JP2003318689A - 整合回路および反射波検出回路 - Google Patents

整合回路および反射波検出回路

Info

Publication number
JP2003318689A
JP2003318689A JP2002121504A JP2002121504A JP2003318689A JP 2003318689 A JP2003318689 A JP 2003318689A JP 2002121504 A JP2002121504 A JP 2002121504A JP 2002121504 A JP2002121504 A JP 2002121504A JP 2003318689 A JP2003318689 A JP 2003318689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
impedance
antenna
matching
impedance matching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002121504A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroo Mizusawa
丕雄 水澤
Keisuke Noguchi
啓介 野口
Shinichi Betsudan
信一 別段
Takashi Kataki
孝至 片木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanazawa Institute of Technology (KIT)
Original Assignee
Kanazawa Institute of Technology (KIT)
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanazawa Institute of Technology (KIT) filed Critical Kanazawa Institute of Technology (KIT)
Priority to JP2002121504A priority Critical patent/JP2003318689A/ja
Publication of JP2003318689A publication Critical patent/JP2003318689A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Transceivers (AREA)
  • Transmitters (AREA)
  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波回路において、インピーダンスの整合
回路の小型化および、それを用いたインピーダンス整合
の応答速度の向上が求められている。 【解決の手段】 インピーダンス整合回路50は、可変
リアクタンス素子13と、移相器14と、演算処理部1
2と、DAコンバータ4を備える。移相器14はアンテ
ナ6のインピーダンスまたは反射係数の位相を変える。
可変リアクタンス素子13は印加電圧によりリアクタン
ス値を変える。演算処理部12は、移相器14の移相
と、可変リアクタンス素子13の容量とを変化させ、ア
ンテナ6と受信機10との間のインピーダンスの整合を
とる。また、演算処理部12は、スミスチャートに対応
するテーブルを保持し、上述の移相および容量を変化さ
せる際にそのテーブルを参照する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナまたは負
荷のインピーダンスの整合技術およびインピーダンスか
らの、何らかの外的要因で整合が外れて生じる反射波の
検出技術に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、携帯電話で利用されている周波数
帯は、800MHzや1.5GHz、2.0GHz帯で
ある。周波数1MHzの信号の波長は、自由空間で約3
00mであり、このように波長の長い信号を扱う回路が
設計される場合、回路の大きさを考えると、現実にはそ
の波長を設計の際に考慮する必要はない。
【0003】一方、周波数1GHzの信号の波長は、自
由空間で30cmであり、高誘電体である規格FR−4
のガラスクロス強化エポキシ樹脂基板では、13.7c
mである。このような波長の短い高周波数帯の信号を扱
う回路においては、基板のパターン長や給電線、導波管
の長さが無視できない。それらの長さが数センチメート
ル異なるだけで、信号の位相や振幅が大きく異なってし
まう。
【0004】一般に、携帯電話などの高周波数を扱う機
器において、信号の位相や振幅を考慮して機器の回路設
計がなされる。特にインピーダンスの整合には十分な配
慮がなされる。インピーダンス整合が正しく行われない
と、電力の効率利用がなされず、所望の信号出力が得ら
れなくなる恐れがある。
【0005】例えば、携帯電話は、その性質上ユーザに
より持ち歩かれるため、使用される環境はさまざまであ
る。携帯電話のアンテナのインピーダンスは外部環境か
ら影響を受け、大きく変化することがしばしば見られ
る。アンテナと外部環境の物体のインピーダンスが結合
して、アンテナが本来有していたインピーダンスが変化
する。例えば、携帯電話とその使用者の距離や、それが
置かれている場所や、材質などが携帯電話に影響を与え
