JP2010506888A - 癌の治療を目的とした抗cd151抗体の利用方法 - Google Patents

癌の治療を目的とした抗cd151抗体の利用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、癌の治療を目的とした医薬品を調製するための、CD151タンパク質と結合する能力を有する、したがって、腫瘍の成長を阻害する能力を有する少なくとも一つの抗体またはその機能的断片の利用方法を対象とするものである。また、本発明は、CD151タンパク質と結合する能力および/または原発腫瘍の成長を阻害する能力および/または転移促進活性を阻害する能力を有する、少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片を活性成分として含む、癌の治療を目的とした組成物も目的としており、前記抗体はTS151抗体および/またはTS151r抗体からなり得る。

Description

本発明は、腫瘍の成長を阻害する能力を有する抗CD151抗体の新規な利用方法に関するものであり、前記抗体は特に、マウス由来のモノクローナル抗体、キメラ抗体、およびヒト化抗体である。一つの特定の様相によると、
本発明はこれらの抗体またはそれらの機能的断片を、癌の予防的処置および/または治療的処置のための医薬品として利用することを目的とする。また、本発明は、たとえばその他の抗体および/もしくは抗癌剤と結合しているこのような抗体、または毒素と複合しているこのような抗体を含んでいる、製品および/または組成物と、ある種の癌の予防および/または治療を目的としたそれらの利用方法とを含んでいる。
PETA−3またはSFA−1とも呼ばれるCD151は、テトラスパニンファミリーに属する膜タンパク質の一つである(Boucheix et Rubinstein,2001,Cell Mol.Life Sci.58,1189−1205、Hemler,2001,J.Cell Biol.155,1103−1107)。ヒトにおいて、CD151は253個のアミノ酸を有し、4つの膜断片と、細胞外ループとも呼ばれる、2つの細胞外ドメインEC1(18個のアミノ酸、配列[40〜57])およびEC2(109個のアミノ酸、配列[113〜221])とを含む。しかし、ヌクレオチド配列レベルでは、CD151の二つの変異体が今までに同定されていることに留意すべきであり、該変異体とは、一つは395位と409位にそれぞれヌクレオチドAとCを含むものであり(配列番号1)[Fitter et al.,1995,Blood 86(4),1348−1355]、もう一つは、同じ位置に、ヌクレオチドAとCの代わりにヌクレオチドGとTを含むものである[Hasegawa et al.,1996,J.Virol.70(5),3258−3263]。したがって、ペプチド配列レベルでの変異、すなわち、それぞれ132位と137位にあるK(Lys)残基とP(Pro)残基の、R(Arg)残基とS(Ser)残基への変異が観察されることがある[Fitter et al.,1995,Blood 86(4),1348−1355/Hasegawa et al.,1996,J.Virol.70(5),3258−3263]。
CD151は多くの癌、たとえば肺癌[Tokuhara et al.,2001,Clin.Cancer Res.7,4109−4114]、結腸癌[Hashida et al.,2003,Br.J.Cancer 89,158−167]、前立腺癌[Ang et al.,2004,Cancer Epidemiol. Biomarkers Prev.13,1717−1721]、または膵臓癌[Gesierich et al.,2005,Clin.Cancer Res.11,2840−2852]のような癌において過剰発現する。
さまざまなタイプの細胞におけるCD151の機能と発現をインビトロで阻害するための、CD151を発現しないノックアウトマウス、抗CD151抗体、およびsiRNAの利用によって、CD151が、細胞接着(Nishiuchi et al.,2005,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102,1939−1944、Winterwood et al.,2006,Mol.Biol.Cell 17,2707−2721)、細胞運動(Kohno et al.,2002,Int.J.Cancer 97,336−343)、細胞移動(Yauch et al.,1998,Mol.Biol.Cell 9,2751−2765、Testa et al.,1999,Cancer Res.59,3812−3820、Penas et al.,2000,J.Invest.Dermatol.114,1126−1135、Klosek et al.,2005,Biochem.Biophys.Res.Commun.336,408−416)、細胞浸潤(Kohno et al.,2002,Int.J.Cancer 97,336−343、Shiomi et al.,2005,Lab.Invest.85,1489−1506、Hong et al.,2006,J.Biol.Chem.281,24279−24292)、および血管新生(Yanez−Mo et al.,1998,J.Cell Biol.141,791−804、Sincock et al.,1999,J.Cell Sci.112,833−844、Takeda et al.,2006,Blood)といった、癌に関わる複数の現象に関与していることが示されている。
テトラスパニンの注目すべき特性の一つは、それらが互いに結し、その他多数の表面分子とも結合することで、構造化された高分子複合体を形成する能力である。これらの複合体の内部において、それぞれのテトラスパニンは一つまたは複数の表面分子と特異的に結合し、一つのテトラスパニンおよび一つのパートナー分子で構成される初期複合体を形成する。テトラスパニンは原形質膜の特徴的なミクロドメインを組織することができ、該ドメインにおいて、テトラスパニンは機能的に結合できるパートナー分子を集める。テトラスパニンが関与する相互作用の全体は「テトラスパニン・ネットワーク」または「テトラスパニン・ウェブ」と名付けられている。
CD151は細胞の表面でさまざまな膜タンパク質と相互作用する。ある種の洗浄剤の作用に抵抗性を有する非常に安定した複合体が、とりわけ、ラミニンの受容体であるインテグリンによって明らかにされており、より特徴的には、好ましいリガンドがラミニン5であるインテグリンα3β1またはα6β4によって明らかになっている(Yauch et al.,1998,Mol.Biol.Cell 9,2751−2765、Lammerding et al.,2003,Proc.Natl.Acad.Sci USA 100,7616−7621)。この結合には、CD151とインテグリンとの細胞外ドメインが関与する。EC2ループ内にある、CD151の配列QRD[194〜196]は、この結合において非常に重要であるが、それは、この部位の変異によりある種のインテグリンとの相互作用の損失が引き起こされるからである(Kazarov et al.,2002,J.Cell Biol.158,1299−1309)。他方、CD151/インテグリンα6β4/c−Met(HGF受容体)による機能的な三重複合体が、腫瘍細胞において明らかにされている(Klosek et al.,2005,Biochem.Biophys.Res.Commun.336,408−416)。RNA干渉による細胞の処理によってCD151の発現が阻害されることによって、HGFによって誘発される細胞の成長と細胞移動の阻害が引き起こされる。
テトラスパニン・ネットワークの形成に必要な、同一の細胞の内部におけるCD151とその他のテトラスパニンとの相互作用は、CD151の膜領域と原形質領域に依存すると考えられるが、それは、EC2ループの削除がCD151とその他のテトラスパニンとの結合を断たないことが示されているからである(Berditchevski,2001,J.Cell Sci.114,4143−4151)。
CD151は、さまざまなシグナル伝達経路、たとえばPI4−キナーゼとの結合を介したホスホイノシチド経路(Yauch et al.,1998,Mol.Biol.Cell 9,2751−2765)、FAK、Src、p38−MAPK、およびJNKのリン酸化を介したc−Junシグナル伝達経路(Hong et al.,2006)、PKCによるインテグリンのリン酸化(Zhang et al.,2001,J.Biol.Chem.276,25005−25013)、RhoファミリーのGTPaseの活性化(Shigeta et al.,2003,J.Cell Biol.163,165−176)といった経路を変化させることで、細胞接着、細胞移動、および細胞浸潤といった現象を調節することができる。
細胞間の同種親和性型の相互作用も細胞運動とメタロプロテイナーゼMMP−9の発現が増大する原因である(Hong et al.,2006)。これらのCD151−CD151細胞間相互作用は、FAK、Src、p38−MAPK、およびJNKのリン酸化を介したc−Junの活性化を引き起こす。
