JP2003312727A - 電子部品キャリアテープ用カバーフィルム - Google Patents

電子部品キャリアテープ用カバーフィルム

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JP2003312727A
JP2003312727A JP2002122287A JP2002122287A JP2003312727A JP 2003312727 A JP2003312727 A JP 2003312727A JP 2002122287 A JP2002122287 A JP 2002122287A JP 2002122287 A JP2002122287 A JP 2002122287A JP 2003312727 A JP2003312727 A JP 2003312727A
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ethylene
polymer
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cover film
component carrier
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JP2002122287A
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Tokinori Imayama
時憲 今山
Hiroshi Kasahara
洋 笠原
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Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンカーコート剤等の接着剤を用いることな
く、カバーフィルムを構成する各層間の接着性が優れ、
帯電防止性および透明性を有し、薄肉化が可能で、かつ
製造も容易な電子部品キャリアーテープ用カバーフィル
ムを提供する。 【解決手段】 透明導電性膜12が形成された基材から
なる基材層(I)13と、シングルサイト系触媒の存在下
に製造された密度が0.86〜0.97g/cm3 、メルトフロー
レートが0.1〜200g/10分であるエチレン(共)重合体
(A)および他のポリオレフィン系樹脂(B)を含有するポリ
オレフィン系樹脂組成物(IIa)、またはポリオレフィン
系樹脂および分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基
を含む分子量3000以下のエポキシ化合物(C)を含有する
ポリオレフィン系樹脂組成物(IIb)からなる組成物層(I
I)14とを有する電子部品キャリアテープ用カバーフィ
ルム10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品等を収納
したキャリアテープにおいて、その蓋材として用いられ
る電子部品キャリアーテープ用カバーフィルムに関し、
詳しくは、アンカーコート剤等の接着剤を用いることな
く、カバーフィルムを構成する各層間の接着性が優れ、
帯電防止性および透明性を有し、薄肉化が可能で、かつ
製造も容易な電子部品キャリアーテープ用カバーフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化に伴い、使用される電
子部品についても小型高性能化が進んでいる。このよう
な電子機器の組立工程においては、プリント基板上に電
子部品を自動的に実装することが行われている。このよ
うな自動実装に供される電子部品は、電子部品が自動的
に順次供給されるように、テーピング包装されている。
【0003】このようなテーピング包装としては、例え
ば、図6に示すような、電子部品キャリアーテープが使
用されている。この電子部品キャリアーテープ20は、
一定間隔で電子部品30を収納するくぼみ21が形成さ
れたキャリアテープ本体22と、該キャリアテープ本体
22の上面に、両端が長さ方向にヒートシールされたカ
バーフィルム23とから構成されるものである。
【0004】このカバーフィルム23としては、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)等の二軸延伸フィルム
からなる基材層24と、該基材層24にアンカーコート
剤からなるアンカーコート層25を介して接着された、
オレフィン系樹脂からなる中間層26と、該中間層26
に接し、スチレン系樹脂からなるヒートシール層27と
からなるものが、一般的に用いられている。
【0005】このようなカバーフィルム23およびキャ
リアテープ本体22とからなる電子部品キャリアテープ
20に収納された電子部品30は、カバーフィルム23
を自動剥離装置により剥離した後、自動取出機によりキ
ャリアテープ本体22のくぼみ21から取り出され、プ
リント基板等に実装される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このカバーフィルム2
3において、基材層24に使用されるPET等の二軸延
伸フィルムと、中間層26に使用されるオレフィン系樹
脂とは接着性に乏しいため、これらはアンカーコート剤
を介して積層する必要がある。しかしながら、このアン
カーコート剤には溶剤が含まれているため、カバーフィ
ルム23の製造の際には、揮発した溶剤によって作業環
境が悪化するという問題があった。また、溶剤を取り扱
うため、火災予防に細心の注意を払う必要があった。ま
た、換気設備を整える必要があり、このような設備に対
する負担によって製造コストが高くなるという問題があ
った。
【0007】また、電子部品キャリアーテープ20は、
電子部品の包装材として使われることから、カバーフィ
ルム23には帯電防止性能が付与されている。カバーフ
ィルム23に帯電防止性能を付与する方法としては、基
材層(I)の二軸延伸フィルムに使用されるPETや、
ヒートシール層27に使用されるスチレン系樹脂に、カ
ーボンブラック、金属酸化物微粒子、導電性フィラー、
帯電防止剤などを練り込む方法が用いられている。しか
しながら、これらカーボンブラック、金属酸化物微粒
子、導電性フィラー、帯電防止剤が練り込まれた二軸延
伸フィルムやスチレン系樹脂は透明性が悪く、電子部品
キャリアーテープ20に収納された電子部品の確認が困
難であるという問題があった。
【0008】さらに、このカバーフィルム23は、主に
基材層24、中間層26およびヒートシール層27から
なる3層構造のフィルムであるため厚肉であり、使用後
に廃棄されるカバーフィルムの量の低減や、材料コスト
の低減の観点から、薄肉化が求められている。また、こ
の従来のカバーフィルム23は、3層構造のフィルムで
あり、かつアンカーコート剤層があるため製造工程が複
雑になり、製造コストがかさむという問題もあった。
【0009】よって、本発明の目的は、アンカーコート
剤等の接着剤を用いることなく、カバーフィルムを構成
する各層間の接着性が優れ、帯電防止性および透明性を
有し、薄肉化が可能で、かつ製造も容易な電子部品キャ
リアーテープ用カバーフィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品キャリ
アテープ用カバーフィルムは、少なくとも片面に透明導
電性膜が形成された基材からなる基材層(I)と、該基
材層(I)に接した、下記(IIa)および/または(II
b)から選択される1種のポリオレフィン系樹脂組成物
からなる組成物層(II)とを少なくとも有することを
特徴とする。(IIa)シングルサイト系触媒の存在下に
製造された(a)密度が0.86〜0.97g/cm
3 、(b)メルトフローレートが0.1〜200g/1
0分であるエチレン(共)重合体(A)100〜10質
量%および他のポリオレフィン系樹脂(B)0〜90質
量%を含有するポリオレフィン系樹脂組成物。(IIb)
ポリオレフィン系樹脂および、ポリオレフィン系樹脂を
含む樹脂成分100質量部に対して、分子内に少なくと
も2個以上のエポキシ基(オキシラン基)を含む、分子
量3000以下のエポキシ化合物(C)0.01〜10
質量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物。
【0011】また、前記透明導電性膜が形成された基材
は、金属蒸着二軸延伸フィルムであることが望ましい。
【0012】また、前記エチレン(共)重合体(A)
は、下記(a)〜(d)の要件を満足することが望まし
い。 (a)密度が0.86〜0.97g/cm3 、 (b)メルトフローレートが0.1〜200g/10
分、 (c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、 (d)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が
溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75
の差T75−T25および密度dが、下記(式1)の関係を
満足すること (式1) T75−T25≦−670×d+644
【0013】また、前記エチレン(共)重合体(A)
は、さらに下記(e)の要件を満足することが望まし
い。 (e)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が
溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75
の差T75−T25および密度dが、下記(式2)の関係を
満足すること (式2) d<0.950g/cm3 のとき T75−T25≧−300×d+285 d≧0.950g/cm3 のとき T75−T25≧0
【0014】また、前記エチレン(共)重合体(A)
は、さらに下記(f)および(g)の要件を満足するエ
チレン(共)重合体(A1)、または、下記(h)およ
び(i)の要件を満足するエチレン(共)重合体(A
2)であることが望ましい。 (f)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分量X(質量%)、密度dおよびメルトフロー
レート(MFR)が下記(式3)および(式4)の関係
を満足すること (式3)d−0.008logMFR≧0.93の場合 X<2.0 (式4)d−0.008logMFR<0.93の場合 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008
logMFR)2+2.0 (g)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
【0015】(h)連続昇温溶出分別法(TREF)に
よる溶出温度−溶出量曲線のピークが一つであること (i)融点ピークを1ないし2個以上有し、かつそのう
ち最も高い融点Tmlと密度dが、下記(式5)の関係を
満足すること (式5) Tml≧150×d−19
【0016】また、前記エチレン(共)重合体(A2)
は、さらに下記(j)の要件を満足することが望まし
い。 (j)メルトテンション(MT)とメルトフローレート
(MFR)が、下記(式6)を満足すること (式6) logMT≦−0.572×logMFR+0.3
【0017】また、前記エチレン(共)重合体(A)中
のハロゲン含有量は10ppm以下であることが望まし
い。また、ポリオレフィン系樹脂組成物に、添加剤を配
合せず、もしくは実質的に被接触物に悪影響を与えない
