JP2003318551A - 多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板及びその製造方法

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JP2003318551A
JP2003318551A JP2002121425A JP2002121425A JP2003318551A JP 2003318551 A JP2003318551 A JP 2003318551A JP 2002121425 A JP2002121425 A JP 2002121425A JP 2002121425 A JP2002121425 A JP 2002121425A JP 2003318551 A JP2003318551 A JP 2003318551A
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inorganic filler
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insulating layer
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JP2002121425A
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Naoki Ito
直樹 伊藤
Kiyotaka Komori
清孝 古森
Tatsuya Watanabe
達也 渡辺
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スルーホールメッキの耐熱衝撃性が高く、か
つドリル加工時に金属箔が剥離しにくい多層プリント配
線板を提供する。 【解決手段】 少なくとも絶縁層を3層有する多層プリ
ント配線板に関する。最外層の絶縁層のうち少なくとも
一方の絶縁層に含まれる無機フィラーの量が、内層の絶
縁層のうち最も多く無機フィラーを含む絶縁層に含まれ
る無機フィラーの量よりも2質量%以上少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器、電気機
器、コンピューター、通信機器等に用いられる多層プリ
ント配線板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器、電気機器等に使用されるプリ
ント配線板は、熱硬化性樹脂ワニス等の樹脂組成物をガ
ラス織布等の基材に含浸してプリプレグを作製し、この
プリプレグを所要枚数重ねると共にその両側に銅箔等の
金属箔を配置し、これを加熱加圧して積層成形すること
によって金属張積層板を作製し、表面の金属箔をプリン
ト配線加工して回路形成することによって、製造されて
いる。そしてこのプリント配線板を内層回路板とし、こ
のプリント配線板とプリプレグとを交互に所要枚数重ね
ると共にその外側に金属箔を配置し、これを加熱加圧し
て積層成形することによって、多層プリント配線板に加
工するための多層積層板を製造することができる。その
後、多層積層板の外層の金属箔をプリント配線加工して
回路形成したり、多層積層板にドリルによって導通用の
貫通穴をあけると共にこの貫通穴の内壁に金属メッキを
施して内外層回路の相互間をスルーホール接続したりす
ることによって、多層プリント配線板を製造することが
できる。
【0003】ここで、多層プリント配線板において内外
層回路の相互間を導通するスルーホールメッキの周辺に
は、種々のスルーホールクラックが発生することがあ
る。例えば、スルーホールの開口部付近に生ずるコーナ
ークラックや、スルーホールの内部に生ずるバレルクラ
ック等であり、これらはスルーホールの信頼性を低下さ
せるものである。このようなスルーホールクラックは、
多層プリント配線板を形成するプリプレグ及び内層回路
板と金属メッキとの熱膨張係数の差によるストレスで発
生するので、スルーホールメッキの耐熱衝撃性を高める
ためには、多層プリント配線板の厚み方向において上記
両者の熱膨張係数を近付けること、具体的には、プリプ
レグ等の熱膨張係数を下げて金属メッキとの熱膨張係数
の差を小さくすることが必要である。そして、プリプレ
グ等の熱膨張係数を下げる方法としては、これらのもの
を作製するための樹脂組成物中に予め無機フィラーを添
加しておくという方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂組
成物に無機フィラーを添加するとこの樹脂組成物の硬化
物は脆くなり、金属箔ピール強度が低下し、多層積層板
に貫通穴をあけるドリル加工時に外層の金属箔が剥離し
やすくなるという問題がある。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、スルーホールメッキの耐熱衝撃性が高く、かつド
リル加工時に金属箔が剥離しにくい多層プリント配線板
及びその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
多層プリント配線板は、少なくとも絶縁層1を3層有す
る多層プリント配線板において、最外層の絶縁層1のう
ち少なくとも一方の絶縁層1に含まれる無機フィラーの
量が、内層の絶縁層1のうち最も多く無機フィラーを含
む絶縁層1に含まれる無機フィラーの量よりも2質量%
以上少ないことを特徴とするものである。
【0007】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、最外層の絶縁層1のうち少なくとも一方の絶縁層1
