JP2003313297A - ワックス状オルガノポリシロキサンおよびその製造方法 - Google Patents

ワックス状オルガノポリシロキサンおよびその製造方法

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JP2003313297A JP2002118678A JP2002118678A JP2003313297A JP 2003313297 A JP2003313297 A JP 2003313297A JP 2002118678 A JP2002118678 A JP 2002118678A JP 2002118678 A JP2002118678 A JP 2002118678A JP 2003313297 A JP2003313297 A JP 2003313297A
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Takatoshi Toyama
貴敏 外山
Kenichi Hino
賢一 日野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の変性オルガノポリシロキサンよりシャ
ープな融解特性を有するワックス状オルガノポリシロキ
サンおよびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明のワックス状オルガノポリシロキ
サンは、特定の化学構造を有する変性オルガノポリシロ
キサンであって、示差走査熱量計により測定される第2
の昇温過程での吸熱曲線において、吸熱最大ピーク温度
(Tm)が30℃以上であり、かつ、当該吸熱曲線とそ
のベースラインとにより区画される全ての面積に対す
る、(Tm−20)℃以下の部分の面積の比率が10%
以下である。本発明の製造方法は、オルガノポリシロキ
サンに長鎖アルキル基を導入(変性)するための化合物
を精製処理する工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワックス状オルガノ
ポリシロキサンおよびその製造方法に関し、さらに詳し
くは、分子量分布が狭く、シャープな融解特性を有する
ワックス状のオルガノポリシロキサン、およびそのよう
なオルガノポリシロキサンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱溶融インク、熱転写シート、トナーな
どに適用されるワックスとして、炭素数が16以上の長
鎖のアルキル基によって変性されたオルガノポリシロキ
サンが知られている。上記のような用途に使用されるワ
ックスには、所定の加熱温度においてシャープに融解す
ること(融解温度の幅が狭いこと)が望まれる。また、
熱転写シートの表面におけるベタツキなどを防止した
り、その保存安定性を確保する観点から、これに使用さ
れるワックス中には低融点成分が含まれていないことが
望ましい。さらに、ワックスによる被覆層に表面保護効
果を発現させたり、熱溶融インクによる印字画像に十分
な耐久性(被印字媒体からの剥離防止)などを付与した
りする観点から、このような用途に使用されるワックス
には、ある程度高い硬度が要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、長鎖の
アルキル基により変性された従来公知のオルガノポリシ
ロキサンは、ワックスに望まれる上記の事項を十分に満
足するものではない。この場合において、長鎖のアルキ
ル基の導入割合(変性率)を高くすることによって融解
温度の幅を狭め、硬度を高めることも考えられる。しか
しながら、長鎖のアルキル基の変性率を増加させると、
得られるワックス(変性オルガノポリシロキサン)によ
る被覆層に、シリコーンワックスに特有の表面特性(艶
・滑り・離型性など)を十分に発現させることができな
い。このような理由から、長鎖のアルキル基の変性率を
高くすることには制限がある。
【0004】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、本発明の第1の目的は、従来公知
の変性オルガノポリシロキサンよりもシャープな融解特
性を有するワックス状オルガノポリシロキサンを提供す
ることにある。本発明の第2の目的は、保存安定性など
を損なう低融点成分の割合がきわめて小さいワックス状
オルガノポリシロキサンを提供することにある。本発明
の第3の目的は、表面保護効果のある被覆層を形成した
り、耐久性の良好な印字画像を形成したりするのに必要
な硬度を有するワックス状オルガノポリシロキサンを提
供することにある。本発明の第4の目的は、表面保護効
果(高い硬度)および表面特性(艶・滑り・離型性な
ど)に優れた被覆層を形成することができるワックス状
オルガノポリシロキサンを提供することにある。本発明
の第5の目的は、上記のような優れた特性(特に融解特
性)を有するオルガノポリシロキサンを確実に製造する
ことができるワックス状オルガノポリシロキサンの製造
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、長鎖のアルキ
ル基を導入(変性)するために使用する化合物を精製処
理して、当該化合物の融解特性をシャープなものとする
ことにより、当該化合物による長鎖のアルキル基の導入
率が低くても、シャープな融解特性を有する変性オルガ
ノポリシロキサンが得られることを見出し、かかる知見
に基いて本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明のワックス状オルガノポ
リシロキサンは、下記一般式(1)で表される変性オル
ガノポリシロキサンであって、これについて示差走査熱
量計により測定される第2の昇温過程での吸熱曲線にお
いて、吸熱最大ピーク温度(Tm)が30℃以上であ
り、かつ、当該吸熱曲線とそのベースラインとにより区
画される全ての面積に対する、(Tm−20)℃以下の
部分の面積の比率が10%以下であることを特徴とす
る。
【0007】
【化2】
【0008】〔式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
して、(a)式:Ra −Z−(Y)m−(式中、R
a は、炭素数15〜299の長鎖アルキル基を示し、−
Z−は、−OCO−、−COO−もしくは−CONH−
を示し、Yは、炭素数2〜15のアルキレン基もしくは
ヘテロ原子を含む炭素数2〜15の2価の有機基を示
す。mは0もしくは1である。)で示される炭素数16
〜300の基;(b)水素原子、炭素数2〜8のアルキ
ル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜14の
アラルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、またはヘ
テロ原子を含む炭素数2〜15の有機基;あるいは
(c)メチル基を示し、nは平均で3〜300の整数を
示す。但し、R1 で示される基のうち、前記(a)の基
の個数割合が2〜80%、前記(b)の基の個数割合が
0〜50%、前記(c)メチル基の個数割合が20〜9
8%であり、このワックス状オルガノポリシロキサン中
の、前記(a)の基の質量割合と、前記(b)の基の質
量割合との合計が75%以下である。〕
【0009】本発明のワックス状オルガノポリシロキサ
ンにおいては、反応性官能基を有するオルガノポリシロ
キサンと、式:Ra −z1 〔式中、Ra は、炭素数15
〜299の長鎖アルキル基を示し、z1 は、前記オルガ
ノポリシロキサンの有する反応性官能基と反応して結合
基(−Z−)を形成する置換基を示す。〕で表される化
