JP2003309206A - 電子部品収納用容器 - Google Patents

電子部品収納用容器

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JP2003309206A JP2002113843A JP2002113843A JP2003309206A JP 2003309206 A JP2003309206 A JP 2003309206A JP 2002113843 A JP2002113843 A JP 2002113843A JP 2002113843 A JP2002113843 A JP 2002113843A JP 2003309206 A JP2003309206 A JP 2003309206A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹部を有する絶縁基体と平板上の金属蓋体と
から成る電子部品収納用容器では、気密封止の信頼性上
の問題を誘発していた。 【解決手段】 上面に電子部品3を搭載するための凹部
1aを有する絶縁基体1と、この絶縁基体1の上面に取
着され、絶縁基体1との間の空間に電子部品3をガラス
封止材6で気密に収容する平板状の金属蓋体2とから成
り、金属蓋体2はガラス封止材6との接合面にチタン、
ジルコニウム、ハフニウムの一種以上を含む活性金属ろ
う材層7が形成されおり、ガラス封止材6は五酸化燐30
〜40質量%、一酸化錫37〜50質量%、酸化ナトリウム5
〜15質量%、酸化亜鉛1〜6質量%、酸化アルミニウム
1〜4質量%および酸化珪素1〜3質量%を含むガラス
成分にフィラーとしてコージェライト系化合物を外添加
で16〜45質量%添加したものから成ることを特徴とする
電子部品収納用容器。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子や圧電振
動子等の電子部品を気密に封止して収納するための電子
部品収納用容器に関し、特に封止材にガラスを用いて封
止を行なう電子部品収納用容器に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、半導体集積回路素子をはじめとす
る半導体素子あるいは水晶振動子・弾性表面波素子とい
った圧電振動子等の電子部品を収容するための電子部品
収納用容器は、例えば酸化アルミニウム質焼結体等の電
気絶縁材料から成り、その上面の略中央部に電子部品を
搭載するための搭載部およびその周辺から下面にかけて
導出されたタングステンやモリブデン等の高融点金属か
ら成る複数個のメタライズ配線層を有する絶縁基体と、
それに対向する面の略中央部に電子部品を収容するため
の凹部を有する蓋体とから構成されている。 【0003】そして、電子部品が例えば圧電振動子の場
合には、絶縁基体の搭載部に圧電振動子の一端を導電性
エポキシ樹脂等から成る導電性樹脂を介して接着固定す
るとともに圧電振動子の各電極をメタライズ配線層に電
気的に接続し、しかる後、絶縁基体の上面に蓋体を低融
点ガラスから成る封止材を介して接合させ、絶縁基体と
蓋体とから成る容器内部に圧電振動子を気密に収容する
ことによって最終製品としての電子装置と成る。 【0004】なお、絶縁基体に蓋体を接合させる封止材
としては、例えば酸化鉛56〜66質量%、酸化ホウ素4〜
14質量%、酸化珪素1〜6質量%、酸化亜鉛 0.5〜3質
量%および酸化ビスマス0.5〜5質量%を含むガラス成
分に、フィラーとしてコージェライト系化合物を10〜20
質量%添加した鉛系のガラスが使用されている。 【0005】しかしながら、この従来の電子部品収納用
容器においては、絶縁基体と蓋体を形成する酸化アルミ
ニウム質焼結体等のセラミックスおよび絶縁基体と蓋体
とを接合させ電子部品を内部に気密に封止するガラス封
止材がいずれも電磁波を透過し易く、そのため外部電気
回路基板等に他の電子部品とともに実装した場合、隣接
する電子部品間に電磁波の相互干渉が起こり電子部品に
誤動作を起こさせるという問題点を有していた。 【0006】また、蓋体を電磁波が透過し難い金属材料
で形成した場合、電子部品を内部に気密に封止する鉛系
のガラス封止材の誘電率が12以上と大きい値を持ってい
るために容器が大きな静電容量を有するものとなり、電
子部品の特性を損ねるという問題点を有していた。 【0007】さらに、この従来の電子部品収納用容器に