に含まれる無機フィラーの量が、内層の絶縁層1のうち
最も多く無機フィラーを含む絶縁層1に含まれる無機フ
ィラーの量よりも2〜80質量%少ないことを特徴とす
るものである。
【0008】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、最外層の絶縁層1のうち少なくとも一方の絶縁
層1に含まれる無機フィラーの量が、内層の絶縁層1の
うち最も多く無機フィラーを含む絶縁層1に含まれる無
機フィラーの量よりも5〜50質量%少ないことを特徴
とするものである。
【0009】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、最外層の絶縁層1のうち少なくとも
一方の絶縁層1に含まれる無機フィラーの量が、15質
量%以下であることを特徴とするものである。
【0010】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、両最外層の絶縁層1に含まれる無機
フィラーの量が、内層の絶縁層1のうち最も多く無機フ
ィラーを含む絶縁層1に含まれる無機フィラーの量より
も少ないことを特徴とするものである。
【0011】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかにおいて、金属張積層板2とプリプレグ3とを
交互に積層すると共に最外層が金属張積層板2である多
層プリント配線板において、金属張積層板2に含まれる
無機フィラーの量が、プリプレグ3に含まれる無機フィ
ラーの量よりも少ないことを特徴とするものである。
【0012】また請求項7の発明は、請求項1乃至5の
いずれかにおいて、金属張積層板2とプリプレグ3とを
交互に積層すると共に最外層がプリプレグ3である多層
プリント配線板において、プリプレグ3に含まれる無機
フィラーの量が、金属張積層板2に含まれる無機フィラ
ーの量よりも少ないことを特徴とするものである。
【0013】また請求項8の発明は、請求項1乃至7の
いずれかにおいて、無機フィラーがシリカであることを
特徴とするものである。
【0014】また請求項9の発明は、請求項8におい
て、シリカの平均粒径が1〜7μmであることを特徴と
するものである。
【0015】また請求項10の発明は、請求項1乃至9
のいずれかにおいて、絶縁層1が、ガラス織布に樹脂組
成物を含浸させると共にこれを乾燥し硬化させることに
よって形成されていることを特徴とするものである。
【0016】また請求項11の発明は、請求項10にお
いて、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)が
190℃よりも高いことを特徴とするものである。
【0017】また請求項12に係る多層プリント配線板
の製造方法は、少なくとも絶縁層1を3層有する多層プ
リント配線板を製造するにあたって、最外層の絶縁層1
のうち少なくとも一方の絶縁層1に含まれる無機フィラ
ーの量が、内層の絶縁層1のうち最も多く無機フィラー
を含む絶縁層1に含まれる無機フィラーの量よりも2質
量%以上少なくなるように絶縁層1を積層成形した後、
最外層の絶縁層1のうち無機フィラーの量が少ない方の
側と反対側からドリルを進入させることによってスルー
ホールの穴あけを行うことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0019】図1は請求項1及び6に係る発明の実施の
形態の一例を示すものであり、この多層プリント配線板
はプリプレグ3と金属張積層板2を用いて製造すること
ができる。
【0020】プリプレグ3を作製するにあたって、樹脂
としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シア
ネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO)
等を用いることができる。また基材としては、例えばガ
ラス織布、ガラス不織布、コットンリンター紙、クラフ
ト紙等を用いることができる。中でもガラス織布が次の
点で好ましい。すなわち、熱膨張係数の大きい樹脂繊維
よりも熱膨張係数の小さいガラス繊維の方が耐熱衝撃性
をより高く得ることができるという点と、繊維中の樹脂
量を減らすことが可能な織布の方が不織布よりも絶縁層
1の熱膨張係数を下げることができるという点である。
そして、上記樹脂に無機フィラーを添加して樹脂組成物
を調製し、この樹脂組成物を上記基材に含浸し、乾燥機
中で80〜170℃程度の温度範囲で、1〜20分程度
乾燥することによって、半硬化状態(B−ステージ)の
プリプレグ3を作製することができるものである。な
お、熱的安定性を高く得ることができるという点で、上
記樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は19
0℃よりも高いことが好ましい。上記ガラス転移温度
(Tg)が190℃以下であると、線膨張係数が大きく
なったり耐半田加工性が悪くなったりするおそれがあ
る。
【0021】ここで、上記無機フィラーとしては、樹脂
組成物の硬化物の熱膨張係数を低下させることができる
ものであれば、特に限定されるものではないが、例えば
シリカ、アルミナ等の酸化物を用いることができる。中
でもシリカが好ましく、これを用いることによって熱膨
張係数を大幅に低下させることができると共に、誘電正
接等の電気特性を良好に得ることができるものである。
より好ましくは、平均粒径1〜7μmのシリカであり、
これを用いることによって、多層積層板の層間密着強度