る因子として知られている。
【0006】本発明者は、特開2001−274652
号公報において、携帯電話などの高周波回路を有する機
器におけるインピーダンス整合に関する技術を開示して
いる。図1は、開示されているインピーダンス整合回路
50が実装されている無線通信機器60の構成を示すブ
ロック図である。
【0007】無線通信機器60は、インピーダンス整合
回路50と、送信すべき信号を増幅するプリアンプ1
と、アンテナ6を備える。インピーダンス整合回路50
は、信号を送信する際にアンテナ6で生じる反射波を検
出する反射波検出回路2と、反射波検出回路2の検出結
果をアナログ・デジタル変換するAD(Analog to Digi
tal)コンバータ8と、反射波検出回路2の結果に基づ
いてアンテナ6のインピーダンスを特定する演算処理部
12と、演算処理部12により特定されたアンテナ6の
インピーダンスに応じてモードを設定するモード切換器
3を備える。
【0008】さらに、インピーダンス整合回路50は、
モード切換器3により設定されたモードに対応するアナ
ログ電圧を出力するDA(Digital to Analog)コンバ
ータ4と、DAコンバータ4が出力するアナログ電圧に
したがって携帯電話の回路定数を設定する定数可変整合
回路5を備える。
【0009】上記の構成による回路の動作を説明する。
携帯電話などの小型の無線通信機器におけるアンテナ6
では、周囲の環境の変化に応じてそのインピーダンスが
変化しやすい。したがって、インピーダンスの変化に応
じて携帯電話の回路定数を変更しないと、送信機が電波
を送信する際に、アンテナ6で反射波が生じてしまい、
反射損が生じることになる。
【0010】そこで、この従来例では、送信機が電波を
送信する際、反射波検出回路2がアンテナ6で生じる反
射波を検出すると、ADコンバータ8が反射波検出回路
2の検出結果である反射波の位相と振幅をアナログ・デ
ジタル変換して、演算処理部12に出力する。
【0011】演算処理部12は、ADコンバータ8から
反射波検出回路2の検出結果を受けると、その検出結果
をスミスチャート上にプロットする。図2は、スミスチ
ャート上において各モードに対応したインピーダンスの
存在領域を示している。携帯電話のインピーダンス整合
が取られている状態では、第一領域Aの範囲の中に反射
波検出回路2の検出結果がプロットされる。
【0012】一方、携帯電話のインピーダンス整合が取
られていない状態では、第一領域Aの範囲の外側に反射
波検出回路2の検出結果がプロットされる。ここで、第
二領域Bから第七領域Gは携帯電話の回路定数を変更す
ることにより、検出結果がプロットされる位置を第一領
域Aの範囲の中に引き込める範囲を示す。つまり、携帯
電話のインピーダンスが第二領域Bから第七領域Gに対
応する値であれば、インピーダンス整合が可能である。
【0013】モード切換器3は、演算処理部12が反射
波検出回路2の検出結果をスミスチャート上にプロット
すると、そのプロット位置に応じてモードを設定する。
例えば、プロット位置が第二領域Bの範囲内にあれば、
第二領域Bの範囲に対応するモードを新たなモードに設
定し、プロット位置が第三領域Cの範囲内にあれば、第
三領域Cの範囲に対応するモードを新たに設定する。そ
して、DAコンバータ4がモード切換器3により設定さ
れたモードに対応するアナログ電圧を出力すると、定数
可変整合回路5がDAコンバータ4から出力されるアナ
ログ電圧にしたがって携帯電話の回路定数を設定する。
この例では、第一領域Aから第七領域Gの範囲に対応し
て、7種類のモードが存在するので、携帯電話の回路定
数は予め7通り用意されている。
【0014】図1のインピーダンス整合回路50を構成
する反射波検出回路2は、従来、例えば図3のような3
探針法と呼ばれる方式の回路より構成され、3個の8分
の1波長線路100と、電圧レベルを検出する3個の検
波器101を備える。この3探針法方式の回路は、線路
上の三箇所で電圧レベルを検出して、第一端子aに接続
されるアンテナまたは負荷のインピーダンスを検出す
る。第一端子aに接続されたアンテナまたは負荷がそれ
らに対する給電線路のインピーダンスと異なる場合、第
二端子bから第一端子aに向けて伝わる入射波の一部が
反射し、線路上に電圧定在波を生じる。その電圧定在波
の分布が、8分の1波長ずつ離して配置された三つの検
波器101により検出され、その検出された電圧レベル
を用いて第一端子aに接続されたアンテナまたは負荷の
インピーダンスが算出される。
【0015】以上で明らかなように、この従来例によれ
ば、送信機が電波を送信する際の反射波を検出し、その
検出結果に応じてモードを設定するように構成したの
で、回路規模の小型化を図ることができるとともに、イ
ンピーダンス整合の応答速度を高めることができる効果
を持つとしている。
【0016】次に上記のモードを用いたインピーダンス
整合回路に用いられる定数可変整合回路5の例として、
本発明者により平成11年度電気関係学会北陸支部連合
大会講演論文集、p.173に開示されているバリキャッ
プダイオードと4分の1波長線路を含むインピーダンス
整合回路を図4に示す。このインピーダンス整合回路5
0は3個のバリキャップダイオード9と2個の4分の1
波長線路7から構成されている。バリキャップダイオー
ドによりリアクタンスの値を変更でき、4分の1波長線
路とを組み合わせることにより、スミスチャート上に存
在する任意のインピーダンスの値を整合範囲に収めるこ
