JP2003306778A - 塗装前処理装置 - Google Patents

塗装前処理装置

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JP2003306778A
JP2003306778A JP2002117069A JP2002117069A JP2003306778A JP 2003306778 A JP2003306778 A JP 2003306778A JP 2002117069 A JP2002117069 A JP 2002117069A JP 2002117069 A JP2002117069 A JP 2002117069A JP 2003306778 A JP2003306778 A JP 2003306778A
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tank
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degreasing
liquid
removing means
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JP2002117069A
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Osamu Tanaka
修 田中
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】処理工程の短縮による省スペース化、設備費、
生産性、薬剤費、管理工数、排水処理負担の低減できる
塗装前処理装置を提供する。 【解決手段】脱脂兼化成処理液が満たされる処理槽1
と、自動車ボディ9を回転させる回転駆動装置90を有
し、自動車ボディ9を移動させる車体搬送装置10とを
備える。回転駆動装置90が、入槽する自動車ボディ9
を鉛直方向に反転させ、出槽する自動車ボディ9をさら
に反転させる。処理槽1の処理液は、処理槽内の処理液
を循環させて処理槽に戻す第1の循環系11を介して、
塵埃を除去する塵埃除去装置2と、化成スラッジを除去
する化成スラッジ除去装置3と、油分を除去する油分除
去装置4と、新規な処理液を処理槽に補給する処理液補
給槽と、処理液内の水成分と極性有機溶剤とを分離して
極性有機溶剤成分を循環系に戻す水−極性有機溶剤分離
装置5と、水−極性有機溶剤分離装置により分離された
水成分からイオン成分を除去し残余の水を処理液補給槽
6に戻すイオン除去装置7とを循環する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防錆油、プレス
油、切削油等の油分が付着した金属表面に対し、脱脂処
理〜リン酸亜鉛化成処理までの塗装前処理を同一工程に
て実施する際に用いられる塗装前処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、鉄または亜鉛系めっきが施された
金属表面に対して、防錆性や塗装性を付与するためにリ
ン酸亜鉛化成処理が広く行われている。
【0003】この種のリン酸亜鉛処理の一般的な処理工
程は、脱脂→水洗→表面調整→化成処理(リン酸亜鉛処
理)→水洗→乾燥の順でそれぞれの処理が行われる。な
お、脱脂処理、脱脂水洗、表面調整は、必要に応じて多
段工程で行われる。
【0004】ところで、この化成処理工程で得られるリ
ン酸亜鉛化成処理皮膜が、塗装下地として優れた防錆性
及び塗装性を有するためには、皮膜重量が2〜5g/m
程度の均一かつ緻密な結晶皮膜であることが望まし
い。こうした結晶皮膜を実現するためには、特に皮膜析
出には、金属表面に付着している油分を除去する脱脂工
程が必須であり、皮膜結晶の緻密化には、チタンコロイ
ド系の処理液を用いた表面調整工程が必須であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなリン酸亜鉛処理を実施する場合、一般的に以下
の3つの問題点があった。
【0006】第1の問題として、全処理工程が非常に長
くなることが挙げられる。これにより処理設備が大がか
り且つ多数に及ぶようになること、また多くのスペース
が必要となるため費用がかかること、更に処理工程を全
て通過するのにかなりの時間を要するため生産性が低く
なる。
【0007】第2の問題として、管理項目が多いことが
挙げられる。例えば脱脂がアルカリ脱脂であれば、脱脂
のアルカリ度(全アルカリ、遊離アルカリ度)、チタン
コロイド系の表面調整を用いる場合には表面調整液の濃
度(全アルカリ度、チタン濃度)の管理というように、
管理すべき項目が多岐にわたり、操業上の大きな負担と
なる。しかも、個々の工程で薬剤が消費されていくた
め、コスト負担もかなり大きい。なお、脱脂液は被処理
物に付着して次工程(水洗工程)へ持ち出されることに
より消費されるとともに、定期的な廃棄更新時に消費さ
れる。また、表面調整液は、持ち出しや廃棄更新時によ
って消費され、更に、処理液の耐久性が低いために連続
的な部分更新(オートドレイン)を行う場合が多く、こ
れによっても消費される。
【0008】第3の問題として、洗浄水の排水量が多く
なる点が挙げられる。脱脂液が表面調整液やリン酸亜鉛
化成処理液に持ち込まれると不具合が生じることが多い
ため、脱脂工程の後には、必ず水洗工程が設置される。
また、リン酸亜鉛化成処理後についても、被処理物表面
に処理液が付着したままの状態では、塗装下地、防錆い
ずれの目的に用いた場合も不具合が発生するので、水洗
工程の設置は必須である。このように、脱脂後とリン酸
亜鉛化成処理後の2系統からの洗浄水が多量に排出され
ることにより、廃水処理への負担がかなり大きい。
【0009】本発明は、処理工程を短縮することによ
り、省スペース化、生産性向上、設備費・薬剤費・管理
工数・排水処理負担の大幅低減を達成できる塗装前処理
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明の第1の観点によれば、被塗物に対し
て脱脂処理、表面調整及び化成処理を行う塗装前処理装
置であって、脱脂兼化成処理槽が満たされる処理槽と、
前記被塗物を前記処理槽に移動させる被塗物搬送手段
と、を備え、前記被塗物搬送手段が、前記被塗物を回転
させる被塗物回転手段を有する塗装前処理装置が提供さ
れる(請求項1参照)。
【0011】上記発明においては特に限定されないが、
前記被塗物搬送手段が前記被塗物を前記処理槽に入槽さ
せる際に、前記被塗物回転手段が、前記被塗物を回転さ
せ、前記被塗物搬送手段が前記被塗物を前記処理槽から
出槽させる際に、前記被塗物回転手段が、前記被塗物を
回転させることがより好ましい(請求項2参照)。
【0012】本発明の処理槽には脱脂兼化成処理液が満
たされているので、最小の一工程で被処理物の脱脂処理
と化成処理を行うことができる。これにより、装置設置
スペースを省スペース化することができると同時に、設
備費を低減することができる。また、工程通過時間が短
くなるので生産性が向上する。
【0013】さらに、脱脂兼化成処理液を用いることで
前処理条件の管理工数を削減することができる。また、
この脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大幅に
削減することができ、洗浄液の使用量が激減すると同時
に、廃水処理工程の負担も軽減される。
【0014】また、被塗物搬送手段に具備された被塗物
回転手段で、被塗物を処理槽に回転させて入出槽させる
ことにより、処理槽の出入口部に入出槽のための傾斜面
を具備させる必要がなくなり、搬送方向に対する処理槽
の長さを短縮することが可能となる。なお、後述するリ
ンス槽にこの被塗物回転手段を適用しても同様の効果を
得ることが可能である。
