JP2003320514A - 木質系セメント板の製造方法及び木質系セメント板 - Google Patents

木質系セメント板の製造方法及び木質系セメント板

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JP2003320514A
JP2003320514A JP2002132290A JP2002132290A JP2003320514A JP 2003320514 A JP2003320514 A JP 2003320514A JP 2002132290 A JP2002132290 A JP 2002132290A JP 2002132290 A JP2002132290 A JP 2002132290A JP 2003320514 A JP2003320514 A JP 2003320514A
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mixture
mixture layer
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cement board
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Yasuaki Saegusa
康晃 三枝
Kenro Saegusa
謙郎 三枝
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KOA FUNENBAN KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造単価を抑制しつつ、断熱性、耐火性や強靱
性を向上させることができる木質系セメント板の製造方
法を提供する。 【解決手段】先ず、木毛や木片などの木質原料2とセメ
ントペースト4とを混ぜ合わせた混合体8を型枠内に型
詰めして第一混合体層10を設け、次いで、型枠内の第
一混合体層10の上面全域に、ビーズ状に膨張した発泡
樹脂12及びセメントペースト4を混ぜ合わせた中間層
13を設ける。次いで、中間層13の上部に、混合体8
を型詰めして第二混合体層14を設け、次いで、第一混
合体層10及び第二混合体層14の厚さ方向を圧縮成形
した後に所定時間の間養生して木質系セメント板を製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の屋根、壁
等の下地材や、天井、畳下の建材として好適な木質系セ
メント板の製造方法及び木質系セメント板に関する。
【0002】
【従来の技術】木質系セメント板は、JIS A 54
04にも規定されているように、主原料として木毛、木
片などの木質原料とセメント(セメントペースト)とを
用いて圧縮成形し、混合した後に圧縮成形してなる板材
である。この木質系セメント板は、かさ比重が0.5〜
0.6程度の軽さにもかかわらず強靱である。また、耐
火性に優れるとともに、断熱性にも優れ、建築材料とし
て使用することで夏は涼しく、冬は温かい室内となる。
しかも、外部の騒音を遮断し、室内の反響音も吸収して
優れた音響特性を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の木質
系セメント板は、断熱性をさらに高めるために、木質材
料を構成する木毛や木片をカール状に形成して板内部に
空気溜まりが多く形成されるようにしている。また、木
質系セメント板の強靱性(曲げ強度等)をさらに高める
には、木質材料の絡み状態を密にしなければならない。
【0004】このように、木質材料を形状や混入状態を
改良して木質系セメント板の断熱性、強靱性を高めるた
めには、特殊な木質材料製造装置が必要となり、製造工
程数が増えるので、木質系セメント板の製造単価が高騰
してしまうおそれがある。本発明は、上記事情に鑑みて
なされたものであり、製造単価を抑制しつつ、断熱性、
耐火性や強靱性を向上させることができる木質系セメン
ト板の製造方法及び木質系セメント板を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の木質系セメント板の製造方法は、先
ず、主原料として木毛や木片などの木質原料とセメント
ペーストとを混ぜ合わせた混合体を型枠内に型詰めして
第一混合体層を設け、次いで、前記型枠内の第一混合体
層の上面全域に、ビーズ状に膨張した発泡樹脂とセメン
トペーストとを混ぜ合わせた中間層を設け、次いで、こ
の中間層の上部に、前記混合体を型詰めして第二混合体
