JP2003320581A - インク受像層易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

インク受像層易接着性ポリエステルフィルム

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JP2003320581A
JP2003320581A JP2002132432A JP2002132432A JP2003320581A JP 2003320581 A JP2003320581 A JP 2003320581A JP 2002132432 A JP2002132432 A JP 2002132432A JP 2002132432 A JP2002132432 A JP 2002132432A JP 2003320581 A JP2003320581 A JP 2003320581A
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polyester film
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ink
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JP2002132432A
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English (en)
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Koji Kubo
耕司 久保
Satoshi Kitazawa
諭 北澤
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Toyobo Film Solutions Ltd
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Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Publication date
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク受像層との接着性に優れ、かつ透明
性、耐候性に優れ、インクジェットプリンター用受像紙
などに有用なインク受像層易接着性ポリエステルフィル
ムを提供する。 【解決手段】 紫外線吸収剤を含有するポリエステルフ
ィルムの少なくとも片面に皮膜を塗設したフィルムであ
って、該皮膜が(A)スルホン酸塩基を有するジカルボ
ン酸成分の割合が、全酸成分当り、1〜16モル%であ
り、かつポリマーの二次転移点が20〜90℃であるコ
ポリエステル50〜80重量%、(B)数平均分子量が
600〜2000のポリアルキレンオキサイド10〜3
0重量%及び(C)平均粒径が20〜80nmの微粒子
3〜25重量%からなる成分を主成分とし、該皮膜の表
面エネルギーが54〜70dyne/cmであることを
特徴とする、耐候性に優れた、インク受像層易接着性ポ
リエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐候性に優れたイン
ク受像層易接着性ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフィルムに
代表されるポリエステルフィルムは、受像紙用フィルム
のベースフィルムとして、従来より広く使用されてい
る。
【0003】近年、カラープリンターの需要に伴い、イ
ンクジェット方式等の新しい印字方式が発展してきた。
このような印字方式用の受像紙用フィルムでは、特開昭
64―36479号公報、特開平1―95091号公報
で提案されているように、フィルム上にインク受像層の
形成が必要となる。このインク受像層には多孔質でイン
クの吸収性が良好なものが使用されるが、このインク受
像層はベースフィルムとして用いるポリエステルフィル
ムに対する接着性が乏しい。
【0004】そこで、インク受像層との接着性を向上さ
せる目的で、フィルムの表面にインク受像層との接着性
を高める皮膜を設ける方法が数多く提案されている。し
かしながら、いずれのフィルムも耐候性が劣るために、
商業用の大型ポスターなど屋外で使用される場合には、
フィルムの劣化や、インクの変色などが生じ、長期間の
使用に耐えるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
ク受像層との接着性に優れ、かつ透明性および耐候性に
優れ、インクジェットプリンター用受像紙に有用なイン
ク受像層易接着性ポリエステルフィルムを提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、紫外
線吸収剤を含有するポリエステルフィルムの少なくとも
片面に皮膜を塗設したフィルムであって、皮膜は組成物
100重量%あたり、(B)数平均分子量が600〜2
000のポリアルキレンオキサイドを10〜30重量%
及び(C)平均粒径が20〜80nmの微粒子を3〜2
5重量%含有する組成物からなり、皮膜の表面エネルギ
ーが54〜70dyne/cmであることを特徴とす
る、インク受像層易接着性ポリエステルフィルムであ
る。
【0007】本発明は、好ましい態様として、皮膜の組
成物が組成物100重量%あたり、(A)スルホン酸塩
基を有するジカルボン酸成分の割合が全酸成分当り1〜
16モル%でありかつポリマーの二次転移点が20〜9
0℃であるコポリエステル、を50〜80重量%含有す
る態様を包含する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】[ポリエステルフィルム]本発明における
ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとして
は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフ
タリンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸成分と、例えばエチレングリ
コール、1,4―ブタンジオール、1,4―シクロヘキ
サンジメタノール、1,6―ヘキサンジオール等のグリ
コール成分とから構成される芳香族ポリエステルが好ま
しく、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
―2,6―ナフタリンジカルボキシレートが好ましい。
また、上記成分等の共重合ポリエステルであっても良
い。
【0010】前記ポリエステルには、製膜時のフィルム
の巻取り性や、インク受像層等を塗設する際のフイルム
の搬送性等を良くするため、必要に応じて滑剤としての
有機又は無機の微粒子を含有させることが好ましい。か
かる微粒子としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウ
ム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜
鉛、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒
子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン
