JP6200671B2 - 既設管部分補修用被覆体 - Google Patents

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Description

本発明は、地中に埋設された既設管の内面を被覆して補修するための部分補修用被覆体に関する。
下水管は長年の使用により劣化し、その耐用年数は一般に約50年とされているため、耐用年数を超えた下水管は年々増加している。老朽化した下水管は変形や亀裂等が生じており、下水の流下機能が低下するだけでなく、下水管周囲の地下水や土砂が下水管内に流入することによって地中に空洞が生じることから地面陥没の原因にもなっている。また、地中に埋設される下水管は地震等の地盤変動による影響を受けやすいこともあり、所定の時期に何らかの補修が必要となるのが現状である。
下水管の補修方法には、人孔間に設置された下水管全体を補修する全体補修(スパン補修)と、特定箇所の亀裂や破損等を部分的に補修する部分補修がある。一般に、全体補修は下水管全体が老朽化し破損箇所が多く、強度も低下している場合に採用され、部分補修は下水管自体の強度は一定の水準にあるものの、部分的に亀裂や破損が生じたり、下水管を構成するヒューム管等の構成単位管同士の接合部における漏水が生じて周囲の地下水や土砂が下水管内に流入している場合に採用される。
下水管を部分補修する方法としては、特許文献1や2に記載のような部分補修用被覆体を使用する方法が知られている。特許文献1の図2に記載の部分補修用被覆体は、下水道本管と取付管との連結部分を部分補修するための被覆体であり、下水道本管内面を被覆する第1筒状部と、取付管内面を被覆する第2筒状部とを有し、第2筒状部が第1筒状部の外周面から外方に突出形成された構成を有している。この補修用被覆体を下水管内の所定の位置に配置した後、下水管及び取付管内に密着させた状態で材料である硬化性樹脂を硬化させることにより部分補修が行われる。
ところが、このような部分補修方法において、樹脂製の補修用被覆体は硬化収縮が生じることから、補修作業後において既設管と補修管との間に僅かな隙間が生じるという問題がある。この隙間は補修対象の既設管の管径が大きくなればなるほど増大するが、このような隙間が存在すると既設管と補修管との間を通って地下水や土砂が管内に流入することとなるため結果として完全な補修効果を得ることは困難である。
一方、特許文献2には下水道本管と取付管との連結部の止水工法が開示されている。この工法に使用する更生用補修材は、筒状部を有するスリーブと、このスリーブの内側に配置される筒状のベースとを有するものであり、スリーブの端部外周上にはその周方向に連続して水膨潤性材で形成された突条部が設けられている。水膨潤性材としては、エーテル系ポリウレタンエラストマーやイソブチレン−無水マレイン酸共重合体等の弾性部材が例示されている。この更生用補修材によれば、更生管の硬化収縮が起こったとしても弾性部材の存在によって隙間の形成が防止され十分な止水機能を確保することができる。
特開平10−225990号公報、図2 特許第3476152号、段落[0017]等
ところで、地中に埋設された既設管は地盤土圧や地盤変動等の影響により変形することが知られている。止水材として上述したような水膨潤性材等の弾性部材を使用して補修を行った後に既設管が変形した場合には、既設管内面と弾性部材を備える筒状部とが離れ、事後的に隙間が生じるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、既設管が変形した場合であっても既設管内面と筒状部との間における隙間の形成を防止して止水性を維持することのできる部分補修用被覆体を提供することにある。
上記目的を解決するため請求項1に係る部分補修用被覆体は、
地中に埋設された既設管の補修対象箇所を内面から被覆するための未硬化状態の硬化性樹脂製の筒状部を有する部分補修用被覆体において、前記筒状部の各縁部の外周面をその全周に亘って覆い、且つ前記被覆された状態において前記既設管と前記筒状部との間に圧縮された状態で介在する弾性部材を備え、該弾性部材は独立気泡発泡体、繊維材、連続気泡発泡体、水膨潤性繊維材、又は水膨潤性の発泡体であり、前記筒状部の各縁部の間には、前記弾性部材が前記筒状部の外周面の全周に亘って存在しない領域を有することを特徴とする。