合物とを反応させることにより得られ、前記式:Ra
1 で表される化合物について示差走査熱量計により測
定される第2の昇温過程での吸熱曲線において、吸熱最
大ピーク温度(Tm)が30℃以上であり、かつ、当該
吸熱曲線とそのベースラインとにより区画される全ての
面積に対する、(Tm−20)℃以下の部分の面積の比
率が10%以下であることが好ましい。また、前記式:
a −z1 で表される化合物が精製処理を施されたもの
であることが好ましい。
【0010】本発明のワックス状オルガノポリシロキサ
ンにおいては、JIS K2235に準じて測定される
針入度(50℃)が2以下であることが好ましい。
【0011】請求項4に係るワックス状オルガノポリシ
ロキサンは、R3 OCO(CH2 q −(式中、R
3 は、炭素数1〜4のアルキル基であり、qは2〜15
の整数である。)で示される基を有するオルガノポリシ
ロキサンと、精製処理が施された長鎖アルコールとを反
応させることにより得られることを特徴とする。
【0012】請求項5に係るワックス状オルガノポリシ
ロキサンは、ヒドロキシアルキル基を有するオルガノポ
リシロキサンと、精製処理が施された長鎖カルボン酸と
を反応させることにより得られることを特徴とする。
【0013】請求項6に係るワックス状オルガノポリシ
ロキサンは、アミノアルキル基を有するオルガノポリシ
ロキサンと、精製処理が施された長鎖カルボン酸とを反
応させることにより得られることを特徴とする。
【0014】請求項7に係るワックス状オルガノポリシ
ロキサンは、アミノアルキルアミノアルキル基を有する
オルガノポリシロキサンと、精製処理が施された長鎖カ
ルボン酸とを反応させることにより得られることを特徴
とする。
【0015】本発明の製造方法は、本発明のワックス状
オルガノポリシロキサンを製造する方法であって、前記
式:Ra −z1 で表される化合物を精製処理することに
より、当該化合物に特定の吸熱特性を付与し、精製処理
された当該化合物と、反応性官能基を有するオルガノポ
リシロキサンとを反応させる工程を含むことを特徴とす
る。
【0016】請求項10に係る製造方法は、請求項4に
記載のワックス状オルガノポリシロキサンを製造する方
法であって、長鎖アルコールを精製処理することによ
り、当該長鎖アルコールに特定の吸熱特性を付与し、精
製処理された当該長鎖アルコールと、R3 OCO(CH
2 q −で示される基を有するオルガノポリシロキサン
とを反応させる工程を含むことを特徴とする。
【0017】請求項11に係る製造方法は、請求項7に
記載のワックス状オルガノポリシロキサンを製造する方
法であって、長鎖カルボン酸を精製処理することによ
り、当該長鎖カルボン酸に特定の吸熱特性を付与し、精
製処理された当該長鎖カルボン酸と、アミノアルキルア
ミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサンとを反
応させる工程を含むことを特徴とする。
【0018】
【作用】オルガノポリシロキサンに長鎖のアルキル基を
導入するために使用されている従来公知の化合物(長鎖
アルコール,長鎖カルボン酸)は、分子量分布の広いも
のであり、これが、得られる変性オルガノポリシロキサ
ンの分子量分布、延いては融解特性に影響を与える。そ
こで、当該化合物を精製処理して、相対的に低分子量の
成分を除去することにより、当該化合物の分子量分布を
単分散化して、その吸熱特性(融解特性)をシャープな
ものとする。そして、精製処理された当該化合物を使用
してオルガノポリシロキサンを変性することにより、従
来公知の変性オルガノポリシロキサンでは達成すること
のできないシャープな融解特性を有するワックス状オル
ガノポリシロキサンを得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のオルガノポリシロ
キサンについて説明する。 <ワックス状オルガノポリシロキサンの化学構造>本発
明のワックス状オルガノポリシロキサンを表す上記一般
式(1)において、R1 およびR2 は、それぞれ独立し
て、 (a)式:Ra −Z−(Y)m −(式中、Ra は、炭素
数15〜299の長鎖アルキル基を示し、−Z−は、−
OCO−、−COO−もしくは−CONH−を示し、Y
は、炭素数2〜15のアルキレン基もしくはヘテロ原子
を含む炭素数2〜15の2価の有機基を示す。mは0も
しくは1である。)で示される炭素数16〜300の基
(以下、「長鎖有機基」ともいう。); (b)水素原子、炭素数2〜8のアルキル基、炭素数6
〜10のアリール基、炭素数7〜14のアラルキル基、
炭素数1〜8のアルコキシ基、またはヘテロ原子を含む
炭素数2〜15の有機基;あるいは (c)メチル基を示す。
【0020】R1 およびR2 の一部を構成する(a)
式:Ra −Z−(Y)m −で示される長鎖有機基におけ
る長鎖アルキル基(Ra )は直鎖状であっても分岐状で
あってもよい。 (a)長鎖有機基の炭素数は、通常16〜300とさ
れ、好ましくは18〜200、更に好ましくは20〜1
00、特に好ましくは20〜60とされる。また、本発
明のワックス状オルガノポリシロキサンにおいて、
(a)長鎖有機基の炭素数の平均値(以下、「平均炭素
数」ともいう。)は、16〜250であることが好まし
く、更に好ましくは20〜100とされる。長鎖有機基
中の平均炭素数が16未満である場合には、常温下でワ
ックス状とならずにオイル状となり、これにより形成さ
れる被覆層にベタツキを生じたり、樹脂組成物を調製す
る際に、樹脂との相溶性が低下したりする。一方、この
平均炭素数が250を超える場合には、吸熱最大ピーク
温度(Tm)が高くなり過ぎるため、通常のワックスの
用途に適用することができなくなる。
【0021】R1 およびR2 の一部を構成する、式:R
a −Z−(Y)m −で示される長鎖有機基において、長
鎖アルキル基(Ra )の炭素数は、長鎖有機基(Ra
Z−(Y)m −)の炭素数が16〜300となるような
整数とされ、−(Y)m −で示される基(アルキレン基
もしくは有機基)の有する炭素数によっても異なるが、
通常15〜299とされ、好ましくは17〜199、更
に好ましくは18〜99とされる。また、−(Y)m
で示される基(アルキレン基もしくは有機基)の有する
炭素数は、通常2〜15とされ、好ましくは2〜13と
される。
【0022】式:Ra −Z−(Y)m −で示される長鎖
有機基としては、アルコキシカルボニルアルキル基〔C
3 (CH2 p OCO(CH2 q −〕;アルキルカ
ルボニルオキシアルキル基〔CH3 (CH2 p COO
(CH2 q −〕;アルキルカルボニルオキシ(2−ヒ
ドロキシ)プロピルオキシアルキル基〔CH3 (C
2 p COOCH2 CH(OH)CH2 O(CH2
q −〕およびアルキルカルボニルアミノアルキル基〔C
3 (CH2 p CONH(CH2 q −;アルキルカ
ルボニルアミノアルキルアミノアルキル基〔CH3 (C
2 p CONH(CH2 q NH(CH2 r −〕な
どの直鎖状の基;並びに分岐状の基が含まれる。各式
中、pは、長鎖有機基中の炭素数が16〜300となる
整数であり、qは2〜15、好ましくは2〜13の整数
である。rは1〜15、好ましくは2〜6の整数(但
し、q+r=3〜15)である。
【0023】アルコキシカルボニルアルキル基の具体例
としては、CH3 (CH2 21O(CO)(CH2 2
−、CH3 (CH2 21O(CO)CH2 CH(C
3 )−、CH3 (CH2 21O(CO)(CH2 11
−、CH3 (CH2 29O(CO)(CH2 11−、C
3 (CH2 39O(CO)(CH2 11−およびCH
3(CH2 p1O(CO)(CH2 10−〔式中、p1
