JP2003312194A - 転写シート - Google Patents

転写シート

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JP2003312194A
JP2003312194A JP2002121996A JP2002121996A JP2003312194A JP 2003312194 A JP2003312194 A JP 2003312194A JP 2002121996 A JP2002121996 A JP 2002121996A JP 2002121996 A JP2002121996 A JP 2002121996A JP 2003312194 A JP2003312194 A JP 2003312194A
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JP2002121996A
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Takashi Iizuka
孝志 飯塚
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性が向上する転写シートとする。 【解決手段】 剥離性を有する支持体シート1上に、転
写層2として少なくとも、剥離層3、絵柄層4、接着剤
層5を順次積層してなる転写シートにおいて、接着剤層
5中に、耐摩耗性向上剤として無機系の充填剤を添加し
ておく。その充填剤としては、例えば球状、鱗片状、立
方体等の粒子形状の無機系の粉体を使用すると良い。ま
た、接着剤層の樹脂としては、例えば、ガラス転移点
(Tg)50〜70℃で平均分子量5,000〜30,
000の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を用いるの
が良い。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性が向上す
る転写シートに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、内装材、建具、家具等の各種物品
の表面化粧に、転写シートが使用されている。そして、
物品表面に耐摩耗性が要求される場合、転写シートとし
ては、転写後の最表面層となる剥離層を表面保護層とし
て、その樹脂に硬化性樹脂を用いたり、該層に粉末充填
剤を添加したりする事が行われてきた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、剥離層
中に充填剤を添加すると耐摩耗性は向上するのだが、転
写シートを製造する際、剥離層の次に絵柄層を印刷形成
するときに、その印刷面となる剥離層面が充填剤の為に
凹凸面となっていると、印刷インキの転移が満足に行わ
れずに印刷抜け不良が発生することがあった。 【0004】すなわち、本発明の課題は、印刷抜け不良
等を回避しつつ耐摩耗性が向上する転写シートを提供す
ることである。 【0005】 【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の転写シートでは、剥離性を有する支持
体シート上に、転写層として少なくとも、剥離層、絵柄
層、接着剤層を順次積層してなる転写シートにおいて、
接着剤層中に耐摩耗性向上剤として無機系の充填剤が添
加されている構成とした。 【0006】この様な構成として、耐摩耗性を向上させ
る為の無機系の充填剤を接着剤層に添加してあるので、
絵柄層の印刷抜け不良を回避しつつ耐摩耗性を向上させ
る事ができる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。 【0008】〔層構成の概要〕本発明の転写シートは、
図1(A)の断面図で示す転写シートSの如く、支持体
シート1上に転写層2として、少なくとも、剥離層3、
絵柄層4、接着剤層5を積層した構成であり、この中で
も特に該接着剤層5中には耐摩耗性向上剤として無機系
の充填剤を添加した構成の転写シートである。そして、
この転写シートSを用いて各種基材等の被転写体に転写
層を転写すれば、転写後の転写層の耐摩耗性は向上する
というものである。 【0009】以下、各層について更に説明する。 【0010】〔支持体シート〕支持体シート1は、転写
層に対する剥離性が有れば、従来公知のもので良く特に
限定はない。用途に応じたものを使用すれば良い。例え
ば、樹脂シートは代表的な支持体シートである。該樹脂
シートとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、オレ
フィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等の熱可塑性ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポ
リアミド樹脂、或いは、ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー等のエラストマー等の樹脂の単層シート又は積層体が
使用される。また、支持体シートとしては、樹脂シート
の他、紙、金属箔、或いはこれらの積層体等も使用でき
る。例えば、上質紙にポリプロピレンを積層した構成の
支持体シート等である。なお、支持体シートの厚みは、
通常は20〜200μm程度である。 【0011】なお、支持体シートには必要に応じ、転写
層側に転写層との剥離性を調整する為に、支持体シート
の構成要素として離型層を設けても良い。この離型層は
支持体シートを剥離時に、支持体シートの一部として転
写層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シ
リコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこ
れらを含む混合物が用いられる。例えば前記した上質紙
にポリプロピレンを離型層として積層した支持体シート
である。 【0012】また、支持体シートは、木目導管溝柄の凹
凸模様を転写層表面に賦形する為の凹凸模様賦形層を支
持体シートの一部として設けても良い。例えば、図1