添加剤を配合することが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の電子部品キャリアテープ用カバーフィ
ルムの一例を示す断面図である。この電子部品キャリア
テープ用カバーフィルム10は、基材本体11の片面に
透明導電性膜12が形成された基材からなる基材層
(I)13と、透明導電性膜12が形成された面とは反
対側の基材層(I)13表面に接する、ポリオレフィン
系樹脂組成物からなる組成物層(II)14とで概略構成
されるものである。
【0019】[基材層(I)]本発明における基材層
(I)とは、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体鹸化物、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート等の
プラスチックフイルムまたはシートに透明導電性膜を設
けたものであり、透明性および導電性を兼ね備えた膜で
ある。このような透明導電性膜としては、特に限定はさ
れないが、アルミナ、酸化錫、酸化インジウム、ITO
(酸化インジウム−酸化錫)、酸化亜鉛、錫−アンチモ
ン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジ
ウム−亜鉛複合酸化物等の薄膜が挙げられる。
【0020】中でも、電子部品キャリアテープ用カバー
フィルム10用の基材としては、耐熱性、耐水性などに
優れるポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリ
エステル系樹脂、ナイロン6等のポリアミド系樹脂およ
びポリプロピレン系樹脂などの二軸延伸フィルムが好適
に用いられる。
【0021】透明導電性膜の形成方法としては、真空蒸
着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティ
ング法、スプレー法などが挙げられる。このような透明
導電性膜が形成された基材層(I)の表面抵抗率は、1
1〜1012Ω/□の範囲が一般的であり、106〜10
12Ω/□の範囲が好ましく、さらに108〜1012Ω/
□が好ましい。
【0022】[組成物層(II)]本発明における組成物
層(II)は、ヒートシールによって電子部品キャリアー
テープの本体にカバーフィルムを接着するための層であ
るとともに、ヒートシール時に組成物層(II)とキャリ
アテープ本体との界面にかかる熱と圧力を均一にし、組
成物層(II)とキャリアテープ本体との間のヒートシー
ル強度が均一になるようにするための層である。
【0023】組成物層(II)の第1は、エチレン(共)
重合体(A)100〜10質量%および他のポリオレフ
ィン系樹脂(B)0〜90質量%を含有するポリオレフ
ィン系樹脂組成物(IIa)からなるものである。組成物
層(II)の第2は、ポリオレフィン系樹脂およびポリオ
レフィン系樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して、
エポキシ化合物(C)0.01〜10質量部を含有する
ポリオレフィン系樹脂組成物(IIb)からなるものであ
る。ここで、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂成分と
は、後述するポリオレフィン系樹脂単独、もしくは該ポ
リオレフィン系樹脂および後述するオレフィン系樹脂
(D)を含有する組成物のことである。
【0024】[ポリオレフィン系樹脂組成物(IIa)] [エチレン(共)重合体(A)]エチレン(共)重合体
(A)は、シングルサイト系触媒の存在下に製造された
ものであり、該エチレン(共)重合体(A)の(a)密
度は0.86〜0.97g/cm3 、(b)メルトフロ
ーレートが0.1〜200g/10分であるものであ
る。
【0025】エチレン(共)重合体(A)とは、エチレ
ン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20、好まし
くは炭素数3〜12のα−オレフィンとを共重合させる
ことにより得られるものである。炭素数3〜20のα−
オレフィンとしては、プロピレン、1−ペンテン、4−
メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、
1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。また、こ
れらα−オレフィンの含有量は、合計で通常30モル%
以下、好ましくは3〜20モル%以下の範囲で選択され
ることが望ましい。
【0026】エチレン(共)重合体(A)の(a)密度
は、0.86〜0.97g/cm3の範囲であり、好ま
しくは0.88〜0.95g/cm3 の範囲、より好ま
しくは0.90〜0.94g/cm3の範囲である。密
度が0.86g/cm3 未満では、剛性(腰の強さ)、
耐熱性が劣るものとなる。また、密度が0.97g/c
3 を超えると、引裂強度、耐衝撃性等が不十分とな
る。
【0027】エチレン(共)重合体(A)の(b)メル
トフローレート(以下、MFRと記す)は、0.01〜
200g/10分の範囲であり、好ましくは0.1〜1
00g/10分、さらに好ましくは0.5〜50g/分
の範囲である。MFRが0.01g/10分未満では、
成形加工性が劣るものとなる。また、MFRが200g
/10分を超えると、引裂強度、耐衝撃性等が劣るもの
となる。
【0028】また、エチレン(共)重合体(A)は、低
温ヒートシール性、すなわち高速成形性やヒートシール
強度等を向上させるために、下記(c)および(d)の
要件をさらに満足するものであることが好ましい。エチ
レン(共)重合体(A)の(c)分子量分布(Mw/M
n)は、好ましくは1.5〜4.5、より好ましくは
2.0〜4.0、さらに好ましくは2.5〜3.0の範
囲である。Mw/Mnが1.5未満では、成形加工性が
劣るものとなる。Mw/Mnが4.5を超えると、引裂
強度、耐衝撃性等が不十分となるおそれがある。ここ
で、エチレン(共)重合体の分子量分布(Mw/Mn)
は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GP
C)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)を求め、それらの比(Mw/Mn)を算出すること
により求めることができる。
【0029】エチレン(共)重合体(A)は、例えば、
図2に示すように、(d)連続昇温溶出分別法(TRE
F)による溶出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求
めた全体の25%が溶出する温度T25と全体の75%が
溶出する温度T75との差T75−T25および密度dが、下
記(式1)の関係を満足するものが好ましい。 (式1) T75−T25≦−670×d+644 T75−T25と密度dが上記(式1)の関係を満足する場
合には、低温ヒートシール性、ヒートシール強度など向
上がする。
【0030】このTREFの測定方法は下記の通りであ
る。まず、試料を酸化防止剤(例えば、ブチルヒドロキ
シトルエン)を加えたODCBに試料濃度が0.05質
量%となるように加え、140℃で加熱溶解する。この
試料溶液5mlを、ガラスビーズを充填したカラムに注
入し、0.1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却し、試
料をガラスビーズ表面に沈着する。次に、このカラムに
ODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃
/hrの一定速度で昇温しながら、試料を順次溶出させ
る。この際、溶剤中に溶出する試料の濃度は、メチレン
の非対称伸縮振動の波数2925cm-1に対する吸収を
赤外検出機で測定することにより連続的に検出される。
この値から、溶液中のエチレン(共)重合体の濃度を定
量分析し、溶出温度と溶出速度の関係を求める。TRE
F分析によれば、極少量の試料で、温度変化に対する溶
出速度の変化を連続的に分析出来るため、分別法では検
出できない比較的細かいピークの検出が可能である。
【0031】また、エチレン(共)重合体(A)は、さ
らに、(e)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶
出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の2
5%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度
75との差T75−T25および密度dが、下記(式2)の
関係を満足することが好ましい。 (式2) d<0.950g/cm3 のとき T75−T25≧−300×d+285 d≧0.950g/cm3 のとき T75−T25≧0 T75−T25と密度dが上記(式2)の関係を満足する場
合には、ヒートシール強度と耐熱性が向上する。
【0032】エチレン(共)重合体(A)は、さらに下
記の(f)および(g)の要件を満足するエチレン
(共)重合体(A1)であることが好ましい。(f)2
5℃におけるODCB可溶分の量X(質量%)と密度d
およびMFRは、下記(式3)および(式4)の関係を
満足しており、 (式3)d−0.008logMFR≧0.93の場
合、 X<2.0 (式4)d−0.008logMFR<0.93の場
合、 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008
logMFR)2+2.0 の関係を満足しており、好ましくは、 d−0.008logMFR≧0.93の場合、 X<1.0 d−0.008logMFR<0.93の場合、 X<7.4×103×(0.9300−d+0.008
logMFR)2+2.0 の関係を満足しており、さらに好ましくは、 d−0.008logMFR≧0.93の場合、 X<0.5 d−0.008logMFR<0.93の場合、 X<5.6×103×(0.9300−d+0.008
logMFR)2+2.0 の関係を満足している。
【0033】ここで、上記25℃におけるODCB可溶
分の量Xは、下記の方法により測定される。試料0.5
gを20mlのODCBにて135℃で2時間加熱し、
試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却する。この溶
液を25℃で一晩放置後、テフロン(登録商標)製フィ
ルターでろ過してろ液を採取する。試料溶液であるこの
ろ液を赤外分光器によりメチレンの非対称伸縮振動の波
数2925cm-1付近の吸収ピーク強度を測定し、予め
作成した検量線により試料濃度を算出する。この値よ
り、25℃におけるODCB可溶分量が求まる。
【0034】25℃におけるODCB可溶分は、エチレ
ン(共)重合体に含まれる高分岐度成分および低分子量
成分であり、耐熱性の低下や成形体表面のべたつきの原
因となり、衛生性の問題や成形体内面のブロッキングの
原因となる為、この含有量は少ないことが望ましい。O
DCB可溶分の量は、共重合体全体のα−オレフィンの
含有量および分子量、即ち、密度とMFRに影響され
る。従ってこれらの指標である密度およびMFRとOD
CB可溶分の量が上記の関係を満たすことは、共重合体
全体に含まれるα−オレフィンの偏在が少ないことを示
す。
【0035】また、エチレン(共)重合体(A1)は、