を高く得ることができると共に、多層積層板の表面の平
滑性を高めることができ、外観が向上するのはもちろ
ん、多層積層板の表面に微細な回路を形成するのが容易
となり、より高密度に配線された回路を形成することが
できるものである。しかし、平均粒径1μm未満のシリ
カを用いると、多層積層板の層間密着強度が弱くなった
り多層積層板の外観が悪くなったりするおそれがあり、
逆に平均粒径7μmを超えるシリカを用いると、多層積
層板の表面の平滑性が低下し、外観が悪くなるおそれが
ある。
【0022】金属張積層板2を作製するにあたっては、
上記のプリプレグ3(以下「無機フィラー高含有プリプ
レグ3b」という)に含まれる無機フィラーよりも少な
い無機フィラーを含むプリプレグ3(以下「無機フィラ
ー低含有プリプレグ3a」という)を別に作製してお
き、この無機フィラー低含有プリプレグ3aを用いて行
うものである。具体的には、無機フィラー低含有プリプ
レグ3aに含まれる無機フィラーの量が、無機フィラー
高含有プリプレグ3bに含まれる無機フィラーの量より
も2質量%以上少なくなるように、無機フィラー高含有
プリプレグ3bと無機フィラー低含有プリプレグ3aを
それぞれ作製しておくものである。無機フィラー低含有
プリプレグ3aに無機フィラーが全く含まれていなくて
もよい。そして、無機フィラー低含有プリプレグ3aの
両側に金属箔を重ね、これを130〜280℃、0.1
〜10MPa、20〜400分の条件で加熱加圧して積
層成形することによって、プリント配線板に加工するた
めの金属張積層板2(以下「無機フィラー低含有金属張
積層板2a」という)を作製することができる。上記金
属箔としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔等
を用いることができる。
【0023】多層積層板を作製するにあたっては、図1
に示すように、上記の無機フィラー低含有金属張積層板
2aと無機フィラー高含有プリプレグ3bとを交互に積
層すると共に、その外側に無機フィラー低含有金属張積
層板2aを配置し、これを加熱加圧して積層成形するこ
とによって、行うことができる。ここで、無機フィラー
低含有金属張積層板2aにおいて無機フィラー高含有プ
リプレグ3bと対向する面の金属箔には、予めプリント
配線加工することによって内層回路を形成しておくもの
である。また図1に示す多層積層板にあっては、12枚
の無機フィラー低含有プリプレグ3aと11枚の無機フ
ィラー高含有プリプレグ3bを用いているが、これらの
枚数に限定されるものではない。
【0024】このようにして作製した多層積層板にあっ
て、絶縁層1は、無機フィラー低含有プリプレグ3a及
び無機フィラー高含有プリプレグ3bを硬化させたもの
によって形成されており、導体層は、無機フィラー低含
有金属張積層板2aの金属箔によって形成されている。
また上記多層積層板にあって、導体層を除く層のうち、
最外層は、無機フィラーの量が少ない絶縁層1で形成さ
れており、内層は、無機フィラーの量が少ない絶縁層1
と無機フィラーの量が多い絶縁層1とが交互に積層され
て形成されている。また図1に示す多層積層板にあって
は、既述のとおり、12枚の無機フィラー低含有プリプ
レグ3aと11枚の無機フィラー高含有プリプレグ3b
を用いているので、合計23層の絶縁層1が形成されて
いることになるが、絶縁層1の層数はこれに限定される
ものではない。ただし、本発明においては少なくとも3
層の絶縁層1を形成するようにしてある。
【0025】そして、多層積層板の表面の金属箔をプリ
ント配線加工することによって外層回路を形成したり、
多層積層板にドリルによって導通用の貫通穴(スルーホ
ール)をあけると共にこの貫通穴の内壁に金属メッキを
施してスルーホールメッキを形成し、内層回路及び外層
回路の相互間をスルーホール接続したりすることによっ
て、多層プリント配線板を製造することができる。
【0026】ここで、従来、多層積層板の一方の側から
他方の側に向けてドリルを貫通させる場合、ドリルが多
層積層板の一方の側から進入する際には、ドリルに接す
る多層積層板の表面の金属箔はドリルによって絶縁層1
側に押し付けられるので、金属箔が絶縁層1から剥離す
るようなことはないが、ドリルが多層積層板の他方の側
から突き抜ける際には、ドリルに接する多層積層板の表
面の金属箔はドリルによって絶縁層1から離れる方向に
引っ張られるので、金属箔が絶縁層1から剥離しやすい
ものであった。しかし、請求項1及び6に係る発明によ
れば、多層積層板における最外層は、無機フィラーの量
が少ない絶縁層1で形成されているので、この絶縁層1
の金属箔ピール強度が向上しており、ドリル加工時に多
層積層板の表面の金属箔が絶縁層1から剥離するのを防
止することができるものである。しかも、請求項1及び
6に係る発明によれば、多層積層板における内層は、無
機フィラーの量が少ない絶縁層1のほか、無機フィラー
の量が多い絶縁層1で形成されているので、これらの絶
縁層1の熱膨張係数が低下して、貫通穴に施される金属
メッキの熱膨張係数に近くなっている。そのため、多層
プリント配線板の厚み方向において絶縁層1と金属メッ
キとの熱膨張係数の差によるストレスが小さくなり、ス
ルーホールクラックの発生を防止することができ、スル
ーホールメッキの耐熱衝撃性を高く得ることができるも
のである。
【0027】ただし、既述のとおり、無機フィラー高含
有プリプレグ3bと無機フィラー低含有プリプレグ3a
を作製するにあたって、無機フィラー低含有プリプレグ
3aに含まれる無機フィラーの量が、無機フィラー高含
