JP2003306143A - 吊り下げ搬送設備 - Google Patents

吊り下げ搬送設備

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JP2003306143A
JP2003306143A JP2002111417A JP2002111417A JP2003306143A JP 2003306143 A JP2003306143 A JP 2003306143A JP 2002111417 A JP2002111417 A JP 2002111417A JP 2002111417 A JP2002111417 A JP 2002111417A JP 2003306143 A JP2003306143 A JP 2003306143A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる形状の被搬送物に対する各種作業を、
所定の作業部において、常に好適な作業高さとして行え
る吊り下げ搬送設備を提供する。 【解決手段】 レール装置2の支持案内により一定経路
3上で移動自在な移動体10に、被搬送物A,Bの支持
部30を着脱自在に設けた。一定経路3中の所定箇所4
に、一定経路3よりも下方に位置しかつ一定経路3に沿
った支持部搬送経路6を形成した。支持部搬送経路6の
始端部分に、特定した移動体10から支持部30を離脱
して支持部搬送経路6に移す分離手段51を設け、終端
部分に、支持部搬送経路6の支持部30を移動体10へ
着装させる合流手段61を設けた。所定箇所4は、移動
体10へ着装したまま一定経路3側で移動する支持部3
0側の被搬送物Aと、移動体10から離脱して支持部搬
送経路6で移動する支持部30側の被搬送物Bとに対す
る作業部8に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば自動車製
作工場において車体を支持搬送したり、あるいは各種工
場において被加工物を支持搬送したりするのに用いられ
る吊り下げ搬送設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の搬送設備としては、たと
えば特開平6−40553号公報に見られる構成が提供
されている。すなわち、上部のレールと下部のガイドレ
ールとが配設されるとともに、上部のレールの2箇所に
分割レール部が形成され、これら分割レール部は卸し装
置や積み込み装置により昇降可能とされている。そし
て、上部のレールに支持案内されて一定経路上を移動自
在な自走体が設けられ、この自走体側の一次ハンガに対
して上方から係脱自在な二次ハンガにより、車体を支持
自在に構成されている。
【0003】この従来構成によると、一次ハンガに二次
ハンガが係合されている自走体を、上部のレールによる
支持案内によって一定経路上を移動させたのち、卸し装
置の分割レール部上で停止させる。そして、卸し装置の
作動により分割レール部を下降させることで、自走体と
ともに二次ハンガを下降させ、以て二次ハンガを下部の
ガイドレールに支持させる。次いで、送り装置などによ
り二次ハンガに移動力を付与することで、二次ハンガを
下部のガイドレールに支持案内させて移動させ得、以て
車体を作業経路で搬送し得る。
【0004】このとき自走体は、卸し装置の逆作動によ
り分割レール部を上昇させることなどで、上部のレール
に戻されて一定経路上を移動し得る。そして、作業経路
での搬送中に車体に対する所期の作業を終えた二次ハン
ガは、積み込み装置を卸し装置とは逆に作動させること
で、自走体に積み込み(戻し)得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
構成によると、二次ハンガを介しての車体の作業経路で
の搬送は、床面に対して常に一定のレベル(高さ)で行
われるものであり、これによると、同一状の車種(形
状)の場合には支障はないが、異なる車種(形状)の場
合には、作業高さの変化によって、作業者に無理、負担
がかかるケースが生じ、さらには作業を能率良く行えな
いことになる。
【0006】そこで本発明の請求項1記載の発明は、異
なる形状の被搬送物に対する各種作業を、所定の作業部
において、常に好適な作業高さとして行える吊り下げ搬
