Leu Cys Gly Gln Arg Asp His Ala Ser Asn Ile Tyr Lys Val Glu Gly Gly Cys Ile Thr Lys Leu Glu Thr Phe Ile Gln Glu His Leu Arg 〔配列表の配列番号:20 〕で、プロMMP-7 活性化阻害剤
    が、上記CD151のC末端の細胞外ループ領域を構成する連
    続したアミノ酸配列から選択された2〜109 の連続した
    アミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチド
    及びその誘導体から成る群から選ばれたものである、こ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか一記載の阻害
    剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一記載の阻害剤
    を有効成分として含有することを特徴とする医薬組成
    物。
  7. 【請求項7】 (i) (a) プロMMP-7のプロペプタイド領
    域あるいは(b) CD151のC末端の細胞外ループ領域を構成
    する連続したアミノ酸配列から選択された連続したアミ
    ノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチド及び
    その誘導体又は(ii) (a) 次なる配列: Leu Pro Leu Pro Gln Glu Ala Gly Gly Met Ser Glu Leu Gln Trp Glu Gln Ala Gln Asp Tyr Leu Lys Arg Phe Tyr Leu Tyr Asp Ser Glu Thr Lys Asn Ala Asn Ser Leu Glu Ala Lys Leu Lys Glu Met Gln Lys Phe Phe Gly Leu Pro Ile Thr Gly Met Leu Asn Ser Arg Val Ile Glu Ile Met Gln Lys Pro Arg Cys Gly Val Pro Asp Val Ala Glu Tyr Ser Leu Phe Pro Asn Ser Pro Lys Trp Thr Ser 〔配列表の配列番号:1〕 を構成する連続したアミノ酸配列から選択された2〜89
    の連続したアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有す
    るペプチド及びその誘導体から成る群から選ばれたも
    の、あるいは(b) 次なる配列: Ala Tyr Tyr Gln Gln Leu Asn Thr Glu Leu Lys Glu Asn Leu Lys Asp Thr Met Thr Lys Arg Tyr His Gln Pro Gly His Glu Ala Val Thr Ser Ala Val Asp Gln Leu Gln Gln Glu Phe His Cys Cys Gly Ser Asn Asn Ser Gln Asp Trp Arg Asp Ser Glu Trp Ile Arg Ser Gln Glu Ala Gly Gly Arg Val Val Pro Asp Ser Cys Cys Lys Thr Val Val Ala Leu Cys Gly Gln Arg Asp His Ala Ser Asn Ile Tyr Lys Val Glu Gly Gly Cys Ile Thr Lys Leu Glu Thr Phe Ile Gln Glu His Leu Arg 〔配列表の配列番号:20 〕を構成する連続したアミノ酸
    配列から選択された2〜109 の連続したアミノ酸配列に
    相当するアミノ酸配列を有するペプチド及びその誘導体
    から成る群から選ばれたもの、であることを特徴とする
    ペプチド若しくはその誘導体又はその塩。
  8. 【請求項8】 (1) プロMMP-7のプロペプタイド領域を
    構成する連続したアミノ酸配列から選択された連続した
    アミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチド
    に特異的に結合する抗体及びその誘導体から成る群から
    選ばれたもの、及び(2) CD151のC末端の細胞外ループ
    領域を構成する連続したアミノ酸配列から選択された連
    続したアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペ
    プチドに特異的に結合する抗体及びその誘導体から成る
    群から選ばれたもの、から成る群から選ばれたものであ
    ることを特徴とするプロMMP-7 活性化阻害性抗体若しく
    はその誘導体又はその塩。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の化合物を有効成分
    として含有し、CD151とプロMMP-7との相互作用を阻害す
    ることを特徴とするプロMMP-7-CD151 拮抗剤。
  10. 【請求項10】 請求項7又は8記載の化合物を有効成
    分として含有し、CD151とプロMMP-7との間の結合を阻害
    することを特徴とするプロMMP-7-CD151 結合阻害剤。
  11. 【請求項11】 CD151とプロMMP-7との相互作用を阻害
    する阻害剤の存在下プロMMP-7の活性化を阻害し、プロM
    MP-7の活性化に起因して発生する生物活性を阻害又は抑
    制することを特徴とする生物活性阻害又は抑制法。
