JP2003310207A - 低コレステロール・マヨネーズ - Google Patents

低コレステロール・マヨネーズ

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JP2003310207A
JP2003310207A JP2002127804A JP2002127804A JP2003310207A JP 2003310207 A JP2003310207 A JP 2003310207A JP 2002127804 A JP2002127804 A JP 2002127804A JP 2002127804 A JP2002127804 A JP 2002127804A JP 2003310207 A JP2003310207 A JP 2003310207A
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mayonnaise
cholesterol
mass
low
oil
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JP2002127804A
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Jiro Taki
次郎 瀧
Kazumichi Kanda
一道 神田
Soichiro Kusumoto
総一郎 楠本
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Knorr Foods Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キサンタンガム等の増粘剤を使用したりする
ことなく、適度な粘度を有するなど乳化状態に優れると
共に、風味劣化が抑制され長期保存に適した低コレステ
ロール・マヨネーズを提供すること。 【解決手段】 水相と油相とが水中油型に乳化されてな
る、油相含量が60質量%以上のマヨネーズにおいて、
乳化剤として、食用植物油脂を用いてコレステロールが
抽出された食用植物油脂抽出卵黄であって、乾燥重量あ
たり、コレステロール含量が0.5質量%以下であり、
且つ、リン脂質含量が8質量%以上であるものを用いる
と共に、前記食用植物油脂抽出卵黄がマヨネーズ中に
0.5〜2.0質量%含まれていることを特徴とする低
コレステロール・マヨネーズを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低コレステロール
・マヨネーズに関し、詳しくは適度な粘度を有するなど
乳化状態に優れると共に、風味劣化が抑制され長期保存
に適した低コレステロール・マヨネーズに関する。
【0002】
【従来の技術】通常のマヨネーズは、水相と油相とが卵
黄の乳化性を利用して乳化されて調製される安定な水中
油型エマルジョンである。しかし、マヨネーズには卵黄
が使用されているため、多くのコレステロールが含まれ
ている。
【0003】最近では、健康及び栄養的観点からコレス
テロールを低減した食品が求められているが、マヨネー
ズについてもコレステロールを低減した技術が提案され
ている。例えば、特開平11−137209号公報に
は、超臨界二酸化炭素処理卵黄を含む酸性水性原料とサ
ラダ油からなる油性原料とを、ホスホリパーゼ処理卵黄
を乳化剤として乳化させた低コレステロールマヨネーズ
が提案されている。
【0004】しかしながら、超臨界技術でコレステロー
ルが抽出された卵黄を使用して得られるマヨネーズは、
乳化安定性が悪いという問題点があり、かかる問題点を
克服するために、ホスホリパーゼ処理卵黄を使用した
り、キサンタンガム等の増粘剤を使用したりしなければ
ならなかった。このため、調製に手間がかかったり、製
品の風味が変わったりしてしまう、などの問題があっ
た。
【0005】一方、酸素は、マヨネーズの原料である食
用植物油の酸化を促進させ、マヨネーズの風味劣化を進
行させる原因となる。よって、極力酸素をマヨネーズに
触れさせないことが理想である。従来のマヨネーズボト
ルは、酸素透過性が温度24℃下で、ボトル内マヨネー
ズ100gあたり0.07〜0.2cm/day・a
tmであり、保存中に原料である植物油の酸化が促進さ
れ、風味劣化の進行が顕著であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
の問題点を解決して、ホスホリパーゼ処理卵黄を使用し
たり、キサンタンガム等の増粘剤を使用したりすること
なく、適度な粘度を有するなど、乳化状態(乳化安定
性)に優れた低コレステロール・マヨネーズを提供する
ことを目的とするものである。さらに、本発明は、乳化
状態(乳化安定性)に優れると共に、保存中の酸化を抑
制し風味を良好に保った低コレステロール・マヨネーズ
を提供することを目的とする。
【0007】本発明者らは、適度な粘度を有するなど乳
