JP2003314222A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP2003314222A
JP2003314222A JP2002122155A JP2002122155A JP2003314222A JP 2003314222 A JP2003314222 A JP 2003314222A JP 2002122155 A JP2002122155 A JP 2002122155A JP 2002122155 A JP2002122155 A JP 2002122155A JP 2003314222 A JP2003314222 A JP 2003314222A
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JP
Japan
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oil
valve timing
engine
internal combustion
amount
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Application number
JP2002122155A
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English (en)
Inventor
Genki Otani
元希 大谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】冷えた状態からの内燃機関の始動時に、内部E
GR量の不足や過多が生じるのを抑制することのできる
内燃機関の制御装置を提供する。 【解決手段】バルブタイミング可変機構25の油圧駆動
により、吸気バルブのバルブタイミングを最遅角状態か
ら進角させることで、バルブオーバラップが大となり内
部EGR量が増加してゆく。バルブタイミング可変機構
25を駆動するための油圧回路においては、同機構25
側の部分のオイルをオイルポンプ32側の部分のオイル
と区別するように構成される。そのため、油圧回路にお
いてバルブタイミング可変機構25の作動油として用い
られる同機構25側のオイルを、エンジンの潤滑油とし
て用いられるオイルポンプ32側のオイルに比べて、低
温時に低粘度となるものを採用することができる。これ
により、エンジンの冷間始動時に、バルブタイミング可
変機構25の作動に応答遅れが生じることは抑制され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば自動車用の内燃機関と
して、燃焼室に直接燃料を噴射供給する筒内噴射式のも
のが知られている。
【0003】こうした内燃機関においては、冷えた状態
からの始動時(冷間始動時)など燃焼室の温度が低いと
き、同燃焼室内に噴射された燃料が霧化されにくく液状
燃料のままとなり易いことから、燃焼室内に液状燃料が
存在した状態で燃料の燃焼が行われることがある。この
場合、燃焼室内の液状燃料が燃焼時の熱により焦げ付
き、内燃機関からの排気に黒煙が含まれるようになるお
それがあった。
【0004】そこで、冷間始動時には、燃料燃焼時に燃
焼室内に残留している排気の量(内部EGR量)を多く
し、これにより燃料の燃焼温度を低下させて液状燃料の
焦げ付きを抑制するとともに、排気の熱により燃焼室の
温度を上昇させて液状燃料の霧化を促進することも考え
られる。このように、燃焼室内での液状燃料の焦げ付き
を抑制するとともに同燃料の霧化を促進することで、黒
煙の発生を抑制することができるようになる。
【0005】冷間始動時に内部EGR量を多くすること
は、特開平11−32477公報に示されるように、内
燃機関の吸気バルブと排気バルブとの開弁期間のオーバ
ラップ(以下、バルブオーバラップという)を大とする
ことによって実現される。更に、このようにバルブボー
バラップを大とすることは、例えば吸気バルブのバルブ
タイミングを変更すべく内燃機関に設けられたバルブタ
イミング可変機構を、上記バルブタイミングが進角する
ように作動させることで実現される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なバルブタイミング可変機構については、通常は内燃機
関の潤滑等にも用いられるオイルの供給を受け、そのオ
イルによる油圧で作動することとなる。内燃機関の潤滑
に用いられるオイルは、低温時から高温時まで潤滑油と
しての機能を発揮できる粘度を有してはいるが、冷間始
動時に上記オイルの粘度が高くなるとバルブタイミング
可変機構を作動させる作動油としては粘度が高くなりす
ぎる。
【0007】従って、冷間始動時に、吸気バルブのバル
ブタイミングを進角させるようバルブタイミング可変機
構を作動させる際、同機構へのオイルの供給による油圧
の作用に遅れが生じ、上記バルブタイミングを進角させ
ようとしてから実際に目標値まで進角するのに時間がか
かるという問題がある。この場合、内部EGR量が緩や
かにしか増加しないことから、機関始動時において内部
EGR量が黒煙の発生を抑制する上で不足することとな
る。
【0008】また、冷えた状態にある内燃機関を始動さ
せた後に一旦停止させ、更に再始動するようなとき(冷
間再始動時)には、内燃機関を停止させている間にバル
ブタイミング可変機構からオイルが排出され、上記バル
ブタイミングを進角させるための油圧が小さくなり、同
バルブタイミングが遅角側に戻ることになる。ただし、
このときにはオイルの粘度が高いままであってバルブタ
イミング可変機構からのオイルの排出が緩やかであるた
め、上記油圧が徐々にしか小さくならず、内燃機関が一
旦停止してから再始動するまでの間に上記バルブタイミ
ングが遅角側に戻りきらない。
【0009】従って、冷間再始動の開始時には、吸気バ
ルブのバルブタイミングがある程度進角しており、内燃
機関を良好に始動させるには内部EGR量が多すぎる状
態となって、内燃機関の始動性が低下することとなる。
これは、燃焼室内の酸素が内部EGR量の過多分だけ少
なくなるとともに、初回の機関始動時に燃焼室の内壁に
付着した燃料が蒸発することから、再始動の開始時に燃
焼室内の空燃比がリッチになって燃焼不良が発生するた
めである。
【0010】このように、冷えた状態からの機関始動時
には、バルブタイミング可変機構を作動するためのオイ
ルの温度が低いことから、同オイルの粘度が高い状態と
なる。そして、オイルの粘度が高いことに起因して機関
始動時のバルブタイミング可変機構の作動に応答遅れが
生じ、これにより内部EGR量の不足や過多が生じて上
述した不具合に繋がることとなる。
【0011】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、冷えた状態からの内燃機関
の始動時に、内部EGR量の不足や過多が生じるのを抑
制することのできる内燃機関の制御装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。上記
目的を達成するため、請求項1記載の発明では、油圧に
より作動して機関バルブのバルブタイミングを変更する
バルブタイミング可変機構と、内燃機関の潤滑油及び前
記バルブタイミング可変機構の作動油として用いられる
オイルの供給を行う油圧回路とを備える内燃機関に適用
され、冷えた状態からの機関始動時に前記機関バルブの
バルブタイミングが内部EGR量を増加させる方向に変
化するよう、前記バルブタイミング可変機構に働く油圧
を制御する内燃機関の制御装置において、前記油圧回路
は、前記バルブタイミング可変機構の作動油として用い
られるオイルを、内燃機関の潤滑油として用いられるオ
イルと区別するように構成されていることを要旨とし
た。
【0013】上記構成によれば、バルブタイミング可変
機構を作動させるためのオイルとして、内燃機関の潤滑