この構成によれば、部分補修用被覆体の設置状態において、弾性部材を既設管と筒状部との間に介在するように設けていることから、筒状部を硬化させる作業において筒状部が硬化収縮したとしても、既設管と筒状部との間が圧縮状態の弾性部材で満たされた状態となり、設置段階における既設管と筒状部との間の隙間の形成が防止される。
また、上記弾性部材は空隙構造を有しているために圧縮性が高く、その分復元力も大きいため、部分補修用被覆体の設置後において既設管に変形が生じ、筒状部と既設管内面が離れる状況が生じたとしても、その間の空間は復元した弾性部材によって満たされるので、既設管の変形に起因する隙間の形成を防止することができる。更に、弾性部材の空隙構造が透水性を有する構造であったとしても、既設管外から流入する土砂粒子等によりその空隙構造は閉塞して止水性が生じることから、既設管外から地下水や土砂粒子が流入することを阻止することができる。
請求項2に記載の部分補修用被覆体は、前記弾性部材は独立気泡発泡体であることを特徴とする。水を透過しない独立気泡発泡体を弾性部材として使用することにより、容易に止水性を確保することが可能となる。
請求項3に記載の部分補修用被覆体は、前記独立気泡発泡体の外側に水膨潤性ゴム層が設けられたことを特徴とする。水膨潤性ゴム層を設けることにより、老朽化した既設管の内周面に凹凸形状が生じている場合であっても、水膨潤性ゴムがその凹凸形状に追従し、更に既設管内に存在する水と反応することにより膨潤するので、筒状部と既設管との間に隙間が生じることを更に効果的に防止することができる。
請求項4に記載の部分補修用被覆体は、前記弾性部材は繊維材又は連続気泡発泡体であることを特徴とする。一般に圧縮性及び復元力の高い繊維材又連続気泡発泡体を弾性部材として使用することにより、既設管と筒状部との間の隙間の形成を確実に防止できる部分補修用被覆体を容易に構築できる。また、設置後において既設管外から流入する土砂粒子等が繊維材又は連続気泡発泡体に侵入することにより空隙構造が閉塞することから止水性も問題なく確保することができる。
請求項5に記載の部分補修用被覆体は、前記弾性部材は水膨潤性材料から形成されていることを特徴とする。この構成によれば、部分補修用被覆体の設置後において補修対象箇所等を介して流入する地下水により弾性部材を形成する水膨潤性材が膨張して空隙構造が閉塞されるので、止水性を確保できると共に、その膨張によって弾性部材の復元力が増大するので隙間の形成防止効果が更に向上する。
請求項6に記載の部分補修用被覆体は、前記弾性部材の外表層が、有機又は無機粒子を含むことを特徴とする。この構成によれば、圧縮された状態の弾性部材は、これに含まれる有機又は無機粒子によって空隙構造が閉塞された状態となることから、設置後において既設管外から土砂粒子が流入するのを待たずとも設置当初から止水性が確保されているものとなる。
請求項7に記載の部分補修用被覆体は、前記粒子は、水硬化性粒子であることを特徴とする。この構成によれば、部分補修用被覆体の設置後、既設管の亀裂等から流入する地下水が水により硬化する水硬化粒子と接触し、硬化材は硬化する。ここで、水硬化性粒子は弾性部材の外表層に含まれているので、既設管内面と接した状態で硬化することとなる。
そうすると、既設管と弾性部材を備える部分補修用被覆体とは強固に一体化するので、管としての強度、すなわち地盤土圧等に対する反発力を高めることができる。更に、外表層に含まれる水硬化性粒子が硬化することにより弾性部材の透水性はなくなるので、既設管外からの土砂粒子の流入を待たずとも止水性を確保することが可能となる。
請求項8に記載の部分補修用被覆体は、前記弾性部材の外側に止水膜が設けられたことを特徴とする。この構成によれば、既設管内に流入する土砂粒子によって弾性部材の空隙構造が閉塞するのを待つことなく、設置当初から止水性を有する補修構造を得ることができる。
請求項9に記載の部分補修用被覆体は、前記弾性部材の外側に又は前記止水膜が設けられている場合にはその更に外側に、水膨潤性ゴム層が設けられたことを特徴とする。この構成によれば、請求項3と同様に、老朽化した既設管の内周面に凹凸形状が生じている場合であっても、水膨潤性ゴムがその凹凸形状に追従し、更に既設管内に存在する水と反応することにより膨潤するので、筒状部と既設管との間に隙間が生じることを更に効果的に防止することができる。
