JP2003305773A - 既設管のライニング構造 - Google Patents

既設管のライニング構造

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JP2003305773A JP2002110094A JP2002110094A JP2003305773A JP 2003305773 A JP2003305773 A JP 2003305773A JP 2002110094 A JP2002110094 A JP 2002110094A JP 2002110094 A JP2002110094 A JP 2002110094A JP 2003305773 A JP2003305773 A JP 2003305773A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒューム管や陶管等の管を連続させて構成した
管渠をライニングによって補修する際に、漏水を防止す
ると共に地震の影響を最小限にする。 【解決手段】本発明に係る既設管のライニング構造は、
予め設定された複数のマンホールB間の管渠Aの内周面
に未硬化の硬化性樹脂を含むライニング材2を密着させ
て硬化させることで補修するする際に、既設管1のマン
ホールB近傍の内周面に全周にわたって溝4が形成され
ると共に該溝4に弾性を持ったパッキン5が挿入され、
更に、前記パッキン4に接触して硬化したライニング材
2が配置され構成される。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、地中に敷設された
既設管の内周面を補修用ライニング材によって補修する
既設管のライニング構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】地中に多数の管を接続して敷設した例え
ば下水道管路等の管渠は、使用期間の経過に伴う敷設さ
れた管(既設管)の老巧化により、或いは地震や地盤沈
下、重量車両の通行等の影響により、既設管にクラック
等の破損が生じて土砂が本管内に流入したり、漏水が発
生するような虞がある。このため、前記の如き不具合が
生じた管渠を補修することで、更生させることが行なわ
れている。 【0003】管渠の補修方法としては、地面を掘削して
補修すべき管を撤去した後新たな管を敷設する開削方式
や、管渠の構成されたマンホールを利用して管渠のない
しゅう面を補修する非開削方式等各種の工法が採用され
ている。開削方式では全く新たな管渠が構成されるた
め、管渠の径や管材の選択に大きな自由度があるもの
の、交通の障害となるという問題がある。また非開削方
式では既設管の内周面にライニング等による補修を行う
ため、管渠の径が小さくなるという問題があるものの。
交通の障害となることが少ないという利点もある。 【0004】特に、特公平4−56738号公報に開示
された技術は、複数のマンホール間に於ける補修すべき
管渠の内周面をライニングすることによって、非開削方
式で補修するものである。この技術では、一方のマンホ
ールから他方のマンホールに向けてに硬化性樹脂を含有
させたチューブ状の未硬化ライニング材を導入し、この
未硬化ライニング材の内部に所定の圧力に調整されたガ
ス又は液体等の流体を流入させることで未硬化ライニン
グ材を既設管の内周面に密着させ、この状態を保持して
未硬化ライニング材の内部に該未硬化ライニング材を硬
化させるための機構を導入して移動させて硬化性樹脂を
硬化させることで、硬化したライニング材によって管渠
の内周面をライニングするものである。 【0005】上記技術では、硬化したライニング材が極
めて高い強度を発揮するため、管渠を構成するヒューム
管や陶管等の既設管がクラックの発生や他の原因によ
り、充分な強度を保証し得ないような場合であっても、
該既設管の強度に依存することなく採用することが出来
るため有利である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記硬化性樹脂を含有
した未硬化ライニング材は、硬化する際に僅かに収縮す
るという性質を有している。このため、硬化したライニ
ングと既設管の内周面との間に僅かな間隙が形成される
ことがある。そして前記間隙が形成されている場合、ク
ラック等が生じている管渠では、該クラックから地下水
が浸透したり、流通している汚水が地盤に漏洩する等の
問題が生じる虞がある。 【0007】上記問題を解決するために、既設管の内周