に用いるオイルとは別のオイルを用いることができるよ
うになる。従って、バルブタイミング可変機構を作動さ
せるためのオイルとして、内燃機関の潤滑に用いられる
オイルよりも粘度の低いものを採用することで、冷えた
状態からの機関始動時にバルブタイミング可変機構の作
動に応答遅れが生じるのを抑制することができる。即
ち、冷えた状態からの機関始動時において、バルブタイ
ミング可変機構へのオイルの供給によって同機構を作動
させるための油圧が速やかに上昇し、機関バルブのバル
ブタイミングが内部EGR量を増加させる方向に変化す
るようバルブタイミング可変機構が速やかに作動する。
従って、このときのバルブタイミング可変機構の作動の
応答遅れによって内部EGR量が不足するのを抑制する
ことができる。また、冷えた状態からの機関始動後に内
燃機関を一旦停止させたときには、バルブタイミング可
変機構からオイルが排出される際、その排出が速やかに
行われて内部EGR量増加側にバルブタイミングを変化
させるための油圧が速やかに小となる。その結果、同バ
ルブタイミングが速やかに内部EGR量減少側に戻され
るようになる。従って、内燃機関を一旦停止させた後の
再始動の開始時に、上記バルブタイミングが内部EGR
量減少側に戻りきらずに内部EGR量増加側の状態に維
持され、それに伴い内部EGR量が過多になるのを抑制
することができる。
【0014】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記作動油として用いられるオイルは、
機関低温時に前記潤滑油として用いられるオイルよりも
粘度が低くなるものが採用されていることを要旨とし
た。
【0015】これにより、冷えた状態からの内燃機関の
始動時、及び当該始動時に内燃機関を一旦停止させたと
き、バルブタイミング可変機構の作動に応答遅れが生じ
るのを抑制することができる。
【0016】なお、上記作動油として用いられるオイル
の粘度については、機関低温時におけるバルブタイミン
グ可変機構の応答遅れが内部EGR量を増減させる上で
支障を来さないようなレベルまで低くすることが好まし
い。
【0017】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、前記油圧回路において、前記バル
ブタイミング可変機構に通じる部分と同機構へのオイル
の供給源との間には、その両者を区分するとともに当該
両者間で油圧の伝達を可能とする油圧伝達機構が設けら
れ、前記油圧伝達機構によって、前記油圧回路における
前記供給源側に存在して前記潤滑油として用いられるオ
イルと、前記油圧回路における前記バルブタイミング可
変機構側に存在して前記作動油として用いられるオイル
とが区別されるものとした。
【0018】バルブタイミング可変機構を作動させる際
には、同機構に向けて供給源側から潤滑油として用いら
れるオイルが供給される。このオイルによる油圧が油圧
伝達機構を通じて油圧回路におけるバルブタイミング可
変機構側のオイルに伝達され、そのオイルがバルブタイ
ミング可変機構に供給される。これにより、バルブタイ
ミング可変機構に油圧が作用して同機構が作動するよう
になる。また、供給源からバルブタイミング可変機構へ
向けてのオイルの供給を停止すると、このオイルによる
油圧が油圧伝達機構を通じて油圧回路におけるバルブタ
イミング可変機構側のオイルに伝達されることはなくな
り、バルブタイミング可変機構への油圧の作用が停止さ
れる。従って、油圧回路においてバルブタイミング可変
機構側の部分のオイルとして供給源側のオイルよりも粘
度の低いものを採用することにより、冷えた状態からの
機関始動時であってもバルブタイミング可変機構に対し
速やかに油圧を作用させたり、同機構に作用している油
圧を除去したりすることができる。その結果、バルブタ
イミング可変機構の作動に応答遅れが生じるのを抑制す
ることができるようになる。
【0019】請求項4記載の発明では、油圧により作動
して機関バルブのバルブタイミングを変更するバルブタ
イミング可変機構を備える内燃機関に適用され、冷えた
状態からの機関始動時に前記機関バルブのバルブタイミ
ングが内部EGR量を増加させる方向に変化するよう、
前記バルブタイミング可変機構に働く油圧を制御する内
燃機関の制御装置において、内燃機関から排気通路に送
り出される排気を所定量だけ吸気通路に戻す外部EGR
機構と、冷えた状態からの機関始動時に前記内部EGR
量を増加させる際、その内部EGR量の不足分に対応し
た量の排気が、前記排気通路から前記外部EGR機構を
通じて前記吸気通路に戻されるよう、前記外部EGR機
構を制御する制御手段とを備えた。
【0020】上記構成によれば、冷えた状態からの機関
始動時に、バルブタイミング可変機構へのオイルの供給
によって同機構を作動させるための油圧が上昇し、機関
バルブのバルブタイミングが内部EGR量を増加させる
方向に変化するようバルブタイミング可変機構が作動す
る。このとき、上記オイルの温度が低いことから同オイ
ルの粘度が高くなり、バルブタイミング可変機構を作動
させるための油圧が緩やかにしか上昇せず、同機構の作
動に応答遅れが生じる。しかし、このバルブタイミング
可変機構の応答遅れに伴う内部EGR量の不足分につい
ては、内燃機関の排気が排気通路から外部EGR機構を
通じて吸気通路に戻されることによって補われる。従っ
て、冷えた状態からの内燃機関の始動時に、バルブタイ
ミング可変機構の応答遅れに伴い内部EGR量が不足
し、この不足が黒煙の発生に繋がるのを抑制することが
できる。
【0021】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
発明において、前記制御手段は、冷えた状態からの機関
始動時に必要とされる内部EGR量が得られる前記機関
バルブの目標バルブタイミングを算出し、その目標バル
ブタイミングと実際のバルブタイミングとの差に応じて
算出される制御指令値に基づき前記外部EGR機構を制
御するものとした。
【0022】冷えた状態からの機関始動時に内部EGR
量を増加すべくバルブタイミング可変機構を作動させる
際、同機構の応答遅れによる内部EGR量の不足分は、
そのときに生じる目標バルブタイミングと実際のバルブ
タイミングとの差に対応して推移する。従って、その差
に応じて算出される制御指令値に基づき外部EGR機構
を制御することで、外部EGR量を内部EGR量の不足
分に対応した値とすることができるようになる。
【0023】請求項6記載の発明では、請求項5記載の
発明において、前記制御手段は、前記制御指令値の算出
を前記差の他に機関温度も加味して行うものとした。冷
えた状態からの機関始動時にあっては、機関温度が低い
ときほど黒煙発生の抑制に必要とされる内部EGR量が
多くなるため、内部EGR量の不足分を補うのに必要な
外部EGR量も機関温度の影響を受けることになる。上
記構成によれば、機関温度に応じて外部EGR機構の制
御に用いられる制御指令値が算出されるため、必要とさ
れる内部EGR量の不足分を補うことのできる外部EG
R量が得られるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
自動車用の筒内噴射火花点火式エンジンに適用した一実
施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0025】図1に示されるエンジン1においては、吸
気通路2から燃焼室3へと吸入される空気と、燃料噴射
弁4から燃焼室3内に噴射供給される燃料とからなる混
合気に対し、点火プラグ5による点火が行われる。そし
て、この点火により燃焼室3内の混合気が燃焼すると、
そのときの燃焼エネルギによりピストン6が往復移動
し、燃焼後の混合気は排気として排気通路7に送り出さ
れるようになる。
【0026】エンジン1における燃焼室3内での混合気