【0015】さらに、上記発明においては特に限定され
ないが、前記被塗物搬送手段が前記被塗物を前記処理槽
に入槽させる際に、前記被塗物回転手段が、前記被塗物
を鉛直方向に反転させ、前記被塗物搬送手段が、前記被
塗物を鉛直方向に反転させた状態で移動させ、前記被塗
物搬送手段が前記被塗物を前記処理槽から出槽させる際
に、前記被塗物回転手段が、前記被塗物を鉛直方向にさ
らに反転させることがより好ましい(請求項3参照)。
【0016】被塗物回転手段で被塗物を鉛直方向に反転
させ、処理槽内において例えば品質が重視される部分を
鉛直下向きに向けることにより、当該品質重視部分にお
けるエアーポケットの発生がなくなり、塵埃等が付着す
るのを防止することが可能となる。さらに、被塗物が袋
構造部を有する場合には、処理槽内で被塗物を回転させ
ることにより、当該袋構造部内の処理性が向上する。
【0017】(2)上記請求項1〜3の何れかに記載の
発明に、前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引して前
記処理槽に戻す第1の循環系と、前記脱脂兼化成処理液
に含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段と、前記第1の
循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる化
成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、前記脱
脂兼化成処理液に含まれる油分を除去する油分除去手段
と、前記第1の循環系に設けられ、前記塵埃除去手段、
化成スラッジ除去手段及び油分除去手段を通過した液を
調整して、前記処理槽に補給する処理液補給槽と、をさ
らに付加することも出来る(請求項4参照)。
【0018】本発明では、処理槽内の脱脂兼化成処理液
は、第1の循環系によって吸引され処理槽へ戻されるの
で、処理液のクローズド化が達成でき、材料費の低減に
よるコストダウンを図ることができる。
【0019】ちなみに、塵埃除去手段は第1の循環系に
設けることができるほか、第1の循環系以外、たとえば
処理槽内または処理槽外にも設けることができる。塵埃
除去手段を第1の循環系に設けた場合には、処理槽内の
処理液は、処理槽→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→
油分除去手段→処理液補給槽→処理槽と循環される。な
お、上記発明において、塵埃除去手段、スラッジ除去手
段および油分除去手段の順序は特に限定されず、上述し
た順序以外の順序であっても良い。
【0020】(3)上記請求項1〜3の何れかに記載の
発明に、前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が満たさ
れるリンス槽と、前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸
引して前記リンス槽に供給する第2の循環系と、前記脱
脂兼化成処理液に含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段
と、前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理
液に含まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去
手段と、前記脱脂兼化成処理液に含まれる油分を除去す
る油分除去手段と、前記第2の循環系に設けられ、前記
脱脂兼化成処理液内の水成分と極性有機溶剤とを分離す
る水−極性有機溶剤分離手段と、前記第2の循環系に設
けられ、前記水−極性有機溶剤分離手段により分離され
た水成分からイオン成分を除去し、残余の水を前記リン
ス槽に戻すイオン除去手段と、をさらに付加することも
出来る(請求項7参照)。
【0021】本発明では、処理槽内の脱脂兼化成処理液
は、第2の循環系によって吸引され、水−極性有機溶剤
分離手段によって水成分が抽出され、さらにこの水成分
からイオン除去手段によってイオン成分が除去されるの
で、純水をリンス槽へ供給することができる。これによ
り、処理液のクローズド化が達成でき、再生率が向上し
て、材料費の低減によるコストダウンと廃水処理工程の
負担軽減とを図ることができる。
【0022】ちなみに、塵埃除去手段は第2の循環系に
設けることができるほか、第2の循環系以外、たとえば
処理槽内または処理槽外にも設けることができる。塵埃
除去手段を第2の循環系に設けた場合には、処理槽内の
処理液は、処理槽→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→
油分除去手段→水−極性有機溶剤分離手段→イオン除去
手段→リンス槽と循環される。なお、上記発明におい
て、塵埃除去手段、スラッジ除去手段および油分除去手
段の順序は特に限定されず、上述した順序以外の順序で
あっても良い。
【0023】(4)上記請求項1〜3の何れかに記載の
発明に、前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引して前
記処理槽に戻す第1の循環系と、前記第1の循環系に設
けられ、流通液に含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段
と、前記第1の循環系に設けられ、流通液に含まれる化
成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、前記第
1の循環系に設けられ、流通液に含まれる油分を除去す
る油分除去手段と、前記第1の循環系に設けられ、前記
塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び油分除去手段
を通過した液を調整して、前記処理槽に補給する処理液
補給槽と、前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が満た
されるリンス槽と、前記リンス槽内の液を吸引して、前
記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段及び油分除去手
段のうちの最上流の手段へ導く第3の循環系と、をさら
に付加することも出来る(請求項10参照)。
【0024】本発明では、処理槽内の処理液は、処理槽
→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→油分除去手段→処
理液補給槽→処理槽と循環される一方で、リンス槽内の
液は、リンス槽→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→油
分除去手段→処理液補給槽→処理槽と循環される。
【0025】本発明では、上述した発明の作用効果に加
えて、以下の作用効果を奏する。すなわち本発明では、
処理槽内の脱脂兼化成処理液は、第1の循環系によって
吸引され処理槽へ戻される一方で、リンス槽内の液は、
第3の循環系によって吸引され、塵埃除去手段、化成ス
ラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の手段
へ導かれる。
【0026】これにより、リンス槽内の液から塵埃、ス
ラッジおよび油分を除去できるとともに、当該液に含ま
れる極性有機溶剤成分を処理液補給手段を介して処理槽
へ戻すことができる。すなわち、処理液に加えてリンス
槽内の液のクローズド化も達成でき、材料費の低減によ
るコストダウンと廃水処理工程の負担軽減とを図ること
ができる。
【0027】なお、上記発明において、塵埃除去手段、
スラッジ除去手段および油分除去手段の順序は特に限定
