JP2003307073A - 引戸の跳ね返り防止装置 - Google Patents

引戸の跳ね返り防止装置

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JP2003307073A
JP2003307073A JP2003026886A JP2003026886A JP2003307073A JP 2003307073 A JP2003307073 A JP 2003307073A JP 2003026886 A JP2003026886 A JP 2003026886A JP 2003026886 A JP2003026886 A JP 2003026886A JP 2003307073 A JP2003307073 A JP 2003307073A
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door body
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Hitoshi Nishitani
均 西谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 戸体を開ける時と低速度で閉じる時には操作
が重くならず、高速度で閉じる時にのみ速度に比例して
減速し、さらに最終段階で強制的に戸体を保持すること
により、引戸の跳ね返りを確実に防止できる装置を提供
する。 【解決手段】 扇状で鉤部分若しくは係合部分と突出部
分とを有した振り子部材を本体ケースに回転軸にて回動
自在に組付けて本体装置を構成する。上記本体装置を用
いて強制的に跳ね返りを止める構成と、戸体の速度を減
速させる構成に展開させる。前者は板状で鉤部分挿入用
孔と係止面と当接面を有した受けを設け、閉鎖時に当接
面と突出部分が衝突して振り子部材は瞬時に回転し、鉤
部分が受けと係合して戸体の跳ね返りを防止する。後者
は受け装置に当接部分と減速手段を設け、閉鎖する手前
で当接部分と突出部分が衝突して振り子部材は瞬時に回
転し、係合部分が減速手段に係合して戸体の速度を減速
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は引戸の跳ね返りを防
止する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に戸体と枠体からなる引戸は、枠体
の上下位置にレールを有し、戸体の下部に戸車を配置す
るタイプと、レールと戸車は枠体の上部のみに位置し、
戸体を上枠から吊り下げたタイプがあり、どちらにおい
ても引戸面に対して左右横方向に戸体を移動させて開閉
する方式である。このような引戸の特徴は、扉を丁番な
どで保持し回転動作により開閉するドアと比較すると、
戸体の移動方向が操作する人の立つ位置と干渉しにく
く、回転扉のようにデッドスペースも無く、車椅子での
通行においても開閉操作が優れていることが挙げられ、
バリアフリーの観点からも引戸は今後も増加の方向にあ
ると予想されている。
【0003】ただ、引戸は戸体を左右横方向に移動させ
るために、ドアのように自分の体重をかけた状態で押引
きすることはできず、腕の力のみで開閉しなければなら
ないことになり、軽い力で開閉操作が実施できることが
最も重要な点とされている。したがって現在では戸車の
走行性能を良くし、小さい力でもスムーズに操作できる
ように日々工夫改良されてきている。ところが開閉操作
を軽くすればするほど、戸体を一気に閉じた時に勢いが
付き過ぎ、戸先面と枠体内面が強く衝突し、大きな衝撃
音が発生すると共に、戸体が跳ね返ってしまうという現
象が起こる。こうなると、もう一度閉め直す必要があ
り、急いでいる時などには非常に不便である。また再度
閉め直すのが手間なため少々跳ね返ってもそのまま放置
してしまいがちであり、その結果気密性や遮光性をも損
なう恐れもある。
【0004】上記の問題を解決する手段としては、特開
平9−317318や特開平11−287065や特開
平11−6357や特開2000−265737等に、
戸体が閉まる直前に摩擦やばねや磁石による抵抗手段に
より負荷を与え、戸体の閉鎖速度を弱めることにより跳
ね返りを防止する構成が報告されている。これらは、油
圧や空気圧等を用いた自閉式の引戸用クローザーが比較
的機構が複雑で高価であるため、より簡単な構成で戸体
の速度を減速させようとした一種の簡易な減速装置であ
ると考えられる。
【0005】また別の考え方としては、特開2000−
17945にL型の係止体を戸先先端にぶら下げてお
き、戸体が枠体に衝突した際に働く慣性力を利用して係
止体が上方向に回転し、枠体に装着されている受けと係
合することにより跳ね返りを防止する手段が報告されて
いる。これは前者のような戸体の減速手段は有さず、戸
体が枠体に当接した段階で両者を引っ掛けて強制的に停
止させる構成であり、同じ類としては、特開2001−
012126のようにカマ形状の戸先錠が戸体を閉じる
と同時に受けに係合するものがある。
【特許文献1】特開平9−317318公報
【特許文献2】特開平11−287065公報
【特許文献3】特開平11−6357公報
【特許文献4】特開2000−265737公報
【特許文献5】特開2000−17945公報
【特許文献6】特開2001−012126公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前者の戸
体を減速させる構成は、戸体が閉じようとする力に対し
て別の負荷をかけることにより、速度を減少させて跳ね
返りを防止しようとする考え方であり、したがって閉じ
た状態から戸体を開けようとする時には、負荷をかけた
分だけは必然的に操作が重くなり、どうしても前述の軽
い開閉操作という点で相反する結果になりがちである。
特開平9−317318は摩擦力を利用して閉じる時に
負荷がかかるようにした構成であるが、戸体を開ける際
には負荷はかからず、操作が軽くなるような工夫がなさ
れている。しかし上記においては、ゆっくりと閉じる時
にも同じだけの負荷がかかってしまいその分重い操作に
なり、さらには閉じる速度の大小には全く対応できず、
戸体の速度を一定量のみ減速させるだけの構成である。
【0007】後者の、戸体の跳ね返りを強制的に止める
構成である2000−17945においては、慣性の力
を利用するために係止体の回転動作は戸体と枠体が衝突
してからの始動となり、どうしても係止体と受けが係合
する時は、すでにある程度跳ね返った位置になることが
問題として挙げられる。またL型の係止体は、慣性によ
り持ち上がった位置では保持されず、すぐに自重により
落下しようとするために最適な状態以外では受けと係合
しにくく、戸体の跳ね返り具合によっては両者のタイミ
ングが常に合致するとは限らず、あらゆる場合での確実
な跳ね返りの防止は困難であるとも考えられる。
【0008】また2001−012126等のカマ錠タ
イプのものは、跳ね返りを阻止した状態で必ず施錠され
ることになり、そのままでは戸体を開けることはできず
解錠操作を必要とするため操作性に問題が残る。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、戸先面と枠体内面が当接した段階で強
制的にその位置を保持する構成と、完全に閉じる前の段
階で減速させる構成を同様の基本機構から実現し、戸体
を開ける時の操作が重くならず、戸体をゆっくりと閉じ
る際にも重くならず、かつ戸体の閉鎖速度に比例した減
速量が得られ、確実に引戸の跳ね返りを防止することが
できる装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では上記目的を達
成するために次の技術手段を設けた。つば部分を有した
コの字型の本体ケースを設け、本体ケース正面の中央部
分に角孔を、さらにつば部分に取り付け孔を備えてお
く。次に扇状で片端に鉤部分又は係合部分を、他端に突
出部分を有した振り子部材を設け、本体ケースと振り子
部材を回転軸にて回動自在に組みつけて本体装置として
構成する。上記の本体装置を用いることにより、戸先面
が枠体内面に当接した段階で強制的に戸体を停止させて
跳ね返りを防止する構成と、戸体が完全に閉じる手前位
置で速度を減速させて跳ね返りを防止する構成とに展開
することができる。
【0011】まず、最初に戸体の閉鎖時に強制的に戸体
を停止させる構成を以下に説明する。本体装置の振り子
部材は鉤部分を有したものを使用し、引戸面と平行方向
に一定角度のみ回転可能なように規制しておき、戸先面
と枠体内面に掘り込みを施し、本体装置を戸先面若しく
は枠体内面のどちらかの掘り込み部分に本体ケース正面
が面一になるように嵌め込んで装着する。
【0012】このとき鉤部分が回転軸よりも上側に、突
出部分が下側になるように本体装置を縦向きに配置し、
戸体が開いている状態では振り子部材は自重により吊り
下がり、突出部分が本体ケース正面から一定寸法のみ突
出している状態で保持され、この状態を振り子部材の基
準位置とする。また振り子部材は基準位置から突出部分
を押込む方向にのみ回転し、かつ回転角度も鉤部分が回
転軸との水平位置を越え、若干下方にまで回転した位置
で停止するように規制しておく。
【0013】次に、戸先面若しくは枠体内面の本体装置
を装着していない側の掘り込み部分に、上側から順に鉤
部分挿入用孔と係止面と当接面を有した板状の受けを装
着する。このとき突出部分と当接面が、さらには鉤部分
と鉤部分挿入用孔が互いに面対するような上下の位置関
係にて本体装置と受けを配置しておく。
【0014】上記のように本体装置と受けを装着し、戸
体を開いている状態から閉めると、戸先面と枠体内面が
接面する直前に受けの当接面と振り子部材の突出部分が
先に当接し、突出部分を押込む動作が得られる。このと
き戸体を低速度で閉じると当然戸体の跳ね返りは無く、
突出部分も弱く押込まれるだけであり、振り子部材は僅