の燃焼形態は、エンジン1の運転状態に応じて、以下の
[1]〜[3]に示される成層燃焼、弱成層燃焼、及び
均質燃焼の間で切り換えられる。
【0027】[1]成層燃焼では、圧縮行程での燃料噴
射により点火プラグ5周りのみに可燃混合気が存在する
成層混合気を形成し、その状態での点火プラグ5による
点火で成層混合気の燃焼が行われる。
【0028】[2]均質燃焼では、吸気行程での燃料噴
射により空気に対し燃料が均等に混合された均質混合気
を形成し、その状態での点火プラグ5による点火で均質
混合気の燃焼が行われる。
【0029】[3]弱成層燃焼では、吸気行程と圧縮行
程との両方での燃料噴射により、燃焼室3内の混合気の
状態が上述した成層混合気と均質混合気との中間の状態
とされ、その状態での点火プラグ5による点火で上記中
間状態の混合気の燃焼が行われる。
【0030】これら各燃焼形態のうちのいずれかを実行
することにより、ピストン6が往復移動するようにな
る。このピストン6の往復移動は、コネクティングロッ
ド8によってエンジン1の出力軸であるクランクシャフ
ト9の回転へと変換される。そして、クランクシャフト
9が回転すると、その回転に対応した信号がクランクポ
ジションセンサ10から出力されるとともに、同回転が
変速機等を介して自動車のタイヤに伝達されるようにな
る。また、上記のようにエンジン1が駆動されるときに
は冷却水によってエンジン1が冷却されるが、その冷却
水の温度は水温センサ36によって検出されるようにな
る。
【0031】吸気通路2において、その上流部分には燃
焼室3に吸入される空気の量(吸入空気量)を調節すべ
く開閉動作するスロットルバルブ11が設けられ、スロ
ットルバルブ11よりも下流には吸気通路2内の圧力
(吸気圧)を検出するためのバキュームセンサ12が設
けられている。上記スロットルバルブ11の開度(スロ
ットル開度)は、自動車の運転者によって操作されるア
クセルペダル13の踏込量(アクセル踏込量)に応じて
調整される。なお、アクセル踏込量はアクセルポジショ
ンセンサ14によって検出され、スロットル開度はスロ
ットルポジションセンサ15によって検出される。
【0032】エンジン1において、吸気通路2と燃焼室
3との間は吸気バルブ20の開閉動作によって連通・遮
断され、排気通路7と燃焼室3との間は排気バルブ21
の開閉動作によって連通・遮断される。そして、吸気バ
ルブ20及び排気バルブ21は、クランクシャフト9の
回転が伝達される吸気カムシャフト22及び排気カムシ
ャフト23の回転に伴い開閉動作するようになる。吸気
カムシャフト22の近傍には、同シャフト22の回転位
置を検出するためのカムポジションセンサ24が設けら
れている。
【0033】また、吸気カムシャフト22には、クラン
クシャフト9の回転に対する吸気カムシャフト22の相
対回転位相を変更することで、吸気バルブ20のバルブ
タイミング(開閉タイミング)を変更するバルブタイミ
ング可変機構25が設けられている。このバルブタイミ
ング可変機構25は油圧により作動するものであって、
同機構25の作動により吸気バルブ20のバルブタイミ
ングを変化させると、吸気バルブ20と排気バルブ21
とにおける開弁期間のオーバラップ(バルブオーバラッ
プ)が変化するようになる。
【0034】こうしたバルブオーバラップが生じている
場合、燃料燃焼後に燃焼室3内に存在している排気の一
部が、排気行程から吸気行程に移行するときに一旦吸気
通路2内に吹き返され、その後に吸気行程で燃焼室3内
に戻されるため、次回の燃料燃焼時にも燃焼室3内に残
留するようになる。このように残留する排気の量(内部
EGR量)は、バルブオーバラップが大となって排気行
程から吸気行程への移行時に吸気通路2に吹き返される
排気の量が増えるほど多くなる。
【0035】なお、上記バルブオーバラップは、吸気バ
ルブ20のバルブタイミングを最も遅角させたときに最
小となり、同バルブタイミングを進角させるほど大きく
なってゆく。従って、内部EGR量は、吸気バルブ20
のバルブタイミングを最も遅角させたときに最少とな
り、同バルブタイミングを進角させるほど多くなってゆ
く。
【0036】ここで、バルブタイミング可変機構25の
内部構造、及び同機構25を作動させるための油圧回路
について図2を参照して説明する。同図に示されるよう
に、バルブタイミング可変機構25は、吸気カムシャフ
ト22に取り付けられた可動体41と、この可動体41
の周りを囲うように設けられたカバー42とを備えてい
る。
【0037】カバー42の内部は、可動体41によって
進角側油圧室43と遅角側油圧室44とに区画されてい
る。そして、進角側油圧室43には進角側油路26aが
接続され、遅角側油圧室44には遅角側油路27aが接
続されている。これら進角側油圧室43と進角側油路2
6aの内部、及び遅角側油圧室44と遅角側油路27a
の内部は、それぞれオイルで満たされるようになってい
る。
【0038】従って、進角側油路26aを通じて進角側
油圧室43にオイルを供給しようとすると、このオイル
による油圧で可動体41及び吸気カムシャフト22が図
中右方向に回転する。これにより、クランクシャフト9
に対する吸気カムシャフト22の相対回転位相が進角
し、吸気バルブ20のバルブタイミングが進角する。ま
た、可動体41が右方向に回転すると、遅角側油圧室4
4内にあったオイルが遅角側油路27aへと排出され
る。
【0039】一方、遅角側油路27aを通じて遅角側油
圧室44にオイルを供給しようとすると、このオイルに
よる油圧で可動体41及び吸気カムシャフト22が図中
左方向に回転する。これにより、クランクシャフト9に
対する吸気カムシャフト22の相対回転位相が遅角し、
吸気バルブ20のバルブタイミングが遅角する。また、
可動体41が左方向に回転すると、進角側油圧室43内
にあったオイルが進角側油路26aへと排出される。
【0040】バルブタイミング可変機構25を作動させ
るための油圧回路は、上記進角側油路26a及び遅角側
油路27aの他に、油圧伝達機構45,46、進角側油
路26b、遅角側油路27b、オイルコントロールバル
ブ(OCV)28、供給通路29、及び排出通路30を
備えている。
【0041】そして、バルブタイミング可変機構25に
接続される進角側油路26aは油圧伝達機構45及び進
角側油路26bを介してOCV28に接続され、同機構
25に接続される遅角側油路27aは油圧伝達機構46
及び遅角側油路27bを介してOCV28に接続されて
いる。また、OCV28には供給通路29及び排出通路
30が接続され、これら通路29,30はエンジン1の
オイルパン31内に繋がっている。
【0042】上記供給通路29には、クランクシャフト
9の回転に伴って駆動されるオイルポンプ32が設けら
れている。このオイルポンプ32から吐出されたオイル
の一部は、供給通路29から分岐してエンジン1の各部
に潤滑油として供給されるようになる。従って、上記油
圧回路は、バルブタイミング可変機構25を作動させる
ためだけでなく、エンジン1の潤滑を行うためにもオイ
ルを供給するようになっている。そして、油圧回路にお
いてオイルポンプ32及びオイルパン31はオイルの供
給源となっている。
【0043】上記OCV28は、互いに逆方向に働くコ
イルスプリング33及び電磁ソレノイド34の付勢力に
よって切換動作し、供給通路29及び排出通路30と進
角側油路26b及び遅角側油路27bとの接続状態を変
更する。
【0044】即ち、OCV28は、電磁ソレノイド34
の消磁状態においては、遅角側油路27bと供給通路2
9とを連通するとともに、進角側油路26bと排出通路
30とを連通する。この場合、オイルパン31内のオイ
ル(作動油)がオイルポンプ32により遅角側油路27
bへ送り出されるとともに、進角側油路26b内にあっ
たオイル(作動油)がオイルパン31内へ戻される。ま
た、電磁ソレノイド34が励磁されたときには、遅角側
