JP2003315487A - 発電プラントにおける蒸気発生器給水、原子炉給水、ボイラー給水又はヒータードレン水中の鉄成分を除去する水処理方法 - Google Patents

発電プラントにおける蒸気発生器給水、原子炉給水、ボイラー給水又はヒータードレン水中の鉄成分を除去する水処理方法

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JP2003315487A JP2002115458A JP2002115458A JP2003315487A JP 2003315487 A JP2003315487 A JP 2003315487A JP 2002115458 A JP2002115458 A JP 2002115458A JP 2002115458 A JP2002115458 A JP 2002115458A JP 2003315487 A JP2003315487 A JP 2003315487A
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activated carbon
treated
boiler
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Toshio Morita
利夫 森田
Shinichi Ohashi
伸一 大橋
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Organo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電プラントにおける蒸気発生器給水、原子
炉給水、ボイラー給水又はヒータードレン水中の鉄成分
の除去を安定的且つ確実に長期間行うことができる水処
理方法を提供する。 【解決手段】 プラスチック原料から製造した不純物の
溶出が少ない活性炭粒子を塔内に充填し、これに被処理
水としての蒸気発生器給水、原子炉給水、ボイラー給水
又はヒータードレン水を通水して処理する。また、合成
繊維から製造した不純物の溶出が少ない活性炭繊維を用
いて成る濾過膜で被処理水を処理してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電プラントにお
ける蒸気発生器(SGと略することがある、 steam gen
erator)、原子炉給水、ボイラー給水又はヒータードレ
ン水中の鉄成分の除去に利用される水処理方法に関す
る。本発明の方法は、例えば、加圧水型原子力発電プラ
ント(略して「PWR」)のSG給水、沸騰水型原子力
発電プラント(略して「BWR」)の原子炉給水、火力
発電プラントのボイラー給水、または、これらの発電プ
ラントのヒータードレン水に特に有利に適用することが
できる。
【0002】
【従来の技術】例えば、PWRでは、タービン駆動用の
蒸気を造る蒸気発生器(SG)給水中の鉄酸化物微粒子
(以下、「鉄成分」と言うことがある)を主成分とする
金属酸化物等の不純物がSGの二次側の器内に給水に随
伴して持ち込まれる。そして、発電を行っている間に、
これらの不純物がSG伝熱管外表面に徐々に付着し、こ
の付着物によりSGの一次側からの二次側給水への伝熱
効率が低下する。しかも、これらの不純物は循環してい
る間に徐々に析出、濃縮、増加し、伝熱管外表面の不純
物濃縮環境の形成等が問題となり、SGへの給水中の鉄
成分を主とする不純物の濃度を低減させる対策が従来か
ら種々検討されている。また、BWRにおいては、原子
炉内に持ち込まれた鉄成分等の金属酸化物等の不純物
は、燃料被覆管表面に付着し、中性子線やγ線が照射さ
れて放射性核種となり放射線量が増加してしまう。その
ため、放射線量を低減するために、原子炉への給水中の
鉄成分を主とする不純物濃度を低減させる対策が従来か
ら種々検討されている。
【0003】また、PWRの場合と同様に、火力発電プ
ラントでもボイラーへの給水中に含まれる上記の様な鉄