送設備を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の請求項1記載の吊り下げ搬送設備は、
レール装置に支持案内されて一定経路上で移動自在な移
動体が設けられ、この移動体には被搬送物の支持部が着
脱自在に設けられ、一定経路中の所定箇所には、少なく
とも1つの支持部搬送経路が一定経路よりも下方に位置
されかつ一定経路に沿って形成され、前記支持部搬送経
路の始端部分には、特定した移動体から支持部を離脱し
て支持部搬送経路に移す分離手段が設けられ、前記支持
部搬送経路の終端部分には、支持部搬送経路の支持部を
移動体へ着装させる合流手段が設けられ、一定経路中の
所定箇所は、移動体へ着装されたまま一定経路側で移動
される支持部側の被搬送物と、移動体から離脱されて支
持部搬送経路で移動される支持部側の被搬送物とに対す
る作業部に形成されていることを特徴としたものであ
る。
【0008】したがって請求項1の発明によると、支持
部を移動体側に着装させることで、移動体の移動によっ
て、支持部で支持している被搬送物を一定経路上で吊り
下げ搬送し得る。そして移動体が所定箇所の始端部分へ
達したとき、被搬送物の種類によって特定された移動体
でないとき、この移動体は、支持部を離脱させることな
く分離手段の部分を通過させる。これにより移動体を一
定経路上で移動させながら、作業部において被搬送物を
搬送し得る。このとき支持部を、上方の一定経路上で移
動する移動体に着装していることで、被搬送物を床面に
対して上方の位置として搬送し得、以て被搬送物に対す
る各種作業を、この被搬送物を好適な作業高さとして行
える。そして、被搬送物に対する所期の作業を終えた移
動体は、所定箇所の終端部分へ達し、合流手段の部分を
通過することになる。
【0009】また所定箇所の始端部分へ達した移動体
が、被搬送物の種類によって特定された移動体のとき、
分離手段により移動体から支持部を離脱させ、この支持
部を支持部搬送経路で移動させて、作業部において被搬
送物を搬送させる。このとき支持部を、移動体から離脱
して、下方の支持部搬送経路で移動させることで、被搬
送物を床面に接近させた下方の位置で搬送し得、以て被
搬送物に対する各種作業を、この被搬送物を好適な作業
高さとして行える。なお、支持部を離脱させた移動体は
一定経路で移動し得る。このようにして、被搬送物に対
する所期の作業を終えた支持部は、所定箇所の終端部分
へ達し、そして合流手段により移動体側に着装し得る。
その後の支持部を着装した移動体を移動させることで、
支持部で支持している被搬送物を一定経路上で吊り下げ
搬送し得る。
【0010】また本発明の請求項2記載の吊り下げ搬送
設備は、上記した請求項1記載の構成において、移動体
に対して支持部は上方から係合可能に構成され、分離手
段と合流手段とがリフト形式から構成されていることを
特徴としたものである。
【0011】したがって請求項2の発明によると、支持
部を移動体に上方から係合させて着装させることで、支
持部で支持している被搬送物を一定経路上で吊り下げ搬
送し得る。所定箇所の始端部分へ特定された移動体が達
したとき、分離手段のリフト作動により支持部を持ち上
げる。これにより、移動体から支持部を離脱させること
になり、以て移動体を移動させることで、係合部分を位
置ずれさせ得る。次いで、分離手段のリフト作動によっ
て支持部を下降動させることにより、この支持部を支持
部搬送経路に対向し得、以て支持部を支持部搬送経路で
搬送し得る。被搬送物に対する所期の作業を終えた支持
部は、合流手段のリフト作動により持ち上げ得る。次い
で移動体を移動させたのち、合流手段のリフト作動によ
り支持部を下降動させることにより、支持部を移動体側
に上方から係合させて着装し得る。
【0012】そして本発明の請求項3記載の吊り下げ搬
送設備は、上記した請求項1または2記載の構成におい
て、支持部搬送経路には、支持部を支持案内する下位レ
ール装置と、支持部に移動力を付与する移動力付与手段
とが設けられていることを特徴としたものである。
【0013】したがって請求項3の発明によると、移動
体から離脱させた支持部を下位レール装置に支持させ、
そして支持部に移動力付与手段による移動力を付与する
ことで、この支持部を下位レール装置に支持案内させな