本発明によれば、亀裂や破損が生じているような既設管の部分補修において、上記部分補修用被覆体を使用することにより、設置後において既設管が変形したとしても十分な止水性を確保することができる万全な補修構造を得ることができる。そして、この補修構造によれば、地中における空洞の形成及びこれに伴う地面陥没を未然に防止することが可能となる。
本発明の部分補修用被覆体の実施の形態の一例を示す斜視図である。 部分補修用被覆体を設置するために使用する補修装置の断面図である。 補修装置を使用して部分補修用被覆体を設置する際の説明図である。 部分補修用被覆体の硬化前(A)、硬化後(B)及び下水道本管の変形後(C)の状態を示す部分拡大図である。 設置後の補修構造(a)及び下水道本管変形後の補修構造(b)を示す断面図である。 本発明の部分補修用被覆体の他の実施の形態を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は本発明の部分補修用被覆体の実施の形態の一例を示す斜視図である。本実施の形態では、補修対象箇所として下水道本管と取付管との連結部分を例にとり、この箇所を補修するための部分補修用被覆体を説明する。
図示されているように、本実施の形態の部分補修用被覆体10は、第1筒状部12と、第1筒状部12の外周面12aから外方に突出する第2筒状部14とを有している。第1筒状部12は下水道本管内面を被覆する部位に相当し、第2筒状部14は取付管内面を被覆する部位に相当するものである。
第1筒状部12の外周面12aの両端の縁部には、弾性部材16がその外周面12aをその全周に亘って覆うように周方向に連続してそれぞれ設けられている。弾性部材16は微細な空隙構造を有する弾性部材であり、設置状態において既設管と筒状部12、14との間に圧縮された状態で介在する。
このような弾性部材16としては、独立気泡発泡体、繊維材、連続気泡発泡体等を使用することができる。独立気泡発泡体及び連続気泡発泡体としてはウレタンフォーム等を使用することができ、繊維材としてはポリエステル製等の不織布等を使用することができる。
弾性部材16として独立気泡発泡体を使用した場合には、止水性を容易に確保することができる。弾性部材16として繊維材や連続気泡発泡体を使用した場合には、設置直後においては止水性は得られないものの、既設管外から流入する土砂粒子等がその空隙構造に侵入することにより、空隙構造の一部又は全部が閉塞され、事後的に止水性を確保することができる。
弾性部材16は水を吸収して膨張する水膨潤性材料から形成されていることが好ましく、水膨潤性繊維材や水膨潤性の発泡体を特に好ましく使用することができる。水膨潤性材料としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等の水膨潤性ポリマーを使用することができる。水膨張性材から形成された弾性部材を使用することにより、既設管内に存在する水と反応して弾性部材の空隙構造が閉塞されるので、容易に止水性が確保される。
図示していないが、弾性部材16の外側、すなわち既設管に接する面には、水膨潤性ゴム層が設けられていることが好ましい。水膨潤性ゴム層を設けることにより、老朽化した既設管の内周面に凹凸形状が生じている場合であっても、液状の水膨潤性ゴムがその凹凸形状に追従し、更に既設管内に存在する水と反応することにより膨潤するので、筒状部12、14と既設管との間に隙間が生じるのを更に効果的に防止することができる。
水膨潤性ゴムとしては、エーテル系ポリウレタンエラストマー、イソブチルレン−無水マレイン酸等の吸水性樹脂、またはこれら吸水性樹脂とクロロプレンゴム、天然ゴム等の混合物を使用することができる。
弾性部材16の厚さは、補修対象の既設管の管径によっても異なるが、想定される既設管の変形度合い等に応じて適宜設定することができる。具体的には、想定される隙間の最大幅より厚ければよく、例えば、非圧縮状態で3〜10mmであり、圧縮状態で1〜3mmである。
本実施の形態において弾性部材16は部分補修用被覆体10の第1筒状部12の外周面12aの縁部にそれぞれ設けられ、更に第2筒状部14の外周面に設けられている。しかしながら、第1筒状部12及び第2筒状部14の外周面の全てが弾性部材16で覆われていてもよい。第2筒状部14の軸方向の長さは図示したよりも長くてもよく、その場合には第2筒状部14の少なくとも縁部に弾性部材が設けられる。
