JP2003306121A - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置

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JP2003306121A JP2002109533A JP2002109533A JP2003306121A JP 2003306121 A JP2003306121 A JP 2003306121A JP 2002109533 A JP2002109533 A JP 2002109533A JP 2002109533 A JP2002109533 A JP 2002109533A JP 2003306121 A JP2003306121 A JP 2003306121A
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享 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグを最適方向へ確実に展開膨張させ
ることができて、車両衝突時の衝撃を効果的に吸収する
ことができるとともに、衝突回避時に未展開膨張状態の
エアバッグを元位置へ容易に戻すことができるエアバッ
グ装置を提供する。 【解決手段】 ステアリングホイール21の中央部にエ
アバッグ31を装着する。プリクラッシュセンサにより
衝突が予測検出されたとき、移動用モータ37の作動に
より展開膨張前のエアバッグ31を所定位置に移動させ
て、エアバッグ31の向きを変更させる。その後、衝突
センサにより衝突が検出されたとき、インフレータ32
の作動によりエアバッグ31を所定位置にて展開膨張さ
せる。衝突センサの非検出時には、移動用モータ37の
作動により未展開膨張状態のエアバッグ31を元位置に
復帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両に加わる衝
撃を吸収するために設けられるエアバッグ装置に関する
もので、特に、エアバッグの展開膨張に先だってエアバ
ッグ装置が所定位置に移動するようにしたエアバッグ装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のエアバッグ装置として
は、例えば特開2001−206176号公報の図6〜
図8に開示されるような構成のものが知られている。こ
の従来構成においては、ドア内側に第1インフレータと
第1エアバッグと当接板とよりなる第1エアバッグモジ
ュールが配置されている。そして、プリクラッシュセン
サにより車両の衝突が予測検出されたとき、第1インフ
レータが作動されて第1エアバッグが車室内側に展開膨
張される。この展開膨張により、当接板が車室内側に移
動されて、乗員が車室内側に押し付けられるようになっ
ている。
【0003】また、前記第1エアバッグ上には、第2イ
ンフレータと第2エアバッグとよりなる第2エアバッグ
モジュールが支持されている。そして、第1エアバッグ
の展開膨張時に、この第2エアバッグモジュールが車室
内側に突出移動される。その後、衝突センサにより車両
の衝突が検出されたとき、第2インフレータが作動され
て第2エアバッグが乗員とドアとの間に展開膨張され、
衝突時の衝撃による乗員への影響が緩和されるようにな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
エアバッグ装置においては、第1エアバッグの展開膨張
により、第2エアバッグが未展開膨張状態で車室内側に
突出移動されるものの、その第2エアバッグの最適展開
方向については考慮されていない。このため、第2エア
バッグが乗員とドアとの間の最適方向に展開膨張されに
くく、衝撃を効果的に吸収することができないという問
題があった。
【0005】また、この従来のエアバッグ装置では、前
述のように、衝突の予測検出時に、第1エアバッグの展
開膨張によって、第2エアバッグモジュールが突出移動
されるようになっている。そのため、この状態で衝突が
検出されなかった場合、第2エアバッグモジュールを突
出位置から元の位置に戻すことができないという問題も
あった。つまり、第2エアバッグモジュールを元の位置
に戻す場合には、第1エアバッグモジュールを新たなも
の交換する必要があって、車両の所有者がそれを行うこ
とは不可能に近い。
【0006】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的
は、エアバッグを最適方向へ確実に展開膨張させること
ができて、衝突時の衝撃を効果的に吸収することができ
るとともに、衝突回避後に未展開膨張状態のエアバッグ
を元位置へ容易に戻すことができるエアバッグ装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、プリクラッシュセンサ
の出力に基づいて、展開膨張前のエアバッグを所定位置
に移動させる移動手段と、前記移動手段の動作に続い
て、エアバッグを所定位置にて展開膨張させる展開膨張
手段と、未展開膨張状態のエアバッグを前記所定位置か
ら元位置に復帰させることを可能にした復帰手段とを備
えたことを特徴とするものである。
【0008】従って、この請求項1に記載の発明によれ
ば、エアバッグを所定位置に移動させた状態で、最適方
向へ確実に展開膨張させることができて、車両衝突時に
おいて人体に対する衝撃を効果的に吸収することができ
る。また、衝突の予測検出後に衝突が回避されたときに
は、未展開膨張状態のエアバッグを元位置へ容易に戻す
ことができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記エアバッグは車室内に設けられて
いることを特徴とするものである。従って、この請求項
2に記載の発明によれば、車室内に装設されるエアバッ
グ装置を有効に動作させて、車室内の乗員に対して優れ
た保護機能を発揮することができる。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記エアバッグはステアリングホイー