これまで、CD151タンパク質の利点にも関わらず、唯一の治療目的の抗体、つまり50−6モノクローナル抗体しか生成されていない。
CD151に対する50−6モノクローナル抗体(IgG1アイソタイプ)は、マウスにおいて、HEp−3ヒト扁平上皮癌細胞を用いたサブトラクティブ免疫法(Subtractive immunization)によって生成されている(Testa et al.,1999,Cancer Res.59,3812−3820)。
50−6抗体は、CD151を過剰発現するようにトランスフェクトされたヒト子宮頸癌HeLa細胞とHEp−3細胞の移動と、bFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)によって誘発される絨毛尿膜血管新生モデルにおける血管新生とをインビトロで阻害することができる。該抗体はニワトリの胚の2つのモデルにおいて、HEp−3細胞の接種によって誘発される転移をインビボで阻害する(Testa et al.,1999,Cancer Res.59,3812−3820)。これらのモデルにおいて、50−6抗体の阻害活性は、肺の抽出物におけるhuPA(ヒトウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子)タンパク質の活性を測定することで判定される。筆者らによると、この測定値は、肺におけるヒト細胞の存在を反映するものである。測定の後、細胞の接種の後に抗体を注入する「自然転移」と呼ばれるモデルにおいて、50−6抗体によって誘発される転移(ニワトリ胚の肺におけるHEp−3細胞の播種)が、対照抗体と比較して74%に減少すると推定され、細胞と抗体が同時に接種される「実験的転移」と呼ばれるモデルでは57%に減少すると推定される。筆者らによると、インビボで見られる50−6抗体の抗腫瘍特性は細胞増殖抑制作用または細胞傷害作用とは関係していないようであるが、それは、該抗体がHEp−3細胞のインビトロでの増殖に対してはいかなる作用も示さないからである。
50−6抗体を産生するハイブリドーマは、ATCCにおいてCRL−2696という番号で利用可能である(50−6[PTA−227]という番号で最初に寄託されたハイブリドーマ)。
全般的な様相によると、本発明は、癌治療を対象とした医薬品を調製するために、CD151タンパク質と結合することができ、したがって腫瘍の成長を阻害することのできる、少なくとも一つの抗体またはその機能的断片の利用方法を対象としている。
いくつかの実験的研究によって、転移のサプレッサーまたはプロモーターとして作用する、転移形成におけるテトラスパニンの主要な役割が示されている。つまり、CD9、CD63、またはCD82といったテトラスパニンのトランスフェクションによって癌株の潜在的な転移が減少する。逆に、テトラスパニンCD151およびCo−029の発現は、逆の効果を生じさせるようである。したがって、これらの2つのテトラスパニンは転移のプロモーターであると考えられる。これらの結果は、多くの癌において(乳癌、肺癌、食道癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌、結腸癌、前立腺癌、黒色腫など)、CD9およびCD82が、転移のあるときには原発腫瘍ではあまり発現しないこと、およびそれらの発現の低下によって生存率の低さが予測されることを示した、さまざまな臨床研究と一致している。肺癌において、CD9とCD82の発現の双方の減少は、これら二つの抗原の一方だけの発現が減少したときよりも潜在的な転移がより大きいことと相関している。
いくつかのレトロスペクティブな研究によって、CD151の過剰発現が、肺癌、結腸癌、および前立腺癌のようないくつかの癌の攻撃性に関連しており、悪い予後診断の原因の一つとして考えられることが示されている(Tokuhara et al.,2001,Clin.Cancer Res.7,4109−4114、Hashida et al.,2003,Br.J.Cancer 89,158−167、Ang et al.,2004,Cancer Epidemiol.Biomarkers Prev.13,1717−1721)。これらの場合、実際、生存率の平均は、腫瘍がCD151を発現していない患者と比べ、腫瘍がCD151を発現する患者において低い。
さまざまなヒト腫瘍株(HeLa、RPMI14788、A172、HT1080)におけるCD151の過剰発現は、対応する遺伝子のトランスフェクションによって誘発され、トランスフェクトされた細胞の運動、移動、および浸潤の増大を引き起こす(Testa et al.,1999,Cancer Res.59,3812−3820、Kohno et al.,2002,Int.J.Cancer 97,336−343)。これらの現象は抗CD151抗体の存在下では阻害される。
他の様相によると、本発明による抗体の機能的断片は、たとえば、Fv断片、scFv断片(scは一本鎖を意味する)、Fab断片、F(ab’)断片、Fab’ 断片、scFv−Fc断片すなわち二重特異性抗体、あるいは、ポリ(エチレン)グリコール(「ペグ化」)といったポリ(アルキレン)グリコールの付加のような化学的修飾によって半減期が延長されたあらゆる断片(Fv−PEG、scFv−PEG、Fab−PEG、F(ab’)−PEG、もしくはFab’−PEGと呼ばれるペグ化された断片)(「PEG」は英語名称ポリエチレングリコール(Poly(Ethyhlene)Glycol)による)、または、リポゾーム、ミクロスフィア、もしくはPLGAへの包入によって半減期が延長されたあらゆる断片からなり、前記断片は通常、部分的ではあっても、該断片が由来する抗体の活性を示すことができる。
好ましくは、前記機能的断片は、該断片が由来する抗体の重鎖または軽鎖の可変領域の部分的配列で構成されるか、あるいは該配列を含むものであり、前記部分的配列は、該配列が由来する抗体と同一の結合特異性と、十分な親和性、好ましくは該配列が由来する抗体の親和性の少なくとも1/100に等しい、より好ましくは少なくとも1/10の親和性を保持するために十分なものである。
このような機能的断片は、該断片が由来する抗体の配列の最低でも5つの連続するアミノ酸、好ましくは10、15、25、50、および100個の連続するアミノ酸を含むものである。
好ましくは、これらの機能的断片はFv、scFV、Fab、F(ab’)、F(ab’)、scFv−Fcすなわち二重特異性抗体のタイプの断片であり、該断片は通常、該断片が由来する抗体と同一の固定特性を有している。本発明によると、本発明の抗体断片は、前述した抗体から、ペプシンもしくはパパインといった酵素による消化および/または化学的還元によるジスルフィド架橋の切断といった方法で得ることができる。また、本発明に含まれる抗体の断片は、当業者によってもよく知られている遺伝子組換え技術、または、たとえばApplied社によって提供されているようなペプチド自動合成器を用いたペプチド合成によって得ることもできる。
本発明の一つの様相によると、用いられる抗体はマウスモノクローナル抗体からなる。
本発明による抗体にはまた、キメラ抗体またはヒト化抗体も含まれる。
キメラ抗体とは、所与の種の抗体に由来する天然の可変領域(軽鎖および重鎖)と、該領域と結合した、前記所与の種とは異なる種の抗体の軽鎖および重鎖の定常領域とを含む抗体を意味する。
本発明にしたがって用いられるキメラタイプの抗体またはその断片は、遺伝子組換え技術を用いて調製することができる。たとえば、キメラ抗体は、プロモーターと、本発明による、ヒトではない、特にマウスのモノクローナル抗体の可変領域をコードする配列と、ヒト抗体の定常領域をコードする配列とを含んだ組換えDNAをクローニングすることで得ることができる。このような組換え遺伝子によってコードされる本発明のキメラ抗体は、たとえばマウス−ヒトキメラであり、この抗体の特異性はマウスのDNAに由来する可変領域によって決定され、そのアイソタイプはヒトのDNAに由来する定常領域によって決定される。キメラ抗体の調製方法については、たとえばVerhoeyn et al.(BioEssays,8:74,1988)を参照することができる。
ヒト化抗体とは、ヒトではないものに由来する抗体に由来するCDR領域を含む抗体を指し、抗体分子のその他の部分は一つの(または複数の)ヒト抗体に由来している。さらに、骨格部分(FRと称される)のいくつかの残基は、結合親和性を保持するために修飾することができる(Jones et al.,Nature,321:522−525,1986、Verhoeyen et al.,Science,239:1534−1536,1988、Riechmann et al.,Nature,332:323−327,1988)。
