JP2003189851A - 抗ヒトcd151モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ - Google Patents

抗ヒトcd151モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ

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JP2003189851A
JP2003189851A JP2001399170A JP2001399170A JP2003189851A JP 2003189851 A JP2003189851 A JP 2003189851A JP 2001399170 A JP2001399170 A JP 2001399170A JP 2001399170 A JP2001399170 A JP 2001399170A JP 2003189851 A JP2003189851 A JP 2003189851A
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Hitoshi Hasegawa
均 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 上皮系癌、神経系癌、又は肉腫の転移を抑
制するモノクローナル抗体及びこのモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマに関する。 【解決手段】 4回膜貫通型蛋白質をコードする特定
の配列を有する遺伝子SFA−1により組換えられた細
胞(NIH3T3)によって免疫されたマウスから単離
した脾臓細胞とミエローマ細胞株とから作成されたハイ
ブリドーマから、その上清がこの組換え細胞と特異的に
反応し、かつRPMI4788細胞の運動能を抑制する
ハイブリドーマを選択することにより、CD151発現
上皮系癌の転移を低下又は阻害する作用を有するモノク
ローナル抗体を産生することのできるハイブリドーマを
得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヒト4回膜貫通
型蛋白CD151発現細胞によって免疫された哺乳動物
から単離したリンパ球又は脾臓細胞とミエローマ細胞株
との融合細胞であるハイブリドーマ細胞株、このハイブ
リドーマ細胞株によって産生され、ヒトCD151を特
異的に認識するモノクローナル抗体、及びこのモノクロ
ーナル抗体から成る上皮系癌、神経系癌、又は肉腫の転
移抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】CD151は多くの上皮系癌等で発現さ
れる蛋白であり、抗CD151モノクローナル抗体とし
ては、11B1.G4及び12A2.H1(blood 86:
1348-1355, 1995)、5C11(J Biol. Chem. 275: 92
30-9238, 2000)、50−6及び1A5(Cancer Resear
ch 59: 1812-3820, 1999)、並びに41−2(米国特許
第6,245,898号)が報告されている。これらの
うち41−2と50−6については、これらがPETA
−3(CD151)に対するモノクローナル抗体であっ
て、癌腫瘍の転移を阻害することが知られている(米国
特許第6,245,898号)。一方、本発明者らは、
成人T細胞性白血病細胞株SF−HT(発明者の研究室
で樹立)からmRNAを抽出し、cDNAライブラリー
を作成した。このライブラリーの中から、SF−HTに
発現が強く、正常CD4陽性T細胞及びヒトT細胞株M
OLT−4(ATCCから購入)で発現が弱い4回膜貫
通型蛋白に属する新しい遺伝子SFA−1を単離した
(Hasegawa, H et al. Journal of Virology70: 3258-32
63, 1996)。SFA−1(配列番号1)は1996年、神戸
で開かれた6th Workshop and Conference on Human Leu
cocyte Differentiation AntigensでCD151と命名
された。また、この遺伝子は、GSDB、DDBJ、EMBL、NCBI
のデータベースにD29963として登録されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、既に、
このSFA−1を組み込んだプラスミドを用いてSFA
−1を発現させる細胞を作製し、この細胞により免疫さ
れたマウスから単離した脾臓細胞とミエローマ細胞株と