有プリプレグ3bに含まれる無機フィラーの量よりも2
質量%以上(実質上の上限値は100質量%)少なくな
るようにしておかなければ、ドリル加工時に多層積層板
の表面の金属箔が絶縁層1から剥離したり、スルーホー
ルメッキの耐熱衝撃性が低下したりするものである。
【0028】好ましくは、無機フィラー低含有プリプレ
グ3aに含まれる無機フィラーの量が、無機フィラー高
含有プリプレグ3bに含まれる無機フィラーの量よりも
2〜80質量%少なくなるように、無機フィラー高含有
プリプレグ3bと無機フィラー低含有プリプレグ3aを
それぞれ作製しておくと、スルーホールメッキの耐熱衝
撃性を高く維持しつつ、最外層の絶縁層1の金属箔ピー
ル強度をさらに高めることができ、ドリル加工時に多層
積層板の表面の金属箔が絶縁層1から剥離するのを確実
に防止することができるものである。ここで、内層の絶
縁層1となる無機フィラー高含有プリプレグ3bに含ま
れる無機フィラーの量は、80質量%が最大であり、2
質量%が最小である。そのため仮に、無機フィラー高含
有プリプレグ3bに含まれる無機フィラーの量が80質
量%であれば、最外層の絶縁層1となる無機フィラー低
含有プリプレグ3aに含まれる無機フィラーの量は0〜
78質量%が好ましいということとなる。また、無機フ
ィラー高含有プリプレグ3bに含まれる無機フィラーの
量が2質量%であれば、最外層の絶縁層1となる無機フ
ィラー低含有プリプレグ3aに含まれる無機フィラーの
量は0質量%が好ましいということとなる。
【0029】より好ましくは、無機フィラー低含有プリ
プレグ3aに含まれる無機フィラーの量が、無機フィラ
ー高含有プリプレグ3bに含まれる無機フィラーの量よ
りも5〜50質量%少なくなるように、無機フィラー高
含有プリプレグ3bと無機フィラー低含有プリプレグ3
aをそれぞれ作製しておくと、スルーホールメッキの耐
熱衝撃性を高く維持しつつ、最外層の絶縁層1の金属箔
ピール強度をさらに高めることができ、ドリル加工時に
多層積層板の表面の金属箔が絶縁層1から剥離するのを
確実に防止することができるのはもちろん、良好な成形
性を得ることができ、ボイドやカスレが発生しなくなる
と共に、絶縁層1の吸湿劣化を防止し、多層プリント配
線板としての品質を良好に保つことができるものであ
る。
【0030】また、最外層の絶縁層のうち少なくとも一
方の絶縁層を形成することとなる無機フィラー低含有プ
リプレグ3aに含まれる無機フィラーの量を、15質量
%以下(実質上の下限値は0質量%)にしておくことも
好ましい。このような無機フィラー低含有プリプレグ3
aで多層積層板における最外層の絶縁層1が形成されて
いると、金属箔に対する樹脂の密着性を低下させる無機
フィラーの量が著しく少なくなるので、最外層の絶縁層
1の金属箔ピール強度をさらに高めることができ、ドリ
ル加工時に多層積層板の表面の金属箔が絶縁層1から剥
離するのを確実に防止することができるものである。
【0031】また図1に示す多層積層板にあっては、最
も外側の絶縁層1はいずれも無機フィラー低含有金属張
積層板2aによって形成してあるが、片側にのみ無機フ
ィラー低含有金属張積層板2aを配置して絶縁層1を形
成するようにしてもよい。この場合には、無機フィラー
低含有金属張積層板2aを配置した側と反対側から多層
積層板にドリルを進入させることによってスルーホール
の穴あけを行うものである。このように穴あけを行うの
は以下の理由である。すなわちドリルが多層積層板の一
方の側から進入する際には、ドリルに接する多層積層板
の表面の金属箔はドリルによって絶縁層1側に押し付け
られるので、たとえこの側に配置されている絶縁層1に
無機フィラーが多く含まれていても、金属箔が絶縁層1
から剥離するようなことはない。そして、ドリルが多層
積層板の他方の側から突き抜ける際には、ドリルに接す
る多層積層板の表面の金属箔はドリルによって絶縁層1
から離れる方向に引っ張られるが、この側に配置されて
いる絶縁層1に含まれている無機フィラーの量は少ない
ので、この絶縁層1の金属箔ピール強度が向上してお
り、ドリル加工時に多層積層板の表面の金属箔が絶縁層
1から剥離するのを防止することができるものである。
【0032】ただ、上記のように片側にのみ無機フィラ
ー低含有金属張積層板2aを配置するようにしてある
と、ドリルの進入方向が限定されてしまうので、図1に
示す多層積層板のように最も外側の絶縁層1はいずれ
も、同量の無機フィラーを含む無機フィラー低含有金属
張積層板2aによって形成してあるのが好ましい。しか
も、このように最外層の絶縁層1に含まれる無機フィラ
ーの量が少ないことは、実装部品の剥がれ防止の観点か
らも好ましい。つまり、最外層の絶縁層1に含まれる無
機フィラーの量が多くなると、この絶縁層1の金属箔ピ
ール強度が低下するので、多層積層板の表面に実装され
る実装部品が剥がれ落ちる可能性が高くなるものであ
る。
【0033】図2は請求項1及び7に係る発明の実施の
形態の一例を示すものであり、この多層プリント配線板
もプリプレグ3と金属張積層板2を用いて製造すること
ができる。ただし、この場合においては、無機フィラー
高含有プリプレグ3bを用いて金属張積層板2(以下
「無機フィラー高含有金属張積層板2b」という)を作
製するものであり、多層積層板を作製するにあたって
は、上記の無機フィラー高含有金属張積層板2bと無機
フィラー低含有プリプレグ3aを用いて行うものであ
る。
【0034】すなわち多層積層板を作製するにあたって
は、図2に示すように、上記の無機フィラー高含有金属
張積層板2bと無機フィラー低含有プリプレグ3aとを
交互に積層すると共に、その外側に無機フィラー低含有