  12. 【請求項12】 プロMMP-7とCD151との共存下に、(1)
    試験試料を接触せしめる場合と(2) 試験試料の非存在下
    の場合とを比較して、プロMMP-7活性化阻害剤をスクリ
    ーニングすることを特徴とするスクリーニング方法。
  13. 【請求項13】 MMP-7活性を指標にスクリーニングを
    行うことを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 プロMMP-7とCD151を共発現している細
    胞あるいはその細胞ホモジュネートを使用することを特
    徴とする請求項12又は13記載の方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜5のいずれか一記載の阻害
    剤あるいは請求項7又は8記載の化合物を有効成分とし
    て含有し、CD151とプロMMP-7との相互作用に起因した疾
    患用医薬であることを特徴とする医薬。
  16. 【請求項16】 (1) 炎症細胞の移動に起因した疾患あ
    るいは病気の発症及び/又は進展、(2) 腫瘍の転移、浸
    潤及び/又は拡散、及び(3) 軟骨破壊に起因する疾患又
    は変形性関節症から成る群から選ばれた病的な状態ある
    いは症状のためのものであることを特徴とする請求項1
    5記載の医薬。
  17. 【請求項17】 (1) がんの浸潤及び/又は転移あるい
    は(2) 軟骨破壊に起因する疾患又は変形性関節症を含む
    病体病的な状態あるいは症状の予防及び/又は治療のた
    めのものである請求項15又は16記載の医薬。
  18. 【請求項18】 請求項7又は8記載の化合物を有効成
    分として含有することを特徴とするプロMMP-7活性化阻
    害剤。
  19. 【請求項19】 請求項7又は8記載の化合物を有効成
    分として含有することを特徴とする(1) がん浸潤及び/
    又は転移抑制剤あるいは(2) 軟骨破壊に起因する疾患又
    は変形性関節症の予防及び/又は治療剤。
  20. 【請求項20】 細胞膜上に存在するプロMMP-7結合因
    子とプロMMP-7との相互作用を阻害することを特徴とす
    る(1) がん浸潤及び/又は転移抑制剤あるいは(2) 軟骨
    破壊に起因する疾患又は変形性関節症の予防及び/又は
    治療剤。
  21. 【請求項21】 細胞膜上に存在するプロMMP-7結合因
    子がCD151であることを特徴とする請求項20記載の
    剤。
  22. 【請求項22】 CD151とプロMMP-7との相互作用を阻害
    することを特徴とする(1) がん浸潤及び/又は転移抑制
    剤あるいは(2) 軟骨破壊に起因する疾患又は変形性関節
    症の予防及び/又は治療剤。
  23. 【請求項23】 阻害活性成分が、(i) (a) プロMMP-7
    のプロペプタイド領域あるいは(b) CD151のC末端の細胞
    外ループ領域を構成する連続したアミノ酸配列から選択
    された連続したアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を
    有するペプチド及びその誘導体から成る群から選ばれた
    もの、(ii) プロMMP-7のプロペプタイド領域を構成す
    る連続したアミノ酸配列から選択された連続したアミノ
    酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチドに特異
    的に結合する抗体及びその誘導体から成る群から選ばれ
    たもの、及び(iii) CD151のC末端の細胞外ループ領域
    を構成する連続したアミノ酸配列から選択された連続し
    たアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチ
    ドに特異的に結合する抗体及びその誘導体から成る群か
    ら選ばれたもの、から成る群から選ばれたものであるこ
    とを特徴とする請求項20〜22のいずれか一記載の
    剤。
  24. 【請求項24】 (i) プロMMP-7 のプロペプタイド領域
    が、次なる配列: Leu Pro Leu Pro Gln Glu Ala Gly Gly Met Ser Glu Leu Gln Trp Glu Gln Ala Gln Asp Tyr Leu Lys Arg Phe Tyr Leu Tyr Asp Ser Glu Thr Lys Asn Ala Asn Ser Leu Glu Ala Lys Leu Lys Glu Met Gln Lys Phe Phe Gly Leu Pro Ile Thr Gly Met Leu Asn Ser Arg Val Ile Glu Ile Met Gln Lys Pro Arg Cys Gly Val Pro Asp Val Ala Glu Tyr Ser Leu Phe Pro Asn Ser Pro Lys Trp Thr Ser 〔配列表の配列番号:1〕 で、阻害活性成分が、上記プロペプタイド領域を構成す
    る連続したアミノ酸配列から選択された2〜89の連続し
    たアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチ
    ド及びその誘導体から成る群から選ばれたものである、
    あるいは(ii) CD151 のC末端の細胞外ループ領域が、次