がら支持部搬送経路で搬送し得る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図に基づいて説明する。図1〜図3、図5、図8におい
て、1は吊り下げ搬送設備で、レール装置2と、このレ
ール装置2に支持案内されて一定経路3上で移動自在な
移動体10と、この移動体10に着脱自在に設けられた
被搬送物の支持部30と、前記一定経路3中の所定箇所
4に沿って形成された支持部搬送経路6と、この支持部
搬送経路6の始端部分に設けられた分離手段51と、前
記支持部搬送経路6の終端部分に設けられた合流手段6
1などにより構成されている。
【0015】ここで一定経路3中の所定箇所4は、移動
体10へ着装されたまま一定経路3側で移動される支持
部30側のトラック車体(被搬送物の一例)Aと、移動
体10から分離されて支持部搬送経路6で移動される支
持部30側の乗用車車体(被搬送物の一例)Bとに対し
て、床面C上から各種作業を遂行可能な作業部8に形成
されている。
【0016】前記移動体10は、その本体11が前後3
本(複数本)のフレーム体12,13,14により形成
されている。そして、前部フレーム体12と中間部フレ
ーム体13との前後端間、ならびに中間部フレーム体1
3と後部フレーム体14との前後端間が、それぞれトラ
ニオン形式の連結装置15を介して左右方向ならびに上
下方向に相対回動自在に連結されている。
【0017】前記移動体10は、複数の被案内装置を介
してレール装置2に支持案内されることで、一定経路3
上を移動自在に構成されている。その際に被案内装置
は、前部フレーム体12の前端に設けられた前部トロリ
装置16と、中間部フレーム体13の前後端にそれぞれ
設けられた中間部トロリ装置17と、後部フレーム体1
4の後端に設けられた後部トロリ装置18などからな
る。
【0018】これらトロリ装置16,17,18は、そ
のトロリ本体16A,17A,18Aがトラニオンピン
16B,17B,18Bなどを介して、前部フレーム体
12や中間部フレーム体13や後部フレーム体14に連
結されている。そしてトロリ本体16A,17A,18
Aには、前記レール装置2に嵌合して支持案内される被
支持ローラ16C,17C,18Cが遊転自在に取り付
けられるとともに、前記レール装置2に当接して案内さ
れる被ガイドローラ16D,17D,18Dが遊転自在
に取り付けられている。
【0019】前記中間部フレーム体13の下方には下部
フレーム体19が配置され、この下部フレーム体19は
前記中間部フレーム体13に連結されている。前記本体
11の下方には下部枠体20が配置され、この下部枠体
20は前記下部フレーム体19に連結されている。なお
下部フレーム体19の両側部分には、振れ防止レール
(図示せず。)に支持案内される振れ防止ローラ21な
どが設けられている。
【0020】そして、前記下部フレーム体19には係止
体22が設けられている。すなわち係止体22は、両中
間部トロリ装置17の下方部分に位置されるように前後
に振り分けて配設され、両位置においては、それぞれ左
右外方へ突出させることで構成されている。なお、左右
の少なくとも一方の係止体22には、上方への係止ピン
23が設けられている。
【0021】前記移動体10における本体11の両側
面、すなわち、フレーム体12,13,14の両側面は
受動面12a,13a,14aに形成されている。以上
の11〜23などにより、移動体10の一例が構成され
る。
【0022】前記支持部30は、平枠状の上部フレーム
31を有し、この上部フレーム31の前端部分から下方
へ左右一対の縦方向フレーム32が連設されるととも
に、これら縦方向フレーム32の下端から後方へ下部フ
レーム33が連設されている。そして両下部フレーム3
3の前後端部には、それぞれ受け具34が内方へ突出し
て設けられ,以て受け具34群を介して、下部フレーム
33側で車体A,Bを支持自在に構成されている。
【0023】前記支持部30は、前記移動体10側に対
して上方から係合可能に構成されている。すなわち、前
記上部フレーム31の中央部分で上面側には、前記係止
体22群に対して上方から対向自在な被係止体35群が
設けられている。ここで被係止体35群は、上部フレー
ム31の上面から上方へ伸びる縦杆部と、この縦杆部の
上端から内方へ伸びる横杆部とからなり、これら横杆部
が係止体22に対して上方から係合可能に構成される。