されず、上述した順序以外の順序であっても良い。
【0028】(5)上記請求項1〜3の何れかに記載の
発明に、前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が満たさ
れるリンス槽と、前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸
引して前記リンス槽に供給する第2の循環系と、前記第
2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれ
る塵埃を除去する塵埃除去手段と、前記第2の循環系に
設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる化成スラッ
ジを除去する化成スラッジ除去手段と、前記第2の循環
系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に含まれる油分を
除去する油分除去手段と、前記第2の循環系に設けら
れ、前記脱脂兼化成処理液内の水成分と極性有機溶剤と
を分離する水−極性有機溶剤分離手段と、前記第2の循
環系に設けられ、前記水−極性有機溶剤分離手段により
分離された水成分からイオン成分を除去し残余の水を前
記リンス槽に戻すイオン除去手段と、前記リンス槽内の
液を吸引して、前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手
段及び油分除去手段のうちの最上流の手段へ導く第3の
循環系と、をさらに付加することも出来る(請求項14
参照)。
【0029】本発明では、処理槽内の処理液は、処理槽
→塵埃除去手段→スラッジ除去手段→油分除去手段→水
−極性有機溶剤分離手段→イオン除去手段→リンス槽と
循環される一方で、リンス槽内の液は、リンス槽→塵埃
除去手段→スラッジ除去手段→油分除去手段→水−極性
有機溶剤分離手段→イオン除去手段→リンス槽と循環さ
れる。
【0030】本発明では、上述した発明の作用効果に加
えて、以下の作用効果を奏する。すなわち本発明では、
処理槽内の脱脂兼化成処理液は、第2の循環系によって
吸引されリンス槽へ供給される一方で、リンス槽内の液
は、第3の循環系によって吸引され、塵埃除去手段、化
成スラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の
手段へ導かれる。
【0031】これにより、リンス槽内の液から塵埃、ス
ラッジおよび油分を除去できるとともに、当該液に含ま
れる水をリンス槽へ戻すことができる。すなわち、処理
液に加えてリンス槽内の液のクローズド化も達成でき、
材料費の低減によるコストダウンと廃水処理工程の負担
軽減とを図ることができる。
【0032】なお、上記発明において、塵埃除去手段、
スラッジ除去手段および油分除去手段の順序は特に限定
されず、上述した順序以外の順序であっても良い。
【0033】(6)上記発明において、特に限定されな
いが、脱脂兼化成処理液としては、アルコール、グリコ
ールエーテルまたはジエチレングリコールエーテル系の
極性有機溶剤と、水と、亜鉛イオンと、リン酸イオン
と、マンガンイオンと、ニッケルイオンと、ナトリウム
イオンとを少なくとも含むことが、より好ましい(請求
項24参照)。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、最小の一工程にて脱脂
処理と化成処理を行うことができ、装置設置スペースを
省スペース化することができると同時に、設備費を低減
することができる。さらに、工程通過時間が短くなるの
で生産性が向上する。
【0035】また、脱脂兼化成処理液を用いることで前
処理条件の管理工数を削減することができる。また、こ
の脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大幅に削
減することができ、洗浄液の使用量が減少することによ
り廃水処理工程の負担が軽減される。
【0036】また、処理槽への入出槽時に被塗物を回転
させることにより、搬送方向に対する処理槽の長さを短
縮することが可能となる。また、反転させて槽内を移動
させることにより、品質重視部分へのエアーポケットの
発生及び塵埃の付着を防止することが可能となる。さら
に脱脂化成処理槽内で自動車ボディを回転させることに
より、袋構造部内の処理性が向上する。
【0037】また、前処理液のクローズド化が達成でき
るので、材料費の低減によるコストダウンと、廃水処理
工程の負担軽減とを図ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。 [第1実施形態]図1は本発明の塗装前処理装置の実施
形態を示す図、図2は本発明の第1実施形態における処
理槽への入槽、浸漬、出槽工程を概略的に図示した図、
図3は図2の概略平面図、図4は図2及び図3に示す車
体搬送装置の回転駆動装置の周囲の要部断面図、図5は
本発明に係る塵埃除去手段の実施形態を示す斜視図およ
び断面図、図6は本発明に係る塵埃除去手段の他の実施
形態を示す斜視図、図7は本発明に係る塵埃除去手段の
さらに他の実施形態を示す断面図、図8は本発明に係る
水−極性有機溶剤分離手段の実施形態を示す概念図、図
9は本発明に係るイオン除去手段の実施形態を示す概念
図である。
【0039】図1は、たとえば自動車ボディなどの被塗
装物に対し、脱脂処理、表面調整及び化成処理を行う塗
装前処理工程を示している。同図に示すように、自動車
ボディ9は、スキッド86に固定された状態で車体搬送
装置10によって搬送される。本実施形態では、車体搬
送装置10に沿って2つのディッピング槽1,8が設け
られ、図に矢印で示す搬送方向の上流側が脱脂処理及び
化成処理処理を行うための処理槽1(以下、脱脂化成処
理槽1ともいう。)であり、下流側が処理後のボディ9
を洗浄するためのリンス槽8である。処理槽1には脱脂
兼化成処理液が満たされ、リンス槽8には純水が満たさ
れている。
【0040】本例で用いられる脱脂兼化成処理液は、脱
脂処理、表面調整および化成処理といった3種類の処理
を同一工程で行うことができる処理液である。こうした
脱脂兼化成処理液としては、例えば、アルコール、グリ
コールエーテルまたはジエチレングリコールエーテル系
の極性有機溶剤と、水と、亜鉛イオンと、リン酸イオン
と、マンガンイオンと、ニッケルイオンと、ナトリウム
イオンとを少なくとも含む処理液を用いることができ
る。この処理液を用いることにより、脱脂工程、表面調
整工程及び化成工程がまとめて1つの工程で同時に行う
ことができ、大幅な処理工程の短縮、処理設備の簡略
化、省スペース化、生産性の向上、薬剤コストの低減、
薬剤管理の簡略化を図ることができる。
【0041】図1〜図4に示すように、本発明の第1実
施形態においては、被塗物である自動車ボディ9を上述
の2つのディッピング槽1、8に移動させ、浸漬させる
ための車体搬送装置10が設けられている。当該車体搬
送手段10は、コンベア80と、回転軸85及びスキッ
ド86と、回転駆動装置90とから構成される。
【0042】コンベア80は、自動車ボディ9を前工程
から上述の脱脂化成処理槽1及びリンス槽8の上方を経
由して後工程に移動させるための手段である。図1に示
すように、搬送方向に対して脱脂化成処理槽1の前方か
らリンス槽8の後方まで、互いに一定の間隔で平行に、
脱脂化成処理槽1とリンス槽8との上方に2つのコンベ
ア80が設けられている。さらに当該コンベア80は、
特に図示しないが、リンス槽8の後方にて反転し、脱脂
化成処理槽1及びリンス槽8の下側を経由して脱脂化成
処理槽1の前方に戻って循環するような環状形状となっ
ている。なお、この2つのコンベア80の間隔は、自動
車ボディ9の幅を十分に許容する間隔である。
【0043】図4に示すように、このコンベア80は、
