JP2003309445A - 溝型圧電素子、および溝型圧電素子の製造方法 - Google Patents
溝型圧電素子、および溝型圧電素子の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低スプリアスの溝型圧電素子を提供すること
を主目的とする。 【解決手段】 表面中央部分に凹部7が形成された平板
状の溝型圧電素子1であって、平板状の第1の圧電基板
2と、中央部分に貫通孔3が形成されると共に第1の圧
電基板2の一方の面に接合された平板状の第2の圧電基
板4とを備えて構成した。この場合、貫通孔3が形成さ
れた第2の圧電基板4を直接接着によって第1の圧電基
板2に接合するのが好ましい。また、各圧電基板2,4
を水晶、特にATカット水晶片で構成するのが好まし
い。
を主目的とする。 【解決手段】 表面中央部分に凹部7が形成された平板
状の溝型圧電素子1であって、平板状の第1の圧電基板
2と、中央部分に貫通孔3が形成されると共に第1の圧
電基板2の一方の面に接合された平板状の第2の圧電基
板4とを備えて構成した。この場合、貫通孔3が形成さ
れた第2の圧電基板4を直接接着によって第1の圧電基
板2に接合するのが好ましい。また、各圧電基板2,4
を水晶、特にATカット水晶片で構成するのが好まし
い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面中央部分に凹
部が形成された平板体の外形を有する溝型圧電素子、お
よびその製造方法に関するものである。
部が形成された平板体の外形を有する溝型圧電素子、お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような溝型圧電素子として、図9,
10に示す溝型圧電素子51が従来から知られている。
この溝型圧電素子51は、表面中央部分に凹部52が形
成された平板状の圧電基板53と、一対の電極54,5
5とで、いわゆるシングル逆メサ型圧電素子を構成す
る。この場合、圧電基板53は、例えば水晶片を用いて
構成されている。凹部52は、圧電基板53の中央部分
における領域(本例では一例として円形の領域)の厚み
を均一に薄く形成して構成されている。この溝型圧電素
子51では、一対の電極54,55間に駆動電圧を印加
することにより、凹部52の底壁(肉薄部)52aに圧
電効果に基づく所定の周波数の振動が発生する。この場
合、その振動周波数は、底壁52aの厚みによってその
値が決定され、厚みに反比例して高くなる。
10に示す溝型圧電素子51が従来から知られている。
この溝型圧電素子51は、表面中央部分に凹部52が形
成された平板状の圧電基板53と、一対の電極54,5
5とで、いわゆるシングル逆メサ型圧電素子を構成す
る。この場合、圧電基板53は、例えば水晶片を用いて
構成されている。凹部52は、圧電基板53の中央部分
における領域(本例では一例として円形の領域)の厚み
を均一に薄く形成して構成されている。この溝型圧電素
子51では、一対の電極54,55間に駆動電圧を印加
することにより、凹部52の底壁(肉薄部)52aに圧
電効果に基づく所定の周波数の振動が発生する。この場
合、その振動周波数は、底壁52aの厚みによってその
値が決定され、厚みに反比例して高くなる。
【0003】次に、溝型圧電素子51の製造方法につい
て、図11を参照して説明する。まず、ATカットした
ウェハ状の圧電基板(水晶基板)61の両面を研磨し
て、所定の平行度、所定の平面度、および所定の表面粗
さに形成する。次いで、レーザービーム技術、超音波加
工技術、あるいは化学エッチング処理技術を利用して、
固片に切り出す領域Aのそれぞれの中央部分を削り取る
ことによって所定の厚みまで薄くして、各中央部分に凹
部52をそれぞれ形成する。続いて、凹部52の底壁5
2aを励振するための一対の電極54,55をメッキ処
理によって各領域Aにそれぞれ形成する。最後に、レー
ザービーム技術、超音波加工技術、あるいは化学エッチ
ング処理技術を利用して切断線Bに沿って切断すること
によって各領域Aをそれぞれ分離してチップ化(小片
化)する。以上により、チップ状の溝型圧電素子51が
複数製造される。
て、図11を参照して説明する。まず、ATカットした
ウェハ状の圧電基板(水晶基板)61の両面を研磨し
て、所定の平行度、所定の平面度、および所定の表面粗
さに形成する。次いで、レーザービーム技術、超音波加
工技術、あるいは化学エッチング処理技術を利用して、
固片に切り出す領域Aのそれぞれの中央部分を削り取る
ことによって所定の厚みまで薄くして、各中央部分に凹
部52をそれぞれ形成する。続いて、凹部52の底壁5
2aを励振するための一対の電極54,55をメッキ処
理によって各領域Aにそれぞれ形成する。最後に、レー
ザービーム技術、超音波加工技術、あるいは化学エッチ
ング処理技術を利用して切断線Bに沿って切断すること
によって各領域Aをそれぞれ分離してチップ化(小片
化)する。以上により、チップ状の溝型圧電素子51が
複数製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この溝型圧
電素子51および溝型圧電素子の製造方法には、以下の
問題点がある。すなわち、溝型圧電素子51の凹部52
は、レーザービーム技術等を利用して圧電体の一部を削
り取ることによって形成されている。このため、凹部5
2の底壁(中央部分に形成された肉薄部)52aを所定
の厚み、所定の平行度および所定の平面度に制御するの
が困難である。したがって、凹部52の底壁52aの平
行度および平面度が損なわれ易く、スプリアス等が発生