樹脂粒子が例示される。また、微粒子以外にも着色剤、
帯電防止剤、酸化防止剤、潤滑剤、触媒、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン―プロピレン―ポリマ
ー、オレフィン系アイオノマーのような他の樹脂も透明
性を損なわない範囲で任意に含有させることができる。
【0011】[紫外線吸収剤]本発明におけるポリエス
テルフィルムを構成するポリエステルには、フィルムの
耐候性を向上させるために、紫外線吸収剤を含有させる
必要がある。この紫外線吸収剤としては、下記式(I)
【0012】
【化5】
【0013】(式中、X1は上記式に表わされたX1から
の2本の結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の
芳香族残基であり;nは1、2又は3であり;R1はn
価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有して
いてもよい、又はR1はn=2のとき直接結合であるこ
とができる。)で表わされる環状イミノエステル及び下
記式(II)
【0014】
【化6】
【0015】(式中、Aは下記式(II)-a
【0016】
【化7】
【0017】で表わされる基であるか又は下記式(II)-
【0018】
【化8】
【0019】で表わされる基であり;R2およびR3は同
一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり;X2は4
価の芳香族残基で、これは更にヘテロ原子を含有してい
てもよい。)で表わされる環状イミノエステルから選ば
れる少なくとも1種の化合物を用いるのが好ましく、未
反応の形態で用いるのが特に好ましい。
【0020】かかる環状イミノエステルは紫外線吸収剤
として公知の化合物であり、例えば特開昭59−129
52号公報に記載されている。
【0021】前記一般式(I)中、X1は式(I)に表
わされたX1からの2本の結合手が1位、2位の位置関係
にある2価の芳香族残基であり;nは1、2又は3であ
り;R1はn価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原
子を含有していてもよい、又はR1はn=2のとき直接
結合であることができる。
【0022】X1としては、好ましくは例えば1,2−
フェニレン、1,2−ナフチレン、2,3−ナフチレ
ン、下記式
【0023】
【化9】
【0024】(式中、Rは−O−、−CO−、−S−、
−SO2−、−CH2−、−(CH2)−または−C(C
32−である。)で表わされる基を挙げることができ
る。これらのうち、特に1,2−フェニレンが好まし
い。
【0025】X1について例示した上記芳香族残基は、
例えば炭素数1〜10のアルキル例えばメチル、エチ
ル、プロピル、ヘキシル、デシル等;炭素数6〜12の
アリール例えばフェニル、ナフチル等;炭素数5〜12
のシクロアルキル例えばシクロペンチル、シクロヘキシ
ル等;炭素数8〜20のアラルキル例えばフェニルエチ
ル等;炭素数1〜10のアルコキシ例えばメトキシ、エ
トキシ、デシルオキシ等;ニトロ;ハロゲン例えば塩
素、臭素等;炭素数2〜10のアシル例えばアセチル、
プロポニル、ゼンゾイル、デカノイル等;などの置換基
で置換されていてもよい。
【0026】R1はn価(ただし、nは1、2又は3で
ある)の炭化水素残基であるか、又はnが2であるとき
に限り直接結合であることができる。
【0027】1価の炭化水素残基(n=1の場合)とし
ては、第一に、例えば炭素数1〜10の未置換脂肪族
基、炭素数6〜12の未置換芳香族基、炭素数5〜12
の未置換脂環族基が挙げられる。
【0028】炭素数1〜10の未置換脂肪族基として
は、例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシ
ルを、炭素数6〜12の未置換芳香族基としては、例え
ばフェニル、ナフチル、ビフェニルを;炭素数5〜12
の未置換脂環族基としては、例えばシクロペンチル、シ
クロヘキシルを挙げることができる。
【0029】また、上記1価の炭化水素残基としては、
第二に、例えば下記式(c)
【0030】
【化10】
【0031】(式中、R4は炭素数2〜10のアルキレ
ン、フェニレン又はナフチレンである。)で表わされる
基、下記式(d)
【0032】
【化11】
【0033】(式中、R5は炭素数1〜10のアルキル
基、フェニル基又はナフチル基である。)で表わされる
基、下記式(e)
【0034】
【化12】
【0035】(式中、R4およびR5の定義は上記に同じ
であり、R6は水素原子又はR5に定義された基のいずれ
かである。)で表わされる基、下記式(f)
【0036】
【化13】
【0037】(式中、R4およびR6の定義は上記に同じ
であり、R7は水素原子又はR5に定義された基のいずれ
かである。)で表わされる、置換された脂肪族残基又は
芳香族残基を挙げることができる。
【0038】また、上記1価の炭化水素残基としては、
第三に、上記未置換の芳香族残基が例えば上記X1を表
わす芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で
置換されているものを挙げることができる。それ故、か
かる置換基で置換された場合の例としては、例えばトリ
ル、メチルナフチル、ニトロフェニル、ニトロナフチ
ル、クロロフェニル、ベンゾイルフェニイル、アセチル
フェニル又はアセチルナフチルを挙げることができる。
【0039】1価の炭化水素残基としては、上記式
(c)、(d)、(e)又は(f)で表わされる基、す
なわち置換された脂肪族残基又は芳香族残基、特にその
うち置換された芳香族残基が好ましい。
【0040】2価の炭化水素残基(n=2の場合)とし
ては、第一に、例えば2価の、炭素数2〜10の未置換
の脂肪族残基、炭素数6〜12の未置換の芳香族残基、
炭素数5〜12の未置換の脂環族残基が挙げられる。
【0041】2価の炭素数2〜10の未置換の脂肪族基
としては、例えばエチレン、トリメチレン、テトラメチ
レン、デカメチレン等を、2価の炭素数6〜12の未置
換の芳香族残基としては、例えばフェニレン、ナフチレ
ン、P,P’−ビフェニレン等を;2価の炭素数5〜1
2の未置換の脂環族残基としては、例えばシクロペンチ
レン、シクロヘキシレンを挙げることができる。
【0042】また、上記2価の炭化水素残基としては、
第二に、例えば下記式(g)
【0043】
【化14】
【0044】(式中、R8はR4に定義された基のいずれ
かである。)で表わされる基、又は下記式(h)
【0045】
【化15】
【0046】(式中、R8の定義は上記に同じであり、
9はR4に定義された基のいずれかであり、そしてR10
はR6に定義された基のいずれかである。)で表わされ
る、置換された脂肪族残基又は芳香族残基を挙げること
ができる。
【0047】また、上記2価の炭化水素残基としては、
第三に、上記未置換の2価の芳香族残基が、例えば上記
1を表わす芳香族基の置換基として例示したと同じ置
換基で置換されているものを挙げることができる。
【0048】nが2の場合には、R1としては、これら
のうち直接結合又は上記第一から第三の群の未置換又は
置換された2価の芳香族炭化水素残基が好ましく、特に
2本の結合手が最も離れた位置から出ている第一又は第
三の群の未置換又は置換された芳香族炭化水素残基が好
