JP2003307838A - ポジ型感光性組成物 - Google Patents

ポジ型感光性組成物

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JP2003307838A
JP2003307838A JP2002112256A JP2002112256A JP2003307838A JP 2003307838 A JP2003307838 A JP 2003307838A JP 2002112256 A JP2002112256 A JP 2002112256A JP 2002112256 A JP2002112256 A JP 2002112256A JP 2003307838 A JP2003307838 A JP 2003307838A
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JP2002112256A
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Kunihiko Kodama
邦彦 児玉
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠紫外光、特にArFエキシマレーザー光を
使用するミクロフォトファブリケ−ション本来の性能向
上技術の課題を解決することであり、ラインエッジラフ
ネスが優れたポジ型感光性組成物を提供する。 【解決手段】 (A1)活性光線又は放射線の照射によ
り、少なくとも1つのフッ素原子及び/又は少なくとも
1つのフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホ
ン酸を発生するイオン性化合物、(A2)活性光線又は
放射線の照射により、酸を発生する非イオン性化合物及
び(B)脂環炭化水素構造を有し、酸の作用により分解
し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂を含有
するポジ型感光性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC等の半導体製
造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さ
らにその他のフォトファブリケーション工程に使用され
るポジ型感光性組成物に関するものである。さらに詳し
くは250nm以下の遠紫外線等を露光光源とする場合
に好適なポジ型感光性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のノボラックとナフトキノンジアジ
ド化合物から成るレジストを遠紫外光やエキシマレーザ
ー光を用いたリソグラフィーのパターン形成に用いる
と、ノボラック及びナフトキノンジアジドの遠紫外領域
に於ける吸収が強いために光がレジスト底部まで到達し
にくくなり、低感度でテーパーのついたパターンしか得
られない。
【0003】このような問題を解決する手段の一つが、
米国特許第4,491,628号、欧州特許第249,1
39号等に記載されている化学増幅系レジスト組成物で
ある。化学増幅系ポジ型レジスト組成物は、遠紫外光等
の放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を
触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射
部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板
上に形成させるパターン形成材料である。
【0004】このような例として、光分解により酸を発
生する化合物と、アセタール又はO,N−アセタール化
合物との組合せ(特開昭48−89003号公報)、オ
ルトエステル又はアミドアセタール化合物との組合せ
(特開昭51−120714号公報)、主鎖にアセター
ル又はケタール基を有するポリマーとの組合せ(特開昭
53−133429号公報)、エノールエーテル化合物
との組合せ(特開昭55−12995号公報)、N−ア
シルイミノ炭酸化合物との組合せ(特開昭55−126
236号公報)、主鎖にオルトエステル基を有するポリ
マーとの組合せ(特開昭56−17345号公報)、第
3級アルキルエステル化合物との組合せ(特開昭60−
3625号公報)、シリルエステル化合物との組合せ
(特開昭60−10247号公報)、及びシリルエーテ
ル化合物との組合せ(特開昭60−37549号、特開
昭60−121446号各公報)等を挙げることができ
る。これらは原理的に量子収率が1を越えるため、高い
感光性を示す。
【0005】同様に、酸存在下加熱することにより分解
し、アルカリ可溶化する系として、例えば、特開昭59
−45439号、特開昭60−3625号、特開昭62
−229242号、特開昭63−27829号、特開昭
63−36240号、特開昭63−250642号、特
開平5−181279号各公報、Polym.Eng.
Sce.,23巻、1012頁(1983);ACS.
Sym.242巻、11頁(1984);Semico
nductor World 1987年、11月号、
91頁;Macromolecules,21巻、14
75頁(1988);SPIE,920巻、42頁(1
988)等に記載されている露光により酸を発生する化
合物と、第3級又は2級炭素(例えばt−ブチル、2−
シクロヘキセニル)のエステル又は炭酸エステル化合物
との組合せ系、特開平4−219757号、同5−24
9682号、同6−65332号各公報等に記載されて
いるアセタール化合物との組み合わせ系、特開平4−2
11258号、同6−65333号各公報等に記載され
ているt−ブチルエーテル化合物との組み合わせ系等が
挙げられる。
【0006】これらの系は、主として248nm領域で
の吸収の小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨
格とする樹脂を主成分に使用するため、KrFエキシマ
レーザーを露光光源とする場合には、高感度、高解像度
で、且つ良好なパターンを形成し、従来のナフトキノン
ジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となり得
る。
【0007】しかしながら、更なる短波長の光源、例え
ばArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源と
して使用する場合は、芳香族基を有する化合物が本質的
に193nm領域に大きな吸収を示すため、上記化学増
幅系でも十分ではなかった。また、193nm波長領域
に吸収の小さいポリマーとして、ポリ(メタ)アクリレ
ートの利用がJ.Vac.Sci.Technol.,
B9,3357(1991). に記載されているが、こ
のポリマーは一般に半導体製造工程で行われるドライエ
ッチングに対する耐性が、芳香族基を有する従来のフェ
ノール樹脂に比べ低いという問題があった。
【0008】これに対し、脂環炭化水素基を有するポリ
マーが、芳香族基と同様の耐ドライエッチング性を示
し、且つ193nm領域の吸収が小さいことがPro
c.ofSPIE,1672,66(1992)で報告
され、近年同ポリマーの利用が精力的に検討されるに至
った。具体的には、特開平4−39665号、同5−8
0515号、同5−265212号、同5−29759
1号、同5−346668号、同6−289615号、
同6−324494号、同7−49568号、同7−1
85046号、同7−191463号、同7−1994
67号、同7−234511号、同7−252324号
等の公報に記載されているポリマーが挙げられる。これ
らのポリマーとともに用いられている光酸発生剤として
はトリフェニルスルホニウムトリフロロメタンスルホネ
ートなどのようなトリフロロメタンスルホン酸を発生す
る化合物、あるいはさらに長鎖のフロロアルキルスルホ
ン酸を発生する化合物が用いられている。しかしなが
ら、従来のレジスト組成物は、ラインエッジラフネスの
改善が必要とされていた。ここで、ラインエッジラフネ
スとは、レジストのラインパターンと基板界面のエッジ
がレジストの特性に起因して、ライン方向と垂直な方向
に不規則に変動するために、パターンを真上から見たと
きにエッジが凹凸に見えることをいう。この凹凸がレジ
ストをマスクとするエッチング工程により転写され、電
気特性を劣化させる為歩留まりを低下させる。特にレジ
ストパターンサイズがクオーターミクロン以下になるに
伴い、ラインエッジラフネスの改善の要求が高まってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、遠紫外光、とくにArFエキシマレーザー光を使用
する上記ミクロフォトファブリケ−ション本来の性能向
上技術の課題を解決することであり、ラインエッジラフ
ネスが改善されたポジ型感光性組成物を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記構成のポ
ジ型感光性組成物であり、これにより本発明の上記目的
が達成される。
【0011】(1) (A1)活性光線又は放射線の照
射により、少なくとも1つのフッ素原子及び/又は少な
くとも1つのフッ素原子を有する基で置換された芳香族
スルホン酸を発生するイオン性化合物、(A2)活性光
線又は放射線の照射により、酸を発生する非イオン性化
合物及び(B)単環又は多環の脂環炭化水素構造を有
し、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解
度が増大する樹脂を含有することを特徴とするポジ型感
光性組成物。
【0012】(2) 更に、(C)酸により分解し得る
基を有し、アルカリ現像液中での溶解度が酸の作用によ
り増大する、分子量3000以下の低分子溶解阻止化合
物を含有することを特徴とする(1)に記載のポジ型感
光性組成物。
【0013】(3) (B)樹脂が、更に、ラクトン構
造を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の
ポジ型感光性組成物。
【0014】(4) (B)樹脂が、更に、下記一般式
(V−1)〜(V−5)の少なくともいずれかで表され
る基を含有する繰り返し単位を有することを特徴とする
(1)〜(3)のいずれかに記載のポジ型感光性組成
物。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】一般式(V−1)〜(V−5)において、
1b〜R5bは、各々独立に、水素原子、水酸基、カルボ
キシル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換
基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有し
ていてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよい
アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいア
ルキルスルホニルイミノ基又は置換基を有していてもよ
いアルケニル基を表す。R1b〜R5bの内の2つは、結合
して環を形成してもよい。
【0018】(5) (A1)活性光線又は放射線の照
射により、少なくとも1つのフッ素原子及び/又は少な
くとも1つのフッ素原子を有する基で置換された芳香族
スルホン酸を発生するイオン性化合物、(A2)活性光
線又は放射線の照射により、酸を発生する非イオン性化
合物、(C)酸により分解し得る基を有し、アルカリ現
像液中での溶解度が酸の作用により増大する、分子量3
000以下の低分子溶解阻止化合物及び(D)単環又は
多環の脂環炭化水素構造を有し、水に不溶でアルカリ現
像液に可溶な樹脂を含有することを特徴とするポジ型感
光性組成物。
【0019】(6) 更に、(E)含窒素塩基性化合物
を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか
に記載のポジ型感光性組成物。
【0020】(7) 更に、(F)フッ素系及び/又は
シリコン系界面活性剤を含有することを特徴とする
(1)〜(6)のいずれかに記載のポジ型感光性組成
物。
【0021】(8) 220nm以下の波長の遠紫外光
による露光用組成物であることを特徴とする(1)〜
(7)のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明に係わるポジ型感光性組成
物は、主要な態様として次の2つを挙げることができ
る。(I) (A1)活性光線又は放射線の照射によ
り、少なくとも1つのフッ素原子及び/又は少なくとも
1つのフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホ
ン酸を発生するイオン性化合物、(A2)活性光線又は
放射線の照射により、酸を発生する非イオン性化合物及
び(B)単環又は多環の脂環炭化水素構造を有し、酸の
作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大
する樹脂を含有することを特徴とするポジ型感光性組成
物。(II) (A1)活性光線又は放射線の照射によ
り、少なくとも1つのフッ素原子及び/又は少なくとも
1つのフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホ
ン酸を発生するイオン性化合物、(A2)活性光線又は
放射線の照射により、酸を発生する非イオン性化合物、
(C)酸により分解し得る基を有し、アルカリ現像液中
での溶解度が酸の作用により増大する、分子量3000
以下の低分子溶解阻止化合物及び(D)単環又は多環の
脂環炭化水素構造を有し、水に不溶でアルカリ現像液に
可溶な樹脂を含有することを特徴とするポジ型感光性組
成物。即ち、本発明は、活性光線又は放射線の照射によ
り、酸を発生する化合物として、(A1)活性光線又は
放射線の照射により、少なくとも1つのフッ素原子及び
/又は少なくとも1つのフッ素原子を有する基で置換さ
れた芳香族スルホン酸を発生するイオン性化合物及び
(A2)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生す
る非イオン性化合物を併用することを特徴とする。
【0023】≪(A1)活性光線又は放射線の照射によ
り、少なくとも1つのフッ素原子及び/又は少なくとも
1つのフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホ
ン酸を発生するイオン性化合物≫活性光線又は放射線の
照射により、少なくとも1つのフッ素原子及び/又は少
なくとも1つのフッ素原子を有する基で置換された芳香
族スルホン酸を発生するイオン性化合物としては、例え
ば、下記一般式(A1I)〜(A1III)で表される化
合物を挙げることができる。また、芳香族スルホン酸と
しては、例えば、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスル
ホン酸、アントラセンスルホン酸等を挙げることができ
る。
【0024】
【化5】
【0025】式中、R1〜R37は、同一又は異なって、
水素原子、直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、直
鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基、ヒドロキシル