層を設け、次いで、前記第一混合体層及び前記第二混合
体層の厚さ方向を圧縮成形した後に所定時間の間養生し
て製造したことを特徴とする方法である。
【0006】また、請求項2記載の木質系セメント板の
製造方法は、先ず、主原料として木毛や木片などの木質
原料とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を型枠
内に型詰めして第一混合体層を設け、次いで、前記型枠
内の第一混合体層の上面全域に、ビーズ状に膨張した発
泡樹脂、前記木質原料及びセメントペーストを混ぜ合わ
せた中間層を設け、次いで、この中間層の上部に、前記
混合体を型詰めして第二混合体層を設け、次いで、前記
第一混合体層及び前記第二混合体層の厚さ方向を圧縮成
形した後に所定時間の間養生して製造した方法である。
【0007】また、請求項3の木質系セメント板の製造
方法は、先ず、主原料として木毛や木片などの木質原料
とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を型枠内に
型詰めして第一混合体層を設け、次いで、前記型枠内の
第一混合体層の上面全域に、廃材の発泡体を所定の大き
さに粗引きした粗引き発泡樹脂と、セメントペーストと
を混ぜ合わせた中間層を設け、次いで、この中間層の上
部に、前記混合体を型詰めして第二混合体層を設け、次
いで、前記第一混合体層及び前記第二混合体層の厚さ方
向を圧縮成形した後に所定時間の間養生して製造した方
法である。
【0008】また、請求項4の木質系セメント板の製造
方法は、先ず、主原料として木毛や木片などの木質原料
とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を型枠内に
型詰めして第一混合体層を設け、次いで、前記型枠内の
第一混合体層の上面全域に、廃材の発泡体を所定の大き
さに粗引きした粗引き発泡樹脂、前記木質原料及びセメ
ントペーストを混ぜ合わせた中間層を設け、次いで、こ
の中間層の上部に、前記混合体を型詰めして第二混合体
層を設け、次いで、前記第一混合体層及び前記第二混合
体層の厚さ方向を圧縮成形した後に所定時間の間養生し
て製造した方法である。
【0009】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至4の何れかに記載の木質系セメント板の製造方法にお
いて、木質系セメント板の製造方法は、前記中間層に、
予め、界面活性剤を混ぜ合わせておくようにした。ま
た、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに
記載の木質系セメント板の製造方法において、前記木質
原料は、建築用などの廃材から出た未利用材や、森林の
間伐材を破砕して形成した。
【0010】一方、請求項7記載の木質系セメント板
は、主原料として木毛や木片などの木質原料とセメント
ペーストとを混ぜ合わせた混合体を板状に圧縮成形して
なる木質系セメント板において、厚さ方向の中央部に、
ビーズ状に膨張した発泡樹脂とセメントペーストとを混
ぜ合わせてなる中間層を設けた。また、請求項8記載の
木質系セメント板は、主原料として木毛や木片などの木
質原料とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を板
状に圧縮成形してなる木質系セメント板において、厚さ
方向の中央部に、ビーズ状に膨張した発泡樹脂、前記木
質原料及びセメントペーストとを混ぜ合わせてなる中間
層を設けた。
【0011】また、請求項9記載の木質系セメント板
は、主原料として木毛や木片などの木質原料とセメント
ペーストとを混ぜ合わせた混合体を板状に圧縮成形して
なる木質系セメント板において、厚さ方向の中央部に、
廃材の発泡体を所定の大きさに粗引きした粗引き発泡樹
脂とセメントペーストとを混ぜ合わせてなる中間層を設
けた。
【0012】また、請求項10記載の木質系セメント板
は、主原料として木毛や木片などの木質原料とセメント
ペーストとを混ぜ合わせた混合体を板状に圧縮成形して
なる木質系セメント板において、厚さ方向の中央部に、
発泡体を所定の大きさに粗引きした粗引き発泡樹脂、前
記木質原料及びセメントペーストとを混ぜ合わせてなる
中間層を設けた。
【0013】また、請求項11記載の発明は、請求項7
乃10の何れかに記載の木質系セメント板において、前
記中間層は界面活性剤で脱油処理されている。さらに、
請求項12記載の発明は、請求項7乃至11の何れかに