油路27bと排出通路30とが連通するとともに、進角
側油路26bと供給通路29とが連通する。この場合、
オイルパン31内のオイルがオイルポンプ32により進
角側油路26bに送り出されるとともに、遅角側油路2
7b内にあったオイルがオイルパン31内へ戻される。
【0045】上記油圧伝達機構45,46は、油圧回路
において供給源側の部分(進角側油路26b、遅角側油
路27b等)と、バルブタイミング可変機構25に通じ
る部分(進角側油路26a、遅角側油路27b)とを区
分するとともに、当該両部分の間で油圧の伝達を可能と
するものである。油圧伝達機構45,46は、そのハウ
ジング47内に油溜室48を区画形成する弾性部材49
を備えている。弾性部材49についてはゴム等の弾性材
料によって形成されており、弾性部材49が弾性変形し
て変位すると油溜室48の容積が変化するようになって
いる。
【0046】油圧伝達機構45については、そのハウジ
ング47内が進角側油路26bに連通するとともに、油
溜室48が進角側油路26aに連通しており、進角側油
路26a側のオイルと進角側油路26b側のオイルとを
弾性部材49によって区分するものとなっている。ま
た、油圧伝達機構46については、そのハウジング47
内が遅角側油路27bに連通するとともに、油溜室48
が遅角側油路27aに連通しており、遅角側油路27a
側のオイルと遅角側油路27b側のオイルとを弾性部材
49によって区分するものとなっている。
【0047】従って、オイルポンプ32側から進角側油
路26bに向けてオイルが供給されると、そのオイルに
よる油圧で油圧伝達機構45の弾性部材49が油溜室4
8の容積を縮小する方向に変位し、油溜室48内のオイ
ルが進角側油路26aに向けて供給される。このように
して、進角側油路26bから進角側油路26aへの油圧
伝達機構45を介した油圧の伝達が行われ、進角側油路
26a及び進角側油圧室43内の油圧が高められる。
【0048】この油圧の上昇に伴い可動体41が右方向
に回転して吸気バルブ20のバルブタイミングが進角す
ることとなる。そして、可動体41が右方向に回転する
と、遅角側油圧室44内のオイルが遅角側油路27aに
排出され、そのオイルによる油圧で弾性部材49が油圧
伝達機構46の油溜室48の容積を拡大する方向に変位
し、同機構46のハウジング47内のオイルが遅角側油
路27bに排出される。このようにして、遅角側油路2
7aから遅角側油路27bへの油圧伝達機構46を介し
た油圧の伝達が行われ、遅角側油路27a及び遅角側油
圧室44内の圧力が低下させられるようになる。
【0049】一方、オイルポンプ32側から遅角側油路
27bに向けてオイルが供給されると、そのオイルによ
る油圧で油圧伝達機構46の弾性部材49が油溜室48
の容積を縮小する方向に変位し、油溜室48内のオイル
が遅角側油路27aに向けて供給される。このようにし
て、遅角側油路27bから遅角側油路27aへの油圧伝
達機構46を介した油圧の伝達が行われ、遅角側油路2
7a及び遅角側油圧室44内の油圧が高められる。
【0050】この油圧の上昇に伴い可動体41が左方向
に回転して吸気バルブ20のバルブタイミングが遅角す
ることとなる。そして、可動体41が左方向に回転する
と、進角側油圧室43内のオイルが進角側油路26aに
排出され、そのオイルによる油圧で弾性部材49が油圧
伝達機構45の油溜室48の容積を拡大する方向に変位
し、同機構45のハウジング47内のオイルが進角側油
路26bに排出される。このようにして、進角側油路2
6aから進角側油路26bへの油圧伝達機構45を介し
た油圧の伝達が行われ、進角側油路26a及び進角側油
圧室43内の圧力が低下させられるようになる。
【0051】ところで、上記油圧回路については、油圧
伝達機構45,46によって供給源側の部分と、バルブ
タイミング可変機構25に通じる部分とに区分されてい
る。そして、供給源側の部分に用いられるオイル、即ち
エンジン1の潤滑油として用いられるオイルは、エンジ
ン1の潤滑に適した粘度のオイル(潤滑油)が採用され
る。こうしたオイルについては、エンジン1の低温時か
ら高温時まで潤滑油として相応しい粘度が得られ、特に
高温時に充分な潤滑性能が得られる粘度を有するものと
される。
【0052】ただし、上記のようなオイルは、エンジン
1の潤滑油としてはエンジン1の冷間始動時にも充分な
性能が得られるのであるが、仮にバルブタイミング可変
機構25の作動油として用いたとすると、エンジン1の
冷間始動時には粘度が高すぎて同機構25の作動に支障
を来すおそれがある。即ち、進角側油圧室43若しくは
遅角側油圧室44に向けてオイルを供給しても、同オイ
ルの粘度が高すぎて可動体41を回転させるための油圧
の上昇に時間がかかることから、吸気バルブ20のバル
ブタイミングを変更するためのバルブタイミング可変機
構25の作動に応答遅れが生じる。
【0053】このため、本実施形態では、油圧回路にお
いてバルブタイミング可変機構25と通じる部分のオイ
ルが、供給源側のオイルと区別されるよう当該油圧回路
を構成し、バルブタイミング可変機構25に通じる部分
のオイルとして同機構25の作動に適したオイルを採用
する。こうしたオイルについては、エンジン1の潤滑に
は用いられないことから、高温時に潤滑性能を確保でき
るようにある程度の粘度を確保する必要はなく、上記潤
滑油として用いられるオイルに比べて低温時に大幅に粘
度が低いものとされる。
【0054】バルブタイミング可変機構25の作動油と
して上記のようなオイルを採用することで、エンジン1
の冷間始動時に吸気バルブ20のバルブタイミングを変
更すべくバルブタイミング可変機構25を作動させると
き、その作動に応答遅れが生じるのを抑制することがで
きる。このように応答遅れを抑制できるのは、進角側油
圧室43若しくは遅角側油圧室44に向けてオイルを供
給するとき、同オイルの粘度が低いことから可動体41
を回転させるための油圧の上昇が速やかに行われるため
である。
【0055】次に、本実施形態のエンジン制御装置の電
気的構成について図1を参照して説明する。この制御装
置は、エンジン1を運転制御すべく自動車に搭載された
電子制御装置35を備えている。この電子制御装置35
は、燃料噴射弁4、スロットルバルブ11、及びOCV
28を駆動制御する。また、電子制御装置35には、ク
ランクポジションセンサ10、バキュームセンサ12、
アクセルポジションセンサ14、スロットルポジション
センサ15、カムポジションセンサ24、及び水温セン
サ36といった各種センサからの検出信号が入力され
る。
【0056】電子制御装置35は、クランクポジション
センサ10、スロットルポジションセンサ15、バキュ
ームセンサ12、及びアクセルポジションセンサ14か
らの検出信号に基づき、エンジン回転速度NE、吸気圧
PM、アクセル踏込量ACCP、スロットル開度TAを
求める。そして、電子制御装置35は、最大機関負荷に
対する現在の負荷割合を示す値である負荷率KLを、エ
ンジン回転速度NEと、スロットル開度TA、アクセル
踏込量ACCP、及び吸気圧PMなどエンジン1の吸入
空気量に関係するパラメータとに基づき算出する。
【0057】電子制御装置35は、エンジン回転速度N
Eや負荷率KLなどエンジン1の運転状態に応じて、点
火時期制御、燃料噴射量制御、燃料噴射時期制御、吸入
空気量制御、吸気バルブ20のバルブタイミング制御、
及び燃焼形態切換制御など、エンジン1の各種運転制御
を実行する。
【0058】次に、エンジン1の始動完了後の所定期間
を含む冷間始動時に、排気中に黒煙が発生するのを抑制
する手順について図3を参照して説明する。図3は、吸
気バルブ20のバルブタイミング制御に基づきバルブオ
ーバラップを変更して内部EGR量を調整し、上記黒煙
の発生を抑制する黒煙抑制ルーチンを示すフローチャー
トである。この黒煙抑制ルーチンは、電子制御装置35