基、ハロゲン原子、又は−S−R38基を表す。R38は、
直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基又はアリール基
を表す。また、R1〜R15、R16〜R27、R28〜R37
うち、2つ以上が結合して、単結合、炭素、酸素、イオ
ウ、及び窒素から選択される1種又は2種以上を含む環
を形成していてもよい。X-は、少なくとも1個のフッ
素原子、少なくとも1個のフッ素原子で置換された直鎖
状、分岐状あるいは環状アルキル基、少なくとも1個の
フッ素原子で置換された直鎖状、分岐状あるいは環状ア
ルコキシ基、少なくとも1個のフッ素原子で置換された
アシル基、少なくとも1個のフッ素原子で置換されたア
シロキシ基、少なくとも1個のフッ素原子を含有するア
ルキルまたはアリールスルホニル基、少なくとも1個の
フッ素原子を含有するアルキルまたはアリールスルホニ
ルオキシ基、少なくとも1個のフッ素原子を含有するア
ルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、少なくとも
1個のフッ素原子で置換されたアリール基、少なくとも
1個のフッ素原子で置換されたアラルキル基、及び少な
くとも1個のフッ素原子で置換されたアルコキシカルボ
ニル基、から選択された少なくとも1種を有するベンゼ
ンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンス
ルホン酸等の芳香族スルホン酸のアニオンを示す。
【0026】一般式(A1I)〜(A1III)におい
て、R1〜R38の直鎖状、分岐状アルキル基としては、
置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の
ような炭素数1〜4個のものが挙げられる。環状アルキ
ル基としては、置換基を有してもよい、シクロプロピル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素
数3〜8個のものが挙げられる。R1〜R37の直鎖状、
分岐状アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エ
トキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−
ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t
−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられ
る。環状アルコキシ基としては、シクロペンチルオキシ
基、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシル
オキシ基が挙げられる。
【0027】R1〜R37のハロゲン原子としては、フッ
素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることが
できる。R38のアリール基としては、例えば、フェニル
基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基のよう
な置換基を有してもよい炭素数6〜14個のものが挙げ
られる。これらの置換基として好ましくは、炭素数1〜
4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素
原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール基、炭
素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロキシ
基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基
等が挙げられる。
【0028】また、R1〜R15、R16〜R27、R28〜R
37のうち、2つ以上が結合して形成する、単結合、炭
素、酸素、イオウ、及び窒素から選択される1種又は2
種以上を含む環としては、例えば、フラン環、ジヒドロ
フラン環、ピラン環、トリヒドロピラン環、チオフェン
環、ピロール環等を挙げることができる。
【0029】一般式(A1I)〜(A1III)におい
て、X-は下記基から選択される少なくとも1種を有す
るベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アント
ラセンスルホン酸等の芳香族スルホン酸のアニオンであ
る。少なくとも1個のフッ素原子少なくとも1個のフッ
素原子で置換された直鎖状、分岐状あるいは環状アルキ
ル基少なくとも1個のフッ素原子で置換された直鎖状、
分岐状あるいは環状アルコキシ基少なくとも1個のフッ
素原子で置換されたアシル基少なくとも1個のフッ素原
子で置換されたアシロキシ基少なくとも1個のフッ素原
子を含有するアルキルまたはアリールスルホニル基少な
くとも1個のフッ素原子を含有するアルキルまたはアリ
ールスルホニルオキシ基少なくとも1個のフッ素原子を
含有するアルキルまたはアリールスルホニルアミノ基少
なくとも1個のフッ素原子で置換されたアリール基少な
くとも1個のフッ素原子で置換されたアラルキル基及び
少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアルコキシカ
ルボニル基
【0030】上記直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル
基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25個の
フッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的に
はフロロメチル基、ジフロロメチル基、トリフロロメチ
ル基、ペンタフロロエチル基、2,2,2−トリフロロ
エチル基、ヘプタフロロプロピル基、ヘプタフロロイソ
プロピル基、パーフロロブチル基、パーフロロオクチル
基、パーフロロドデシル基、パーフロロシクロヘキシル
基等を挙げることができる。なかでも、全てフッ素で置
換された炭素数1〜4のパーフロロアルキル基が好まし
い。
【0031】上記直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキ
シ基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25個
のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的
にはトリフロロメトキシ基、ペンタフロロエトキシ基、
ヘプタフロロイソプロピルオキシ基、パーフロロブトキ
シ基、パーフロロオクチルオキシ基、パーフロロドデシ
ルオキシ基、パーフロロシクロヘキシルオキシ基等を挙
げることができる。なかでも、全てフッ素で置換された
炭素数1〜4のパーフロロアルコキシ基が好ましい。
【0032】上記アシル基としては、炭素数が2〜12
であって、1〜23個のフッ素原子で置換されているも
のが好ましい。具体的にはトリフロロアセチル基、フロ
ロアセチル基、ペンタフロロプロピオニル基、ペンタフ
ロロベンゾイル基等を挙げることができる。
【0033】上記アシロキシ基としては、炭素数が2〜
12であって、1〜23個のフッ素原子で置換されてい
るものが好ましい。具体的にはトリフロロアセトキシ
基、フロロアセトキシ基、ペンタフロロプロピオニルオ
キシ基、ペンタフロロベンゾイルオキシ基等を挙げるこ
とができる。
【0034】上記アルキルまたはアリールスルホニル基
としては、炭素数が1〜12であって、1〜25個のフ
ッ素原子を含有するものが好ましい。具体的にはトリフ
ロロメタンスルホニル基、ペンタフロロエタンスルホニ
ル基、パーフロロブタンスルホニル基、パーフロロオク
タンスルホニル基、ペンタフロロベンゼンスルホニル
基、4−トリフロロメチルベンゼンスルホニル基等を挙
げることができる。
【0035】上記アルキルまたはアリールスルホニルオ
キシ基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25
個のフッ素原子を含有するものが好ましい。具体的には
トリフロロメタンスルホニルオキシ、パーフロロブタン
スルホニルオキシ基、4−トリフロロメチルベンゼンス
ルホニルオキシ基等を挙げることができる。
【0036】上記アルキルまたはアリールスルホニルア
ミノ基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25
個のフッ素原子を含有するものが好ましい。具体的には
トリフロロメタンスルホニルアミノ基、パーフロロブタ
ンスルホニルアミノ基、パーフロロオクタンスルホニル
アミノ基、ペンタフロロベンゼンスルホニルアミノ基等
を挙げることができる。
【0037】上記アリール基としては、炭素数が6〜1
4であって、1〜9個のフッ素原子で置換されているも
のが好ましい。具体的にはペンタフロロフェニル基、4
−トリフロロメチルフェニル基、ヘプタフロロナフチル
基、ノナフロロアントラニル基、4−フロロフェニル
基、2,4−ジフロロフェニル基等を挙げることができ
る。
【0038】上記アラルキル基としては、炭素数が7〜
10であって、1〜15個のフッ素原子で置換されてい
るものが好ましい。具体的にはペンタフロロフェニルメ
チル基、ペンタフロロフェニルエチル基、パーフロロベ
ンジル基、パーフロロフェネチル基等を挙げることがで
きる。
【0039】上記アルコキシカルボニル基としては、炭
素数が2〜13であって、1〜25個のフッ素原子で置
換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメ
トキシカルボニル基、ペンタフロロエトキシカルボニル
基、ペンタフロロフェノキシカルボニル基、パーフロロ
ブトキシカルボニル基、パーフロロオクチルオキシカル
ボニル基等を挙げることができる。
【0040】最も好ましいX-としてはフッ素原子で置
換されたベンゼンスルホン酸アニオン、トリフロロメチ
ル基で置換されたベンゼンスルホン酸アニオンであり、
中でもペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、2−
または3−または4−トリフロロメチルベンゼンスルホ
ン酸アニオン、3,5−ビストリフロロメチルベンゼン
スルホン酸アニオンが特に好ましい。
【0041】また、上記含フッ素置換基を有する芳香族
スルホン酸は、さらに直鎖状、分岐状あるいは環状アル
コキシ基、アシル基、アシロキシ基、スルホニル基、ス
ルホニルオキシ基、スルホニルアミノ基、アリール基、
アラルキル基、アルコキシカルボニル基(これらの炭素
数範囲は前記のものと同様)、ハロゲン(フッ素を除
く)、水酸基、ニトロ基等で置換されてもよい。
【0042】一般式(A1I)で表される成分(A1)
の好ましい具体例を以下に示す。
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】
【0048】一般式(A1II)で表される成分(A1)
の好ましい具体例を以下に示す。
【0049】
【化11】
【0050】一般式(A1III)で表される成分(A
1)の好ましい具体例を以下に示す。
【0051】
【化12】
【0052】また、下記一般式(A1VIII)〜(A
1IX)で表される化合物も本発明の成分(A1)とし
て好ましい。
【0053】
【化13】
【0054】一般式(A1VIII)中、R1c〜R
5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、又はハロゲン原子を表す。R6c及びR7cは、各々独
立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、2−オキソア
ルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、
又はビニル基を表す。R1c〜R7c中のいずれか2つ以
上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成し
ても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステ
ル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
【0055】R1c〜R5cとしてのアルキル基は、直鎖、
分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜
10のアルキル基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及
び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖
又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は
分岐ペンチル基)、炭素数3〜8の環状アルキル基(例
えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げる
ことができる。R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直
鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数
1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の
直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エト
キシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブト
キシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の
環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、
シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
【0056】R6c及びR7cとしてアルキル基について
は、R1c〜R5cとしてのアルキル基と同様のものを挙げ
ることができる。アリール基としては、例えば、炭素数
6〜14のアリール基(例えば、フェニル基)を挙げる
ことができる。Rx及びRyとしてのアルキル基は、R1c
〜R5cとしてのアルキル基と同様のものを挙げることが
できる。2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしての
アルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることが
できる。アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコ
キシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と
同様のものを挙げることができる。Rx及びRyが結合し
て形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を
挙げることができる。
【0057】一般式(A1VIII)に於けるX-は、
前記一般式(A1I)〜(A1III)に於けるX-
同義である。
【0058】
【化14】
【0059】一般式(A1IX)中、R1b〜R3bは、各