し易いという問題点がある。また、ウェハ状の圧電基板
61から溝型圧電素子51を複数同時に製造する場合、
各凹部52における底壁52aの厚み、平行度および平
面度を均一に揃えるのが困難であるため、個々の溝型圧
電素子51の電気的諸特性がばらつき易いという問題点
もある。
電素子51および溝型圧電素子の製造方法には、以下の
問題点がある。すなわち、溝型圧電素子51の凹部52
は、レーザービーム技術等を利用して圧電体の一部を削
り取ることによって形成されている。このため、凹部5
2の底壁(中央部分に形成された肉薄部)52aを所定
の厚み、所定の平行度および所定の平面度に制御するの
が困難である。したがって、凹部52の底壁52aの平
行度および平面度が損なわれ易く、スプリアス等が発生
し易いという問題点がある。また、ウェハ状の圧電基板
61から溝型圧電素子51を複数同時に製造する場合、
各凹部52における底壁52aの厚み、平行度および平
面度を均一に揃えるのが困難であるため、個々の溝型圧
電素子51の電気的諸特性がばらつき易いという問題点
もある。
【0005】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、低スプリアスの溝型圧電素子を提供するこ
とを主目的とする。また、低スプリアスで、かつ電気的
諸特性が均一な溝型圧電素子を確実かつ容易に製造し得
る溝型圧電素子の製造方法を提供することを他の主目的
とする。
ものであり、低スプリアスの溝型圧電素子を提供するこ
とを主目的とする。また、低スプリアスで、かつ電気的
諸特性が均一な溝型圧電素子を確実かつ容易に製造し得
る溝型圧電素子の製造方法を提供することを他の主目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明に係る溝型圧電素子は、表面中央部分に凹部が形成
された平板状の溝型圧電素子であって、平板状の第1の
圧電基板と、中央部分に貫通孔が形成されると共に前記
第1の圧電基板の一方の面に接合された平板状の第2の
圧電基板とを備えている。
発明に係る溝型圧電素子は、表面中央部分に凹部が形成
された平板状の溝型圧電素子であって、平板状の第1の
圧電基板と、中央部分に貫通孔が形成されると共に前記
第1の圧電基板の一方の面に接合された平板状の第2の
圧電基板とを備えている。
【0007】この場合、前記第1の圧電基板の他方の面
に接合されると共に中央部分に前記第2の圧電基板にお
ける前記貫通孔に対応して貫通孔が形成された平板状の
第3の圧電基板を備えているのが好ましい。
に接合されると共に中央部分に前記第2の圧電基板にお
ける前記貫通孔に対応して貫通孔が形成された平板状の
第3の圧電基板を備えているのが好ましい。
【0008】また、前記貫通孔が形成された前記圧電基
板を直接接着(例えば、熱を加えての接着、以下、同
様。)によって前記第1の圧電基板に接合するのが好ま
しい。
板を直接接着(例えば、熱を加えての接着、以下、同
様。)によって前記第1の圧電基板に接合するのが好ま
しい。
【0009】さらに、外形の平面形状を六角形に形成す
るのが好ましい。
るのが好ましい。
【0010】また、前記貫通孔の平面形状を六角形に形
成するのが好ましい。
成するのが好ましい。
【0011】また、前記各圧電基板を水晶で構成するの
が好ましく、特に、ATカット水晶片であるのが好まし
い。
が好ましく、特に、ATカット水晶片であるのが好まし
い。
【0012】また、前記各圧電基板を圧電セラミックス
で構成することもできる。
で構成することもできる。
【0013】また、上記目的を達成すべく本発明に係る
溝型圧電素子の製造方法は、互いの接合面が鏡面に形成
されたウェハ状の第4および第5の圧電基板をそれぞれ
作製する工程と、前記第5の圧電基板に多数の貫通孔を
開口する工程と、前記鏡面に形成された接合面同士を密
着させて前記第4および第5の圧電基板を直接接着によ
って接合する工程と、前記貫通孔を含むようにして前記
接合した前記第4および第5の圧電基板を固片に切断す
る工程とを行うことによって、表面中央部分に前記貫通
孔によって構成される凹部が形成された平板体の溝型圧
電素子を製造する。
溝型圧電素子の製造方法は、互いの接合面が鏡面に形成
されたウェハ状の第4および第5の圧電基板をそれぞれ
作製する工程と、前記第5の圧電基板に多数の貫通孔を
開口する工程と、前記鏡面に形成された接合面同士を密
着させて前記第4および第5の圧電基板を直接接着によ
って接合する工程と、前記貫通孔を含むようにして前記
接合した前記第4および第5の圧電基板を固片に切断す
る工程とを行うことによって、表面中央部分に前記貫通
孔によって構成される凹部が形成された平板体の溝型圧
電素子を製造する。
【0014】また、上記目的を達成すべく本発明に係る
溝型圧電素子の製造方法は、互いの接合面が鏡面に形成
されたウェハ状の第4、第5および第6の圧電基板をそ
れぞれ作製する工程と、前記第5および第6の圧電基板
に多数の貫通孔を対応させて開口する工程と、前記第4
の圧電基板の前記鏡面に形成された一方の面に前記第5
の圧電基板における前記鏡面に形成された接合面を密着
させると共に当該第4の圧電基板の前記鏡面に形成され
た他方の面に前記第6の圧電基板における前記鏡面に形
成された接合面を当該第5および第6の圧電基板の前記
貫通孔同士が対応するように密着させて当該第4、第5
および第6の圧電基板を直接接着によって接合する工程
と、前記各貫通孔を含むようにして前記接合した前記第
4、第5および第6の圧電基板を固片に切断する工程と
