JP2003317310A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2003317310A
JP2003317310A JP2002124119A JP2002124119A JP2003317310A JP 2003317310 A JP2003317310 A JP 2003317310A JP 2002124119 A JP2002124119 A JP 2002124119A JP 2002124119 A JP2002124119 A JP 2002124119A JP 2003317310 A JP2003317310 A JP 2003317310A
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Akira Nakajima
明 中島
Takashi Teruda
尚 照田
Toshibumi Takizawa
俊文 滝澤
Hideji Takeshima
秀治 竹島
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速記録に適した光記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 波長λW(但しλW≧700nm)のレー
ザー光にて記録される光記録媒体において、少なくと
も、最大吸収波長λ1が(λW−100nm)≦λ1≦(λW
−30nm)であり、かつ記録光波長λWに於ける吸光度
が最大吸収波長での吸光度の20%以下である色素1を
主成分とし、さらに最大吸収波長λ2が(λW−30nm)
<λ2≦(λW+100nm)である色素2を含有する記録
層を有することを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色素を含む記録層
を有する、記録可能な光記録媒体に関し、特に高感度で
の高速記録に適する光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、追記型CD(コンパクトディス
ク)の開発が活発化してきている。これは従来のCDと
異なりユーザーが情報を記録することが可能で、かつ記
録後の信号が従来のCDの規格を満足するため、市販C
Dプレイヤーで再生可能であるという特徴をもつ。この
ようなメディアを実現する方法の一つとして、特開平2
−42652号公報において、基板上に色素を含有する
塗布液をスピンコーティングして光吸収層を設け、その
上に金属反射層を設けることが提案されている。また特
開平2−132656号公報に述べられているように、
光吸収層の複屈折率、膜厚を適当に選ぶことにより、記
録後の信号がCD規格を満足するようになり、このCD
がCD−Rメディアとして商品化されている。
【0003】さらに、例えばCD−Rディスクでは、当
初は1.2m/秒の線速度でCLV(線速度一定モー
ド)記録がなされていたが、ユーザーの記録時間短縮の
要求から、2倍速(線速度:2.4m/秒)、4倍速
(線速度:4.8m/秒)、6倍速、8倍速、12倍
速、16倍速、20倍速、24倍速(線速度:28.8
m/秒)と記録速度の高速化がなされてきた。この記録
の高速化に対しては24倍速までは、特願2001−2
55470号公報においてに述べられているように、波
長780nmでの色素の吸光度、記録層膜厚、および基板表
面に設ける記録/再生光トラッキング用案内溝の溝形状
などを制御することで対応が可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、25倍速以
上、特に32倍速相当の記録速度の高速化に対応するた
めには、記録光のパワーマージンやβマージンを確保し
つつ、媒体の記録感度を良くすることが重要である。記
録感度を向上させるには、一般に色素を含む記録層の膜
厚を薄くする、溝幅を広くするなどの手段が考えられる
が、これらの方法のみでは、所定の信号振幅が得られな
い、媒体の生産性が下がってしまうなどの問題を生じる
虞があった。
【0005】本発明は、生産性、および記録時における
広い記録パワーマージンやβマージンを維持しつつ、記
録感度を向上させた光記録媒体を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、広いBLER
(ブロックエラーレート)マージン、良好なジッター特
性を有する記録層に、記録光波長で大きな光吸収を有す
る色素を微量添加することにより、BLERマージン、ジッ
ター値に殆ど影響を与えずに、記録感度を良くすること
が可能であることを発見した。
【0007】すなわち本発明は、波長λW(但しλW≧7