かに回転するだけでそのまま戸体は閉鎖する。ところが
高速度で戸体を閉じると突出部分と当接面は強く衝突
し、回転軸を中心とした瞬時の大きな振り子部材の回転
動作が得られることになる。この振り子部材の回転動作
は、戸先面と枠体内面が接面するよりも僅かに早く始動
するため、戸体が跳ね返るよりも先に鉤部分が受けの鉤
部分挿入用孔から挿入する。その結果、鉤部分が係止面
の奥側に入り込むと同時に戸体が跳ね返ることになり、
係止面と鉤部分が引っ張り合うようにして係合し、戸体
の跳ね返りを防止することが可能となる。この振り子部
材の鉤部分が受けの係止面と係合している状態を振り子
部材の係合位置とする。
【0015】通常では戸体の閉じる速度が速いほど跳ね
返りの速度も速くなるのであるが、同時に当接面と突出
部分が衝突した時の突出部分を押込む荷重も大きくな
り、振り子部材の回転速度も同様に速くなるため、両者
の関係は比例することになり条件的に合致する。
【0016】次に係合位置での、回転軸を中心とした上
下方向の中心線を境とした振り子部材の左右の重量配分
を、突出部分側が重くなるように設定しておく。このよ
うにしておくことにより、係合後の戸体が完全に停止し
た段階では鉤部分を引っ張る荷重は既に消滅しており、
その後振り子部材は自重により逆方向に回転して基準位
置に自然復帰することになる。
【0017】しかし、前述の係合位置での振り子部材の
左右の重量配分において、極端に突出部分側を重くして
しまうと、自重により戻ろうとする力が大きくなり、受
けとの係合が早すぎたり、両者のタイミングがずれた時
などに戻ってしまうことも考えられる。したがってバラ
ンス部材を振り子部材に装着し、係合位置において振り
子部材は僅かにのみ突出部分側が重くなるように設定し
ておくとよい。このバランス部材を装着することによ
り、係合位置で振り子部材の一旦停止するような動作が
得られ、より確実に跳ね返りを防止できることになる。
またバランス部材を鉤部分先端位置に装着すると全体の
重心位置が上がり、突出部分を押込む力に対する振り子
部材の回転速度を増加させることも可能になる。
【0018】上記のように構成することにより、戸体の
閉鎖とほぼ同時に鉤部分と係止面による係合動作が得ら
れると考えられる。しかし引戸は材質や重量や走行条件
など千差万別であり、跳ね返りの度合いは各々の引戸に
よっても様々である。したがって、さらに引戸を建て付
けた後に受けの当接面の位置を戸体の開閉方向に微調整
できるようにしておくとよい。
【0019】この微調整の手段は、ワッシャやスペーサ
ーを当接面の表面に配置する手段や、頭部が平坦で面積
の大きい調整ねじを設け、受けの当接面位置の奥部分に
雌ねじ部分を備えておき、調整ねじの頭部を当接面とし
て利用し、調整ねじを回すことにより当接面の位置を移
動調整する手段など、どのような方法を用いてもよい。
つまり戸体の跳ね返りよりも振り子部材の回転が遅い場
合は、受けの当接面を前側に、逆の場合は奥側に調整す
るとよく、戸体の建付け後に実際の跳ね返り具合に合わ
せて対応することが可能になる。
【0020】次に、前述とほぼ同じ構成の本体装置を用
いて戸体を閉じる時に減速させて跳ね返りを防止する構
成を以下に説明する。本体装置の振り子部材は係合部分
を有したものを使用する。本体装置は引戸の上部又は下
部どちらに装着しても良いのであるが、本体ケース正面
が水平に位置し、振り子部材が引戸面と平行な面上で回
転する配置にて装着する。また振り子部材は中央の回転
軸に対して係合部分と突出部分が左右位置になり、自重
により吊り下がって突出部分が本体ケース正面から一定
寸法のみ突出している状態にて保持され、この状態を基
準位置とする。さらに振り子部材は基準位置から突出部
分を押込む方向に一定角度のみ回転可能に規制してお
く。
【0021】次に当接部分と凹部分と傾斜面を有した受
けケースを設け、凹部分内に減速手段を配置して受け装
置として構成する。受けケースは細長い箱型であり、片
端部に当接部分を設け、中央部分をくり抜いたような凹
部分として形成し、、凹部分内の片側位置に減速手段
を、凹部分内の減速手段側のさらに端部に傾斜面を形成
しておく。受け装置と本体装置は戸体と枠体に振り分け
て互いが面対する位置に装着され、戸体が完全に閉じる
手前の段階で、受けケースの当接部分と振り子部材の突
出部分が当接するように両者の上下位置を設定してお
く。
【0022】上記の構成から戸体を閉じると、戸先面と
枠体内面が接面するよりある程度手前の位置で受けケー
スの当接部分と振り子部材の突出部分が当接し、突出部
分を押込む動作が得られる。このとき低速度で戸体を閉
じると突出部分も弱く押込まれることになり、振り子部
材の突出部分は僅かに持ち上がる程度にだけ回転しその
ままゆっくりと戸体は閉じる。ところが高速度で戸体を
閉じると突出部分は強く押され、回転軸を中心とした振
り子部材の瞬時の大きな回転動作が得られることにな
る。この振り子部材の回転動作で係合部分が受け装置の
凹部分に挿入し、係合部分と減速手段が係合することに
より戸体を減速させることが可能になる。
【0023】上記減速手段は、板ばね等の弾性を有した
摩擦部材を設け、係合部分が摩擦部材に面接して圧迫さ
れながら通過する際に摩擦力により減速する構成や、出
没可能なばねケースに巻ばねを挿入し、係合部分がばね
ケースを左右方向に押込む際にばねの圧縮力にて減速す
る構成や、歯車の回転時に負荷がかかるような抵抗部材
を係合部分付近に装着し、凹部分内に直線状のラックを
形成しておき、両者を噛み合わせることにより減速する
構成や、係合部分付近に磁石を装着し、受け装置に金属
面を装着して、磁石の吸着力により減速する構成が適し
ている。また上記の各減速手段を組み合わせて使用して
もよく、さらにはこれら以外の別の減速手段を用いても
よい。
【0024】また受けケースの凹部分内に傾斜面が設け
られており、係合部分と減速手段との係合の最終段階で
係合部分先端が傾斜面に接し、さらなる戸体の閉方向へ
の移動により、係合部分は傾斜面に沿って持ち上げられ
ることになり、振り子部材は逆方向に回転して減速手段
から離脱する。この状態での振り子部材の回転軸を中心
とした左右の重量配分をバランス部材を用いて突出部分
側が重くなるように設定しておくと、振り子部材は自重
により基準位置に自然復帰することになる。したがって
上記の段階までで1サイクルの動作になり、戸体の一定
量の減速動作が得られることになる。
【0025】ここで最も重要な点としては、係合部分が
減速手段と係合する位置にまでかろうじて回転する程度
の戸体の最小速度でも、戸体は減速中に停止することな
く、減速手段を通過後に一定量のみ減速されて戸体は極
遅い速度になるように構成しておくことである。したが
って当接部分と突出部分の衝突による押込み力と、それ
に合わせた振り子部材の回転特性の設定と、係合部分と
減速手段による1サイクルでの減速量を上記の条件にな
るように適宜設定しておくとよい。しかしこの構成では
やはり戸体の一定量の減速動作しか得られず、戸体の速
度の大小には未だ対応することができないことになる。
【0026】そこで、次に複数個の振り子部材を使用し
た構成を以下に説明する。まず本体ケースに複数の振り
子部材を同じ向きで直列に配置しておく。すると最初に
受け装置の当接部分と当接する振り子部材は前述と全く
同じ動作になり、一定量の減速が可能になる。そして最
初の振り子部材が減速手段から離脱した段階で受け装置
の当接部分は次の振り子部材の突出部分と近接している
位置になるように設定しておく。この段階で戸体の速度
が十分に減速されておれば、次の振り子部材は大きく回
転せず、係合部分と減速手段は係合しないためそのまま
戸体はゆっくりと閉じることになる。またこの段階で未
だ戸体の速度が十分に減速されていなければ、次の振り
子部材も大きく回転し、係合部分が減速手段と係合して
第二段階目の減速動作が得られることになる。したがっ
て多数の振り子部材を設け、この動作を繰り返させるこ
とにより、非常に速い戸体の閉鎖速度にも十分対応可能
とすることができる。
【0027】以上のように複数の振り子部材を直列に配
置することにより、高速度から低速度までの幅広い範囲
で、速度と比例した度合いによって戸体を減速させるこ
とが可能になる。また前述の一サイクルでの減速量を小
さく設定し、その分振り子部材の個数を増やすことでよ
り細かい段階に分けての減速が可能になると考えられ
る。
【0028】次に複数の振り子部材を並列に配置し、複
数の減速手段も同様に並列に配置する構成を説明する。
この構成では、各振り子部材の突出部分の本体ケース正
面からの突出寸法を個々に段階的に変化させておくとよ
い。つまり、振り子部材の突出部分と当接部分との衝突
においては、突出寸法の大小により振り子部材への回転
力が変わることになり、戸体の速度の大小により減速手
段と係合する振り子部材の個数が変わることになる。し
たがって戸体が非常に高速度で閉じる時は複数の振り子
部材が同時に減速手段と係合することになり、減速量も
戸体の速度に比例して得ることが可能になる。
【0029】完全に閉じた状態から戸体を開ける操作に
おいては、強く開けるとやはり受けケースの他端部と突
出部分が強く当接して振り子部材を回転させるのである
が、このときの減速手段と係合部分の位置は遥か離れて
おり、係合部分も受けケースの凹部分には挿入せず、係
合部分と減速手段が係合することはないため戸体を開け
る時の操作は重くならない。
【0030】上記のように構成することにより、戸体を
低速度で閉じた時には負荷はかからず、したがって操作
が重くなることはなく、戸体の速度が増加する度合いに
より減速量も比例して大きくすることができ、さらには
閉じた状態から開ける際にも全く操作が重くならない引
き戸の開閉操作が実現でき、同時に跳ね返りも防止する
ことが可能になる。
【0031】また引戸の戸先側に先に説明した強制的に