プリプレグ3aを配置し、さらにその外側に金属箔を配
置し、これを加熱加圧して積層成形することによって、
行うことができる。ここで、無機フィラー高含有金属張
積層板2bにおいて無機フィラー低含有プリプレグ3a
と対向する面の金属箔には、予めプリント配線加工する
ことによって内層回路を形成しておくものである。また
図2に示す多層積層板にあっては、12枚の無機フィラ
ー低含有プリプレグ3aと11枚の無機フィラー高含有
プリプレグ3bを用いているが、これらの枚数に限定さ
れるものではない。
【0035】このようにして作製した多層積層板にあっ
て、絶縁層1は、無機フィラー低含有プリプレグ3a及
び無機フィラー高含有プリプレグ3bを硬化させたもの
によって形成されており、導体層は、無機フィラー高含
有金属張積層板2bの金属箔によって形成されている。
また上記多層積層板にあって、導体層を除く層のうち、
最外層は、無機フィラーの量が少ない絶縁層1で形成さ
れており、内層は、無機フィラーの量が少ない絶縁層1
と無機フィラーの量が多い絶縁層1とが交互に積層され
て形成されている。また図2に示す多層積層板にあって
は、既述のとおり、12枚の無機フィラー低含有プリプ
レグ3aと11枚の無機フィラー高含有プリプレグ3b
を用いているので、合計23層の絶縁層1が形成されて
いることになるが、絶縁層1の層数はこれに限定される
ものではない。ただし、本発明においては少なくとも3
層の絶縁層1を形成するようにしてある。
【0036】そして、多層積層板の表面の金属箔をプリ
ント配線加工することによって外層回路を形成したり、
多層積層板にドリルによって導通用の貫通穴(スルーホ
ール)をあけると共にこの貫通穴の内壁に金属メッキを
施してスルーホールメッキを形成し、内層回路及び外層
回路の相互間をスルーホール接続したりすることによっ
て、多層プリント配線板を製造することができる。
【0037】ここで、既述のとおり、従来、多層積層板
に貫通穴をあけるドリル加工時においては、多層積層板
の表面の金属箔が剥離しやすくなるという問題があった
が、請求項1及び7に係る発明によれば、多層積層板に
おける最外層は、無機フィラーの量が少ない絶縁層1で
形成されているので、この絶縁層1の金属箔ピール強度
が向上しており、ドリル加工時に多層積層板の表面の金
属箔が絶縁層1から剥離するのを防止することができる
ものである。しかも、請求項1及び7に係る発明によれ
ば、多層積層板における内層は、無機フィラーの量が少
ない絶縁層1のほか、無機フィラーの量が多い絶縁層1
で形成されているので、これらの絶縁層1の熱膨張係数
が低下して、貫通穴に施される金属メッキの熱膨張係数
に近くなっている。そのため、多層プリント配線板の厚
み方向において絶縁層1と金属メッキとの熱膨張係数の
差によるストレスが小さくなり、スルーホールクラック
の発生を防止することができ、スルーホールメッキの耐
熱衝撃性を高く得ることができるものである。
【0038】ただし、無機フィラー高含有プリプレグ3
bと無機フィラー低含有プリプレグ3aを作製するにあ
たって、無機フィラー低含有プリプレグ3aに含まれる
無機フィラーの量が、無機フィラー高含有プリプレグ3
bに含まれる無機フィラーの量よりも2質量%以上少な
くなるようにしておかなければ、ドリル加工時に多層積
層板の表面の金属箔が絶縁層1から剥離したり、スルー
ホールメッキの耐熱衝撃性が低下したりするのは、既述
のとおりである。
【0039】好ましくは、無機フィラー低含有プリプレ
グ3aに含まれる無機フィラーの量が、無機フィラー高
含有プリプレグ3bに含まれる無機フィラーの量よりも
2〜80質量%少なくなるように、無機フィラー高含有
プリプレグ3bと無機フィラー低含有プリプレグ3aを
それぞれ作製しておくと、スルーホールメッキの耐熱衝
撃性を高く維持しつつ、最外層の絶縁層1の金属箔ピー
ル強度をさらに高めることができ、ドリル加工時に多層
積層板の表面の金属箔が絶縁層1から剥離するのを確実
に防止することができるものである。
【0040】より好ましくは、無機フィラー低含有プリ
プレグ3aに含まれる無機フィラーの量が、無機フィラ
ー高含有プリプレグ3bに含まれる無機フィラーの量よ
りも5〜50質量%少なくなるように、無機フィラー高
含有プリプレグ3bと無機フィラー低含有プリプレグ3
aをそれぞれ作製しておくと、スルーホールメッキの耐
熱衝撃性を高く維持しつつ、最外層の絶縁層1の金属箔
ピール強度をさらに高めることができ、ドリル加工時に
多層積層板の表面の金属箔が絶縁層1から剥離するのを
確実に防止することができるのはもちろん、良好な成形
性を得ることができ、ボイドやカスレが発生しなくなる
と共に、絶縁層1の吸湿劣化を防止し、多層プリント配
線板としての品質を良好に保つことができるものであ
る。
【0041】また、最外層の絶縁層のうち少なくとも一
方の絶縁層を形成することとなる無機フィラー低含有プ
リプレグ3aに含まれる無機フィラーの量を、15質量
%以下(実質上の下限値は0質量%)にしておくことも
好ましい。このような無機フィラー低含有プリプレグ3
aで多層積層板における最外層の絶縁層1が形成されて
いると、金属箔に対する樹脂の密着性を低下させる無機
フィラーの量が著しく少なくなるので、最外層の絶縁層
1の金属箔ピール強度をさらに高めることができ、ドリ
ル加工時に多層積層板の表面の金属箔が絶縁層1から剥
離するのを確実に防止することができるものである。
【0042】また図2に示す多層積層板にあっては、最
も外側の絶縁層1はいずれも無機フィラー低含有プリプ
レグ3aを配置して形成してあるが、片側にのみ無機フ
