JP2003313488A - クリヤー塗料組成物及び複層塗膜形成方法 - Google Patents

クリヤー塗料組成物及び複層塗膜形成方法

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JP2003313488A
JP2003313488A JP2002117548A JP2002117548A JP2003313488A JP 2003313488 A JP2003313488 A JP 2003313488A JP 2002117548 A JP2002117548 A JP 2002117548A JP 2002117548 A JP2002117548 A JP 2002117548A JP 2003313488 A JP2003313488 A JP 2003313488A
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coating film
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polyester polymer
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JP2002117548A
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Shinya Yamada
真也 山田
Hiroto Yoneda
宏人 米田
Hisanori Tanabe
久記 田辺
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ベース塗膜の色戻りを抑制し、優れた外観を有
するとともに、耐水性にも優れた複層塗膜を形成するこ
とができるクリヤー塗料組成物を提供する。 【解決手段】ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体
(1)、エポキシ基含有アクリル共重合体(2)、並び
に、カルボキシル基含有ポリエステル重合体(3)から
なり、(3)は、二塩基酸及びグリコールのうち少なく
とも一方が、下記一般式(A); [式中、Rは、炭素数2〜16の直鎖又は分岐のアル
キル基、Rは、水素又は炭素数1〜16の直鎖又は分
岐のアルキル基を表す。二塩基酸の場合、X、Yは、−
COOH基又は−RCOOH基を表わす。グリコール
の場合、Xは、−OH基又は−ROH基を表わし、Y
は、−ROH基(R、R、Rは、炭素数1〜1
5のアルキレン基を表わす。)を表わす。]で表わされ
る化合物からなるクリヤー塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリヤー塗料組成
物及び複層塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】外観、耐候性等の物性に優れた自動車用
クリヤー塗料として、ハーフエステル酸基含有アクリル
共重合体、エポキシ基含有アクリル共重合体及びカルボ
キシル基含有ポリエステル重合体からなるクリヤー塗料
組成物が、特開平2−45577号公報及び特開平3−
287650号公報に開示されている。
【0003】このようなクリヤー塗料組成物の塗装にお
いては、未硬化ベース塗膜上にクリヤー塗膜を形成し、
ベース塗膜及びクリヤー塗膜を同時に加熱硬化させるい
わゆる2コート1べークによる複層塗膜形成が行われて
いる。しかし、このような2コート1べークによる複層
塗膜形成を行った場合、クリヤー塗料組成物中の成分が
未硬化ベース塗膜中への浸透が発生する場合がある。
【0004】このような浸透は、塗膜外観が悪化する原
因となるおそれがあるため好ましくない現象である。特
に、ベース塗料組成物が光輝性顔料を有する水性メタリ
ック塗料である場合、水との親和性が高いカルボキシル
基含有ポリエステル重合体の浸透によって、未硬化ベー
ス塗膜中の光輝性顔料の配列が乱され塗膜外観が悪化す
る、いわゆるベース塗膜の色戻りと呼ばれる現象が発生
する場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の現状に
鑑み、ベース塗膜の色戻りを抑制し、優れた外観を有す
るとともに、耐水性にも優れた複層塗膜を形成すること
ができるクリヤー塗料組成物及び複層塗膜形成方法を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハーフエステ
ル酸基含有アクリル共重合体(1)、エポキシ基含有ア
クリル共重合体(2)、並びに、二塩基酸、多価アルコ
ール、グリコール及び酸無水物より得られるカルボキシ
ル基含有ポリエステル重合体(3)からなるクリヤー塗
料組成物であって、上記カルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体(3)は、上記二塩基酸及び上記グリコールの
うち、少なくとも一方が、下記一般式(A);
【0007】
【化2】
【0008】[式中、Rは、炭素数2〜16の直鎖又
は分岐のアルキル基を表す。Rは、水素又は炭素数1
〜16の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。二塩基酸で
ある場合、X、Yは、独立して、−COOH基又は−R
COOH基(Rは、炭素数1〜15のアルキレン基
を表わす。)を表わす。グリコールである場合、Xは、
−OH基又は−ROH基(Rは、炭素数1〜15の
アルキレン基を表わす。)を表わし、Yは、−ROH
基(Rは、炭素数1〜15のアルキレン基を表わ
す。)を表わす。]で表わされ、かつ分子量が350以
下の化合物であることを特徴とするクリヤー塗料組成物
である。
【0009】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3)は、多価アルコール、二塩基酸及びグリコール
より得られる水酸基含有ポリエステル重合体(M)、並
びに、酸無水物(N)の反応により得られるものである
ことが好ましい。
【0010】本発明は、下塗り塗装及び/又は中塗り塗
装が施された基材に対して、ベース塗料を塗布して未硬
化ベース塗膜を得る工程(a)、上記工程(a)により
得られた未硬化ベース塗膜上にクリヤー塗料を塗布して
未硬化クリヤー塗膜を得る工程(II)、上記工程
(a)により得られた未硬化ベース塗膜及び上記工程
(II)により得られた未硬化クリヤー塗膜を同時に加
熱して硬化させる工程(III)からなる複層塗膜形成
方法であって、上記クリヤー塗料は、上述したクリヤー
塗料組成物であることを特徴とする複層塗膜形成方法で
もある。以下に、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明のクリヤー塗料組成物は、特に自動
車用のクリヤー塗料組成物として優れた性質を有する塗
料組成物であって、ハーフエステル酸基含有アクリル共
重合体(1)、エポキシ基含有アクリル共重合体
(2)、並びに、二塩基酸、多価アルコール、グリコー
ル及び酸無水物より得られるカルボキシル基含有ポリエ
ステル重合体(3)からなるクリヤー塗料組成物であ
る。
【0012】上記(1)〜(3)の重合体からなる本発
明のクリヤー塗料組成物の硬化システムは、以下のよう
なものである。まず、加熱によりハーフエステル酸基含
有アクリル共重合体(1)中のカルボキシル基とカルボ
キシレート基とが反応してハーフエステル酸基含有アク
リル共重合体(1)中に酸無水物基が生成し、遊離のモ
ノアルコールが生成する。上記モノアルコールは蒸発す
ることにより系外へ除去される。ハーフエステル酸基含
有アクリル共重合体(1)中に生成した酸無水物基はエ
ポキシ基含有アクリル共重合体(2)中に含有される水
酸基と反応することにより架橋点を形成し、再度カルボ
キシル基を形成する。このカルボキシル基はエポキシ基
