JP2003320623A - 熱可塑性樹脂成形品 - Google Patents
熱可塑性樹脂成形品Info
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Abstract
とができ、屋外での長期間の使用が可能な耐候性を有す
る熱可塑性樹脂成形品を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート樹脂とAB
S樹脂とをアロイ化したアロイ樹脂で成形された芯材1
の表面に、高耐候性樹脂2を積層して設ける。ABS樹
脂によって芯材1と高耐候性樹脂2との密着性が向上
し、芯材1の表面に高耐候性樹脂2を密着性高く被覆す
ることができる。
Description
フタレート樹脂とABS樹脂からなる熱可塑性樹脂成形
品に関するものである。
樹脂は耐熱性が高く、リサイクル性にも優れた樹脂であ
る。しかし、PET樹脂は温水により加水分解し易く、
酸やアルカリにも侵され易いため、耐候性に問題があ
る。そこで、PET樹脂の表面にアクリル系樹脂など耐
候性に優れた樹脂を被覆することによって、耐候性を高
めることが検討されている。
アクリル系樹脂など高耐候性樹脂との密着性が悪く、P
ET樹脂に高耐候性樹脂を被覆して耐候性を高めること
は難しいという問題があった。
あり、密着性高く高耐候性樹脂で表面を被覆することが
でき、屋外での長期間の使用が可能な耐候性を有する熱
可塑性樹脂成形品を提供することを目的とするものであ
る。
熱可塑性樹脂成形品は、ポリエチレンテレフタレート樹
脂とABS樹脂とをアロイ化したアロイ樹脂で成形され
た芯材1の表面に、高耐候性樹脂2を積層して設けて成
ることを特徴とするものである。
て、高耐候性樹脂がアクリル系樹脂であることを特徴と
するものである。
おいて、アロイ樹脂と高耐候性樹脂とを多層押出し成形
して積層することを特徴とするものである。
する。
T樹脂の表面の一部あるいは全面を耐候性に優れた樹脂
で被覆する方法があるが、既述のようにPET樹脂は高
耐候性を有するアクリル系樹脂との密着性が悪いので、
このような樹脂との密着性を向上する必要がある。一
方、アクリル系樹脂など高耐候性樹脂との密着性に優れ
た樹脂としてABS樹脂がある。
脂が持っている高耐候性樹脂との親和性を付与して、高
耐候性樹脂との密着性を高めるために、PET樹脂とA
BS樹脂とをアロイ化するようにしてある。PET樹脂
とABS樹脂とをアロイ化するにあたっては、PET樹
脂及びABS樹脂を溶融することのできる混練機を用い
て、PET樹脂とABS樹脂とを溶融混練することによ
って行なうことができる。この溶融混練時に相容化剤を
併用することもできる。相容化剤としては、無水カルボ
ン酸基を含むオレフィン系化合物、スチレン系オレフィ
ン化合物、エポキシ変性オレフィン化合物等を挙げるこ
とができる。
ロイ化することによって、ABS樹脂によって高耐候性
樹脂との密着性が向上するものである。従って、PET
樹脂とABS樹脂とをアロイ化したアロイ樹脂を成形し
て得られる芯材1の表面に、高耐候性樹脂2を密着性高
く積層することができるものであり、芯材1の表面の一
部あるいは全面を高耐候性樹脂2で被覆して、成形品に
優れた耐候性を与えることが可能になるものである。
にあたって、PET樹脂とABS樹脂の配合比率は、P
ET樹脂とABS樹脂の合計量に対してABS樹脂が5
質量%以上含まれるように設定するのが好ましい。AB
S樹脂の割合が5質量%未満であると、アクリル系樹脂
などの高耐候性樹脂との密着性を向上する効果を十分に
得ることができない。またPET樹脂が有する高弾性率
や低線膨張係数の物性を保持するために、ABS樹脂の
配合割合はPET樹脂とABS樹脂の合計量に対して5
0質量%以下に設定するのが好ましい。尚、高耐候性樹
脂との密着性を阻害しない樹脂であれば、PET樹脂に
アロイ化する樹脂として、ABS樹脂の他にも任意の樹
脂を配合することが可能である。
は、屋外での使用用途に耐えることができる、アクリロ
ニトリルアクリルゴムスチレン共重合体(AAS)樹
脂、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS)樹脂、
アクリロニトリルエチレンプロピレンゴムスチレン共重
合体(AES)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PM
MA)樹脂などのアクリル系樹脂を用いるのが望まし
い。さらに、高温の状況下で使用される場合には、これ
らの樹脂にポリカーボネート樹脂、N−フェニルマレイ
ミド、α−メチルスチレンなどから選ばれるガラス転移
温度上昇剤を添加して、高耐候性樹脂の耐熱性を向上さ
せて使用するのが望ましい。
いても、同様にポリカーボネート樹脂、N−フェニルマ
レイミド、α−メチルスチレンなどから選ばれるガラス
転移温度上昇剤を添加して用いることによって、PET
樹脂とABS樹脂のアロイ樹脂を成形して得られる芯材
1の耐熱性を高めることができるものである。
樹脂や、高耐熱性樹脂には、必要に応じてタルク、炭酸
カルシウム、水酸化カルシウム、マイカ、モンモリロナ
イト、ガラス繊維などの充填剤や、着色剤を配合するこ
とができるものであり、これらの充填剤を配合すること
によって、成形品の弾性率を高めることができるもので
ある。
なる芯材1の表面に高耐候性樹脂2を積層するにあたっ
ては、図1(a)に示すように芯材1の片面に積層する
ようにしてもよく、図1(b)のように芯材1の両面に
積層するようにしてもよく、少なくとも片面に積層する
ようにすればよい。高耐候性樹脂2の層の厚みは0.1
〜1.0mm程度に設定するのが好ましい。このよう
に、PET樹脂とABS樹脂のアロイ樹脂からなる芯材
1に高耐候性樹脂2を積層して被覆することによって、
既述のようにPET樹脂を屋外で利用することが可能に
なり、PET樹脂の用途を広げることができるものであ
る。このため、不用になったPET樹脂をリサイクルす
る用途が広がり、しかも表面は高耐候性樹脂2で被覆さ
れているため、着色されたPET樹脂でも問題なくリサ
イクルをすることが可能になるものである。
脂のアロイ樹脂からなる芯材1の表面に高耐候性樹脂2
を積層する工法を説明する。図2は多層押出し成形の工