から数種のハイブリドーマを作製したが(Hasegawa, H e
t al. Journal of Virology 70: 3258-3263, 1996)、そ
の時点においては、これらのハイブリドーマ及びそれら
の産生するモノクローナル抗体について、これ以上の検
討はなされなかった。その後、本発明者はこれら数種の
ハイブリドーマ及びそれらの産生するモノクローナル抗
体の研究を行った結果、これらの中の特定のモノクロー
ナル抗体SFA1.2B4を選択することにより、このモノクロ
ーナル抗体SFA1.2B4がCD151発現上皮系癌の転移を
低下又は阻害することを見出し、本発明を完成させるに
至ったものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、SFA−1(配列
番号1)により組換えられた細胞(NIH3T3)によ
って免疫されたマウスから単離した脾臓細胞とミエロー
マ細胞株とから作成されたハイブリドーマから、その上
清がこの組換え細胞と特異的に反応し、かつRPMI4
788細胞の運動能を抑制するハイブリドーマを選択す
ることにより、CD151発現上皮系癌の転移を低下又
は阻害する作用を有するモノクローナル抗体を産生する
ことのできるハイブリドーマを得ることに成功した。
【0005】即ち、本発明は、配列番号1のDNAによ
る組換え体によって免疫された哺乳動物から単離したリ
ンパ球又は脾臓細胞とミエローマ細胞株との融合細胞で
あって、その上清が該組換え体と特異的に反応し、かつ
RPMI4788細胞(ヒト大腸癌細胞株)の運動能を
抑制するハイブリドーマである。このRPMI4788
細胞の運動能を抑制することは、金コロイド法(後述)
により確認することができる。また本発明は、受託番号
がFERM P−18659であるハイブリドーマであ
る。更に本発明は、上記のいずれかのハイブリドーマに
より産生され、ヒトCD151を特異的に認識するモノ
クローナル抗体である。また本発明は、上記のモノクロ
ーナル抗体から成る上皮系癌、神経系癌、又は肉腫の転
移防止剤の転移防止剤である。更に、本発明は、上記の
モノクローナル抗体の上皮系癌、神経系癌、又は肉腫の
転移防止剤としての使用である。
【0006】
【発明の実施の形態】配列番号1のDNAは既述のよう
に、本発明者らが単離した上皮系癌等で発現される蛋白
のcDNAである。このcDNAを定法に従って適当な
プラスミドベクター等の発現ベクターに挿入することに
より組換え体を作製することができる。この組換え体に
より定法に従ってマウス等の哺乳動物を免疫し、この哺
乳動物のリンパ球や脾臓細胞を単離し、これとミエロー
マ細胞株と定法に従って融合させて複数のハイブリドー
マを得ることができる。本発明においては、限界希釈に
よるクローニングを行いハイブリドーマの上清が上記組
換え体と特異的に反応するようなハイブリドーマを選択
し、更に、ハイブリドーマの産生する抗体が癌細胞(R
PMI4788細胞)の運動能を抑制するものを選択し
た。その結果、一つのハイブリドーマHH/SFA1.2B4を選
択することができた。RPMI4788細胞以外の癌細
胞を用いても同様な選択は可能であろうが、本発明にお
いてはRPMI4788細胞をハイブリドーマ選択の基
準に用いて良好な結果を得た。このハイブリドーマHH/S
FA1.2B4の産生するモノクローナル抗体SFA1.2B4は、ヒ
トの各種癌細胞に存在するCD151を特異的に認識
し、癌の転移を阻止する。この抗体を用いることによっ
て、上皮系癌、神経系癌、及び肉腫、これらの中で特に
上皮系癌の転移を阻止することが可能である。またCD
151の発現レベルと転移能とが相関するため、このモ
ノクローナル抗体SFA1.2B4を癌の転移能を測定する診断
に応用することができる。
【0007】
【実施例】以下、実施例にて本発明を例証するが、本発
明を限定することを意図するものではない。実施例1 発現ベクターpL2neoSRαIIIに適当な挿入部位がないた
め、まず、1.5-kbのヒトSFA-1cDNA (配列番号1、CD151
cDNA)をpcDSRαベクターのEcoRI部位に挿入し、プラス
ミドpcDSRαSFA-1を作成した。さらに、プラスミドpcDS
RαSFA-1の2.5-kbのSalI断片をpL2neoSRαIIIベクター
のSalI部位に挿入し、プラスミドpL2neoSRαIIISFA-1を
作成した。このプラスミド10μgとリポフェクチン溶液
(GIBCO BRL、米国)20μl及びOpti-MEM溶液(GIBCO BRL)
0.8mlを混ぜ、45分後、あらかじめ増殖期にあり、培養