成分を始めとする金属酸化物等の不純物がボイラーの伝
熱管に徐々に付着し、この付着物によってボイラーの差
圧が上昇するために、この差圧上昇を低減させる対策が
従来から種々検討されている。
【0004】このために、SG、原子炉又はボイラーへ
持ち込まれる鉄成分を主成分とする不純物を効果的に除
去するために、除鉄方法を中心とした不純物除去方法に
ついて従来から種々検討されている。そこで、SG、原
子炉又はボイラーへの給水に随伴して持ち込まれるこの
ような不純物の持ち込み源について考察してみると、復
水系からの持ち込み分、各種ヒータードレン水系からの
持ち込み分、および、構成配管からの溶出分とに大別す
ることができる。ところが、復水系には一般に復水前置
濾過器及び復水脱塩装置、または、復水脱塩装置単独で
構成される復水浄化装置系が設置されており、SG、原
子炉又はボイラーへの給水中に占める復水系からの不純
物持ち込み量は比較的少ない。即ち、SG、原子炉又は
ボイラーへの給水中の鉄成分等の不純物の濃度を低減さ
せるためには、復水浄化装置系以降の系、特に各種ヒー
タードレン系から持ち込まれる鉄成分等の不純物の量を
低減するか、または、SG、原子炉もしくはボイラーの
直前で鉄成分等の不純物の量を低減することが特に効果
的であると考えられる。
【0005】そこで、発電プラントのヒータードレン水
系の主たる不純物である鉄系不純物の形態について説明
しておく。ヒータードレン水系は、機器及び配管等の腐
食防止のために脱酸素処理が行われ、溶存酸素濃度が数
ppbと極めて低い極限の酸素を含まない状態になって
いるが、かかる極限の低溶存酸素濃度条件下において
も、機器及び配管等に酸化鉄(マグネタイト又はヘマタ
イト)の薄い被膜を生じる。しかも、例えば、PWRに
おいては蒸気発生器以降では、BWRにおいては原子炉
以降では、また、火力発電プラントにおいてはボイラー
以降では、発生する蒸気によって絶えず機器及び配管等
に形成された酸化鉄の薄い被膜が削られる。この現象
は、エロージョン(erosion )現象と称されるものであ
る。このように絶えず蒸気によって酸化鉄の薄い被膜が
削られるため、復水中に含まれる酸化鉄粒子よりも微細
な酸化鉄微粒子が形成され、ヒータードレン水中に含有
されてくるものと推定される。
【0006】復水中とヒータードレン水中の酸化鉄粒子
径の細かさを示す一例として、精密濾過膜である孔径
0.22μmのミリポアフィルター〔ミリポア社(米
国)製〕により、火力発電プラントにおける復水中とヒ
ータードレン水中とから酸化鉄粒子をそれぞれ除去した
際の除鉄率で比較すると、復水の場合は94%の除鉄率
を示し、ヒータードレン水の場合は53%の除鉄率を示
した。このことから、ヒータードレン水中の酸化鉄粒子
は、粒子径約0.22μm以下の極めて微細な粒子を復
水の場合よりも遙に多量に含むことが分かる。
【0007】また、発電所における処理水は、pH調整
等を行い(ただし、原子炉給水では、中性イオン交換水
を用いて蒸気発生させるので、pH調整無し)、配管等
からの鉄イオンの溶出を抑えているため、ヒータードレ
ン水中の鉄がイオンとして存在する割合は低く、除去の
対象となる鉄の形態は、酸化鉄微粒子の形態であると考
えてよい。しかし、ヒータードレン水中では、上記のエ
ロージョン現象により酸化鉄が非常に微細な粒子の形で
存在するため、一般に使用されている孔径の濾過膜では
除鉄率が安定しないという問題がある。ヒータードレン
水はSG給水、原子炉給水又はボイラー給水に含まれて
来るので、同様の問題はこれらの給水にもある。
【0008】従来、SG給水、原子炉給水、ボイラー給
水及びヒータードレン水からこのような酸化鉄微粒子を
主成分とする不純物を除去する方法として、例えば、電
磁フィルターや金属フィルター等のフィルターを用いる
方法が従来から検討されているが、特にヒータードレン
水等の復水浄化装置系以降から持ち込まれる水中の不純
物の主成分である鉄成分は上述の様に極めて微細な粒子