(g)連続昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶
出温度−溶出量曲線において、ピークが複数個存在する
ものである。この複数のピーク温度のうち、高温側のピ
ーク温度は85℃から100℃の間に存在することが特
に好ましい。このピークが存在することにより、融点が
高くなり、また結晶化度が上昇し、成形体の耐熱性およ
び剛性が向上する。
【0036】ここで、エチレン(共)重合体(A1)
は、図3に示されるように、連続昇温溶出分別法(TR
EF)により求めた溶出温度−溶出量曲線において実質
的にピークが複数個の特殊なエチレン(共)重合体であ
る。一方、図4のエチレン(共)重合体は、連続昇温溶
出分別法(TREF)により求めた溶出温度−溶出量曲
線において実質的にピークを1個有するエチレン(共)
重合体であり、従来の典型的なメタロセン系触媒による
エチレン(共)重合体がこれに該当する。
【0037】本発明におけるエチレン(共)重合体
(A)の他の態様は、下記(h)および(i)の要件を
満足するエチレン(共)重合体(A2)である。(h)
連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出
量曲線のピークが一つである。(i)融点ピークを1な
いし2個以上有し、かつそのうち最も高い融点Tmlと密
度dが、下記(式5)の関係を満足するものである。 (式5) Tml≧150×d−19 本発明において、上記の関係を満足するものであると耐
熱性等が向上する。
【0038】また、エチレン(共)重合体(A2)の中
でも、さらに下記(j)の要件を満足するエチレン
(共)重合体が好適である。(j)メルトテンション
(MT)とメルトフローレート(MFR)が、下記(式
6)の関係を満足すること (式6) logMT≦−0.572×logMFR+0.3 MTとMFRが上記(式6)の関係を満足することによ
り、成形加工性が良好なものとなる。
【0039】ここで、エチレン(共)重合体(A2)
は、図5に示されるように、TREFピークが1つであ
り、従来の典型的なメタロセン系触媒によるエチレン
(共)重合体と同種のTREFパターンを示すが、従来
の典型的なメタロセン系触媒によるエチレン(共)重合
体は、上記(式2)を満足しない。したがって、本発明
におけるエチレン(共)重合体(A2)は、従来の典型
的なメタロセン系触媒によるエチレン(共)重合体とは
明確に区別されるものである。
【0040】エチレン(共)重合体(A)は、シングル
サイト系触媒の存在下に、エチレンを単独重合またはエ
チレンとα−オレフィンとを共重合させて得られる直鎖
状のエチレン(共)重合体である。このような直鎖状の
エチレン(共)重合体は、基材等に対する接着性に優れ
ている。また、分子量分布および組成分布が狭いため、
機械的特性に優れ、低温ヒートシール性、ヒートシール
強度、耐熱ブロッキング性等に優れ、しかも耐熱性の良
い重合体である。本発明におけるシングルサイト系触媒
としては、従来の典型的なメタロセン系触媒、CGC触
媒等を包含するが、少なくとも共役二重結合を持つ有機
環状化合物と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触
媒で製造されることが望ましい。
【0041】特に、エチレン(共)重合体(A)は、以
下のa1〜a4の化合物を混合して得られる触媒で製造
することが望ましい。 a1:一般式Me11 p2 q(OR3r1 4-p-q-r で表
される化合物(式中Me1 はジルコニウム、チタン、ハ
フニウムを示し、R1 およびR3 はそれぞれ炭素数1〜
24の炭化水素基、R2 は、2,4−ペンタンジオナト
配位子またはその誘導体、ベンゾイルメタナト配位子、
ベンゾイルアセトナト配位子またはその誘導体、X1
ハロゲン原子を示し、p、qおよびrはそれぞれ0≦p
≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の
範囲を満たす整数である) a2:一般式Me24 m(OR5n2 z-m-n で表される
化合物(式中Me2 は周期律表第I〜III 族元素、R4
およびR5 はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、X
2 はハロゲン原子または水素原子(ただし、X2 が水素
原子の場合はMe2 は周期律表第III 族元素の場合に限
る)を示し、zはMe2 の価数を示し、mおよびnはそ
れぞれ0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であ
り、かつ、0≦m+n≦zである) a3:共役二重結合を持つ有機環状化合物 a4:Al−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
オキシ化合物および/またはホウ素化合物
【0042】以下、さらに詳説する。上記触媒成分a1
の一般式Me11 p2 q(OR3r1 4-p-q-r で表され
る化合物の式中、Me1 はジルコニウム、チタン、ハフ
ニウムを示し、これらの遷移金属の種類は限定されるも
のではなく、複数を用いることもできるが、共重合体の
耐候性の優れるジルコニウムが含まれることが特に好ま
しい。R1 およびR3はそれぞれ炭素数1〜24の炭化
水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましく
は1〜8である。具体的にはメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;
ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、
トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナ
フチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、
フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニ
ルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙
げられる。これらは分岐があってもよい。R2 は、2,
4−ペンタンジオナト配位子またはその誘導体、ベンゾ
イルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子また
はその誘導体を示す。X1 はフッ素、ヨウ素、塩素およ
び臭素などのハロゲン原子を示す。pおよびqはそれぞ
れ、0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q
+r≦4の範囲を満たすを整数である。
【0043】上記触媒成分a1の一般式で示される化合
物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラエ
チルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テト
ラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノクロロ
ジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラブ
トキシジルコニウム、テトラブトキシチタン、テトラブ
トキシハフニウムなどが挙げられ、特にテトラプロポキ
シジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのZ
r(OR)4 化合物が好ましく、これらを2種以上混合
して用いても差し支えない。また、前記2,4−ペンタ
ンジオナト配位子またはその誘導体、ベンゾイルメタナ
ト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子またはその誘導
体の具体例としては、テトラ(2,4−ペンタンジオナ
ト)ジルコニウム、トリ(2,4−ペンタンジオナト)
クロライドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナ
ト)ジクロライドジルコニウム、(2,4−ペンタンジ
オナト)トリクロライドジルコニウム、ジ(2,4−ペ
ンタンジオナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ
(2,4−ペンタンジオナト)ジ−n−プロポキサイド
ジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジ−n
−ブトキサイドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジ
オナト)ジベンジルジルコニウム、ジ(2,4−ペンタ
ンジオナト)ジネオフイルジルコニウム、テトラ(ジベ
ンゾイルメタナト)ジルコニウム、ジ(ジベンゾイルメ
タナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ(ジベンゾイ
ルメタナト)ジ−n−プロポキサイドジルコニウム、ジ
(ジベンゾイルメタナト)ジ−n−ブトキサイドジルコ
ニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジエトキサイドジ
ルコニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジ−n−プロ
ポキサイドジルコニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)
ジ−n−ブトキサイドジルコニウム等があげられる。
【0044】上記触媒成分a2の一般式Me24 m(O
5n2 z-m-n で表される化合物の式中Me2 は周期
律表第I〜III 族元素を示し、リチウム、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、
アルミニウムなどである。R4およびR5 はそれぞれ炭
素数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜1
2、さらに 好ましくは1〜8であり、具体的にはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル
基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベン
ジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベン
ズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などの
アラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があって
もよい。X2 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などの
ハロゲン原子または水素原子を示すものである。ただ
し、X2が水素原子の場合はMe2 はホウ素、アルミニ
ウムなどに例示される周期律表第III 族元素の場合に限
るものである。また、zはMe2 の価数を示し、mおよ
びnはそれぞれ、0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満た