シャーレに付着しているNIH3T3細胞(ATCCより購
入、米国)に添加し、5時間37℃5%炭酸ガス培養器
の中で反応後、10%ウシ胎児血清添加RPMI1640培地を
加え、一晩培養した。翌日、10%ウシ胎児血清添加RPMI1
640培地に400μg/ml の濃度になるようにG418(ネオマ
イシン、GIBCO BRL)を加えた培地に変換した。その後、
3〜4日毎に半量ずつ同様の培地で交換しながら2週間
程度培養を続けることによってSFA-1(CD151)が安定に発
現している細胞株NIH3T3/ pL2neoSRαIIISFA-1を樹立し
た。
【0008】次に、2×107個のNIH3T3/ pL2neoSRαIIIS
FA-1細胞を、BALB/c系雌マウスの腹腔内に、一週間毎2
回投与し、免疫した。さらに4週間後5×106個のNIH3T3
/ pL2neoSRαIIISFA-1細胞を尾静脈から注入し、その3
日後脾臓を無菌的に摘出し、ステンレスメッシュの上で
ほぐし、RPMI1640培地で3回洗浄し、脾細胞を調整し
た。一方、増殖期にあるマウスのミエローマ細胞P3X63A
g8.653(大日本製薬より購入、日本)を遠心分離し、調
整した。そして、脾細胞とこのミエローマ細胞を5:1
の割合で混合し、培地を十分に除いた後、1mlの50%ポリ
エチレングリコール溶液(Hybri-Max P7181; Sigma, 米
国)中で2分間インキュベートして細胞融合を行った。
この細胞をRPMI1640培地で洗浄後、20%ウシ胎児血清添
加RPMI1640培地に浮遊し、96ウエルの培養プレートに融
合処理した細胞を各ウエル0.1 mlずつ3×105個分注し、
一晩37℃5%炭酸ガス培養器の中で培養した。翌日、HAT
添加20%ウシ胎児血清添加RPMI1640培地(HAT培地)を各
ウエル0.1mlずつ加えた。その後、3日毎に半量ずつ、
新しいHAT培地に交換した。
【0009】抗体を産生するウエルのスクリーニングと
して、まず、固層NIH3T3/ pL2neoSRαIIISFA-1細胞を抗
原として用いて、細胞融合10〜14日後の培養上清の
抗体価をELISA法で測定した。まず、96ウエル平底
培養プレートにNIH3T3/ pL2neoSRαIIISFA-1細胞を培養
し、ほぼフルシートになった状態で培地を捨て、2%パ
ラホルムアルデヒド含有リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を
各ウエル100μlずつ分注し、室温で30分間反応させ、
その後PBSで2回洗浄し、PBSを完全に捨て、使用時まで
−70℃で保存する。同様にNIH3T3/ pL2neoSRαIII細
胞を固層化したコントロールプレートも作成した。これ
らのプレートを室温に戻し、1%ウシ血清アルブミン(B
SA)含有PBSを250μlずつ分注し、室温で30分間反応さ
せ、非特異的な反応を阻止した。次に、液を捨て、ハイ
ブリドーマ上清を100μl/ウエル加えて、室温に2時間
静置した後、0.05%Tween20-PBSで充分に洗浄し、0.5%BS
A-0.05%Tween20-PBSで希釈した1μg/ml HRP標識抗マウ
スIgGヒツジ抗体100μlを各ウエルに加えて室温で2時
間静置した。さらに、0.05%Tween20-PBSで充分に洗浄
後、HRPの発色液100μlを各ウエルに加え、室温にて酵
素反応を行い、6N硫酸50μlを各ウエルに加えて酵素反
応を停止した。酵素反応停止後、ただちに空気をブラン
クとしてHRPの吸収波長である492nmでの吸光度をマルチ
ウエル用プレートリーダーにより測定した。その結果、
NIH3T3/ pL2neoSRαIIISFA-1細胞で反応し、NIH3T3/ pL
2neoSRαIII細胞で反応しない上清を陽性とした。この
陽性を示すハイブリドーマには、HH/SFA1.1A3、HH/SFA
1.2B4、HH/SFA1.2F5、HH/SFA1.3A3、HH/SFA1.4F11、HH/
SFA1.5G4、及びHH/SFA1.6H4の7クローンがあった。
【0010】さらに、この7クローンについて、RPMI47
88細胞(大腸癌細胞株)を用いて、運動能の抑制を下記
の金コロイド法(渡辺秀臣「金コロイド法による細胞の
固有運動能の計測」/がん転移研究会編「がんの浸潤・
転移研究マニュアル」 p105−110、1995年
(金芳堂))によって測定し、癌細胞の転移を抑制する
ハイブリドーマを選択した。即ち、蒸留水 11ml, 36.5
mM Na2CO3溶液 6ml, 14.5 mM AuCl4H溶液 1.8mlを混
合し、これをガスバーナー上で加熱し、沸騰点に達した
