JP2003306698A - 殺菌洗浄剤組成物 - Google Patents

殺菌洗浄剤組成物

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JP2003306698A JP2003038899A JP2003038899A JP2003306698A JP 2003306698 A JP2003306698 A JP 2003306698A JP 2003038899 A JP2003038899 A JP 2003038899A JP 2003038899 A JP2003038899 A JP 2003038899A JP 2003306698 A JP2003306698 A JP 2003306698A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4級アンモニウム塩型殺菌剤と界面活性剤を
含む殺菌洗浄剤組成物において、4級アンモニウム塩の
殺菌力が低下しない殺菌洗浄剤組成物を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表される4級アンモニウ
ム塩(A)と、アニオン界面活性剤(B)、両性界面活
性剤(C)および非イオン界面活性剤(D)からなる群
から選ばれる1種以上からなることを特徴とする殺菌洗
浄剤組成物。 【化3】 式中、R1およびR2はそれぞれ同一のまたは異なる、炭
素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素
基、R3は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪
族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリールアルキ
ル基もしくはアリールアルケニル基、R4は炭素数が8
〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、X-は超
強酸のアニオンを表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は殺菌洗浄剤組成物に
関する。さらに詳しくは、4級アンモニウム塩とアニオ
ン界面活性剤、両性界面活性剤および/または非イオン
界面活性剤を併用しても、殺菌性と洗浄性が低下するこ
とがなく、皮膚刺激性および金属腐食性がともに少ない
殺菌洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、4級アンモニウム塩殺菌剤は殺菌
スペクトルが広く即効的な効力を有することから食品工
場、病院などの環境殺菌剤として広く使用されている。
更に、殺菌性と洗浄性を併せ持った薬剤として4級アン
モニウム塩と、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤お
よび/または非イオン界面活性剤を組み合わせた殺菌洗
浄剤組成物(特許文献−1および特許文献−2)もよく
知られている。
【0003】
【特許文献−1】特開平5−221805号公報
【特許文献−2】特開平7−53995号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、洗浄剤
としてアニオン界面活性剤や両性界面活性剤を4級アン
モニウム塩殺菌剤と併用した場合は、4級アンモニウム
塩殺菌剤と該界面活性剤が錯体を形成するため4級アン
モニウム塩殺菌剤の殺菌効力が大幅に低下してしまう問
題があった。また、4級アンモニウム塩と錯体を形成し
にくい非イオン界面活性剤を洗浄剤として用いる場合で
あっても、洗浄効果の高いポリオキシエチレンアルキル
フェノールやポリオキシエチレンアルキルエーテルなど
の非イオン界面活性剤では、4級アンモニウム塩の疎水
基と非イオン界面活性剤の疎水基の親和性が強すぎるた
め4級アンモニウム塩が菌体と接触しにくくなり、4級
アンモニウム塩殺菌剤の効力がやはり低下してしまうと
いう問題があった。更に、4級アンモニウム塩を含む殺
菌洗浄剤は皮膚刺激性と金属腐食性がともに強いという
問題もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、一般式(1)で表される4級アンモ
ニウム塩(A)と、アニオン界面活性剤(B)、両性界
面活性剤(C)および非イオン界面活性剤(D)からな
る群から選ばれる1種以上からなることを特徴とする殺
菌洗浄剤組成物である。
【0006】
【化2】
【0007】式中、R1およびR2はそれぞれ同一のまた
は異なる、炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪
族炭化水素基、R3は炭素数が1〜22の直鎖もしくは
分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリ
ールアルキル基もしくはアリールアルケニル基、R4
炭素数が8〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素
基、X-は超強酸のアニオンを表す。
【0008】
【発明の実施の形態】一般式(1)におけるR1および
2は炭素数1〜22(好ましくは1〜14)の直鎖ま
たは分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル
基など)を表す。直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ド
デシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基、ヤシ油由来のアルコールから水酸基を除いたア
ルキル基(以下、ヤシ油アルキル基と略記する。)、オ
レイル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、
イソプロピル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ
る。これらのうち、好ましいのは炭素数1〜14、さら