ィラー低含有プリプレグ3aを配置して絶縁層1を形成
するようにしてもよい。この場合には、無機フィラー低
含有プリプレグ3aを配置した側と反対側から多層積層
板にドリルを進入させることによってスルーホールの穴
あけを行うものである。このように穴あけを行うのは以
下の理由である。すなわちドリルが多層積層板の一方の
側から進入する際には、ドリルに接する多層積層板の表
面の金属箔はドリルによって絶縁層1側に押し付けられ
るので、たとえこの側に配置されている絶縁層1に無機
フィラーが多く含まれていても、金属箔が絶縁層1から
剥離するようなことはない。そして、ドリルが多層積層
板の他方の側から突き抜ける際には、ドリルに接する多
層積層板の表面の金属箔はドリルによって絶縁層1から
離れる方向に引っ張られるが、この側に配置されている
絶縁層1に含まれている無機フィラーの量は少ないの
で、この絶縁層1の金属箔ピール強度が向上しており、
ドリル加工時に多層積層板の表面の金属箔が絶縁層1か
ら剥離するのを防止することができるものである。
【0043】ただ、上記のように片側にのみ無機フィラ
ー低含有プリプレグ3aを配置するようにしてあると、
ドリルの進入方向が限定されてしまうので、図2に示す
多層積層板のように最も外側の絶縁層1はいずれも、同
量の無機フィラーを含む無機フィラー低含有プリプレグ
3aによって形成してあるのが好ましい。しかも、この
ように最外層の絶縁層1に含まれる無機フィラーの量が
少ないことは、実装部品の剥がれ防止の観点からも好ま
しい。つまり、最外層の絶縁層1に含まれる無機フィラ
ーの量が多くなると、この絶縁層1の金属箔ピール強度
が低下するので、多層積層板の表面に実装される実装部
品が剥がれ落ちる可能性が高くなるものである。
【0044】図1及び図2に示す多層積層板にあって、
絶縁層1は、無機フィラー低含有プリプレグ3a及び無
機フィラー高含有プリプレグ3bを硬化させたものによ
って形成されており、導体層は、金属張積層板2の金属
箔によって形成されているが、これに限定されるもので
はない。すなわち、いわゆるビルドアップ法を行って、
樹脂組成物による絶縁層1とパターンメッキによる導体
層を順次積み上げていくことによって多層積層板を作製
したり、ビルドアップ法において上記のプリプレグ3や
金属張積層板2を用いて多層積層板を作製したりするこ
とができる。このとき内層に2層以上の絶縁層1を形成
する場合には、各絶縁層1に含まれる無機フィラーの量
はそれぞれ異なっていてもよい。ただし、最外層の絶縁
層1のうち少なくとも一方の絶縁層1に含まれる無機フ
ィラーの量が、内層の絶縁層1のうち最も多く無機フィ
ラーを含む絶縁層1に含まれる無機フィラーの量よりも
2質量%以上少ないことが必要である。このように本発
明においては、内層の絶縁層1のうち最も多く無機フィ
ラーを含む絶縁層1を基準として、最外層の絶縁層1に
含まれる無機フィラーの量を調整する必要があるが、図
1及び図2に示すように、無機フィラー低含有プリプレ
グ3a及び無機フィラー高含有プリプレグ3bの2種類
のプリプレグ3を作製するようにすれば、上記の調整を
容易に行うことができ、多層プリント配線板の製造効率
を高く得ることができるものである。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0046】樹脂として、PPO系の日本イージープラ
スチック株式会社製「ノリル640−111(ポリフェ
ニレンオキサイド)」を用いた。そしてまず試薬ナカラ
イテスク株式会社製のトルエン500質量部を80〜9
0℃に加熱し、このトルエンに上記PPO系の樹脂を1
60質量部入れた。次に、これを撹拌してPPO系の樹
脂を完全に溶解させた後に、日本化成株式会社製「TA
IC」を240質量部と、日本油脂株式会社製「パーブ
チルP」を20質量部入れて冷却することによって、P
PO系の樹脂組成物を調製した。
【0047】また樹脂として、エポキシ系の臭素化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂であるダウケミカル株式会
社製「DER511」を70質量部及びクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂である東都化成株式会社製「YD
CN702P」を30質量部用いた。そしてこれらのエ
ポキシ系の樹脂と、硬化剤であるジシアンジアミド4質
量部と、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール0.08質量部を配合し、これをジメチルホル
ムアミド及びメチルエチルケトンの混合溶媒に溶かすこ
とによって、エポキシ系の樹脂組成物を調製した。
【0048】また無機フィラーとして、シリカである株
式会社マイクロン製「SCOX88」(平均粒径7μ
m)及びアルミナである住友化学工業株式会社製「アル
ミナAL−S43」(平均粒径3.5μm)を用いた。
【0049】そして、上記のようにして得たPPO系の
樹脂組成物及びエポキシ系の樹脂組成物に無機フィラー
を混合することによって、実施例1〜14及び比較例1
〜5の樹脂組成物を調製した。
【0050】次に、上記樹脂組成物をガラス織布である
日東紡株式会社製「116E」に含浸し、140℃で5
分間乾燥することによって、厚み0.1mmのプリプレ
グを作製した。このプリプレグに含まれる無機フィラー
の量を図1に示す。
【0051】次に、上記プリプレグの両側に厚み18μ
mの銅箔を配し、180℃、2MPaの条件で180分
間、加熱加圧して積層成形することによって、厚み0.