ましく、就中P−フェニレン、P,P’−ビフェニレン
又は2,6−ナフチレンが好ましい。
【0049】3価の炭化水素残基(n=3の場合)とし
ては、例えば3価の炭素数6〜12の芳香族残基を挙げ
ることができる。
【0050】かかる芳香族残基としては、例えば
【0051】
【化16】
【0052】を挙げることができる。
【0053】かかる芳香族残基は、上記1価の芳香族残
基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されてい
てもよい。
【0054】上記一般式(I)中、R2およびR3は同一
もしくは異なり1価の炭化水素残基であり、X2は4価
の芳香族炭化水素残基である。
【0055】R2およびR3としては、上記式(I)の説
明において、n=1の場合のR1について例示したと同
じ基を例として挙げることができる。
【0056】4価の芳香族炭化水素残基としては、例え
【0057】
【化17】
【0058】(ここで、Rの定義は式(a)に同じ。)
で表わされる基を挙げることができる。
【0059】上記4価の芳香族残基は、上記式(I)の
説明において、R1を表わす1価の芳香族残基の置換基
として例示したと同じ置換基で置換されていてもよい。
【0060】本発明において用いられる上記式(I)お
よび(II)で表わされる環状イミノエステルの具体例と
しては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
【0061】上記式(I)の化合物 n=1の場合の化合物 2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2
−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−
フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−
(1−又は2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン
−4−オン、2−(4−ビフェニル)−3,1−ベンゾ
オキサジン−4−オン、2−p−ニトロフェニル−3,
1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−m−ニトロフェ
ニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−
ベンゾイルフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−
オン、2−p−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキ
サジン−4−オン、2−o−メトキシフェニル−3,1
−ベンゾオキサジン−4−オン、2−シクロヘキシル−
3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−(又は
m−)フタルイミドフェニル−3,1−ベンゾオキサジ
ン−4−オン、N−フェニル−4−(3,1−ベンゾオ
キサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−ベ
ンゾイル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
−2−イル)アニリン、N−ベンゾイル−N−メチル−4
−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)
アニリン、2−(p−(N−メチルカルボニル)フェニ
ル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン。
【0062】n=2の場合の化合物 2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、2,2’−エチレンビス(3,1−ベンゾオキサ
ジン−4−オン)、2,2’−テトラメチレンビス
(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−
デカメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾ
オキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビ
ス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’
−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオ
キサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−又は1,
5−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4
−オン)、2,2’−(2−メチル-p-フェニレン)ビ
ス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’
−(2−ニトロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベン
ゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−クロロ−
p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4
−オン)、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)ビ
ス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、N−p−
(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フ
ェニル、4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−
2−イル)フタルイミド、N−p−(3,1−ベンゾオ
キサジン−4−オン−2−イル)ベンゾイル、4−
(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ア
ニリン。
【0063】n=3の場合の化合物 1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン−2−イル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,1−
ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン、
2,4,6−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン−2−イル)ナフタレン上記式(II)の化合物 2,8−ジメチル−4H,6H−ベンゾ(1,2−d;
5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−
ジオン、2,7−ジメチル−4H,9H−ベンゾ(1,2
−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−
4,9−ジオン、2,8−ジフェニル−4H,8H−ベン
ゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキ
サジン−4,6−ジオン、2,7−ジフェニル−4H,
9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,
3)−オキサジン−4,6−ジオン、6,6’−ビス
(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−
オン)、6,6’−ビス(2−エチル−4H,3,1−
ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−
フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、6,6’−メチレンビス(2−メチル−4H,
3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メ
チレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキ
サジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−メ
チル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、
6,6’−エチレンビス(2−フェニル−4H,3,1
−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレン
ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−
4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−フェニル−
4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,
6’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾ
オキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−
フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、6,6’−スルホニルビス(2−メチル−4H,
3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ス
ルホニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオ
キサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2
−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、6,6’−カルボニルビス(2−フェニル−4
H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’
−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオ
キサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−
フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、7,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベ
ンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−エチレンビス
(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−
オン)、7,7’−オキシビス(2−メチル−4H,
3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−ス
ルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキ
サジン−4−オン)、7,7’−カルボニルビス(2−
メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、6,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベ
ンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−フ
ェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、6,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,
3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メ
チレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキ
サジン−4−オン)。
【0064】上記例示化合物のうち、上記式(I)の化合
物、より好ましくはn=2の場合の上記式(I)の化合
物、特に好ましくは下記式(I)-1
【0065】
【化18】
【0066】(式中、R11は2価の芳香族炭化水素残基
である。)で表わされる化合物が有利に用いられる。
【0067】式(I)-1の化合物としては、就中2,
2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン
−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)
ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および
2,2’−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベン
ゾオキサジン−4−オン)が好ましい。
【0068】これら環状イミノエステルの紫外線吸収特
性は、例えばその代表的化合物について特開昭59−1
2952号公報に記載されているので、それを援用す
る。
【0069】前記環状イミノエステルは、ポリエステル
に対して優れた相溶性を有するが、前記特開昭59−1
2952号公報や米国特許第4291152号明細書に
記載されているように、ポリエステルの末端水酸基と反
応する能力を有する。そこで、環状イミノエステルが実
質的に未反応な状態で含有されるように、環状イミノエ
ステルとポリエステルとを注意深く混合させることが求
められる。ただし、ポリエステルとして、主たる割合の
末端基がカルボキシル基であるポリエステルや、末端水
酸基が該環状イミノエステルと反応性の無い末端封鎖剤
で封鎖されているポリエステルを用いる場合、環状イミ
ノエステルを未反応の状態で含有する組成物を製造する
のに特別の注意を払う必要は無い。末端基の主たる割合
が水酸基であるポリエステルを用いる場合には、溶融混
合の時間は、下記式
【0070】
【数1】Logt≦−0.008T+4.8 及び
【0071】
【数2】Tm<T<320 (式中、tは溶融混合時間(秒)、Tは溶融混合温度
(℃)及びTmはポリエステルの溶融温度(℃)であ
る。)を満足するように、短時間で完了するようにする
のが望ましい。この場合、環状イミノエステルとポリエ