ルの中央部に装着され、前記移動手段はエアバッグの向
きを変更させることを特徴とするものである。
【0011】従って、この請求項3に記載の発明によれ
ば、通常の運転状態ではステアリングホイールが回転さ
れて、エアバッグの最適展開方向を確保することができ
ない場合があっても、エアバッグをステアリングホイー
ル上から運転席の乗員の身体に向けて、常に最適方向に
展開膨張させることができ、運転席の乗員を有効に保護
できる。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記エアバッグはシートの背もたれ部
に装着され、前記移動手段はエアバッグをボディサイド
部側に突出させることを特徴とするものである。
【0013】従って、この請求項4に記載の発明によれ
ば、エアバッグ装置をシートと車両のボディサイド部と
の間に位置させて、エアバッグをその位置からボディサ
イド部と乗員との間に向けて、最適方向に展開膨張させ
ることができる。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記エアバッグはインナールーフのサ
イド部内に収容され、移動手段はエアバッグをピラーの
ガーニッシュから離れるように移動させることを特徴と
するものである。
【0015】従って、この請求項5に記載の発明によれ
ば、エアバッグをインナールーフのサイド部内から、ピ
ラーのガーニッシュに干渉することなく、最適方向に展
開膨張させることができる。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記エアバッグはインナールーフの後
部側に配置され、前記移動手段はエアバッグをリヤウイ
ンドウ側に指向させることを特徴とするものである。
【0017】従って、この請求項6に記載の発明によれ
ば、エアバッグをインナールーフの後部側からリヤウイ
ンドウ側に向けて、最適方向に展開膨張させることがで
き、リヤウインドウの破損に起因する乗員被害を有効に
防止できる。
【0018】請求項7に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記エアバッグはインストルメントパ
ネルの下方に配置され、前記移動手段はエアバッグを車
両内の乗員側に移動させることを特徴とするものであ
る。
【0019】従って、この請求項7に記載の発明によれ
ば、エアバッグをインストルメントパネルの下方位置か
ら乗員の膝付近に向けて、最適方向に展開膨張させるこ
とができ、乗員の膝を含む下肢を有効に保護できる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下に、この発
明の第1実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0021】図1及び図2に示すように、車両の車室内
に配置されているステアリングホイール21は、円環状
のリング部22と、リング部22の中央に配置されたパ
ッド部23と、リング部22及びパッド部23を接続す
る複数本(実施形態では3本)のスポーク部24とから
構成されている。リング部22及びスポーク部24は、
アルミニウム合金等よりなる芯金25と、その外面に被
覆形成された軟質合成樹脂よりなる被覆体26とから構
成されている。芯金25の中央には取付ボス部27が形
成され、この取付ボス部27を介して、ステアリングホ
イール21がステアリングシャフト28に取り付けられ
ている。
【0022】前記ステアリングホイール21内の中央部
においてパッド部23の下方に位置するように、芯金2
5の内側面にはエアバッグ装置29が周囲のほぼ120
度ずつ間隔をおいた3箇所において、移動手段としての
移動機構30を介して移動可能に装着されている。この
エアバッグ装置29は、折り畳み状態で収納された袋状
のエアバッグ31と、そのエアバッグ31に展開膨張用
のガスを供給するための展開膨張手段としてのインフレ
ータ32とから構成されている。なお、エアバッグ31
に対応するように、パッド部23には切り込み(図示し
ない)が設けられており、エアバッグ31の展開膨張時
によりパッド部23がこの切り込みから切開されて、エ
アバッグ31の乗員側への膨脹が許容される。
【0023】図2及び図3に示すように、前記各移動機
構30においては、芯金25の内側面に支軸33が支持
板34及び軸受35を介して固定位置において回転可能
に支持されている。その支軸33にはネジ部33a及び
ウォームホイール33bが形成されている。エアバッグ
装置29のブラケット29aの外周縁にはボール継手3
6が転動可能に支持され、その中央には支軸33のネジ
部33aに螺合するネジ孔36aが形成されている。
【0024】前記支持板34上には移動用モータ37が
配設され、そのモータ軸には支軸33のウォームホイー
ル33bに噛合するウォーム37aが設けられている。
そして、この移動用モータ37が回転されることによ
り、ウォーム37a及びウォームホイール33bを介し
て支軸33が回転され、ネジ部33a及びネジ孔36a
を介して支軸33に対するエアバッグ装置29の支持位
置が移動される。このように、エアバッグ装置29の支
持位置が周囲の3箇所で支軸33の軸線に沿って移動さ
れることにより、エアバッグ装置29全体が傾動されて
その向きが変更され、エアバッグ31の展開膨張方向が
最適方向を指向するように設定される。
【0025】次に、前記のように構成されたエアバッグ
装置29の回路構成について説明する。図4に示すよう
に、制御装置40にはエアバッグ装置29全体の動作を
制御するためのプログラムが格納されている。制御装置
40にはメモリ41が接続され、このメモリ41にはス
テアリングホイール21の回転角度に対応するエアバッ
グ31の最適展開膨張方向のデータ等が記憶されてい
る。
【0026】前記制御装置40には、回転角度センサ4
2、プリクラッシュセンサ43及び衝突センサ44が接
続されている。回転角度センサ42は、車両の運転中に
ステアリングホイール21の回転角度を検出して、その
角度検出信号を制御装置40に出力する。プリクラッシ
