JP2003306261A - フィルム剥離搬送装置 - Google Patents

フィルム剥離搬送装置

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JP2003306261A JP2002360073A JP2002360073A JP2003306261A JP 2003306261 A JP2003306261 A JP 2003306261A JP 2002360073 A JP2002360073 A JP 2002360073A JP 2002360073 A JP2002360073 A JP 2002360073A JP 2003306261 A JP2003306261 A JP 2003306261A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚さが非常に薄い基板PからフィルムFを容
易に剥離可能にすること。 【解決手段】 片面又は両面に対してフィルムFが貼着
された基板Pを、鉛直な姿勢で剥離位置X2へ搬送する
基板搬送手段100と、剥離位置X2に搬送された鉛直
な姿勢の基板PからフィルムFを完全に剥離させる剥離
手段200又は400とを備えているフィルム剥離搬送
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、基板に貼着された
保護フィルムを剥離するフィルム剥離搬送装置、特に、
厚さが非常に薄い基板の片面又は両面に貼着されたフィ
ルムの剥離及び該基板の搬送、あるいは、厚さが非常に
薄い基板の片面又は両面に貼着された絶縁樹脂に貼着さ
れたフィルムの剥離及び該基板の搬送などに適用しうる
フィルム剥離搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板の製造においては、ガ
ラス繊維強化エポキシ樹脂等から形成されたコア板の両
面に銅はくを貼着して銅張積層板を形成し、銅張積層板
の両面にフォトレジスト層及び保護フィルムを積層した
プリント配線基板素材を使用している。そしてこのプリ
ント配線基板素材の片面又は両面に回路パターンを照射
してフォトレジスト層を露光し、その後において片面又
は両面に存在する保護フィルム(以下単に「フィルム」
と略称する)を剥離している。
【0003】プリント回路基板素材の如き基板から、そ
の片面又は両面から保護フィルムの如きフィルム(本明
細書にて使用する語句「フィルム」は比較的薄い帯状部
材のみならず比較的厚い、いわゆるシートと称される帯
状部材をも含む)を剥離するのに適用することができる
フィルム剥離搬送装置は既に知られている(特許文献1
参照)。
【0004】このフィルム剥離搬送装置は、基板搬送手
段、クランプ手段、端部剥離手段及び剥離手段を備えて
いる。基板搬送手段は、片面又は両面にフィルムが貼着
された基板を実質上水平な状態で、その前端部が端部剥
離位置に達するまで所定方向に搬送して一旦停止させ、
そして更に上記所定方向に搬送する。基板搬送手段は、
基板の搬送経路を規定する複数個の搬送ローラを含んで
いる。クランプ手段は搬送経路を挟んで上下に間隔を置
いて配置された一対のクランプ部材を備え、搬送経路上
に解除自在にクランプできるよう構成されている。端部
剥離手段は、搬送経路の幅方向に往復移動させられるよ
う構成された移動体と、搬送経路を挟んで上下に間隔を
置いて配置された複数対の圧接ローラを備えている。複
数対の圧接ローラは、搬送経路上の基板を解除自在に圧
接できるよう構成されている。基板がクランプ手段によ
り端部剥離位置にクランプされた状態で、圧接ローラの
各対は、基板の一端部(搬送方向前端部)における片面
又は両面のフィルムの表面に所定の圧力で圧接される。
この状態で圧接ローラの各対は、移動体によって幅方向
に往復移動させられ、基板のフィルムの一端部が部分的
に剥離される。このように、端部剥離手段は上記端部剥
離位置に位置付けられた基板の前端部に作用してフィル
ムの前端部を部分的に基板から剥離させる。前端部が部
分的に剥離されたフィルムを基板から完全に分離させる
ための剥離手段は、搬送方向に移動させられている基板
とフィルムの前端部との間に圧縮気体を噴射する気体噴
射手段と、気体噴射手段によって前端部の分離が促進さ
れたフィルムを基板の片面又は両面から剥離させて上方
及び/又は下方に強制的に搬送するフィルム剥離搬送手
段を含んでいる。気体噴射手段は、基板の幅方向に延在
しかつ複数個の気体噴射孔が間隔をおいて形成された中
空部材を備えている。静止部材であるこの中空部材は、
適宜の連通手段を介して圧縮気体発生源に接続されてい
る。フィルム剥離搬送手段は上側ベルト機構及び下側ベ
ルト機構を備えている。
【0005】
【特許文献1】特開昭62−83974号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のフィルム剥
離搬送装置において、搬送方向に移動させられている基
板の前端部が端部剥離位置に到達すると、基板がクラン
プ手段により端部剥離位置にクランプされた状態で、端
部剥離手段の圧接ローラの各対が、基板の一端部におけ
る片面又は両面のフィルムの表面に所定の圧力で圧接さ
れて移動体によって幅方向に往復移動させられ、基板の
フィルムの一端部が部分的に剥離される。上記した如く
フィルムは、基板の片面又は両面に形成された銅張積層
板に積層されたフォトレジスト層に貼着されており、そ
の密着強度は比較的弱いので、上記した如き端部剥離手
段による剥離作用、すなわちいわゆるナーリングによっ
て部分的な剥離を遂行することができる。
【0007】ところで、電子機器の高密度化、高機能化
に伴い、プリント配線基板についても高密度配線、微細
化と共に機能の向上が要求されるようになってきてい
る。このような背景から近年、ビルドアップ工法が注目
されるようになった。ビルドアップ工法は、一例とし
て、コア板の片面又は両面に、熱硬化性樹脂等の感光性
絶縁樹脂(以下、単に「絶縁樹脂」と略称する)を積層
し、これらの絶縁樹脂に露光・現像あるいはレーザ照射
を遂行した後、電解銅めっきあるいは無電解銅めっきを
施し、更に表面パターン作成等の工程を経て一つの層を
完成し、更に層を重ねるために絶縁樹脂の積層以降の工
程を繰り返すことによって所定のプリント配線基板を製
造するものである。上記の如きビルドアップ工法により
製造されるプリント配線基板においても、絶縁樹脂の表
面を保護するために貼着されたフィルムをその製造工程
のなかで剥離しなければならない。
【0008】そこで上記した如き従来の端部剥離手段に
よってナーリングを遂行したところ、十分確実に剥離す
ることができなかった。本発明者等がその理由を究明し
たところ、ビルドアップ工法により製造されるプリント
配線基板において、フィルムは上記絶縁樹脂に貼着され
ているため、この絶縁樹脂とフィルムとの密着強度は、
先に述べたフォトレジスト層とフィルムとの密着強度よ
りも強力であることが判明した。これに対して上記した
従来の端部剥離手段によるナーリングの遂行では十分確
実な剥離効果が得られないのみならず、絶縁樹脂に縞模
様の傷が大きく付いて不良基板となる、望ましくない現
象も認められた。
【0009】ビルドアップ工法により製造されるプリン
ト配線基板においてはまた、絶縁樹脂の表面に傷が発生
するのを防止するため、絶縁樹脂が存在しない基板の幅
方向両端部(両端から内側に向かってほぼ2.0mm〜
3.0mmの両端部領域)をローラで支持することによ
り水平方向に搬送していた。このような端面搬送によれ
ば、基板の厚さが薄くなるほど、基板の安定した水平搬
送が困難となる。しかも近年の技術の向上により、基板
の厚さは更に薄くなることが予測される。現在のとこ
ろ、一般的な基板の厚さは0.8mmであるが、将来に
おいては0.2mm〜50μmと、非常に薄くなるので
はないかと予測される。なお、基板の安定した水平搬送
の下限値は0.6mm程度である。基板の厚さが上記下
限値を下方に越えて更に薄くなった場合には、基板の安
定した水平搬送が困難となるので、水平方向に搬送され
る基板を所要のとおりに停止させ、所要のとおりにクラ
ンプして、基板の品質を損なうことなく、フィルムを円
滑かつ確実に剥離することは、不可能ではないにしても
著しく困難となることが予測される。特に、ビルドアッ
プ工法により製造されるプリント配線基板においては、
上記した事実に起因して、フィルムの剥離が一層困難と
なるものと推測される。他方、ビルドアップ工法により
製造されるプリント配線基板以外のプリント配線基板に
おいても、その厚さが上記下限値を下方に越えて更に薄
くなった場合には、上記したと同様な技術的課題が発生
するものと予測される。
【0010】本発明は上記事実に基づいてなされたもの
であり、その目的は、厚さが非常に薄い基板であって
も、基板の品質を損なうことなく、基板の片面又は両面
に貼着されているフィルムを円滑かつ確実に剥離するこ
とを可能にする、新規なフィルム剥離搬送装置を提供す
ることである。
【0011】本発明の他の目的は、厚さが非常に薄い基
板であっても、基板の片面又は両面に貼着されている絶
縁樹脂に比較的強力な密着強度をもって貼着されている
フィルムを、絶縁樹脂を実質的に傷めることなく、絶縁
樹脂から十分確実に剥離することを可能にする、新規な
フィルム剥離搬送装置を提供することである。
【0012】本発明の更に他の目的は、厚さが非常に薄
い基板であっても、基板の品質を損なうことなく安定し
た搬送を可能にすると共に、基板の品質を損なうことな
く基板の片面又は両面に貼着されているフィルムを円滑
かつ確実に剥離することを可能にする、新規なフィルム
剥離搬送装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の一局面によれ
ば、片面又は両面に対してフィルムが貼着された基板
を、鉛直な姿勢で剥離位置へ搬送する基板搬送手段と、
剥離位置に搬送された鉛直な姿勢の基板からフィルムを
完全に剥離させる剥離手段とを備えている、ことを特徴
とするフィルム剥離搬送装置、が提供される。剥離位置
においてフィルムの一端部を基板から部分的に剥離させ
る端部剥離手段を備え、基板搬送手段によって剥離位置
に搬送された基板は、該鉛直な姿勢で端部剥離手段によ
りフィルムの、鉛直上方に位置する該一端部が部分的に
剥離させられ、続いて鉛直な姿勢で剥離手段により、該
一端部が部分的に剥離させられたフィルムが完全に剥離
される、ことが好ましい。本発明の他の局面によれば、
片面又は両面に対してフィルムが貼着された基板を鉛直
な姿勢で端部剥離位置へ、端部剥離位置から剥離位置へ
搬送する基板搬送手段と、端部剥離位置においてフィル
ムの一端部を基板から部分的に剥離させる端部剥離手段
と、剥離位置において、一端部が部分的に剥離されたフ
ィルムを基板から完全に剥離させる剥離手段とを備え、
基板搬送手段によって端部剥離位置に搬送された基板
は、鉛直な姿勢で端部剥離手段によりフィルムの、鉛直
上方に位置する該一端部が部分的に剥離させられ、基板
搬送手段によって端部剥離位置から剥離位置に搬送され
た基板は、鉛直な姿勢で剥離手段により、該一端部が部
分的に剥離させられたフィルムが完全に剥離される、こ
とを特徴とするフィルム剥離搬送装置、が提供される。
本発明の更に他の局面によれば、片面又は両面に対して
フィルムが貼着された基板を、両端部を離脱自在に保持
した状態で、受取位置から剥離位置へ、そして剥離位置
から搬出位置まで搬送する基板搬送手段と、剥離位置に
おいてフィルムを基板から完全に剥離させる剥離手段と
を備え、基板搬送手段によって剥離位置に搬送された基
板は、鉛直な姿勢で剥離手段によりフィルムが完全に剥
離される、ことを特徴とするフィルム剥離搬送装置、が
提供される。基板搬送手段は、受取位置において基板を
水平な姿勢又は鉛直な姿勢で受け取り、受取位置で受け
取った基板を、剥離位置において鉛直な姿勢となるよ
う、又は鉛直な姿勢を維持しながら、剥離位置まで搬送
し、剥離位置において鉛直な姿勢で剥離手段によりフィ
ルムが完全に剥離された基板を、搬出位置において水平
な姿勢となるよう、又は鉛直な姿勢を維持しながら、搬
出位置まで搬送する、ことが好ましい。剥離位置におい
てフィルムの一端部を基板から部分的に剥離させる端部
剥離手段を備え、基板搬送手段によって剥離位置に搬送
された基板は、鉛直な姿勢で端部剥離手段によりフィル
ムの、鉛直上方に位置する該一端部が部分的に剥離させ
られ、続いて鉛直な姿勢で剥離手段により、該一端部が
部分的に剥離させられたフィルムが完全に剥離される、
ことが好ましい。基板搬送手段は、剥離位置において鉛
直な姿勢で端部剥離手段によりフィルムの該一端部が部
分的に剥離させられ、続いて該一端部が部分的に剥離さ
せられたフィルムが剥離手段により完全に剥離された基
板を、搬出位置において水平な姿勢となるよう、又は鉛
直な姿勢を維持しながら、搬出位置まで搬送する、こと
が好ましい。本発明の更に他の局面によれば、片面又は
両面に対してフィルムが貼着された基板を、基板の両端
部を離脱自在に保持した状態で、受取位置から端部剥離
位置へ、端部剥離位置から剥離位置へ、そして剥離位置
から搬出位置まで搬送する基板搬送手段と、端部剥離位
置においてフィルムの一端部を基板から部分的に剥離さ
せる端部剥離手段と、剥離位置において、一端部が剥離
されたフィルムを基板から完全に剥離させる剥離手段と
を備え、基板搬送手段によって端部剥離位置に搬送され
た基板は、鉛直な姿勢で端部剥離手段によりフィルム
の、鉛直上方に位置する該一端部が部分的に剥離させら
れ、基板搬送手段によって端部剥離位置から剥離位置に
搬送された基板は、鉛直な姿勢で剥離手段により、該一
端部が部分的に剥離させられたフィルムが完全に剥離さ
れる、ことを特徴とするフィルム剥離搬送装置、が提供
される。基板搬送手段は、受取位置において基板を水平
な姿勢又は鉛直な姿勢で受け取り、受取位置で受け取っ
た基板を、端部剥離位置において鉛直な姿勢となるよ
う、又は鉛直な姿勢を維持しながら、端部剥離位置まで
搬送し、端部剥離位置において鉛直な姿勢で端部剥離手
段によりフィルムの該一端部が剥離された基板を鉛直な
姿勢を維持しながら剥離位置まで搬送し、剥離位置にお
いて、該一端部が剥離されたフィルムが鉛直な姿勢で剥
離手段により完全に剥離された基板を、搬出位置におい
て水平な姿勢となるよう、又は鉛直な姿勢を維持しなが
ら、搬出位置まで搬送する、ことが好ましい。端部剥離
手段は、鉛直な姿勢の基板において鉛直上方に位置する
一端部近傍の領域であって、フィルムの該一端部よりも
基板の他端方向に後退した基板の該一端部近傍の領域の
両面を解除自在にクランプするクランプ手段と、支持体
に配設されかつ基板の搬送方向に対向して基板の搬送幅
方向に直列に配設された複数の圧接ローラ対と、支持体
に作用して圧接ローラ対の各々を基板の搬送幅方向に往
復移動させる駆動手段とを含み、剥離位置又は端部剥離
位置において、基板の該一端部近傍の領域の両面をクラ
ンプ手段によってクランプした後、駆動手段によって圧
接ローラ対の各々をフィルムの該一端部の両面に沿って
基板の搬送幅方向に往復移動させることにより、フィル
ムの該一端部を基板の片面又は両面から部分的に剥離さ
せる、ことが好ましい。基板搬送手段は、基板の搬送幅
方向に間隔をおいて対向する基板保持部材対を少なくと
も1対備え、基板は、受取位置において、基板の両端
部、又は基板の両端部及び両端部における下端、が基板
保持部材対によって保持され、端部剥離位置又は剥離位
置において、基板の両端部及び両端部における下端が基
板保持部材対によって保持され、搬出位置において、基
板の両端部、又は基板の両端部及び両端部における下
端、が基板保持部材対によって保持されるよう基板搬送
手段によって搬送される、ことが好ましい。剥離手段
は、基板の搬送方向に間隔をおいて対向しかつ基板の搬
送幅方向に延在する一対のフィルムガイドクランプ部材
と、フィルムガイドクランプ部材の各々をそれぞれ支持
するよう基板の搬送方向に間隔をおいて対向するよう配
置されかつフィルムガイドクランプ部材の各々を、鉛直
な姿勢の基板の該一端部近傍の領域であって、フィルム
の該一端部よりも基板の他端方向に後退した基板の該一
端部近傍の領域の両面をクランプするクランプ位置と、
該一端部近傍の領域から基板の搬送方向上流及び下流に
向かって相互に離隔して該クランプを解除するクランプ
解除位置との間を選択的に移動させる一対の駆動体と、
フィルムガイドクランプ部材の各々に配設されて、フィ
ルムガイドクランプ部材の各々の上面に圧接されるクラ
ンプ位置と、フィルムガイドクランプ部材の各々の上面
から退避するクランプ解除位置との間を選択的に移動さ
せられるフィルムクランプ部材を含むフィルムクランプ
手段と、駆動体の各々に対応して配設され駆動体の各々
を鉛直方向に昇降させる昇降手段と、基板の該一端部の
両面をクランプするクランプ位置と、該一端部から基板
の搬送方向上流及び下流に向かって相互に離隔して該ク
ランプを解除するクランプ解除位置との間を選択的に移
動させる一対の基板クランプ部材を含む基板クランプ手
段と、基板の、少なくとも該一端部に含まれる一端に向
けて上方から圧力気体を噴射する圧力気体噴射手段とを
備えている、ことが好ましい。基板搬送手段は、基板の
搬送幅方向に相互に間隔をおいて対向するよう配設され
た一対の静止側枠と、静止側枠の各々間に基板の搬送方
向に間隔をおいて配設された複数のガイド部材と、静止
側枠の各々間における基板の搬送方向一方側に回転自在
に支持された駆動軸と、静止側枠の各々間における基板
の搬送方向他方側に回転自在に支持された被駆動軸と、
駆動軸を回転駆動する駆動源と、静止側枠の各々間にお
いてガイド部材の各々に移動自在に支持された一対の可
動側枠と、可動側枠の各々をガイド部材の各々に沿って
基板の搬送幅方向に相互に接近及び離隔する方向に往復
移動させる往復移動手段と、可動側枠の各々に回転自在
に支持されかつ駆動軸に結合された駆動輪と、可動側枠
の各々に回転自在に支持されかつ被駆動軸に結合された
被駆動輪と、駆動輪の各々と被駆動輪の各々間にそれぞ
れ巻き掛けられた無端部材と、無端部材の各々の、相互
に整合された周方向位置に相互に対向するよう配設され
た基板保持部材の各々からなる少なくとも1対の基板保
持部材対とを備え、往復移動手段により可動側枠の各々
をガイド部材の各々に沿って基板の搬送幅方向に相互に
接近及び離隔する方向に往復移動させることにより基板
保持部材対は基板の幅に対応して位置付けられ、駆動源
により駆動軸を介して駆動輪を間欠的に回転駆動するこ
とにより、基板保持部材対に保持された基板は、受取位
置から剥離位置を経て搬出位置へ、又は、受取位置から
端部剥離位置及び剥離位置を経て搬出位置へ、それぞれ
間欠的に搬送させられる、ことが好ましい。
【0014】本発明の更に他の局面によれば、剥離位置
に向かって基板の搬送を開始する搬送開始位置へ、両面
が基板の搬送幅方向に向けられた鉛直な姿勢で投入され
た、片面又は両面に対してフィルムが貼着された基板の
搬送方向両端部を解除自在にチャッキングして鉛直な姿
勢を維持しながら剥離位置へ搬送する基板搬送手段と、
剥離位置に搬送された鉛直な姿勢の基板からフィルムを
完全に剥離する剥離手段とを備えている、ことを特徴と
するフィルム剥離搬送装置、が提供される。本発明の更
に他の局面によれば、片面又は両面に対してフィルムが
貼着された基板を水平な姿勢で搬入位置に搬入する搬入
手段と、搬入位置に搬入された基板を、両面が基板の搬
入幅方向に向けられた鉛直な姿勢に変換する姿勢変換手
段と、鉛直な姿勢に変換された基板を、搬入方向前方に
設定された剥離位置へ向けて搬送するための搬送開始位
置へ鉛直な姿勢を維持しながら移動させる搬送開始位置
決め手段と、搬送開始位置へ移動させられた基板の搬送
方向両端部を解除自在にチャッキングして鉛直な姿勢を
維持しながら基板を剥離位置へ搬送する基板搬送手段
と、剥離位置に搬送された鉛直な姿勢の基板からフィル
ムを完全に剥離する剥離手段とを備えている、ことを特
徴とするフィルム剥離搬送装置、が提供される。フィル
ムが完全に剥離された基板を、剥離位置において搬送方
向両端部を解除自在にチャッキングして搬入位置とは反
対側の、剥離位置の前方に設定された搬出位置まで鉛直
な姿勢を維持しながら搬送する他の基板搬送手段を備え
ている、ことが好ましい。姿勢変換手段は、基板を、水
平な姿勢に維持しながら搬入手段における搬入幅方向の
一側方向に搬入幅方向所定位置まで移動させる幅寄せ手
段と、搬入幅方向所定位置に移動させられた基板の該搬
入幅方向の一側領域に位置する一端部を解除自在にクラ
ンプして上方にかつ該搬入幅方向の他側まで旋回させて
鉛直な姿勢とする基板直立手段とを備え、搬送開始位置
決め手段は、基板直立手段により鉛直な姿勢とされた基
板の該一端部を解除自在に把持して該搬入幅方向に搬送
開始位置まで移動させるハンガーからなる、ことが好ま
しい。搬入手段は、該搬入方向に間隔をおいて水平に配
列されかつ該搬入幅方向に延在する複数の搬入ローラ体
と、搬入ローラ体の各々を回転駆動するための駆動源
と、搬入ローラ体の各々と駆動源とを駆動連結する動力
伝達機構とを備えている、ことが好ましい。搬入手段に
より搬入された基板を停止させて所定の搬入位置に位置
付けるためのストッパが備えられ、該ストッパは、該搬
入方向の最下流位置に配置された搬入ローラ体の更に下
流位置において、基板の搬送面から上方に突出させられ
ている、ことが好ましい。幅寄せ手段は、複数の搬入ロ
ーラ体の間に配置されかつ該搬入幅方向に延在する複数
の支持部材を含む支持ユニットと、支持ユニットを支持
しかつ支持ユニットに作用して支持部材の各々を基板の
搬送面よりも低い非支持位置と複数の搬入ローラ体の間
において基板の搬送面よりも上方に突出した支持位置と
の間を選択的に昇降させる昇降アクチュエータと、昇降
アクチュエータを支持しかつ昇降アクチュエータに作用
して支持部材の各々を搬入幅方向待機位置と搬入幅方向
待機位置よりも該搬入幅方向の一側寄りの一側寄り所定
位置との間を選択的に往復移動させる幅寄せアクチュエ
ータとを備え、基板が所定の搬入位置に搬入された状態
で、昇降アクチュエータを作動させて支持部材の各々を
非支持位置から支持位置に上昇させると、支持部材の各
々は、基板を相対的に載置して複数の搬入ローラ体の上
方に持ち上げて複数の搬入ローラ体から離隔させ、続い
て幅寄せアクチュエータを作動させて支持部材の各々を
搬入幅方向待機位置から一側寄り所定位置に移動させる
と、支持部材の各々上に載置された基板は所定の搬入位
置から搬入幅方向所定位置に移動させられる、ことが好
ましい。幅寄せアクチュエータにより所定の搬入位置か
ら該搬入幅方向の一側方向に向かって移動させられた基
板を停止させて搬入幅方向所定位置に位置付けるための
ストッパが備えられ、該ストッパは、該搬入幅方向の一
側領域に配置された複数の直立ピンからなり、直立ピン
の各々は、支持部材の各々上に載置された基板よりも上
方に突出させられている、ことが好ましい。基板直立手
段は、該搬入幅方向の他側において該搬入方向に延在す
る旋回軸と、該搬入方向に間隔をおいて配置されかつ一
端部が旋回軸に一体に連結されると共に他端部にクラン
プ機構が配設された複数の旋回フレームと、旋回フレー
ムの各々を、複数の搬入ローラ体間において基板の搬送
面の下方を該搬入幅方向に延在する水平待機位置と、該
搬入幅方向の他側において直立する直立位置との間を選
択的に旋回させる旋回アクチュエータとを備えている、
ことが好ましい。クランプ機構の各々は、旋回フレーム
が水平待機位置に位置付けられた状態において、水平な
上面からなる被クランプ面を有する静止クランプ部材
と、平坦なクランプ面を有しかつ該クランプ面が静止ク
ランプ部材の被クランプ面に対し上方から圧接するクラ
ンプ位置と、該クランプ面が静止クランプ部材の被クラ
ンプ面から上方にかつ該搬入幅方向の一側方向外側に離
隔するクランプ解除位置との間を旋回自在な可動クラン
プ部材と、可動クランプ部材をクランプ位置に常時付勢
するばね手段と、可動クランプ部材を旋回させるクラン
プアクチュエータとを備え、クランプアクチュエータを
作動させると、可動クランプ部材はばね手段のばね力に
抗してクランプ位置からクランプ解除位置に旋回させら
れ、クランプアクチュエータの作動を解除すると、可動
クランプ部材はばね手段のばね力によりクランプ解除位
置からクランプ位置に旋回させられる、ことが好まし
い。旋回フレームの各々が水平待機位置に位置付けられ
かつ可動クランプ部材がクランプ解除位置に位置付けら
れた状態で、幅寄せ手段における昇降アクチュエータ及
び幅寄せアクチュエータを作動させて基板を所定の搬入
位置から搬入幅方向所定位置に移動させると、基板の該
一端部は、クランプ機構の各々における静止クランプ部
材の被クランプ面上に位置付けられ、この状態でクラン
プアクチュエータの作動を解除してばね手段のばね力に
より可動クランプ部材をクランプ解除位置からクランプ
位置に旋回させると、基板の該一端部は、静止クランプ
部材の被クランプ面と可動クランプ部材のクランプ面と
によりクランプされ、続いて旋回アクチュエータを作動
させて旋回フレームの各々を水平待機位置から直立位置
に旋回させると、基板は、該搬入幅方向の他側におい
て、該一端部を上にした鉛直な姿勢でクランプされる、
ことが好ましい。ハンガーは、該搬入方向に延在する支
持フレームに間隔をおいて配置された複数の把持ユニッ
トと、支持フレームを支持しかつ支持フレームに作用し
て把持ユニットの各々を上方待機位置と上方待機位置よ
りも下方の基板把持可能位置との間を選択的に昇降させ
る昇降アクチュエータと、昇降アクチュエータを支持し
かつ昇降アクチュエータに作用して把持ユニットの各々
を該搬入幅方向の他側待機位置と該搬入幅方向の中間領
域に設定された該搬送開始位置との間を選択的に移動さ
せる搬送開始位置決めアクチュエータとを備えている、
ことが好ましい。把持ユニットの各々は、それぞれ一端
部が該搬入方向に延在する軸線まわりに旋回自在な一対
の把持部材と、把持部材の各々を、把持部材の各々の他
端部に配設された把持面が各々の旋回軸線よりも下方位
置において相互に該搬入幅方向に圧接される把持位置
と、該把持面が該搬入幅方向外方の上方に離隔される把
持解除位置との間を選択的に旋回させる把持アクチュエ
ータとを備えている、ことが好ましい。基板搬送手段
は、該搬送開始位置に対して、該搬入幅方向の一側寄り
の位置を該搬入方向に延在する支持フレームと、支持フ
レームにおける該搬入方向上流側に配設された上流側チ
ャッキング機構であって、該搬送開始位置に位置付けら
れた基板の搬入方向後端部を解除自在にチャッキングす
る上流側チャッキング機構と、支持フレームにおける該
搬入方向下流側において上流側チャッキング機構に対し
間隔をおいて配設された下流側チャッキング機構であっ
て、該搬送開始位置に移動させられた基板の搬入方向前
端部を解除自在にチャッキングする下流側チャッキング
機構と、支持フレームに作用して該チャッキング機構の
各々を一体的に該搬送開始位置と剥離位置との間を選択
的に移動させる基板搬送アクチュエータとを備えてい
る、ことが好ましい。相互に実質的に同じ構成を有しか
つ該搬入方向に間隔をおいて相互に対称的に配設された
該チャッキング機構の各々は、支持フレームに対し鉛直
軸まわりに旋回自在に支持された第1の可動チャッキン
グ体であって、鉛直面からなる被圧接面を有すると共に
該被圧接面が該搬入幅方向の他側に向けられたチャッキ
ング位置と、該被圧接面がチャッキング位置に対し該搬
入幅方向の一側方向に退避させられたチャッキング解除
位置との間を旋回自在な第1の可動チャッキング体と、
第1の可動チャッキング体の、チャッキング解除位置か
らチャッキング位置への旋回をチャッキング位置で阻止