含有アクリル共重合体(2)中に存在するエポキシ基と
反応することにより架橋点を形成する。また、カルボキ
シル基含有ポリエステル重合体(3)中のカルボキシル
基も、同様の反応機構によって、エポキシ基含有アクリ
ル共重合体(2)中に存在するエポキシ基と反応するこ
とにより架橋点を形成する。このように、3種類の重合
体が相互に反応することにより硬化が進行して高い架橋
密度を提供することができる。
【0013】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3)は、多価アルコール、二塩基酸、グリコール及
び酸無水物より得られ、上記二塩基酸及び上記グリコー
ルのうち少なくとも一方が、上記一般式(A)で表さ
れ、分子量が350以下の化合物である。
【0014】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3)は、上記二塩基酸又は上記グリコールのうち少
なくとも一方が、上記一般式(A)で表される化合物か
らなるものであるため、親水性が低く、ウェットオンウ
ェット方式で未硬化多層塗膜を得る際に、未硬化ベース
塗膜層への浸透を生じにくく、このため、得られる塗膜
の色戻りを抑制することができるものと推測される。
【0015】上記一般式(A)で表される化合物は、二
塩基酸又はグリコールである。上記一般式(A)中、R
は、炭素数の下限2、上限16の範囲内の直鎖又は分
岐のアルキル基を表す。即ち、上記一般式(A)で表さ
れる化合物は、炭素数2〜16のアルキル基側鎖を少な
くとも1つ有するものでなければならない。上記側鎖を
有することによって、上記カルボキシル基含有ポリエス
テル重合体(3)は、親水性が低下し、色戻りを抑制す
ることができる。上記一般式(A)で表される化合物中
に、Rで表される構造が存在しない場合は、上記色戻
りの抑制という効果が生じない。また、Rの炭素数が
16を超える場合は、ポリエステル重合体が高分子量に
なりすぎ、架橋密度が低下することとなるため、好まし
くない。上記Rの炭素数の下限は、3であることがよ
り好ましく、上記Rの炭素数の上限は、12であるこ
とが好ましい。また、上記Rは、直鎖アルキル基であ
ることがより好ましい。
【0016】上記一般式(A)中、Rは、水素又は炭
素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。上記
は、炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル基で
あることがより好ましい。
【0017】上記一般式(A)中、X及びYは、当該化
合物が二塩基酸である場合は、独立して、−COOH基
又は−RCOOH基(Rは、炭素数1〜15のアル
キレン基を表わす。)を表わす。当該化合物がグリコー
ルである場合、Xは、−OH基又は−ROH基(R
は、炭素数1〜15のアルキレン基を表わす。)を表わ
し、Yは、−ROH基(Rは、炭素数1〜15のア
ルキレン基を表わす。)を表わす。上記R、R、R
で表わされるアルキレン基は、直鎖であっても分岐で
あってもよい。上記R、R、Rで表わされるアル
キレン基の炭素数の上限は、4であることがより好まし
い。上記R、R、Rで表わされるアルキレン基と
しては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン
基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等
を挙げることができる。
【0018】上記一般式(A)で表される化合物は、分
子量が350以下であることが必要である。分子量が3
50を超える場合は、ポリエステル重合体が高分子化し
すぎるため、架橋密度が低下し、充分な硬化性を得るこ
とができない。上記一般式(A)で表される化合物の分
子量は、200以下であることがより好ましい。なお、
上記一般式(A)で表される化合物は、分子量100以
上であることが好ましい。
【0019】以上の条件を充たす一般式(A)で表され
る化合物としては特に限定されず、例えば、3−ブチル
−3−エチルグルタン酸、エチルマロン酸、イソプロピ
ルマロン酸、ジ−n−プロピルマロン酸、イソブチルマ
ロン酸、ジ−n−ブチルマロン酸等の二塩基酸、2−ブ
チル2−エチル−1、3−プロパンジオール、2−2−
ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2
−プロピル−1,3−プロパンジオール等のグリコール
を挙げることができる。上記化合物としては、2以上の
化合物を同時に使用するものであってもよい。
【0020】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3)は、多価アルコール、二塩基酸、グリコール及
び酸無水物(N)より得られるものである。上記カルボ
キシル基含有ポリエステル重合体(3)としては、例え
ば、多価アルコール、二塩基酸及びグリコールとの反応
によって水酸基含有ポリエステル重合体(M)を合成
し、上記水酸基含有ポリエステル重合体(M)と酸無水
物(N)との反応によって得られたカルボキシル基含有
ポリエステル重合体等を挙げることができる。上記二塩
基酸及びグリコールは、上記一般的(A)で表わされる
以外の化合物を含むことができる。
【0021】上記多価アルコールは、少なくとも3個の
水酸基を有する化合物である。上記多価アルコールは、
炭素数が3〜16であることが好ましい上記多価アルコ
ールとしては、例えば、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールエタン、1,2,4−ブタントリオール、ジ
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、グリセリン等を挙げることができ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0022】また、上記一般式(A)で表される化合物
は、上記一般式においてR及びRで表される炭化水
素基の含量が、上記カルボキシル基含有ポリエステル重
合体(3)全量に対して、下限5質量%、上限50質量
%の範囲内であることが好ましい。5質量%未満である
場合は、色戻りの抑制及び耐水性の向上という効果を充
分に得ることができない。50質量%以上であっても、
増加量に見合った効果の向上を得ることができない。上
記下限は、10質量%であることがより好ましく、15
質量%であることが更に好ましい。上記上限は、40質
量%であることがより好ましく、30質量%であること
が更に好ましい。
【0023】上記一般式(A)で表される以外の二塩基
酸としては特に限定されず、例えば、フタル酸、テトラ
ヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラ
ヒドロフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、シク
ロヘキサン−1,4−ジカルボン酸等を挙げることがで
きる。上記二塩基酸のなかでも、脂肪族二塩基酸がより
好ましく、アジピン酸、アゼライン酸が更に好ましい。
また、上記酸無水物を用いて上記カルボキシル基含有ポ
リエステル重合体(3)を得るものであってもよい。上
記酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル
テトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、無水マ
レイン酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、無
水エンド酸等を挙げることができる。
【0024】上記一般式(A)で表される以外のグリコ
ールは、アルコール性の水酸基を2個有する化合物であ