は29〜49(平均39)である。〕が挙げられる。ア
ルキルカルボニルオキシアルキル基の具体例としては、
CH3 (CH2 20COOCH(CH3 )CH2 −が挙
げられる。アルキルカルボニルオキシ(2−ヒドロキ
シ)プロピルオキシアルキル基の具体例としては、CH
3 (CH2 21COOCH2 CH(OH)CH2 O(C
23 −が挙げられる。アルキルカルボニルアミノア
ルキル基の具体例としては、CH3 (CH2 20CON
H(CH2 3 −が挙げられる。アルキルカルボニルア
ミノアルキルアミノアルキル基の具体例としては、CH
3 (CH2 20CONH(CH2 3 NH(CH2 3
CH3 (CH2 20CONH(CH2 2 NH(C
2 3 −およびCH3 (CH2 p2CONH(C
2 2 NH(CH2 3 −〔式中、p2は18〜38
(平均25)である。〕が挙げられる。
【0024】R1 で示される基(n個)のうち、(a)
長鎖有機基の個数割合は、通常2〜80%とされ、好ま
しくは5〜70%、更に好ましくは10〜55%、特に
好ましくは10〜35%とされる。このような割合で
(a)長鎖有機基を導入してなる本発明のオルガノポリ
シロキサンは、ワックス状のものとなる。
【0025】R1 およびR2 の一部を構成する(b)の
基は、水素原子、炭素数2〜8のアルキル基、炭素数6
〜10のアリール基、炭素数7〜14のアラルキル基、
炭素数1〜8のアルコキシ基、またはヘテロ原子を含む
炭素数2〜15の有機基である。炭素数2〜8のアルキ
ル基には、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、イソブチル基、ヘキシル基およびオクチル基が
含まれる。炭素数6〜10のアリール基には、フェニル
基およびナフチル基が含まれ、これらのうち、フェニル
基が特に好ましい。炭素数7〜14のアラルキル基に
は、ベンジル基およびフェネチル基などが含まれる。こ
の(b)の基には、オルガノポリシロキサンに長鎖有機
基を導入する際に副生される基が含まれ、「ヘテロ原子
を含む炭素数2〜15の有機基」には、後述する、鎖延
長反応の際に生成する中間反応性基を含む、ヒドロシリ
ル基、カルボン酸、カルボン酸エステル基、ヒドロキシ
基およびアミノ基などの反応性基、並びにそれら反応性
基を封鎖または不活性化した結果生じる基が包含され
る。
【0026】そのような基には、カルボキシルアルキル
基〔HO(CO)(CH2 q −〕;アルコキシカルボ
ニルアルキル基〔CH3 (CH2 s O(CO)(CH
2 q −〕;ヒドロキシアルキル基〔HO(CH2 q
−〕;アルキルカルボニルオキシアルキル基〔CH
3 (CH2 s COO(CH2 q −〕;エポキシプロ
ピルオキシアルキル基〔CH2 (O)CHCH2 O(C
2 q−〕;アルキルカルボニルオキシ(2−ヒドロ
キシ)プロピルオキシアルキル基〔CH3 (CH2 s
COOCH2 CH(OH)CH2 O(CH2 q −〕;
アミノアルキル基〔NH2 (CH2 q −〕;アルキル
カルボニルアミノアルキル基〔CH3 (CH2 s CO
NH(CH2q −〕;アミノアルキルアミノアルキル
基〔NH2 (CH2 q NH(CH2 r −〕が含まれ
る。上記の各式中、sは、0〜13、好ましくは0〜2
の整数であり、qおよびrは、先に定義したとおりであ
る。但し、これら基の炭素数の合計は2〜15である。
【0027】R1 で示される基(n個)のうち、(b)
の基の個数割合は、通常0〜50%とされ、好ましくは
0〜20%、更に好ましくは0〜10%とされる。
【0028】また、上記一般式(1)に示されるワック
ス状オルガノポリシロキサン中の、(a)の基(長鎖有
機基)の質量割合と、前記(b)の基の質量割合との合
計は、通常75%以下とされ、好ましくは70%以下、
更に好ましくは65%以下とされる。(a)の基(長鎖
有機基)および(b)の基の質量割合の合計が75%を
超えるオルガノポリシロキサンによっては、シリコーン
ワックスに特有の表面特性(艶・滑り・離型性など)を
有する被覆層を形成することができない。
【0029】R1 およびR2 の一部を構成する(c)の
基はメチル基である。R1 で示される基(n個)のう
ち、(c)メチル基の個数割合は、通常20〜98%と
され、好ましくは30〜95%、更に好ましくは45〜
90%、特に好ましくは65〜90%とされる。R1
示される基に占めるメチル基の割合が20個数%未満で
あるオルガノポリシロキサンによっては、シリコーンワ
ックスに特有の表面特性(艶・滑り・離型性など)を有
する被覆層を形成することができない。
【0030】上記一般式(1)において、nは平均で3
〜300の整数であり、好ましくは5〜200、更に好
ましくは5〜150、特に好ましくは5〜50である。
nが3未満であると、シリコーンワックスに特有の表面
特性(艶・滑り・離型性など)を有する被覆層を形成す
ることができない。一方、nが300を超えるオルガノ
ポリシロキサンは、溶融時の粘度が過大となり、製造お
よび取扱が困難となる。
【0031】好ましい化学構造を示すと、上記一般式
(1)において、R1 の5〜70個数%が(a)アルコ
キシカルボニルアルキル基、アルキルカルボニルオキシ
アルキル基、アルキルカルボニルオキシ(2−ヒドロキ
シ)プロピルオキシアルキル基、アルキルカルボニルア
ミノアルキル基もしくはアルキルカルボニルアミノアル
キルアミノアルキル基であり、R1 の0〜20個数%が
(b)炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜12の
アルコキシカルボニルアルキル基もしくはアミノアルキ
ルアミノアルキル基であり、R1 の30〜95個数%が
(c)メチル基であり;R2 が(c)メチル基であり;
nの平均値が5〜50である。
【0032】上記一般式(1)で表される変性オルガノ
ポリシロキサンの具体的構造としては、R1 の一部を構
成する(a)長鎖有機基が、式:Ra −OCO−(Y)
m −で示される基である、下記一般式(1A)で表され
るオルガノポリシロキサン;R1 の一部を構成する
(a)長鎖有機基が、式:Ra −COO−(Y)m −で
示される基である、下記一般式(1B)で表されるオル
ガノポリシロキサン;R1 の一部を構成する(a)長鎖
有機基が、式:Ra −CONH−(Y)m −で示される
基である、下記一般式(1C)で表されるオルガノポリ
シロキサンを挙げることができる。R1 の一部を構成す
る(a)長鎖有機基が、式:Ra −CONH−(Y)m
−で示される基である、下記一般式(1D)で表される
オルガノポリシロキサンを挙げることができる。
【0033】
【化3】
【0034】(式中、aおよびbは、その合計が平均で
3〜200となる整数であり、p、qおよびrは、それ
ぞれ、先に定義したとおりである。)
【0035】<ワックス状オルガノポリシロキサンの吸
熱特性>本発明のオルガノポリシロキサンは、これを試
料として示差走査熱量計(DSC)により測定される第
2の昇温過程において、特定の吸熱特性を示す点に特徴
を有するものである。具体的には、第2の昇温過程での
吸熱曲線において、吸熱最大ピーク温度(Tm)が30
℃以上であり、かつ、当該吸熱曲線とそのベースライン
(DSCチャートのベースライン)とにより区画される
全ての面積〔S〕に対する、(Tm−20)℃以下の部
分の面積〔s〕の比率〔s/S〕が10%以下である。
【0036】ここに、「示差走査熱量計により測定され
る第2の昇温過程での吸熱曲線」は、「DSC−620
0」(セイコー電子工業株式会社製)により、試料5m
gを10℃/分の一定の昇温速度で加熱するときの第2