ヒト化抗体またはその機能的断片は当業者に知られた技術で調製することができる(たとえば、Singer et al.,J.Immun.150:2844−2857,1992、Mountain et al.,Biotechnol.Genet.Eng.Rev.,10:1−142,1992、またはBebbington et al.,Bio/Technology,10:169−175,1992に記載されている技術)。このようなヒト化抗体は、それらのインビボでの予防処置および/または治療処置の方法における使用に好ましい。その他のヒト化技術も当業者に知られており、該技術とは、たとえば、PDLにより記載されている「CDR移植」の技術であり、該技術は、欧州特許第0451261号明細書、欧州特許第0682040号明細書、欧州特許第0939127号明細書、欧州特許第0566647号明細書、またはさらには米国特許第5530101号明細書、米国特許第6180370号明細書、米国特許第5585089号明細書、および米国特許第5693761号明細書の対象となっている。また、米国特許第5639641号明細書、米国特許第6054297号明細書、米国特許第5886152号明細書、および米国特許第5877293号明細書を引用することもできる。
驚くべきことに、そして当業者側の予想に反して、本発明は、血管新生および/または転移形成を阻害する能力とは独立して腫瘍細胞の増殖と原発腫瘍の成長を阻害することのできる、上述した抗CD151抗体またはその機能的断片のうちの一つの利用方法を初めて記載するものである。
したがって、本出願に記載される抗体は腫瘍の成長をごく早期に阻害する能力を有している。
この、本発明の対象である抗体の抗腫瘍活性は、CD151に対する抗体の新規でかつ予想外の特性を構成するが、それは、今までに記載されているいかなる抗CD151抗体もこのタイプの活性を有していないからである。したがって、本発明の対象である抗体は、以前に記載されている抗体と比べて、とりわけ50−6抗体と比べて、異なる、かつ追加の特性を有するが、それは、この抗体の抗腫瘍特性が腫瘍細胞の増殖に対する効果とは関連しないからである。
この結果は、CD151と原発腫瘍の成長との関連性を、さらにはCD151とインビボでの腫瘍細胞の増殖との関連性を初めて明らかにするものでもある。実際、今まではCD151の前転移性の活性と前血管新生活性だけが記載されている。
器官または組織の細胞の無秩序な増殖は、癌の初期段階の一つである。腫瘍細胞は、対象となる器官または組織の内部における細胞増殖の正常な制約を受けることができなくなった細胞である。腫瘍の成長は指数関数的であり、腫瘍細胞は成長因子および血管新生因子の影響下において、過剰に増殖する。
主要な様相によると、本発明は、原発腫瘍の成長と腫瘍細胞の増殖とを阻害する能力を有する少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片の利用方法に関するものである。
より特徴的には、本発明は、原発腫瘍の治療を目的とした医薬品を調製するための、CD151タンパク質と結合する能力を有する少なくとも一つの抗体またはその機能的断片の利用方法に関するものである。
さらに、本出願人は、あらゆる理論に縛られることなく、癌治療の枠組みにおける抗CD151抗体の利用が、血管新生の阻害だけではなく、CD151の転移促進活性の阻害という点でも利点を有していることを提唱する。
したがって、本発明は、腫瘍細胞における前記CD151タンパク質の転移促進活性を阻害する能力を有する上述した抗体またはその機能的断片の利用方法を説明するものである。
より特徴的には、本出願人は、この阻害は転移過程のさまざまな段階の阻害、とりわけ、細胞接着、細胞移動、および/または細胞浸潤といった段階の阻害として現れると考えている。
前記促進活性の通常の過程、より特徴的には、腫瘍播種および転移プロセスの過程は以下の通りである。
1/タンパク質分解酵素(メタロプロテイナーゼなど)による、ラミニン、コラーゲン、またはフィブロネクチンのような構造タンパク質で構成される基底膜および細胞外マトリクスの分解を必要とする、原発腫瘍細胞による支持組織への浸潤、
2/組織を通過して血流に入る、腫瘍細胞の移動、
3/血管壁への接着と器官内での定着、
4/血管からの脱出(浸潤の新たな過程)と新しい環境への適応(増殖および血管新生)である。
細胞移動は胚の発生の際に不可欠である。細胞移動は成体ではあまり多くないが、リンパ球、マクロファージ、および線維芽細胞といったある種のタイプの細胞は、成体において恒常性を維持するために、免疫応答、炎症、および創傷治癒の間も移動し続ける。しかしながら、病理学レベルでは、腫瘍細胞の移動は、転移段階への腫瘍の進行に大きく寄与する。一定数の化学走化性因子がこの移動の原因であり、該因子は、腫瘍細胞に由来するか、または宿主に由来する。これらの因子のうち、成長因子(とりわけ血管新生を刺激する因子)、コラーゲン分解ペプチド、ラミニンやフィブロネクチンのような接着タンパク質が挙げられる。
特徴的な様相によると、本発明は、腫瘍細胞の細胞移動を阻害する能力を有する少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片の利用方法に関するものである。
浸潤は腫瘍の悪性度、つまり、腫瘍が元の場所からはみ出して隣接する組織や離れた組織に広がることを示す、主要な兆候である。浸潤性の特徴は細胞の通常の特性の消失の結果である。通常、大半の組織の細胞は、接着分子を用いるデスモソームと呼ばれる構造によって互いに接着しており、上皮では、該上皮の厚さを限定している基底膜にも接着している。腫瘍細胞はこれらの通常の特性を失い、新たな特性を得る。腫瘍細胞間の結合は解かれ、腫瘍細胞は互いに解放される。該細胞は移動性を得て、該移動性によって、ときには結合組織線維をたどりながら、最初の場所から離れて隣接組織へと浸透(浸潤)することが可能となる。通常は基底膜に接している上皮や、それに由来する悪性腫瘍にとって、この膜が、越えるべき最初の障害である。該膜は腫瘍細胞が分泌する酵素(プロテアーゼ、カテプシン)によって分解、溶解される。この基底膜の破壊は、通常は白血球によって分泌され、通常の活性から逸脱している酵素によって、強化されることがある。細胞の振る舞いにおけるこれらすべての生物学的および分子的な修飾が浸潤の条件である。
もう一つの様相によると、本発明は、腫瘍細胞の細胞浸潤を阻害することのできる、少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片の利用方法に関するものである。
生物の細胞は互いに接着するとともに、該細胞を取り囲む細胞外マトリクスにも接着している。細胞接着は、細胞の生存、増殖、または分化といった生理学的な細胞の現象の大半に関与する遍在的なメカニズムであるが、同時に、該メカニズムは、たとえば癌や転移現象のようなさまざまな病理学的状況にも関与するものである。カドヘリンまたはインテグリンといった、細胞表面のさまざまなタンパク質が細胞接着に関与する。
好ましくは、本発明による利用方法は、主に細胞接着の阻害に基づくものである。
もう一つの様相によると、本発明は、腫瘍細胞の細胞接着を阻害することのできる、少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片の利用方法に関するものである。
上述したように、CD151タンパク質はテトラスパニンファミリーに属しており、したがって、細胞外ループとも呼ばれる2つの細胞外ドメインEC1(18個のアミノ酸、配列[40〜57])およびEC2(109個のアミノ酸、配列[113〜221])を含んでいる。
本発明によると、用いられる抗体は、細胞外ドメインに位置する少なくとも一つのエピトープと結合する能力を有している。好ましくは、前記抗体はEC1ループおよび/またはEC2ループに固定される。
より詳細には、本発明の好ましい実施態様では、CD151タンパク質のアミノ酸40〜57(配列番号6)とアミノ酸113〜221(配列番号4)にそれぞれ対応する細胞外ループ1(EC1)および/または2(EC2)に含まれるエピトープ、好ましくはEC2に含まれるエピトープに結合する能力を有する、少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片の利用方法が記載される。
EC1ループ[40〜57]は18個のアミノ酸を含み、理論的には2002.2Daの分子量を有する。
EC2ループ[113〜221]はN−グリコシル化部位(Asn159残基)と、3つのジスルフィド架橋を形成する6つのシステイン残基とを有している。テトラスパニン、とりわけCD151のEC2ループの構造モデルは、テトラスパニンCD81のEC2ループの三次元構造に基づいて提案されている(Seigneuret et al.,2001,J.Biol.Chem.276,40055−40064)。このモデルによると、テトラスパニンは、比較的保存され、3つのαヘリックスで構成されている共通のフレームワークと、特異的な可変領域とを有している。CD151に関しては、このフレームワークは領域[113〜157]と[209〜221]からなり、可変領域は領域[158〜208]からなると考えられている。
EC2ループの可変領域は、インテグリンファミリーのタンパク質とのCD151の特異的な相互作用に、より特徴的に関与すると考えられる。定方向変異実験によって、とりわけ、ラミニンの受容体である、ある種のインテグリン、たとえばインテグリンα3β1またはインテグリンα6β4とのCD151の結合において、領域[193〜208]、より詳細にはトリペプチドQRD[194〜196]と192位のシステイン残基が重要であることが示されている(Kazarov et al.,2002,J.Cell Biol.158,1299−1309)。