するよう支持フレームに配設されたストッパと、第1の
可動チャッキング体に対し鉛直軸まわりに旋回自在に支
持された第2の可動チャッキング体であって、鉛直面か
らなる圧接面を有すると共に該圧接面が、チャッキング
位置に位置付けられた第1の可動チャッキング体の該被
圧接面に圧接されるチャッキング位置と、該圧接面がチ
ャッキング位置に対し該搬入幅方向の一側方向に退避さ
せられたチャッキング解除位置との間を旋回自在な第2
の可動チャッキング体と、第2の可動チャッキング体と
支持フレームとの間に配設されて第2及び第1の可動チ
ャッキング体をチャッキング位置に常時付勢するばね手
段と、第2の可動チャッキング体に作用して第2及び第
1の可動チャッキング体をばね手段のばね力に抗してチ
ャッキング位置からチャッキング解除位置へ旋回させる
よう、支持フレームに配設されたチャッキングアクチュ
エータとを備えている、ことが好ましい。該チャッキン
グ機構の各々の第1の可動チャッキング体には、第2の
可動チャッキング体のチャッキング位置からチャッキン
グ解除位置への旋回を途中で阻止するストッパが配設さ
れ、チャッキングアクチュエータを作動させると、第1
の可動チャッキング体がばね手段のばね力により支持フ
レームに配設されたストッパにより阻止されてチャッキ
ング位置に位置付けられた状態で、第2の可動チャッキ
ング体は、ばね手段のばね力に抗して第1の可動チャッ
キング体のストッパにより阻止されるまで第1の可動チ
ャッキング体に対して旋回させられて該圧接面が第1の
可動チャッキング体の該被圧接面から実質的に該搬入幅
方向の他側方向に離隔させられ、第2の可動チャッキン
グ体の、第1の可動チャッキング体に対する旋回が第1
の可動チャッキング体のストッパにより阻止された後に
は、第2の可動チャッキング体及び第1の可動チャッキ
ング体は相対移動することなく一体的にばね手段のばね
力に抗してチャッキング解除位置へ旋回させられる、こ
とが好ましい。上流側及び下流側チャッキング機構の各
々のチャッキングアクチュエータを作動させて上流側及
び下流側チャッキング機構の各々の第1及び第2の可動
チャッキング体がチャッキング解除位置に位置付けられ
た状態で、搬送開始位置決め手段により基板が該鉛直な
姿勢で搬送開始位置に位置付けられ、続いて、上流側及
び下流側チャッキング機構の各々のチャッキングアクチ
ュエータの作動を解除すると、上流側チャッキング機構
においては、第1及び第2の可動チャッキング体がチャ
ッキング解除位置からチャッキング位置に旋回させら
れ、第1の可動チャッキング体の該被圧接面は、基板の
片面に対し、該搬入幅方向の一側方向に離隔した位置か
ら旋回して、基板の、該一端部よりも下方位置における
搬入方向後端部の、該搬入幅方向の一側方向に面した片
面に当接ないし近接して対向させられ、第2の可動チャ
ッキング体の該圧接面は、基板に対し、基板の搬入方向
後端の後方を旋回して、基板の、該一端部よりも下方位
置における搬入方向後端部の、該搬入幅方向の他側方向
に面した他面を介して第1の可動チャッキング体の該被
圧接面に圧接させられることにより、基板の該搬入方向
後端部がチャッキングされ、下流側チャッキング機構に
おいては、第1及び第2の可動チャッキング体がチャッ
キング解除位置からチャッキング位置に旋回させられ、
第1の可動チャッキング体の該被圧接面は、基板に対
し、該搬入幅方向の一側方向に離隔した位置から旋回し
て、基板の、該一端部よりも下方位置における搬入方向
前端部の、該搬入幅方向の一側方向に面した片面に当接
ないし近接して対向させられ、第2の可動チャッキング
体の該圧接面は、基板に対し、基板の搬入方向前端の前
方を旋回して、基板の、該一端部よりも下方位置におけ
る搬入方向前端部の、該搬入幅方向の他側方向に面した
他面を介して第1の可動チャッキング体の該被圧接面に
圧接させられることにより、基板の該搬入方向前端部が
チャッキングされる、ことが好ましい。支持フレームに
は基板のサイズに対応するために上流側チャッキング機
構を該搬送方向に往復移動させるアクチュエータが配設
されている、ことが好ましい。剥離手段は、鉛直方向に
昇降自在に配設された可動支持枠体と、可動支持枠体を
昇降させる昇降アクチュエータと、基板の搬送幅方向に
相互に対向して配置されかつ該搬送幅方向に移動自在に
可動支持枠体に配設された一対のフィルムガイドクラン
プ部材と、可動支持枠体に配設されてフィルムガイドク
ランプ部材の各々を、剥離位置に搬送された基板の該一
端部近傍の領域であって、フィルムの一端部よりも基板
の他端方向に後退した基板の該一端部近傍の領域の両面
をクランプするクランプ位置と、該一端部近傍の領域か
ら該搬送幅方向外方に向かって相互に離隔して該クラン
プを解除するクランプ解除位置との間を選択的に移動さ
せる一対のフィルムガイドクランプアクチュエータと、
フィルムガイドクランプ部材の各々の上面に圧接される
クランプ位置と、フィルムガイドクランプ部材の各々の
上面から退避するクランプ解除位置との間を旋回自在に
フィルムガイドクランプ部材の各々に支持された複数の
フィルムクランプ部材と、フィルムクランプ部材の各々
をクランプ位置に常時付勢するばね手段と、フィルムガ
イドクランプ部材の各々に配設されてフィルムクランプ
部材の各々をばね手段のばね力に抗してクランプ位置か
らクランプ解除位置に旋回させるフィルムクランプアク
チュエータと、基板の該一端部の両面をクランプするク
ランプ位置と、該一端部から基板の搬送幅方向外方の上
方に向かって相互に離隔して該クランプを解除するクラ
ンプ解除位置との間を旋回自在に、剥離位置に搬送され
た基板の該一端部の上方に配設された複数対の基板クラ
ンプ部材対と、基板クランプ部材対を構成する基板クラ
ンプ部材の各々を常時クランプ位置に付勢するばね手段
と、基板クランプ部材の各々をばね手段のばね力に抗し
てクランプ位置からクランプ解除位置に旋回させる基板
クランプアクチュエータと、基板の、少なくとも該一端
部に含まれる一端に向けて上方から圧力気体を噴射する
圧力気体噴射手段とを備えている、ことが好ましい。フ
ィルムガイドクランプ部材の各々がクランプ位置に位置
付けられて基板がフィルムガイドクランプ部材の各々に
よりクランプされかつ基板クランプ部材対の各々がクラ
ンプ解除位置に位置付けられると共にフィルムクランプ
部材の各々がクランプ解除位置に位置付けられた状態
で、圧力気体噴射手段によって基板の、少なくとも該一
端部に含まれる一端に向けて上方から圧力気体を噴射す
ることにより基板の片面又は両面からフィルムの一端部
を部分的に剥離させてフィルムガイドクランプ部材の一
方又は両方の上面に押し付け、続いて圧力気体噴射手段
から圧力気体を噴射しながらフィルムクランプアクチュ
エータの作動を解除してフィルムクランプ部材の各々を
ばね手段のばね力によりクランプ位置に旋回させてフィ
ルムガイドクランプ部材の一方又は両方の上面に押し付
けられたフィルムの一端部をフィルムガイドクランプ部
材の一方又は両方の上面にクランプし、次に、基板クラ
ンプアクチュエータの作動を解除してばね部材のばね力
により基板クランプ部材対の各々をクランプ位置に旋回
させて基板の該一端部をクランプした後、フィルムガイ
ドクランプアクチュエータを作動させてフィルムガイド
クランプ部材の各々を、クランプ位置に位置付けられた
フィルムクランプ部材の各々と共にクランプ解除位置に
移動させ、続いて昇降アクチュエータにより可動支持枠
体と共にフィルムガイドクランプ部材の各々及びフィル
ムクランプ部材の各々を下降させることにより基板の片
面又は両面からフィルムを完全に剥離した後、フィルム
クランプアクチュエータを作動させてフィルムクランプ
部材の各々をクランプ解除位置に旋回させてフィルムガ
イドクランプ部材の各々の一方又は両方の上面に対する
フィルムのクランプを解除する、ことが好ましい。基板
から完全に剥離されたフィルムに向けて上方から圧力気
体を噴射して該フィルムを下方に強制的に排出する圧力
気体噴射手段を備えている、ことが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に従って構成されたフィルム剥離搬送装置の好適実施
形態を詳細に説明する。
【0016】図1〜図3を参照して、本発明によるフィ
ルム剥離搬送装置は、フィルムFが貼着された基板P
(後述する)を、基板Pの搬送幅方向における両端部を
離脱自在に保持した状態で、受取位置X1から剥離位置
X2へ、そして剥離位置X2から搬出位置X3まで搬送
する基板搬送手段100と、剥離位置X2においてフィ
ルムFを基板Pから完全に剥離させる剥離手段200と
を備えている。基板搬送手段100によって剥離位置X
2に搬送された基板Pは、鉛直な姿勢で剥離手段200
によりフィルムが完全に剥離される。基板搬送手段10
0は、受取位置X1において基板Pをほぼ水平な姿勢で
受け取り、受取位置X1で水平な姿勢で受け取った基板
Pを、剥離位置X2において鉛直な姿勢となるよう剥離
位置X2まで搬送し、剥離位置X2において鉛直な姿勢
で剥離手段200によりフィルムFが完全に剥離された
基板Pを、搬出位置X3において水平な姿勢となるよう
搬出位置X3まで搬送する。
【0017】更に具体的に説明すると、フィルム剥離搬
送装置は、載置面1上に載置された静止枠体10を備え
ている。静止枠体10は、平面から見てほぼ矩形をなす
床枠体12と、床枠体12の4つの角部から垂下する4
本の下支柱14と、床枠体12の4つの角部から直立す
る4本の上支柱15と、上支柱15の各々の上端間を連
結するよう配設された4本の天井梁16とを備えてい
る。天井梁16の下側には、天井枠体18が配設されて
いる。ほぼ水平に配設された床枠体12の上面側には、
後述する基板搬送手段100及び剥離手段200が配設
されている。床枠体12の下方における載置面1上に
は、後述するとおりにして基板Pから剥離されたフィル
ムFを収容するための収容箱2が載置されている。収容
箱2は上端に図示しない開口を有している。
【0018】床枠体12の上面側には基板搬送手段10
0が配設されている。次に、主として図4〜図7を参照
して基板搬送手段100について説明する。床枠体12
には、一対の静止側枠102が、基板Pの搬送幅方向に
相互に間隔をおいて対向しかつ基板Pの搬送方向に相互
に平行に延在するよう配設されている。なお、基板Pの
搬送方向とは、図1及び図2において実質的に右から左
に向かう方向、図3において実質的に紙面の表から裏に
向かう方向を示し、また基板Pの搬送幅方向とは、基板
Pの搬送方向に対し水平に直交する方向であって、図1
において紙面の表裏方向、図2において上下方向、図3
において左右方向を示すものである。静止側枠102の
各々間には、複数の(実施形態においては2個の)それ
ぞれ丸棒からなるガイド部材104が、基板Pの搬送方
向に間隔をおいて配設されている。静止側枠102の各
々間における基板Pの搬送方向一方側(実施形態におい
ては図1及び図2において右方側であって、基板Pの搬
送方向上流側)端部には、駆動軸106が回転自在に支
持されている。また、静止側枠102の各々間における
基板Pの搬送方向他方側(実施形態においては図1及び
図2において左方側であって、基板Pの搬送方向下流
側)端部には、被駆動軸108が回転自在に支持されて
いる。駆動軸106は、図示しない動力伝達機構、例え
ば減速歯車機構を介して駆動源である電動モータM1に
駆動連結されている。駆動軸106及び被駆動軸108
はそれぞれスプラインシャフトから構成されている。
【0019】静止側枠102の各々の内側間において、
ガイド部材104の各々には、一対の可動側枠110が
ガイド部材104の各々に沿って移動自在に支持されて
いる。可動側枠110の各々は、静止側枠102の各々
に平行に基板Pの搬送方向に延在するよう配置されてい
る。可動側枠110の各々は、往復移動手段によって、
ガイド部材104の各々に沿って基板Pの搬送幅方向に
相互に接近及び離隔する方向に往復移動させられる。往
復移動手段は、静止側枠102の各々間に回転自在に支
持されたねじロッド部材112と、ねじロッド部材11
2に、図示しない動力伝達機構、例えば減速歯車機構を
介して駆動連結された、駆動源である電動モータM2と
を備えている。可動側枠110の各々は、ねじロッド部
材112にねじ係合されている。駆動軸106、被駆動
軸108、ガイド部材104の各々及びねじロッド部材
112は、相互に平行であり、かつ各々の軸心は床枠体
12の上面から同じ高さに配置されている。なお、往復
移動手段を流体圧シリンダ機構から構成する他の実施形
態もある。
【0020】可動側枠110の各々の相互に対向する、
基板Pの搬送幅方向内側であって、基板Pの搬送方向一
方側には、それぞれ駆動輪である駆動スプロケット11
4が回転自在に支持されている。駆動スプロケット11
4は駆動軸106にスプライン結合されている。可動側
枠110の各々の相互に対向する、基板Pの搬送幅方向
内側であって、基板Pの搬送方向他方側には、それぞれ
被駆動輪である被駆動スプロケット116が回転自在に
支持されている。被駆動スプロケット116は、被駆動
軸116にスプライン結合されている。駆動スプロケッ
ト114と被駆動スプロケット116は相互に同径であ
る。駆動スプロケット114の各々と被駆動スプロケッ
ト116の各々間には、それぞれ無端部材であるチェー
ン118が巻き掛けられている。チェーン118の各々
は、対応する駆動スプロケット114に巻き掛けられ
た、基板Pの搬送方向の上流側端に位置する上流側半円
移動領域と、対応する被駆動スプロケット116に巻き
掛けられた、基板Pの搬送方向の下流側端に位置する下
流側半円移動領域と、上流側半円移動領域及び下流側半
円移動領域の上端間を水平に基板Pの搬送方向に延在す
る上水平移動領域と、上流側半円移動領域及び下流側半
円移動領域の下端間を水平に基板Pの搬送方向に延在す
る下水平移動領域とを備えている。チェーン118の各
々を、基板Pの上水平移動領域に沿って実質的に水平に
案内するため、対応する可動側枠110には、一対のガ
イド部材118a及び118b(図7及び図1参照)が
上下方向に間隔をおいて基板Pの搬送方向に実質的に水
平にかつ平行に延在して、チェーン118の各々を該領
域において上下方向から相対移動自在に挟むよう配設さ
れている。またチェーン118の各々を、基板Pの下水
平移動領域に沿って実質的に水平に案内するため、対応
する可動側枠110には、ガイド部材118c(図1参
照)が基板Pの搬送方向に実質的に水平に延在して、チ
ェーン118の各々を該領域において下方から支持する
よう配設されている。なお、駆動スプロケット114の
各々、被駆動スプロケット116の各々及びチェーン1
18の各々による駆動手段に代えて、歯付きプーリ、歯
付きベルトの組合せからなる駆動手段とする他の実施形
態もある。
【0021】図2及び図7を参照して、可動側枠110
の各々の、基板Pの搬送方向上流側には、支持ブラケッ
ト111が配設されている。適宜の板部材からなる支持
ブラケット111の各々は、対応する可動側枠110か
ら、基板Pの搬送方向の上流に向かって水平に延び出す
基部111aと、基部111aの先端から基板Pの幅方
向内側に向かって水平に延び出す支持部111bとから
構成されている。支持ブラケット111の各々の支持部
111bの先端部には、それぞれ基板Pの幅方向端を検
出するための基板幅検出センサS1が配設されている。
基板幅検出センサS1の各々は、フィルム剥離搬送装置
の上流側に配置された図示しない、基板Pの投入装置か
ら後述する基板保持部材対120Aに向かって投入され
る基板Pの両端を検出するためのセンサである。上記床
枠体12の、基板Pの搬送方向上流側であって基板Pの
搬送幅方向の中央の上面には、適宜の帯状の板部材から
なる支持ブラケット13が配設されている。支持ブラケ
ット13は、基板Pの搬送方向に延在する基部13a
と、基部13aの両端から直立する支持部13b及び1
3cとから構成されている。基板Pの搬送方向上流端に
位置する支持部13bの頂部には、基板Pの投入装置か
ら基板保持部材対120Aに向かって投入される基板P
の縦方向の先端を検出するための基板先端検出センサS
2が配設されている。基板Pの搬送方向下流端に位置す
る支持部13cの頂部には、基板Pの投入装置から基板
保持部材対120Aに投入された基板Pの縦方向の先端
を検出するための基板先端検出センサS3が配設されて
いる。光学式反射型センサでよい、基板幅検出センサS
1の各々は、後述するとおりにして受取位置X1におい
て基板保持部材対120Aに水平な姿勢で投入される基
板Pの移動面の両端に下方から近接した位置に移動させ
られ、また基板先端検出センサS2及びS3の各々は、
基板Pの移動面に下方から近接した位置に配置されてい
る。
【0022】再び主として図4〜図7を参照して、チェ
ーン118の各々の、相互に対向する内側であって、相
互に整合された周方向位置には(正確には、ピンを介し
て相互に連結されて、チェーン118の各々を構成する
リンク部材対のうち、チェーン118の各々間で、相互
に整合された周方向位置で相互に対向する内側のリンク
部材には)、それぞれ支持板119が相互に対向するよ
う一体に配設されている。相互に対向する支持板119
は支持板対を構成し、支持板対を構成する支持板119
の各々は実質的に鉛直面上に位置付けられる。支持板対
はまた、少なくとも1対配設されるが、実施形態におい
ては、チェーン118の各々に、周方向に間隔をおいて
複数対配設されている。支持板対を構成する支持板11
9の各々には、基板保持部材120が相互に対向するよ
う配設されている。相互に対向する基板保持部材120
は、基板保持部材対120Aを構成する。なお、上記説
明から明らかなように、基板搬送手段100は、基板P
の搬送方向の一方側(上流側又は下流側)において相互
に基板Pの搬送幅方向に間隔をおいて配設された一対の
駆動輪(実施形態においては一対の駆動スプロケット1
14)と、基板Pの搬送方向の他方側(下流側又は上流
側)において相互に基板Pの搬送幅方向に間隔をおいて
配設された一対の被駆動輪(実施形態においては一対の
被駆動スプロケット116)と、一対の駆動輪及び一対
の被駆動輪の各々間にそれぞれ巻き掛けられた無端部材
(実施形態においてチェーン118)とを備え、無端部
材の各々は、対応する駆動輪又は被駆動輪(実施形態に
おいては駆動輪)に巻き掛けられた、基板Pの搬送方向
の一方側端(実施形態においては上流側端)に位置する
一方側半円移動領域(実施形態においては上流側半円移
動領域)と、対応する被駆動輪又は駆動輪(実施形態に
おいては被駆動輪)に巻き掛けられた、基板Pの搬送方
向の他方側端(実施形態においては下流側端)に位置す
る他方側半円移動領域(実施形態においては下流側半円
移動領域)と、一方側半円移動領域及び他方側半円移動
領域の上端間を水平に基板Pの搬送方向に延在する上水
平移動領域と、一方側半円移動領域及び他方側半円移動
領域の下端間を水平に基板Pの搬送方向に延在する下水
平移動領域とを備えており、基板保持部材対120Aを
構成する基板保持部材120の各々は、対応する無端部
材に、基板Pの搬送幅方向に間隔をおいて相互に対向す
るよう配設されている。したがって、基板保持部材対1
20Aは、一方側半円移動領域、上水平移動領域、他方
側半円移動領域及び下水平移動領域をこの順序で無端状
に(ループ状に)循環移動せしめられる。後の説明から
明らかなように、この実施形態において、基板Pの受取
位置X1は、一方側半円移動領域である上流側半円移動
領域に設定され、剥離位置X2は、上水平移動領域に設
定され、また搬出位置X3は他方側半円移動領域である
下流側半円移動領域に設定されている。
【0023】支持板対を構成する支持板119の各々の
相互に対向する内側面には、矩形状の板部材からなる支
持部材130aが装着されている。支持部材130aの
各々は、基板Pの搬送幅方向に相互に対向するよう配置
される。相互に対向する支持部材130aは支持部材対
を構成し、支持部材対を構成する支持部材130aの各
々は実質的に鉛直面上に位置付けられる。支持部材対を
構成する支持部材130aの各々には、基板保持部材対
120Aを構成する基板保持部材120の各々を所定の
保持位置に位置付けて基板Pを保持する保持手段130
が、該基板保持部材120の各々に対応してそれぞれ備
えられている。保持手段130の各々は、ロッド部材1
32と、基板保持部材対120Aを構成する基板保持部
材120と、ばね部材である圧縮コイルばね136とを
備えている。支持部材対を構成する支持部材130aの
各々には、ロッド部材132が基板Pの搬送幅方向に
(軸方向に)移動可能にかつ回転不可能に支持されてい
る。軸方向に移動可能にかつ回転不可能な支持手段は、
適宜の公知の手段、例えば支持部材130aに配設され
た軸受部の支持孔とロッド部材132とを多角形の横断
面とすればよい。ロッド部材132の各々は、基板Pの
搬送幅方向に実質的に水平に延在する共通の軸線上に配
置され、対応する支持部材130aから基板Pの搬送幅
方向内外に延び出している。ロッド部材132の各々
の、相互に対向する一端には、基板保持部材対120A
を構成する基板保持部材120がそれぞれ一体に装着さ
れ、かつ他端にはロッド部材132よりも大径の被係止
大径部134が一体に配設されている。基板保持部材対
120Aを構成する基板保持部材120の各々と、基板
保持部材120の各々に対応する支持部材130aとの
間には、圧縮コイルばね136が配設されている。基板
保持部材120の各々は、それぞれ圧縮コイルばね13
6によって、ロッド部材132と共に相互に接近する方
向に付勢させられて所定の保持位置に位置付けられてい
る。なお、基板保持部材対120Aを構成する基板保持
部材120の各々を所定の保持位置に位置付けるため、
ロッド部材132の各々に適宜のストッパ手段、例えば
大径部を形成し、大径部をを圧縮コイルばね136のば
ね力により対応する支持部材130aないしはそれと一
体の部材に当接させて、基板Pの搬送幅方向内側への移
動を規制しておくことが好ましい。
【0024】基板保持部材対120Aを構成する基板保
持部材120の各々は、相互に間隔をおいて平行に延在
する一対の側壁122と、側壁122の各々の一端間を
連結する底壁124と、長手方向の一端を閉塞する端壁
126とからなる、ほぼチャンネル形の横断面形状を有
すると共に、チャンネル形の開放端が基板Pの搬送幅方
向に間隔をおいて対向せしめられている。後述するとお
りにして基板保持部材対120Aに基板Pを受け入れて
保持するに際し、基板Pの受け入れを円滑にせしめるた
め、基板保持部材120の各々の一対の側壁122の各
々の先端部を、先端に向かって相互に離隔する方向に広
がるようなフレア形状ないしはテーパ付きの形状にして
おくことが好ましい。また同じ理由から、基板保持部材
120の各々の端壁126の先端部(底壁124と反対
側の先端部)も、先端に向かって、対応する基板保持部
材120の他端(端壁126が形成されていない開放さ
れた他端)に対し反対方向に広がるような形状ないしは
テーパ付きの形状にしておくことが好ましい。このよう
な構成は、後述するとおりにして保持解除位置に移動さ
せられた、基板保持部材対120Aを構成する基板保持
部材120の各々を、保持解除位置から相互に接近する
方向に移動させて基板Pの搬送幅方向における両端部に
嵌合させ、保持位置に位置付ける際の嵌合作動を円滑に
する。
【0025】可動側枠110の各々において、上記剥離
位置X2に対応する位置には、支持フレーム110aが
それぞれ基板Pの搬送幅方向外方に実質的に水平に延び
出すよう配設されている。支持フレーム110aの各々
上には、剥離位置X2に位置付けられた保持手段130
の各々の、対応するロッド部材132を基板Pの搬送幅
方向外方に移動させて、対応する基板保持部材120を
所定の保持位置から圧縮コイルばね136のばね力に抗
して保持解除位置に移動させて一時的に基板Pの保持を
解除し、かつ対応するロッド部材132を保持解除位置
から基板Pの搬送幅方向内方に移動させて圧縮コイルば
ね136のばね力と協働して、対応する基板保持部材1
20を所定の保持位置へ復帰させる保持解除手段140
が、該基板保持部材120の各々に対応してそれぞれ備
えられている。保持解除手段140の各々は、アクチュ
エータ、実施形態においては、シリンダ141、シリン
ダ141内に配設されたピストン142及びピストン1
42に連結されたピストンロッド143を備えた流体圧
シリンダ機構であるエアシリンダ機構140Aと、ピス
トンロッド143の先端に連結されて基板Pの搬送幅方
向に往復移動させられる係止部材144とを備えてい
る。なお、アクチュエータとしては、電動モータ機構を
利用する他の実施形態もある。
【0026】係止部材144の各々は、上下方向に間隔
をおいて基板Pの搬送方向に平行に延在する一対の側壁
144aと、側壁144aの各々の一端間を連結する底
壁144bと、側壁144aの各々の他端から相互に接
近する方向に延び出しかつ相互に上下方向に間隔をおい
て対向する係止突部144cとを備えており、底壁14
4bが、対応するピストンロッド143の先端に一体に
連結されている。係止部材144の各々はほぼチャンネ
ル形状をなしている。係止部材144の各々は、基板保
持部材対120Aを構成する基板保持部材120が装着
された、対応するロッド部材132における、被係止大
径部134を含む他端部の、基板Pの搬送方向の移動軌
跡上に位置付けられて該他端部の、基板Pの搬送方向へ
の移動を許容する。該移動を許容するためかつ対応する
ロッド部材132の被係止大径部134を係止して基板
Pの搬送幅方向外方へ移動させるため、係止部材144
の各々の係止突部144c間の間隔は、基板保持部材1
20が装着された、対応するロッド部材132の直径よ
りも大きくかつロッド部材132の被係止大径部134
の直径よりも小さく規定されている。基板保持部材対1
20Aを構成する基板保持部材120の各々が剥離位置
X2に位置付けられた状態で、ロッド部材132の各々
の被係止大径部134を含む他端部は、対応する係止部
材144の内側に位置付けられる。そしてエアシリンダ
機構140Aの各々によって、係止部材144の各々を
基板Pの搬送幅方向であって相互に離隔する方向に移動
させると、係止部材144の各々の係止突部144c
が、対応するロッド部材132の被係止大径部134を
係止して基板Pの搬送幅方向外方へ移動させるので、基
板保持部材対10Aを構成する基板保持部材120の各
々は、対応する被係止大径部134及びロッド部材13
2を介して圧縮コイルばね136のばね力に抗して相互
に離隔する方向に保持解除位置まで移動させられ、基板
Pの保持が解除される。またエアシリンダ機構140A
の各々によって、ピストンロッド143及び係止部材1
44を介して、対応するロッド部材132を保持解除位
置から基板Pの搬送幅方向内方に移動させると、圧縮コ
イルばね136のばね力と協働して、対応する基板保持
部材120を所定の保持位置へ復帰させることができ
る。なお、上記可動側枠110の各々は、ロッド部材1
12及び電動モータM2を含む往復移動手段によって、
基板Pの搬送幅方向における所定の待機位置に位置付け
られている。
【0027】次に、基板保持部材対120Aによって離
脱自在に保持されて搬送される基板Pの実施形態につい
て説明する。図9及び図10を参照して、基板Pは、片
面及び他面の両面にフィルムが貼着されかつビルドアッ
プ工法により製造されたプリント配線基板から構成され
ている。更に具体的に説明すると、基板Pは、プリント
配線基板の本体P1と、本体P1の片面又は両面、実施
形態においては両面に貼着された絶縁樹脂P2と、絶縁
樹脂P2の各々の表面に貼着されたフィルムFとから構