の昇温工程での融解熱を測定して得られる曲線である。
また、「(Tm−20)℃以下の部分の面積〔s〕」と
は、DSCチャートにおける当該吸熱曲線とベースライ
ンとにより区画される領域のうち、温度≦(Tm−2
0)℃が成立する範囲の面積をいう。すなわち、この吸
熱曲線とベースラインとにより区画される全ての面積
〔S〕は、試料全体による吸熱ピーク面積であり、(T
m−20)℃以下の部分の面積〔s〕は、この温度以下
で融解する低融点成分による吸熱ピーク面積である。
【0037】本発明のオルガノポリシロキサンについて
測定される上記の吸熱曲線において、吸熱最大ピーク温
度(Tm)は、30℃以上であることが必須とされ、好
ましくは50〜150℃、更に好ましくは60〜100
℃とされる。吸熱最大ピーク温度(Tm)が30℃未満
であるオルガノポリシロキサンは、これを使用して得ら
れる製品(例えば熱転写シート)の保存安定性および取
扱性を損なわれる。一方、吸熱最大ピーク温度(Tm)
が高過ぎるオルガノポリシロキサンは、その製造および
取扱が困難となる。
【0038】本発明のオルガノポリシロキサンについて
測定される上記の吸熱曲線において、面積比率〔s/
S〕は10%以下であることが必須とされ、好ましくは
8%以下、更に好ましくは5%以下とされる。面積比率
〔s/S〕が10%を超えるオルガノポリシロキサン
は、シャープな融解特性を有するものとならない。ま
た、たとえ、吸熱最大ピーク温度(Tm)が30℃以上
であっても、面積比率〔s/S〕が10%を超えるオル
ガノポリシロキサンにより形成される被覆層は、表面に
ベタツキを生じ、その耐久性が著しく劣るものとなる。
また、本発明のオルガノポリシロキサンについて測定さ
れる上記の吸熱曲線において、当該吸熱曲線とそのベー
スラインとにより区画される全ての面積〔S〕に対す
る、(Tm−30)℃以下の部分の面積〔s’〕の比率
〔s’/S〕は5%以下であることが好ましい。
【0039】<ワックス状オルガノポリシロキサンの針
入度>本発明のワックス状オルガノポリシロキサンにお
いて、JIS K2235に準じて測定される針入度
(50℃)が2以下であることが好ましい。この針入度
(50℃)が2以下であることにより、当該オルガノポ
リシロキサンによる被覆層に好適な力学特性(ストレス
からの表面保護効果)を発現させることができ、また、
これを含有する熱溶融インクによって形成される印字画
像に十分な耐久性(硬度)を付与することができる。針
入度(50℃)が2以下であるワックス状オルガノポリ
シロキサンを得るためには、長鎖のアルキル基を導入
(変性)するために使用する化合物(Ra −z 1 で表さ
れる化合物)として、高硬度の化合物(例えば、針入度
(50℃)が5以下)を使用することが必要である。
【0040】<ワックス状オルガノポリシロキサンの分
子量および分子量分布>本発明のワックス状オルガノポ
リシロキサンにおいて、GPCにより測定されるポリス
チレン換算の数平均分子量(Mn)としては、1,00
0〜200,000であることが好ましく、更に好まし
くは2,000〜50,000である。
【0041】<ワックス状オルガノポリシロキサンの製
造方法>以上のような化学構造を有し、特定の吸熱特性
を示す本発明のオルガノポリシロキサンは、下記に説明
するような製造方法によって得ることができる。以下、
上記の一般式(1A)〜(1D)で表されるオルガノポ
リシロキサンの製造方法の一例について説明する。
【0042】上記一般式(1A)で表されるオルガノポ
リシロキサンは、下記のようにして得られる。先ず、長
鎖アルコール〔CH3 (CH2 p OH〕を精製処理す
ることにより、当該長鎖アルコールに、特定の吸熱特性
(最終的に得られるワックス状オルガノポリシロキサン
に要求される吸熱特性)および高い硬度(針入度で5以
下)を付与する。一方、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステルまたはウンデシレン酸エステルのような不
飽和カルボン酸エステル〔例えば、CH2 =CH(CH
2 q-2COOR3 〕と、下記一般式(2)で表される
ヒドロオルガノポリシロキサンとを反応(ヒドロシリル
化反応)させて下記一般式(3)で表されるエステル基
含有オルガノポリシロキサン(アルコキシカルボニルア
ルキル基を有するオルガノポリシロキサン)を得る。次
いで、当該エステル基含有オルガノポリシロキサンと、
精製処理された当該長鎖アルコールとを反応(エステル
交換反応)させることにより得られる。
【0043】
【化4】
【0044】(式中、R3 は、エステルを形成する炭素
数1〜4のアルキル基であり、a、bおよびqは、それ
ぞれ、先に定義したとおりである。)
【0045】上記一般式(2)で表されるヒドロオルガ
ノポリシロキサンは、例えば、テトラメチルジシロキサ
ンとオクタメチルシクロテトラシロキサンとを硫酸等の
酸触媒の存在下、常温で数時間開環重合させることによ
り、種々の重合度のものとして得ることができる。
【0046】一方、長鎖アルコールは、常法で製造して
も市販品を使用してもよい。例えば、東洋ペトロライト
(株)から「ユニリン550」の商品名で入手可能な長
鎖アルコールは、炭素数30〜50(平均炭素数40)
を有する。長鎖アルコールの精製処理方法としては、再
沈澱法や再結晶法等、有機化学的に通常用いられる方法
を好適に採用することができる。このようにして精製処
理された長鎖アルコールは、その分子量分布が単分散化
される結果、硬度が増加するとともに、それ自体の吸熱
特性がシャープなものとなる。
【0047】上記のヒドロシリル化反応は、触媒の存在
下、室温から150℃程度、好ましくは40℃〜120
℃程度の温度で行うことができる。使用する触媒として
は、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミ
ウム、イリジウム等の化合物が挙げられ、その触媒活性
が高いことから白金化合物が特に有効である。白金化合
物の例としては、塩化白金酸;金属白金;アルミナ、シ
リカ、カーボンブラック等の坦体に金属白金を坦持させ
たもの;および、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−
ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯体、白金アルコ
ラ−ト触媒等の白金錯体が挙げられる。触媒の使用量
は、白金触媒を使用する場合、金属白金として0.00
01〜0.1質量%程度である。
【0048】ヒドロシリル化反応の際、必要に応じて溶
媒を用いてもよい。使用可能な溶媒としては、チオフェ
ン、硫化ジエチル等の硫黄化合物;アセトニトリル、ジ
エチルアミン、アニリン等の窒素化合物;酢酸、酪酸等
の脂肪酸、およびこれらの酸無水物;エーテル;アセタ
ール、シクロヘキサノンなどのケトン;エステル;フェ
ノール;トルエン、キシレンなどの芳香族を含む炭化水
素;ハロゲン化炭化水素;および、ジメチルポリシロキ
サンなどが挙げられる。
【0049】上記一般式(1B)で表されるオルガノポ
リシロキサンは、下記のようにして得られる。先ず、長
鎖カルボン酸〔CH3 (CH2 p COOH〕を精製処
理することにより、当該長鎖カルボン酸に、特定の吸熱
特性(最終的に得られるワックス状オルガノポリシロキ
サンに要求される吸熱特性)および高い硬度(針入度で
5以下)を付与する。一方、上記一般式(2)で表され
るヒドロオルガノポリシロキサンのヒドロシリル基(H
−Si≡)を、アリルアルコールまたはウンデシレニル
アルコールのような不飽和アルコール〔例えば、CH2
=CH(CH2 q-2 OH〕に付加(ヒドロシリル化反