れば特に限定されず、例えば、エチレングリコール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等
を挙げることができる。
【0025】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3)は、上記成分の他に、本発明の効果を阻害しな
い範囲で、ラクトン、α−ヒドロキシ酸、三塩基以上の
多塩基酸を併用するものであってもよい。上記ラクトン
としては特に限定されず、例えば、ε−カプロラクト
ン、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バ
レロラクトン、γ−ブチロラクトン等を挙げることがで
きる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。これらのなかでも、ε−カプロラクトン及び
δ−バレロラクトンがより好ましく、反応性等の点から
ε−カプロラクトンが更に好ましい。上記三塩基以上の
多塩基酸としては特に限定されず、例えば、トリメリッ
ト酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロ
メリット酸等を挙げることができる。
【0026】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3)は、上記多価アルコール、二塩基酸及びグリコ
ールを反応させることによって得られた水酸基含有ポリ
エステル重合体(M)並びに酸無水物(N)との反応に
よって得られたカルボキシル基含有ポリエステル重合体
であることが好ましい。
【0027】上記多価アルコール、二塩基酸及びグリコ
ールの反応は、特に限定されるものではなく、例えば、
適当な溶媒中で、又は、無溶媒で、上記原料を温度80
〜200℃で5時間以内反応させることによる方法等当
業者によってよく知られている方法を挙げることができ
る。上記反応においては、スズ系触媒等を用いてもよ
い。
【0028】また、上記反応は、上記多価アルコール及
びラクトンの反応を行って鎖延長し、その後、上記反応
によって得られた化合物、上記二塩基酸及び上記グリコ
ールの反応を行うものであってもよい。
【0029】上記水酸基含有ポリエステル重合体(M)
と反応させる酸無水物(N)として使用することができ
る化合物としては特に限定されず、例えば、無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリ
メリット酸、無水コハク酸等を挙げることができる。上
記酸無水物基含有化合物は、炭素数8〜12個の化合物
であることがより好ましく、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸又は無水トリ
メリット酸であることが更に好ましい。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0030】上記水酸基含有ポリエステル重合体(M)
と酸無水物(N)との反応方法としては特に限定され
ず、例えば、通常の方法に従い、室温から120℃の温
度で、触媒の存在下に行うことができる。上記触媒とし
ては特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン等の第3級アミン類;ベンジルトリメチル
アンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウ
ムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリ
ド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド等の第4
級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。上記反応は、水
酸基と酸無水物基とがモル比で、1/0.5〜1/1.
0となる割合で行うことが好ましい。酸無水物基が1/
0.5より少ない場合は、硬化不足という問題が生じ、
酸無水物基が1/1.0を上回ると未反応の酸無水物基
が残り、貯蔵安定性が悪くなる。
【0031】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3)は、酸価が、下限50mgKOH/g、上限3
50mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。酸
価が50mgKOH/g未満であると、塗料の硬化性が
不足する場合があり、酸価が350mgKOH/gを超
えると、上記カルボキシル基含有ポリエステル重合体
(3)の粘度が高くなりすぎ、高固形分の塗料組成物に
なりにくい場合がある。上記下限は、100mgKOH
/gであることがより好ましく、150mgKOH/g
であることが更に好ましい。上記上限は300mgKO
H/gであることがより好ましく、250mgKOH/
gであることが更に好ましい。
【0032】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3)は数平均分子量(Mn)が、下限400、上限
3500の範囲内であることが好ましい。分子量が40
0未満であると、塗料の硬化性が不足又は塗膜の耐水性
が低下することがあり、分子量が3500を超えると、
上記カルボキシル基含有ポリエステル重合体(3)の粘
度が高くなりすぎ、高固形分の塗料組成物になりにくい
場合がある。上記下限は500であることがより好まし
く、700であることが更に好ましい。上記上限は25
00であることがより好ましく、2000であることが
更に好ましい。なお、本明細書において、数平均分子量
(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフイー)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量
である。
【0033】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3)は質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(M
n)が2.8以下であることが好ましい。質量平均分子
量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2.8を超える
と、上記カルボキシル基含有ポリエステル重合体(3)
の粘度が高くなりすぎ、高固形分の塗料組成物になりに
くい場合がある。上記質量平均分子量(Mw)/数平均
分子量(Mn)は2.5以下であることがより好まし
く、2.3以下であることが更に好ましい。
【0034】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3)が水酸基を有するものである場合、上記カルボ
キシル基含有ポリエステル重合体(3)は、水酸基価が
150mgKOH/g以下であることが好ましい。水酸
基価が150mgKOH/gを超えると、塗膜の耐水性
が低下する場合がある。好ましくは、下限5mgKOH
/g、上限100mgKOH/gの範囲内である。上記
下限はより好ましくは10mgであり、上記上限はより
好ましくは80mgKOH/gである。
【0035】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3)は、クリヤー塗料組成物中に含まれる重合体固
形分全量に対して、下限5質量%、上限70質量%の割
合で含まれることが好ましい。5質量%未満であると、
高固形分の塗料組成物になりにくく、70質量%を超え
ると、塗膜の耐候性が低下するため、好ましくない。上
記下限はより好ましくは10質量%であり、更に好まし
くは15質量%である。上記上限はより好ましくは50
質量%であり、更に好ましくは40質量%である。