に炭素数1〜8、特に炭素数1または2、最も好ましく
はメチル基である。また、R1とR2 は同一であっても
異なっていてもよいが、同一であるのが好ましい。
【0009】R3は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分
岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリー
ルアルキルもしくはアリールアルケニル基を表す。直鎖
もしくは分岐の脂肪族炭化水素基としては、前記例示し
たものが挙げられ、アリールアルキル基としてはベンジ
ル基、フェネチル基など、アリールアルケニル基として
はスチリル基、シンナミル基などが挙げられる。R3
うち好ましくは炭素数が1〜18の直鎖もしくは分岐の
脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜15のアリールア
ルキルもしくはアリールアルケニル基、さらに好ましく
は炭素数が6〜14の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水
素基である。
【0010】R4は炭素数8〜22の直鎖また分岐の脂
肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基など)を表
す。直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキ
サデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基、オレ
イル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基として
は、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。R4のう
ち好ましくは炭素数8〜18の直鎖また分岐の脂肪族炭
化水素基、さらに好ましくは炭素数10〜16の直鎖ま
た分岐の脂肪族炭化水素基である。
【0011】一般式(1)で示される第4級アンモニウ
ム塩を構成する第4級アンモニウム基の具体例として
は、R3が脂肪族炭化水素基の場合は、たとえば、1つ
の長鎖アルキル基を有するもの(トリメチルドデシルア
ンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、ト
リメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタ
デシルアンモニウム、トリメチルヤシ油アルキルアンモ
ニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルアンモニウ
ム、ジメチルエチルドデシルアンモニウム、ジメチルエ
チルテトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルヘキサ
デシルアンモニウム、ジメチルエチルオクタデシルアン
モニウム、ジメチルエチルヤシ油アルキルアンモニウ
ム、ジメチルエチル−2−エチルヘキシルアンモニウ
ム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、メチルジエ
チルテトラデシルアンモニウム、メチルジエチルヘキサ
デシルアンモニウム、メチルジエチルオクタデシルアン
モニウム、メチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウム
およびメチルジエチル−2−エチルヘキシルアンモニウ
ム、)、1つの長鎖アルケニル基を有するもの(トリメ
チルオレイルアンモニウム、ジメチルエチルオレイルア
ンモニウムおよびメチルジエチルオレイルアンモニウ
ム)、2つの長鎖アルキル基を有するもの(ジメチルジ
ヘキシルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウ
ム、ジメチルジデシルアンモニウムおよびジメチルジド
デシルアンモニウム)が挙げられる。また、R3 がアリ
ールアルキル基の場合は、たとえば、ジメチルデシルベ
ンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモ
ニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、
ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウム、ジメチル
ヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイ
ルベンジルアンモニウムおよびジメチル−2−エチルヘ
キシルベンジルアンモニウムが挙げられる。このうち殺
菌性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモ
ニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチ
ルドデシルベンジルアンモニウム、およびジメチルテト
ラデシルベンジルアンモニウムである。
【0012】一般式(1)においてX-で表されるアニ
オンを構成する超強酸は、100%硫酸より強い酸強度
を有する酸(「超強酸・超強塩基」田部浩三、野依良治
著、講談社サイエンティフィック刊、p1参照)であ
り、Hammettの酸度関数(H0)が100%硫酸
の−11.93以下のものであり、プロトン酸、および
プロトン酸/ルイス酸の組み合わせからなる酸が挙げら
れる。プロトン酸の具体例としては、トリフルオロメタ
ンスルホン酸(H0=−14.10)、ペンタフルオロ
エタンスルホン酸(H0=−14.00)などが挙げら
れる。プロトン酸/ルイス酸の組み合わせに用いられる
プロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩
化水素、臭化水素、ヨウ化水素など)が挙げられ、ルイ
ス酸としては三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化ア
ンチモン、五フッ化砒素、五フッ化タウリンなどが挙げ