より好ましくは、本発明は、CD151タンパク質の194位、195位、および196位(QRD194〜196)にそれぞれあるアミノ酸であるグルタミン、アルギニン、アスパラギン酸を少なくとも含むEC2領域のエピトープに結合する能力を有する、少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片の利用方法を対象としている。
もう一つの様相によると、本発明が主として、モノクローナル抗体からなる少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片の利用方法からなることを理解されたい。
「モノクローナル抗体」とは、ほぼ均質な抗体群に由来する抗体を意味する。より詳細には、群の個々の抗体は、場合によっては起こりうるわずかな変異を除いて同一であるが、該変異は自然に生じうるものであり、ごくわずかな割合で生じるものである。換言すれば、モノクローナル抗体は単一の細胞クローン(たとえばハイブリドーマ、均質な抗体をコードするDNA分子によってトランスフェクトされた真核宿主細胞、均質な抗体をコードするDNA分子によってトランスフェクトされた原核宿主細胞など)の増殖によって生じる均質な抗体からなり、該モノクローナル抗体は、通常、同一のクラスおよびサブクラスの重鎖と、単一のタイプの軽鎖とによって特徴づけられる。モノクローナル抗体は非常に特異的であり、単一の抗原に対するものである。さらに、異なる決定基すなわちエピトープに対する異なる抗体を慣例的に含んだポリクローナル抗体の調製とは異なり、各モノクローナル抗体は抗原の単一のエピトープに対するものである。
本発明の特徴的な実施態様によると、用いられるモノクローナル抗体は、TS151抗体またはTS151r抗体から選択される。明細書の以下の記載において、TS151rとTS151Rという表現は互換できるものとする。
したがって、本発明は、TS151抗体および/またはTS151r抗体からなる少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片の利用方法を記載する。
より詳細には、TS151抗体は、少なくとも、
−配列がそれぞれ配列番号7、8、および9である、CDR−H1、CDR−H2、およびCDR−H3という3つの重鎖のCDRと、
−配列がそれぞれ配列番号11、12、および13である、CDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3という3つの軽鎖のCDR
を含むことで定義される。
もう一つの実施態様によると、TS151抗体は、配列番号10の配列を含んだ重鎖と配列番号14の配列を含んだ軽鎖を含むことを特徴としている。
以下の表1にこれらの要素をまとめる。
Figure 2010506888
TS151r抗体に関しては、これは、少なくとも、
−配列がそれぞれ配列番号15、16、および17である、CDR−H1、CDR−H2、およびCDR−H3という3つの重鎖のCDRと、
−配列がそれぞれ配列番号19、20、および21である、CDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3という3つの軽鎖のCDR
を含むことで定義される。
もう一つの実施態様によると、TS151r抗体は、配列番号18の配列を含んだ重鎖と配列番号22の配列を含んだ軽鎖を含むことを特徴としている。
以下の表2にこれらの要素をまとめる。
Figure 2010506888
もう一つの実施態様にしたがって、以下の表3にTS151抗体とTS151r抗体のヌクレオチド配列をまとめる。
Figure 2010506888
前記抗体の生成は実施例1で詳述する。これらの2つの抗体は異なるエピトープに対するものであるが、それは、TS151はCD151がインテグリンに結合しているときまたは細胞表面上で自由なときにCD151を認識するのに対し(Chometon et al.,2006,Exp.Cell Res.312,983−995)、TS151rはCD151−インテグリン複合体を認識しないからである(Serru et al.,1999,Biochem.J.340,103−111、Geary et al.,2001,Tissue Antigens 58,141−153、Kazarov et al.,2002,J.Cell Biol.158,1299−1309、Sterk et al.,2002,J.Cell Sci.115,1161−1173)。TS151rによって認識されるエピトープはEC2ループに位置し、Q194、R195、およびD196残基を有している(Kazarov et al.,2002,J.Cell Biol.158,1299−1309)。したがって、この抗体は、少なくとも部分的には、CD151の、インテグリンとの相互作用に関与する部位に対するものである。C192残基もTS151rによるCD151の認識に関与すると考えられる(Kazarov et al.,2002,J.Cell Biol.158,1299−1309)。TS151抗体のエピトープは、TS151rのエピトープとは異なってはいるが、正確には判定されていない。
TS151r抗体によるヒトケラチノサイト(上皮細胞株HaCaT)の治療は、細胞−細胞接触の消失、細胞骨格の再配列、インテグリンα6β4の細胞内再分布、そしてラミニン1での細胞移動の増加を引き起こす(Chometon et.al.,2006,Exp.Cell Res.312,983−995)。
より詳細には、好ましい用いられる抗体はTS151抗体からなる。
好ましくは、癌治療の枠組みにおける抗CD151抗体の利用方法は、特に同一のCD151受容体を過剰発現する癌において正当性が認められる。
このような癌は、結腸癌[Hashida et al.,Br.J.Cancer 89(2003):158−167]、肺癌、好ましくは小細胞肺癌ではない肺癌[Tokuhara et al.,Clin.Cancer Res.7(2001):4109−4114]、前立腺癌[Ang et al.,Cancer Epidemiol.Biomarkers 13(2004):17]、および膵臓癌[Gesierich et al.,Clin.Cancer Res.11(2005):2840−2852]からなる。
したがって、本発明は癌治療を目的とする上述した抗体の利用方法を特許請求の範囲に記載するものであり、前記癌は、好ましくは結腸癌、肺癌、前立腺癌、または膵臓癌からなる。
また、本発明は、抗体からなる化合物、またはそれらの誘導化合物もしくは機能的断片を活性成分として有する、薬学的組成物にも関するものであり、該組成物は、好ましくは賦形剤および/または薬学的に許容可能な担体を添加されている。
より詳細には、本発明は、さらに少なくとも一つの薬学的に許容可能な担体を含んだ薬学的組成物の調製を目的とした、本発明による抗体の利用方法を対象とするものである。
本明細書において、薬学的に許容可能な担体とは、製薬組成物に含まれるが副作用を引き起こさない一つの化合物または化合物の組み合わせを意味し、該担体によって、たとえば、一つまたは複数の活性成分の投与を容易にすること、生物における該活性成分の寿命および/もしくは効率を高めること、溶液へのその溶解度を高めること、またはその保存効率を向上させることが可能となる。これらの薬学的に許容可能な担体はよく知られており、選択される一つまたは複数の活性化合物の性質および投与方法に応じて当業者によって適合化されるものである。
好ましくは、これらの化合物は全身経路、特に静脈経路、筋肉経路、皮内経路、腹腔内経路、もしくは皮下経路、または経口経路によって投与される。より好ましくは、本発明による抗体を含んだ組成物は、時間間隔をあけて、数回投与される。
それらの最適な投与方法、薬量、および製剤形状は、患者に適合した治療の確立において通常考慮される基準、たとえば患者の肉体年齢または体重、全身状態の重篤度、治療への許容性、および確認されている副作用などに応じて決定することができる。
本発明では、活性成分として、CD151タンパク質と結合する能力を有する少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片を含むことを特徴とする、癌治療のための組成物が説明される。
本発明では、活性成分として、CD151タンパク質と結合する能力および/またはその転移促進活性を阻害する能力を有する少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片を含むことを特徴とする、癌治療のための組成物が説明される。
本発明では、活性成分として、原発腫瘍の成長を阻害することのできる少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片を含むことを特徴とする、癌治療のための組成物が説明される。
本発明の他の様相では、TS151抗体またはTS151r抗体から選択されるモノクローナル抗体である少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片を含んだ組成物が説明される。
本発明のもう一つの特徴によると、TS151抗体およびTS151r抗体またはそれらの機能的断片の組み合わせを含んだ組成物が特許請求の範囲に記載される。