す整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0045】上記触媒成分a2の一般式で示される化合
物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウムなど
の有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチ
ルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、エチ
ルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合
物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合
物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機ボ
ロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリデシル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチ
ルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセス
キクロライド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジ
エチルアルミニウムハイドライドなどの有機アルミニウ
ム化合物等の誘導体が挙げられる。
【0046】上記触媒成分a3の共役二重結合を持つ有
機環状化合物は、環状で共役二重結合を2個以上、好ま
しくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する環を
1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好まし
くは4〜12である環状炭化水素化合物;前記環状炭化
水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残基(典型的
には、炭素数1〜12のアルキル基またはアラルキル
基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二重結合を
2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜
3個有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4
〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素基を有
する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が部分的に
1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩(ナトリ
ウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ素化合物
が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれかにシクロ
ペンタジエン構造をもつものが望ましい。
【0047】上記の好適な化合物としては、シクロペン
タジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリール
オキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物
がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは
2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用い
られる。
【0048】環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
は、下記一般式で表示することができる。 ALSiR4-L ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示
される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアル
キル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール
基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基
などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好まし
くは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1
≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0049】上記成分a3の有機環状炭化水素化合物の
具体例として、シクロペンタジエン、メチルシクロペン
タジエン、エチルシクロペンタジエン、プロピルシクロ
ペンタジエン、ブチルシクロペンタジエン、1,3−ジ
メチルシクロペンタジエン、1−メチル−3−エチルシ
クロペンタジエン、1−メチル−3−プロピルシクロペ
ンタジエン、1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエ
ン、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエン、ペン
タメチルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−
1−インデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプ
タトリエン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオク
タテトラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレ
ンのような炭素数5〜24のシクロポリエンまたは置換
シクロポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビ
スシクロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジ
エニルシラン、モノインデニルシラン、ビスインデニル
シラン、トリスインデニルシランなどが挙げられる。
【0050】触媒成分a4のAl−O−Al結合を含む
変性有機アルミニウムオキシ化合物とは、アルキルアル
ミニウム化合物と水とを反応させることにより、通常ア
ルミノキサンと称される変性有機アルミニウムオキシ化
合物が得られ、分子中に通常1〜100個、好ましくは
1〜50個のAl−O−Al結合を含有する。また、変
性有機アルミニウムオキシ化合物は線状でも環状でもい
ずれでもよい。
【0051】有機アルミニウムと水との反応は通常不活
性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族
炭化水素が好ましい。水と有機アルミニウム化合物との
反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2
/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ま
しい。
【0052】ホウ素化合物としては、テトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)ホウ酸トリエチルアルミニウム、トリ
エチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジ
メチルアニリニウム、ジメチルアニリニウムテトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート、ブチルアンモニウム
テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−
ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ
(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、トリチルテ
トラキスペンタフルオロボレート、フェロセニウムテト
ラキスペンタフルオロボレート、トリスペンタフルオロ
ボラン等が挙げられる。中でも、N,N−ジメチルアニ
リニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラキスペンタフルオロボレート、フェロセ
ニウムテトラキスペンタフルオロボレート、トリスペン
タフルオロボランが好適である。
【0053】上記触媒はa1〜a4を混合接触させて使
用しても良いが、好ましくは無機担体および/または粒
子状ポリマー担体(a5)に担持させて使用することが
望ましい。該無機物担体および/または粒子状ポリマー
担体(a5)とは、炭素質物、金属、金属酸化物、金属
塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あるいは熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無機物担体
に用いることができる好適な金属としては、鉄、アルミ
ニウム、ニッケルなどが挙げられる。具体的には、Si
2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23
CaO、ZnO、BaO、ThO2等またはこれらの混
合物が挙げられ、SiO2−Al23、SiO2−V
25、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2
MgO、SiO2−Cr23等が挙げられる。これらの
中でもSiO2およびAl23からなる群から選択され
た少なくとも1種の成分を主成分とするものが好まし
い。また、有機化合物としては、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂のいずれも使用でき、具体的には、粒子状のポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポ
リノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの混合物
等が挙げられる。
【0054】上記無機物担体および/または粒子状ポリ
マー担体は、このまま使用することもできるが、好まし
くは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化
合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
化合物などに接触処理させた後に成分a5として用いる
こともできる。
【0055】エチレン(共)重合体(A)の製造方法
は、前記触媒の存在下、実質的に溶媒の存在しない気相
重合法、スラリー重合法、溶液重合法等で製造され、実
質的に酸素、水等を断った状態で、ブタン、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等に例示
される不活性炭化水素溶媒の存在下または不存在下で製