00nm)のレーザー光にて記録される光記録媒体にお
いて、少なくとも、最大吸収波長λ1が(λW−100n
m)≦λ1≦(λW−30nm)であり、かつ記録光波長λ
Wに於ける吸光度が最大吸収波長での吸光度の20%以
下である色素1を主成分とし、さらに最大吸収波長λ2
が(λW−30nm)<λ2≦(λW+100nm)である色素
2を含有する記録層を有することを特徴とする光記録媒
体に存する。
【0008】また本発明は、波長λW(但しλW≧700
nm)のレーザー光にて記録される光記録媒体におい
て、少なくとも、最大吸収波長λ1が(λW−100nm)
≦λ1≦(λW−30nm)であり、かつ記録波長λWに於
ける吸光度が最大吸収波長での吸光度の20%以下であ
る色素1を主成分とし、さらに最大吸収波長λ2が λ2
<(λW−30nm)であり、かつ記録波長λWに於ける吸
光度が最大吸収波長での吸光度の20%を超える色素2
を含有する記録層を有することを特徴とする光記録媒体
に存する。
【0009】BLERマージンとは、X軸にβ値、Y軸にBL
ER値をプロットした時に、BLER値が上昇を始める記録パ
ワーの範囲を言う。β値とは、再生信号のアシンメトリ
ーの逆数に対応するパラメータである。本願における、
色素の「最大吸収波長」について説明する。λ1は、色
素1を適当な溶媒(記録層形成時に使用するものと同じ
溶剤が好ましい)に色素を溶解し、光記録媒体と同じ基
板上に塗布・乾燥して得られる色素膜について測定し
た、吸収スペクトルにおける最大吸収波長を意味する。
またλ2は、色素2の5mg/Lクロロホルム溶液につ
いて測定した、吸収スペクトルにおける最大吸収波長を
意味する。最大吸収波長における吸光度に対する比率
も、上記各々で測定した吸収スペクトルに基づき算出し
た値である。
【0010】色素1は、後述するように、記録層におけ
る主成分であるため、上述のように色素膜について測定
した吸収スペクトルから記録層への適否を判断すること
が妥当であり、色素2は色素1中に分散された形で存在
するため、溶液等何らかの媒質中での吸収スペクトルか
ら記録層への適否を判断することが妥当であると、本発
明者らは判断したためである。
【0011】
【本発明の実施の形態】本発明の光記録媒体における記
録層は、屈折率が記録光波長λW付近で最大となる色素
1を主成分とし、これに対し、記録光波長λW付近にお
ける吸光度は大きいが、屈折率はそれ程大きくない色素
2を少量添加したことを特徴とする。記録感度を向上さ
せるためには、記録光波長に於ける光吸収量を大きくす
ればよい。それには記録層を厚くすることにより該波長
における光吸収量を増やすことが考えられるが、膜厚を
厚くすることにより記録層単位面積あたりの色素の体積
が増えてしまうため、却って感度低下を招いてしまい、
結果として大きな感度向上にはつながらなかった。そこ
で本発明者らは、単に、記録層単位面積あたりの色素量
を増やすのではなく、記録光波長に於ける吸収のみを大
きくするために、色素2を添加した。
【0012】色素を含む記録層をもつ光記録媒体(以
下、単に色素系光記録媒体と称す)では、一般にレーザ
ー光照射による記録層の温度上昇により、該層に含まれ
る色素を熱分解することにより、信号の記録を行う。そ
して記録前後の、再生用レーザー光波長(一般には記録
光波長とほぼ同じなので、以下は記録/再生光波長と表
現する)における屈折率変化による、反射率の変化を検
出することにより信号の再生を行っている。
【0013】従って記録層には、再生光波長における記
録前の反射率が高く、記録光波長における光学的記録に
必要最低限の吸光度を有する色素が求められてきた。さ
て、CD−Rなどの反射型光記録媒体において、記録層
の膜厚と特定波長での反射率は、図1のような関係があ
ることが知られている。図1において、記録層の膜厚が
0の時、反射率は極大値を示すことがわかるが、膜厚0
nmの次に現れる極大値(図1の場合は、膜厚95nm
付近での反射率)を、該記録層の複素屈折率(n,k)
でプロットしたものが図2である。
【0014】図2から分かるように、高い反射率を得る
には、高い屈折率(n)と小さな吸収係数(k)を満た
す記録層が必要である。屈折率(n)は、下記式
【0015】
【数1】
【0016】(クラマース・クローニッヒの関係式)に
て吸収係数(k)により決定されることが知られてい
る。式中、λは波長を表す。図3に、屈折率(n)およ
び吸収係数(k)の波長(λ)依存性を示す。図3から
分かるように、屈折率(n)極大時の波長は、吸収係数
(k)極大時の波長よりも常に長波長であり、両波長の
差は30nm程度である。
【0017】吸収係数(k)の波長依存性は色素の吸収