跳ね返りを防止する構成を、上部又は下部に後で説明し
た戸体を減速させる構成を両方同時に装着すると、ある
程度減速させた後でのより確実な跳ね返りの防止動作が
得られることになり、非常に優れた性能の引き戸の跳ね
返り防止装置を提供できることになる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の実施
の形態を説明する。図1〜図9は本発明の第一実施形態
を示しており、本体装置aと受けbを戸先面38と枠体
内面39に振り分けて装着し、戸先面38が枠体内面3
9に当接したと同時に強制的にその位置を保持すること
により跳ね返りを防止する構成である。図1は本発明の
第一実施形態の分解斜視図であり、コの字型で上下につ
ば部分4を有した本体ケース1を設け、前記つば部分4
に取り付け孔7を備えておく。さらに本体ケース正面5
の中央位置には角孔6を、本体ケース1の側面には回転
軸挿入孔8と停止ピン挿入孔16を設けておく。また図
2に示すように略扇形で、回転軸挿入孔8と回転軸挿入
孔8を中心とした円軌道上に位置する円弧状孔11とを
有した振り子部材2を設け、該振り子部材2の片端には
鉤部分9を、他端には突出部分10を形成しておく。さ
らに図1に示すように板状で上側から順に鉤部分挿入用
孔12と、係止面13と、当接面14とを有した受けb
を設けておく。
【0033】次に振り子部材2を回転軸挿入孔8の上側
に鉤部分9が、下側に突出部分10が位置するように立
てた状態で本体ケース1内に挿入し、回転軸3を回転軸
挿入孔8に通して回動自在に連結する。さらに停止ピン
15を停止ピン挿入孔16から振り子部材2の円弧状孔
11を通して連結する。図3は本体装置aの組み付けた
状態の斜視図である。また、戸体41の戸先面38に掘
り込み部分18を設け、本体ケース正面5が戸先面38
と面一になるように本体装置aを嵌め込み、取り付けね
じ19にて固定する。したがって、振り子部材2の回転
方向は引戸面と平行方向になり、円弧状孔11の回転軸
3に対する開き角度分のみ回転可能になる。図1は本体
装置aを戸先面38に、受けbを枠体内面39に装着し
た状態にて示しているが、互いを逆に装着しても全く問
題はない。
【0034】図4は本体装置aを戸体41に納めた状態
の正面図であり、振り子部材2の円弧状孔11の片端部
を回転軸3と水平位置に設け、開き角度を直角よりやや
大きめに設定しておく。ここで回転軸3の中心を通る上
下方向の線を中心線17とすると、振り子部材2は回転
軸3に吊り下がった状態であるため、中心線17を境に
両側の重量が均等になる位置で吊り合おうとする。とこ
ろが図4に示すように円弧状孔11の片端部に停止ピン
15が当たっており、明らかに中心線17よりも奥側の
重量が重い状態にもかかわらず、振り子部材2はそれ以
上手前側に回転できずに規制された状態で保持されてお
り、この状態で突出部分10が本体ケース正面5から一
定寸法だけ突出するように設定しておく。したがって、
戸体41が開いている状態では振り子部材2は図4の状
態で保持されることになり、この状態を振り子部材2の
基準位置とする。
【0035】図5は受けbを枠体内面39に同様に掘り
込んだ状態で装着した納まり正面図である。受けbは板
状であり、上下端に取り付け孔7を有し、両取り付け孔
7間に上側から鉤部分挿入用孔12と、係止面13と、
当接面14を順に設けておく。また枠体内面39の掘り
込み部分18は、鉤部分挿入用孔12と係止面13の奥
側に空間部分を有するような形状にしておく。したがっ
て戸体41を閉じた時には本体装置aの本体ケース正面
5と受けbが面対した状態になり、このときの本体装置
aと受けbの上下方向の位置関係を、突出部分10と当
接面14が同じ高さになるように配置し、その上に係止
面13を回転軸3より少し上部位置まで設け、さらにそ
の上側に鉤部分挿入用孔12を設け、振り子部材2の鉤
部分9と面対するようにして配置する。
【0036】上記のように本体装置aと受けbを戸先面
38と枠体内面39に振り分けて装着した状態から、戸
体41を閉じた時の振り子部材2の動作を図6(a)〜図
6(f)にて説明する。図6(a)は戸体41が大きく開いて
いる状態から閉じる方向に移動させ、振り子部材2の突
出部分10と受けbの当接面14が当接する直前の状態
を示しており、振り子部材2は未だ基準位置の状態であ
る。
【0037】まず戸体41の閉鎖速度が速い場合におい
て説明する。突出部分10は本体ケース正面5よりも一
定寸法突出した状態になっているため、戸先面38と枠
体内面39が接面する前に突出部分10と当接面14が
先に衝突し、瞬間的に突出部分10が強く押込まれ、図
6(b)に示すように振り子部材2は遠心力を伴って回転
動作を始める。さらに戸先面38と枠体内面39が未だ
接面していない図6(c)に示す段階においても、振り子
部材2は既にある程度回転しており、鉤部分9は受けb
の鉤部分挿入用孔12に入り込んだ状態になっている。
また図6(d)に示す戸先面38と枠体内面39が接面し
た段階では、鉤部分9先端は受けbの係止面13の、回
転軸3の水平位置を越えてさらに下側にまで挿入する。
次に戸体41はこの状態から一気に跳ね返ろうとするの
であるが、図6(e)に示すように、鉤部分9と係止面1
3が係合し、互いに引っ張り合うことになり、つまり戸
体41の跳ね返りを防止することが可能になる。この図
6(e)の状態を振り子部材2の係合位置とする。
【0038】また、通常の引戸では図1に示すように戸
先面38が僅かだけ枠体内面39に入り込むようになっ
ているものが多く、両者間に極僅かの隙間が存在しても
遮光性や気密性にそれほど大きな影響を与えないように
工夫されている。本来は完全に戸先面38と枠体内面3
9を密着させた状態で跳ね返りを阻止できるのが理想で
あるが、実際には上記のような設定は非常に難しく、こ
こで前述のように閉鎖時の極僅かの隙間を許容すると、
図6(d)から図6(e)の段階で鉤部分9と係止面13との
係合に僅かなクリアランスを設けておくことができ、係
合条件としてもある程度の幅を有し、より安定した跳ね
返り防止の動作を得ることができる。
【0039】上記のように戸体41の跳ね返りを阻止し
た後、戸体41が完全に停止した段階では、同じ図6
(e)の状態であっても、鉤部分9を引っ張る荷重は既に
消滅していることになる。したがって図6(e)の係合位
置での、振り子部材2の中心線17を境にした両側の重
量配分を、突出部分10側が重くなるように設定してお
くことにより、戸体41の停止後に振り子部材2は自重
により逆方向に回転し、鉤部分9は係止面13からはず
れ、自然復帰する動作を得ることができる。このとき戸
先面38と枠体内面39はほぼ接面しているため、図6
(f)に示すように、突出部分10は当接面14に接触し
ながら、基準位置で突出していた分だけ押込まれている
状態で保持されることになる。また図6(f)の閉鎖状態
から再度戸体41を開けると、振り子部材2はすぐに突
出部分10が突出する方向に回転し、図6(a)の基準位
置に戻る。
【0040】また、戸体41が極緩やかに閉じた場合で
は元々戸体41は跳ね返ることはなく、突出部分10を
押込む力も非常に弱く、振り子部材2は大きく回転せ
ず、図6(b)ないし図6(c)程度にまで持ち上がった後に
元に戻る動作となり、同様に図6(f)の状態で保持され
ることになる。
【0041】次に、上記の係合位置での中心線17を境
とした左右の重量配分における、振り子部材2の回転動
作と自然復帰動作について詳しく説明する。前述の振り
子部材2の係合位置からの自然復帰動作の条件として
は、係合位置での突出部分10側を重くすることであっ
たが、ここで極端に突出部分10側を重くしてしまうと
自重により元に戻ろうとする力が強くなりすぎて、係合
条件面で下記のような現象が予想される。
【0042】例えば非常に強く戸体41を閉じた時など
では、跳ね返りにより一旦受けbの係止面13と鉤部分
9が係合し、さらにその反動でもう一度戸先面38と枠
体内面39が衝突するような、戸体41が行ったり来た
りする動作が考えられる。このような動作中には係止面
13と鉤部分9の引っ張り荷重が瞬間的に空白状態にな
ることも有り得る。したがって、突出部分10側が極端
に重いと、係合動作中に互いが係合位置からはずれ、振
り子部材2が戻ってしまう誤作動が発生することも考え
られる。あるいは戸体41の跳ね返りが非常に遅い引戸
の場合などでは、振り子部材2の回転が早すぎて先に係
合位置に到達し、跳ね返りの荷重がかかる前に自然復帰
動作をしてしまうような可能性も考えられる。
【0043】また逆に跳ね返りが非常に早い引戸では、
振り子部材2の突出部分10の先端位置を極端に重くし
てしまうと、全体の重心が下がり、振り子部材2の回転
速度が遅くなるという問題が生じ、戸体41の跳ね返り
速度に振り子部材2の回転が追いつかなくなり、係合し
なくなるような場合も考えられる。
【0044】上記のような問題を解決する手段として
は、振り子部材2の任意の位置にバランス部材20を装
着するとよい。振り子部材2の理想の条件としては、戸
体41が開いている時には吊り下がった状態で基準位置
に保持され、突出部分10を押込む力に対してはより大
きな回転速度が得られ、さらには受けbと振り子部材2
の係合動作中は、一旦停止するような感覚で係合位置状
態を一定時間保持し、戸体41が完全に停止し、跳ね返
りの荷重が消滅した後におもむろに自然復帰するような
動作が得られることである。
【0045】図7と図8は上記の条件に近づけるため
に、振り子部材2にバランス部材20を装着した状態の
模式図である。図2に示すような板状で均一な厚みの振
り子部材2であれば、面積比率からして係合位置ではか
なり突出部分10側が重い状態になっていると考えられ
る。ここで図7(a)に示すように鉤部分9の根元付近に
バランス部材20を装着すると、図7(b)に示す係合位
置で僅かだけ突出部分10側が重くなるように全体のバ