面の全周にわたって止水パッキンを取り付けることがあ
るが、この場合、可撓性を持った未硬化ライニング材を
導入してガス又は液体等の流体圧により既設管の内周面
に密着させたとき、該未硬化ライニング材が高い柔軟性
を有するため、止水パッキンに倣って内周面側へのリン
グ状の突起となり必然的にシワが発生し、且つこの状態
で硬化してしまうことになり、汚水の流れに対する抵抗
となったり、せきとなって汚泥をせき止めてしまうとい
う問題が生じている。 【0008】また既に敷設されている一般的な管渠で
は、マンホールの側壁に既設管となるヒューム管を接続
する場合、接続部位にモルタル等を充填することで剛的
に接合されている。このような管渠では、地震発生時に
は、既設管の挙動とマンホールの挙動とが微妙に異な
り、前記接合部位に大きな力が作用して既設管の管端が
破損するという問題が発生している。特に、既設管の内
周面を硬化したライニング材によって補修した場合、既
設管とマンホールとの接合部位に作用する力が硬化した
ライニング材にも作用し、該ライニング材に不都合が生
じるという問題も生じている。 【0009】本発明の目的は、管渠を構成する既設管を
ライニングによって補修する際に、漏水を防止すると共
に地震の影響を最小限にすることが出来るライニング構
造を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る既設管のライニング構造は、予め設定さ
れた複数のマンホール間の既設管の内周面に未硬化の硬
化性樹脂を含む補修用ライニング材を密着させて硬化さ
せることで補修する既設管のライニング構造であって、
既設管のマンホール近傍の内周面に全周にわたって溝が
形成されると共に該溝に弾性を持ったパッキンが挿入さ
れ、更に、前記パッキンに接触して硬化した補修用ライ
ニング材が配置されていることを特徴とするものであ
る。 【0011】上記既設管のライニング構造では、既設管
の内周面に全周にわたって形成した溝に弾性を持ったパ
ッキンが挿入されており、該パッキンと接触して硬化し
た補修用ライニング材(ライニング材)が配置されてい
るので、既設管に発生したクラック等を介して地下水が
浸透した場合であっても、浸透した水が管渠の内部に浸
入することがない。 【0012】特に、パッキンが既設管に形成された溝に
挿入されるため、既設管の内周面からの突出高さを止水
機能を発揮させるのに充分な寸法とすれば良い。従っ
て、未硬化状態で極めて柔軟性に富んだライニング材を
膨張させた場合であっても、膨張したライニング材がパ
ッキンと接触して内周面側に突出することがなく、この
ライニング材が硬化したとき、パッキンと接触した部位
にシワがよったり、リング状に突出したせきとなること
がない。 【0013】更に、溝をマンホールの近傍に於ける既設
管の内周面に形成することによって、既設管とマンホー
ルとの接合部位の近傍で既設管の内周面とライニング材
との密着をパッキンによって遮断することとなり、地震
時或いは交通振動によって、前記接合部位に力が集中し
て作用するような場合であっても、この力が直接硬化し
たライニング材に伝達されることがない。従って、既設
管とライニング材との間に不具合が生じることがない。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る既設管のライ
ニング構造の好ましい実施形態について図を用いて説明
する。図1は本発明に係るライニング構造の実施例を説
明する図である。図2は図1の要部を拡大した図であ
る。図3は既設管の内周面に溝を切削する切削装置の例
を説明する図である。図4は既設管をライニングする際
に既設管の内周面を洗浄する工程を説明する図である。
図5は既設管に未硬化ライニング材を反転挿入する工程
を説明する図である。図6は既設管に挿入したライニン
グ材を硬化する工程を説明する図である。図7は既設管
に未硬化ライニング材を引き込み挿入する工程を説明す
る図である。 【0015】本発明に係る既設管のライニング構造は、
図1,図2に示すように、複数のマンホールBの間に多
数のヒューム管や陶管からなる既設管1を連続させて構
成した管渠Aの内周面をライニング材2によって更生す
るに際し、既設管1とマンホールBの直壁管3との接合
部の近傍に於ける既設管1に溝4を形成して止水用のパ
ッキン5を挿入し、該パッキン5によって既設管1の内
周面とライニング材2との間の隙間をシールすることで
漏水を防止し得るように構成したものである。 【0016】管渠A,マンホールBは地中に敷設された