化状態に優れると共に、保存中の酸化を抑制し風味を良
好に保った低コレステロール・マヨネーズを開発すべ
く、鋭意検討を重ねた。
【0008】その結果、本発明者らは、水相と油相とが
水中油型に乳化されてなる、油相含量が60質量%以上
のマヨネーズにおいて、乳化剤として、食用植物油脂を
用いてコレステロールが抽出された食用植物油脂抽出卵
黄であって、コレステロール含量が0.5質量%以下で
あり、且つ、リン脂質含量が8質量%以上であるものを
用いることにより、ホスホリパーゼ処理卵黄を使用した
り、キサンタンガム等の増粘剤を使用したりすることな
く、乳化状態に優れた低コレステロール・マヨネーズが
得られることを見出した。
【0009】また、本発明者らは、このとき水相原料と
して、DE(Dextrose Equivalent)45〜50の水あ
めを使用することにより、同時にマヨネーズが滑らかな
物性になり、また、マヨネーズの照り、つやが増して、
好ましい外観になることも見出した。さらに、本発明者
らは、マヨネーズの容器として、酸素透過性が温度24
℃下で、ボトル内マヨネーズ100gあたり0.04c
/day・atm以下のチューブボトルを使うこと
により、保存中の酸化を抑制し風味を良好に保つことが
できることも見出した。本発明は、かかる知見に基づい
て完成されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る本発明は、水相と油相とが水中油型に乳化されてな
る、油相含量が60質量%以上のマヨネーズにおいて、
乳化剤として、食用植物油脂を用いてコレステロールが
抽出された食用植物油脂抽出卵黄であって、乾燥重量あ
たり、コレステロール含量が0.5質量%以下であり、
且つ、リン脂質含量が8質量%以上であるものを用いる
と共に、前記食用植物油脂抽出卵黄がマヨネーズ中に
0.5〜2.0質量%含まれていることを特徴とする低
コレステロール・マヨネーズを提供するものである。
【0011】請求項2に係る本発明は、DE(Dextrose
Equivalent)45〜50の水あめが水相中に含まれて
いることを特徴とする請求項1記載の低コレステロール
・マヨネーズを提供するものである。
【0012】請求項3に係る本発明は、酸素透過性が温
度24℃下で、ボトル内マヨネーズ100gあたり0.
04cm/day・atm以下のチューブボトルに充
填されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の低
コレステロール・マヨネーズを提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示
す。請求項1に係る本発明は、低コレステロール・マヨ
ネーズに関し、水相と油相とが水中油型に乳化されてな
る、油相含量が60質量%以上のマヨネーズにおいて、
乳化剤として、食用植物油脂を用いてコレステロールが
抽出された食用植物油脂抽出卵黄であって、乾燥重量あ
たり、コレステロール含量が0.5質量%以下であり、
且つ、リン脂質含量が8質量%以上であるものを用いる
と共に、前記食用植物油脂抽出卵黄がマヨネーズ中に
0.5〜2.0質量%含まれていることを特徴とするも
のである。
【0014】請求項1に係る発明において、低コレステ
ロール・マヨネーズとは、コレステロール含量が低いも
の、例えば市販の通常のマヨネーズ(REAL)の1/
6以下程度のものをいう。従って、一般に、コレステロ
ール含量が25mg%、つまり0.025質量%より少
ないものであれば、低コレステロール・マヨネーズとい
うことができる。
【0015】なお、マヨネーズとは、油相と水相とが乳
化されてなるものであるが、JASにおいては、マヨネ
ーズにおける油相の比率は65質量%(重量%)以上と
規定されている。従って、請求項1に係る本発明におけ
る低コレステロール・マヨネーズの油相含量を65質量
%(重量%)以上に調製すれば、JASの規格にも適合
するマヨネーズとなる点でも好ましい。
【0016】請求項1に係る発明の低コレステロール・
マヨネーズにおける油相含量は、60重量%以上である
ことが必要であり、味及び乳化安定性の点から65重量
%以上であることが好ましい。その一方で、油相の比率
が80質量%を超えると、乳化時に転相を生じたり、調
製されたマヨネーズの安定性が悪くなるため、好ましく
ないことから、油相の比率の上限は80質量%となる。
一般に、「low fatマヨネーズ」と言われている
ものは、油分が40質量%以下のものをいうことから、
本発明の低コレステロール・マヨネーズは、高油分タイ
プの低コレステロール・マヨネーズである。
【0017】請求項1に係る本発明は、このような油相
と水相とが乳化されてなる、油相含量が60質量%以上
のヨネーズにおいて、乳化剤として、食用植物油脂を用
いてコレステロールが抽出された食用植物油脂抽出卵黄
であって、乾燥重量あたり、コレステロール含量が0.
