JP2003313212A - 防湿性紙用共重合体ラテックス、防湿性紙用塗被組成物及び防湿性塗被紙 - Google Patents

防湿性紙用共重合体ラテックス、防湿性紙用塗被組成物及び防湿性塗被紙

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JP2003313212A
JP2003313212A JP2002118922A JP2002118922A JP2003313212A JP 2003313212 A JP2003313212 A JP 2003313212A JP 2002118922 A JP2002118922 A JP 2002118922A JP 2002118922 A JP2002118922 A JP 2002118922A JP 2003313212 A JP2003313212 A JP 2003313212A
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weight
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moisture
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ethylenically unsaturated
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JP2002118922A
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English (en)
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Yutaka Izawa
裕 井澤
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商品を包装した際に折り曲げ部が生じても、
防湿性の低下が極めて少ない、防湿性に優れた防湿性塗
被紙を与え得る防湿性紙用共重合体ラテックス、それを
含む防湿性紙用塗被組成物及び該防湿性紙用塗被組成物
を塗工してなる防湿性塗被紙を提供すること。 【解決手段】 特定組成の単量体混合物を重合して得ら
れる共重合体ラテックスであって、エチレン性不飽和酸
単量体1〜20重量%を含む単量体混合物(A)45〜
90重量部を重合して得られる共重合体ラテックス
(a)の存在下に、エチレン性不飽和酸単量体36〜6
0重量%を含む単量体混合物(B)10〜55重量部
(但し、(A)と(B)の合計量は100重量部であ
る。)を共重合して得られることを特徴とする防湿性紙
用共重合体ラテックス、これを含む防湿性紙用塗被組成
物及び該防湿性紙用塗被組成物を塗工してなる防湿性塗
被紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿性紙用共重合
体ラテックス、防湿性紙用塗被組成物及び防湿性塗被紙
に関し、さらに詳しくは、商品を包装した際に折り曲げ
部が生じても、防湿性の低下が極めて少ない、防湿性に
優れた防湿性塗被紙を与え得る防湿性紙用共重合体ラテ
ックス、それを含む防湿性紙用塗被組成物及び該防湿性
紙用塗被組成物を塗工してなる防湿性塗被紙に関する。
【0002】
【従来の技術】新聞原紙やコピー用紙等は、外部の湿気
を吸収し易く、これにより製品の品質が低下する。これ
を防止する為に、包装用紙として防湿性紙が用いられ
る。防湿性紙として、原紙にポリエチレンなどの薄い熱
可塑性樹脂フィルムをラミネートしたラミネートタイプ
の防湿性紙を用いると、防湿性に優れるものの、古紙と
して回収し、離解して再利用することができず、焼却処
理せざるを得ない問題がある。そこで、古紙として回収
し、離解して再利用可能な防湿性紙が求められている。
【0003】古紙として回収し、離解して再利用可能な
防湿性紙を得るために、ガラス転移温度40〜90℃の
コア部およびガラス転移温度−40〜+20℃のシェル
部からなるコアシェル構造の共重合体ラテックスに水溶
性無機塩からなる離解性向上剤および軟化点100℃以
下の樹脂からなる防湿性向上剤を配合してなる防湿性紙
用塗被組成物が提案されている(特開平11−2935
90号公報)。このような塗被組成物を塗工してなる防
湿性紙は、比較的離解しやすく、平面部の防湿性は比較
的良好であるが、鋭角な形状を有する商品を包装した場
合、防湿性紙に折り曲げ部が生じ、場合によっては、鋭
角な折り曲げ部で微細割れが発生して、防湿性が著しく
低下する問題がある。
【0004】また、特開2001−64444号公報に
は、ガラス転移温度が0℃未満である特定組成の重合体
ラテックスの存在下に、エチレン性不飽和酸単量体5〜
35重量%を含む単量体混合物であって、これを重合し
て得られる重合体のガラス転移温度が−10℃以上、5
0℃未満である単量体混合物を重合して得られる防湿性
紙用共重合体ラテックスが開示されている。このような
共重合体ラテックスを用いることで、防湿性と易離解性
のバランスに優れる防湿性塗被紙が得られるものの、折
り曲げ部が生じると、防湿性が低下する場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、商品を包装
した際に折り曲げ部が生じても、防湿性の低下が極めて
少ない、防湿性に優れた防湿性塗被紙を与え得る防湿性
紙用共重合体ラテックス、それを含む防湿性紙用塗被組
成物及び該防湿性紙用塗被組成物を塗工してなる防湿性
塗被紙を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上記目的を達成するために鋭意検討を行い、特定組成の
脂肪族共役ジエン単量体、芳香族ビニル単量体、エチレ