を行うことによって、表面および裏面の各中央部分に前
記貫通孔によって構成される凹部が形成された平板体の
溝型圧電素子を製造する。
溝型圧電素子の製造方法は、互いの接合面が鏡面に形成
されたウェハ状の第4、第5および第6の圧電基板をそ
れぞれ作製する工程と、前記第5および第6の圧電基板
に多数の貫通孔を対応させて開口する工程と、前記第4
の圧電基板の前記鏡面に形成された一方の面に前記第5
の圧電基板における前記鏡面に形成された接合面を密着
させると共に当該第4の圧電基板の前記鏡面に形成され
た他方の面に前記第6の圧電基板における前記鏡面に形
成された接合面を当該第5および第6の圧電基板の前記
貫通孔同士が対応するように密着させて当該第4、第5
および第6の圧電基板を直接接着によって接合する工程
と、前記各貫通孔を含むようにして前記接合した前記第
4、第5および第6の圧電基板を固片に切断する工程と
を行うことによって、表面および裏面の各中央部分に前
記貫通孔によって構成される凹部が形成された平板体の
溝型圧電素子を製造する。
【0015】この場合、前記固片に切断する工程におい
て、外形の平面形状が六角形になるように切断するのが
好ましい。
て、外形の平面形状が六角形になるように切断するのが
好ましい。
【0016】また、前記貫通孔を開口する工程におい
て、平面形状が六角形になるように開口するのが好まし
い。
て、平面形状が六角形になるように開口するのが好まし
い。
【0017】さらに、前記各圧電基板として水晶を用い
るのが好ましく、特に、ATカット水晶板を用いるのが
好ましい。
るのが好ましく、特に、ATカット水晶板を用いるのが
好ましい。
【0018】また、前記各圧電基板として圧電セラミッ
クスを用いることもできる。
クスを用いることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る溝型圧電素子とその製造方法の好適な実施の形
態について説明する。
明に係る溝型圧電素子とその製造方法の好適な実施の形
態について説明する。
【0020】(第1の実施の形態)図1,2に示すよう
に、溝型圧電素子1は、平板状の第1の圧電基板2と、
中央部分に貫通孔3が形成されると共に第1の圧電基板
2の一方の面(同図中では上面)に直接接着によって接
合された平板状の第2の圧電基板4と、一対の電極5,
6とを備え、いわゆるシングル逆メサ型圧電素子として
構成されている。この場合、溝型圧電素子1の表面中央
部分には、貫通孔3における一方の開口側が第1の圧電
基板2によって閉塞されることにより、凹部7が形成さ
れている。第1の圧電基板2および第2の圧電基板4
は、それぞれ圧電体(本実施の形態では、一例としてA
Tカット水晶片)で構成されている。また、第1の圧電
基板2および第2の圧電基板4は、所定の平行度(一例
として厚さ分布の勾配が19nm/mm以下)、所定の
平面度、および所定の表面粗さ(一例としてRyが5n
m程度)で、外形が4mm×2mmの長方形にそれぞれ
形成されている。また、第1の圧電基板2および第2の
圧電基板4は、一例として80μmの厚みでそれぞれ形
成されている。
に、溝型圧電素子1は、平板状の第1の圧電基板2と、
中央部分に貫通孔3が形成されると共に第1の圧電基板
2の一方の面(同図中では上面)に直接接着によって接
合された平板状の第2の圧電基板4と、一対の電極5,
6とを備え、いわゆるシングル逆メサ型圧電素子として
構成されている。この場合、溝型圧電素子1の表面中央
部分には、貫通孔3における一方の開口側が第1の圧電
基板2によって閉塞されることにより、凹部7が形成さ
れている。第1の圧電基板2および第2の圧電基板4
は、それぞれ圧電体(本実施の形態では、一例としてA
Tカット水晶片)で構成されている。また、第1の圧電
基板2および第2の圧電基板4は、所定の平行度(一例
として厚さ分布の勾配が19nm/mm以下)、所定の
平面度、および所定の表面粗さ(一例としてRyが5n
m程度)で、外形が4mm×2mmの長方形にそれぞれ
形成されている。また、第1の圧電基板2および第2の
圧電基板4は、一例として80μmの厚みでそれぞれ形
成されている。
【0021】以上のように、この溝型圧電素子1では、
所定の平行度および所定の平面度でそれぞれ構成された
第1の圧電基板2および第2の圧電基板4を接合して構
成されているため、凹部7の底壁(溝型圧電素子1の中
央部分に形成された肉薄部)7aの厚み、平行度および
平面度が、第1の圧電基板2の厚み、平行度および平面
度とそれぞれ一致している。この場合、従来の溝型圧電
素子51のようにレーザービーム技術等を利用して中央
部分のみを削り取ることによって凹部52の底壁52a
を所定の厚み、所定の平面度、および所定の平行度で作
製するのと比較して、高精度でしかも容易に、所定の厚
み、所定の平面度および所定の平行度で第1の圧電基板
2を作製することができる。したがって、この溝型圧電
素子1によれば、溝型圧電素子51と比較して、スプリ
アスを十分に低減することができると共に、製造コスト
も十分に低減することができる。
所定の平行度および所定の平面度でそれぞれ構成された
第1の圧電基板2および第2の圧電基板4を接合して構
成されているため、凹部7の底壁(溝型圧電素子1の中
央部分に形成された肉薄部)7aの厚み、平行度および
平面度が、第1の圧電基板2の厚み、平行度および平面
度とそれぞれ一致している。この場合、従来の溝型圧電
素子51のようにレーザービーム技術等を利用して中央
部分のみを削り取ることによって凹部52の底壁52a
を所定の厚み、所定の平面度、および所定の平行度で作