を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に
実行される。
【0059】エンジン1の始動開始時には、混合気を安
定して燃焼させることを重視し、エンジン1の燃焼形態
として、均質混合気を燃焼させる均質燃焼が選択され
る。そして、黒煙抑制ルーチンにおいては、まずエンジ
ン1が始動完了しているか否か、例えばエンジン回転速
度NEが予め設定されたアイドル回転速度以上の値であ
るか否かが判断される(S101)。
【0060】上記ステップS101で否定判定がなされ
た場合には、エンジン1の始動が完了していない旨判断
され、OCV28の駆動制御に用いられるデューティ比
Dが「0%」に設定される(S109)。このデューテ
ィ比Dは、電子制御装置35を通じて行われるOCV2
8の電磁ソレノイド34に対する印可電圧のデューティ
制御に用いられる。こうしたデューティ制御によって、
バルブタイミング可変機構25に向けてのオイル供給が
制御され、同機構25の作動に基づき吸気バルブ20の
バルブタイミングが調整されるようになる。
【0061】上記のようにデューティ比Dが「0%」で
あるときには、オイルポンプ32側から遅角側油路27
bに向けてオイルが供給され、これにより吸気バルブ2
0のバルブタイミングが最遅角状態に保持される。この
状態にあっては、バルブオーバラップ量が「0」とな
り、内部EGR量が最少値とされて燃焼状態の安定化が
図られ、エンジン1の始動性が良好なものとされる。
【0062】一方、上記ステップS101で肯定判定が
なされた場合には、燃焼室3の温度(エンジンの温度)
を推定した値である推定温度Tの算出が行われる(S1
02)。
【0063】実際の燃焼室3の温度は、エンジン1の一
回の燃焼サイクル毎に、同燃焼サイクルで消費される燃
料量(燃料噴射量Qfin )に対応した分だけ上昇するよ
うになる。従って、ステップS102の処理では、今回
の燃焼サイクルにおける燃焼室3の温度上昇分を燃料噴
射量Qfin に変換係数Kを乗算することによって算出
し、この「Qfin ・K」という値を前回のS102の処
理で算出された推定温度Tに加算することにより、今回
の推定温度Tが算出されることとなる。
【0064】上記燃料噴射量Qfin としては、例えばエ
ンジン1の燃料噴射量制御を行うに際して用いられる燃
料噴射量の指令値、即ち負荷率KL及びエンジン回転速
度NE等から求められる燃料噴射量の指令値が採用され
る。また、上記燃料噴射量Qfin に乗算される変換係数
Kは、エンジン1の一回の燃焼サイクルで消費(燃焼)
される燃料量(燃料噴射量Qfin )を、その燃焼による
燃焼室3の温度上昇量という単位に変換するためのもの
である。
【0065】なお、エンジン1の始動完了後に最初にス
テップS102の処理が実行されるときには、推定温度
Tの算出に用いられる前回の推定温度Tとして、エンジ
ン1の冷却水温から算出される初期温度が採用される。
この初期温度は、水温センサ36の検出信号から求めら
れるエンジン1の冷却水温が高くなるほど、高い値とな
るように算出されるものである。
【0066】このように燃焼室3の推定温度が算出され
た後、燃料燃焼時の燃焼室3内のガスに含まれる排気に
より黒煙の発生を抑制すべき状況であるか否かが判断さ
れる。こうした判断は、 ・推定温度Tが所定値a以下であるか否か(S10
3)、即ち燃焼室3の温度が黒煙発生の可能性のある値
以下であるか否か、 ・アイドル運転状態であるか否か(S104)、即ち自
動車が停止した状態であるか否か、といった判断に基づ
き行われることとなる。
【0067】そして、ステップS103,S104で共
に肯定判定であれば、黒煙の発生を抑制すべき状況であ
る旨判断され、吸気バルブ20のバルブタイミングの進
角処理が実行される(S105〜S108)。上記のよ
うに吸気バルブ20のバルブタイミングを最遅角状態よ
りも進角側に制御すると、バルブオーバラップが大きく
なって内部EGR量が増加する。
【0068】内部EGR量の増加によって燃焼室3の温
度が上昇させられると、燃焼室3内に噴射供給された燃
料が霧化されずに液状燃料のままとなることは抑制され
る。更に、燃料燃焼時の燃焼室3内に存在する排気によ
り燃料の燃焼温度が低下するため、燃焼室3内の液状燃
料が燃焼熱によって焦げ付くことも抑制される。このよ
うにして、燃焼室3内の液状燃料を少なくしつつ、燃料
が燃焼するときの燃焼温度を低下させることで、液状燃
料が焦げ付くことによる黒煙の発生を抑制することがで
きるようになる。
【0069】一方、上記ステップS103で否定判定が
なされた場合、即ちエンジン1が冷間始動時を脱した場
合には、燃焼室3内の温度が黒煙発生の可能性のある値
よりも大である旨判断され、通常のバルブタイミング制
御が実行されることとなる(S110)。
【0070】この通常のバルブタイミング制御では、負
荷率KL及びエンジン回転速度NEなどエンジン1の運
転状態に応じて、吸気バルブ20のバルブタイミングの
進角量が調整される。この進角量とは、バルブタイミン
グが最遅角状態となったときを基準として、同バルブタ
イミングがどの程度進角した状態にあるかを示す値であ
る。そして、上記バルブタイミングの進角量の調整は、
負荷率KL及びエンジン回転速度NEに応じて設定され
る目標進角量θtに対し、カムポジションセンサ24の
検出信号から求められる実進角量θrが近づくよう、デ
ューティ比Dを変化させることによって行われる。
【0071】このデューティ比Dが「0%」に設定され
たときには、オイルポンプ32側から遅角側油路27b
に向けてオイルが供給され、これにより吸気バルブ20
のバルブタイミングが最遅角状態となるようバルブタイ
ミング可変機構25が駆動されるのは上述した通りであ
る。これに対し、デューティ比Dが「100%」に設定
されたときには、オイルポンプ32側から進角側油路2
6bに向けてオイルが供給され、これにより吸気バルブ
20のバルブタイミングが最進角状態となるようバルブ
タイミング可変機構25が駆動されることとなる。
【0072】従って、通常のバルブタイミング制御にお
けるデューティ比Dは、実進角量θrが目標進角量θt
よりもバルブタイミング進角側の値であるときには「0
%」寄りの値に設定され、実進角量θrが目標進角量θ
tよりも遅角側の値であるときには「100%」寄りの
値に設定される。このように、デューティ比Dを実進角
量θr及び目標進角量θtに基づき変化させることで、
実進角量θrが目標進角量θtに近づけられ、吸気バル
ブ20のバルブタイミングがエンジン1の運転にとって
最適なタイミングとされる。
【0073】次に、ステップS105〜S108の処
理、即ち吸気バルブ20のバルブタイミングの進角処理
について説明する。この処理においては、まずエンジン
1の始動完了後に吸気バルブ20のバルブタイミングが
一回も最進角状態に達したことがないか否かが判断され
る(S105)。ここで肯定判定であれば、目標進角量
θtが最大値θmax に設定されるとともに、デューティ
比Dが「100%」に設定される(S106)。このよ
うにデューティ比Dを「100%」とすることで、オイ
ルポンプ32側から進角側油路26bに向けてオイルが
供給される。そして、当該オイルによる油圧が油圧伝達
機構46を介して進角側油路26aに伝達され、同油路
26aから進角側油圧室43に向けてのオイル供給が行
われる。
【0074】このオイルは低温時にも粘度が低い状態に
維持されるものであることから、進角側油圧室43及び
進角側油路26内の油圧の上昇が速やかに行われ、その
油圧でバルブタイミング可変機構25の可動体41が速
やかに回転する。また、このときには遅角側油圧室44
内のオイルが遅角側油路27aに排出され、同オイルに
よる油圧が油圧伝達機構45を介して遅角側油路27b
に伝達される。このオイルも上記と同じものであること
から、遅角側油圧室44及び遅角側油路27a内の油圧