造される。重合条件は特に限定されないが、重合温度は
通常15〜350℃、好ましくは20〜200℃、さら
に好ましくは50〜110℃であり、重合圧力は低中圧
法の場合通常常圧〜70kg/cm2 G、好ましくは常
圧〜20kg/cm2 Gであり、高圧法の場合通常15
00kg/cm2 G以下が望ましい。重合時間は低中圧
法の場合通常3分〜10時間、好ましくは5分〜5時間
程度が望ましい。高圧法の場合、通常1分〜30分、好
ましくは2分〜20分程度が望ましい。また、重合は一
段重合法はもちろん、水素濃度、モノマー濃度、重合圧
力、重合温度、触媒等の重合条件が互いに異なる2段階
以上の多段重合法など特に限定されるものではない。特
に好ましい製造方法としては、特開平5−132518
号公報に記載の方法が挙げられる。
【0056】エチレン(共)重合体(A)は、上述の触
媒成分の中に塩素等のハロゲンのない触媒を使用するこ
とにより、ハロゲン濃度としては多くとも10ppm以
下、好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは実質的
に含まない2ppm以下(ND:Non−Detec
t)のものとすることが可能である。このような塩素等
のハロゲンフリーのエチレン(共)重合体を用いること
により、従来のような酸中和剤(ハロゲン吸収剤)を使
用する必要がなくなり、化学的安定性等が優れ、特に電
子部品用キャリアテープに好適に活用されるクリーンな
カバーフィルムを提供することができる。
【0057】[他のポリオレフィン系樹脂(B)]他の
ポリオレフィン系樹脂(B)としては、高圧ラジカル重
合法によって得られた低密度ポリエチレン(LDP
E)、エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレンと
α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合
体、チーグラー系触媒、フィリップス系触媒等を用いた
高・中・低圧法による密度0.94〜0.97g/cm
3 の高密度ポリエチレン、密度0.91〜0.94g/
cm3 未満の直鎖状低密度ポリエチレン、密度0.86
〜0.91g/cm3 未満の超低密度ポリエチレン、エ
チレン(共)重合体ゴム、ポリプロピレン系樹脂などが
挙げられる。
【0058】前記LDPEのMFRは、0.01〜20
0g/10分、好ましくは0.1〜100g/10分、
さらに好ましくは0.5〜80g/10分の範囲であ
る。この範囲であれば、メルトテンションが適切な範囲
となり、成形加工性が向上する。また、LDPEの密度
は、0.91〜0.94g/cm3 、さらに好ましくは
0.91〜0.935g/cm3 の範囲である。この範
囲であれば、メルトテンションが適切な範囲となり、成
形加工性が向上する。LDPEのメルトテンションは、
1.5〜25g、好ましくは3〜20g、さらに好まし
くは3〜15gである。また、LDPEの分子量分布M
w/Mnは、3.0〜12、好ましくは4.0〜8.0
である。また、LDPEの分子量分布Mw/Mnは、
3.0〜12、好ましくは、4.0〜8.0である。
【0059】前記エチレン・ビニルエステル共重合体と
は、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成分
とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエス
テル単量体との共重合体である。中でも、特に好ましい
ものとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。ま
た、エチレン50〜99.5質量%、ビニルエステル
0.5〜50質量%、他の共重合可能な不飽和単量体0
〜49.5質量%からなる共重合体が好ましい。特に、
ビニルエステルの含有量は3〜30質量%、好ましくは
5〜25質量%の範囲である。エチレン・ビニルエステ
ル共重合体のMFRは、0.01〜200g/10分、
好ましくは0.1〜100g/10分、さらに好ましく
は0.5〜80g/10分の範囲である。
【0060】前記エチレンとα,β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体との共重合体としては、エチレン・
(メタ)アクリル酸またはそのアルキルエステル共重合
体が挙げられ、これらのコモノマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソ
プロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウ
リル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、
メタクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸グリシジル等を挙げることができる。この中で
も特に好ましいものとして、(メタ)アクリル酸のメチ
ル、エチル等のアルキルエステルを挙げることができ
る。特に、(メタ)アクリル酸エステルの含有量は3〜
30質量%、好ましくは5〜25質量%の範囲である。
エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
との共重合体のMFRは0.01〜200g/10分、
好ましくは0.1〜100g/10分、さらに好ましく
は0.5〜80g/10分である。
【0061】チーグラー系触媒、フィリップス系触媒等
による密度0.94〜0.97g/cm3 の高密度ポリ
エチレンとしてはエチレン単独重合体、エチレン・α−
オレフィン共重合体等が挙げられる。
【0062】また、上記密度0.91〜0.94g/c
3 未満の直鎖状低密度ポリエチレンとしては、エチレ
ンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であ
り、炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピ
レン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンな
どが挙げられる。また、これらα−オレフィンの含有量
は、合計で通常30モル%以下、好ましくは3〜20モ
ル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0063】また、前記チーグラー型触媒による超低密
度ポリエチレン(VLDPE)とは、密度が0.86〜
0.91g/cm3 、好ましくは0.88〜0.905
g/cm3 の範囲のエチレン・α−オレフィン共重合体
であり、LLDPEとエチレン・α−オレフィン共重合
体ゴム(EPR、EPDM)の中間の性状を示すポリエ
チレンである。
【0064】また、前記エチレン(共)重合体ゴムと
は、密度が0.86〜0.91g/cm3 未満のエチレ
ン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・
ジエン共重合体ゴム等が挙げられ、該エチレン・プロピ
レン系ゴムとしては、エチレンおよびプロピレンを主成
分とするランダム共重合体(EPM)、および第3成分
としてジエンモノマー(ジシクロペンタジエン、エチリ
デンノルボルネン等)を加えたものを主成分とするラン
ダム共重合体(EPDM)が挙げられる。
【0065】また、ポリプロピレン系樹脂としてはプロ
ピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合
体が挙げられ、プロピレン−エチレンランダム共重合
体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等が挙げら
れる。
【0066】本発明における組成物層(II)は、エチレ
ン(共)重合体(A)100〜10質量%および他のポ
リオレフィン系樹脂(B)0〜90質量%を含有するポ
リオレフィン系樹脂組成物(IIa)からなるものであ
る。上記エチレン(共)重合体(A)が10質量%より
少ない場合、もしくは他のポリオレフィン系樹脂(B)
が90質量%を超える場合には、低温ヒートシール性、
接着強度が低下する虞が生じる。
【0067】[ポリオレフィン系樹脂組成物(IIb)]
ポリオレフィン系樹脂組成物(IIb)は、ポリオレフィ
ン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂成分10
0質量部に対して、分子内に少なくとも2個以上のエポ
キシ基(オキシラン基)を含む、分子量3000以下の
エポキシ化合物(C)0.01〜10質量部とを含有す
る組成物である。ポリオレフィン系樹脂は、上記ポリオ
レフィン系樹脂組成物(IIa)におけるエチレン(共)
重合体(A)および他のポリオレフィン系樹脂(B)を
包含し、重複しても差し支えないものである。
【0068】[エポキシ化合物(C)]エポキシ化合物
(C)としては、分子内に少なくとも2個以上のエポキ
シ基(オキシラン基)を含む、分子量3000以下のエ
ポキシ化合物が好適に用いられる。分子内のエポキシ基
が1個のエポキシ化合物では、基材への接着性の改善効
果があまり期待できない懸念が生じる。また、このエポ
キシ化合物の分子量は、3000以下が好ましく、特に
1500以下が好ましい。分子量が3000を超える
と、組成物化した際に、十分な接着性の改善効果が得ら
れない虞がある。
【0069】このようなエポキシ化合物としては、例え
ば、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグ
リシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステ
ル、アジピン酸ジグリシジルエステル、トリメチロール
プロパントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポ
リグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリ
シジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、エポキ
シ化植物油などが挙げられる。中でも扱い易さと食品包
装材料に用いた場合の安全性の観点からエポキシ化植物
油が好適である。
【0070】ここで、エポキシ化植物油とは、天然植物
油の不飽和二重結合を過酸などを用いてエポキシ化した
ものであり、例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻
仁油、エポキシ化オリーブ油、エポキシ化サフラワー
油、エポキシ化コーン油などを挙げることができる。こ
れらのエポキシ化植物油は、例えば旭電化工業(株)
製、O−130P(エポキシ化大豆油)、O−180A
(エポキシ化亜麻仁油)等として市販されている。な
お、植物油をエポキシ化する際に若干副生するエポキシ
化されていない、またはエポキシ化が不十分な油分の存
在は本発明における作用効果を何ら妨げるものではな
い。
【0071】エポキシ化合物(C)の添加量は、ポリオ
レフィン系樹脂、所望によりエポキシ基と反応する官能
基を有するオレフィン系樹脂(D)を含む樹脂成分10
0質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは
0.01〜7質量部であり、より好ましくは0.03〜
5質量部である。エポキシ化合物(C)の添加量が0.