後、長期間が経過しているのが一般的であり、管渠Aの
端部に配置された既設管1とマンホールBを構成する直
壁管3とは剛接合されている。即ち、マンホールBの直
壁管3の側面所定位置に既設管1の外径よりも大きい径
を持った孔3aが形成されており、この孔3aに既設管
1の管端を差し込んで間隙にモルタルに代表される充填
材6を充填することで、両者は互いに強固に接合されて
いる。従って、管渠AとマンホールBは一体化した構造
となっている。 【0017】本実施例に係るライニング構造では、管渠
Aを更生する際に、該管渠Aに挿入したライニング材2
は該管渠Aの全長にわたって既設管1の内周面に密着す
る。従って、マンホールBの近傍に於けるライニング材
2がパッキン5によって既設管1の中心側に突出させら
れることがなく、該ライニング材2を硬化させたとき、
シワが発生することのない円滑な内周面を形成すること
が可能となり、内部を流通する汚水の流れを阻害するこ
とがない。 【0018】特に、管渠Aを構成する既設管1にクラッ
ク等が発生しており、且つ管渠Aの内周面とライニング
材2との間に隙間が生じているような場合であっても、
管渠Aに於ける両端部分で既設管1とライニング材2と
がパッキン5によって止水されているため、既設管1に
生じたクラックからの漏水が管渠Aの内部に浸入するこ
とがない。 【0019】また、既設管1の内周面にライニングされ
たライニング材2であって、マンホールBの近傍に於け
るライニング材2は、パッキン5の影響によって既設管
1と一体化することがない。このため、例えば地震発生
時に、管渠AとマンホールBとが異なる挙動を起こした
ときに、既設管1と直壁管3との接合部に充填されたモ
ルタルに代表される充填材6を介して大きな力が作用し
たときであっても、この力が直接ライニング材2に悪影
響を与えることがない。 【0020】本発明に於いて、管渠Aを構成する既設管
1としては内周面を切削して溝4を形成し得るものであ
れば良く、ヒューム管,陶管或いは他の管であって良
い。更生が必要となる一般的な管渠Aでは、既設管1
は、予め設定された内径と単位長さを持ったヒューム
管、或いは陶管によって構成されている。 【0021】ライニング材2としては、未硬化の状態で
は高い可撓性を発揮し、且つ硬化したときに充分に高い
強度と剛性を発揮し得るものを用いている。この条件を
満足するものであれば、硬化プロセスや施工方法等を限
定するものではない。 【0022】上記の如きライニング材2として本実施例
では、光硬化性不飽和ポリエステル樹脂を含浸させた樹
脂層をアウターフィルム,インナーフィルムで被覆し、
未硬化状態では高い可撓性を有するスリーブとして形成
され、既設管1の内周面に密着させた後、紫外線を照射
し、或いは加熱することで硬化して、下水道用硬質塩化
ビニル管と同等以上の強度を発揮し得るものを採用して
いる。このようなライニング材2及び施工方法は、イン
パイプ及びインパイプ工法として確立されている。 【0023】マンホールとしては、組立式マンホール
と、現場で型枠を組み立てて生コンクリートを打設して
構成した現場施工のマンホールとがある。本発明では何
れのマンホールでも適用することが可能である。 【0024】本実施例に於いて、マンホールBとして組
立式マンホールを採用しており、直壁管3は円筒状の管
によって構成され、側面に管渠Aを構成する既設管1の
外径よりも大きい径を持った孔3aが形成され、該孔3
aと既設管1の外周面との間にはモルタルに代表される
充填材6が充填され、これにより、管渠Aとマンホール
Bとが強固に一体化し、且つ両者の接合部位である孔3
aからの漏水を防止している。 【0025】管渠Aの端部に配置されマンホールBと直
接接合される既設管1には、マンホールBの近傍にパッ
キン5を挿入する溝4が形成されている。この溝4は、
既設管1の内周面の全周にわたって形成されており、パ
ッキン5を挿入して止水するのに充分な幅と深さを有し
ている。前記寸法は特に限定するものではなく、パッキ
ン5の性状に応じて適宜設定される。 【0026】本実施例では、既設管1の内周面を全周に
わたって、深さが約5mm程度で、幅が約150mm程度の
リング状に切削して溝4を形成している。 【0027】既設管1に溝4を形成するには、図3に示
すように構成された切削装置Cを利用することが可能で
ある。この切削装置Cは、本件出願人が開発して特許権
を取得(特許第2518687号)したものであり、各
マンホールBに設けたウインチによって牽引される機体