ステルとが少しの割合で反応する可能性があるが、この
反応によってポリエステルの分子量は大きくなるので、
この割合によっては可視光吸収剤によるポリエステルの
劣化による分子量低下を防ぐことが可能である。なお、
環状イミノエステルがポリエステルと反応した場合、紫
外線吸収波長領域が、一般に、未反応の状態の紫外線吸
収波長領域より低波長側にずれる傾向を示し、それ故高
波長側の紫外線を透過する傾向をもつ。
【0072】前記環状イミノエステルは、適量を添加す
る場合、昇華物が殆どないので、製膜でダイ周辺を汚す
ことが少なく、紫外線から380nm付近の光線を吸収
するのでフィルムの着色が無く、可視光線吸収剤やフィ
ルムの劣化を防止する特性に優れている。
【0073】前記紫外線吸収剤の含有量は、フィルムの
ポリエステル100重量%あたり、0.1〜5重量%が
好ましく、さらには0.2〜3重量%が好ましい。この
量が0.1%未満では紫外線劣化防止効果が小さく、一
方5重量%を超えるとポリエステルの製膜特性が低下
し、好ましくない。
【0074】前記紫外線吸収剤のポリエステルへの添加
方法は特に限定されないが、ポリエステル重合工程、フ
ィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込み、二
軸延伸フィルムへの含浸、などを挙げることができ、特
にポリエステル重合度低下を防止する意味でもフィルム
製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込みが好まし
い。その際、紫外線吸収剤の練込みは、化合物粉体の直
接添加法、マスターバッチ法などにより行うことができ
る。
【0075】[熱収縮率]本発明におけるポリエステル
フィルムは、150℃で30分間保持したときの熱収縮
率が1%以下であることが好ましい。熱収縮率がこの範
囲内にあると、ポリエステルフィルムを受像紙に用いた
際に寸法安定性が良好であり、印字のずれ等を抑制する
ことができる。このような熱収縮率を有するポリエステ
ルフィルムは、例えば二軸延伸後に熱固定やポリエステ
ルのTg以上の温度での熱処理により、フィルムの密度
を高める、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム
の場合、フィルムの密度を1.390g/cm3以上と
することにより得ることができる。
【0076】[皮膜]本発明におけるポリエステルフィ
ルムは、その少なくとも片面に皮膜が塗説される。皮膜
を構成する成分としては(A)コポリエステル、(B)
ポリアルキレンオキサイド及び(C)微粒子を主成分と
する塗料を用いた皮膜が塗設されている。
【0077】[コポリエステル]この皮膜を形成する成
分として用いるコポリエステル(A)は、分子内の全酸
成分に対し、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分
の割合が1〜16モル%であるコポリエステルである。
かかるコポリエステルは、テレフタル酸、イソフタル
酸、2,6―ナフタリンジカルボン酸、ヘキサヒドロテ
レフタル酸、4,4′―ジフェニルジカルボン酸、フェ
ニルインダンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
5―スルホイソフタル酸、トリメリット酸、ジメチロー
ルプロピオン酸等のカルボン酸成分及び5―Naスルホ
イソフタル酸、5―Kスルホイソフタル酸、5―Kスル
ホテレフタル酸等のスルホン酸塩基を有するジカルボン
酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチレングコール、1,4―ブタンジオー
ル、1,6―ヘキサンジオール、1,4―シクロヘキサ
ンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ビスフェノール―Aのアルキレンオキシド付加物等
のヒドロキシ化合物成分とから構成されるコポリエステ
ルであって、水溶液、水分散液又は乳化液として使用さ
れる。
【0078】コポリエステル(A)では、親水性を付与
するための、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分
が、分子内の全酸成分に対し、1〜16モル%である必
要があるが、好ましくは5〜15モル%である。スルホ
ン酸塩基を有するジカルボン酸成分が1モル%未満で
は、コポリエステルの親水性が不足し、一方16モル%
を超えると、皮膜の耐湿性が低下するので好ましくな
い。
【0079】また、コポリエステル(A)の二次転移点
(Tg)は20〜90℃、好ましくは30〜70℃であ
る必要がある。このTgが20℃未満では、フィルムが
ブロッキングしやすく、一方90℃を超えると、フィル
ムの削れ性や接着性が低下するので好ましくない。
【0080】[ポリアルキレンオキサイド]上記皮膜を
形成する成分として用いるポリアルキレンオキサイド
(B)としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピ
レンオキサイド、ポリエチレン・プロピレンオキサイド
を好ましく挙げることができる。
【0081】ポリアルキレンオキサイド(B)の分子量
は、数平均分子量が600〜2000である必要があ
る。この分子量が600未満ではフイルムのブロッキン
グ性、皮膜の耐湿性が低下し、一方2000を超えると
インク受像層に対する接着性が低下する。
【0082】[微粒子]上記皮膜を形成する成分として
用いる微粒子(C)は有機又は無機の微粒子であり、平
均粒径が20〜80nmのものである。かかる微粒子と
しては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミ
ニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋アクリル
樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒
子、架橋シリコーン樹脂粒子が例示される。微粒子の平
均粒径が20nm未満では、フイルムがブロッキングし
やすく、一方80nmを超えると、削れ性が低下する。
【0083】[配合量]皮膜を構成する組成物におい
て、組成物は、組成物100重量%あたり、(B)ポリ
アルキレンオキサイドを10〜30重量%、(C)微粒
子を3〜35重量%含有する必要がある。この組成物は
組成物100重量%あたり、さらに(A)コポリエステ
ルを50〜80重量%含有することが好ましい。コポリ
エステル(A)が50重量%未満ではポリエステルフイ
ルムとの接着性が不足し、一方80重量%を超えるとイ
ンク受像層との接着性が低下するので好ましくない。ポ
リアルキレンオキサイド(B)が10重量%未満ではイ
ンク受像層との接着性が不足し、一方30重量%を超え
ると耐ブロッキング性が低下する。微粒子(C)が3重
量%未満ではフイルムの滑性(搬送性)が不足し、一方
25重量%をこえると削れ性が低下する。
【0084】[表面エネルギー]皮膜を構成する組成物
には、上記以外の成分として、オキサゾリン基含有ポリ
マー、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂等
の架橋剤、帯電防止剤、着色剤、界面活性剤を配合して
もよく、界面活性剤を配合することが好ましい。
【0085】また、本発明における皮膜は、その表面エ