ランスを調整でき、自然復帰する力を弱めることができ
る。したがって振り子部材2が係合動作の途中で戻って
しまうことによる誤作動を防止することができると共
に、鉤部分9を係止面13に時間的な幅を有した状態で
係合させることが可能になる。
【0046】また図8に示すように、鉤部分9の先端付
近にバランス部材20を装着すると、振り子部材2全体
の重心が上方に移動し回転しやすくなると共に、突出部
分10と当接面14が衝突し、ある程度振り子部材2が
回転を始めた初期の図8(b)の段階で、バランス部材2
0は中心線17をまたいで越えた状態になり、この位置
からはさらに回転速度が増すことになる。つまり同じ押
し込み荷重に対してより大きな振り子部材2の回転速度
を得ることが可能となる。
【0047】上記のように構成することにより、一定範
囲内の跳ね返り特性を有した引戸ではほぼ確実に跳ね返
りを防止することが可能になると考えられる。しかし引
戸は多種多様であり、材質や重量や走行性能などにより
戸体41の跳ね返り条件も千差万別であり、戸先面38
にガスケット等のクッション材を装着してあるものも多
く、これら全てのものに確実に対応するには、引戸を建
て付けた後にさらに係合条件を調整できる手段が望まれ
る。
【0048】そこで上記の点をさらに解消する手段とし
て、引戸の建付け後に受けbの当接面14の位置を、戸
体41の開閉方向に微調整する構成を付加しておくとよ
い。つまり当接面14を手前側に移動調整すると、戸体
41を閉じる際の突出部分10と当接面14が衝突する
タイミングが早くなり、より早い段階で振り子部材2の
回転動作を始動させることが可能となる。また同時に戸
先面38と枠体内面39が接面する閉鎖位置までの突出
部分10の押し込み量も大きくなり、振り子部材2の回
転速度を増加させることにつながる。したがって、戸体
41の跳ね返り速度に振り子部材2の回転速度が追いつ
かないような場合には当接面14を手前側に、振り子部
材2の回転が跳ね返りより早すぎる場合には奥側に調整
するとよく、建付け現場にて実際の戸体41の跳ね返り
具合に合わせて対応できることになる。
【0049】上記当接面14の位置を調整する構成とし
ては、どのような手段を用いてもよいのであるが、具体
的には図9(a)に示すように板状の調整スペーサー21
を設け、複数枚重ねることにより任意の厚みとして構成
し、当接面14の表面に装着する手段が最も簡単であ
る。また図9(b)に示すように、受けbの当接面位置の
奥側に雌ねじ部分を設け、頭部が平坦で広い面積を有し
た調整ねじ22を設け、互いに螺合した状態で調整ねじ
22の頭部面を当接面14として利用し、引戸を建て付
けた後で調整ねじ22を回すことにより、当接面14の
位置を任意に移動させる手段も比較的簡単で調整しやす
い構成であると考えられる。
【0050】次に同様の本体装置aを用いた別の形態と
して、本体装置aと受け装置cを戸体41の上部又は下
部と上下枠体に振り分けて装着し、戸体41が完全に閉
じる前の段階から戸体41の速度を減速させることによ
り跳ね返りを防止する構成を図10〜図38に基づいて
説明する。
【0051】図10〜図22は本発明の第二実施形態を
示しており、戸体41の速度を減速させて跳ね返りを防
止する最も基本的な構成である。図10は引戸の上枠4
0に本体装置aを、戸体41上部に受け装置cを装着し
た状態を示す納まり斜視図であり、図11は本体装置a
の、図12は受け装置cの斜視図である。図11に示す
ように、本体装置aは第一実施形態とほとんど同様であ
り、本体ケース1と振り子部材2と回転軸3と停止ピン
15を有し、本体ケース1に振り子部材2を回転軸3で
回動自在に吊り下げて保持した構成になっている。
【0052】ここで、第二実施形態では第一実施形態で
の振り子部材2の鉤部分9を別形状の係合部分23とし
て形成し、さらに引戸の上部又は下部位置に本体ケース
正面5が水平でかつ左右方向に配置したことが異なる点
である。振り子部材2の動作も第一実施形態と全く同様
であり、振り子部材2が自重により吊り下がっている状
態の基準位置で突出部分10が本体ケース正面5から下
方に一定寸法突出しており、この突出部分10を強く押
し上げると一定角度のみ振り子部材2が回転して係合部
分23が下方に大きく移動する構成になっている。
【0053】第二実施形態での受け装置cは、図12に
示すように細長い箱型形状の受けケース24と減速手段
とからなり、受けケース24は片端部に当接部分25
を、中央部分にくり抜いたような凹部分27を設け、他
端部37は斜め下方に低く傾斜させた形状であり、さら
に凹部分27内の中央から他端部37側寄りに減速手段
を組み込み、凹部分27内の最も他端部37側に上向き
の傾斜面26を設けておく。
【0054】上記のように構成した本体装置aと受け装
置cを、図1に示すように本体装置aの本体ケース正面
5が下向きで、受け装置cの当接部分25と凹部分27
が上向きになるように上枠40と戸体41の上部に振り
分けて配置する。また戸体41が左右方向に移動して本
体装置aと受け装置cが面対する時に、振り子部材2の
突出部分10と受けケース24の当接部分25が当接す
るように、互いの上下位置を設定しておく。
【0055】引戸に装着する位置は上下どちらでも良い
が、下部位置だと受け装置cを下枠に取り付けることに
なり下枠の無い吊り引戸には対応できず、上部位置が最
も適していると考えられ、図1では上部位置に装着した
構成にて表示している。図13は本体装置aと受け装置
cを戸体41の上部と上枠40に装着した状態での断面
図であり、図13(a)は上枠40と戸体41の上部に掘
り込み部分18を設け、両者を内蔵させた構成であり、
図13(b)は両者を外付けにした構成である。図13(a)
の内蔵タイプは上枠40や戸体41に掘り込みが必要に
なり加工工数が増えるが、どんな状態でも全く本体装置
aや受け装置cは外部からは見えないためにデザイン面
で優れており、図13(b)の外付けタイプは掘り込みの
必要がなく任意の位置に後付けできるため施工性に優れ
ていると考えられる。図10の斜視図も上記の掘り込み
内蔵タイプにて表示している。
【0056】図14は第二実施形態での本体装置aの正
面図であり、図14(a)は本体ケース1に振り子部材2
が自重により吊り下がっている基準位置を示しており、
突出部分10が本体ケース正面5から下方に一定寸法の
み突出している状態である。図15はこの状態での本体
装置aの側面図である。図14(b)は突出部分10が押
されて振り子部材2が最大に回転した状態を示してお
り、係合部分23は大きく下方に移動している。この図
14(b)の状態での回転軸3を中心とした振り子部材2
の左右の重量配分を、バランス部材20を装着すること
により突出部分10側が重くなるように設定しておく
と、振り子部材2は図14(b)の状態から図14(a)の基
準位置に自然復帰することになる。また、突出部分10
を押込む時の当接力と、それに対する振り子部材2の回
転条件の設定は第一実施形態と同様にバランス部材20
の位置や重量により適宜最適な条件を適応させるとよ
い。
【0057】図16は第二実施形態での受け装置cの正
面図であり、図17は上面図であり、図18は側面図で
ある。第二実施形態での減速手段はコの字形状の板ばね
28を摩擦部材として使用し、凹部分27内にコの字の
開いた方を上向きにして装着する。また板ばね28のコ
の字の内寸を振り子部材2の係合部分23の厚みと同等
か若しくは僅かに狭く設定しておき、さらに図18に示
すようにコの字の上端を少しだけ内側に倒しておく。
【0058】上記での減速動作は、図14(b)に示す状
態の振り子部材2の係合部分23が、受け装置cのコの
字状の板ばね28間を通過する際の弾性と摩擦による負
荷を利用する構成である。したがって係合部分23が板
ばね28間に挿入する時の案内として、板ばね28の片
側先端部分を外側に広げた形状にし、さらに逆側は傾斜
面26位置にまでコの字の側面を伸ばしておくとよい。
また図17に示すように板ばね28の底部分に前後方向
の長孔を設け、長孔を通してねじ又はピンで受けケース
24に板ばね28を前後方向に遊びを持って装着すると
よく、戸体41の開閉時の本体装置aと受け装置cの前
後方向のずれに対応できるようにすることができる。
【0059】また、上記減速手段は摩擦力に依存する部
分が大きいため摩耗による耐久性の問題が挙げられ、係
合部分23と擦れる板ばね28の内側面部分の表面に耐
摩耗性能のよい軟質樹脂(エラストマ−)を被覆しておく
等の手段を追加して設けておくとよい。減速手段は他の
どのような手段であってもよいが、以下での動作の説明
はこの板ばね28を用いた減速手段にて実施する。他の
減速手段については後で詳しく述べる。
【0060】上記のように構成した本体装置aと受け装
置cを引戸の上部に装着し、戸体41を開いた状態から
閉じる方向へ移動させ、本体装置aと受け装置cが面対
する段階での受けケース24の当接部分25と振り子部
材2の突出部分10との当接による振り子部材2の回転
動作と係合部分23と減速手段との係合動作を図19〜
図22にて順に説明する。
【0061】図19は跳ね返りを起こさない程度の低速
度で戸体41を閉じ、受けケース24の当接部分25が
振り子部材2の突出部分10に当接した場合の振り子部
材2の動作を示す納まり正面図である。図19(a)は当
接部分25が突出部分10に当接する直前の状態を示し
ており、未だ振り子部材2は基準位置である。この状態
からさらに戸体41が閉じると、当接部分25が振り子
部材2の突出部分10に当たるのであるが、速度が遅く
前述のようにバランス部材20により突出部分10側が
重くなるように設定してあるために、図19(b)に示す
ように突出部分10は僅かに持ち上がる程度で振り子部
材2は大きく回転することはない。したがって係合部分
23は減速手段である板ばね28とは係合せず、そのま