々独立に、アルキル基を表す。アルキル基は、2位に>
C=Oを有する2−オキソアルキル基であってもよい。
1b〜R3bは、その内の2つが互いに結合して環構造を
形成してもよい。R1b〜R3bとしてのアルキル基は、直
鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、
炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基)、炭素数3〜10の環状アルキル基(シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基)を挙げるこ
とができる。R1b〜R3bとしての2−オキソアルキル基
は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好まし
くは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を
挙げることができる。R1b〜R3bは、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ
基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。R1b
〜R3bのうち2つが結合して環構造を形成してもよく、
環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結
合、カルボニル基を含んでいてもよい。R1b〜R3bの内
の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基
(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることが
できる。
【0060】一般式(A1IX)に於けるX-は、前記
一般式(A1I)〜(A1III)に於けるX-と同義
である。
【0061】以下、一般式(A1VIII)〜(A1I
X)で表される成分(A1)の好ましい具体例を挙げる
が、本発明がこれに限定されるものではない。
【0062】
【化15】
【0063】
【化16】
【0064】
【化17】
【0065】成分(A1)は、1種あるいは2種以上を
併用して用いてもよい。成分(A1)の含量は、本発明
のポジ型感光性組成物の固形分に対し、通常0.1〜2
0重量%、好ましくは0.5〜10重量%、更に好まし
くは1〜7重量%である。
【0066】一般式(A1I)、(A1II)の化合物
は、例えばアリールマグネシウムブロミド等のアリール
グリニャール試薬と、置換又は無置換のフェニルスルホ
キシドとを反応させ、得られたトリアリールスルホニウ
ムハライドを対応するスルホン酸と塩交換する方法、置
換あるいは無置換のフェニルスルホキシドと対応する芳
香族化合物とをメタンスルホン酸/五酸化二リンあるい
は塩化アルミニウム等の酸触媒を用いて縮合、塩交換す
る方法、又はジアリールヨードニウム塩とジアリールス
ルフィドを酢酸銅等の触媒を用いて縮合、塩交換する方
法等によって合成することができる。式(A1III)の
化合物は過ヨウ素酸塩を用いて芳香族化合物を反応させ
ることにより合成することができる。また、塩交換に用
いるスルホン酸あるいはスルホン酸塩は、市販のスルホ
ン酸クロリドを加水分解する方法、芳香族化合物とクロ
ロスルホン酸とを反応する方法、芳香族化合物とスルフ
ァミン酸とを反応する方法等によって得ることができ
る。
【0067】≪(A2)活性光線又は放射線の照射によ
り、酸を発生する非イオン性化合物≫活性光線又は放射
線の照射により、酸を発生する非イオン性化合物として
は、例えば、下記一般式(PAG5)で表されるジスル
ホン誘導体及び一般式(PAG6)で表されるイミノス
ルホネート誘導体を挙げることができる。
【0068】
【化18】
【0069】式中、Ar3、Ar4は、各々独立に、置換
基を有していてもよいアリール基を示す。R206は、置
換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有してい
てもよいアリール基又は置換基を有していてもよいカン
ファー基を示す。Aは、置換基を有していてもよいアル
キレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基又
は置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。
【0070】Ar3、Ar4及びR206のアリール基とし
ては、炭素数6〜14個のアリール基が好ましく、例え
ば、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフ
チル基等を挙げることができる。R206のアルキル基と
しては、直鎖状、分岐状及び環状アルキル基を挙げるこ
とができる。直鎖状、分岐状アルキル基としては、炭素
数1〜20個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基等を挙げることができる。環状ア
ルキル基としては、炭素数3〜8個のアルキル基が好ま
しく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等を挙げることができる。Aのアルキ
レン基としては、炭素数1〜8個のアルキレン基が好ま
しく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等を挙げ
ることができる。Aのアルケニレン基としては、炭素数
2〜6個のアルケニレン基が好ましく、例えば、エテニ
レン基、プロペニレン基、ブテニレン基等を挙げること
ができる。Aのアリーレン基としては、炭素数6〜12
個のアリーレン基が好ましく、例えば、フェニレン基、
トリレン基、ナフチレン基等を挙げることができる。A
3、Ar4、R206及びAが有していてもよい置換基と
しては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、沃素原子)、アミノ基、アミド基、ヒド
ロキシ基、カルボキシル基、アルキル基(炭素数1〜8
個)、アリール基(炭素数6〜14個)、アルコキシ
基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコ
キシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げること
ができる。R206のアルキル基の置換基としては、ハロ
ゲン原子、ヒドロキシ基が好ましい。
【0071】具体例としては以下に示す化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0072】
【化19】
【0073】活性光線又は放射線の照射により、酸を発
生する非イオン性化合物として、更に、下記一般式(P
AG7)で表されるジアゾジスルホン誘導体を挙げるこ
とができる。
【0074】
【化20】
【0075】ここでR7aは、置換基を有していてもよい
アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を
表す。アルキル基、アリール基としては、前記一般式
(PAG6)に於けるR206のアルキル基、アリール基
と同義である。具体例としては以下に示す化合物が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
【化21】
【0077】活性光線又は放射線の照射により、酸を発
生する非イオン性化合物として、更に、下記一般式(A
2−a)で表される化合物を挙げることができる。
【0078】
【化22】
【0079】上記一般式(A2−a)中、Ra1は置換基
を有していてもよい、アルキル基、アリール基、カンフ
ァー基を表す。X、Yは各々独立して、置換基を有して
いてもよい、アルキル基、アリール基、シアノ基、ニト
ロ基を表す。また、XとYは互いに結合して、環を形成
してもよい。更に、XとYは、置換基を有していてもよ
いアルキレン基を介して、別の一般式(A2−a)で表
される化合物のXまたはYと結合されていてもよい。即
ち、一般式(A2−a)で表される化合物は、オキシム
スルホネート構造が連結鎖を介して2つ又は3つ有する
ものも包含する。
【0080】Ra1、X、Yにおけるアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル
基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、t−アミ
ル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、i−オクチル
基、n−デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサ
デシル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基、ペル
フルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフル
オロ−t−ブチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフ
ルオロウンデシル基、1,1−ビストリフルオロメチル
エチル基、等が挙げられる。
【0081】Ra1、X、Yにおけるアリール基として
は、置換基を有していてもよい、フェニル基、トリル
基、メトキシフェニル基、ナフチル基のような炭素数6
〜14個のものが挙げられる。
【0082】上記の置換基としては、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原
子、塩素原子、沃素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、
カルボキシ基、ニトロ基、アリールオキシ基、アルキル
チオ基、アラルキル基等が挙げられる。ここでアルキル
基は上記で挙げたものと同義である。シクロアルキル基
としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基のような炭素数3〜8個のものが挙げられ
る。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ
基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキ
シ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。アラ
ルキル基としては、ベンジル基、ナフチルメチル基、フ
リル基、チエニル基などが挙げられる。また、各置換基
は、アミド結合を介して、結合していてもよい。
【0083】Ra1としては、フッ素置換アルキル基、フ
ッ素置換アリール基が好ましい。好ましいRa1の具体例
としては、トリフロロメチル基、ノナフロロブチル基、
パーフロロオクチル基、ペンタフロロフェニル基、3,
5−ビス(トリフロロメチル)フェニル基、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。ま
た、X、Yとしては、置換フェニル基、シアノ基、フロ
ロアルキル基(特にトリフロロメチル基)が好ましい。
更に、X、Yのうち少なくとも1つがシアノ基、または
フロロアルキル基であることが好ましい。
【0084】また、アルキレン基としては、下記式で表
される基を挙げることができる。 −〔C(Ra)(Rb)〕r1− 式中、Ra、Rbは、水素原子、アルキル基、置換アル
キル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、
両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ま
しくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、
水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることがで
きる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のも
のを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素
原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げること
ができる。r1は1〜10の整数を表す。
【0085】一般式(A2−a)で表される化合物の具
体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0086】
【化23】
【0087】
【化24】
【0088】
【化25】
【0089】
【化26】
【0090】活性光線又は放射線の照射により、酸を発
生する非イオン性化合物として、更に、下記一般式(V
I)で表される化合物を挙げることができる。
【0091】
【化27】
【0092】一般式(VI)中、RX及びRyは、同じで
も異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していて
もよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール
基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル
基、置換基を有していてもよいアシル基又はシアノ基を
表す。RZは、置換基を有していてもよいアルキル基、
ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよいア
ルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアル
コキシ基又はシアノ基を表す。Rcは、置換基を有して
いてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリ
ール基又は置換基を有していてもよいカンファー基を表
す。qは、0〜4の整数を表す。qが2以上であって複
数のRZが存在する場合、RZは、同じでも異なっていて
もよい。
【0093】RX、RY及びRZのアルキル基としては、
直鎖状、分岐状及び環状アルキル基を挙げることができ
る。直鎖状、分岐状アルキル基としては、炭素数1〜5
個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t
−ブチル基等を挙げることができる。環状アルキル基と
しては、炭素数3〜10個のアルキル基が好ましく、例
えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基等を挙げることができる。RX及びRyのアリー
ル基としては、炭素数6〜14個のアリール基が好まし
く、例えば、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル
基、ナフチル基等を挙げることができる。RX、Ry及び
Zのアルコキシカルボニル基としては、炭素数1〜5
個のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキ
シカルボニル基、t−アミロキシカルボニル基等を挙げ
ることができる。RX及びRYのアシル基としては、炭素
数1〜5個のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル
基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基等を挙
げることができる。RZのハロゲン原子としては、フッ
素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を挙げること
ができる。RZのアルコキシ基としては、炭素数1〜5
個のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることが
できる。
【0094】Rcのアルキル基としては、直鎖状、分岐
状及び環状アルキル基を挙げることができる。直鎖状、
分岐状アルキル基としては、炭素数1〜8個のアルキル
基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等を挙
げることができる。環状アルキル基としては、単環型環
状アルキル基及び多環型環状アルキル基を挙げることが
できる。単環型環状アルキル基としては、炭素数3〜8
個の単環型環状アルキル基が好ましく、例えば、シクロ
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基、シクロオクチル基等を挙げることがで
きる。多環型環状アルキル基としては、炭素数6〜20
個の多環型環状アルキル基が好ましく、例えば、アダマ
ンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファ
ニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシク
ロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタ
ニル基等を挙げることができる。尚、多環型環状アルキ
ル基は、酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい。
Cのアリール基としては、炭素数6〜14個のアリー
ル基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、メト
キシフェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
【0095】Rx、RY、RZ及びRCが有していてもよい
置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アミノ基、アミド
基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルキル基(炭素
数1〜5個)、アリール基(炭素数6〜14個)、アル
コキシ基、フロロアルキル基、フロロアルコキシ基、チ
オエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ
る。
【0096】以下、一般式(VI)で表される化合物の
具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0097】
【化28】
【0098】成分(A2)は、1種あるいは2種以上を
併用して用いてもよい。成分(A2)の含量は、本発明
のポジ型感光性組成物の固形分に対し、通常0.1〜2
0重量%、好ましくは0.5〜10重量%、更に好まし
くは1〜7重量%である。成分(A1)と成分(A2)
との比率(重量比)は、通常99:1〜1:99、好ま
しくは80:20〜20:80、より好ましくは70:
30〜30:70とすればよい。
【0099】≪好ましい併用酸発生剤≫本発明に於いて
は、成分(A1)及び(A2)とともに活性光線又は放
射線の照射により酸を発生するその他の酸発生剤を使用
してもよい。成分(A1)及び(A2)と併用しうる酸
発生剤の使用量は、モル比(成分(A1)及び(A2)
の総量/その他の酸発生剤)で、通常100/0〜20
/80、好ましくは100/0〜40/60、更に好ま
しくは100/0〜50/50である。そのような併用
可能な酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、
光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色
剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性
光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物
及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することがで
きる。
【0100】好ましい併用酸発生剤としては、例えば、
成分(A1)以外のスルホニウム塩及びヨードニウム塩
を挙げることができ、具体的にはスルホニウム又はヨー
ドニウムアルカンスルホン酸塩、フッ素原子をもたない
スルホニウム又はヨードニウム芳香族スルホン酸塩、ス
ルホニウム又はヨードニウムカンファースルホン酸塩、
好ましくはフッ素置換アルカンスルホン酸のスルホニウ
ム又はヨードニウム塩、より好ましくはパーフロロアル
カンスルホン酸のスルホニウム又はヨードニウム塩、最
も好ましくは炭素数4〜8個のパーフロロアルカンスル
ホン酸のスルホニウム塩又はヨードニウム塩を挙げるこ
とができる。
【0101】併用してもよい活性光線又は放射線の照射
により分解して酸を発生する化合物の中で、特に好まし
いものの例を以下に挙げる。
【0102】
【化29】
【0103】≪(B)単環又は多環の脂環炭化水素構造
を有し、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での
溶解度が増大する樹脂≫単環又は多環の脂環炭化水素構
造を有し、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中で
の溶解度が増大する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」とも
いう)としては、例えば、下記一般式(pI)〜一般式
(pVI)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有
する繰り返し単位及び下記一般式(II-AB)で示される
繰り返し単位の群から選択される少なくとも1種を含有
する樹脂であることが好ましい。
【0104】
【化30】
【0105】(式中、R11は、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子と
ともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を
表す。R12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、
直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を
表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしく
はR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。R
17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個
の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素
基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂
環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは
炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は
脂環式炭化水素基を表す。R22〜R25は、各々独立に、
炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は
脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少な
くとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR
24は、互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0106】
【化31】
【0107】式(II-AB)中:R11k、R12kは、各々独
立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、又は置換基
を有していてもよいアルキル基を表す。Zkは、結合し
た2つの炭素原子(C−C)を含み、置換基を有してい
てもよい脂環式構造を形成するための原子団を表す。
【0108】また、上記一般式(II-AB)は、下記一般
式(II−A)又は一般式(II−B)であることが更に好
ましい。
【0109】
【化32】
【0110】式(II−A)、(II−B)中:R13k〜R
16kは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ
基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解す
る基、−C(=O)−X−A'−R17k、又は置換基を有
していてもよいアルキル基或いは環状炭化水素基を表
す。ここで、R5は、置換基を有していてもよい、アル
キル基、環状炭化水素基又は下記の−Y基を表す。X
は、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又
は−NHSO2NH−を表す。A'は単結合又は2価の連
結基を表す。また、R13k〜R16kのうち少なくとも2つ
が結合して環を形成してもよい。nは0又は1を表す。
17kは、−COOH、−COR5、−CN、水酸基、置
換基を有していてもよいアルコキシ基、−CO−NH−
6、−CO−NH−SO2−R6又は下記の−Y基を表
す。R6は、置換基を有していてもよい、アルキル基又
は環状炭化水素基を表す。−Y基;
【0111】
【化33】
【0112】−Y基中、R21k〜R30kは、各々独立に、
水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表
す。a、bは1又は2を表す。
【0113】一般式(pI)〜(pVI)において、R
12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは非
置換のいずれであってもよい、1〜4個の炭素原子を有
する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。そのアルキ
ル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。ま
た、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1
〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキ
シ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0114】R11〜R25における脂環式炭化水素基或い
はZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、
単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以
上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ
構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は
6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好まし
い。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していても
よい。以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環式部分の
構造例を示す。
【0115】
【化34】
【0116】
【化35】
【0117】
【化36】
【0118】
【化37】
【0119】本発明においては、上記脂環式部分の好ま
しいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル
基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシク
ロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、
シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることが
できる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残
基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカ
ニル基、シクロドデカニル基である。
【0120】これらの脂環式炭化水素基の置換基として
は、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボ
ニル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低
級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選
択された置換基を表す。置換アルキル基の置換基として
は、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げること
ができる。上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個
のものを挙げることができる。
【0121】上記樹脂における一般式(pI)〜(pV
I)で示される構造は、アルカリ可溶性基の保護に使用
することができる。アルカリ可溶性基としては、この技
術分野において公知の種々の基が挙げられる。具体的に
は、カルボン酸基、スルホン酸基、フェノール基、チオ
ール基などが挙げられ、好ましくはカルボン酸基、スル
ホン酸基である。上記樹脂における一般式(pI)〜
(pVI)で示される構造で保護されたアルカリ可溶性
基としては、好ましくは下記一般式(pVII)〜(p
XI)で表される基が挙げられる。
【0122】
【化38】
【0123】ここで、R11〜R25ならびにZは、それぞ
れ前記定義に同じである。上記樹脂において、一般式
(pI)〜(pVI)で示される構造で保護されたアル
カリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、下記一般
式(pA)で示される繰り返し単位が好ましい。
【0124】
【化39】
【0125】ここで、Rは、水素原子、ハロゲン原子又
は1〜4個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直
鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々
同じでも異なっていてもよい。Aは、単結合、アルキレ
ン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル
基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォン
アミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選
択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表
す。Raは、上記式(pI)〜(pVI)のいずれかの基
を表す。
【0126】以下、一般式(pA)で示される繰り返し
単位の具体例を示す。
【0127】
【化40】
【0128】上記一般式(II-AB)において、R11k、R
12kは、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原
子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
kは、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、置
換基を有していてもよい脂環式構造を形成するための原
子団を表す。
【0129】上記R11k、R12kに於けるハロゲン原子と
しては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子を
挙げることができる。上記R11k、R12k、R21k〜R30k
に於けるアルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖
状或いは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは
炭素数1〜6個の直鎖状或いは分岐状アルキル基であ
り、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec
−ブチル基、t−ブチル基である。
【0130】上記のアルキル基における更なる置換基と
しては、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アル
コキシ基、アシル基、シアノ基、アシルオキシ基等を挙
げることができる。ハロゲン原子としては塩素原子、臭
素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができ、
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げる
ことができ、アシル基としてはホルミル基、アセチル基
等を挙げることができ、アシルオキシ基としてはアセト
キシ基等を挙げることができる。
【0131】上記Zkの脂環式構造を形成するための原
子団は、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素の繰
り返し単位を樹脂に形成する原子団であり、中でも有橋
式の脂環式炭化水素の繰り返し単位を形成する有橋式脂
環式構造を形成するための原子団が好ましい。形成され
る脂環式炭化水素の骨格としては、一般式(pI)〜
(pVI)に於けるR11〜R25及びZの脂環式部分の前
記構造例(1)〜(51)と同様のものが挙げられる。
【0132】好ましい有橋式の脂環式炭化水素の骨格と
しては、前記構造例のうち、(5)、(6)、(7)、
(9)、(10)、(13)、(14)、(15)、
(23)、(28)、(36)、(37)、(42)、
(47)が挙げられる。
【0133】上記脂環式炭化水素の骨格には置換基を有
していてもよい。そのような置換基としては、前記一般
式(II−A)あるいは(II−B)中のR13k〜R16kを挙
げることができる。上記有橋式の脂環式炭化水素を有す
る繰り返し単位の中でも、上記一般式(II−A)あるい
は(II−B)で表される繰り返し単位が更に好ましい。
【0134】本発明に係わる酸分解性樹脂において、酸
分解性基は、前記−C(=O)−X−A'−R17kに含ま
れてもよいし、一般式(II−AB)のZkの置換基と
して含まれていてもよい。酸分解性基の構造としては、
−C(=O)−X1−R0 で表される。式中、R0 とし
ては、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル
基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブト
キシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロ
ヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1
−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコ
キシメチル基、3−オキソアルキル基、テトラヒドロピ
ラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリ
ルエステル基、3−オキソシクロヘキシルエステル基、
2−メチル−2−アダマンチル基、メバロニックラクト
ン残基等を挙げることができる。X1は、上記Xと同義
である。
【0135】上記R13k〜R16kに於けるハロゲン原子と
しては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等
を挙げることができる。
【0136】上記R5、R6、R13k〜R16kに於けるアル
キル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状或いは分岐
状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6
個の直鎖状或いは分岐状アルキル基であり、更に好まし
くはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
t−ブチル基である。
【0137】上記R5、R6、R13k〜R16kに於ける環状
炭化水素基としては、例えば、環状アルキル基、有橋式
炭化水素基であり、シクロプロピル基、シクロペンチル
基、アダマンチル基、2−メチル−アダマンチル基、ノ
ルボニル基、ボロニル基、イソボロニル基、トリシクロ
デカニル基、ジシクロペンテニル基、ノルボルナンエポ
キシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメンチル
基、テトラシクロドデカニル基等を挙げることができ
る。上記R13k〜R16kの内の少なくとも2つが結合して
形成する環としては、シクロペンテン、シクロへキセ
ン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の炭素数5〜1
2個の環が挙げられる。
【0138】上記R17kに於けるアルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。
【0139】上記アルキル基、環状炭化水素基、アルコ
キシ基における更なる置換基としては、水酸基、ハロゲ
ン原子、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、シ
アノ基、アシルオキシ基、アルキル基、環状炭化水素基
等を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素
原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げること
ができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個の
ものが挙げることができ、アシル基としてはホルミル
基、アセチル基等を挙げることができ、アシルオキシ基
としてはアセトキシ基等を挙げることができる。また、
アルキル基、環状炭化水素基は、上記で挙げたものが挙
げられる。
【0140】上記A'の2価の連結基としては、アルキ
レン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル
基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォン
アミド基、ウレタン基、ウレア基よりなる群から選択さ
れる単独あるいは2つ以上の基の組み合わせが挙げられ
る。上記A'におけるアルキレン基、置換アルキレン基
としては、下記式で表される基を挙げることができる。 −〔C(Ra )(Rb )〕r − 式中、Ra 、Rb は、水素原子、アルキル基、置換アル
キル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、
両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ま
しくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、
水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることがで
きる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のも
のを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素
原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げること
ができる。rは1〜10の整数を表す。
【0141】本発明に係る酸分解性樹脂においては、酸
の作用により分解する基は、前記一般式(pI)〜一般
式(pVI)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を
有する繰り返し単位、一般式(II-AB)で表される繰り
返し単位、及び後記共重合成分の繰り返し単位のうち少
なくとも1種の繰り返し単位に含有することができる。
【0142】上記一般式(II−A)あるいは一般式(II
−B)におけるR13k〜R16kの各種置換基は、上記一般
式(II−AB)に於ける脂環式構造を形成するための
原子団乃至有橋式脂環式構造を形成するための原子団Z
の置換基ともなるものである。
【0143】上記一般式(II−A)あるいは一般式(II
−B)で表される繰り返し単位の具体例として次のもの
が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定される
ものではない。
【0144】
【化41】
【0145】本発明の酸分解性樹脂は、ラクトン基を有
することが好ましく、より好ましくは下記一般式(L
c)又は下記一般式(V−1)〜(V−5)のいずれか
で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単
位を有することであり、ラクトン構造を有する基が主鎖
に直接結合していてもよい。
【0146】
【化42】
【0147】
【化43】
【0148】一般式(Lc)中、Ra1,Rb1,R
1,Rd1,Re1は、各々独立に、水素原子又は置換
基を有していてもよいアルキル基を表す。m,nは各々
独立に0〜3の整数を表し、m+nは、2以上6以下で
ある。
【0149】一般式(V−1)〜(V−5)において、
1b〜R5bは、各々独立に、水素原子、置換基を有して
いてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキ
シ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニルイ
ミノ基又はアルケニル基を表す。R1b〜R5bの内の2つ
は、結合して環を形成してもよい。
【0150】一般式(Lc)に於けるRa1〜Re1のアル
キル基及び一般式(V−1)〜(V−5)に於けるR1b
〜R5bのアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボ
ニル基、アルキルスルホニルイミノ基におけるアルキル
基としては、直鎖状、分岐状のアルキル基が挙げられ、
置換基を有していてもよい。直鎖状、分岐状のアルキル
基としては、炭素数1〜12個の直鎖状あるいは分岐状
アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10
個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ま
しくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基である。R1b〜R5b
おけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8個のものが好ま
しい。R1b〜R5bにおけるアルケニル基としては、ビニ
ル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭
素数2〜6個のものが好ましい。また、R1b〜R5bの内
の2つが結合して形成する環としては、シクロプロパン
環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサ
ン環、シクロオクタン環等の3〜8員環が挙げられる。
なお、一般式(V−1)〜(V−5)におけるR1b〜R
5bは、環状骨格を構成している炭素原子のいずれに連結
していてもよい。
【0151】Ra1〜Re1のアルキル基及びR1b〜R5b
アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコ
キシカルボニル基、アルキルスルホニルイミノ基、アル
ケニル基が有してもよい好ましい置換基としては、炭素
数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数2〜5
のアシル基、炭素数2〜5のアシロキシ基、シアノ基、
水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカル
ボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0152】一般式(Lc)又は一般式(V−1)〜
(V−5)のいずれかで表されるラクトン構造を有する
基を有する繰り返し単位としては、上記一般式(II−
A)又は(II−B)中のR13k〜R16kの内の少なくとも
1つが一般式(Lc)又は一般式(V−1)〜(V−
5)で表される基を有するもの(例えば−COOR5
5が一般式(Lc)又は一般式(V−1)〜(V−
5)で表される基を表す)、又は下記一般式(AI)で
表される繰り返し単位等を挙げることができる。
【0153】
【化44】
【0154】一般式(AI)中、Rb0は、水素原子、ハ
ロゲン原子、又は炭素数1〜4の置換もしくは非置換の
アルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよ
い好ましい置換基としては、前記一般式(V−1)〜
(V−5)におけるR1bとしてのアルキル基が有してい
てもよい好ましい置換基として先に例示したものが挙げ
られる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。R
b0は水素原子が好ましい。A’は、単結合、エーテル
基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこ
れらを組み合わせた2価の基を表す。B2は、一般式
(Lc)又は一般式(V−1)〜(V−5)のうちのい