が速やかに低下し、この油圧の低下が遅れて上記可動体
41の回転の妨げとなることはなくなる。
【0075】上記のように速やかにバルブタイミング可
変機構25が作動すると、吸気バルブ20のバルブタイ
ミングが進角してバルブオーバラップが大となり、内部
EGR量が速やかに増加する。そして、この内部EGR
量の増加によって燃焼室3の温度が上昇させられ、エン
ジン1の冷間始動時において排気中に黒煙が発生するこ
とは抑制されるようになる。
【0076】その後、吸気バルブ20のバルブタイミン
グが最進角状態とされると、ステップS105の処理で
否定判定がなされる。この場合は、推定温度Tに基づき
目標進角量θtが算出され(S107)、その目標進角
量θtに実進角量θrが近づくようデューティ比Dが算
出されることとなる(S108)。
【0077】次に、本実施形態の利点について図4及び
図5を参照して説明する。図4は、エンジン1の冷間始
動時に内部EGR量を増加させて黒煙発生を抑制する
際、デューティ比D、実進角量θr、及び推定温度Tが
どのように推移するかを示すタイムチャートである。な
お、図4(b)において、二点鎖線はバルブタイミング
可変機構25の作動油として用いられるオイルをエンジ
ン1の潤滑油と同じものにした場合の実進角量θrの推
移を示している。また、実線は作動油として用いられる
オイルを上述したような低温時にも低粘度となるものに
した場合の実進角量θrの推移を示している。
【0078】エンジン1の冷間始動時であって始動が完
了したとき、デューティ比Dが「0%」から「100
%」に変化すると、実進角量θrが徐々に大きくなる。
このように実進角量θrが大きくなるに従って、内部E
GR量が徐々に増加するとともに推定温度Tも徐々に高
くなってゆく。
【0079】バルブタイミング可変機構25の作動油と
してエンジン1の潤滑油と同じものを用いている場合、
低温時の粘度が高いためにバルブタイミング可変機構2
5の作動に応答遅れが生じ、実進角量θrが図4(b)
に二点鎖線で示されるように緩やかに大きくなって内部
EGR量も緩やかにしか増加しない。従って、デューテ
ィ比Dを「100%」とした直後の所定期間は、黒煙を
抑制する上で必要とされる内部EGR量が得られず、こ
の内部EGR量の不足によって黒煙が発生するおそれが
ある。
【0080】これに対し、バルブタイミング可変機構2
5の作動用オイルとして、上述したような低温時にも低
粘度となるものを用いている場合、バルブタイミング可
変機構25の作動についての応答遅れが小さいため、実
進角量θrが図4(b)に実線で示されるように速やか
に大きくなって内部EGR量も速やかに増加する。即
ち、上記オイルの粘度については、低温時におけるバル
ブタイミング可変機構25の応答遅れが上記のように内
部EGR量を増加させる上で支障を来さないレベルまで
低くされている。
【0081】従って、デューティ比Dを「100%」と
した後の早期に、黒煙を抑制する上で必要とされる内部
EGR量が得られ、推定温度Tも速やかに上昇すること
から、内部EGR量の不足に伴い黒煙が発生するのを抑
制することができるようになる。
【0082】図5は、エンジン1の冷間始動時に一旦エ
ンジン1を停止させた後、エンジン1の再始動を行った
場合、デューティ比D、実進角量θr、及び推定温度T
がどのように推移するかを示すタイムチャートである。
なお、図5(b)において、二点鎖線はバルブタイミン
グ可変機構25の作動油として用いられるオイルをエン
ジン1の潤滑油と同じものにした場合の実進角量θrの
推移を示している。また、実線は作動油として用いられ
るオイルを上述したような低温時にも低粘度となるもの
にした場合の実進角量θrの推移を示している。
【0083】エンジン1の冷間始動時であって始動が完
了してデューティ比Dが「100%」とされた後、エン
ジン1が一旦停止させられると、進角側油圧室43及び
進角側油路26a内での油圧の上昇が停止する。更に、
吸気バルブ20を開閉させる際の反力によって可動体4
1が、吸気バルブ20のバルブタイミングを遅角させる
方向(図2の左方向)に回転しようとする。その結果、
進角側油圧室43から進角側油路26aにオイルが排出
され、進角側油圧室43内の油圧が低下することに伴
い、実進角量θrが徐々に小さくなって内部EGR量も
徐々に減少することとなる。
【0084】その後、エンジン1の再始動が開始され、
その始動が完了したときにデューティ比Dが再び「0
%」から「100%」に変化すると、内部EGR量が徐
々に大きくなる。このように実進角量θrが大きくなる
に従って、内部EGR量が徐々に増加するとともに推定
温度Tも徐々に高くなってゆく。
【0085】バルブタイミング可変機構25の作動油と
してエンジン1の潤滑油と同じものを用いている場合、
低温時の粘度が高いためにエンジン1の停止から再始動
までの停止期間中に、進角側油圧室43から進角側油路
26aへのオイルの排出が緩やかにしか行われない。そ
の結果、進角側油圧室43内の油圧の低下が緩やかなも
のとなり、実進角量θrの減少が図5に二点鎖線で示さ
れるようにゆっくりとしか行われなくなる。
【0086】従って、エンジン1における再始動の開始
までに、バルブオーバラップが「0(実進角量θr=
「0」)」となるまで、吸気バルブ20のバルブタイミ
ングが遅角側に戻り切らず、再始動開始時には同バルブ
タイミングがある程度進角したままの状態となる。この
場合、エンジン1を良好に始動させるには内部EGR量
が多すぎることになり、エンジン1の始動性が低下す
る。これは、燃焼室3内の酸素が内部EGR量の過多分
だけ少なくなるとともに、初回のエンジン始動時に燃焼
室3の内壁に付着した燃料が蒸発することから、再始動
の開始時に燃焼室3内の空燃比がリッチになって燃焼不
良が発生するためである。
【0087】これに対し、バルブタイミング可変機構2
5の作動用オイルとして、上述したような低温時にも低
粘度となるものを用いている場合、上記停止期間中に進
角側油圧室43内の油圧が速やかに低下する。その結
果、吸気バルブ20のバルブタイミングが速やかに遅角
側(内部EGR量の減少側)に戻され、実進角量θrが
図5(b)に実線で示されるように速やかに小さくなっ
て内部EGR量も速やかに減少する。即ち、上記オイル
の粘度については、低温時における進角側油圧室43内
の油圧低下が上記のように内部EGR量を減少させる上
で支障を来さないレベルまで低くされている。
【0088】従って、エンジン1における再始動の開始
時に、バルブオーバラップが「0」になるまで吸気バル
ブ20のバルブタイミングが遅角側に戻りきっておら
ず、それに伴い内部EGR量が過多になって燃焼不良、
ひいては始動性の低下に繋がるのを抑制することができ
るようになる。
【0089】以上詳述した本実施形態によれば、以下に
示す効果が得られるようになる。 (1)バルブタイミング可変機構25の作動油として用
いられるオイルを、エンジン1の潤滑油として用いられ
るオイルと区別するよう、油圧回路が構成されているた
め、それらオイルを互いに別の種類のものとすることが
できる。そして、バルブタイミング可変機構25の作動
油として用いられるオイルを、エンジン1の潤滑油とし
て用いられるオイルよりも低温時に粘度が低くなるもの
とすることで、エンジン1の冷間始動時にバルブタイミ
ング可変機構25の作動に応答遅れが生じるのを抑制す
ることができる。従って、エンジン1の冷間始動時に内
部EGR量が増加するようにバルブタイミング可変機構
25を作動させる際、その作動に応答遅れが生じて内部
EGR量が不足し、エンジン1の黒煙の発生に繋がるの
を抑制することができる。また、エンジン1の冷間始動
時であって始動が完了した後にエンジン1を一旦停止し
たとき、バルブタイミング可変機構25が速やかに内部
EGR量を減少させるように作動するようになる。その
ため、エンジン1の再始動までにバルブタイミング可変
