JP2003320293A - 塗装前処理装置 - Google Patents
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- JP2003320293A JP2003320293A JP2002128225A JP2002128225A JP2003320293A JP 2003320293 A JP2003320293 A JP 2003320293A JP 2002128225 A JP2002128225 A JP 2002128225A JP 2002128225 A JP2002128225 A JP 2002128225A JP 2003320293 A JP2003320293 A JP 2003320293A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】処理工程の短縮による省スペース化、設備費、
生産性、薬剤費、管理工数、排水処理負担の低減できる
塗装前処理装置を提供する。 【解決手段】脱脂兼化成処理液が満たされる処理槽1
と、処理槽1の前段に設けられ、ボディ9を加温するボ
ディー加温ゾーン500とを有する。
生産性、薬剤費、管理工数、排水処理負担の低減できる
塗装前処理装置を提供する。 【解決手段】脱脂兼化成処理液が満たされる処理槽1
と、処理槽1の前段に設けられ、ボディ9を加温するボ
ディー加温ゾーン500とを有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防錆油、プレス
油、切削油等の油分が付着した金属表面に対し、脱脂処
理〜リン酸亜鉛化成処理までの塗装前処理を同一工程に
て実施する際に用いられる塗装前処理装置に関する。
油、切削油等の油分が付着した金属表面に対し、脱脂処
理〜リン酸亜鉛化成処理までの塗装前処理を同一工程に
て実施する際に用いられる塗装前処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、鉄または亜鉛系めっきが施された
金属表面に対して、防錆性や塗装性を付与するためにリ
ン酸亜鉛化成処理が広く行われている。
金属表面に対して、防錆性や塗装性を付与するためにリ
ン酸亜鉛化成処理が広く行われている。
【0003】この種のリン酸亜鉛処理の一般的な処理工
程は、脱脂→水洗→表面調整→化成処理(リン酸亜鉛処
理)→水洗→乾燥の順でそれぞれの処理が行われる。な
お、脱脂処理、脱脂水洗、表面調整は、必要に応じて多
段工程で行われる。
程は、脱脂→水洗→表面調整→化成処理(リン酸亜鉛処
理)→水洗→乾燥の順でそれぞれの処理が行われる。な
お、脱脂処理、脱脂水洗、表面調整は、必要に応じて多
段工程で行われる。
【0004】ところで、この化成処理工程で得られるリ
ン酸亜鉛化成処理皮膜が、塗装下地として優れた防錆性
及び塗装性を有するためには、皮膜重量が2〜5g/m
2程度の均一かつ緻密な結晶皮膜であることが望まし
い。こうした結晶皮膜を実現するためには、特に皮膜析
出には、金属表面に付着している油分を除去する脱脂工
程が必須であり、皮膜結晶の緻密化には、チタンコロイ
ド系の処理液を用いた表面調整工程が必須であった。
ン酸亜鉛化成処理皮膜が、塗装下地として優れた防錆性
及び塗装性を有するためには、皮膜重量が2〜5g/m
2程度の均一かつ緻密な結晶皮膜であることが望まし
い。こうした結晶皮膜を実現するためには、特に皮膜析
出には、金属表面に付着している油分を除去する脱脂工
程が必須であり、皮膜結晶の緻密化には、チタンコロイ
ド系の処理液を用いた表面調整工程が必須であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなリン酸亜鉛処理を実施する場合、一般的に以下
の3つの問題点があった。
たようなリン酸亜鉛処理を実施する場合、一般的に以下
の3つの問題点があった。
【0006】第1の問題として、全処理工程が非常に長
くなることが挙げられる。これにより処理設備が大がか
り且つ多数に及ぶようになること、また多くのスペース
が必要となるため費用がかかること、更に処理工程を全
て通過するのにかなりの時間を要するため生産性が低く
なる。
くなることが挙げられる。これにより処理設備が大がか
り且つ多数に及ぶようになること、また多くのスペース
が必要となるため費用がかかること、更に処理工程を全
て通過するのにかなりの時間を要するため生産性が低く
なる。
【0007】第2の問題として、管理項目が多いことが
挙げられる。例えば脱脂がアルカリ脱脂であれば、脱脂
のアルカリ度(全アルカリ、遊離アルカリ度)、チタン
コロイド系の表面調整を用いる場合には表面調整液の濃
度(全アルカリ度、チタン濃度)の管理というように、
管理すべき項目が多岐にわたり、操業上の大きな負担と
なる。しかも、個々の工程で薬剤が消費されていくた
め、コスト負担もかなり大きい。なお、脱脂液は被処理
物に付着して次工程(水洗工程)へ持ち出されることに
より消費されるとともに、定期的な廃棄更新時に消費さ
れる。また、表面調整液は、持ち出しや廃棄更新時によ
って消費され、更に、処理液の耐久性が低いために連続
的な部分更新(オートドレイン)を行う場合が多く、こ
れによっても消費される。
挙げられる。例えば脱脂がアルカリ脱脂であれば、脱脂
のアルカリ度(全アルカリ、遊離アルカリ度)、チタン
コロイド系の表面調整を用いる場合には表面調整液の濃
度(全アルカリ度、チタン濃度)の管理というように、
管理すべき項目が多岐にわたり、操業上の大きな負担と
なる。しかも、個々の工程で薬剤が消費されていくた
め、コスト負担もかなり大きい。なお、脱脂液は被処理
物に付着して次工程(水洗工程)へ持ち出されることに
より消費されるとともに、定期的な廃棄更新時に消費さ
れる。また、表面調整液は、持ち出しや廃棄更新時によ
って消費され、更に、処理液の耐久性が低いために連続
的な部分更新(オートドレイン)を行う場合が多く、こ
れによっても消費される。
【0008】第3の問題として、洗浄水の排水量が多く
なる点が挙げられる。脱脂液が表面調整液やリン酸亜鉛
化成処理液に持ち込まれると不具合が生じることが多い
ため、脱脂工程の後には、必ず水洗工程が設置される。
また、リン酸亜鉛化成処理後についても、被処理物表面
に処理液が付着したままの状態では、塗装下地、防錆い
ずれの目的に用いた場合も不具合が発生するので、水洗
工程の設置は必須である。このように、脱脂後とリン酸
亜鉛化成処理後の2系統からの洗浄水が多量に排出され
ることにより、廃水処理への負担がかなり大きい。
なる点が挙げられる。脱脂液が表面調整液やリン酸亜鉛
化成処理液に持ち込まれると不具合が生じることが多い
ため、脱脂工程の後には、必ず水洗工程が設置される。
また、リン酸亜鉛化成処理後についても、被処理物表面
に処理液が付着したままの状態では、塗装下地、防錆い
ずれの目的に用いた場合も不具合が発生するので、水洗
工程の設置は必須である。このように、脱脂後とリン酸
亜鉛化成処理後の2系統からの洗浄水が多量に排出され
ることにより、廃水処理への負担がかなり大きい。
【0009】本発明は、処理工程を短縮することによ
り、省スペース化、生産性向上、設備費・薬剤費・管理
工数・排水処理負担の大幅低減を達成できる塗装前処理
装置を提供することを目的とする。
り、省スペース化、生産性向上、設備費・薬剤費・管理
工数・排水処理負担の大幅低減を達成できる塗装前処理
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明によれば、脱脂兼化成処理液が満たさ
れる処理槽と、前記処理槽の前段に設けられ、被塗物を
加温する加温手段と、を備えた塗装前処理装置が提供さ
れる。
るために、本発明によれば、脱脂兼化成処理液が満たさ
れる処理槽と、前記処理槽の前段に設けられ、被塗物を
加温する加温手段と、を備えた塗装前処理装置が提供さ
れる。
【0011】この加温手段は、たとえば乾燥炉の排気を
熱源として、被塗物に温水を吹き付けたり、あるいは被
塗物に温風を吹き付けるように構成することができる。
熱源として、被塗物に温水を吹き付けたり、あるいは被
塗物に温風を吹き付けるように構成することができる。
【0012】本発明では、処理槽の前段で被塗物を加温
するので、被塗物に付着した油分等の表面張力が低下
し、これにより油分や塵埃の除去効率が向上する。
するので、被塗物に付着した油分等の表面張力が低下
し、これにより油分や塵埃の除去効率が向上する。
【0013】(2)上記請求項1乃至6の何れかに記載
の発明に、前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引して
前記処理槽に戻す第1の循環系と、前記脱脂兼化成処理
液に含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段と、前記第1
の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる
化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、前記
脱脂兼化成処理液に含まれる油分を除去する油分除去手
段と、前記第1の循環系に設けられ、前記塵埃除去手
段、化成スラッジ除去手段及び油分除去手段を通過した
液を調整して、前記処理槽に補給する処理液補給槽と、
をさらに付加することもできる(請求項7参照)。
の発明に、前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引して
前記処理槽に戻す第1の循環系と、前記脱脂兼化成処理
液に含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段と、前記第1
の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる
化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、前記
脱脂兼化成処理液に含まれる油分を除去する油分除去手
段と、前記第1の循環系に設けられ、前記塵埃除去手
段、化成スラッジ除去手段及び油分除去手段を通過した
液を調整して、前記処理槽に補給する処理液補給槽と、
をさらに付加することもできる(請求項7参照)。
【0014】本発明では、処理槽内の脱脂兼化成処理液
は、第1の循環系によって吸引され処理槽へ戻されるの
で、処理液のクローズド化が達成でき、材料費の低減に
よるコストダウンを図ることができる。
は、第1の循環系によって吸引され処理槽へ戻されるの
で、処理液のクローズド化が達成でき、材料費の低減に
よるコストダウンを図ることができる。
【0015】また、本発明の処理槽には脱脂兼化成処理
液が満たされているので、最小の一工程で被処理物の脱
脂処理と化成処理を行うことができる。これにより、装
置設置スペースを省スペース化することができると同時
に、設備費を低減することができる。また、工程通過時
間が短くなるので生産性が向上する。
液が満たされているので、最小の一工程で被処理物の脱
脂処理と化成処理を行うことができる。これにより、装
置設置スペースを省スペース化することができると同時
に、設備費を低減することができる。また、工程通過時
間が短くなるので生産性が向上する。
【0016】さらに、脱脂兼化成処理液を用いることで
前処理条件の管理工数を削減することができる。また、
この脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大幅に
削減することができ、洗浄液の使用量が激減すると同時
に、廃水処理工程の負担も軽減される。
前処理条件の管理工数を削減することができる。また、
この脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大幅に
削減することができ、洗浄液の使用量が激減すると同時
に、廃水処理工程の負担も軽減される。
【0017】ちなみに、塵埃除去手段は第1の循環系に
設けることができるほか、第1の循環系以外、たとえば
処理槽内または処理槽外にも設けることができる。塵埃
除去手段を第1の循環系に設けた場合には、処理槽内の
処理液は、処理槽→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→
油分除去手段→処理液補給槽→処理槽と循環される。な
お、上記発明において、塵埃除去手段、スラッジ除去手
段および油分除去手段の順序は特に限定されず、上述し
た順序以外の順序であっても良い。
設けることができるほか、第1の循環系以外、たとえば
処理槽内または処理槽外にも設けることができる。塵埃
除去手段を第1の循環系に設けた場合には、処理槽内の
処理液は、処理槽→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→
油分除去手段→処理液補給槽→処理槽と循環される。な
お、上記発明において、塵埃除去手段、スラッジ除去手
段および油分除去手段の順序は特に限定されず、上述し
た順序以外の順序であっても良い。
【0018】(3)また上記請求項1乃至4の何れかに
記載の発明に、前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が
満たされるリンス槽と、前記処理槽内の脱脂兼化成処理
液を吸引して前記リンス槽に供給する第2の循環系と、
前記脱脂兼化成処理液に含まれる塵埃を除去する塵埃除
去手段と、前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化
成処理液に含まれる化成スラッジを除去する化成スラッ
ジ除去手段と、前記脱脂兼化成処理液に含まれる油分を
除去する油分除去手段と、前記第2の循環系に設けら
れ、前記脱脂兼化成処理液内の水成分と極性有機溶剤と
を分離する水−極性有機溶剤分離手段と、前記第2の循
環系に設けられ、前記水−極性有機溶剤分離手段により
分離された水成分からイオン成分を除去し、残余の水を
前記リンス槽に戻すイオン除去手段と、をさらに付加す
ることもできる(請求項10参照)。
記載の発明に、前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が
満たされるリンス槽と、前記処理槽内の脱脂兼化成処理
液を吸引して前記リンス槽に供給する第2の循環系と、
前記脱脂兼化成処理液に含まれる塵埃を除去する塵埃除
去手段と、前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化
成処理液に含まれる化成スラッジを除去する化成スラッ
ジ除去手段と、前記脱脂兼化成処理液に含まれる油分を
除去する油分除去手段と、前記第2の循環系に設けら
れ、前記脱脂兼化成処理液内の水成分と極性有機溶剤と
を分離する水−極性有機溶剤分離手段と、前記第2の循
環系に設けられ、前記水−極性有機溶剤分離手段により
分離された水成分からイオン成分を除去し、残余の水を
前記リンス槽に戻すイオン除去手段と、をさらに付加す
ることもできる(請求項10参照)。
【0019】本発明では、処理槽内の脱脂兼化成処理液
は、第2の循環系によって吸引され、水−極性有機溶剤
分離手段によって水成分が抽出され、さらにこの水成分
からイオン除去手段によってイオン成分が除去されるの
で、純水をリンス槽へ供給することができる。これによ
り、処理液のクローズド化が達成でき、再生率が向上し
て、材料費の低減によるコストダウンと廃水処理工程の
負担軽減とを図ることができる。
は、第2の循環系によって吸引され、水−極性有機溶剤
分離手段によって水成分が抽出され、さらにこの水成分
からイオン除去手段によってイオン成分が除去されるの
で、純水をリンス槽へ供給することができる。これによ
り、処理液のクローズド化が達成でき、再生率が向上し
て、材料費の低減によるコストダウンと廃水処理工程の
負担軽減とを図ることができる。
【0020】また、本発明の処理槽には脱脂兼化成処理
液が満たされているので、最小の一工程で被処理物の脱
脂処理と化成処理を行うことができる。これにより、装
置設置スペースを省スペース化することができると同時
に、設備費を低減することができる。また、工程通過時
間が短くなるので生産性が向上する。
液が満たされているので、最小の一工程で被処理物の脱
脂処理と化成処理を行うことができる。これにより、装
置設置スペースを省スペース化することができると同時
に、設備費を低減することができる。また、工程通過時
間が短くなるので生産性が向上する。
【0021】さらに、脱脂兼化成処理液を用いることで
前処理条件の管理工数を削減することができる。また、
この脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大幅に
削減することができ、洗浄液の使用量が激減すると同時
に、廃水処理工程の負担も軽減される。
前処理条件の管理工数を削減することができる。また、
この脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大幅に
削減することができ、洗浄液の使用量が激減すると同時
に、廃水処理工程の負担も軽減される。
【0022】ちなみに、塵埃除去手段は第2の循環系に
設けることができるほか、第2の循環系以外、たとえば
処理槽内または処理槽外にも設けることができる。塵埃
除去手段を第2の循環系に設けた場合には、処理槽内の
処理液は、処理槽→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→
油分除去手段→水−極性有機溶剤分離手段→イオン除去
手段→リンス槽と循環される。なお、上記発明におい
て、塵埃除去手段、スラッジ除去手段および油分除去手
段の順序は特に限定されず、上述した順序以外の順序で
あっても良い。
設けることができるほか、第2の循環系以外、たとえば
処理槽内または処理槽外にも設けることができる。塵埃
除去手段を第2の循環系に設けた場合には、処理槽内の
処理液は、処理槽→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→
油分除去手段→水−極性有機溶剤分離手段→イオン除去
手段→リンス槽と循環される。なお、上記発明におい
て、塵埃除去手段、スラッジ除去手段および油分除去手
段の順序は特に限定されず、上述した順序以外の順序で
あっても良い。
【0023】(4)さらに上記請求項1乃至4の何れか
に記載の発明に、前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸
引して前記処理槽に戻す第1の循環系と、前記第1の循
環系に設けられ、流通液に含まれる塵埃を除去する塵埃
除去手段と、前記第1の循環系に設けられ、流通液に含
まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段
と、前記第1の循環系に設けられ、流通液に含まれる油
分を除去する油分除去手段と、前記第1の循環系に設け
られ、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び油
分除去手段を通過した液を調整して、前記処理槽に補給
する処理液補給槽と、前記処理槽の後段に設けられ、洗
浄液が満たされるリンス槽と、前記リンス槽内の液を吸
引して、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び
油分除去手段のうちの最上流の手段へ導く第3の循環系
と、をさらに付加することもできる(請求項13参
照)。
に記載の発明に、前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸
引して前記処理槽に戻す第1の循環系と、前記第1の循
環系に設けられ、流通液に含まれる塵埃を除去する塵埃
除去手段と、前記第1の循環系に設けられ、流通液に含
まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段
と、前記第1の循環系に設けられ、流通液に含まれる油
分を除去する油分除去手段と、前記第1の循環系に設け
られ、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び油
分除去手段を通過した液を調整して、前記処理槽に補給
する処理液補給槽と、前記処理槽の後段に設けられ、洗
浄液が満たされるリンス槽と、前記リンス槽内の液を吸
引して、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び
油分除去手段のうちの最上流の手段へ導く第3の循環系
と、をさらに付加することもできる(請求項13参
照)。
【0024】本発明では、処理槽内の処理液は、処理槽
→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→油分除去手段→処
理液補給槽→処理槽と循環される一方で、リンス槽内の
液は、リンス槽→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→油
分除去手段→処理液補給槽→処理槽と循環される。
→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→油分除去手段→処
理液補給槽→処理槽と循環される一方で、リンス槽内の
液は、リンス槽→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→油
分除去手段→処理液補給槽→処理槽と循環される。
【0025】本発明では、上述した発明の作用効果に加
えて、以下の作用効果を奏する。すなわち本発明では、
処理槽内の脱脂兼化成処理液は、第1の循環系によって
吸引され処理槽へ戻される一方で、リンス槽内の液は、
第3の循環系によって吸引され、塵埃除去手段、化成ス
ラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の手段
へ導かれる。
えて、以下の作用効果を奏する。すなわち本発明では、
処理槽内の脱脂兼化成処理液は、第1の循環系によって
吸引され処理槽へ戻される一方で、リンス槽内の液は、
第3の循環系によって吸引され、塵埃除去手段、化成ス
ラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の手段
へ導かれる。
【0026】これにより、リンス槽内の液から塵埃、ス
ラッジおよび油分を除去できるとともに、当該液に含ま
れる極性有機溶剤成分を処理液補給手段を介して処理槽
へ戻すことができる。すなわち、処理液に加えてリンス
槽内の液のクローズド化も達成でき、材料費の低減によ
るコストダウンと廃水処理工程の負担軽減とを図ること
ができる。
ラッジおよび油分を除去できるとともに、当該液に含ま