01質量部未満では、基材への接着性の向上効果が不十
分であり、10質量部を超えると接着性は向上するもの
の、ベタツキによるブロッキングを起こしたり、臭いを
発する等の問題が起こる虞がある。
【0072】[オレフィン系樹脂(D)]また、ポリオ
レフィン系樹脂組成物(IIb)に、分子内にエポキシ基
と反応する官能基を有するオレフィン系樹脂(D)をさ
らに含有させてもよい。この官能基を有するオレフィン
系樹脂(D)は必須ではないが、これを添加することに
よりさらに基材との接着性を向上させることができる。
これは、エポキシ基と反応可能な官能基とエポキシ化合
物との間で反応が起こり、樹脂成分にグラフトされるエ
ポキシ化合物(C)が増加するためである。
【0073】エポキシ基と反応する官能基を有するオレ
フィン系樹脂(D)の使用量は、ポリオレフィン系樹脂
と、官能基を有するオレフィン系樹脂(D)との合計質
量に対して、好ましくは30質量%未満であり、より好
ましくは1〜25質量%であり、さらに好ましくは3〜
20質量%である。オレフィン系樹脂(D)を30質量
%以上添加すると、接着向上効果はあるものの、経済的
ではない。
【0074】エポキシ基と反応する官能基としては、カ
ルボキシル基またはその誘導体、アミノ基、フェノール
基、水酸基、チオール基などが挙げられる。中でも反応
性と安定性のバランスから、酸無水物基、カルボキシル
基、カルボン酸金属塩からなる群から選ばれた少なくと
も1つの基を分子内に有するオレフィン系樹脂(D)が
好ましく用いられる。エポキシ基と反応する官能基の導
入方法としては、主として共重合法と、グラフト法が挙
げられる。
【0075】例えば、共重合法によって製造される、エ
ポキシ基と反応する官能基を有するオレフィン系樹脂
(D)としては、エチレンと反応可能な化合物とエチレ
ンとの多元共重合体が挙げられる。共重合に用いる化合
物としては、(メタ)アクリル酸等のα,β−不飽和カ
ルボン酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム等のα,β−
不飽和カルボン酸金属塩、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アリ
ルアルコール等の水酸基含有化合物、アリルアミン等の
不飽和アミノ化合物等が例示できるがこの限りではな
い。さらに、これらの不飽和化合物に加えて(メタ)ア
クリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等
のビニルアルコールエステル等を共重合させて用いるこ
ともできる。これらの化合物は、エチレンとの共重合体
において2種以上を混合して用いることができ、これら
の化合物とエチレンとの共重合体は、2種以上を併用す
ることもできる。
【0076】一方、グラフト変性によりエポキシ基と反
応可能な官能基を導入したオレフィン系樹脂(D)は、
ポリオレフィンと過酸化物等の遊離基発生剤と、変性用
の化合物とを溶融もしくは溶液状態で作用させて製造す
るのが一般的である。グラフト変性に用いられるポリオ
レフィンとしては、LDPE、直鎖状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、
ポリプロピレン(PP)のほかに、エチレン−プロピレ
ン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体(E(M)A)、エチレン−酢
酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが
挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用
いることができる。また、例えば、エチレン−(メタ)
アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体のよう
に、酸あるいはその誘導体を既に含むような共重合体を
さらにグラフト変性して用いても何ら差し支えない。
【0077】グラフト変性時に用いる遊離基発生剤の種
類については特に限定を受けないが、例えば、遊離基発
生剤としては、一般的な有機過酸化物が用いられ、中で
も反応性の良さと取り扱いの容易さからジクミルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(2−t−ブチ
ルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ベンゾイルパー
オキサイド等が好ましく用いられる。
【0078】また、変性用の不飽和化合物としては、上
記共重合法で用いられるエチレンと共重合可能な化合物
と同様の不飽和化合物が用いられ、カルボン酸基あるい
はカルボン酸無水物基とその金属塩、アミノ基、水酸基
等、ラジカル反応可能な不飽和基を有していれば基本的
には使用可能である。このような変性用の不飽和化合物
としては、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和カル
ボン酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム等の不飽和カル
ボン酸金属塩、無水マレイン酸あるいは無水イタコン
酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アリル
アルコール等の不飽和水酸基含有化合物、アリルアミン
等の不飽和アミノ化合物等が例示できるがこの限りでは
ない。
【0079】組成物層(II)に用いられるポリオレフィ
ン系樹脂組成物には、所望により慣用の添加剤が添加さ
れていてもよいが、好ましくは、酸化防止剤、アンチブ
ロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収
剤、有機系あるいは無機系顔料、造核剤、架橋剤などの
公知の添加剤が配合されてない、もしくは、前記樹脂組
成物に添加剤が配合されたとしても、配合された添加剤
が実質的に電子部品等の被接触物に悪影響を与えない添
加剤であることが望ましい。したがって、本発明におい
ては、実質的に添加剤が配合されていないか、外部に溶
出または滲出してしまうような添加剤、例えば、電子部
品の場合は、電子部品を腐食してしまうなど、電子部品
に悪影響を与えてしまうような添加剤、あるいは時間と
ともにフィルム表面に偏在するような添加剤が、エチレ
ン系樹脂組成物に含まれていないことにより、クリーン
な電子部品キャリアテープ用カバーフィルムを提供する
ことが可能となる。
【0080】本発明における被接触物に悪影響を与えな
い添加剤としてハイドロタルサイト等は被接触物を腐食
させず、かつ本発明の樹脂シートの特性を本質的に阻害
しない範囲で添加が可能な添加剤であるが、このような
添加剤は接着強度を低下させるので、実質的に添加剤を
配合しないことが好ましい。
【0081】ポリオレフィン系樹脂組成物は、上記エチ
レン(共)重合体(A)および他のポリオレフィン系樹
脂(B)またはエポキシ化合物(C)、所望によりポリ
オレフィン系樹脂(D)を、ヘンシェルミキサー、リボ
ンミキサー等により混合するか、混合したものをさらに
オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出
機等を用いて混練する方法によって得ることができる。
混練の温度は、通常、樹脂の融点以上〜350℃であ
る。
【0082】本発明の電子部品キャリアテープ用カバー
フィルムを製造する方法としては、基材上に、ポリオレ
フィン系樹脂組成物を押出ラミネートし、基材層(I)
上に組成物層(II)を積層する方法;基材層(I)と組
成物層(II)とをドライラミネート成形によって貼り合
わることによって基材層(I)上に組成物層(II)を積
層する方法などが挙げられる。ここで、基材層(I)へ
の組成物層(II)の積層は、基材の透明導電性膜が、図
示例のように、基材層(I)と組成物層(II)との接着
面とは反対側になるように行ってもよく、基材層(I)
と組成物層(II)との接着面側になるように行ってもよ
い。
【0083】基材上へポリオレフィン系樹脂組成物を押
出ラミネートする際の成形温度は、240〜330℃の
範囲、好ましくは260〜320℃、さらに好ましくは
280〜310℃の範囲である。また、特に300℃程
度以下の比較的低温でのラミネート時には、基材との貼
り合せ面の溶融樹脂を空気、オゾン等で酸化させておく
ことが望ましい。また、基材においても貼り合せ面をコ
ロナ放電処理等の表面処理することが望ましい。上記成
形温度が240℃未満では接着強度が十分でない場合が
生じ、330℃を超える場合には、樹脂の劣化等が生じ
好ましくない。
【0084】上記オゾン処理量は、基材の種類、条件等
により、異なるものの、5g/Nm 3×1Nm3/hr〜
100g/Nm3×20Nm3/hrの範囲、好ましくは
10g/Nm3×1.5Nm3/hr〜70g/Nm3×1
0Nm3/hr、さらに好ましくは15g/Nm3×2N
3/hr〜50g/Nm3×8Nm3/hrの範囲で選
択される。また、コロナ放電処理量は、1〜300w分
/m2 の範囲、好ましくは5〜200w分/m2 、さら
に好ましくは10〜100w分/m2 の範囲で選択され
ることが望ましい。特に、オゾン処理とコロナ放電処理
を併用することにより、接着強度を飛躍的に向上させる
ことができる。
【0085】このような電子部品キャリアテープ用カバ
ーフィルムにあっては、組成物層(II)に用いられるポ
リオレフィン系樹脂組成物が、前述のように基材に直接
押出ラミネート等によって積層されることにより、実用
的に十分な接着強度を発揮するため、アンカーコート剤
を使用する必要がない。そのため、溶剤の使用による作
業環境等の汚染がない。また、アンカーコート剤を使用
しないので、電子部品キャリアテープ用カバーフィルム
中の残留溶剤が低減される。また、アンカーコート剤を
使用することなく十分な接着強度が得られるので、高速
成形が可能となる。また、アンカーコート剤を使用する
必要がないので、コストが低減される。
【0086】また、基材層(I)に透明導電性膜が形成
されているので、電子部品キャリアテープ用カバーフィ
ルムの透明性を損なうことなく、電子部品キャリアテー
プ用カバーフィルムに導電性を付与することができる。