とが可能である。さらにインピーダンス整合回路50に
はアンテナ6が接続されている。
【0017】次に図5に示すスミスチャートを用いて、
図4の整合回路の動作原理を示す。アンテナ6のインピ
ーダンスは、図4の第1ノードN1におけるインピーダ
ンスに相当し、これが例えば図5のスミスチャート上の
初期位置I1にあったとする。このとき、図4の第2ノ
ードN2の位置では、バリキャップダイオード9のリア
クタンスを調整することにより、インピーダンスは図5
の第2位置I2に移動することができる。図4の第3ノ
ードN3では、4分の1波長線路7を介することによ
り、スミスチャートでのインピーダンスの位相は180
度反転し、インピーダンスは図5の第3位置I3に位置
することになる。さらに、図4の第4ノードN4から第
6ノードN6は、図5の第4位置I4から第6位置I6
に相当し、第6位置N6は整合範囲内となる。このよう
な操作を行うことにより、図4に示す整合回路によりイ
ンピーダンス整合が実現される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来のインピーダンス
整合回路は、上記のように構成され、モードを用いたイ
ンピーダンス整合回路において、インピーダンス整合回
路の定数のモードを予め決定しておくことにより、イン
ピーダンス整合回路の小型化およびその整合手順の簡略
化が実現されている。しかしながら、インピーダンス整
合が不連続となるという点で改善の余地がある。また、
インピーダンスの整合手順についてもさらに進んだ解決
策が求められている。
【0019】本発明は、こうした状況に鑑みなされたも
ので、その目的は、回路の小型化を実現するインピーダ
ンスの整合技術を提供することにある。また、別の目的
は、同様に回路の小型化を実現する反射波検出技術を提
供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のある態様は、整
合回路に関する。この整合回路は、アンテナまたは負荷
と、それらと信号の授受を行う回路の間に接続されてイ
ンピーダンス整合を行う整合回路であって、移相器と可
変リアクタンス素子を有し、それらの協働によってイン
ピーダンス整合を行う。
【0021】分布定数を有する高周波数回路を利用する
装置では、電力または信号の効率的な伝送を考えた場
合、インピーダンス整合を行う必要がある。インピーダ
ンスの整合がとられていないと、回路中の急激にインピ
ーダンスが変化する箇所で、信号の反射波が発生し、定
在波が出現する。この定在波が、本来の信号と合成さ
れ、所望の振幅が得られないこととなる。つまり、出力
される信号のレベルが低下する。この信号レベルの低下
を補償するためには、不必要な電力が消費されることと
なる。
【0022】例えば、アンテナのインピーダンスは、外
的要因によって時々刻々変化する。これは、アンテナの
インピーダンスが周囲に存在する物体が有するインピー
ダンスと結合し、その結果、アンテナの実質的なインピ
ーダンスが別の値へ変化してしまう。その変化が急激で
あると、アンテナまたは負荷につながる伝送線路上の反
射係数の分布にも急激な変化が生じる。これにより、出
力または受信レベルが変化してしまい、時として利用不
可能な状態に陥ることさえある。
【0023】そこで、移相器と可変リアクタンス素子を
用いることで、アンテナや負荷のインピーダンスの変化
に追従して、それらアンテナや負荷が接続される回路と
の間のインピーダンス整合がとられる。さらに、移相器
を用いることで従来技術で示した、3探針法で利用され
る8分の1波長路を省くことができ回路の小型化が実現
される。
【0024】可変リアクタンスを実現する素子として
は、バリキャップダイオード(Variable Capacitance D
iode)が例示される。また、移相器としては、マイクロ
ストリップ線路などの伝送線路やフェライトなどのマイ
クロ波回路が例示される。
【0025】本発明の別の態様も整合回路に関する。こ
の整合回路は、アンテナまたは負荷と、それらから信号
を受信する回路の間に接続されてインピーダンス整合を
行う整合回路であって、受信する信号の電力レベルを計
測する受信レベル計測部と、移相器と可変リアクタンス
素子を有し、それらの協働によって、計測される電力レ
ベルが最大となるようにインピーダンス整合を行う整合
部とを有する。
【0026】本発明のさらに別の態様も整合回路に関す
る。この整合回路は、アンテナまたは負荷と、それらに
信号を出力する回路の間に接続されてインピーダンス整
合を行う整合回路であって、移相器と可変リアクタンス
素子を有し、それらの協働によってインピーダンス整合
を行うとともに、移相器がアンテナまたは負荷にて生じ
る反射波を検出する。
【0027】また、インピーダンス整合にはスミスチャ
ートを利用し、アンテナまたは負荷のインピーダンスの
スミスチャートにおける位置を、移相器を調整すること
で反射波の反射係数が一定である円と、所定の反射係数
以内の領域を通過しコンダクタンスが一定である円の交
点に移動させ、つづいて、可変リアクタンス素子を調整
することで、交点に位置したインピーダンスをコンダク
タンスが一定の円に沿って所定の反射係数以内の領域に
移動させてもよい。
【0028】一般に、高周波数回路を利用する機器を設
計する場合、その設計上の種種の問題を素早く解くため
に、計算の代わりにスミスチャートが利用されることが
多い。本発明の実施においても、スミスチャートを利用