れる極性有機溶剤成分を処理液補給手段を介して処理槽
へ戻すことができる。すなわち、処理液に加えてリンス
槽内の液のクローズド化も達成でき、材料費の低減によ
るコストダウンと廃水処理工程の負担軽減とを図ること
ができる。
【0027】なお、上記発明において、塵埃除去手段、
スラッジ除去手段および油分除去手段の順序は特に限定
されず、上述した順序以外の順序であっても良い。
スラッジ除去手段および油分除去手段の順序は特に限定
されず、上述した順序以外の順序であっても良い。
【0028】(5)また上記請求項1乃至4の何れかに
記載の発明に、前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が
満たされるリンス槽と、前記処理槽内の脱脂兼化成処理
液を吸引して前記リンス槽に供給する第2の循環系と、
前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段と、前記第2の循
環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる化成
スラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、前記第2
の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる
油分を除去する油分除去手段と、前記第2の循環系に設
けられ、前記脱脂兼化成処理液内の水成分と極性有機溶
剤とを分離する水−極性有機溶剤分離手段と、前記第2
の循環系に設けられ、前記水−極性有機溶剤分離手段に
より分離された水成分からイオン成分を除去し残余の水
を前記リンス槽に戻すイオン除去手段と、前記リンス槽
内の液を吸引して、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除
去手段及び油分除去手段のうちの最上流の手段へ導く第
3の循環系と、をさらに付加することもできる(請求項
17参照)。
記載の発明に、前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が
満たされるリンス槽と、前記処理槽内の脱脂兼化成処理
液を吸引して前記リンス槽に供給する第2の循環系と、
前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段と、前記第2の循
環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる化成
スラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、前記第2
の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる
油分を除去する油分除去手段と、前記第2の循環系に設
けられ、前記脱脂兼化成処理液内の水成分と極性有機溶
剤とを分離する水−極性有機溶剤分離手段と、前記第2
の循環系に設けられ、前記水−極性有機溶剤分離手段に
より分離された水成分からイオン成分を除去し残余の水
を前記リンス槽に戻すイオン除去手段と、前記リンス槽
内の液を吸引して、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除
去手段及び油分除去手段のうちの最上流の手段へ導く第
3の循環系と、をさらに付加することもできる(請求項
17参照)。
【0029】本発明では、処理槽内の処理液は、処理槽
→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→油分除去手段→水
−極性有機溶剤分離手段→イオン除去手段→リンス槽と
循環される一方で、リンス槽内の液は、リンス槽→塵埃
除去手段→スラッジ除去手段→油分除去手段→水−極性
有機溶剤分離手段→イオン除去手段→リンス槽と循環さ
れる。
→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→油分除去手段→水
−極性有機溶剤分離手段→イオン除去手段→リンス槽と
循環される一方で、リンス槽内の液は、リンス槽→塵埃
除去手段→スラッジ除去手段→油分除去手段→水−極性
有機溶剤分離手段→イオン除去手段→リンス槽と循環さ
れる。
【0030】本発明では、上述した発明の作用効果に加
えて、以下の作用効果を奏する。すなわち本発明では、
処理槽内の脱脂兼化成処理液は、第2の循環系によって
吸引されリンス槽へ供給される一方で、リンス槽内の液
は、第3の循環系によって吸引され、塵埃除去手段、化
成スラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の
手段へ導かれる。
えて、以下の作用効果を奏する。すなわち本発明では、
処理槽内の脱脂兼化成処理液は、第2の循環系によって
吸引されリンス槽へ供給される一方で、リンス槽内の液
は、第3の循環系によって吸引され、塵埃除去手段、化
成スラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の
手段へ導かれる。
【0031】これにより、リンス槽内の液から塵埃、ス
ラッジおよび油分を除去できるとともに、当該液に含ま
れる水をリンス槽へ戻すことができる。すなわち、処理
液に加えてリンス槽内の液のクローズド化も達成でき、
材料費の低減によるコストダウンと廃水処理工程の負担
軽減とを図ることができる。
ラッジおよび油分を除去できるとともに、当該液に含ま
れる水をリンス槽へ戻すことができる。すなわち、処理
液に加えてリンス槽内の液のクローズド化も達成でき、
材料費の低減によるコストダウンと廃水処理工程の負担
軽減とを図ることができる。
【0032】なお、上記発明において、塵埃除去手段、
スラッジ除去手段および油分除去手段の順序は特に限定
されず、上述した順序以外の順序であっても良い。
スラッジ除去手段および油分除去手段の順序は特に限定
されず、上述した順序以外の順序であっても良い。
【0033】(6)さらに上記請求項1乃至4の何れか
に記載の発明に、前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液
が満たされるリンス槽と、前記処理槽に脱脂兼化成処理
液を補給する処理液補給槽と、前記処理槽及び前記リン
ス槽の液を減圧蒸留法を用いて極性有機溶剤、水及び残
余の汚泥に分離する減圧蒸留手段と、をさらに付加し、
前記減圧蒸留手段により分離された極性有機溶剤を前記
処理液補給槽へ供給し、前記減圧蒸留手段により分離さ
れた水を前記処理液補給槽及び前記リンス槽へ供給する
こともできる(請求項27参照)。
に記載の発明に、前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液
が満たされるリンス槽と、前記処理槽に脱脂兼化成処理
液を補給する処理液補給槽と、前記処理槽及び前記リン
ス槽の液を減圧蒸留法を用いて極性有機溶剤、水及び残
余の汚泥に分離する減圧蒸留手段と、をさらに付加し、
前記減圧蒸留手段により分離された極性有機溶剤を前記
処理液補給槽へ供給し、前記減圧蒸留手段により分離さ
れた水を前記処理液補給槽及び前記リンス槽へ供給する
こともできる(請求項27参照)。
【0034】本発明では、処理槽内の脱脂兼化成処理液
及びリンス槽内の液は、減圧蒸留手段により、極性有機
溶剤と水と残余の汚泥とに分離され、極性有機溶剤は処
理液補給槽へ供給され、水は処理液補給槽及びリンス槽
へ供給されるので、処理液のクローズド化が達成でき、
材料費の低減によるコストダウンを図ることができる。
及びリンス槽内の液は、減圧蒸留手段により、極性有機
溶剤と水と残余の汚泥とに分離され、極性有機溶剤は処
理液補給槽へ供給され、水は処理液補給槽及びリンス槽
へ供給されるので、処理液のクローズド化が達成でき、
材料費の低減によるコストダウンを図ることができる。
【0035】特に上述した発明に比べて、減圧蒸留手段
のみによって、極性有機溶剤と水と残余の汚泥とに分離
できるので、システム構成が簡素化され、省スペース化
及びコストダウンがより期待できる。
のみによって、極性有機溶剤と水と残余の汚泥とに分離
できるので、システム構成が簡素化され、省スペース化
及びコストダウンがより期待できる。
【0036】ちなみに、上述した発明と同様、本発明の
処理槽には脱脂兼化成処理液が満たされているので、最
小の一工程で被処理物の脱脂処理と化成処理を行うこと
ができる。これにより、装置設置スペースを省スペース
化することができると同時に、設備費を低減することが
できる。また、工程通過時間が短くなるので生産性が向
上する。
処理槽には脱脂兼化成処理液が満たされているので、最
小の一工程で被処理物の脱脂処理と化成処理を行うこと
ができる。これにより、装置設置スペースを省スペース
化することができると同時に、設備費を低減することが
できる。また、工程通過時間が短くなるので生産性が向
上する。
【0037】また、脱脂兼化成処理液を用いることで前
処理条件の管理工数を削減することができる。また、こ
の脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大幅に削
減することができ、洗浄液の使用量が激減すると同時
に、廃水処理工程の負担も軽減される。
処理条件の管理工数を削減することができる。また、こ
の脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大幅に削
減することができ、洗浄液の使用量が激減すると同時
に、廃水処理工程の負担も軽減される。
【0038】(7)上記発明において、特に限定されな
いが、脱脂兼化成処理液としては、アルコール、グリコ
ールエーテルまたはジエチレングリコールエーテル系の
極性有機溶剤と、水と、亜鉛イオンと、リン酸イオン
と、マンガンイオンと、ニッケルイオンと、ナトリウム
イオンとを少なくとも含むことが、より好ましい(請求
項29参照)。
いが、脱脂兼化成処理液としては、アルコール、グリコ
ールエーテルまたはジエチレングリコールエーテル系の
極性有機溶剤と、水と、亜鉛イオンと、リン酸イオン
と、マンガンイオンと、ニッケルイオンと、ナトリウム
イオンとを少なくとも含むことが、より好ましい(請求
項29参照)。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、処理槽の前段で被塗物
を加温するので、被塗物に付着した油分等の表面張力が
低下し、これにより油分や塵埃の除去効率が向上する。
を加温するので、被塗物に付着した油分等の表面張力が
低下し、これにより油分や塵埃の除去効率が向上する。
【0040】これに加えて、前処理液のクローズド化が
達成できるので、材料費の低減によるコストダウンと、
廃水処理工程の負担軽減とを図ることができる。
達成できるので、材料費の低減によるコストダウンと、
廃水処理工程の負担軽減とを図ることができる。
【0041】また、最小の一工程にて脱脂処理と化成処
理を行うことができ、装置設置スペースを省スペース化
することができると同時に、設備費を低減することがで
きる。さらに、工程通過時間が短くなるので生産性が向
上する。
理を行うことができ、装置設置スペースを省スペース化
することができると同時に、設備費を低減することがで
きる。さらに、工程通過時間が短くなるので生産性が向
上する。
【0042】さらにまた、脱脂兼化成処理液を用いるこ