また、従来の電子部品キャリアテープ用カバーフィルム
における中間層に相当する層を、ヒートシール層として
用いているので、従来のカバーフィルムにおけるヒート
シール層が不要となり、フィルムの薄肉化が可能とな
る。また、カバーフィルムの層を、従来のヒートシール
層とアンカーコート剤層を減らすことができるので、製
造工程が簡略化され、製造が容易となる。
【0087】なお、本発明の電子部品キャリアテープ用
カバーフィルムは、基本的には基材層(I)と組成物層
(II)で構成され、組成物層(II)がヒートシールを兼
ねることが可能であるが、場合によりさらに、組成物層
(II)に接してシーラント層(III)を設けてもよい。シ
ーラント層(III)の材料としては、ポリオレフィン系の
シーラントフィルム等、公知のシーラントフィルムを用
いることができる。
【0088】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるも
のではない。
【0089】本実施例における試験方法は以下の通りで
ある。 [密度]JIS K6760に準拠した。 [MFR]JIS K6760に準拠した。 [Mw/Mn]GPC(ウォータース社製150C型)
を用い、溶媒として135℃のODCBを使用した。カ
ラムとしては東ソー(株)製、GMMHR−H(S)を
使用した。
【0090】[TREF]カラムを135℃に保った状
態で、カラムに試料を注入して0.1℃/分で25℃ま
で降温し、ポリマーをガラスビーズ上に沈着させた後、
カラムを下記条件にて昇温して各温度で溶出したポリマ
ー濃度を赤外検出器で検出した。(溶媒:ODCB、流
速:1ml/分、昇温速度:50℃/hr、検出器:赤
外分光器(波長2925cm-1)、カラム:0.8cm
φ×12cmL(ガラスビーズを充填)、試料濃度:
0.05質量%) [DSCによるTmlの測定]厚さ0.2mmのシートを
熱プレスで成形し、シートから約5mgの試料を打ち抜
いた。この試料を230℃で10分保持後、2℃/分に
て0℃まで冷却した。その後、再び10℃/分で170
℃まで昇温し、現れた最高温ピークの頂点の温度を最高
ピーク温度Tmlとした。
【0091】[ODCB可溶分量]試料0.5gを20
mlのODCBに加え、135℃で2時間加熱し、試料
を完全に溶解した後、25℃まで冷却した。この溶液を
25℃で一晩放置後、テフロン(登録商標)製フィルタ
ーでろ過してろ液を採取した。赤外分光器により、試料
溶液であるろ液におけるメチレンの非対称伸縮振動の波
数2925cm-1付近の吸収ピーク強度を測定し、あら
かじめ作成した検量線により、ろ液中の試料濃度を算出
した。この値より、25℃におけるODCB可溶分量を
求めた。
【0092】[メルトテンション(MT)]溶融させた
ポリマーを一定速度で延伸したときの応力をストレイン
ゲージにて測定することにより決定した。測定試料は造
粒してペレットにしたものを用い、東洋精機製作所製M
T測定装置を使用して測定した。使用するオリフィスは
穴径2.09mmφ、長さ8mmであり、測定条件は樹
脂温度190℃、シリンダー下降速度20mm/分、巻
取り速度15m/分である。 [ハロゲン濃度]蛍光X線法により測定し、10ppm
以上の塩素が検出された場合はこれをもって分析値とし
た。10ppmを下回った場合は、ダイアインスツルメ
ンツ(株)製TOX−100型塩素・硫黄分析装置にて
測定し、2ppm以下については、実質的に含まないも
のとし、ND(non−detect)とした。
【0093】[接着強度]得られたカバーフィルムを4
0℃のギヤオーブン中で2日間エージングした後、23
℃の恒温室で1日間状態調整を行った。M方向を長手方
向として、長さ20cm、幅15mmの短冊状のサンプ
ルをカバーフィルムから切り出し、オリエンテック
(株)製、万能引張試験機にて基材層(I)と組成物層
(II)との界面における接着強度を、引張速度300m
m/分、初期チャック間距離50mm、T型剥離の条件
で測定した。
【0094】[透明性]JIS−K6714により全光
線透過率を測定した。 [導電性]JIS−C2318により表面固有抵抗を測
定した。
【0095】実施例に用いた各種成分は以下の通りであ
る。 [エチレン(共)重合体(A)]エチレン(共)重合体
(A11)は次の方法で合成した。 [固体触媒の調製] 〔固体触媒〕電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装置に、
窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラプロポ
キシジルコニウム(Zr(OPr)4 )26g、インデ
ン22gおよびメチルブチルシクロペンタジエン88g
を加え、90℃に保持しながらトリプロピルアルミニウ
ム100gを100分かけて滴下し、その後、同温度で
2時間反応させた。40℃に冷却した後、メチルアルモ
キサンのトルエン溶液(濃度3.3mmol/ml)を
2424ml添加し2時間撹拌した。次にあらかじめ4
50℃で5時間焼成処理したシリカ(表面積300m2
/g)2000gを加え、室温で1時間攪拌の後、40
℃で窒素ブローおよび減圧乾燥を行い、流動性のよい固
体触媒(イ)を得た。
【0096】[気相重合]連続式の流動床気相重合装置
を用い、重合温度65℃、全圧20kgf/cm 2 Gで
エチレンと1−ヘキセンの共重合を行った。前記固体触
媒(イ)を連続的に供給し、エチレン、1−ヘキセンお
よび水素等を所定のモル比に保つように供給して重合を
行い、エチレン(共)重合体(A11)を得た。その共
重合体の物性の測定結果を表1に示した。
【0097】エチレン(共)重合体(A12)は次の方
法で合成した。 [固体触媒の調製] 〔固体触媒〕電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装置に、
窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラブトキ
シジルコニウム(Zr(OBu)4 )31gおよびイン
デン74gを加え、90℃に保持しながらトリイソブチ
ルアルミニウム127gを100分かけて滴下し、その
後、同温度で2時間反応させた。40℃に冷却した後、
メチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度3.3mmo
l/ml)を2424mlを添加し2時間撹拌した。次
にあらかじめ450℃で5時間焼成処理したシリカ(表
面積300m2 /g)2000gを加え、室温で1時間
攪拌の後、40℃で窒素ブローおよび減圧乾燥を行い、
流動性のよい固体触媒(ロ)を得た。
【0098】[気相重合]連続式の流動床気相重合装置
を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cm 2 Gで
エチレンと1−ヘキセンの共重合を行った。前記固体触
媒(ロ)を連続的に供給し、エチレン、1−ヘキセンお
よび水素を所定のモル比に保つように供給しての重合を
行い、エチレン(共)重合体(A12)を得た。その共
重合体の物性の測定結果を表1に示した。
【0099】エチレン(共)重合体(A2)は次の方法
で合成した。 [固体触媒の調製] 〔固体触媒〕電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装置に、
窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラプロポ
キシジルコニウム(Zr(OPr)4 )26g、インデ
ン74gおよびメチルプロピルシクロペンタジエン78
gを加え、90℃に保持しながらトリプロピルアルミニ
ウム100gを100分かけて滴下し、その後、同温度
で2時間反応させた。40℃に冷却した後、メチルアル
モキサンのトルエン溶液(濃度3.3mmol/ml)
を2133ml添加し2時間撹拌した。次にあらかじめ
450℃で5時間焼成処理したシリカ(表面積300m
2 /g)2000gを加え、室温で1時間攪拌の後、4
0℃で窒素ブローおよび減圧乾燥を行い、流動性のよい
固体触媒(ハ)を得た。
【0100】[気相重合]連続式の流動床気相重合装置
を用い、重合温度80℃、全圧20kgf/cm 2 Gで
エチレンと1−ヘキセンの共重合を行った。前記固体触
媒(ハ)を連続的に供給し、エチレン、1−ヘキセンお
よび水素を所定のモル比に保つように供給して重合を行
い、エチレン(共)重合体(A2)を得た。その共重合
体の物性の測定結果を表1に示した。
【0101】[メタロセン触媒によるエチレン・ヘキセ
ン−1共重合体(A3)の製造]窒素で置換した撹拌機
付き加圧反応器に精製トルエンを入れ、次いで、1−ヘ
キセンを添加し、更にビス(n−ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロライド、メチルアルモキサ
ン(MAO)の混合液を(Al/Zrモル比=200)
を加えた後、80℃に昇温し、メタロセン触媒を調整し
た。ついでエチレンを張り込み、エチレンを連続的に重
合しつつ全圧を8kg/cm3 に維持して重合を行い、
エチレン・ヘキセン−1共重合体(A3)を製造した。
その共重合体の物性の測定結果を表1に示した。
【0102】[市販のチーグラー系触媒による線状低密
度ポリエチレン(A4)] (LLDPE)密度:0.910g/cm3 、MFR:
10g/10分、コモノマー:4−メチル−ペンテン−
1 上記エチレン共重合体の物性を表1に示した。
【0103】
【表1】
【0104】高圧ラジカル法によって得られるポリエチ
レン樹脂(B)としては、以下のものを用いた。 [高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレン(B
1)] 密度:0.917g/cm3、MFR:7.0g/10分
【0105】エポキシ化合物(C)としては、以下のも
のを用いた。 [エポキシ化合物(C1)] エポキシ化大豆油(分子量:約1000、商品名:アデ
カサイザー、旭電化工業(株)製)
【0106】基材としては以下のものを用いた。 S1: 市販のITO蒸着ポリエチレンテレフタレート
フィルム(PET)(東レ(株)製CH02、25μ)
にあらかじめPET面側に60W分/m2の処理量でコ