ン性不飽和酸単量体及びこれらと共重合可能な他のエチ
レン性不飽和単量体よりなる単量体混合物を重合するに
際し、比較的少ない量のエチレン性不飽和酸単量体を含
む単量体混合物を重合して得られる共重合体ラテックス
の存在下に、比較的多い量のエチレン性不飽和酸単量体
を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体ラテッ
クスを用いることで、上記目的が達成できることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】かくして、本発明によれば、脂肪族共役ジ
エン単量体25〜70重量%、芳香族ビニル単量体5〜
45重量%、エチレン性不飽和酸単量体5〜28重量
%、及びこれらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単
量体0〜45重量%よりなる単量体混合物を重合して得
られる共重合体ラテックスであって、脂肪族共役ジエン
単量体25〜70重量%、芳香族ビニル単量体20〜6
0重量%、エチレン性不飽和酸単量体1〜20重量%及
びこれらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体0
〜45重量%よりなる単量体混合物(A)45〜90重
量部を重合して得られる共重合体ラテックス(a)の存
在下に、脂肪族共役ジエン単量体18〜63重量%、芳
香族ビニル単量体1〜46重量%、エチレン性不飽和酸
単量体36〜60重量%及びこれらと共重合可能な他の
エチレン性不飽和単量体0〜45重量%よりなる単量体
混合物(B)10〜55重量部(但し、(A)と(B)
の合計量は100重量部である。)を共重合して得られ
ることを特徴とする防湿性紙用共重合体ラテックスが提
供される
【0008】また、本発明によれば該共重合体ラテック
スと、顔料及び/又はワックスエマルジョンとを含む防
湿性紙用塗被組成物が提供される。さらに、本発明によ
れば、該塗被組成物を塗工してなる防湿性塗被紙が提供
される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の防湿性紙用共重合体ラテックスは、脂肪
族共役ジエン単量体25〜70重量%、芳香族ビニル単
量体5〜45重量%、エチレン性不飽和酸単量体5〜2
8重量%、及びこれらと共重合可能な他のエチレン性不
飽和単量体0〜45重量%よりなる単量体混合物を重合
して得られる共重合体ラテックスであって、脂肪族共役
ジエン単量体25〜70重量%、芳香族ビニル単量体2
0〜60重量%、エチレン性不飽和酸単量体1〜20重
量%及びこれらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単
量体0〜45重量%よりなる単量体混合物(A)45〜
90重量部を重合して得られる共重合体ラテックス
(a)の存在下に、脂肪族共役ジエン単量体18〜63
重量%、芳香族ビニル単量体1〜46重量%、エチレン
性不飽和酸単量体36〜60重量%及びこれらと共重合
可能な他のエチレン性不飽和単量体0〜45重量%より
なる単量体混合物(B)10〜55重量部(但し、
(A)と(B)の合計量は100重量部である。)を共
重合して得られる。
【0010】本発明の防湿性紙用共重合体ラテックス
は、脂肪族共役ジエン単量体25〜70重量%、芳香族
ビニル単量体5〜45重量%、エチレン性不飽和酸単量
体5〜28重量%、及びこれらと共重合可能な他のエチ
レン性不飽和単量体0〜45重量%よりなる単量体混合
物を重合して得られる共重合体ラテックスである。
【0011】脂肪族共役ジエン単量体は、特に限定され
ないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及びクロロ
プレン等を挙げることができる。これらは単独で、又は
2種類以上を組み合わせて使用することができる。これ
らの脂肪族共役ジエン系単量体のうち、1,3−ブタジ
エンが好ましい。
【0012】脂肪族共役ジエン単量体の使用量は、全単
量体の25〜70重量%、好ましくは30〜65重量
%、さらに好ましくは35〜60重量%である。この使
用量が少ないと、得られる共重合体ラテックスが成膜し
にくくなるため防湿性が低下し、逆に多いと、共重合体
の塗膜が柔軟になり、更に接着強度が強くなりすぎて、
塗被紙の離解性が低下する。
【0013】芳香族ビニル単量体は、特に限定されない
が、例えば、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、クロロスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等を挙
げることができる。これらは単独で、又は2種類以上を
組み合わせて使用することができる。これらの芳香族ビ
ニル系単量体のうち、スチレンが好適である。
【0014】芳香族ビニル単量体の使用量は、全単量体
の5〜45重量%、好ましくは10〜40重量%、さら
に好ましくは15〜35重量%である。この使用量が少
ないと、共重合体の塗膜が柔軟になり更に接着強度が強
く成り過ぎて、塗被紙の離解性が低下し、逆に多いと、
共重合体の塗膜が硬化して脆くなり、僅かな力でひび割
れを起こしやすくなり、折り曲げ部の防湿性が低下す
る。
【0015】エチレン性不飽和酸単量体は、カルボキシ
ル基、スルホン酸基、リン酸基(ホスホン酸基)等の酸
基を有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定さ
れず、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、エ
チレン性不飽和スルホン酸単量体及びエチレン性不飽和
リン酸単量体等が挙げられる。