ュセンサ43は、車両の前側に配置されている。このプ
リクラッシュセンサ43は、超音波または電波を車両の
前方に向かって発信し、他の車両あるいは物体が近接す
るとそれを検出する。そして、制御装置40は、プリク
ラッシュセンサ43からの検出信号に基づいて、検出さ
れた他の車両または物体との相対速度及び距離に基づい
て、衝突するおそれを予測する。衝突センサ44は、車
両の前部に配置され、車両の実際の衝突を検出して、そ
の衝突検出信号を制御装置40に出力する。
【0027】前記制御装置40には、各移動機構30に
おける移動用モータ37及びエアバッグ装置29のイン
フレータ32が接続されている。そして、制御装置40
は、他の車両または物体との衝突を予測したとき、回転
角度センサ42からのステアリングホイール21の回転
角度検出信号に応じて、各移動用モータ37を回転制御
する。すなわち、制御装置40は、回転角度センサ42
からのステアリングホイール21の回転角度検出信号に
基づいて、前記各移動機構30の移動用モータ37の回
転の有無及び回転量を算出して、それに応じて移動用モ
ータ37を回転させる。このため、ステアリングホイー
ル21がいずれの方向に回転されている場合でも、エア
バッグ31の展開膨張方向を常に最適方向、すなわち運
転席の乗員の身体側となるようにエアバッグ装置29の
向きが設定される。また、制御装置40は、このエアバ
ッグ装置29の向き変更状態で、衝突センサ44から衝
突検出信号を入力したとき、インフレータ32を動作さ
せて、エアバッグ31を最適方向に膨張展開させる。
【0028】さらに、この実施形態においては、前記移
動機構30が復帰手段としての復帰機構を兼用するよう
に構成されている。そして、エアバッグ装置29の向き
変更状態で、所定時間内に衝突センサ44から衝突検出
信号が出力されないとき、あるいは、図示しない復帰ス
イッチがオンされた場合、制御装置40は、各移動機構
30の移動用モータ37を復帰回転させる。このため、
未展開膨張状態のエアバッグ31を含むエアバッグ装置
29を元位置に復帰される。
【0029】従って、前記のように構成されたエアバッ
グ装置29は、以下のように動作される。さて、通常の
車両の運転時には、エアバッグ装置29がステアリング
ホイール21の回転軸線の方向を指向する元位置に配置
されている。この状態で、ステアリングホイール21が
回転操作されると、エアバッグ装置29が一体的に回転
される。この場合、回転角度センサ42によりステアリ
ングホイール21の回転角度が常時検出されて、その角
度検出信号が制御装置40に対して常に出力されてい
る。また、図示しないイグニションキーがオンされてい
るときには、プリクラッシュセンサ43が常時超音波ま
たは電波を発信して、衝突検出可能状態を維持する。
【0030】そして、この車両の運転中に、プリクラッ
シュセンサ43の検出に基づいて、制御装置40により
により衝突のおそれが予測検出されると、同じく制御装
置40の制御により、前記ステアリングホイール21の
回転角度検出信号に応じて、各移動機構30の少なくと
もひとつの移動用モータ37が回転される。従って、エ
アバッグ装置29の向きが、ステアリングホイール21
の回転角度に基づいて変更される。このため、ステアリ
ングホイール21がいずれの方向に回転されている場合
でも、エアバッグ31の展開膨張方向が乗員の胸部を指
向する常に最適方向となるように設定される。
【0031】その後、衝突センサ44により車両の衝突
が検出されると、その衝突検出信号が制御装置40に出
力される。すると、インフレータ32が動作されて、そ
のインフレータ32からエアバッグ31にガスが供給さ
れ、エアバッグ31が運転席の乗員の胸部に向けて最適
方向に膨張展開される。この展開膨張により、車両衝突
時の乗員に対する衝撃が効果的に吸収される。
【0032】一方、前記のようにエアバッグ装置29の
向きが変更された後、所定時間を経過しても衝突センサ
44から衝突検出信号が出力されないとき、あるいは復
帰スイッチがオンされたときには、制御装置40の制御
により、各移動機構30の移動用モータ37が復帰回転
される。この復帰回転により、エアバッグ装置29はエ
アバッグ31が未展開膨張状態のままで元位置に復帰さ
れる。
【0033】なお、プリクラッシュセンサ43による検
出を経ることなく、衝突センサ44が衝突を検出した場
合には、エアバッグ装置29が動作して、エアバッグ3
1が展開膨張される。
【0034】従って、この第1実施形態によれば、以下
のような効果を得ることができる。 (1) このエアバッグ装置29では、プリクラッシュ
センサ43によって衝突が予測検出されたとき、移動機
構30の作動により展開膨張前のエアバッグ31が所定
位置に移動される。その後、衝突センサ44によって衝
突が検出されたとき、インフレータ32の作動によりエ
アバッグ31が所定位置にて展開膨張される。それに対
して、衝突センサ44の非検出時には、復帰機構を兼用
する移動機構30の作動により、未展開膨張状態のエア
バッグ31が元位置に復帰されるようになっている。
【0035】このため、エアバッグ31を所定位置に移
動させた状態で、最適方向へ確実に展開膨張させること
ができて、車両衝突時の乗員に対する衝撃を効果的に吸
収することができ、エアバッグ31の機能を有効に発揮
させることができる。また、衝突の予測検出後に衝突が
回避されたときには、未展開膨張状態のエアバッグ31
を元位置に戻すことができる。従って、従来とは異な
り、衝突予測に基づいてエアバッグ装置29を移動させ
た後に、何らの困難なく、元の位置に戻すことができ
る。
【0036】(2) このエアバッグ装置29では、前
記エアバッグ31が車室内において、ステアリングホイ
ール21の中央部に装着されている。また、前記移動機
構30がエアバッグ31の向きを変更させるためのステ
アリングホイール21内に配置された移動用モータ37
等から構成されている。このため、エアバッグ31をス
テアリングホイール21上から運転席の乗員の胸部に向
けて、常に最適方向に展開膨張させることができる。