5質量%以下であり、且つ、リン脂質含量が8質量%以
上であるものを用いると共に、前記食用植物油脂抽出卵
黄がマヨネーズ中に0.5〜2.0質量%含まれている
ことを特徴とするものである。
【0018】請求項1に係る本発明の低コレステロール
・マヨネーズにおいては、乳化剤として、食用植物油脂
を用いてコレステロールが抽出された食用植物油脂抽出
卵黄であって、乾燥重量あたり、コレステロール含量が
0.5質量%以下であり、且つ、リン脂質含量が8質量
%以上であるものを用いることが必要である。ここで乳
化剤として、食用植物油脂抽出卵黄ではなく、他の油脂
を用いてコレステロールが抽出された卵黄を用いたとし
ても、本発明の目的を達成することはできない。
【0019】食用植物油脂を用いてコレステロールが抽
出された食用植物油脂抽出卵黄とは、卵黄に食用植物油
脂を加え、混合後、食用植物油脂を抽出して得られる、
卵黄中のコレステロールの70〜98質量%程度が抽出
除去された卵黄を意味する。なお、この抽出操作を数回
繰り返して、コレステロールをほぼ100%除去したも
のも、含まれるものとする。
【0020】食用植物油脂抽出卵黄の原料として用いら
れる卵黄としては、全卵から卵黄を分割したものや、全
卵などをスプレードライ乾燥等の手段によって乾燥処理
されたものが用いられる。
【0021】ここで食用植物油脂とは、食用に用いるこ
とができ、且つ植物由来の油脂のことをいう。例えば、
綿実油、トウモロコシ油、米糠油、大豆油、パーム油、
サフラワー油、サンフラワー油、菜種油、ゴマ油等が挙
げられ、これらの一種類或いは二種類以上を組み合わせ
て用いることができる。
【0022】請求項1に係る本発明において、乳化剤と
して用いる食用植物油脂抽出卵黄としては、上記した如
き食用植物油脂を用いてコレステロールが抽出された食
用植物油脂抽出卵黄であって、しかも乾燥重量あたり、
コレステロール含量が0.5質量%以下であり、且つ、
リン脂質含量が8質量%以上であることが必要である。
【0023】まず該食用植物油脂抽出卵黄中のコレステ
ロール含量は、乾燥重量あたり、0.5質量%以下であ
ることが好ましく、特に乾燥重量あたり、0.4質量%
以下であることが好ましい。該抽出卵黄中のコレステロ
ール含量が、乾燥重量あたり、0.5質量%を超える
と、目的とする低コレステロール・マヨネーズが得られ
ない。
【0024】次に、該食用植物油脂抽出卵黄としては、
乾燥重量あたり、リン脂質含量が8質量%以上であるこ
とが好ましく、特に乾燥重量あたり、10質量%以上で
あることが好ましい。該抽出卵黄中のリン脂質含量が8
質量%未満であると、得られた低コレステロール・マヨ
ネーズの粘度が低くなり、軟らかくなり過ぎてしまうな
ど、乳化安定性が劣ることとなる。
【0025】食用植物油脂による卵黄の抽出条件は、コ
レステロールや中性脂質を選択的に抽出すべく、食用植
物油脂の添加量、温度及び抽出時間を調整する必要があ
る。抽出条件が強過ぎると、コレステロールと共にリン
脂質も抽出されてしまう。一方、抽出条件が弱過ぎる
と、コレステロールとリン脂質のいずれもが抽出されに
くくなる。このため、コレステロールの低過度及びリン
脂質の残存度を考慮して、抽出条件は決定される。食用
植物油脂による抽出条件としては、食用植物油脂の添加
量は、卵黄に対し50〜200質量%加え、例えば40
〜60℃で10分間攪拌した後、10分間遠心分離し、
脱油する。また、この抽出操作を数回繰り返すことで、
さらにコレステロール含量を減らすことができる。
【0026】請求項1に係る本発明の低コレステロール
・マヨネーズに占める食用植物油脂抽出卵黄の含有量
(使用量)は、0.5〜2.0質量%であり、0.8〜
1.5質量%であることが好ましい。マヨネーズ中の食
用植物油脂抽出卵黄の含有量(使用量)が0.5質量%
未満であると、充分な乳化性を発揮することができな
い。一方、2.0質量%を超えると、目的とする低コレ
ステロール・マヨネーズが得られず、また、仕上げ乳化
の際に転相しやすくなるため、好ましくない。
【0027】請求項1に係る本発明の低コレステロール
