JP2003307014A - 出隅部施工方法及び出隅部施工構造 - Google Patents

出隅部施工方法及び出隅部施工構造

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JP2003307014A
JP2003307014A JP2002112411A JP2002112411A JP2003307014A JP 2003307014 A JP2003307014 A JP 2003307014A JP 2002112411 A JP2002112411 A JP 2002112411A JP 2002112411 A JP2002112411 A JP 2002112411A JP 2003307014 A JP2003307014 A JP 2003307014A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造容易,安価かつ外観意匠性に優れた出隅
柱を用いた出隅部施工方法及び出隅部施工構造を提供す
ること。 【解決手段】 出隅部に出隅柱1と外壁板5を配設して
なる出隅部施工構造4を構築する出隅部施工方法。出隅
柱1は出隅本体2と取付板3とを有する。出隅本体2は
出隅意匠面21と出隅背面22と出隅側端面とを有す
る。取付板3は固定板部と脚板部32とを有する。第1
工程にて,構造躯体41に外壁用土台水切65と出隅用
土台水切61を配設する。第2工程にて,構造躯体41
に防水紙46を貼設し下地材42を固定する。第3工程
にて,出隅柱1を下地材42に固定する。第4工程に
て,外壁板5を下地材42に固定する。第5工程にて,
出隅側端面と外壁板5との間に目地処理材43を打設す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,建築物の出隅部に出隅柱を配設
すると共に該出隅柱の左右に外壁板を配設してなる出隅
部施工構造を構築する出隅部施工方法,及び出隅部施工
構造に関する。
【0002】
【従来技術】従来より,図17に示すごとく,左右2枚
の板片91を,互いに略直角となるように接合してなる
出隅柱9を,建築物の出隅部に配設する出隅部施工方法
がある。上記出隅柱9は,例えば以下のごとく製造す
る。
【0003】まず,図13に示すごとく,窯業系外壁板
などの板材910を切断して,適当な大きさに板片91
を切り出す。次いで,図14に示すごとく,該板片91
の一方の側端部911を斜めに切り落し,表側面912
及び裏側面913に対して約45°の角度をなす切断面
914を形成する。また,表側面912の端部916に
ついても,欠け防止のため,面取りしておく。
【0004】次いで,図15,図16に示すごとく,2
枚の上記板片91の上記切断面914同士を突き合せ,
2枚の板片91の表側面912が略直角となるように接
合する。このとき,2枚の板片91の上記切断面914
の間には,接着剤92を介在させる。これにより,上記
2枚の板片91を接着する。また,上記2枚の板片91
の接合部93には,タッカー94を打ち込み,接合強度
を確保する。次いで,図17に示すごとく,上記接合部
93の外側角部931を面取り切断し,該外側角部93
1の欠けを防止すると共に外観意匠性を向上させる。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の出
隅柱9は,上述のごとく,接着剤92を用いて2枚の板
片91を接着する。そのため,接着剤92を乾燥させる
必要があり,製造に時間がかかる。また,2枚の板片9
1の突合せ角度(例えば略90°)を保持した状態で乾
燥させるための保持治具が必要である。
【0006】また,上記接着剤92が接合部93からは
み出すこともあり,出隅柱9の外観意匠性を低下させる
おそれがある。それ故,この場合には,はみ出した接着
剤92を削り取る必要がある。また,上述のごとく,上
記接合部93にタッカー94を打ったり,上記接合部9
3の外側角部931を面取り切断する必要もある。そし
て,面取り面を後から補修塗装する必要もある。
【0007】更には,上記板片91の表側面912に柄
模様が形成されている場合に,その柄模様が上記接合部
93の左右においてずれると,違和感を生じ,出隅柱9
の外観意匠性が低下するおそれがある。また,それ故,