であるため、これらのいずれのフィルターもその不純物
除去性能が不安定であり、実用の段階には至っていな
い。即ち、現状では、復水浄化装置系以降から持ち込ま
れる鉄成分等の不純物は全く除去処理されることなく、
SG、原子炉又はボイラー内へ流入している。
【0009】また、各種フィルターの中には微細な粒子
を除去できるフィルターとして高分子中空糸膜フィルタ
ー等の膜フィルターがあるが、このような膜フィルター
もそのまま使用すると、上記の電磁フィルターや金属フ
ィルターのようなフィルターと同様に、酸化鉄微粒子を
主成分とする不純物の除去性能(特に、除鉄性能)が不
安定であるという問題がある。しかし、かかる膜フィル
ター濾過面上に、プリコート剤として、細孔半径分布の
ピーク位置の細孔半径が0.2μm以下で、比表面積が
5m/g以上である粒子を予め付着させ、該粒子の被
膜(プリコート被覆膜)を形成することで、除鉄性能が
向上し、膜フィルターを適用可能とすることができるこ
とが知られている(特開平11−165006号公
報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な高分子膜フィルターを用いる方法では、使用する膜
フィルター上に上記の様な粒子を予めプリコートしなけ
れば除鉄性能が得られず、膜フィルター単独では除鉄装
置としては適用できない。また、プリコートで形成され
る粒子層は非常に薄く、除鉄性能を保持するために頻繁
に粒子層の張り替えを必要とする。さらに、除鉄性能を
長期間保持するために上記の様な粒子を多量にプリコー
トする場合、フィルター表面上の粒子層が厚くなるため
に、粒子層の支持が困難となり、粒子そのものが膜表面
から剥離して来るという欠点が生じる。
【0011】そこで、上記の様な粒子自体を塔内へ充填
して濾過層を形成した形で除鉄を行うことも考えられる
が、この場合は、粒子を多量に使用するため、粒子から
のNa、Cl陰イオン、SO陰イオン等のプラントに
悪影響を与える不純物が多量に溶出して来るという問題
が発生する。
【0012】なお、SG給水、原子炉給水、ボイラー給
水、種々のヒータードレン水がSG、原子炉又はボイラ
ーに到達するまでの給水系統には脱塩装置等の浄化装置
が設置されておらず、粒子からのNa、Cl陰イオン、
SO陰イオン等の不純物の溶出は発電プラントの健全
な運転に支障を来すことになる。
【0013】本発明は、上述のような状況に鑑みて成さ
れたもので、発電プラントにおけるSG給水、原子炉給
水、ボイラー給水又はヒータードレン水中の鉄成分の除
去を安定的且つ確実に長期間行うのに利用し、よって発
電プラントのSG、原子炉又はボイラーへの鉄成分の持
ち込みを効果的に防止することができる水処理方法を提
供せんとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、炭素、水
素、酸素及び/又は窒素から本質的に構成されたプラス
チック原料又は合成繊維から製造した不純物の溶出が極
めて少ない活性炭粒子又は活性炭繊維を用いれば、発電
プラントにおけるSG給水、原子炉給水、ボイラー給水
又はヒータードレン水中の除鉄性能に長期間優れ、且
つ、活性炭粒子又は活性炭繊維からの不純物の溶出が極
めて少ないことを見出し、本発明を完成した。
【0015】即ち、本発明は、発電プラントにおける蒸
気発生器給水、原子炉給水、ボイラー給水又はヒーター
ドレン水を被処理水としてその水中の鉄成分を除去する
に当たり、プラスチック原料から製造した不純物の溶出
が少ない活性炭粒子を塔内に充填し、これに被処理水を
通水して処理することを特徴とする水処理方法、並び
に、発電プラントにおける蒸気発生器給水、原子炉給
水、ボイラー給水又はヒータードレン水を被処理水とし
てその水中の鉄成分を除去するに当たり、合成繊維から
製造した不純物の溶出が少ない活性炭繊維を用いて成る
濾過膜で被処理水を処理することを特徴とする水処理方
法を提供するものである。前者の方法では、活性炭粒子