製するのと比較して、高精度でしかも容易に、所定の厚
み、所定の平面度および所定の平行度で第1の圧電基板
2を作製することができる。したがって、この溝型圧電
素子1によれば、溝型圧電素子51と比較して、スプリ
アスを十分に低減することができると共に、製造コスト
も十分に低減することができる。
【0022】次に、溝型圧電素子1の製造方法について
図1〜図5を参照して説明する。
図1〜図5を参照して説明する。
【0023】まず、図5に示す圧電基板作製工程41を
実行する。この工程では、所定の平行度および所定の平
面度を備えたウェハ状の第4の圧電基板10(図3参
照)および第5の圧電基板11をそれぞれ作製する。こ
の際に、第4および第5の圧電基板10,11の互いの
接合面をそれぞれ鏡面研磨して上記表面粗さに形成す
る。
実行する。この工程では、所定の平行度および所定の平
面度を備えたウェハ状の第4の圧電基板10(図3参
照)および第5の圧電基板11をそれぞれ作製する。こ
の際に、第4および第5の圧電基板10,11の互いの
接合面をそれぞれ鏡面研磨して上記表面粗さに形成す
る。
【0024】次いで、図5に示す貫通孔開口工程42を
実行する。この工程では、図3に示すように、第5の圧
電基板11に多数の貫通孔3を開口する。この場合、レ
ーザービーム技術、超音波加工技術、あるいは化学エッ
チング処理技術を利用して、チップ状に切り出される各
領域Aの中央部分に貫通孔3を形成する。
実行する。この工程では、図3に示すように、第5の圧
電基板11に多数の貫通孔3を開口する。この場合、レ
ーザービーム技術、超音波加工技術、あるいは化学エッ
チング処理技術を利用して、チップ状に切り出される各
領域Aの中央部分に貫通孔3を形成する。
【0025】次に、図5に示す接合工程43を実行す
る。この工程では、図4に示すように、第4および第5
の圧電基板10,11の鏡面研磨された接合面同士を密
着させて、直接接着によって両圧電基板10,11を接
合する。これにより、第5の圧電基板11に形成された
すべての貫通孔3における一方の開口側が第4の圧電基
板10によって閉塞されて、各領域Aの中央部分に凹部
7がそれぞれ形成される。
る。この工程では、図4に示すように、第4および第5
の圧電基板10,11の鏡面研磨された接合面同士を密
着させて、直接接着によって両圧電基板10,11を接
合する。これにより、第5の圧電基板11に形成された
すべての貫通孔3における一方の開口側が第4の圧電基
板10によって閉塞されて、各領域Aの中央部分に凹部
7がそれぞれ形成される。
【0026】続いて、図5に示す電極形成工程44を実
行する。この工程では、例えば金属蒸着法を用いて、第
4および第5の圧電基板10,11の各領域Aに一対の
電極5,6をそれぞれ形成する。
行する。この工程では、例えば金属蒸着法を用いて、第
4および第5の圧電基板10,11の各領域Aに一対の
電極5,6をそれぞれ形成する。
【0027】次いで、図5に示すチップ化工程45を実
行する。この工程では、貫通孔3を含むようにして、接
合した第4および第5の圧電基板10,11を固片(チ
ップ状)に切断する。具体的には、図4に示す各切断線
Bに沿って第4および第5の圧電基板10,11を切断
することにより、各領域Aを分離してチップ化する。以
上の各工程をそれぞれ実行することにより、図1,2に
示す溝型圧電素子1が複数一括して作製される。
行する。この工程では、貫通孔3を含むようにして、接
合した第4および第5の圧電基板10,11を固片(チ
ップ状)に切断する。具体的には、図4に示す各切断線
Bに沿って第4および第5の圧電基板10,11を切断
することにより、各領域Aを分離してチップ化する。以
上の各工程をそれぞれ実行することにより、図1,2に
示す溝型圧電素子1が複数一括して作製される。
【0028】以上のように、この溝型圧電素子の製造方
法によれば、複数の貫通孔3を予め形成した第5の圧電
基板11に第4の圧電基板10を接合させることによっ
て各領域Aに凹部7をそれぞれ形成しているため、厚
み、平行度および平面度がそれぞれ規格内となるように
各圧電基板10,11を圧電基板作製工程41において
作製しておくことで、励振される各凹部7の底壁(中央
部分に形成された肉薄部)7aの厚み、平行度および平
面度を均一に作製することができる。したがって、振動
周波数やスプリアスなどの電気的諸特性が均一に揃った
溝型圧電素子1を同時に多数作製することができる。ま
た、レーザービーム技術等を利用して圧電体の中央部分
を削り取ることによって凹部52の底壁52aを所定の
厚み、所定の平面度、および所定の平行度で作製する従
来の溝型圧電素子の製造方法と比較して、第4の圧電基
板10を高精度でしかも確実かつ容易に所定の厚み、所
定の平面度、および所定の平行度で作製することができ
る。したがって、低スプリアスで電気的諸特性が均一に
揃った溝型圧電素子(シングル逆メサ型圧電素子)1を
低コストで作製することができる。
法によれば、複数の貫通孔3を予め形成した第5の圧電
基板11に第4の圧電基板10を接合させることによっ
て各領域Aに凹部7をそれぞれ形成しているため、厚
み、平行度および平面度がそれぞれ規格内となるように
各圧電基板10,11を圧電基板作製工程41において
作製しておくことで、励振される各凹部7の底壁(中央
部分に形成された肉薄部)7aの厚み、平行度および平
面度を均一に作製することができる。したがって、振動
周波数やスプリアスなどの電気的諸特性が均一に揃った
溝型圧電素子1を同時に多数作製することができる。ま
た、レーザービーム技術等を利用して圧電体の中央部分