左右の板片91を接合するにあたっては,左右の板片9
1の柄模様がずれないよう位置合わせを慎重に行う必要
がある。
【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,製造容易,安価かつ外観意匠性に優れた
出隅柱を用いた出隅部施工方法及び出隅部施工構造を提
供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】第1の発明は,建築物の出隅部に出
隅柱を配設すると共に該出隅柱の左右に外壁板を配設し
てなる出隅部施工構造を構築する出隅部施工方法におい
て,上記出隅柱は,一体的に形成された出隅本体と,該
出隅本体に固定された取付板とを有し,上記出隅本体
は,上記出隅部の外側に配される出隅意匠面と,該出隅
意匠面の反対側に形成された平面状の出隅背面と,該出
隅背面の左右端から斜め前方へ向って形成された出隅側
端面とを有しており,上記取付板は,上記出隅本体の上
記出隅背面に固定する平板状の固定板部と,該固定板部
の左右端からそれぞれ左右斜め後方に延設された脚板部
とを有しており,上記出隅部施工構造を構築するに当っ
ては,第1工程として,上記建築物の構造躯体における
土台部に外壁用土台水切を配設すると共に,上記土台部
における出隅部には出隅用土台水切を,上記外壁用土台
水切と連続して配設し,第2工程として,上記構造躯体
の前面に防水紙を貼設すると共に,該防水紙を介して,
胴縁等の下地材を上記構造躯体に固定し,第3工程とし
て,上記出隅柱を,上記取付板の上記脚板部において上
記下地材に固定し,第4工程として,上記出隅本体にお
ける上記出隅側端面に上記左右の外壁板の外壁側端面を
対向させた状態で,該外壁板を上記下地材に固定し,第
5工程として,上記出隅側端面と上記外壁板の外壁側端
面との間に,目地処理材を打設することを特徴とする出
隅部施工方法にある(請求項1)。
【0010】次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記出隅本体は一体的に形成され,接合部を有しないた
め,外観意匠性に優れた出隅部施工構造を構築すること
ができる。また,上記出隅部施工方法により得られる出
隅部施工構造は,上記出隅柱の出隅意匠面によって,出
隅部を面取りした外形に構成することができる。これに
より,出隅部施工構造の外観が緩やかな印象となり,外
観意匠性を向上させることができる。
【0011】また,上記出隅本体は,上述のごとく一体
的に形成されているため,上記出隅本体の製造にあたっ
ては,接合,接着の工程を必要としない。それ故,上記
出隅本体は製造が容易であり,その結果,出隅柱の製造
が容易となる。これにより,上記出隅部施工構造を安価
に得ることが可能となる。また,上記出隅柱は上記取付
板を有し,該取付板における脚板部において,下地材及
び構造躯体に上記出隅柱を固定することができる。その
ため,上記出隅柱を容易に施工することができる。
【0012】また,上記出隅部には上記出隅用土台水切
を用いるため,容易に,土台部の外観意匠性,防水性に
優れた出隅部施工構造を構築することができる。また,
上記出隅用土台水切を配設することにより,出隅部施工
構造の通気性を確保することができる。また,上記第5
工程において,上記目地処理材を打設することにより,
出隅柱と外壁板との間からの雨水の浸入を防ぎ,耐久性
に優れた出隅部施工構造を構築することができる。
【0013】以上のごとく,本発明によれば,製造容
易,安価かつ外観意匠性に優れた出隅柱を用いた出隅部
施工方法を提供することができる。
【0014】第2の発明は,建築物の出隅部に出隅柱を
配設してなる出隅部施工構造において,該出隅部施工構
造は,上記建築物の構造躯体に下地材を介して,上記出
隅柱及び該出隅柱の左右に配された外壁板とを留め付け
てなり,上記出隅柱は,一体的に形成された出隅本体
と,該出隅本体に固定された取付板とを有し,上記出隅
本体は,上記出隅部の外側に配される出隅意匠面と,該
出隅意匠面の反対側に形成された平面状の出隅背面と,
該出隅背面の左右端から斜め前方へ向って形成された出
隅側端面とを有しており,上記取付板は,上記出隅本体
の上記出隅背面に固定する平板状の固定板部と,該固定
板部の左右端からそれぞれ左右斜め後方に延設された脚