【0037】(3) このエアバッグ装置29では、エ
アバッグ31を所定位置に移動させるための移動機構3
0と、エアバッグ31を元位置に復帰させるための復帰
機構とが兼用して構成されている。このため、エアバッ
グ装置29の構成を簡単にすることができるとともに、
1つの機構によりエアバッグ装置29の移動及び復帰を
円滑かつ確実に行うことができる。
【0038】(第2実施形態)次に、この発明の第2実
施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明
する。
【0039】さて、この第2実施形態においては、図5
に示すように、エアバッグ装置29がステアリングホイ
ール21内の中央部に移動不能に固定的に装着されてい
る。ステアリングシャフト28の支持コラム47の途中
にはチルト機構48が設けられ、このチルト機構48に
より、ステアリングホイール21の傾斜角度が任意に変
更でき、その調節角度で図示しないチルトロック機構に
より固定できるようになっている。このチルトロック機
構は、プリクラッシュセンサ43の検出に基づいて衝突
が予測されたときに、ロック機能が解除される。
【0040】ステアリングホイール21の下方には復帰
機構兼用の移動機構30を構成するソレノイド49が配
設され、そのアーマチュア49aが支持コラム47の外
周のリング49bに連結されている。なお、ステアリン
グホイール21の角度調節にともない、リング49bの
位置が変更されて、アーマチュア49aが伸縮するが、
ソレノイド49は励磁にともないアーマチュア49aの
位置に関わらずアーマチュア49aを所定位置に移動さ
せる。なお、ソレノイド49は、図4に示すブロック回
路図において、移動用モータ37に替えて制御装置40
に接続される。以降の第3〜第10実施形態において
も、電気部品は同様に扱われる。
【0041】そして、プリクラッシュセンサ43の検出
に基づいて衝突が予測されたとき、チルトロック機構が
解除される。次いで、ソレノイド49が励磁されて、ス
テアリングホイール21の傾斜角度が、図5に実線で示
す状態から鎖線で示す状態に変更される。この変更によ
り、エアバッグ装置29の向きが変更されて、エアバッ
グ31の展開膨張方向が最適方向、すなわち運転席の乗
員の胸部を指向するように設定される。また、この変更
状態で車両の衝突が回避された場合には、ソレノイド4
9の励磁が解除される。従って、この状態で、乗員は、
ステアリングホイール21の角度調節を行い、その角度
でチルトロック機構を作動させれば、元の任意のチルト
角度に復帰させることができる。
【0042】従って、この第2実施形態においても、前
記第1実施形態における(1)〜(3)に記載の効果と
ほぼ同様の効果を得ることができる。 (第3実施形態)次に、この発明の第3実施形態を、前
記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。この第
3実施形態においては、プリクラッシュセンサ43が車
両の側部に配置され、車両の側部に対する衝突(以下、
側突という)の予測のために検出するものである。ま
た、衝突センサ44も車両の側部に配置され、実際の側
突を検出するものである。
【0043】さて、この第3実施形態においては、図6
及び図7に示すように、エアバッグ装置29が車両の車
室内に配置されるシート51の背もたれ部51aに、車
両のボディサイド部52側へ突出移動可能に装着されて
いる。背もたれ部51a内には復帰機構兼用の移動機構
30を構成するソレノイド49が配設され、このソレノ
イド49によってエアバッグ装置29が出没移動される
ようになっている。また、エアバッグ装置29は、その
エアバッグ31が車両前方に向かって展開膨張するよう
になっている。
【0044】そして、プリクラッシュセンサ43の検出
に基づいて側突が予測検出されたときには、ソレノイド
49が励磁されて、図7に鎖線で示すように、エアバッ
グ装置29が車両のボディサイド部52側へ突出移動さ
れる。この突出移動により、エアバッグ31の展開膨張
方向が最適方向、すなわち車両のボディサイド部52と
乗員との間に指向するように設定される。
【0045】この状態で、衝突センサ44により側突が
検出されると、インフレータ32が動作されて、エアバ
ッグ31が最適方向に、すなわちボディサイド部52と
乗員との間に向かって展開膨張され、車両側部からの乗
員に対する衝撃が効果的に吸収される。これに対して、
エアバッグ装置29の突出状態で、側突が回避された場
合には、一定時間経過後または復帰スイッチのオンによ
り、ソレノイド49が復帰動作されて、図7に実線で示
すように、エアバッグ装置29が背もたれ部51a内の
元位置に復帰移動される。
【0046】従って、この第3実施形態によれば、前記
第1実施形態における(1)及び(3)に記載の効果に
加えて、以下のような効果を得ることができる。 (4) このエアバッグ装置29では、前記エアバッグ
31がシート51の背もたれ部51aに装着されてい
る。また、前記移動機構30がエアバッグ31をボディ
サイド部52側に突出させるためのソレノイド49から
構成されている。このため、エアバッグ31をシート5
1の背もたれ部51aから、車両のボディサイド部52
と乗員との間に向けて、最適方向に展開膨張させること
ができ、側突時における衝撃を緩和できる。
【0047】(第4実施形態)次に、この発明の第4実
施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明
する。この第4実施形態においては、前記第3実施形態
と同様に、プリクラッシュセンサ43が車両の側部に配
置され、側突の予測のために検出するものである。ま
た、衝突センサ44も車両の側部に配置され、実際の側
突を検出するものである。
【0048】さて、この第4実施形態においては、図8
及び図9に示すように、エアバッグ装置29が車両のイ
ンナールーフ54のサイド部内に収容配置されている。
インナールーフ54のサイド部内には復帰機構兼用の移
動機構30を構成するソレノイド49が配設され、この