機構25が内部EGR量減少側に戻りきらず、再始動の
開始時に内部EGR量が過多になって燃焼不良、ひいて
は始動性の低下に繋がるのを抑制することができる。
【0090】(2)バルブタイミング可変機構25の作
動油として用いられるオイルについては、その粘度が低
温時における同機構25の応答遅れが内部EGR量を増
減させる上で支障を来さないレベルまで低くされたもの
が採用されている。従って、エンジン1の冷間始動時に
おいて、バルブタイミング可変機構25の応答遅れに伴
う不具合を的確に抑制することができる。
【0091】(3)油圧回路において、進角側油路26
a及び遅角側油路27aと、進角側油路26b及び遅角
側油路27bとの間での油圧の伝達は、油圧伝達機構4
5,46を介して行われる。即ち、油圧伝達機構45,
46においては、オイルポンプ32側からのオイル供給
を受けると、そのオイルによる油圧での弾性部材49が
油溜室48の容積を縮小するように変位する。これによ
り、油溜室48内のオイルがバルブタイミング可変機構
25に向けて送り出され、そのオイルの油圧で同機構2
5が作動させられる。また、バルブタイミング可変機構
25から排出されたオイルが油圧伝達機構45,46の
油溜室48に入ると、弾性部材49が油溜室48の容積
を拡大するように変位する。これにより、ハウジング4
7内のオイルがオイルパン31側に排出されるようにな
る。上記のように油圧伝達機構45,46を通じて油圧
が伝達されるため、油圧回路においてバルブタイミング
可変機構25側の部分のオイルを粘度の低いものにする
ことで、エンジン1の冷間始動時に同機構25に対し速
やかに油圧を作用させたり、同油圧を除去したりするこ
とができる。
【0092】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態について図6〜図9を参照して説明する。本実施形
態は、エンジン1の冷間始動時であって内部EGR量が
不足するとき、その不足分を排気通路7内の排気の一部
を吸気通路2に戻すことによって補い、内部EGR量の
不足に伴う黒煙発生を抑制するようにしたものである。
【0093】図6は、本実施形態のエンジン1及びその
制御装置を示す概略図である。同図に示されるように、
このエンジン1の油圧回路においては、OCV28とバ
ルブタイミング可変機構25との間が進角側油路26及
び遅角側油路27によって接続され、第1実施形態のよ
うな油圧伝達機構45,46は設けられていない。従っ
て、バルブタイミング可変機構25の作動は、従来どお
りエンジン1の潤滑用オイルが用いられることとなる。
【0094】また、エンジン1には、排気通路7内の排
気の一部を吸気通路2に戻す外部EGR機構51が設け
られている。この外部EGR機構51は、排気通路7と
吸気通路2とを繋ぐEGR通路18と、排気通路7から
EGR通路18を通って吸気通路2に戻される排気の量
(外部EGR量)を調整するEGRバルブ19とを備え
ている。そして、外部EGR量を調整するためのEGR
バルブ19の開度制御は、電子制御装置35を通じて行
われる。
【0095】ここで、エンジン1の冷間始動時に内部E
GR量を増加させる際、そのEGR量の不足分が補われ
るよう外部EGR量を調整する手順の概要について、図
7を参照して説明する。この図7は、デューティ比D、
実進角量θr、及びEGRバルブ19の開度指令値RQ
がどのように推移するかを示すタイムチャートである。
なお、上記開度指令値RQはEGRバルブ19の開度制
御に用いられる制御指令値であって、この値に基づき電
子制御装置35を通じてEGRバルブ19が駆動され
る。
【0096】エンジン1の冷間始動時であって始動が完
了したとき、デューティ比Dが「0%」から「100
%」に変化すると、目標進角量θt(目標バルブタイミ
ング)が直ちに最大値θmax となる。しかし、実進角量
θr(実際のバルブタイミング)は、バルブタイミング
可変機構25の応答遅れにより緩やかにしか大きくなら
ないため、黒煙発生を抑制する上で内部EGR量が不足
することとなる。
【0097】そのため、エンジン1の冷間始動時であっ
て、黒煙抑制のための内部EGR量の増加が行われると
きには、EGRバルブ19の開度指令値RQが「0」か
ら上記内部EGR量の不足分に対応した値へと大きくさ
れる。従って、この開度指令値RQに基づきEGRバル
ブ19を駆動することで、内部EGR量の不足を補うだ
けの外部EGR量が得られ、内部EGR量の不足に伴い
黒煙が発生するのを抑制することができるようになる。
【0098】次に、上記開度指令値RQの算出手順につ
いて図8のEGRバルブ開度指令値算出ルーチンを参照
して説明する。このEGRバルブ開度指令値産出ルーチ
ンは、電子制御装置35を通じて例えば所定時間毎の時
間割り込みにて周期的に実行される。
【0099】EGRバルブ開度指令値算出ルーチンにお
いては、エンジン1の冷間始動時であって、黒煙抑制の
ための内部EGR量の増量中であるか否かが判断される
(S201)。ここで、否定判定であれば通常どおりの
開度指令値RQの算出が行われ、エンジン1の冷間始動
時にあっては開度指令値RQが「0」とされる。一方、
肯定判定であれば、目標進角量θt(θmaax )と実進
角量θrとの差Δθ、及び冷却水温に基づき開度指令値
RQが算出される(S202)。
【0100】エンジン1の冷間始動持に内部EGR量を
増量すべくバルブタイミング可変機構25を作動させる
際、同機構25の応答遅れによる内部EGR量の不足分
は、そのときの上記差Δθ及び冷却水温に対応して推移
することとなる。即ち、目標進角量θt(最大値θmax
)は一定であることから、上記差Δθが大きくなるほ
ど内部EGR量が少なく、内部EGR量の不足分も大き
くなっていることを意味する。また、冷却水温が低くエ
ンジン温度が低いときほど黒煙発生の抑制に必要な内部
EGR量が多くなるため、エンジン温度(冷却水温)が
低いほど内部EGRの不足分が大きくなる。
【0101】従って、ステップS202で算出される開
度指令値RQは、図9に示されるように差Δθが大きく
なるほど大きい値をとり、冷却水温(エンジン温度)が
高いほど小さい値をとるようになる。この開度指令値R
Qに基づきEGRバルブ19を駆動することで、必要と
される内部EGR量の不足分を補うことのできる外部E
GR量が得られるようになる。
【0102】以上詳述した本実施形態によれば、以下に
示す効果が得られるようになる。 (4)エンジン1の冷間始動時に、内部EGR量を増加
すべくバルブタイミング可変機構25を作動させると
き、同機構25の応答遅れに伴う内部EGR量の不足分
は、排気通路7内の排気の一部が外部EGR機構51を
通じて吸気通路2に戻されることによって補われる。従
って、内部EGR量の不足に伴う黒煙の発生を抑制する
ことができる。
【0103】(5)上記バルブタイミング可変機構25
の応答遅れによる内部EGR量の不足分は、そのときに
生じる目標進角量θt(最大値θmax )と実進角量θr
との差Δθに対応して推移する。従って、差Δθに基づ
き開度指令値RQを算出し、この開度指令値RQに基づ
きEGRバルブ19を駆動することで、外部EGR量を
内部EGR量の不足分に対応した値とすることができ
る。
【0104】(6)黒煙発生の抑制に必要とされる内部
EGR量はエンジン温度が低いときほど多くなるため、
内部EGR量の不足分を補うのに必要な外部EGR量も
エンジン温度の影響を受ける。しかし、上記開度指令値
RQの算出には差Δθの他にエンジン温度として用いら
れる冷却水温も加味されるため、開度指令値RQに基づ
くEGRバルブ19の駆動により、内部EGR量の不足
分を補うことのできる外部EGR量が得られるようにな
る。
【0105】なお、上記各実施形態は、例えば以下のよ
うに変更することもできる。 ・上記各実施形態では、バルブタイミング可変機構25