とで前処理条件の管理工数を削減することができる。ま
た、この脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大
幅に削減することができ、洗浄液の使用量が減少するこ
とにより廃水処理工程の負担が軽減される。
とで前処理条件の管理工数を削減することができる。ま
た、この脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大
幅に削減することができ、洗浄液の使用量が減少するこ
とにより廃水処理工程の負担が軽減される。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。第1実施形態 図1は本発明の塗装前処理装置の実施形態を示す図、図
2は本発明に係る塵埃除去手段の実施形態を示す斜視図
および断面図、図3は本発明に係る塵埃除去手段の他の
実施形態を示す斜視図、図4は本発明に係る塵埃除去手
段のさらに他の実施形態を示す断面図、図5は本発明に
係る水−極性有機溶剤分離手段の実施形態を示す概念
図、図6は本発明に係るイオン除去手段の実施形態を示
す概念図である。
基づいて説明する。第1実施形態 図1は本発明の塗装前処理装置の実施形態を示す図、図
2は本発明に係る塵埃除去手段の実施形態を示す斜視図
および断面図、図3は本発明に係る塵埃除去手段の他の
実施形態を示す斜視図、図4は本発明に係る塵埃除去手
段のさらに他の実施形態を示す断面図、図5は本発明に
係る水−極性有機溶剤分離手段の実施形態を示す概念
図、図6は本発明に係るイオン除去手段の実施形態を示
す概念図である。
【0044】図1は、たとえば自動車ボディなどの被塗
装物に対し、脱脂処理、表面調整及び化成処理を行う塗
装前処理工程を示している。同図に示すように、自動車
ボディ9は、ハンガに搭載された状態で塗装搬送ライン
10によって搬送される。本実施形態では、塗装搬送ラ
イン10に沿ってボディー加温ゾーン500と、2つの
ディッピング槽1,8が設けられ、図に矢印で示す搬送
方向の上流側が脱脂処理及び化成処理処理を行うための
処理槽1(以下、脱脂化成処理槽1ともいう。)であ
り、下流側が処理後のボディ9を洗浄するためのリンス
槽8である。
装物に対し、脱脂処理、表面調整及び化成処理を行う塗
装前処理工程を示している。同図に示すように、自動車
ボディ9は、ハンガに搭載された状態で塗装搬送ライン
10によって搬送される。本実施形態では、塗装搬送ラ
イン10に沿ってボディー加温ゾーン500と、2つの
ディッピング槽1,8が設けられ、図に矢印で示す搬送
方向の上流側が脱脂処理及び化成処理処理を行うための
処理槽1(以下、脱脂化成処理槽1ともいう。)であ
り、下流側が処理後のボディ9を洗浄するためのリンス
槽8である。
【0045】ボディー加温ゾーン500は、処理槽1の
前段に設けられ、当該処理槽1による処理前にボディ9
を好ましくは40℃前後に加温する工程である。図1に
示す例では、工水を溜めておく工水タンク501と、こ
の工水をボディー加温ゾーン500まで導く配管502
およびポンプ503と、当該配管502に設けられボデ
ィ9に温水を吹き付けるシャワーノズル504と、工水
との間で熱交換を行うことにより工水を40℃以上の温
水に加温する熱交換機505とを備えている。
前段に設けられ、当該処理槽1による処理前にボディ9
を好ましくは40℃前後に加温する工程である。図1に
示す例では、工水を溜めておく工水タンク501と、こ
の工水をボディー加温ゾーン500まで導く配管502
およびポンプ503と、当該配管502に設けられボデ
ィ9に温水を吹き付けるシャワーノズル504と、工水
との間で熱交換を行うことにより工水を40℃以上の温
水に加温する熱交換機505とを備えている。
【0046】熱交換機505において工水を加温する熱
源は、塗装ラインの乾燥炉の排気506が用いられ、特
に三元触媒などを有する脱臭装置507を通過した脱臭
排気が用いられる。熱源として用いられる乾燥炉として
は、塗装ラインに設置された電着乾燥炉、中塗り乾燥
炉、上塗り乾燥炉および水切り乾燥炉などを例示するこ
とができるが、炭化水素成分や酸化窒素成分の混入が少
ない水切り乾燥炉の排気を用いることがより好ましい。
ただし、本例のように脱臭装置507を通過した脱臭排
気を用いれば、不純物を含まないので、水切り乾燥炉以
外の電着乾燥炉や中・上塗り乾燥炉の排気も同等に使用
することができる。
源は、塗装ラインの乾燥炉の排気506が用いられ、特
に三元触媒などを有する脱臭装置507を通過した脱臭
排気が用いられる。熱源として用いられる乾燥炉として
は、塗装ラインに設置された電着乾燥炉、中塗り乾燥
炉、上塗り乾燥炉および水切り乾燥炉などを例示するこ
とができるが、炭化水素成分や酸化窒素成分の混入が少
ない水切り乾燥炉の排気を用いることがより好ましい。
ただし、本例のように脱臭装置507を通過した脱臭排
気を用いれば、不純物を含まないので、水切り乾燥炉以
外の電着乾燥炉や中・上塗り乾燥炉の排気も同等に使用
することができる。
【0047】また本例では、熱交換機505を用いて、
配管502を通過する工水との間で熱交換を行い、これ
によりシャワーノズル504から吐出される工水を温水
化するが、乾燥炉の排気506を用いて、たとえばバブ
リングなどによって、工水タンク501内の工水全体を
加温し、これをシャワーノズル504からボディ9に吹
き付けるように構成することもできる。
配管502を通過する工水との間で熱交換を行い、これ
によりシャワーノズル504から吐出される工水を温水
化するが、乾燥炉の排気506を用いて、たとえばバブ
リングなどによって、工水タンク501内の工水全体を
加温し、これをシャワーノズル504からボディ9に吹
き付けるように構成することもできる。
【0048】なお、シャワーノズル504は、ボディー
加温ゾーン500の左右の側壁および天井面に設けられ
て、ボディ9の外板や内板に温水を吹き付ける。また、
ボディー加温ゾーン500にて温水を吹き付けるには所
定時間が必要となることから、処理槽1への搬入前のタ
クト停止ゾーンに、当該ボディー加温ゾーン500を配
置することが望ましい。
加温ゾーン500の左右の側壁および天井面に設けられ
て、ボディ9の外板や内板に温水を吹き付ける。また、
ボディー加温ゾーン500にて温水を吹き付けるには所
定時間が必要となることから、処理槽1への搬入前のタ
クト停止ゾーンに、当該ボディー加温ゾーン500を配
置することが望ましい。
【0049】このボディー加温ゾーン500により、処
理槽1に搬入されるボディ9は、40℃前後の温度に加
温されるので、ボディ9に付着した油分や塵埃等の表面
張力が低下し、当該ボディ9が処理槽1内に搬入される
と脱脂兼化成処理液とのエマルジョン化が促進されるこ
とになる。これにより、処理槽1における脱脂効率が向
上し、また塵埃除去効率も向上することになる。
理槽1に搬入されるボディ9は、40℃前後の温度に加
温されるので、ボディ9に付着した油分や塵埃等の表面
張力が低下し、当該ボディ9が処理槽1内に搬入される
と脱脂兼化成処理液とのエマルジョン化が促進されるこ
とになる。これにより、処理槽1における脱脂効率が向
上し、また塵埃除去効率も向上することになる。
【0050】処理槽1には、脱脂兼化成処理液が満たさ
れ、リンス槽8には純水が満たされている。本例で用い
られる脱脂兼化成処理液は、脱脂処理、表面調整および
化成処理といった3種類の処理を同一工程で行うことが
できる処理液である。
れ、リンス槽8には純水が満たされている。本例で用い
られる脱脂兼化成処理液は、脱脂処理、表面調整および
化成処理といった3種類の処理を同一工程で行うことが
できる処理液である。
【0051】こうした脱脂兼化成処理液としては、例え
ば、アルコール、グリコールエーテルまたはジエチレン
グリコールエーテル系の極性有機溶剤と、水と、亜鉛イ
オンと、リン酸イオンと、マンガンイオンと、ニッケル
イオンと、ナトリウムイオンとを少なくとも含む処理液
を用いることができる。この処理液を用いることによ
り、脱脂工程、表面調整工程及び化成工程がまとめて1
つの工程で同時に行うことができ、大幅な処理工程の短
縮、処理設備の簡略化、省スペース化、生産性の向上、
薬剤コストの低減、薬剤管理の簡略化を図ることができ
る。
ば、アルコール、グリコールエーテルまたはジエチレン
グリコールエーテル系の極性有機溶剤と、水と、亜鉛イ
オンと、リン酸イオンと、マンガンイオンと、ニッケル
イオンと、ナトリウムイオンとを少なくとも含む処理液
を用いることができる。この処理液を用いることによ
り、脱脂工程、表面調整工程及び化成工程がまとめて1
つの工程で同時に行うことができ、大幅な処理工程の短
縮、処理設備の簡略化、省スペース化、生産性の向上、
薬剤コストの低減、薬剤管理の簡略化を図ることができ
る。
【0052】図1に示すように、脱脂化成処理槽1に
は、当該脱脂化成処理槽1内の処理液をポンプ14によ
り吸引して、再び脱脂化成処理槽1へ戻すように循環さ
せる循環系11が設けられ、この循環系11に、上流側
から順に、塵埃除去装置2、化成スラッジ除去装置3、
油分除去装置4が設けられている。
は、当該脱脂化成処理槽1内の処理液をポンプ14によ
り吸引して、再び脱脂化成処理槽1へ戻すように循環さ
せる循環系11が設けられ、この循環系11に、上流側
から順に、塵埃除去装置2、化成スラッジ除去装置3、
油分除去装置4が設けられている。
【0053】塵埃除去装置2は、脱脂化成処理槽1内の
処理液およびリンス槽8内の洗浄液に含まれた鉄粉等の
ゴミブツを除去するもので、除去されたゴミブツは廃棄
され、ゴミブツが除去された処理液は次の化成スラッジ
除去装置3に送られる。本例の塵埃除去装置2として用
いることのできる具体的装置として、セットリングタン
ク、遠心式セパレータ、マグネット式セパレータを挙げ
ることができる。以下、各々について説明する。
処理液およびリンス槽8内の洗浄液に含まれた鉄粉等の
ゴミブツを除去するもので、除去されたゴミブツは廃棄
され、ゴミブツが除去された処理液は次の化成スラッジ
除去装置3に送られる。本例の塵埃除去装置2として用
いることのできる具体的装置として、セットリングタン
ク、遠心式セパレータ、マグネット式セパレータを挙げ
ることができる。以下、各々について説明する。
【0054】塵埃除去装置2の一例としてのセットリン
グタンク21は、図2に示すように、タンク211内に
流路212を蛇行させる仕切り板213が設けられたも
のであり、入口214から入った処理液は、仕切板21
3によりタンク内部を蛇行し、出口215に至ることに
なる。このとき、処理液の上昇流速を鉄粉等のゴミブツ
の沈降速度よりも抑えることで、タンク211の底面に
鉄粉等のゴミブツを堆積させ、処理液のクリーン化を図
ることができる。なお、セットリングタンク21は簡易
な装置として廉価であり、処理液中に浮遊する軽いゴミ
以外の比較的重いゴミに対して効果的である。
グタンク21は、図2に示すように、タンク211内に
流路212を蛇行させる仕切り板213が設けられたも
のであり、入口214から入った処理液は、仕切板21
3によりタンク内部を蛇行し、出口215に至ることに
なる。このとき、処理液の上昇流速を鉄粉等のゴミブツ
の沈降速度よりも抑えることで、タンク211の底面に
鉄粉等のゴミブツを堆積させ、処理液のクリーン化を図
ることができる。なお、セットリングタンク21は簡易