られる。プロトン酸/ルイス酸の組み合わせは任意であ
るが、組み合わせて得られる超強酸の具体例としては、
四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、
六フッ化アンチモン酸、六フッ化砒酸、六フッ化タウリ
ンなどが挙げられる。上記の超強酸のうち、殺菌性およ
び皮膚刺激性の観点から、好ましいのはトリフルオロメ
タンスルホン酸、四フッ化硼素酸および六フッ化リン酸
である。
【0013】(A)としては、上記第4級アンモニウム
基と上記超強酸で構成されるアニオンX-との任意の組
み合わせのものが挙げられる。(A)のうち、殺菌性と
皮膚刺激性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシル
アンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、
ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチル
テトラデシルベンジルアンモニウムなどの第4級アンモ
ニウム基とトリフルオロメタンスルホン酸、四フッ化硼
素酸および六フッ化リン酸などのHammett酸度関
数(H0)が−12.00以下の超強酸との組み合わせ
である。
【0014】本発明における(A)の重量に基づく遊離
ハロゲン含量(測定法:イオンクロマトグラフィー)
は、皮膚刺激性の観点から、好ましくは100ppm以
下、さらに好ましくは0〜50ppm、とくに好ましく
は0〜10ppmである。
【0015】(A)の製造方法としては限定はなく公知
の方法でよいが、遊離ハロゲン含量の観点から好ましい
のは下記の[I]および[II]の方法、操作上の観点
からさらに好ましいのは[II]である。
【0016】[I] 第4級アンモニウム塩〔例えば、
一般式(1)における第4級アンモニウム基とハロゲン
アニオンからなる塩〕の水溶液(20〜70重量%)に
前記超強酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩またはカリ
ウム塩など)を加え(第4級アンモニウム塩/超強酸塩
の当量比は通常1/1〜1/1.5、好ましくは1/
1.05〜1/1.3)、室温で約2時間撹拌混合して
得られる水溶液(イ)を下記(i)および(ii)の工
程で精製する。 (i):(イ)に金属銀、酸化銀、炭酸銀および有機酸
〔総炭素数1〜10のカルボン酸(モノ−およびポリカ
ルボン酸)など〕銀から選ばれる1種以上の化合物
(ロ)を、上記第4級アンモニウム塩〔一般式(1)に
おけるアンモニウム基とハロゲンアニオンからなる塩〕
に対し1.1〜1.5当量となる量加えて混合する。析
出する塩(ハロゲン化銀)と下層(水層)を分液除去
し、さらに上層中の水分を減圧留去した後、析出する塩
(アルカリ金属塩および遊離ハロゲン)を熱時濾過で除
去する工程。 (ii):(i)で得られた液にハロゲン化水素水溶液
(ハ)を加え、70〜80℃で約1時間撹拌混合後、静
置して分液した下層(水層)を除去し、上層中の水分を
減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る、過
剰の銀を除去する工程。
【0017】[II] 第3級アミンと同当量以上(好
ましくは1.1〜5.0当量)の炭酸ジアルキルエステ
ル(アルキル基の炭素数1〜5)を溶媒(例えば、メタ
ノール)の存在下(第3級アミンの重量に基づいて10
〜1,000%)または非存在下、反応温度80〜20
0℃、好ましくは100〜150℃で反応させて第4級
アンモニウム塩を形成し、さらに前記超強酸を添加(第
4級アンモニウムの当量に基づいて1.0〜1.2当
量)し、10〜60℃で1〜3時間撹拌して塩交換す
る。静置して分液した下層(水層)を除去し、上層中の
溶媒を50〜120℃で減圧留去して、目的の第4級ア
ンモニウム塩を得る。
【0018】本発明における(A)は、常温で、通常、
固状(ブロック状、ワックス状もしくは粉末状)または
液状(粘ちょう液状もしくはペースト状)であり、いず
れの形態でもよい。固状の場合の融点は通常25〜90
℃である。
【0019】本発明におけるアニオン界面活性剤(B)
としては、以下のものが挙げられる。 (1)カルボン酸またはその塩;炭素数8〜22の飽和も
しくは不飽和脂肪酸またはその塩、並びにカルボキシメ
チル化物もしくはその塩[炭素数8〜16の脂肪族アル
コールおよび/またはそのEO(1〜10モル)付加物
などのカルボキシメチル化物の塩(例えば、ドデカン−
1,2−ジオールカルボキシメチルエーテルナトリウ
ム)など](2)硫酸エステル塩;高級アルコール硫酸エ
ステル塩(炭素数8〜18の脂肪酸アルコールの硫酸エ
ステル塩など)、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩
[炭素数8〜18の脂肪族アルコールのEO(1〜10
モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油(天然の不
飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和
したもの)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低
級アルコールエステルを硫酸化して中和したもの)、並
びに硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィン
を硫酸化して中和したもの)、(3)スルホン酸塩;アル
キル(炭素数8〜22)ベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ル(炭素数8〜22)ナフタレンスルホン酸塩、スルホ
コハク酸ジアルキル(炭素数6〜20)エステル塩、α
−オレフィン(炭素数8〜22)スルホン酸塩、並びに
イゲポンT型など、(4)リン酸エステル塩;高級アルコ
ール(炭素数8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコ
ール(炭素数8〜60)EO付加物(1〜10モル)リ
ン酸エステル塩、並びにアルキル(炭素数4〜60)フ
ェノールEO付加物リン酸エステル塩など。
【0020】なお、上記(1)〜(4)の塩としては、アルカ
リ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩)、アンモニウム
塩およびアルカノールアミン塩[アルカノールの炭素数
2〜8のモノアルカノールアミン塩(モノエタノールア
ミン塩、モノブタノールアミン塩など)、ジアルカノー
ルアミン塩(ジエタノールアミン塩など)、トリアルカ
ノールアミン塩(トリエタノールアミン塩など)]が挙
げられる。
【0021】両性界面活性剤(C)としては、アミノ酸
型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数12〜18)
アミノプロピオン酸ナトリウムなど]、ベタイン型両性
界面活性剤[アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベ
タイン(例えばラウリルジメチル酢酸ベタインなど)、
脂肪酸アミドアルキルベタイン(例えばヤシ油脂肪酸ア
ミドプロピルベタインなど)、アルキル(炭素数12〜
18)ジヒドロキシエチルベタインなど]、硫酸エステ
ル塩型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数8〜1
8)アミンの硫酸エステルナトリウム塩、ヒドロキシエ
チルイミダゾリン硫酸エステルナトリウム塩など]、ス
ルホン酸塩型両性界面活性剤(ペンタデシルスルフォタ
ウリン、イミダゾリンスルホン酸など)、リン酸エステ
ル塩型両性界面活性剤[グリセリン高級脂肪酸(炭素数
8〜22)エステル化物のリン酸エステルアミン塩]な
どが挙げられる。これらのうち、好ましいのは、ベタイ
ン型両性界面活性剤である。
【0022】非イオン界面活性剤(D)としては、たと
えば、アルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加型非イ
オン界面活性剤[高級アルコール(炭素数8〜18)、
高級脂肪酸(炭素数12〜24)または高級アルキルア
ミン(炭素数8〜24)等に直接アルキレンオキシド
(以下AOと略記)[炭素数2〜4例えば、エチレンオ
キシド(以下EOと略記)、プロピレンオキシド、ブチ
レンオキシドまたはこれらの2種以上の併用](数平均
分子量174〜200,000);グリコール類にAO
を付加させて得られるポリアルキレングリコール類(数
平均分子量110〜6,000)に高級脂肪酸などを反
応させたもの;多価アルコール(エチレングリコール、
プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリト
ール、ソルビタンなどの2価〜8価またはそれ以上の多
価アルコール)に高級脂肪酸を反応させて得られたエス
テル化物にAOを付加させたもの(分子量288〜3
0,000)、高級脂肪酸アミドにAOを付加させたも
の(分子量243〜30,000)、多価(2価〜8価
またはそれ以上)アルコールアルキル(炭素数3〜6
0)エーテルにAOを付加させたもの(分子量148〜
30,000)など]、および多価アルコ−ル(炭素数
3〜60)型非イオン界面活性剤(多価アルコール脂肪
酸(炭素数3〜60)エステル、多価アルコールアルキ
ル(炭素数3〜60)エーテル、脂肪酸(炭素数3〜6
0)アルカノールアミドなど)などが挙げられる。この
うち好ましいのは高級アルコール(炭素数8〜18)に
直接AOを付加させたもの(分子量500〜10,00
0)である。
【0023】上記(B)、(C)および/または(D)
は、本発明の殺菌洗浄剤組成物を構成する必須成分であ
るとともに、後述する分散剤としての役割も果たすこと
ができる。
【0024】本発明における(A)/〔(B)+(C)
+(D)〕の重量比は殺菌性と皮膚刺激性の観点から好
ましくは90/10〜0.1/99.9、さらに好まし
くは60/40〜1/99、特に好ましくは55/45
〜10/90である。また、(B)、(C)および
(D)の重量比は、通常、(B)/(C)/(D)=0
〜100/0〜100/0〜100である。(A)との
併用において、好ましいのは、(B)、(C)もしくは
(D)のみの使用、またはこれらのうちの2種の併用で
あり、さらに好ましいのは、(B)、(C)もしくは
(D)のみの使用である。2種の併用の場合の比率は、
通常、それぞれが1〜99%である。
【0025】本発明の殺菌洗浄剤組成物は、水性分散体
(エマルジョンもしくはサスペンジョン)、溶液(低粘
度液体もしくはペースト状溶液)または固形体(粉末、
板状固体もしくはブロック)のいずれの形態でもよく、
その形態に応じ、水、溶剤、分散剤、増粘剤、粉末化剤
および/または固形化剤などを含むことができる。
【0026】溶剤としては、炭素数1〜13の1価アル
コール(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジ
ルアルコールなど)、炭素数2〜18の多価アルコール
(エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシ
レングリコール、グリセリンなど)〕、多価アルコール
誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ートなど)、炭素数4〜18のエーテル(ジエチルエー
テル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、メチル
フェニルエーテル、テトラヒドロフランなど)、炭素数
2〜18のケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、炭素
数2〜25のエステル(蟻酸エチル、蟻酸ブチル、酢酸
エチル、アジピン酸ジオクチルなど)など;
【0027】分散剤としては、Mn1,000〜10
0,000の分散剤、たとえばナフタレンスルホン酸ホ
ルマリン縮合物(Mn1,000〜10,000)、ポ
リスチレンスルホン酸塩[アルカリ金属(ナトリウム、