ソレノイド49により、エアバッグ装置29がヘッドラ
イニング55の側端縁を押し退けて、車室中央部側に突
出移動されるようになっている。
【0049】そして、プリクラッシュセンサ43の検出
に基づいて側突が予測検出されたときには、ソレノイド
49が励磁されて、図9に鎖線で示すように、エアバッ
グ装置29が車室中央部側に突出移動される。この突出
移動により、エアバッグ31の展開膨張方向が最適方
向、すなわちピラー56のガーニッシュ57から離れる
とともに、ボディサイド部52と乗員との間を指向する
ように設定される。
【0050】この状態で、衝突センサ44により側突が
検出されると、インフレータ32が動作されて、エアバ
ッグ31がドアウインドウの内面に沿って最適方向、す
なわちボディサイド部52と乗員との間に向かって展開
膨張され、車両側部からの衝撃が効果的に吸収される。
これに対して、エアバッグ装置29の突出状態で、側突
が回避された場合には、ソレノイド49が復帰動作され
て、図9に実線で示すように、エアバッグ装置29がイ
ンナールーフ54のサイド部内の元位置に復帰移動され
る。従って、この状態で、乗員等がヘッドライニング5
5を元の位置に戻すことができる。
【0051】従って、この第4実施形態によれば、前記
第1実施形態における(1)及び(3)に記載の効果に
加えて、以下のような効果を得ることができる。 (5) このエアバッグ装置29では、前記エアバッグ
31がインナールーフ54のサイド部内に収容され、移
動機構30がエアバッグ31をピラー56のガーニッシ
ュ57から離れるように室内側に移動させるように構成
されている。このため、エアバッグ31をインナールー
フ54のサイド部内から、ピラー56のガーニッシュ5
7に干渉することなく、最適方向に展開膨張させること
ができる。すなわち、エアバッグ装置29が車室側に移
動することなく、インナールーフ54のサイド部に沿っ
た位置で展開膨張すると、エアバッグ31とピラー56
のガーニッシュ57とが干渉する。このため、エアバッ
グ31の展開膨脹に支障を来すおそれがあるが、この第
4実施形態では、このようなおそれを回避できる。
【0052】(第5実施形態)次に、この発明の第5実
施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明
する。この第5実施形態においては、プリクラッシュセ
ンサ43が車両の後部に配置され、追突の予測のために
検出するものである。また、衝突センサ44も車両の後
部に配置され、実際の追突を検出するものである。
【0053】さて、この第5実施形態においては、図1
0〜図12に示すように、エアバッグ装置29がインナ
ールーフ54の後部側に、復帰機構兼用の移動機構30
を構成する複数のリンク59を介して昇降移動可能に配
置されている。インナールーフ54の後部には前記移動
機構30を構成するロータリソレノイド60が配設さ
れ、その駆動軸が1つのリンク59に作動連結されてい
る。
【0054】そして、プリクラッシュセンサ43の検出
に基づいて追突が予測検出されたときには、ロータリソ
レノイド60が回転され、図12に鎖線で示すように、
エアバッグ装置29がヘッドライニング55の後端縁を
押し退けて下方に突出移動される。この突出移動によ
り、エアバッグ31の展開膨張方向が最適方向、すなわ
ちリヤウインドウ61側へ指向するように設定される。
【0055】この状態で、衝突センサ44により実際の
追突が検出されると、インフレータ32が動作されて、
エアバッグ31がリヤウインドウ61に沿って最適方向
に展開膨張され、車両後部からの衝撃が効果的に吸収さ
れる。これに対して、エアバッグ装置29の突出状態
で、追突が回避された場合には、ロータリソレノイド6
0が復帰回転されて、図12に実線で示すように、エア
バッグ装置29がインナールーフ54の後部の元位置に
復帰移動される。従って、この状態で、乗員等がヘッド
ライニング55を元の位置に戻すことができる。
【0056】従って、この第5実施形態によれば、前記
第1実施形態における(1)及び(3)に記載の効果に
加えて、以下のような効果を得ることができる。 (6) このエアバッグ装置29では、前記エアバッグ
31がインナールーフ54の後部側に配置されている。
また、前記移動機構30がエアバッグ31をリヤウイン
ドウ61側に指向させるためのロータリソレノイド60
等から構成されている。このため、エアバッグ31をイ
ンナールーフ54の後部側からリヤウインドウ61側に
向けて、最適方向に展開膨張させることができる。従っ
て、リヤウインドウ61の破損等から乗員を有効に保護
できる。
【0057】(第6実施形態)次に、この発明の第6実
施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明
する。この第6実施形態においては、プリクラッシュセ
ンサ43が車両の前部に配置され、前面衝突の予測のた
めに検出するものである。また、衝突センサ44も車両
の前部に配置され、実際の前面衝突を検出するものであ
る。
【0058】さて、この第6実施形態においては、図1
3に示すように、エアバッグ装置29がインストルメン
トパネル63の下方に、支持板64を介して回動可能に
配置されている。インストルメントパネル63の下方に
は復帰機構兼用の移動機構30を構成するソレノイド4
9が配設され、そのアーマチュアが支持板64に連結さ
れている。
【0059】そして、プリクラッシュセンサ43の検出
に基づいて衝突が予測検出されたときには、ソレノイド
49が励磁されて支持板64が回動され、図13に鎖線
で示すように、エアバッグ装置29が車両内の乗員側
で、かつ斜め上向きの位置に移動される。この移動によ
り、エアバッグ31の展開膨張方向が最適方向、すなわ
ち乗員の膝付近を指向するように設定される。
【0060】この状態で、衝突センサ44により実際の
車両の衝突が検出されると、インフレータ32が動作さ
れ、エアバッグ31が乗員の膝付近に向けて最適方向に
展開膨張される。このため、乗員の膝がインストルメン
トパネル63に当たるのを防止でき、インストルメント