することは有効である。例えば、あるアンテナのインピ
ーダンスがスミスチャート上のある適当な点に存在して
いると想定する。その場合、その点は、移相器によって
反射係数が一定の円を移動し、スミスチャートの中心ま
たはその周囲を通るコンダクタンスが一定の円に移され
る。つづいて、可変リアクタンス素子によって、コンダ
クタンスが一定の円に沿って移動され、インピーダンス
の整合がとられる領域に移される。反射係数の代わり
に、電圧定在波比(Voltage Standing Wave Ratio:V
SWR)が利用されてもよい。
【0029】本発明の別の態様は、反射波検出回路に関
する。この反射波検出回路は、高周波数の電磁波を送信
する際にアンテナにて生じる反射波を移相器によって検
出する。反射波を検出する手法の一つとして、従来例で
示したように、三探針法が例示される。しかし、その手
法は、上述のように3個の8分の1線路が必要とされ、
高誘電体からなるFR−4の基板を利用しても、周波数
1GHzの信号の1波長は、FR−4基板上で13.7
cmであり、携帯電話などの小型無線通信機器において
は、さらに小型の回路が要求される。したがって、移相
器を利用することで小型の無線通信機器に反射波検出回
路の搭載が実現できる。
【0030】本発明が提示する整合回路と反射波検出回
路は、移相器をそれらの主要構成とすることで、本発明
の目的であるインピーダンス整合を行う回路の小型化が
期待される。特に携帯電話のように小型の無線通信機器
では、特にその効果が期待される。なお、以上の構成要
素の任意の組合せ、本発明を方法、システムなどと表現
したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下の実施の形態では、移相器と
可変リアクタンス素子を調整しインピーダンス整合がな
される。インピーダンス整合にはスミスチャートが利用
される。
【0032】(実施の形態1)図6は、本実施の形態1
に係るインピーダンス整合回路50を備える無線通信機
器60の構成を示すブロック図である。また実施の形態
1では、無線通信機器60の受信に関して着目してい
る。無線通信機器60は、受信機10と、インピーダン
ス整合回路50と、アンテナ6を備える。
【0033】インピーダンス整合回路50は、可変リア
クタンス素子13と、移相器14と、演算処理部12
と、DAコンバータ4を備える。
【0034】移相器14はマイクロストリップ線路など
の伝送線路やフェライトなどのマイクロ波回路により構
成され、アンテナ6のインピーダンスまたは反射係数の
位相を変える。可変リアクタンス素子13は印加電圧に
よりリアクタンス値を変えうる回路素子である。
【0035】演算処理部12は、アンテナ6に直列に接
続された移相器14の移相と、並列に接続された可変リ
アクタンス素子13の容量とを変化させ、アンテナ6と
受信機10との間のインピーダンスの整合をとる。ま
た、演算処理部12は、スミスチャートに対応するテー
ブルを保持し、上述の移相および容量を変化させる際に
そのテーブルを参照する。
【0036】以上の構成によるインピーダンス整合手順
を、図7に示すスミスチャートをもとに説明する。例え
ば、アンテナ6のインピーダンスがスミスチャート上の
適当な位置、ここでは初期位置P1にある場合を想定す
る。最終的にインピーダンスが整合範囲A10の領域の
値に変更される。
【0037】まず移相器14が調整されることで、イン
ピーダンスは反射係数|Γ|=一定の円(以下、単に
「|Γ|一定円」と略す)R1に沿って、その|Γ|一
定円R1とコンダクタンス一定の円R2との交点である
第2位置P2に移動される。このとき、コンダクタンス
一定の円R2は、スミスチャートの中心を通る。ただ
し、コンダクタンス一定の円R2は、必ずしもスミスチ
ャートの中心を通る必要はなく、整合範囲A10の領域
を通過すればよい。
【0038】次に可変リアクタンス素子13が調整され
ることにより、インピーダンスは第2位置P2からコン
ダクタンス一定の円R2に沿って整合範囲に移動され
る。例えば線路の特性インピーダンスが50Ωの回路で
は、コンダクタンス一定の値は0.02ジーメンスとな
り、そのコンダクタンス一定の円に移相器14によりイ
ンピーダンスを移動でき、さらに可変リアクタンス素子
13により十分な移動ができれば、完全に整合をとるこ
とができる。
【0039】本実施の形態1によれば、上記のように回
路構成が簡単で、スミスチャート上において可変部位が
少ないので、小形で処理速度が早いインピーダンス整合
回路が構成できる。
【0040】(実施の形態2)実施の形態2において、
インピーダンス整合回路50を送信機15とアンテナ6
との間に設ける。実施の形態2では、無線通信機器60
の送信に関して着目する。図8は、本実施の形態2に係
るインピーダンス整合回路50を備える無線通信機器6
0の構成を示すブロック図である。無線通信機器60
は、インピーダンス整合回路50と、送信機15および
アンテナ6を備える。
【0041】インピーダンス整合回路50は、反射波検
出回路2と、DAコンバータ4と、ADコンバータ8
と、演算処理部12と、可変リアクタンス素子13と、
移相器14を備える。
【0042】反射波検出回路2は、送信信号あるいは負
荷からの反射波を検出する。反射波検出回路2における
検出量に応じてインピーダンス整合回路50が駆動さ
れ、アンテナ6のインピーダンスと整合がとられる。整
合の手順は実施の形態1で述べた受信の場合と同様であ