カリウムなど)塩など](Mn1,000〜100,0
00)、ポリアクリル酸塩[アルカリ金属(ナトリウ
ム、カリウムなど)塩など](Mn2,000〜50,
000)、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニ
ルアルコールなど;
【0028】増粘剤としては天然高分子(カラギーナ
ン、デンプンなど)、半合成高分子〔メチルセルロース
(Mn5,000〜100,000)、可溶性デンプ
ン、アルギン酸(塩)[アルカリ金属(ナトリウム、カ
リウムなど)塩など]など〕、合成高分子(Mn1,0
00〜50,000、たとえばポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン)、無機物(ベントナイト、コロ
イダルアルミナなど)など;
【0029】粉末化剤としては可溶性デンプン、シクロ
デキストリン、カルボキシメチルセルロース(Mn5,
000〜100,000)など;固形化剤としてはポリ
エチレングリコール(Mn1,000〜100,00
0)、ロウ類(カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホ
ホバ油、ミツロウ、ラノリンなど)、炭素数15以上の
炭化水素(パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロ
クリスタリンワックスなど)、炭素数12〜22の高級
脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸な
ど)、炭素数14〜22の高級アルコール(セチルアル
コール、ステアリルアルコールなど)などが挙げられ
る。
【0030】上記添加剤の使用量は、本発明における
(A)〜(D)の合計重量に基づいて以下の範囲で使用
できる。水性分散体および溶液の場合は、水および/ま
たは溶剤は通常10%以上、好ましくは50〜1,00
0%、分散剤および増粘剤はそれぞれ通常0.1〜10
%、好ましくは0.2〜5%である。また、固形体のう
ちの粉体の場合は、粉末化剤は通常10〜99%、好ま
しくは30〜90%、固形体のうちの粉末以外の場合、
固形化剤は通常10〜99%、好ましくは30〜90%
である。
【0031】本発明の殺菌洗浄剤組成物にはさらに、必
要により、その他の添加剤として消泡剤、キレート化
剤,pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、
漂白剤、香料および色素などを加えることができる。消
泡剤としては、シリコーン系(ジメチルポリシロキサン
など)、鉱物油(スピンドル油、ケロシンなど)、炭素
数12〜22の金属石鹸(ステアリン酸カルシウムな
ど)など;キレート化剤としては、炭素数6〜12のア
ミノカルボン酸(エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチ
レントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレン
ジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、トリエチレンテ
トラミンヘキサ酢酸など)、ポリカルボン酸[マレイン
酸、コハク酸など]、不飽和カルボン酸(共)重合体
[ポリアクリル酸(Mn1,000〜10,000)、
イソアミレン−マレイン酸共重合体(Mn1,000〜
10,000)など]、炭素数3〜10のヒドロキシカ
ルボン酸(クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸な
ど)、縮合リン酸(トリポリリン酸、トリメタリン酸な
ど)およびこれらの塩[アルカリ金属(ナトリウム、カ
リウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグ
ネシウムなど)塩、アンモニウム塩、炭素数1〜20の
アルキルアミン(たとえばメチルアミン、エチルアミ
ン、オクチルアミン)塩および炭素数2〜12のアルカ
ノールアミン(たとえばモノ−、ジ−およびトリエタノ
ールアミン)塩など]など;pH調整剤としては、苛性
アルカリ(苛性ソーダなど)、アミン(モノ−、ジ−お
よびトリエタノールアミンなど)、無機酸(塩酸、硫
酸、硝酸、リン酸など)など;酸化防止剤としては、フ
ェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)など]、硫黄系[ジラウリル
3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジス
テアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTD
P)など]、リン系[トリフェニルホスファイト(TP
P)、トリイソデシルホスファイト(TDP)など]、
アミン系[オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチ
ル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−
p−フェニレンジアミンなど]など;紫外線吸収剤とし
ては、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなど)、サリ
チレート系(フェニルサリチレート、2,4−ジ−t−
ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンゾエートなど)、ベンゾトリアゾール系
[(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾールなど]、アクリル系[エチル−2−シアノ−
3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボ
メトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレート
など]など;防腐剤としては、安息香酸、パラオキシ安
息香酸エステル、ソルビン酸など;漂白剤としては、次
