JP2003305627A - 数値制御装置における被加工物中心位置検出方法および数値制御装置 - Google Patents

数値制御装置における被加工物中心位置検出方法および数値制御装置

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JP2003305627A
JP2003305627A JP2003102833A JP2003102833A JP2003305627A JP 2003305627 A JP2003305627 A JP 2003305627A JP 2003102833 A JP2003102833 A JP 2003102833A JP 2003102833 A JP2003102833 A JP 2003102833A JP 2003305627 A JP2003305627 A JP 2003305627A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加工物の中心位置検出を特別なセンサ、計
測装置や、特別なハードウェア構成を数値制御装置に付
加することなく簡便に行うこと。 【解決手段】 工具の先端が被加工物の外周面に衝突す
る時の主軸モータの負荷電流の増減変化の極性より被加
工物の中心軸線に対する工具保有軸のオフセット方向を
検出し、オフセット量が低減する方向へ工具保有軸を移
動させて衝突時の主軸モータ負荷電流の増減変化の極性
より工具保有軸のオフセット方向の検出を繰り返し、主
軸モータ負荷電流の増減変化の極性が反転する位置より
被加工物の中心位置を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、数値制御装置に
おける被加工物中心位置検出方法および数値制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図35は数値制御装置の従来例を示して
いる。この数値制御装置1は、加工プログラム解析処理
部10と、加工プログラムを格納するメモリ20と、パ
ラメータ設定部21と、画面表示処理部22と、補間処
理部30と、機械制御信号処理部50と、シーケンス回
路をなすラダー回路部55と、各可動軸毎に設けられた
軸制御部60と、軸移動量入出力回路70とを有してい
る。
【0003】軸移動量入出力回路70には各系統の可動
軸のサーボ制御部80が接続され、また各サーボ制御部
80には各可動軸のサーボモータ90が接続されてい
る。なお、図には示されていないが、サーボモータ90
は位置検出用のパルスゼネレータ付きのものであり、サ
ーボ制御部80はパルスゼネレータよりの位置フィード
バック信号による位置ループを有する。
【0004】この数値制御装置1では、テープリーダ等
から読み込まれた加工プログラムはメモリ20に格納さ
れる。加工プログラムを実行する際には、メモリ20か
ら1ブロックずつ加工プログラムを読み出し、加工プロ
グラム解析処理部10によって加工プログラムを解析処
理し、各ブロックの終点位置等を算出する。この終点位
置を補間処理部30の補間処理手段31によって処理
し、終点位置を各可動軸の単位時間当たりの移動指令に
分配する。
【0005】この移動指令は、軸制御部60による加減
速処理によって予め指定された加減速パターンに従って
加減速を考慮した単位時間当たりの移動指令に変換さ
れ、軸移動量入出力回路70よりサーボ制御部80へサ
ーボ移動指令として出力される。
【0006】このサーボ移動指令によりサーボ制御部8
0は図示されていない工作機械に取り付けられているサ
ーボモータ90に対して回転指令を与える。
【0007】また、切削油のオン・オフ等の機械信号は
機械制御を記述するラダー回路部55を介して機械制御
信号処理部50で処理され、処理結果などは補間処理部
30に伝えられる。
【0008】図示していないキー入力手段によって設定
された各可動軸の加減速時定数等はパラメータ設定部2
1が処理してメモリ20に格納される。このようにして
格納されたパラメータ等は画面表示処理部22によって
図示していない表示器に表示されるので、パラメータ等
の内容を確認することができる。
【0009】工具長補正を自動的に行うために、工具T
の先端が突当てられたことを検出する圧電素子などによ