記載の木質系セメント板において、前記木質原料を、建
築用などの廃材から出た未利用材や、森林の間伐材を破
砕して形成した。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面に基づいて説明する。図1を参照して、本発明に
係る第1実施形態の木質系セメント板の製造方法につい
て説明する。図1(a)に示すように、先ず、木毛や木
片などの木質原料2とセメントペースト4とを混ぜ合わ
せた混合体8を形成し、この混合体8を型枠(図示せ
ず)内に型詰めして第一混合体層10を設ける。ここ
で、前記木質原料は、原木を材料として形成されてい
る。
【0015】次いで、図1(b)に示すように、型枠内
の第一混合体層10の上面全域に、ビーズ状に膨張した
発泡樹脂12及びセメントペースト4を混ぜ合わせてな
る混合体13を設ける。ここで、混合体13を形成する
際には、予め、中性洗剤等の界面活性剤6を混ぜ合わせ
ることでビーズ状に膨張した発泡樹脂12の脱油処理を
行う。
【0016】次いで、図1(c)に示すように、第一混
合体層10の上部の型枠内に、前述した混合体8を型詰
めして第二混合体層14を設ける。次いで、図1(d)
に示すように、プレス機16を使用して第一混合体層1
0及び前記第二混合体層14の厚さ方向を圧縮成形す
る。次いで、図1(e)に示すように、混合体13が厚
さ方向の中央部に混入している圧縮成形体18を、所定
時間(24h〜48h程度)の間だけ初期養生する。そ
して、初期養生した圧縮成形体18を平積養生し、さら
に乾燥工程を行なうことで、木質系セメント板を製造す
る。
【0017】ここで、ビーズ状に膨張した発泡樹脂12
の具体的な材料としては、例えば、ポリスチレンに発泡
剤としてプロパン、ブタン、ペンタンなどを配合したビ
ーズ状の成形材料である発泡性ポリスチレンビーズが考
えられ、この材料に高温水蒸気を加えると、粒形状が2
0以上の高倍率に膨張する。他のビーズ状の発泡樹脂と
しては、発泡性ハイインパクトポリスチレン、発泡ポリ
エチレン・ポリスチレン共重合樹脂、発泡性ポリスチレ
ン/アクリロニトリル系共重合樹脂、発泡性メチルメタ
クリレート/スチレン系共重合樹脂等が考えられる。
【0018】このように形成した圧縮成形体18は、厚
さ方向中央部に配置された混合体13のビーズ状に膨張
した発泡樹脂12が木質原料2とセメント(セメントペ
ースト)4との間に存在している空気溜まりを埋め込
み、木質原料2に絡むように配置される。このように、
厚さ方向中央部にビーズ状に膨張した発泡樹脂12を配
置した木質系セメント板は、通常の木質系セメント板
(発泡樹脂を混入していない板材)より内部の空気溜ま
りが少ない。この空気溜まりが少ない替わりに、空気よ
り熱伝導率の低い発泡樹脂12が存在しているので、断
熱性が高い木質系セメント板となる。
【0019】そして、図1(b)のように混合体13に
界面活性剤6を混入してビーズ状に膨張した発泡樹脂1
2の表面の油分が除去されたことから、発泡樹脂12と
木質原料2及びセメントの接着力が増大し、木質系セメ
ント板の曲げ強度等が増大して強靱性が増大する。ま
た、混合体13のビーズ状に膨張した発泡樹脂12は、
セメントに包み込まれて空気との接触が遮断されている
ので、混合体13が高熱に対して溶けにくく、火に対し
て燃焼しにくい構造となっており、耐高温・耐火性に強
い木質系セメント板となる。
【0020】そして、本実施形態により製造した木質系
セメント板は、従来のように木質材料を構成する木毛や
木片をカール状に形成せず、ただ単に木質原料2とセメ
ントペースト4とを混ぜ合わせた混合体8を厚さ方向の
中央部に混入しただけなので、複雑な製造工程が不要と
なり、木質系セメント板の製造単価の低減化を図ること
ができる。
【0021】さらに、混合体13を厚さ方向の中央部に
設けた木質系セメント板は、発泡樹脂だけで製造した断
熱材と比較して、紫外線に当たってもやせる(板厚が薄
くなる)おそれがない。ここで、本実施形態では、原木
を材料として木毛や木片などの木質原料2を使用した
が、家屋等を解体したときに発生する廃材未利用材や森
林の間伐材を破砕して木質原料2とすると、自然環境の
破壊防止や省資源を促進することができるとともに、原
料コストの低減化をも図ることができる。また、木質原
料2の他に、アンモニアを分解することができるセラミ
ックや脱臭効果がある木炭、さらには、調湿効果のある
ケイ藻土を混入すると、さらに優れた建築材料となる。
なお、本実施形態の混合体13が、本発明の請求項1、
請求項7に記載の中間層に相当する。