応)させて、下記一般式(4)で表されるヒドロキシオ
ルガノポリシロキサン(ヒドロキシアルキル基を有する
オルガノポリシロキサン)を得る。次いで、当該ヒドロ
キシオルガノポリシロキサンを、精製処理された当該長
鎖カルボン酸またはその酸塩化物のような活性化誘導体
とのエステル化反応に付することにより得られる。
【0050】
【化5】
【0051】(式中、a、bおよびqは先に定義したと
おりである。)
【0052】長鎖カルボン酸は、常法で製造しても市販
品を使用してもよい。例えば、東洋ペトロライト(株)
から「ユニシッド350」の商品名で入手可能な長鎖カ
ルボン酸は、炭素数20〜40(平均炭素数27)を有
する。長鎖カルボン酸の精製処理方法としては、再沈澱
法や再結晶法等、有機化学的に通常用いられる方法を好
適に採用することができる。このようにして精製処理さ
れた長鎖カルボン酸は、その分子量分布が単分散化され
る結果、硬度が増加するとともに、それ自体の吸熱特性
がシャープなものとなる。
【0053】上記一般式(1C)で表されるオルガノポ
リシロキサンは、下記のようにして得られる。先ず、長
鎖カルボン酸〔CH3 (CH2 p COOH〕を精製処
理することにより、当該長鎖カルボン酸に、特定の吸熱
特性(最終的に得られるワックス状オルガノポリシロキ
サンに要求される吸熱特性)および高い硬度(針入度で
5以下)を付与する。次いで、下記一般式(5)で表さ
れるアミノオルガノポリシロキサン(アミノアルキル基
を有するオルガノポリシロキサン)と、精製処理された
当該長鎖カルボン酸またはその酸塩化物のような活性化
誘導体とのアミド化反応に付することにより得られる。
【0054】
【化6】
【0055】(式中、a、bおよびqは先に定義したと
おりである。)
【0056】上記一般式(5)で表されるアミノオルガ
ノポリシロキサンは、例えば、テトラメチル(テトラア
ミノメチル)シクロテトラシロキサン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサンおよびテトラメチルジシロキサン
をKOH等のアルカリ触媒の存在下、90〜140℃で
数時間加熱して開環重合させることにより、種々の重合
度のものとして得ることができる。また、このアミノオ
ルガノポリシロキサンは、上記一般式(2)で表される
ヒドロオルガノポリシロキサンと、アリルアミンのよう
なエチレン性二重結合を有する不飽和アミン〔例えば、
NH2 (CH2q-2 CH=CH2 〕とのヒドロシリル
化反応によっても得られる。
【0057】上記一般式(1D)で表されるオルガノポ
リシロキサンは、下記一般式(6)で表されるアミノオ
ルガノポリシロキサン(アミノアルキルアミノアルキル
基を有するオルガノポリシロキサン)と、精製処理され
た長鎖カルボン酸またはその酸塩化物のような活性化誘
導体とのアミド化反応に付することにより得られる。
【0058】
【化7】
【0059】(式中、a、b、qおよびrは先に定義し
たとおりである。)
【0060】上記一般式(6)で表されるアミノオルガ
ノポリシロキサンは、例えば、1,3,5,7−テトラ
メチル−1,3,5,7−テトラ−N−β(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルシクロテトラシロキサン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシ
ロキサンをKOH等のアルカリ触媒の存在下、30〜1
50℃で数時間加熱して開環重合させることにより、種
々の重合度のものとして得ることができる。
【0061】(a)長鎖有機基を導入するための反応で
使用する、上記一般式(2)で表されるオルガノポリシ
ロキサンの有するヒドロシリル基、上記一般式(3)で
表されるオルガノポリシロキサンの有するカルボン酸エ
ステル基、上記一般式(4)で表されるオルガノポリシ
ロキサンの有するヒドロキシ基、上記一般式(5)〜
(6)で表されるオルガノポリシロキサンの有するアミ
ノ基、および、これらに鎖延長反応(エステル化・アミ
ド化)を施す際に生成する中間反応性基などは、それら
オルガノポリシロキサンの重合度、および長鎖アルキル
基の導入に使用する化合物の分子量に依存して、一部が
未反応のまま残存する場合がある。そして、ヒドロシリ
ル基が残存すると、上記一般式(1)のワックス状オル
ガノポリシロキサンのR1 の一部は水素原子となり、カ
ルボン酸エステル基が残存すると、R1 の一部はアルキ
レンカルボン酸エステル基(アルコキシカルボニルアル
キル基)となり、ヒドロキシ基が残存すると、R1 の一
部はアルキレンヒドロキシ基(ヒドロキシアルキル基)
となり、アミノ基が残存すると、R1 の一部はアルキレ
ンアミノ基(アミノアルキル基)またはアルキレンアミ
ノアルキレンアミノ基(アミノアルキルアミノアルキル
基)となる。
【0062】それら残存した反応性基が、本発明のワッ
クス状オルガノポリシロキサンの安定性や性能に悪影響
を与える場合には、それら反応性基を適当な化合物で封
鎖または不活性化してもよい。封鎖または不活性化の方
法には、ヒドロシリル基のアルコキシ化、ヒドロキシ基
のアシル化、およびアミノ基のアシル化が含まれる。
【0063】ヒドロシリル基のアルコキシ化に使用され
るアルコールには、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、ヘキサノールおよびオクタノールの
ような炭素数1〜8のアルコールが含まれる。従って、
炭素数1〜8のアルコキシ基が生成する。ヒドロキシ基
のアシル化、アミノ基のアシル化に使用されるアシル化
剤には、無水酢酸、無水プロピオン酸、および無水安息
香酸のような、炭素数2〜7のアシル基をもたらす無水
カルボン酸、塩化アセチルおよび塩化ベンゾイルのよう
なハロゲン化アシル、並びに塩化メタンスルホニルおよ
び塩化トルエンスルホニルのようなハロゲン化スルホニ
ルが含まれる。これら反応は常法で行うことができる。
【0064】以上のような化学構造および特定の吸熱特
性を有する本発明のオルガノポリシロキサンは、熱溶融
インク、熱転写シート、キャスティングペーパーなどに
適用されるワックスとして、好適に使用することができ
る。
【0065】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらによって限定されるものではない。なお、以下
の実施例において、分子量(分子量分布)、吸熱最大ピ
ーク温度(Tm)、(Tm−20)℃以下の部分の面積
の比率、(Tm−30)℃以下の部分の面積の比率は、
それぞれ、以下のようにして求めた。
【0066】〔分子量(分子量分布)〕下記の装置を使
用し、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および
重量平均分子量(Mw)を測定し、分子量分布(Mw/
Mn)を求めた。 ・装置:「GPC測定システム」(日本分光株式会社
製) ・カラム:「Shodex−803L」(昭和電工株式
会社製) ・検出器:屈折率(RI)検出器「RL540R」(G
Lサイエンス株式会社製) ・検量線:昭和電工株式会社製の10種類の標準ポリス
チレン(分子量1.2×103 〜2.75×106 )を
用いて測定 ・測定法:温度40℃において、クロロホルムを1.0
ml/分で流し、これに試料(濃度0.3質量%)10
0μlを注入した。
【0067】〔吸熱最大ピーク温度(Tm)〕示差走査
熱量計「DSC−6200」(セイコー電子工業株式会
社製)により試料(5mg)を一定の昇温速度(10℃
/分)で加熱して測定した第2の昇温過程での吸熱曲線
の最大ピークにおける温度を「吸熱最大ピーク温度」と