な装置として廉価であり、処理液中に浮遊する軽いゴミ
以外の比較的重いゴミに対して効果的である。
【0055】塵埃除去装置2の他例としての遠心式セパ
レータ22は、図3に示すように、入口221から入っ
た処理液と鉄粉等のゴミブツを、接線方向に設けられた
スリット状の特殊回転機構222を通過させることによ
り加速させ、液体より重い固形物(ゴミブツ)を遠心力
により内壁に沿って下部のコレクションチャンバー22
3に分離し、固形分出口224から排出する一方で、処
理液を内側管225から上昇せしめて処理液出口226
から排出する。これにより、処理液のクリーン化を図る
装置である。
レータ22は、図3に示すように、入口221から入っ
た処理液と鉄粉等のゴミブツを、接線方向に設けられた
スリット状の特殊回転機構222を通過させることによ
り加速させ、液体より重い固形物(ゴミブツ)を遠心力
により内壁に沿って下部のコレクションチャンバー22
3に分離し、固形分出口224から排出する一方で、処
理液を内側管225から上昇せしめて処理液出口226
から排出する。これにより、処理液のクリーン化を図る
装置である。
【0056】塵埃除去装置2の他例としてのマグネット
式セパレータ23は、図4に示すように、磁石が内蔵さ
れたドラム231を図の矢印方向に回転させながら、入
口232から処理液を導入し、この処理液がドラム23
1に接する流路233を通過する際に、鉄分のような磁
性のあるゴミブツを除去する装置である。ドラム231
に磁力によって付着したゴミブツはスクレーパ234に
より掻き取られる一方で、ゴミブツが除去された処理液
は出口235から排出される。
式セパレータ23は、図4に示すように、磁石が内蔵さ
れたドラム231を図の矢印方向に回転させながら、入
口232から処理液を導入し、この処理液がドラム23
1に接する流路233を通過する際に、鉄分のような磁
性のあるゴミブツを除去する装置である。ドラム231
に磁力によって付着したゴミブツはスクレーパ234に
より掻き取られる一方で、ゴミブツが除去された処理液
は出口235から排出される。
【0057】なお、上述した塵埃除去装置21,22,
23は、単独でも複合でも用いることができ、特に、セ
ットリングタンク21とマグネット式セパレータ23の
組み合わせたものは、ゴミブツの除去率が高く、最も好
ましい。
23は、単独でも複合でも用いることができ、特に、セ
ットリングタンク21とマグネット式セパレータ23の
組み合わせたものは、ゴミブツの除去率が高く、最も好
ましい。
【0058】ただし、本発明に係る塵埃除去手段は、上
述した3形態にのみ限定される趣旨ではなく、その他の
形態のものも含まれる。また、本例の塵埃除去装置2は
循環系11に設けたが、本発明に係る塵埃除去手段は循
環系11に設けるほか、脱脂化成処理槽1そのものの内
部又は外部に設けることも含む趣旨である。
述した3形態にのみ限定される趣旨ではなく、その他の
形態のものも含まれる。また、本例の塵埃除去装置2は
循環系11に設けたが、本発明に係る塵埃除去手段は循
環系11に設けるほか、脱脂化成処理槽1そのものの内
部又は外部に設けることも含む趣旨である。
【0059】図1に戻り、化成スラッジ除去装置3は、
上述した塵埃除去装置2を通過した処理液に含まれる化
成スラッジを除去するもので、除去された化成スラッジ
は廃棄され、化成スラッジが除去された処理液は、次の
油分除去装置4へ送られる。この化成スラッジ除去装置
3としては、図1に示す脱脂化成処理槽1中の処理液の
スラッジ濃度が、150ppm以内に抑制され、処理液
を汚染することのないようなフィルターであれば、特に
限定されず用いることができる。
上述した塵埃除去装置2を通過した処理液に含まれる化
成スラッジを除去するもので、除去された化成スラッジ
は廃棄され、化成スラッジが除去された処理液は、次の
油分除去装置4へ送られる。この化成スラッジ除去装置
3としては、図1に示す脱脂化成処理槽1中の処理液の
スラッジ濃度が、150ppm以内に抑制され、処理液
を汚染することのないようなフィルターであれば、特に
限定されず用いることができる。
【0060】油分除去装置4は、上述した化成スラッジ
除去装置3を通過した処理液に含まれる油分を除去する
もので、除去された油分は廃棄され、油分が除去された
処理液は、処理液補給槽6および水−極性有機溶剤分離
装置5へ送られる。
除去装置3を通過した処理液に含まれる油分を除去する
もので、除去された油分は廃棄され、油分が除去された
処理液は、処理液補給槽6および水−極性有機溶剤分離
装置5へ送られる。
【0061】本発明にて用いることができる油分除去装
置4としては、加温式油分除去装置、コアレッサー式油
分除去装置、限外濾過式油分除去装置を挙げることがで
きる。このうちの加温式油分除去装置は、ノニオン系界
面活性剤が脱脂成分として含有されている水溶液に適用
して好ましいもので、これを特定温度以上に加熱する
と、それ自身が水に不溶化し、非イオン性界面活性剤か
らなる油相と水相との2相に油水分離するといった、ノ
ニオン系界面活性剤の特徴を利用した油分除去装置であ
る。
置4としては、加温式油分除去装置、コアレッサー式油
分除去装置、限外濾過式油分除去装置を挙げることがで
きる。このうちの加温式油分除去装置は、ノニオン系界
面活性剤が脱脂成分として含有されている水溶液に適用
して好ましいもので、これを特定温度以上に加熱する
と、それ自身が水に不溶化し、非イオン性界面活性剤か
らなる油相と水相との2相に油水分離するといった、ノ
ニオン系界面活性剤の特徴を利用した油分除去装置であ
る。
【0062】また、コアレッサー式油分除去装置は、水
溶液中に数μmの大きさで分散している油滴をフィルタ
ーを通過させることにより水−油のエマルションを破壊
することで、油滴を拡大成長させ、浮上回収することが
可能な油分除去装置である。
溶液中に数μmの大きさで分散している油滴をフィルタ
ーを通過させることにより水−油のエマルションを破壊
することで、油滴を拡大成長させ、浮上回収することが
可能な油分除去装置である。
【0063】限外濾過式油分除去装置は、限外濾過、即
ち、0.01〜0.001μm程度のメッシュからなる
フィルターを用い、0.5〜5×10−5Pa程度の低
圧力にて加圧もしくは吸引濾過することで、コロイド粒
子を溶媒から分離する濾過方法を用いた油分除去装置で
ある。
ち、0.01〜0.001μm程度のメッシュからなる
フィルターを用い、0.5〜5×10−5Pa程度の低
圧力にて加圧もしくは吸引濾過することで、コロイド粒
子を溶媒から分離する濾過方法を用いた油分除去装置で
ある。
【0064】これらの油分除去装置4は、要求される油
水分離度合いにより選択し、単独でも複合でも用いるこ
とができる。
水分離度合いにより選択し、単独でも複合でも用いるこ
とができる。
【0065】図1に示すように、循環系11の油分除去
装置4の下流側には、処理液補給槽6、水−極性有機溶
剤分離装置5およびイオン除去装置7が設けられてい
る。
装置4の下流側には、処理液補給槽6、水−極性有機溶
剤分離装置5およびイオン除去装置7が設けられてい
る。
【0066】処理液補給槽6は、塵埃除去装置2、化成
スラッジ除去装置3および油分除去装置4を通過してゴ
ミブツ、化成スラッジおよび油分が除去された脱脂化成
処理液が一時的に貯留されるもので、これ以外にも、後
述する水−極性有機溶剤分離装置5によって水分が除去
された極性有機溶剤と、イオン除去装置7によってイオ
ン成分が除去された水が供給される。そして、新規な脱
脂兼化成処理液が収容された処理液タンク15からポン
プ16によって新規な脱脂兼化成処理液が補給及び調整
されて、脱脂化成処理槽1に戻される。
スラッジ除去装置3および油分除去装置4を通過してゴ
ミブツ、化成スラッジおよび油分が除去された脱脂化成
処理液が一時的に貯留されるもので、これ以外にも、後
述する水−極性有機溶剤分離装置5によって水分が除去
された極性有機溶剤と、イオン除去装置7によってイオ
ン成分が除去された水が供給される。そして、新規な脱
脂兼化成処理液が収容された処理液タンク15からポン
プ16によって新規な脱脂兼化成処理液が補給及び調整
されて、脱脂化成処理槽1に戻される。
【0067】水−極性有機溶剤分離装置5は、油分除去
装置4を通過した処理液から水成分と極性有機溶剤成分
とを分離するもので、分離された水成分はイオン除去装
置7へ供給され、分離された極性有機溶剤成分は処理液
補給槽6へ供給される。
装置4を通過した処理液から水成分と極性有機溶剤成分
とを分離するもので、分離された水成分はイオン除去装
置7へ供給され、分離された極性有機溶剤成分は処理液
補給槽6へ供給される。
【0068】本例にて使用される脱脂兼化成処理液に含
まれる極性有機溶媒としては、上述したようにアルコー
ル、グリコールエーテル、ジエチレングリコールエーテ
ル系であり、本例の水−極性有機溶剤分離装置5として
は、これらの極性有機溶媒と水とを効率よく、且つ安価
で分離できる方法を用いることが望ましい。こうした分
離方法としては、パーベーパレーションと呼ばれる分離
方法を挙げることができる。これは、図5に示すように
選択透過性を有する分離膜51(非多孔膜:1nm以下
の孔を有する膜)の一方側(供給側)52に、分離すべ
き極性有機溶媒と水との混合液をそのまま供給し、分離
膜51の他方側(透過側)53を真空又は減圧状態にす
る。そして、供給側52と透過側53の圧力差を駆動力
として、高圧側(供給側)52から低圧側(透過側)5
3に混合液を移動させる際、物質種類毎に拡散速度が著
しく異なる選択透過性を有する分離膜51を介在させる
ことで、極性有機溶媒と水を分離させる。
まれる極性有機溶媒としては、上述したようにアルコー
ル、グリコールエーテル、ジエチレングリコールエーテ
ル系であり、本例の水−極性有機溶剤分離装置5として
は、これらの極性有機溶媒と水とを効率よく、且つ安価
で分離できる方法を用いることが望ましい。こうした分
離方法としては、パーベーパレーションと呼ばれる分離
方法を挙げることができる。これは、図5に示すように
選択透過性を有する分離膜51(非多孔膜:1nm以下
の孔を有する膜)の一方側(供給側)52に、分離すべ
き極性有機溶媒と水との混合液をそのまま供給し、分離
膜51の他方側(透過側)53を真空又は減圧状態にす
る。そして、供給側52と透過側53の圧力差を駆動力
として、高圧側(供給側)52から低圧側(透過側)5
3に混合液を移動させる際、物質種類毎に拡散速度が著
しく異なる選択透過性を有する分離膜51を介在させる
ことで、極性有機溶媒と水を分離させる。
【0069】上述した分離膜51としては、「支持膜上
にマイレン酸で架橋したPVA膜をのせた複合膜(特開
昭59−109204号公報)」、「K塩で処理した、
カルボキシメチルセルロース80%とポリアクリレート
20%の混合膜(J.Memb.Sci.,32,20
7(1987)」、「PNA支持膜上に架橋したPVA
膜上載せた複合膜(J.Memb.Sci.,36,4
63(1988)」、「キトサン誘導体の中空糸膜(日
化年会(1989))」、「アルギン酸コバルト膜(特
開昭61−404号公報)」、「キトサン硫酸塩膜(国
際膜学会(1987))」、「PNA基膜表面を加水分
解したポリアクリル酸とアイオネン型ポリカチオンとの
ポリイオンコンプレックス複合膜(特開平1−2240
03号公報)」などが挙げられる。
にマイレン酸で架橋したPVA膜をのせた複合膜(特開