【0016】エチレン性不飽和カルボン酸単量体として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸な
どの不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イ
タコン酸、ブテントリカルボン酸などの不飽和多価カル
ボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル
などのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル
化物などが挙げられる。
【0017】エチレン性不飽和スルホン酸単量体として
は、例えば、ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、
(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、2−アク
リルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等が挙
げられる。エチレン性不飽和リン酸単量体としては、例
えば、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−リン酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸−2−リン酸エチル、3−
アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンリン酸等が挙げら
れる。
【0018】これらのエチレン性不飽和酸単量体はアル
カリ金属塩又はアンモニウム塩として用いることもでき
る。これらのエチレン性不飽和酸単量体は、単独で、又
は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】これらエチレン性不飽和酸単量体の中で
も、エチレン性不飽和カルボン酸が好ましく、エチレン
性不飽和モノカルボン酸が更に好ましい。エチレン性不
飽和モノカルボン酸の中ではメタクリル酸が特に好まし
い。
【0020】エチレン性不飽和酸単量体の使用量は、全
単量体の5〜28重量%、好ましくは10〜26重量
%、さらに好ましくは15〜24重量%である。この使
用量が少ないと、共重合体ラテックスのコロイド安定性
が低下し、また緻密な塗膜を形成できないため、塗被紙
の防湿性が低下し、逆に多いと、共重合体の塗膜が硬化
して僅かな力でひび割れを起こしやすくなり、折り曲げ
部の防湿性が低下する。
【0021】また、本発明の防湿性紙用共重合体ラテッ
クスの製造には、必要に応じて、上記の単量体と共重合
可能な他のエチレン性不飽和単量体を用いてもよい。
【0022】共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体
としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量
体;(メタ)アクリルアミド単量体;エチレン性不飽和
ニトリル単量体;架橋性単量体;等が挙げられる。
【0023】(メタ)アクリル酸エステル単量体として
は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メ
タ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、マレイン酸ジ
ブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、(メ
タ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エ
トキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエ
チル、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アク
リル酸2−シアノエチル、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。
【0024】(メタ)アクリルアミド単量体としては、
例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)ア
クリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド等が挙げられる。
【0025】エチレン性不飽和ニトリル単量体として
は、例えば、(メタ)アクリロニトリル、フマロニトリ
ル、α−クロロアクリロニトリル、α−シアノエチルア
クリロニトリル等が挙げられる。これら共重合可能な他
のエチレン性不飽和単量体は二種類以上を併用してもよ
い。
【0026】架橋性単量体としては、例えば、ジビニル
ベンゼン等のジビニル化合物;ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のポリ
(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0027】共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体
の使用量は、単量体混合物の0〜45重量%、好ましく
は0〜40重量%、さらに好ましくは0〜35重量%で
ある。45重量%より多くなると、透湿性と離解性との
バランスが悪化する他、折り曲げ部の防湿性が低下す
る。
【0028】防湿性紙用共重合体ラテックスを製造する
際の単量体混合物は、1,3−ブタジエン、スチレンお
よびメタクリル酸からなるものであることが特に好まし
く、その組成はそれぞれ、34〜65重量%、25〜4
0重量%および10〜26重量%の範囲であることが好