した。なお、昇温・冷却条件としては、30℃で5分間
放置した後、10℃/minの条件で180℃まで昇温
し(第1の昇温過程)し、次いで、180℃で5分間放
置後、−10℃/minの条件で30℃まで冷却し(第
1の冷却過程)、次いで、30℃で5分間放置した後、
10℃/minの条件で170℃まで昇温した(第2の
昇温過程)。
【0068】〔(Tm−20)℃以下の部分の面積の比
率〕上記のようにして測定した第2の昇温過程での吸熱
曲線と、ベースラインとにより区画される全ての面積
〔S〕、および(Tm−20)℃以下の部分の面積
〔s〕を測定することにより、面積比率〔s/S〕を算
出した。
【0069】〔(Tm−30)℃以下の部分の面積の比
率〕上記のようにして測定した第2の昇温過程での吸熱
曲線と、ベースラインとにより区画される全ての面積
〔S〕、および(Tm−30)℃以下の部分の面積
〔s’〕を測定することにより、面積比率〔s’/S〕
を算出した。
【0070】〔針入度〕JISK2235(1991)
に示される針入度の測定方法に準拠して、50℃におけ
る針入度を測定した。
【0071】〔調製例1〕ヘキサメチルジシロキサン
1.97g(0.98質量%)と、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン179.8g(89.9質量%)と、
テトラメチルシクロテトラシロキサン18.2g(9.
11質量%)と、硫酸6gとを500mLのフラスコに
仕込み、25℃で8時間攪拌した。これを中和後、濾過
することにより、下記化学式(1)で表されるヒドロメ
チルポリシロキサン(1)を得た。このヒドロメチルポ
リシロキサン(1)の数平均分子量(Mn)は16,4
62、分子量分布(Mw/Mn)は2.31であった。
【0072】〔調製例2〕ヘキサメチルジシロキサン
2.40g(1.20質量%)と、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン164.7g(82.33質量%)
と、テトラメチルシクロテトラシロキサン32.9g
(16.47質量%)と、硫酸6gとを500mLのフ
ラスコに仕込み、25℃で8時間攪拌した。これを中和
後、濾過することにより、下記化学式(2)で表される
ヒドロメチルポリシロキサン(2)を得た。このヒドロ
メチルポリシロキサン(2)の数平均分子量(Mn)は
12,182、分子量分布(Mw/Mn)は2.71で
あった。なお、このヒドロメチルポリシロキサン(2)
について、測定したGPCチャートを図1に示し、測定
した赤外線吸収スペクトルを図2に示す。
【0073】
【化8】
【0074】〔調製例3〕ヘキサメチルジシロキサン
2.80g(1.40質量%)と、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン128.00g(64.00質量%)
と、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−
テトラ−N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
シクロテトラシロキサン69.18g(34.59質量
%)と、水酸化カリウム0.2gとを500mLのフラ
スコに仕込み、90℃で8時間にわたり加熱・攪拌し
た。これを中和後、125℃で3時間にわたり加熱・減
圧し、次いで濾過することにより、下記化学式(3)で
表されるアミノオルガノポリシロキサン(3)を得た。
このアミノオルガノポリシロキサン(3)の数平均分子
量(Mn)は11,562、分子量分布(Mw/Mn)
は2.55であった。
【0075】〔調製例4〕ヘキサメチルジシロキサン
4.12g(2.06質量%)と、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン94.12(47.06質量%)g
と、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−
テトラ−N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
シクロテトラシロキサン101.74g(50.87質
量%)と、水酸化カリウム0.2gとを500mLのフ
ラスコに仕込み、90℃で8時間にわたり加熱・攪拌し
た。これを中和後、125℃で3時間にわたり加熱・減
圧し、次いで濾過することにより、下記化学式(4)で
表されるアミノオルガノポリシロキサン(4)を得た。
このアミノオルガノポリシロキサン(4)の数平均分子
量(Mn)は7,862、分子量分布(Mw/Mn)は
2.56であった。
【0076】
【化9】
【0077】〔長鎖(高級)アルコールの精製処理〕炭
素数=30〜50(平均40)の長鎖アルコール「ユニ
リン550」(東洋ペトロライト(株)製)100質量
部に対して、トルエン2000質量部と、イソプロピル
アルコール100質量部とを加え、この系を80℃に加
熱・攪拌して長鎖アルコールを溶解させた。次いで、こ
の溶液を室温(20〜30℃)まで冷却して長鎖アルコ
ールを再結晶させた。その後、再結晶した長鎖アルコー
ルを含む当該溶液を遠心濾過器で濾過処理を行って濾過
ケーキを得た。次いで、当該濾過ケーキを加熱・減圧し
て溶剤を除去し、精製された長鎖アルコールを得た。こ
のようにして精製処理された長鎖アルコール、および精
製処理をしていない長鎖アルコールの各々について、吸
熱最大ピーク温度(Tm)、吸熱曲線とそのベースライ
ンとにより区画される全ての面積に対する、(Tm−2
0)℃以下の部分の面積の比率および針入度(50℃)
を測定した。結果を下記表1に示す。また、精製処理さ
れた長鎖アルコールについて測定した当該吸熱曲線(D
SCチャート)を図3に示し、精製処理していない長鎖
アルコール「ユニリン550」について測定した吸熱曲
線(DSCチャート)を図4に示す。
【0078】〔長鎖カルボン酸の精製処理〕炭素数=2
0〜40(平均27)の長鎖カルボン酸(高級脂肪酸)
「ユニシッド350」(東洋ペトロライト(株)製)1
00質量部に対して、トルエン200質量部を加え、こ
の系を90℃に加熱・攪拌して長鎖カルボン酸を溶解さ
せた。次いで、この溶液を、60〜70℃に冷却した
後、室温(20〜30℃)のイソプロピルアルコール5
00質量部の中に展開し、長鎖カルボン酸を再沈澱させ
た。次いで、沈澱物を含有する溶液を遠心濾過器で濾過
処理を行って濾過ケーキを得た。この濾過ケーキに、ト
ルエン500質量部を加えて、内部に残留する低分子量
体を洗浄・除去した。その後、当該濾過ケーキを加熱・
減圧して溶剤を除去し、精製された長鎖カルボン酸を得
た。このようにして精製処理された長鎖カルボン酸、お
よび精製処理をしていない長鎖アルコールの各々につい
て、吸熱最大ピーク温度(Tm)、吸熱曲線とそのベー
スラインとにより区画される全ての面積に対する、(T
m−20)℃以下の部分の面積の比率および針入度(5
0℃)を測定した。結果を下記表1に示す。
【0079】<実施例1>上記化学式(1)で表される
ヒドロメチルポリシロキサン(1)41.0gと、ウン
デシレン酸メチル13.7gと、トルエン100gとを
4つ口フラスコに仕込み、白金触媒(塩化白金酸)の存
在下に100℃で6時間攪拌してヒドロシリル反応させ
た。次いで、精製処理された長鎖アルコール45.27
gと、テトライソブトキシチタン0.5gとを添加し、
120℃にて窒素気流(200ml/分)により2時間
還留させて反応させた後、減圧下でトルエンを除去する
ことにより、下記の化学式(5)で表される本発明のワ
ックス状オルガノポリシロキサン〔(a)の基の質量割
合と、(b)の基の質量割合との合計が54.8質量