そして横杆部には、前記係止ピン23に係合可能な係止
孔36が形成されている。
【0024】前記上部フレーム31の左右両側でかつ前
後の2箇所(複数箇所)には、それぞれブラケット37
と左右方向ピン38とを介して遊転ローラ39が設けら
れている。そして両縦方向フレーム32の上下中間部分
には、受動体40が側外方へ向けて突設されている。上
記した31〜40などにより支持部30の一例が構成さ
れる。
【0025】前記支持部搬送経路6は1つ(少なくとも
1つ)であって、前記一定経路3よりも下方に位置され
かつ一定経路3に沿って形成されている。すなわち、所
定箇所4において、前記レール装置2に沿って左右一対
の下位レール装置5が配設され、これら下位レール装置
5は天井側からの保持枠体7に取り付けられている。そ
して両下位レール装置5によって、前記支持部30の遊
転ローラ39を支持案内するように構成されている。
【0026】さらに前記支持部搬送経路6には、前記支
持部30に移動力を付与する移動力付与手段41が設け
られている。すなわち、支持部搬送経路6の始端部分に
は、左右一対の駆動歯輪42が設けられるとともに、終
端部分には左右一対の従動歯輪43が設けられている。
ここで歯輪42,43群は前記保持枠体7側に対して、
それぞれ左右方向軸心の周りに回転自在に支持され、そ
して駆動歯輪42には、保持枠体7側に設けられた回転
駆動装置44が連動連結されている。
【0027】左右の両側において、始終端の歯輪42,
43間にはローラチェーン45が巻回され、これらロー
ラチェーン45は、保持枠体7側に設けられたガイドレ
ール46にローラ群を介して支持案内されるように構成
されている。前記ローラチェーン45には、伝動体47
と暴走阻止体48とが対として所定ピッチ置きに設けら
れている。ここで伝動体47と暴走阻止体48との間に
前記受動体40が係合可能に構成され、その際に伝動体
47と暴走阻止体48とは、たとえば弾性体に抗して相
対向される側へ揺動自在として(図9の仮想線参照。)
ローラチェーン45側に設けられている。上記した42
〜48などにより移動力付与手段41の一例が構成され
る。
【0028】前記支持部搬送経路6の始端部分に設けら
れる分離手段51は、特定した移動体10から支持部3
0を離脱して支持部搬送経路6に移すように構成され、
また前記支持部搬送経路6の終端部分に設けられる合流
手段61は、支持部搬送経路6の支持部30を移動体1
0へ着装させるように構成されている。ここで分離手段
51と合流手段61とは、同様なリフト形式から構成さ
れている。
【0029】すなわち、分離手段51と合流手段61に
は左右一対の昇降枠体52.62が設けられ、これら昇
降枠体52,62の前後2箇所にそれぞれ一端が連結さ
れたチェーン53,63群は、天井側の架台54,64
に支持された案内輪体55,65群に掛けられたのち、
その他端はカウンターウエイト56,66に連結されて
いる。そして、架台54,64に設けられた駈動モータ
(回転駆動装置)57,67側に連動連結される駆動歯
輪58,68が設けられ、この駆動歯輪58,68は前
記チェーン53,63に噛合されている。
【0030】前記昇降枠体52,62には、前記支持部
30における遊転ローラ39に下方から対向される昇降
レール59,69が設けられている。この昇降レール5
9,69は、上昇動によって遊転ローラ39に下方から
当接され、引き続いての上昇動によって支持部30を持
ち上げるように構成されている。
【0031】その際に上昇限においては、被係止体35
が下部枠体20と係止ピン23との間に位置されて係合
が開放(離脱)され、以て支持部30に対して移動体1
0の移動が行えるように構成されている。また下降限に
おいては、昇降レール59,69が下位レール装置5に
接続されるように構成されている。上記した52〜59
などにより分離手段51の一例が構成され、また62〜
69などにより合流手段61の一例が構成される。
【0032】前記一定経路3の複数箇所(多数箇所)に
は、前記フレーム体12〜14の受動面12a〜14a
に作用して、移動体10に移動力を付与する送り手段7
0が設けられている。
【0033】すなわち、レール装置2には逆U字状の支
持枠体71が取り付けられ、この支持枠体71における
一方の下端部分には、モータや減速機などからなる駆動