ずれかで示される基を表す。A’において、該組み合わ
せた2価の基としては、例えば下記式のものが挙げられ
る。
【0155】
【化45】
【0156】上記式において、Rab、Rbbは、水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていて
もよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル
基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキ
ル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、炭素数
1〜4のアルコキシ基を挙げることができる。アルコキ
シ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げること
ができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原
子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。r
1は1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。
mは1〜3の整数、好ましくは1又は2を表す。
【0157】以下に、ラクトン構造を有する基を有する
繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明がこれに限定
されるものではない。
【0158】
【化46】
【0159】
【化47】
【0160】
【化48】
【0161】本発明の酸分解性樹脂は、下記一般式(VI
I)で表される基を有する繰り返し単位を含有してもよ
い。
【0162】
【化49】
【0163】一般式(VII)中、R2c〜R4cは、各々独
立に水素原子又は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cの
うち少なくとも1つは水酸基を表す。
【0164】一般式(VII)で表される基は、好ましく
はジヒドロキシ体、モノヒドロキシ体であり、より好ま
しくはジヒドロキシ体である。
【0165】一般式(VII)で表される基を有する繰り
返し単位としては、上記一般式(II−A)又は(II−
B)中のR13k〜R16kの内の少なくとも1つが上記一般
式(VII)で表される基を有するもの(例えば、−C
OOR5のR5が一般式(VII)で表される基を表
す)、又は下記一般式(AII)で表される繰り返し単位
等を挙げることができる。
【0166】
【化50】
【0167】一般式(AII)中、R1cは、水素原子又は
メチル基を表す。R2c〜R4cは、各々独立に水素原子又
は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも
1つは水酸基を表す。
【0168】以下に、一般式(AII)で表される構造を
有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定
されるものではない。
【0169】
【化51】
【0170】本発明の酸分解性樹脂は、下記一般式(VI
II)で表される繰り返し単位を含有してもよい。
【0171】
【化52】
【0172】上記一般式(VIII)に於いて、Z2は、−
O−又は−N(R41)−を表す。ここでR41は、水素原
子、水酸基、アルキル基、ハロアルキル基、又は−OS
2−R42を表す。R42は、アルキル基、ハロアルキル
基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。
【0173】上記R41及びR42におけるアルキル基とし
ては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキ
ル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6個の直鎖
状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチ
ル基である。上記R41及びR42 におけるハロアルキル
基としてはトリフルオロメチル基、ナノフルオロブチル
基、ペンタデカフルオロオクチル基、トリクロロメチル
基等を挙げることができる。上記R42 におけるシクロ
アルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。
【0174】R41及びR42としてのアルキル基及びハロ
アルキル基、R42としてのシクロアルキル基又は樟脳残
基は置換基を有していてもよい。このような置換基とし
ては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ハ
ロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッソ素原
子、沃素原子)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜
4、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜5、例
えば、ホルミル基、アセチル基等)、アシルオキシ基
(好ましくは炭素数2〜5、例えばアセトキシ基)、ア
リール基(好ましくは炭素数6〜14、例えばフェニル
基)等を挙げることができる。
【0175】上記一般式(VIII)で表される繰り返し単
位の具体例として次の[I'−1]〜[I'−7]が挙げ
られるが、本発明はこれらの具体例に限定されるもので
はない。
【0176】
【化53】
【0177】
【化54】
【0178】本発明の酸分解性樹脂は、上記の繰り返し
構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適
性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジス
トの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等
を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を含有するこ
とができる。
【0179】このような繰り返し構造単位としては、下
記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることが
できるが、これらに限定されるものではない。これによ
り、酸分解性樹脂に要求される性能、特に、(1)塗布
溶剤に対する溶解性、(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、(4)膜べり(親疎水性、アル
カリ可溶性基選択)、(5)未露光部の基板への密着
性、(6)ドライエッチング耐性、等の微調整が可能と
なる。このような単量体として、例えばアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、
メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル
類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和
結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
【0180】その他にも、上記種々の繰り返し構造単位
に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽
和化合物であれば、共重合されていてもよい。
【0181】酸分解性樹脂において、各繰り返し構造単
位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標
準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さ
らにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱
性、感度等を調節するために適宜設定される。
【0182】本発明の酸分解性樹脂の好ましい態様とし
ては、以下のものが挙げられる。 (1) 上記一般式(pI)〜(pVI)で表される脂環
式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位を含有
するもの(側鎖型) (2) 一般式(II-AB)で表される繰り返し単位を含
有するもの(主鎖型)但し、(2)においては例えば、
更に以下のものが挙げられる。 (3) 一般式(II-AB)で表される繰り返し単位、無
水マレイン酸誘導体及び(メタ)アクリレート構造を有
するもの(ハイブリッド型)
【0183】酸分解性樹脂中、一般式(pI)〜(pV
I)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する
繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中30〜
70モル%が好ましく、より好ましくは35〜65モル
%、更に好ましくは40〜60モル%である。酸分解性
樹脂中、一般式(II-AB)で表される繰り返し単位の含
有量は、全繰り返し構造単位中10〜60モル%が好ま
しく、より好ましくは15〜55モル%、更に好ましく
は20〜50モル%である。
【0184】また、上記更なる共重合成分の単量体に基
づく繰り返し構造単位の樹脂中の含有量も、所望のレジ
ストの性能に応じて適宜設定することができるが、一般
的に、上記一般式(pI)〜(pVI)で表される脂環式
炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し構造単位と上
記一般式(II-AB)で表される繰り返し単位の合計した
総モル数に対して99モル%以下が好ましく、より好ま
しくは90モル%以下、さらに好ましくは80モル%以
下である。本発明の組成物がArF露光用であるとき、
ArF光への透明性の点から樹脂は芳香族基を有さない
ことが好ましい。
【0185】本発明に用いる酸分解性樹脂は、常法に従
って(例えばラジカル重合)合成することができる。例
えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括で
あるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応
じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケ
トン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後
述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
トのような本発明の組成物を溶解する溶媒に溶解させ均
一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で
必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始
剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。
所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応
終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法
で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は20重量%
以上であり、好ましくは30重量%以上、さらに好まし
くは40重量%以上である。反応温度は10℃〜150
℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好まし
くは50〜100℃である。
【0186】本発明に係る樹脂の重量平均分子量は、G
PC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは
1,000〜200,000である。重量平均分子量が
1,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣
化が見られるため余り好ましくなく、200,000を
越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるた
め製膜性が劣化するなど余り好ましくない結果を生じ
る。
【0187】本発明の遠紫外線露光用ポジ型レジスト組
成物において、本発明に係わる全ての樹脂の組成物全体
中の配合量は、全レジスト固形分中40〜99.99重
量%が好ましく、より好ましくは50〜99.97重量
%である。
【0188】≪(C)酸分解性溶解阻止化合物≫(C)
酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解性を
増大させる基を有する、分子量3000以下の溶解阻止
低分子化合物(以下、「(C)酸分解性溶解阻止化合
物」ともいう)としては、220nm以下の透過性を低
下させないため、Proceeding of SPIE, 2724,355 (199
6)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体の
様な、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が
好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、上記酸分
解性樹脂のところで説明したものと同様のものが挙げら
れる。(C)酸分解性溶解阻止化合物の添加量は、ポジ
型感光性組成物の全組成物の固形分に対し、好ましくは
3〜50重量%であり、より好ましくは5〜40重量%
である。以下に(C)酸分解性溶解阻止化合物の具体例
を示すが、これらに限定されない。
【0189】
【化55】
【0190】≪(D)単環又は多環の脂環炭化水素構造
を有し、水に不溶でアルカリ現像液に可溶な樹脂≫単環
又は多環の脂環炭化水素構造を有し、水に不溶でアルカ
リ現像液に可溶な樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂とも
いう)としては、例えば、酸分解性を示さない脂環式炭
化水素構造を有するメタクリル酸エステルと(メタ)ア
クリル酸の共重合体あるいは末端にカルボキシル基を有
する脂環炭化水素基の(メタ)アクリル酸エステルの樹
脂、及びノボラック樹脂の水素添加物、o−ポリヒドロ
キシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリ
ヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体の水素添加
物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体の水素添加
物、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体
の水素添加物等を挙げることができる。アルカリ溶解性
樹脂の重量平均分子量は、2000以上、好ましくは5
000〜200000、より好ましくは5000〜10
0000である。ここで、重量平均分子量はゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値を