ましく、41〜60重量%、25〜35重量%および1
5〜24重量%の範囲であることがより好ましい。
【0029】本発明の防湿性紙用共重合体ラテックス
は、上記の単量体混合物を重合して得られる重合体ラテ
ックスであり、脂肪族共役ジエン単量体25〜70重量
%、芳香族ビニル単量体20〜60重量%、エチレン性
不飽和酸単量体1〜20重量%及びこれらと共重合可能
な他のエチレン性不飽和単量体0〜45重量%よりなる
単量体混合物(A)45〜90重量部を重合(以下、
「第1段階重合」ともいう。)して得られる共重合体ラ
テックス(a)の存在下に、脂肪族共役ジエン単量体1
8〜63重量%、芳香族ビニル単量体1〜46重量%、
エチレン性不飽和酸単量体36〜60重量%及びこれら
と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体0〜45重
量%よりなる単量体混合物(B)10〜55重量部(但
し、(A)と(B)の合計量は100重量部である。)
を共重合(以下、「第2段階重合」ともいう。)して得
られる。
【0030】単量体としては、それぞれ、前記したもの
が使用できる。
【0031】共重合体ラテックス(a)は、脂肪族共役
ジエン単量体25〜70重量%、芳香族ビニル単量体2
0〜60重量%、エチレン性不飽和酸単量体1〜20重
量%及びこれらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単
量体0〜45重量%よりなる単量体混合物(A)45〜
90重量部を重合して得られるものである。
【0032】第1段階重合に用いる脂肪族共役ジエン単
量体の使用量は、単量体混合物(A)全量の25〜70
重量%、好ましくは30〜65重量%、より好ましくは
35〜60重量%である。この使用量が少ないと、塗膜
が硬くなるため、防湿性紙の折り曲げ部の防湿性が低下
し、逆に多いと接着強度が強くなりすぎて、塗被紙の離
解性が低下する。
【0033】第1段階重合に用いる芳香族ビニル単量体
の使用量は、単量体混合物(A)全量の20〜60重量
%、好ましくは25〜55重量%、より好ましくは30
〜50重量%である。この使用量が少ないと、接着強度
が強くなりすぎて、塗被紙の離解性が低下し、逆に多い
と塗膜が硬くなるため、防湿性紙の折り曲げ部の防湿性
が低下する。
【0034】第1段階重合に用いるエチレン性不飽和酸
単量体の使用量は、単量体混合物(A)全量の1〜20
重量%、好ましくは3〜18重量%、より好ましくは5
〜15重量%である。この使用量が少ないと、接着強度
が強くなりすぎて、塗被紙の離解性が低下し、逆に多い
と塗膜が硬くなるため、防湿性紙の折り曲げ部の防湿性
が低下する。
【0035】第1段階重合に用いる、脂肪族共役ジエン
単量体、芳香族ビニル単量体及びエチレン性不飽和酸単
量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体の使用
量は、単量体混合物(A)全量の0〜45重量%、好ま
しくは0〜40重量%、より好ましくは0〜30重量%
である。この使用量が多いと、塗膜が硬くなり、僅かな
力でひび割れを起こし易くなるため、防湿性紙の折り曲
げ部の防湿性が低下する。
【0036】本発明の防湿紙用共重合体ラテックスは、
上記の単量体混合物(A)を重合して得られる共重合体
ラテックス(a)の存在下に、脂肪族共役ジエン単量体
18〜63重量%、芳香族ビニル単量体1〜46重量
%、エチレン性不飽和酸単量体36〜60重量%及びこ
れらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体0〜4
5重量%よりなる単量体混合物(B)10〜55重量部
(但し、(A)と(B)の合計量は100重量部であ
る。)を共重合して得られる。
【0037】第2段階重合に用いる脂肪族共役ジエン単
量体の使用量は、単量体混合物(B)全量の25〜63
重量%、好ましくは30〜60重量%、より好ましくは
32〜58重量%である。この使用量が少ないと、塗膜
が硬くなるため、防湿性紙の折り曲げ部の防湿性が低下
し、逆に多いと接着強度が強くなりすぎて、塗被紙の離
解性が低下する。
【0038】第2段階重合に用いる芳香族ビニル単量体
の使用量は、単量体混合物(B)全量の1〜46重量
%、好ましくは2〜32重量%、より好ましくは2〜2
0重量%である。この使用量が少ないと、接着強度が強
くなりすぎて、塗被紙の離解性が低下し、逆に多いと塗
膜が硬くなるため、防湿性紙の折り曲げ部の防湿性が低
下する。
【0039】第2段階重合に用いるエチレン性不飽和酸
単量体の使用量は、単量体混合物(B)全量の36〜6
0重量%、好ましくは38〜55重量%、より好ましく
は40〜50重量%である。この使用量が少ないと、接
着強度が強くなりすぎて、塗被紙の離解性が低下し、逆
に多いと塗膜が硬くなるため、防湿性紙の折り曲げ部の
防湿性が低下する。
【0040】第2段階重合に用いる、脂肪族共役ジエン
単量体、芳香族ビニル単量体及びエチレン性不飽和酸単
量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体の使用
量は、単量体混合物(A)全量の0〜45重量%、好ま
しくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%
である。この使用量が多いと、塗膜が硬くなり、僅かな
力でひび割れを起こし易くなるため、防湿性紙の折り曲
げ部の防湿性が低下する。
【0041】単量体混合物(A)と単量体混合物(B)
の比率は、重量比で、45/55〜90/10の範囲で
あることが必須であり、この比率が、50/50〜85
/15の範囲であることが好ましく、55/45〜80
/20の範囲であることがより好ましい。単量体混合物