部分補修用被覆体10を構成する硬化性樹脂製の部材としては従来から用いられているものが使用できる。例えば、ガラス繊維等の基材に光硬化性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物を含浸させ、必要に応じてその内面又は両面に保護フィルムを積層したものを使用することができる。光硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物は従来から使用されているものでよい。
上記保護フィルムが樹脂組成物を含浸した基材の外面に設けられている場合には、弾性部材16は、例えば接着剤で貼り付けることにより各筒状部12、14の外周面に設けることができる。一方、保護フィルムが樹脂組成物を含浸した基材の内面にのみ設けられ、外面には設けられていない場合には、弾性部材16の内部に樹脂組成物が浸透しないように、弾性部材16の内側にポリエチレンフィルム等の介在フィルムを設け、そのフィルムの内側面に接着剤を塗布し、各筒状部12、14に貼付することにより弾性部材16を設けることができる。
本発明に係る部分補修用被覆体を使用して既設管を補修するには従来の手法と同様の手法で行うことができる。例えば、図2で示す補修装置60を使用して部分補修用被覆体を下水管内における所定の位置に設置することができる。
この補修装置60は、半径方向に膨張・収縮可能なゴム材よりなる下水道本管用筒状部62と、下水道本管用筒状部62の軸方向中間部で下水道本管用筒状部の半径方向外方にT字状またはト字状に突出した形状とされている膨張・収縮可能なゴム材よりなる取付管用筒状部64とを主体として構成されるものであり、下水道本管用筒状部62はその両端にて一対の側蓋66にて密閉され、下水道本管用筒状部62及び取付管用筒状部の内部に圧縮空気を出入り自在に送る流体導入管68が設けられ、更に補修装置60自体を移動可能とする走行手段69とを有している。
下水道本管用筒状部62は、上記部分補修用被覆体10の第1筒状部12をその外周部に巻きつけた状態に保持し、取付管用筒状部64は第2筒状部14をその外周部に巻きつけた状態に保持する構成となっている。
既設管内面を部分補修用被覆体10で被覆する作業について図3により説明すると、先ず部分補修用被覆体10を上記のように保持した補修装置60を下水道本管72の端部からワイヤー(図示せず)による牽引にて引き入れ、所定の補修箇所まで移動させる。この時点では、下水道本管用筒状部62及び取付管用筒状部64は共に圧縮空気を送られていない状態にあり、特に下水道本管用筒状部62は半径方向に座屈した状態にあるので、取付管用筒状部64に遊嵌されている第2筒状部14は下水道本管72の内径の範囲内に後退しており、部分補修用被覆体10を被装した補修装置60は支障なく下水道本管72内を走行することができる。
補修箇所に到達後、取付管用筒状部64の軸線を取付管74の軸線に整合させ、次いで下水道本管用筒状部62及び取付管用筒状部64の内部に流体導入管68を介して圧縮空気を内部気圧が例えば0.3〜1MPaとなるように供給し、これらを膨張させて、第1筒状部12及び第2筒状部14をそれぞれ下水道本管72及び取付管74の内面に圧着する。圧着すると第1筒状部12及び第2筒状部14の弾性部材16が設けられていない部分の外周面は下水道本管72及び取付管74の内周面と密着状態となり、弾性部材16は圧縮状態となる。次いで、補修装置60内部に設けられた光照射手段又は加熱手段(図示せず)で光照射又は加熱することにより、第1筒状部12及び第2筒状部14の樹脂組成物を硬化させる。この硬化により第1筒状部12及び第2筒状部14は最大に拡径した状態から若干の収縮が生じるが、弾性部材16が上記圧縮状態から復元することにより硬化段階における隙間の形成は防止される。その後、光照射又は加熱を終了し、第1筒状部12及び第2筒状部14を自然冷却又は冷風を送る等して冷却した後、下水道本管用筒状部62及び取付管用筒状部64内部の圧縮空気を放出し、補修装置60を撤去する。これにより、下水道本管72及び取付管74の接続部近傍の内面領域が硬化した部分補修用被覆体10で被覆される。なお、上記補修装置60の光照射手段はその内部に光照射ランプを設置することで構成でき、上記加熱手段としては、下水道本管用筒状部62及び取付管用筒状部64を膨張させるための流体として蒸気を使用したり、加熱用赤外線ランプ等を補修装置60の内部に設置する等して構成することができる。