成されている。図10に示されているように、平面形状
が矩形をなす、プリント配線基板の本体P1は、縦方向
長さ(図10において上下方向長さ)が幅方向長さ(図
10において左右方向長さ)よりも短い。絶縁樹脂P2
の各々は、例えばエポキシ樹脂から構成されている。フ
ィルムFは例えばPETから構成されている。絶縁樹脂
P2の各々は、平面形状が相互に実質的に同じである矩
形をなしかつ、縦方向長さは本体P1の縦方向長さより
も短く、また幅方向長さは本体P1の幅方向長さよりも
短い。フィルムFの各々は、平面形状が相互に実質的に
同じである矩形をなしかつ、縦方向長さは本体P1の縦
方向長さよりも短いが絶縁樹脂P2の各々の縦方向長さ
よりも長く、また幅方向長さは絶縁樹脂P2の各々の幅
方向長さと実質的に同じである。
【0028】基板Pの本体P1の縦方向の一端部(図1
0において上端部)において、絶縁樹脂P2の各々の一
端(図10において上端)P2aは、基板P、更に具体
的には本体P1の一端(図10において上端)P1aか
ら所定の距離だけ他端方向(図10において下端方向)
に後退した位置に配置されている。また、フィルムFの
各々の一端部は、対応する絶縁樹脂P2の一端P2aか
ら基板Pの本体P1の一端P1a方向に基板Pの本体P
1の表面に隙間Cをおいて張り出すよう構成されている
が、フィルムFの各々の一端Faは、基板Pの本体P1
の一端P1aよりも他端方向に後退した位置にある。こ
のようなフィルムFの各々の張出部は剥離しろを構成す
る。上記基板Pにおいて、フィルムF及び絶縁樹脂P2
の各々は、本体P1の片面又は両面に対して、実施形態
においては両面に対して、幅方向の両端部P1b及び縦
方向の少なくとも一端部P1cを残した状態で貼着され
ている(図10に示す実施形態においては、縦方向他端
部P dをも残した状態で貼着されている)。上記説明
から明らかなように、本体P1を平面から見て、フィル
ムFの幅方向両端と本体P1の幅方向端との間には、し
たがって本体P1の幅方向両端部P1bの両面には、フ
ィルムF及び絶縁樹脂P2の各々が貼着されていない露
呈面が、それぞれ実質的に同じ一定の幅で縦方向に延在
し、また、フィルムFの縦方向両端と本体P1の縦方向
両端との間には、したがって本体P1の縦方向両端部P
1c及びP1dの両面には、フィルムF及び絶縁樹脂P
2の各々が貼着されていない露呈面が、それぞれ実質的
に同じ一定の幅で幅方向に延在する。なお、図10にお
いて符号P1fは、本体P1の他端を示している。な
お、図1〜図8及び図11〜図26に示されている本発
明の実施形態において、図9及び図10に示されている
基板Pの縦方向の一端部P1c及びフィルムFの各々の
縦方向の一端Faを含む一端部は、基板Pが鉛直な姿勢
に位置付けられたときに、それぞれ鉛直上方に位置させ
られ、また、基板Pの幅方向両端部P1bは、基板Pの
搬送幅方向における両端部を規定する。図9及び図10
に示されている基板Pは、本発明によるいずれのフィル
ム剥離搬送装置においても、剥離位置又は端部剥離位置
において鉛直な姿勢にせしめられた状態で、縦方向の一
端部P1cが上方に位置するよう搬送されることが重要
である。
【0029】次に、図1、図3及び図8〜図10を参照
して、剥離位置X2に配設された剥離手段200の実施
形態ついて説明する。可動側枠110の各々に配設され
た上記支持フレーム110aには支持枠体19が配設さ
れ、支持枠体19の各々には、それぞれ剥離手段200
の一部を構成するクランプ手段250が配設されてい
る。基板Pの一端部側における幅方向両端部P1bを解
除自在にクランプするクランプ手段250の各々は、そ
れぞれハウジング252を備えている。ハウジング25
2には、それぞれ一対のクランプ板部材254が閉位置
と開位置との間を旋回自在に支持されている。クランプ
板部材254の各対は、基板Pの搬送幅方向に間隔をお
いて位置付けられている。ハウジング252の各々内に
は、対応するクランプ板部材254の各々を、閉位置と
開位置との間を旋回させる駆動手段、例えば図示しない
エアシリンダ機構が配設されている。エアシリンダ機構
の各々と、対応するクランプ板部材254の各々とは、
図示しない適宜のリンク機構により連結されている。ク
ランプ板部材254の各対が閉位置に位置付けられる
と、クランプ板部材254の各対を構成するクランプ板
部材254の各々の片面同士が、基板Pの本体P1の一
端部側における幅方向両端部P1bの搬送方向における
移動軌跡上において、基板Pの搬送幅方向に延在する共
通の鉛直面において相互に圧接され、開位置に位置付け
られると、クランプ板部材254の各対を構成するクラ
ンプ板部材254の各々の該片面は、基板Pの幅方向両
端の搬送方向における移動軌跡から基板Pの搬送幅方向
外方に退避した位置において、それぞれ基板Pの搬送方
向に延在する鉛直面に沿うように位置付けられる。な
お、クランプ手段250の各々は、エアチャッキング機
構、電動モータを駆動源とするクランプ機構などの他の
実施形態もある。
【0030】天井枠体18の下面には、横断面がチャン
ネル形状をなす支持枠20が配設され、支持枠20には
他の支持枠22が配設されている。他の支持枠22に
は、昇降手段である流体圧シリンダ機構、実施形態にお
いてはエアシリンダ機構220が配設されている。エア
シリンダ機構220の軸線は鉛直方向に延在し、エアシ
リンダ機構220のピストンロッド220aの下端に
は、基板Pの、少なくとも一端P1aに向けて上方から
圧力気体を噴射する圧力気体噴射手段、実施形態におい
ては圧力エアを噴射する圧力エア噴射手段260が配設
されている。エアシリンダ機構220及び圧力エア噴射
手段260は、クランプ手段250と共に剥離手段20
0を構成する。圧力エア噴射手段260は、枠体262
と、枠体262に支持された、少なくとも1本の圧力気
体供給パイプ、実施形態においては3本の圧力エア供給
パイプ264、266及び268が配設されている。そ
れぞれ横断面が円形の中空パイプからなる圧力エア供給
パイプ264、266及び268は、基板Pの搬送方向
に間隔をおいて基板Pの搬送幅方向に実質的に水平に延
在するよう配置されている。圧力エア供給パイプ26
4、266及び268の下面には、軸方向に間隔をおい
て複数の溝が形成され、該溝の各々には、それぞれ圧力
気体噴射孔である圧力エア噴射孔264a、266a及
び268aが形成されている。圧力エア供給パイプ26
4、266及び268は、図示しない共通の圧力エア供
給パイプを介して図示しない圧力エア供給源であるエア
ポンプに接続されている。図示しない共通の圧力エア供
給パイプには図示しない電磁開閉弁が配設され、該電磁
開閉弁を作動制御することにより、圧力エア供給パイプ
264、266及び268の圧力エア噴射孔264a、
266a及び268aから圧力エアが噴射される。圧力
エア供給パイプ264、266及び268を備えた枠体
262は、エアシリンダ機構220によって鉛直方向の
所定の待機位置に位置付けられている。
【0031】上記支持枠20には、昇降手段である流体
圧シリンダ機構、実施形態においてエアシリンダ機構2
22が配設され、鉛直軸線上に配置された、エアシリン
ダ機構222のピストンロッドの下端には、基板先端検
出センサS4が配設されている。基板先端検出センサS
4は、剥離位置X2に搬送されて位置付けられた基板P
の鉛直上端P1aを検出するためのセンサであり、エア
シリンダ機構222によって鉛直方向の所定の待機位置
に位置付けられている。
【0032】上記のように構成されたフィルム搬送剥離
装置は図示しないコントローラを備え、該コントローラ
によってその作動が制御される。コントローラは、マイ
クロコンピュータによって構成されており、制御プログ
ラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)、制
御プログラムを格納するROM、演算結果等を格納する
読み書き可能なRAM、タイマ、カウンタ、入力インタ
ーフェース及び出力インターフェースなどを備えてい
る。このように構成されたコントローラの入力インター
フェースには、上記センサS1〜S4、その他の検出器
などからの検出信号が入力され、出力インターフェース
から電動モータM1、M2、エアシリンダ機構140
A、220及び222、圧力エア噴射手段260の図示
しない電磁開閉弁などに制御信号を出力する。
【0033】次に上記フィルム搬送剥離装置の作動につ
いて説明する。主として図1〜図3、図9及び図10を
参照して、基板搬送手段100における可動側枠110
の各々は所定の待機位置に位置付けられている。チェー
ン118の各々の、基板Pの搬送方向上流端に位置する
上流側半円移動領域の上下方向の中央位置に設定された
受取位置X1には、基板保持部材対120Aが実質的に
水平な姿勢で位置付けられている。基板保持部材対12
0Aを構成する基板保持部材120の端壁126(図7
参照)は基板搬送方向下流側に位置付けられる。基板P
は、図示しない基板Pの投入装置により、その他端P1
f(図10参照)を下流方向に向けて基板保持部材対1
20Aに向かって水平に移動させられる。基板先端検出
センサS2が基板Pの他端P1fを検出すると、投入装
置による基板Pの投入動作が一旦停止させられ、基板P
は、基板保持部材対120Aの直前でその移動が一旦停
止される。
【0034】次いで、電動モータM2が回転駆動させら
れ、可動側枠110の各々は所定の待機位置から相互に
接近する方向に移動させられる。可動側枠110の各々
に支持された、駆動スプロケット114の各々、被駆動
スプロケット116の各々、チェーン118の各々、基
板保持手段130の各々に含まれる、基板保持部材対1
20Aを構成する基板保持部材120の各々、エアシリ
ンダ機構140Aの各々及びクランプ手段250の各々
も、可動側枠110の各々と共に相互に接近する方向に
移動させられる。基板Pの幅よりも広い待機位置に位置
付けられていた基板幅検出センサS1の各々もまた、可
動側枠110の各々と共に相互に接近する方向に移動さ
せられる。基板幅検出センサS1の各々が、基板Pの幅
方向両端を検出すると、電動モータM2の回転駆動が停
止させられる。可動側枠110の各々と共に相互に接近
する方向に移動させられた基板保持部材対120Aを構
成する基板保持部材120の各々は、基板Pに対応した
所定の保持位置(基板保持部材120の各々の底壁12
4(図7参照)が基板Pの幅方向両端よりも若干広く位
置付けられる所定の保持位置)に停止させられる。
【0035】再び投入装置による基板Pの投入動作が開
始され、基板Pは更に前進させられて、基板Pの幅方向
両端部P1bが、それぞれ基板保持部材対120Aを構
成する基板保持部材120の各々内に進入させられる。
基板先端検出センサS3が基板Pの他端P1fを検出す
ると、投入装置による基板Pの投入動作が停止させら
れ、基板Pは、その他端P1fが、少なくとも基板保持
部材120の各々の端壁126(図7参照)に当接する
手前の位置で停止させられる。基板Pは、その幅方向両
端部P1bの表裏が、対応する基板保持部材120の側
壁122に離脱自在に挟まれる形態で、基板保持部材対
120Aによって水平な姿勢で受け取られて保持され
る。基板Pの一端部P1c及び一端部P1c側における
幅方向両端部P1bを含む一端部領域は、基板保持部材
対120Aの長手方向の一端から突出せしめられる。
【0036】次いで、電動モータM1が回転駆動させら
れる。駆動スプロケット114の各々、チェーン118
の各々及び被駆動スプロケット116の各々が図1にお
いて反時計方向に回転駆動させられる。基板保持部材対
120Aは、チェーン118の各々によって上流側半円
移動領域から上水平移動領域に移動させられる。基板保
持部材対120Aが上水平移動領域に移動させられる
と、基板保持部材対120Aは、水平な姿勢から鉛直な
姿勢にせしめられる。すなわち、基板保持部材対120
Aを構成する基板保持部材120の各々は、端壁126
が下端に位置するように鉛直に位置付けられる。その結
果、基板Pも水平な姿勢から鉛直な姿勢にせしめられ
る。基板Pは基板保持部材対120A内を自重により若
干落下せしめられ、その幅方向両端部P1b及び幅方向
両端部P1bにおける下端P1fが基板保持部材対12
0Aによって保持される。また、基板保持部材対120
Aの長手方向一端から突出せしめられた基板Pの上記一
端部領域は、鉛直上方に位置付けられる。このような姿
勢で基板Pが基板保持部材対120Aに保持されたま
ま、上水平移動領域のほぼ中央に設置された剥離位置X
2まで搬送されると、電動モータMの回転駆動が停止さ
せられる。電動モータMの回転駆動の停止は、例えば、
剥離位置X2に配設された図示しない基板端検出センサ
からの検出信号に基づいて行なうことができる。あるい
はまた、駆動軸106に配設された図示しないロータリ
エンコーダからの検出信号に基づいて行なうことができ
る。
【0037】上記したとおりにして基板Pが剥離位置X
2まで搬送されて位置付けられると、図4に示されてい
るように、保持手段130の各々の被係止大径部134
が、それぞれ対応する保持解除手段140の係止部材1
44内に干渉することなく進入させられて位置付けられ
る。エアシリンダ機構222が作動させられて、基板先
端検出センサS4が所定の待機位置から下降させられ、
基板Pの鉛直上端P1aの高さ位置が検出される。基板
先端検出センサS4が該高さ位置を検出すると、エアシ
リンダ機構222によって所定の待機位置まで上昇させ
られる。基板先端検出センサS4の検出信号に基づい
て、クランプ手段250の各々のクランプ板部材254
がそれぞれ閉位置に旋回させられて位置付けられ、基板
保持部材対120Aに保持された基板Pの基板保持部材
対120Aの長手方向一端から突出せしめられた基板P
の両端部P1bをそれぞれクランプする(図8参照)。
基板Pの両端部P1bがクランプ手段250の各々によ
ってしっかりとクランプされた後、エアシリンダ機構1
40Aが作動させられ、基板保持部材対120Aを構成
する基板保持部材120の各々が保持位置から保持解除
位置まで移動させられ、フィルムFの剥離に支障がない
ように基板Pの幅方向両端から離される。基板Pは、ク
ランプ手段250の各々によってのみ鉛直な姿勢で保持
される。
【0038】次に、エアシリンダ機構220が作動さ
れ、圧力エア噴射手段260、すなわち枠体262及び
枠体262に支持された3本の圧力エア供給パイプ26
4、266及び268が、所定の待機位置(図8におい
て2点鎖線で示される位置参照)から圧力エア噴射位置
(図8において実線で示される位置参照)まで下降させ
られる。圧力エア噴射位置は、基板先端検出センサS4
の検出信号に基づいて規定される。中央の圧力エア噴射
パイプ266は基板Pの一端P1aの上方に接近して
(例えば、0.9mm〜2.0mmの隙間をおいて)一
端P1aに沿って延在するよう位置付けられると共に圧
力エア噴射孔266aの各々から基板Pの一端P1aに
向けて高圧エア(例えば、0.7〜0.9Mp)が噴射
される。圧力エアの噴射は図示しない電磁開閉弁を開く
ことにより行なわれる。また、両側の2本の圧力エア供
給パイプ264及び268の圧力エア噴射孔264a及
び268aの各々から基板Pの本体P1の一端部P1c
の両面に向けて圧力エアが噴射される。なお、中央の圧
力エア噴射パイプ266の圧力エア噴射孔266aの軸
線、すなわち噴射方向は、基板Pの本体P1の一端P1
a(この場合は上端)に指向されているが、圧力エア供
給パイプ264及び268の圧力エア噴射孔264a及
び268aの各々の軸線は、本体P1の一端部P1cの
両面に指向されている。
【0039】更に詳細に説明すると、この高圧エアは、
絶縁樹脂P2の各々の一端P2aから基板Pの本体P1
の一端P1a方向に張り出しているフィルムFの各々の
一端部と、本体P1の両面との間にそれぞれ形成されて
いる隙間Cに向けて噴射される。この高圧エアのエアナ
イフ作用によって、フィルムFの各々は、対応する絶縁
樹脂P2の一端P2aから後端に向かってしかも実質的
に鉛直に上から下に向かって徐々にかつ迅速に剥離され
てゆく。基板Pの一端部に形成されている上記フィルム
剥離しろは、高圧エア噴射による最初の剥離作用の促進
に寄与する。基板Pは、その上端部における両端部P1
bがクランプ手段250の各々によって鉛直な姿勢でし
っかりとクランプされているので、高圧エア噴射圧力の
衝撃による基板Pの一端部P1cのぶれは少なく抑えら
れ、基板Pが損傷されることはない。また、噴射された
高圧エアは、剥離されたフィルムFの各々の剥離面と、
対応する絶縁樹脂P2の被剥離面との隙間内を基板Pの
両面に沿って実質的に鉛直に上から下に向かって指向さ
れるので(ガイドされるので)、フィルムFの各々の、
対応する絶縁樹脂P2からの剥離作用を促進する。フィ
ルムFの各々は、基板Pの両面に貼着されている絶縁樹
脂P2に比較的強力な密着強度をもって貼着されている
にもかかわらず、絶縁樹脂P2を実質的に傷めることな
く、一瞬にして絶縁樹脂P2から完全に剥離される。剥
離されたフィルムFの各々は、圧力エアにより下方に吹
き飛ばされ、収容箱2内に落下せしめられる。このよう
に、基板Pはクランプ手段250の各々によって鉛直な
姿勢でクランプされていることに起因して、剥離された
フィルムFを搬送する機構を別に設けることなく、収容
箱2に収容することが可能となり、構成の簡略化が可能
となる。
【0040】フィルムFの各々が剥ぎ取られた後、すな
わち圧力エアが噴射されてから所定時間経過後、圧力エ
アの噴射が停止される。圧力エアの噴射停止は、上記電
磁開閉弁を閉じることにより行なわれる。なお、圧力エ
ア噴射手段260の圧力エア供給パイプを、1本の圧力
エア供給パイプ266のみで構成する他の実施形態も成
立する。したがって、圧力エアの噴射時においては、圧
力エア噴射手段260によって、基板Pの少なくとも一
端P1aに向けて上方から圧力気体を噴射することが重
要である。これにより上記した如き剥離効果の達成は可
能である。
【0041】圧力エア噴射手段260による圧力エアの
噴射が停止された後、圧力エア噴射手段260がエアシ
リンダ機構220によって圧力エア噴射位置から所定の
待機位置まで上昇させられる。エアシリンダ機構140
Aが作動させられ、基板保持部材対120Aを構成する
基板保持部材120の各々が保持解除位置から保持位置
まで移動させられ、再び基板Pを保持する。このとき基
板Pが多少曲がっていても、先に述べたように、基板保
持部材120の各々の側壁122の各々をフレア形状な
いしはテーパ付きの形状とし、また端壁126の各々を
下方(剥離位置に位置付けられた状態で下方)に広がる
形状ないしはテーパ付きの形状とすることにより、基板
保持部材120の各々は該基板Pを円滑に受け入れるこ
とが可能になる。基板保持部材対120Aを構成する基
板保持部材120の各々が保持位置に戻され、基板Pが
保持された後、クランプ手段250の各々のクランプ板
部材254がそれぞれ閉位置から開位置に旋回させられ
て基板Pの幅方向両端の搬送方向の移動軌跡上から退避
させられ、基板Pのクランプが解除される。
【0042】基板Pのクランプが解除された後、電動モ
ータM1が図1において反時計方向に回転駆動される。
フィルムFが剥離された基板Pを保持した基板保持部材
対120Aは、チェーン118の各々によって上水平移
動領域から下流側半円移動領域に向かって移動させられ
る。保持手段130の各々のロッド部材132及び被係
止大径部134は、保持解除手段140の係止部材14
4から抜け出す。基板保持部材対120Aが下流側半円
移動領域に移動させられて、下流側半円移動領域の中央
位置に設定された搬出位置X3に達すると電動モータM
1の回転駆動が停止される。上水平移動領域においては
鉛直な姿勢で搬送される基板保持部材対120Aは、下
流側半円移動領域に設定された搬出位置X3に達すると
水平な姿勢にせしめられる。すなわち、基板保持部材対
120Aを構成する基板保持部材120の各々は、端壁
126が基板搬送方向上流側に位置するように水平に位
置付けられる。その結果、基板Pも鉛直な姿勢から水平
な姿勢にせしめられる。基板Pは、図示しない受取装置
(搬出装置)により基板保持部材対120Aから次工程
に向けて搬出させられる。基板Pが搬出された空の基板
保持部材対120Aは、下流側半円移動領域から下水平
移動領域を経て、再び上流側半円移動領域に設定された
受取位置X1まで移動させられる。以上の動作がコント
ローラの制御に従って繰り返されることにより、フィル
ム剥離搬送装置による基板Pの搬送及びフィルムFの剥
離作動が繰り返し遂行される。実施形態においては、基
板保持部材対120Aは、複数対配設されているので、
基板保持部材対120A毎に上記動作が行なわれるの
で、基板搬送手段100の搬送動作は所定のタイミング
で間欠的に行なわれる。
【0043】上記した如く、本発明によるフィルム剥離
搬送装置は、フィルムFが貼着された基板Pを、基板P
の搬送幅方向における両端部を離脱自在に保持した状態
で、受取位置X1から剥離位置X2へ、そして剥離位置
X2から搬出位置X3まで搬送する基板搬送手段100
と、剥離位置X2においてフィルムFを基板Pから完全
に剥離させる剥離手段200とを備えている。基板P
は、受取位置X1において水平な姿勢で受け取られた
後、剥離位置X2において鉛直な姿勢となるよう、受取
位置X1から剥離位置X2まで搬送され、剥離位置X2
において鉛直な姿勢で剥離手段200によりフィルムF
が完全に剥離され、更に搬出位置X3において水平な姿
勢となるよう搬出位置X3まで搬送される。なお、本発
明において、鉛直な姿勢、水平な姿勢とは、それぞれ、
幾何学的に完全な姿勢のみを意味するものではなく、わ
ずかな角度のずれないし誤差があってもその範囲に含ま
れるものである。以上の構成により、基板Pは、絶縁樹
脂P2が貼着された領域に外部から一切触れることなく
搬送され、かつ剥離動作が遂行されるので、基板Pの品
質は確実に保証される。したがって、厚さが非常に薄い
基板Pであっても、基板Pの品質を損なうことなく安定
した搬送を可能にする。また、フィルムFの剥離は、鉛
直な姿勢に保持された基板Pの本体P1の一端P1aに
向けて高圧エアを噴射することにより行なわれるので、
基板Pの品質を損なうことなく、円滑かつ確実な剥離効
果が達成される。すなわち、厚さが非常に薄い基板Pで
あっても、基板Pに貼着されている絶縁樹脂P2に比較
的強力な密着強度をもって貼着されているフィルムF
を、絶縁樹脂P2を傷めることなく、絶縁樹脂P2から
十分確実に剥離することを可能にするのである。特に、
基板Pを鉛直な姿勢に保持した状態でフィルムFを上方
から下方に向かって剥離する動作は、基板Pを安定して
保持することができると共に、基板PからのフィルムF
の剥離を、水平な姿勢で行なう場合に較べて、より安定
してかつ効果的に遂行することを可能にし、実用上、き
わめて有用である。
【0044】図11には、剥離位置に配設されたクラン
プ手段の他の実施形態が示されている。先に述べたクラ
ンプ手段250の各々は、基板Pの一端部側における幅
方向両端部P1bを解除自在にクランプするクランプ手
段であるが、図11に示されているクランプ手段270
の各々は、基板Pの本体P1の一端部P1cの複数箇
所、実施形態においては3箇所を解除自在にクランプす
るクランプ手段である。クランプ手段270の各々は、
それぞれハウジング272を備えている。ハウジング2
72の各々は、先に述べた圧力エア噴射手段260の枠
体262に、基板Pの搬送幅方向に間隔をおいて配置さ
れている。ハウジング272の各々には、それぞれ一対
のチャック部材274を含むエアチャッキング機構が配
設されている。クランプ手段270の各々において、チ
ャック部材274の各対は、それぞれエアチャッキング
機構によって、閉位置と開位置との間を移動可能であ
る。なお、クランプ手段270の各々は、エアシリンダ
機構、電動モータを駆動源とするクランプ機構などの他
の実施形態もある。枠体262には圧力エア噴射手段2
60と基本的に同じ構成を有する圧力エア噴射手段が備
えられている。この圧力エア噴射手段は、圧力エア供給
パイプ264、266及び268を備えている。中央の
圧力エア供給パイプ266は、基板Pの搬送幅方向の中
央に位置するクランプ手段270及び該幅方向に位置す
るクランプ手段270との干渉を避けるため、中央に位
置するクランプ手段270を、基板Pの搬送幅方向に挟
んだ2本の圧力エア供給パイプ266Aと266Bとに
分割されて配置されている。両側の圧力エア供給パイプ
264と268は、クランプ手段270の各々のチャッ
ク部材274の各対の、両側(基板Pの搬送方向両側)
を基板Pの搬送幅方向に延在するよう配置されている。
【0045】圧力エア噴射手段は、先に述べたと同じ如
く、エアシリンダ機構220によって、所定の待機位置
と圧力エア噴射位置との間を昇降させられる。クランプ
手段270の各々もそれと一体に所定の待機位置とクラ
ンプ位置との間を昇降させられる。クランプ位置に位置
付けられたクランプ手段270の各々は、各々のチャッ
ク部材274の対によって、剥離位置X2に位置付けら
れた基板Pの一端部P1cにおける両端部と中央部の3
箇所を解除自在にクランプすることができる。圧力エア
噴射手段の作用は先に述べたのと実質的に同じであり、
説明は省略する。クランプ位置に位置付けられた基板P
は、その一端部P1cにおける両端部と中央部の3箇所
がクランプ手段270の各々によってクランプされてフ
ィルムFの剥離が行なわれるので、圧力エア噴射時にお
ける、基板Pの一端部P1cのぶれが一層少なく抑えら
れ、より安定した剥離作用が保証される。
【0046】図12及び図13には、本発明によるフィ
ルム剥離搬送装置の他の実施形態が示されている。この
フィルム剥離搬送装置は、基板Pを、基板Pの搬送幅方
向における両端部を離脱自在に保持した状態で、受取位
置X1から端部剥離位置X1Aへ、端部剥離位置X1A
から剥離位置X2へ、そして剥離位置X2から搬出位置
X3まで搬送する基板搬送手段100と、端部剥離位置
X1Aにおいてフィルムの、鉛直上方に位置する一端部
を基板から部分的に剥離させる端部剥離手段300と、
剥離位置X2において一端部が剥離されたフィルムFを
基板Pから完全に剥離させる剥離手段400とを備えて
いる。基板搬送手段100によって端部剥離位置X1A
に搬送された基板Pは、鉛直な姿勢で端部剥離手段30
0によりフィルムFの、鉛直上方に位置する一端部が部
分的に剥離させられ、基板搬送手段100によって端部
剥離位置X1Aから剥離位置X2に搬送された基板P
は、鉛直な姿勢で剥離手段400により、一端部が部分
的に剥離させられたフィルムFが完全に剥離される。基
板搬送手段100は、受取位置X1において基板Pを水
平な姿勢で受け取り、端部剥離位置X1Aにおいて基板
Pが鉛直な姿勢となるよう、受取位置X1で受け取った
基板Pを端部剥離位置X1Aまで搬送し、端部剥離位置
X1Aにおいて鉛直な姿勢で端部剥離手段300により
フィルムFの、鉛直上方に位置する一端部が部分的に剥
離された基板Pを鉛直な姿勢を維持しながら剥離位置X
2まで搬送し、剥離位置X2において、該一端部が部分
的に剥離されたフィルムFが鉛直な姿勢で剥離手段40
0により完全に剥離された基板Pを、搬出位置X3にお
いて水平な姿勢となるよう搬出位置X3まで搬送する。
【0047】このフィルム剥離搬送装置が先に説明した
フィルム剥離搬送装置と相違する主要なところは、受取
位置X1と剥離位置X2との間に端部剥離位置X1Aが
設定され、端部剥離位置X1Aに端部剥離手段300が
配設されたこと、剥離手段400の構成が剥離手段20
0と異なること、剥離位置X2の下方にフィルム搬送手
段500が配設されていることなどであり、基板搬送手