    なる配列: Ala Tyr Tyr Gln Gln Leu Asn Thr Glu Leu Lys Glu Asn Leu Lys Asp Thr Met Thr Lys Arg Tyr His Gln Pro Gly His Glu Ala Val Thr Ser Ala Val Asp Gln Leu Gln Gln Glu Phe His Cys Cys Gly Ser Asn Asn Ser Gln Asp Trp Arg Asp Ser Glu Trp Ile Arg Ser Gln Glu Ala Gly Gly Arg Val Val Pro Asp Ser Cys Cys Lys Thr Val Val Ala Leu Cys Gly Gln Arg Asp His Ala Ser Asn Ile Tyr Lys Val Glu Gly Gly Cys Ile Thr Lys Leu Glu Thr Phe Ile Gln Glu His Leu Arg 〔配列表の配列番号:20 〕で、阻害活性成分が、上記CD
    151のC末端の細胞外ループ領域を構成する連続したアミ
    ノ酸配列から選択された2〜109 の連続したアミノ酸配
    列に相当するアミノ酸配列を有するペプチド及びその誘
    導体から成る群から選ばれたもの、であることを特徴と
    する請求項20〜23のいずれか一記載の剤。
  25. 【請求項25】 (a) プロMMP-7のプロペプタイド領域
    を構成する連続したアミノ酸配列から選択された連続し
    たアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペプチ
    ド及びその誘導体から成る群から選ばれたものあるいは
    (b) プロMMP-7を構成する連続したアミノ酸配列に存在
    するエピトープに特異的に結合する抗体を含有すること
    を特徴とするCD151の細胞遊走能あるいは転移能の阻害
    剤。
  26. 【請求項26】 細胞が、がん細胞である請求項25記
    載の阻害剤。
  27. 【請求項27】 細胞におけるCD151発現を調節する物
    質を含有することを特徴とする創傷治癒剤。
  28. 【請求項28】 創傷が、気管上皮の創傷であることを
    特徴とする請求項27記載の剤。
  29. 【請求項29】 CD151発現調節活性物質を含有するこ
    とを特徴とするプロMMP-7活性化調節剤。
  30. 【請求項30】 CD151とプロMMP-7との両者を含有して
    いることを特徴とするプロMMP-7活性化阻害剤スクリー
    ニング試薬。
  31. 【請求項31】 CD151とプロMMP-7との両者を含有して
    いるものが、プロMMP-7とCD151を共発現している細胞あ
    るいはその細胞ホモジュネートであることを特徴とする
    請求項30記載のスクリーニング試薬。
  32. 【請求項32】 CD151とプロMMP-7との相互作用阻害剤
    存在下に、CD151発現細胞又はその細胞ホモジュネート
    と測定試料とを接触せしめ、CD151とプロMMP-7との相互
    作用に起因する生物活性をスクリーニングすることを特
    徴とするスクリーニング法。
  33. 【請求項33】 CD151、細胞膜上のCD151及びそれらと
    実質的に同等の活性を有するポリペプチドから成る群か
    ら選ばれたものを有効成分とすることを特徴とするプロ
    MMP-7活性化促進剤。
  34. 【請求項34】 CD151、細胞膜上のCD151及びそれらと
    実質的に同等の活性を有するポリペプチドから成る群か
    ら選ばれたものを、プロMMP-7含有物に接触せしめて、
    活性型MMP-7の活性を促進することを特徴とする方法。
  35. 【請求項35】 (i) (a) CD151のC末端の細胞外ループ
    領域を構成する連続したアミノ酸配列から選択された連
    続したアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有するペ
    プチド及びその誘導体 又は(b) 次なる配列: Ala Tyr Tyr Gln Gln Leu Asn Thr Glu Leu Lys Glu Asn Leu Lys Asp Thr Met Thr Lys Arg Tyr His Gln Pro Gly His Glu Ala Val Thr Ser Ala Val Asp Gln Leu Gln Gln Glu Phe His Cys Cys Gly Ser Asn Asn Ser Gln Asp Trp Arg Asp Ser Glu Trp Ile Arg Ser Gln Glu Ala Gly Gly Arg Val Val Pro Asp Ser Cys Cys Lys Thr Val Val Ala Leu Cys Gly Gln Arg Asp His Ala Ser Asn Ile Tyr Lys Val Glu Gly Gly Cys Ile Thr Lys Leu Glu Thr Phe Ile Gln Glu His Leu Arg 〔配列表の配列番号:20 〕を構成する連続したアミノ酸
    配列から選択された2〜109 の連続したアミノ酸配列に
    相当するアミノ酸配列を有するペプチド及びその誘導体
    から成る群から選ばれたものを有効成分として含有し、
    (ii) (1)プロMMP-7 の活性化促進作用を示すか、あるい
    は (2)プロMMP-7 の活性化阻害作用を示すことを特徴と
    する剤。
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