を削り取ることによって凹部52の底壁52aを所定の
厚み、所定の平面度、および所定の平行度で作製する従
来の溝型圧電素子の製造方法と比較して、第4の圧電基
板10を高精度でしかも確実かつ容易に所定の厚み、所
定の平面度、および所定の平行度で作製することができ
る。したがって、低スプリアスで電気的諸特性が均一に
揃った溝型圧電素子(シングル逆メサ型圧電素子)1を
低コストで作製することができる。
【0029】(第2の実施の形態)まず、図6を参照し
て溝型圧電素子21の構成について説明する。なお、溝
型圧電素子1と同一の構成要素については同一の符号を
付して、重複する説明を省略する。
て溝型圧電素子21の構成について説明する。なお、溝
型圧電素子1と同一の構成要素については同一の符号を
付して、重複する説明を省略する。
【0030】同図に示すように、溝型圧電素子21は、
第1の圧電基板2と、第1の圧電基板2の一方の面(同
図中の上面)に直接接着によって接合されると共に貫通
孔3を有する第2の圧電基板4と、第1の圧電基板2の
他方の面(同図中では、下面)に直接接着によって接合
されると共に貫通孔22を有する第3の圧電基板23
と、一対の電極5,6とを備えて構成されている。この
場合、第1の圧電基板2によって貫通孔3の下方側が閉
塞されると共に貫通孔22の上方側が閉塞され、さらに
貫通孔3および貫通孔22が同一径に形成されると共に
同軸上に配置されることにより、溝型圧電素子21は、
表面および裏面の中央部分に凹部7,24がそれぞれ形
成された平板状の溝型圧電素子(いわゆるダブル逆メサ
型圧電素子)として構成される。また、第3の圧電基板
23は、圧電体(本実施の形態では、一例としてATカ
ット水晶片)で構成され、第3の圧電基板23は、平行
度、平面度、表面粗さ、外形、および厚みが第2の圧電
基板4と同一に設定されている。
第1の圧電基板2と、第1の圧電基板2の一方の面(同
図中の上面)に直接接着によって接合されると共に貫通
孔3を有する第2の圧電基板4と、第1の圧電基板2の
他方の面(同図中では、下面)に直接接着によって接合
されると共に貫通孔22を有する第3の圧電基板23
と、一対の電極5,6とを備えて構成されている。この
場合、第1の圧電基板2によって貫通孔3の下方側が閉
塞されると共に貫通孔22の上方側が閉塞され、さらに
貫通孔3および貫通孔22が同一径に形成されると共に
同軸上に配置されることにより、溝型圧電素子21は、
表面および裏面の中央部分に凹部7,24がそれぞれ形
成された平板状の溝型圧電素子(いわゆるダブル逆メサ
型圧電素子)として構成される。また、第3の圧電基板
23は、圧電体(本実施の形態では、一例としてATカ
ット水晶片)で構成され、第3の圧電基板23は、平行
度、平面度、表面粗さ、外形、および厚みが第2の圧電
基板4と同一に設定されている。
【0031】以上のように、この溝型圧電素子21で
は、それぞれ所定の平行度、所定の平面度で構成された
第1の圧電基板2、第2の圧電基板4および第3の圧電
基板23を互いに接合して構成したことにより、凹部7
の底壁7aが所定の厚み、所定の平面度、および所定の
平行度に高精度で作製される。したがって、溝型圧電素
子1と同様にして、溝型圧電素子51と比較して、スプ
リアスを十分に低減することができる。
は、それぞれ所定の平行度、所定の平面度で構成された
第1の圧電基板2、第2の圧電基板4および第3の圧電
基板23を互いに接合して構成したことにより、凹部7
の底壁7aが所定の厚み、所定の平面度、および所定の
平行度に高精度で作製される。したがって、溝型圧電素
子1と同様にして、溝型圧電素子51と比較して、スプ
リアスを十分に低減することができる。
【0032】次に、溝型圧電素子21の製造方法につい
て説明する。なお、溝型圧電素子21の製造方法につい
ては、溝型圧電素子1の製造方法と多くの工程で共通す
るため、図5を参照して、主として相違する工程につい
て説明する。なお、溝型圧電素子21の構成要素につい
ても、溝型圧電素子1の構成要素と同一のものについて
は同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
て説明する。なお、溝型圧電素子21の製造方法につい
ては、溝型圧電素子1の製造方法と多くの工程で共通す
るため、図5を参照して、主として相違する工程につい
て説明する。なお、溝型圧電素子21の構成要素につい
ても、溝型圧電素子1の構成要素と同一のものについて
は同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0033】まず、図5に示す圧電基板作製工程41に
おいて、第4および第5の圧電基板10,11と共に、
第5の圧電基板11とほぼ同一構成の第6の圧電基板
(図示せず)を作製する。この際に、第4の圧電基板1
0の両面と、第5の圧電基板11および第6の圧電基板
の各接合面とをそれぞれ鏡面研磨する。
おいて、第4および第5の圧電基板10,11と共に、
第5の圧電基板11とほぼ同一構成の第6の圧電基板
(図示せず)を作製する。この際に、第4の圧電基板1
0の両面と、第5の圧電基板11および第6の圧電基板
の各接合面とをそれぞれ鏡面研磨する。
【0034】次いで、図5に示す貫通孔開口工程42に
おいて、第5の圧電基板11に貫通孔3を開口する。ま
た、第6の圧電基板にも、チップ状に切り出す各領域A
の中央部分に貫通孔22(図6参照)を貫通孔3に対応
させて開口する。この場合、貫通孔22は、第5の圧電
基板11における貫通孔3の配列と同一配列で同一の平
面形状で開口される。