段100は実質的に同じである。したがって同一部分は
同一符号で示し、説明は省略する。また、このフィルム
剥離搬送装置に適用される基板Pは、ビルドアップ工法
により製造されたプリント配線基板から構成されている
のではなく、それ以外の一般的なプリント配線基板、す
なわちフォトレジスト層の表面にフィルムFが貼着され
る形態の基板Pである。この基板Pは、例えば、図9及
び図10に示されている基板Pにおいて、絶縁樹脂P2
の各々を、フォトレジスト層とみなし、フィルムFの各
々の一端Faと、対応する絶縁樹脂P2の一端P2aと
が平面から見て重合された位置に存在する如き構成であ
る。したがって、この基板Pにおいては、図9及び図1
0に示されている基板Pにおける如き、フィルムFの各
々の張出部は形成されていない。
【0048】天井枠体18には、昇降手段を介して支持
枠302が配設されている。昇降手段は、天井枠体18
に配設された複数のガイド部材303に沿って鉛直方向
に昇降自在に移動可能な複数の被ガイドロッド304
と、天井枠体18に配設されたハウジング306と、ハ
ウジング306に回転可能にねじ係合されてハウジング
306から鉛直下向に延び出すねじロッド部材308と
を備えている。被ガイドロッド304の下端は支持枠3
02に連結され、ねじロッド部材308の下端は、支持
枠302に相対回転自在に連結されている。ハウジング
306内には、ねじロッド部材308を回転駆動させる
ことにより昇降させる図示しない電動モータを含む駆動
機構が配設されている。電動モータを正逆回転駆動する
と、ねじロッド部材306が昇降させられて、支持枠3
02が昇降させられる。支持枠302に、端部剥離手段
300と剥離手段400が支持されている。端部剥離手
段300は、上記昇降手段によって、所定の待機位置と
端部剥離作動位置の間を昇降させられ、また、剥離手段
400は、端部剥離手段300の所定の待機位置と一致
する第1の待機位置と、端部剥離手段300の端部剥離
作動位置と一致する第2の待機位置との間を昇降させら
れる。
【0049】端部剥離手段300は、基板Pの上記縦方
向における一端部近傍の領域であって、フィルムFの一
端部よりも基板Pの他端方向に後退した基板Pの該一端
部近傍の領域の両面を解除自在にクランプするクランプ
手段310と、支持体320に配設されかつ基板Pの搬
送方向に対向して基板Pの搬送幅方向に直列に配設され
た複数の圧接ローラ対322と、支持体320に作用し
て圧接ローラ対322の各々を基板Pの搬送幅方向に往
復移動させる駆動手段であるエアシリンダ機構330と
を含んでいる。
【0050】図12〜図14を参照して、クランプ手段
310は、支持枠302に図示しない支持フランジ手段
を介して回転自在に支持された一対のクランプ部材31
2と、クランプ部材312の各々をクランプ位置(図1
3及び図14において実線で示される位置)と、クラン
プ解除位置(図14において2点鎖線で示される位置)
とに選択的に旋回させる駆動手段である、一対のエアシ
リンダ機構314とを備えている。クランプ部材312
の各々は、クランプ部材312の各々がクランプ位置に
位置付けられた状態で、基板Pの搬送幅方向に延在する
クランプ部312aと、クランプ部312aの両端から
相互に平行に基板Pの搬送方向であって相互に離隔する
方向に延び、更に各々の先端から上方にほぼ直角に延び
る一対のアーム部312bとからなり、一対のアーム部
312bの上端は、図示しない支持フランジ手段に回転
自在に支持されている。クランプ部材312の各々の旋
回軸線は相互に基板Pの搬送方向に間隔をおいて平行に
基板Pの搬送幅方向に延在する。エアシリンダ機構31
4の各々は、図示しない支持部材を介して支持枠302
に支持され、各々のピストンロッドは、対応するクラン
プ部材312のアーム部312bに連結されている。基
板Pが端部剥離位置X1Aに位置付けられた状態で、ク
ランプ部材312の各々が、対応するエアシリンダ機構
314によってクランプ位置に位置付けられると、クラ
ンプ部材312の各々のクランプ部312aは、基板P
の上記一端部近傍の領域の両面を基板Pの搬送方向両側
から挟んで(フィルムFの各々の両面外側から挟んで)
クランプし、また、クランプ解除位置に位置付けられる
と、基板Pの一端(上端)P1a(図10参照)の搬送
方向の移動軌跡上から上方に退避させられて該クランプ
を解除する。
【0051】上記支持枠302には、昇降手段である流
体圧シリンダ機構、実施形態においてエアシリンダ機構
316が図示しない支持ブラケットを介して支持されて
いる。鉛直軸線上に配置された、エアシリンダ機構31
6のピストンロッドの下端には、基板先端検出センサS
5が配設されている。基板先端検出センサS5は、端部
剥離位置X1Aに搬送されて位置付けられた基板Pの鉛
直上端P1a(図10参照)を検出するためのセンサで
あり、エアシリンダ機構316によって鉛直方向の所定
の待機位置に位置付けられている。
【0052】エアシリンダ機構330は、実施形態にお
いてはロッドレスエアシリンダ機構330から構成さ
れ、基板Pの搬送幅方向に延在するよう支持枠302の
下面側に配設されている。ロッドレスエアシリンダ機構
330の移動体332には支持体320が装着されてい
る。複数の圧接ローラ対322が配設された支持体32
0は、基板Pの搬送方向の移動軌跡上から基板Pの搬送
幅方向外方に退避した位置に待機させられている。
【0053】基板搬送手段100によって、基板Pが鉛
直な姿勢で端部剥離位置X1Aに搬送され、停止させら
れると、エアシリンダ機構316が作動させられて、基
板先端検出センサS5が所定の待機位置から下降させら
れ、基板Pの鉛直上端P1a(図10参照)の高さ位置
が検出される。基板先端検出センサS5が該高さ位置を
検出すると、エアシリンダ機構316によって所定の待
機位置まで上昇させられる。基板先端検出センサS5の
検出信号に基づいて、端部剥離手段300が、昇降手段
によって、所定の待機位置から端部剥離作動位置まで下
降させられる。次いで、クランプ部材312の各々が、
対応するエアシリンダ機構314によってクランプ位置
に位置付けられて、基板保持部材対120Aに保持され
た基板Pの、上記一端部近傍の領域の両面を、基板Pの
搬送方向両側から挟んでクランプする。次いでロッドレ
スエアシリンダ機構330の作動により、移動体332
及び支持体320を介して複数の圧接ローラ対322が
待機位置から、フィルムFの一端部の両面に沿って基板
Pの搬送幅方向に往復移動させられる。その結果、フィ
ルムFの一端部は、基板Pの両面から部分的に剥離させ
られる。複数の圧接ローラ対322が待機位置に復帰し
てフィルムFの端部剥離動作が終了すると、クランプ部
材312の各々が、対応するエアシリンダ機構314に
よってクランプ解除位置に戻される。フィルムFの一端
部が部分的に剥離された基板Pは、基板搬送手段100
によって、鉛直な姿勢に維持されて剥離位置X2に搬送
される。
【0054】上記端部剥離手段300において、圧接ロ
ーラ対322の各々を構成する圧接ローラは、支持軸に
回転自在に支持された外輪を含み、圧接ローラの各々の
該外輪の外周面には、粘着性を有するエラストマーが、
全周にわたって、又は周方向に間隔をおいて複数個配設
されている(いずれも図示せず)。フィルムFの一端部
は、圧接ローラの各々の外周面に配設されたエラストマ
ーの粘着力によって剥ぎ取られれるので、圧接ローラの
各々の外周面を従来装置におけるよりも小さな圧力をも
って基板Pの表面に作用させるにもかかわらず、従来装
置よりも優れた剥離効果が得られる。したがって基板P
の表面を傷める可能性がすくなくなる。もちろん、圧接
ローラの各々の外輪を金属のみにより構成してもよい。
この場合、外輪の周表面にローレット加工を施しておく
ことが、フィルムFの剥離効果を向上させる上で好まし
い。
【0055】次に剥離手段400について説明する。図
12及び図15を参照して、剥離手段400は、支持枠
302の下側に図示しない鉛直ガイド手段を介して上下
動自在に支持された支持枠404と、支持枠302に配
設されて支持枠404を鉛直方向に昇降させる昇降手段
を備えている。昇降手段はエアシリンダ機構402によ
り構成され、エアシリンダ機構402のピストンロッド
の下端に支持枠404が連結されている。支持枠404
における、基板Pの搬送幅方向中央には、基板Pの搬送
方向に間隔をおいて一対のエアシリンダ機構406が鉛
直方向に延在するよう配設されている。エアシリンダ機
構406の各々のピストンロッド406aの下端には、
それぞれ駆動体であるエアシリンダ機構408が配設さ
れている。したがって、エアシリンダ機構406の各々
は、それぞれ駆動体であるエアシリンダ機構408を鉛
直方向に昇降させる昇降手段を構成する。エアシリンダ
機構408の各々は、基板Pの搬送幅方向の中心を通り
基板Pの搬送方向に水平に延在する共通の軸線上に位置
付けられている。エアシリンダ機構408の各々から相
互に対向する方向に延び出すピストンロッド408aの
先端には、それぞれフィルムガイドクランプ部材410
が支持されている。一対のフィルムガイドクランプ部材
410は、基板Pの搬送方向に間隔をおいて対向しかつ
基板Pの搬送幅方向に所定の長さ延在する。基板Pが剥
離位置X2に位置付けられた状態で、エアシリンダ機構
408の各々は、それぞれ、フィルムガイドクランプ部
材410の各々の相互に対向する鉛直面を、フィルムF
の一端部を除く基板Pの一端部近傍の領域の両面であっ
て、基板Pの幅方向中央領域を所定の幅方向(基板Pの
幅方向)範囲をもってクランプするクランプ位置と、該
一端部近傍の領域から基板Pの搬送方向上流及び下流に
向かって相互に離隔して該クランプを解除するクランプ
解除位置との間を選択的に移動させる。
【0056】フィルムガイドクランプ部材410の各々
には、フィルムクランプ手段がそれぞれ配設されてい
る。フィルムクランプ手段の各々は、対応するフィルム
ガイドクランプ部材410に回転自在に支持されたフィ
ルムクランプ部材412と、フィルムクランプ部材41
2に作用して、フィルムクランプ部材412を、フィル
ムガイドクランプ部材410の上面に圧接されるクラン
プ位置と、フィルムガイドクランプ部材410の上面か
ら退避するクランプ解除位置との間を選択的に移動させ
る(回転させる)図示しない駆動手段を備えている。駆
動手段は、例えばエアシリンダ機構、電動モータなどか
ら構成される。支持枠404にはまた、基板Pの一端部
P1c(図10参照)の幅方向の複数箇所、実施形態に
おいては2箇所を解除自在にクランプする基板クランプ
手段と、基板Pの、少なくとも一端P1a(図10参
照)に向けて上方から圧力気体を噴射する圧力気体噴射
手段とが図示しない支持体を介して配設されている。基
板クランプ手段は、基板Pの搬送幅方向に間隔をおいて
該支持体に回転自在に支持されたそれぞれ一対の基板ク
ランプ部材414と、基板クランプ部材414の各対
を、基板Pの一端部P1cの両面をクランプするクラン
プ位置と、基板Pの一端部P1cの両面から退避するク
ランプ解除位置との間を選択的に回転させる図示しない
駆動手段(例えばエアシリンダ機構、電動モータなどか
ら構成される)とを備えている。基板クランプ部材41
4の各対を含む基板クランプ手段は、一対のフィルムガ
イドクランプ部材410に対し、基板Pの搬送幅方向の
両側方に間隔をおいて配置されている。圧力気体噴射手
段、実施形態において圧力エア噴射手段は、先に述べた
圧力エア噴射手段260と実質的に同じでよいが、実施
形態においては、先の実施形態と実質的に同じ構成を有
する1本の圧力エア供給パイプ266を備えている。
【0057】上記支持枠302には、昇降手段である流
体圧シリンダ機構、実施形態においてエアシリンダ機構
が支持ブラケットを介して支持されている。鉛直軸線上
に配置された、エアシリンダ機構のピストンロッドの下
端には、基板先端検出センサが配設されている。基板先
端検出センサは、剥離位置X2に搬送されて位置付けら
れた基板Pの鉛直上端P1aを検出するためのセンサで
あり、エアシリンダ機構によって鉛直方向の所定の待機
位置に位置付けられている(いずれも図示せず)。
【0058】剥離位置X2の下方には、後述するとおり
にして基板Pの両面から完全に剥離されたフィルムFを
下方に搬送するフィルム搬送手段500が配設されてい
る。それ自体は公知の構成を利用することでよいフィル
ム搬送手段500は、上流側ベルト502と下流側ベル
ト504とを含むべルト機構から構成されている。基板
Pの両面から完全に剥離されたフィルムFは、上流側ベ
ルト502と下流側ベルト504に挟持されて下方に強
制的に搬送される。図面には示されていないが、フィル
ム搬送手段500は、実施形態においては、基板Pの搬
送幅方向に間隔をおいて一対配設されている。先に述べ
たように、基板Pの搬送幅方向の中央には、フィルムガ
イドクランプ部材410、フィルムクランプ部材412
が一体的に備えられたエアシンンダ機構408の対が昇
降自在に配設されているので、フィルム搬送手段500
の各々は、これらの昇降部材に干渉することなく、フィ
ルムFの搬送を遂行するため、これらの昇降部材の昇降
軌跡を、基板Pの搬送幅方向に間隔をおいて挟むように
配設されている。
【0059】次に図12と共に図15〜図23を参照し
て、上記した剥離手段400の作動について説明する。
基板搬送手段100によって、フィルムFの一端部が部
分的に剥離された基板Pが鉛直な姿勢で端部剥離位置X
1Aから剥離位置X2に搬送され、停止させられると、
図示しないエアシリンダ機構が作動され、図示しない基
板先端検出センサが所定の待機位置から下降させられ、
基板Pの鉛直上端P1aの高さ位置を検出する。基板先
端検出センサが該高さ位置を検出すると、エアシリンダ
機構によって所定の待機位置まで上昇させられる。基板
先端検出センサの検出信号に基づいて、剥離手段400
が、エアシリンダ機構402によって、第2の待機位置
(図15参照)から剥離作動位置(図16参照)まで下
降させられる。次いでエアシリンダ機構408の各々に
よって、フィルムガイドクランプ部材410がクランプ
位置に位置付けられ、フィルムFの一端部を除く基板P
の一端部近傍の領域の両面であって、基板Pの幅方向中
央領域を所定の該幅方向範囲をもってクランプする(図
17参照)。次に先に述べた保持解除手段140によっ
て基板保持部材対120Aを構成する基板保持部材12
0の各々を保持解除位置に移動させて基板Pの保持を解
除する。基板Pの保持が解除された後、圧力エア供給パ
イプ266の圧力エア噴射孔266aから、基板Pの一
端P1aに向けて上方から圧力エアを噴射する(図18
参照)。フィルムFの各々の一端部は基板Pの両面から
を部分的に剥離されて、フィルムガイドクランプ部材4
10の各々の平坦な上面に押し付けられる。次いで、圧
力エア供給パイプ266の圧力エア噴射孔266aか
ら、圧力気体を噴射しながらフィルムクランプ部材41
2の各々をクランプ位置に位置付けて、フィルムガイド
クランプ部材410の各々の上面に押し付けられたフィ
ルムFの一端部をフィルムガイドクランプ部材410の
各々の上面にクランプする(図19参照)。
【0060】フィルムガイドクランプ部材410の各々
及びフィルムクランプ部材412の各々の協働により剥
離されたフィルムFの一端部をクランプした後、圧力エ
アの噴射を停止し、更に基板クランプ部材414の各対
をクランプ位置に位置付けて、基板Pの一端部P1cの
両面をクランプする(図20参照)。基板クランプ部材
414の各対により基板Pの一端部P1cの両面をクラ
ンプした後、エアシリンダ機構408の各々によって、
フィルムガイドクランプ部材410の各々を、クランプ
位置に位置付けられたフィルムクランプ部材412と共
にクランプ解除位置に向けて移動させる(図21参
照)。フィルムFは、基板Pの表面から更に剥離され
る。次いで、フィルムガイドクランプ部材410の各々
がクランプ解除位置まで移動させられた後、エアシリン
ダ機構406の各々によって、エアシリンダ機構408
の各々を下降させて、基板Pの両面からフィルムFを下
方に向かって引き剥がし、完全に剥離させる(図22参
照)。フィルムFはきわめて効果的にかつ確実に基板P
から剥離される。フィルムクランプ部材412の各々を
クランプ解除位置に移動させてフィルムガイドクランプ
部材410の各々の上面に対するフィルムFのクランプ
を解除する(図23参照)。これにより、フィルムFは
収容箱2内に自由落下して収容されるが、図示の実施形
態においては、基板Pの両面から完全に剥離されたフィ
ルムFの各々は、フィルム搬送手段500の各々の上流
側ベルト502と下流側ベルト504により挟持されて
下方に強制的に搬送される。この構成により、フィルム
Fの各々は、収容箱2内に確実に収容される。別の実施
形態として、フィルムFの一部が基板Pに貼着された状
態で、フィルム搬送手段500の各々の上流側ベルト5
02と下流側ベルト504により剥離された部分のフィ
ルムFを挟持して下方に強制的に引っ張って剥離しなが
ら下方に搬送する方法もある。この実施形態において
は、フィルムFが完全に剥離される手前で、エアシリン
ダ機構406の各々による、エアシリンダ機構408の
各々の下降を停止して、次いでフィルムクランプ部材4
12の各々をクランプ解除位置に移動させてフィルムガ
イドクランプ部材410の各々の上面に対するフィルム
Fのクランプを解除してから、フィルム搬送手段500
の各々の上流側ベルト502と下流側ベルト504を駆
動すればよい。
【0061】フィルムFが基板Pの両面から完全に剥離
された後、エアシリンダ機構406の各々によって、エ
アシリンダ機構408の各々を元の剥離作動位置まで上
昇させる。また保持解除手段140によって基板保持部
材対120Aを構成する基板保持部材120の各々を保
持位置に復帰させて基板Pを保持する。フィルムFが完
全に剥離された基板Pが基板保持部材対120Aによっ
て保持された後、基板クランプ部材414の各対をクラ
ンプ解除位置に復帰させ、基板Pのクランプを解除す
る。基板クランプ部材414の各対が基板Pのクランプ
を解除した後、エアシリンダ機構402により剥離手段
400を剥離作動位置から第2の待機位置まで上昇させ
る。次いでフィルムFが両面から完全に剥離された基板
Pは、基板搬送手段100によって、鉛直な姿勢の状態
で搬出位置X3に向かって搬送され、搬出位置X3にお
いて水平な姿勢にせしめられる。
【0062】図12〜図23を参照して説明したフィル
ム剥離搬送装置は、図1〜図11を参照して説明したフ
ィルム剥離搬送装置と共通の基本的な特徴ある構成を有
しているので、共通の構成については実質的に同じ作用
効果を得ることができる。また、剥離手段400によれ
ば、フィルムFが部分的に剥離された基板Pの一端部P
1cを鉛直な姿勢でクランプして、剥離されたフィルム
Fの一端部を下方に向かって引き剥がすよう構成されて
いるので、優れた剥離効果が得られるものである。この
剥離手段400それ自体は、ビルドアップ工法により製
造されたプリント配線基板の剥離手段としても適用可能
である。すなわち、剥離手段400によれば、厚さが非
常に薄い基板Pであっても、基板Pに貼着されている絶
縁樹脂P2に比較的強力な密着強度をもって貼着されて
いるフィルムFを、絶縁樹脂P2を傷めることなく、絶
縁樹脂P2から十分確実に剥離することを可能にするの
である。
【0063】図24及び図25には本発明に従って構成
されたフィルム剥離搬送装置の更に他の実施形態が示さ
れている。このフィルム剥離搬送装置は、剥離位置X2
に、先に述べた、端部剥離手段300と剥離手段200
を共に配設してなるもので、その他の、基板搬送手段1
00を含む基本的な構成は図1〜11を参照して説明し
たフィルム剥離搬送装置と実質的に同じであるので、同
一部分は同一符号で示し、説明は省略する。また、この
フィルム剥離搬送装置に適用される基板Pは、ビルドア
ップ工法により製造されたプリント配線基板から構成さ
れているのではなく、それ以外の一般的なプリント配線
基板、すなわちフォトレジスト層の表面にフィルムFが
貼着される形態の基板Pである。図24及び図25に示
されているフィルム剥離搬送装置においては、端部剥離
手段300によるフィルムFの部分的な剥離が終了した
後、圧力エア噴射手段260が、所定の待機位置に下降
させられて、先に述べたとおりの剥離動作が遂行され
る。端部剥離手段300のロッドレスエアシリンダ機構
330は、圧力エア噴射手段260の昇降軌跡から基板
Pの搬送方向上流側に退避した位置に配置されており、
また、支持体320及び複数の圧接ローラ対322を含
む移動体332は、待機位置に退避させられ、更にはま
た、クランブ部材312の各々はクランプ解除位置に退
避させられるので、圧力エア噴射手段260の昇降空間
が確保されるのである。このフィルム剥離搬送装置は、
図12及び図13に示すフィルム剥離搬送装置に較べ
て、全体の構成がコンパクトである。またこのフィルム
剥離搬送装置は、図1〜図11を参照して説明したフィ
ルム剥離搬送装置と共通の基本的な特徴ある構成を有し
ているので、共通の構成については実質的に同じ作用効
果を得ることができる。
【0064】図26には、本発明によるフィルム剥離搬
送装置の他の実施形態が示されている。このフィルム剥
離搬送装置は、基板Pを、幅方向両端部を離脱自在に保
持した状態で、受取位置X1から端部剥離位置X1A
へ、端部剥離位置X1Aから剥離位置X2へ、そして剥
離位置X2から搬出位置X3まで搬送する基板搬送手段
100と、端部剥離位置X1AにおいてフィルムFの一
端部を基板Pから部分的に剥離させる端部剥離手段30
0と、剥離位置X2において一端部が剥離されたフィル
ムFを基板Pから完全に剥離させる剥離手段400とを
備えている。
【0065】図26に示されているフィルム剥離搬送装
置が先に図12〜図23を参照して説明したフィルム剥
離搬送装置と相違する主要なところは、基板搬送手段1
00が、受取位置X1において基板Pを鉛直な姿勢で受
け取り、受取位置X1で鉛直な姿勢で受け取った基板P
を鉛直な姿勢を維持しながら端部剥離位置X1Aまで搬
送し、端部剥離位置X1Aにおいて鉛直な姿勢で端部剥
離手段300によりフィルムFの一端部が剥離された基
板Pを、鉛直な姿勢を維持しながら剥離位置X2まで搬
送し、剥離位置X2において、一端部が剥離されたフィ
ルムFが鉛直な姿勢で剥離手段400により完全に剥離
された基板Pを、鉛直な姿勢を維持しながら搬出位置X
3まで搬送するよう構成されているところである。そし
て図26に示されているフィルム剥離搬送装置の基板搬
送手段100の構成は、図1〜図11を参照して説明し
たフィルム剥離搬送装置及び図12〜図23を参照して
説明したフィルム剥離搬送装置における基板搬送手段1
00と実質的に同じである。したがって、図26に示さ
れているフィルム剥離搬送装置において、図1〜図11
及び図12〜図23を参照して説明したフィルム剥離搬
送装置と実質的に同一部分は同一符号で示し、説明は省
略する。
【0066】図26に示されているフィルム剥離搬送装
置において、基板搬送手段100は、受取位置X1にお
いて基板Pを基板投入装置600Aから鉛直な姿勢で受
け取り、また、搬出位置X3において、基板Pを鉛直な
姿勢の状態で基板受取装置600Bにより受け取っても
らうため、受取位置X1及び搬出位置X3は、上記上水
平移動領域における上流端領域及び下流端領域にそれぞ
れ配置されている。その結果、基板Pは、基板搬送手段
100により、受取位置X1から、端部剥離位置X1A
及び剥離位置X2を経て搬出位置X3まで、鉛直な姿勢
に維持されて搬送される。受取位置X1において基板P
を基板投入装置600Aから鉛直な姿勢で受け取るた
め、また搬出位置X3において、基板Pを鉛直な姿勢の
状態で基板受取装置600Bにより受け取ってもらうた
め、上記上水平移動領域の上流端領域及び上流側半円移
動領域と、上記上水平移動領域の下流端領域及び下流側
半円移動領域は、それぞれ上記静止枠体10の上流側端
及び下流側端から、それぞれ上流方向及び下流方向に突
出するよう配置されている。更に具体的に説明すると、
静止枠体10の上流側端には、突出枠10Aが上記静止
枠体10の上流側端から上流方向に突出するよう配設さ
れ、また、静止枠体10の下流側端には、突出枠10B
が静止枠体10の下流側端から下流方向に突出するよう
配設されている。突出枠10Aには駆動軸106及び駆
動スプロケット114の対が配設され、また突出枠10
Bには被駆動軸108及び被駆動スプロケット116の
対が配設され、これらの駆動スプロケット114の対及
び被駆動スプロケット116の対に上記チェーン118
がそれぞれ巻き掛けられている。
【0067】静止枠体10の突出枠10Aに対し上方位
置に配設された基板投入装置600Aは、静止枠体61
0と、静止枠体610に、移動手段620によって基板
Pの搬送方向に水平に移動自在に支持された可動枠体6
30と、可動枠体630に昇降手段640によって昇降
自在に支持されたチャックユニット650とを備えてい
る。移動手段620は、静止枠体610に回転自在に支
持されかつ基板Pの搬送方向に水平に延在するねじロッ
ド部材622と、ねじロッド部材622を正逆回転駆動
させる電動モータM3と、基板Pの搬送方向に水平に延
在する図示しない1対のガイドロッド部材とを備えてい
る。図示しないガイドロッド部材の各々は、ねじロッド
部材622の、基板Pの搬送幅方向両側に間隔をおいて
ねじロッド部材622に平行に延在するよう配設されて
いる。可動枠体630は、ねじロッド部材622及び図
示しない1対のガイドロッド部材に相対回転できないよ
うかつそれらに沿って基板Pの搬送方向に往復移動しう
るよう支持されている。ガイドロッド部材の各々は、ね
じロッド部材622の、基板Pの搬送幅方向両側に間隔
をおいてねじロッド部材622に平行に延在するよう配
設されている。昇降手段640は、可動枠体630に回
転自在に支持されかつ鉛直方向に延在するねじロッド部
材642と、ねじロッド部材642を正逆回転駆動させ
る電動モータM4と、鉛直方向に延在する図示しない1
対のガイドロッド部材とを備えている。図示しないガイ
ドロッド部材の各々は、ねじロッド部材642の、基板
Pの搬送幅方向両側に間隔をおいてねじロッド部材64
2に平行に延在するよう配設されている。チャックユニ
ット650は、ねじロッド部材642及び図示しない複
数のガイドロッド部材に相対回転できないようかつそれ
らに沿って鉛直方向に往復移動しうるよう支持されてい
る。チャックユニット650には、基板Pの搬送幅方向
に間隔をおいて1対のチャック機構652が配設されて
いる。それ自体は周知の構成を利用することでよいチャ
ック機構652は、基板Pの上端部における幅方向の両
端部を解除自在にチャックすることができるよう、チャ
ックユニット650に配置されている。
【0068】チャックユニット650には、基板Pの上
端を検出するための基板上端検出センサS6がチャック
ユニット650と同期して昇降しうるよう配設されてい
る。基板上端検出センサS6は、静止枠体10の突出枠
10Aの上流側に配設された基板ラック660に直立し
て収容された複数の基板Pの上端を検出するためのセン
サである。静止枠体10の突出枠10Aにおける、基板
Pの搬送方向中央には、基板収納確認センサS7が支持
フランジ11を介して配設されている。基板収納確認セ
ンサS7は、受取位置X1において、基板投入装置60
0から基板保持部材対120Aに基板Pが投入されたか
否かを検出するためのセンサであって、基板保持部材対
120Aに完全に収納(保持)される直前の基板Pの下
端を検出することができる高さ位置に配置されている。