1mmの銅張積層板を作製した。この銅張積層板の表面
の銅箔にランド径5mmΦ、10mmΦピッチで回路を
形成した後、黒化処理を施した。この銅張積層板に含ま
れる無機フィラーの量を図1に示す。
【0052】次に、上記のプリプレグ及び銅張積層板を
用いて、図1に示す多層配線板(構成A)及び図2に示
す多層積層板(構成B)を作製した。さらにこれらの多
層積層板に、ドリル径:0.5mmΦ、回転数:80,
000rpm、送り速度:2.3m/minのドリル条
件でドリル加工を行って貫通穴をあけ、この貫通穴の内
壁に厚み20μmの銅メッキを施してスルーホールメッ
キを形成することによって、試験サンプル用の多層プリ
ント配線板を製造した。なお、図1において上の銅張積
層板から順に、銅張積層板1層目、銅張積層板2層目、
…、銅張積層板12層目とし、図2において上のプリプ
レグから順に、プリプレグ1層目、プリプレグ2層目、
…、プリプレグ12層目とする。
【0053】そして、上記の多層プリント配線板を−6
5℃の雰囲気に30分間、125℃の雰囲気に30分間
放置し、これを1サイクルとして耐熱衝撃性の試験を繰
り返し行い、20サイクルごとにスルーホールクラック
の有無を確認した。スルーホールクラックが発生したと
きのサイクル数を表1に示す。
【0054】また、銅張積層板12層目及びプリプレグ
12層目の外側の銅箔のピール強度をJIS法に基づい
て測定した。その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】表1にみられるように、実施例1〜14は
いずれも、内層に無機フィラーを充分に含んでいるの
で、耐熱衝撃性に優れていることが確認される。
【0057】また、実施例1及び比較例1はいずれも、
銅張積層板12層目に無機フィラーを含んでいないの
で、銅箔のピール強度が同じであることが確認される。
【0058】また、実施例3〜5の銅張積層板12層目
に含まれる無機フィラーの量は、比較例3のそれよりも
少ないので、実施例3〜5は比較例3に比べて銅箔のピ
ール強度が高くなることが確認される。
【0059】また、実施例1,8,9の銅張積層板12
層目に含まれる無機フィラーの量は、比較例2のそれよ
りもすくないので、実施例1,8,9は比較例2に比べ
て銅箔のピール強度が高くなることが確認される。
【0060】さらに、実施例10〜12のプリプレグ1
2層目に含まれる無機フィラーの量は、比較例4のそれ
よりも少ないので、実施例10〜12は比較例4に比べ
て銅箔のピール強度が高くなることが確認される。
【0061】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る多
層プリント配線板は、少なくとも絶縁層を3層有する多
層プリント配線板において、最外層の絶縁層のうち少な
くとも一方の絶縁層に含まれる無機フィラーの量が、内
層の絶縁層のうち最も多く無機フィラーを含む絶縁層に
含まれる無機フィラーの量よりも2質量%以上少ないの
で、最外層の絶縁層のうち少なくとも一方の絶縁層の金
属箔ピール強度が向上しており、ドリル加工時に金属箔
が絶縁層から剥離するのを防止することができると共
に、内層の絶縁層の熱膨張係数が低下しており、スルー
ホールメッキの耐熱衝撃性を高く得ることができるもの
である。
【0062】また請求項2の発明は、最外層の絶縁層の
うち少なくとも一方の絶縁層に含まれる無機フィラーの
量が、内層の絶縁層のうち最も多く無機フィラーを含む
絶縁層に含まれる無機フィラーの量よりも2〜80質量
%少ないので、スルーホールメッキの耐熱衝撃性を高く
維持しつつ、最外層の絶縁層のうち少なくとも一方の絶
縁層の金属箔ピール強度をさらに高めることができ、ド
リル加工時に金属箔が絶縁層から剥離するのを確実に防
止することができるものである。
【0063】また請求項3の発明は、最外層の絶縁層の
うち少なくとも一方の絶縁層に含まれる無機フィラーの
量が、内層の絶縁層のうち最も多く無機フィラーを含む
絶縁層に含まれる無機フィラーの量よりも5〜50質量
%少ないので、スルーホールメッキの耐熱衝撃性を高く
維持しつつ、最外層の絶縁層のうち少なくとも一方の絶
縁層の金属箔ピール強度をさらに高めることができ、ド
リル加工時に金属箔が絶縁層から剥離するのを確実に防
止することができるのはもちろん、良好な成形性を得る
ことができ、ボイドやカスレが発生しなくなると共に、
絶縁層の吸湿劣化を防止し、多層プリント配線板として
の品質を良好に保つことができるものである。
【0064】また請求項4の発明は、最外層の絶縁層の
うち少なくとも一方の絶縁層に含まれる無機フィラーの
量が、15質量%以下であるので、金属箔に対する樹脂
の密着性を低下させる無機フィラーの量が著しく少なく
なり、最外層の絶縁層のうち少なくとも一方の絶縁層の
金属箔ピール強度をさらに高めることができ、ドリル加
工時に金属箔が絶縁層から剥離するのを確実に防止する
ことができるものである。
【0065】また請求項5の発明は、両最外層の絶縁層
に含まれる無機フィラーの量が、内層の絶縁層のうち最
も多く無機フィラーを含む絶縁層に含まれる無機フィラ
ーの量よりも少ないので、最外層の絶縁層のうちいずれ
の絶縁層の側からもドリルを進入させることができると
共に、最外層の絶縁層のうちいずれの絶縁層に実装部品
を実装してもこれらの実装部品が剥がれ落ちるのを防止
することができるものである。
【0066】また請求項6の発明は、金属張積層板とプ
リプレグとを交互に積層すると共に最外層が金属張積層
板である多層プリント配線板において、金属張積層板に
含まれる無機フィラーの量が、プリプレグに含まれる無
機フィラーの量よりも少ないので、最外層の金属張積層
板による絶縁層の金属箔ピール強度が向上しており、ド
リル加工時に金属箔が絶縁層から剥離するのを防止する
ことができると共に、内層の絶縁層の熱膨張係数が低下
しており、スルーホールメッキの耐熱衝撃性を高く得る
ことができるものである。
【0067】また請求項7の発明は、金属張積層板とプ
リプレグとを交互に積層すると共に最外層がプリプレグ
である多層プリント配線板において、プリプレグに含ま
れる無機フィラーの量が、金属張積層板に含まれる無機
フィラーの量よりも少ないので、最外層のプリプレグに
よる絶縁層の金属箔ピール強度が向上しており、ドリル
加工時に金属箔が絶縁層から剥離するのを防止すること
ができると共に、内層の絶縁層の熱膨張係数が低下して
おり、スルーホールメッキの耐熱衝撃性を高く得ること
ができるものである。
【0068】また請求項8の発明は、無機フィラーがシ
リカであるので、絶縁層の熱膨張係数を大幅に低下させ
ることができると共に、誘電正接等の電気特性を良好に
得ることができるものである。
【0069】また請求項9の発明は、シリカの平均粒径
が1〜7μmであるので、これを用いることによって、