板部とを有し,上記構造躯体の前面には防水紙が貼設し
てあり,上記出隅柱は,上記取付板の上記脚板部におい
て上記下地材を介して上記構造躯体に固定されており,
上記出隅本体における上記出隅側端面は,上記左右の外
壁板の外壁側端面に対向していると共に,上記出隅側端
面と上記外壁板の外壁側端面との間には,目地処理材が
配設してあり,また,最下段の上記外壁板の下方であっ
て上記構造躯体における土台部には外壁用土台水切が配
設してあると共に,上記土台部における出隅部には,出
隅用土台水切が上記外壁用土台水切と連続して配設して
あり,上記出隅用土台水切は,互いに上記出隅部の角度
と略同等の角度をもって形成され,上記構造躯体に固定
する一対の背板部と,該一対の背板部の下方においてそ
れぞれ前方下方へ屈曲した水切板部とを有することを特
徴とする出隅部施工構造にある(請求項3)。
【0015】上記出隅本体は一体的に形成され,接合部
を有しないため,外観意匠性に優れている。また,上記
出隅部施工構造は,上記出隅柱の出隅意匠面によって,
出隅部を面取りした外形に構成することができる。これ
により,出隅部施工構造の外観が緩やかな印象となり,
外観意匠性を向上させることができる。
【0016】また,上記出隅本体は,上述のごとく一体
的に形成されているため,上記出隅本体の製造にあたっ
ては,接合,接着の工程を必要としない。それ故,上記
出隅本体は製造が容易であり,その結果,出隅柱の製造
が容易となる。これにより,上記出隅部施工構造を安価
に得ることが可能となる。また,上記出隅柱は上記取付
板を有し,該取付板における脚板部において,下地材及
び構造躯体に上記出隅柱を固定することができる。その
ため,上記出隅柱を容易に施工することができる。
【0017】また,上記出隅部には上記出隅用土台水切
を用いるため,容易に,土台部の外観意匠性,防水性に
優れた出隅部施工構造を構築することができる。また,
上記出隅用土台水切を配設することにより,出隅部施工
構造の通気性を確保することができる。また,出隅柱と
外壁板との間には上記目地処理材を打設してあるため,
出隅柱と外壁板との間からの雨水の浸入を防ぎ,耐久性
に優れた出隅部施工構造を構築することができる。
【0018】以上のごとく,本発明によれば,製造容
易,安価かつ外観意匠性に優れた出隅柱を用いた出隅部
施工方法を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】上記第1の発明(請求項1)にお
いて,上記取付板は,例えば厚み0.3〜1.0mmの
金属板を折り曲げ加工してなる。また,該金属板の材質
としては,例えば,メッキ鋼板,ステンレス鋼板等を用
いることができる。また,上記取付板は,アルミや樹脂
等の押出成形等によって形成することもできる。
【0020】また,「一体的に形成」とは,複数の部材
を接合して形成することなく,例えば,一体成形により
形成したり,一体成形体等を切断,切削加工して形成し
たりすることをいう。以下においても同様である。な
お,本明細書においては,上記出隅柱を施工した状態に
おいて,上,下,左,右となる向きを,それぞれ,上,
下,左,右として表す。また,左右一対の上記脚板部が
互いになす角度は,直角に限らず鋭角や鈍角にすること
もでき,例えば60〜120°とすることができる。
【0021】また,上記出隅用土台水切は,上記出隅柱
の出隅意匠面を伝ってきた雨水を前方へ排出することが
できるよう構成されている。同様に,上記外壁用土台水
切は,上記外壁板の外壁意匠面を伝ってきた雨水を前方
へ排出することができるよう構成されている。
【0022】また,上記第3工程を行う際に,上記建築
物の軒天部に出隅用見切縁を配設し,該出隅用見切縁の
上端収容部に上記出隅柱の上端部を収容し,上記第4工
程を行うに当っては,上記軒天部に上記出隅用見切縁と
連続して外壁用見切縁を配設し,該外壁用見切縁の上辺
収容部に,最上段の外壁板の上辺部を収容することが好
ましい(請求項2)。
【0023】上記出隅用見切縁を用いることにより,容
易に,軒天部における外観意匠性を向上させると共に,
出隅部施工構造の通気性を向上させることができる。ま
た,上記出隅用見切縁の上端収容部に上記出隅柱の上端
部を収容させることにより,上記出隅柱の長さに多少の
誤差があっても,外観に影響を与えることがないため,