部72が設けられている。そして、駆動部72からの下
向きの出力軸には摩擦ローラ73が取り付けられ、この
摩擦ローラ73は、一側の受動面12a〜14aに当接
可能に構成されている。また、支持枠体71における他
方の下端部分には、他側の受動面12a〜14aに対し
て弾性的に当接可能な受けローラ74が設けられてい
る。上記した71〜74などにより送り手段70の一例
が構成される。
【0034】なお、所定箇所4において一定経路3は、
前段下降経路部3aと水平経路部3bと後段下降経路部
3cとにより形成され、また支持部搬送経路6は、前記
水平経路部3bの中間位置にまで達する下降経路部6a
と、残りの水平経路部6bとにより形成されている。こ
のような経路形成を得るために、レール装置2や下位レ
ール装置5が構成されており、また一定経路3が、所定
箇所4の始端部と終端部においてレベル変化されること
に対応して、分離手段51と合流手段61との作用位置
(作用レベル)が調整されている。
【0035】以下に、上記した実施の形態における作用
を説明する。図3の実線や図7は、一定経路3での通常
の吊り下げ搬送状態を示している。このとき、支持部3
0の被係止体35を移動体10側の係止体22に上方か
ら係合させるとともに、係止孔36に係止ピン23を嵌
合させることで、移動体10側に支持部30を、位置ず
れなどすることなく着装させている。したがって、送り
手段70の駆動部72を駆動させることで、一側の受動
面12a〜14aに当接させた摩擦ローラ73を駆動回
転させることになって、本体11側、すなわち移動体1
0に移動力を付与し得、以て支持部30で支持している
車体A,Bを一定経路3上で吊り下げ搬送し得る。
【0036】このようにして移動体10を一定経路3で
移動させ、そして所定箇所4の始端部分へ達する。この
とき分離手段51では、図3の実線や図7に示すよう
に、昇降レール59を下位レール装置5に接続した位置
まで下降させている。
【0037】所定箇所4の始端部分に達した移動体10
の支持部30がトラツク車体Aを支持していたとき、こ
の移動体10は、支持部30を離脱させることなく、分
離手段51の部分を通過させる。これにより移動体10
を、前段下降経路部3aから水平経路部3bへと移動さ
せる。そして図1や図5に示すように、水平経路部3b
での移動により、作業部8においてトラツク車体Aを水
平状で移動させることになる。このとき支持部30を、
上方の水平経路部3bで移動する移動体10に一体状と
していることで、トラツク車体Aを床面Cに対して上方
の位置で搬送し得、以てトラツク車体Aの運転席下部に
対する各種作業(たとえば、エンジン周りの電気配線作
業やハーネスの取り付け作業など。)を、好適な作業高
さとして行える。
【0038】このようにして、トラツク車体Aに対する
所期の作業を終えた移動体10は、後段下降経路部3c
を移動したのち所定箇所4の終端部分へ達し、そして分
離手段51と同様な非作用姿勢にある合流手段61の部
分を通過することになる。
【0039】前述したように所定箇所4の始端部分に達
した移動体10の支持部30が乗用車車体Bを支持して
いたとき、この移動体10を分離手段51の部分で停止
させる。この停止は、遊転ローラ39群を昇降レール5
9の上方に位置させた状態で行われる。
【0040】そして駈動モータ57の作動により駆動歯
輪58を介してチェーン53を移動させることで、昇降
枠体52を介して昇降レール59を上昇動させる。する
と、上昇動する昇降レール59は遊転ローラ39群に下
方から当接し、引き続いての上昇動によって、図3の仮
想線に示すように、支持部30を持ち上げることにな
る。これにより、係止体22群に対して被係止体35群
を上昇させるとともに、係止ピン23に対して係止孔3
6の嵌合を開放させ、以て移動体10から支持部30を
離脱させることになる。
【0041】その際に昇降レール59の上昇限において
は、被係止体35を下部枠体20と係止ピン23との間
に位置させる。これにより、支持部30に対して移動体
10の移動が行えることになり、以て移動体10を少し
移動させることで、被係止体35群に対して係止体22
群を少し前方へ位置ずれさせ得る。
【0042】このように位置ずれさせたのち、駈動モー
タ57の逆作動により駆動歯輪58を介してチェーン5
3を逆移動させることで、昇降枠体52を介して昇降レ