【0036】本発明のクリヤー塗料組成物において使用
する上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体
(1)は、酸無水物基を水酸基によってハーフエステル
化したハーフエステル酸基を分子中に有するアクリル共
重合体である。上記ハーフエステル基は、加熱によりカ
ルボキシル基とカルボキシレート基とが反応してハーフ
エステル酸基含有アクリル共重合体中に酸無水物が生成
するものでなければならない。上記ハーフエステル酸基
含有アクリル共重合体(1)としては特に限定されず、
例えば、酸無水物基含有ラジカル重合性単量体とその他
のラジカル重合性単量体からなる単量体組成物を共重合
させて共重合体を得た後、上記酸無水物基を低分子量の
アルコール系化合物によってハーフエステル化すること
により得られたもの、ハーフエステル酸基を有する重合
性単量体とその他のラジカル重合性単量体とを共重合さ
せることにより得られたもの等を挙げることができる。
上記単量体組成物を共重合させて共重合体を得た後、低
分子量のアルコール系化合物によってハーフエステル化
することにより得られたハーフエステル酸基含有アクリ
ル共重合体がより好ましい。
【0037】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(1)は、クリヤー塗料組成物中に含まれる重合体
固形分全量に対して、下限10質量%、上限70質量%
の割合で含まれることが好ましい。10質量%未満であ
ると、得られる塗膜の耐候性が低下するという問題があ
り、70質量%を超えると、塗膜が固くなりすぎるた
め、好ましくない。上記下限はより好ましくは、15質
量%であり、更に好ましくは20質量%である。上記上
限はより好ましくは、50質量%であり、更に好ましく
は40質量%である。
【0038】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(1)の重合に使用する酸無水物基含有ラジカル重
合性単量体としては、酸無水物基を有するラジカル重合
可能な単量体であれば特に限定されず、例えば、無水イ
タコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等を挙げ
ることができる。上記酸無水物基含有ラジカル重合性単
量体は、2種類以上を併用するものであってもよい。
【0039】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(1)の重合に使用するその他のラジカル重合性単
量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−
n、i及びt−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル類;メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸−n、i及びt−ブチル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル
等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、メタク
リルアミド等のアミド類等を挙げることができる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0040】上記酸無水物基含有ラジカル重合性単量体
と上記その他のラジカル重合性単量体とにより共重合体
を得る際の共重合組成において、上記酸無水物基含有ラ
ジカル重合性単量体は、単量体組成物の全質量に対し、
下限10質量%、上限40質量%の範囲内の割合で有す
ることが好ましい。上記下限は、15質量%であること
がより好ましく、上記上限は30質量%であることがよ
り好ましい。
【0041】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(1)の共重合方法としては特に限定されず、例え
ば、通常のラジカル重合等の溶液重合等の方法を挙げる
ことができる。上記共重合体の数平均分子量(Mn)
は、下限500、上限10000の範囲内であることが
好ましい。上記下限は1000であることがより好まし
く、上記上限は8000であることがより好ましい。上
記数平均分子量(Mn)が500未満であると、塗料の
硬化性が充分でなく、10000を超えると、共重合体
の粘度が高くなり、高固形分の塗料組成物になりにくい
ため好ましくない。
【0042】上記重合反応に使用するラジカル重合開始
剤としては特に限定されず、例えば、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、ジメチル−2,2´
−アゾビスイソブチレート等を挙げることができる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。上記ラジカル重合開始剤は、上記単量体の全量に対
して、下限3質量%、上限15質量%の割合で使用する
のが好ましい。上記共重合には、添加剤として連鎖移動
剤等を添加してもよい。
【0043】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(1)は、酸無水物基を1分子中に少なくとも2個
含有することが好ましい。2個より少ないと、硬化性が
充分でない欠点を有する。好ましくは、下限2個、上限
15個の範囲内である。
【0044】上記ハーフエステル化は、上記共重合体を
得た後に行うことが好ましい。上記酸無水物基を上記ハ
ーフエステル化するために用いるハーフエステル化剤と
しては、低分子量のアルコール系化合物であれば特に限
定されず、例えば、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブ
タノール、t−ブタノール、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミ
ノエタノール、アセトール、アリルアルコール、プロパ
ルギルアルコール等を挙げることができる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これら
のなかでも、アセトール、アリルアルコール、プロパギ
ルアルコール、メタノールがより好ましい。
【0045】上記ハーフエステル化の反応方法としては
特に限定されず、例えば、通常の方法に従い、室温から
120℃の温度で、触媒の存在下に行うことができる。
上記触媒としては特に限定されず、例えば、トリエチル
アミン、トリブチルアミン等の第3級アミン類;ベンジ
ルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチ
ルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニ
ウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミ
ド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0046】上記ハーフエステル化の反応においては、
酸無水物基と水酸基とがモル比で1/10〜1/1、好
ましくは1/5〜1/1.3となる割合で酸無水物基含
有重合体とモノアルコールとを反応させることが好まし
い。1/10を下回ると過剰のアルコールが硬化時にワ
キの原因となる場合がある。1/1を上回ると未反応の
無水物基が残り、貯蔵安定性が悪くなる場合があるた
め、好ましくない。
【0047】上記エポキシ基含有アクリル共重合体
(2)は、分子中にエポキシ基を有するアクリル重合体
であり、エポキシ基含有ラジカル重合性単量体、及び、
その他のラジカル重合性単量体からなる単量体組成物を
共重合させて得られる共重合体である。