文献から、CD151タンパク質は癌において、特に結腸癌[Hashida et al.,Br.J.Cancer 89(2003):158−167]、小細胞肺癌ではない肺癌[Tokuhara et al.,Clin.Cancer Res.7(2001):4109−4114]、前立腺癌[Ang et al.,Cancer Epidemiol.Biomarkers 13(2004):1717−1721]、および膵臓癌[Gesierich et al.,Clin.Cancer Res.11(2005):2840−2852]において過剰発現することが判明している。
当然、上記リストは例として示すものであって、あらゆる癌がCD151タンパク質を過剰発現し、したがって、本発明にしたがって治療することができると理解されるべきである。
本発明の補助的な他の実施態様は、同時利用、別々の利用、または時間間隔をあけた利用を目的とした組み合わせ製品として、細胞傷害/細胞増殖抑制剤および/またはモノクローナル抗体をさらに含んでいる、上述した組成物からなる。
したがって、本発明は、同時利用、別々の利用、または時間間隔をあけた利用を目的とした組み合わせ製品として、少なくとも一つの細胞傷害/細胞増殖抑制剤および/または細胞毒および/または放射性元素および/またはモノクローナル抗体をさらに含むことを特徴とする、上述した組成物にも関するものである。
「同時利用」とは、同一の剤形に含まれた、本発明による組成物の二つの化合物を投与することを意味する。
「別々の利用」とは、異なる剤形に含まれる、本発明による組成物の二つの化合物を一度に投与することを意味する。
「時間間隔をあけた利用」とは、それぞれが異なる剤形に含まれた、本発明による組成物の二つの化合物を連続して投与することを意味する。
通常、本発明による組成物は癌治療の効率を著しく高める。言い換えれば、本発明による抗体の治療効果は、細胞傷害剤の投与によって予期しないほど高まる。本発明による組成物によって生じる次に大きな利点は、より少ない活性成分の有効量を用いることが可能となることに関するものであり、このことによって、副作用、特に細胞傷害剤の影響が現れるリスクを避けることまたは減少させることが可能となる。さらに、本発明によるこの組成物によって、より早く期待される治療効果に達することが可能となる。
「抗癌治療剤」または「細胞傷害剤」とは、患者に投与されたときに、患者における癌の成長を治療または予防する物質であると理解される。このような活性剤の非限定的な例としては、「アルキル化」剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、分裂抑制剤、クロマチン機能の阻害剤、抗血管新生剤、抗エストロゲン、抗アンドロゲン、または免疫調節物質を挙げることができる。
このような活性剤は、たとえば、VIDALにおいて、「細胞傷害性」の欄における癌腫学および血液学に関わる化合物についてのページで引用されており、参照によってこの文献に引用されるこれらの細胞傷害化合物は、ここでは好ましい細胞傷害剤として挙げられる。
「アルキル化剤」とは、細胞の内部のあらゆる分子、好ましくは核酸(たとえばDNA)と共有結合することができるかまたは該分子をアルキル化することができる、あらゆる物質を指す。このようなアルキル化剤の例としては、メクロレタミン、クロラムブシル、メルファラン、塩酸塩、ピポブロマン、プレドニムスチン、リン酸ナトリウム、もしくはエストラムスチンのようなナイトロジェンマスタード、シクロホスファミド、アルトレタミン、トロホスファミド、スルホホスファミド、もしくはイホスファミドのようなオキサザホスホリン、チオテパ、トリエチレンアミン、もしくはアルテトラミン(altetramine)のようなアジリジンもしくはエチレンイミン、カルムスチン、ストレプトゾシン、フォテムスチン、もしくはロムスチンのようなニトロソウレア、ブスルファン、トレオスルファン、もしくはインプロスルファンのようなスルホン酸アルキル、ダカルバジンのようなトリアゼン、またはさらに、シスプラチン、オキサリプラチン、もしくはカルボプラチンのようなプラチン複合体を挙げることができる。
「代謝拮抗剤」とは、ある種の活性、一般的にはDNA合成に干渉して、細胞の成長および/または代謝をブロックする物質を指す。代謝拮抗剤の例として、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、5−フルオロデオキシウリジン、カペシタビン、シタラビン、フルダラビン、シトシンアラビノシド、6−メルカプトプリン(6−MP)、6−チオグアニン(6−TG)、クロロデオキシアデノシン、5−アザシチジン、ゲムシタビン、クラドリビン、デオキシコホルマイシン、およびペントスタチンを挙げることができる。
「抗腫瘍抗生物質」とは、DNA、RNA、および/またはタンパク質の合成を予防または阻害することのできる化合物を指す。このような抗腫瘍抗生物質の例には、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、バルルビシン、ミトキサントロン、ダクチノマイシン、ミトラマイシン、プリカマイシン、ミトマイシンC、ブレオマイシン、およびプロカルバジンが含まれる。
「分裂阻害剤」は、細胞周期および分裂の通常の進行を防ぐものである。通常、微小管阻害剤またはパクリタキセルおよびドセタキセルのような「タキソイド」は分裂を阻害する能力を有している。また、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンのようなビンカアルカロイドも、分裂を阻害する能力を有している。
「クロマチン機能阻害剤」または「トポイソメラーゼ阻害剤」とは、トポ−イソメラーゼIおよびIIのようなクロマチンモデリングタンパク質の正常な機能を阻害する物質を指す。このような阻害剤の例には、トポイソメラーゼIとしては、カンプトテシン、およびイリノテカンまたはトポテカンのようなその誘導体が含まれ、トポイソメラーゼIIとしては、エトポシド、リン酸エトポシド、およびテニポシドが含まれる。
「抗血管新生剤」とは、血管の成長を阻害するあらゆる薬剤、化合物、物質、または活性剤を指す。抗血管新生剤の例には、限定的ではないが、ラゾキシン、マリマスタット、バチマスタット、プリノマスタット、タノマスタット、イロマスタット、CGS−27023A、ハロフジノン、COL−3、ネオバスタット、BMS−275291、サリドマイド、CDC501、DMXAA、L−651582、スクアラミン、エンドスタチン、SU5416、SU6668、インターフェロン−α、EMD121974、インターロイキン−12、IM862、アンジオスタチン、およびビタキシンが含まれる。
「抗エストロゲン」または「抗エストロゲン剤」とは、エストロゲンの作用を減少させ、該作用に拮抗し、または該作用を阻害するあらゆる物質を指す。このような活性剤の例は、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンである。
「抗アンドロゲン」または「抗アンドロゲン剤」とは、アンドロゲンの作用を減少させ、該作用に拮抗し、または該作用を阻害するあらゆる物質を指す。抗アンドロゲンの例は、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、スピロノラクトン、酢酸シプロテロン、フィナステリド、およびシメチジンである。
免疫調節物質は免疫系を刺激する物質である。このような免疫調節物質の例には、インターフェロンや、アルデスロイキン、OCT−43、デニロイキンジフチトクス、もしくはインターロイキン−2のようなインターロイキン、タソネルミンのような腫瘍壊死因子、または、レンチナン、シゾフィラン、ロキニメクス、ピドチモド、ペガデマーゼ、チモペンチン、ポリI:C、もしくは5−フルオロウラシルと組み合わせたレバミソールのようなその他のタイプの免疫調節物質が含まれる。
より詳細については、当業者は「traite de chimie therapeutique,Vol.6,Medicaments antitumoraux et perspectives dans le traitement des cancers,edition TEC&DOC,2003」という表題の、Association Francaise des Enseignants de Chimie Therapeutiqueによって編集されたマニュアルを参照することができる。
好ましいモノクローナル抗体は、受容体IGF−IR、EGFR、HER2/neu、cMET、VEGFR、VEGFなどのチロシンキナーゼ活性を特異的に阻害する能力を有する単離された抗体(もしくは当業者に知られているその他のあらゆる抗腫瘍抗体)、または、前記受容体によって促進される増殖活性および/もしくは抗アポトーシス活性および/もしくは血管新生活性および/もしくは転移性播種の誘導活性を阻害する能力を有する該抗体の機能的断片および誘導化合物から選択される。
特に好ましい実施態様において、本発明による組み合わせ製品としての前記組成物は、同時利用に際して前記細胞傷害剤が前記抗体に化学的に結合していることを特徴としている。