法を示すものであり、押出し金型3として一対の押出し
成形機4,5が接続されたクロスヘッド型のものを用
い、押出し成形機4からPET樹脂とABS樹脂のアロ
イ樹脂aが、押出し成形機5から高耐候性樹脂bがそれ
ぞれ押出されるようになっている。そして押出し成形機
4から押出し金型3を通してアロイ樹脂aを押出し成形
する際に、同時に押出し成形機5から高耐候性樹脂bを
押出し金型3を通して押出し成形し、アロイ樹脂aと高
耐候性樹脂bを押出し金型3内で積層させる多層押出し
成形することによって、アロイ樹脂からなる芯材1の表
面に高耐候性樹脂2を積層した成形品を得ることができ
るものである。このようにして、芯材1を成形する際に
同時に高耐候性樹脂2を積層することができるものであ
り、芯材1を成形した後に高耐候性樹脂2を積層すると
いう工程を不要にして、生産性の高い成形を行なうこと
ができると共に、また立体的な複雑形状の成形品でも高
耐候性樹脂2を容易に積層することができるものであ
る。
する。
ES2070」70質量部に対して、ABS樹脂(東レ
社製「トヨラック600」)30質量部を配合し、さら
にPET樹脂とABS樹脂の合計に対して3質量%の相
溶化剤(エポキシ変性ポリスチレン系樹脂)を配合し、
これらを均一に分散した後、二軸押出機によって、溶
融、混合し、2mmφの円柱状に押出した。そしてこの
押出し品を冷却した後に、ペレタイザーで長さ2mmに
切断することによって、PET樹脂とABS樹脂のアロ
イ樹脂ペレットを得た。
い、このアロイ樹脂ペレットを押出し成形する際に、同
時にAAS樹脂(日立化成社製「パイタックスV670
0」)を同時二層押し出し成形し、アロイ樹脂の表面に
AAS樹脂を積層した熱可塑性樹脂成形品を得た。
ET樹脂を押出し成形する際に、同時にAAS樹脂(日
立化成社製「パイタックスV6700」)を同時二層押
し出し成形し、PET樹脂の表面にAAS樹脂を積層し
た熱可塑性樹脂成形品を得た。
に樹脂被覆をした熱可塑性樹脂成形品について、芯材と
表面樹脂との密着性を碁盤目密着性試験で測定した。碁
盤目密着性試験は、カッターで表面を切って2mm角の
マス目100個を付け、この上に粘着テープを貼り付け
て引き剥がすことによって行ない、剥離したマス目の個
数を数えることによって評価した。結果は、比較例のも
のでは剥離したマス目の個数は100個中100個であ
るのに対して、実施例のものでは剥離したマス目の個数
は100個中0個であり、芯材としてPET樹脂とAB
S樹脂とのアロイ樹脂を用いることによって、AAS樹
脂など高耐候性樹脂との密着性を向上できることが確認
された。
形品は、ポリエチレンテレフタレート樹脂とABS樹脂
とをアロイ化したアロイ樹脂で成形された芯材の表面
に、高耐候性樹脂を積層して設けるようにしたので、A
BS樹脂によって芯材と高耐候性樹脂との密着性が向上
し、芯材の表面に高耐候性樹脂を密着性高く被覆するこ
とができるものであり、屋外での長期間の使用が可能な
耐候性を与えることができるものである。
て、高耐候性樹脂がアクリル系樹脂であるので、アクリ
ル系樹脂は特に耐候性に優れており、屋外での使用用途
に耐える耐候性を付与することができるものである。
おいて、アロイ樹脂と高耐候性樹脂とを多層押出し成形
して積層するようにしたので、芯材を成形する際に同時
に高耐候性樹脂を積層することができ、生産性の高い成
形を行なうことができるものであり、また複雑な形状で
あっても高耐候性樹脂を容易に積層することができるも
のである。
(a),(b)はそれぞれ斜視図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート樹脂とAB
S樹脂とをアロイ化したアロイ樹脂で成形された芯材の
表面に、高耐候性樹脂を積層して設けて成ることを特徴
とする熱可塑性樹脂成形品 - 【請求項2】 高耐候性樹脂がアクリル系樹脂であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂成形品。 - 【請求項3】 上記アロイ樹脂と高耐候性樹脂とを多層
押出し成形して積層することを特徴とする請求項1又は
2に記載の熱可塑性樹脂成形品。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002129521A JP2003320623A (ja) | 2002-05-01 | 2002-05-01 | 熱可塑性樹脂成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002129521A JP2003320623A (ja) | 2002-05-01 | 2002-05-01 | 熱可塑性樹脂成形品 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003320623A true JP2003320623A (ja) | 2003-11-11 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002129521A Pending JP2003320623A (ja) | 2002-05-01 | 2002-05-01 | 熱可塑性樹脂成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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- 2002-05-01 JP JP2002129521A patent/JP2003320623A/ja active Pending
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Title |
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実用プラスチック用語辞典, vol. 改訂第3版, JPNX006023959, 10 September 1989 (1989-09-10), JP, pages 667頁, ISSN: 0000743956 * |
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