ネルギーが54〜70dyne/cmであることが必要
であり、特に60〜65dyne/cmであることが好
ましい。この表面エネルギーが54dyne/cm未満
であると、水性インク受像層の塗工性及び接着性が不良
となり、70dyne/cmを超えると基体であるポリ
エステルフィルムとの密着性が不足したり、皮膜の耐湿
性が不足することがあるため好ましくない。
【0086】表面エネルギーが54〜70dyne/c
mの皮膜は、皮膜を構成する上記組成物を例えば0.0
2〜1μmの厚さでフィルムの上に積層することにより
得ることができる。
【0087】[中心線平均粗さ]本発明のインク受像層
易接着性ポリエステルフィルムは、皮膜表面の中心線平
均粗さ(Ra)が2nm〜40nmの範囲にあることが
好ましく、4nm〜30nmにあることが特に好まし
い。Raが2nm未満であると、積層フィルムの耐ブロ
ッキング性が劣ることがあり、40nmを超えると、積
層フィルムの透明性が低下することがあり好ましくな
い。Raは、ポリエステルフィルムに含有させる滑剤の
種類、大きさ、量、および皮膜成分である微粒子(C)
の種類、大きさ、量によって調整することができる。
【0088】[ヘーズ]本発明のインク受像層易接着性
ポリエステルフィルムは、ヘーズが5%未満、更には3
%未満、特に1.5%未満であることが好ましい。この
ヘーズが5%以上であると、印刷の鮮映性を損なうこと
がある。
【0089】[製造方法]本発明においては、ポリエス
テルフィルムの少なくとも片面に、これまでに説明した
組成物から成る皮膜を塗設するが、例えば延伸可能なポ
リエステルフィルムに皮膜を上記組成物を含む水性液を
塗布した後、乾燥、延伸し、必要に応じて熱処理するこ
とにより塗設することができる。この水性液の固形分濃
度は、通常30重量%以下であり、10重量%以下がさ
らに好ましい。
【0090】前記の延伸可能なポリエステルフィルムと
は、未延伸ポリエステルフィルム、一軸延伸ポリエステ
ルフィルム又は二軸延伸ポリエステルフィルムである。
このうちフィルムの押出し方向(縦方向)に一軸延伸し
た縦延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。
【0091】ポリエステルフィルムへ水性液を塗布する
場合は、通常の塗工工程、即ち二軸延伸熱固定したポリ
エステルフイルムに該フィルムの製造工程と切り離した
工程で行うと、芥、塵埃等を巻込み易く、好ましくな
い。かかる観点より、クリーンな雰囲気での塗布、即ち
フィルム製造工程での塗布が好ましい。そして、この塗
布によれば、皮膜(皮膜)のポリエステルフィルムへの
密着性がさらに向上する。
【0092】塗布方法としては、公知の任意の塗布法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナ
イフコート法、含浸法及びカーテンコート法などを単独
または組合せて用いることができる。塗布量は走行して
いるフイルム1m2当り、0.5〜20g、さらには1
〜10gが好ましい。水性液は水分散液又は乳化液とし
て用いるのが好ましい。
【0093】水性液を塗布した延伸可能なポリエステル
フィルムは、乾燥、延伸処理工程に導かれるが、かかる
処理は、従来から当業界に蓄積された条件で行うことが
できる。好ましい条件としては、例えば乾燥条件は90
〜130℃×2〜10秒であり、延伸温度は90〜13
0℃、延伸倍率は縦方向3〜5倍、横方向3〜5倍、必
要ならば再縦方向1〜3倍であり、熱固定する場合は1
80〜240℃×2〜20秒である。
【0094】かかる処理後の二軸配向ポリエステルフィ
ルムの厚さは50〜150μmであること、また皮膜の
厚さは0.02〜1μmであることが好ましい。
【0095】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
なお、各特性値は以下の方法で測定した。
【0096】1.接着性 ポリエステルフィルムの一方の表面に、球状シリカ(平
均粒径18μ、平均細孔径200オングストローム、平
均細孔容積1.5cc/g)30重量%、ポリビニルア
ルコール(クラレ製PVA117)70重量%を混合し
た水性スラリーを乾燥厚さで20μm塗設し、その上に
幅12.7mm、長さ150mmのスコッチテープ(ス
リーエム社製・No.600)を気泡が入らないよう粘
着し、この上をJIS・C2701(1975)記載の
手動式荷重ロールでならして密着させた後、テープ幅に
切り出す。このようにして作成したサンプルからスコッ
チテープを剥離する際の、インク受像層のポリエステル
フィルムからの剥離状態を観察して、接着性を下記の通
り評価する。 A:剥離が全く認められず、密着性良好 B:異物部分で僅かに剥離が認められる C:剥離が顕著に認められる。
【0097】2.摩擦係数 ASTM・D1894―63に準じ、東洋テスター社製
のスリッパ―測定器を使用し、フィルムの表面と裏面を
合わせ、荷重1kgを加えて静摩擦係数を測定する。摩
擦係数が0.6を超えると、フィルム搬送性に支障をき
たす。
【0098】3.ブロッキング性 50mm幅に切断したフィルムを2枚重ね、50kg/
cm2 の荷重下40℃×50%RH×17時間処理した
後、引張り試験機にて荷重を加えた箇所の剥離強度(g
/50mm)を測定する。剥離強度の値により、下記の
通り評価する。 剥離強度≦10g/50mm…ブロッキング性良好 10g/50mm<剥離強度≦30g/50mm…ブロッキング性やや良好 30g/50mm<剥離強度 …ブロッキング性不良。
【0099】4.表面エネルギー W. A. Zisman:“Contact Augle, Wettability and Adh
esion ”,Am. Chem.Soc., (1964)に従い、測定
した臨界表面張力γcをもって、表面エネルギーとす
る。
【0100】5.二次転移点(Tg) デュポン製 Thermal Analyst 2000型 示差熱量計
にて、20℃/分の昇温速度にて測定する。
【0101】6.固有粘度 オルソクロロフェノール溶媒による溶液の粘度を35℃
にて測定し求める。
【0102】7.水分散性 塗布剤を水で希釈して0.2重量%の水分散体とし、石
英製セルを用いて、日立製作所製 ダブルビーム分光光
度計(228A型機)にて光線透過率を測定する。測定
結果より下記の通り評価する。 光線透過率≧80% ……水分散性良好 80%>光線透過率≧30% ……水分散性やや良好 30%>光線透過率 ……水分散性不良。
【0103】8.耐湿性 前記ブロッキング性の評価において、処理条件を60℃
×70%RH×17時間としたほかは同様の方法で剥離
強度(g/50mm)を測定する。測定結果より下記の
通り評価する。 剥離強度≦10g/50mm …耐湿性良好 10g/50mm<剥離強度≦30g/50mm …耐湿性やや良好 30g/50mm≦剥離強度 …耐湿性不良。
【0104】9.ヘーズ 村上色彩技術研究所製 HR―100型 ヘーズメータ
ーにより、ASTM・D1003に準じて測定する。
【0105】10.熱収縮率 ポリエステルフィルムを150℃×30分熱処理した後
の収縮率を標点間距離30cmで測定する。
【0106】11.中心線平均粗さ(Ra) JIS B0601に準じて、(株)小坂研究所製の高
精度表面粗さ計SE―3FATを使用して、針の半径2
μm、荷重30mgで拡大倍率5万倍、カットオフ0.