特に好ましい実施態様において、本発明による前記組成物は、前記細胞傷害/細胞増殖抑制剤が、紡錘体の阻害剤または安定剤、好ましくはビノレルビンおよび/またはビンフルニンおよび/またはビンクリスチンから選択されることを特徴としている。
前記細胞傷害剤と本発明による前記抗体の結合を促進するために、とりわけ、結合すべき二つの化合物の間に、ポリエチレングリコールのようなポリ(アルキレン)グリコールまたはアミノ酸のようなスペーサー分子を導入することができるか、または、その他の実施態様では、本発明による前記抗体と反応する能力を有する機能が導入されている前記細胞傷害剤の活性誘導体を用いることができる。これらの結合技術は当業者によく知られており、本明細書では詳述しない。
本発明は、もう一つの様相では、少なくとも前記抗体の一つ、またはその誘導体化合物もしくは機能的断片の一つが細胞毒素および/または放射性元素と複合していることを特徴とする組成物に関するものである。
好ましくは、前記毒素または前記放射性元素は腫瘍細胞の成長または増殖を妨げることができ、とりわけ、前記腫瘍細胞を完全に不活性化することができる。
さらに好ましくは、前記毒素は、腸内細菌の毒素、とりわけ、シュードモナス菌の外毒素Aである。
治療に用いられる、抗体と好適に複合する放射性元素(または放射性アイソトープ)は、ガンマ線を放射する放射性アイソトープであり、好ましくは、ヨウ素131、イットリウム90、金199、パラジウム100、銅67、ビスマス217、およびアンチモン211である。ベータ線およびアルファ線を放射する放射性アイソトープも治療に用いることができる。
本発明による少なくとも一つの抗体またはその機能的断片と複合する毒素または放射性元素とは、前記毒素または前記放射性元素を少なくとも一つの前記抗体に結合させることを可能にするあらゆる手段、とりわけ、結合分子の導入を伴ってまたは伴わずに二つの化合物の共有結合によって結合させる手段を指す。
全部または一部の複合元素の化学的(共有)結合、静電結合、または非共有結合を可能とする活性剤のうち、特に、ベンゾキノン、カルボジイミドを挙げることができ、より具体的には、EDC(1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]−カルボジイミド塩酸塩)、ジマレイミド、ジチオビス−ニトロ安息香酸(DTNB)、N−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート(SATA)、紫外線(U.V.)と反応し、好ましくは、N−[4−(アジドサリチルアミノ)ブチル]−3’−(2’−ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)、N−スクシンイミジル−イル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオナート(SPDP)、および6−ヒドラジノ−ニコチンアミド(HYNIC)である、一つまたは複数のフェニルアジド基を伴う一つまたは複数の基を有する「架橋剤」と呼ばれる活性剤を挙げることができる。
もう一つの結合形態、特に放射性元素についての結合形態は、二官能性イオンキレート剤を利用することにあり得る。
これらのキレート剤のうち、金属、特に放射性金属と免疫グロブリンを結合させるために開発されたEDTA(エチレンジアミン四酢酸)またはDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)から誘導されるキレート剤を挙げることができる。したがって、DTPAおよびその誘導体を炭素鎖上においてさまざまな基で置換することで、リガンド−金属複合体の安定性と剛性を高めることができる(Krejcarek et al.,(1977)、Brechbiel et al.(1991)、Gansow(1991)、米国特許第4831175号明細書)。
たとえば、医学および生物学で長い間、遊離形態また金属イオンとの複合体の形態で非常に幅広く使われているDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)およびその誘導体は、金属イオンとの安定したキレートを形成し、癌治療における放射性免疫複合体を発達させるための抗体のような、治療上または診断上の利点を有するタンパク質と結合するという、注目すべき特徴を有している(Meases et al.,(1984)、Gansow et al.(1990))。
さらに、本発明は、医薬品の調製を目的とした本発明による組成物の利用方法も含むものである。
したがって、本発明は、より特徴的には、癌治療を対象とした医薬品の調製を目的とした、上述の組成物の利用方法を対象とするものである。予防および/または治療することのできる癌のうち、結腸癌、肺癌、前立腺癌、または膵臓癌が好ましい。
さらに、特に進歩的かつ好適な様相によると、本発明は、原発腫瘍の治療を目的とした医薬品を調製するための、上述した組成物の利用方法を対象とするものである。
また、本発明は、CD151受容体を発現するかまたは過剰発現する細胞への生物学的に活性な化合物の特異的なターゲティングのための、医薬品の調製を目的とした、本発明による抗体の利用方法も対象としている。
ここでは、生物学的に活性な化合物とは、細胞活性、特に細胞の成長、増殖、遺伝子の転写または翻訳を変化させる、とりわけ阻害する能力を有する、あらゆる化合物を指すものである。
本発明のその他の特徴と利点は、実施例および以下に説明する図面を伴う以下の記載において明らかになるものである。
図1はEC1ループおよびEC2ループが明示された配列である、CD151タンパク質のヌクレオチド配列およびタンパク質配列を示している。 図2は、CD151タンパク質が構成の一部であるテトラスパニンの構造、特に二つの細胞外ループEC1およびEC2を示す概略図である。 図3は、A549同所性モデルにおけるPBSと対照抗体との比較を示している。 図4は、同所性モデルにおけるTS151抗体のインビボでの抗腫瘍活性の評価を示している。免疫不全マウス(n=10)に、胸膜内経路によって1×10個のA549細胞を移植した。移植の7日後、マウスを、500μgの攻撃投与量のTS151抗体を用いて腹腔内経路で処置し、続いて、週に二回、5週間にわたって、マウス毎に250μgの投与量で処理した。同一の投与計画に従い、対照群はPBSを注射した。 図5は、前立腺癌を有する患者におけるCD151分子の発現を示している。各記号は一人の患者の研究に対応し、各患者について、上部パネルは腫瘍に隣接する正常組織に対応し、下部パネルは腫瘍組織に対応している。 図6は、肺癌を有する患者におけるCD151分子の発現を示している。各記号は一人の患者の研究に対応し、各患者について、上部パネルは腫瘍に隣接する正常組織に対応し、下部パネルは腫瘍細胞に対応している。 図7は、PC3異種移植モデルにおけるTS151抗体およびTS151R抗体のインビボでの活性を示している。PC3細胞をスイスヌードマウス(n=6)に皮下移植した。細胞移植の5日目後、マウスに腹腔内経路によって、2mg/マウスの攻撃投与量の試験抗体を投与し、続いて、1mg/マウスの投与量のこれらの抗体を週に二回投与した。腫瘍の容積をπ/6×長さ×幅×厚みという式によって評価し、結果の統計的評価にマン・ホイットニー検定を実施した。 図8は、ウェスタンブロット法によるヒト型のCD151に対するTS151抗体およびTS151r抗体の特異性の評価を示している。 図9は、ラミニン5へのA549細胞の接着の阻害を示している。A/さまざまな抗インテグリン抗体による細胞接着の阻害。B/TS151/抗インテグリンα3抗体の組み合わせによる細胞接着の阻害。
実施例1:TS151r抗体およびTS151抗体の生成
TS151r抗体の生成
TS151r抗体を生成するため、10個のHeLa細胞を用い、BALB/cマウスを腹腔内経路によって免疫した。3回の免疫と最後の追加免疫注射の後、マウスの脾臓細胞を、Kohler and Milsteinによって説明されている従来的な技術によってP3X63AG8骨髄腫細胞と融合させた(5×10個の脾臓細胞/3×10個の骨髄腫細胞)。融合により生じたハイブリドーマの上澄みを、フローサイトメトリーによって、HeLa細胞を認識する能力についてスクリーニングし、次に、洗浄剤Brij97の存在下で調製したHeLa細胞の溶解物からCD151を免疫沈降させる能力と、CD9を共免疫沈降させる能力とに関してスクリーニングした。TS151r抗体はこれらのさまざまな特性を有することが明らかとなった。
TS151抗体の生成
TS151抗体を生成するために、10個のJurkat細胞と、10個のHEL細胞を用い、腹腔内経路でBALB/cマウスを免疫した(2回の免疫)。Jurkat細胞とHEL細胞の溶解物から得たADAM10タンパク質を含んだタンパク質複合体を用いた最後の追加免疫注射の後、脾臓細胞を、Kohler and Milsteinによって説明されている従来的な技術によってP3X63AG8骨髄腫細胞と融合させた(5×10個の脾臓細胞/3×10個の骨髄腫細胞)。融合によって生じたハイブリドーマの上澄みを、まず、フローサイトメトリーによって、Jurkat細胞とHEL細胞を認識する能力についてスクリーニングした。次に、洗浄剤Brij97の存在下で調製した細胞溶解物からCD151を免疫沈降させる能力と、その他のテトラスパニンを共免疫沈降させる能力に関してTS151抗体を選別した。