以上の方法により形成された部分補修構造は、弾性部材16を下水道本管72及び取付管74と各筒状部12、24との間に介在するように設けていることから、硬化作業時において各筒状部12、14が硬化収縮したとしても、弾性部材16の復元力によって下水道本管72及び取付管74と部分補修用被覆体10との間が弾性部材16で満たされた状態となるので、隙間の形成を防止することができる。すなわち、部分補修用被覆体の硬化前の状態である図4(A)及び硬化作業後の状態である図4(B)に示しているように、既設管72と筒状部12の間に介在する弾性部材16は、硬化作業前においては圧縮される前の状態にあり、硬化作業後において圧縮状態となって存在するため、部分補修用被覆体の設置段階における段階における隙間の形成は生じない(硬化作業後の断面図である図5(a)参照。)。この状態では、筒状部12の硬化収縮によって弾性部材16は若干復元するものの依然として圧縮状態にある。
そして、この弾性部材16は空隙構造を有しているために圧縮性が高く、その分復元力も大きいため、部分補修用被覆体10の設置後において下水道本管72に変形が生じ、筒状部12、14と下水道本管72や取付管74の内面が離れる状況が生じたとしても、その間の空間は復元した弾性部材16によって満たされるので、既設管の変形に起因する隙間の形成を防止することができる。すなわち、既設管変形後の部分詳細図である図4(C)に示されているように、変形前の状態である図4(B)と比較して、下水道本管72と筒状部12との間が開いたとしてもその空間は圧縮状態から復元した弾性部材16で満たされた状態となる(下水道本管72変形後の断面図である図5(b)参照。図5(b)では既設管の変形に起因して亀裂19が生じている)。
したがって、下水道本管72や取付管74に変形が生じた場合であっても、下水道本管72及び取付管74と筒状部12、14との間に隙間が形成せず、また上述したように止水性も確保されるので、長期に亘って補修効果を維持することができる。
本発明の部分補修用被覆体において、図1に示した弾性部材16の外表層には有機又は無機粒子が含まれていてもよい。既設管の補修対象箇所に部分補修用被覆体を設置する前に、予め弾性部材16に粒子を含ませることにより、設置後に土砂粒子が侵入して空隙構造が閉塞するのを待たずとも設置当初から止水性を確保することができ、補修の万全を期すことができる。
有機又は無機粒子としては、弾性部材16の圧縮状態における空隙構造を閉塞することができればどのようなものでもよい。無機粒子としては、土砂粒子、粘土粒子、ベントナイト等を使用することができる。有機粒子としては、ポリマー粒子や穀粉を使用することができる。
有機又は無機粒子の大きさは弾性部材16の圧縮状態における空隙構造を閉塞できればよく、例えば平均粒子径が1〜1000μm、好ましくは20〜200μmである。本発明において、平均粒子径は、レーザー回折散乱法より求められるものである。
粒子を弾性部材16の外表層に含ませる方法としては、粒子を噴霧等により弾性部材16の表面に吹き付け、その空隙構造に粒子を侵入させる方法を採ることができる。
上記粒子は、セメント等の水硬化性粒子であることが好ましい。既設管の補修には、地下水や土砂の流入の防止効果だけでなく、埋設管としての強度を確保する必要性もある。部分補修用被覆体10の硬化作業後、外表層に含まれる水硬化性粒子が既設管の亀裂から流入する地下水によって硬化することにより既設管と部分補修用被覆体との密着度が増して既設管と部分補修用被覆体が一体化する。両者が一体化すると管としての強度が向上し、更に、止水性もより高くなるので、万全な補修効果を得ることが可能となる。
また、本発明の部分補修用被覆体において、図1で示した弾性部材16の外側には止水膜が積層されていてもよい。これにより、設置後において土砂粒子が侵入して弾性部材16の空隙構造が目詰りするのを待たずとも設置当初から止水性を確保することができる。
既設管と止水膜との間に隙間が生じないよう、老朽化した既設管内面の凹凸形状に追従させるため、止水膜としては、ポリエチレンフィルムやPETフィルム等の柔軟性が高い薄膜フィルムを使用することが好ましく、その厚さは0.005〜0.1mmが好ましい。なお、止水膜を設けた場合に上述した水膨潤性ゴム層を設ける場合には、止水膜の更に外側に水膨潤性ゴム層を設ける。