るので、省略する。
【0043】図9は、反射波検出回路2の構成を示すブ
ロック図である。反射波検出回路2は、移相器14と、
可変リアクタンス素子13と、検波器101を備える。
図3に示す従来の3探針法の回路に比べ、回路が簡単で
あり、移相器14で位相を変えることにより連続的に線
路上の電圧定在波を検出でき、これにより回路規模を大
きくする要因である8分の1波長線路が不要となる。
【0044】(実施の形態3)実施の形態3において
は、インピーダンス整合回路が電子レンジであるマイク
ロ波加熱装置に適用される。図10は、マイクロ波加熱
装置70の構成を示すブロック図である。マイクロ波加
熱装置70は、電力供給装置17と、インピーダンス整
合回路50と、マグネトロン19を備える。
【0045】マイクロ波加熱装置70は、その内部に置
かれた被加熱物20に対してマイクロ波を照射して水分
子を振動させて被加熱物20を温める。マイクロ波加熱
装置70内部に被加熱物20を置かれると、マイクロ波
を発生するマグネトロン19と被加熱物20との間にイ
ンピーダンス結合が生じ、マグネトロン19のインピー
ダンスが変化する。インピーダンスの変化は被加熱物2
0の大きさ、置く位置、材質によって変わるので、本発
明のインピーダンス整合回路を応用することによって、
マグネトロン19のインピーダンス整合を行い、信号の
反射を最小限にすることにより、加熱効率の向上が実現
される。
【0046】(実施の形態4)実施の形態4において
は、本発明を癌の温熱療法であるハイパーサーミアに利
用される医療用マイクロ波加熱機器に適用する。図11
は、本実施の形態に係るインピーダンス整合回路を備え
る医療用マイクロ波加熱機器80および人体21を示し
ている。
【0047】医療用マイクロ波加熱機器80は、人体2
1に加熱用プローブ22を挿入し、電力供給装置17よ
り電力を供給し、局所にマイクロ波を照射することによ
り細胞を加熱し、患部を治療するものである。加熱用プ
ローブ22にはアンテナ6が含まれており、人体21へ
の挿入深さ、患部の媒質によってアンテナ6のインピー
ダンスが変化する。変化するアンテナのインピーダンス
を本発明のインピーダンス整合回路50により整合をと
る。
【0048】(実施の形態5)実施の形態5において
は、本発明に係るインピーダンスの整合回路がプラズマ
核融合装置に応用される。図12は、インピーダンス整
合回路50を備えるプラズマ核融合装置23の構成図を
示している。
【0049】プラズマ核融合装置23は、プラズマを発
生するために、高周波数の電磁波によりエネルギを核融
合炉内に送信するアンテナ6と、送信すべき電磁波を生
成するマイクロ波発生器24と、インピーダンス整合回
路50が設けられる。プラズマはプラスまたはマイナス
のイオンを発生し、アンテ6ナのインピーダンスに影響
を与える。プラズマの状態によってアンテナ6のインピ
ーダンスも時々刻々変化することになる。したがって、
プラズマ核融合装置23に本発明のインピーダンスの整
合回路50を持たせれば、プラズマの影響によって生じ
るアンテナ6からの電力の反射をなくし、効率よく核融
合炉内に電力を送り込むことができる。
【0050】以上、本発明を実施の形態をもとに説明し
た。この実施の形態は例示であり、それら各構成要素の
組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした
変形例も本発明の範囲であることは当業者に理解される
ところである。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、インピーダンスの整合
回路の小型化が期待できる。また、別の観点では、イン
ピーダンス整合の応答速度を高めることが期待できる。
さらに別の観点では、インピーダンスの整合がとられて
いない場合に生じる反射波の検出回路の小型化が期待で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来用いられていたインピーダンス整合回路
の機能ブロック図である。
【図2】 スミスチャート上に複数のモードに対応した
インピーダンスの存在領域を示した図である。
【図3】 従来の反射波検出回路の構成を示すブロック
図である。
【図4】 従来の定数可変整合回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】 従来の定数可変整合回路の動作原理をスミス
チャート上に示す図である。
【図6】 実施の形態1に係るインピーダンス整合回路
を有する無線装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 本実施の形態1に係るインピーダンス整合回
路の動作原理をスミスチャート上に示す図である。
【図8】 本実施の形態2に係るインピーダンス整合回
路を有する無線装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 本実施の形態2に係る反射波検出回路の構成
を示すブロック図である。
【図10】 本実施の形態3に係るインピーダンス整合
回路を有するマイクロ波加熱装置の構成を示すブロック
図である。
【図11】 本実施の形態4に係るインピーダンス整合
回路を有する医療用マイクロ波加熱装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図12】 本実施の形態5に係るインピーダンス整合