【0022】次に、図2及び図3を参照して、本発明に
係る第2実施形態の木質系セメント板の製造方法につい
て説明する。なお、図1に示した第1実施形態と同一構
成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。図
2(a)に示すように、混合体8を形成して型枠(図示
せず)内に型詰めして第一混合体層10を設ける。
【0023】次いで、図2(b)に示すように、型枠内
の第一混合体層10の上面全域に、ビーズ状に膨張した
発泡樹脂12、木質原料2及びセメントペースト4を混
ぜ合わせた混合体20を設ける。ここで、混合体30を
形成する際には、予め、界面活性剤6と接触してビーズ
状に膨張した発泡樹脂12の表面の脱油処理を行う。次
いで、図2(c)に示すように、第一混合体層10の上
部の型枠内に、前述した混合体8を型詰めして第二混合
体層14を設ける。次いで、図2(d)に示すように、
プレス機16を使用して第一混合体層10及び前記第二
混合体層14の厚さ方向を圧縮成形し、次いで、図2
(e)に示すように、混合体20が厚さ方向の中央部に
混入している圧縮成形体18を、所定時間(24h〜4
8h程度)の間だけ初期養生する。そして、初期養生し
た圧縮成形体18を平積養生し、さらに乾燥工程を行な
うことで、木質系セメント板を製造する。
【0024】このように形成した圧縮成形体18は、厚
さ方向中央部に配置された混合体20のビーズ状に膨張
した発泡樹脂12が、第一混合体層10及び前記第二混
合体層14の木質原料2とセメント(セメントペース
ト)4との間に存在している空気溜まりを埋め込み、木
質原料2に絡むように配置される。したがって、この圧
縮成形体18も空気溜まりが少ない替わりに、空気より
熱伝導率の低い発泡樹脂12が存在しているので、断熱
性が高い木質系セメント板となる。
【0025】また、図2(b)のように混合体20に界
面活性剤6を混入してビーズ状に膨張した発泡樹脂12
の表面の油分が除去されたことから、図3に示すよう
に、さらに発泡樹脂12とセメント(セメントペースト
4)の接着力が増大し、木質系セメント板の強靱性がさ
らに増大する。また、混合体20のビーズ状に膨張した
発泡樹脂12は、セメントに包み込まれて空気との接触
が遮断されているので、混合体20が高熱に対して溶け
にくく、火に対して燃焼しにくい構造となっており、耐
高温・耐火性に強い木質系セメント板となる。
【0026】そして、第1実施形態と同様に、複雑な製
造工程が不要となり、木質系セメント板の製造単価の低
減化を図ることができるとともに、発泡樹脂だけで製造
した断熱材と比較して、紫外線に当たってもやせる(板
厚が薄くなる)おそれがない。なお、本実施形態の混合
体20が、本発明の請求項2、請求項8に記載の中間層
に相当する。
【0027】次に、図4を参照して、本発明に係る第3
実施形態の木質系セメント板の製造方法について説明す
る。図4(a)に示すように、混合体8を形成して型枠
(図示せず)内に型詰めして第一混合体層10を設け
る。次いで、図4(b)に示すように、廃材の発泡体2
2を所定の大きさに破砕して形成した粗引き発泡樹脂2
4及びセメントペースト4とを混ぜ合わせた混合体25
を、型枠内の第一混合体層10の上面全域に設ける。こ
こで、混合体25を形成する際には、予め、界面活性剤
6を混ぜ合わせることで粗引き発泡樹脂24の脱油処理
を行う。
【0028】次いで、図4(c)に示すように、第一混
合体層10の上部の型枠内に、前述した混合体8を型詰
めして第二混合体層14を設ける。次いで、図4(d)
に示すように、プレス機16を使用して第一混合体層1
0及び前記第二混合体層14の厚さ方向を圧縮成形し、
次いで、図4(e)に示すように、混合体25が厚さ方
向の中央部に混入している圧縮成形体18を、所定時間
(24h〜48h程度)の間だけ初期養生する。そし
て、初期養生した圧縮成形体18を平積養生し、さらに
乾燥工程を行なうことで、木質系セメント板を製造す
る。
【0029】このように形成した圧縮成形体18は、厚
さ方向中央部に配置された混合体25の粗引き発泡樹脂
24が、第一混合体層10及び前記第二混合体層14の
木質原料2とセメント(セメントペースト)4との間に
存在している空気溜まりを埋め込み、木質原料2に絡む
ように配置される。したがって、この圧縮成形体18も
空気溜まりが少ない替わりに、空気より熱伝導率の低い
粗引き発泡樹脂24が存在しているので、断熱性が高い
木質系セメント板となる。