%〕を得た。このワックス状オルガノポリシロキサンに
ついて測定した第2の昇温過程での吸熱曲線から求めた
吸熱最大ピーク温度(Tm)、当該吸熱曲線とそのベー
スラインとにより区画される全ての面積に対する(Tm
−20)℃以下の部分の面積の比率、当該吸熱曲線とそ
のベースラインとにより区画される全ての面積に対する
(Tm−30)℃以下の部分の面積の比率、および針入
度(50℃)を下記表2に示す。
【0080】<実施例2>上記化学式(2)で表される
ヒドロメチルポリシロキサン(2)27.8gと、ウン
デシレン酸メチル16.8gと、トルエン100gとを
4つ口フラスコに仕込み、白金触媒(塩化白金酸)の存
在下に100℃で6時間攪拌してヒドロシリル反応させ
た。次いで、精製処理された長鎖アルコール55.4g
と、テトライソブトキシチタン0.5gとを添加し、1
20℃にて窒素気流(200ml/分)により2時間還
留させて反応させた後、減圧下でトルエンを除去するこ
とにより、下記の化学式(6)で表される本発明のワッ
クス状オルガノポリシロキサン〔(a)の基の質量割合
と、(b)の基の質量割合との合計が70.9質量%〕
を得た。このワックス状オルガノポリシロキサンについ
て測定した第2の昇温過程での吸熱曲線から求めた吸熱
最大ピーク温度(Tm)、当該吸熱曲線とそのベースラ
インとにより区画される全ての面積に対する(Tm−2
0)℃以下の部分の面積の比率、当該吸熱曲線とそのベ
ースラインとにより区画される全ての面積に対する(T
m−30)℃以下の部分の面積の比率、および針入度
(50℃)を下記表2に示し、当該吸熱曲線を図5に示
す。なお、同図における破線はベースラインである。ま
た、このワックス状オルガノポリシロキサンについて測
定した赤外線吸収スペクトルを図6に示す。
【0081】
【化10】
【0082】〔式中、p1は29〜49(平均39)で
ある。〕
【0083】<実施例3>上記化学式(3)で表される
アミノオルガノポリシロキサン(3)54.6gと、精
製処理された長鎖カルボン酸45.4gと、トルエン1
00gとを4つ口フラスコに仕込み、120℃にて窒素
気流(200ml/分)により2時間還留させて反応さ
せた後、減圧下でトルエンを除去することにより、下記
の化学式(7)で表される本発明のワックス状オルガノ
ポリシロキサン〔(a)の基の質量割合と、(b)の基
の質量割合との合計が42.3質量%〕を得た。このワ
ックス状オルガノポリシロキサンについて測定した第2
の昇温過程での吸熱曲線から求めた吸熱最大ピーク温度
(Tm)、当該吸熱曲線とそのベースラインとにより区
画される全ての面積に対する(Tm−20)℃以下の部
分の面積の比率、当該吸熱曲線とそのベースラインとに
より区画される全ての面積に対する(Tm−30)℃以
下の部分の面積の比率、および針入度(50℃)を下記
表2に示す。
【0084】<実施例4>上記化学式(4)で表される
アミノオルガノポリシロキサン(4)45.0gと、精
製処理された長鎖カルボン酸55.0gと、トルエン1
00gとを4つ口フラスコに仕込み、120℃にて窒素
気流(200ml/分)により2時間還留させて反応さ
せた後、減圧下でトルエンを除去することにより、下記
の化学式(8)で表される本発明のワックス状オルガノ
ポリシロキサン〔(a)の基の質量割合と、(b)の基
の質量割合との合計が51.5質量%〕を得た。このワ
ックス状オルガノポリシロキサンについて測定した第2
の昇温過程での吸熱曲線から求めた吸熱最大ピーク温度
(Tm)、当該吸熱曲線とそのベースラインとにより区
画される全ての面積に対する(Tm−20)℃以下の部
分の面積の比率、当該吸熱曲線とそのベースラインとに
より区画される全ての面積に対する(Tm−30)℃以
下の部分の面積の比率、および針入度(50℃)を下記
表2に示す。
【0085】
【化11】
【0086】〔式中、p2は18〜38(平均25)で
ある。〕
【0087】<比較例1>精製処理されていない長鎖ア
ルコール「ユニリン550」45.27gを使用したこ
と以外は実施例1と同様にして、比較用のワックス状オ
ルガノポリシロキサンを得た。このワックス状オルガノ
ポリシロキサンについて測定した第2の昇温過程での吸
熱曲線から求めた吸熱最大ピーク温度(Tm)、当該吸
熱曲線とそのベースラインとにより区画される全ての面
積に対する(Tm−20)℃以下の部分の面積の比率、
および針入度(50℃)を下記表2に示す。
【0088】<比較例2>精製処理されていない長鎖ア
ルコール「ユニリン550」55.4gを使用したこと
以外は実施例2と同様にして、比較用のワックス状オル
ガノポリシロキサンを得た。このワックス状オルガノポ
リシロキサンについて測定した第2の昇温過程での吸熱
曲線から求めた吸熱最大ピーク温度(Tm)、当該吸熱
曲線とそのベースラインとにより区画される全ての面積
に対する(Tm−20)℃以下の部分の面積の比率、お
よび針入度(50℃)を下記表2に示す。
【0089】<比較例3>精製処理されていない長鎖カ
ルボン酸(高級脂肪酸)「ユニシッド350」45.4
gを使用したこと以外は実施例3と同様にして、比較用
のワックス状オルガノポリシロキサンを得た。このワッ
クス状オルガノポリシロキサンについて測定した第2の
昇温過程での吸熱曲線から求めた吸熱最大ピーク温度
(Tm)、当該吸熱曲線とそのベースラインとにより区
画される全ての面積に対する(Tm−20)℃以下の部
分の面積の比率、および針入度(50℃)を下記表2に
示す。
【0090】<比較例4>精製処理されていない長鎖カ
ルボン酸(高級脂肪酸)「ユニシッド350」55.0
gを使用したこと以外は実施例4と同様にして、比較用
のワックス状オルガノポリシロキサンを得た。このワッ
クス状オルガノポリシロキサンについて測定した第2の
昇温過程での吸熱曲線から求めた吸熱最大ピーク温度
(Tm)、当該吸熱曲線とそのベースラインとにより区
画される全ての面積に対する(Tm−20)℃以下の部
分の面積の比率、当該吸熱曲線とそのベースラインとに
より区画される全ての面積に対する(Tm−30)℃以
下の部分の面積の比率、および針入度(50℃)を下記
表2に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【発明の効果】本発明のワックス状オルガノポリシロキ
サンは、従来公知の変性オルガノポリシロキサンよりも
分子量分布が単分散でシャープな融解特性を有する。本
発明のワックス状オルガノポリシロキサンは、保存安定
性などを損なう低融点成分の割合がきわめて小さい。本
発明のワックス状オルガノポリシロキサンによれば、表
面保護効果(高い硬度)および表面特性(艶・滑り・離
型性など)に優れた被覆層を形成することができる。本
発明の製造方法によれば、従来公知の変性オルガノポリ
シロキサンでは達成することのできないシャープな融解
特性を有するワックス状オルガノポリシロキサンを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】調製例2で得られたヒドロメチルポリシロキサ
ンについて測定したGPCチャートである。
【図2】調製例2で得られたヒドロメチルポリシロキサ
ンについて測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図3】精製処理された長鎖アルコールについて測定し
た吸熱曲線(DSCチャート)である。
【図4】精製処理していない長鎖アルコールについて測
定した吸熱曲線(DSCチャート)である。
【図5】実施例2で得られたワックス状オルガノポリシ
ロキサンについて測定した吸熱曲線図(DSCチャー
ト)である。
【図6】実施例2で得られたワックス状オルガノポリシ