まゆっくりと戸体41は閉じることになり戸体41の閉
操作が重くなることはない。また受け装置cが本体装置
aを通過すると、振り子部材2は自重により基準位置に
自然復帰することになる。つまり、戸体41の引き手部
分を手で持ったままゆっくりと閉じるような、跳ね返り
が起こらない程度の低速度では操作が全く重くならない
構成が得られることになる。
【0062】次に戸体41を高速度で閉じた場合を図2
0にて説明する。図20(a)では振り子部材2は未だ基
準位置であり、この状態から当接部分25が強い力で突
出部分10に衝突すると振り子部材2は瞬時に大きく回
転し、図20(b)に示すように係合部分23が受けケー
ス24の凹部分27内に挿入する。このとき振り子部材
2は図20(b)の位置より大きくは回転しないように円
弧状孔11と停止ピン15で規制してある。また戸体4
1は閉じる方向に移動している途中の段階であるため、
引き続き図20(c)に示すように係合部分23は減速手
段である板ばね28間に移動し、板ばね28の弾力と摩
擦力により減速することになる。
【0063】さらに戸体41が減速しながら図20(d)
の位置にまで移動すると、係合部分23先端が受けケー
ス24の傾斜面26に接触し、この傾斜により係合部分
23には持ち上がる方向に力がかかることになり、係合
部分23が傾斜面26を上がりながら振り子部材2は逆
方向に回転し、図20(e)に示すように係合部分23は
板ばね28による減速手段から離脱する。図20(e)で
は戸体41を減速する負荷は既になくなっており、さら
に戸体41が移動して受け装置cが本体装置aを通過す
ると振り子部材2は自重により基準位置に自然復帰す
る。ここで上記の図20(a)〜(e)の動作を1サイクルと
すると、この1サイクルの動作により一定量の戸体41
の減速動作を得ることが可能となる。
【0064】上記の図20(a)〜(e)の動作においてさら
に考慮するべき点としては、まず図20(b)の状態にな
ってから減速手段と係合するまでの一定時間、振り子部
材2を図20(b)の状態のまま保持しなければならない
ことが挙げられる。つまり振り子部材2が瞬時に回転し
て、その反動で減速手段と係合する前に跳ね返ってしま
うと減速動作が得られず誤作動になるからである。この
誤作動を防止する手段はどのような構成であってもよい
が、図21(a)に示すような、係合部分23先端に磁石
31を装着し、凹部分27の底部分にスチール等の金属
面32を設けて図20(b)の状態で両者を磁力により保
持する構成や、図21(b)に示すような、本体ケース1
上部にへこみ部分33を設け、振り子部材2上部に弾性
突起34を備えておき、図20(b)の段階で弱い力で両
者が嵌り合うような構成が簡単であり、このようにする
ことにより図20(b)の状態で一定時間振り子部材2を
保持することができることになる。
【0065】もう一つの点としては、振り子部材2をか
ろうじて図20(b)の状態にまで回転させ得る戸体41
の最小速度より、その後の係合部分23と減速手段によ
る減速量が大きいと、減速途中で戸体41が停止してし
まう現象が起こるということである。この点において
は、図20(a)〜(e)の1サイクルで減速される速度より
も僅かでも戸体41の速度が速いときにのみ、振り子部
材2が大きく回転するように、振り子部材2の回転特性
を設定しておくとよい。すると途中で停止することは無
く、一定速度減速後に極遅い速度になった状態で戸体4
1は通過する動作が得られる。そのために当接部分25
と突出部分10が接触する位置や突出部分10の面角度
や突出寸法を適宜調整し、さらにはバランス部材20の
位置や重量を変更することにより振り子部材2の回転特
性を上記条件になるように任意に設定しておくとよい。
【0066】次に戸体41を閉じている状態から開ける
時の振り子部材2の動作を図22にて説明する。図22
(a)は戸体41が閉じている状態を示しており、戸体4
1を開けると受けケース24の他端部37と振り子部材
2の突出部分10が当接する。ゆっくりと戸体41を開
けた場合では振り子部材2は大きく回転せず、図22
(b)のように乗り越えるだけの動作でそのまま戸体41
は開く。また戸体41を急激に開けた場合には振り子部
材2はやはり大きく回転するのであるが、係合部分23
の位置と減速手段の位置は離れているために係合部分2
3と減速手段が係合することはなく、他端部37が振り
子部材2を押戻して図22(b)の状態を経てそのまま戸
体41は開くことになる。したがって戸体41を開ける
際には速度にかかわらず操作が重くなることは全くな
い。
【0067】上記のように構成することにより、戸体4
1を低速度で閉じる時と開ける時の両方で操作は全く重
くならず、閉鎖速度が速い場合には一定速度のみ戸体4
1を減速させることが可能となる。しかし戸体41の速
度が極端に速い場合でも第二実施形態では一定の減速量
しか得ることができず、やはり戸体41の速度の大小に
は対応できない点が問題として残っている。そこで次に
戸体41の速度に比例した減速量を得る構成を図23〜
図26にて説明する。
【0068】図23と図24は本発明の第三実施形態を
示しており、振り子部材2を複数個直列に配置した状態
にて本体装置aを構成する。図23は振り子部材2を二
個本体ケース1に直列に装着した状態の斜視図であり、
図24は振り子部材2を三個本体ケース1に直列に装着
した状態での、戸体41を閉じた時の各振り子部材2の
動作を順に示す納まり正面図である。第三実施形態でも
減速手段は板ばね28による摩擦力を用いた構成にて説
明する。
【0069】図24(a)は本体装置aと受け装置cが面
対する直前の状態を示しており、振り子部材2は全部基
準位置である。戸体41の閉じる速度が遅いときは第二
実施形態と同様であり、どの振り子部材2も大きく回転
せず、係合部分23は減速手段と係合しないためそのま
ま戸体41はゆっくりと閉じ、操作が重くなることはな
い。完全に閉じた状態から戸体41を開ける時の動作も
第二実施形態と全く同様であり、振り子部材2の係合部
分23と減速手段が係合することはなく操作は重くなら
ない。
【0070】ここで最も重要な、戸体41を一定速度よ
り速く閉じた場合において以下に説明する。まず受けケ
ース24の当接部分25が最初の振り子部材2の突出部
分10に衝突し、振り子部材2が大きく回転して係合部
分23と減速手段が係合し、一定量のみ減速する。ここ
までの動作は第二実施形態と全く同様である。図24
(b)は最初の振り子部材2の係合部分23が減速手段か
らほぼ離脱した状態を示しており、したがってこの段階
で戸体41は既に一定速度だけ減速されていることにな
る。
【0071】次に図24(b)の状態で、戸体41が次の
振り子部材2を大きく回転させ得るだけの速度を既に失
っている場合は、以降の振り子部材2は大きく回転せ
ず、戸体41はそのままゆっくりと閉じることになる。
また図24(b)の状態で、戸体41がまだ次の振り子部
材2を大きく回転させ得るだけの速度を有している場合
は、図24(c)に示すように次の振り子部材2も減速手
段と係合し、第二段階目の減速動作を得ることが可能に
なる。図24(d)は第二段階目の減速動作が終了し、さ
らに次の振り子部材2を回転させようとしている状態を
示しており、既に戸体41は最初の速度から一定速度ず
つ2回減速した状態になっている。そして前述と同様に
図24(d)の状態での戸体41の速度により、第三段階
目の減速がなされるかどうかが決定されることになり、
振り子部材2の個数が増加するにしたがって上記のよう
な動作が繰り返されることになる。
【0072】以上のように複数の振り子部材2を直列に
配置することにより、戸体41の速度に比例した減速量
が得られることになり、高速度から低速度までの幅広い
速度帯に対応できることになる。また振り子部材2の回
転特性を、当接部分25と突出部分10の比較的弱い衝
突によっても大きく回転するように設定しておくと、1
サイクルでの減速量も小さくする必要が生じることにな
るが、その分多数の振り子部材2を配置することにより
全体の減速量を確保するとよく、上記のように構成する
ことにより、より細かい段階での減速動作が得られるこ
とになる。
【0073】第三実施形態では、戸体41の速度を数段
階に分けて順に減速する構成であるため、上記のように
複数の振り子部材2を配置する手段だけではなく、図示
はしないが振り子部材2は一個で、減速手段を含む受け
装置cを複数個直列に配置しても同様の効果が得られる
ことになる。しかしこの場合は、振り子部材2が最初の
減速手段と係合した後に、基準位置に復帰した状態にな
ってから次の減速手段と係合させなくてはならなく、複
数の減速手段間の距離をある程度大きく設けておく必要
がある。また第三実施形態では直列に長く配置する構成
であるため、図13に示す内蔵タイプおよび外付けタイ
プのどちらにおいても装着可能であると考えられる。
【0074】次に第四実施形態として、複数の振り子部
材2と複数の減速手段を両方並列に配置し、第三実施形
態と同様に戸体41の速度の大小にも対応可能な構成を
図25と図26にて説明する。図25は第四実施形態で
の振り子部材2と減速手段である板ばね28を共に三個
ずつ並列に配置した納まり側面図であり、図26は同様
の状態の納まり正面図である。
【0075】ここで振り子部材2の回転特性は、同じ戸
体41の速度であれば、突出部分10の突出寸法が大き
いほど、さらには当接部分25と突出部分10との衝突
位置が回転軸3に近い程振り子部材2は回転しやすくな
り、また衝突する際の突出部分10の面角度等も影響し
てくると考えられる。したがって第四実施形態では図2
5に示すように、並列に配置した各振り子部材2の突出
部分10の突出寸法を段階的に変化させておき、さらに
は図26に示すように受けケース24の当接部分25が
衝突する突出部分10の位置も突出寸法が小さいほど回
転軸3から離れた位置に当接するように設定しておく。