ール59を下降動させる。すると図4に示すように、昇
降レール59とともに支持部30も下降し得、その際に
被係止体35群を係止体22群の後方で下降させること
になる。そして昇降レール59が下降限に達すること
で、この昇降レール59を下位レール装置5に接続し得
る。
【0043】次いで押し込み手段(図示せず。)により
支持部30に押し込み力を付与することで、遊転ローラ
39群を介して支持部30を、昇降レール59から下位
レール装置5へと乗り移り移動し得る。このような乗り
移り移動によって、受動体40は、図9の仮想線に示す
ように、伝動体47を弾性体に抗して前側へ揺動させた
のち、図9の実線に示すように、復帰揺動した伝動体4
7と暴走阻止体48との間に係合して位置されることに
なる。
【0044】この前後に移動力付与手段41の回転駆動
装置44を駆動させており、以てローラチェーン45を
ガイドレール46に支持案内させながら移動させてい
る。したがって、ローラチェーン45の移動力を伝動体
47と受動体40を介して支持部30に伝達し得、以て
支持部30を、その遊転ローラ39群を下位レール装置
5に支持案内させながら支持部搬送経路6で搬送し得
る。なお支持部30と分離させた移動体10は、支持部
30に同期状として一定経路3で移動し得る。
【0045】上述したようにして、支持部搬送経路6の
支持部30を、下降経路部6aから水平経路部6bへと
移動させる。そして水平経路部6bでの移動により、図
1、図6、図8に示すように、作業部8において乗用車
車体Bを水平状で移動させることになる。このとき支持
部30を、移動体10とは分離して、下方の水平経路部
6bで移動させることで、乗用車車体Bを床面Cに接近
させた下方の位置で搬送し得、以て乗用車車体Bの運転
席前方に対する各種作業(たとえば、エンジン周りの電
気配線作業やハーネスの取り付け作業など。)を、好適
な作業高さとして行える。
【0046】このようにして、乗用車車体Bに対する所
期の作業を終えた支持部30は、水平経路部6bを移動
したのち所定箇所4の終端部分へ達し、そして引き出し
手段(図示せず。)により支持部30に引き出し力を付
与することで、合流手段61の部分に引き出しし得る。
【0047】このとき合流手段61においては、駈動モ
ータ67の逆作動により駆動歯輪68を介してチェーン
63を逆移動させることで、昇降枠体62を介して昇降
レール69を下降動させて、下位レール装置5に接続さ
せている。したがって、引き出し手段により引き出し移
動させている支持部30を、遊転ローラ39群を介して
下位レール装置5から昇降レール69へと乗り移り移動
し得る。この前後に移動体10を合流手段61の部分で
停止させており、その際に停止位置は、少し上手に設定
されている。
【0048】前述したように支持部30を昇降レール6
9へと乗り移り移動させた状態で、駈動モータ67の作
動により駆動歯輪68を介してチェーン63を移動さ
せ、昇降枠体62を介して昇降レール69を上昇動させ
る。この上昇動は上昇限まで行われ、その際に被係止体
35群を係止体22群の前方で上昇させることになる。
そして昇降レール69が上昇限に達したのち、移動体1
0を少し移動させることで、被係止体35群に対して係
止体22群を下方から対向させる。
【0049】このように対向させたのち、駈動モータ6
7の逆作動により駆動歯輪68を介してチェーン63を
逆移動させることで、昇降枠体62を介して昇降レール
69を下降動させる。すると、昇降レール69とともに
支持部30も下降し得、これにより、支持部30の被係
止体35を移動体10側の係止体22に上方から係合さ
せるとともに、係止孔36に係止ピン23を嵌合させる
ことになり、以て移動体10側に支持部30を、位置ず
れなどすることなく着装し得る。
【0050】その後の昇降枠体62の下降動によって、
昇降レール69は遊転ローラ39群から離間し、そして
下降限に達することで、この昇降レール69を下位レー
ル装置5の終端に接続し得る。なお、支持部30を着装
した移動体10は、送り手段70による移動力の付与に
よって移動し得、以て支持部30で支持している乗用車
車体Bを一定経路3上で吊り下げ搬送し得る。
【0051】上記した実施の形態では、移動体10とし
て、摩擦ローラ73などからなる送り手段70により移