パネル63からの衝撃が効果的に吸収される。これに対
して、エアバッグ装置29の移動状態で、車両の衝突が
回避された場合には、ソレノイド49が復帰動作され
て、図13に実線で示すように、エアバッグ装置29が
インストルメントパネル63の下方の元位置に復帰移動
される。
【0061】従って、この第6実施形態によれば、前記
第1実施形態における(1)及び(3)に記載の効果に
加えて、以下のような効果を得ることができる。 (7) このエアバッグ装置29では、前記エアバッグ
31がインストルメントパネル63の下方に配置されて
いる。また、前記移動機構30がエアバッグ31を車両
内の乗員側に移動させるためのソレノイド49等から構
成されている。このため、エアバッグ31をインストル
メントパネル63の下方位置から乗員の膝に向けて、最
適方向に展開膨張させることができ、乗員の膝を含む下
肢を有効に保護できる。
【0062】(第7実施形態)次に、この発明の第7実
施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明
する。この第7実施形態においては、プリクラッシュセ
ンサ43が車両の前部に配置され、前面衝突の予測のた
めに検出するものである。また、衝突センサ44も車両
の前部に配置され、実際の前面衝突を検出するものであ
る。
【0063】さて、この第7実施形態では、図14及び
図15に示すように、エアバッグ装置29が車室外にお
いてフロントガラス66の前端下方に配置され、可撓性
を有するカウルルーバー67にて覆われている。また、
エアバッグ31がフロントガラス66に向かって展開膨
張するようになっている。フロントガラス66の前端下
方には復帰機構兼用の移動機構30を構成するソレノイ
ド49が配設され、そのアーマチュアがエアバッグ装置
29に連結されている。
【0064】そして、プリクラッシュセンサ43の検出
に基づいて衝突が予測検出されたときには、ソレノイド
49が励磁されて、図15に鎖線で示すように、エアバ
ッグ装置29がカウルルーバー67を撓ませながらその
後端縁を押し退けて、フードパネル68の後端付近まで
上昇移動される。この上昇移動により、エアバッグ31
の展開膨張方向が最適方向、すなわちフードパネル68
の後部上面からフロントガラス66の前端上面にかけて
の領域に指向するように設定される。
【0065】この状態で、衝突センサ44により車両の
実際の衝突が検出されると、インフレータ32が動作さ
れ、エアバッグ31が前記フードパネル68及びフロン
トガラス66の前面領域に向かって最適方向に展開膨張
されて、車室外の衝突物等に対する衝撃が効果的に吸収
される。これに対して、エアバッグ装置29の移動状態
で、車両の衝突が回避された場合には、ソレノイド49
が復帰動作されて、図15に実線で示すように、エアバ
ッグ装置29がフロントガラス66の前端下方の元位置
に復帰移動される。
【0066】従って、この第7実施形態によれば、前記
第1実施形態における(1)及び(3)に記載の効果に
加えて、以下のような効果を得ることができる。 (8) このエアバッグ装置29では、前記エアバッグ
31が車室外においてフロントガラス66の前端下方に
配置されている。また、前記移動機構30がエアバッグ
31をフードパネル68の後端付近まで上昇させるため
のソレノイド49から構成されている。このため、エア
バッグ31をフロントガラス66の前端下方位置から、
フードパネル68の後部上面及びフロントガラス66の
前面の領域に向かって、最適方向に展開膨張させること
ができる。従って、この第7実施形態においては、フロ
ントガラスに衝突することが多い歩行者や2輪車乗員を
有効に保護できる。
【0067】(第8実施形態)次に、この発明の第8実
施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明
する。この第6実施形態においては、プリクラッシュセ
ンサ43が車両の前部に配置され、前面衝突の予測のた
めに検出するものである。また、衝突センサ44も車両
の前部に配置され、実際の前面衝突を検出するものであ
る。
【0068】さて、この第8実施形態においては、図1
6に示すように、エアバッグ装置29がインストルメン
トパネル63の下方のアンダートレイ70の一部に固定
されている。このアンダートレイ70は使用位置から車
両前方側へ移動可能である。アンダートレイ70の前方
には、復帰機構兼用の移動機構30を構成するソレノイ
ド49が配設され、そのアーマチュアがアンダートレイ
70に連結されている。なお、エアバッグ装置29の支
持は、アンダートレイ70以外に、エアバッグ装置29
の支持専用の支持部材であってもよい。
【0069】そして、プリクラッシュセンサ43の検出
に基づいて衝突が予測検出されたときには、ソレノイド
49が励磁されて鎖線で示すように、アンダートレイ7
0が使用位置から車両前方側へ移動され、エアバッグ装
置29が車両前方側に位置する。この移動により、エア
バッグ31の展開膨張方向が最適方向、すなわち乗員の
膝付近を指向するように設定される。
【0070】この状態で、衝突センサ44により実際の
車両の衝突が検出されると、インフレータ32が動作さ
れ、エアバッグ31が乗員の膝付近に向けて最適方向に
展開膨張される。このため、乗員の膝がインストルメン
トパネル63に当たるのを防止でき、インストルメント
パネル63からの衝撃が効果的に吸収される。これに対
して、エアバッグ装置29の移動状態で、車両の衝突が
回避された場合には、ソレノイド49が復帰動作され
て、エアバッグ装置29が鎖線で示すように、インスト
ルメントパネル63の車両後方側の元位置に復帰移動さ
れる。
【0071】従って、この第8実施形態によれば、前記
第1実施形態における(1)及び(3)に記載の効果に
加えて、以下のような効果を得ることができる。(9)
このエアバッグ装置29では、エアバッグ31をイン
ストルメントパネル63の下方位置から乗員の膝に向け
て、最適方向に展開膨張させることができ、乗員の膝を
含む下肢を有効に保護できる。また、このエアバッグ装