スペクトルと相関があり、吸収係数(k)極大時の波長
と吸収スペクトル極大時の波長は近い値である。屈折率
(n)の極大値の大きさは吸収係数(k)の大きさと相関
があり、吸収係数(k)の極大値の大きい化合物は屈折
率(n)の極大値も大きい傾向がある。以上のことから
一般に、反射型光記録媒体では、記録光波長よりも30nm
以上短波長側に極大吸収波長があり、該極大時の吸収
(吸光度)が大きな色素が、好んで用いられてきた。
【0018】本発明者らは、従来の光記録媒体用色素と
同様の、上述の傾向を有する色素(色素1)に対し、記
録光波長での吸収が比較的大きく、かつ屈折率が小さい
と考えられる色素(色素2)を少量併用することで、記
録層の屈折率に大きな影響を与えることなく記録層の光
吸収効率を向上させることにより、光学記録媒体の高感
度化が図れることに想到した。
【0019】そして、色素1および色素2として適切な
性能を、更に詳しく検討した結果、記録変調度を主に支
配する色素1として、最大吸収波長λ1が(λW−100n
m)≦λ1≦(λW−30nm)であり、かつ記録光波長λ
Wに於ける吸光度が最大吸収波長での吸光度の20%以
下である色素を使用し、記録感度を向上させる添加色素
2として、 a)最大吸収波長λ2が(λW−30nm)<λ2≦(λW
100nm)であるか、 b)最大吸収波長λ2が λ2<(λW−30nm)であ
り、かつ記録波長λWに於ける吸光度が最大吸収波長で
の吸光度の20%を超える色素を使用すれば良いことが
判明した。
【0020】色素1としては、波長670〜750nm
の範囲に最大吸収波長λ1を有し、記録光波長λWにおけ
る吸光度が、最大吸収波長における吸光度の10〜20
%であるものが好ましい。次に色素2に関し、上記a)
およびb)の各々につき説明する。a)の場合、最大吸
収波長が色素1より長波長であるため、記録光波長λW
における屈折率が色素1より小さく、記録前後の記録層
の屈折率変化に大きな影響をもたらさない。この色素2
の記録光波長における吸光度は、最大吸収波長における
値の20%を超えることが好ましく、より好ましくは4
0%以上、更に好ましくは70%以上である。またλ2
は、λW≦λ2を満たすと更に好ましい。
【0021】最大吸収波長を含む吸収スペクトルのピー
クが比較的ブロードである色素は、屈折率変化点より長
波長領域での屈折率変化が緩慢であるため、添加色素2
として有効である。このような色素は、最大吸収波長が
記録光波長から充分短波長側に離れていたとしても、記
録光波長付近で比較的高い吸光度を有する。具体的に
は、b)λ2<(λW−30nm)を満たし、かつ記録波長
λWに於ける吸光度が最大吸収波長での吸光度の20%
を超える色素がこれにあたる。この場合、最大吸収波長
での吸光度に対する記録波長λWに於ける吸光度は、4
0%以上であればより好ましく、70%以上であれば更
に好ましい。
【0022】本発明の光記録媒体において、記録層の主
成分である色素1の含有量は、色素2の吸光度などによ
り、好ましい含有量は異なるものの、通常50重量%を
超え、好ましくは80重量%以上である。色素1に対す
る色素2の含有量が多ければその分、感度が良くなる傾
向にある。添加色素2の好ましい量を簡便に見積もるた
め、実験的に “(光記録媒体における)反射率の低下
量”と“(記録層の)吸光度”ד(色素2の)添加
量”の関係を求めてみると “反射率の低下量”=5ד吸光度”ד添加量” であった。ここでは、色素溶液(5mg/Lのクロロホ
ルム溶液)の吸光度を用いた。色素2の添加量とは、色
素1の量に対する色素2の添加量(重量%)であり、反
射率とは、厚さ1.2mmの射出成形ポリカーボネート
製基板上に、色素1および色素2を含有する記録層、お
よび金属反射層を積層してなる光記録媒体に、基板側か
ら再生光と同じ光を照射した時に得られる反射率であ
る。本発明では、オーディオ デベロップメント社製
「CD−CATS」にて測定した。
【0023】ところで、CD−Rの規格であるオレンジ
ブック パート2によると、記録後の光記録媒体の反射
率は60%以上と規定されている。例えば、この規格に
合致する光記録媒体を作成する場合、上記式で表される
色素2の量と反射率の添加量を目安に、結果として得ら
れる記録層の反射率が規格値を満たすよう、設計すれば
よい。
【0024】通常、色素2添加による反射率低下は15
%未満が好ましく、上述のように溶液状態で測定した吸
光度が0.2である色素2を用いた場合は 、色素1に
対して15重量%程度までの添加が可能と考えられる。
また、色素2の同吸光度が0.5の場合には6重量%以
下、吸光度1.0の場合は3重量%以下が好ましい。ベ