コンベアチェーン81と、コンベアレール82と、コン
ベア支持部材83とから構成される。コンベア支持部材
83がコンベアレール82を固定して支持しており、コ
ンベアチェーン81が当該コンベアレール82の上を移
動可能に支持されている。そして、コンベアチェーン8
1には、複数の第1の軸受84が一定間隔で固定されて
おり、当該第1の軸受84が回転軸85を回転可能に支
持している。なお、コンベアチェーン81は、図示しな
い動力により駆動されており、上述のコンベアチェーン
81に具備された複数の第1の軸受84のそれぞれが同
期して移動される。
【0044】スキッド86は、自動車ボディ9を固定
し、上述の回転軸85と共に移動する手段であり、例え
ば自動車ボディ9のフロア部9aに設けられた図示しな
い位置決め用穴部にボディ固定部86aを係合させるこ
とにより当該スキッド86と自動車ボディ9とが固定さ
れる。さらに、スキッド86が回転軸接続部86bによ
り回転軸85に固定されており、これにより、スキッド
86及びスキッド86に固定された自動車ボディ9が回
転軸85と共に回転し、後述するように自動車ボディ9
が反転して脱脂化成処理槽1内に浸漬される。図2の中
央部に示す脱脂化成処理槽1内の自動車ボディ9、図3
及び図4の点線により示した自動車ボディ9は、当該回
転軸85と共に回転された自動車ボディ9を示してい
る。上述のようなコンベアチェーン81に設けられた複
数の第1の軸受84に対して、この回転軸85がそれぞ
れ回転可能に支持されている。
【0045】図4に示すように、回転駆動装置90は、
回転軸85を回転させてスキッド86に固定された自動
車ボディ9を回転させるための手段であり、上述の平行
な2つのコンベア80の一方の側の回転軸85の端部
(図3において下側)に設けられている。この回転駆動
装置90は、2つのかさ歯車91a、91bと、2つの
歯車92a、92bと、3つの軸受93a、93b、9
3cと、2つの駆動軸94a、94bと、駆動用モータ
95と、駆動装置用カバー96とから構成されている。
【0046】駆動用モータ95の第1の駆動軸94aに
は、第1の平歯車92aが取り付けられており、当該第
1の平歯車92aは第2の平歯車92bに咬合してい
る。駆動用モータ95及び第2の軸受92aは、駆動装
置用カバー96に固定されており、駆動用モータ94の
第1の駆動軸94aの端部は、第2の軸受93aにより
回転可能に支持されている。第1の平歯車92aと咬合
する第2の平歯車92bは、第2の駆動軸94bの一方
の端部の近傍に取り付けられており、当該第2の駆動軸
94bの他方の端部には、第1のかさ歯車91aが固定
されている。なお、第2の駆動軸94bは、第3の軸受
93b及び第4の軸受93cに回転可能に支持されてお
り、当該第3の軸受93b及び第4の軸受93cは、駆
動装置用カバー96に固定されている。当該第1のかさ
歯車91aは、回転軸85の一方の端部に取り付けられ
た第2のかさ歯車91bと咬合している。以上の伝達手
段を介して、駆動用モータ95の回転駆動が回転軸85
に伝達される。駆動装置用カバー96の内部にこれらが
収納されており、回転軸85は駆動装置用カバー96を
貫通し、回転可能となっている。さらに、駆動装置用カ
バー96は駆動装置固定部96aにより自動車ボディ9
と共に回転しない箇所、例えばコンベアチェーン81に
固定されている。なお、駆動用モータ95には、図示し
ない動力供給源から例えば電力等の動力が供給されてい
る。この回転駆動装置90が、コンベアチェーン81に
所定の間隔で設けられた第1の軸受84に回転可能に支
持される各回転軸85に設けられており、自動車ボディ
9を固定したスキッド86と共に移動する。
【0047】さらに、図3に示すように本発明の第1実
施形態においては、上述の平行な2つのコンベア80の
他方の側(図3において上側)には、処理槽1への入出
槽時の自動車ボディ9の回転開始のためのリミットスイ
ッチ98が、脱脂化成処理槽1の入口部の近傍及びと出
口部の近傍の所定の箇所にそれぞれ設けられている。ま
た、上述の平行な2つのコンベア80の他方の側の各回
転軸85の端部(図3において上側)には、当該リミッ
トスイッチ98をオンするためのリミットスイッチ用ピ
ン99が設けられている。コンベア80により回転軸8
5が移動することにより、このリミットスイッチ用ピン
99がリミットスイッチ98に接触し、当該リミットス
イッチ98をオンすることにより、自動車ボディ9が所
定の位置に到達したことが検知され、車体搬送装置10
に具備された複数の回転駆動装置90を制御する制御装
置90により、該当する回転駆動装置90に回転開始の
指示が送信され、当該指示に基づき駆動用モータ95を
駆動させ、自動車ボディ9を反転させて入出槽させる。
【0048】図2に示すように、車体搬送装置10のコ
ンベア80により、自動車ボディ9を固定した状態のス
キッド86が、脱脂化成処理槽1の入口部の近傍に移動
される。そして、脱脂化成処理槽1の入口部の近傍の所
定の位置に設けられたリミットスイッチ98に、回転軸
85の端部に具備されたリミットスイッチ用ピン99が
接触すると、自動車ボディ9が所定の位置に到達したこ
とが検知される。当該検知に基いて、制御装置97が、
該当する回転駆動装置90に回転開始の指示を送信す
る。当該指示に基づき回転駆動装置90の駆動用モータ
95が駆動を開始し、自動車ボディ9を搬送方向に対す
る前方部を鉛直下向き(図2において時計回り)に約1
80°回転させたら駆動を停止する。この状態において
自動車ボディ9は脱脂化成処理槽1に完全に浸漬する。
【0049】そして、自動車ボディ9は、反転した状態
を維持したまま、脱脂化成処理槽1内をコンベア80に
より、脱脂化成処理槽1の出口部の近傍に移動する。こ
のように、鉛直方向に反転した状態で脱脂化成処理槽内
を移動させることにより、品質が重視されるルーフ部、
フード部等におけるエアーポケットの発生がなくなり、
鉄粉等のゴミブツが付着するのを防止することが可能と
なる。
【0050】次に、脱脂化成処理槽1の出口部の近傍の
所定の位置に設けられたリミットスイッチ98に、回転
軸85の端部に具備されたリミットスイッチ用ピン99
が接触すると、自動車ボディ9が所定位置に到達したこ
とが検知される。当該検知に基づいて、制御装置97
が、該当する回転駆動装置90に回転開始の指示を送信
する。当該指示に基づき回転駆動装置90の駆動用モー
タ95が駆動を開始し、自動車ボディ9を搬送方向に対
する前方部を鉛直下向き(図2において時計回り)に約
180°回転させたら駆動を停止する。この状態におい
て自動車ボディ9の脱脂化成処理槽1からの出槽が完了
する。従って、回転駆動装置90は、入槽から出槽まで
の間に自動車ボディ9を約360°回転させることとな
る。なお、当該回転動作中においてもスキッド86は、
コンベア80により継続して移動している。
【0051】なお、リンス槽8においても、上述と同様
に所定の位置にリミットスイッチ88が設けられてお
り、自動車ボディ9が当該リンス槽8に反転して入槽さ
れ、その状態を維持して移動し、さらに反転して出槽さ
れる。
【0052】以上のように、自動車ボディのディッピン
グ槽への入出槽を回転動作とすることにより、ディッピ
ング槽の出入口部に傾斜面を具備させる必要がなくな
り、即ちディッピング槽の形状を船型形状とする必要が
なくなり、搬送方向に対するディッピング槽の長さを短
縮することが可能となる。また、脱脂化成処理槽内で自
動車ボディ9を回転させることにより、袋構造部内の処
理性が向上する。
【0053】なお、鉛直方向に反転した状態で移動され
る間に、回転駆動装置により自動車ボディを揺らすよう
な作用を加えたり、又はディッピング槽内で自動車ボデ
ィを複数回の回転をさせることにより、袋構造部の処理