おいて、第5の圧電基板11に貫通孔3を開口する。ま
た、第6の圧電基板にも、チップ状に切り出す各領域A
の中央部分に貫通孔22(図6参照)を貫通孔3に対応
させて開口する。この場合、貫通孔22は、第5の圧電
基板11における貫通孔3の配列と同一配列で同一の平
面形状で開口される。
【0035】次いで、図5に示す接合工程43におい
て、第4の圧電基板10の一方の面(例えば上面)に第
5の圧電基板11を直接接着によって接合し、第4の圧
電基板10の他方の面(例えば下面)に第6の圧電基板
を直接接着によって接合する。この際に、第6の圧電基
板に開口したすべての貫通孔22が第5の圧電基板11
に開口したすべての貫通孔3に対応するように(すべて
の貫通孔3の軸線に一致するように)、第6の圧電基板
を第4の圧電基板10に接合する。これにより、第5の
圧電基板11に形成された貫通孔3および第6の圧電基
板に形成された貫通孔22の各一方の開口側が第4の圧
電基板10によってすべて閉塞される。この結果、各領
域Aの表面中央部分に凹部7がそれぞれ形成されると共
に裏面中央部分に凹部24(図6参照)がそれぞれ形成
される。
て、第4の圧電基板10の一方の面(例えば上面)に第
5の圧電基板11を直接接着によって接合し、第4の圧
電基板10の他方の面(例えば下面)に第6の圧電基板
を直接接着によって接合する。この際に、第6の圧電基
板に開口したすべての貫通孔22が第5の圧電基板11
に開口したすべての貫通孔3に対応するように(すべて
の貫通孔3の軸線に一致するように)、第6の圧電基板
を第4の圧電基板10に接合する。これにより、第5の
圧電基板11に形成された貫通孔3および第6の圧電基
板に形成された貫通孔22の各一方の開口側が第4の圧
電基板10によってすべて閉塞される。この結果、各領
域Aの表面中央部分に凹部7がそれぞれ形成されると共
に裏面中央部分に凹部24(図6参照)がそれぞれ形成
される。
【0036】次いで、図5に示す電極形成工程44にお
いて、例えば金属蒸着法を用いて、第4の圧電基板1
0、第5の圧電基板11および第6の圧電基板の各領域
Aに一対の電極5,6(図6参照)をそれぞれ形成す
る。
いて、例えば金属蒸着法を用いて、第4の圧電基板1
0、第5の圧電基板11および第6の圧電基板の各領域
Aに一対の電極5,6(図6参照)をそれぞれ形成す
る。
【0037】次いで、図5に示すチップ化工程45にお
いて、貫通孔3,22を含むようにして、第4の圧電基
板10、第5の圧電基板11および第6の圧電基板を各
切断線Bに沿ってチップ状に切断する。以上の工程を実
行することにより、図6に示す溝型圧電素子21が一括
して複数作製される。
いて、貫通孔3,22を含むようにして、第4の圧電基
板10、第5の圧電基板11および第6の圧電基板を各
切断線Bに沿ってチップ状に切断する。以上の工程を実
行することにより、図6に示す溝型圧電素子21が一括
して複数作製される。
【0038】以上のように、この溝型圧電素子の製造方
法によれば、上記した第1の実施の形態の製造方法と同
様にして、励振される各凹部7の底壁7aの厚み、平行
度および平面度を均一に作製することができる。このた
め、振動周波数やスプリアスなどの電気的諸特性が均一
に揃った溝型圧電素子21を同時に多数作製することが
できる。また、各凹部7の底壁7aの厚み、平行度およ
び平面度を高精度に作製することができる結果、低スプ
リアスで電気的諸特性が均一化された溝型圧電素子21
を低コストで作製することができる。
法によれば、上記した第1の実施の形態の製造方法と同
様にして、励振される各凹部7の底壁7aの厚み、平行
度および平面度を均一に作製することができる。このた
め、振動周波数やスプリアスなどの電気的諸特性が均一
に揃った溝型圧電素子21を同時に多数作製することが
できる。また、各凹部7の底壁7aの厚み、平行度およ
び平面度を高精度に作製することができる結果、低スプ
リアスで電気的諸特性が均一化された溝型圧電素子21
を低コストで作製することができる。
【0039】なお、本発明は、上記した発明の実施の形
態に限定されず、その構成を適宜変更することができ
る。例えば、溝型圧電素子の外形は、長方形の平面形状
に代えて、円形や多角形とすることもできる。特に、図
7に示す溝型圧電素子31のように、その平面形状を六
角形に形成することにより、外部から衝撃が加わった際
の構造的強度を十分に向上させることができる。また、
同様にして、凹部7の平面形状についても、円形に代え
て、多角形に形成することもできる。この構成であって
も、図7に示す溝型圧電素子31のように、凹部7を六
角形の平面形状に形成することにより、外部から衝撃が
加わった際の構造的強度をさらに向上させることができ
る。
態に限定されず、その構成を適宜変更することができ
る。例えば、溝型圧電素子の外形は、長方形の平面形状
に代えて、円形や多角形とすることもできる。特に、図
7に示す溝型圧電素子31のように、その平面形状を六
角形に形成することにより、外部から衝撃が加わった際
の構造的強度を十分に向上させることができる。また、
同様にして、凹部7の平面形状についても、円形に代え
て、多角形に形成することもできる。この構成であって
も、図7に示す溝型圧電素子31のように、凹部7を六
角形の平面形状に形成することにより、外部から衝撃が
加わった際の構造的強度をさらに向上させることができ
る。
【0040】また、上記した各発明の実施の形態では、
第1の圧電基板2の一方の面に一枚の圧電基板を接合す
る例を挙げて説明したが、図8に示す溝型圧電素子1A
のように、溝型圧電素子1における第2の圧電基板4と