もって定義される。アルカリ可溶性樹脂は、2種類以上
組み合わせて使用してもよい。アルカリ可溶性樹脂の使
用量は、レジスト組成物の全組成物の固形分に対し、4
0〜97重量%、好ましくは60〜90重量%である。
【0191】≪(E)含窒素塩基性化合物≫本発明のポ
ジ型感光性組成物は、露光から加熱までの経時による性
能変化を低減するために、(E)含窒素塩基性化合物を
含有することが好ましい。好ましい構造として、下記式
(A)〜(E)で示される構造を挙げることができる。
【0192】
【化56】
【0193】ここでR250、R251及びR252は、各々独
立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1
〜6アミノアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアル
キル基又は炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリ
ール基であり、ここでR250とR251は互いに結合して環
を形成してもよい。
【0194】
【化57】
【0195】(式中、R253、R254、R255及びR
256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示
す)。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換の
グアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置
換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もし
くは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換の
インダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換
もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリ
ミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未
置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリ
ン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未
置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミ
ノアルキルモルフォリン等が挙げられ、モノ、ジ、トリ
アルキルアミン、置換もしくは未置換のアニリン、置換
もしくは未置換のピペリジン、モノあるいはジエタノー
ルアミン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ
基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリ
ール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ
基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオ
キシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0196】特に好ましい化合物として、グアニジン、
1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テト
ラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノ
ピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピ
リジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルア
ミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−ア
ミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピ
リジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ
−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4
−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペ
ラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−
(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノ
ピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノ
エチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メ
チルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−ト
リルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5
−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリ
ミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾ
リン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−
(2−アミノエチル)モルフォリン、1,5−ジアザビ
シクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、2,4,
5−トリフェニルイミダゾール、トリ(n−ブチル)ア
ミン、トリ(n−オクチル)アミン、N−フェニルジエ
タノールアミン、N−ヒドロキシエチルピペリジン、
2,6−ジイソプロピルアニリン、N−シクロヘキシル
−N’−モルホリノエチルチオ尿素等が挙げられるがこ
れに限定されるものではない。
【0197】これらの(E)含窒素塩基性化合物は、単
独であるいは2種以上一緒に用いられる。(E)含窒素
塩基性化合物の使用量は、感光性樹脂組成物の固形分を
基準として、通常、0.001〜10重量%、好ましく
は0.01〜5重量%である。0.001重量%未満で
は上記含窒素塩基性化合物の添加の効果が得られない。
一方、10重量%を超えると感度の低下や非露光部の現
像性が悪化する傾向がある。
【0198】≪(F)フッ素系及び/又はシリコン系界
面活性剤≫本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、フッ素
系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性
剤及びシリコン系界面活性剤、フッソ原子と珪素原子の
両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種
以上を含有することが好ましい。本発明のポジ型感光性
組成物が上記(F)界面活性剤とを含有することによ
り、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の
使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠
陥の少ないレジストパターンを与えることが可能とな
る。これらの(F)界面活性剤として、例えば特開昭62
-36663号、特開昭61-226746号、特開昭61-226745号、特
開昭62-170950号、特開昭63-34540号、特開平7-230165
号、特開平8-62834号、特開平9-54432号、特開平9-5988
号、米国特許5405720号、同5360692号、同5529881号、
同5296330号、同5436098号、同5576143号、同5294511
号、同5824451号記載の界面活性剤を挙げることがで
き、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもでき
る。使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフト
ップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC
430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、
F173、F176、F189、R08(大日本インキ(株)製)、サ
ーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭
硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカ
ル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界
面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポ
リマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系
界面活性剤として用いることができる。
【0199】界面活性剤の使用量は、ポジ型感光性組成
物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.000
1〜2重量%、より好ましくは0.001〜1重量%で
ある。
【0200】≪その他の物質≫本発明のポジ型感光性組
成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記
(F)成分以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に
対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることが
できる。本発明で使用できる現像液に対する溶解促進性
化合物は、フェノール性OH基を2個以上、又はカルボ
キシ基を1個以上有する分子量1,000以下の低分子
化合物である。カルボキシ基を有する場合は上記と同じ
理由で脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。これら溶解
促進性化合物の好ましい添加量は、(B)酸の作用によ
り分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂
に対して2〜50重量%であり、さらに好ましくは5〜
30重量%である。50重量%を越えた添加量では、現
像残渣が悪化し、また現像時にパターンが変形するとい
う新たな欠点が発生して好ましくない。
【0201】このような分子量1000以下のフェノー
ル化合物は、例えば、特開平4−122938、特開平
2−28531、米国特許第4916210、欧州特許
第219294等に記載の方法を参考にして、当業者に
おいて容易に合成することができる。カルボキシル基を
有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコー
ル酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイ
ド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボ
ン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサ
ンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げ
られるがこれらに限定されるものではない。
【0202】本発明においては、上記(F)フッ素系及
び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を
加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエー
テル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシ
エチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアル
キルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノー
ルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエー
テル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル
類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロッ
クコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソ
ルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、
ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エス
テル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリ
オキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシ
エチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面
活性剤等を挙げることができる。これらの界面活性剤は
単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせ
で添加することもできる。
【0203】≪使用方法≫本発明の感光性組成物は、上
記の成分を所定の溶媒に混合状態で溶解してなる。所定
の支持体上に塗布して用いる。ここで使用する溶媒とし
ては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シク
ロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、
メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−
メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳
酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロ
ピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチ
ル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テ
トラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あ
るいは混合して使用する。これらの中でもシクロヘキサ
ノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、乳酸エチル、エトキシプロピオン酸エチル
