JP2003320742A - 耐光性に優れるインクジェット印刷体 - Google Patents

耐光性に優れるインクジェット印刷体

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JP2003320742A
JP2003320742A JP2002129085A JP2002129085A JP2003320742A JP 2003320742 A JP2003320742 A JP 2003320742A JP 2002129085 A JP2002129085 A JP 2002129085A JP 2002129085 A JP2002129085 A JP 2002129085A JP 2003320742 A JP2003320742 A JP 2003320742A
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pressure
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Koji Moriya
孝治 盛屋
Shinichi Ono
信一 小野
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Osaka Sealing Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットプリンタに使用される色料が
染料であっても、耐光性に優れるインクジェット印刷体
を提供することを目的とする。さらには、耐水性や光沢
性においても、有用な特性を発現し得る印刷体の提供を
も目的とする。 【解決手段】 耐光性に優れるインクジェット印刷体
は、インクジェット印刷が施された印刷体に、透光性粘
着剤層を介して透光性フィルムを積層した積層体であっ
て、粘着剤層に紫外線吸収剤を含有する、耐光性に優れ
るインクジェット印刷体である。また、好ましくは、紫
外線吸収剤の分子量が、小さくとも1000であり、透
光性フィルムが、ポリエステルフィルムである

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐光性に優れるイ
ンクジェット印刷体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタを用いて印刷を
行う場合、インクをノズルから噴射して印刷を行うが、
ノズルのインク詰まりを回避する等のため、インクジェ
ットプリンタ用の色料として、顔料よりも染料を用いる
ことが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、インクジ
ェット印刷においては、インクの色料としては染料が多
く使用されており、定着も行われない等のため、インク
ジェット印刷体の耐光性の向上は大きな技術課題であっ
た。そこで、本発明においては、インクジェットプリン
タに使用される色料が染料であっても、耐光性に優れる
インクジェット印刷体を提供することを目的とするもの
である。併せて、本発明のインクジェット印刷体は、耐
水性や光沢性においても、有用な特性を発現し得るもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、インクジェッ
ト印刷体の耐光性不良の原因が、インクジェット印刷体
が光に曝されたとき、染料の二重結合等が破壊されるこ
となどに鑑みなされたものである。即ち、本発明の請求
項1に記載の耐光性に優れるインクジェット印刷体は、
インクジェット印刷が施された印刷体に、透光性粘着剤
層を介して透光性フィルムを積層した積層体であって、
粘着剤層に紫外線吸収剤を含有する、耐光性に優れるイ
ンクジェット印刷体である。本発明の請求項2に記載の
耐光性に優れるインクジェット印刷体は、紫外線吸収剤
の分子量が、小さくとも1000である請求項1に記載
の耐光性に優れるインクジェット印刷体である。本発明
の請求項3に記載の耐光性に優れるインクジェット印刷
体は、透光性フィルムが、ポリエステルフィルムである
請求項1または請求項2に記載の耐光性に優れるインク
ジェット印刷体である。
【0005】本発明の上述の目的、その他の目的、特徴
および利点は、以下の発明の実施の形態の詳細な説明か
ら一層明らかとなろう。
【0006】 [発明の詳細な説明]本発明にかかる耐光性に優れるイ
ンクジェット印刷体の一実施形態について以下に説明す
る。
【0007】本発明に用いられる被印刷体としては、上
質紙、ボンド紙等のいわゆる普通紙タイプと、上質紙等
の紙、合成紙、またはプラスチックフィルム等の支持体
面上に受像層(受容層、受理層等とも称される)が設け
られたコートタイプのものが用いられるが、特に、制限
を設けるものではない。
【0008】インク受像層には、添加剤として、染料定
着剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型
剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白
剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙
力増強剤、乾燥紙力増強剤、防腐剤、pH調整剤などを
適宜配合してもよい。
【0009】インクジェットプリンタ用色料としては、
直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、あるい
は食品用色素等の染料が用いられる。また、顔料も用い
られる。
【0010】直接染料としては、特に限定するものでは
ないが、たとえば、 C.I.Direct Black 48,49,5
1,56,62,71,74,75,77,78,80 C.I.Direct Yellow 42,44,4
8,50,51,58,72,85,86,87,8
8,98 C.I.Direct Orange 77,80,8
1,83,84,85,90,94,99,101,1
08 C.I.Direct Red 75,77,80,8