第1の圧電基板2との間に、貫通孔3よりも小径の貫通
孔37を形成した他の圧電基板36を介装することによ
って、第1の圧電基板2の一方の面に二枚の圧電基板
4,36を接合する構成を採用することもできる。この
構成によれば、凹部7を2段構造に形成することができ
るため、溝型圧電素子の構造の自由度を高めることがで
きる結果、よりスプリアスを低減し得る溝型圧電素子を
構成することも可能である。また、三枚以上の圧電基板
を第1の圧電基板2に重ねて接合する構成を採用するこ
ともできるし、この構造を図6に示すダブル逆メサ型の
溝型圧電素子21に適用することもできる。また、上記
した発明の実施の形態では、圧電体として水晶を使用し
た例を挙げて説明したが、焼結体を分極処理した圧電セ
ラミックスを採用することもできる。
第1の圧電基板2の一方の面に一枚の圧電基板を接合す
る例を挙げて説明したが、図8に示す溝型圧電素子1A
のように、溝型圧電素子1における第2の圧電基板4と
第1の圧電基板2との間に、貫通孔3よりも小径の貫通
孔37を形成した他の圧電基板36を介装することによ
って、第1の圧電基板2の一方の面に二枚の圧電基板
4,36を接合する構成を採用することもできる。この
構成によれば、凹部7を2段構造に形成することができ
るため、溝型圧電素子の構造の自由度を高めることがで
きる結果、よりスプリアスを低減し得る溝型圧電素子を
構成することも可能である。また、三枚以上の圧電基板
を第1の圧電基板2に重ねて接合する構成を採用するこ
ともできるし、この構造を図6に示すダブル逆メサ型の
溝型圧電素子21に適用することもできる。また、上記
した発明の実施の形態では、圧電体として水晶を使用し
た例を挙げて説明したが、焼結体を分極処理した圧電セ
ラミックスを採用することもできる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る溝型圧電素
子によれば、複数の圧電基板を接合して表面中央部に凹
部を形成したことにより、凹部の底壁(中央部分の肉薄
部)の厚み、平面度、および平行度を高精度でしかも容
易に設定することができる。したがって、溝型圧電素子
のスプリアスを十分に低減することができる。この場
合、外形または貫通孔の平面形状を六角形に形成するこ
とで、その構造的強度を向上させることができる。ま
た、水晶、特にATカット水晶片で各圧電基板を構成す
ることにより、温度特性に優れた溝型圧電素子を提供す
ることができる。
子によれば、複数の圧電基板を接合して表面中央部に凹
部を形成したことにより、凹部の底壁(中央部分の肉薄
部)の厚み、平面度、および平行度を高精度でしかも容
易に設定することができる。したがって、溝型圧電素子
のスプリアスを十分に低減することができる。この場
合、外形または貫通孔の平面形状を六角形に形成するこ
とで、その構造的強度を向上させることができる。ま
た、水晶、特にATカット水晶片で各圧電基板を構成す
ることにより、温度特性に優れた溝型圧電素子を提供す
ることができる。
【0042】また、本発明に係る溝型圧電素子の製造方
法によれば、複数の貫通孔を形成したウェハ状の圧電基
板に他のウェハ状の圧電基板を接合させることによって
チップ化する各領域内に凹部をそれぞれ形成することに
より、厚み、平行度および平面度がそれぞれ規格内とな
るように各圧電基板を作製しておく限り、凹部の底壁
(中央部分に形成された肉薄部)の厚み、平行度および
平面度が均一に揃った溝型圧電素子を同時に複数製造す
ることができる。このため、振動周波数やスプリアスな
どの電気的諸特性が均一に揃った溝型圧電素子を確実か
つ容易に多数製造することができる。また、従来の溝型
圧電素子のようにレーザービーム技術等を利用して中央
部分のみを削り取ることによって凹部の底壁を所定の厚
み、所定の平面度、および所定の平行度で作製するのと
比較して、高精度でしかも容易に、所定の厚み、所定の
平面度および所定の平行度で第1の圧電基板を作製する
ことができるため、スプリアスを十分に低減することが
できると共に、製造コストも十分に低減することができ
る。
法によれば、複数の貫通孔を形成したウェハ状の圧電基
板に他のウェハ状の圧電基板を接合させることによって
チップ化する各領域内に凹部をそれぞれ形成することに
より、厚み、平行度および平面度がそれぞれ規格内とな
るように各圧電基板を作製しておく限り、凹部の底壁
(中央部分に形成された肉薄部)の厚み、平行度および
平面度が均一に揃った溝型圧電素子を同時に複数製造す
ることができる。このため、振動周波数やスプリアスな
どの電気的諸特性が均一に揃った溝型圧電素子を確実か
つ容易に多数製造することができる。また、従来の溝型
圧電素子のようにレーザービーム技術等を利用して中央
部分のみを削り取ることによって凹部の底壁を所定の厚
み、所定の平面度、および所定の平行度で作製するのと
比較して、高精度でしかも容易に、所定の厚み、所定の
平面度および所定の平行度で第1の圧電基板を作製する
ことができるため、スプリアスを十分に低減することが
できると共に、製造コストも十分に低減することができ
る。
【図1】溝型圧電素子1の構成を示す斜視図である。
【図2】図1におけるX−X線の断面図である。
【図3】溝型圧電素子1の製造方法における貫通孔開口
工程42等を説明するための第4の圧電基板10および
第5の圧電基板11の斜視図である。
工程42等を説明するための第4の圧電基板10および
第5の圧電基板11の斜視図である。
【図4】溝型圧電素子1の製造方法における電極形成工
程44等を説明するための第5の圧電基板11の斜視図
である。