【0048】上記エポキシ基含有ラジカル重合性単量体
としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸
グリシジル、3,4−エポキシシクロヘキサニルメチル
メタクリレート等を挙げることができる。
【0049】上記その他のラジカル重合性単量体として
は特に限定されず、例えば、上記ハーフエステル酸基含
有アクリル共重合体(1)のところで述べたものを使用
することができる。上記その他のラジカル重合性単量体
は、水酸基含有ラジカル重合性単量体を含有することが
好ましい。上記水酸基含有ラジカル重合性単量体として
は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸−2−
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキ
シブチル、プラクセルFM−1(商品名、ダイセル化学
工業社製)、プラクセルFA−1(商品名、ダイセル化
学工業社製)等を挙げることができる。上記水酸基含有
ラジカル重合性単量体を含有することによって、塗料組
成物の硬化性が良好となる。
【0050】上記単量体からなる単量体組成物の共重合
方法としては特に限定されず、例えば、ラジカル重合等
の溶液重合等の方法を挙げることができる。上記共重合
体の数平均分子量(Mn)は、下限500、上限100
00の範囲内であることが好ましい。上記下限は、10
00であることがより好ましく、上記上限は、8000
であることがより好ましい。上記数平均分子量(Mn)
が500未満であると、塗料の硬化性が充分でなく、1
0000を超えると、共重合体の粘度が高くなり、高固
形分の塗料組成物になりにくい。上記重合反応に使用す
るラジカル重合開始剤としては、上記ハーフエステル酸
基含有アクリル共重合体(1)の反応と同様のものを使
用することができる。
【0051】上記エポキシ基含有アクリル共重合体
(2)は、下限30質量%、上限70質量%の範囲内の
割合のエポキシ基含有ラジカル重合性単量体、及び、上
限70質量%、下限30質量%の割合のその他のラジカ
ル重合性単量体からなる単量体組成物から得られること
が好ましい。上記水酸基含有ラジカル重合性単量体を単
量体として使用する場合は、上記エポキシ基含有アクリ
ル共重合体反応時の原料単量体組成物中で、下限10質
量%、上限50質量%の範囲内の配合割合で有すること
が好ましい。
【0052】上記エポキシ基含有アクリル共重合体
(2)は、クリヤー塗料組成物中に含まれる重合体固形
分全量に対して、下限10質量%、上限80質量%の割
合で含まれることが好ましい。上記範囲外であると、硬
化性が不充分になるという問題があるため、好ましくな
い。上記下限は、より好ましくは、20質量%であり、
更に好ましくは、30質量%である。上記上限は、より
好ましくは70質量%であり、更に好ましくは65質量
%である。
【0053】本発明のクリヤー塗料組成物において、
[上記エポキシ基含有アクリル共重合体(2)のエポキ
シ基総数]/[上記ハーフエステル酸基含有アクリル共
重合体(1)及び上記カルボキシル基含有重合体(3)
のハーフエステル化された酸無水物基及びカルボキシル
基総数]=0.5〜1.5であることが好ましい。上記
エポキシ基含有アクリル共重合体(2)のエポキシ基総
数割合の下限は、0.6であることがより好ましく、上
記エポキシ基含有アクリル共重合体(2)のエポキシ基
総数割合の上限は、1.3であるのがより好ましい。ま
た、[上記エポキシ基含有アクリル共重合体(2)の水
酸基総数]/[上記ハーフエステル酸基含有アクリル共
重合体(1)のハーフエステル化された酸無水物基総
数]=0.1〜1.5であることが好ましい。上記エポ
キシ基含有アクリル共重合体(2)の水酸基総数割合の
下限は、0.3であることがより好ましく、上記エポキ
シ基含有アクリル共重合体(2)の水酸基総数割合の上
限は、1.2であることがより好ましい。
【0054】上記比を与える上記エポキシ基含有アクリ
ル共重合体(2)の配合量は、例えば、上記ハーフエス
テル酸基含有アクリル共重合体(1)及び上記カルボキ
シル基含有重合体(3)の合計100質量部に対し、下
限50質量部、上限250質量部の範囲内であることが
好ましい。上記下限は、80質量部であることがより好
ましく、上記上限は、150質量部であることが好まし
い。上記エポキシ基含有アクリル共重合体(2)の配合
量が50質量部未満であると、充分な塗膜硬化が行われ
ず、硬化塗膜の耐水性、耐候性等が低下することがあ
り、250質量部を超えると、未反応のカルボキシル基
が残存して耐薬品性が低下することがある。
【0055】上記クリヤー塗料組成物は、例えば、硬化
触媒を有するものであっても良い。上記硬化触媒として
は、例えば、4級アンモニウム塩等を挙げることができ
る。上記4級アンモニウム塩としては特に限定されず、
例えば、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド及び
ブロミド;テトラブチルアンモニウムクロリド、ブロミ
ド、サリチレート、グリコレート、パラトルエンスルホ
ネート、ナイトレート、ジブチルホスフェート及びジ−
2−エチルヘキシルホスフェート;トリメチルベンジル
アンモニウムジブチルホスフェート;トリメチルセチル
アンモニウムブチルホスフェート;オクチルトリメチル
アンモニウムジメチルホスフェート;ドデシルトリメチ
ルアンモニウムジフェニルホスフェート等を挙げること
ができる。これらの触媒は単独で使用するものであって
も、上記の2種以上を混合して使用するものであっても
良い。上記硬化触媒の配合量はクリヤー塗料組成物中の
重合体固形分全量に対し下限0.1質量%、上限2.0
質量%の範囲内の配合量であることが好ましい。
【0056】上記硬化触媒は、スズ系の触媒と併用する
ものであっても良い。上記スズ系の触媒としては特に限
定されず、例えば、ジメチルスズビス(メチルマレー
ト)、ジメチルスズビス(エチルマレート)、ジメチル
スズビス(ブチルマレート)、ジブチルスズビス(ブチ
ルマレート)、ジブチルスズビス(ドデシルベンゼンス
ルホネート)等が挙げられる。硬化触媒とスズ触媒の配
合量はクリヤー塗料組成物中の固形分に対しこれらの合
計量で、下限0.1質量%、上限3.0質量%であるこ
とが好ましい。
【0057】上記クリヤー塗料組成物中には、上記重合
体の他、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、酸
化防止剤、架橋重合体粒子、表面調整剤等を配合しても
良い。上記架橋重合体粒子を用いる場合は、本発明のク
リヤー塗料組成物中の固形分に対して、下限0.01質
量%、上限10質量%の割合で配合することが好まし
い。上記下限は、0.1質量%であることがより好まし
く、上記上限は、5質量%であることがより好ましい。
上記架橋重合体粒子の添加量が10質量%を超えると得
られる塗膜の外観が悪化し、0.01質量%未満である
とレオロジーコントロール効果が得られない。
【0058】また、本発明で用いる重合体は酸性基を官
能基として有するため、アミンで中和することにより、
水を媒体とする水性重合体組成物とすることも可能であ
る。
【0059】本発明のクリヤー塗料組成物は、スプレー
塗装、刷毛塗り塗装、浸漬塗装、ロール塗装、流し塗装
等により塗装することができる。
【0060】本発明のクリヤー塗料組成物はいかなる基
板、例えば、木、金属、ガラス、布、プラスチック、発
泡体等、特に、プラスチック及び金属表面、例えば、ス
チール、アルミニウム及びこれらの合金に有利に用いる
ことができる。特に自動車用のクリヤー塗料として使用
することが好ましい。
【0061】本発明の複層塗膜形成方法は、下塗り塗装
及び/又は中塗り塗装が施された基材に対して、ベース
塗料を塗布して未硬化ベース塗膜を得る工程(I)、上