実施例2:A549同所性モデルにおけるTS151抗体とTS151r抗体の抗腫瘍活性のインビボでの評価
材料と方法
CD151タンパク質の発現を確認した後(データは示していない)、ATCCに由来するA549細胞を、F12K培地、10mMのグルタミン、10%FCSにおいて通常通りに培養した。これらの細胞を移植の2日前に分裂させることで、該細胞が成長の指数増殖期となるようにした。移植に関しては、7週齢の免疫不全マウスに麻酔をかけた後、1×10個のA549細胞を胸膜内経路で投与した。原発腫瘍は急速に成長し、4日で、縦隔、肺、および隔壁を含む、注射部位に隣接する構造に侵入した。病気をより良く模倣するために、治療の開始は細胞移植の7日後にようやく初めて、腹腔内経路によって開始した。500μg/マウスの攻撃投与量を注射した後、精製したTS151抗体を週に2回、5週間にわたって、250μg/マウスの投与量で投与した。先に行った実験によって、IgG1アイソタイプの対照を投与しても動物の生存率にいかなる影響もないことが示されているため、PBSを投与したマウスの群を対照として入れた。
図3は、予備データに由来するものであり、抗CD151抗体で観察される活性の特異性を示している。実際、アイソタイプの対照として用いたマウスのIgG1(mIgG1)による動物の治療は、このIgG1が、この抗体の担体として用いたPBSを注射した動物の生存率にいかなる影響も有していないことを示している。
このモデルの評価パラメータは動物の生存率であり、抗腫瘍活性は、T/C%=治療した動物の生存率の平均/対照群の動物の生存率の平均×100という計算によって表される。125%以上のT/C%が製品の活性を示すと考えられている。
結果
図4は、計算されたT/C%が140%である、TS151抗体の抗腫瘍活性を示している。
実施例3:A549同所性モデルにおけるTS151抗体と50−6抗体のインビボでの抗腫瘍活性の比較
材料と方法
実施したプロトコルは上記実施例2と同じである。
結果
得られたデータは、TS151抗体が50−6抗体の示したものを明らかに上回る抗腫瘍活性を有することを明らかに示しており、該50−6抗体は、118のT/C%、すなわち125%という閾値よりも低い値しか示さなかった(データは示していない)。
得られた結果、つまり上記で定義した計算によるT/C%を、以下の表4に示す。
Figure 2010506888
実施例4:CD151分子の発現の研究
前立腺癌または肺癌を有する患者に由来するヒト組織のサンプルにおいて、CD151タンパク質の発現を免疫組織化学によって研究した。これらの患者については、腫瘍に隣接する正常組織のスライドも利用可能であり、したがって、腫瘍組織対正常組織の発現レベルを較正するために該スライドも含めた。
これらの実験において、市販の「組織アレイ」タイプのスライドを用いた。脱ろう後、ペプシンを含んだ酵素溶液(Labvision、品番AP−9007−005)を用いて抗原のアンマスキングを30℃で行った。この段階の後には、0.3%の過酸化水素水溶液(Sigma)において、切片のインキュベーションによって内因性ペルオキシダーゼを取り除く過程を行なった。Ultra−V−Block溶液(Labvision、品番TA−125−UB)を用いて非特異的部位の飽和を行い、市販のマウス抗CD151抗体(Serotech、品番MCA1856)を5μg/mlの最終濃度で用いて標識した。マウスのIgG1アイソタイプの対照抗体(DakoCytomation、品番X0931)を実験の陰性対照として用いた。標識の視覚化を、Envision Dual Link視覚化システム(DakoCytomation、品番K4061)によって行い、ペルオキシダーゼの基質であるDABの基準は、DakoCytomationのS3309である。
図5に示した結果は、前立腺癌を発症している何人かの患者がCD151分子を過剰発現していることを示している。この過剰発現は試験した患者の20%で非常に著しいか(患者AおよびC)または穏やか(患者AおよびD)であるとすることができる。内皮細胞レベルを除き、対応する正常な前立腺組織はCD151を発現しないかまたはほとんど発現せず、発現した場合にも、腺タイプの構造に限定されていると考えられることに注目すべきである。患者EはCD151を発現しない腫瘍の例である。
肺癌の場合(図6)、穏やかな発現(患者A)から強い発現(患者B)が正常な肺組織のいくつかの細胞で観察された。しかし、腫瘍組織は強く標識された細胞の非常に高い密度を示している(患者AおよびB)。患者CはCD151を発現しない腫瘍の例である。
実施例5:ヌードマウスにおける皮下移植したPC3腫瘍のインビボでの成長に対するTS151抗体およびTS151R抗体の効果
前立腺の「組織アレイ」において免疫組織化学によって得られた結果を考慮して、PC3腫瘍の異種移植片に対する抗CD151抗体の評価を計画した。PC3株は、ATCCに由来する、アンドロゲンに依存しない前立腺株であり、F12K培地+10%FCS+L−グルタミンで培養した。評価のために、5×10個のPC3細胞をスイスヌードマウスの右脇腹に移植した。移植の5日後、腫瘍の容積に基づいて動物を無作為抽出し、3つの比較群に配分した。選択した移植動物群における腫瘍の容積は、治療0日目で41mmから47mmであった(π/6×長さ×幅×厚みという式で計算した容積)。それから、動物に、試験すべき精製した抗体またはPBSを投与した。抗体の投与量および注射の頻度は、2mgの攻撃投与量/投与の抗体で、1mgの維持投与量/投与を週に2回である。
図7に示した結果は、試験した二つの抗体(TS151およびTS151R)が同様に振る舞い、スイスヌードマウスの皮下位置に移植されたPC3腫瘍の成長を非常に著しく阻害することを表している。以下の表5にこれらの結果の統計分析結果をまとめる。
Figure 2010506888
図8に示している平行して行った研究は、マウス受容体とのいかなる交差反応も示すことなく、TS151抗体とTS151R抗体がヒトのCD151分子を特異的に認識することを表している。したがって、この所見は、ヌードマウスにおける異種移植片モデルで観察された活性が、移植されたヒトの組織に対する直接的な効果にのみ因ると考えられることを示唆しており、したがって、TS151抗体およびTS151R抗体の、腫瘍間質細胞またはマウスの内皮細胞とのあらゆる干渉を排除している。また、TS151およびTS151Rは二つのマウスIgG1であり、したがって、当業者に知られているように、観察された活性が、マウスにおいてマウスIgG2a型抗体によって特に媒介される、ADCCタイプとCDCタイプのエフェクター機能に関連している可能性はほとんどない。
したがって、これらの結果全体は、TS151抗体およびTS151R抗体によるインビボでの腫瘍細胞の増殖の阻害に直接関連する活性メカニズムに合致している。
実施例6:TS151抗体およびTS151r抗体の特異性
ウェスタンブロットによってTS151抗体とTS151r抗体の特異性を評価した。ヒトとマウスの、肺、膵臓、および結腸の組織の溶解物(Biochain、10μgの全タンパク質)、ならびに、段階的に増加する量のHT−29細胞溶解物(10、20、および50μgの全タンパク質)を、4〜12%アクリルアミドゲル(BioRad)の上に置いた。電気泳動の後(非還元条件)、タンパク質をニトロセルロース膜に移した。次に、転写膜を、精製したTS151抗体とTS151r抗体と共にインキュベートし、そして、ペルオキシダーゼに結合したマウスのウサギ抗Igポリクローナル抗体(GE Healthcare)を用いてインキュベートした後に、ECLタイプの視覚化を行った。
TS151抗体およびTS151r抗体は、HT−29細胞とさまざまなヒト由来組織の溶解物におけるCD151のウェスタンブロットによる認識で確認されたように(図8)、ヒト型のCD151に対する特異性を示した。マウスから採取したさまざまな組織の溶解物においてマウスのCD151に対する反応性がないことが、ヒト型のCD151に対するTS151抗体とTS151r抗体の特異性を確証している。
実施例7:細胞接着の阻害
CD151が結合することのできるインテグリンα3β1とインテグリンα6β4のリガンドであるラミニン5に対する腫瘍細胞の接着実験を、96ウェルプレートで行った。ラミニン5(Chemicon、1μg/mlで200μl)を37℃で1時間固定した後、ウェルに2mg/ml(200μl、37℃で1時間)のBSAを満たした。懸濁させたA549細胞を5−クロロメチルフルオレセインジアセテート(CMFDA、Invitrogen)で標識し、抗体の存在下(100μl)または不存在下で、ウェルあたり100000個の細胞(100μl)の割合で加えた。15分、30分、または60分にわたって37℃でインキュベートした後、接着していない細胞を除去した。ルミノメーター(Mithras、Berthold)を用いた化学発光の読み取りの後、接着した細胞のパーセンテージをCMFDAで標識した細胞のスケールを用いて判定した。抗CD151抗体TS151および抗インテグリンα3抗体P1B5、抗α6抗体NKI−Go3、および抗β4抗体ASC−3(Chemicon)を、20μg/mlの最終濃度で評価した。大腸菌の膜タンパク質に対する9G4抗体をアイソタイプの対照として用いた。