ら、1.8 mlの0.1%ホルムアルデヒド溶液を加え、BSA
でコートしたカバーグラスの入った培養シャーレに注
ぎ、45分間静置し、金コロイドが付着したカバーグラ
スを作成した。使用までこのカバーグラスを3.5-cm培養
シャーレの中で保存しておく。1×10 個のRPMI4788細
胞(大腸癌細胞株、理化学研究所から購入)をハイブリ
ドーマ上清で氷上で30分間反応させ、RPMI1640培地で
洗浄後、2 mlの5%ウシ胎児血清添加RPMI1640培地に浮
遊させ、金コロイド付着カバーグラスが入った培養シャ
ーレに注いだ。16時間、37℃5%炭酸ガス培養器の
中で培養した後、TVモニター付顕微鏡下で、細胞の運
動面積を計測した。ハイブリドーマHH/SFA1.2B4につい
ては、RPMI4788細胞の運動能を抑制する効果が確認され
たが、これ以外のものについてはほとんどこの効果は確
認されなかった。このようにして得たハイブリドーマHH
/SFA1.2B4を、平成13年12月21日に独立行政法人
産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託した
(受託番号:FERM P−18659)。
【0011】実施例2 予め(3-7日前)に2, 6, 10, 14-テトラメチルペンタデ
カン(プリスタン)を投与されたBALB/cマウスの腹腔内
に実施例1で得たHH/SFA1.2B4を5×106個投与し、1〜
2週間後の腹水を採取した。さらに、この腹水をプロテ
インGカラム(アマシャム・ファルマシア社製)で精製
して、モノクローナル抗体SFA1.2B4を得た。このモノク
ローナル抗体SFA1.2B4に、NIH3T3/ pL2neoSRαIIISFA-1
細胞とNIH3T3/ pL2neoSRαIII細胞のライセートを用い
て、下記の手順でウエスタンブロッティングを行うと、
この抗体はNIH3T3/ pL2neoSRαIIISFA-1細胞にのみ発現
する29-kDaの蛋白に特異的に反応することが観察され
た。まず、5×106個のNIH3T3/ pL2neoSRαIIISFA-1細胞
とNIH3T3/ pL2neoSRαIII細胞を100μlのLaemmliのラ
イセートバッファー(0.125 M Tris-HCl, pH6.8, 20% グ
リセリン, 6% SDS, 10% β-メルカプトエタノール, 0.0
2% bromophenol blue)で溶解し、100℃, 5分間煮沸し、
それぞれ20μlずつ12.5%ポリアクリラマイドゲルにて
泳動し、ニトロセルロース膜にトランスファーした。ト
ランスファーされたニトロセルロース膜を、室温で一時
間1%BSA-PBSと反応させ、非特異的な反応を阻止した。
その後、4倍希釈したHH/SFA1.2B4の上清を3時間反応
させ、0.05%Tween20-PBSで充分に洗浄し、0.5%BSA-0.05
%Tween20-PBSで希釈した1μg/ml HRP標識抗マウスIgG
ヒツジ抗体を室温で2時間反応させた。0.05%Tween20-PB
Sで充分に洗浄後、HRPの発色液で発色させた。
【0012】実施例3 RPMI4788細胞(ヒト大腸癌細胞株、理化学研究所から購
入)とHT1080細胞(ヒト線維肉腫細胞株、理化学研究所
から購入)を実施例1のリポフェクチン法と同様な方法
で処理して、CD151(SFA-1)を導入した細胞株を樹立した
(「CD151発現細胞」と表示する。)。いずれもG418
の濃度は500μg/mlであった。次に、1×10個の親株
を抗HLA-A,B,C抗体(PharMingen社、米国)と100μg/ml
の濃度で氷上で30分間反応させた(「コントロール細
胞」と表示する。)。また、これら親株を実施例2で得
たモノクローナル抗体SFA1.2B4と100μg/mlの濃度で氷
上で30分間反応させた(「コントロール細胞+抗CD151
抗体」と表示する。)。これらをBALB/cヌードマウスの
眼静脈から注入し、10〜14日後、それぞれのグルー
プの肺転移を結節数で比較検討した。その結果を図1に
示す。図1の縦軸は、肺における結節の数を目視で測定
したものである。また、図2及び3にはこれら実際の肺
転移の写真を示す。図1から、生体内でCD151導入
癌細胞株は親株より転移能は亢進し、CD151は生体
内でも癌細胞の転移を促進する膜蛋白であることが分か
る。さらに抗CD151モノクローナル抗体(SFA1.2B
4)を加えると、ほぼ完全に転移が阻止されたことがわ
かる。図2及び3から、抗CD151モノクローナル抗
体(SFA1.2B4)を反応させた癌細胞はほぼ完全に肺転移
を阻止していることがわかる。