外観意匠性に優れた出隅部施工構造を容易に構築するこ
とができる。
【0024】また,上記出隅柱の下端部は,上記出隅用
土台水切の水切板部よりも,10〜15mm上方に配置
していることが好ましい(請求項4)。この場合には,
通気性,外観意匠性に一層優れた出隅部施工構造を得る
ことができる。上記出隅柱の下端部と水切板部との間の
間隔が10mm未満の場合には,上記出隅柱の後方へ外
気を充分に導入することが困難となるおそれがある。加
えて,上記出隅柱の下端部と出隅用土台水切との間に雨
水が滞留するおそれがある。一方,上記間隔が15mm
を超える場合には,土台部の外観意匠性が低下するおそ
れがある。
【0025】また,上記出隅部施工構造は,上記出隅柱
の上端部を収容する上端収容部を有する出隅用見切縁
を,軒天部に配設してなり,上記出隅用見切縁には,上
記出隅柱の後方における通気層への外気の導入・排出を
行うための通気孔が形成してあり,かつ,上記出隅用見
切縁の左右には,最上段の上記外壁板の上辺部を収容す
る上辺収容部を有する外壁用見切縁が配設してあること
が好ましい(請求項5)。
【0026】上記出隅用見切縁を用いることにより,容
易に,軒天部における外観意匠性を向上させると共に,
出隅部施工構造の通気性を向上させることができる。ま
た,上記出隅用見切縁の上端収容部に上記出隅柱の上端
部を収容させることにより,上記出隅柱の長さに多少の
誤差があっても,外観に影響を与えることがないため,
外観意匠性に優れた出隅部施工構造を容易に構築するこ
とができる。
【0027】
【実施例】本発明の実施例にかかる出隅部施工方法及び
出隅部施工構造につき,図1〜図12を用いて説明す
る。本例の出隅部施工方法は,図1,図2に示すごと
く,建築物の出隅部に出隅柱1を配設すると共に該出隅
柱1の左右に外壁板5を配設してなる出隅部施工構造4
を構築する方法である。
【0028】上記出隅柱1は,図2,図3に示すごと
く,一体的に形成された出隅本体2と,該出隅本体2に
固定された取付板3とを有する。上記出隅本体2は,上
記出隅部の外側に配される出隅意匠面21と,該出隅意
匠面21の反対側に形成された平面状の出隅背面22
と,該出隅背面22の左右端から斜め前方へ向って形成
された出隅側端面23とを有している。上記取付板3
は,上記出隅本体2の上記出隅背面22に固定する平板
状の固定板部31と,該固定板部31の左右端からそれ
ぞれ左右斜め後方に延設された脚板部32とを有してい
る。
【0029】上記出隅部施工構造4を構築するに当って
は,以下の第1工程〜第5工程を行う。第1工程におい
ては,図4に示すごとく,上記建築物の構造躯体41に
おける土台部に外壁用土台水切65を配設する。そし
て,図5に示すごとく,上記土台部(土台柱)における
出隅部には出隅用土台水切61を,上記外壁用土台水切
65と連続して配設する。
【0030】第2工程においては,図6に示すごとく,
上記構造躯体41の前面に防水紙46を貼設すると共
に,該防水紙46を介して,胴縁等の下地材42を上記
構造躯体41(柱)に固定する。第3工程においては,
図1,図2に示すごとく,上記出隅柱1を,上記取付板
3の上記脚板部32において上記下地材42に釘打ち固
定する。
【0031】第4工程においては,上記出隅本体2にお
ける上記出隅側端面23に上記左右の外壁板5の外壁側
端面53を対向させた状態で,該外壁板5を上記下地材
42に釘打ち固定する。第5工程においては,上記出隅
側端面23と上記外壁板5の外壁側端面53との間に,
目地処理材43を打設する。
【0032】また,上記第3工程を行う際に,図7〜図
10に示すごとく,上記建築物の軒天部に出隅用見切縁
71を配設し,該出隅用見切縁71の中央部の上端収容
部711に上記出隅柱1の上端部17を収容する。ま
た,上記第4工程を行うに当っては,図8,図9に示す
ごとく,上記出隅用見切縁71の左右に外壁用見切縁7
5を配設し,上記出隅用見切縁71の左右の上辺収容部
717,718と,上記外壁用見切縁75の上辺収容部
751に,最上段の外壁板5の上辺部57を収容する。
【0033】また,図2,図3に示すごとく,上記出隅
本体2の上記出隅意匠面21は,上記出隅背面22と略
平行に形成された平面状の平坦部211を有している。
更に,上記出隅意匠面21は,上記平坦部211の左右