記工程(I)により得られた未硬化ベース塗膜上に上述
したクリヤー塗料組成物を塗布して未硬化クリヤー塗膜
を得る工程(II)、上記工程(I)により得られた未
硬化ベース塗膜及び上記工程(II)により得られた未
硬化クリヤー塗膜を同時に加熱して硬化させる工程(I
II)からなる。
【0062】本発明の複層塗膜形成方法においては、上
記被塗装物は、下塗り塗装及び/又は中塗り塗装が施さ
れた基材を被塗装物とする。上記被塗装物としては、種
々の基材、例えば、金属成型品、プラスチック成型品、
発泡体等を挙げることができる。自動車用の複層塗膜を
形成させる被塗装物としては、鉄、アルミニウム及びこ
れらの合金等の金属成型品やプラスチック成型品等を挙
げることができる。上記複層塗膜形成方法は、カチオン
電着塗装可能な金属成型品に対して適用することが好ま
しい。上記被塗装物は、表面が化成処理されていること
が好ましい。
【0063】上記被塗装物は、下塗り塗装として電着塗
膜が形成されていてもよい。上記電着塗料としては、カ
チオン型及びアニオン型を使用できるが、防食性の観点
から、カチオン型電着塗料であることが好ましい。
【0064】また、更に必要に応じて、中塗り塗膜が形
成されていてもよい。中塗り塗膜の形成には中塗り塗料
が用いられる。上記中塗り塗料としては特に限定され
ず、当業者によってよく知られている水性又は有機溶剤
型のもの等を挙げることができる。
【0065】上記ベース塗料としては特に限定されず、
例えば、塗膜形成性重合体、硬化剤、有機系、無機系又
は光輝材等の着色顔料及び体質顔料等を含んでも良い。
上記ベース塗料としては、水性又は有機溶剤型のもの等
を挙げることができる。本発明のクリヤー塗料組成物
は、ベース塗料が水性の場合に色戻りの抑制という効果
が顕著である。
【0066】上記ベース塗料が各種光輝材を含有する場
合、色戻りという問題が生じるため、このような場合に
本発明のクリヤー塗料組成物を使用することが好まし
い。上記光輝材としては特に限定されず、例えば、アル
ミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔
料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、干渉マイカ
顔料、着色マイカ顔料、金属酸化物被覆ガラスフレー
ク、金属めっきガラスフレーク、金属酸化物被覆ガラス
フレーク、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属チ
タンフレーク、グラファイト、ステンレスフレーク、板
状酸化鉄、フタロシアニンフレーク及びホログラム顔料
等を挙げることができる。
【0067】上記被塗装物に対して、上記ベース塗料を
塗装する方法としては特に限定されず、スプレー塗装、
回転霧化式塗装等を挙げることができ、外観向上の観点
から、これらの方法を用いた多ステージ塗装、又は、こ
れらを組み合わせた塗装方法であることが好ましい。
【0068】本発明の複層塗膜形成方法における上記ベ
ース塗料による塗装膜厚は、乾燥膜厚で下限10μm、
上限20μmの範囲内であることが好ましい。
【0069】本発明の複層塗膜形成方法において、上記
ベース塗料が水性のものである場合、良好な仕上がり塗
膜を得るために、上記クリヤー塗料組成物を塗装する前
に、ベース未硬化塗膜を40〜100℃で2〜10分間
加熱しておくことが望ましい。本発明の複層塗膜形成方
法において上記クリヤー塗料組成物を塗装する方法とし
ては、具体的には、マイクロマイクロベル、マイクロベ
ルと呼ばれる回転霧化式の静電塗装機による塗装方法を
挙げることができる。
【0070】本発明の複層塗膜形成方法における上記ク
リヤー塗料組成物の塗装膜厚は、乾燥膜厚で下限30μ
m、上限45μmの範囲内であることが好ましい。
【0071】上記の方法によって形成されたベースの未
硬化塗膜及びクリヤーの未硬化塗膜は、同時に加熱され
て硬化し、複層塗膜を形成する。上記加熱温度は、下限
100℃、上限180℃の範囲内で行うことが好まし
い。また、下限120℃、上限160℃であることがよ
り好ましい。加熱硬化時間は硬化温度等によって変化す
るが、上記加熱硬化温度で行う場合は、10〜30分で
あることが適当である。
【0072】このようにして得られた複層塗膜の膜厚
は、下限40μm、上限65μmの範囲内であることが
好ましい。上記方法によって得られた複層塗膜は、塗膜
外観のみならず、耐擦り傷性、耐酸性及び耐溶剤性等の
塗膜物性に優れている。
【0073】
【実施例】以下本発明について実施例を掲げて更に詳し
く説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定され
るものではない。また実施例中、「部」は特に断りのな
い限り「質量部」を意味する。
【0074】合成例1 ハーフエステル酸基含有アクリ
ル共重合体(a) 温度計、攪拌機、冷却機、窒素導入管及び滴下ロ−トを
備えた反応容器に、キシレン700部、ソルベッソ10
0(エッソ社製芳香族炭化水素系溶剤)350部を仕込
み、130℃に昇温して保持した。スチレン300部、
メタクリル酸2−エチルヘキシル109部、アクリル酸
イソブチル325部、アクリル酸26部、無水マイレン
酸240部、プロピレングリコールモノメチエーテルア
セテート300部、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート150部及びキシレン150部からなる
溶液を別途調製し、それを滴下ロートから上記反応槽内
に3時間かけて滴下した。滴下終了後、130℃で30
分間保持した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート20部及びキシレン20部からなる溶液を
30分間で滴下した。滴下終了後、更に130℃にて1
時間反応を継続させた後、溶剤を1100部除去して、
数平均分子量2000の酸無水物を含む不揮発分70%
のアクリルのワニスを調製した。得られたワニス159
0部に、メタノール125部を加え、70℃で23時間
反応させることにより、酸価158mgKOH/g(固
形分換算)のハーフエステル酸基含有アクリル共重合体
(a)を得た。得られたハーフエステル酸基含有アクリ
ル共重合体について、赤外線吸収スペクトルを測定し、
酸無水物基の吸収(1785cm−1)が消失している
ことを確認した。
【0075】合成例2 エポキシ基含有アクリル共重合
体(b) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた反応容器に、キシレン250部、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート200部を仕込
み、130℃に昇温して保持した。メタクリル酸グリシ
ジル450部、メタクリル酸イソボルニル236部、ア
クリル酸−4−ヒドロキシブチル64部、スチレン25
0部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト110部及びキシレン150部からなる溶液を別途調
製し、それを滴下ロートから上記反応槽内に3時間かけ
て滴下した。この間、溶液温度は130℃に保持した。
滴下終了後、130℃で30分間保持した後、ここへ、
t−ブチル−パーオキシ2−エチルヘキサノエート10
部及びキシレン50部からなる溶液を30分間で滴下し
た。滴下終了後、更に130℃で1時間反応を継続させ
た後、溶剤を270部除去することにより、数平均分子
量2200、エポキシ当量316及び水酸基価25mg
KOH/g(固形分換算)、不揮発分72%のエポキシ
基含有アクリル共重合体(b)を得た。
【0076】合成例3 カルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体(c−1) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、水分離器及び精