性をさらに向上させることが可能である。代わりに、自
動車ボディの側面部が搬送方向に向くような状態で自動
車ボディをスキッドに固定しても良く、或いは、搬送方
向に対して垂直な軸に対する回転や搬送方向に平行な軸
に対する回転としても同様の効果を得ることが可能であ
る。
【0054】図1に示すように、脱脂化成処理槽1に
は、当該脱脂化成処理槽1内の処理液をポンプ14によ
り吸引して、再び脱脂化成処理槽1へ戻すように循環さ
せる循環系11が設けられ、この循環系11に、上流側
から順に、塵埃除去装置2、化成スラッジ除去装置3、
油分除去装置4が設けられている。
【0055】塵埃除去装置2は、脱脂化成処理槽1内の
処理液およびリンス槽8内の洗浄液に含まれた鉄粉等の
ゴミブツを除去するもので、除去されたゴミブツは廃棄
され、ゴミブツが除去された処理液は次の化成スラッジ
除去装置3に送られる。本例の塵埃除去装置2として用
いることのできる具体的装置として、セットリングタン
ク、遠心式セパレータ、マグネット式セパレータを挙げ
ることができる。以下、各々について説明する。
【0056】塵埃除去装置2の一例としてのセットリン
グタンク21は、図5に示すように、タンク211内に
流路212を蛇行させる仕切り板213が設けられたも
のであり、入口214から入った処理液は、仕切板21
3によりタンク内部を蛇行し、出口215に至ることに
なる。このとき、処理液の上昇流速を鉄粉等のゴミブツ
の沈降速度よりも抑えることで、タンク211の底面に
鉄粉等のゴミブツを堆積させ、処理液のクリーン化を図
ることができる。なお、セットリングタンク21は簡易
な装置として廉価であり、処理液中に浮遊する軽いゴミ
以外の比較的重いゴミに対して効果的である。
【0057】塵埃除去装置2の他例としての遠心式セパ
レータ22は、図6に示すように、入口221から入っ
た処理液と鉄粉等のゴミブツを、接線方向に設けられた
スリット状の特殊回転機構222を通過させることによ
り加速させ、液体より重い固形物(ゴミブツ)を遠心力
により内壁に沿って下部のコレクションチャンバー22
3に分離し、固形分出口224から排出する一方で、処
理液を内側管225から上昇せしめて処理液出口226
から排出する。これにより、処理液のクリーン化を図る
装置である。
【0058】塵埃除去装置2の他例としてのマグネット
式セパレータ23は、図7に示すように、磁石が内蔵さ
れたドラム231を図の矢印方向に回転させながら、入
口232から処理液を導入し、この処理液がドラム23
1に接する流路233を通過する際に、鉄分のような磁
性のあるゴミブツを除去する装置である。ドラム231
に磁力によって付着したゴミブツはスクレーパ234に
より掻き取られる一方で、ゴミブツが除去された処理液
は出口235から排出される。
【0059】なお、上述した塵埃除去装置21,22,
23は、単独でも複合でも用いることができ、特に、セ
ットリングタンク21とマグネット式セパレータ23の
組み合わせたものは、ゴミブツの除去率が高く、最も好
ましい。
【0060】ただし、本発明に係る塵埃除去手段は、上
述した3形態にのみ限定される趣旨ではなく、その他の
形態のものも含まれる。また、本例の塵埃除去装置2は
循環系11に設けたが、本発明に係る塵埃除去手段は循
環系11に設けるほか、脱脂化成処理槽1そのものの内
部又は外部に設けることも含む趣旨である。
【0061】図1に戻り、化成スラッジ除去装置3は、
上述した塵埃除去装置2を通過した処理液に含まれる化
成スラッジを除去するもので、除去された化成スラッジ
は廃棄され、化成スラッジが除去された処理液は、次の
油分除去装置4へ送られる。この化成スラッジ除去装置
3としては、図1に示す脱脂化成処理槽1中の処理液の
スラッジ濃度が、150ppm以内に抑制され、処理液
を汚染することのないようなフィルターであれば、特に
限定されず用いることができる。
【0062】油分除去装置4は、上述した化成スラッジ
除去装置3を通過した処理液に含まれる油分を除去する
もので、除去された油分は廃棄され、油分が除去された
処理液は、処理液補給槽6および水−極性有機溶剤分離
装置5へ送られる。
【0063】本発明にて用いることができる油分除去装
置4としては、加温式油分除去装置、コアレッサー式油
分除去装置、限外濾過式油分除去装置を挙げることがで
きる。このうちの加温式油分除去装置は、ノニオン系界
面活性剤が脱脂成分として含有されている水溶液に適用
して好ましいもので、これを特定温度以上に加熱する
と、それ自身が水に不溶化し、非イオン性界面活性剤か
らなる油相と水相との2相に油水分離するといった、ノ
ニオン系界面活性剤の特徴を利用した油分除去装置であ
る。
【0064】また、コアレッサー式油分除去装置は、水
溶液中に数μmの大きさで分散している油滴をフィルタ
ーを通過させることにより水−油のエマルションを破壊
することで、油滴を拡大成長させ、浮上回収することが
可能な油分除去装置である。
【0065】限外濾過式油分除去装置は、限外濾過、即
ち、0.01〜0.001μm程度のメッシュからなる
フィルターを用い、0.5〜5×10−5Pa程度の低
圧力にて加圧もしくは吸引濾過することで、コロイド粒
子を溶媒から分離する濾過方法を用いた油分除去装置で
ある。
【0066】これらの油分除去装置4は、要求される油
水分離度合いにより選択し、単独でも複合でも用いるこ
とができる。
【0067】図1に示すように、循環系11の油分除去
装置4の下流側には、処理液補給槽6、水−極性有機溶
剤分離装置5およびイオン除去装置7が設けられてい
る。
【0068】処理液補給槽6は、塵埃除去装置2、化成
スラッジ除去装置3および油分除去装置4を通過してゴ
ミブツ、化成スラッジおよび油分が除去された脱脂化成
処理液が一時的に貯留されるもので、これ以外にも、後
述する水−極性有機溶剤分離装置5によって水分が除去
された極性有機溶剤と、イオン除去装置7によってイオ
ン成分が除去された水が供給される。そして、新規な脱
脂兼化成処理液が収容された処理液タンク15からポン
プ16によって新規な脱脂兼化成処理液が補給及び調整
されて、脱脂化成処理槽1に戻される。
【0069】水−極性有機溶剤分離装置5は、油分除去
装置4を通過した処理液から水成分と極性有機溶剤成分
とを分離するもので、分離された水成分はイオン除去装
置7へ供給され、分離された極性有機溶剤成分は処理液
補給槽6へ供給される。
【0070】本例にて使用される脱脂兼化成処理液に含
まれる極性有機溶媒としては、上述したようにアルコー
ル、グリコールエーテル、ジエチレングリコールエーテ
ル系であり、本例の水−極性有機溶剤分離装置5として
は、これらの極性有機溶媒と水とを効率よく、且つ安価
で分離できる方法を用いることが望ましい。こうした分
離方法としては、パーベーパレーションと呼ばれる分離
方法を挙げることができる。これは、図8に示すように
選択透過性を有する分離膜51(非多孔膜:1nm以下
の孔を有する膜)の一方側(供給側)52に、分離すべ
き極性有機溶媒と水との混合液をそのまま供給し、分離
膜51の他方側(透過側)53を真空又は減圧状態にす
る。そして、供給側52と透過側53の圧力差を駆動力
として、高圧側(供給側)52から低圧側(透過側)5
3に混合液を移動させる際、物質種類毎に拡散速度が著
しく異なる選択透過性を有する分離膜51を介在させる
ことで、極性有機溶媒と水を分離させる。
【0071】上述した分離膜51としては、「支持膜上
にマイレン酸で架橋したPVA膜をのせた複合膜(特開
昭59−109204号公報)」、「K塩で処理した、
カルボキシメチルセルロース80%とポリアクリレート
20%の混合膜(J.Memb.Sci.,32,20
7(1987)」、「PNA支持膜上に架橋したPVA
膜上載せた複合膜(J.Memb.Sci.,36,4