【0076】上記のように構成すると、突出部分10が
最も突出している振り子部材2が一番回転しやすい設定
になり、この振り子部材2がかろうじて大きく回転して
係合部分23が減速手段と係合する戸体41の速度では
他の振り子部材2は大きく回転せず、したがって一個の
振り子部材2のみでの一定量の減速動作が得られること
になる。さらに戸体41の速度が増すと、次に突出寸法
の大きい振り子部材2も同時に大きく回転して減速手段
と係合することになり、同時に二個分の減速動作が得ら
れることになる。さらに速度が増すと当接力も大きくな
り、突出寸法が次に大きい振り子部材2も同時に大きく
回転することになり、つまり戸体41の速度によって減
速手段と係合する振り子部材2の個数が変化することに
なり、戸体41の速度に比例した減速量が得られること
になる。
【0077】減速時の動作としては、第三実施形態では
ある程度徐々に戸体41が移動しながら減速していくの
に対して、第四実施形態では戸体41の速度によっては
複数の振り子部材2が一気に減速手段と係合することに
なり、比較的急な減速動作になると考えられる。また第
四実施形態では図25に示すように並列に配置するため
に、厚み方向が分厚くなり、したがって扉の厚みにもよ
るが内蔵タイプとしては限界があり、外付けタイプが適
していると考えられる。さらには直列または並列として
完全に区別せず、例えば四個の振り子部材2を、第四実
施形態での構成で二個並列に配置し、この構成をさらに
直列に二列にするような両方を混在させた構成も可能で
ある。
【0078】以上では減速手段を、摩擦部材である板ば
ね28の弾性力と摩擦力により得る構成で各動作を説明
してきたが、減速手段は上記手段に限られるものではな
く他のどのような手段であってもよい。そこで、別の減
速手段を第五実施形態、第六実施形態、第七実施形態と
して以下に説明する。
【0079】第五実施形態は図27〜図29に示すよう
に、減速動作を巻ばねの力にて得る構成である。図27
は第五実施形態での受け装置cの正面図であり、左右方
向にスライド移動可能なばねケース30を設け、押しば
ね29を中に挿入した状態で受けケース24の凹部分2
7の傾斜面26側に配置する。このときばねケース30
の先端の上部コーナーが、押しばね29を圧縮しながら
傾斜面26と面一になるまで移動できるように構成して
おく。また本体装置aは第二実施形態と全く同様でよ
い。
【0080】図28は振り子部材2が一個の場合での係
合部分23との減速動作を順に示した正面図である。図
28(a)に示す基準位置から当接部分25が突出部分1
0に強く衝突すると、図28(b)のように振り子部材2
の係合部分23が凹部分27内に挿入する。この状態で
係合部分23の厚み方向上面が垂直方向になるように設
定し、さらに戸体41が移動すると、同じく垂直方向面
であるばねケース30の前面に当接する。振り子部材2
はそれ以上回転することは無いため、係合部分23は図
28(c)に示すようにばねケース30を押込み、押しば
ね29を圧縮させる動作が負荷となり戸体41は減速す
る。
【0081】また図28(c)の段階で係合部分23先端
が傾斜面26に当り、さらに戸体41が移動すると図2
8(d)のように係合部分23が傾斜面26に沿って持ち
上がりながら振り子部材2は逆方向に回転し減速手段か
ら離脱する。その後ばねケース30は押しばね29の力
により図28(a)の位置にすぐに復帰する。したがって
第二実施形態と同様に図28(a)〜(d)での1サイクルの
動作において一定量のみ減速させることが可能になる。
図29は振り子部材2を直列に二個配置した状態を示し
ており、第五実施形態でも振り子部材2を複数個直列若
しくは並列に配置することができ、その場合も戸体41
の速度と減速条件は前述と全く同様である。この押しば
ね29の圧縮力を用いた減速手段は第二実施形態での摩
擦力を利用する構成に比較して、もっとも重要と考えら
れる摩耗がないという点で特徴があり、耐久性に優れた
構成になっている。
【0082】次に減速手段として、歯車35の回転時に
負荷がかかるような機構を有した抵抗部材と、直線状の
ラック36を用いた構成を第六実施形態として図30〜
図32にて説明する。図30は第六実施形態での本体装
置aの正面図であり、図31は受け装置cの正面図であ
る。図30に示すように係合部分23位置付近に、内部
にOリングとオイルを封入した構成で歯車35の回転時
に負荷がかかるような抵抗部材を装着する。また図31
に示すように受けケース24の凹部分27底部に歯車3
5と噛み合う形状の直線状のラック36を設けておく。
【0083】図32は上記の構成での歯車35とラック
36の係合による減速動作を示しており、受けケース2
4の当接部分25が振り子部材2の突出部分10に強く
衝突すると、図32(b)のように歯車35が凹部分27
に挿入し、図32(c)に示すように歯車35とラック3
6が噛み合って歯車35の回転により負荷が発生し、ラ
ック36の長さ分だけ減速動作が得られる。図32(d)
に示すように歯車35が傾斜面26にかかった段階から
の離脱や、振り子部材2の自然復帰の設定は前述と同様
である。また1サイクルで一定の減速量が得られる動作
や、振り子部材2を複数個直列や並列に配置した構成で
の動作も前述と全く同様である。第六実施形態では抵抗
部材自体の性能が重要になるが、ばねの力を負荷として
使用するタイプと比較すると常に均一な状態での負荷が
得やすいと共に、ラック36自体は横方向に幅を有した
形状で受けケース24との一体成型にても可能であり、
並列での構成が適していると考えられる。
【0084】次に減速手段に磁石31と金属面32を用
いた構成を第七実施形態として図33〜図38にて説明
する。前述の各減速手段では振り子部材2を本体ケース
1から吊り下げた状態で装着し、振り子部材2の回転軸
3を中心とした左右の重量バランスを利用しており、特
に前述のように振り子部材2が回転後、係合部分23が
受けケース24の凹部分27内で一定時間保持されるこ
とが重要なため、本体ケース正面5が下向きに位置する
構成が適していた。ところが第七実施形態では磁力とそ
れに伴う摩擦力を利用する構成であるため、前述と同様
に本体ケース正面5を下方に向けた配置であっても可能
ではあるが、逆に本体ケース正面5を上に向けた配置の
方が条件的に優れていることになる。したがって第七実
施形態では本体装置aを戸体41の上部に、受け装置c
を上枠40に配置し、本体ケース正面5を上向けに装着
した状態で構成する。
【0085】図33は基準位置での本体装置aの納まり
正面図であり、係合部分23付近に磁石31を装着した
振り子部材2を本体ケース1に吊り下げた状態で保持
し、このとき突出部分10が本体ケース正面5から上方
に一定寸法突出するようにし、また磁石31の吸着面は
横を向いた状態にて配置しておく。図34は受け装置c
の納まり正面図であり、図35は受け装置cの下面図で
ある。第七実施形態での受け装置cは両端部を樹脂等の
磁石31の非吸着材質にて形成し、片端部の下部コーナ
ー部を当接部分25として形成し、中央部分に吸着面で
ある金属面32を挟んだ状態で構成する。
【0086】図36は本体装置aに一個の振り子部材2
を装着し、戸体41が低速度で閉じた場合の動作を示す
納まり正面図である。図36(a)に示す基準位置では磁
石31と金属面32は十分離れており、当接部分25に
突出部分10が当接した段階でも振り子部材2は大きく
回転しないため、図36(b)のようにやはり磁石31は
金属面32に吸引されず、そのままゆっくりと戸体41
は閉じ、したがって閉じる操作が重くなることはない。
【0087】図37は戸体41が高速度で閉じた時の動
作を示しており、当接部分25が突出部分10に強く衝
突すると振り子部材2は大きく瞬時に回転し、磁石31
が一定距離よりも金属面32に接近すると吸引力も手伝
って図37(b)に示すように磁石31が金属面32に吸
着する。その結果図37(b)の状態からは振り子部材2
が受け装置cに吸着したまま戸体41は移動することに
なる。したがって図37(c)に示す磁石31が金属面3
2の端部に移動するまでの間で減速動作が得られ、さら
に移動した段階では磁石31が金属面32から外れ振り
子部材2は基準位置に自然復帰する。したがって図37
(a)〜(c)に示す1サイクルにて戸体41の速度を一定量
減速させることが可能になる。このとき第二実施形態と
同様に金属面32と磁石31面に吸着力を低下させない
程度で摩擦力の大きい軟質樹脂を薄く膜状に被覆してお
くと、磁力と摩擦力の両方で減速させることができる。
【0088】次に第七実施形態で、直列に振り子部材2
を二個装着した場合を図38に示す。図38は最初の振
り子部材2の磁石31が金属面32に吸着し、さらに移
動して金属面32から離れようとする直前の状態であ
り、このとき次の振り子部材2の突出部分10が受け装
置cの当接部分25に近接するように当接部分25から
金属面32端部までの距離を設定しておくとよい。した
がって第七実施形態でも振り子部材2を複数個直列に配
置する構成での減速動作は前述と全く同様であり、戸体
41の速度に比例した減速量を得ることができる。しか
し並列に複数個の振り子部材2を並べた構成では磁石3
1も並列に並ぶことになり、並んだ磁石31同士が吸引
して同時に回転する動作になってしまうため、第七実施
形態では並列の構成は適していない。
【0089】また、第二実施形態から第七実施形態の全
てにおいて、本体装置aと受け装置cは面対しており、
枠体に戸体41を建付けた状態での上枠40下面と戸体
41の上面との隙間の寸法が、厳密にいえば突出部分1
0と当接部分25の上下位置関係が重要になる。したが
ってこの寸法を、枠体に戸体41を建付けた後で移動調
整できるようにしておくとよい。
【0090】上記の移動調整の手段としては、外付けタ
イプにおいては本体装置aか受け装置cのどちらか片方