を塔(カラム)内に充填し、吸着装置として使用する。
後者の方法では、活性炭繊維を用いて、例えば、プリー
ツ状や円筒状のフィルターの形状の濾過膜を形成して、
濾過装置として使用すればよい。本発明の方法は、後述
する様に、ヒータードレン水に対して特に好適に用いら
れるが、SG給水、原子炉給水又はボイラー給水に対し
ても好適に適用することができる。また、本発明の方法
は、PWR、BWR、火力発電プラントで用いることが
できるが、PWRの2次系のSG給水又はヒータードレ
ン水を処理するのに特に好適に用いることができる。
【0016】このような活性炭粒子又は活性炭繊維の許
容される不純物の溶出量は、本発明の方法を実施する装
置の適用箇所にもよるが、SG給水水質、原子炉給水水
質又はボイラー給水水質が悪化しない不純物濃度、即
ち、吸着/濾過装置出口でNa、Cl陰イオン、SO
陰イオン濃度がそれぞれ0.03μg/L(リットル、
以下同様)以下、望ましくは0.003μg/L以下と
推定される。
【0017】上記濃度以下に吸着/濾過装置出口水の不
純物濃度を下げるためには、活性炭粒子を用いる場合
は、活性炭粒子を塔(カラム)内に充填して吸着装置と
し、例えば、通水流量と活性炭粒子量の比である空間流
速を200/Hrの条件で使用する場合に、6μg/L
−活性炭・Hr以下、望ましくは0.6μg/L−活性
炭・Hr以下の溶出量であることが要求される。また、
活性炭繊維を用いる場合も同様であると推定される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発
明に使用される活性炭粒子又は活性炭繊維は、炭素、水
素、酸素及び/又は窒素から本質的に構成されるプラス
チック原料又は合成繊維から製造されるものであれば、
原料高分子の種類を問わず、如何なる活性炭粒子又は活
性炭繊維であってもよい。活性炭粒子又は活性炭繊維を
製造する具体的なプラスチック原料又は合成繊維の素材
としては、例えば、フェノール樹脂、スチレン−ジビニ
ールベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸エステル類、
ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン
等を挙げることができ、前四者が特に好ましい。また、
上記の吸着/濾過装置出口の不純物濃度の条件を満たせ
ば、その他の元素を含有するプラスチック原料又は合成
繊維から製造された活性炭粒子又は活性炭繊維を用いる
こともできる。
【0019】活性炭粒子の粒子径は特に限定されない
が、粒子径が0.05〜2mm程度の活性炭粒子を用い
るのが好ましく、除鉄性能や運転時の通水圧力損失に応
じて任意の粒子径の粒子を用いるのが望ましい。
【0020】また、活性炭繊維の繊維径も特に限定され
ないが、繊維径が5〜50μm程度の活性炭繊維を用い
るのが好ましく、活性炭粒子の場合と同様に除鉄性能や
運転時の通水圧力損失に応じて任意の繊維径の繊維を用
いて製作した濾過膜を用いるのが望ましい。
【0021】次に、図1を参照しつつ、このような活性
炭粒子又は活性炭繊維を用いた吸着/濾過装置が用いら
れた加圧水型原子力発電プラントにおける低圧給水ヒー
ター(低圧給水加熱器)の周辺系統を簡単に説明する。
図1の系統は、図示しない蒸気発生器(SG)から蒸気
を受けて駆動する低圧タービン31、この低圧タービン
31の蒸気を水に戻す復水器32、この復水器32から
ポンプ33により送水された復水を脱塩処理する復水脱
塩装置34、この復水脱塩装置34からポンプ35を介
して脱塩処理された復水を低圧タービン31から供給さ
れた蒸気(点線で表されている)により加熱する低圧給
水ヒーター36を備えている。図1に示すように、低圧
給水ヒーター36には上述の吸着/濾過装置37が付設
されている。この装置37によりヒータードレン水を処
理(主に除鉄)し、ヒータードレン水中から酸化鉄微粒
子を主成分とする不純物が除去され、得られる処理水が