なお、図26においては、基板保持部材対120Aを構
成する基板保持部材120の各々のうち、片方の基板保
持部材120のみが図示されているが、基板搬送手段1
00の構成は、先の実施形態における基板搬送手段10
0と実質的に同じであるので、図26に示されているフ
ィルム剥離搬送装置に関する以下の説明において、基板
保持部材対120Aとは、先の実施形態において説明し
た基板保持部材対120Aと、実質的に同じ構成を意味
するものと理解されたい。
【0069】静止枠体10の突出枠10Bに対し上方位
置に配設された基板受取装置600Bは、基板Pを投入
するか受け取るかの目的が相違するだけで、その構成は
上記基板投入装置600Aと実質的に同じであるので、
同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。なお、基
板受取装置600Bにおいて、基板上端検出センサS6
は、搬出位置X3に位置付けられた基板保持部材対12
0Aに鉛直な姿勢で保持された基板Pの上端を検出する
ためのセンサである。なお、基板投入装置600A及び
基板受取装置600Bにおいて、可動枠体630に支持
された電動モータM4は、可動枠体630と一体に移動
させられる際に、それぞれの静止枠体610及び静止枠
体610に配設されたねじロッド部材622などのいか
なる部材に対しても干渉しない位置に配設されているこ
とはいうまでもない。
【0070】基板Pの投入は次のようにして行なわれ
る。基板投入装置600Aの可動枠体630が図26に
おいて右方の所定の位置まで移動させられてから、チャ
ックユニット650が基板ラック660に向かって下降
させられる。基板上端検出センサS6が基板ラック66
0に収納された所定の基板Pの上端を検出すると、該下
降が停止させられる。次いでチャック機構652の各々
により、基板Pの上端部における幅方向両端部がチャッ
クされる。チャックユニット650が所定の位置まで上
昇させられた後、可動枠体630が図26において左方
の待機位置まで移動させられる(図26に示す位置)。
他方、基板搬送手段100においては、基板保持部材対
120Aの一つが受取位置X1に移動させられ、基板保
持部材対120Aを構成する基板保持部材120の各々
の端壁124(図7参照)が下端に位置するよう鉛直な
姿勢で待機させられる。所定のタイミングでチャックユ
ニット650が上記待機位置から下降させられる。基板
Pの幅方向両端部は、基板保持部材120の各々内に沿
って下方に向かって移動させられ、その下端が基板保持
部材120の各々の端壁124の直前に達すると、基板
収納確認センサS7が基板Pの下端を検出し、チャック
ユニット650の下降が停止させられる。次いでチャッ
ク機構652の各々による基板Pのチャックが解除さ
れ、基板Pは、わずかに自然落下させられてその下端が
基板保持部材120の各々の端壁124上に載置させら
れる。基板Pは、鉛直な姿勢で基板保持部材対120A
に幅方向両端部及び幅方向両端部における下端が保持さ
れる。チャックユニット650は所定の待機位置に上昇
させられた後、基板ラック660から次の基板Pをチャ
ックするため、先の動作を再び開始する。
【0071】上記したとおりにして受取位置X1におい
て基板保持部材対120Aに投入された基板Pは、基板
搬送手段100により鉛直な姿勢に維持されながら端部
剥離位置X1Aまで搬送され、先に述べたとおりにして
端部剥離位置X1Aにおいて鉛直な姿勢で端部剥離手段
300によりフィルムFの一端部が剥離される。端部剥
離位置X1Aにおいて端部剥離手段300によりフィル
ムFの一端部が剥離された基板Pは鉛直な姿勢を維持し
ながら剥離位置X2まで搬送され、先に述べたとおりに
して、剥離位置X2において、一端部が剥離されたフィ
ルムFが鉛直な姿勢で剥離手段400により完全に剥離
される。フィルムFが完全に剥離された基板Pは、鉛直
な姿勢を維持しながら搬出位置X3まで搬送され、搬出
位置X3に待機させられる。所定のタイミングで、基板
受取装置600Bにおけるチャックユニット650が所
定の待機位置から下降させられる。基板上端検出センサ
S6が、搬出位置X3において基板保持部材対120A
に保持された基板Pの上端を検出すると、該下降が停止
させられる。次いでチャック機構652の各々により、
基板Pの上端部における幅方向両端部がチャックされ
る。チャックユニット650が所定の待機位置に向かっ
て上昇させられると、基板Pは基板保持部材対120A
から上方に離脱させられる。チャックユニット650
は、所定の待機位置まで上昇させられた後、図26にお
いて左方に移動させられ、チャック機構652の各々に
よりチャックされた基板Pは、鉛直な姿勢に維持されな
がら次の工程に向けて移動させられる。
【0072】図26に示すフィルム剥離装置によれば、
基板Pは、受取位置X1から、端部剥離位置X1A及び
剥離位置X2を経て搬出位置X3に至るまで、鉛直な姿
勢で搬送されかつ端部剥離動作及び剥離動作が遂行され
るので、厚さが非常に薄い基板Pであっても、基板Pの
品質を損なうことなく安定した搬送を可能にすると共
に、基板Pの品質を損なうことなく基板Pの片面及び両
面に貼着されているフィルムFを円滑かつ確実に剥離す
ることを可能にするものである。図26を参照して説明
したフィルム剥離搬送装置は、図1〜図11を参照して
説明したフィルム剥離搬送装置と共通の基本的な特徴あ
る構成を有しているので、共通の構成については実質的
に同じ作用効果を得ることができる。
【0073】なお、図26に示すフィルム剥離装置にお
ける如く、基板搬送手段100により基板Pを鉛直な姿
勢で受取位置X1から搬出位置X3に搬送する過程で、
フィルムFを鉛直な姿勢で剥離するとの技術思想は、図
1〜図11を参照して説明したフィルム剥離搬送装置に
おける如く、剥離位置X2に剥離手段200を備えたフ
ィルム剥離搬送装置にも適用可能であり、また、図24
及び図24を参照して説明したフィルム剥離搬送装置に
おける如く、剥離位置X2に端部剥離手段300及び剥
離手段200を備えたフィルム剥離搬送装置にも適用可
能であることはいうまでもない。
【0074】図1〜図26を参照して説明した本発明に
おいては、先の説明から容易に理解されるように、片面
又は両面に対してフィルムFが貼着された基板Pを、両
面が基板Pの搬送方向に向けられた鉛直な姿勢で剥離位
置X2へ搬送する基板搬送手段100と、剥離位置X2
においてフィルムFを基板Pから完全に剥離させる剥離
手段200又は400とを備え、基板搬送手段200に
よって剥離位置X2に搬送された基板Pは、該鉛直な姿
勢で剥離手段200又は400によりフィルムFが完全
に剥離される、ことが重要である。このような構成によ
り、先に述べたとおり、厚さが非常に薄い基板Pであっ
ても、基板Pの品質を損なうことなく、基板Pの片面又
は両面に貼着されているフィルムFを円滑かつ確実に剥
離することを可能にするものである。したがって特に、
基板Pの片面又は両面に貼着されている絶縁樹脂P2に
比較的強力な密着強度をもって貼着されているフィルム
Fを、絶縁樹脂P2を実質的に傷めることなく、絶縁樹
脂P2から十分確実に剥離することを可能にするもので
あり、実用上有用である。
【0075】図1〜図26を参照して説明した本発明の
他の局面によれば、剥離位置X2においてフィルムFの
一端部を基板Pから部分的に剥離させる端部剥離手段3
00を備え、基板搬送手段100によって剥離位置X2
に搬送された基板Pは、該鉛直な姿勢で端部剥離手段3
00によりフィルムFの、鉛直上方に位置する該一端部
が部分的に剥離させられ、続いて該鉛直な姿勢で剥離手
段400により、該一端部が部分的に剥離させられたフ
ィルムFが完全に剥離される。この発明においては、ビ
ルドアップ工法により製造されるプリント配線基板以外
のプリント配線基板において、上記した優れた剥離効果
が得られる。
【0076】図1〜図26を参照して説明した本発明の
更に他の局面によれば、片面又は両面に対してフィルム
Fが貼着された基板Pを、両面が基板Pの搬送方向に向
けられた鉛直な姿勢で端部剥離位置X1Aへ、端部剥離
位置X1Aから剥離位置X1へ搬送する基板搬送手段1
00と、端部剥離位置X1AにおいてフィルムFの一端
部を基板Pから部分的に剥離させる端部剥離手段300
と、剥離位置X1において、一端部が部分的に剥離され
たフィルムFを基板Pから完全に剥離させる剥離手段4
00とを備え、基板搬送手段100によって端部剥離位
置X1Aに搬送された基板Pは、該鉛直な姿勢で端部剥
離手段300によりフィルムFの、鉛直上方に位置する
該一端部が部分的に剥離させられ、基板搬送手段100
によって端部剥離位置X1Aから剥離位置X1に搬送さ
れた基板Pは、該鉛直な姿勢で剥離手段400により、
該一端部が部分的に剥離させられたフィルムFが完全に
剥離される。この発明においても、ビルドアップ工法に
より製造されるプリント配線基板以外のプリント配線基
板において、上記した優れた剥離効果が得られるもので
ある。
【0077】図27〜図50には本発明に従って構成さ
れたフィルム剥離搬送装置の更に他の実施形態が示され
ている。このフィルム剥離搬送装置に適用される基板P
は、ビルドアップ工法により製造されたプリント配線基
板又はそれ以外の一般的なプリント配線基板、すなわち
フォトレジスト層の表面にフィルムFが貼着される形態
の基板Pのいずれでもよい。なお、図27〜図30及び
図35において、大サイズの基板Pは実線で示され、ま
た小サイズの基板Pは2点鎖線で示されている。
【0078】先ず、図27〜図30を参照して、図示の
フィルム剥離搬送装置は、片面又は両面に対してフィル
ムFが貼着された基板Pを水平な姿勢で搬入位置Y1に
搬入する搬入手段702と、搬入位置Y1に搬入された
基板Pを、両面が基板Pの搬入幅方向に向けられた鉛直
な姿勢に変換する姿勢変換手段704と、該鉛直な姿勢
に変換された基板Pを、搬入方向前方に設定された剥離
位置Y2へ向けて搬送するための搬送開始位置Y1Aへ
該鉛直な姿勢を維持しながら移動させる搬送開始位置決
め手段706と、搬送開始位置Y1Aへ移動させられた
基板Pの搬送方向両端部を解除自在にチャッキングして
該鉛直な姿勢を維持しながら剥離位置Y2へ搬送する基
板搬送手段708と、剥離位置Y2に搬送された該鉛直
な姿勢の基板PからフィルムFを完全に剥離する剥離手
段710と、フィルムFが完全に剥離された基板Pを、
剥離位置Y2において搬送方向両端部を解除自在にチャ
ッキングして搬入位置Y1とは反対側の、剥離位置Y2
の前方に設定された搬出位置Y3まで該鉛直な姿勢を維
持しながら搬送する他の基板搬送手段712とを備えて
いる。図示のフィルム剥離搬送装置は、先の実施形態に
おけるのと同様に、図示しないコントローラにより適宜
に作動制御される。
【0079】なお、図示のフィルム剥離搬送装置におい
て、基板Pの搬入方向又は搬送方向とは、図27〜図2
9においては左から右に向かう方向(図27及び図29
においては矢印714で示されている方向)、図30に
おいては紙面の表から裏に向かう方向を示している。ま
た、基板Pの搬入幅方向又は搬送幅方向とは、図27に
おいては紙面の表裏方向、図28及び図29においては
上下方向、図30においては左右方向をそれぞれ示して
いる。また、基板Pの搬入幅方向の一側(他側)とは、
図28及び図29においては上側(下側)、図30にお
いては左側(右側)をそれぞれ示している。また先に説
明した図9及び図10に示される形態の基板Pは、基板
Pの縦方向の一端部P1cが基板Pの搬入幅方向の一側
に向けられて搬入される。その結果、後の説明から容易
に理解されるように、基板Pは剥離位置Y2において鉛
直な姿勢でフィルムFが剥離される際、基板Pの一端部
P1cが鉛直上方に位置付けられ、フィルムFの剥離を
容易かつ円滑に遂行せしめる。なお、フィルムFが基板
Pの全面を完全に覆うよう貼着されている場合には、基
本的には基板Pのいずれの一端を基板Pの搬入幅方向の
一側に向けて搬入させてもよい。このことは、先の実施
形態においても同じである。
【0080】姿勢変換手段704は、基板Pを、水平な
姿勢に維持しながら搬入手段702における搬入幅方向
の一側方向に搬入幅方向所定位置まで移動させる幅寄せ
手段716と、搬入幅方向所定位置に移動させられた基
板Pの該搬入幅方向の一側領域に位置する一端部を解除
自在にクランプして上方にかつ該搬入幅方向の他側まで
旋回させて該鉛直な姿勢とする基板直立手段718とを
備えている。搬送開始位置決め手段706は、基板直立
手段718により該鉛直な姿勢とされた基板Pの該一端
部を解除自在に把持して該搬入幅方向に搬送開始位置Y
1Aまで該鉛直な姿勢を維持しながら移動させるハンガ
ー720からなる。搬送開始位置Y1Aは該搬入幅方向
の中間領域に設定されている。
【0081】更に具体的に説明すると、フィルム剥離搬
送装置は、適宜の支柱、横梁などからなる静止枠体72
2を備えている。静止枠体722は載置面1上に設置さ
れ、ほぼ直方体の空間を形成している。静止枠体722
の該空間内に、フィルム剥離搬送装置を構成する上記各
手段が配設されている。
【0082】静止枠体722の該空間内の、図27及び
図28において左右方向左端領域であって、上下方向中
間領域に配設されている搬入手段702は、基板Pの搬
入方向に間隔をおいて水平に配列されかつ基板Pの搬入
幅方向に延在する複数の搬入ローラ体724と、搬入ロ
ーラ体724の各々を回転駆動するための駆動源である
電動モータMと、搬入ローラ体724の各々と電動モー
タMとを駆動連結する動力伝達機構726とを備えてい
る。搬入ローラ体724の各々は、軸728と、軸72
8に相互に間隔をおいて一体に配設された複数の搬入ロ
ーラ730とを備えている。軸728の各々は、静止枠
体722において、該搬入幅方向に間隔をおいて相互に
対向するよう配設された一対の側枠732間に回転自在
に支持されている。軸728の各々は、該搬入幅方向の
一側に位置する側枠732から側外方に延び出し、延び
出した先端に傘歯車734がそれぞれ一体に配設されて
いる。該搬入幅方向の一側に位置する側枠732の側外
方には、電動モータMの駆動軸736が該搬入方向に延
在している。駆動軸736には相互に間隔をおいて複数
の傘歯車738が一体に配設されている。傘歯車738
の各々は、搬入ローラ体724の各々の軸728に配設
された傘歯車734にそれぞれ噛み合わされている。以
上の構成により、電動モータMが作動されると、搬入ロ
ーラ体724の各々は、図27において時計方向に回転
駆動される。駆動軸736、傘歯車738及び傘歯車7
34などは、上記動力伝達機構726を構成する。ま
た、搬入ローラ体724の各々における搬入ローラ73
0の各々により基板Pの搬入路が形成される。
【0083】静止枠体722には、搬入手段702によ
り搬入された基板Pを停止させて所定の搬入位置Y1に
位置付けるためのストッパ739が備えられている。横
断面がL形状をなす細長い板部材から形成されているス
トッパ739は、静止枠体722に配設された図示しな
い支持枠に支持されて、該搬入方向の最下流位置に配置
された搬入ローラ体724の更に下流位置において、基
板Pの搬送面から上方に突出させられている。なお、基
板Pの搬送面は、搬入ローラ体724の搬入ローラ73
0の各々を軸方向に見て、上側を通る接線と一致する水
平面により規定される。該搬入方向上流に配設された図
示しない基板投入装置から水平な姿勢で搬入された基板
Pは、電動モータMにより回転駆動される搬入ローラ7
30の各々により基板Pの搬送面に沿って下流方向に搬
入される。搬入された基板Pの搬入方向先端がストッパ
739に当接して停止された直後に、電動モータMの作
動を停止することにより基板Pは所定の搬入位置Y1に
位置付けられる。
【0084】図27〜〜図30と共に図31をも参照し
て、幅寄せ手段716は、複数の搬入ローラ体720の
間に配置されかつ該搬入幅方向に延在する複数の支持部
材742を含む支持ユニット740と、支持ユニット7
40を支持しかつ支持ユニット740に作用して支持部
材742の各々を基板Pの搬送面よりも低い非支持位置
と複数の搬入ローラ体720の間において基板Pの搬送
面よりも上方に突出した支持位置との間を選択的に昇降
させる昇降アクチュエータ744と、昇降アクチュエー
タ744を支持しかつ昇降アクチュエータ744に作用
して支持部材742の各々を搬入幅方向待機位置と搬入
幅方向待機位置よりも該搬入幅方向の一側寄りの一側寄
り所定位置との間を選択的に往復移動させる幅寄せアク
チュエータ746とを備えている。
【0085】支持ユニット740は、該搬入方向に延在
する細長い矩形状の支持板748と、支持板748上に
直交するよう配設された上記複数の支持部材742とを
備えている。支持部材742の各々は細長い矩形状の板
から形成され、各々の一側面が同一水平面上に位置付け
られるよう支持板748上に配設されている。該搬送幅
方向に水平に延在するロッドレスエアシリンダ機構から
構成される幅寄せアクチュエータ746は支持ユニット
740の下方における図示しない支持枠に配設され、そ
の往復移動部が該搬入幅方向に往復移動するよう配設さ
れている。エアシリンダ機構から構成される昇降アクチ
ュエータ744は幅寄せアクチュエータ746の往復移
動部から直立するよう配設されている。昇降アクチュエ
ータ744のピストンロッドの先端は、支持板748の
下面に連結されている。このような構成により、支持ユ
ニット740は、昇降アクチュエータ744により鉛直
方向に昇降自在に支持されると共に、幅寄せアクチュエ
ータ746により該搬入幅方向に移動自在である。
【0086】幅寄せアクチュエータ746により所定の
搬入位置Y1から該搬入幅方向の一側方向に向かって移
動させられた基板Pを停止させて搬入幅方向所定位置に
位置付けるためのストッパ749が図示しない支持枠に
配設されている。ストッパ749は、該搬入幅方向の一
側領域に配置された複数の直立ピンからなり、直立ピン
の各々は、後述するとおりにして支持位置に上昇させら
れた支持部材742の各々上に載置された基板Pよりも
上方に突出させられている。
【0087】基板Pが所定の搬入位置Y1に搬入された
状態で、昇降アクチュエータ744を作動させて支持部
材742の各々を非支持位置から支持位置に上昇させる
と、支持部材742の各々は、基板Pを相対的に載置し
て搬入ローラ730の各々の上方、すなわち基板Pの搬
送面よりも上方に持ち上げて搬入ローラ730の各々か
ら離隔させる。続いて幅寄せアクチュエータ746を作
動させて支持部材742の各々を搬入幅方向待機位置か
ら一側寄り所定位置に移動させると、支持部材742の
各々上に載置された基板Pは所定の搬入位置Y1から該
搬入幅方向の一側方向に移動させられ、基板Pの該搬入
幅方向の先端がストッパ749を構成する複数の直立ピ
ンに当接して停止されることにより、搬入幅方向所定位
置に位置付けられる。幅寄せアクチュエータ746の移
動ストロークは、基板Pのサイズに応じて適宜に設定す
ればよい。上記幅寄せ手段716によれば、基板Pを搬
入ローラ730の各々から離隔させて所定の搬入位置Y
1から搬入幅方向所定位置に移動させるとができるの
で、厚さが非常に薄い基板Pであっても、その品質を損
なうことなく、安定した移動が保証される。
【0088】図27、図29及び図30を参照して、基
板直立手段718は、該搬入幅方向の他側において該搬
入方向に水平に延在する旋回軸750と、該搬入方向に
間隔をおいて配置されかつ一端部が旋回軸750に一体
に連結されると共に他端部にクランプ機構752が配設
された複数の旋回フレーム754と、旋回フレーム75
4の各々を、複数の搬入ローラ体724間において基板
Pの搬送面の下方を該搬入幅方向に水平に延在する水平
待機位置と、該搬入幅方向の他側において直立する直立
位置との間を選択的に旋回させる旋回アクチュエータ7
56とを備えている。静止枠体722に回転自在に配設
された旋回軸750の一端にはアーム758が半径方向
外方に延び出すよう配設され、アーム758の先端に
は、エアシリンダ機構からなる旋回アクチュエータ75
6のピストンロッドの先端が連結されている。旋回アク
チュエータ756は静止枠体722に鉛直方向に延在す
るよう配設されている。旋回フレーム754の各々は、
水平待機位置に位置付けられた状態で、各々の上面が共
通の水平面上であって基板Pの搬送面よりも下方の水平
面上に位置付けられ、また各々の下面は支持ユニット7
40の支持板748の上方に隙間をおいて位置付けられ
る。
【0089】クランプ機構752の各々は、相互に実質
的に同じ構成を有するので、そのうちの一つについて図
32及び図33を参照して説明する。クランプ機構75
2は、旋回フレーム754が水平待機位置に位置付けら
れた状態において、水平な上面からなる被クランプ面7
60aを有する静止クランプ部材760と、平坦なクラ
ンプ面762aを有しかつクランプ面762aが静止ク
ランプ部材760の被クランプ面760aに対し上方か
ら圧接するクランプ位置と、該クランプ面762aが静
止クランプ部材760の被クランプ面760aから上方
にかつ該搬入幅方向の一側方向外側に離隔するクランプ
解除位置との間を旋回軸763まわりに旋回自在な可動
クランプ部材762と、可動クランプ部材762をクラ
ンプ位置に常時付勢するばね手段である一対の引張コイ
ルばね764と、可動クランプ部材762を旋回させる
クランプアクチュエータ766とを備えている。クラン
プアクチュエータ766は鉛直方向に延在するエアシリ
ンダ機構から構成されている。旋回軸763は該搬入方
向に水平に延在する軸線を有している。
【0090】旋回フレーム754が水平待機位置に位置
付けられた状態において、可動クランプ部材762は、
静止クランプ部材760に対し、該搬入幅方向の一側方
向外方を鉛直に延在する本体部762Aと、本体部76
2Aの下端部近傍から該搬入幅方向の他側方向に突出し
た突出部762bと、本体部762Aの上端から該搬入
幅方向の他側に向かって静止クランプ部材760の上方
に延び出す延出部762Bと、延出部762Bの下端面
に配設されたクランプ部762Cとからなる。本体部7
62Aの下端部は旋回軸763に回転自在に支持されて
いる。引張コイルばね764の各々の一端は本体部76
2Aの両側上端部近傍に係止され、他端は静止クランプ
部材760の両側に係止されている。クランプ部762
Cは矩形の横断面を有し、その下面がクランプ面762
aをなす。クランプアクチュエータ766の軸線は鉛直
方向に延在し、そのピストンロッド766aの上端は、
可動クランプ部材762の突出部762bの下面に当接
ないし近接して位置付けられている。
【0091】クランプアクチュエータ766を作動させ
ると、可動クランプ部材762は引張コイルばね764
の各々のばね力に抗してクランプ位置からクランプ解除
位置に旋回させられる。クランプアクチュエータ766
の作動を解除すると、可動クランプ部材762は引張コ
イルばね764の各々のばね力によりクランプ解除位置
からクランプ位置に旋回させられる。このような構成
は、基板Pが該鉛直な姿勢でクランプされたとき、クラ
ンプアクチュエータ766に供給されるエア圧の低下に
よる基板Pの落下を防止する。このような効果は、後述
する同様なクランプないしチャッキング機構においても
同様に得られる。
【0092】図30及び図32を参照して、旋回フレー
ム754の各々が水平待機位置に位置付けられかつ可動
クランプ部材762がクランプ解除位置に位置付けられ
た状態で、上記幅寄せ手段716における昇降アクチュ
エータ744及び幅寄せアクチュエータ746を作動さ
せて基板Pを所定の搬入位置から搬入幅方向所定位置に
移動させると、基板Pの該一端部は、クランプ機構75
2の各々における静止クランプ部材760の被クランプ
面760a上に位置付けられる。この状態でクランプア
クチュエータ766の作動を解除して引張コイルばね7
64の各々のばね力により可動クランプ部材762をク
ランプ解除位置からクランプ位置に旋回させると、基板
Pの該一端部は、静止クランプ部材760の被クランプ
面760aと可動クランプ部材762のクランプ面76
2aとによりクランプされる。続いて旋回アクチュエー
タ756を作動させて旋回フレーム754の各々を水平
待機位置から直立位置に旋回させると、基板Pは、該搬
入幅方向の他側において、該一端部を上にした該鉛直な
姿勢でクランプされる。
【0093】図27、図30及び図34を参照して、ハ
ンガー720は、該搬入方向に水平に延在する支持フレ
ーム770と、支持フレーム770に間隔をおいて配置
された複数の把持ユニット772と、支持フレーム77
0を支持しかつ支持フレーム770に作用して把持ユニ
ット772の各々を上方待機位置と上方待機位置よりも
下方の基板把持可能位置との間を選択的に昇降させる昇
降アクチュエータ774と、昇降アクチュエータ774
を支持しかつ昇降アクチュエータ774に作用して把持
ユニット772の各々を該搬入幅方向の他側待機位置と
該搬入幅方向の中間領域に設定された該搬送開始位置Y
1Aとの間を選択的に移動させる搬送開始位置決めアク
チュエータ776とを備えている。搬送開始位置決めア
クチュエータ776は該搬入幅方向に水平に往復移動す
る往復移動部を備えたロッドレスエアシリンダ機構から
構成され、静止枠体722の天井部に配設されている。
昇降アクチュエータ774は、該ロッドレスエアシリン
ダ機構の該往復移動部から鉛直下方に延び出すよう該往
復移動部に支持されている。昇降アクチュエータ774
はエアシリンダ機構から構成され、鉛直下方に延び出す
ピストンロッドの下端に支持フレーム770が一体に連
結支持されている。
【0094】把持ユニット772の各々は、それぞれ一
端部が該搬入方向に延在する軸線、具体的には旋回軸7
78まわりに旋回自在な一対の把持部材780と、把持
部材780の各々を、把持部材780の各々の他端部に
配設された把持面780aが各々の旋回軸778よりも
下方位置において相互に該搬入幅方向に圧接される把持
位置と、把持面780aが該搬入幅方向外方の上方に離
隔される把持解除位置との間を選択的に旋回させる把持
アクチュエータ782とを備えている。把持アクチュエ
ータ782は回動式のエアシリンダ機構から構成され、
回動体が所定の角度範囲で選択的に回動させられること
により、把持部材780の各々を旋回作動させることが
できる。
【0095】把持ユニット772の各々が他側待機位置
において上方待機位置に位置付けられかつ基板直立手段
718の旋回フレーム754の各々が直立位置に位置付
けられてクランプ機構752の各々により基板Pの該一
端部がクランプされて基板Pが該鉛直な姿勢とされた状
態で、昇降アクチュエータ774を作動させて把持ユニ
ット772の各々を上方待機位置から基板把持可能位置
に下降させてから、把持アクチュエータ782を作動さ
せて把持ユニット772の各々における把持部材780
の各々を把持解除位置から把持位置に旋回させると、基
板Pの該一端部が把持部材780の各々により把持され
る。続いてクランプアクチュエータ766の作動を解除
してクランプ機構752の各々の可動クランブ部材76
2をクランプ位置からクランプ解除位置に旋回させて基
板Pのクランプを解除する。次に旋回アクチュエータ7
56を作動させて旋回フレーム754の各々を直立位置
から水平待機位置に旋回させた後、昇降アクチュエータ
774を作動させて把持ユニット772の各々を基板把
持可能位置から上方待機位置に上昇させる。続いて搬送
開始位置決めアクチュエータ776を作動させて把持ユ
ニット772の各々を他側待機位置から搬送開始位置Y
1Aに移動させることにより、基板Pは該鉛直な姿勢が
維持されながら搬送開始位置Y1Aに移動させられる。
実施形態において、搬送開始位置Y1Aは、上記搬入路