63(1988)」、「キトサン誘導体の中空糸膜(日
化年会(1989))」、「アルギン酸コバルト膜(特
開昭61−404号公報)」、「キトサン硫酸塩膜(国
際膜学会(1987))」、「PNA基膜表面を加水分
解したポリアクリル酸とアイオネン型ポリカチオンとの
ポリイオンコンプレックス複合膜(特開平1−2240
03号公報)」などが挙げられる。
【0072】イオン除去装置7は、水−極性有機溶剤分
離装置5から供給された水成分からイオン成分を除去す
るもので、除去されたイオン成分は廃棄され、残りの水
は処理液補給槽6およびリンス槽8へ供給される。本例
で用いられるイオン除去装置7は、特殊なものではな
く、図9に示すように、脱脂兼化成処理液中に含まれる
カチオン成分、例えば亜鉛イオン、ニッケルイオン、マ
ンガンイオンを除去できるキレート樹脂型陽イオン交換
樹脂を充填したイオン交換塔71と、脱脂兼化成処理液
中に含まれるアニオン成分、例えばリン酸根、硝酸根等
を除去できるスチレン系強塩基性陰イオン交換樹脂を充
填したイオン交換塔72を備え、更に水の純水度を高め
るために通常使用されている純水製造装置であるH型の
強酸性陽イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔73
と、脱炭酸塔74と、OH型のスチレン系強塩基性陰イ
オン交換樹脂を充填した陰イオン交換塔75とからなる
イオン除去装置を備えた純水製造装置である。
【0073】本例の塗装前処理装置は以上の構成を有
し、以下の5つの循環系を備えている。図1に示すよう
に、まず第1の循環系11は、脱脂化成処理槽1内の処
理液が、脱脂化成処理槽1→塵埃除去装置2→化成スラ
ッジ除去装置3→油分除去装置4→処理液補給槽6→脱
脂化成処理槽1と循環する循環系である。これが請求項
4記載の第1の循環系に相当する。
【0074】第2の循環系12は、脱脂化成処理槽1内
の処理液が、脱脂化成処理槽1→塵埃除去装置2→化成
スラッジ除去装置3→油分除去装置4→水−極性有機溶
剤分離装置5→イオン除去装置7→リンス槽8と循環す
る循環系である。これが請求項7記載の第2の循環系に
相当する。
【0075】第3の循環系13は、リンス槽8内の液を
配管17及びポンプ18によって塵埃除去装置2に導
き、以後、当該塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置
3→油分除去装置4と循環する循環系である。これが請
求項10記載の第3の循環系に相当する。
【0076】また、これに加えて以下の循環系が構成さ
れている。第4の循環系111としては、上述した第1
の循環系11、すなわち脱脂化成処理槽1→塵埃除去装
置2→化成スラッジ除去装置3→油分除去装置4→処理
液補給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回路に、水−極性有
機溶剤分離装置5を付加し、この水−極性有機溶剤分離
装置5によって分離された極性有機溶剤を処理液補給槽
6へ供給する循環系である。これが請求項6記載の循環
系に相当する。
【0077】第5の循環系121としては、上述した第
2の循環系12、すなわち脱脂化成処理槽1→塵埃除去
装置2→化成スラッジ除去装置3→油分除去装置4→水
−極性有機溶剤分離装置5→イオン除去装置7→リンス
槽8の閉回路に、処理液補給槽6を付加し、イオン除去
装置7によってイオンが除去された純水の一部を処理液
補給槽6へ供給する循環系である。これが請求項8記載
の循環系に相当する。
【0078】第6の循環系131としては、上述した第
3の循環系13、すなわちリンス槽8及び脱脂化成処理
槽1→塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置3→油分
除去装置4→処理液補給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回
路に、水−極性有機溶剤分離装置5を付加し、この水−
極性有機溶剤分離装置5によって分離された極性有機溶
剤を処理液補給槽6へ供給する循環系である。これが請
求項11記載の循環系に相当する。
【0079】第7の循環系132としては、上述した第
6の循環系131、すなわちリンス槽8及び脱脂化成処
理槽1→塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置3→油
分除去装置4→水−極性有機溶剤分離装置5→処理液補
給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回路に、イオン除去装置
7を付加し、水−極性有機溶剤分離装置5によって分離
された水分からイオンを除去し、イオンが除去された水
をリンス槽8へ供給する循環系である。これが請求項1
2記載の循環系に相当する。
【0080】また、第8の循環系133としては、上述
した第6の循環系131、すなわちリンス槽8及び脱脂
化成処理槽1→塵埃除去装置2→化成スラッジ除去装置
3→油分除去装置4→水−極性有機溶剤分離装置5→処
理液補給槽6→脱脂化成処理槽1の閉回路に、イオン除
去装置7を付加し、水−極性有機溶剤分離装置5によっ
て分離された水分からイオンを除去し、イオンが除去さ
れた水を処理液補給槽6へ供給する循環系である。これ
が請求項13記載の循環系に相当する。
【0081】このように、本実施形態の前処理装置は、
大きく分類すると第1乃至第3の3つの循環系、さらに
細かく分類すると8つの循環系を有するので、脱脂化成
処理槽1の処理液組成を安定させ、連続処理においても
品質ばらつきがなく良好な化成処理皮膜の生成を可能に
する。
【0082】また、第3の循環系を有することで、リン
ス槽8の洗浄水の電気伝導度を20μS/cm以下の範
囲に保ち、油分、処理液、鉄等のゴミブツが処理物の表
面に付着することが防止でき、しかも次工程への持ち出
しを極力減らすことができる。
【0083】[第2実施形態]図10は本発明の塗装前
処理装置の他の実施形態を示す図、図11は本実施形態
に係る減圧蒸留装置を示す概念図である。
【0084】本実施形態の前処理装置では、上述した第
1実施形態の塵埃除去装置2,化成スラッジ除去装置
3,油分除去装置4,水−極性有機溶剤分離装置5及び
イオン除去装置7に代えて、減圧蒸留装置20が設けら
れている。
【0085】脱脂化成処理槽1内の処理液及びリンス槽
8内の液は、ポンプ14及びポンプ18によりそれぞれ
吸引されて、減圧蒸留装置20に供給され、ここで極性
有機溶剤と水とその他の物質とが分離される。減圧蒸留
装置20で分離された極性有機溶剤は、処理液補給槽6
へ供給されるとともに、同じく減圧蒸留装置20で分離
された水の一部は処理液補給槽6へ供給され、残りの水
はリンス槽8へ供給される。
【0086】減圧蒸留装置20で分離された極性有機溶
剤及び水以外の物質とは、鉄粉などのゴミブツ、化成ス
ラッジ及び油分であり、これらの汚泥は減圧蒸留装置2
0から廃棄される。
【0087】図11に減圧蒸留装置20の概念図を示
す。減圧蒸留とは、たとえば数十〜10−2Torr程
度の低圧にし、沸点を下げて蒸留する方法である。本例
では、処理液から極性有機溶剤及び水を別々に分離した
いので、同図に示すように2機の減圧蒸留装置201,
202を設けている。何れも同じ構造であり、処理液が
供給される装置本体203を有し、この装置本体203
内は真空ポンプ204によって減圧される。また、装置
本体203内を所定の温度まで昇温するための加熱器2
05が設けられており、これにより装置本体203内に
導入された処理液が減圧状態下で加熱され、その加熱温
度を目的とする物質の沸点に設定することで、その目的
物質のみが蒸発して蒸発管206に導かれ、冷却器20
7によって液化する。