置29では、エアバッグ装置29と乗員との間に適度に
広い間隔を形成できるため、エアバッグ31が展開膨張
する時間を確保でき、乗員保護を有効に行うことができ
る。
【0072】(第9実施形態)次に、この発明の第9実
施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明
する。この第6実施形態においては、プリクラッシュセ
ンサ43が車両の前部に配置され、前面衝突の予測のた
めに検出するものである。また、衝突センサ44も車両
の前部に配置され、実際の前面衝突を検出するものであ
る。
【0073】さて、この第9実施形態においては、図1
7に示すように、インストルメントパネル63の下方の
アンダートレイ70の一部に復帰機構兼用の移動機構3
0を構成するロータリーソレノイド60が配設され、そ
の出力軸60aにエアバッグ装置29が支持されてい
る。なお、この第9実施形態においても、ロータリーソ
レノイド60の支持は、アンダートレイ70以外に、ロ
ータリーソレノイド60の支持専用の支持部材であって
もよい。
【0074】そして、プリクラッシュセンサ43の検出
に基づいて衝突が予測検出されたときには、ロータリー
ソレノイド60が励磁されて鎖線で示すように、エアバ
ッグ装置29が下向き位置から上向き位置に回動配置さ
れる。この移動により、エアバッグ31の展開膨張方向
が最適方向、すなわち乗員の膝付近を指向するように設
定される。
【0075】この状態で、衝突センサ44により実際の
車両の衝突が検出されると、インフレータ32が動作さ
れ、エアバッグ31が乗員の膝付近に向けて最適方向に
展開膨張される。このため、乗員の膝がインストルメン
トパネル63に当たるのを防止でき、インストルメント
パネル63からの衝撃が効果的に吸収される。これに対
して、エアバッグ装置29の移動状態で、車両の衝突が
回避された場合には、ロータリーソレノイド60が復帰
動作されて、エアバッグ装置29が下向きの元位置に復
帰移動される。
【0076】従って、この第9実施形態によれば、前記
第6実施形態と同様な効果を得ることができる。 (第10実施形態)次に、この発明の第10実施形態
を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
この第10実施形態においては、プリクラッシュセンサ
43が車両の前部に配置され、前面衝突の予測のために
検出するものである。また、衝突センサ44も車両の前
部に配置され、実際の前面衝突を検出するものである。
【0077】さて、この第10実施形態においては、図
18に示すように、助手席側のインストルメントパネル
63に開口69が形成され、その開口69には蓋板76
が軸71を介して開閉可能に支持されている。蓋板76
には突片72が形成され、軸73により回動可能に支持
されたソレノイド74のアーマチュアが軸75を介して
前記突片72に支持されている。前記蓋板76の下面に
はエアバッグ装置29が固定されている。
【0078】そして、プリクラッシュセンサ43の検出
に基づいて衝突が予測検出されたときには、ソレノイド
74が励磁されて2点鎖線で示すように、蓋板76が開
放回動され、エアバッグ装置29が助手席の乗員側を指
向する。このため、エアバッグ31の展開膨張方向が最
適方向、すなわち助手席の乗員の胸郭部付近を指向する
ように設定される。
【0079】この状態で、衝突センサ44により実際の
車両の衝突が検出されると、インフレータ32が動作さ
れ、エアバッグ31が助手席の乗員の胸郭部付近に向け
て最適方向に展開膨張される。このため、乗員がインス
トルメントパネル63に当たるのを防止でき、インスト
ルメントパネル63からの衝撃が効果的に吸収される。
これに対して、エアバッグ装置29の移動状態で、車両
の衝突が回避された場合には、ソレノイド74が復帰動
作されて、蓋板76が閉鎖回動され、エアバッグ装置2
9が下向きの元位置に復帰移動される。
【0080】従って、この第10実施形態によれば、助
手席の乗員を有効に保護することができる。 (変更例)なお、この実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。
【0081】・ 前記各実施形態において、エアバッグ
装置29を元位置に復帰させるための復帰機構を、移動
機構30と兼用することなく別に設けること。 ・ 図13に示す前記第6実施形態において、インスト
ルメントパネル63の下方にエアバッグ装置29を前後
方向へ移動可能に配置し、衝突の予測検出時に、エアバ
ッグ装置29が乗員側に向かって車両後方へ移動される
ように構成すること。このようにすれば、エアバッグ3
1が乗員に近接するため、エアバッグ31が小型であっ
ても、乗員を有効に保護できる。また、エアバッグ31
を小型にすれば、エアバッグ装置29全体が小型にな
り、インストルメントパネル63やその近傍にマウント
するのに都合がよい。
【0082】・ 前記各実施形態においては、エアバッ
グ31の展開膨張が衝突センサ44の検出に基づいて行
われるように構成した。これに対し、エアバッグ31の
展開膨張がプリクラッシュセンサ43の検出に基づいて
行われるように構成すること。例えば、プリクラッシュ
センサ43の検出により衝突が予測された後における一
定時間後に展開膨張するように構成すること。このよう
に構成すれば、衝突センサ及びそれに関連した構成が不
要になり、構成が簡単になる。この場合、プリクラッシ
ュセンサ43が車両または物体を検出した後に、そのプ
リクラッシュセンサ43が検出を継続していることを条
件にしてエアバッグ31が展開膨張するようにしてもよ
い。
【0083】(別の技術的思想)さらに、上記実施形態
により把握される請求項以外の技術的思想について、以
下にそれらの効果とともに記載する。
【0084】(a) 前記エアバッグは車室外に設けら
れていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ
装置。この構成によれば、車室外に装設されるエアバッ
グ装置に実施して前述したような優れた効果を発揮する