【0030】したがって、本実施形態の圧縮成形体18
も、第1実施形態と同様の効果を奏することができると
ともに、廃材の発泡体22を所定の大きさに破砕して粗
引き発泡樹脂24を形成しているので、自然環境の破壊
防止や省資源を促進することができるとともに、原料コ
ストの低減化をさらに図って製造単価を抑制することが
できる。なお、本実施形態の混合体25が、本発明の請
求項3、請求項9に記載の中間層に相当する。
【0031】さらに、図5を参照して、本発明に係る第
4実施形態の木質系セメント板の製造方法について説明
する。図5(a)に示すように、混合体8を形成して型
枠(図示せず)内に型詰めして第一混合体層10を設け
る。次いで、図5(b)に示すように、第一混合体10
の上面全域に、廃材の発泡体22を所定の大きさに破砕
して形成した粗引き発泡樹脂24と、木質原料2と、セ
メントペースト4とを混ぜ合わせた混合体26を設け
る。ここで、混合体26を形成する際には、予め、界面
活性剤6を混ぜ合わせることで粗引き発泡樹脂24の脱
油処理を行う。
【0032】次いで、図5(c)に示すように、第一混
合体層10の上部の型枠内に、前述した混合体8を型詰
めして第二混合体層14を設ける。次いで、図5(d)
に示すように、プレス機16を使用して第一混合体層1
0及び前記第二混合体層14の厚さ方向を圧縮成形し、
次いで、図5(e)に示すように、混合体26が厚さ方
向の中央部に混入している圧縮成形体18を、所定時間
(24h〜48h程度)の間だけ初期養生する。そし
て、初期養生した圧縮成形体18を平積養生し、さらに
乾燥工程を行なうことで、木質系セメント板を製造す
る。
【0033】このように形成した圧縮成形体18は、厚
さ方向中央部に配置された混合体26の粗引き発泡樹脂
24が、第一混合体層10及び前記第二混合体層14の
木質原料2とセメント(セメントペースト)4との間に
存在している空気溜まりを埋め込み、木質原料2に絡む
ように配置される。したがって、この圧縮成形体18も
空気溜まりが少ない替わりに、空気より熱伝導率の低い
発泡樹脂24が存在しているので、断熱性が高い木質系
セメント板となる。
【0034】したがって、本実施形態の圧縮成形体18
も、第2実施形態と同様の効果を奏することができると
ともに、廃材の発泡体22を所定の大きさに破砕した粗
引き発泡樹脂24を使用しているので、自然環境の破壊
防止や省資源を促進することができるとともに、原料コ
ストの低減化をさらに図って製造単価を抑制することが
できる。なお、本実施形態の混合体26が、本発明の請
求項4、請求項10に記載の中間層に相当する。
【0035】
【実施例】上述した第2実施形態の木質系セメント板に
類似した発泡スチレン木毛板の試験体を2体製造し、そ
れら試験体の熱伝導率について測定した結果を図6に示
す。これらの試験体は、ポリスチレンからなるビーズ状
に膨張した発泡樹脂12を使用している。そして、第一
混合体層10及び第二混合体層14の木質原料及びセメ
ントの重量配合比を、木質原料が40%、セメントが6
0%とした。また、発泡スチレン木毛板に対する発泡樹
脂12及び界面活性剤6の重量比は、発泡樹脂12を5
%、界面活性剤6を0.5%としている。また、第一混
合体層10及び第二混合体層14の木質原料及びセメン
トの表面厚さは5mm〜10mmに設定されている。
【0036】図6の試験結果から、試験体は、熱伝導
率が0.0545kcal/m.h.℃であり、試験体は、熱
伝導率が0.0541kcal/m.h.℃であり、両者ともに
断熱性が高い木質系セメント板となっている。さらに、
図示しないが、試験体、に対して、JIS−A−1
048に規定した試験機を使用して3等分点荷重による
曲げ試験を行った結果、曲げ破壊荷重が92kgf程度と
高い値を示した。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1から6記
載の木質系セメント板の製造方法によると、厚さ方向の
中央部において木質原料とセメントとの間の空気溜まり
を埋め込むように、少なくとも発泡樹脂を含む中間層が
設けられているので、製造された木質系セメント板は、
空気より熱伝導率の低い発泡樹脂が存在することで、断
熱性が高い木質系セメント板を製造することができる。
そして、本発明により製造した木質系セメント板は、複
雑な製造工程が不要となり、木質系セメント板の製造単
価の低減化を図ることができる。
【0038】また、少なくとも発泡樹脂及びセメントペ
ーストを混ぜ合わせた中間層は、発泡樹脂がセメントペ