多層積層板の層間密着強度を高く得ることができると共
に、多層積層板の表面の平滑性を高めることができ、外
観が向上するのはもちろん、多層積層板の表面に微細な
回路を形成するのが容易となり、より高密度に配線され
た回路を形成することができるものである。
【0070】また請求項10の発明は、絶縁層が、ガラ
ス織布に樹脂組成物を含浸させると共にこれを乾燥し硬
化させることによって形成されているので、耐熱衝撃性
を高く得ることができると共に、絶縁層の熱膨張係数を
下げることができるものである。
【0071】また請求項11の発明は、樹脂組成物の硬
化物のガラス転移温度(Tg)が190℃よりも高いの
で、熱的安定性を高く得ることができるものである。
【0072】また請求項12に係る多層プリント配線板
の製造方法は、少なくとも絶縁層を3層有する多層プリ
ント配線板を製造するにあたって、最外層の絶縁層のう
ち少なくとも一方の絶縁層に含まれる無機フィラーの量
が、内層の絶縁層のうち最も多く無機フィラーを含む絶
縁層に含まれる無機フィラーの量よりも2質量%以上少
なくなるように絶縁層を積層成形した後、最外層の絶縁
層のうち無機フィラーの量が少ない方の側と反対側から
ドリルを進入させることによってスルーホールの穴あけ
を行うので、最外層の絶縁層のうち無機フィラーの量が
少ない方の絶縁層の金属箔ピール強度が向上しており、
ドリル加工時にこの絶縁層から金属箔が剥離するのを防
止することができると共に、内層の絶縁層の熱膨張係数
が低下しており、スルーホールメッキの耐熱衝撃性に優
れた多層プリント配線板を製造することができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の他例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 絶縁層 2 金属張積層板 3 プリプレグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 達也 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5E346 AA12 AA42 CC03 CC04 CC08 CC09 CC10 CC32 DD02 DD12 DD32 EE04 EE09 FF07 GG15 GG17 GG22 GG28 HH18 HH33

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも絶縁層を3層有する多層プリ
    ント配線板において、最外層の絶縁層のうち少なくとも
    一方の絶縁層に含まれる無機フィラーの量が、内層の絶
    縁層のうち最も多く無機フィラーを含む絶縁層に含まれ
    る無機フィラーの量よりも2質量%以上少ないことを特
    徴とする多層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 最外層の絶縁層のうち少なくとも一方の
    絶縁層に含まれる無機フィラーの量が、内層の絶縁層の
    うち最も多く無機フィラーを含む絶縁層に含まれる無機
    フィラーの量よりも2〜80質量%少ないことを特徴と
    する請求項1に記載の多層プリント配線板。
  3. 【請求項3】 最外層の絶縁層のうち少なくとも一方の
    絶縁層に含まれる無機フィラーの量が、内層の絶縁層の
    うち最も多く無機フィラーを含む絶縁層に含まれる無機
    フィラーの量よりも5〜50質量%少ないことを特徴と
    する請求項1又は2に記載の多層プリント配線板。
  4. 【請求項4】 最外層の絶縁層のうち少なくとも一方の
    絶縁層に含まれる無機フィラーの量が、15質量%以下
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載の多層プリント配線板。
  5. 【請求項5】 両最外層の絶縁層に含まれる無機フィラ
    ーの量が、内層の絶縁層のうち最も多く無機フィラーを
    含む絶縁層に含まれる無機フィラーの量よりも少ないこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多層
    プリント配線板。
  6. 【請求項6】 金属張積層板とプリプレグとを交互に積
    層すると共に最外層が金属張積層板である多層プリント
    配線板において、金属張積層板に含まれる無機フィラー
    の量が、プリプレグに含まれる無機フィラーの量よりも
    少ないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
    載の多層プリント配線板。
  7. 【請求項7】 金属張積層板とプリプレグとを交互に積
    層すると共に最外層がプリプレグである多層プリント配
    線板において、プリプレグに含まれる無機フィラーの量
    が、金属張積層板に含まれる無機フィラーの量よりも少
    ないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の多層プリント配線板。
  8. 【請求項8】 無機フィラーがシリカであることを特徴
    とする請求項1乃至7のいずれかに記載の多層プリント
    配線板。
  9. 【請求項9】 シリカの平均粒径が1〜7μmであるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の多層プリント配線板。
  10. 【請求項10】 絶縁層が、ガラス織布に樹脂組成物を
    含浸させると共にこれを乾燥し硬化させることによって
    形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れかに記載の多層プリント配線板。
  11. 【請求項11】 樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度
    (Tg)が190℃よりも高いことを特徴とする請求項
    10に記載の多層プリント配線板。
  12. 【請求項12】 少なくとも絶縁層を3層有する多層プ
    リント配線板を製造するにあたって、最外層の絶縁層の
    うち少なくとも一方の絶縁層に含まれる無機フィラーの
    量が、内層の絶縁層のうち最も多く無機フィラーを含む
    絶縁層に含まれる無機フィラーの量よりも2質量%以上
    少なくなるように絶縁層を積層成形した後、最外層の絶
    縁層のうち無機フィラーの量が少ない方の側と反対側か
    らドリルを進入させることによってスルーホールの穴あ
    けを行うことを特徴とする多層プリント配線板の製造方
    法。
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