亜塩素酸ソーダ、過酸化水素水、過炭酸ナトリウム、ピ
ロ亜硫酸カリウムなど;香料としては、天然香料(バラ
油、ジャスミン油、ラベンダー油、レモン油、ムスク油
など)、合成香料(リモネン、ファルネソール、シトラ
ール、ローズオキサイドなど)など;および色素として
は、青色1号、黄色4号、赤色2号などが挙げられる。
【0032】上記その他の添加剤の使用量は、本発明に
おける(A)〜(D)の合計重量に基づいて、消泡剤は
通常10%以下、好ましくは1〜3%、キレート化剤は
通常10〜100%、好ましくは20〜50%、pH調
整剤は通常20%以下、好ましくは1〜10%、酸化防
止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ通常10%
以下、好ましくは0.1〜5%、漂白剤は通常30%以
下、好ましくは1〜20%、香料は通常10%以下、好
ましくは1〜3%、色素は通常1%以下、好ましくは
0.01〜0.3%である。
【0033】本発明の組成物の水性分散体または溶液の
製造方法としては、たとえば(A)を50〜80℃に加
熱して融解し、必要により溶剤を加えて、さらに
(B)、(C)および/または(D)を添加して均一に
混合、溶解した後、必要により分散剤および/またはそ
の他の添加剤を加え、よく攪拌しながら水(水道水、イ
オン交換水いずれでもよい、以下同じ)を加えて水性分
散体または溶液〔(A)の濃度は通常1〜30重量%、
好ましくは5〜20重量%〕を得る方法が挙げられる。
上記、水性分散体もしくは溶液は原液もしくは必要によ
りさらに水または溶剤で希釈した状態で用いられ、殺菌
洗浄剤組成物として使用される時の(A)の濃度は通常
0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜10重
量%である。
【0034】本発明の組成物の固形体の製造方法として
は、例えば(A)を50〜80℃に加熱して融解し、
(B)、(C)および/または(D)を添加して均一に
混合、溶解した後、粉末化剤もしくは固形化剤をよく攪
拌しながら加えて固形体〔(A)の濃度は通常1〜70
重量%、好ましくは10〜60重量%〕を得る方法が挙
げられる。上記固形体は原体もしくは必要によりさらに
水または溶剤で溶解、乳化または分散した状態で用いら
れ、殺菌洗浄剤組成物として使用される時の(A)の濃
度は通常0.001〜70重量%、好ましくは0.01
〜30重量%である。
【0035】本発明の殺菌洗浄剤組成物には、さらに必
要により(A)以外の殺菌剤(A’)を併用してもよ
い。(A’)としては、例えば、前記一般式(1)で示
される第4級アンモニウム塩における第4級アンモニウ
ム基と超強酸以外のアニオンから構成される第4級アン
モニウム塩(A’)が挙げられ、超強酸以外のアニオン
としては、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素、ヨウ素)ア
ニオンが挙げられる。(A’)の具体例としては、1つ
の長鎖アルキル基を有するもの(トリメチルドデシルア
ンモニウムクロライド、トリメチルテトラデシルアンモ
ニウムクロライドなど)、1つの長鎖アルケニル基を有
するもの(トリメチルオレイルアンモニウムクロライド
など)、2つの長鎖アルキル基を有するもの(ジメチル
ジデシルアンモニウムクロライドおよびジメチルジドデ
シルアンモニウムブロマイドなど)、およびアリールア
ルキル基を有するもの(ジメチルデシルベンジルアンモ
ニウムクロライドなど)が挙げられる。(A’)を併用
する場合の(A)に対する使用割合は、(A)の重量に
基づいて、好ましくは20%以下、さらに好ましくは1
0%以下である。
【0036】本発明の殺菌洗浄剤組成物の用途はとくに
限定されず、建物等(医療関連施設、畜産施設、公共施
設、食品工場、ホテル、レストラン、食堂、給食センタ
ーおよび一般家庭などの床、壁、設備、器具および備品
など)の殺菌洗浄剤組成物、トイレ・流し・浴室などの
徐溶化殺菌洗浄剤組成物、動物(家畜、ペットなど)、
人体および手指の殺菌洗浄剤組成物、繊維(製品)
[糸、織物、編物、不織布など]などの殺菌洗浄剤組成
物、ベルトコンベア用殺菌潤滑洗浄剤組成物および化粧
品(シャンプー、リンス、染毛剤などの頭髪用化粧品、
クレンジングフォームなどの洗顔料および口紅などのメ
ーキャップ化粧品など)用殺菌洗浄剤組成物などとして
用いることができる。
【0037】建物等の殺菌洗浄剤組成物として用いる場
合は、本発明における(A)の濃度が通常0.001〜
1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%となるよ
うに本発明の組成物を水で希釈調整し、床、壁などを希
釈液でブラッシングして洗浄した後、水で洗い流すか、
ブラッシングできない高所や隙間は発泡機を用いて発泡
させた泡状希釈液を吹き付けたり、泡のまま押し込み、
一定時間放置した後、水で洗い流すことにより殺菌と洗
浄が同時にできる。本発明における4級アンモニウム塩
(A)は被洗浄面に吸着されるため殺菌性が持続する。
【0038】トイレ・流し・浴室などの配管用徐溶化殺
菌洗浄剤組成物として用いる場合は、本発明における
(A)の濃度が通常1〜70重量%、好ましくは10〜
60重量%となるように本発明の組成物を固形体に成型
し、必要により樹脂製などの容器または不織布などの袋
に入れて、排水口内もしくは排水口上部に置いておくこ
とにより流水により本発明組成物が徐々に溶解し、配管
の殺菌および消臭ができる。
【0039】動物、人体および手指の殺菌洗浄剤組成物
として用いる場合は、本発明における(A)の濃度が通
常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%
となるように本発明の組成物を水で希釈調整し、該希釈
液を掌、タオル、ブラシなどに取り、動物、人体、手指
を殺菌洗浄した後、水で洗い流すことにより、殺菌と洗
浄が同時にできる。本発明における4級アンモニウム塩
(A)は動物の毛に吸着されるため、殺菌性が持続する
と同時に、毛に柔軟性と帯電防止性をも付与することが
できる。