おいては、絶縁基体に蓋体を接合させるガラス封止材の
軟化溶融温度が約 400℃程度と高温であること、近時の
電子部品は高密度化・高集積化に伴って耐熱性が低下し
てきたこと等から、絶縁基体と蓋体とを封止材を介して
接合し、絶縁基体と蓋体とから成る絶縁容器の内部に電
子部品を気密に収容した場合、封止材を溶融させる熱が
内部に収容する電子部品に作用して電子部品の特性に劣
化を招来させ、電子装置を正常に作動させることができ
ないという問題点を有していた。 【0008】また、近年地球環境保護運動の高まりの中
で、酸化鉛は環境負荷物質に指定されており、例えば酸
化鉛を含む電子装置が屋外に廃棄・放置され風雨に曝さ
れた場合、環境中に鉛が溶けだし環境を汚染する可能性
があり、人体に対して有害である酸化鉛を用いない封止
材の開発が要求されるようになってきた。 【0009】このような問題点を解決するために、銀燐
酸系ガラスや錫燐酸系ガラスを主成分とする酸化鉛を含
まない低融点ガラスが検討されている。 【0010】さらに、近時の携帯電子機器の普及に伴い
電子部品収納用容器の小型化・薄型化の要求が日増しに
高まっており、ガラスを用いて封止を行なう電子部品収
納用容器においても小型化・薄型化を図る目的で上面に
電子部品を搭載するための凹部を有する絶縁基体と、絶
縁基体の上面に接合され、絶縁基体との間の空間に電子
部品をガラス封止材で気密に収容する平板状の金属材料
から成る蓋体とで構成された電子部品収納用容器が考案
されている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この電
子部品収納用容器では、蓋体の厚さを薄くすることによ
って電子部品収納用容器の曲げ強度を保持したままその
薄型化が実現可能であるが、電子部品収納用容器の小型
化による封止幅の減少に伴い、封止部に加わる単位面積
当りの応力が大きくなってきており、平板状の金属材料
から成る蓋体とガラス封止材との接合強度が不充分なた
め気密封止が破れるといった気密封止の信頼性上の問題
を誘発していた。 【0012】本発明は上記問題点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、容器内部に収用する電子部品に電磁波
が作用するのを有効に防止するとともに、容器の内部に
電子部品を気密に封止し、その特性に劣化を招来するこ
とがなく、電子部品を長期間にわたり正常かつ安定に作
動させることができる電子部品収納用容器を提供するこ
とにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の電子部品収納用
容器は、上面に電子部品を搭載するための凹部を有する
絶縁基体と、この絶縁基体の上面にガラス封止材を介し
て接合され、絶縁基体との間の空間に電子部品を気密に
収容する平板状の金属蓋体とから成る電子部品収納用容
器であって、金属蓋体は少なくともガラス封止材との接
合面にチタン、ジルコニウム、ハフニウムの一種以上を
含む活性金属ろう材層が形成されており、ガラス封止材
は五酸化燐30〜40質量%、一酸化錫37〜50質量%、酸化
ナトリウム5〜15質量%、酸化亜鉛1〜6質量%、酸化
アルミニウム1〜4質量%および酸化珪素1〜3質量%
を含むガラス成分にフィラーとしてコージェライト系化
合物を外添加で16〜45質量%添加したものから成ること
を特徴とするものである。 【0014】本発明の電子部品収納用容器によれば、金
属蓋体は、そのガラス封止材との接合面にチタン、ジル
コニウム、ハフニウムの一種以上を含む活性金属ろう材
層が形成されていることから、活性金属ろう材層とガラ
ス封止材との接合面に活性金属の緻密な酸化物層が形成
され、活性金属ろう材層とガラス封止材とが強固に接合
し、単位面積あたりの両者のせん断強度が大きなものと
なり、その結果、金属蓋体とガラス封止材とを活性金属
ろう材層を介して強固に接合することが可能となり、気
密信頼性が極めて高い小型・薄型の電子部品収納容器と
することができる。 【0015】また、本発明の電子部品収納用容器によれ
ば、容器の蓋体を金属としたことから電磁波による外部
ノイズが蓋体を介して容器内部に入り込むのを有効に防
止することができ、その結果、隣接する電子部品間での
電磁波の相互干渉が起こり難くなり、容器内部の電子部