(B)で例示の転写シートSの如く、支持体シート1は
前記列記した如き樹脂シートや紙等の支持体シートとす
るものを素材シート1Aとして、該素材シートの転写層
側とする面に形成した凹凸模様賦形層1Bと素材シート
1Aとから構成することができる。 【0013】凹凸模様賦形層は、離型性を有する樹脂を
バインダー樹脂とするインキを用いて所望の凹凸模様
に、グラビア印刷、スクリーン印刷等で形成することが
できる。なお、離型性を有する樹脂としては、前記離型
層で列記した如き樹脂を使用できる。例えば、メラミン
樹脂等である。なお、メラミン樹脂としては、具体的に
はポリエステルメラミン樹脂等を使用できる。なお、賦
形する凹凸模様の模様は、例えば、木目導管溝、木目年
輪、花崗岩の劈開面、砂目、梨地、ヘアライン、万線状
溝、タイル貼りや煉瓦積の目地、布目の表面テクスチュ
ア、皮絞、文字、幾何学模様等である。また、細かい凹
凸模様で表面艶を調整することもできる。 【0014】〔剥離層〕剥離層3は、転写層2のうち支
持体シート1に接する層として設けられ、また、転写後
は転写層の最表面層となる層である。従って、剥離層
は、支持体シートに対する転写時の剥離力の適正化や、
絵柄層に対する耐摩耗性を最表面層として担う層でもあ
る。 【0015】この様な剥離層としては、従来公知の材料
及び方法で形成すれば良い。例えば、剥離層の樹脂とし
ては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル
(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−
ブチル(メタ)アクリレート共重合体等のアクリル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹
脂等の単独又は混合物が挙げられる。また、特に耐摩耗
性を強化したい場合には、2液硬化型ウレタン樹脂、或
いは、アクリレート系等の電離放射線硬化性樹脂等の硬
化性樹脂を用いるの良い。 【0016】また、上記電離放射線硬化性樹脂は、電離
放射線により硬化可能な組成物であり、具体的には、分
子中にラジカル重合性不飽和結合、又はカチオン重合性
官能基を有する、プレポリマー(所謂オリゴマーも包含
する)及び/又はモノマーを適宜混合した電離放射線に
より硬化可能な組成物が好ましくは用いられる。これら
プレポリマー又はモノマーは単体又は複数種を混合して
用いる。 【0017】上記プレポリマー又はモノマーは、具体的
には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アク
リロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキ
シ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からな
る。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによ
るポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましくは用
いられる。なお、例えば(メタ)アクリロイル基とは、
アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。ラ
ジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例として
は、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メ
ラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アク
リレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が使用で
きる。分子量としては、通常250〜100,000程
度のものが用いられる。 【0018】ラジカル重合性不飽和基を有するモノマー
の例としては、単官能モノマーとして、メチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等がある。
また、多官能モノマーとして、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサ
イドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート等もある。カチオン重合
性官能基を有するプレポリマーの例としては、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等
のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系
ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマ
ーがある。チオールとしては、トリメチロールプロパン
トリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチ
オグリコレート等のポリチオールがある。また、ポリエ
ンとしては、ジオールとジイソシアネートによるポリウ
レタンの両端にアリルアルコールを付加したもの等があ
る。 【0019】なお、紫外線又は可視光線にて硬化させる
場合には、上記電離放射線硬化性樹脂に、さらに光重合
開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹
脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン
類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル類を単独又は混合して用
いることができる。また、カチオン重合性官能基を有す
る樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾ
ニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム
塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル
等を単独又は混合物として用いることができる。なお、
これらの光重合開始剤の添加量としては、電離放射線硬
化性樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部程
度である。 【0020】なお、電離放射線としては、分子を架橋さ
せ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いら
れる。通常用いられるものは、紫外線又は電子線である
が、この他、可視光線、X線、イオン線等を用いる事も
可能である。紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水
銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライ
ト、メタルハライドランプ等の光源が使用される。紫外
線の波長としては通常190〜380nmの波長域が主
として用いられる。電子線源としては、コッククロフト
ワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コ
ア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周
波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1000k
eV、好ましくは、100〜300keVのエネルギー
をもつ電子を照射するものが使用される。 【0021】なお、上記電離放射線硬化性樹脂には、更
に必要に応じて適宜、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、熱可塑性ウレタン
樹脂、ブチラール樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性
樹脂を添加しても良い。 【0022】なお、剥離層は、上記の如き樹脂を用いた
インキ或いは塗液で、グラビア印刷、スクリーン印刷等
の印刷法、或いは、グラビアコート、ロールコート等の
塗工法等の公知の形成法で形成すれば良い。また、剥離
層の厚みは、用途、耐摩耗性等の要求物性等に応じて適
宜厚さとすれば良く、通常は1〜20μm程度とする。 【0023】〔絵柄層〕絵柄層4は、グラビア印刷、ス
クリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の印刷等に
よる形成方法及び材料で絵柄を形成すれば良い。絵柄は
用途に合わせて、例えば木目模様、石目模様、布目模
様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何
学模様、全面ベタ等を用いる。なお、全面ベタはグラビ
アコート等の塗工法で形成する事もできる。 【0024】絵柄層形成用のインキ(又は塗液)は、一
般的なインキ(又は塗液)同様に、バインダー等からな
るビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える
各種添加剤からなる。バインダーに用いる樹脂は、例え
ば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹
脂等の単体又はこれらを含む混合物を用いる。着色剤と
しては、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群
青等の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドンレッ
ド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー
等の有機顔料、二酸化チタン被覆雲母の箔粉等の光輝性
顔料、或いは、その他染料等を用いる。 【0025】また、絵柄層としては、金属薄膜層等を用
いる事もある。金属薄膜層としては、アルミニウム、真
鍮、金、銀、銅、クロム等を用いて真空蒸着法、スパッ
タリング法等で形成する。また、金属薄膜層は全面又は
部分的(絵柄状等)な層とする。 【0026】〔接着剤層〕接着剤層5は、転写層を被転
写体に転移させて接着させる為の層であり、且つ耐摩耗
性を向上させる層でもある。この為、本発明の転写シー
トでは、この接着剤層中に、耐摩耗性向上剤として、無
機系の充填剤を添加する。接着剤層中に該充填剤を添加
することで、剥離層への添加で起きる様な絵柄層印刷形
成時の印刷抜け不良発生を回避することができる。 【0027】上記無機系の充填剤としては、例えば、シ
リカ、アルミナ、アルミノシリケート、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、カオリナイト等の無機系粉末を用い
ることができる。また、充填剤の粒子形状としては、球
状、鱗片状、立方体、不定形等である。なお、球状、鱗
片状、立方体は良好な結果が得られる。また、粒径は適
宜調整するが、通常1〜10μm程度で良い。また、充
填剤の添加量は樹脂分に対して1〜30質量%程度とす
れば良い。添加量が多すぎると接着剤層としての接着性
が低下し、添加量が少なすぎても耐摩耗性向上効果が少
なくなる。 【0028】なお、接着剤層に用いる樹脂としては、従
来公知の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用いることがで
きる。例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポリエステル樹
脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノ
マー、塩素化ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂、或い
は、フェノール樹脂、ブロックイソシアネート硬化型ウ
レタン樹脂等の熱硬化性樹脂等を1種又は2種以上の混
合物として用いる。これらの樹脂のなかでも、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体を用いる場合には、そのガラス