回路を有するプラズマ核融合装置の構成を示すブロック
図である。
【符号の説明】
2 反射波検出回路、 4 DAコンバータ、 5 定
数可変整合回路、 6アンテナ、 8 ADコンバー
タ、 12 演算処理部、 13 可変リアクタンス素
子、 14 移相器、 15 送信機、 50 インピ
ーダンス整合回路、 60 無線通信機器、 100
8分の1波長線路、 101 検波器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 別段 信一 石川県石川郡野々市町扇が丘7−1 学校 法人金沢工業大学内 (72)発明者 片木 孝至 石川県石川郡野々市町扇が丘7−1 学校 法人金沢工業大学内 Fターム(参考) 5K011 DA02 EA02 EA06 FA07 JA03 KA13 5K060 BB07 CC04 DD04 EE05 HH13 HH37 JJ03 LL07 5K062 AA09 AB05 AB10 AC01 BB08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナまたは負荷と、それらと信号の
    授受を行う回路の間に接続されてインピーダンス整合を
    行う整合回路であって、 移相器と可変リアクタンス素子を有し、それらの協働に
    よってインピーダンス整合を行うことを特徴とする整合
    回路。
  2. 【請求項2】 アンテナまたは負荷と、それらから信号
    を受信する回路の間に接続されてインピーダンス整合を
    行う整合回路であって、 前記受信する信号の電力レベルを計測する受信レベル計
    測部と、 移相器と可変リアクタンス素子を有し、それらの協働に
    よって、前記計測される電力レベルが最大となるように
    インピーダンス整合を行う整合部と、 を有することを特徴とする整合回路。
  3. 【請求項3】 アンテナまたは負荷と、それらに信号を
    出力する回路の間に接続されてインピーダンス整合を行
    う整合回路であって、 移相器と可変リアクタンス素子を有し、それらの協働に
    よってインピーダンス整合を行うとともに、前記移相器
    が前記アンテナまたは負荷にて生じる反射波を検出する
    ことを特徴とする整合回路。
  4. 【請求項4】 前記インピーダンス整合にはスミスチャ
    ートを利用し、 前記アンテナまたは負荷のインピーダンスのスミスチャ
    ートにおける位置を、前記移相器を調整することで反射
    波の反射係数が一定である円と、所定の反射係数以内の
    領域を通過しコンダクタンスが一定である円の交点に移
    動させ、つづいて、前記可変リアクタンス素子を調整す
    ることで、前記交点に位置しているインピーダンスを前
    記コンダクタンスが一定の円に沿って前記所定の反射係
    数以内の領域に移動させることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれかに記載の整合回路。
  5. 【請求項5】 高周波数の信号を出力する際にアンテナ
    または負荷にて生じる反射波を移相器によって検出する
    ことを特徴とする反射波検出回路。
JP2002121504A 2002-04-23 2002-04-23 整合回路および反射波検出回路 Pending JP2003318689A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002121504A JP2003318689A (ja) 2002-04-23 2002-04-23 整合回路および反射波検出回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002121504A JP2003318689A (ja) 2002-04-23 2002-04-23 整合回路および反射波検出回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003318689A true JP2003318689A (ja) 2003-11-07

Family

ID=29537384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002121504A Pending JP2003318689A (ja) 2002-04-23 2002-04-23 整合回路および反射波検出回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003318689A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005055445A1 (ja) * 2003-12-05 2005-06-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 移動体通信端末装置
JP2008508683A (ja) * 2004-07-30 2008-03-21 アマランテ テクノロジーズ,インク. 均一でスケーラブルなマイクロ波プラズマ発生を行うためのプラズマノズルアレイ
WO2008093154A1 (en) * 2007-01-31 2008-08-07 Nokia Corporation An apparatus for compensation of the impedance and the load phase of the antenna element