程44等を説明するための第5の圧電基板11の斜視図
である。
【図5】溝型圧電素子1の製造方法を説明するためのフ
ローチャートである。
ローチャートである。
【図6】溝型圧電素子21の構成を示す断面図である。
【図7】溝型圧電素子31の構成を示す斜視図である。
【図8】溝型圧電素子1Aの構成を示す断面図である。
【図9】従来の溝型圧電素子51の構成を示す斜視図で
ある。
ある。
【図10】図9におけるW−W線の断面図である。
【図11】ウェハ状の圧電基板61の斜視図である。
1,1A,21,31 溝型圧電素子
2 第1の圧電基板
3,22,37 貫通孔
4 第2の圧電基板
5,6 電極
7,24 凹部
10 第4の圧電基板
11 第5の圧電基板
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H03H 9/19 H01L 41/18 101A
(72)発明者 中澤 光男
長野県長野市松代町東条2103番地
(72)発明者 黒岩 真弓
長野県長野市真光寺1276−17
Fターム(参考) 5J108 BB02 BB04 CC04 CC09 DD02
KK01 MM11
Claims (15)
- 【請求項1】 表面中央部分に凹部が形成された平板状
の溝型圧電素子であって、 平板状の第1の圧電基板と、中央部分に貫通孔が形成さ
れると共に前記第1の圧電基板の一方の面に接合された
平板状の第2の圧電基板とを備えている溝型圧電素子。 - 【請求項2】 前記第1の圧電基板の他方の面に接合さ
れると共に中央部分に前記第2の圧電基板における前記
貫通孔に対応して貫通孔が形成された平板状の第3の圧
電基板を備えている請求項1記載の溝型圧電素子。 - 【請求項3】 前記第1の圧電基板に対して、前記貫通
孔が形成された前記圧電基板が直接接着によって接合さ
れている請求項1または2記載の溝型圧電素子。 - 【請求項4】 外形の平面形状が六角形に形成されてい
る請求項1から3のいずれかに記載の溝型圧電素子。 - 【請求項5】 前記貫通孔の平面形状が六角形に形成さ
れている請求項1から4のいずれかに記載の溝型圧電素
子。 - 【請求項6】 前記各圧電基板は、水晶で構成されてい
る請求項1から5のいずれかに記載の溝型圧電素子。 - 【請求項7】 前記水晶は、ATカット水晶片である請
求項6記載の溝型圧電素子。 - 【請求項8】 前記各圧電基板は、圧電セラミックスで
構成されている請求項1から5のいずれかに記載の溝型
圧電素子。 - 【請求項9】 互いの接合面が鏡面に形成されたウェハ
状の第4および第5の圧電基板をそれぞれ作製する工程
と、 前記第5の圧電基板に多数の貫通孔を開口する工程と、 前記鏡面に形成された接合面同士を密着させて前記第4
および第5の圧電基板を直接接着によって接合する工程
と、 前記貫通孔を含むようにして前記接合した前記第4およ
び第5の圧電基板を固片に切断する工程とを行うことに
よって、表面中央部分に前記貫通孔によって構成される
凹部が形成された平板体の溝型圧電素子を製造する溝型
圧電素子の製造方法。 - 【請求項10】 互いの接合面が鏡面に形成されたウェ
ハ状の第4、第5および第6の圧電基板をそれぞれ作製
する工程と、 前記第5および第6の圧電基板に多数の貫通孔を対応さ
せて開口する工程と、 前記第4の圧電基板の前記鏡面に形成された一方の面に
前記第5の圧電基板における前記鏡面に形成された接合
面を密着させると共に当該第4の圧電基板の前記鏡面に
形成された他方の面に前記第6の圧電基板における前記
鏡面に形成された接合面を当該第5および第6の圧電基
板の前記貫通孔同士が対応するように密着させて当該第
4、第5および第6の圧電基板を直接接着によって接合
する工程と、 前記各貫通孔を含むようにして前記接合した前記第4、
第5および第6の圧電基板を固片に切断する工程とを行
うことによって、表面および裏面の各中央部分に前記貫
通孔によって構成される凹部が形成された平板体の溝型
圧電素子を製造する溝型圧電素子の製造方法。 - 【請求項11】 前記固片に切断する工程において、外
形の平面形状が六角形になるように切断する請求項9ま
たは10記載の溝型圧電素子の製造方法。 - 【請求項12】 前記貫通孔を開口する工程において、
平面形状が六角形になるように開口する請求項9から1
1のいずれかに記載の溝型圧電素子の製造方法。 - 【請求項13】 前記各圧電基板として水晶を用いる請
求項9から12のいずれかに記載の溝型圧電素子の製造
方法。 - 【請求項14】 前記水晶としてATカット水晶板を用
いる請求項13記載の溝型圧電素子の製造方法。 - 【請求項15】 前記各圧電基板として圧電セラミック
スを用いる請求項9から12のいずれかに記載の溝型圧
電素子の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002111848A JP2003309445A (ja) | 2002-04-15 | 2002-04-15 | 溝型圧電素子、および溝型圧電素子の製造方法 |
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JP2002111848A JP2003309445A (ja) | 2002-04-15 | 2002-04-15 | 溝型圧電素子、および溝型圧電素子の製造方法 |
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---|---|
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