転移点(Tg)が50〜70℃で且つ平均分子量が5,
000〜30,000のものが転写不良や密着不良が発
生し難い点で好ましい。それは、ガラス転移点が高いも
のや高分子量のものは、転写条件のブレ等により、転写
不良や密着不良が発生する場合が多々あるからである。
また、接着剤層の樹脂に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体を用いた場合、柔らかい為か、従来はそのままでは耐
摩耗性が若干低下する傾向があったが、本発明の如く接
着剤層中に耐摩耗性向上剤として無機系の充填剤を添加
しておくことで、耐摩耗性を向上させることができる。 【0029】そして、接着剤層は、上記の如き樹脂及び
充填剤を含むインキ(又は塗液)を、グラビア印刷(又
はロールコート)等の公知の印刷法(又は塗工法)等で
形成すれば良い。接着剤層の厚さは特に制限は無いが、
通常は2〜40μm程度である。 【0030】〔その他の転写層〕本発明の転写シートで
は、転写層として、少なくとも上記剥離層、絵柄層、接
着剤層を有するが、その他の転写層構成層として、例え
ば、層間密着性を強化するプライマー層等を層間に設け
ても良い。なお、プライマー層は例えば2液硬化型ウレ
タン樹脂等のプライマー剤の塗工で形成できる。 【0031】〔転写シートを用いた転写方法〕なお、本
発明の転写シートを利用して被転写体に転写する転写方
法としては、圧力を用いた通常の転写方法が適用出来
る。その場合、更に必要に応じて熱の作用も利用する。
特に、被転写体の被転写面が三次元凹凸形状の場合に
は、熱と圧力の併用が好ましい。例えば、下記の様な各
種の転写方法を適用できる。 【0032】(1)ローラ転写法:ローラ転写法は、例
えば、特開平6−99550号公報、特開平8−286
599号公報等に記載されている様に、慣用的な転写圧
加圧方法を採用した転写方法である。ローラ転写法は、
転写シートを、その転写層を被転写体側に向けて、支持
体シート側から弾性体ローラ(鉄芯周囲をシリコーンゴ
ム等の弾性体で被覆したゴムローラ等)によって加圧し
て転写圧を与える。通常は、弾性体ローラを予め加熱し
ておき、加圧と同時に接着剤を加熱活性化したり、或い
は転写シートを加熱軟化させて被転写面形状への追従成
形性を付与したりする。 【0033】(2)真空成形転写法:特公昭56−45
768号公報(オーバーレイ法)、特公昭60−580
14号公報(真空プレス法)等に記載されるように、被
転写体上に転写シートを対向又は載置し、少なくとも被
転写体側からの真空吸引による圧力差により転写シート
を被転写体に圧接して転写する、所謂真空成形積層法を
利用した転写方法。 【0034】(3)射出成形同時絵付転写法:特開平6
−315950号公報、特公平2−42080号公報に
記載されるように、転写シートを射出成形の雌雄両型間
に配置した後、加熱溶融等で流動状態の樹脂を型内に射
出し充填し、樹脂成形物の成形と同時にその表面に転写
シートを積層後、転写シートの支持体シート(及び凹凸
模様賦形層)を剥離して、転写する転写方法。 【0035】(4)ラッピング転写法:特公昭61−5
895号公報、特開平5−330013号公報等に記載
されるように、円柱、多角柱等の柱状の被転写面を有す
る被転写体の長軸方向に、転写シートを供給しつつ、複
数の向きの異なるローラーにより、被転写体を構成する
複数の側面に順次転写シートを圧接して転写してゆく、
所謂ラッピング加工方法による転写方法。 【0036】(5)固体粒子衝突圧を利用する転写法:
特許第2844524号公報、特開平10−19389
3号公報等に開示された新規な転写方法である。この転
写方法は、被転写体に、転写シートの転写層側を対向さ
せ、支持体シート側に多数の固体粒子(金属粒子等を使
用)を衝突させ、その衝突圧によって転写シートを被転
写体の表面形状に追従させ成形させて、転写する。この
転写方法は、ローラ転写法等では不可能な複雑、或いは
深い微細凹凸の表面に転写する場合に特に好適である。 【0037】(6)その他、BMC(Bulk Molding Comp
ound)成形法、SMC(Sheet MoldingCompound)成形法、
ハンドレイアップ成形法等のFRP(Fiber Reinforced
Plastics)における各種成形法、或いは、RIM(Reacti
on Injection Molding)、マッチドモールド成形法等の
成形と同時に行う転写方法、等がある。 【0038】なお、上記(1)、(2)、(4)及び
(5)は既に形状を有する被転写体に転写するものであ
り、(3)及び(6)は、樹脂成形品として被転写体の
形状発現と同時に転写するものである。また、上記
(3)の方法では、樹脂の成形型、又は別の型により転
写シートを予備成形した後に、樹脂を射出成形して成形
と同時に転写する方法もある。これと同様に、(6)に
列記の方法においても、転写シートの成形は樹脂成形と
同時の場合と、樹脂成形の前に予備成形する場合があ
る。なお、ハンドレイアップ法では、転写シートの成形
は予備成形となる。 【0039】〔被転写体〕また、本発明の転写シートに
よる転写の被転写体としては、特に制限はない。被転写
体には、用途及び採用する転写法に応じ適宜な材質及び
形状の物を使用すれば良い。例えば、被転写体の材質
は、木質系、無機非金属系、金属系、プラスチック系等
である。具体的には、木質系では、例えば、杉、檜、
樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティク
ルボード、繊維板〔MDF(中質繊維板)等〕、集成材
等がある。無機非金属系では、例えば、押し出しセメン
ト、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリー
ト)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセ
メント、木片セメント、石綿セメント、ケイ酸カルシウ
ム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、
陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス等の