ロキサンについて測定した赤外線吸収スペクトルであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J035 BA02 CA01M CA022 CA05U CA051 CA062 CA10M CA10U CA101 CA18M CA181 CA19U CA191 FB02 LB20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される変性オルガ
    ノポリシロキサンであって、 示差走査熱量計により測定される第2の昇温過程での吸
    熱曲線において、吸熱最大ピーク温度(Tm)が30℃
    以上であり、かつ、当該吸熱曲線とそのベースラインと
    により区画される全ての面積に対する、(Tm−20)
    ℃以下の部分の面積の比率が10%以下であることを特
    徴とするワックス状オルガノポリシロキサン。 【化1】 〔式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して、 (a)式:Ra −Z−(Y)m −(式中、Ra は、炭素
    数15〜299の長鎖アルキル基を示し、−Z−は、−
    OCO−、−COO−もしくは−CONH−を示し、Y
    は、炭素数2〜15のアルキレン基もしくはヘテロ原子
    を含む炭素数2〜15の2価の有機基を示す。mは0も
    しくは1である。)で示される炭素数16〜300の
    基; (b)水素原子、炭素数2〜8のアルキル基、炭素数6
    〜10のアリール基、炭素数7〜14のアラルキル基、
    炭素数1〜8のアルコキシ基、またはヘテロ原子を含む
    炭素数2〜15の有機基;あるいは (c)メチル基を示し、 nは平均で3〜300の整数を示す。但し、R1 で示さ
    れる基のうち、前記(a)の基の個数割合が2〜80
    %、前記(b)の基の個数割合が0〜50%、前記
    (c)メチル基の個数割合が20〜98%であり、 このワックス状オルガノポリシロキサン中の、前記
    (a)の基の質量割合と、前記(b)の基の質量割合と
    の合計が75%以下である。〕
  2. 【請求項2】 反応性官能基を有するオルガノポリシロ
    キサンと、式:Ra−z1 〔式中、Ra は、炭素数15
    〜299の長鎖アルキル基を示し、z1 は、前記オルガ
    ノポリシロキサンの有する反応性官能基と反応して結合
    基(−Z−)を形成する置換基を示す。〕で表される化
    合物とを反応させることにより得られ、 前記式:Ra −z1 で表される化合物について示差走査
    熱量計により測定される第2の昇温過程での吸熱曲線に
    おいて、吸熱最大ピーク温度(Tm)が30℃以上であ
    り、かつ、当該吸熱曲線とそのベースラインとにより区
    画される全ての面積に対する、(Tm−20)℃以下の
    部分の面積の比率が10%以下であることを特徴とする
    請求項1に記載のワックス状オルガノポリシロキサン。
  3. 【請求項3】 前記式:Ra −z1 で表される化合物が
    精製処理を施されたものであることを特徴とする請求項
    2に記載のワックス状オルガノポリシロキサン。
  4. 【請求項4】 R3 OCO(CH2 q −(式中、R3
    は、炭素数1〜4のアルキル基であり、qは2〜15の
    整数である。)で示される基を有するオルガノポリシロ
    キサンと、精製処理が施された長鎖アルコールとを反応
    させることにより得られることを特徴とする請求項2に
    記載のワックス状オルガノポリシロキサン。
  5. 【請求項5】 ヒドロキシアルキル基を有するオルガノ
    ポリシロキサンと、精製処理が施された長鎖カルボン酸
    とを反応させることにより得られることを特徴とする請
    求項2に記載のワックス状オルガノポリシロキサン。
  6. 【請求項6】 アミノアルキル基を有するオルガノポリ
    シロキサンと、精製処理が施された長鎖カルボン酸とを
    反応させることにより得られることを特徴とする請求項
    2に記載のワックス状オルガノポリシロキサン。
  7. 【請求項7】 アミノアルキルアミノアルキル基を有す
    るオルガノポリシロキサンと、精製処理が施された長鎖
    カルボン酸とを反応させることにより得られることを特
    徴とする請求項2に記載のワックス状オルガノポリシロ
    キサン。
  8. 【請求項8】 JIS K2235に準じて測定される
    針入度(50℃)が2以下であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項7の何れかに記載のワックス状オルガノ
    ポリシロキサン。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    ワックス状オルガノポリシロキサンを製造する方法であ
    って、 前記式:Ra −z1 で表される化合物を精製処理するこ
    とにより、当該化合物に請求項2に記載の吸熱特性を付
    与し、 精製処理された当該化合物と、反応性官能基を有するオ
    ルガノポリシロキサンとを反応させる工程を含むことを
    特徴とするワックス状オルガノポリシロキサンの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項4に記載のワックス状オルガノ
    ポリシロキサンを製造する方法であって、 長鎖アルコールを精製処理することにより、当該長鎖ア
    ルコールに請求項2に記載の吸熱特性を付与し、 精製処理された当該長鎖アルコールと、R3 OCO(C
    2 q −で示される基を有するオルガノポリシロキサ
    ンとを反応させる工程を含むことを特徴とするワックス
    状オルガノポリシロキサンの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載のワックス状オルガノ
    ポリシロキサンを製造する方法であって、 長鎖カルボン酸を精製処理することにより、当該長鎖カ
    ルボン酸に請求項2に記載の吸熱特性を付与し、 精製処理された当該長鎖カルボン酸と、アミノアルキル
    アミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサンとを
    反応させる工程を含むことを特徴とするワックス状オル
    ガノポリシロキサンの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006063117A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Dow Corning Toray Co Ltd ワックス状オルガノポリシロキサン
JP2013095835A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Dow Corning Toray Co Ltd 長鎖アミド変性シリコーン・アミノ変性シリコーン共重合体及びその用途

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JP2006063117A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Dow Corning Toray Co Ltd ワックス状オルガノポリシロキサン
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