ことができ、特に歩行者等の保護を有効に行うことがで
きる。
【0085】(b) 前記エアバッグはフロントガラス
の前端下方に配置され、前記移動手段はエアバッグをフ
ードパネルの後端付近まで上昇させることを特徴とする
(a)項に記載のエアバッグ装置。
【0086】この構成によれば、エアバッグをフロント
ガラスの前端下方位置から、フードパネルの後部上面及
びフロントガラスの前面の領域に向けて、最適方向に展
開膨張させることができ、前記と同様に、歩行者等の保
護を有効に行うことができる。
【0087】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明において
は、エアバッグを最適方向へ確実に展開膨張させること
ができて、衝突時の衝撃を効果的に吸収することができ
るとともに、衝突回避後に未展開膨張状態のエアバッグ
を元位置へ容易に戻すことができるという効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のエアバッグ装置を備えたステ
アリングホイールの正面図。
【図2】 図1の2−2線における拡大断面図。
【図3】 図2の一部をさらに拡大して示す部分断面
図。
【図4】 図1のエアバッグ装置の回路構成を示すブロ
ック図。
【図5】 第2実施形態のエアバッグ装置を備えたステ
アリングホイールの側面図。
【図6】 第3実施形態のエアバッグ装置を備えたシー
トを示す斜視図。
【図7】 図6のエアバッグ装置を拡大して示す部分破
断正面図。
【図8】 第4実施形態のエアバッグ装置を備えた車両
を示す斜視図。
【図9】 図8の9−9線における部分拡大断面図。
【図10】 第5実施形態のエアバッグ装置を備えた車
両の部分側面図。
【図11】 図10の車両を拡大して示す部分背面図。
【図12】 図11の12−12線における部分拡大断
面図。
【図13】 第6実施形態のエアバッグ装置を示す車両
の部分断面図。
【図14】 第7実施形態のエアバッグ装置を備えた車
両の部分斜視図。
【図15】 図14の15−15線における部分拡大断
面図。
【図16】 第8実施形態のエアバッグ装置を示す車両
の部分断面図。
【図17】 第9実施形態のエアバッグ装置を示す車両
の部分断面図。
【図18】 第10実施形態のエアバッグ装置を示す車
両の部分断面図。
【符号の説明】
21…ステアリングホイール、29…エアバッグ装置、
30…復帰手段としての復帰機構を兼用する移動手段と
しての移動機構、31…エアバッグ、32…展開膨張手
段としてのインフレータ、37…移動用モータ、40…
制御装置、42…回転角度センサ、43…プリクラッシ
ュセンサ、44…衝突センサ、49…ソレノイド、51
…シート、51a…背もたれ部、52…ボディサイド
部、54…インナールーフ、56…ピラー、57…ガー
ニッシュ、60…ロータリソレノイド、61…リヤウイ
ンドウ、63…インストルメントパネル、66…フロン
トガラス、68…フードパネル、74…ソレノイド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗山 雄治 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 山本 直 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 橋本 正一 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 小山 享 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 棚瀬 利則 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 Fターム(参考) 3D054 AA02 AA03 AA04 AA07 AA08 AA13 AA14 AA18 AA21 EE01 EE06 EE09 EE17 EE19 EE20 EE21 EE25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリクラッシュセンサの出力に基づい
    て、展開膨張前のエアバッグを所定位置に移動させる移
    動手段と、 前記移動手段の動作に続いて、エアバッグを所定位置に
    て展開膨張させる展開膨張手段と、 未展開膨張状態のエアバッグを前記所定位置から元位置
    に復帰させることを可能にした復帰手段とを備えたこと
    を特徴とするエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 前記エアバッグは車室内に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 【請求項3】 前記エアバッグはステアリングホイール
    の中央部に装着され、前記移動手段はエアバッグの向き
    を変更させることを特徴とする請求項2に記載のエアバ
    ッグ装置。
  4. 【請求項4】 前記エアバッグはシートの背もたれ部に
    装着され、前記移動手段はエアバッグをボディサイド部
    側に突出させることを特徴とする請求項2に記載のエア
    バッグ装置。
  5. 【請求項5】 前記エアバッグはインナールーフのサイ
    ド部内に収容され、移動手段はエアバッグをピラーのガ
    ーニッシュから離れるように移動させることを特徴とす
    る請求項2に記載のエアバッグ装置。
  6. 【請求項6】 前記エアバッグはインナールーフの後部
    側に配置され、前記移動手段はエアバッグをリヤウイン
    ドウ側に指向させることを特徴とする請求項2に記載の
    エアバッグ装置。
  7. 【請求項7】 前記エアバッグはインストルメントパネ
    ルの下方に配置され、前記移動手段はエアバッグを車両
    内の乗員側に移動させることを特徴とする請求項2に記
    載のエアバッグ装置。
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