1,83,84,85,90,94,99,101 C.I.Direct Blue 120,123,1
58,163,165,192,193,194,19
5 C.I.Direct Green 1,6,8,2
8,33,37,63,64 C.I.Direct Brown 2,6,25,2
7,44,58,95,100,106,112,17
3 などが用いられる。
【0011】酸性染料としては、特に限定するものでは
ないが、たとえば、 C.I.Acid Black 60,94,107,
109,112,118,119,121,122 C.I.Acid Orange 7,8,10,3
3,56,64 C.I.Acid Red 85,87,88,89,
92,94,97,106,108,110 C.I.Acid Violet 7,11,15,3
4,35,41,43,49,75 C.I.Acid Blue 93,102,104,
111,113,117,120,124,126 C.I.Acid Green 3,9,12,16,
19,20,25,27,41 C.I.Acid Brown 4,14 などが用いられる。
【0012】塩基性染料としては、特に限定するもので
はないが、たとえば、 C.I.Basic Black 2,8 C.I.Basic Yellow 1,2,11,1
2,14,21,32,36 C.I.Basic Orange 2,15,21,
22 C.I.Basic Red 1,2,9,12,1
3,37 C.I.Basic Violet 1,3,7,1
0,14 C.I.Basic Blue 1,3,5,7,9,
24,25,26,28,29 C.I.Basic Green 1,4 C.I.Basic Brown 1,12 などが用いられる。
【0013】反応性染料としては、特に限定するもので
はないが、たとえば、 C.I.Reactive Black 1,3,5,
6,8,12,14 C.I.Reactive Yellow 1,2,
3,13,14,15,17 C.I.Reactive Orange 2,5,
7,16,20,24 C.I.Reactive Red 6,7,11,1
2,15,17,21,23,24,35,36,42 C.I.Reactive Violet 2,4,
5,8,9 C.I.Reactive Blue 2,5,7,1
2,13,14,15,17,18,19,20,2
1,25 C.I.Reactive Green 5,7 C.I.Reactive Brown 1,7,16 などが用いられる。
【0014】さらに食品用色素としては、特に限定する
ものではないが、たとえば、 C.I.Food Black 2 C.I.Food Yellow 3,4,5 C.I.Food Red 2,3,7,9,14,5
2,87,92,94,102,104,105 C.I.Food Violet 2 C.I.Food Blue 1,2 C.I.Food Green 2,3 などが用いられる。そして、顔料としては、カーボンブ
ラック、群青、酸化鉄等の無機顔料、アゾ顔料、フタロ
シアニン顔料等の有機顔料が用いられる。
【0015】インクとしては、環境等に悪影響を及ぼす
おそれの少ない有機溶剤を含まない水性インクが多く用
いられている。水性インクには、上記したような水溶性
染料が用いられる。
【0016】透光性粘着剤層を構成するための粘着剤と
しては、たとえば溶剤型アクリル粘着剤、酸化デンプ
ン、エーテル化デンプン、リン酸エステル化デンプンな
どのデンプン誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;ガ
イゼン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールま
たはその誘導体;ポリビニルヒドリン、無水マレイン酸
樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリ
レート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合
体ラテックス;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸
エステルの重合体または共重合体などのアクリル系重合
体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビ
ニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス;或いは
これら各種重合体のカルボキシル基などの官能基含有単
量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹
脂、尿素樹脂などのアクリル酸エステル;メタクリル酸
エステルの重合体または共重合体樹脂;ポリウレタン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
コポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂な
どの合成樹脂系着剤などを挙げることができる、これら
の、たとえばアクリル樹脂などを水性エマルジョン等と
した水性粘着剤が良く用いられる。
【0017】透光性粘着剤層に添加される紫外線吸収剤
としてはサリシレート系、シアノアクリレート系、ベン
ゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等がある。具体的
には、サリシレート系としては、フェニルサリシレー
ト、p−オクチルフェニルサリシレート、p−t−ブチ
ルフェニルサリシレート、カルボキシフェニルサリシレ
ート、メチルフェニルサリシレート、ドデシルフェニル
サリシレートなどが挙げられる。シアノアクリレート系
としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3
−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。ベンゾフ