低圧給水ヒーター36において加熱された復水処理水と
合流するようにしてある。そして、この低圧給水ヒータ
ー36において加熱された復水処理水とヒータードレン
水処理水との合流水は、図示されていない脱気器と高圧
給水ヒーター等を介して蒸気発生器へ送られる。上記装
置37は、ヒータードレン水のみを処理する様に設置さ
れ、これが通常であるが、代りに、図示されていない高
圧給水ヒーターと蒸気発生器の間に吸着/濾過装置を設
置して、上記合流水、即ち、SG給水を処理して鉄成分
等の不純物を除去してもよい。
【0022】本発明に従って活性炭粒子又は活性炭繊維
を用いると除鉄性能が向上する理由は明らかになってい
る訳ではないが、次のように考えられる。ヒータードレ
ン水やヒータードレン水を含むSG給水、原子炉給水又
はボイラー給水中には、ヒータードレン水に特有の極め
て微細な酸化鉄微粒子が多量に含まれている。このよう
な極めて微細な粒子は、物理的濾過機構のみでは除去で
きるものではなく、活性炭の吸着力による電気化学的濾
過機構も大きく関与していると思われる。即ち、活性炭
の細孔内及び粒子表面にヒータードレン水やSG給水、
原子炉給水又はボイラー給水中の極めて微細な酸化鉄微
粒子が吸着されて捕捉され、除鉄性能が向上すると考え
られる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこの実施例により限定されるものでは
ない。なお、除鉄率を求めるに当たって用いた鉄の定量
法は、「JIS−B−8224」のTPTZ法(2,
4,6−トリ−2−ピリジル−1,3,5−トリアジン
吸光光度法)である。また、Naは原子吸光法、Cl陰
イオン及びSO陰イオンはイオンクロマトグラフ法に
よって定量した。
【0024】実施例1 [除鉄性能]フェノール樹脂から製造した粒子径約20
0μmの活性炭粒子50mlを内径18.7mmのステ
ンレススチール製カラムに充填した。このカラムにPW
R2次系の低圧給水ヒータードレン水を通水流速55m
/Hr、流量15L/Hr、空間流速400/Hrの条
件で通水して処理した。その際の通水時間と除鉄率の関
係を図1に示す。図1において●印が実施例1の場合を
示す。なお、実運用での一般的な通水条件は、通水流速
100〜200m/Hr、空間流速100〜200/H
rである。
【0025】[不純物溶出特性]両端をねじ込みプラグ
で封止できる内径22.4mmのステンレススチール製
カラムにフェノール樹脂から製造した上記活性炭粒子と
超純水を1:1の体積比で充填し、カラムをねじ込みプ
ラグで封止した。100時間90℃に加熱後、片方のプ
ラグを開けて、カラム内より液体を取り出し、Na、C
l陰イオン、SO 陰イオン濃度を測定し、単位体積当
りの活性炭から単位時間当りに溶出する不純物量(単
位:μg/L−活性炭・Hr)を求めた。その結果を表
1に示す。
【0026】比較例1 [除鉄性能]陽イオン交換樹脂から製造した粒子径約5
00μmの活性炭粒子50mlを内径18.7mmのス
テンレススチール製カラムに充填した。このカラムにP
WR2次系の低圧給水ヒータードレン水を通水流速55
m/Hr、流量15L/Hr、空間流速400/Hrの
条件で通水して処理した。その際の通水時間と除鉄率の
関係を図1に示す。図1において▲印が比較例1の場合
を示す。
【0027】[不純物溶出特性]両端をねじ込みプラグ
で封止できる内径22.4mmのステンレススチール製
カラムに陽イオン交換樹脂から製造した上記活性炭粒子
と超純水を1:1の体積比で充填し、カラムをねじ込み
プラグで封止した。100時間90℃に加熱後、片方の
プラグを開けて、カラム内より液体を取り出し、Na、
Cl陰イオン、SO陰イオン濃度を測定し、単位体積
当りの活性炭から単位時間当りに溶出する不純物量(単
位:μg/L−活性炭・Hr)を求めた。その結果を表
1に示す。
【0028】比較例2 [除鉄性能]膜孔径0.1μmのポリスルフォン製の中
空糸膜フィルターに結晶の細孔分布のピーク半径が0.