品を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させることが
可能となる。 【0016】さらに、本発明の電子部品収納用容器によ
れば、絶縁基体と蓋体とを五酸化燐30〜40質量%、一酸
化錫37〜50質量%、酸化ナトリウム5〜15質量%、酸化
亜鉛1〜6質量%、酸化アルミニウム1〜4質量%およ
び酸化珪素1〜3質量%を含むガラス成分にフィラーと
してコージェライト系化合物を外添加で16〜45質量%添
加したものから成るガラス封止材で接合したことから、
その軟化溶融温度を350℃以下と低温度とすることがで
き、絶縁基体と金属蓋体とをガラス封止材を介して接合
させ、絶縁基体と金属蓋体とから成る容器内部に電子部
品を気密に収容する際、ガラス封止材を溶融させる熱が
内部に収容する電子部品に作用しても電子部品の特性に
劣化を招来することはなく、その結果、電子部品を長期
間にわたり正常、かつ安定に作動させることが可能とな
る。 【0017】また、五酸化燐30〜40質量%、一酸化錫37
〜50質量%、酸化ナトリウム5〜15質量%、酸化亜鉛1
〜6質量%、酸化アルミニウム1〜4質量%および酸化
珪素1〜3質量%を含むガラス成分にコージェライト系
化合物から成るフィラー粉末を外添加で16〜45質量%添
加したものから成るガラス封止材は、誘電率が7程度と
低いので容器が大きな静電容量を有することはなく、蓋
体を金属材料で形成しても電子部品の特性を損ねること
はなく、容器内部の電子部品を長期間にわたり正常、か
つ安定に作動させることが可能となる。 【0018】 【発明の実施の形態】次に、本発明の電子部品収納用容
器を添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本
発明の電子部品収納用容器の実施の形態の一例を示す断
面図であり、この図では、電子部品が水晶振動子等の圧
電振動子であり、電子部品収納用容器が圧電振動子収納
用容器である場合の例を示している。図1において、1
は絶縁基体、2は金属蓋体であり、主に絶縁基体1と金
属蓋体2とで圧電振動子3を収容するための容器4が構
成される。 【0019】絶縁基体1は、上面に凹部1aを有する略
長方形で、その凹部1aの底面には圧電振動子3を搭載
するための搭載部が設けてあり、この搭載部には、圧電
振動子3が導電性樹脂Jを介して接着固定される。 【0020】絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体
やムライト質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・窒化
珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体等の電気絶縁材料から
成り、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合で
あれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウ
ム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ
・溶剤・可塑剤・分散剤等を添加混合して泥漿物を作
り、この泥漿物を従来周知のドクターブレード法やカレ
ンダーロール法等のシート成形法を採用しシート状に成
形してセラミックグリーンシート(セラミック生シー
ト)を得、しかる後、それらセラミックグリーンシート
に適当な打ち抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層
し、約1600℃の高温で焼成することによって製作され
る。 【0021】また、絶縁基体1には凹部1aの搭載部近
傍から下面にかけて複数個のメタライズ配線層5が被着
形成されている。そして、このメタライズ配線層5の搭
載部の近傍に位置する部位には圧電振動子3の各電極が
導電性エポキシ樹脂等から成る導電性樹脂Jを介して電
気的に接続され、また絶縁基体1の下面に導出された部
位には外部電気回路の配線導体(図示せず)が半田等の
ろう材を介して取着される。 【0022】なお、メタライズ配線層5はタングステン
・モリブデン・マンガン等の高融点金属粉末に適当な有
機溶剤・溶媒・可塑剤等を添加混合して得た金属ペース
トを従来周知のスクリーン印刷法等の厚膜手法を採用し