KR101222583B1 (ko) 2004-11-09 2013-02-25 가부시키가이샤 다이헨 임피던스 정합장치
WO2014022178A1 (en) * 2012-08-02 2014-02-06 Motorola Mobility Llc Method and apparatus for compensating for phase shifts resulting from antenna|tuning in a communication device
JP2014165620A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Panasonic Corp 無線通信装置
US9014245B2 (en) 2012-03-26 2015-04-21 Google Technology Holdings LLC Method and apparatus for compensating for phase shift in a communication device
WO2015129678A1 (ja) * 2014-02-28 2015-09-03 株式会社日立国際電気 整合器及び整合方法
US9281849B2 (en) 2012-03-26 2016-03-08 Google Technology Holdings LLC Method and apparatus for compensating for phase shift in a communication device
JP2017005728A (ja) * 2011-10-26 2017-01-05 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 送信機−受信機間の阻止のためのインピーダンス平衡
WO2017208815A1 (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 東京エレクトロン株式会社 整合器及びプラズマ処理装置
WO2018216140A1 (ja) 2017-05-24 2018-11-29 三菱電機株式会社 インピーダンスチューナ及び信号増幅装置
JP2021052017A (ja) * 2016-05-24 2021-04-01 エムケーエス インストゥルメンツ,インコーポレイテッド スイッチング可能な粗同調回路網およびバラクタ微同調回路網を含むハイブリッド同調回路網を備えたソリッドステートインピーダンス整合システム

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005055445A1 (ja) * 2003-12-05 2005-06-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 移動体通信端末装置
JP2008508683A (ja) * 2004-07-30 2008-03-21 アマランテ テクノロジーズ,インク. 均一でスケーラブルなマイクロ波プラズマ発生を行うためのプラズマノズルアレイ
JP4896880B2 (ja) * 2004-07-30 2012-03-14 アマランテ テクノロジーズ,インク. マイクロ波プラズマノズルアレイを構成するための方法、マイクロ波プラズマノズルアレイユニット及びマイクロ波プラズマシステム
KR101222583B1 (ko) 2004-11-09 2013-02-25 가부시키가이샤 다이헨 임피던스 정합장치
WO2008093154A1 (en) * 2007-01-31 2008-08-07 Nokia Corporation An apparatus for compensation of the impedance and the load phase of the antenna element
JP2017005728A (ja) * 2011-10-26 2017-01-05 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 送信機−受信機間の阻止のためのインピーダンス平衡
US9281849B2 (en) 2012-03-26 2016-03-08 Google Technology Holdings LLC Method and apparatus for compensating for phase shift in a communication device
US9014245B2 (en) 2012-03-26 2015-04-21 Google Technology Holdings LLC Method and apparatus for compensating for phase shift in a communication device
US9048524B2 (en) 2012-03-26 2015-06-02 Google Technology Holdings LLC Method and apparatus for compensating for phase shift in a communication device
WO2014022178A1 (en) * 2012-08-02 2014-02-06 Motorola Mobility Llc Method and apparatus for compensating for phase shifts resulting from antenna|tuning in a communication device