(A)の比率が少ないと、防湿性紙の折り曲げ部の防湿
性が低下し、逆に多いと、重合反応時に凝集物が多量に
発生したり、防湿紙の離解性が低下したり、折り曲げ部
の防湿性が低下する問題が生じる。
【0042】本発明の防湿性紙用重合体ラテックスは、
単量体混合物(A)を重合して得られる比較的少ない量
のエチレン性不飽和酸単量体単位を有する共重合体と、
単量体混合物(B)を重合して得られる比較的多い量の
エチレン性不飽和酸単量体単位を有する共重合体との複
合構造ラテックスであることが好ましく、比較的少ない
エチレン性不飽和酸単量体単位を有する共重合体をコア
とし、それよりも多いエチレン性不飽和酸単量体単位を
有する共重合体をシェルとするコアシェル構造ラテック
スであることがより好ましい。
【0043】本発明の防湿性紙用重合体ラテックスは、
これを構成する重合体のテトラヒドロフラン不溶分(以
下、「THF不溶分」という。)が30重量%以上であ
ることが好ましい。これが低すぎると、塗膜が緻密にな
るので離解性が低下する傾向にある。THF不溶分の好
ましい範囲は、50〜90重量%である。
【0044】本発明の防湿性紙用共重合体ラテックス
は、透過型電子顕微鏡による観察で測定される数平均粒
径が50〜300nmの範囲にあることが好ましく、6
0〜200nmの範囲にあることがより好ましく、70
〜180nmの範囲にあることが特に好ましい。粒径が
小さすぎると共重合体ラテックスの粘度が高く、取扱い
が困難になり、取扱いが可能であっても、塗被用組成物
にした場合、配合安定性が低いために、凝集物を発生し
たり、また、塗被紙を作製する時の乾燥がし難くなる傾
向がある。粒径が大きすぎると、共重合体ラテックスが
充分な防湿性を有した緻密な塗膜を形成できないため、
塗被紙の防湿性が低下する傾向がある。
【0045】本発明において、単量体混合物を重合する
方法としては、乳化重合が好ましく採用できる。乳化重
合としては、前記した単量体混合物(A)と単量体混合
物(B)とを2段階で重合する以外は、公知の方法を採
用すればよい。
【0046】単量体の添加方法としては、例えば、反応
容器に使用する単量体を一括して添加する方法、重合の
進行に従って連続的または断続的に添加する方法、単量
体の一部を添加して特定の転化率まで反応させ、その
後、残りの単量体を連続的または断続的に添加して重合
する方法等が挙げられ、いずれの方法を採用してもよ
い。単量体を混合して連続的または断続的に添加する場
合、混合物の組成は、一定としても、あるいは変化させ
てもよい。また、各単量体は、使用する各種単量体を混
合してから反応容器に添加しても、あるいは別々に反応
容器に添加してもよい。さらに、各単量体は、水および
乳化剤と混合して、単量体乳化物の状態で添加してもよ
い。
【0047】第1段階重合を行なって得られる共重合体
ラテックス(a)の存在下で、第2段階重合を行うに際
して、共重合体ラテックス(a)を製造した後、これを
別の反応容器に移して第2段階重合を行ってもよいが、
第1段階重合に引き続いて同一の反応容器で第2段階重
合を行なってもよい。なかでも、後者の方法が好ましく
採用できる。
【0048】第1段階重合における重合転化率は、単量
体混合物(A)の全単量体に対して、70重量%以上で
あることが好ましく、80重量%以上であることがより
好ましい。この重合転化率が低すぎると、重合安定性に
問題があるほか、防湿性と離解性のバランスに劣る場合
がある。
【0049】第2段階重合における重合転化率は、単量
体混合物(A)と単量体混合物(B)を合わせた全単量
体に対して、90重量%以上であることが好ましく、9
5重量%以上であることがより好ましく、98重量%以
上であることが最も好ましい。この重合転化率が低すぎ
ると、未反応単量体を除去するために、生産性が低下し
たり、防湿性と離解性のバランスに劣る場合がある。
【0050】さらに、第1段階重合にあたり、シード重
合方法を採用すると、共重合体ラテックスの数平均粒子
径の制御がしやすく、より安定に重合反応を行なうこと
ができる点で好ましい。シード重合方法を採用する場
合、シードラテックスの組成は特に限定されず、共重合
体ラテックスの製造に用いる単量体混合物の組成と同じ
であっても、異なってもよい。シードラテックスの数平
均粒子径は、10〜60nm、好ましくは20〜50n
m、より好ましくは25〜40nmの範囲にあることが
好ましい。シードラテックスの使用量は、最終的に得る
共重合体ラテックスの数平均粒子径が所望の値になるよ
うに適宜調整すればよい。
【0051】本発明の防湿性紙用重合体ラテックスの製
造に用いる乳化剤は、特に限定されない。その具体例と
しては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪
族スルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩等の
アニオン系乳化剤;ポリエチレングリコールアルキルエ
ーテル型、ポリエチレングリコールアルキルエステル
型、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル
型等のノニオン系乳化剤;アニオン部分として、カルボ
ン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸塩又は
リン酸エステル塩等を、カチオン部分として、アミン塩
又は第4級アンモニウム塩等を持つ両性界面活性剤等を
挙げることができる。
【0052】乳化剤の使用割合は、単量体混合物100
重量部に対して、通常、0.05〜5重量部、好ましく
は0.05〜2重量部である。第1段階重合及び第2段
階重合においても、それぞれの単量体混合物100重量
部に対して、上記範囲で使用するのが好適である。