の上方であって搬入幅方向の中央に設定されている。上
記した如く、旋回フレーム754の各々が直立位置に位
置付けられた状態でクランプ機構752の各々の可動ク
ランブ部材762をクランプ位置からクランプ解除位置
に旋回させたとき、静止クランブ部材760の被クラン
プ面760aは、把持部材780の各々により把持され
た基板Pの該一端部の片面に対し、該搬送幅方向の一側
方向側に位置し、また可動クランブ部材762クランプ
面762aは、被クランプ面760aに対し上方に離隔
するので、旋回フレーム754の各々が直立位置から水
平待機位置に旋回させられても、クランプ機構752の
各々が基板Pの該上端部に干渉することが防止される。
【0096】図27、図28、図30、図35及び図3
6を参照して、上記搬入路の上方であって、搬送開始位
置Y1Aよりも該搬送幅方向の他側寄りの位置には静止
枠784が配設され、静止枠784には、基板搬送手段
708が支持されている。基板搬送手段708は、搬送
開始位置Y1Aに対して、該搬入幅方向の一側寄りの位
置を該搬入方向に延在する支持フレーム786と、支持
フレーム786における該搬入方向上流側に配設された
上流側チャッキング機構800であって、搬送開始位置
Y1Aに位置付けられた基板Pの搬入方向後端部を解除
自在にチャッキングする上流側チャッキング機構800
と、支持フレーム786における該搬入方向下流側にお
いて上流側チャッキング機構800に対し間隔をおいて
配設された下流側チャッキング機構802であって、搬
送開始位置Y1Aに移動させられた基板Pの搬入方向前
端部を解除自在にチャッキングする下流側チャッキング
機構802と、支持フレーム786に作用して上流側及
び下流側チャッキング機構800及び802の各々を一
体的に該搬送開始位置Y1Aと剥離位置Y2との間を選
択的に移動させる基板搬送アクチュエータ804とを備
えている。基板搬送アクチュエータ804は該搬送方向
に水平に延在するロッドレスエアシリンダ機構から構成
され、ロッドレスエアシリンダ機構の往復移動部804
aに支持フレーム786が配設されている。図示の実施
形態においては、支持フレーム786には、基板Pのサ
イズに対応するために上流側チャッキング機構800を
該搬送方向に下流側チャッキング機構802に対して接
近又は離隔するように水平に往復移動させるアクチュエ
ータ806が配設されている。アクチュエータ806は
ロッドレスエアシリンダ機構から構成され、ロッドレス
エアシリンダ機構の往復移動部に上流側チャッキング機
構800が配設されている。
【0097】上流側及び下流側チャッキング機構800
及び802は、相互に実質的に同じ構成を有しかつ該搬
入方向に間隔をおいて相互に対称的に配設されているの
で、以下、それらを代表して上流側チャッキング機構8
00について説明する。なお、下流側チャッキング機構
802を示す図40において、上流側チャッキング機構
800と実質的に同一部分には同一符号を付し、説明は
省略する。
【0098】図37〜図39を参照して、上流側チャッ
キング機構800は支持板808に支持され、支持板8
08は、アクチュエータ806を構成するロッドレスエ
アシリンダ機構の往復移動部に配設されている。なお、
下流側チャッキング機構802は支持板808に支持さ
れているが、この支持板808は、支持フレーム786
に直接配設されている(図35参照)。上流側チャッキ
ング機構800は、第1の可動チャッキング体810
と、第2の可動チャッキング体812と、ばね手段を構
成する一対の引張コイルばね814と、エアシリンダ機
構からなるチャッキングアクチュエータ816とを備え
ている。支持板808は該搬入方向に細長く延在する矩
形状をなし、幅方向の側面が鉛直方向に向けられてい
る。支持板808の該搬送方向下流側の端部には、該搬
入幅方向に見て、該搬入方向における上流方向に開放さ
れたチャンネル形状をなすフレーム818が該搬入幅方
向の他側に向かって延び出すよう配設されている。鉛直
方向に間隔をおいて対向する、フレーム818の一対の
側壁820における中間位置であって、フレーム818
の、該搬入幅方向の他側における先端寄りの中間位置に
は、側壁820の各々の、該上流側の先端面から該上流
方向に突出する突出部820aが形成されている。側壁
820の各々の、該上流側の先端面であって、突出部8
20aから該搬送幅方向の他側方向における先端までの
間の先端面820bは、突出部820aから該搬入幅方
向の一側方向における先端までの間の先端面820cよ
りも、該搬入方向下流側に若干後退せしめられている。
この先端面820bは第1の可動チャッキング体810
の旋回を阻止するストッパとして機能するが、これにつ
いては後述する。
【0099】次に、第1の可動チャッキング体810
を、後述するチャッキング位置に位置付けられた状態に
おいて説明する。第1の可動チャッキング体810は、
該搬入方向に見て、該搬入幅方向の一側方向に開放され
たチャンネル形状をなす板部材を備えている。第1の可
動チャッキング体810は、第1の可動チャッキング体
810の、鉛直方向に間隔をおいて対向する一対の側壁
822における、該搬入幅方向の一側方向における先端
面と該搬入方向下流側の端面とが交わる角部が、フレー
ム818の、側壁820の各々の突出部820aの外側
面に重合され、それぞれ鉛直軸824を介して水平方向
に旋回自在に支持されている。第1の可動チャッキング
体810の側壁822間を延在する鉛直壁826の外側
面(該搬入幅方向の他側方向に面した外側面)には、横
断面が矩形状をなす被圧接部材828が鉛直方向に延在
するよう配設されている。被圧接部材828の外側面
(該搬入幅方向の他側方向に面した外側面)は、被圧接
面828aを規定する。側壁822の各々の、該搬入幅
方向の一側方向における先端領域には、該搬入幅方向に
一定の幅で、該搬入方向上流側の端面から該搬入方向上
流側に延び出す延出部830が形成されている。側壁8
22の各々の、該搬入幅方向の一側方向における先端領
域であって、延出部830と鉛直軸824が配設された
角部との間には、鉛直軸からなるストッパ832が配設
されている。ストッパ832は、後の説明から容易に理
解されるように、第2の可動チャッキング体812のチ
ャッキング位置からチャッキング解除位置への旋回を途
中で阻止する。
【0100】次に、第2の可動チャッキング体812
を、後述するチャッキング位置に位置付けられた状態に
おいて説明する。第2の可動チャッキング体812は、
鉛直方向に間隔をおいて対向しかつ一定の幅で該搬入幅
方向に延在すると共に該搬入幅方向の他側方向における
先端部において該搬入方向の下流側に比較的短く延び出
すよう形成された一対の側壁834と、側壁834の各
々の延出部における、該搬入幅方向の一側方向に面した
端部間を一定の幅で鉛直方向に延在する鉛直壁836と
を備えた板部材を備えている。鉛直壁836の内側面
(該搬入幅方向の一側方向に面した内側面)には、横断
面が矩形状をなす圧接部材838が鉛直方向に延在する
よう配設されている。圧接部材838の内側面(該搬入
幅方向の一側方向に面した内側面)は、圧接面838a
を規定する。側壁834の各々の、該搬入幅方向の一側
方向の一端部間には、鉛直軸840が配設されている。
鉛直軸840は、エアシリンダ機構から構成されるチャ
ッキングアクチュエータ816のピストンロッド816
aの先端に配設された旋回作動部材816bに当接され
て、ピストンロッド816aの、該搬入方向への往復移
動を受ける被旋回作動部を構成する。側壁834の各々
の、該搬入幅方向の他側方向の他端部間には、補強用の
鉛直軸842が配設されている。
【0101】第2の可動チャッキング体812は、第2
の可動チャッキング体812の側壁834の各々の、該
搬入幅方向の一側方向の一端部近傍部位が、第1の可動
チャッキング体810の側壁822の各々に形成された
延出部830の内側に重合され、それぞれピンからなる
鉛直軸844まわりに旋回自在に支持されている。第2
の可動チャッキング体812の側壁834の各々の、鉛
直軸844が存在する部分よりも該搬入幅方向の他側方
向寄りの部位には、それぞればね係止ピン846が同一
鉛直軸線上を相互に離隔する方向に延び出すよう配設さ
れている。ばね係止ピン846に対し、該搬入方向下流
側に間隔をおいた位置であって、フレーム818の側壁
820の各々にも、それぞればね係止ピン848が同一
鉛直軸線上を相互に離隔する方向に延び出すよう配設さ
れている。係止ピン846の各々と、係止ピン848の
各々との間には、それぞれ引張コイルばね814が配設
されている。
【0102】チャッキングアクチュエータ816が作動
されていない状態において、第1の可動チャッキング体
810は、引張コイルばね814の各々のばね力により
鉛直軸824まわりに図37において反時計方向に旋回
するよう付勢されるが、鉛直壁826の、該搬入方向下
流側の端面が、フレーム818における側壁820の各
々の先端面826bに当接して該旋回が阻止されること
により、チャッキング位置に位置付けられる。第1の可
動チャッキング体810がチャッキング位置に位置付け
られると、被圧接面828aが該搬入幅方向の他側に向
けられる。他方、第2の可動チャッキング体812は、
引張コイルばね814の各々のばね力により、第1の可
動チャッキング体810との連結部である鉛直軸844
まわりに図37において反時計方向に旋回するよう付勢
されるが、圧接面838aが、チャッキング位置に位置
付けられた第1の可動チャッキング体810の被圧接面
828aに圧接されることにより阻止されてチャッキン
グ位置に位置付けられる。このように、引張コイルばね
814の各々は、第1及び第2の可動チャッキング体8
10及び812をチャッキング位置に常時付勢する。
【0103】第1及び第2の可動チャッキング体810
及び812がチャッキング位置に位置付けられた状態に
おいて、チャッキングアクチュエータ816を作動させ
ると、ピストンロッド816aの旋回作動部材816b
が該下流方向に移動させられて第2の可動チャッキング
体812の鉛直軸840に当接され、第2の可動チャッ
キング体812を鉛直軸844まわりに図37において
時計方向に旋回するよう強制する。第2の可動チャッキ
ング体812は、引張コイルばね814の各々のばね力
に抗して第1の可動チャッキング体810のストッパ8
32により阻止されるまで鉛直軸844まわりに第1の
可動チャッキング体810に対して図37において時計
方向に旋回させられる。この旋回作動により第2の可動
チャッキング体812の圧接面838aは、第1の可動
チャッキング体810の被圧接面828aから実質的に
該搬入幅方向の他側方向にかつ該上流方向に離隔させら
れる。この間、第1の可動チャッキング体810は、引
張コイルばね814の各々のばね力によりチャッキング
位置に位置付けられている。
【0104】第2の可動チャッキング体812の、第1
の可動チャッキング体810に対する旋回が第1の可動
チャッキング体810のストッパ832により阻止され
た後には、第2の可動チャッキング体812及び第1の
可動チャッキング体810は相対移動することなく一体
的に引張コイルばね814の各々のばね力に抗して図3
7において時計方向にチャッキング解除位置まで旋回さ
せられる。第1の可動チャッキング体810は、被圧接
面828aがチャッキング位置に対し該搬入幅方向の一
側方向に退避させられたチャッキング解除位置に位置付
けられ、第2の可動チャッキング体812は、圧接面8
38aがチャッキング位置に対し該搬入幅方向の一側方
向に退避させられたチャッキング解除位置に位置付けら
れる。チャッキングアクチュエータ816の作動を解除
すると、前記と逆の旋回動作により、第1及び第2の可
動チャッキング体810及び812は、引張コイルばね
814の各々のばね力により、チャッキング解除位置か
らチャッキング位置に戻される。
【0105】先に述べたように、図40に示されている
下流側チャッキング機構802も、上記した上流側チャ
ッキング機構800と実質的に同様に作動するが、上流
側チャッキング機構800に対し、該搬入方向に間隔を
おいて相互に対称的に配設されているので、作動も対称
的に行われる。
【0106】図27、図28、図30及び図35〜図3
7を参照して、上流側及び下流側チャッキング機構80
0及び802の各々のチャッキングアクチュエータ81
6を作動させて上流側及び下流側チャッキング機構80
0及び802の各々の第1及び第2の可動チャッキング
体810及び812がチャッキング解除位置に位置付け
られた状態(待機状態)で、ハンガー720により基板
Pを該鉛直な姿勢で搬送開始位置Y1Aに位置付ける。
第1及び第2の可動チャッキング体810及び812が
チャッキング解除位置に位置付けられた状態(待機状
態)で、第1及び第2の可動チャッキング体810及び
812の全ては、該鉛直な姿勢の基板Pの鉛直面に対し
て、該搬送幅方向の一側方向に所定の間隔をおいて完全
に退避せしめられるので、ハンガー720により搬送開
始位置Y1Aに移動させられた基板Pに干渉することは
ない。続いて、上流側及び下流側チャッキング機構80
0及び802の各々のチャッキングアクチュエータ81
6の作動を解除すると、上流側チャッキング機構800
においては、第1及び第2の可動チャッキング体810
及び812がチャッキング解除位置からチャッキング位
置に旋回させられ、第1の可動チャッキング体810の
被圧接面828aは、基板Pの片面に対し、該搬入幅方
向の一側方向に離隔した位置から旋回して、基板Pの、
該一端部よりも下方位置における搬入方向後端部の、該
搬入幅方向の一側方向に面した片面に当接ないし近接し
て対向させられる。また第2の可動チャッキング体81
2の圧接面838aは、基板Pに対し、基板Pの搬入方
向後端の後方を基板Pに干渉しないように旋回して、基
板Pの、該一端部よりも下方位置における搬入方向後端
部の、該搬入幅方向の他側方向に面した他面を介して第
1の可動チャッキング体810の被圧接面828aに圧
接させられることにより、基板Pの該搬入方向後端部が
チャッキングされる。
【0107】他方、下流側チャッキング機構802にお
いては、第1及び第2の可動チャッキング体810及び
812がチャッキング解除位置からチャッキング位置に
旋回させられ、第1の可動チャッキング体810の被圧
接面828aは、基板Pの片面に対し、該搬入幅方向の
一側方向に離隔した位置から旋回して、基板Pの、該一
端部よりも下方位置における搬入方向前端部の、該搬入
幅方向の一側方向に面した片面に当接ないし近接して対
向させられる。また第2の可動チャッキング体812の
圧接面838aは、基板Pに対し、基板Pの搬入方向前
端の前方を基板Pに干渉しないように旋回して、基板P
の、該一端部よりも下方位置における搬入方向前端部
の、該搬入幅方向の他側方向に面した他面を介して第1
の可動チャッキング体810の被圧接面828aに圧接
させられることにより、基板Pの該搬入方向前端部がチ
ャッキングされる。上記したチャッキング機構800及
び802の各々によれば、チャッキング動作が基板Pに
干渉することなく円滑かつ確実に遂行される。
【0108】支持フレーム786には基板Pのサイズに
対応するために上流側チャッキング機構800を該搬送
方向に往復移動させるアクチュエータ806が配設され
ているので、基板Pのサイズに適宜に対応することが可
能である(図35参照)。フィルムFの剥離を行うべき
基板Pのサイズが一定であるならば、アクチュエータ8
06は不要である。
【0109】搬送開始位置Y1Aにおいて基板Pがチャ
ッキング機構800及び802の各々によりチャッキン
グされた状態で、ハンガー720の把持アクチュエータ
782を作動させてハンガー720の把持ユニット77
2の各々における把持部材780の各々を把持位置から
把持解除位置に旋回させて基板Pの該一端部の把持を解
除する。続いて基板搬送アクチュエータ804を作動さ
せてチャッキング機構800及び802の各々を搬送開
始位置Y1Aから剥離位置Y2に移動させることによ
り、チャッキング機構800及び802の各々にチャッ
キングされた基板Pは、搬送開始位置Y1Aから剥離位
置Y2に該鉛直な姿勢が維持された状態で搬送される。
把持部材780の各々が把持解除位置に旋回させられた
状態で、把持部材780の各々の全ては、チャッキング
機構800及び802の各々によりチャッキングされた
基板Pの上端よりも上方に位置付けられるので、基板P
が搬送開始位置Y1Aに存在した状態においても、搬送
開始位置Y1Aから他側待機位置に移動させることが可
能であり、フィルム剥離搬送装置の効率向上に寄与す
る。
【0110】次に剥離位置Y2に配設された剥離手段7
10について説明する。主として図41〜図45を参照
して、剥離手段710は、鉛直方向に延在するよう静止
枠体722に配設された複数の(実施形態においては4
本の)ガイドロッド850と、ガイドロッド850に沿
って昇降自在に配設された可動支持枠体852と、可動
支持枠体850をガイドロッド850に沿って昇降させ
る昇降アクチュエータ854とを備えている。昇降アク
チュエータ854は鉛直方向に延在するロッドレスエア
シリンダ機構から構成されている。可動支持枠体852
は、ロッドレスエアシリンダ機構の往復移動部に支持さ
れ、ロッドレスエアシリンダ機構によって、最上方位置
である剥離開始位置と、最下方位置であるフィルム排出
位置との間を昇降させられる。可動支持枠体852に
は、一対のフィルムガイドクランプ部材856が、基板
Pの搬送幅方向に相互に対向して該搬送幅方向に移動自
在に配設されている。基板Pの搬送方向に相互に平行に
延在するフィルムガイドクランプ部材856の各々は、
該搬送幅方向に相互に対向して該搬送幅方向に水平に移
動自在に配設された、それぞれ複数のスライドロッド8
58、実施形態におい*はそれぞれ2個のスライドロッ
ド858の先端に支持されている。可動支持枠体852
にはまた、フィルムガイドクランプ部材856の各々に
対応して、一対のフィルムガイドクランプアクチュエー
タ860が配設されている。フィルムガイドクランプア
クチュエータ860の各々はエアシリンダ機構から構成
され、フィルムガイドクランプ部材856の各々は、該
搬送幅方向に延在する共通の水平軸線上に配置された、
フィルムガイドクランプアクチュエータ860の各々の
ピストンロッド860aの先端に、それぞれ連結されて
いる。フィルムガイドクランプアクチュエータ860の
各々は、それぞれフィルムガイドクランプ部材856の
各々に作用して、剥離位置Y2に搬送された基板Pの該
一端部(上端部)近傍の領域であって、フィルムFの一
端部よりも基板Pの他端方向(下端方向)に後退した基
板Pの該一端部近傍の領域の両面をクランプするクラン
プ位置と、該一端部近傍の領域から該搬送幅方向外方に
向かって相互に離隔して該クランプを解除するクランプ
解除位置との間を選択的に移動させる。実施形態におい
ては、フィルムガイドクランプ部材856の各々は、相
互に離隔する距離が微小であるクランプ解除位置(フィ
ルムFの剥離遂行時におけるクランプ解除位置)と、相
互に離隔する距離が大きいクランプ解除位置(待機時に
おけるクランプ解除位置)との二つのクランプ解除位置
を有している。基板Pが剥離位置Y2に搬送されると
き、あるいは剥離位置Y2から搬出位置Y2に搬送され
るときなどは、待機時におけるクランプ解除位置に位置
付けられることが好ましい。
【0111】主として図41及び図45を参照して、フ
ィルムガイドクランプ部材856の各々の上面には、フ
ィルムガイドクランプ部材856の各々の長手方向であ
る、該搬送方向に間隔をおいて複数の(実施形態におい
てはそれぞれ5個の)被クランプ部材862が配設され
ている。被クランプ部材862の各々の平坦な上面の、
該搬送幅方向の内側領域には複数の被クランプ溝が形成
され、被クランプ部材862の各々の、該搬送幅方向の
外側端部には、対応するフィルムガイドクランプ部材8
56の、該搬送幅方向の外側に突出する一対の支持フラ
ンジ部が形成されている。フィルムガイドクランプ部材
856の各々にはフィルムクランプ部材864が旋回自
在に支持されている。フィルムクランプ部材864の各
々は、対応するフィルムガイドクランプ部材856にお
ける被クランプ部材862の支持フランジ部に、該搬送
幅方向に延在する水平軸866を介して旋回自在に支持
されている。フィルムクランプ部材864の各々は、対
応するフィルムガイドクランプ部材856の、該搬送幅
方向の外側面よりも更に該搬送幅方向の外側に延び出し
ている。フィルムクランプ部材864の各々の平坦な下
面の、該搬送幅方向の内側領域には複数のクランプ溝が
形成されている。フィルムクランプ部材864の各々
は、対応するフィルムガイドクランプ部材856の上
面、実施形態においては被クランプ部材862の上面に
形成された被クランプ溝に、各々のクランプ溝が圧接さ
れるクランプ位置と、各々のクランプ溝が、対応するフ
ィルムガイドクランプ部材856の被クランプ部材86
2の該被クランプ溝から上方に退避するクランプ解除位
置との間を水平軸866まわりを旋回自在である。
【0112】フィルムクランプ部材864の各々を旋回
自在に支持する水平軸866には、ばね手段であるねじ
りコイルばね868が配設されている。ねじりコイルば
ね868の各々の一端部は、対応するフィルムクランプ
部材864の下面(フィルムガイドクランプ部材856
の、該搬送幅方向の外側面から更に外方に延び出した部
分における下面)に圧接され、各々の他端は、対応する
フィルムガイドクランプ部材856の該外側面に圧接さ
れている。ねじりコイルばね868の各々は、対応する
フィルムクランプ部材864をクランプ位置に常時付勢
する。フィルムガイドクランプ部材856の各々の下面
側には、フィルムクランプアクチュエータ870が鉛直
方向に延在するよう配設されている。フィルムクランプ
アクチュエータ870の各々はエアシリンダ機構から構
成され、ピストンロッド870aが鉛直上方に延び出し
ている。これに対応して、フィルムガイドクランプ部材
856の各々及び被クランプ部材862には、対応する
ピストンロッド870aの鉛直方向の往復移動を許容す
るための貫通孔857が形成されている。貫通孔857
の各々は、対応するフィルムクランプ部材864の下面
に対向して開口する。フィルムクランプアクチュエータ
870の各々は、対応するフィルムクランプ部材864
をねじりコイルばね868のばね力に抗してクランプ位
置からクランプ解除位置に旋回させる。
【0113】主として図41及び図44を参照して、剥
離位置Y2において該鉛直な姿勢で位置付けられる基板
Pの上方位置には、該搬送方向に水平に延在する静止フ
レーム872が配設されている。静止フレーム872
は、横断面が、上方に開放されたチャンネル形状をな
し、静止枠体722の天井部に配設されている。静止フ
レーム872には、該搬送方向に間隔をおいて、それぞ
れ一対の基板クランプ部材874からなる基板クランプ
部材対874Aが、複数対(実施形態においては6対)
配設されている。静止フレーム872において、基板ク
ランプ部材対874Aの各々を配設する部分には、それ
ぞれ開口が形成され、基板クランプ部材対874Aの各
々の下方領域が該開口から下方に延び出している。剥離
位置Y2に搬送された基板Pの該一端部の上方に配設さ
れた基板クランプ部材対874Aの各々において、基板
クランプ部材対874Aを構成する基板クランプ部材8
74の各々は、基板Pの該一端部の両面をクランプする
クランプ位置と、該一端部から基板Pの搬送幅方向外方
の上方に向かって相互に離隔して該クランプを解除する
クランプ解除位置との間を、水平軸876まわりに旋回
自在に支持されている。水平軸876の各々は、該搬送
幅方向に間隔をおいて該搬送方向に平行に延在する。基
板クランプ部材対874Aを構成する基板クランプ部材
874の各々間には、基板クランプ部材874の各々を
常時クランプ位置に付勢するばね手段である引張コイル
ばね878が配設されている。基板クランプ部材874
の各々は、クランプ位置に位置付けられた状態におい
て、図44から容易に理解されるように、水平軸876
に支持された部分から相互に該搬送幅方向に間隔をおい
て平行に鉛直下方に延びる垂下部874aと、垂下部8
74aの各々の下端部において相互に対向する内側面に
配設された圧接部874bと、水平軸876に支持され
た部分から相互に接近する方向に上方に傾斜して延び出
す傾斜上部874cとを備え、傾斜上部874cの各々
の頂部のみが相互に該搬送方向に重合して相対移動可能
に構成されている。
【0114】基板クランプ部材対874Aの上方には、
該搬送方向に間隔をおいて一対の基板クランプアクチュ
エータ880が鉛直方向に延在するよう、静止枠体72
2の天井部に配設されている。基板クランプアクチュエ
ータ880の各々は、鉛直下方に延び出すよう配設され
たピストンロッド880aを有するエアシリンダ機構か
らなる。基板クランプアクチュエータ880の各々のピ
ストンロッド880aの下端間には、クランプ作動板8
82が一体に配設されている。クランプ作動板882
は、一定の幅をもって該搬送方向に水平に延在する帯状
の板からなり、基板クランプアクチュエータ880の各
々の非作動時には、基板クランプ部材対874Aの各々
の上方に所定の間隔をおいて位置付けられている。基板
クランプアクチュエータ880の各々を作動させると、
クランプ作動板882が下降して基板クランプ部材対8
74Aの各々を構成する基板クランプ部材874の各々
の傾斜上部874cの各々の頂部を下方に強制するの
で、基板クランプ部材874の各々は引張コイルばね8
78のばね力に抗して水平軸876まわりにクランプ位
置からクランプ解除位置に旋回させられる。基板クラン
プアクチュエータ880の各々の作動を解除すると、ク
ランプ作動板882は元の位置に上昇させられ、基板ク
ランプ部材874の各々は引張コイルばね878のばね
力によりクランプ解除位置からクランプ位置に旋回させ
られる。
【0115】剥離手段710は、基板Pの、少なくとも
該一端部に含まれる一端に向けて上方から圧力気体を噴
射する圧力気体噴射手段、実施形態においては圧力エア
を噴射する圧力エア噴射手段260を備えている。圧力
気体噴射手段260は、先に述べたフィルム剥離搬送装
置の実施形態に備えられた圧力エア噴射手段260と実
質的に同じでよいが、この実施形態においては、先の実
施形態と実質的に同じ構成を有する1本の圧力エア供給
パイプ266を備えている。圧力エア供給パイプ266
は、静止フレーム872の下方を該搬送方向に水平に延
在するよう、静止フレーム872に配設されている。圧
力エア供給パイプ266は、基板クランプ部材対874
Aの各々を構成する基板クランプ部材874の各々の間
を、それらに干渉しないよう延在せしめられている。圧
力エア供給パイプ266を含む圧力エア噴射手段260
のその他の基本的な構成は先に詳細に説明されているの
で、更なる説明は省略する。
【0116】図27、図28及び図42〜図45を参照
して、上記可動支持枠体852が剥離開始位置に位置付
けられ、かつフィルムガイドクランプ部材856の各々
が待機時におけるクランプ解除位置に位置付けられると
共に基板クランプ部材対874Aの各々がクランプ解除
位置に位置付けられた状態において、基板搬送手段70
8の基板搬送アクチュエータ804を作動させてチャッ
キング機構800及び802の各々によりクランプした
基板Pを搬送開始位置Y1Aから剥離位置Y2に該鉛直
な姿勢を維持しながら移動させる。チャッキング機構8
00及び802の各々は、剥離手段710の可動支持枠
体852に支持された各部材のうち最下方位置に存在す