て絶縁基体1となるセラミックグリーンシートにあらか
じめ印刷塗布しておき、これをセラミックグリーンシー
トと同時に焼成することによって絶縁基体1の上面から
下面にかけて所定パターンに被着形成される。また、メ
タライズ配線層5は露出する表面にニッケル・金等の良
導電性で耐蝕性およびろう材との濡れ性が良好な金属を
めっき法により1〜20μmの厚みに被着させておくと、
メタライズ配線層5の酸化腐蝕を有効に防止することが
できるとともにメタライズ配線層5と圧電振動子3との
導電性樹脂Jによる接続およびメタライズ配線層5と外
部電極とのろう付けを極めて強固となすことができる。 【0023】また、導電性樹脂Jは、例えば導電性エポ
キシ樹脂等から成り、絶縁基体1の搭載部に導電性樹脂
Jを介して圧電振動子3を載置し、しかる後、導電性樹
脂Jに熱硬化処理を施し熱硬化させることによって、圧
電振動子3を絶縁基体1に接着固定させる役目をはた
す。 【0024】さらに、絶縁基体1の上面には金属蓋体2
がガラス封止材6を介して接合され、これによって絶縁
基体1と金属蓋体2とから成る容器4の内部に圧電振動
子3が気密に収容される。 【0025】金属蓋体2は、鉄−ニッケル−コバルト合
金や鉄−ニッケル合金等の金属材料から成り、鉄−ニッ
ケル−コバルト合金等のインゴット(塊)に圧延加工法
や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すこと
によって所定の形状に成形される。 【0026】また、金属蓋体2は、少なくともガラス封
止材6との接合面にチタン、ジルコニウム、ハフニウム
の一種以上を含む活性金属ろう材層7が形成されてお
り、活性金属ろう材層7とガラス封止材6とは活性金属
ろう材層7の活性金属酸化物層を介して強固に接合して
いる。そして本発明においてはこのことが重要である。 【0027】本発明の電子部品収納用容器によれば、金
属蓋体2はガラス封止材6との接合面にチタン、ジルコ
ニウム、ハフニウムの一種以上を含む活性金属ろう材層
7が形成されていることから、活性金属ろう材層7とガ
ラス封止材6との接合面に活性金属の緻密な酸化物層が
形成され、活性金属ろう材層7とガラス封止材6とが強
固に接合し、単位面積あたりの両者のせん断強度が大き
なものとなり、その結果、金属蓋体2ガラス封止材6と
を活性金属ろう材層7を介して強固に接合することが可
能となり、気密信頼性が極めて高い小型・薄型の電子部
品収納容器とすることができる。 【0028】このような金属蓋体2への活性金属ろう材
層7の形成は、以下に述べる方法により行なわれる。ま
ず、金属蓋体2のガラス封止材6との接合面に、チタ
ン、ジルコニウム、ハフニウムの一種以上の活性金属を
含有するペースト状のろう材をスクリーン印刷法やカレ
ンダーロール法等により70μm程度の厚さに印刷塗布す
る。次いで、印刷塗布した活性金属を含有するペースト
状のろう材を乾燥した後、還元雰囲気の熱処理炉にて約
800℃の温度で60分間加熱することにより、層厚が55μ
m程度の活性金属ろう材層7が形成される。なお、その
際に活性金属ろう材層7の表面に、膜厚が3μm程度の
活性金属の水素化物層が形成される。 【0029】また、金属蓋体2へのガラス封止材6の被
着形成は金属蓋体2に被着した活性金属ろう材層7の活
性金属の水素化物層上に、銀−隣酸系ガラスと有機樹脂
とから成るバインダーを調製したペースト状のガラス材
料をろう材と同様にスクリーン印刷法やカレンダーロー
ル法等により印刷塗布し、酸化雰囲気の熱処理炉にて約
350℃の温度で10分間程度加熱することにより形成され
る。なおこの時、活性金属の水素化物層とガラス成分と
が反応することにより、活性金属ろう材層7とガラス封
止材6との間に活性金属の緻密な酸化物層が形成され、
活性金属ろう材層7とガラス封止材6とを強固に接合す
ることが可能となる。 【0030】このような絶縁基体1と金属蓋体2との接
合封止は、ガラス封止材6を上述のように金属蓋体2の
少なくともガラス封止材6との接合面に形成した活性金
属ろう材層7および絶縁基体1の接合領域に、従来周知
のスクリーン印刷法等を採用してあらかじめ被着させて
おき、これをガラス封止材6の軟化溶融温度および酸化
雰囲気で焼成して絶縁基体1および金属蓋体2の接合領
域に溶融被着し、次に、絶縁基体1の搭載部に圧電振動