11の先端にカッター12が設けられており、所定の切削部
に到達したとき、ジャッキ13を作動させて機体11を既設
管1の内部で固定し、モーター14を駆動してカッター12
を回転させると共に作業ヘッド15を回転させることで、
既設管1の内周面を予め設定された深さで切削すること
が可能である。 【0028】パッキン5は適度な弾性と充分な止水性
と、経時的な劣化の少ないものであれば利用することが
可能である。特に、マンホールBの直壁管3に接合され
た既設管1とライニング材2との間に形成された僅かな
隙間から水が浸透してパッキン5に触れ、或いは既設管
1に形成されたクラック等から浸透した地下水が触れる
ため、該パッキン5として水膨張性の止水パッキンを利
用することが好ましい。 【0029】上記の如く、パッキン5として水膨張性パ
ッキンを利用した場合、既設管1の内周面に密着させた
ライニング材2が充分に硬化した後、パッキン5の膨張
が開始されるため、ライニング材2はパッキン5の膨張
に関わらず、初期硬化した形状を維持することが可能で
ある。このため、パッキン5の膨張に伴ってライニング
材2にシワが生じることがなく、円滑な内周面を維持す
ることが可能である。 【0030】次に、マンホールB,B間に形成された管
渠Aを構成する既設管1の内周面に対し、反転挿入法に
より挿入したライニング材2をライニングして更生する
手順について図4〜図6により簡単に説明する。 【0031】2つのマンホールBの間の管渠Aをライニ
ングによって更生する場合、先ず、図4に示すように、
マンホールB間の管渠Aを洗浄する。このとき、管渠A
の上流側には止水栓21が配置されて上流側のマンホール
Bに対する汚水の流入が遮断される。管渠Aの下流側は
開放した状態を保持し、目的の管渠Aに洗浄水が噴射さ
れたとき、下流側の管渠に流れ込むようにしている。 【0032】地上には、洗浄車22が設置され、該洗浄車
22からマンホールBを通ってホース23が挿入されると共
に該ホース23の先端に取り付けたノズル24から高圧水を
噴射して管渠Aを更生する既設管1の内周面を洗浄す
る。管渠Aの洗浄が終了した後、図示しない管内探査ロ
ボットを用いて管渠Aに於けるクラックの有無や、取付
管の位置及び方向を検出してデータを集積しておく。 【0033】次に、管渠A内に図3に示す切削装置Cを
挿入し、各マンホールBの近傍に於ける既設管1の内周
面を切削して溝4を形成する。前述したように、目的の
溝4の幅に対応させた寸法を持ったカッター12を装着
し、このカッター12がマンホールBの直壁管3の内面
(既設管1の端部)から約500mm〜600mm程度にな
るように位置させた後、モーター14を駆動してカッター
12,カッターヘッド15を回転させることで溝4を切削す
る。既設管1に溝4を形成した後、この溝4にパッキン
5を挿入しておく。 【0034】次いで、図5に示すように、上流側のマン
ホールBにスリーブ挿入装置25を設置すると共に作業車
26を配置し、該作業車26から未硬化状態のライニング材
2を繰り出すと共に、ライニング材2の内部に圧縮空気
又は圧力水等の圧力流体を送ってライニング材2を既設
管1の内周面に密着させつつ、管渠Aの内部に反転挿入
し、該ライニング材2の端部を下流側のマンホールBに
設置した誘導パイプ27に導入させる(図6参照)。 【0035】未硬化状態のライニング材2が上流側のマ
ンホールBから下流側のマンホールBに到達して誘導パ
イプ27に導入したとき、該ライニング材2は高い可撓性
を有するため、圧力流体の作用によって既設管1の内周
面に沿って容易に密着する。 【0036】特に、マンホールBの近傍に設けたパッキ
ン5に対応する部分でも、パッキン5の有無に関わら
ず、ライニング材2は既設管1の内周面及びパッキン5
の内周部分に密着する。 【0037】次いで、図6に示すように、既設管1の内
周面に密着させたライニング材2の内部にライトトレイ
ン(紫外線照射ランプを取り付けた台車を複数台連結し
たもの)28を挿入し、上流側をワイヤ29aを介して作業
車26に設けたウインチに接続すると共に、下流側をワイ
ヤ29bを介してウインチ30に接続し、紫外線照射ランプ
を作動させつつ、ライトトレイン28をライニング材2の
内部で移動させることで、ライニング材2に含浸された
未硬化樹脂が硬化する。 【0038】ライニング材2に含浸された未硬化樹脂の
硬化に伴って、既設管1の内周面に密着しているライニ
ング材2は密着状態を維持して硬化することで、硬質塩