るフィルムクランプアクチュエータ870の各々よりも
下方に位置付けられる。次にフィルムガイドクランプア
クチュエータ860の各々を作動させてフィルムガイド
クランプ部材856の各々をクランプ位置に移動して基
板Pの該一端部近傍の領域の両面をクランプする。この
後、チャッキングアクチュエータ816の各々の作動を
解除してチャッキング機構800及び802の各々によ
る基板Pのクランプを解除する。続いて基板搬送アクチ
ュエータ804を作動させて、基板Pのクランプを解除
したチャッキング機構800及び802の各々を剥離位
置Y2から搬送開始位置Y1Aに復帰移動させる。以上
の動作により、基板Pは剥離位置Y2において剥離手段
710のフィルムガイドクランプ部材856の各々によ
り該鉛直な姿勢でクランプされる。なお、チャッキング
機構800及び802の各々の該復帰移動において、チ
ャッキング機構800及び802の各々における第1及
び第2の可動チャッキング体810及び812は、先に
述べたように全て該鉛直な姿勢の基板Pの鉛直面から、
該搬送幅方向の一側方向に十分な間隔をおいて退避させ
られているので、基板Pに干渉することなく該移動が遂
行される。
【0117】次に、剥離手段710の剥離作動を説明す
る前に、剥離手段710の下流側に配設された他の基板
搬送手段712について説明する。図27及び図28を
参照して、他の基板搬送手段712は、昇降アクチュエ
ータ890を備えている以外の構成は、先に述べた基板
搬送手段708と実質的に同じであるので、同一部分に
は同一符号を付し、説明は省略する。ロッドレスエアシ
リンダ機構から構成されている基板搬送アクチュエータ
804の往復移動部804aに昇降アクチュエータ89
0が配設されている。鉛直方向に延在する昇降アクチュ
エータ890はロッドレスエアシリンダ機構から構成さ
れ、その昇降動部に支持フレーム786が配設され、支
持フレーム786にチャッキング機構800及び802
が配設されている。チャッキング機構800及び802
は基板搬送アクチュエータ804により、搬出位置Y3
と剥離位置Y2との間を選択的に水平に往復移動させら
れる。搬出位置Y3に位置付けられたチャッキング機構
800及び802は、昇降アクチュエータ890により
搬出位置Y3と、搬出位置Y3よりも下方の剥離ミス基
板排出位置との間を昇降可能である。図28から容易に
理解されるように、基板Pの搬送開始位置Y1A、剥離
位置Y2及び搬出位置Y3は、同一鉛直面上に存在する
よう配置されている。また、図27から容易に理解され
るように、搬出位置Y3において昇降アクチュエータ8
90により搬出位置Y3に位置付けられた状態で、他の
基板搬送手段712のチャッキング機構800及び80
2は、搬送開始位置T1Aに配設された基板搬送手段7
08のチャッキング機構800及び802よりも若干低
い位置に位置付けられる。
【0118】次に、剥離手段710によるフィルムFの
剥離作動について説明する。図43〜図46を参照し
て、フィルムガイドクランプ部材856の各々がフィル
ムガイドクランプアクチュエータ860によりクランプ
位置に位置付けられて基板Pがフィルムガイドクランプ
部材856の各々によりクランプされかつ基板クランプ
アクチュエータ880の各々の作動により基板クランプ
部材対874Aの各々がクランプ解除位置に位置付けら
れると共にフィルムクランプ部材864の各々がフィル
ムクランプアクチュエータ870の作動によりクランプ
解除位置に位置付けられた状態で、圧力エア供給パイプ
266によって基板Pの、少なくとも該一端部に含まれ
る一端に向けて上方から圧力エアを噴射する。圧力エア
の噴射により、基板Pの片面又は両面(実施形態におい
ては両面)からフィルムFの一端部が部分的に剥離され
る。基板Pの両面から剥離されたフィルムFの一端部は
フィルムガイドクランプ部材856の各々の上面である
被クランプ部材862の上面に押し付けられる(図46
参照)。
【0119】続いて圧力エア供給パイプ266から圧力
エアを噴射しながらフィルムクランプアクチュエータ8
70の作動を解除してフィルムクランプ部材864の各
々をねじりコイルばね868のばね力によりクランプ位
置に旋回させることにより、フィルムガイドクランプ部
材856の各々の上面である被クランプ部材862の上
面に押し付けられたフィルムFの一端部をそれぞれ該上
面にクランプする(図47参照)。フィルムガイドクラ
ンプ部材856の各々の上面である被クランプ部材86
2の上面には被クランプ溝が形成され、フィルムクラン
プ部材864の各々の下面にはクランプ溝が形成され、
これらの溝同士が噛み合わされてフィルムFの各々の一
端部はしっかりとクランプされる。フィルムFの各々の
一端部が、フィルムガイドクランプ部材856の各々
と、対応するフィルムクランプ部材864によりクラン
プされた後、圧力エア供給パイプ266からの圧力エア
の噴射を停止する。
【0120】図44、図48及び図49を参照して、上
記した如く、圧力エア供給パイプ266からの圧力エア
の噴射を停止した後、基板クランプアクチュエータ88
0の各々の作動を解除して引張コイルばね878のばね
力により基板クランプ部材対874Aの各々をクランプ
位置に旋回させて基板Pの該一端部をクランプする(図
48参照)。続いて、フィルムガイドクランプアクチュ
エータ860の各々を作動させてフィルムガイドクラン
プ部材856の各々を、クランプ位置に位置付けられた
フィルムクランプ部材864の各々と共にクランプ解除
位置(フィルムFの剥離遂行時におけるクランプ解除位
置)に移動させる(図49参照)。この移動ストローク
は、後述するとおりにしてフィルムガイドクランプ部材
856の各々がフィルムクランプ部材864の各々と共
に下降させられたとき、基板Pに接触しない程度の微小
な距離でよい。
【0121】図42及び図50を参照して、フィルムガ
イドクランプ部材856の各々を、クランプ位置に位置
付けられたフィルムクランプ部材864の各々と共に上
記クランプ解除位置に微小なストローク移*させた後、
昇降アクチュエータ854を作動させて可動支持枠体8
52を、フィルムガイドクランプ部材856の各々及び
フィルムクランプ部材864の各々と共に、剥離開始位
置から一体に下降させる。基板Pの該一端部(上端部)
は、基板クランプ部材対874Aの各々によりクランプ
されて該鉛直な姿勢で静止フレーム872に吊り下げら
れ、基板Pの両面に貼着されたフィルムFの各々の一端
部が相互に離隔する方向に引き剥がされた後に強制的に
下方に引っ張られるので、フィルムFの各々は基板Pの
両面から徐々に下方に向かって効果的に剥離される(図
50参照)。可動支持枠体852がフィルム排出位置ま
で下降させられると、フィルムFの各々は基板Pの両面
から完全に剥離される。続いて、フィルムクランプアク
チュエータ870の各々を作動させてフィルムクランプ
部材864の各々をクランプ解除位置に旋回させること
により、フィルムガイドクランプ部材856の各々の上
面である被クランプ部材862の上面に対するフィルム
Fのクランプを解除すると共に、フィルムガイドクラン
プアクチュエータ860の各々を作動させてフィルムガ
イドクランプ部材856の各々をクランプ解除位置(待
機時におけるクランプ解除位置)に移動させる。クラン
プが解除されたフィルムFの各々は自由落下して下方に
配設された収容箱2内に収容される。基板Pから完全に
剥離されたフィルムFに向けて上方から圧力気体である
圧力エアを噴射して該フィルムFを下方に強制的に排出
する圧力気体噴射手段である圧力エア噴射手段888を
備えることが好ましい。圧力エア噴射手段888を備え
た場合には、剥離されたフィルムFを一層確実に排出す
ることが可能になる。
【0122】図27、図28及び図42を参照して、剥
離位置Y2において基板PからフィルムFが完全に剥離
された後、他の基板搬送手段712のチャッキング機構
800及び802における第1及び第2の可動チャッキ
ング体810及び812をチャッキング解除位置に位置
付けた状態で、基板搬送アクチュエータ804を作動さ
せてチャッキング機構800及び802を搬出位置Y3
から剥離位置Y2まで移動させる。続いて、先に述べた
と同様にして第1及び第2の可動チャッキング体810
及び812をチャッキング解除位置に位置付けて該鉛直
な姿勢の基板Pの該搬送方向後端部及び前端部の両面を
クランプした後に、剥離手段710の基板クランプ部材
対874Aの各々をクランプ位置からクランプ解除位置
に旋回させ、基板Pのクランプを解除する。基板クラン
プ部材対874Aの各々による基板Pのクランプを解除
した後、他の基板搬送手段712の基板搬送アクチュエ
ータ804を作動させてチャッキング機構800及び8
02を剥離位置Y2から搬出位置Y3まで移動させる。
基板Pは、該鉛直な姿勢に維持されながら剥離位置Y2
から搬出位置Y3まで移動させられる。搬出位置Y3に
搬送された基板Pは、図示しない基板搬出装置により上
端部をクランプされ、チャッキング機構800及び80
2によるチャッキングを解除した後に該鉛直な姿勢に維
持されながら図27の上方に搬出される。基板Pに剥離
ミスが発生した場合には、チャッキング機構800及び
802は、昇降アクチュエータ890により搬出位置Y
3から剥離ミス基板排出位置に下降させられて図示しな
いスットカーに収容される。基板Pが剥離位置Y2から
搬出位置Y3まで移動させられた後、剥離手段710に
おける基板クランプアクチュエータ880の各々の作動
を解除し、引張コイルばね878のばね力により基板ク
ランプ部材対874Aの各々をクランプ位置に復帰させ
る。
【0123】上記したとおりにして、基板Pからフィル
ムFが完全に剥離されかつ排出された後、フィルムクラ
ンプアクチュエータ870の各々の作動を解除してフィ
ルムクランプ部材864の各々をねじりコイルばね86
8のばね力によりクランプ位置に戻し、剥離手段710
の昇降アクチュエータ854を再び作動させて可動支持
枠体852をフィルム排出位置から剥離開始位置まで上
昇させる。
【0124】図27〜図50を参照して説明した本発明
においては、先の説明から容易に理解されるように、両
面が基板Pの搬送幅方向に向けられた鉛直な姿勢で基板
Pを剥離位置Y2へ搬送する基板搬送手段708と、剥
離位置Y2に搬送された該鉛直な姿勢の基板Pからフィ
ルムFを完全に剥離する剥離手段710とを備えている
ことが本質的に重要である。このような構成により、厚
さが非常に薄い基板Pであっても、基板Pの品質を損な
うことなく、基板Pの片面又は両面に貼着されているフ
ィルムFを円滑かつ確実に剥離することを可能にする。
また、厚さが非常に薄い基板Pであっても、基板Pの片
面又は両面に貼着されている絶縁樹脂P2に比較的強力
な密着強度をもって貼着されているフィルムFを、絶縁
樹脂P2を実質的に傷めることなく、絶縁樹脂P2から
十分確実に剥離することを可能にする。更にはまた、厚
さが非常に薄い基板Pであっても、基板Pの品質を損な
うことなく安定した搬送を可能にすると共に、基板Pの
片面又は両面に貼着されているフィルムFを円滑かつ確
実に剥離することを可能にする。
【0125】図27〜図50を参照して説明した本発明
の他の局面によれば、フィルム剥離搬送装置は、剥離位
置Y2に向かって基板Pの搬送を開始する搬送開始位置
Y1Aへ、両面が該搬送幅方向に向けられた鉛直な姿勢
で投入された基板Pの搬送方向両端部を解除自在にチャ
ッキングして該鉛直な姿勢を維持しながら基板Pを剥離
位置Y2へ搬送する基板搬送手段708と、剥離位置Y
2に搬送された該鉛直な姿勢の基板PからフィルムFを
完全に剥離する剥離手段710とを備えている。このよ
うな構成においても、上記したと実質的に同じ効果を達
成することができる。基板Pを投入する装置は、基板P
の該一端部を把持して該鉛直な姿勢で搬送開始位置Y1
Aに投入できる装置であれば、どのような装置であって
もよい。例えば、上記ハンガー720の如き装置であっ
ても、先の実施形態における基板投入装置600Aの如
き装置であってもよい。剥離位置Y2から、フィルムF
が完全に剥離された基板Pを搬出する場合においても、
該鉛直な姿勢で搬出位置Y3まで搬送することは容易で
あり、搬出位置Y3から装置の外部に搬出する装置も、
基板Pを投入する装置と同じ如く、種々の形態が想定さ
れる。なお、本発明のいずれの実施形態においても、フ
ィルム搬送剥離装置に基板を投入する装置の形態及びフ
ィルム搬送剥離装置から、フィルムが剥離された基板を
搬出する装置の形態は、いずれも本発明の特徴をなすも
のではなく、周知の形態を利用すればよい。
【0126】図27〜図50を参照して説明した本発明
の他の局面によれば、フィルム剥離搬送装置は、片面又
は両面に対してフィルムFが貼着された基板Pを水平な
姿勢で搬入位置に搬入する搬入手段702と、搬入位置
702に搬入された基板Pを、両面が基板Pの搬入幅方
向に向けられた鉛直な姿勢に変換する姿勢変換手段70
4と、該鉛直な姿勢に変換された基板Pを、搬入方向前
方に設定された剥離位置Y2へ向けて搬送するための搬
送開始位置Y1Aへ該鉛直な姿勢を維持しながら移動さ
せる搬送開始位置決め手段706と、搬送開始位置Y1
Aへ移動させられた基板Pの搬送方向両端部を解除自在
にチャッキングして該鉛直な姿勢を維持しながら基板P
を剥離位置Y2へ搬送する基板搬送手段708と、剥離
位置Y2に搬送された該鉛直な姿勢の基板Pからフィル
ムFを完全に剥離する剥離手段710とを備えている。
基板Pは水平な姿勢で搬入されるが、搬入された基板P
は、姿勢変換手段704により該鉛直な姿勢に変換さ
れ、搬送開始位置決め手段706により該鉛直な姿勢の
状態で搬送開始位置Y1Aに移動されるので、剥離位置
Y2において該鉛直な姿勢でフィルムFを剥離すること
は容易に可能となる。また、基板Pの姿勢変換及び搬送
開始位置Y1Aまでの動作は容易かつ単純に遂行可能で
あるので、基板Pが損傷する可能性はほとんど無く、品
質は十分確実に保証される。
【0127】図27〜図50を参照して説明した本発明
の実施形態において、剥離位置Y2から搬出位置Y3に
搬送された基板Pは、該鉛直な姿勢の状態で搬出される
よう構成されているが、搬入位置Y1におけると同様
に、搬送開始位置決め手段706、姿勢変換手段704
及び搬入ローラ体724と実質的に同じ機構を設置し
て、これらとは逆の動作を遂行することにより、基板P
を該鉛直な姿勢から水平な姿勢に変換して搬出させるこ
とも、必要に応じて容易に可能である。
【0128】上記した説明から明らかなように、本発明
においては、全ての実施形態において、基板Pを鉛直な
姿勢にしてフィルムFを剥離することが本質的に重要な
特徴をなす。すなわち、図1〜図26を参照して説明し
た実施形態においては、両面が基板Pの搬送方向に向け
られた鉛直な姿勢でフィルムFを剥離し、また、図27
〜図50を参照して説明した実施形態においては、両面
が基板Pの搬送幅方向に向けられた鉛直な姿勢でフィル
ムFを剥離する。いずれの発明においても、上記したと
おりの優れた剥離効果の達成が可能となるのである。も
ちろん、基板Pを鉛直な姿勢にしてフィルムFを剥離す
るのであれば、基板Pの搬送時及び剥離時において、基
板Pの両面がいずれの方向に向けられていてもよい。ま
た、基板Pを鉛直な姿勢で剥離位置まで搬送する基板搬
送手段は、上記実施形態に示されている手段に限定され
ることはなく、他の構成であっても、本願発明の実施は
可能である。更にはまた、図27〜図50を参照して説
明した実施形態において、基板Pのフィルムを剥離する
手段として、図1〜図26に示す実施形態において説明
した剥離手段200を使用することも可能であり、ま
た、端部剥離手段300と剥離手段400とを組み合わ
せて使用することも可能であることはいうまでもない。
【0129】以上、本発明によるフィルム剥離搬送装置
の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱する
ことなく種々の変形あるいは修正が可能である。例え
ば、上記実施形態において、基板Pの両面にフィルムF
が貼着されているが、基板Pの片面又は両面にフィルム
Fが貼着された基板Pのいずれにも本発明が適用される
ことはいうまでもない。また、図1〜図26を参照して
説明した上記実施形態において、基板Pは受取位置X1
において、水平な姿勢又は又は鉛直な姿勢で受け取るよ
う構成されているが、水平な姿勢と鉛直な姿勢との間
の、適宜の傾斜した姿勢で他の図示しない基板投入装置
から受け取ってもよい。同様に、図1〜図26を参照し
て説明した上記実施形態において、基板Pは搬出位置X
3において、水平な姿勢又は又は鉛直な姿勢で搬出され
るよう構成されているが、水平な姿勢と鉛直な姿勢との
間の、適宜の傾斜した姿勢で搬出されてもよい。図1〜
図26を参照して説明した本発明においては、何れの実
施形態においても、端部剥離位置X1A又は剥離位置X
2において、基板Pが鉛直な姿勢に保持され、基板Pが
鉛直な姿勢に保持された状態で、先に述べたとおりにし
てフィルムFの剥離が行なわれることが特に重要であ
る。
【0130】
【発明の効果】本発明に従って構成されたフィルム剥離
搬送装置によれば、厚さが非常に薄い基板であっても、
基板の品質を損なうことなく、基板の片面又は両面に貼
着されているフィルムを円滑かつ確実に剥離することを
可能にする。また、厚さが非常に薄い基板であっても、
基板の片面又は両面に貼着されている絶縁樹脂に比較的
強力な密着強度をもって貼着されているフィルムを、絶
縁樹脂を実質的に傷めることなく、絶縁樹脂から十分確
実に剥離することを可能にする。更にはまた、厚さが非
常に薄い基板であっても、基板の品質を損なうことなく
安定した搬送を可能にすると共に、基板の品質を損なう
ことなく基板の片面又は両面に貼着されているフィルム
を円滑かつ確実に剥離することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフィルム剥離搬送装置の実施形態
の構成の一部を概略的に示す側面図。
【図2】図2に示すフィルム剥離搬送装置の構成の一部
を示す平面概略図。
【図3】図1に示すフィルム剥離搬送装置の構成の一部
を示す横断面概略図。
【図4】図3に示すフィルム剥離搬送装置の構成の一部
を拡大して示す横断面概略図。
【図5】図1に示すフィルム剥離搬送装置の構成の他の
一部を拡大して示す横断面概略図。
【図6】図1に示すフィルム剥離搬送装置に含まれる基
板搬送手段の構成を説明するための斜視概念図。
【図7】図1に示すフィルム剥離搬送装置に含まれる基
板搬送手段の構成の一部を詳細に示す斜視図。
【図8】図1に示すフィルム剥離搬送装置に含まれる剥
離手段及び基板搬送手段の一部を示す斜視概略図。
【図9】図8に示す剥離手段に含まれる圧力エア供給パ
イプ及び基板の一端部の断面概略図。
【図10】図9に示す基板の全体を示す平面概略図。
【図11】図8に示す剥離手段の他の実施形態を示す斜
視概略図。
【図12】本発明によるフィルム剥離搬送装置の他の実
施形態の構成の一部を概略的に示す側面図。
【図13】図12に示すフィルム剥離搬送装置の構成の
一部を示す横断面概略図。
【図14】図12に示すフィルム剥離搬送装置に含まれ
る端部剥離手段及び基板搬送手段の一部を示す斜視概略
図。
【図15】図12に示すフィルム剥離搬送装置に含まれ
る剥離手段の側面概略図。
【図16】図15に示す剥離手段の他の作動態様を示す
側面概略図。
【図17】図15に示す剥離手段の更に他の作動態様を
示す側面概略図。
【図18】図15に示す剥離手段の更に他の作動態様を
示す側面概略図。
【図19】図15に示す剥離手段の更に他の作動態様を
示す側面概略図。
【図20】図15に示す剥離手段の更に他の作動態様を
示す側面概略図。
【図21】図15に示す剥離手段の更に他の作動態様を
示す側面概略図。
【図22】図15に示す剥離手段の更に他の作動態様を
示す側面概略図。
【図23】図15に示す剥離手段の更に他の作動態様を
示す側面概略図であって、フィルム搬送手段の概略構成
図と共に示す側面概略図。
【図24】本発明によるフィルム剥離搬送装置の更に他
の実施形態の構成の一部を概略的に示す側面図。
【図25】図24に示すフィルム剥離搬送装置の他の作
動態様を概略的に示す側面図。
【図26】本発明によるフィルム剥離搬送装置の更に他
の実施形態の構成の一部を概略的に示す側面図。
【図27】本発明によるフィルム剥離搬送装置の更に他
の実施形態の構成の要部を概略的に示す側面図。
【図28】図27に示す装置の平面概略図。
【図29】図27に示す装置の搬入位置を平面から見た
概略図。
【図30】図27に示す装置を左方から見た概略図。
【図31】図30に示す構成の一部を示す拡大図であっ
て、二つの作動態様を概略的に示す拡大図。
【図32】図30に示す構成の他の一部を示す拡大図。
【図33】図32の平面概略図。
【図34】図30に示す構成の更に他の一部を示す拡大
図。
【図35】図30に示す構成の更に他の一部を示す拡大
図であって、二つの作動態様を概略的に示す拡大図。
【図36】図35に示す構成を図35において下方から
見た図。
【図37】図35に示す構成の更に他の一部を示す拡大
図であって、複数の作動態様を概略的に示す拡大図。
【図38】図37に示す構成を図37において下方から
見た図。
【図39】図38に示す構成を図38において左方から
見た図であって、一部の構成を付加して示す図。
【図40】図35に示す構成の更に他の一部を示す拡大
図であって、複数の作動態様を概略的に示す拡大図。
【図41】図28に示す構成の一部を示す拡大図。
【図42】図28に示す剥離位置を図28において左方
から見た概略図であって、二つの作動態様を概略的に示
す図。
【図43】図42に示す構成に含まれる他の一部を示す
拡大図。
【図44】図42に示す構成に含まれる更に他の一部を
示す拡大図。
【図45】図42に示す構成に含まれる更に他の一部を
示す拡大図。
【図46】図42に示す構成の一つの作動態様を示す概
略図。
【図47】図42に示す構成の他の作動態様を示す概略
図。
【図48】図42に示す構成の更に他の作動態様を示す
概略図。
【図49】図42に示す構成の更に他の作動態様を示す
概略図。
【図50】図42に示す構成の更に他の作動態様を示す
概略図。
【符号の説明】
100 基板搬送手段 120 基板保持部材 120A 基板保持部材対 200 剥離手段 260 圧力エア噴射手段 300 端部剥離手段 400 剥離手段 500 フィルム搬送手段 600A 基板投入装置 600B 基板受取装置 702 搬入手段 704 姿勢変換手段 706 搬送開始位置決め手段 708 基板搬送手段 710 剥離手段 712 他の基板搬送手段 716 幅寄せ手段 718 基板直立手段 720 ハンガー F フィルム P 基板 X1 受取位置 X1A 端部剥離位置 X2 剥離位置 X3 搬出位置 Y1 搬入位置 Y1A 搬送開始位置 Y2 剥離位置 Y3 搬出位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北島 晃 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社ト クヤマ内 Fターム(参考) 3F053 AA04 AA26 LA15 LB12

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面又は両面に対してフィルムが貼着さ
    れた基板を、鉛直な姿勢で剥離位置へ搬送する基板搬送
    手段と、剥離位置に搬送された鉛直な姿勢の基板からフ
    ィルムを完全に剥離させる剥離手段とを備えている、こ
    とを特徴とするフィルム剥離搬送装置。
  2. 【請求項2】 剥離位置においてフィルムの一端部を基
    板から部分的に剥離させる端部剥離手段を備え、基板搬
    送手段によって剥離位置に搬送された基板は、該鉛直な
    姿勢で端部剥離手段によりフィルムの、鉛直上方に位置
    する該一端部が部分的に剥離させられ、続いて鉛直な姿
    勢で剥離手段により、該一端部が部分的に剥離させられ
    たフィルムが完全に剥離される、請求項1記載のフィル
    ム剥離搬送装置。
  3. 【請求項3】 片面又は両面に対してフィルムが貼着さ
    れた基板を鉛直な姿勢で端部剥離位置へ、端部剥離位置
    から剥離位置へ搬送する基板搬送手段と、端部剥離位置
    においてフィルムの一端部を基板から部分的に剥離させ
    る端部剥離手段と、剥離位置において、一端部が部分的
    に剥離されたフィルムを基板から完全に剥離させる剥離
    手段とを備え、基板搬送手段によって端部剥離位置に搬
    送された基板は、鉛直な姿勢で端部剥離手段によりフィ
    ルムの、鉛直上方に位置する該一端部が部分的に剥離さ
    せられ、基板搬送手段によって端部剥離位置から剥離位
    置に搬送された基板は、鉛直な姿勢で剥離手段により、
    該一端部が部分的に剥離させられたフィルムが完全に剥
    離される、ことを特徴とするフィルム剥離搬送装置。
  4. 【請求項4】 片面又は両面に対してフィルムが貼着さ
    れた基板を、両端部を離脱自在に保持した状態で、受取
    位置から剥離位置へ、そして剥離位置から搬出位置まで
    搬送する基板搬送手段と、剥離位置においてフィルムを
    基板から完全に剥離させる剥離手段とを備え、基板搬送
    手段によって剥離位置に搬送された基板は、鉛直な姿勢
    で剥離手段によりフィルムが完全に剥離される、ことを
    特徴とするフィルム剥離搬送装置。
  5. 【請求項5】 基板搬送手段は、受取位置において基板
    を水平な姿勢又は鉛直な姿勢で受け取り、受取位置で受
    け取った基板を、剥離位置において鉛直な姿勢となるよ
    う、又は鉛直な姿勢を維持しながら、剥離位置まで搬送
    し、剥離位置において鉛直な姿勢で剥離手段によりフィ
    ルムが完全に剥離された基板を、搬出位置において水平
    な姿勢となるよう、又は鉛直な姿勢を維持しながら、搬
    出位置まで搬送する、請求項4記載のフィルム剥離搬送
    装置。
  6. 【請求項6】 剥離位置においてフィルムの一端部を基
    板から部分的に剥離させる端部剥離手段を備え、基板搬
    送手段によって剥離位置に搬送された基板は、鉛直な姿
    勢で端部剥離手段によりフィルムの、鉛直上方に位置す
    る該一端部が部分的に剥離させられ、続いて鉛直な姿勢
    で剥離手段により、該一端部が部分的に剥離させられた
    フィルムが完全に剥離される、請求項4又は請求項5記
    載のフィルム剥離搬送装置。
  7. 【請求項7】 基板搬送手段は、剥離位置において鉛直
    な姿勢で端部剥離手段によりフィルムの該一端部が部分
    的に剥離させられ、続いて該一端部が部分的に剥離させ
    られたフィルムが剥離手段により完全に剥離された基板
    を、搬出位置において水平な姿勢となるよう、又は鉛直
    な姿勢を維持しながら、搬出位置まで搬送する、請求項
    6記載のフィルム剥離搬送装置。
  8. 【請求項8】 片面又は両面に対してフィルムが貼着さ
    れた基板を、基板の両端部を離脱自在に保持した状態
    で、受取位置から端部剥離位置へ、端部剥離位置から剥
    離位置へ、そして剥離位置から搬出位置まで搬送する基
    板搬送手段と、端部剥離位置においてフィルムの一端部
    を基板から部分的に剥離させる端部剥離手段と、剥離位
    置において、一端部が剥離されたフィルムを基板から完
    全に剥離させる剥離手段とを備え、基板搬送手段によっ
    て端部剥離位置に搬送された基板は、鉛直な姿勢で端部