子3を導電性樹脂Jを介して接着固定し、さらに、絶縁
基体1の接合面に金属蓋体2をその接合面が重なるよう
に載置し、しかる後、ガラス封止材6の軟化溶融温度で
焼成することによって、金属蓋体2の自重により行なわ
れる。 【0031】また、本発明の電子部品収納用容器におい
ては、絶縁基体1と金属蓋体2とを接合するガラス封止
材6を、五酸化燐30〜40質量%、一酸化錫37〜50質量
%、酸化ナトリウム5〜15質量%、酸化亜鉛1〜6質量
%、酸化アルミニウム1〜4質量%および酸化珪素1〜
3質量%を含むガラス成分にフィラーとしてコージェラ
イト系化合物を外添加で16〜45質量%添加したものとし
たことから、そのガラス軟化点を350℃以下と低くする
ことができ、絶縁基体1と金属蓋体2とをガラス封止材
6を介して接合させ、絶縁基体1と金属蓋体2とから成
る容器4内部に圧電振動子3を気密に収容する際、ガラ
ス封止材6を溶融させる熱が内部に収容する圧電振動子
3に作用しても圧電振動子3の特性に劣化を招来させる
ことはなく、その結果、圧電振動子3を長期間にわたり
正常、かつ安定に作動させることが可能となる。 【0032】なお、ガラス封止材6のガラス成分は、五
酸化燐の量が、30質量%未満であるとガラスの軟化溶融
温度が高くなって、低温での容器4の気密封止が困難と
なる傾向があり、他方、40質量%を超えるとガラスの耐
薬品性が低下し、容器4の気密封止の信頼性が大きく低
下してしまう傾向がある。従って、五酸化燐は30〜40質
量%の範囲であることが好ましい。 【0033】また、一酸化錫の量が、37質量%未満であ
るとガラスの軟化溶融温度が高くなって、低温での容器
4の気密封止が困難となる傾向があり、他方、50質量%
を超えるとガラス封止材6の耐薬品性が低下し、容器4
の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向があ
る。従って、一酸化錫は37〜50質量%の範囲であること
が好ましい。 【0034】また、酸化ナトリウムの量が、5質量%未
満であるとガラスの軟化溶融温度が高くなって、低温で
の容器4の気密封止が困難となる傾向があり、他方、15
質量%を超えるとガラスの耐薬品性が低下し、容器4の
気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。
従って、酸化ナトリウムは5〜15重量%の範囲であるこ
とが好ましい。 【0035】また、酸化亜鉛が1質量%未満であるとガ
ラスの耐薬品性が低下し、容器4の気密封止の信頼性が
大きく低下してしまう傾向があり、他方、6質量%を超
えるとガラスの結晶化が進み低温での容器4の気密封止
が困難となる傾向にある。従って、酸化亜鉛の量は1〜
6質量%の範囲であることが好ましい。 【0036】また、酸化アルミニウムの量が、1質量%
未満であるとガラスの耐湿性が低下し、ガラス封止材6
を介して容器4の気密封止の信頼性が低下する傾向にあ
り、他方、4質量%を超えるとガラスの軟化溶融温度が
高くなり、低温での容器4の気密封止が困難となる傾向
がある。従って、酸化アルミニウムは1〜4質量%の範
囲であることが好ましい。 【0037】また、酸化珪素の量が、1質量%未満であ
るとガラス封止材6の熱膨張係数が大きくなって絶縁基
体1および蓋体2の熱膨張係数と大きく異なってしま
い、容器4の気密封止の信頼性が大きく低下する傾向に
ある。他方、3質量%を超えるとガラスの軟化溶融温度
が高くなり、低温での容器4の気密封止が困難となる傾
向がある。従って、酸化珪素は1〜3質量%の範囲であ
ることが好ましい。 【0038】また、コージェライト系化合物の量が、16
質量%未満であるとガラス封止材6の強度が低下し容器
4の気密封止の信頼性が大きく低下する傾向があり、他
方、45質量%を超えるとガラス封止材6の低温での流動
性が低下し、容器4の気密封止の信頼性が低下する傾向
がある。従って、コージェライト系化合物は16〜45質量
%の範囲であることが好ましい。 【0039】なお、ガラス封止材6はガラス成分とフィ
ラーとから成り、耐湿性に優れていることから大気中に
含まれる水分がガラス封止材6を介して容器4の内部に
浸入しようとしてもその水分の浸入は有効に阻止され、
その結果、容器4の内部に収容する圧電振動子3の表面
電極が酸化腐蝕されることは殆どなく、圧電振動子3を