昭59−109204号公報)」、「K塩で処理した、
カルボキシメチルセルロース80%とポリアクリレート
20%の混合膜(J.Memb.Sci.,32,20
7(1987)」、「PNA支持膜上に架橋したPVA
膜上載せた複合膜(J.Memb.Sci.,36,4
63(1988)」、「キトサン誘導体の中空糸膜(日
化年会(1989))」、「アルギン酸コバルト膜(特
開昭61−404号公報)」、「キトサン硫酸塩膜(国
際膜学会(1987))」、「PNA基膜表面を加水分
解したポリアクリル酸とアイオネン型ポリカチオンとの
ポリイオンコンプレックス複合膜(特開平1−2240
03号公報)」などが挙げられる。
【0070】イオン除去装置7は、水−極性有機溶剤分
離装置5から供給された水成分からイオン成分を除去す
るもので、除去されたイオン成分は廃棄され、残りの水
は処理液補給槽6およびリンス槽8へ供給される。本例
で用いられるイオン除去装置7は、特殊なものではな
く、図6に示すように、脱脂兼化成処理液中に含まれる
カチオン成分、例えば亜鉛イオン、ニッケルイオン、マ
ンガンイオンを除去できるキレート樹脂型陽イオン交換
樹脂を充填したイオン交換塔71と、脱脂兼化成処理液
中に含まれるアニオン成分、例えばリン酸根、硝酸根等
を除去できるスチレン系強塩基性陰イオン交換樹脂を充
填したイオン交換塔72を備え、更に水の純水度を高め
るために通常使用されている純水製造装置であるH型の
強酸性陽イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔73
と、脱炭酸塔74と、OH型のスチレン系強塩基性陰イ
オン交換樹脂を充填した陰イオン交換塔75とからなる
イオン除去装置を備えた純水製造装置である。
離装置5から供給された水成分からイオン成分を除去す
るもので、除去されたイオン成分は廃棄され、残りの水
は処理液補給槽6およびリンス槽8へ供給される。本例
で用いられるイオン除去装置7は、特殊なものではな
く、図6に示すように、脱脂兼化成処理液中に含まれる
カチオン成分、例えば亜鉛イオン、ニッケルイオン、マ
ンガンイオンを除去できるキレート樹脂型陽イオン交換
樹脂を充填したイオン交換塔71と、脱脂兼化成処理液
中に含まれるアニオン成分、例えばリン酸根、硝酸根等
を除去できるスチレン系強塩基性陰イオン交換樹脂を充
填したイオン交換塔72を備え、更に水の純水度を高め
るために通常使用されている純水製造装置であるH型の
強酸性陽イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔73
と、脱炭酸塔74と、OH型のスチレン系強塩基性陰イ
オン交換樹脂を充填した陰イオン交換塔75とからなる
イオン除去装置を備えた純水製造装置である。
【0071】本例の塗装前処理装置は以上の構成を有
し、以下の5つの循環系を備えている。図1に示すよう
に、まず第1の循環系11は、脱脂化成処理槽1内の処
理液が、脱脂化成処理槽1→塵埃除去装置2→化成スラ
ッジ除去装置3→油分除去装置4→処理液補給槽6→脱
脂化成処理槽1と循環する循環系である。これが請求項
7記載の第1の循環系に相当する。
し、以下の5つの循環系を備えている。図1に示すよう
に、まず第1の循環系11は、脱脂化成処理槽1内の処
理液が、脱脂化成処理槽1→塵埃除去装置2→化成スラ
ッジ除去装置3→油分除去装置4→処理液補給槽6→脱
脂化成処理槽1と循環する循環系である。これが請求項
7記載の第1の循環系に相当する。
【0072】第2の循環系12は、脱脂化成処理槽1内
の処理液が、脱脂化成処理槽1→塵埃除去装置2→化成
スラッジ除去装置3→油分除去装置4→水−極性有機溶
剤分離装置5→イオン除去装置7→リンス槽8と循環す
る循環系である。これが請求項10記載の第2の循環系
に相当する。
の処理液が、脱脂化成処理槽1→塵埃除去装置2→化成
スラッジ除去装置3→油分除去装置4→水−極性有機溶
剤分離装置5→イオン除去装置7→リンス槽8と循環す
る循環系である。これが請求項10記載の第2の循環系
に相当する。
【0073】第3の循環系13は、リンス槽8内の液を
配管17及びポンプ18によって塵埃除去装置2に導
き、以後、当該塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置
3→油分除去装置4と循環する循環系である。これが請
求項13記載の第3の循環系に相当する。
配管17及びポンプ18によって塵埃除去装置2に導
き、以後、当該塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置
3→油分除去装置4と循環する循環系である。これが請
求項13記載の第3の循環系に相当する。
【0074】また、これに加えて以下の循環系が構成さ
れている。第4の循環系111としては、上述した第1
の循環系11、すなわち脱脂化成処理槽1→塵埃除去装
置2→化成スラッジ除去装置3→油分除去装置4→処理
液補給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回路に、水−極性有
機溶剤分離装置5を付加し、この水−極性有機溶剤分離
装置5によって分離された極性有機溶剤を処理液補給槽
6へ供給する循環系である。これが請求項9記載の循環
系に相当する。
れている。第4の循環系111としては、上述した第1
の循環系11、すなわち脱脂化成処理槽1→塵埃除去装
置2→化成スラッジ除去装置3→油分除去装置4→処理
液補給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回路に、水−極性有
機溶剤分離装置5を付加し、この水−極性有機溶剤分離
装置5によって分離された極性有機溶剤を処理液補給槽
6へ供給する循環系である。これが請求項9記載の循環
系に相当する。
【0075】第5の循環系121としては、上述した第
2の循環系12、すなわち脱脂化成処理槽1→塵埃除去
装置2→化成スラッジ除去装置3→油分除去装置4→水
−極性有機溶剤分離装置5→イオン除去装置7→リンス
槽8の閉回路に、処理液補給槽6を付加し、イオン除去
装置7によってイオンが除去された純水の一部を処理液
補給槽6へ供給する循環系である。これが請求項11記
載の循環系に相当する。
2の循環系12、すなわち脱脂化成処理槽1→塵埃除去
装置2→化成スラッジ除去装置3→油分除去装置4→水
−極性有機溶剤分離装置5→イオン除去装置7→リンス
槽8の閉回路に、処理液補給槽6を付加し、イオン除去
装置7によってイオンが除去された純水の一部を処理液
補給槽6へ供給する循環系である。これが請求項11記
載の循環系に相当する。
【0076】第6の循環系131としては、上述した第
3の循環系13、すなわちリンス槽8及び脱脂化成処理
槽1→塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置3→油分
除去装置4→処理液補給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回
路に、水−極性有機溶剤分離装置5を付加し、この水−
極性有機溶剤分離装置5によって分離された極性有機溶
剤を処理液補給槽6へ供給する循環系である。これが請
求項14記載の循環系に相当する。
3の循環系13、すなわちリンス槽8及び脱脂化成処理
槽1→塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置3→油分
除去装置4→処理液補給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回
路に、水−極性有機溶剤分離装置5を付加し、この水−
極性有機溶剤分離装置5によって分離された極性有機溶
剤を処理液補給槽6へ供給する循環系である。これが請
求項14記載の循環系に相当する。
【0077】第7の循環系132としては、上述した第
6の循環系131、すなわちリンス槽8及び脱脂化成処
理槽1→塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置3→油
分除去装置4→水−極性有機溶剤分離装置5→処理液補
給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回路に、イオン除去装置
7を付加し、水−極性有機溶剤分離装置5によって分離
された水分からイオンを除去し、イオンが除去された水
をリンス槽8へ供給する循環系である。これが請求項1
5記載の循環系に相当する。
6の循環系131、すなわちリンス槽8及び脱脂化成処
理槽1→塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置3→油
分除去装置4→水−極性有機溶剤分離装置5→処理液補
給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回路に、イオン除去装置
7を付加し、水−極性有機溶剤分離装置5によって分離
された水分からイオンを除去し、イオンが除去された水
をリンス槽8へ供給する循環系である。これが請求項1
5記載の循環系に相当する。
【0078】また、第8の循環系133としては、上述
した第6の循環系131、すなわちリンス槽8及び脱脂
化成処理槽1→塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置
3→油分除去装置4→水−極性有機溶剤分離装置5→処
理液補給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回路に、イオン除
去装置7を付加し、水−極性有機溶剤分離装置5によっ
て分離された水分からイオンを除去し、イオンが除去さ
れた水を処理液補給槽6へ供給する循環系である。これ
が請求項16記載の循環系に相当する。
した第6の循環系131、すなわちリンス槽8及び脱脂
化成処理槽1→塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置
3→油分除去装置4→水−極性有機溶剤分離装置5→処
理液補給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回路に、イオン除
去装置7を付加し、水−極性有機溶剤分離装置5によっ
て分離された水分からイオンを除去し、イオンが除去さ
れた水を処理液補給槽6へ供給する循環系である。これ
が請求項16記載の循環系に相当する。
【0079】このように、本実施形態の前処理装置は、
大きく分類すると第1乃至第3の3つの循環系、さらに
細かく分類すると8つの循環系を有するので、脱脂化成
処理槽1の処理液組成を安定させ、連続処理においても
品質ばらつきがなく良好な化成処理皮膜の生成を可能に
する。
大きく分類すると第1乃至第3の3つの循環系、さらに
細かく分類すると8つの循環系を有するので、脱脂化成
処理槽1の処理液組成を安定させ、連続処理においても
品質ばらつきがなく良好な化成処理皮膜の生成を可能に
する。
【0080】また、第3の循環系を有することで、リン
ス槽8の洗浄水の電気伝導度を20μS/cm以下の範
囲に保ち、油分、処理液、鉄等のゴミブツが処理物の表
面に付着することが防止でき、しかも次工程への持ち出
しを極力減らすことができる。
ス槽8の洗浄水の電気伝導度を20μS/cm以下の範
囲に保ち、油分、処理液、鉄等のゴミブツが処理物の表