    剥離手段によりフィルムの、鉛直上方に位置する該一端
    部が部分的に剥離させられ、基板搬送手段によって端部
    剥離位置から剥離位置に搬送された基板は、鉛直な姿勢
    で剥離手段により、該一端部が部分的に剥離させられた
    フィルムが完全に剥離される、ことを特徴とするフィル
    ム剥離搬送装置。
  9. 【請求項9】 基板搬送手段は、受取位置において基板
    を水平な姿勢又は鉛直な姿勢で受け取り、受取位置で受
    け取った基板を、端部剥離位置において鉛直な姿勢とな
    るよう、又は鉛直な姿勢を維持しながら、端部剥離位置
    まで搬送し、端部剥離位置において鉛直な姿勢で端部剥
    離手段によりフィルムの該一端部が剥離された基板を鉛
    直な姿勢を維持しながら剥離位置まで搬送し、剥離位置
    において、該一端部が剥離されたフィルムが鉛直な姿勢
    で剥離手段により完全に剥離された基板を、搬出位置に
    おいて水平な姿勢となるよう、又は鉛直な姿勢を維持し
    ながら、搬出位置まで搬送する、請求項8記載のフィル
    ム剥離搬送装置。
  10. 【請求項10】 端部剥離手段は、鉛直な姿勢の基板に
    おいて鉛直上方に位置する一端部近傍の領域であって、
    フィルムの該一端部よりも基板の他端方向に後退した基
    板の該一端部近傍の領域の両面を解除自在にクランプす
    るクランプ手段と、支持体に配設されかつ基板の搬送方
    向に対向して基板の搬送幅方向に直列に配設された複数
    の圧接ローラ対と、支持体に作用して圧接ローラ対の各
    々を基板の搬送幅方向に往復移動させる駆動手段とを含
    み、剥離位置又は端部剥離位置において、基板の該一端
    部近傍の領域の両面をクランプ手段によってクランプし
    た後、駆動手段によって圧接ローラ対の各々をフィルム
    の該一端部の両面に沿って基板の搬送幅方向に往復移動
    させることにより、フィルムの該一端部を基板の片面又
    は両面から部分的に剥離させる、請求項6〜9のいずれ
    か1項に記載のフィルム剥離搬送装置。
  11. 【請求項11】 基板搬送手段は、基板の搬送幅方向に
    間隔をおいて対向する基板保持部材対を少なくとも1対
    備え、基板は、受取位置において、基板の両端部、又は
    基板の両端部及び両端部における下端、が基板保持部材
    対によって保持され、端部剥離位置又は剥離位置におい
    て、基板の両端部及び両端部における下端が基板保持部
    材対によって保持され、搬出位置において、基板の両端
    部、又は基板の両端部及び両端部における下端、が基板
    保持部材対によって保持されるよう基板搬送手段によっ
    て搬送される、請求項4〜10のいずれか1項に記載の
    フィルム剥離搬送装置。
  12. 【請求項12】 剥離手段は、基板の搬送方向に間隔を
    おいて対向しかつ基板の搬送幅方向に延在する一対のフ
    ィルムガイドクランプ部材と、フィルムガイドクランプ
    部材の各々をそれぞれ支持するよう基板の搬送方向に間
    隔をおいて対向するよう配置されかつフィルムガイドク
    ランプ部材の各々を、鉛直な姿勢の基板の該一端部近傍
    の領域であって、フィルムの該一端部よりも基板の他端
    方向に後退した基板の該一端部近傍の領域の両面をクラ
    ンプするクランプ位置と、該一端部近傍の領域から基板
    の搬送方向上流及び下流に向かって相互に離隔して該ク
    ランプを解除するクランプ解除位置との間を選択的に移
    動させる一対の駆動体と、フィルムガイドクランプ部材
    の各々に配設されて、フィルムガイドクランプ部材の各
    々の上面に圧接されるクランプ位置と、フィルムガイド
    クランプ部材の各々の上面から退避するクランプ解除位
    置との間を選択的に移動させられるフィルムクランプ部
    材を含むフィルムクランプ手段と、駆動体の各々に対応
    して配設され駆動体の各々を鉛直方向に昇降させる昇降
    手段と、基板の該一端部の両面をクランプするクランプ
    位置と、該一端部から基板の搬送方向上流及び下流に向
    かって相互に離隔して該クランプを解除するクランプ解
    除位置との間を選択的に移動させる一対の基板クランプ
    部材を含む基板クランプ手段と、基板の、少なくとも該
    一端部に含まれる一端に向けて上方から圧力気体を噴射
    する圧力気体噴射手段とを備えている、請求項4又は請
    求項8に記載のフィルム剥離搬送装置。
  13. 【請求項13】 基板搬送手段は、基板の搬送幅方向に
    相互に間隔をおいて対向するよう配設された一対の静止
    側枠と、静止側枠の各々間に基板の搬送方向に間隔をお
    いて配設された複数のガイド部材と、静止側枠の各々間
    における基板の搬送方向一方側に回転自在に支持された
    駆動軸と、静止側枠の各々間における基板の搬送方向他
    方側に回転自在に支持された被駆動軸と、駆動軸を回転
    駆動する駆動源と、静止側枠の各々間においてガイド部
    材の各々に移動自在に支持された一対の可動側枠と、可
    動側枠の各々をガイド部材の各々に沿って基板の搬送幅
    方向に相互に接近及び離隔する方向に往復移動させる往
    復移動手段と、可動側枠の各々に回転自在に支持されか
    つ駆動軸に結合された駆動輪と、可動側枠の各々に回転
    自在に支持されかつ被駆動軸に結合された被駆動輪と、
    駆動輪の各々と被駆動輪の各々間にそれぞれ巻き掛けら
    れた無端部材と、無端部材の各々の、相互に整合された
    周方向位置に相互に対向するよう配設された基板保持部
    材の各々からなる少なくとも1対の基板保持部材対とを
    備え、往復移動手段により可動側枠の各々をガイド部材
    の各々に沿って基板の搬送幅方向に相互に接近及び離隔
    する方向に往復移動させることにより基板保持部材対は
    基板の幅に対応して位置付けられ、駆動源により駆動軸
    を介して駆動輪を間欠的に回転駆動することにより、基
    板保持部材対に保持された基板は、受取位置から剥離位
    置を経て搬出位置へ、又は、受取位置から端部剥離位置
    及び剥離位置を経て搬出位置へ、それぞれ間欠的に搬送
    させられる、請求項11に記載のフィルム剥離搬送装
    置。
  14. 【請求項14】 剥離位置に向かって基板の搬送を開始
    する搬送開始位置へ、両面が基板の搬送幅方向に向けら
    れた鉛直な姿勢で投入された、片面又は両面に対してフ
    ィルムが貼着された基板の搬送方向両端部を解除自在に
    チャッキングして鉛直な姿勢を維持しながら剥離位置へ
    搬送する基板搬送手段と、剥離位置に搬送された鉛直な
    姿勢の基板からフィルムを完全に剥離する剥離手段とを
    備えている、ことを特徴とするフィルム剥離搬送装置。
  15. 【請求項15】 片面又は両面に対してフィルムが貼着
    された基板を水平な姿勢で搬入位置に搬入する搬入手段
    と、搬入位置に搬入された基板を、両面が基板の搬入幅
    方向に向けられた鉛直な姿勢に変換する姿勢変換手段
    と、鉛直な姿勢に変換された基板を、搬入方向前方に設
    定された剥離位置へ向けて搬送するための搬送開始位置
    へ鉛直な姿勢を維持しながら移動させる搬送開始位置決
    め手段と、搬送開始位置へ移動させられた基板の搬送方
    向両端部を解除自在にチャッキングして鉛直な姿勢を維
    持しながら基板を剥離位置へ搬送する基板搬送手段と、
    剥離位置に搬送された鉛直な姿勢の基板からフィルムを
    完全に剥離する剥離手段とを備えている、ことを特徴と
    するフィルム剥離搬送装置。
  16. 【請求項16】 フィルムが完全に剥離された基板を、
    剥離位置において搬送方向両端部を解除自在にチャッキ
    ングして搬入位置とは反対側の、剥離位置の前方に設定
    された搬出位置まで鉛直な姿勢を維持しながら搬送する
    他の基板搬送手段を備えている、請求項1、14又は1
    5のいずれか1項に記載のフィルム剥離搬送装置。
  17. 【請求項17】 姿勢変換手段は、基板を、水平な姿勢
    に維持しながら搬入手段における搬入幅方向の一側方向
    に搬入幅方向所定位置まで移動させる幅寄せ手段と、搬
    入幅方向所定位置に移動させられた基板の該搬入幅方向
    の一側領域に位置する一端部を解除自在にクランプして
    上方にかつ該搬入幅方向の他側まで旋回させて鉛直な姿
    勢とする基板直立手段とを備え、搬送開始位置決め手段
    は、基板直立手段により鉛直な姿勢とされた基板の該一
    端部を解除自在に把持して該搬入幅方向に搬送開始位置
    まで移動させるハンガーからなる、請求項15記載のフ
    ィルム剥離搬送装置。
  18. 【請求項18】 搬入手段は、該搬入方向に間隔をおい
    て水平に配列されかつ該搬入幅方向に延在する複数の搬
    入ローラ体と、搬入ローラ体の各々を回転駆動するため
    の駆動源と、搬入ローラ体の各々と駆動源とを駆動連結
    する動力伝達機構とを備えている、請求項17記載のフ
    ィルム剥離搬送装置。
  19. 【請求項19】 搬入手段により搬入された基板を停止
    させて所定の搬入位置に位置付けるためのストッパが備
    えられ、該ストッパは、該搬入方向の最下流位置に配置
    された搬入ローラ体の更に下流位置において、基板の搬
    送面から上方に突出させられている、請求項18記載の
    フィルム剥離搬送装置。
  20. 【請求項20】 幅寄せ手段は、複数の搬入ローラ体の
    間に配置されかつ該搬入幅方向に延在する複数の支持部
    材を含む支持ユニットと、支持ユニットを支持しかつ支
    持ユニットに作用して支持部材の各々を基板の搬送面よ
    りも低い非支持位置と複数の搬入ローラ体の間において
    基板の搬送面よりも上方に突出した支持位置との間を選
    択的に昇降させる昇降アクチュエータと、昇降アクチュ
    エータを支持しかつ昇降アクチュエータに作用して支持
    部材の各々を搬入幅方向待機位置と搬入幅方向待機位置
    よりも該搬入幅方向の一側寄りの一側寄り所定位置との
    間を選択的に往復移動させる幅寄せアクチュエータとを
    備え、基板が所定の搬入位置に搬入された状態で、昇降
    アクチュエータを作動させて支持部材の各々を非支持位
    置から支持位置に上昇させると、支持部材の各々は、基
    板を相対的に載置して複数の搬入ローラ体の上方に持ち
    上げて複数の搬入ローラ体から離隔させ、続いて幅寄せ
    アクチュエータを作動させて支持部材の各々を搬入幅方
    向待機位置から一側寄り所定位置に移動させると、支持
    部材の各々上に載置された基板は所定の搬入位置から搬
    入幅方向所定位置に移動させられる、請求項18又は請
    求項19記載のフィルム剥離搬送装置。
  21. 【請求項21】 幅寄せアクチュエータにより所定の搬
    入位置から該搬入幅方向の一側方向に向かって移動させ
    られた基板を停止させて搬入幅方向所定位置に位置付け
    るためのストッパが備えられ、該ストッパは、該搬入幅
    方向の一側領域に配置された複数の直立ピンからなり、
    直立ピンの各々は、支持部材の各々上に載置された基板
    よりも上方に突出させられている、請求項20記載のフ
    ィルム剥離搬送装置。
  22. 【請求項22】 基板直立手段は、該搬入幅方向の他側
    において該搬入方向に延在する旋回軸と、該搬入方向に
    間隔をおいて配置されかつ一端部が旋回軸に一体に連結
    されると共に他端部にクランプ機構が配設された複数の
    旋回フレームと、旋回フレームの各々を、複数の搬入ロ
    ーラ体間において基板の搬送面の下方を該搬入幅方向に
    延在する水平待機位置と、該搬入幅方向の他側において
    直立する直立位置との間を選択的に旋回させる旋回アク
    チュエータとを備えている、請求項20又は請求項21
    記載のフィルム剥離搬送装置。
  23. 【請求項23】 クランプ機構の各々は、旋回フレーム
    が水平待機位置に位置付けられた状態において、水平な
    上面からなる被クランプ面を有する静止クランプ部材
    と、平坦なクランプ面を有しかつ該クランプ面が静止ク
    ランプ部材の被クランプ面に対し上方から圧接するクラ
    ンプ位置と、該クランプ面が静止クランプ部材の被クラ
    ンプ面から上方にかつ該搬入幅方向の一側方向外側に離
    隔するクランプ解除位置との間を旋回自在な可動クラン
    プ部材と、可動クランプ部材をクランプ位置に常時付勢
    するばね手段と、可動クランプ部材を旋回させるクラン
    プアクチュエータとを備え、クランプアクチュエータを
    作動させると、可動クランプ部材はばね手段のばね力に
    抗してクランプ位置からクランプ解除位置に旋回させら
    れ、クランプアクチュエータの作動を解除すると、可動
    クランプ部材はばね手段のばね力によりクランプ解除位
    置からクランプ位置に旋回させられる、請求項22記載
    のフィルム剥離搬送装置。
  24. 【請求項24】 旋回フレームの各々が水平待機位置に
    位置付けられかつ可動クランプ部材がクランプ解除位置
    に位置付けられた状態で、幅寄せ手段における昇降アク
    チュエータ及び幅寄せアクチュエータを作動させて基板
    を所定の搬入位置から搬入幅方向所定位置に移動させる
    と、基板の該一端部は、クランプ機構の各々における静
    止クランプ部材の被クランプ面上に位置付けられ、この
    状態でクランプアクチュエータの作動を解除してばね手
    段のばね力により可動クランプ部材をクランプ解除位置
    からクランプ位置に旋回させると、基板の該一端部は、
    静止クランプ部材の被クランプ面と可動クランプ部材の
    クランプ面とによりクランプされ、続いて旋回アクチュ
    エータを作動させて旋回フレームの各々を水平待機位置
    から直立位置に旋回させると、基板は、該搬入幅方向の
    他側において、該一端部を上にした鉛直な姿勢でクラン
    プされる、請求項23記載のフィルム剥離搬送装置。
  25. 【請求項25】 ハンガーは、該搬入方向に延在する支
    持フレームに間隔をおいて配置された複数の把持ユニッ
    トと、支持フレームを支持しかつ支持フレームに作用し
    て把持ユニットの各々を上方待機位置と上方待機位置よ
    りも下方の基板把持可能位置との間を選択的に昇降させ
    る昇降アクチュエータと、昇降アクチュエータを支持し
    かつ昇降アクチュエータに作用して把持ユニットの各々
    を該搬入幅方向の他側待機位置と該搬入幅方向の中間領
    域に設定された該搬送開始位置との間を選択的に移動さ
    せる搬送開始位置決めアクチュエータとを備えている、
    請求項17〜24のいずれか1項に記載のフィルム剥離
    搬送装置。
  26. 【請求項26】 把持ユニットの各々は、それぞれ一端
    部が該搬入方向に延在する軸線まわりに旋回自在な一対
    の把持部材と、把持部材の各々を、把持部材の各々の他
    端部に配設された把持面が各々の旋回軸線よりも下方位
    置において相互に該搬入幅方向に圧接される把持位置
    と、該把持面が該搬入幅方向外方の上方に離隔される把
    持解除位置との間を選択的に旋回させる把持アクチュエ
    ータとを備えている、請求項25記載のフィルム剥離搬
    送装置。
  27. 【請求項27】 基板搬送手段は、該搬送開始位置に対
    して、該搬入幅方向の一側寄りの位置を該搬入方向に延
    在する支持フレームと、支持フレームにおける該搬入方
    向上流側に配設された上流側チャッキング機構であっ
    て、該搬送開始位置に位置付けられた基板の搬入方向後
    端部を解除自在にチャッキングする上流側チャッキング
    機構と、支持フレームにおける該搬入方向下流側におい
    て上流側チャッキング機構に対し間隔をおいて配設され
    た下流側チャッキング機構であって、該搬送開始位置に
    移動させられた基板の搬入方向前端部を解除自在にチャ
    ッキングする下流側チャッキング機構と、支持フレーム
    に作用して該チャッキング機構の各々を一体的に該搬送
    開始位置と剥離位置との間を選択的に移動させる基板搬
    送アクチュエータとを備えている、請求項14又は請求
    項15に記載のフィルム剥離搬送装置。
  28. 【請求項28】 相互に実質的に同じ構成を有しかつ該
    搬入方向に間隔をおいて相互に対称的に配設された該チ
    ャッキング機構の各々は、支持フレームに対し鉛直軸ま
    わりに旋回自在に支持された第1の可動チャッキング体
    であって、鉛直面からなる被圧接面を有すると共に該被
    圧接面が該搬入幅方向の他側に向けられたチャッキング
    位置と、該被圧接面がチャッキング位置に対し該搬入幅
    方向の一側方向に退避させられたチャッキング解除位置
    との間を旋回自在な第1の可動チャッキング体と、第1
    の可動チャッキング体の、チャッキング解除位置からチ
    ャッキング位置への旋回をチャッキング位置で阻止する
    よう支持フレームに配設されたストッパと、第1の可動
    チャッキング体に対し鉛直軸まわりに旋回自在に支持さ
    れた第2の可動チャッキング体であって、鉛直面からな
    る圧接面を有すると共に該圧接面が、チャッキング位置
    に位置付けられた第1の可動チャッキング体の該被圧接
    面に圧接されるチャッキング位置と、該圧接面がチャッ
    キング位置に対し該搬入幅方向の一側方向に退避させら
    れたチャッキング解除位置との間を旋回自在な第2の可
    動チャッキング体と、第2の可動チャッキング体と支持
    フレームとの間に配設されて第2及び第1の可動チャッ
    キング体をチャッキング位置に常時付勢するばね手段
    と、第2の可動チャッキング体に作用して第2及び第1
    の可動チャッキング体をばね手段のばね力に抗してチャ
    ッキング位置からチャッキング解除位置へ旋回させるよ
    う、支持フレームに配設されたチャッキングアクチュエ
    ータとを備えている、請求項27のフィルム剥離搬送装
    置。
  29. 【請求項29】 該チャッキング機構の各々の第1の可
    動チャッキング体には、第2の可動チャッキング体のチ
    ャッキング位置からチャッキング解除位置への旋回を途
    中で阻止するストッパが配設され、チャッキングアクチ
    ュエータを作動させると、第1の可動チャッキング体が
    ばね手段のばね力により支持フレームに配設されたスト
    ッパにより阻止されてチャッキング位置に位置付けられ
    た状態で、第2の可動チャッキング体は、ばね手段のば
    ね力に抗して第1の可動チャッキング体のストッパによ
    り阻止されるまで第1の可動チャッキング体に対して旋
    回させられて該圧接面が第1の可動チャッキング体の該
    被圧接面から実質的に該搬入幅方向の他側方向に離隔さ
    せられ、第2の可動チャッキング体の、第1の可動チャ
    ッキング体に対する旋回が第1の可動チャッキング体の
    ストッパにより阻止された後には、第2の可動チャッキ
    ング体及び第1の可動チャッキング体は相対移動するこ
    となく一体的にばね手段のばね力に抗してチャッキング
    解除位置へ旋回させられる、請求項28記載のフィルム
    剥離搬送装置。
  30. 【請求項30】 上流側及び下流側チャッキング機構の
    各々のチャッキングアクチュエータを作動させて上流側
    及び下流側チャッキング機構の各々の第1及び第2の可
    動チャッキング体がチャッキング解除位置に位置付けら
    れた状態で、搬送開始位置決め手段により基板が該鉛直
    な姿勢で搬送開始位置に位置付けられ、続いて、上流側
    及び下流側チャッキング機構の各々のチャッキングアク
    チュエータの作動を解除すると、上流側チャッキング機
    構においては、第1及び第2の可動チャッキング体がチ
    ャッキング解除位置からチャッキング位置に旋回させら
    れ、第1の可動チャッキング体の該被圧接面は、基板の
    片面に対し、該搬入幅方向の一側方向に離隔した位置か
    ら旋回して、基板の、該一端部よりも下方位置における
    搬入方向後端部の、該搬入幅方向の一側方向に面した片
    面に当接ないし近接して対向させられ、第2の可動チャ
    ッキング体の該圧接面は、基板に対し、基板の搬入方向
    後端の後方を旋回して、基板の、該一端部よりも下方位
    置における搬入方向後端部の、該搬入幅方向の他側方向
    に面した他面を介して第1の可動チャッキング体の該被
    圧接面に圧接させられることにより、基板の該搬入方向
    後端部がチャッキングされ、下流側チャッキング機構に
    おいては、第1及び第2の可動チャッキング体がチャッ
    キング解除位置からチャッキング位置に旋回させられ、
    第1の可動チャッキング体の該被圧接面は、基板に対
    し、該搬入幅方向の一側方向に離隔した位置から旋回し
    て、基板の、該一端部よりも下方位置における搬入方向
    前端部の、該搬入幅方向の一側方向に面した片面に当接
    ないし近接して対向させられ、第2の可動チャッキング
    体の該圧接面は、基板に対し、基板の搬入方向前端の前
    方を旋回して、基板の、該一端部よりも下方位置におけ
    る搬入方向前端部の、該搬入幅方向の他側方向に面した
    他面を介して第1の可動チャッキング体の該被圧接面に
    圧接させられることにより、基板の該搬入方向前端部が
    チャッキングされる、請求項29記載のフィルム剥離搬
    送装置。
  31. 【請求項31】 支持フレームには基板のサイズに対応
    するために上流側チャッキング機構を該搬送方向に往復
    移動させるアクチュエータが配設されている、請求項2
    7〜30のいずれか1項に記載のフィルム剥離搬送装
    置。
  32. 【請求項32】 剥離手段は、鉛直方向に昇降自在に配
    設された可動支持枠体と、可動支持枠体を昇降させる昇
    降アクチュエータと、基板の搬送幅方向に相互に対向し
    て配置されかつ該搬送幅方向に移動自在に可動支持枠体
    に配設された一対のフィルムガイドクランプ部材と、可
    動支持枠体に配設されてフィルムガイドクランプ部材の
    各々を、剥離位置に搬送された基板の該一端部近傍の領
    域であって、フィルムの一端部よりも基板の他端方向に
    後退した基板の該一端部近傍の領域の両面をクランプす
    るクランプ位置と、該一端部近傍の領域から該搬送幅方
    向外方に向かって相互に離隔して該クランプを解除する
    クランプ解除位置との間を選択的に移動させる一対のフ
    ィルムガイドクランプアクチュエータと、フィルムガイ
    ドクランプ部材の各々の上面に圧接されるクランプ位置
    と、フィルムガイドクランプ部材の各々の上面から退避
    するクランプ解除位置との間を旋回自在にフィルムガイ
    ドクランプ部材の各々に支持された複数のフィルムクラ
    ンプ部材と、フィルムクランプ部材の各々をクランプ位
    置に常時付勢するばね手段と、フィルムガイドクランプ
    部材の各々に配設されてフィルムクランプ部材の各々を
    ばね手段のばね力に抗してクランプ位置からクランプ解
    除位置に旋回させるフィルムクランプアクチュエータ
    と、基板の該一端部の両面をクランプするクランプ位置
    と、該一端部から基板の搬送幅方向外方の上方に向かっ
    て相互に離隔して該クランプを解除するクランプ解除位
    置との間を旋回自在に、剥離位置に搬送された基板の該
    一端部の上方に配設された複数対の基板クランプ部材対
    と、基板クランプ部材対を構成する基板クランプ部材の
    各々を常時クランプ位置に付勢するばね手段と、基板ク
    ランプ部材の各々をばね手段のばね力に抗してクランプ
    位置からクランプ解除位置に旋回させる基板クランプア
    クチュエータと、基板の、少なくとも該一端部に含まれ
    る一端に向けて上方から圧力気体を噴射する圧力気体噴
    射手段とを備えている、請求項1、14又は15のいず
    れか1項に記載のフィルム剥離搬送装置。
  33. 【請求項33】 フィルムガイドクランプ部材の各々が
    クランプ位置に位置付けられて基板がフィルムガイドク
    ランプ部材の各々によりクランプされかつ基板クランプ
    部材対の各々がクランプ解除位置に位置付けられると共
    にフィルムクランプ部材の各々がクランプ解除位置に位
    置付けられた状態で、圧力気体噴射手段によって基板
    の、少なくとも該一端部に含まれる一端に向けて上方か
    ら圧力気体を噴射することにより基板の片面又は両面か
    らフィルムの一端部を部分的に剥離させてフィルムガイ
    ドクランプ部材の一方又は両方の上面に押し付け、続い
    て圧力気体噴射手段から圧力気体を噴射しながらフィル
    ムクランプアクチュエータの作動を解除してフィルムク
    ランプ部材の各々をばね手段のばね力によりクランプ位
    置に旋回させてフィルムガイドクランプ部材の一方又は
    両方の上面に押し付けられたフィルムの一端部をフィル
    ムガイドクランプ部材の一方又は両方の上面にクランプ
    し、次に、基板クランプアクチュエータの作動を解除し
    てばね部材のばね力により基板クランプ部材対の各々を
    クランプ位置に旋回させて基板の該一端部をクランプし
    た後、フィルムガイドクランプアクチュエータを作動さ
    せてフィルムガイドクランプ部材の各々を、クランプ位
    置に位置付けられたフィルムクランプ部材の各々と共に
    クランプ解除位置に移動させ、続いて昇降アクチュエー
    タにより可動支持枠体と共にフィルムガイドクランプ部
    材の各々及びフィルムクランプ部材の各々を下降させる
    ことにより基板の片面又は両面からフィルムを完全に剥
    離した後、フィルムクランプアクチュエータを作動させ
    てフィルムクランプ部材の各々をクランプ解除位置に旋
    回させてフィルムガイドクランプ部材の各々の一方又は
    両方の上面に対するフィルムのクランプを解除する、請
    求項32記載のフィルム剥離搬送装置。
  34. 【請求項34】 基板から完全に剥離されたフィルムに
    向けて上方から圧力気体を噴射して該フィルムを下方に
    強制的に排出する圧力気体噴射手段を備えている、請求
    項33記載のフィルム剥離搬送装置。
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CN114544672A (zh) * 2022-04-26 2022-05-27 四川英创力电子科技股份有限公司 一种线路板显影质量检测装置及方法
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