【0013】実施例4 4種類の上皮系癌細胞株、即ち、A549(ヒト肺癌細胞
株、理化学研究所から購入)、Hep G2(ヒト肝癌細胞
株、理化学研究所から購入)、HBL-100(ヒト乳癌細胞
株、理化学研究所から購入)、CW-2(ヒト大腸癌細胞
株、理化学研究所から購入)を用いて、抗CD151モ
ノクローナル抗体(SFA1.2B4)による、これら上皮系癌
細胞株の運動能の抑制を下記の手順(金コロイド法)に
より検討した。蒸留水 11ml, 36.5 mM Na2CO3溶液 6m
l, 14.5 mM AuCl4H溶液 1.8mlを混合し、これをガスバ
ーナー上で加熱し、沸騰点に達したら、1.8 mlの0.1%
ホルムアルデヒド溶液を加え、BSAでコートしたカバ
ーグラスの入った培養シャーレに注ぎ、45分間静置
し、金コロイドが付着したカバーグラスを作成した。使
用までこのカバーグラスを3.5-cm培養シャーレの中で保
存しておく。1×10個の上記親株をそれぞれ抗HLA-A,
B,C抗体(PharMingen社、米国)と100μg/mlの濃度で氷
上で30分間反応させた(「コントロール細胞」と表示
する。)。一方、これら親株を実施例2で得たモノクロ
ーナル抗体SFA1.2B4と100μg/mlの濃度で氷上で30分
間反応させた(「コントロール細胞+抗CD151抗体」と表
示する。)。これらをRPMI1640培地で洗浄後、2 mlの5
%ウシ胎児血清添加RPMI1640培地に浮遊させ、金コロイ
ド付着カバーグラスが入った培養シャーレに注いだ。1
6時間、37℃5%炭酸ガス培養器の中で培養した後、
TVモニター付顕微鏡下で、細胞の運動面積を計測し
た。その結果を図4に示す。図4から、上記の4種類の
上皮系癌細胞株の運動能は、いずれも抗CD151モノ
クローナル抗体(SFA1.2B4)の添加によって抑制された
ことがわかる。以上より、抗CD151モノクローナル
抗体(SFA1.2B4)はCD151が発現している数多くの
上皮系癌の転移を阻止することがわかる。
【0014】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Japan Science and Technology Corporation <120> 抗ヒトCD151モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ <130> PS01-1094 <160> 1 <210> 1 <211> 1486 <212> DNA <213> homo sapiens <308> D29963 <400> 1 tcggacgcgt ggtagcctag agtcctgggg agcttctgtc cacctgtcct gcagaggagt 60 cgtttccagc ccggctgccc caggatgggt gagttcaacg agaagaagac aacatgtggc 120 accgtttgcc tcaagtacct gctgtttacc tacaattgct gcttctggct ggctggcctg 180 gctgtcatgg cagtgggcat ctggacgctg gccctcaaga gtgactacat cagcctgctg 240 gcctcaggca cctacctggc cacagcctac atcctggtgg tggcgggcac tgtcgtcatg 300 gtgactgggg tcttgggctg ctgcgccacc ttcaaggagc gtcggaacct gctgcgcctg 360 tacttcatcc tgctcctcat catctttctg ctggagatca tcgctggtat cctcgcctac 420 gcctactacc agcagctgaa cacggagctc aaggagaacc tgaaggacac catgaccagg 480 cgctaccacc agtcgggcca tgaggctgtg accagcgctg tggaccagct gcagcaggag 540 ttccactgct gtggcagcaa caactcacag gactggcgag acagtgagtg gatccgctca 600 caggaggccg gtggccgtgt ggtcccagac agctgctgca agacggtggt ggctctttgt 660 ggacagcgag accatgcctc caacatctac aaggtggagg gcggctgcat caccaagttg 720 gagaccttca tccaggagca cctgagggtc attggggctg