ースとなる色素1の記録特性を損なわず、かつ感度を向
上させるという観点から、添加色素2としては記録光波
長λWでの吸光度が0.5±0.2、その添加量は色素
1に対して2〜6重量%とすることが特に好ましい。こ
の程度であれば、実質的にベースとなる色素1がもつBL
ERマージン、ジッタ−値等の記録特性を損なわずに感度
のみを向上させることが可能となる。
【0025】色素1、色素2はそれぞれ、複数種類を併
用してもよい。このようにして作成された本発明の光記
録媒体は、記録光波長λWにおける記録層の吸光度(空
気をリファレンスにして測定)が0.7〜0.9である
ことが好ましい。本発明者らは、この吸光度をOcean Op
tics, Inc.製の吸光度計PS1000にて測定した。
【0026】本発明の光記録媒体は記録光波長λW≧7
00nmであるが、700nm≦λ W≦850nmの場
合に、本発明の効果が特に顕著となるため好ましい。次
に、本発明の光記録媒体の層構成および各層形成用の材
料につき説明する。本発明の光記録媒体は、少なくとも
透明基板上に記録層、反射層、および保護層を順次積層
してなる構造を有する。これらの層の間に、本発明の光
記録媒体の性能を損なわない範囲で任意の層を有してい
ても良い。
【0027】本発明の光記録媒体における基板の材質と
しては、基本的には記録光及び再生光の波長で透明であ
ればよい。このような材質としては、例えばアクリル系
樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂(特に非晶質ポリオレフィン)、ポリ
エステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の
樹脂からなるもの、ガラスからなるもの、ガラス上に光
硬化性樹脂等の放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設け
たもの等を使用することができる。
【0028】高生産性、コスト、耐吸湿性などの点から
は、射出成型ポリカーボネートが好ましい。耐薬品性、
耐吸湿性などの点からは、非晶質ポリオレフィンが好ま
しい。また高速回転時における機械的安定性などの点か
らは、ガラス基板が好ましい。
【0029】記録層に接して樹脂基板または樹脂層を設
け、その樹脂基板または樹脂層上に記録再生光の案内溝
やピットを有していてもよい。このような案内溝やピッ
トは、基板の成形時に付与することが好ましいが、基板
の上に紫外線硬化樹脂層を用いて付与することもでき
る。案内溝がスパイラル状の場合、この溝ピッチが0.
3〜1.2μm程度であることが好ましい。
【0030】基板上、または必要に応じて下引き層等を
設けた上に、上述の色素1および色素2を含有する記録
層を形成する。記録層の成膜方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト
法、スピンコート法、浸漬法等一般に行われている薄膜
形成法が挙げられるが、量産性、コスト面からはスピン
コート法が好ましい。また厚みの均一な記録層が得られ
るという点からは、塗布法より真空蒸着法の方が好まし
い。
【0031】スピンコート法による成膜の場合、回転数
は500 〜15000rpm が好ましく、スピンコートの後、場
合によっては加熱あるいは溶媒蒸気にあてる等の処理を
行っても良い。ドクターブレード法、キャスト法、スピ
ンコート法、浸漬法等の塗布方法により記録層を形成す
る場合の塗布溶媒としては、基板を侵さない溶媒であれ
ばよく、特に限定されない。例えば、ジアセトンアルコ
ール、3-ヒドロキシ-3- メチル-2- ブタノン等のケトン
アルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ等のセロソルブ系溶媒;n-ヘキサン、n-オクタン等の
鎖状炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサ
ン、n-ブチルシクロヘキサン、tert- ブチルシクロヘキ
サン、シクロオクタン等の環状炭化水素系溶媒;テトラ
フルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール、
ヘキサフルオロブタノール等のパーフルオロアルキルア
ルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、2−ヒドロ
キシイソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン酸エステル
系溶媒等が挙げられる。
【0032】真空蒸着法の場合は、例えば本発明の色素
と、必要に応じて他の色素や各種添加剤等の記録層成分