【0088】上述したように、本例では、処理液から極
性有機溶剤及び水を別々に分離したいので、同図に示す
初段の減圧蒸留装置201にて極性有機溶剤のみを分離
し、これを図10に示す処理液補給槽6へ供給する。ま
た、次段の減圧蒸留装置202では、前段の減圧蒸留装
置201で残った処理液から水分のみを分離し、これを
図10に示す処理液補給槽6とリンス槽8に供給する。
そして、減圧蒸留装置202に残ったゴミブツ、化成ス
ラッジ及び油分などの汚泥はここで廃棄する。
【0089】なお、減圧状態では沸点が低くなるので加
熱器205に供給する熱エネルギーは常圧蒸留に比べて
少なくなる。特に、加熱器205のエネルギーとして、
塗装乾燥炉からの廃熱を用いることが望ましい。
【0090】本実施形態の前処理装置によれば、減圧蒸
留装置20のみによって、処理槽1とリンス槽8の液を
回収再生することができ、第1実施形態に比べてシステ
ム全体を簡素化、低コスト化することができる。
【0091】ちなみに、本例においても上述した第1実
施形態と同様、車体搬送装置10には、図2〜4に示す
ような自動車ボディ9を回転させてディッピング槽1、
8に入出槽させる車体回転手段が具備されている。各デ
ィッピング槽1、8の出入口部の近傍の所定位置におい
て、回転駆動装置90により自動車ボディ9の回転が開
始され、自動車ボディ9が反転して入槽し、鉛直方向に
反転した状態で移動し、さらに反転して出槽する。これ
により、ディッピング槽の出入口部に傾斜面を具備させ
る必要がなくなり、即ちディッピング槽の形状を船型形
状とする必要がなくなり、搬送方向に対するディッピン
グ槽の長さを短縮することが可能となる。また、品質が
重視されるルーフ部、フード部等におけるエアーポケッ
トの発生がなくなり、鉄粉等のゴミブツが付着するのを
防止することが可能となり、さらに脱脂化成処理槽内で
自動車ボディを回転させることにより、袋構造部内の処
理性が向上する。
【0092】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗装前処理装置の実施形態を示す図で
ある。
【図2】本発明の第1実施形態における処理槽への入
槽、浸漬、出槽工程を概略的に図示した図である。
【図3】図2の概略平面図である。
【図4】図2及び図3に示す車体搬送装置の回転駆動装
置の周囲の要部断面図である。
【図5】図1の塵埃除去装置の実施形態を示す斜視図お
よび断面図である。
【図6】図1の塵埃除去装置の他の実施形態を示す斜視
図である。
【図7】図1の塵埃除去装置のさらに他の実施形態を示
す断面図である。
【図8】図1の水−極性有機溶剤分離装置の実施形態を
示す概念図である。
【図9】図1のイオン除去装置の実施形態を示す概念図
である。
【図10】本発明の塗装前処理装置の第2実施形態を示
す図である。
【図11】図10の減圧蒸留装置の実施形態を示す概念
図である。
【符号の説明】
1…脱脂化成処理槽(処理槽) 2…塵埃除去装置(塵埃除去手段) 3…化成スラッジ除去装置(化成スラッジ除去手段) 4…油分除去装置(油分除去手段) 5…水−極性有機溶剤分離装置(水−極性有機溶剤分離
手段) 6…処理液補給槽(処理液補給手段) 7…イオン除去装置(イオン除去手段) 8…リンス槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 17/04 503 B01D 17/04 503Z 4K026 61/36 61/36 4K053 B03C 1/00 B03C 1/00 A 1/02 1/02 C 1/12 1/12 B05C 3/10 B05C 3/10 11/10 11/10 C02F 1/00 C02F 1/00 L 1/02 1/02 Z 1/04 1/04 C D 1/42 1/42 C 1/44 1/44 K C23C 22/86 C23C 22/86 C23G 3/00 C23G 3/00 B 5/032 5/032 5/04 5/04 Fターム(参考) 4D006 GA25 KA01 KA71 KB02 KB11 KB18 PB08 PB14 PB15 PC23 PC24 4D025 AA09 AB15 AB18 AB21 AB22 AB33 BA09 BA13 BA17 BB08 DA07 DA10 4D034 AA11 BA01 CA12 4F040 AA13 AB13 BA45 BA47 CC08 CC10 CC11 4F042 AA09 CB20 CB25 DA02 4K026 BA04 CA18 CA23 CA37 DA19 DA20 4K053 PA18 QA04 QA06 RA07 RA40 RA41 SA06 TA08 TA18 XA04 XA09 XA38 YA06 YA07 YA10 YA13 ZA10

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被塗物に対して脱脂処理、表面調整及び化
    成処理を行う塗装前処理装置であって、 脱脂兼化成処理槽が満たされる処理槽と、 前記被塗物を前記処理槽に移動させる被塗物搬送手段
    と、を備え、 前記被塗物搬送手段が、前記被塗物を回転させる被塗物
    回転手段を有する塗装前処理装置。
  2. 【請求項2】前記被塗物搬送手段が前記被塗物を前記処
    理槽に入槽させる際に、前記被塗物回転手段が、前記被
    塗物を回転させ、 前記被塗物搬送手段が前記被塗物を前記処理槽から出槽
    させる際に、前記被塗物回転手段が、前記被塗物を回転
    させる請求項1記載の塗装前処理装置。
  3. 【請求項3】前記被塗物搬送手段が前記被塗物を前記処
    理槽に入槽させる際に、前記被塗物回転手段が、前記被
    塗物を鉛直方向に反転させ、 前記被塗物搬送手段が、前記被塗物を鉛直方向に反転さ
    せた状態で移動させ、 前記被塗物搬送手段が前記被塗物を前記処理槽から出槽
    させる際に、前記被塗物回転手段が、前記被塗物を鉛直
    方向にさらに反転させる請求項2記載の塗装前処理装
    置。
  4. 【請求項4】前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引し
    て前記処理槽に戻す第1の循環系と、 前記脱脂兼化成処理液に含まれる塵埃を除去する塵埃除
    去手段と、 前記第1の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
    含まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段
    と、 前記脱脂兼化成処理液に含まれる油分を除去する油分除
    去手段と、 前記第1の循環系に設けられ、前記塵埃除去手段、化成
    スラッジ除去手段及び油分除去手段を通過した液を調整
    して、前記処理槽に補給する処理液補給槽と、をさらに
    備えた請求項1〜3の何れかに記載の塗装前処理装置。
  5. 【請求項5】前記塵埃除去手段及び前記油分除去手段
    が、前記第1の循環系に設けられている請求項4記載の
    塗装前処理装置。
  6. 【請求項6】前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手段
    及び油分除去手段を通過した液の水成分と極性有機溶剤
    とを分離し、極性有機溶剤成分を前記処理液補給槽へ供
    給する水−極性有機溶剤分離手段をさらに備えた請求項
    4又は5記載の塗装前処理装置。
  7. 【請求項7】前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が満