【0053】本発明の防湿性紙用重合体ラテックスの製
造に用いる重合開始剤は、特に限定されない。重合開始
剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水
素等の無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチ
ルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イ
ソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビス
イソ酪酸メチル等のアゾ化合物等を挙げることができ
る。なかでも、無機過酸化物が好ましく使用できる。こ
れらの重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種類
以上を組み合わせて使用することができる。また、過酸
化物開始剤は、重亜硫酸ナトリウム等の還元剤と組み合
わせて、レドックス系重合開始剤として使用することも
できる。
【0054】重合開始剤の使用割合は、単量体混合物1
00重量部に対して、通常、0.1〜5重量部であり、
好ましくは0.5〜3重量部である。使用する重合開始
剤の全量を第1段階重合の際に添加しても、一部を第1
段階重合の際に使用し、残部を第2段階重合の際に添加
してもよい。添加方法としては、第1段階重合および第
2段階重合のそれぞれにおいて、一括添加、連続的添
加、分割添加のいずれをも採用することができる。
【0055】本発明の防湿性紙用共重合体ラテックスの
製造に際して、ラテックスの製造に通常使用される、分
子量調整剤、分散剤、キレート剤等の副資材を適宜使用
することができる。これらの種類、使用量とも特に限定
されない。
【0056】分子量調整剤としては、例えば、α−メチ
ルスチレンダイマー;t−ドデシルメルカプタン、n−
ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメル
カプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン
等のハロゲン化炭化水素;テトラエチルチウラムダイサ
ルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイ
ド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の
含硫黄化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独
で、あるいは2種類以上組み合わせて併用することもで
きる。
【0057】重合温度は、特に限定されないが、通常、
5〜95℃、好ましくは50〜90℃である。
【0058】本発明の防湿性紙用重合体ラテックスに
は、通常、ラテックスに添加されるpH調整剤、防臭
剤、防腐剤、香料、分散剤等を添加することができる。
【0059】本発明の防湿性紙用塗被組成物は、前記の
防湿性紙用共重合体ラテックスと、顔料及び/又はワッ
クスエマルジョンとを含有して成る。
【0060】本発明の防湿性紙用塗被組成物に用いる顔
料としては、特に限定されないが、例えば、クレー、炭
酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチ
ンホワイト、シリカ、タルク、雲母、硫酸バリウム等の
無機顔料;プラスチックピグメント、バインダーピグメ
ント等の有機顔料が挙げられる。これらは単独で又は二
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0061】顔料の使用量は、防湿性紙用重合体ラテッ
クスの固形分100重量部に対して、通常、10〜50
0重量部、好ましくは30〜300重量部である。
【0062】本発明の防湿性紙用塗被組成物に用いるワ
ックスエマルジョンとしては、特に限定されないが、例
えば、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、カ
ルナバワックス、ライスワックス、セレシンワックス、
ペトロラクタム、フィシャー・トロプシュワックス、ポ
リエチレンワックス、モンタンワックス及びその誘導
体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、硬
化ひまし油、流動パラフィン、ステアリン酸アミドなど
のエマルジョンが挙げられる。これらの中でもパラフィ
ンワックスのエマルジョンが好ましい。これらのワック
スは2種類以上を混合して用いることもできる。
【0063】ワックスエマルジョンの使用量は、通常、
防湿性紙用重合体ラテックスの固形分100重量部に対
して、固形分として50重量部以下、好ましくは20重
量部以下である。この使用量が多いと、防湿性塗被紙の
離解性が低下する傾向にある。
【0064】本発明の防湿性紙用塗被組成物の固形分濃
度は、特に限定されないが、通常、30〜70重量%、
好ましくは40〜70重量%である。
【0065】本発明の防湿性塗被紙は、前記の防湿性紙
用組成物を原紙上に塗工し、その後、所望ならば、通
常、50℃以上で乾燥することによって得る。
【0066】本発明の防湿性塗被紙に用いる原紙は、特
に限定されず、機械パルプ、化学パルプ、古紙パルプ等
のパルプからなる原紙を用いることができる。また、原
紙の坪量は特に限定されないが、通常、40〜220g
/mのものが使用される。
【0067】本発明の防湿性紙用塗被組成物を塗工する
方法は、特に限定されず、例えば、ブレードコーター、
ロールコーター、ブラシコーター、エアーナイフコータ
ー、カーテンコーター、バーコーター、グラビヤコータ
ー、ショートドウェルコーターなどを用いて行う。
【0068】本発明の防湿性塗被紙の塗工量は、特に限