本発明は上述した下水道本管と取付管との接続部を部分的に補修する部分補修用被覆体のみならず、他の部分を部分的に補修する部分補修用被覆体であってもよい。図6は、下水道本管内の直管部を部分補修するための部分補修用被覆体を示す斜視図である。
図1で示した部分補修用被覆体の第2筒状部がないこと以外は同様の構成である。すなわち、図6に示す部分補修用被覆体30は、筒状の部分補修用被覆体であり、その軸方向両端の外周面の縁部に弾性部材が設けられた構成を有している。このような部分補修用被覆体30を下水道本管内の所定箇所に設置するには、上述した方法と同様の方法を採用することができ、例えば、図2に示した補修装置60の取付管用筒状部64が設けられていないタイプのものを使用することができる。
下水管においては、下水道本管と取付管との接続部だけでなく、これ以外の下水道本管の直管部や、下水道本管を構成するヒューム管等の管状ピースの連結箇所(継ぎ目)においても亀裂や隙間が発生しやすく、このような場合には図6に例示した部分補修用被覆体を好適に使用することができる。
なお、本発明は上記各実施の形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
10 部分補修用被覆体
12 第1筒状部
14 第2筒状部
16 弾性部材
19 亀裂
30 部分補修用被覆体
60 補修装置
62 下水道本管用筒状部
64 取付管用筒状部
66 側蓋
68 流体導入管
69 走行手段
72 下水道本管
74 取付管

Claims (11)

  1. 地中に埋設された既設管の補修対象箇所を内面から被覆するための未硬化状態の硬化性樹脂製の筒状部を有する部分補修用被覆体において、
    前記筒状部の各縁部の外周面をその全周に亘って覆い、且つ前記被覆された状態において前記既設管と前記筒状部との間に圧縮された状態で介在する弾性部材を備え、
    該弾性部材は独立気泡発泡体、繊維材、連続気泡発泡体、水膨潤性繊維材、又は水膨潤性の発泡体であり、
    前記筒状部の各縁部の間には、前記弾性部材が前記筒状部の外周面の全周に亘って存在しない領域を有することを特徴とする部分補修用被覆体。
  2. 前記弾性部材は独立気泡発泡体であることを特徴とする請求項1に記載の部分補修用被覆体。
  3. 前記独立気泡発泡体の外側に水膨潤性ゴム層が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の部分補修用被覆体。
  4. 前記弾性部材は繊維材又は連続気泡発泡体であることを特徴とする請求項1に記載の部分補修用被覆体。
  5. 前記弾性部材は水膨潤性材料から形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の部分補修用被覆体。
  6. 前記弾性部材の外表層が、有機又は無機粒子を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の部分補修用被覆体。
  7. 前記粒子は、水硬化性粒子であることを特徴とする請求項6に記載の部分補修用被覆体。
  8. 前記弾性部材の外側に止水膜が設けられたことを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の部分補修用被覆体。
  9. 前記弾性部材の外側に、水膨潤性ゴム層が設けられたことを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の部分補修用被覆体。
  10. 前記止水膜の外側に水膨潤性ゴム層が設けられたことを特徴とする請求項8に記載の部分補修用被覆体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の部分補修用被覆体を前記弾性部材が圧縮される前の状態で、前記既設管内の補修対象箇所に配置する工程、
    前記筒状部を前記既設管の内面に圧着することにより前記弾性部材を圧縮する工程、
    前記弾性部材が圧縮された状態で、前記筒状部の硬化性樹脂を硬化させる工程、
    を含む既設管部分補修方法。
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