ェノン系としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4
−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、
2,2´−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシベ
ンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2´
−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オ
キシベンジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ク
ロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4´−メ
チルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ヘプト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3,6−ジクロ
ル−4−エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−(2−ヒドロキシ−3−メチルアクリルオキシ)プロ
ポキシベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾトリア
ゾール系としては、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒド
ロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−t
−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´
−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチル−5´−ア
ミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒド
ロキシ−3´,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチ
ル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t
−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジフェニルフェ
ニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0018】上記のような紫外線吸収剤として作用する
骨格を有するサリシレート系、シアノアクリレート系、
ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等のモノマー
と、たとえばアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘
導体、スチレン、酢酸ビニル等のエチレン系不飽和化合
物とを共重合させ、分子量の大きい紫外線吸収剤を粘着
剤として用いることが好ましい。粘着剤が水性の場合
は、紫外線吸収剤を水系エマルジョン等とした水性の形
態で用いることが好ましい。
【0019】紫外線吸収剤の分子量が低いもの、たとえ
ば、200〜400程度のもは紫外線吸収剤がブリード
アウトしたり、揮散したりするため、長期的な耐光性が
得られない場合があるので、紫外線吸収剤の分子量は高
いものが好ましい。従って、紫外線吸収剤の分子量とし
ては、小さくとも1000のものが好ましく、小さくと
も5000のものがより好ましい。紫外線吸収剤の分子
量が100万以上のものであっても、透光性を阻害しな
い限り用いることができる。
【0020】紫外線吸収剤の添加量は、粘着剤100重
量部あたり、1重量部の添加にて効果を得ることもでき
る。しかし、添加量が75重量%を超えると、粘着剤層
を介して積層された透光性フィルムの接着において問題
を生じる場合がある。
【0021】粘着剤層を介して積層する透光性フィルム
としては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィ
ルム、ポリエチレンフィルム、ポリスチレンフィルム、
ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィル
ム、ポリイミドフィルム等を用いることができ、印刷層
を透視できる透光性を有するものであれば良い。これら
の透光性フィルムを積層すると、積層面の光沢が向上
し、光沢層をあらかじめ被印刷体に形成しておかなくと
も、あるいはまた、印刷の上に形成しなくとも、優れた
光沢を有するインクジェット印刷体となる。さらに、透
光性フィルムが積層してあれば、印刷上の面が水に濡れ
ても、インクが水で滲むこともない。なかでも、ポリエ
ステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレ
ンフィルムは耐湿性、透光性に優れるので、積層するフ
ィルムとしては好ましい。さらに、ポリエステルフィル
ムは310nm以下の紫外線を吸収する性質を併せ持つ
ので、ポリエステルフィルムを透光性フィルムとして用
いると、粘着剤層に紫外線吸収剤を含有させることとの
複合効果により、高い耐光性をインクジェット印刷体に
付与することができる。
【0022】透光性フィルムを、粘着剤層を介して積層
するには、粘着剤をインクジェット印刷体に塗布する
等、粘着剤層をインクジェット印刷体に直接形成し、透
光性フィルムを積層してもよい。また、透光性フィルム
に粘着剤を塗布する等により粘着剤層を形成し、次い
で、透光性フィルム上の粘着剤層側とインクジェット印
刷体の印刷面とを積層することにより、インクジェット
印刷体上への透光性フィルムの積層を行っても良い。よ
り好ましくは、ポリエステルフィルム等の表面特性に優
れたフィルム、シート等を工程シートとし、該工程シー
トの少なくとも一方の面をシリコーン系、フッ素系等の