無機質材料等がある。また、金属系では、例えば、鉄、
アルミニウム、銅等の金属材料がある。また、プラスチ
ック系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フ
ェノール樹脂等の樹脂材料がある。 【0040】〔転写製品の用途〕なお、本発明の転写シ
ートを用いて得られる転写製品の用途は、特に限定は無
い。例えば、サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、
破風板等の外装、壁面、天井、床等の建築物の内装、窓
枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具類の表面化粧、箪笥
等の家具やテレビ受像機等の弱電・OA機器のキャビネ
ットの表面化粧、自動車、電車、航空機、船舶等の乗物
内装材等である。転写品の形状は、平板、曲面板、棒状
体、立体物等と任意である。 【0041】 【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳述する。 【0042】〔実施例1〕図1(B)の如き転写シート
Sを次の様にして作製した。先ず、支持体シート1とし
て、厚さ26μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを素材シート1Aとして用い、この素材シー
トの転写層側とする面に、ポリエステルメラミン系樹脂
のインキをグラビア印刷して、木目導管溝柄の凹凸模様
を賦形する為の凹凸模様賦形層1Bを形成して、支持体
シート1を作製した。 【0043】次いで、上記支持体シート1の凹凸模様賦
形層1B側の面上に、転写層2として、ウレタンアクリ
レート系の電離放射線硬化性樹脂の塗液をグラビアコー
トした後、電子線照射で架橋硬化させて厚さ4μmの剥
離層3を形成した。次いで、上記剥離層3上に、アクリ
ル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合樹脂
をバインダー樹脂とし、弁柄、イソインドリノンイエロ
ー、フタロシアニンブルー、チタン白及びカーボンブラ
ックを着色剤として添加した着色インキをグラビア印刷
して、木目のパターン柄の柄層と着色隠蔽性の全ベタ層
とからなる絵柄層4を順次形成した。 【0044】次いで、接着剤層5として、樹脂分に塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体を用い、球状のアルミナ粉
末からなる無機系充填剤を耐摩耗性向上剤として樹脂分
に対して20質量%添加した塗液をグラビアリバースコ
ートして厚さ20μmの層を形成して、所望の転写シー
トSを得た。なお、上記充填剤は剥離層中には無添加で
ある。 【0045】〔実施例2〕実施例1に於いて、接着剤層
中に耐摩耗性向上剤として添加した無機系充填剤を、鱗
片状のアルミナ粉末に変更し添加量を30質量%に変更
した他は、実施例1と同様にして転写シートを作製し
た。 【0046】〔実施例3〕実施例1に於いて、接着剤層
中に耐摩耗性向上剤として添加した無機系充填剤を、立
方体状のアルミノシリケート粉末に変更し添加量を30
質量%に変更した他は、実施例1と同様にして転写シー
トを作製した。 【0047】〔比較例1〕実施例1に於いて、接着剤層
中への耐摩耗性向上剤として無機系充填剤の添加を省略
した他は、実施例1と同様にして転写シートを作製し
た。 【0048】〔性能評価〕上記各転写シートの性能を評
価すべく、被転写体とする3mm厚のMDF(中質繊維
板)の板材に、ローラ転写法で転写して試験片を作製し
た。そして、この試験片の表面に対して、耐摩耗性とし
て、テーバー摩耗試験と、スチールウール試験を実施し
た。なお、テーバー摩耗試験は摩耗輪CS−17を用い
たテーバ形摩耗試験機で回転数400回で表面を摩耗し
て評価した。また、スチールウール試験はNo.0のス
チールウールで表面を100往復擦って評価した。それ
ぞれ試験後の柄消失具合を目視観察して性能評価した。
結果を表1に纏めて示す。 【0049】 【表1】 【0050】その結果、実施例1、実施例2、及び実施
例3の各実施例では、いずれも、テーバー摩耗試験、ス
チールウール試験共に柄変化無く良好(○)であった。
しかしながら、接着剤層中への充填剤添加を省略した比
較例1では、各試験にて若干柄が消失し不良(△)とな
った。 【0051】 【発明の効果】本発明の転写シートによれば、絵柄層の
印刷抜け不良を回避しつつ耐摩耗性を向上させる事がで
きる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の転写シートの幾つかの形態を例示する
断面図。 【符号の説明】 1 支持体シート 1A 素材シート 1B 凹凸模様賦形層 2 転写層 3 剥離層 4 絵柄層 5 接着剤層 S 転写シート

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 剥離性を有する支持体シート上に、転写
    層として少なくとも、剥離層、絵柄層、接着剤層を順次
    積層してなる転写シートにおいて、 接着剤層中に耐摩耗性向上剤として無機系の充填剤が添
    加されている、転写シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7372908B2 (en) 2002-02-28 2008-05-13 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Radio communication method, radio transmitting apparatus, and radio receiving apparatus
JP2010052353A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Nissha Printing Co Ltd ヘアライン意匠を有する転写シートと転写成形品の製造方法

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