定されないが、通常、乾燥重量で、片面10〜40g/
、好ましくは15〜35g/mである。塗工量が
少ないと、塗膜が薄くなって水蒸気が通過し易くなり、
十分な防湿効果を得ることができない傾向があり、逆に
多いと、離解性が低下する傾向がある。
【0069】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例中における部及び%は、特に言及
がない限り、重量基準である。
【0070】[共重合体ラテックスの評価方法] (共重合体のTHF不溶分)水平に保たれたガラス板
に、乾燥後のフィルムの厚さが約1mmとなるように、
pH7の共重合体ラテックスを流延し、温度23℃、相
対湿度65%に保たれた恒温恒湿室内で48時間自然乾
燥させる。得られたフィルムを約2mm×約2mmの大
きさに裁断し、その約0.3gを80メッシュ金網で作
製した籠(重量:A)に精秤(重量:B)して入れる。
これを200ミリリットルガラスビーカーに入れ、テト
ラヒドロフラン100ミリリットルを添加して室温で静
置する。48時間後、籠を引き上げて、重量既知のアル
ミ皿(重量:C)に載せて、ドラフトチャンバー内で4
時間放置する。この後、アルミ皿ごと105℃の乾燥器
内で3時間乾燥させ、アルミ皿ごと乾燥重量(重量:D
g)を測定する。THF不溶分は次式により計算する。 THF不溶分(%)=(D−C−A)×100/B
【0071】(共重合体ラテックスの数平均粒子径)得
られた共重合体ラテックスを、透過型電子顕微鏡(日立
製作所製:H7500)を使用して、ラテックス粒子の
200個の粒径を測定し、その数平均値を求めた。
【0072】[防湿性紙の評価方法] (平版部の防湿性)透湿度水蒸気透過度試験法(JIS
Z 0208:カップ法 B法)に準拠して、防湿性紙
の透湿度を測定した。透湿度が低いほど、防湿性に優れ
る。 (折り曲げ部の防湿性)8cm四方の正方形の防湿紙
を、塗工面が内側になるように、縦方向に等間隔になる
ように、3本の折り目を入れ、次いで、横方向に等間隔
になるように、3本の折り目を入れ、これを試験片とし
て用い、透湿度水蒸気透過度試験法(JIS Z 020
8:カップ法 B法)に準拠して、透湿度を測定した。
なお、上記の各折り目は、防湿紙を折り曲げた後、線圧
981N/cmのカレンダーロールに2回通した。透湿
度が低いほど、防湿性に優れる。
【0073】(実施例1)攪拌機付きの耐圧容器に、単
量体混合物100部あたり、イオン交換水58部、ラウ
リル硫酸ナトリウム0.2部、表1に示す第1段階の単
量体混合物及び分子量調整剤を仕込み、攪拌して、第1
段階の単量体混合物の乳化物を得た。別の攪拌機付きの
耐圧容器に、単量体混合物100部あたり、イオン交換
水58部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2部、表1に示
す第2段階の単量体混合物及び分子量調整剤を仕込み、
攪拌して、第2段階の単量体混合物の乳化物を得た。
【0074】攪拌機付きの耐圧重合容器に、イオン交換
水50部、過硫酸カリウム1部、ラウリル硫酸ナトリウ
ム0.1部、数平均粒径が28nmのシードラテックス
2.5部(固形分換算)を仕込み、攪拌しながら、80
℃に昇温した後、上記第1段階の単量体混合物の乳化物
を150分間にわたり連続的に重合容器に添加した。引
き続き、上記第2段階の単量体混合物の乳化物を100
分間にわたり連続的に重合容器に添加し、添加終了後、
85℃に昇温し、さらに4時間反応を継続した後、反応
停止剤を添加して重合を終了した。
【0075】得られた共重合体ラテックスから未反応単
量体を除去した後、ラテックスのpH及び固形分濃度を
調整して、固形分濃度が50%、pHが7の共重合体ラ
テックスAを得た。共重合体ラテックスAの特性を表1
に示す。
【0076】次に、ホモミキサーを用いて、共重合体ラ
テックスA固形分100部、雲母(マイカA21:山口
雲母工業所製)100部、分散剤(アロンT−40:東
亜合成化学製)1部、アンモニア0.4部および適量の
水を混合し、固形分濃度52%の塗被組成物を得た。こ
の塗被組成物を、坪量80g/mのクラフト紙の片面
に、ワイヤーバーを用いて乾燥重量が25g/mとな
るように塗工した。塗工後、110℃の熱風式乾燥機内
で1分間乾燥し、温度23℃、相対湿度65%の恒温恒
湿室内で一夜放置した。この塗被紙の透湿度の評価結果
を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】(実施例2〜4)第1段階および第2段階
の仕込み組成、第1段階と第2段階の単量体混合物の比
率、第1段階と第2段階の単量体混合物の連続添加時間
を表1に示すように変更し、共重合体ラテックスの数平
均粒径が表1に示す数値になるように、シードラテック
スの使用量を調整した以外は、実施例1と同様に行な
い、共重合体ラックスB〜Dを得た。結果を表1に示
す。共重合体ラテックスAに代えて共重合体ラテックス
B〜Dを用い、表1に示す処方で防湿性紙を製造する以
外は、実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
なお、炭酸カルシウムとしては、白石カルシウム(株)
製のホワイトンBを、ワックスエマルジョンとしては、
中京油脂製のセロゾールK−420を用いた。
【0079】(比較例1〜3)第1段階および第2段階
の仕込み組成、第1段階と第2段階の単量体混合物の比
率、第1段階と第2段階の単量体混合物の連続添加時間
を表1に示すように変更し、共重合体ラテックスの数平
均粒径が表1に示す数値になるように、シードラテック
スの使用量を調整した以外は、実施例1と同様に行な
い、共重合体ラックスE〜Gを得た。結果を表1に示
す。共重合体ラテックスAに代えて共重合体ラテックス