において斜め後方に後退した傾斜部212を有する。
【0034】上記出隅柱1における出隅本体2は窯業系
材料からなり,上記外壁板5と同質の材料からなる。ま
た,上記出隅側端面23及び出隅意匠面21の傾斜部2
12は,上記出隅背面22及び上記平坦面211に対し
て略135度の角度に形成されている。
【0035】また,上記取付板3は,メッキ鋼板等から
なる,厚み約0.35mmの金属板を折り曲げ加工して
なる。また,左右の上記脚板部32のなす角度は,略9
0度である。また,上記出隅柱1は上下方向に長尺であ
り,上下方向の長さが,例えば3000mmである。
【0036】また,図2,図3に示すごとく,上記取付
板3は,上記固定板部31と上記脚板部32との間に,
前方へ突出した縦目地用突出部33を設けてなる。該縦
目地突出部33は,断面略コ字状に形成されており,一
方の側面332は上記出隅本体2の側端面23に対面
し,他方の側面333は外壁板5の外壁側端面53に対
面する。
【0037】上記出隅柱1を製造するにあたっては,長
尺平板状の出隅基材を切削加工することにより出隅本体
2を製造する。即ち,上記出隅基材の表側面における左
右の角部を上下にわたり切削することにより上記傾斜部
212を形成し,裏側面における左右の角部を上下にわ
たり切削することにより上記出隅側端面23を形成す
る。そして,必要に応じて,該出隅本体2に塗装を施
す。
【0038】次いで,図3に示すごとく,該出隅本体2
を上記取付板3に接着固定する。接着に当っては,上記
取付板3の固定板部31と上記出隅本体2の出隅背面2
2との間に,変性シリコーン系,エポキシ系,ウレタン
系等の接着剤11を介在させて,両者を押圧して養生す
る。
【0039】上記出隅部施工方法の上記第3工程におい
て,上記出隅柱1を上記下地材42へ固定する手段とし
ては釘44を用いる(図1,図2)。また,上記第4工
程において,上記外壁板5を上記下地材42に固定する
手段としても釘45を用いる。
【0040】次に,上記出隅部施工方法により得られる
出隅部施工構造4につき説明する。該出隅部施工構造4
は,図1,図2に示すごとく,上記建築物の構造躯体4
1に下地材42を介して,上記出隅柱1及び該出隅柱1
の左右に配された外壁板5とを留め付けてなる。
【0041】上記構造躯体41の前面には防水紙46が
貼設してある。上記出隅柱1は,上記取付板3の上記脚
板部32において上記下地材42及び構造躯体41に固
定されている。図2に示すごとく,上記出隅本体2にお
ける上記出隅側端面23は,上記左右の外壁板5の外壁
側端面53に対向していると共に,上記出隅側端面23
と上記外壁板5の外壁側端面53との間には,目地処理
材43が配設してある。
【0042】図2に示すごとく,上記取付板3における
縦目地用突出部33は,上記出隅本体2の出隅側端面2
3と上記外壁板5の外壁側端面53との間に配置されて
おり,ハットジョイナーの機能を発揮する。そして,上
記出隅側端面23と上記外壁側端面53との間には,約
10mmの間隔が形成されている。また,上記出隅意匠
面21の傾斜部212と上記外壁意匠面51とは,略同
一平面上に配置されるように施工してある。
【0043】また,上記出隅柱1の出隅本体2は,上記
外壁板5と同質の材料からなる。また,上記目地処理材
43としては,シーリング材を用いている。なお,上記
取付板3の縦目地用突出部33の前面331には,3面
接着防止のためのボンドブレーカーが貼設してある(図
示略)。これにより,上記目地処理材43(シーリング
材)が上記取付板3に固着しないようにして,上記出隅
側端面23と上記外壁側端面53と上記縦目地用突出部
33との3面に拘束されないようにしてある。
【0044】また,図1に示すごとく,最下段の上記外
壁板5の下方であって上記構造躯体41における土台部
には外壁用土台水切65が配設してある。そして,上記
土台部における出隅部には,出隅用土台水切61が上記
外壁用土台水切65とその一部を重ねて連続して配設し
てある。
【0045】上記出隅用土台水切61は,図11に示す
ごとく,互いに上記出隅部の角度と略同等の角度(本例
においては略直角)をもって形成され,上記構造躯体4
1に固定する一対の背板部611と,該一対の背板部6
11の下方においてそれぞれ前方下方へ屈曲した水切板