正常に作動させることも可能となる。 【0040】また、本発明においては、ガラス封止材6
が酸化鉛を含有していないことから、地球環境に負荷を
与えることもない。 【0041】さらに、本発明の電子部品収納用容器によ
れば、絶縁基体1と金属蓋体2とをガラス封止材6で接
合したことから、内部に収用される圧電振動子3は、電
磁波を透過し難い金属蓋体2で覆われることとなり、そ
の結果、電磁波による外部ノイズが金属蓋体2を介して
入り込むのを有効に防止することができ、容器4内部の
圧電振動子3を長期間にわたり正常、かつ安定に作動さ
せることが可能となる。 【0042】また、本発明の電子部品収納用容器によれ
ば、絶縁基体1と金属蓋体2とを誘電率の低いガラス封
止材6で接合したことから、容器4が大きな静電容量を
有することはなく、蓋体を金属材料で形成しても圧電振
動子3の特性を損ねることはなく、容器内部の圧電振動
子3を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させること
が可能となる。 【0043】かくして本発明の電子部品収納用容器によ
れば、絶縁基体1の搭載部に圧電振動子3の一端を導電
性エポキシ樹脂等から成る導電性樹脂Jを介して接着固
定するとともに圧電振動子3の各電極をメタライズ配線
層5に電気的に接続させ、しかる後、絶縁基体1の搭載
部を覆うように金属蓋体2をガラス封止材6を介して接
合させ、絶縁基体1と蓋体2とから成る容器4の内部に
圧電振動子3を気密に収容することによって最終製品と
しての圧電振動装置となる。 【0044】 【実施例】効果の確認を行なうため、次の実験を行なっ
た。なお、ここでは、主成分の五酸化燐、一酸化錫およ
び外添加のフィラー添加量について決定した実験例を示
す。まず、各構成要素の質量%を変化させてガラスを作
製した。そして、各ガラスを用いた容器の気密信頼性を
評価するために、熱衝撃試験1000サイクル後の封止容器
のヘリウムガスリークテストを実施した。また、金属蓋
体の封着強度を比較するために、容器と金属蓋体とのせ
ん断強度を測定した。なお、評価用容器としては、絶縁
基体の縦方向の寸法が5.0mm、横方向の寸法が3.2m
m、高さが0.7mmであり、金属蓋体との接合面の幅が
0.5mmの容器を用いた。 【0045】(実験1)五酸化燐を25〜45質量%の間で
変化させ、その他の構成要素を加えて合計が100質量%
となるように調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。
この時の実験結果を表1に示す。 【0046】 【表1】【0047】実験結果より、五酸化燐については、30〜
40質量%の範囲で良好な気密性信頼性を示すとともに50
N(ニュートン)以上の高いせん断強度が得られること
がわかった。 【0048】次に、一酸化錫および五酸化燐について、
次の実験を行った。 (実験2)五酸化燐の含有量を30〜40質量%の範囲と
し、一酸化錫の含有量を30〜55質量%の間で変化させ、
その他の構成要素を加えて合計が100質量%となるよう
に調合(小数点2桁以下を四捨五入)した。結果を表2
に示す。 【0049】 【表2】 【0050】実験結果より、一酸化錫については、37〜
50質量%の範囲で良好な気密性信頼性を示すとともに50
N(ニュートン)以上の高いせん断強度が得られること
がわかった。 【0051】また、微量元素においても同種の実験を行
い、ガラス封止材が五酸化燐30〜40質量%、一酸化錫37
〜50質量%、酸化ナトリウム5〜15質量%、酸化亜鉛1
〜6質量%、酸化アルミニウム1〜4質量%および酸化
珪素1〜3質量%を含むガラスの場合において、良好な
気密性信頼性を示すとともに50N(ニュートン)以上の
高いせん断強度が得られることがわかり、本発明の効果
を確認することができた。 【0052】(実験3)さらに、ガラス組成を一定に
し、フィラー添加量を変化させての同様の実験を行なっ
た。評価結果を表3に示す。 【0053】 【表3】 【0054】フィラーとしては、コージェライト系化合
物を外添加で16〜45質量%添加した場合において良好な
気密性信頼性が得られるとともに50N(ニュートン)以
上の高いせん断強度が得られることがわかった。 【0055】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であ