を単独あるいは2種を1/9〜9/1の割合で混合して
使用するのが好ましい。
【0204】溶媒に溶解したポジ型感光性組成物は、所
定の基板上に次のようにして塗布する。すなわち、上記
感光性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるよ
うな基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にス
ピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布する。
塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現
像する。このようにすると、良好なレジストパターンを
得ることができる。ここで露光光としては、好ましくは
250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長
の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザ
ー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193n
m)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電
子ビーム等が挙げられる。
【0205】現像工程では、現像液を次のように用い
る。感光性組成物の現像液としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アル
カリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一ア
ミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第
二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン
等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピ
ヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用
することができる。さらに、上記アルカリ性水溶液にア
ルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用すること
もできる。
【0206】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明の範囲は実施例によっていささかも制
限されない。
【0207】<樹脂(B)の合成> 合成例1 樹脂(1)の合成(側鎖型) 2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート、ブチロ
ラクトンメタクリレートを55/45の割合で仕込みメ
チルエチルケトン/テトラヒドロフラン=5/5に溶解
し、固形分濃度20%の溶液100mLを調製した。こ
の溶液に和光純薬製V−65を2mol%加え、これを
窒素雰囲気下、4時間かけて60℃に加熱したメチルエ
チルケトン10mLに滴下した。滴下終了後、反応液を
4時間加熱、再度V−65を1mol%添加し、4時間
攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、蒸留
水/ISOプロピルアルコール=1/1の混合溶媒3L
に晶析、析出した白色粉体である樹脂(1)を回収し
た。C13NMRから求めたポリマー組成比は46/54
であった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチ
レン換算の重量平均分子量は10700であった。
【0208】上記合成例1と同様に樹脂(2)〜(1
2)、(26)及び(27)を合成した。以下、樹脂
(1)〜(12)、(26)及び(27)の構造及び分
子量を示す。
【0209】
【化58】
【0210】
【化59】
【0211】
【化60】
【0212】合成例2 樹脂(13)の合成(主鎖型) ノルボルネンカルボン酸tブチルエステル、ノルボルネ
ンカルボン酸ブチロラクトンエステルと無水マレイン酸
(モル比40/10/50)およびTHF(反応温度6
0重量%)をセパラブルフラスコに仕込み、窒素気流下
60℃で加熱した。反応温度が安定したところで和光純
薬社製ラジカル開始剤V−601を2mol%加え反応
を開始させた。12時間加熱した。得られた反応混合物
をテトラヒドロフランで2倍に稀釈した後、ヘキサン/
イソプロピルアルコール=1/1の混合溶液に投入し白
色粉体を析出させた。析出した粉体を濾過取り出しし、
乾燥、目的物である樹脂(13)を得た。得られた樹脂
(13)のGPCによる分子量分析を試みたところ、ポ
リスチレン換算で8300(重量平均)であった。ま
た、NMRスペクトルより樹脂(1)のノルボルネンカ
ルボン酸tブチルエステル/ノルボルネンカルボン酸ブ
チロラクトンエステル/無水マレイン酸繰り返し単位の
モル比は42/8/50であることを確認した。
【0213】合成例2と同様に樹脂(14)〜(19)
を合成した。以下、樹脂(13)〜(19)の構造及び
分子量を示す。
【0214】
【化61】
【0215】合成例3 樹脂(20)の合成(ハイブリ
ッド型) ノルボルネン、無水マレイン酸、tブチルアクリレー
ト、2−メチルシクロヘキシル−2−プロピルアクリレ
ートをモル比で35/35/20/10で反応容器に仕
込み、テトラヒドロフランに溶解し、固形分60%の溶
液を調製した。これを窒素気流下65℃で加熱した。反
応温度が安定したところで和光純薬社製ラジカル開始剤
V−601を1mol%加え反応を開始させた。8時間
加熱した後、反応混合物をテトラヒドロフランで2倍に
稀釈した後、反応混合液の5倍容量のヘキサンに投入し
白色粉体を析出させた。析出した粉体を濾過取り出し
し、これをメチルエチルケトンに溶解し、5倍容量のヘ
キサン/t−ブチルメチルエーテル=1/1混合溶媒に
再沈し、析出した白色粉体を濾取、乾燥、目的物である
樹脂(20)を得た。得られた樹脂(20)のGPCに
よる分子量分析を試みたところ、ポリスチレン換算で1
2100(重量平均)であった。また、NMRスペクト
ルより樹脂(1)の組成は本発明のノルボルネン/無水
マレイン酸/tブチルアクリレート/2−メチルシクロ
ヘキシル−2−プロピルアクリレートをモル比で32/
39/19/10であった。
【0216】合成例3と同様に樹脂(21)〜(25)
を合成した。以下、樹脂(20)〜(25)の構造及び
分子量を示す。
【0217】
【化62】
【0218】〔実施例1〜27及び比較例1〜2〕 <レジスト調製>表1〜2に示す素材を溶解させ固形分
濃度15重量%の溶液を調整し、これを0.1μmのフ
ッ素樹脂フィルターでろ過して感光性組成物を調製し
た。調製した組成物を下記方法で評価を行い、結果を表
3に示した。
【0219】
【表1】
【0220】
【表2】
【0221】(表1〜2の略号の説明) LCT;コール酸−t−ブチル DBN;1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−
ノネン DIA;2,6−ジイソプロピルアニリン TPI;TPI:2,4,5−トリフェニルイミダゾー
ル W−1;メガファックF176(大日本インキ(株)
製)(フッ素系) W−2;メガファックR08(大日本インキ(株)製)
(フッ素及びシリコン系) W−3;ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化
学工業(株)製)(シリコン系) W‐4;トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)
製)(シリコン系)
【0222】S1;プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート S2;プロピレングリコールモノメチルエーテル S3;乳酸エチル S4;エチルエーテルプロピオネート S5;γ−ブチロラクトン
【0223】<画像評価法>スピンコーターにてヘキサ
メチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリュ
ーワーサイエンス社製反射防止膜DUV−42を600
オングストローム均一に塗布し、100℃で90秒間ホ
ットプレート上で乾燥した後、190℃で240秒間加
熱乾燥を行った。その後、各感光性樹脂組成物をスピン
コーターで塗布し120℃で90秒乾燥を行い0.50
μmのレジスト膜を形成させた。このレジスト膜に対
し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー
(ISI社製 NA=0.6)で露光し、露光後直ぐに
120℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。さら
に2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水
溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリン
スした後、乾燥し、レジストラインパターンを得た。
【0224】〔ラインエッジラフネス〕エッジラフネス
の測定は、測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して
孤立パターンのエッジラフネスで行った。即ち、ライン
パターンの長手方向のエッジ5μmの範囲について、エ
ッジがあるべき基準線からの距離を測長走査型電子顕微
鏡(SEM)((株)日立製作所製S−8840)によ
り50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出し
た。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
【0225】
【表3】
【0226】表3より、本発明のポジ型感光性組成物
は、ラインエッジラフネスが優れていることが明らかで
ある。
【0227】
【発明の効果】本発明は、ラインエッジラフネスが優れ
たポジ型感光性組成物を提供することができる。従っ
て、本発明のポジ型感光性組成物は、遠紫外光、特にA
rFエキシマレーザー光を使用するミクロフォトファブ
リケ−ションに好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 502R Fターム(参考) 2H025 AA03 AB16 AC04 AC08 AD03 BE00 BE10 BG00 CB08 CB10 CB14 CB41 CB55 CC04 CC20 FA17 4J100 AL08P AL08Q AL08R AL08S AR09P AR11P AR11Q AR11R AR32Q AR32R BA02P BA03P BA03Q BA03R BA03S BA11P BA11Q BA11R BA11S BA15P BA15Q BA16R BC03R BC04P BC04Q BC04R BC04S BC07P BC07Q BC07R BC09P BC09Q BC09R BC09S BC53P BC53Q BC53S CA04 CA05 CA06 FA03 FA19 JA38

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A1)活性光線又は放射線の照射によ
    り、少なくとも1つのフッ素原子及び/又は少なくとも
    1つのフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホ
    ン酸を発生するイオン性化合物、(A2)活性光線又は
    放射線の照射により、酸を発生する非イオン性化合物及
    び(B)単環又は多環の脂環炭化水素構造を有し、酸の
    作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大
    する樹脂を含有することを特徴とするポジ型感光性組成
    物。
  2. 【請求項2】 更に、(C)酸により分解し得る基を有
    し、アルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大
    する、分子量3000以下の低分子溶解阻止化合物を含
    有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性
    組成物。
  3. 【請求項3】 (B)樹脂が、更に、ラクトン構造を有
    することを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型感
    光性組成物。
  4. 【請求項4】 (B)樹脂が、更に、下記一般式(V−
    1)〜(V−5)の少なくともいずれかで表される基を
    含有する繰り返し単位を有することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。 【化1】 【化2】 一般式(V−1)〜(V−5)において、R1b〜R
    5bは、各々独立に、水素原子、水酸基、カルボキシル
    基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有
    していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していて
    もよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコ
    キシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキル
    スルホニルイミノ基又は置換基を有していてもよいアル
    ケニル基を表す。R1b〜R5bの内の2つは、結合して環
    を形成してもよい。
  5. 【請求項5】 (A1)活性光線又は放射線の照射によ
    り、少なくとも1つのフッ素原子及び/又は少なくとも
    1つのフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホ
    ン酸を発生するイオン性化合物、(A2)活性光線又は
    放射線の照射により、酸を発生する非イオン性化合物、
    (C)酸により分解し得る基を有し、アルカリ現像液中
    での溶解度が酸の作用により増大する、分子量3000
    以下の低分子溶解阻止化合物及び(D)単環又は多環の
    脂環炭化水素構造を有し、水に不溶でアルカリ現像液に
    可溶な樹脂を含有することを特徴とするポジ型感光性組
    成物。
  6. 【請求項6】 更に、(E)含窒素塩基性化合物を含有
    することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    ポジ型感光性組成物。
  7. 【請求項7】 更に、(F)フッ素系及び/又はシリコ
    ン系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  8. 【請求項8】 220nm以下の波長の遠紫外光による
    露光用組成物であることを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載のポジ型感光性組成物。
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