2μm以下の細孔を有する比表面積が5m/g以上の
粒子(γ−FeOOH)を20gFe/m付着させプ
リコートした中空糸膜モジュール(特開平11−165
006号公報の実施例に記載のものとほぼ同様の構造)
を作成した。この中空糸膜モジュールにPWR2次系の
低圧給水ヒータードレン水を通水流速0.5m/Hrの
条件で通水して処理した。その際の通水時間と除鉄率の
関係を図1に示す。図1において■印が比較例2の場合
を示す。
【0029】比較例3 [不純物溶出特性]両端をねじ込みプラグで封止できる
内径22.4mmのステンレススチール製カラムに椰子
殻から製造した活性炭粒子と超純水を1:1の体積比で
充填し、カラムをねじ込みプラグで封止した。100時
間90℃に加熱後、片方のプラグを開けて、カラム内よ
り液体を取り出し、Na、Cl陰イオン、SO陰イオ
ン濃度を測定し、単位体積当りの活性炭から単位時間当
りに溶出する不純物量(単位:μg/L−活性炭・H
r)を求めた。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】図1と表1の結果から明らかな様に、実施
例1におけるフェノール樹脂を原料として製造された活
性炭粒子の除鉄性能は、長期間安定し、且つ、不純物の
溶出は極めて少なく、SG給水、原子炉給水、ボイラー
給水、ヒータードレン水の除鉄に有効に用いることが可
能である。これに対して、比較例1では陽イオン交換樹
脂から製造した活性炭粒子の除鉄性能は長期間安定して
いるが、活性炭粒子からのSO陰イオンの溶出が多
い。比較例2では長期間の除鉄性能が安定せず、また、
比較例3では椰子殻から製造した活性炭粒子からのN
a、Cl陰イオン、SO陰イオンのいずれも溶出が多
い。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、発電プラントにおける
SG給水、原子炉給水、ボイラー給水又はヒータードレ
ン水中の鉄成分の除去を安定的且つ確実に長期間行うこ
とができ、特開平11−165006号公報に開示され
る様な高分子中空糸膜フィルター等の膜フィルターの濾
過面上にプリコート被覆膜を形成する方法に特有の欠点
も避けることができる。よって、発電プラントのSG、
原子炉又はボイラーへの鉄酸化物微粒子の持ち込みを効
果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法を実施する吸着/濾過装
置が用いられた加圧水型原子力発電プラントにおける低
圧給水ヒーターの周辺系統を示すフロー図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1と比較例1及び2に
おけるPWR2次系の低圧給水ヒータードレン水に対す
る除鉄率の経時変化を追跡した実験結果を示すグラフ図
である。
【符号の説明】
31 低圧タービン 32 復水器 33 ポンプ 34 復水脱塩装置 35 ポンプ 36 低圧給水ヒーター 37 吸着/濾過装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21D 3/08 G21F 9/06 521L G21F 9/06 521 G21C 19/30 D Fターム(参考) 4D024 AA01 AB16 BA02 BB01 BB02 BC01 CA01 DA03 DA05 4G066 AA04B AA05B AC13A AC14A AC17A AC25A AC33A AD06A BA09 BA16 CA46 DA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電プラントにおける蒸気発生器給水、
    原子炉給水、ボイラー給水又はヒータードレン水を被処
    理水としてその水中の鉄成分を除去するに当たり、プラ
    スチック原料から製造した不純物の溶出が少ない活性炭
    粒子を塔内に充填し、これに被処理水を通水して処理す
    ることを特徴とする水処理方法。
  2. 【請求項2】 発電プラントにおける蒸気発生器給水、
    原子炉給水、ボイラー給水又はヒータードレン水を被処
    理水としてその水中の鉄成分を除去するに当たり、合成
    繊維から製造した不純物の溶出が少ない活性炭繊維を用
    いて成る濾過膜で被処理水を処理することを特徴とする
    水処理方法。
  3. 【請求項3】 プラスチック原料又は合成繊維が、フェ
    ノール樹脂、スチレン−ジビニールベンゼン共重合体、
    ポリメタクリル酸エステル又はポリアクリロニトリルか
    らなることを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理
    方法。
  4. 【請求項4】 加圧水型原子力発電プラントの2次系の
    蒸気発生器給水又はヒータードレン水を処理することを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水処理方
    法。
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