動力を受ける形式が示されているが、これは、駆動チェ
ーンなどからなる駆動装置から伝動突起や受動突起を介
して移動力を受ける形式、移動体10に走行駆動装置が
搭載された自走式移動体形式などであってもよい。
【0052】上記した実施の形態では、移動体10の本
体11として、3本のフレーム体12〜14からなる形
式を示したが、これは1本のフレーム体からなる形式、
2本のフレーム体からなる形式、4本以上のフレーム体
からなる形式などであってもよい。
【0053】上記した実施の形態では、一定経路3中の
所定箇所4に、1つの支持部搬送経路6が一定経路3よ
りも下方に位置されかつ一定経路3に沿って形成された
形式が示されているが、これは2つ(2段)以上の支持
部搬送経路が、そのレベルを変化させて形成された形式
などであってもよい。
【0054】上記した実施の形態では、移動体10に対
して支持部30が上方から係合可能に構成された形式が
示されているが、これは前後方向や左右方向から係合可
能に構成された形式などであってもよい。
【0055】上記した実施の形態では、分離手段51の
部分に押し込み手段が、また合流手段61の部分に引き
出し手段が設けられた形式が示されているが、これは移
動力付与手段41によって、押し込みと引き出しとを兼
用して行う形式などであってもよい。
【0056】上記した実施の形態では、分離手段51や
合流手段61の部分で、移動体10を停止させている
が、これは速度調整やタイミング合わせを行うことで、
移動体10を移動させながら分離作用や合流作用を行う
ように構成し得る。
【0057】上記した実施の形態では、分離手段51と
合流手段61とが同様なリフト形式から構成されている
が、これは異なるリフト形式から構成されたものであっ
てもよい。
【0058】上記した実施の形態では、被搬送物として
トラック車体Aや乗用車車体Bが示されているが、これ
は作業部8において各種作業を行うところの、形状や寸
法の異なる複数種の被加工物などであってもよい。
【0059】上記した実施の形態では、所定箇所4にお
いて一定経路3が、前段下降経路部3aと水平経路部3
bと後段下降経路部3cとにより形成され、また支持部
搬送経路6が、下降経路部6aと水平経路部6bとによ
り形成されているが、これは一定経路3が、上昇経路部
と水平経路部と下降経路部とにより形成され、また支持
部搬送経路6が、上昇経路部と水平経路部とにより形成
された構成などであってもよい。
【0060】
【発明の効果】上記した本発明の請求項1によると、支
持部を移動体側に着装させることで、移動体の移動によ
って、支持部で支持している被搬送物を一定経路上で吊
り下げ搬送できる。そして移動体が所定箇所の始端部分
へ達したとき、被搬送物の種類によって特定された移動
体でないとき、この移動体は、支持部を離脱させること
なく分離手段の部分を通過でき、これにより移動体を一
定経路上で移動させながら、作業部において被搬送物を
搬送できる。このとき支持部を、上方の一定経路上で移
動する移動体に着装していることで、被搬送物を床面に
対して上方の位置として搬送でき、以て被搬送物に対す
る各種作業を、この被搬送物を好適な作業高さとして行
うことができる。
【0061】また所定箇所の始端部分へ達した移動体
が、被搬送物の種類によって特定された移動体のとき、
分離手段により移動体から支持部を離脱させ、この支持
部を支持部搬送経路で移動させて、作業部において被搬
送物を搬送できる。このとき支持部を、移動体から離脱
して下方の支持部搬送経路で移動させることで、被搬送
物を床面に接近させた下方の位置で搬送でき、以て被搬
送物に対する各種作業を、この被搬送物を好適な作業高
さとして行うことができる。このようにして、被搬送物
に対する所期の作業を終えた支持部は、所定箇所の終端
部分へ達し、そして合流手段により移動体側に着装でき
る。
【0062】これにより、異なる形状、種類の被搬送物
に対する各種作業を、所定の作業部において、常に好適
な作業高さとして行うことができ、以て作業は、作業者
に無理、負担がかかることなく、能率良く行うことがで
きる。
【0063】また上記した本発明の請求項2によると、
支持部を移動体に上方から係合させて着装することで、
支持部で支持している被搬送物を一定経路上で安定して
吊り下げ搬送できる。所定箇所の始端部分へ特定された