JP2014165620A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Panasonic Corp 無線通信装置
WO2015129678A1 (ja) * 2014-02-28 2015-09-03 株式会社日立国際電気 整合器及び整合方法
US9876482B2 (en) 2014-02-28 2018-01-23 Hitachi Kokusai Electric Inc. Matching unit and matching method
JP2021052017A (ja) * 2016-05-24 2021-04-01 エムケーエス インストゥルメンツ,インコーポレイテッド スイッチング可能な粗同調回路網およびバラクタ微同調回路網を含むハイブリッド同調回路網を備えたソリッドステートインピーダンス整合システム
JP7241730B2 (ja) 2016-05-24 2023-03-17 エムケーエス インストゥルメンツ,インコーポレイテッド スイッチング可能な粗同調回路網およびバラクタ微同調回路網を含むハイブリッド同調回路網を備えたソリッドステートインピーダンス整合システム
WO2017208815A1 (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 東京エレクトロン株式会社 整合器及びプラズマ処理装置
CN109196960A (zh) * 2016-05-31 2019-01-11 东京毅力科创株式会社 匹配器及等离子体处理装置
WO2018216140A1 (ja) 2017-05-24 2018-11-29 三菱電機株式会社 インピーダンスチューナ及び信号増幅装置
JPWO2018216140A1 (ja) * 2017-05-24 2019-11-07 三菱電機株式会社 インピーダンスチューナ及び信号増幅装置
US11005452B2 (en) 2017-05-24 2021-05-11 Mitsubishi Electric Corporation Impedance tuner and signal amplification device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003318689A (ja) 整合回路および反射波検出回路
US8149173B2 (en) Modified loop antenna
EP2205043B1 (en) Microwave heating device
JP2016007130A (ja) ワイヤレス電力磁気共振器における高効率および高電力伝送
TW200828672A (en) Virtual FM antenna
US10290927B2 (en) Electronic device with proximity sensor
TWI678846B (zh) 天線裝置及校正天線裝置的方法
JP2011112648A5 (ja)
WO2023226392A1 (zh) 一种天线组件及电子设备
Vemagiri et al. Transmission line delay‐based radio frequency identification (RFID) tag
JP2010233218A (ja) 携帯型電子機器
CN107612572A (zh) 一种射频匹配模块、用于移动终端的射频系统
Arif et al. Koch fractal based wearable antenna backed with EBG plane
KR20210022362A (ko) 무선전력 전송 효율의 향상을 위한 송신 안테나 제어장치 및 그 제어방법
JPH11340731A (ja) 無給電アンテナ
JPH11308142A (ja) 携帯通信装置
Zhao et al. Plasma antennas driven by 5–20 kHz AC power supply
CN214315246U (zh) 一种微带天线自适应调谐装置
CN109509969B (zh) 一种用于激发可变负介电常数环境的微波天线装置
EP3026441A1 (en) Apparatus for measuring RF power and associated methods
KR20100065966A (ko) 메타머터리얼 전송선로를 이용한 안테나 및 상기 안테나를 이용한 통신장치
Boswell Loop antennas in the 3-30 MHz band
Wang et al. A novel HF broadband frequency-reconfigurable whip antenna with radiation blades loading
CN115548682B (zh) 一种相控阵天线及电子设备
An et al. Retrodirective Array Antenna System for the Microwave Power Transmission

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070501

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080401