ロナ処理を行ったものを使用した。
【0107】[実施例1]表2に示す各成分をヘンシェ
ルミキサーにて混合し、田辺工業(株)製、φ50mm
単軸押出機を用いて、樹脂温度200℃、押出量35k
g/hrの条件下で、溶融混練し、ペレット化した。こ
のペレットを、φ90mm径の押出機を有する押出ラミ
ネート成形機(モダンマシナリー社製)を用いて、Tダ
イからニップロールまでの距離120mm、成形時のダ
イ直下樹脂温度320℃、ラミネート速度100m/
分、ラミネート厚さ25μm、コート幅860mmの条
件下で、基材上に押し出して、押出ラミネーションを行
い、電子部品キャリアテープ用カバーフィルムを製造し
た。
【0108】得られたカバーフィルムについて、基材層
(I)と組成物層(II)との界面における接着強度、透
明性および導電性を測定した。その結果を表2に示し
た。
【0109】[実施例2〜20、比較例1〜4]各成分
を表2に示す組成に変更し、表2に示す基材を用いた以
外は、実施例1と同様に電子部品キャリアテープ用カバ
ーフィルムを製造し、基材層(I)と組成物層(II)と
の界面における接着強度を測定した。結果を表2および
表3に示した。
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子部品
キャリアテープ用カバーフィルムは、少なくとも片面に
透明導電性膜が形成された基材を含む基材層(I)と、
該基材層(I)に接した、上述のポリオレフィン系樹脂
組成物(IIa)またはポリオレフィン系樹脂組成物(II
b)からなる組成物層(II)とを少なくとも有するもの
であるので、アンカーコート剤等の接着剤を用いること
なく、基材層(I)と組成物層(II)との間の接着性が
優れている。また、薄肉化が可能であり、製造も容易で
ある。
【0113】また、エチレン(共)重合体(A)中のハ
ロゲン含有量が10ppm以下であれば、または前記オ
レフィン系樹脂組成物に、添加剤を配合せず、もしくは
実質的に被接触物に移行しない添加剤を配合すれば、ク
リーンな電子部品キャリアテープ用カバーフィルムを提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子部品キャリアテープ用カバーフ
ィルムの一例を示す断面図である。
【図2】 本発明に係るエチレン(共)重合体(A)の
溶出温度−溶出量曲線を示すグラフである。
【図3】 本発明に係るエチレン(共)重合体(A1)
の溶出温度−溶出量曲線を示すグラフである。
【図4】 メタロセン系触媒によるエチレン(共)重合
体の溶出温度−溶出量曲線を示すグラフである。
【図5】 本発明に係るエチレン(共)重合体(A2)
の溶出温度−溶出量曲線を示すグラフである。
【図6】 従来の電子部品キャリアテープの一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
10 電子部品キャリアテープ用カバーフィルム 12 透明導電性膜 13 基材層(I) 14 組成物層(II)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63:00) (72)発明者 笠原 洋 神奈川県川崎市川崎区夜光二丁目3番2号 日本ポリオレフィン株式会社技術本部研 究開発センター内 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB41 AC04 AC18 BA24A BB14A BB25A BC07A CA11 CA21 EA04 EA35 EA36 FA01 FA08 FC01 3E086 AA02 AB02 AD24 BA04 BA13 BA15 BA24 BB22 BB35 CA31 4F100 AB01A AB01C AK03D AK04D AK04J AK53D AL01D AL05D AL06D AT00B BA04 BA07 BA10A BA10D EH66A EH66C EJ37B GB41 JA06D JA07D JA13D JA20D JG01A JG01C JK06 JN01A JN01C YY00D 4J002 BB03W BB03X BB05W BB05X BB06X BB07X BB08X BB10X BB12X BB14X BB15W BB18X BP02X CD012 CD022 CD062 CD102 CD162 GF00 GQ00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に透明導電性膜が形成さ
    れた基材を含む基材層(I)と、 該基材層(I)に接した、下記(IIa)および/または
    (IIb)から選択される1種のポリオレフィン系樹脂組
    成物からなる組成物層(II)とを少なくとも有すること
    を特徴とする電子部品キャリアテープ用カバーフィル
    ム。 (IIa)シングルサイト系触媒の存在下に製造された
    (a)密度が0.86〜0.97g/cm3 、(b)メ
    ルトフローレートが0.1〜200g/10分であるエ
    チレン(共)重合体(A)100〜10質量%および他
    のポリオレフィン系樹脂(B)0〜90質量%を含有す
    るポリオレフィン系樹脂組成物。 (IIb)ポリオレフィン系樹脂および、ポリオレフィン
    系樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して、分子内に
    少なくとも2個以上のエポキシ基(オキシラン基)を含
    む、分子量3000以下のエポキシ化合物(C)0.0
    1〜10質量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記透明導電性膜が形成された基材が、
    金属蒸着二軸延伸フィルムであることを特徴とする請求
    項1記載の電子部品キャリアテープ用カバーフィルム。
  3. 【請求項3】 前記エチレン(共)重合体(A)が、下
    記(a)〜(d)の要件を満足することを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の電子部品キャリアテープ用
    カバーフィルム。 (a)密度が0.86〜0.97g/cm3 、 (b)メルトフローレートが0.1〜200g/10
    分、 (c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、 (d)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が
    溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75
    の差T75−T25および密度dが、下記(式1)の関係を
    満足すること (式1) T75−T25≦−670×d+644
  4. 【請求項4】 前記エチレン(共)重合体(A)が、さ
    らに下記(e)の要件を満足することを特徴とする請求
    項3記載の電子部品キャリアテープ用カバーフィルム。 (e)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が
    溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75
    の差T75−T25および密度dが、下記(式2)の関係を
    満足すること (式2) d<0.950g/cm3 のとき T75−T25≧−300×d+285 d≧0.950g/cm3 のとき T75−T25≧0
  5. 【請求項5】 前記エチレン(共)重合体(A)が、さ
    らに下記(f)および(g)の要件を満足するエチレン
    (共)重合体(A1)であることを特徴とする請求項3
    または請求項4記載の電子部品キャリアテープ用カバー
    フィルム。 (f)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
    B)可溶分量X(質量%)、密度dおよびメルトフロー
    レート(MFR)が下記(式3)および(式4)の関係
    を満足すること (式3)d−0.008logMFR≧0.93の場合 X<2.0 (式4)d−0.008logMFR<0.93の場合 X<9.8×103×(0.9300−d+0.008
    logMFR)2+2.0 (g)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが複数個存在すること
  6. 【請求項6】 前記エチレン(共)重合体(A)が、さ
    らに下記(h)および(i)の要件を満足するエチレン
    (共)重合体(A2)であることを特徴とする請求項3
    または請求項4記載の電子部品キャリアテープ用カバー
    フィルム。 (h)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが一つであること (i)融点ピークを1ないし2個以上有し、かつそのう
    ち最も高い融点Tmlと密度dが、下記(式5)の関係を
    満足すること (式5) Tml≧150×d−19
  7. 【請求項7】 前記エチレン(共)重合体(A2)が、
    さらに下記(j)の要件を満足することを特徴とする請
    求項6記載の電子部品キャリアテープ用カバーフィル
    ム。 (j)メルトテンション(MT)とメルトフローレート
    (MFR)が、下記(式6)を満足すること (式6) logMT≦−0.572×logMFR+0.3
  8. 【請求項8】 前記エチレン(共)重合体(A)中のハ
    ロゲン含有量が10ppm以下であることを特徴とする
    請求項3ないし7いずれか一項に記載の電子部品キャリ
    アテープ用カバーフィルム。
  9. 【請求項9】 前記ポリオレフィン系樹脂組成物に、添
    加剤を配合せず、もしくは実質的に被接触物に悪影響を
    与えない添加剤を配合してなることを特徴とする請求項
    1ないし8いずれか一項に記載の電子部品キャリアテー
    プ用カバーフィルム。
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