【0040】繊維(製品)の殺菌洗浄剤として用いる場
合は、本発明における(A)の濃度が通常0.001〜
10重量%、好ましくは0.01〜3重量%となるよう
に本発明の組成物を水で希釈調整し、該希釈液を洗濯機
などの洗浄機で通常の洗剤と同様に洗浄、濯ぎをするこ
とにより、殺菌と洗浄が同時にできる。本発明における
4級アンモニウム塩(A)は繊維(製品)に吸着される
ため、殺菌性が持続し、悪臭発生を防ぐことができ、繊
維(製品)に柔軟性と帯電防止性をも付与することがで
きる。
【0041】ベルトコンベア用殺菌潤滑剤洗浄剤組成物
として用いる場合は、本発明における(A)の濃度が通
常0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5
重量%となるように本発明の組成物を水または溶剤で希
釈、溶解、乳化または分散し、該液をベルトコンベアの
プレート表面に塗布することにより、ベルトコンベアの
殺菌とベルトコンベア上の搬送物の移動時の潤滑性付与
を行うことができる。本発明における4級アンモニウム
塩(A)は、塩素を含有していないため、コンベアに錆
びを発生させることもない。化粧品用殺菌洗浄剤組成物
としては、本発明の組成物を、化粧品中の(A)の濃度
が通常0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜
0.5重量%となるように添加して用いられる。
【0042】
【実施例】以下製造例および実施例により本発明をさら
に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
製造例および実施例中の%は重量%、部は見かけの重量
部を示す。
【0043】製造例1 加熱冷却装置、攪拌機および滴下ロートを備えたガラス
製反応容器に、ジメチルジn−デシルアンモニウムメチ
ルカーボネートの82.5%メタノール溶液100部を
仕込み、30〜60℃に昇温した後、その温度に保ちな
がら42%四フッ化硼素酸水溶液43部を2時間かけて
徐々に滴下した。その後、さらに同温度で1時間熟成し
た。引き続き同温度で5時間静置した後、下層(水層)
を除いた後、上層を減圧下に60〜80℃に加熱してメ
タノールを除去し、ジメチルジn−デシルアンモニウム
・四フッ化硼素酸塩(A1)85部を得た。(A1)の
重量に基づく遊離塩素含量は10ppm以下であった。
【0044】製造例2 ジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネート
をトリメチルヘキサデシルアンモニウムメチルカーボネ
ートに代え、その仕込み量を90部にしたこと以外は製
造例1と同様にして、トリメチルヘキサデシルアンモニ
ウム・四フッ化硼素酸塩(A2)76部を得た。(A
2)の重量に基づく遊離塩素含量は10ppm以下であ
った。
【0045】製造例3 ジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネート
をラウリルジメチルベンジルアンモニウムメチルカーボ
ネートに代え、その仕込量を94部にしたこと以外は製
造例1と同様にして、ラウリルジメチルベンジルアンモ
ニウム・四フッ化硼素酸塩(A3)80部を得た。(A
3)の重量に基づく遊離塩素含量は10ppm以下であ
った。
【0046】実施例1〜4 撹拌機を備えたステンレス製容器に、表1記載の(A)
を50部および表1記載の(B)〜(D)を表1記載の
部数仕込み、混合して溶解(必要により70〜80℃で
加熱溶解)させた。さらに攪拌しながら水を表1記載の
部数加えて乳化分散して水性分散体とし、本発明の殺菌
洗浄剤組成物(X1)〜(X4)を得た。
【0047】比較例1〜3 実施例1と同様の容器に、ジメチルジn−デシルアンモ
ニウムクロライド50%水溶液(DDCLと略記)を1
00部および表1記載の(B)もしくは(C)を表1記
載の部数仕込み、混合して溶解させた。さらに攪拌しな
がら水を表1記載の部数加えて比較例の殺菌洗浄剤組成
物(Y1)〜(Y3)を得た。なお、DDCLの固形分
重量に基づく遊離塩素含量は9.8%であった。
【0048】下記表1に記載の配合原料の略号は以下の
通り。 DDCL:ジメチルジn−デシルアンモニウムクロライ
ド50%水溶液 DDAC:ドデカン−1,2−ジオールカルボキシメチ
ルエーテルナトリウム29%水溶液 CABT:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン30%
水溶液 LABT:ラウリルジメチル酢酸ベタイン36%水溶液 R−EO19:ポリオキシエチレン(EO19モル)アル
キル(炭素数14〜15エーテル) R−EO10:ポリオキシエチレン(EO10モル)アル
キル(炭素数14〜15エーテル)
【0049】
【表1】
【0050】<殺菌洗浄剤組成物の殺菌性評価>X1〜
X4とY1〜Y3について、殺菌性を最小殺菌濃度(M
BC)試験により評価した。即ち、培地として普通ブイ
ヨン液体培地を用い、厚生省が発表した消毒薬検査指針
(1952年)に準じて最小殺菌濃度を測定した。X1
〜X4とY1〜Y3をそれぞれ4級アンモニウム塩濃度
が33、16.5、8.3、4.1、2.1ppmとな
るように滅菌水を用いて希釈し、それぞれ0.5mlづ
つをワッセルマンチューブに採取した。普通ブイヨン液
体培地を用いて一晩37℃で培養した大腸菌液100μ
lを滅菌生理食塩水100mlに加えよく振とうした
(この時の菌数は105〜106cfu/mlであっ
た。)。均一に混和した供試菌液4.5mlを先の薬剤
希釈液0.5ml入りのワッセルマンチューブに加え、
軽く振とうした。供試菌を加えた後、1、2.5、5、
10分後に1白金耳を普通ブイヨン培地に殖菌し、37
℃、24時間振とう培養し、培養後に菌の発育有無を判
定した。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2から、本発明の殺菌洗浄剤組成物X1
〜X4は洗浄剤未添加の殺菌剤(比較例3)と同等の殺
菌性を示し、比較例1および2の殺菌洗浄剤組成物と比
べ優れた殺菌性を有することがわかる。 <殺菌洗浄剤組成物の洗浄力評価>X1〜X4とY1〜