れば種々の変更は可能である。例えば上述の例では圧電
振動子を収容するための電子部品収納用容器を示した
が、本発明は半導体素子を収容するための半導体素子収
容用容器にも適用し得るものでる。 【0056】 【発明の効果】本発明の電子部品収納用容器によれば、
金属蓋体は、そのガラス封止材との接合面にチタン、ジ
ルコニウム、ハフニウムの一種以上を含む活性金属ろう
材層が形成されていることから、活性金属ろう材層とガ
ラス封止材との接合面に活性金属の緻密な酸化物層が形
成され、活性金属ろう材層とガラス封止材とが強固に接
合し、単位面積あたりの両者のせん断強度が大きなもの
となり、その結果、金属蓋体とガラス封止材とを活性金
属ろう材層を介して強固に接合することが可能となり、
気密信頼性が極めて高い小型・薄型の電子部品収納容器
とすることができる。 【0057】また、本発明の電子部品収納用容器によれ
ば、容器の蓋体を金属としたことから電磁波による外部
ノイズが蓋体を介して容器内部に入り込むのを有効に防
止することができ、その結果、隣接する電子部品間での
電磁波の相互干渉が起こり難くなり、容器内部の電子部
品を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させることが
可能となる。 【0058】さらに、本発明の電子部品収納用容器によ
れば、絶縁基体と蓋体とを五酸化燐30〜40質量%、一酸
化錫37〜50質量%、酸化ナトリウム5〜15質量%、酸化
亜鉛1〜6質量%、酸化アルミニウム1〜4質量%およ
び酸化珪素1〜3質量%を含むガラス成分にフィラーと
してコージェライト系化合物を外添加で16〜45質量%添
加したものから成るガラス封止材で接合したことから、
その軟化溶融温度を350℃以下と低温度とすることがで
き、絶縁基体と金属蓋体とをガラス封止材を介して接合
させ、絶縁基体と金属蓋体とから成る容器内部に電子部
品を気密に収容する際、ガラス封止材を溶融させる熱が
内部に収容する電子部品に作用しても電子部品の特性に
劣化を招来することはなく、その結果、電子部品を長期
間にわたり正常、かつ安定に作動させることが可能とな
る。 【0059】また、五酸化燐30〜40質量%、一酸化錫37
〜50質量%、酸化ナトリウム5〜15質量%、酸化亜鉛1
〜6質量%、酸化アルミニウム1〜4質量%および酸化
珪素1〜3質量%を含むガラス成分にコージェライト系
化合物から成るフィラー粉末を外添加で16〜45質量%添
加したものから成るガラス封止材は、誘電率が7程度と
低いので容器が大きな静電容量を有することはなく、蓋
体を金属材料で形成しても電子部品の特性を損ねること
はなく、容器内部の電子部品を長期間にわたり正常、か
つ安定に作動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の電子部品収納用容器の実施の形態の一
例を示す断面図である。 【符号の説明】 1・・・・・・・・・・絶縁基体 1a・・・・・・・・・凹部 2・・・・・・・・・・金属蓋体 3・・・・・・・・・・電子部品(圧電振動子) 4・・・・・・・・・・容器 5・・・・・・・・・・メタライズ配線層 6・・・・・・・・・・ガラス封止材 7・・・・・・・・・・活性金属ろう材層

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 上面に電子部品を搭載するための凹部を
    有する絶縁基体と、該絶縁基体の上面にガラス封止材を
    介して接合され、前記絶縁基体との間の空間に電子部品
    を気密に収容する平板状の金属蓋体とから成る電子部品
    収納用容器であって、前記金属蓋体は少なくとも前記ガ
    ラス封止材との接合面にチタン、ジルコニウム、ハフニ
    ウムの一種以上を含む活性金属ろう材層が形成されてお
    り、前記ガラス封止材は五酸化燐30〜40質量%、一
    酸化錫37〜50質量%、酸化ナトリウム5〜15質量
    %、酸化亜鉛1〜6質量%、酸化アルミニウム1〜4質
    量%および酸化珪素1〜3質量%を含むガラス成分にフ
    ィラーとしてコージェライト系化合物を外添加で16〜
    45質量%添加したものから成ることを特徴とする電子
    部品収納用容器。
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