の取り付けねじ19を緩めて、両者間の寸法を適宜調整
することで可能である。内蔵タイプでは戸体41を外さ
ずに調整を実施できることが重要であり、戸体41の上
面に装着した受け装置cの当接部分25に、第一実施形
態と同様の調整スペーサー21や調整ねじ22での構成
を移動調整の方向が上下になるように適宜変更して配置
し、戸体41を開けた状態で戸先面38上部から移動調
整できるようにしておく手段が最も簡単と考えられる。
また本体装置aのさらに上部に移動調整用の裏板等を別
途配置して本体装置aと裏板をねじ等で螺合しておき、
戸体41を開けた状態で裏板に対して本体装置a全体を
上下方向に移動させる手段であってもよい。
【0091】以上のように様々な減速手段を用いた形態
であっても、振り子部材2を複数個使用する構成では戸
体41の速度に比例した減速量を得ることが可能にな
る。しかし基本的には戸体41の速度を段階的に分けて
減速する構成であるため、前述のように振り子部材2の
個数を多く設定する時の減速動作は比較的優れている
が、その分全体のサイズも大きくなり、コスト面でも割
高になるという問題点を有している。また振り子部材2
の個数を少なく設定した場合では、1サイクルで減速す
る減速量を大きくしなければならなく、閉鎖途中で停止
してしまわないようにする条件も必要で有るため、戸体
41が閉じる最終段階で極遅い速度にまでは減速できな
い場合が想定され、戸体41が僅かに跳ね返ってしまう
ことも考えられる。また多種多様な引戸の走行性能や跳
ね返り特性は千差万別であり、多数個の振り子部材2を
用いた構成においても戸体41を大きく開けた状態から
無作為に閉じた場合の全ての条件において、戸先面38
と枠体内面39を完全に密着させた状態で確実に停止す
るように減速させることは非常に難しいと考えられる。
【0092】ただ上記の構成では、戸体41が閉じる直
前には数サイクルの減速動作により既に閉鎖速度の大部
分は確実に減速された状態になっており、戸先面38が
枠体内面39に強く衝突して大きな音なりや衝撃を生ず
ることはない。したがって上記のような、一定範囲内で
極僅かな跳ね返りがどうしても残ってしまう場合には、
第一実施形態での強制的に戸体41の跳ね返りを止める
構成を戸先面38と枠体内面39に装着し、減速させて
跳ね返りを防止する構成と併用するとよい。この両者を
併用する構成は非常に有効であり、細部の設定やばらつ
きを吸収するための調整の手間を無くすことができ、よ
り簡単に最適な戸体41の閉鎖条件を得ることが可能に
なる。
【0093】また以上では、引戸のレールを傾斜させて
戸体41の自重で閉鎖する機構や、ぜんまいばねとワイ
ヤー線により戸体41を引寄せて閉鎖する自動閉鎖機構
等を装着していない状態を前提として説明してきたが、
本発明の各実施形態での構成をそのまま上記の自動閉鎖
装置と併用することも当然可能となる。その場合は引き
戸の制動装置としての意味合いが強くなるが、開閉操作
が重くならず、かつ強く閉じた時にのみ速度に比例した
減速量が得られ、確実に跳ね返りを防止できる優れた引
戸の減速及び跳ね返り防止装置として構成することが可
能になる。
【0094】
【発明の効果】本発明では、回転軸を中心とした振り子
部材の回転動作を用いたことが最大の特徴であり、振り
子部材の両端部分をスイッチ機能である突出部分と係合
機能である鉤部分若しくは係合部分として構成し、スイ
ッチである突出部分を押す力の大小によって、振り子部
材が完全に回転するかしないかを設定でき、したがって
係合の実施か非実施かを戸体の速度により自動選別でき
ることになり、したがって戸体の速度が遅い時には係合
せず、一定速度より速くなった時にのみ係合する動作が
得られることになる。
【0095】また振り子部材が自重により回転軸に吊り
下がった状態からの回転動作を利用する構成であり、振
り子部材の任意の位置にバランス部材を取り付けること
により、振り子部材の様々な回転特性が得られ、戸体の
速度に対応させた幅広い係合条件を得ることができ、さ
らに負荷が解除された段階での振り子部材の基準位置へ
の自然復帰動作をも得ることができる。
【0096】第一実施形態では戸体の閉鎖速度が速い時
にのみ、突出部分と当接面が衝突して振り子部材を回転
させ、振り子部材の鉤部分と受けの係止面とを係合させ
ることにより戸体の跳ね返りを強制的に防止する構成で
あり、振り子部材は戸体の跳ね返りを阻止後、係合位置
から基準位置に自然復帰するため、戸体を開閉するとき
には余分な力は全くかからず操作性に優れている。ま
た、振り子部材の回転動作が、戸先面と枠体内面が接面
するよりも早く始動するため、戸体が完全に閉じると同
時に確実に跳ね返りを防止することが可能となる。
【0097】第二実施形態では、戸体を開く時と低速度
で閉じる時には係合部分は減速手段と係合しないため操
作が重くなる心配はなく、高速度で閉じる時のみ戸体の
速度を一定量減速することができる。
【0098】第三実施形態では、振り子部材を直列に複
数個装着することにより、戸体の速度に比例した減速量
を得ることが可能となり、戸体の移動と共に段階的に徐
々に遅い速度にまで減速できることになる。
【0099】第四実施形態では、振り子部材を並列に複
数個装着することにより、戸体の速度に比例した減速量
を得ることが可能となり、比較的急激な動作にて一気に
遅い速度にまで減速できることになる。
【0100】ほぼ同じ構成の本体装置と受け装置に、第
二実施形態での摩擦部材である板ばねを用いた弾性と摩
擦力による機構や、第五実施形態での巻ばねを圧縮させ
ることにより負荷を得る構成や、第六実施形態での歯車
を有した抵抗部材とラックによる構成や、第七実施形態
での磁石と金属面を設けて互いの吸着力とそれに伴う摩
擦力で負荷を得る構成等、様々な減速手段を搭載するこ
とが可能である。
【0101】第一実施形態での、本体装置と受けを戸先
面と枠体内面に装着して強制的に戸体の跳ね返りを防止
する構成と、第三実施形態から第七実施形態までの引戸
の上下どちらかに本体装置と受け装置を装着し、戸体の
速度を減速させる構成とを、両方同時に併用することに
より、減速時の細かい設定や閉鎖時のばらつきのための
調整をなくすることができ、最適な戸体の閉鎖動作とよ
り確実な跳ね返り防止動作を得ることができる。
【0102】引戸の建付け後に、受けの当接面若しくは
受け装置の当接部分を移動調整させることにより、現場
において実際に戸体を開閉しながら減速度合いや跳ね返
り具合を調整でき、多種多様な引戸に対応させることが
可能となり、非常に優れた閉鎖動作と跳ね返りを防止す
ることができる。
【0103】全ての実施形態において、全体の構成とし
ては少ない部品点数で、個々の部品も単純な形状であ
り、比較的安価に供給することが可能になる。また内蔵
タイプでは、本体装置および受けや受け装置共に掘り込
まれた状態で、戸先面と枠体内面と、上枠と戸体上部に
装着するため、外部からは見えず意匠的にも優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の分解斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態の、振り子部材の正面図
である。
【図3】本発明の第一実施形態の、本体装置を組付けた
状態の斜視図である。
【図4】本発明の第一実施形態の、本体装置の納まり正
面図である。
【図5】本発明の第一実施形態の、受けの納まり正面図
である。
【図6】本発明の第一実施形態の、戸体の閉動作による
振り子部材の軌跡と係合動作を示す正面図である。
【図7】本発明の第一実施形態の、振り子部材にバラン
ス部材を装着し、自然復帰力を弱めた状態を示す正面図
である。
【図8】本発明の第一実施形態の、鉤部分先端にバラン
ス部材を装着し、振り子部材の回転速度を増した状態を
示す正面図である。
【図9】本発明の第一実施形態の、当接面の移動調整の
手段を示した斜視図である。
【図10】本発明の第二実施形態の納まり斜視図であ
る。
【図11】本発明の第二実施形態の、本体装置の斜視図
である。
【図12】本発明の第二実施形態の、受け装置の斜視図
である。
【図13】本発明の第二実施形態の、本体装置と受け装
置の取り付け位置を示す納まり側面図である。
【図14】本発明の第二実施形態の、本体装置の正面図
である。
【図15】本発明の第二実施形態の、本体装置の側面図
である。
【図16】本発明の第二実施形態の、受け装置の正面図
である。
【図17】本発明の第二実施形態の、受け装置の上面図
である。
【図18】本発明の第二実施形態の、受け装置の側面図
である。
【図19】本発明の第二実施形態の、戸体を低速度で閉
じた場合の振り子部材の動作を示す納まり正面図であ
る。
【図20】本発明の第二実施形態の、戸体を高速度で閉
じた場合の振り子部材の動作を示す正面図である。
【図21】本発明の第二実施形態の、振り子部材を係合
位置で保持する構成を示す正面図である。
【図22】本発明の第二実施形態の、戸体を開けた場合
の振り子部材の動作を示す正面図である。
【図23】本発明の第三実施形態の、振り子部材を二個
直列に配置した状態の納まり斜視図である。
【図24】本発明の第三実施形態の、振り子部材を三個
直列に配置し、戸体を高速度で閉じた場合の振り子部材
の動作を示す納まり正面図である。
【図25】本発明の第四実施形態の、振り子部材と減速
手段を三個ずつ並列に配置した状態の納まり側面図であ
る。
【図26】本発明の第四実施形態の、振り子部材と減速
手段を三個ずつ並列に配置した状態の納まり正面図であ
る。
【図27】本発明の第五実施形態の、受け装置の正面図
である。
【図28】本発明の第五実施形態の、戸体を高速度で閉
じた場合の振り子部材の動作を示す正面図である。
【図29】本発明の第五実施形態の、振り子部材を直列
に二個配置した状態で戸体を高速度で閉じた場合の振り
子部材の動作を示す正面図である。
【図30】本発明の第六実施形態の、本体装置の正面図