E〜Gを用いて、防湿性紙を製造した以外は、実施例1
と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0080】表1から次のようなことがわかる。2段階
で重合しているものの、第1段階の単量体混合物の比率
が本発明で規定する範囲より少ない比較例1の共重合体
ラテックスEを用いると、平版部の防湿性は良好である
が、折り曲げ部の防湿性の低下が大きい。2段階で重合
しているものの、第2段階の単量体混合物におけるエチ
レン性不飽和酸単量体の比率が本発明で規定する範囲よ
り少ない比較例2の共重合体ラテックスFを用いると、
平版部の防湿性は良好であるが、折り曲げ部の防湿性の
低下が大きい。2段階で重合しているものの、全単量体
におけるエチレン性不飽和酸単量体の比率が本発明で規
定する範囲より多い比較例3の共重合体ラテックスGを
用いると、平版部の防湿性は良好であるが、折り曲げ部
の防湿性の低下が大きい。
【0081】これらの比較例に比べ、本発明の範囲内に
ある共重合体ラテックスA〜Dを用いた実施例1〜4の
防湿性紙は、平版部の防湿性に優れ、折り曲げ部の防湿
性の低下が極めて少ない。なお、いずれも防湿性紙の離
解性に優れていた。
【0082】
【効果】本発明によれば、商品を包装した際に折り曲げ
部が生じても、防湿性の低下が極めて少ない、防湿性に
優れた防湿性塗被紙を与え得る防湿性紙用共重合体ラテ
ックス、それを含む防湿性紙用塗被組成物及び該防湿性
紙用塗被組成物を塗工してなる防湿性塗被紙が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 19/20 D21H 19/20 A 19/22 19/22 19/58 19/58 Fターム(参考) 4J002 BN141 DE027 DE136 DE146 DE236 DG046 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 FD096 GK04 4J011 PA65 PA76 PB08 PC02 PC06 PC07 4J026 AA17 AA67 AA68 AA69 AA71 AC11 AC15 AC32 BA05 BA46 BA47 BA49 BB04 DA03 DA04 DB03 DB04 FA04 GA02 GA08 4L055 AG51 AG63 AG71 AG76 AG89 AG97 AH23 AH37 BE08 EA16 EA32 EA33 FA23 FA30 GA47

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族共役ジエン単量体25〜70重量
    %、芳香族ビニル単量体5〜45重量%、エチレン性不
    飽和酸単量体5〜28重量%、及びこれらと共重合可能
    な他のエチレン性不飽和単量体0〜45重量%よりなる
    単量体混合物を重合して得られる共重合体ラテックスで
    あって、脂肪族共役ジエン単量体25〜70重量%、芳
    香族ビニル単量体20〜60重量%、エチレン性不飽和
    酸単量体1〜20重量%及びこれらと共重合可能な他の
    エチレン性不飽和単量体0〜45重量%よりなる単量体
    混合物(A)45〜90重量部を重合して得られる共重
    合体ラテックス(a)の存在下に、脂肪族共役ジエン単
    量体18〜63重量%、芳香族ビニル単量体1〜46重
    量%、エチレン性不飽和酸単量体36〜60重量%及び
    これらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体0〜
    45重量%よりなる単量体混合物(B)10〜55重量
    部(但し、(A)と(B)の合計量は100重量部であ
    る。)を共重合して得られることを特徴とする防湿性紙
    用共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】 共重合体のテトラヒドロフラン不溶分が
    30重量%以上であり、共重合体の粒径が50〜300
    nmである請求項1に記載の防湿性紙用共重合体ラテッ
    クス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の防湿性紙用共重
    合体ラテックスと、顔料及び/又はワックスエマルジョ
    ンとを含有する防湿性紙用塗被組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の防湿性紙用塗被組成物
    を塗工してなる防湿性塗被紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008106276A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Lg Chem Ltd 高膨潤性/収縮性多層構造の紙コーティング用ラテックス、これの製造方法、及びこれを含む紙コーティング液

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008106276A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Lg Chem Ltd 高膨潤性/収縮性多層構造の紙コーティング用ラテックス、これの製造方法、及びこれを含む紙コーティング液
JP4703625B2 (ja) * 2006-10-24 2011-06-15 エルジー・ケム・リミテッド 高膨潤性/収縮性多層構造の紙コーティング用ラテックス、これの製造方法、及びこれを含む紙コーティング液

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