ビ管よりも充分に高い強度を発揮する。 【0039】未硬化樹脂が硬化したとき、ライニング材
2が既設管1の内周面と一体化することが好ましい。し
かし、未硬化樹脂の硬化に伴ってライニング材2が僅か
に収縮することがあり、この収縮によってライニング2
と既設管1の間に極めて小さい隙間が生じることがあ
る。 【0040】即ち、ライニング材2と既設管1とは必ず
しも一体化するものではない。しかし、硬化したライニ
ング材2が硬質塩ビ管と同等以上の強度を有するため、
既設管1の強度が期待し得ないような場合であっても、
ライニング材2が独立して管渠Aとしての強度を発揮す
ることが可能である。 【0041】特に、管渠AとマンホールBとの接合部位
の近傍に於けるパッキン5の配置部位では、ライニング
材2がパッキン5と接触しているため、積極的に隙間が
形成される。即ち、ライニング材2のパッキン5と対向
する部位を中心とした周囲では、該ライニング材2は確
実に既設管1の内周面との間に隙間が形成される。この
ため、ライニング材2と既設管1との間に相対的な移動
の自由度が生じることになる。 【0042】上記の如くして2つのマンホールBの間の
管渠Aの内部に未硬化状態のライニング材2を挿入する
と共に既設管1の内周面に密着させ、この状態を維持し
て紫外線を照射して未硬化樹脂を硬化させ、その後、硬
化したライニング材2を各マンホールBの直壁管3に対
応する部位で切断することで、管渠Aを硬化したライニ
ング材2によって更生することが可能である。 【0043】マンホールBの直壁管3に接合された既設
管1の開口部に於いて、既設管1とライニング材2との
間に僅かな隙間が形成されていても、この隙間はマンホ
ールBの近傍に形成した溝4に挿入したパッキン5によ
って遮断されるため、マンホールBを流通する汚水が前
記隙間に浸入してもパッキン5で遮断することが可能で
あり、且つ管渠Aを構成する何れかの既設管1にクラッ
クが発生している場合に該クラックから地下水が浸透し
ても、該地下水はパッキン5で遮断される。従って、汚
水が地中に漏水することがなく、且つ地下水が管渠Aに
浸透することもない。 【0044】またパッキン5が溝4に収容されるため、
未硬化状態のライニング材2を膨らませたとき、該ライ
ニング材2は既設管1の内周面に密着すると共にパッキ
ン5に密着する。このため、ライニング材2はパッキン
5の存在にも関わらず、内周側に突出することのない面
を形成することが可能となり、この状態で硬化させるこ
とによって、パッキン5に対応する部位でもシワが発生
することのない円滑な内周面を実現することが可能とな
る。従って、内部を流通する汚水や汚物をせき止めるこ
とがない。 【0045】またパッキン5が既設管1に於けるマンホ
ールBの近傍に配置されるため、未硬化状態のライニン
グ材2を膨張させた状態では該ライニング材2を既設管
1の内周面及びパッキン5に密着させることが可能であ
るが、ライニング材2を硬化させたとき、パッキン5の
周囲を含むマンホールB側のライニング材2を既設管1
の内周面に対し少なくとも強固に一体化するがなく、両
者の間には円周方向及び長手方向への相対的な移動の自
由度が発生する。 【0046】このため、地震時のように、管渠Aの挙動
とマンホールBの挙動に違いが生じる場合、この挙動の
違いを上記自由度の範囲内で吸収することが可能とな
る。即ち、マンホールBの直壁管3と既設管1の端部と
の接合部位に作用する力が、直接既設管1とライニング
材2との接合部分に伝達されることがない。従って、直
壁管3と既設管1との接合部位に破損等の障害が発生す
るような場合であっても、既設管1とライニング材2と
の間に破損等が生じることがない。 【0047】前述の実施例では、管渠Aに未硬化状態の
ライニング材2を圧力流体によって膨らませながら反転
挿入すると共に、既設管1の内周面に密着させて硬化さ
せる工法について説明したが、この工法にのみ限定する
ものではなく、ライニング材2を先端部分から引き込む
工法であっても良い。 【0048】この引込工法は、図7に示すように、管渠
Aの内部にスリップシート31を敷き込み、一方のマンホ
ールBに作業車26を配置すると共に他方のマンホールB
にウインチ32を設置し、ライニング2の先端部分にワイ
ヤ33を連結してウインチ32を作動させて引き込むように
したものである。そして管渠Aにライニング材2を引き
込んだ後、ライニング材2の内部に圧力流体を作用さ
せ、ライニング材2を既設管1の内周面に密着させて硬