として吸気バルブ20のバルブタイミングを変更するも
のを例示したが、これに代えて排気バルブ21のバルブ
タイミングを変更するものや、吸気バルブ20と排気バ
ルブ21との両方のバルブタイミングを変更するものを
採用してもよい。こうしたバルブタイミング可変機構で
あっても、バルブオーバラップを調整して内部EGR量
を増減させることができる。
【0106】・第1実施形態において、油圧伝達機構4
5,46の構成を適宜変更してもよい。例えば、ハウジ
ング47内に、その内部を二つに区画するピストンを設
け、一方の区画部分を油溜室としてもよい。この場合、
油溜室へのオイル供給、或いはいハジング内の油溜室以
外の部分へのオイル供給により、油溜室の容積が増減す
るようピストンが往復移動することとなる。こうした油
圧伝達機構を採用しても、進角側油路26aと進角側油
路26bとの間、及び遅角側油路27aと遅角側油路2
7bとの間で、油圧伝達機構を通じて油圧の伝達が的確
に行われるようになる。
【0107】・第1実施形態において、バルブタイミン
グ可変機構25の作動油として用いられるオイルについ
て、その粘度をエンジン1の潤滑油として用いられるオ
イルの粘度よりも低い範囲で適宜変更してもよい。
【0108】・第2実施形態において、エンジン温度と
して冷却水温を用いたが、これに代えて推定温度Tを用
いてもよい。 ・第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御装置が適用されるエンジン
全体を示す略図。
【図2】バルブタイミング可変機構の内部構造、及び同
機構を作動させるための油圧回路を示す略図。
【図3】エンジンの冷間始動時における黒煙発生の抑制
手順を示すフローチャート。
【図4】上記黒煙発生の抑制を行う際、デューティ比、
実進角量、推定温度がどのように推移するかを示すタイ
ムチャート。
【図5】上記黒煙発生の抑制を行う際、デューティ比、
実進角量、推定温度がどのように推移するかを示すタイ
ムチャート。
【図6】第2実施形態の制御装置が適用されるエンジン
全体を示す略図。
【図7】上記黒煙発生の抑制を行う際、デューティ比、
実進角量、EGRバルブ開度指令値がどのように推移す
るかを示すタイムチャート。
【図8】EGRバルブ開度指令値の算出手順を示すフロ
ーチャート。
【図9】目標進角量と実進角量との差、及び冷却水温の
変化に伴い、EGRバルブ開度指令値がどのように推移
するかを説明するためのグラフ。
【符号の説明】
1…エンジン、2…吸気通路、3…燃焼室、7…排気通
路、10…クランクポジションセンサ、12…バキュー
ムセンサ、14…アクセルポジションセンサ、15…ス
ロットルポジションセンサ、18…EGR通路、19…
EGRバルブ、20…吸気バルブ(機関バルブ)、21
…排気バルブ(機関バルブ)、22…吸気カムシャフ
ト、23…排気カムシャフト、24…カムポジションセ
ンサ、25…バルブタイミング可変機構、26,26
a,26b…進角側油路、27,27a,27b…遅角
側油路、28…オイルコントロールバルブ(OCV)、
29…供給通路、30…排出通路、31…オイルパン、
32…オイルポンプ、35…電子制御装置(制御手
段)、36…水温センサ、41…可動体、42…カバ
ー、43…進角側油圧室、44…遅角側油圧室、45,
46…油圧伝達機構、47…ハウジング、48…油溜
室、49…弾性部材、51…外部EGR機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 43/00 F02D 43/00 301Z 45/00 360 45/00 360B F02M 25/07 F02M 25/07 A Fターム(参考) 3G018 AB07 BA33 CA20 DA48 DA49 DA52 DA68 DA81 EA17 FA07 FA09 FA23 GA04 GA09 GA11 3G062 AA00 AA10 BA09 CA01 DA01 EA10 FA05 GA00 GA08 3G084 AA00 BA20 BA23 CA02 DA10 EA11 FA10 FA11 FA20 FA38 3G092 AA11 AA17 DA08 DC08 EC08 FA07 FA21 GA01 GA02 HA05Z HA06Z HA13X HA13Z HE03Z HE08Z HF08Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧により作動して機関バルブのバルブタ
    イミングを変更するバルブタイミング可変機構と、内燃
    機関の潤滑油及び前記バルブタイミング可変機構の作動
    油として用いられるオイルの供給を行う油圧回路とを備
    える内燃機関に適用され、冷えた状態からの機関始動時
    に前記機関バルブのバルブタイミングが内部EGR量を
    増加させる方向に変化するよう、前記バルブタイミング
    可変機構に働く油圧を制御する内燃機関の制御装置にお
    いて、 前記油圧回路は、前記バルブタイミング可変機構の作動
    油として用いられるオイルを、内燃機関の潤滑油として
    用いられるオイルと区別するように構成されていること
    を特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】前記作動油として用いられるオイルは、機
    関低温時に前記潤滑油として用いられるオイルよりも粘
    度が低くなるものが採用される請求項1記載の内燃機関
    の制御装置。
  3. 【請求項3】前記油圧回路において、前記バルブタイミ
    ング可変機構に通じる部分と同機構へのオイルの供給源
    との間には、その両者を区分するとともに当該両者間で
    油圧の伝達を可能とする油圧伝達機構が設けられ、 前記油圧伝達機構によって、前記油圧回路における前記
    供給源側に存在して前記潤滑油として用いられるオイル
    と、前記油圧回路における前記バルブタイミング可変機
    構側に存在して前記作動油として用いられるオイルとが
    区別される請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】油圧により作動して機関バルブのバルブタ
    イミングを変更するバルブタイミング可変機構を備える
    内燃機関に適用され、冷えた状態からの機関始動時に前
    記機関バルブのバルブタイミングが内部EGR量を増加
    させる方向に変化するよう、前記バルブタイミング可変
    機構に働く油圧を制御する内燃機関の制御装置におい
    て、 内燃機関から排気通路に送り出される排気を所定量だけ
    吸気通路に戻す外部EGR機構と、 冷えた状態からの機関始動時に前記内部EGR量を増加
    させる際、その内部EGR量の不足分に対応した量の排
    気が、前記排気通路から前記外部EGR機構を通じて前
    記吸気通路に戻されるよう、前記外部EGR機構を制御
    する制御手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 【請求項5】前記制御手段は、冷えた状態からの機関始
    動時に必要とされる内部EGR量が得られる前記機関バ
    ルブの目標バルブタイミングを算出し、その目標バルブ
    タイミングと実際のバルブタイミングとの差に応じて算
    出される制御指令値に基づき前記外部EGR機構を制御
    する請求項4記載の内燃機関の制御装置。
  6. 【請求項6】前記制御手段は、前記制御指令値の算出を
    前記差の他に機関温度も加味して行う請求項5記載の内
    燃機関の制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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