抗インテグリンα3抗体P1B5がラミニン5へのA549細胞の接着を阻害するのに対し(図9A)、抗インテグリンα6抗体NKI−Go3および抗インテグリンβ4抗体ASC−3は同一のリガンドへのA549細胞の接着を阻害しなかった。しかし、時間に応じた阻害の消失が確認された。P1B5によって誘発される阻害は、実際15分では90%を超えているが、1時間後にはおよそ20%に落ちる。P1B5抗体と抗インテグリンα6抗体NKI−Go3または抗インテグリンβ4抗体ASC−3との結合によって、1時間後の強い接着阻害を維持することが可能となる。すなわち、該阻害は、抗α6抗体との結合では90%を超え、抗β4抗体との組み合わせではおよそ70%である。これらの結果は、A549細胞が、まずインテグリンα3β1を介してラミニン5に接着し、次にインテグリンα6β4を介して接着することを証明している。
抗CD151抗体TS151は単独で使ったときにはA549細胞のラミニン5への接着を阻害しない(図9B)。次に、A549細胞の接着に対するTS151とP1B5の組み合わせの効果を評価し、上述した組み合わせと比較した。このTS151/P1B5の組み合わせは、抗α6抗体/抗α3抗体および抗β4抗体/抗α3抗体の結合に匹敵する結果を示した。実際、1時間後にもおよそ80%の接着阻害の維持が観察された。したがって、TS151抗体は、インテグリンα6β4に対するアンタゴニスト効果を介して、A549細胞の接着を阻害する能力を有していると考えられる。
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Claims (25)

  1. 癌の治療を目的とする医薬品を調製するための、CD151タンパク質と結合する能力を有し、したがって腫瘍の成長を阻害する能力を有する、少なくとも一つの抗体またはその機能的断片の利用方法。
  2. 原発腫瘍の治療を目的とする医薬品を調製するための、請求項1に記載の少なくとも一つの抗体またはその機能的断片の利用方法。
  3. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片が腫瘍細胞の増殖を阻害する能力を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の利用方法。
  4. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片が、腫瘍細胞における前記CD151タンパク質の転移促進活性を阻害する能力を有することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の利用方法。
  5. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片が、腫瘍細胞の細胞移動を阻害する能力を有することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の利用方法。
  6. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片が、腫瘍細胞の細胞侵入を阻害する能力を有することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の利用方法。
  7. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片が、腫瘍細胞の細胞接着を阻害する能力を有することを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載の利用方法。
  8. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片が、CD151タンパク質のアミノ酸40〜57(配列番号6)と113〜221(配列番号4)にそれぞれ対応する細胞外ループ1(EC1)および/または2(EC2)、好ましくはEC2に含まれるエピトープと結合する能力を有することを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載の利用方法。
  9. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片が、CD151タンパク質の194位、195位、および196位(QRD194〜196)にそれぞれあるアミノ酸であるグルタミン、アルギニン、およびアスパラギン酸を少なくとも含むEC2領域のエピトープと結合する能力を有することを特徴とする、請求項8に記載の利用方法。
  10. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片がモノクローナル抗体で構成されることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか一つに記載の利用方法。
  11. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片がTS151抗体で構成されることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれか一つに記載の利用方法。
  12. 前記抗体が、
    −配列がそれぞれ配列番号7、8、および9である、CDR−H1、CDR−H2、およびCDR−H3という3つの重鎖のCDRと、
    −配列がそれぞれ配列番号11、12、および13である、CDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3という3つの軽鎖のCDR
    を含むことを特徴とする、請求項11に記載の利用方法。
  13. 前記抗体が配列番号10の配列を含んだ重鎖と配列番号14の配列を含んだ軽鎖を含むことを特徴とする、請求項12に記載の利用方法。
  14. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片がTS151r抗体で構成されることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれか一つに記載の利用方法。
  15. 前記抗体が、
    −配列がそれぞれ配列番号15、16、および17である、CDR−H1、CDR−H2、およびCDR−H3という3つの重鎖のCDRと、
    −配列がそれぞれ配列番号19、20、および21である、CDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3という3つの軽鎖のCDR
    を含むことを特徴とする、請求項14に記載の利用方法。
  16. 前記抗体が配列番号18の配列を含んだ重鎖と配列番号22の配列を含んだ軽鎖を含むことを特徴とする、請求項15に記載の利用方法。
  17. 前記癌が、結腸癌、肺癌、前立腺癌、または膵臓癌で構成されることを特徴とする、請求項1〜請求項16のいずれか一つに記載の利用方法。
  18. 薬学的に許容可能な少なくとも一つの担体をさらに含む製薬組成物の調製を目的とする、請求項1〜請求項17のいずれか一つに記載の利用方法。
  19. CD151タンパク質と結合する能力を有する少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片を活性成分として含むことを特徴とする、癌の治療を目的とした組成物。
  20. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片が、原発腫瘍の成長を阻害する能力を有する抗体であることを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
  21. 前記少なくとも一つの抗CD151抗体またはその機能的断片が、TS151抗体またはTS151r抗体から選択されるモノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項19または請求項20に記載の組成物。
  22. TS151抗体およびTS151r抗体またはその機能的断片の組み合わせを含むことを特徴とする、請求項19〜請求項21のいずれか一つに記載の組成物。
  23. 同時利用、別々の利用、または時間間隔をあけた利用を目的とした組み合わせ製品として、さらに少なくとも一つの細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤および/または細胞毒および/または放射性元素および/またはモノクローナル抗体を含むことを特徴とする、請求項19〜請求項22のいずれか一つに記載の組成物。
  24. 癌の治療を目的とした医薬品を調製するための、請求項19〜請求項23のいずれか一つに記載の組成物の利用方法。
  25. 原発腫瘍の治療を目的とした医薬品を調製するための、請求項19〜請求項24のいずれか一つに記載の組成物の利用方法。
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