面に付着することが防止でき、しかも次工程への持ち出
しを極力減らすことができる。
【0081】第2実施形態
図7は本発明の塗装前処理装置の他の実施形態を示す
図、図8は本実施形態に係る減圧蒸留装置を示す概念図
である。
図、図8は本実施形態に係る減圧蒸留装置を示す概念図
である。
【0082】本実施形態の前処理装置では、上述した第
1実施形態の塵埃除去装置2,化成スラッジ除去装置
3,油分除去装置4,水−極性有機溶剤分離装置5及び
イオン除去装置7に代えて、減圧蒸留装置20が設けら
れている。
1実施形態の塵埃除去装置2,化成スラッジ除去装置
3,油分除去装置4,水−極性有機溶剤分離装置5及び
イオン除去装置7に代えて、減圧蒸留装置20が設けら
れている。
【0083】脱脂化成処理槽1内の処理液及びリンス槽
8内の液は、ポンプ14及びポンプ18によりそれぞれ
吸引されて、減圧蒸留装置20に供給され、ここで極性
有機溶剤と水とその他の物質とが分離される。減圧蒸留
装置20で分離された極性有機溶剤は、処理液補給槽6
へ供給されるとともに、同じく減圧蒸留装置20で分離
された水の一部は処理液補給槽6へ供給され、残りの水
はリンス槽8へ供給される。
8内の液は、ポンプ14及びポンプ18によりそれぞれ
吸引されて、減圧蒸留装置20に供給され、ここで極性
有機溶剤と水とその他の物質とが分離される。減圧蒸留
装置20で分離された極性有機溶剤は、処理液補給槽6
へ供給されるとともに、同じく減圧蒸留装置20で分離
された水の一部は処理液補給槽6へ供給され、残りの水
はリンス槽8へ供給される。
【0084】減圧蒸留装置20で分離された極性有機溶
剤及び水以外の物質とは、鉄粉などのゴミブツ、化成ス
ラッジ及び油分であり、これらの汚泥は減圧蒸留装置2
0から廃棄される。
剤及び水以外の物質とは、鉄粉などのゴミブツ、化成ス
ラッジ及び油分であり、これらの汚泥は減圧蒸留装置2
0から廃棄される。
【0085】図8に減圧蒸留装置20の概念図を示す。
減圧蒸留とは、たとえば数十〜10 −2Torr程度の
低圧にし、沸点を下げて蒸留する方法である。本例で
は、処理液から極性有機溶剤及び水を別々に分離したい
ので、同図に示すように2機の減圧蒸留装置201,2
02を設けている。何れも同じ構造であり、処理液が供
給される装置本体203を有し、この装置本体203内
は真空ポンプ204によって減圧される。また、装置本
体203内を所定の温度まで昇温するための加熱器20
5が設けられており、これにより装置本体203内に導
入された処理液が減圧状態下で加熱され、その加熱温度
を目的とする物質の沸点に設定することで、その目的物
質のみが蒸発して蒸発管206に導かれ、冷却器207
によって液化する。
減圧蒸留とは、たとえば数十〜10 −2Torr程度の
低圧にし、沸点を下げて蒸留する方法である。本例で
は、処理液から極性有機溶剤及び水を別々に分離したい
ので、同図に示すように2機の減圧蒸留装置201,2
02を設けている。何れも同じ構造であり、処理液が供
給される装置本体203を有し、この装置本体203内
は真空ポンプ204によって減圧される。また、装置本
体203内を所定の温度まで昇温するための加熱器20
5が設けられており、これにより装置本体203内に導
入された処理液が減圧状態下で加熱され、その加熱温度
を目的とする物質の沸点に設定することで、その目的物
質のみが蒸発して蒸発管206に導かれ、冷却器207
によって液化する。
【0086】上述したように、本例では、処理液から極
性有機溶剤及び水を別々に分離したいので、同図に示す
初段の減圧蒸留装置201にて極性有機溶剤のみを分離
し、これを図7に示す処理液補給槽6へ供給する。ま
た、次段の減圧蒸留装置202では、前段の減圧蒸留装
置201で残った処理液から水分のみを分離し、これを
図7に示す処理液補給槽6とリンス槽8に供給する。そ
して、減圧蒸留装置202に残ったゴミブツ、化成スラ
ッジ及び油分などの汚泥はここで廃棄する。
性有機溶剤及び水を別々に分離したいので、同図に示す
初段の減圧蒸留装置201にて極性有機溶剤のみを分離
し、これを図7に示す処理液補給槽6へ供給する。ま
た、次段の減圧蒸留装置202では、前段の減圧蒸留装
置201で残った処理液から水分のみを分離し、これを
図7に示す処理液補給槽6とリンス槽8に供給する。そ
して、減圧蒸留装置202に残ったゴミブツ、化成スラ
ッジ及び油分などの汚泥はここで廃棄する。
【0087】なお、減圧状態では沸点が低くなるので加
熱器205に供給する熱エネルギーは常圧蒸留に比べて
少なくなる。特に、加熱器205のエネルギーとして、
塗装乾燥炉からの廃熱を用いることが望ましい。
熱器205に供給する熱エネルギーは常圧蒸留に比べて
少なくなる。特に、加熱器205のエネルギーとして、
塗装乾燥炉からの廃熱を用いることが望ましい。
【0088】本実施形態の前処理装置によれば、減圧蒸
留装置20のみによって、処理槽1とリンス槽8の液を
回収再生することができ、第1実施形態に比べてシステ
ム全体を簡素化、低コスト化することができる。
留装置20のみによって、処理槽1とリンス槽8の液を
回収再生することができ、第1実施形態に比べてシステ
ム全体を簡素化、低コスト化することができる。
【0089】第3実施形態
上述した第1および第2実施形態では、ボディー加温ゾ
ーン500にて、ボディ9に温水を吹き付けたが、本例
ではボディー9に温風を吹き付ける。このため、図9に
示すように、ボディー加温ゾーン500には、炉体50
8が設けられ、この炉体508内の左右の両側面に給気
ダクト509が設けられ、天井面に排気ダクト510が
設けられている。
ーン500にて、ボディ9に温水を吹き付けたが、本例
ではボディー9に温風を吹き付ける。このため、図9に
示すように、ボディー加温ゾーン500には、炉体50
8が設けられ、この炉体508内の左右の両側面に給気
ダクト509が設けられ、天井面に排気ダクト510が
設けられている。
【0090】そして、第1実施形態で既述した塗装ライ
ンの乾燥炉506の排気をファン506aによって脱臭
装置507へ導き、この脱臭装置507を通過した脱臭
排気を吸気ダクト509に導入してボディ9に吹き付け
る。炉体508内でボディ9に吹き付けられた温風は排
気ダクト510からファン511によって排気される。
ンの乾燥炉506の排気をファン506aによって脱臭
装置507へ導き、この脱臭装置507を通過した脱臭
排気を吸気ダクト509に導入してボディ9に吹き付け
る。炉体508内でボディ9に吹き付けられた温風は排
気ダクト510からファン511によって排気される。
【0091】本例によっても処理槽1に搬入される前に
ボディ9が40℃前後に加温されるので、ボディ9に付
着した油分や塵埃等の表面張力が低下し、当該ボディ9
が処理槽1内に搬入されると脱脂兼化成処理液とのエマ
ルジョン化が促進されることになる。これにより、処理
槽1における脱脂効率が向上し、また塵埃除去効率も向
上することになる。
ボディ9が40℃前後に加温されるので、ボディ9に付
着した油分や塵埃等の表面張力が低下し、当該ボディ9
が処理槽1内に搬入されると脱脂兼化成処理液とのエマ
ルジョン化が促進されることになる。これにより、処理
槽1における脱脂効率が向上し、また塵埃除去効率も向
上することになる。
【0092】本例のボディ加温ゾーン500の構成は、
上述した第1実施形態(図1)および第2実施形態(図
7)のボディ加温ゾーン500の何れにも代替えするこ
とができる。
上述した第1実施形態(図1)および第2実施形態(図
7)のボディ加温ゾーン500の何れにも代替えするこ
とができる。
【0093】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【図1】本発明の塗装前処理装置の第1実施形態を示す
図である。
図である。
【図2】図1の塵埃除去装置の実施形態を示す斜視図お
よび断面図である。
よび断面図である。
【図3】図1の塵埃除去装置の他の実施形態を示す斜視
図である。
図である。
【図4】図1の塵埃除去装置のさらに他の実施形態を示
す断面図である。
す断面図である。
【図5】図1の水−極性有機溶剤分離装置の実施形態を
示す概念図である。
示す概念図である。
【図6】図1のイオン除去装置の実施形態を示す概念図
である。
である。
【図7】本発明の塗装前処理装置の第2実施形態を示す
図である。
図である。
【図8】図7の減圧蒸留装置の実施形態を示す概念図で
ある。
ある。
【図9】本発明の塗装前処理装置の第3実施形態を示す
図である。
図である。
1…脱脂化成処理槽(処理槽)
2…塵埃除去装置(塵埃除去手段)
3…化成スラッジ除去装置(化成スラッジ除去手段)
4…油分除去装置(油分除去手段)
5…水−極性有機溶剤分離装置(水−極性有機溶剤分離
手段) 6…処理液補給槽(処理液補給手段) 7…イオン除去装置(イオン除去手段) 8…リンス槽 500…ボディー加温ゾーン 501…工水タンク 502…配管 503…ポンプ 504…シャワーノズル 505…熱交換機 506…乾燥炉の排気 507…脱臭装置
手段) 6…処理液補給槽(処理液補給手段) 7…イオン除去装置(イオン除去手段) 8…リンス槽 500…ボディー加温ゾーン 501…工水タンク 502…配管 503…ポンプ 504…シャワーノズル 505…熱交換機 506…乾燥炉の排気 507…脱臭装置
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フロントページの続き
(72)発明者 八重樫 英明
神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産
自動車株式会社内
(72)発明者 岸 博之
神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産
自動車株式会社内
Fターム(参考) 4F042 AA09 CB25 CC07 CC22 CC30
DA01 DA02 DB40 ED05
4K026 CA16 CA23 CA37 DA17 DA19
EA17
Claims (29)
- 【請求項1】脱脂兼化成処理液が満たされる処理槽と、 前記処理槽の前段に設けられ、被塗物を加温する加温手
段と、を備えた塗装前処理装置。 - 【請求項2】前記加温手段は、塗装乾燥炉の排気を熱源
とする請求項1記載の塗装前処理装置。 - 【請求項3】前記加温手段は、前記被塗物に温水を吹き
付ける請求項1又は2記載の塗装前処理装置。 - 【請求項4】前記加温手段は、塗装乾燥炉の排気との間
で熱交換された温水を前記被塗物に吹き付ける請求項3
記載の塗装前処理装置。 - 【請求項5】前記加温手段は、前記被塗物に温風を吹き
付ける請求項1又は2記載の塗装前処理装置。 - 【請求項6】前記加温手段は、塗装乾燥炉から排気され
脱臭装置を通過した脱臭排気を前記被塗物に吹き付ける
請求項5記載の塗装前処理装置。 - 【請求項7】前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引し
て前記処理槽に戻す第1の循環系と、 前記脱脂兼化成処理液に含まれる塵埃を除去する塵埃除
去手段と、 前記第1の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
含まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段