・マヨネーズにおいては、このように特定量食用植物油
脂抽出卵黄を含有させることにより、ガム類や澱粉類等
の増粘剤を使用しなくとも、乳化安定性に優れた低コレ
ステロール・マヨネーズを得ることができる。
【0028】請求項1に係る本発明の低コレステロール
・マヨネーズは、上記した如く、水相と油相とが水中油
型に乳化されてなる、油相含量が60質量%以上のマヨ
ネーズにおいて、乳化剤として、食用植物油脂を用いて
コレステロールが抽出された食用植物油脂抽出卵黄であ
って、乾燥重量あたり、コレステロール含量が0.5質
量%以下であり、且つ、リン脂質含量が8質量%以上で
あるものを用いると共に、前記食用植物油脂抽出卵黄が
マヨネーズ中に0.5〜2.0質量%含まれていること
を特徴とするものであり、これ以外の点については通常
のマヨネーズと同様のものであって、既知の方法により
製造されるものである。
【0029】すなわち、請求項1に係る本発明の低コレ
ステロール・マヨネーズにおいて、乳化剤として用いら
れる食用植物油脂抽出卵黄以外の水相を構成する原料
(水相原料)については、マヨネーズとして通常使用さ
れているものでよい。水相原料としては、一般にマヨネ
ーズに使用されているもの、例えば、水、糖類(水あめ
・砂糖・ぶどう糖・果糖・ぶどう糖果糖液糖等)、酸味
料(食酢・かんきつ類の果汁・クエン酸等)、たん白加
水分解物、香辛料、調味料(アミノ酸等)等が挙げら
れ、これらを用途に応じて、種類や使用量を適宜選定し
て用いることができる。
【0030】ここで、水相原料の中でも、請求項2に記
載するように、DE(Dextrose Equivalent)45〜5
0の水あめが水相中に含まれていることにより、マヨネ
ーズが滑らかな物性になり、また、マヨネーズの照り、
つやが増して、好ましい外観になる点で好ましい。ここ
でDE(Dextrose Equivalent)とは、澱粉糖類の加水
分解率の指標となる単位で、(直接還元糖〔グルコース
換算〕/固形分)×100なる式で表される。
【0031】請求項2に係る本発明において、マヨネー
ズ中に占める(DE45〜50の)水あめの使用量は、
10質量%以下とすることが好ましく、3〜6質量%で
あることが好ましい。10質量%を超えると、粘度が高
くなってしまうと共に、マヨネーズ中の水分が少なくな
ってしまい、調製しづらいので好ましくない。
【0032】一方、油相原料としては、食用植物油脂や
親油性のある香辛料等が挙げられる。ここで食用植物油
脂としては、上述したように、綿実油、トウモロコシ
油、米糠油、大豆油、パーム油、サフラワー油、菜種
油、ゴマ油等が挙げられ、これらの一種類或いは二種類
以上を組み合わせて用いることができる。なお、既に述
べたように、油相含量は60質量%以上であることが必
要であり、味及び乳化安定性の点から65質量%以上で
あることが好ましい。
【0033】請求項1に係る本発明の低コレステロール
・マヨネーズの製造は、既知の手法により行えばよく、
例えば水以外の水相原料を水等に分散、溶解し、これに
油相原料を加えて、一般的な撹拌機、例えば市販の万能
型混合撹拌機などにより予備乳化し、次いで、コロイド
ミル等の乳化機により仕上げ乳化を行う方法により、目
的とする低コレステロール・マヨネーズを製造すること
ができる。
【0034】このようにして得られる請求項1に係る本
発明の低コレステロール・マヨネーズは、適正な粘度を
有するなど、乳化安定性の高いものである。
【0035】請求項1に係る本発明の低コレステロール
・マヨネーズは、通常用いられるチューブボトル等の容
器に充填することができるが、請求項3に係る本発明の
ように、酸素透過性が、温度24℃下で、ボトル内マヨ
ネーズ100gあたり0.04cm/day・atm
以下、特に0.02cm/day・atm以下のチュ
ーブボトルに充填することが好ましい。
【0036】ここで酸素透過性が温度24℃下で、ボト
ル内マヨネーズ100gあたり0.04cm/day
・atmを超えるチューブボトルを用いると、保存後に
酸化臭が感じられると共に、風味の劣化が顕著になるの
で好ましくない。チューブボトルの形状は、一般にマヨ