を、真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内
を適当な真空ポンプで10-2〜10-5Pa程度にまで排
気した後、るつぼを加熱して記録層成分を蒸発させ、る
つぼと向き合って置かれた基板上に蒸着させることによ
り、記録層を形成する。
【0033】また記録層は、記録層の安定や耐光性向上
のために、一重項酸素クエンチャーとして遷移金属キレ
ート化合物(例えば、アセチルアセトナートキレート、
ビスフェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキシ
ム、ビスジチオ−α- ジケトン等)等や、記録感度向上
のために金属系化合物等の記録感度向上剤を含有してい
ても良い。ここで金属系化合物とは、遷移金属等の金属
が原子、イオン、クラスター等の形で化合物に含まれる
ものを言い、例えばエチレンジアミン系錯体、アゾメチ
ン系錯体、フェニルヒドロキシアミン系錯体、フェナン
トロリン系錯体、ジヒドロキシアゾベンゼン系錯体、ジ
オキシム系錯体、ニトロソアミノフェノール系錯体、ピ
リジルトリアジン系錯体、アセチルアセトナート系錯
体、メタロセン系錯体、ポルフィリン系錯体のような有
機金属化合物が挙げられる。金属原子としては特に限定
されないが、遷移金属であることが好ましい。
【0034】さらに、本発明の特徴を損なわない範囲
で、必要に応じてバインダー、レベリング剤、消泡剤等
を併用することもできる。好ましいバインダーとして
は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニ
トロセルロース、酢酸セルロース、ケトン系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポ
リビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン等が挙げられる。
【0035】記録層の膜厚は、記録方法などにより適し
た膜厚が異なるため、特に限定するものではないが、通
常10nm〜5μm、好ましくは70nm〜3μmであ
る。特に、断面SEM(走査電子顕微鏡)で測定したと
きに、グルーブ上で80〜120nm、ランド上で40
〜60nm程度となることが最も好ましい。記録層の上
には、通常、反射層を形成する。その膜厚は好ましく
は、厚さ50〜300nm である。反射層の材料としては、再
生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Au、Al、
Ag、Cu、Ti、Ni、Pt、Ta、Cr及びPdの金属を単独あるい
は合金にして用いることが可能である。この中でもAu、
Al、Agは反射率が高く反射層の材料として適している。
これらを主成分とする合金の場合、例えば、Mg、Se、H
f、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Cu、Z
n、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi、Ta、T
i、Pt、Pd、Ndなどの金属及び半金属を含有していても
良い。なかでもAgを主成分としているものはコストが安
い点、高反射率が出やすい点、更に後で述べる印刷受容
層を設ける場合には地色が白く美しいものが得られる点
等から特に好ましい。ここで主成分とは含有率が50%
以上のものをいう。
【0036】金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率
薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として
用いることも可能である。反射層を形成する方法として
は、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化
学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、基板の上
や反射層の下に反射率の向上、記録特性の改善、密着性
の向上等のために公知の無機系または有機系の中間層、
接着層を設けることもできる。
【0037】反射層の上に形成する保護層の材料として
は、反射層を外力から保護するものであれば特に限定さ
れない。有機物質の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げ
ることができる。また、無機物質としては、酸化ケイ
素、窒化ケイ素、MgF2、SnO2等が挙げられる。熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な溶剤に溶解して
塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することが
できる。UV硬化性樹脂は、そのままもしくは適当な溶
剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布
し、UV光を照射して硬化させることによって形成する
ことができる。UV硬化性樹脂としては、例えば、ウレ
タンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステ
ルアクリレートなどのアクリレート系樹脂を用いること
ができる。これらの材料は単独であるいは混合して用い
ても良いし、1層だけではなく多層膜にして用いても良
い。
【0038】保護層の形成方法としては、記録層と同様
にスピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法
や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピ
ンコート法が好ましい。保護層の膜厚は、一般に0.1
〜100μm の範囲であるが、本発明においては、3〜
30μm が好ましい。
【0039】また、反射層面に更に基板を貼り合わせて
もよく、また反射層面相互を内面とし対向させ光記録媒
体2枚を貼り合わせても良い。基板鏡面側に、表面保護
やゴミ等の付着防止のために紫外線硬化樹脂層や、無機
系薄膜等を成膜してもよい。なお、記録再生光の入射面
ではない面に、インクジェット、感熱転写等の各種プリ
ンタ、或いは各種筆記用具に記入(印刷)が可能な印刷
受容層を設けてもよい。
【0040】本発明の光記録媒体について使用されるレ
ーザー光は、N2、He−Cd、Ar、He−Ne、ル
ビー、半導体、色素レーザーなどが挙げられるが、軽量
であること、コンパクトであること、取り扱いの容易さ
等から半導体レーザーが好適である。上記のようにして
得られた本発明の光記録媒体への記録は、基板の両面ま
たは片面に設けた記録層に1μm程度に集束したレーザ
ー光を照射することにより行う。レーザー光の照射され
た部分には、レーザー光エネルギーの吸収による、分
解、発熱、溶解等の記録層の熱的変形が起こり、光学特
性が変化する。
【0041】記録された情報の再生は、レーザー光によ
り、光学特性の変化が起きている部分と起きていない部
分の反射率の差を読みとることにより行う。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実
施例によって限定されるものではない。 実施例1 色素1として、最大吸収波長が717nm、波長780
nmにおける吸光度が最大吸収波長における吸光度の1
7.3%である含金属アゾ系色素(色素(1−1))、
および最大吸収波長が716nm、波長780nmにお
ける吸光度が最大吸収波長における吸光度の8.6%で
ある含金属アゾ系色素(色素(1−2))を用い(色素
(1−1):(1−2)=87.5:12.5(重量
比))、色素2として下記式で表される色素
【0043】
【化1】
【0044】を用い、色素2の量を色素1の量((1−
1)と(1−2)の総量)に対して0重量%、2重量
%、5重量%と変更して、光記録媒体を作成した。この
色素2は、最大吸収波長が789nm、波長780nm
における吸光度は最大吸収波長における吸光度の99.
0%であった。なお、本発明の実施例および比較例にお
いて、前述のように、色素1の最大吸収波長および吸光
度は、各色素の5%オクタフルオロペンタノール溶液
を、後述するポリカーボネート基板上にスピンコート
し、乾燥して得られた塗布膜(色素薄膜)の吸収スペク
トルについて測定し、色素2の最大吸収波長および吸光
度は、各色素の5mg/Lクロロホルム溶液の吸収スペ
クトルについて測定した値である。
【0045】該色素1と色素2を含む、オクタフルオロ
ペンタノールの3.5重量%溶液を用意し、溝幅(半値
幅) 420nm、深さ140nmの案内溝を設けたポリカー
ボネート基板上に、各々スピンコートした後、乾燥し、
記録層を形成した。該記録層の膜厚は、最大吸収波長に
おける吸光度が約0.8となるよう調製した。各記録層
上に、スパッタ法により厚さ80nmのAg反射層を設
け、さらに紫外線硬化性樹脂を塗布、乾燥、硬化させる
ことにより保護層を形成して、光記録媒体(CD−Rデ
ィスク)を作成した。なお、案内溝の溝幅、溝深さは、
回折光の強度から換算した光学溝形状で測定(Dr.Sche
nk社製、MT-126 を使用)した値を用いた。
【0046】得られた各光記録媒体に対し、開口数0.