tggggatcgg cattgcctgt 780 gtgcaggtct ttggcatgat cttcacgtgc tgcctgtaca ggagtctcaa gctggagcac 840 tactgaccct gccttgggcc ttgctgctgc tgcacccaac tactgagctg agaccactga 900 gtaccagggg ctgggctccc tgatgacacc caccctgtgc catcaccata acctctgggg 960 accccaacct cagaggcagc ttcaagtgcc ttttcgtgcg caccaatgcc cagcagggga 1020 ggtgaggggg gctggcgggg cgaagtttgg ggggtgtttt gtggggctcc ccggacatac 1080 tctctgcctg gtggtcagat gcaggttgga aggggccttg ctgagtggcg caaggccgag 1140 atcgttccca gcagggggag aaacccttca caccccaggc ccttcaggaa ctggggcttt 1200 gccttgcagc cacatggccc catcccagtt ggggaagcca ggtgagctct gacccttggg 1260 cctgggcctc tgcccctccc aacccagccg tcgtctccct cgacagcgcc cctgctgtct 1320 tccccaccgc agtcaccacc acccgaaatg ccacgtggtc actgtgcact gccctgttca 1380 tgtgcctctg cggggcaggg ccttcctggt tttgtacact gctgtaccca gatgcctaca 1440 accatccctg ccacatacag gtgctcaata aacacttgta gagcag 1486
【図面の簡単な説明】
【図1】RPMI4788細胞及びHT1080細胞(「コントロール
細胞」と表示する。)、これら親株にCD151(SFA-1)を導
入した細胞株(「CD151発現細胞」と表示する。)、
並びにこれら親株とモノクローナル抗体SFA1.2B4とを反
応させたもの(「コントロール細胞+抗CD151抗体」と表
示する。)の肺転移の結節数を示す図である(実施例
3)。
【図2】RPMI4788細胞(ヒト大腸癌細胞株)(「コント
ロール細胞」と表示する。)及びこの親株とモノクロー
ナル抗体SFA1.2B4とを反応させたもの(「コントロール
細胞+抗CD151抗体」と表示する。)の肺転移の写真であ
る(実施例3)。
【図3】HT1080細胞(ヒト線維肉腫細胞株)(「コント
ロール細胞」と表示する。)及びこの親株とモノクロー
ナル抗体SFA1.2B4とを反応させたもの(「コントロール
細胞+抗CD151抗体」と表示する。)の肺転移の写真であ
る(実施例3)。
【図4】4種類の上皮系癌細胞株(A549、Hep G2、HBL-
100、CW-2、「コントロール細胞」と表示する。)、及び
これら親株をSFA1.2B4と反応させたもの(「コントロー
ル細胞+抗CD151抗体」と表示する。)の細胞の運動面積
を示す図である(実施例4)。なお、縦軸目盛は「コン
トロール細胞」の運動面積を100としたときの相対値
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1のDNAによる組換え体によ
    って免疫された哺乳動物から単離したリンパ球又は脾臓
    細胞とミエローマ細胞株との融合細胞であって、その上
    清が該組換え体と特異的に反応し、かつRPMI478
    8細胞の運動能を抑制するハイブリドーマ。
  2. 【請求項2】 受託番号がFERM P−18659で
    あるハイブリドーマ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のハイブリドーマ
    により産生され、ヒトCD151を特異的に認識するモ
    ノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のモノクローナル抗体か
    ら成る上皮系癌、神経系癌、又は肉腫の転移防止剤。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のモノクローナル抗体の
    上皮系癌、神経系癌、又は肉腫の転移防止剤としての使
    用。
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