ネーズのチューブボトルとして用いるものであれば特に
限定するものではない。チューブボトルとしては、主要
樹脂層としてポリエチレン樹脂、酸素バリアー樹脂層と
してエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)
をそれぞれ用い、その間に接着層樹脂を挟んだ、5層乃
至はそれ以上の多層構造のものが一般に用いられるが、
これに限定されるものではない。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれらによって何ら制限されるものではな
い。なお、以下の実施例において「%」はすべて質量基
準である。
【0038】実施例1 1)食用植物油脂抽出卵黄Aの調製 スプレードライした1000gの卵黄粉末に、1600
gの大豆油を加え、40℃にてホモジナイザーで10分
間混合した。その後、5000rpmで10分間遠心分
離し脱油した。この操作を4回繰り返して、食用植物油
脂抽出卵黄Aを得た。得られた食用植物油脂抽出卵黄A
中に占めるコレステロール含量及びリン脂質含量は、そ
れぞれ0.4%及び12%(いずれも乾燥重量あたり)
であった。
【0039】2)低コレステロール・マヨネーズの調製 下記第3表に示す配合組成の原料を、水中油型に乳化
し、低コレステロール・マヨネーズ10kgを調製し
た。すなわち、まず水相原料である食用植物油脂抽出卵
黄A、水あめ(DE48)、食酢(5%酸度)、食塩、
MSG及び水を混合溶解して水相を調製し、この水相に
菜種油を第3表に示す所定量加え、ホバルトミキサー
(ホバルト社製)で予備乳化した。次いで、コロイドミ
ルにより仕上げ乳化を行って、低コレステロール・マヨ
ネーズを得た。
【0040】3)低コレステロール・マヨネーズの粘度
の測定 上記2)で得られた低コレステロール・マヨネーズにつ
いて、調製してから24時間後の粘度を測定し、評価し
た。粘度(cP)は、ブルックフィールド粘度計(ブル
ックフィールド社製)を用いて測定し、食感や使いやす
さに基づいて適正か否かを以下の第1表に示す3段階の
基準で評価した。粘度の評価結果を第3表に示す。第3
表中、コレステロール含量は、ガスクロマトグラフ法に
よる測定から、マヨネーズ100g中の量(mg)とし
て示した。
【0041】
【表1】第1表(粘度の評価基準)
【0042】4)低コレステロール・マヨネーズのマヨ
ネーズ風味の評価 上記2)で得られた低コレステロール・マヨネーズにつ
いて、よく訓練された8名のパネラーにより、調製して
から24時間後の低コレステロール・マヨネーズのマヨ
ネーズ風味を以下の第2表に示す3段階の基準で評価し
た。マヨネーズ風味の評価結果を第3表に示す。
【0043】
【表2】第2表(マヨネーズ風味の評価基準)
【0044】実施例2 実施例1において、水あめ(DE48)を用いなかった
こと以外は、実施例1と同様にして行い評価した。結果
を第3表に示す。
【0045】比較例1 実施例1において、油相を構成する菜種油の配合量を5
0質量%に減らし、その代わりに水の配合量を36.7
質量%に増やしたこと以外は、実施例1と同様にして行
い評価した。結果を第3表に示す。
【0046】比較例2 実施例1において、食用植物油脂抽出卵黄Aの配合量を
0.3質量%に減らし、その代わりに水の配合量を2
2.4質量%に増やしたこと以外は、実施例1と同様に
して行い評価した。結果を第3表に示す。
【0047】比較例3 1)食用植物油脂抽出卵黄Bの調製 スプレードライした1000gの卵黄粉末に、1600
gの大豆油を加え、40℃にてホモジナイザーで10分
間混合した。その後、5000rpmで10分間遠心分
離し脱油した。この操作を10回繰り返して、食用植物
油脂抽出卵黄Bを得た。得られた食用植物油脂抽出卵黄
B中に占めるコレステロール含量及びリン脂質含量は、
それぞれ0.1%及び4%(いずれも乾燥重量あたり)
であった。
【0048】2)低コレステロール・マヨネーズの調製 実施例1において調製した食用植物油脂抽出卵黄A(コ
レステロール含量0.4%、リン脂質含量12%)の代
わりに、上述の手順で調製した食用植物油脂抽出卵黄B