剥離剤を塗布する等により剥離性をもたせ、その剥離面
上に粘着剤層を形成し、該工程シートの粘着剤層上に透
光性フィルムを積層した積層体を作製し、同一工程にお
いて、或は別工程において、該工程シートを剥離しつ
つ、透光性フィルムの粘着剤層面とインクジェット印刷
体の印刷面とを積層するのがよい。この方法によれば、
工程シートの平滑な面が粘着剤層表面に転写され、粘着
剤層表面が平滑となることから、粘着剤層とインクジェ
ット印刷体の印刷面との接着の際に、その界面において
凹凸が小さく、印刷面を良く透視できることとなる。
【0023】このようにして作製されたインクジエット
印刷体は、そのままで、或はまた、被印刷体のインクジ
ェット印刷面とは反対側に、一般的に用いられる感圧接
着剤層を設けて、ラベルとすることができる。感圧接着
剤層を設けたラベルは、被貼着体への貼付が容易になさ
れる。
【0024】また、かかるインクジェット印刷体は、そ
のままで、或はまた、被印刷体のインクジェット印刷面
とは反対側に、インクジェット印刷面と同様、透光性フ
ィルムをラミネートして、タグや下げ札等とすることが
できる。両面に透光性フィルム層が設けられたタグや下
げ札等は、特に水濡れに対して抵抗性があり、屋外等で
の使用に適する。なお、両面に透光性フィルム層を有す
るタグや下げ札等にあっては、被印刷体の両面にインク
ジェット印刷がなされていてもよい。被印刷体の両面が
同様の構成であるので、いずれの面においても耐光性は
良好である。更には、このインクジェット印刷体は、名
札、表示札、案内札、説明札、掲示札等にも使用するこ
とができる。また、屋外等の使用にも適する。
【0025】以下に本発明にかかる耐光性に優れるイン
クジェット印刷体につき、具体的な例に基づき説明す
る。
【0026】
【例】粘着剤層を形成するために、一般的に使用される
アクリルエマルジョンタイプ粘着剤に、紫外線吸収剤を
添加しない塗工液(例1)、紫外線吸収剤(サイデン化
学のエマルジョン型高分子紫外線吸収剤「サイビノール
X−598−227E−1」)を、粘着剤100重量
部あたり、5重量部添加した塗工液(例2)、及び前記
紫外線吸収剤を粘着剤100重量部あたり、10重量部
添加した塗工液(例3)を準備した。セパレータとし
て、一般的に使用されるシリコーン系剥離剤をコーティ
ングしたポリエステルフィルムを用い、このポリエステ
ルフィルムの剥離剤をコーティングした側に、前記塗工
液を乾燥重量で15g/m2塗布することにより、セパ
レータに粘着剤層を形成し、この粘着剤層上に、厚さ1
5μmのポリエステルフィルム(PET)フィルムを積
層し、セパレータ/粘着剤層/PETフィルムからなる
積層体を作製した。
【0027】被印刷体として厚さ70μmの上質紙に、
シリカをフィラーとして含有するインク受像層を形成し
たインクジェット記録紙を準備した。このインクジェッ
ト記録紙に、水性インク用インクジェットプリンターに
より印刷を行ない、インクジェット印刷体を作製した。
【0028】上記インクジェット印刷体の印刷面と、セ
パレータ/粘着剤層/PETフィルムからなる積層体の
PETフィルムとは反対側の粘着剤層表面とを、前記積
層体のセパレータを粘着剤層から剥離しつつ対向させ、
積層することにより、本発明のインクジェット印刷体を
作製した。
【0029】このように作製したインクジェット印刷体
の耐光性を次のように評価した。インクジェット印刷体
の試験片をケミカルランプ下に置き、紫外線暴露を行っ
た。紫外線暴露時間は100時間であり、積算紫外線照
射量としては1800J/cm2であった。紫外線暴露
前後のインクジェット印刷体の試験片の色濃度を、日本
平板材料株式会社のカラー反射濃度計エックスライト4
08で、紅、藍、墨、黄の4色のインクジェット印刷に
つき測定し、色残存率を求めた。色残存率(%)=(紫
外線暴露後の色濃度/紫外線暴露前の色濃度)×100
結果を表1に示す。
【0030】
【表1】 紫外線吸収剤の重量部は粘着剤100重量部あたりの重
量部である。
【0031】表1より明らかなように、紫外線吸収剤を
粘着剤層に添加したものは、いずれの色彩においても、
色残存率の向上が認められ、耐光性に優れていることが
認められる。また、印刷面には光沢があり、印刷面側に
水滴を落としても、印刷の滲みは発生しなかった。
【0032】
【発明の効果】透光性粘着剤層に紫外線吸収剤を添加
し、透光性フィルムを積層したインクジェット印刷体
は、耐光性に優れ、その上、光沢を付与でき、さらには
印刷体の上面が水に濡れても滲むことがない、印刷を透
視できる印刷体を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット印刷が施された印刷体
    に、透光性粘着剤層を介して透光性フィルムを積層した
    積層体であって、粘着剤層に紫外線吸収剤を含有する、
    耐光性に優れるインクジェット印刷体。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤の分子量が、小さくとも1
    000である請求項1に記載の耐光性に優れるインクジ
    ェット印刷体。
  3. 【請求項3】 透光性フィルムが、ポリエステルフィル
    ムである請求項1または請求項2に記載の耐光性に優れ
    るインクジェット印刷体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7224505B2 (en) 2003-11-04 2007-05-29 Seiko Epson Corporation Manufacturing method of electro-optical apparatus substrate, manufacturing method of electro-optical apparatus, electro-optical apparatus substrate, electro-optical apparatus, and electronic instrument
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