08mmの条件下に、チロートを描かせ表面粗さ曲線か
らその中心線方向に測定長さLの部分を抜きとり、この
抜きとり部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし
て、粗さ曲線をY=f(x)で表した時、次式で与えら
れた値をnm単位で表わした。
【0107】
【数3】
【0108】12.鮮映性 インク受像層を塗布したポリエステルフィルムについ
て、インクジェットプリンター(EPSON製 PM−
750C)でパソコン等のCADで作成した設計製図を
印刷し、印刷物の鮮明性を目視で観察し、下記の通り評
価する。 A:鮮明性が極めて良好・・・鮮映性が極めて良好 B:鮮明性が良好 ・・・鮮映性が良好 C:鮮明性が不良 ・・・鮮映性が不良。
【0109】13.耐候性 鮮映性評価で用いた印刷フィルムの印刷面が内側になる
よう、黒色の台紙に貼りあわせて四隅をアルミ蒸着テー
プでしっかり止め、サンシャインウェザーメーター(ス
ガ試験機(株)性、WEL−SUN−HCL型)を使用
し、JIS−K−6783bに準じて、1000時間
(屋外曝露1年間に相当)照射することにより屋外曝露
促進試験を行う。
【0110】このサンプルの印刷物の変色を目視観察
し、下記の通り評価する。
【0111】 A:ほとんど変色が認められない。 ・・・・耐候性が極めて良好 B:わずかに変色が認められるが、印刷の鮮映性には影響しない。 ・・・・耐候性が良好 C:変色が顕著であり、印刷の鮮映性も失われる。・・・・耐候性が不良。
【0112】[実施例1]下記式(A)に示す紫外線吸
収剤を1重量%含有するポリエチレンテレフタレート
(固有粘度:0.62)を20℃に維持した回転冷却ド
ラム上に溶融押出しして未延伸フィルムとした。
【0113】
【化19】
【0114】次に、該未延伸フィルムを機械軸方向に1
00℃で3.5倍延伸した後、酸成分がテレフタル酸
[50モル%]、イソフタル酸[40モル%]および5
―Naスルホイソフタル酸[10モル%]、グリコール
成分がエチレングリコール[30モル%]、ジエチレン
グリコール[20モル%]およびネオペンチルグリコー
ル[50モル%]よりなる共重合ポリエステル(Tg=
53℃、以下、単に[E]という)60重量%、分子量
1000のポリエチレンオキシド20重量%、平均粒径
40nmの架橋アクリル樹脂粒子10重量%並びにポリ
オキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤)10重
量%からなる組成の、固形分濃度4重量%の水性液をロ
ールコーターにて塗布した。
【0115】次いで、水性液を塗布した縦延伸フイルム
を乾燥しつつ横方向に120℃で3.8倍延伸し、更に
230℃で熱固定して厚さ100μmの二軸配向フィル
ムを得た。
【0116】このフィルムでの皮膜厚さは0.03μ
m、表面エネルギーは61dyne/cm、熱収縮率は
縦方向で0.8%、横方向で0.3%であった。このフ
ィルムの特性を表1に示す。
【0117】[比較例1]水性液を塗布しない以外は、
実施例1と同様に行なった。得られた二軸配向ポリエス
テルフィルムの特性を表1に示す。
【0118】[実施例2〜7]塗布剤の種類と比率を表
1に示すように変える以外は、実施例1と同様に行なっ
た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表
1に示す。
【0119】
【表1】
【0120】表1に示す結果から明らかなように、本発
明の二軸配向ポリエステルフィルムは耐候性に優れ、か
つ接着性に優れ、インク受像層易接着性ポリエステルフ
ィルムとして有用である。
【0121】なお、表1においてコポリエステルの種類
EおよびF(注1)は、下記の共重合ポリエステルであ
る。
【0122】E:テレフタル酸[50モル%]・イソフ
タル酸[40モル%]・5―Naスルホイソフタル酸
[10モル%]/エチレングリコール[30モル%]・
ジエチレングリコール[20モル%]・ネオペンチルグ
リコール[50モル%]の共重合ポリエステル(Tg=
53℃) F:2,6―ナフタリンジカルボン酸[20モル%]・
イソフタル酸[65モル%]・5―Kスルホテレフタル
酸[15モル%]/エチレングリコール[50モル%]
・ネオペンチルグリコール[50モル%]の共重合ポリ
エステル(Tg=66℃) 表1においてポリアルキレンオキサイドの種類Pおよび
Q(注2)は、下記の化合物である。
【0123】 P:分子量1000のポリエチレンオキサイド Q:分子量1200のポリプロピレンオキサイド 表1において微粒子の種類MおよびN(注3)は、下記
の粒子である。
【0124】 M:平均粒径 40nmの架橋アクリル粒子 N:平均粒径 40nmのコロイダルシリカ粒子
【0125】[実施例8〜11及び比較例2、3]
(A)コポリエステルの種類を表2および表3に示すよ
うに変えて、Tgの異なるコポリエステルを用いた外は
実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを
得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
【0126】
【表2】
【0127】
【表3】
【0128】表2に示す結果から明らかなように、本発
明の二軸配向ポリエステルフィルムは、耐候性、耐ブロ
ッキング性及び接着性に優れ、インク受像層易接着性ポ
リエステルフィルムとして有用である。
【0129】[実施例12〜16及び比較例4、5] (A)コポリエステルのスルホン酸塩基を含有するジカ
ルボン酸成分の割合を表4に示すように変えた外は実施
例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。得られたフィルムの特性を表4に示す。
【0130】
【表4】
【0131】表4に示す結果から明らかなように、本発
明における塗布剤は水分散性に優れ、本発明の二軸配向
ポリエステルフィルムは耐湿性に優れる。
【0132】[実施17〜19及び比較例6、7] (A)コポリエステル、(B)ポリアルキレンオキサイ
ド及び(C)微粒子の比率を表5に示すように変えた外