部612とを有する。
【0046】このように構成することにより,上記出隅
用土台水切61は,上記出隅柱1の出隅意匠面21を伝
ってきた雨水を前方へ排出することができる。同様に,
上記外壁用土台水切65は,上記外壁板5の外壁意匠面
51を伝ってきた雨水を前方へ排出することができる。
【0047】上記背板部611と上記水切板部612と
の間には,前方へ突出した段部613が形成されてい
る。図12に示すごとく,上記下地材42は,その下端
部428を上記段部613に載置した状態で構造躯体4
1に釘打ち固定されている。
【0048】また,上記水切板部612は,その前端か
ら略鉛直下方へ屈曲した前板部614と,該前板部61
4の後方であって上記水切板部612の下方には,カバ
ー板部615が設けてある。該カバー板部615は,上
記前板部614と土台411との間における隙間からの
鼠等の小動物の侵入を防ぐ,いわゆる防鼠機能を有す
る。
【0049】具体的には,上記出隅用土台水切61のカ
バー板部615の後端は,上記土台411の前面311
に当接される。また,上記カバー板部615には,鼠等
の小動物が通過できない程度の大きさの通気穴616が
複数設けてあり,該通気穴616を通じて外気を取り入
れることにより,建物土台部の通気が図られるようにな
っている。
【0050】また,図4に示すごとく,外壁板5の下方
に配設される外壁用土台水切65も,平板状の背板部6
51と,水切板部652と,段部653と,前板部65
4と,カバー板部655と,通気穴656とを有する。
これら外壁用土台水切65の各部は,上記出隅用土台水
切61の対応各部の延長上に配置され,上記出隅用土台
水切61と同様の機能を有する。
【0051】また,図12に示すごとく,上記出隅柱1
の下端部18は,上記出隅用土台水切の水切板部612
よりも,約10mm(符号D)上方に配置している。こ
の寸法は,上記出隅意匠面21を含む平面において測定
した値である。また,上記出隅部施工構造4は,図8〜
図10に示すごとく,上記出隅柱1の上端部13を収容
する上端収容部711を有する出隅用見切縁71を,軒
天部に配設してなる。上記出隅用見切縁71には,上記
出隅柱1の後方における通気層19への外気の導入・排
出を行うための換気孔712が形成してある。また,図
8,図9に示すごとく,上記出隅用見切縁71の左右に
は,最上段の上記外壁板5の上辺部57を収容する上辺
収容部751を有する外壁用見切縁75が配設してあ
る。
【0052】上記出隅用見切縁71は,図9に示すごと
く,互いになす角が略直角となるように配された左右の
上辺収容部717,718と,中央部に形成された上記
上端収容部711とを有する。該上端収容部711に
は,上記出隅本体2の上端部17が収容され,上記上辺
収容部717,718には,上記出隅柱1の取付板3の
上端部及び上記外壁板5の上辺部57の一部が収容され
る。
【0053】また,図10(図9のA−A線矢視断面
図)に示すごとく,上記出隅用見切縁71は,上記上端
収容部711及び上辺収容部717,718の上方にお
いて,上記軒天材48に当接する当接板部715を有す
る。また,上記上端収容部711及び上辺収容部71
7,718の前面下端部には,通気孔712が形成して
ある。上記外壁用見切縁75は,上記出隅用見切縁71
の左右の上辺収容部717,718の延長上に配される
よう長尺状に形成されている。
【0054】次に,本例の作用効果につき説明する。上
記出隅本体2は一体的に形成され,接合部を有しないた
め,外観意匠性に優れた出隅部施工構造4を構築するこ
とができる。また,図1,図2に示すごとく,上記出隅
部施工構造4は,上記出隅柱1の出隅意匠面21によっ
て,出隅部を面取りした外形に構成することができる。
これにより,出隅部施工構造4の外観が緩やかな印象と
なり,外観意匠性を向上させることができる。
【0055】また,上記出隅本体2は,上述のごとく一
体的に形成されているため,上記出隅本体2の製造にあ
たっては,接合,接着の工程を必要としない。それ故,
上記出隅本体2は製造が容易であり,その結果,出隅柱
1の製造が容易となる。これにより,上記出隅部施工構
造4を安価に得ることが可能となる。また,上記出隅柱
1は上記取付板3を有し,該取付板3における脚板部3
2において,下地材42及び構造躯体41に上記出隅柱