留塔を備えた反応容器に、ペンタエリスリトール136
部、アジピン酸731部、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール805部、ジブチル錫オキサ
イド1部を仕込み150℃に昇温する。反応水が出始め
るので、反応水を留去しながら200℃まで3時間かけ
てゆっくり昇温し、200℃で保温する。酸価が2以下
になれば冷却し、150℃でヘキサヒドロ無水フタル酸
581部を加え、更に1時間反応させる。その後、10
0℃以下で3−エトキシプロピオン酸エチル519部を
加えて、数平均分子量2240、質量平均分子量560
0、酸価101mgKOH/g(固形分換算)、水酸基
価7mgKOH/g(固形分換算)、不揮発分80%の
カルボキシル基含有ポリエステル重合体(c−1)を得
た。
【0077】合成例4 カルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体(c−2) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、水分離器及び精
留塔を備えた反応容器に、ペンタエリスリトール136
部、アジピン酸585部、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール644部、ジブチル錫オキサ
イド1部を仕込み150℃に昇温する。反応水が出始め
るので、反応水を留去しながら200℃まで3時間かけ
てゆっくり昇温し、200℃で保温する。酸価が2以下
になれば冷却し、150℃でヘキサヒドロ無水フタル酸
538部を加え、更に1時間反応させる。その後、10
0℃以下で3−エトキシプロピオン酸エチル442部を
加えて、数平均分子量1980、質量平均分子量455
0、酸価111mgKOH/g(固形分換算)、水酸基
価16mgKOH/g(固形分換算)、不揮発分80%
のカルボキシル基含有ポリエステル重合体(c−2)を
得た。
【0078】合成例5 カルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体(c−3) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、水分離器及び精
留塔を備えた反応容器に、ペンタエリスリトール136
部、アジピン酸292部、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール322部、ジブチル錫オキサ
イド1部を仕込み150℃に昇温する。反応水が出始め
るので、反応水を留去しながら200℃まで3時間かけ
てゆっくり昇温し、200℃で保温する。酸価が2以下
になれば冷却し、150℃でヘキサヒドロ無水フタル酸
538部を加え、更に1時間反応させる。その後、10
0℃以下で3−エトキシプロピオン酸エチル306部を
加えて、数平均分子量1300、質量平均分子量275
0、酸価160mgKOH/g(固形分換算)、水酸基
価23mgKOH/g(固形分換算)、不揮発分80%
のカルボキシル基含有ポリエステル重合体(c−3)を
得た。
【0079】合成例6 カルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体(c−4) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、水分離器及び精
留塔を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン13
6部、アゼライン酸282部、2−ブチル−2−エチル
−1,3−プロパンジオール241部、ジブチル錫オキ
サイド1部を仕込み150℃に昇温する。反応水が出始
めるので、反応水を留去しながら200℃まで3時間か
けてゆっくり昇温し、200℃で保温する。酸価が2以
下になれば冷却し、150℃でヘキサヒドロ無水フタル
酸387部を加え、更に1時間反応させる。その後、1
00℃以下で3−エトキシプロピオン酸エチル248部
を加えて、数平均分子量1050、質量平均分子量22
00、酸価141mgKOH/g(固形分換算)、水酸
基価28mgKOH/g(固形分換算)、不揮発分80
%のカルボキシル基含有ポリエステル重合体(c−4)
を得た。
【0080】合成例7 カルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体(c−5) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、水分離器及び精
留塔を備えた反応容器に、ペンタエリスリトール136
部、ε−カプロラクトン456部、ジブチル錫オキサイ
ド1部を仕込み、180℃に昇温した。2時間にわたり
180℃で保持した後、冷却し、アジピン酸292部、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール264部
を仕込み、150℃にする。反応水が出始めるので、反
応水を留去しながら200℃まで3時間かけてゆっくり
昇温し、200℃で保温する。酸価が2以下になれば冷
却し、150℃でヘキサヒドロ無水フタル酸538部を
加え、更に1時間反応させる。その後、100℃以下で
3−エトキシプロピオン酸エチル433部を加えて、数
平均分子量1800、質量平均分子量4100、酸価1
13mgKOH/g(固形分換算)、水酸基価16mg
KOH/g(固形分換算)、不揮発分80%のカルボキ
シル基含有ポリエステル重合体(c−5)を得た。
【0081】合成例8 カルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体(c−6) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、水分離器及び精
留塔を備えた反応容器に、ペンタエリスリトール136
部、アジピン酸585部、ジブチル錫オキサイド1部を
仕込み150℃に昇温する。反応水が出始めるので、反
応水を留去しながら150℃で2時間反応させる。その
後冷却し、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパン
ジオール644部を仕込み、200℃まで3時間かけて
ゆっくり昇温し、200℃で保温する。酸価が2以下に
なれば冷却し、150℃でヘキサヒドロ無水フタル酸5
38部を加え、更に1時間反応させる。その後、100
℃以下で3−エトキシプロピオン酸エチル442部を加
えて、数平均分子量2000、質量平均分子量460
0、酸価111mgKOH/g(固形分換算)、水酸基
価16mgKOH/g(固形分換算)、不揮発分80%
のカルボキシル基含有ポリエステル重合体(c−6)を
得た。
【0082】合成例9 カルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体(c−7) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、水分離器及び精
留塔を備えた反応容器に、ペンタエリスリトール136
部、ε−カプロラクトン456部、ジブチル錫オキサイ
ド0.2部を仕込み、180℃に昇温した。2時間にわ
たり180℃で保持した後、冷却し、150℃でヘキサ
ヒドロ無水フタル酸539部を加え、更に1時間の間1
50℃で反応させる。その後3−エトキシプロピオン酸
エチルを464部加え、数平均分子量1700、質量平
均分子量2180、酸価174mgKOH/g(固形分
換算)、水酸基価25mgKOH/g(固形分換算)、
不揮発分71%のカルボキシル基含有ポリエステル重合
体(c−7)を得た。
【0083】合成例10 カルボキシル基含有ポリエス