移動体が達したとき、分離手段のリフト作動によって支
持部を持ち上げることにより、移動体から支持部を離脱
できることになり、以て移動体を移動させることで、係
合部分を位置ずれできる。次いで、分離手段のリフト作
動により支持部を下降動させることで、この支持部を支
持部搬送経路に対向でき、以て支持部を支持部搬送経路
で搬送できる。被搬送物に対する所期の作業を終えた支
持部は、合流手段のリフト作動により持ち上げ、次いで
移動体を移動させたのち、合流手段のリフト作動により
下降動させることにより、移動体側に上方から係合させ
て着装できる。
【0064】そして上記した本発明の請求項3による
と、移動体から離脱させた支持部を下位レール装置に支
持させることができ、この支持部に移動力付与手段によ
る移動力を付与することで、支持部を下位レール装置に
支持案内させながら支持部搬送経路で安定して搬送でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、吊り下げ搬送設備
における所定箇所部分の側面図である。
【図2】同吊り下げ搬送設備における所定箇所部分の概
略斜視図である。
【図3】同吊り下げ搬送設備における分離手段部分での
正面図である。
【図4】同吊り下げ搬送設備における分離手段部分での
分離時の一部切り欠き正面図である。
【図5】同吊り下げ搬送設備における一定経路の搬送状
態での正面図である。
【図6】同吊り下げ搬送設備における支持部搬送経路の
搬送状態での正面図である。
【図7】同吊り下げ搬送設備における分離手段部分での
一部切り欠き側面図である。
【図8】同吊り下げ搬送設備における支持部搬送経路の
搬送状態での一部切り欠き側面図である。
【図9】同吊り下げ搬送設備における移動力付与手段部
分の要部の側面図である。
【符号の説明】
1 吊り下げ搬送設備 2 レール装置 3 一定経路 4 所定箇所 5 下位レール装置 6 支持部搬送経路 8 作業部 10 移動体 11 本体 16 前部トロリ装置 17 中間部トロリ装置 18 後部トロリ装置 19 下部フレーム体 20 下部枠体 22 係止体 23 係止ピン 30 支持部 34 受け具 35 被係止体 36 係止孔 39 遊転ローラ 40 受動体 41 移動力付与手段 44 回転駆動装置 45 ローラチェーン 46 ガイドレール 47 伝動体 51 分離手段 52 昇降枠体 57 駈動モータ(回転駆動装置) 59 昇降レール 61 合流手段 62 昇降枠体 67 駈動モータ(回転駆動装置) 69 昇降レール 70 送り手段 73 摩擦ローラ A トラック車体(被搬送物) B 乗用車車体(被搬送物) C 床面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レール装置に支持案内されて一定経路上
    で移動自在な移動体が設けられ、この移動体には被搬送
    物の支持部が着脱自在に設けられ、一定経路中の所定箇
    所には、少なくとも1つの支持部搬送経路が一定経路よ
    りも下方に位置されかつ一定経路に沿って形成され、前
    記支持部搬送経路の始端部分には、特定した移動体から
    支持部を離脱して支持部搬送経路に移す分離手段が設け
    られ、前記支持部搬送経路の終端部分には、支持部搬送
    経路の支持部を移動体へ着装させる合流手段が設けら
    れ、一定経路中の所定箇所は、移動体へ着装されたまま
    一定経路側で移動される支持部側の被搬送物と、移動体
    から離脱されて支持部搬送経路で移動される支持部側の
    被搬送物とに対する作業部に形成されていることを特徴
    とする吊り下げ搬送設備。
  2. 【請求項2】 移動体に対して支持部は上方から係合可
    能に構成され、分離手段と合流手段とがリフト形式から
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の吊り下
    げ搬送設備。
  3. 【請求項3】 支持部搬送経路には、支持部を支持案内
    する下位レール装置と、支持部に移動力を付与する移動
    力付与手段とが設けられていることを特徴とする請求項
    1または2記載の吊り下げ搬送設備。
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