ーストに包み込まれて空気との接触が遮断され、高熱に
対して溶けにくく、火に対して燃焼しにくい構造となる
ので、耐高温・耐火性に強い木質系セメント板とするこ
とができる。特に、請求項5記載の木質系セメント板の
製造方法によると、界面活性剤により発泡樹脂の表面の
油分を除去することから、発泡樹脂と、木質原料及びセ
メントペーストの接着力が増大し、製造した木質系セメ
ント板の強靱性を増大させることができる。
【0039】また、請求項6記載の木質系セメント板の
製造方法によると、自然環境の破壊防止や省資源を促進
することができるとともに、原料コストの低減化を図っ
て製造単価をさらに抑制することができる。また、請求
項7から12記載の木質系セメント板によると、建築部
材として断熱性が高く、耐火性に強く、さらに強靱性を
増大させた材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の木質系セメント板
の製造方法を説明する図である。
【図2】本発明に係る第2実施形態の木質系セメント板
の製造方法を説明する図である。
【図3】第2実施形態において板材の厚さ方向の中央部
に介在したビーズ状に膨張した発泡樹脂を示す図であ
る。
【図4】本発明に係る第3実施形態の木質系セメント板
の製造方法を説明する図である。
【図5】本発明に係る第4実施形態の木質系セメント板
の製造方法を説明する図である。
【図6】本発明に係る木質系セメント板の試験体の熱伝
導率について測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
2 木質原料 4 セメントペースト 6 界面活性剤 8 混合体 10 第一混合体層 12 ビーズ状に膨張した発泡樹脂 13,20,25,26 混合体 14 第二混合体層 18 圧縮成形体 22 発泡体 24 粗引き発泡樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/90 E04B 1/90 E 1/94 1/94 U E04C 2/04 E04C 2/04 F Fターム(参考) 2E001 DD01 DE01 DF02 FA03 FA14 FA16 GA12 GA43 HA01 JC01 JD01 2E162 CA05 CA06 FA01 FC03 FD01 FD02 4F100 AE01A AE01B AE01C AK01B AL05A AL05B AL05C AP00A AP00C BA03 BA06 BA10A BA10C DE01A DE01C DE04B DJ01B EJ17 EJ172 EJ98 EJ982 GB07 JH01 JJ02 JJ07 JL16B JM01B 4G012 PA23 PA34 PC11 PC15 PE04 4G054 AA01 AA14 AB01 BA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先ず、主原料として木毛や木片などの木
    質原料とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を型
    枠内に型詰めして第一混合体層を設け、次いで、前記型
    枠内の第一混合体層の上面全域に、ビーズ状に膨張した
    発泡樹脂とセメントペーストとを混ぜ合わせた中間層を
    設け、次いで、この中間層の上部に、前記混合体を型詰
    めして第二混合体層を設け、次いで、前記第一混合体層
    及び前記第二混合体層の厚さ方向を圧縮成形した後に所
    定時間の間養生して製造したことを特徴とする木質系セ
    メント板の製造方法。
  2. 【請求項2】 先ず、主原料として木毛や木片などの木
    質原料とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を型
    枠内に型詰めして第一混合体層を設け、次いで、前記型
    枠内の第一混合体層の上面全域に、ビーズ状に膨張した
    発泡樹脂、前記木質原料及びセメントペーストを混ぜ合
    わせた中間層を設け、次いで、この中間層の上部に、前
    記混合体を型詰めして第二混合体層を設け、次いで、前
    記第一混合体層及び前記第二混合体層の厚さ方向を圧縮
    成形した後に所定時間の間養生して製造したことを特徴
    とする木質系セメント板の製造方法。
  3. 【請求項3】 先ず、主原料として木毛や木片などの木
    質原料とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を型