と、 前記脱脂兼化成処理液に含まれる油分を除去する油分除
去手段と、 前記第1の循環系に設けられ、前記塵埃除去手段、化成
スラッジ除去手段及び油分除去手段を通過した液を調整
して、前記処理槽に補給する処理液補給槽と、を備えた
請求項1〜6の何れかに記載の塗装前処理装置。 - 【請求項8】前記塵埃除去手段及び前記油分除去手段
が、前記第1の循環系に設けられている請求項7記載の
塗装前処理装置。 - 【請求項9】前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段
及び油分除去手段を通過した液の水成分と極性有機溶剤
とを分離し、極性有機溶剤成分を前記処理液補給槽へ供
給する水−極性有機溶剤分離手段をさらに備えた請求項
7又は8記載の塗装前処理装置。 - 【請求項10】前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が
満たされるリンス槽と、 前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引して前記リンス
槽に供給する第2の循環系と、 前記脱脂兼化成処理液に含まれる塵埃を除去する塵埃除
去手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
含まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段
と、 前記脱脂兼化成処理液に含まれる油分を除去する油分除
去手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液内
の水成分と極性有機溶剤とを分離する水−極性有機溶剤
分離手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記水−極性有機溶剤分
離手段により分離された水成分からイオン成分を除去
し、残余の水を前記リンス槽に戻すイオン除去手段と、
を備えた請求項1〜6の何れかに記載の塗装前処理装
置。 - 【請求項11】前記処理槽に脱脂兼化成処理液を補給す
る処理液補給槽をさらに備え、 前記イオン除去手段により得られた水の少なくとも一部
を前記処理液補給槽に供給する請求項10記載の塗装前
処理装置。 - 【請求項12】前記塵埃除去手段及び前記油分除去手段
が、前記第2の循環系に設けられている請求項10又は
11記載の塗装前処理装置。 - 【請求項13】前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引
して前記処理槽に戻す第1の循環系と、 前記第1の循環系に設けられ、流通液に含まれる塵埃を
除去する塵埃除去手段と、 前記第1の循環系に設けられ、流通液に含まれる化成ス
ラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、 前記第1の循環系に設けられ、流通液に含まれる油分を
除去する油分除去手段と、 前記第1の循環系に設けられ、前記塵埃除去手段、化成
スラッジ除去手段及び油分除去手段を通過した液を調整
して、前記処理槽に補給する処理液補給槽と、 前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が満たされるリン
ス槽と、 前記リンス槽内の液を吸引して、前記塵埃除去手段、化
成スラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の
手段へ導く第3の循環系と、を備えた請求項1〜6の何
れかに記載の塗装前処理装置。 - 【請求項14】前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手
段及び油分除去手段を通過した液の水成分と極性有機溶
剤とを分離し、極性有機溶剤成分を前記処理液補給槽へ
供給する水−極性有機溶剤分離手段をさらに備えた請求
項13記載の塗装前処理装置。 - 【請求項15】前記水−極性有機溶剤分離手段により分
離された水成分からイオン成分を除去し、残余の水を前
記リンス槽に戻すイオン除去手段をさらに備えた請求項
14記載の塗装前処理装置。 - 【請求項16】前記イオン除去手段により得られた水の
少なくとも一部を前記処理液補給槽に供給する請求項1
5記載の塗装前処理装置。 - 【請求項17】前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が
満たされるリンス槽と、 前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引して前記リンス
槽に供給する第2の循環系と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
含まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段
と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
含まれる油分を除去する油分除去手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液内
の水成分と極性有機溶剤とを分離する水−極性有機溶剤
分離手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記水−極性有機溶剤分
離手段により分離された水成分からイオン成分を除去し
残余の水を前記リンス槽に戻すイオン除去手段と、 前記リンス槽内の液を吸引して、前記塵埃除去手段、化
成スラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の
手段へ導く第3の循環系と、を備えた請求項1〜6の何
れかに記載の塗装前処理装置。 - 【請求項18】前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手
段及び油分除去手段を通過した液を調整して、前記処理
槽に補給する処理液補給槽をさらに備えた請求項17記
載の塗装前処理装置。 - 【請求項19】前記水−極性有機溶剤分離手段により分
離された極性有機溶剤を前記処理液補給槽へ供給する請
求項18記載の塗装前処理装置。 - 【請求項20】前記イオン除去手段により得られた水の
少なくとも一部を前記処理液補給槽に供給する請求項1
8又は19記載の塗装前処理装置。 - 【請求項21】前記塵埃除去手段は、セットリングタン
ク、遠心式セパレータおよびマグネットセパレータを単
独または複合してなる請求項7〜20の何れかに記載の
塗装前処理装置。 - 【請求項22】前記化成スラッジ除去手段は、前記処理
槽内の脱脂兼化成処理液のスラッジ濃度を150ppm
以下に抑制可能な全量濾過フィルタを有する請求項7〜
21の何れかに記載の塗装前処理装置。 - 【請求項23】前記油分除去手段は、加温式油分除去装
置、コアレッサー式油分除去装置および限外濾過式油分
除去装置を単独または複合してなる請求項7〜22の何
れかに記載の塗装前処理装置。 - 【請求項24】前記水−極性有機溶剤分離手段は、パー
ベーパーレーション法により水成分と極性有機溶剤とを
分離する請求項9〜12,14〜23の何れかに記載の
塗装前処理装置。 - 【請求項25】前記イオン除去手段は、陽イオン交換樹
脂aが充填された陽イオン交換塔と、陰イオン交換樹脂
bが充填された陰イオン交換塔と、陽イオン交換樹脂c
が充填されたイオン交換塔と、脱炭酸塔とを有する請求
項10〜12,15〜24の何れかに記載の塗装前処理
装置。 - 【請求項26】前記陽イオン交換樹脂aがキレート型陽
イオン交換樹脂であり、前記陰イオン交換樹脂bがスチ
レン系強塩基性陰イオン交換樹脂であり、前記陽イオン
交換樹脂cがスチレン系強酸性陽イオン交換樹脂である
請求項25記載の塗装前処理装置。 - 【請求項27】前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が
満たされるリンス槽と、 前記処理槽に脱脂兼化成処理液を補給する処理液補給槽
と、 前記処理槽及び前記リンス槽の液を減圧蒸留法を用いて
極性有機溶剤、水及び残余の汚泥に分離する減圧蒸留手
段と、を備え、 前記極性有機溶剤を前記処理液補給槽へ供給し、前記水
を前記処理液補給槽及び前記リンス槽へ供給する請求項
1〜6の何れかに記載の塗装前処理装置。 - 【請求項28】前記減圧蒸留手段の熱源として塗装乾燥
炉の廃熱を用いる請求項27記載の塗装前処理装置。 - 【請求項29】前記脱脂兼化成処理液は、アルコール、
グリコールエーテルまたはジエチレングリコールエーテ
ル系の極性有機溶剤と、水と、亜鉛イオンと、リン酸イ
オンと、マンガンイオンと、ニッケルイオンと、ナトリ
ウムイオンとを少なくとも含む請求項1〜28の何れか
に記載の塗装前処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002128225A JP2003320293A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | 塗装前処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002128225A JP2003320293A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | 塗装前処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003320293A true JP2003320293A (ja) | 2003-11-11 |
Family
ID=29542050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002128225A Pending JP2003320293A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | 塗装前処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003320293A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101142324B1 (ko) | 2011-09-27 | 2012-05-15 | 주식회사 세다 | 폐열 회수장치를 가진 도장 설비 |
JP2015192944A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 電着塗装化成工程の洗浄水処理 |
CN107442365A (zh) * | 2017-08-31 | 2017-12-08 | 中潜股份有限公司 | 用于潜水服生产的涂布机 |
-
2002
- 2002-04-30 JP JP2002128225A patent/JP2003320293A/ja active Pending
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JP2015192944A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 電着塗装化成工程の洗浄水処理 |
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