    たされるリンス槽と、 前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引して前記リンス
    槽に供給する第2の循環系と、 前記脱脂兼化成処理液に含まれる塵埃を除去する塵埃除
    去手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
    含まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段
    と、 前記脱脂兼化成処理液に含まれる油分を除去する油分除
    去手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液内
    の水成分と極性有機溶剤とを分離する水−極性有機溶剤
    分離手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記水−極性有機溶剤分
    離手段により分離された水成分からイオン成分を除去
    し、残余の水を前記リンス槽に戻すイオン除去手段と、
    をさらに備えた請求項1〜3の何れかに記載の塗装前処
    理装置。
  8. 【請求項8】前記処理槽に脱脂兼化成処理液を補給する
    処理液補給槽をさらに備え、 前記イオン除去手段により得られた水の少なくとも一部
    を前記処理液補給槽に供給する請求項7記載の塗装前処
    理装置。
  9. 【請求項9】前記塵埃除去手段及び前記油分除去手段
    が、前記第2の循環系に設けられている請求項7又は8
    記載の塗装前処理装置。
  10. 【請求項10】前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引
    して前記処理槽に戻す第1の循環系と、 前記第1の循環系に設けられ、流通液に含まれる塵埃を
    除去する塵埃除去手段と、 前記第1の循環系に設けられ、流通液に含まれる化成ス
    ラッジを除去する化成スラッジ除去手段と、 前記第1の循環系に設けられ、流通液に含まれる油分を
    除去する油分除去手段と、 前記第1の循環系に設けられ、前記塵埃除去手段、化成
    スラッジ除去手段及び油分除去手段を通過した液を調整
    して、前記処理槽に補給する処理液補給槽と、 前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が満たされるリン
    ス槽と、 前記リンス槽内の液を吸引して、前記塵埃除去手段、化
    成スラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の
    手段へ導く第3の循環系と、をさらに備えた請求項1〜
    3の何れかに記載の塗装前処理装置。
  11. 【請求項11】前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手
    段及び油分除去手段を通過した液の水成分と極性有機溶
    剤とを分離し、極性有機溶剤成分を前記処理液補給槽へ
    供給する水−極性有機溶剤分離手段をさらに備えた請求
    項10記載の塗装前処理装置。
  12. 【請求項12】前記水−極性有機溶剤分離手段により分
    離された水成分からイオン成分を除去し、残余の水を前
    記リンス槽に戻すイオン除去手段をさらに備えた請求項
    11記載の塗装前処理装置。
  13. 【請求項13】前記イオン除去手段により得られた水の
    少なくとも一部を前記処理液補給槽に供給する請求項1
    2記載の塗装前処理装置。
  14. 【請求項14】前記処理槽の後段に設けられ、洗浄液が
    満たされるリンス槽と、 前記処理槽内の脱脂兼化成処理液を吸引して前記リンス
    槽に供給する第2の循環系と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
    含まれる塵埃を除去する塵埃除去手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
    含まれる化成スラッジを除去する化成スラッジ除去手段
    と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液に
    含まれる油分を除去する油分除去手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記脱脂兼化成処理液内
    の水成分と極性有機溶剤とを分離する水−極性有機溶剤
    分離手段と、 前記第2の循環系に設けられ、前記水−極性有機溶剤分
    離手段により分離された水成分からイオン成分を除去し
    残余の水を前記リンス槽に戻すイオン除去手段と、 前記リンス槽内の液を吸引して、前記塵埃除去手段、化
    成スラッジ除去手段及び油分除去手段のうちの最上流の
    手段へ導く第3の循環系と、をさらに備えた請求項1〜
    3の何れかに記載の塗装前処理装置。
  15. 【請求項15】前記塵埃除去手段、化成スラッジ除去手
    段及び油分除去手段を通過した液を調整して、前記処理
    槽に補給する処理液補給槽をさらに備えた請求項14記
    載の塗装前処理装置。
  16. 【請求項16】前記水−極性有機溶剤分離手段により分
    離された極性有機溶剤を前記処理液補給槽へ供給する請
    求項15記載の塗装前処理装置。
  17. 【請求項17】前記イオン除去手段により得られた水の
    少なくとも一部を前記処理液補給槽に供給する請求項1
    5又は16記載の塗装前処理装置。
  18. 【請求項18】前記塵埃除去手段は、セットリングタン
    ク、遠心式セパレータおよびマグネットセパレータを単
    独または複合してなる請求項4〜17の何れかに記載の
    塗装前処理装置。
  19. 【請求項19】前記化成スラッジ除去手段は、前記処理
    槽内の脱脂兼化成処理液のスラッジ濃度を150ppm
    以下に抑制可能な全量濾過フィルタを有する請求項4〜
    18の何れかに記載の塗装前処理装置。
  20. 【請求項20】前記油分除去手段は、加温式油分除去装
    置、コアレッサー式油分除去装置および限外濾過式油分
    除去装置を単独または複合してなる請求項4〜19の何
    れかに記載の塗装前処理装置。
  21. 【請求項21】前記水−極性有機溶剤分離手段は、パー
    ベーパレーション法により水成分と極性有機溶剤とを分
    離する請求項6〜9,11〜20の何れかに記載の塗装
    前処理装置。
  22. 【請求項22】前記イオン除去手段は、陽イオン交換樹
    脂aが充填された陽イオン交換塔と、陰イオン交換樹脂
    bが充填された陰イオン交換塔と、陽イオン交換樹脂c
    が充填されたイオン交換塔と、脱炭酸塔とを有する請求
    項7〜9,12〜21の何れかに記載の塗装前処理装
    置。
  23. 【請求項23】前記陽イオン交換樹脂aがキレート型陽
    イオン交換樹脂であり、前記陰イオン交換樹脂bがスチ
    レン系強塩基性陰イオン交換樹脂であり、前記陽イオン
    交換樹脂cがスチレン系強酸性陽イオン交換樹脂である
    請求項22記載の塗装前処理装置。
  24. 【請求項24】前記脱脂兼化成処理液は、アルコール、
    グリコールエーテルまたはジエチレングリコールエーテ
    ル系の極性有機溶剤と、水と、亜鉛イオンと、リン酸イ
    オンと、マンガンイオンと、ニッケルイオンと、ナトリ
    ウムイオンとを少なくとも含む請求項1〜23の何れか
    に記載の塗装前処理装置。
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