は実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム
を得た。得られたフィルムの特性を表5に示す。
【0133】
【表5】
【0134】表5に示す結果から明らかなように、本発
明の二軸配向ポリエステルフィルムは接着性、搬送性、
耐候性に優れる。
【0135】[実施例20、21及び比較例8、9] (C)微粒子の粒径を表6に示すように変えた外は実施
例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。得られたフィルムの特性を表6に示す。
【0136】
【表6】
【0137】表6に示す結果から明らかなように、本発
明の二軸配向ポリエステルフィルムは耐ブロッキング性
に優れる。
【0138】[実施例22、23及び比較例10、1
1] (A)コポリエステル、(B)ポリアルキレンオキサイ
ド及び(C)微粒子の比率を表7に示すように変えた外
は実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルム
を得た。得られたフィルムの特性を表7に示す。
【0139】
【表7】
【0140】表7に示す結果から明らかなように、本発
明の二軸配向ポリエステルフィルムは接着性及び搬送性
に優れる。
【0141】[実施例24、25および比較例12]ポ
リエステルに含有させる紫外線吸収剤を下記の通り変更
する他は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステル
フィルムを得た。 実施例24・・・下記式(B)の紫外線吸収剤を1重量
%含有 実施例25・・・構造式(C)の紫外線吸収剤を1重量
%含有 比較例12・・・紫外線吸収性剤を含まないポリエステ
ルを使用
【0142】
【化20】
【0143】
【化21】
【0144】これらのフィルムを用いて耐候性試験を行
った結果、実施例24と25を用いた場合には耐候性試
験結果はAランクで非常に良かったが、比較例12を用
いた場合には耐候性試験結果はCランクであり、非常に
悪化した。
【0145】
【発明の効果】本発明のインク受像層易接着性ポリエス
テルフィルムは、透明性、耐候性に優れ、インクジェッ
トプリンター用の水性インク受像層に対する接着性に優
れたものであり、インクジェットプリンター用受像紙用
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 C08L 67:00 C08L 67:00 (72)発明者 北澤 諭 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 Fターム(参考) 2H086 BA19 BA33 BA34 BA38 BA41 BA44 4F006 AA35 AB32 AB35 AB54 AB74 BA01 CA01 4F210 AA24 AB14 AB24 AG01 AG03 AH33 QC06 QD08 QG01 QG18 QW07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線吸収剤を含有するポリエステルフ
    ィルムの少なくとも片面に皮膜を塗設したフィルムであ
    って、皮膜は組成物100重量%あたり、(B)数平均
    分子量が600〜2000のポリアルキレンオキサイド
    を10〜30重量%及び(C)平均粒径が20〜80n
    mの微粒子を3〜25重量%含有する組成物からなり、
    皮膜の表面エネルギーが54〜70dyne/cmであ
    ることを特徴とする、インク受像層易接着性ポリエステ
    ルフィルム。
  2. 【請求項2】 皮膜を構成する組成物が組成物100重
    量%あたり、(A)スルホン酸塩基を有するジカルボン
    酸成分の割合が全酸成分当り1〜16モル%でありかつ
    ポリマーの二次転移点が20〜90℃であるコポリエス
    テルを50〜80重量%含有する、請求項1に記載のイ
    ンク受像層易接着性ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ヘーズが5%未満である請求項1に記載
    のインク受像層易接着性ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 皮膜表面の中心線平均粗さRaが2nm
    〜40nmの範囲にある、請求項1に記載のインク受像
    層易接着性ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 紫外線吸収剤が、下記式(I) 【化1】 (ここで、X1は、上記式に表わされたX1からの2本の
    結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の芳香族残
    基であり;nは1、2又は3であり;R1はn価の炭化
    水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよ
    い、又はR1はn=2のとき直接結合であることができ
    る。)で表わされる環状イミノエステル及び下記式(I
    I) 【化2】 (ここで、Aは下記式(II)-a 【化3】 で表わされる基であるか又は下記式(II)-b 【化4】 で表わされる基であり;R2およびR3は同一もしくは異
    なり1価の炭化水素残基であり;X2は4価の芳香族残
    基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい。)
    で表わされる環状イミノエステルから選ばれる少なくと
    も1種の化合物である請求項1に記載のインク受像層易
    接着性ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 インクジェットプリンター用受像紙に用
    いる請求項1に記載のインク受像層易接着性ポリエステ
    ルフィルム。
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