化させることで、管渠Aを更生することが可能である。 【0049】 【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
既設管のライニング構造では、管渠を構成する既設管の
マンホールとの接合部分の近傍に内周面の全周にわたる
溝を形成すると共に該溝にパッキンを挿入し、このパッ
キンを介してライニング材を配置したので、既設管の内
周面とライニング材との隙間をパッキンによって遮断す
ることが出来る。このため、管渠内を流通する汚水が地
中に漏水することがなく、また地下水がマンホールに浸
透することもない。 【0050】またパッキンが溝に挿入されるため、未硬
化状態で高い可撓性を有するライニング材を膨らませた
とき、このライニング材は既設管の内周面に密着すると
共にパッキンにも密着するものの、該パッキンに影響さ
れて管渠の内周面側に突出することがなく、従って、こ
の突出に伴うシワの発生がない。このため、管渠の内部
を流通する汚水や汚物をせき止めるような不都合が生じ
ることがない。 【0051】更に、パッキンがマンホールの近傍に配置
されるため、ライニング材が硬化したとき、パッキンの
配置位置からマンホール側のライニング材が既設管と一
体化することがなく、両者の間に相対的な移動の自由度
が発生する。このため、地震時のようにマンホールと既
設管との接合部位に大きな力が作用した場合であって
も、この力が直接ライニング材に作用することがなく、
破損等が生じることがない。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るライニング構造の実施例を説明す
る図である。 【図2】図1の要部を拡大した図である。 【図3】既設管の内周面に溝を切削する切削装置の例を
説明する図である。 【図4】既設管をライニングする際に既設管の内周面を
洗浄する工程を説明する図である。 【図5】既設管に未硬化ライニング材を反転挿入する工
程を説明する図である。 【図6】既設管に挿入したライニング材を硬化する工程
を説明する図である。 【図7】既設管に未硬化ライニング材を引き込み挿入す
る工程を説明する図である。 【符号の説明】 A 管渠 B マンホール C 切削装置 1 既設管 2 ライニング材 3 直壁管 3a 孔 4 溝 5 パッキン 6 充填材 11 機体 12 カッター 13 ジャッキ 14 モーター 15 作業ヘッド 21 止水栓 22 洗浄車 23 ホース 24 ノズル 25 スリーブ挿入装置 26 作業車 27 誘導パイプ 28 ライトトレイン 29a,29b ワイヤ 30,32 ウインチ 31 スリップシート 33 ワイヤ
フロントページの続き (71)出願人 000219358 東亜グラウト工業株式会社 東京都江東区木場3―7―11 (74)上記1名の代理人 100066784 弁理士 中川 周吉 (外1名) (72)発明者 近藤 昌司 東京都渋谷区代々木四丁目31番6号 日本 インパイプ株式会社内 Fターム(参考) 3H025 EA01 EB23 EC01 ED02 4F211 AD05 AD12 AG08 AG29 SA13 SC03 SC09 SD04 SD19 SP12

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 予め設定された複数のマンホール間の既
    設管の内周面に未硬化の硬化性樹脂を含む補修用ライニ
    ング材を密着させて硬化させることで補修する既設管の
    ライニング構造であって、既設管のマンホール近傍の内
    周面に全周にわたって溝が形成されると共に該溝に弾性
    を持ったパッキンが挿入され、更に、前記パッキンに接
    触して硬化した補修用ライニング材が配置されているこ
    とを特徴とする既設管のライニング構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015131488A (ja) * 2015-02-16 2015-07-23 有限会社横島 管路修復方法
JP2017193130A (ja) * 2016-04-21 2017-10-26 株式會社北海特車サービス ライニング装置及び既設管路のライニング方法
JP2019077162A (ja) * 2017-10-20 2019-05-23 株式會社北海特車サービス ライニング装置及びライニング方法

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