Y3について、JIS K 3362(合成洗剤試験方
法)記載の「台所用合成洗剤の洗浄力評価方法」に準じ
て洗浄力を試験し、下記式により洗浄力を評価した。結
果を表3に示す。 (洗浄力算出式) 洗浄力(%)=〔(W1−W2)/W1〕×100 W1:洗浄前の人工汚れ付着量 W2:洗浄後の人工汚れ付着量
【0053】
【表3】
【0054】表3から、本発明の殺菌洗浄剤組成物X1
〜X4は比較例の殺菌洗浄剤組成物Y1〜Y3と比べ優
れた洗浄性を有することがわかる。 <殺菌洗浄剤組成物の皮膚刺激性評価>X1〜X4とY
1〜Y3について、Draize法に基づく皮膚一次刺
激性試験を行った。即ち、モルモットによる10%水溶
液原液開放塗布試験を行い、24時間後、下記判定基準
で評価した。結果を表4に示す。 (皮膚刺激性判定基準) ◎:無刺激 ○:軽度の刺激 △:中程度の刺激 ×:強度の刺激
【0055】
【表4】
【0056】表4から、本発明の殺菌洗浄剤組成物X1
〜X4は比較例の殺菌洗浄剤組成物Y1〜Y3と比べ皮
膚刺激性が少ないことがわかる。 <殺菌洗浄剤組成物の金属腐食性評価>X1〜X4とY
1〜Y3について、鉄腐食性試験を次の方法で行った。
鋼板(20×100×1mm)を中性洗剤を用いてスポ
ンジで洗浄し、トルエン、アセトンの順にそれぞれ1時
間浸せきした後、風乾した。殺菌洗浄剤組成物を水道水
で希釈し4級アンモニウム塩を0.5重量%含有する水
希釈液を作成した。この水希釈液に洗浄、風乾した鋼板
を半浸せきし、経時における発さび状況を観察した。結
果を表5に示す。 (金属腐食性判定基準) ○:鉄さび発生なし ×:鉄さび発生あり
【0057】
【表5】
【0058】表5から、本発明の殺菌洗浄剤組成物X1
〜X4は比較例の4級アンモニウム塩を用いた殺菌洗浄
剤組成物Y1〜Y3と比べ金属腐食性が極めて少ないこ
とがわかる。
【発明の効果】本発明の殺菌洗浄剤組成物は、下記の効
果を奏することから極めて有用である。 (1)殺菌性に優れ、かつ洗浄性にも優れる。 (2)殺菌性に優れ、かつ皮膚刺激性が少ない。 (3)金属腐食性が少ない。 (4)殺菌洗浄後の対象物に殺菌性を持続させることが
できる。 (5)殺菌洗浄後の対象物[繊維(製品)等]に柔軟性
および帯電防止性を付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 1/94 C11D 1/94 3/395 3/395 3/43 3/43 3/48 3/48 3/50 3/50 Fターム(参考) 4C083 AC181 AC182 AC231 AC232 AC691 AC692 AC711 AC712 BB04 BB05 BB07 BB41 BB44 BB45 BB46 BB47 BB48 BB60 CC11 CC13 CC22 CC23 CC36 CC38 CC39 DD21 DD23 DD39 EE01 EE09 EE18 FF01 4H003 AB05 AC07 AD04 AE05 AE10 BA12 DA01 DA02 DA04 DA05 DA10 ED02 FA34 4H011 AA02 BA01 BA05 BB04 BB18 BC19 DA13 DF04 DH03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される4級アンモニウ
    ム塩(A)と、アニオン界面活性剤(B)、両性界面活
    性剤(C)および非イオン界面活性剤(D)からなる群
    から選ばれる1種以上からなることを特徴とする殺菌洗
    浄剤組成物。 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ同一のまたは異なる、
    炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素
    基、R3は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪
    族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリールアルキ
    ル基もしくはアリールアルケニル基、R4は炭素数が8
    〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、X-は超
    強酸のアニオンを表す。)
  2. 【請求項2】 (A)の重量に基づく遊離塩素含量が1
    00ppm以下である請求項1記載の殺菌洗浄剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)におけるX-を構成する超
    強酸が−12.00以下のHammett酸度関数(H
    0)を有する請求項1または2記載の殺菌洗浄剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 超強酸がプロトン酸とルイス酸との組み
    合わせからなる請求項1〜3いずれか記載の殺菌洗浄剤
    組成物。
  5. 【請求項5】 水性分散体または固形体である請求項1
    〜4いずれか記載の殺菌洗浄剤組成物。
  6. 【請求項6】 (A)/〔(B)+(C)+(D)〕の
    重量比が90/10〜0.1/99.9である請求項1
    〜5いずれか記載の殺菌洗浄剤組成物。
  7. 【請求項7】 更に、溶剤、分散剤、増粘剤、粉末化
    剤、固形化剤、消泡剤、キレート化剤、pH調整剤、酸
    化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、漂白剤、香料および
    色素からなる群から選ばれる1種以上を含有させてなる
    請求項1〜6いずれか記載の殺菌洗浄剤組成物。
  8. 【請求項8】 建物用、トイレ・流し・浴室用、動物
    用、人体用、繊維用、ベルトコンベア用または化粧品用
    である請求項1〜7のいずれか記載の殺菌洗浄剤組成
    物。
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