1を釘打ち固定することができる。そのため,上記出隅
柱1を容易に施工することができる。
【0056】また,上記出隅部1には上記出隅用土台水
切61を用いるため(図1),容易に,土台部の外観意
匠性,防水性に優れた出隅部施工構造4を構築すること
ができる。また,上記出隅用土台水切61を配設するこ
とにより,出隅部施工構造4の通気性を確保することが
できる。また,上記第5工程において,上記目地処理材
43を打設することにより,出隅柱1と外壁板5との間
からの雨水の浸入を防ぎ,耐久性に優れた出隅部施工構
造4を構築することができる。
【0057】また,上記のごとく出隅用見切縁71を用
いることにより(図8),容易に,軒天部における外観
意匠性を向上させると共に,出隅部施工構造4の通気性
を向上させることができる。また,上記出隅用見切縁7
1の上端収容部711に上記出隅柱1の上端部17を収
容させることにより,上記出隅柱1の長さに多少の誤差
があっても,外観に影響を与えることがない。そのた
め,外観意匠性に優れた出隅部施工構造4を容易に構築
することができる。
【0058】また,図12に示すごとく,上記出隅柱1
の下端部18は,上記出隅用土台水切71の水切板部7
12よりも,約10mm上方に配置している。そのた
め,通気性,外観意匠性に一層優れた出隅部施工構造を
得ることができる。即ち,上記出隅柱1の下端部18と
水切板部712との間の間隔Dが充分確保されているた
め,上記出隅柱1の後方へ外気を充分に導入することが
できる。また,上記間隔Dが大きすぎないため,土台部
の外観意匠性を確保することができる。
【0059】以上のごとく,本例によれば,製造容易,
安価かつ外観意匠性に優れた出隅柱を用いた出隅部施工
方法及び出隅部施工構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における,出隅部施工構造の斜視図。
【図2】実施例における,出隅部施工構造の水平断面
図。
【図3】実施例における,出隅柱の斜視図。
【図4】実施例における,出隅部施工方法の第1工程の
説明図。
【図5】実施例における,図4に続く出隅部施工方法の
第1工程の説明図。
【図6】実施例における,出隅部施工方法の第2工程の
説明図。
【図7】実施例における,軒天部の出隅部施工方法の説
明図。
【図8】実施例における,軒天部の出隅部施工構造の説
明図。
【図9】実施例における,出隅用見切縁及び出隅部施工
構造の水平断面図。
【図10】図9のA−A線矢視断面図。
【図11】実施例における,出隅用土台水切の斜視図。
【図12】実施例における,出隅部施工構造の土台部に
おける縦断面図。
【図13】従来例における,板材及び板片の平面図。
【図14】従来例における,切断面を形成した一対の板
片の断面図。
【図15】従来例における,切断面同士を対向させて配
置した一対の板片の断面図。
【図16】従来例における,一対の板片を接合した状態
を表す断面図。
【図17】従来例における,出隅柱の断面図。
【符号の説明】
1...出隅柱, 2...出隅本体, 21...出隅意匠面, 22...出隅背面, 23...出隅側端面, 3...取付板, 31...固定板部, 32...脚板部, 4...出隅部施工構造, 41...構造躯体, 42...下地材, 43...目地処理材, 46...防水紙, 5...外壁板, 61...出隅用土台水切, 71...出隅用見切縁,
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Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の出隅部に出隅柱を配設すると共
    に該出隅柱の左右に外壁板を配設してなる出隅部施工構
    造を構築する出隅部施工方法において,上記出隅柱は,
    一体的に形成された出隅本体と,該出隅本体に固定され
    た取付板とを有し,上記出隅本体は,上記出隅部の外側
    に配される出隅意匠面と,該出隅意匠面の反対側に形成
    された平面状の出隅背面と,該出隅背面の左右端から斜
    め前方へ向って形成された出隅側端面とを有しており,
    上記取付板は,上記出隅本体の上記出隅背面に固定する
    平板状の固定板部と,該固定板部の左右端からそれぞれ