    枠内に型詰めして第一混合体層を設け、次いで、前記型
    枠内の第一混合体層の上面全域に、廃材の発泡体を所定
    の大きさに粗引きした粗引き発泡樹脂と、セメントペー
    ストとを混ぜ合わせた中間層を設け、次いで、この中間
    層の上部に、前記混合体を型詰めして第二混合体層を設
    け、次いで、前記第一混合体層及び前記第二混合体層の
    厚さ方向を圧縮成形した後に所定時間の間養生して製造
    したことを特徴とする木質系セメント板の製造方法。
  4. 【請求項4】 先ず、主原料として木毛や木片などの木
    質原料とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を型
    枠内に型詰めして第一混合体層を設け、次いで、前記型
    枠内の第一混合体層の上面全域に、廃材の発泡体を所定
    の大きさに粗引きした粗引き発泡樹脂、前記木質原料及
    びセメントペーストを混ぜ合わせた中間層を設け、次い
    で、この中間層の上部に、前記混合体を型詰めして第二
    混合体層を設け、次いで、前記第一混合体層及び前記第
    二混合体層の厚さ方向を圧縮成形した後に所定時間の間
    養生して製造したことを特徴とする木質系セメント板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記中間層に、予め界面活性剤を混ぜ合
    わせておくことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに
    記載の木質系セメント板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記木質原料は、建築用などの廃材から
    出た未利用材や、森林の間伐材を破砕して形成したこと
    を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の木質系セ
    メント板の製造方法。
  7. 【請求項7】 主原料として木毛や木片などの木質原料
    とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を板状に圧
    縮成形してなる木質系セメント板において、厚さ方向の
    中央部に、ビーズ状に膨張した発泡樹脂とセメントペー
    ストとを混ぜ合わせてなる中間層が設けられていること
    を特徴とする木質系セメント板。
  8. 【請求項8】 主原料として木毛や木片などの木質原料
    とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を板状に圧
    縮成形してなる木質系セメント板において、厚さ方向の
    中央部に、ビーズ状に膨張した発泡樹脂、前記木質原料
    及びセメントペーストとを混ぜ合わせてなる中間層が設
    けられていることを特徴とする木質系セメント板。
  9. 【請求項9】 主原料として木毛や木片などの木質原料
    とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を板状に圧
    縮成形してなる木質系セメント板において、厚さ方向の
    中央部に、廃材の発泡体を所定の大きさに粗引きした粗
    引き発泡樹脂とセメントペーストとを混ぜ合わせてなる
    中間層が設けられていることを特徴とする木質系セメン
    ト板。
  10. 【請求項10】 主原料として木毛や木片などの木質原
    料とセメントペーストとを混ぜ合わせた混合体を板状に
    圧縮成形してなる木質系セメント板において、厚さ方向
    の中央部に、発泡体を所定の大きさに粗引きした粗引き
    発泡樹脂、前記木質原料及びセメントペーストとを混ぜ
    合わせてなる中間層が設けられていることを特徴とする
    木質系セメント板。
  11. 【請求項11】 前記中間層は、界面活性剤で脱油処理
    されていることを特徴とする請求項7乃10の何れかに
    記載の木質系セメント板。
  12. 【請求項12】 前記木質原料は、建築用などの廃材か
    ら出た未利用材や、森林の間伐材を破砕して形成したも
    のであることを特徴とする請求項7乃至11の何れかに
    記載の木質系セメント板。
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