50、波長780nmのレーザー光を記録光として、線
速度19.2m/sにてEFM変調方式のランダム記録
を行った。結果を表1に示す。色素2が色素1に対して
2重量%の時の最適な記録パワー(β=0なる時の記録
光パワー)は、色素2を全く加えない(0重量%)時と
比較して1.0mW低下した。また、このときの反射率
は67%であった。
【0047】色素1に対して色素2が5重量%のとき、
最適な記録パワーは2.0mW低下した。また、反射率
は65%であった。反射率の規定は、CD−Rの規格で
あるオレンジブックでは65%以上であるが、新たな規
格であるオレンジブック パート2では60%以上とさ
れている。従って、オレンジブック パート2に準拠す
るCD−Rを作成する場合、本実施例における色素1お
よび色素2を使用するなら、色素1に対する色素2の配
合量は10重量%まで許容されると言える。
【0048】またBLERマージンは、色素2を全く加えな
い場合で2%であったが、色素2を5%添加した場合で
も、記録パワー20〜32mWの範囲で殆ど値の上昇が
見られなかった。ジッターについても、色素2を全く加
えない場合で2%、色素2を5%添加した場合でも、ピ
ットジッターが20ns程度、ランドジッター22ns
程度であった。従って、色素2を添加したことによる記
録特性への影響は認められなかった。
【0049】なお光記録媒体への記録と、最適記録パワ
ーおよびBLERマージンの測定には、CD−R/RWドラ
イブBP4をベースにした評価機、三洋電機(株)社製
「Sanyo DiscDoctor」を用いた。反射率およびジッター
の測定には、オーディオ・デベロップメント社製「CD
−CATS SA3」を用いた。実施例2色素2として
下記式で表される化合物
【0050】
【化2】
【0051】を用いた以外は、実施例1と同様にCD−
Rディスクを作成した。得られた各CD−Rに対し、実
施例1と同様に記録および評価を行った。なお、この色
素2は、最大吸収波長が793.5nm、波長780n
mにおける吸光度は最大吸収波長における吸光度の9
3.6%であった。記録層に含まれる色素2が、色素1
に対して2重量%である場合の最適記録パワーは、色素
2を全く加えない場合と比較して1mW低下した。ま
た、このときの反射率は66%であった。色素1に対して
色素2が5重量%の場合の最適記録パワーは。色素2無
添加の場合と比較して2.5mW低下した。また、反射
率は54%であった。
【0052】従って、このような添加色素2を用い、オ
レンジブック パート2に準拠したCD−Rを作成する
場合には、その添加量は4重量%以下が好ましいといえ
る。 比較例1 色素2として下記式で表される化合物
【0053】
【化3】
【0054】を用いた以外は、実施例1と同様にCD−
Rディスクを作成し、記録および評価を行った。なお、
この色素2は最大吸収波長が716.5nm、波長78
0nmにおける吸光度は最大吸収波長における吸光度の
4.5%であった。この場合、色素1に対して色素2が
2重量%のときも、10重量%のときも、線速度19.
2m/秒で記録したときの最適記録パワーは同等であっ
た。つまり、光記録媒体の感度向上は見られなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明の光記録媒体における記録層は、
屈折率が記録光波長λW付近で最大となる色素1に対
し、記録光波長λW付近における吸光度は大きいが、屈
折率はそれ程大きくない色素2を少量添加したことによ
り、記録パワーマージン、およびジッターマージンを減
ずることなく、記録感度を向上することができる。従っ
て、高速記録時においても十分な記録特性を確保でき
る、実用に足る光記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CD−R媒体における、記録層膜厚と反射率と
の関係を示す図である。
【図2】CD−R媒体における、反射率の極大値と、屈
折率nおよび吸収係数kとの関係を示す図である。
【図3】屈折率nおよび吸収係数kの、波長λ依存性を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝澤 俊文 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 (72)発明者 竹島 秀治 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 5D029 JA04 JB47 JC03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長λW(但しλW≧700nm)のレー
    ザー光にて記録される光記録媒体において、少なくと
    も、 最大吸収波長λ1が(λW−100nm)≦λ1≦(λW−30
    nm)であり、かつ記録光波長λWに於ける吸光度が最
    大吸収波長での吸光度の20%以下である色素1を主成
    分とし、さらに最大吸収波長λ2が(λW−30nm)<λ
    2≦(λW+100nm)である色素2を含有する記録層を
    有することを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 波長λW(但しλW≧700nm)のレー
    ザー光にて記録される光記録媒体において、少なくと
    も、 最大吸収波長λ1が(λW−100nm)≦λ1≦(λW−30
    nm)であり、かつ記録波長λWに於ける吸光度が最大
    吸収波長での吸光度の20%以下である色素1を主成分
    とし、さらに最大吸収波長λ2が λ2<(λW−30n
    m)であり、かつ記録波長λWに於ける吸光度が最大吸
    収波長での吸光度の20%を超える色素2を含有する記
    録層を有することを特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】 記録波長λWが700〜850nmであ
    ることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 記録層における色素2の含有量が、色素
    1に対し10重量%以下であることを特徴とする、請求
    項1ないし3のいずれかに記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】 記録波長λWにおける記録層の吸光度
    が、0.7〜0.9であることを特徴とする、請求項1
    ないし4のいずれかに記載の記録媒体。
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