テル重合体(c−8) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、水分離器及び精
留塔を備えた反応容器に、ペンタエリスリトール136
部、アジピン酸585部、ネオペンチルグリコール41
7部、ジブチル錫オキサイド1部を仕込み150℃に昇
温する。反応水が出始めるので、反応水を留去しながら
200℃まで3時間かけてゆっくり昇温し、200℃で
保温する。酸価が2以下になれば冷却し、150℃でヘ
キサヒドロ無水フタル酸542部を加え、更に1時間反
応させる。その後、100℃以下で3−エトキシプロピ
オン酸エチル384部を加えて、数平均分子量160
0、質量平均分子量3550、酸価128mgKOH/
g(固形分換算)、水酸基価18mgKOH/g(固形
分換算)、不揮発分80%のカルボキシル基含有ポリエ
ステル重合体(c−8)を得た。
【0084】実施例1〜6 上記合成例で得られた、ハーフエステル酸基含有アクリ
ル共重合体(a)ワニス、エポキシ基含有アクリル共重
合体(b)ワニス及び、カルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体(c−1〜c−6)ワニスを表1に示した配合
割合(固形分で示す)で混合した。上記混合物と、テト
ラブチルアンモニウムブロミド硬化触媒0.5部、ジブ
チルスズビス(ブチルマレート)触媒0.5部、表面調
整剤「モダフロー」(モンサント社製)0.1部を、デ
ィスパーを用い攪拌しながら混合することにより、クリ
ヤー塗料組成物を得た。上記クリヤー塗料組成物を酢酸
ブチル/キシレン=1/1からなるシンナーを用い、塗
装粘度(フォードカップNO.4、20℃で30秒)に
希釈した。
【0085】塗膜形成方法 リン酸処理鋼板に日本ペイント社製カチオン電着塗料
「パワートップU−50」及びグレー中塗り塗料「オル
ガP−2」(いずれも商品名)を、それぞれ乾燥膜厚が
25μm及び40μmになるように塗装して加熱硬化さ
せた試験板に、日本ペイント社製水性塗料「スーパーラ
ックM260」(商品名)のシルバーメタリックベース
塗料を塗布し、その上にウェットオンウェットで、希釈
した本発明のクリヤー塗料組成物をそれぞれ塗布して1
40℃で30分間焼付け乾燥を行い、塗装方式として2
コート1ベークの塗装試験板を作製した。なお、上記ベ
ース塗料及び本発明のクリヤー塗料組成物による硬化塗
膜は、乾燥膜厚がそれぞれ15μm及び40μmとなる
ように塗装した。以下に示す評価方法により得られた塗
膜を評価した。その結果を表1に記載した。
【0086】評価方法 <色戻り>対応するメタリックベース単層塗膜を基準と
し、2コート1ベークにより得られたメタリック塗膜と
の色差を測定した。測定はMacbeth社製CE−7
41GLで行い、受光角110度におけるΔL値を測定
した。なお、本評価ではΔL2以下を合格とする。
【0087】<耐水性>得られた上塗り塗板の試験片
を、40℃の温水中に浸漬し、10日間放置後、試験片
の塗膜状態を目視観察した。評価は以下の基準で行っ
た。 ◎:変化が観察されない。 ○:わずかに痕跡がみられる。 ×:塗膜に異常がみられる。
【0088】比較例1〜2 カルボキシル基含有ポリエステル重合体cワニスとし
て、表1に示した重合体成分(c−7、c−8)を用い
たこと以外は実施例と同様にして、自動車上塗り用クリ
ヤー塗料を調製し、塗装方式として2コート1ベークの
塗装試験板をそれぞれ作製した。それらの塗膜性能につ
いて、実施例と同様にして評価した。その結果を表1に
記載した。
【0089】
【表1】
【0090】表1から明らかなように、実施例のクリヤ
ー塗料組成物によって得られた塗膜は、色戻り性の抑制
効果及び耐水性に優れた性質を有するのに対し、一般式
(A)で表される化合物を使用しない比較例1,2のク
リヤー塗料組成物によって得られた塗膜は、上記色戻り
が生じており、耐水性も実施例のクリヤー塗料組成物に
比べて劣っていることが明らかである。
【0091】
【発明の効果】本発明のクリヤー塗料組成物は、ベース
塗膜の色戻りを抑制することができ、優れた外観を有す
るとともに、耐水性にも優れた複層塗膜を形成すること
ができるものである。また、本発明の複層塗膜形成方法
は、ベース塗膜の色戻りが少ないため、外観が良好で、
耐水性にも優れた複層塗膜を形成する方法である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 167/00 C09D 167/00 (72)発明者 田辺 久記 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE12 BB26Z CA32 CA38 CB06 DA06 DA25 DB02 DB07 DB13 DB20 DB21 DB31 DC11 EA43 EB14 EB20 EB22 EB33 EB37 EB52 4J038 CG081 CG141 CH171 DD041 GA06 GA07 NA01 NA03 NA04 PA19 PB07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハーフエステル酸基含有アクリル共重合
    体(1)、エポキシ基含有アクリル共重合体(2)、並
    びに、二塩基酸、多価アルコール、グリコール及び酸無
    水物より得られるカルボキシル基含有ポリエステル重合
    体(3)からなるクリヤー塗料組成物であって、前記カ
    ルボキシル基含有ポリエステル重合体(3)は、前記二
    塩基酸及び前記グリコールのうち、少なくとも一方が、
    下記一般式(A); 【化1】 [式中、Rは、炭素数2〜16の直鎖又は分岐のアル
    キル基を表す。Rは、水素又は炭素数1〜16の直鎖
    又は分岐のアルキル基を表す。二塩基酸である場合、
    X、Yは、独立して、−COOH基又は−RCOOH
    基(Rは、炭素数1〜15のアルキレン基を表わ
    す。)を表わす。グリコールである場合、Xは、−OH
    基又は−ROH基(Rは、炭素数1〜15のアルキ
    レン基を表わす。)を表わし、Yは、−ROH基(R
    は、炭素数1〜15のアルキレン基を表わす。)を表
    わす。]で表され、かつ分子量が350以下の化合物で
    あることを特徴とするクリヤー塗料組成物。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基含有ポリエステル重合体
    (3)は、多価アルコール、二塩基酸及びグリコールよ
    り得られる水酸基含有ポリエステル重合体(M)、並び
    に、酸無水物(N)の反応により得られるものである請
    求項1記載のクリヤー塗料組成物。
  3. 【請求項3】 下塗り塗装及び/又は中塗り塗装が施さ
    れた基材に対して、ベース塗料を塗布して未硬化ベース
    塗膜を得る工程(I)、前記工程(I)により得られた
    未硬化ベース塗膜上にクリヤー塗料を塗布して未硬化ク
    リヤー塗膜を得る工程(II)、前記工程(I)により
    得られた未硬化ベース塗膜及び前記工程(II)により
    得られた未硬化クリヤー塗膜を同時に加熱して硬化させ
    る工程(III)からなる複層塗膜形成方法であって、
    前記クリヤー塗料は、請求項1又は2記載のクリヤー塗
    料組成物であることを特徴とする複層塗膜形成方法。
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JP2009155396A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Nippon Paint Co Ltd クリヤー塗料組成物及び複層塗膜形成方法

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