(コレステロール含量0.1%、リン脂質含量4%)を
用いた他は実施例1と同様にして低コレステロール・マ
ヨネーズを製造した。原料の配合組成と粘度の評価結果
を第3表に示す。
【0049】比較例4 1)超臨界炭酸ガス抽出乾燥卵黄の調製 乾燥卵黄300gを抽出器に入れ、液化状態の炭酸ガス
300gを注入し、40℃及び140気圧で7時間抽出
操作を行った。抽出後、炭酸ガスを気化分離して除去
し、超臨界炭酸ガス抽出卵黄を得た。超臨界炭酸ガス抽
出卵黄に占めるコレステロール含量及びリン脂質含量
は、それぞれ0.2%及び29%であった。
【0050】2)低コレステロール・マヨネーズの調製 実施例1において、食用植物油脂抽出卵黄Aの代わり
に、上述の手順で調整した超臨界炭酸ガス抽出乾燥卵黄
を用いた他は実施例1と同様にして低コレステロール・
マヨネーズを製造した。原料の配合組成と粘度の評価結
果を第3表に示す。
【0051】
【表3】第3表(その1)(原料配合組成及び粘度の評
価結果)
【0052】
【表4】第3表(その2)(原料配合組成及び粘度の評
価結果)
【0053】第3表から明らかなように、食用植物油脂
抽出卵黄A(リン脂質含量12%、コレステロール含量
0.4%)を使用した実施例1の低コレステロール・マ
ヨネーズは、コレステロール含量が10mg/100g
以下と低く抑えられていると共に、適正な粘度を示し、
良好なマヨネーズ風味を呈していることが分かる。
【0054】これに対して、油相を構成する菜種油の配
合量を50質量%に減らした比較例1の低コレステロー
ル・マヨネーズは、粘度が不適であることが分かる。次
に、食用植物油脂抽出卵黄Aを用いたものの、その配合
量を0.3質量%に減らした比較例2の低コレステロー
ル・マヨネーズは、転相してしまったことが分かる。ま
た、リン脂質含量が低い食用植物油脂抽出卵黄B(コレ
ステロール含量0.1%、リン脂質含量4%)を使用し
た比較例3の低コレステロール・マヨネーズでは、コレ
ステロール含量は実施例1のものと同様に低いものの、
粘度については不適であるとの評価であった。さらに、
食用植物油脂抽出卵黄Aの代わりに超臨界炭酸ガス抽出
乾燥卵黄を使用した比較例4の低コレステロール・マヨ
ネーズは、コレステロール含量は実施例1のものと同様
に低いものの、粘度については不適であるとの評価であ
った。また、比較例に示す低コレステロール・マヨネー
ズは、いずれもマヨネーズ風味を呈していなかった。
【0055】従って、本発明の如く、リン脂質を所定割
合含有し、且つコレステロールの少ない食用植物油脂抽
出卵黄Aを用いたマヨネーズは、適当な粘度を有し、且
つ低コレステロールであって、健康及び栄養上の観点か
らも優れていることが明らかとなった。
【0056】実施例3及び比較例5(ボトルを変えて保
存したマヨネーズの味覚評価) 主要樹脂層としてポリエチレン樹脂、酸素バリアー樹脂
層としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVO
H)をそれぞれ用い、その間に接着層樹脂を挟んだ、5
層構造のチューブボトルであって、酸素透過性が温度2
4℃下で、ボトル内マヨネーズ100gあたり0.03
cm/day・atmのチューブボトル(実施例3)
を用い、このチューブボトルに、実施例1で調製した低
コレステロール・マヨネーズを充填した後、24℃下
で、3ヶ月保存したサンプルについて、実施例1と同様
に粘度の評価を行うと共に、よく訓練されたパネラー8
名により、油の酸化臭の評価及び風味劣化の評価を、そ
れぞれ第4表及び第5表に示す基準で評価した。結果を
第6表に示す。なお、比較のために、従来から使用され
ている、主要樹脂層としてポリエチレン樹脂、酸素バリ
アー樹脂層としてエチレン・ビニルアルコール共重合体
(EVOH)とポリエチレンとの混合樹脂からなる3層
構造のチューブボトルであって、酸素透過性が温度24
℃下で、ボトル内マヨネーズ100gあたり0.10c
/day・atmのチューブボトル(比較例5)を
用いたこと以外は、上記実施例3と同様にして行い評価
した。結果を第6表に示す。
【0057】