である。
【図31】本発明の第六実施形態の、受け装置の正面図
である。
【図32】本発明の第六実施形態の、振り子部材を直列
に二個配置した状態で戸体を高速度で閉じた場合の振り
子部材の動作を示す正面図である。
【図33】本発明の第七実施形態の、本体装置の納まり
正面図である。
【図34】本発明の第七実施形態の、受け装置の納まり
正面図である。
【図35】本発明の第七実施形態の、受け装置の下面図
である。
【図36】本発明の第七実施形態の、戸体を低速度で閉
じた場合の振り子部材の動作を示す納まり正面図であ
る。
【図37】本発明の第七実施形態の、戸体を高速度で閉
じた場合の振り子部材の動作を示す納まり正面図であ
る。
【図38】本発明の第七実施形態の、振り子部材を直列
に二個配置した状態で戸体を高速度で閉じた場合の納ま
り正面図である。
【符号の説明】
a 本体装置 b 受け c 受け装置 1 本体ケース 2 振り子部材 3 回転軸 4 つば部分 5 本体ケース正面 6 角孔 7 取り付け孔 8 回転軸挿入孔 9 鉤部分 10 突出部分 11 円弧状孔 12 鉤部分挿入用孔 13 係止面 14 当接面 15 停止ピン 16 停止ピン挿入孔 17 中心線 18 掘り込み部分 19 取り付けねじ 20 バランス部材 21 調整スペーサー 22 調整ねじ 23 係合部分 24 受けケース 25 当接部分 26 傾斜面 27 凹部分 28 板ばね 29 押しばね 30 ばねケース 31 磁石 32 金属面 33 へこみ部 34 弾性突起 35 歯車 36 ラック 37 他端部 38 戸先面 39 枠体内面 40 上枠 41 戸体

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 戸体と枠体からなる引戸の、閉鎖時の戸
    体の跳ね返りを防止する装置であって、本体装置と受け
    とからなり、本体装置は本体ケースと両側に鉤部分と突
    出部分を設けた振り子部材と回転軸とを有し、本体ケー
    スに振り子部材を回転軸にて引戸面と平行方向にのみ回
    動自在に組みつけて構成し、受けは板状で鉤部分挿入用
    角孔と係止面と当接面とを有していることを特長とする
    引戸の跳ね返り防止装置。
  2. 【請求項2】 前記回転軸を中心にして、上側に鉤部分
    が下側に突出部分が位置するように前記本体ケース内に
    振り子部材を組み込んで本体装置を構成し、振り子部材
    が自重により吊り下がっている基準位置で、突出部分は
    本体ケース正面から一定寸法だけ突出して保持され、さ
    らに振り子部材を基準位置から一定角度のみ回転可能な
    ように規制しておき、当接面と突出部分がさらには鉤部
    分挿入用孔と鉤部分が互いに面対する配置で本体装置と
    受けを戸先面と枠体内面に振り分けて装着したことを特
    徴とする請求項1に記載の引戸の跳ね返り防止装置。
  3. 【請求項3】 戸体を低速度で閉じた際には、突出部分
    が当接面に弱く押されて振り子部分材は僅かにのみ回転
    し、戸体を高速度で閉じた際には、当接面と突出部分が
    強く衝突して振り子部材を瞬時に大きく回転させ、振り
    子部材の鉤部分が受けの係合位置までに挿入すると同時
    に戸体が跳ね返り、受けの係止面と振り子部材の鉤部分
    が互いに引っ張り合う動作により戸体の跳ね返りを阻止
    することを特徴とする請求項1又は2に記載の引戸の跳
    ね返り防止装置。
  4. 【請求項4】 振り子部材の係合位置での回転軸を境と
    した両側の重量配分を、極僅かにのみ突出部分側が重く
    なるように設定し、戸体が閉鎖後停止し、跳ね返りの荷
    重が消滅した段階で振り子部材は自重により逆方向に回
    転し、基準位置に自然復帰することを特徴とする請求項
    1及至3いずれかに記載の引戸の跳ね返り防止装置。
  5. 【請求項5】 振り子部材にバランス部材を装着し、受
    けの当接面と振り子部材の突出部分との衝突による振り
    子部材の回転特性を任意に変更可能にしたことを特徴と
    する請求項1及至4いずれかに記載の引戸の跳ね返り防
    止装置。
  6. 【請求項6】 受けの当接面の位置を戸体の開閉方向に
    移動調整可能とし、振り子部材の突出部分と受けの当接
    面とが衝突する最初の位置と、戸先面と枠体内面が接面
    するまでの押し込み量を変化させられるように構成した
    ことを特長とする請求項1及至5いずれかに記載の引戸
    の跳ね返り防止装置。
  7. 【請求項7】 戸体と枠体からなる引戸の、閉鎖時の戸
    体の跳ね返りを防止する装置であって、本体装置と受け
    装置とからなり、本体装置は本体ケースと両側に係合部
    分と突出部分を設けた振り子部材と回転軸とを有し、本
    体ケースに振り子部材を回転軸にて引戸面と平行方向に
    のみ回動自在に組みつけて構成し、受け装置は当接部分
    を備えた受けケースと減速手段とを有していることを特
    長とする引戸の跳ね返り防止装置。
  8. 【請求項8】 前記回転軸を中心にして左右に係合部分
    と突出部分が位置するように本体ケース内に振り子部材
    を組み込んで本体装置を構成し、振り子部材が自重によ
    り吊り下がっている基準位置で、突出部分は本体ケース
    正面から一定寸法だけ突出して保持され、さらに振り子
    部材を基準位置から一定角度だけ回転可能なように規制
    しておき、戸体の開閉により当接部分と突出部分が当接
    する配置で、本体装置と受け装置を戸体の上部と上枠若
    しくは戸体の下部と下枠に振り分けて装着したことを特
    徴とする、請求項7に記載の引戸の跳ね返り防止装置。
  9. 【請求項9】 戸体を低速度で閉じた際には、突出部分
    が当接部分に弱く押されて振り子部分材は僅かにのみ回
    転し、戸体を高速度で閉じた際には、当接部分と突出部
    分が強く衝突して振り子部材を瞬時に大きく回転させ、
    振り子部材の係合部分が受け装置の減速手段と係合し
    て、戸体の速度を一定量減速させることを特徴とする、
    請求項7又は8に記載の引戸の跳ね返り防止装置。
  10. 【請求項10】 前記受けケースに傾斜面を設け、係合
    部分が減速手段を通過する最終段階で係合部分先端が傾
    斜面に沿って移動し、振り子部材が逆方向に回転して減
    速手段から離脱するように構成し、その後振り子部材は
    自重によりさらに回転して基準位置に自然復帰するよう
    に、振り子部材の回転軸を境とした両側の重量配分を設
    定したことを特徴とする、請求項7及至9いずれかに記
    載の引戸の跳ね返り防止装置。
  11. 【請求項11】 複数の振り子部材を直列に配置し、最
    初の振り子部材が減速手段と係合して戸体の速度を一定
    量減速する動作の最終段階で、受け装置の当接部分がさ
    らに次の振り子部材の突出部分と近接するように構成し
    たことを特徴とする、請求項7及至10いずれかに記載
    の引戸の跳ね返り防止装置。
  12. 【請求項12】 前記ケース部材内に一個の振り子部材
    を組み込み、減速手段を有した受け装置を一定間隔あけ
    た状態で直列に複数個設けたことを特徴とする、請求項
    7及至10いずれかに記載の引戸の跳ね返り防止装置。
  13. 【請求項13】 複数の振り子部材を並列に配置し、減
    速手段を受け装置内に複数個並列に配置し、各振り子部
    材の突出部分の突出寸法を段階的に変化させておき、戸
    体を閉じる速度により瞬時に大きく回転して減速手段と
    係合する振り子部材の個数が変わるように構成したこと
    を特徴とする、請求項7及至10いずれかに記載の引戸
    の跳ね返り防止装置。
  14. 【請求項14】 前記減速手段が、受け装置に弾性を有
    した面状の摩擦部材を設け、振り子部材の瞬時の回転に
    より係合部分が摩擦部材に圧迫された状態で接触し、摩
    擦力により減速動作を得る構成であることを特徴とす
    る、請求項7及至13いずれかに記載の引戸の跳ね返り
    防止装置。
  15. 【請求項15】 前記減速手段が、受け装置に巻ばねと
    ばねケースを設け、振り子部材の瞬時の回転により係合
    部分がばねケースに当接し、巻ばねを伸縮させる力によ
    り減速動作を得る構成であることを特徴とする、請求項
    7及至13いずれかに記載の引戸の跳ね返り防止装置。
  16. 【請求項16】 前記減速手段が、振り子部材の係合部
    分付近位置と受け装置に、直線状のラックと歯車の回転
    時に負荷のかかる抵抗部材とを振り分けて装着し、振り
    子部材の瞬時の回転によりラックと歯車が噛み合うこと
    により減速動作を得る構成であることを特徴とする、請
    求項7及至13いずれかに記載の引き戸の跳ね返り防止
    装置。
  17. 【請求項17】 前記減速手段が、受け装置に平坦な金
    属面を設け、振り子部材の係合部分付近に磁石を装着
    し、振り子部材の瞬時の回転により磁石が受け装置の金
    属面に吸着して磁力により減速動作を得る構成であるこ
    とを特徴とする請求項7及至13いずれかに記載の引戸
    の跳ね返り防止装置。
  18. 【請求項18】 引戸の戸先側に請求項1及至6いずれ
    かに記載の引戸の跳ね返り防止装置を、さらに引戸の上
    部又は下部に請求項7及至17いずれかに記載の引戸の
    跳ね返り防止装置を、どちらか一方か若しくは両方同時
    に装着したことを特徴とする引戸。
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