    左右斜め後方に延設された脚板部とを有しており,上記
    出隅部施工構造を構築するに当っては,第1工程とし
    て,上記建築物の構造躯体における土台部に外壁用土台
    水切を配設すると共に,上記土台部における出隅部には
    出隅用土台水切を,上記外壁用土台水切と連続して配設
    し,第2工程として,上記構造躯体の前面に防水紙を貼
    設すると共に,該防水紙を介して,胴縁等の下地材を上
    記構造躯体に固定し,第3工程として,上記出隅柱を,
    上記取付板の上記脚板部において上記下地材に固定し,
    第4工程として,上記出隅本体における上記出隅側端面
    に上記左右の外壁板の外壁側端面を対向させた状態で,
    該外壁板を上記下地材に固定し,第5工程として,上記
    出隅側端面と上記外壁板の外壁側端面との間に,目地処
    理材を打設することを特徴とする出隅部施工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記第3工程を行う
    際に,上記建築物の軒天部に出隅用見切縁を配設し,該
    出隅用見切縁の上端収容部に上記出隅柱の上端部を収容
    し,上記第4工程を行うに当っては,上記軒天部に上記
    出隅用見切縁と連続して外壁用見切縁を配設し,該外壁
    用見切縁の上辺収容部に,最上段の外壁板の上辺部を収
    容することを特徴とする出隅部施工方法。
  3. 【請求項3】 建築物の出隅部に出隅柱を配設してなる
    出隅部施工構造において,該出隅部施工構造は,上記建
    築物の構造躯体に下地材を介して,上記出隅柱及び該出
    隅柱の左右に配された外壁板とを留め付けてなり,上記
    出隅柱は,一体的に形成された出隅本体と,該出隅本体
    に固定された取付板とを有し,上記出隅本体は,上記出
    隅部の外側に配される出隅意匠面と,該出隅意匠面の反
    対側に形成された平面状の出隅背面と,該出隅背面の左
    右端から斜め前方へ向って形成された出隅側端面とを有
    しており,上記取付板は,上記出隅本体の上記出隅背面
    に固定する平板状の固定板部と,該固定板部の左右端か
    らそれぞれ左右斜め後方に延設された脚板部とを有し,
    上記構造躯体の前面には防水紙が貼設してあり,上記出
    隅柱は,上記取付板の上記脚板部において上記下地材を
    介して上記構造躯体に固定されており,上記出隅本体に
    おける上記出隅側端面は,上記左右の外壁板の外壁側端
    面に対向していると共に,上記出隅側端面と上記外壁板
    の外壁側端面との間には,目地処理材が配設してあり,
    また,最下段の上記外壁板の下方であって上記構造躯体
    における土台部には外壁用土台水切が配設してあると共
    に,上記土台部における出隅部には,出隅用土台水切が
    上記外壁用土台水切と連続して配設してあり,上記出隅
    用土台水切は,互いに上記出隅部の角度と略同等の角度
    をもって形成され,上記構造躯体に固定する一対の背板
    部と,該一対の背板部の下方においてそれぞれ前方下方
    へ屈曲した水切板部とを有することを特徴とする出隅部
    施工構造。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記出隅柱の下端部
    は,上記出隅用土台水切の水切板部よりも,10〜15
    mm上方に配置していることを特徴とする出隅部施工構
    造。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4において,上記出隅部施
    工構造は,上記出隅柱の上端部を収容する上端収容部を
    有する出隅用見切縁を,軒天部に配設してなり,上記出
    隅用見切縁には,上記出隅柱の後方における通気層への
    外気の導入・排出を行うための通気孔が形成してあり,
    かつ,上記出隅用見切縁の左右には,最上段の上記外壁
    板の上辺部を収容する上辺収容部を有する外壁用見切縁
    が配設してあることを特徴とする出隅部施工構造。
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