【表5】第4表(油の酸化臭の評価)
【0058】
【表6】第5表(風味劣化の評価)
【0059】
【表7】第6表(ボトルを変えて保存したマヨネーズの
味覚評価)
【0060】第6表から明らかなように、酸素透過性
が、温度24℃下で、ボトル内マヨネーズ100gあた
り0.03cm/day・atmのボトルを用いた実
施例3では、24℃下で3ヶ月保存した後も、適正な粘
度であった。また、油の酸化臭が感じられず、風味劣化
していなかった。
【0061】一方、酸素透過性が、温度24℃下で、ボ
トル内マヨネーズ100gあたり0.10cm/da
y・atmのボトルを用いた比較例4では、24℃下で
3ヶ月保存すると、適正な粘度であったものの、油の酸
化臭が感じられ、やや風味が劣化していると感じられる
ものであった。
【0062】従って、本発明の如く、酸素透過性が、温
度24℃下で、ボトル内マヨネーズ100gあたり0.
04cm/day・atm以下のチューブボトルに充
填されてなるマヨネーズは、24℃下で3ヶ月保存後も
適度な粘度を有することは勿論、酸化臭もなく風味劣化
が抑制されることが明らかとなった。
【0063】
【発明の効果】請求項1に係る本発明の低コレステロー
ル・マヨネーズは、乳化剤として食用植物油脂を用いて
コレステロールが抽出された食用植物油脂抽出卵黄を含
有するものであることから、従来の超臨界技術でコレス
テロールが抽出された卵黄を使用して得られるマヨネー
ズと比較して、キサンタンガム等の増粘剤を使用したり
することなく、適当な粘度を有するなど乳化安定性に優
れたものとなっている。また、請求項1に係る本発明の
低コレステロール・マヨネーズは、コレステロール含量
が低いものであるため、健康及び栄養上の観点からも、
優れたものである。さらに、請求項3に係る本発明の低
コレステロール・マヨネーズは、酸素透過性が温度24
℃下で、ボトル内マヨネーズ100gあたり0.04c
/day・atm以下のチューブボトルに充填され
ているので、保存中の酸化が抑制され、風味を良好に保
たれるものとなっている。従って、本発明の低コレステ
ロール・マヨネーズは、食品工業の分野において、利用
性が高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楠本 総一郎 神奈川県川崎市高津区下野毛2丁目12番1 号 クノール食品株式会社内 Fターム(参考) 4B018 LB09 LE04 MD27 MD72 ME04 4B047 LB09 LE03 LG28 LG53 LP15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水相と油相とが水中油型に乳化されてな
    る、油相含量が60質量%以上のマヨネーズにおいて、
    乳化剤として、食用植物油脂を用いてコレステロールが
    抽出された食用植物油脂抽出卵黄であって、乾燥重量あ
    たり、コレステロール含量が0.5質量%以下であり、
    且つ、リン脂質含量が8質量%以上であるものを用いる
    と共に、前記食用植物油脂抽出卵黄がマヨネーズ中に
    0.5〜2.0質量%含まれていることを特徴とする低
    コレステロール・マヨネーズ。
  2. 【請求項2】 DE(Dextrose Equivalent)45〜5
    0の水あめが水相中に含まれていることを特徴とする請
    求項1記載の低コレステロール・マヨネーズ。
  3. 【請求項3】 酸素透過性が温度24℃下で、ボトル内
    マヨネーズ100gあたり0.04cm/day・a
    tm以下のチューブボトルに充填されてなることを特徴
    とする請求項1又は2記載の低コレステロール・マヨネ
    ーズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101798855B1 (ko) 2015-09-25 2017-12-12 주식회사 이롬 쌀을 이용한 곡물 가공 음료의 제조방법

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