るセンサ100(図36参照)が設けられており、数値
制御装置1には、センサ100の信号を取り込みセンサ
信号入力回路101と、センサ信号の入力処理を行うセ
ンサ入力処理部102とが設けられている。
【0010】また、加工プログラム解析部10には加工
プログラム解析手段11に加えて工具長補正指令解析手
段12が、補間処理部30には補正量算出手段32が、
軸制御部60には移動量キャンセル手段61と、軸移動
量入出力回路70を介してサーボ制御部80より座標位
置情報を取り込む位置検出手段62とが設けられてい
る。
【0011】なお、ここでは、工具Tの工具長方向はX
軸方向であるとする。このことにより移動量キャンセル
手段61と位置検出手段62はX軸の軸制御部60に設
けられる。
【0012】この数値制御装置1では、加工プログラム
解析手段11が一つのプログラム指令である工具長補正
指令を解析すると、工具保有軸(X軸)が図36に示さ
れているような測定開始位置に移動し、工具保有軸がセ
ンサ100へ向けてX軸移動する。
【0013】工具保有軸に装備されている工具Tの先端
がセンサ100に衝突すると、そのことがセンサ100
のセンサ信号により検知され、移動量キャンセル手段6
1が直ちにX軸移動を停止させて残りのX軸移動指令を
キャンセルし、補正量算出手段32が、位置検出手段6
2により検出される軸停止時、換言すれば工具長測定点
でのX軸座標値Xaと測定開始位置のX軸座標値Xoと
の差により工具長補正量を算出し、この工具長補正量に
よって工具長を自動補正することが行われる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の数値制御装置に
おける工具長補正では、工具長測定のために専用のセン
サを使用している、すなわち、工具長補正のための工具
長測定のためだけにセンサが必要であり、また軸制御の
ための通常のハードウェア構成とは別に、センサ信号を
取り込むためのセンサ信号入力回路やセンサ入力処理部
を構成する特別なハードウェア構成を数値制御装置に付
加しなければならないと云う問題点がある。
【0015】旋盤などにおいて、円形横断面の棒状の被
加工物(以下、ワークと云うことがある)を主軸によっ
て自身の中心軸線周りに回転させてバイト工具などによ
り旋削する場合には、バイト工具の刃先位置とワークの
中心位置とが合致している必要があるが、従来の数値制
御装置では、ワークの中心位置を特別な計測装置を使用
せずに自動的に検出することができないため、バイト工
具の刃先位置をワークの中心位置に合致させることを自
動化できないと云う問題点がある。
【0016】また従来の数値制御装置では、画像処理手
段などを含む特別な計測装置を使用しなけば、工具の摩
耗度合いを検出することができないため、オペレータが
工具の交換時期を把握するには、相当の経験を要すると
云う問題点があった。
【0017】この発明は、上述の如き問題点に着目して
なされたものであり、特別なセンサ、計測装置や、特別
なハードウェア構成を数値制御装置に付加することなく
被加工物の中心位置を検出し得る数値制御装置における
被加工物中心位置検出方法および数値制御装置を得るこ
とを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明に係る数値制御装置における被加工物中
心位置検出方法は、円形横断面の棒状の被加工物を回転
させる主軸モータをサーボロックさせた状態で主軸モー
タの負荷電流を検出し、工具保有軸を軸移動させて当該
工具保有軸に装着されている工具の先端を前記被加工物
の外周面に衝突させ、この衝突時の前記主軸モータの負
荷電流の増減変化の極性より前記被加工物の中心軸線に
対する前記工具保有軸のオフセット方向を検出し、オフ
セット量が低減する方向へ前記工具保有軸を移動させて
衝突時の主軸モータ負荷電流の増減変化の極性より前記
工具保有軸のオフセット方向の検出を繰り返し、主軸モ
ータ負荷電流の増減変化の極性が反転する位置より前記
被加工物の中心位置を検出するものである。
【0019】この発明に係る数値制御装置における被加
工物中心位置検出方法では、工具の先端が被加工物の外
周面に衝突する時の主軸モータの負荷電流の増減変化の
極性より被加工物の中心軸線に対する前記工具保有軸の
オフセット方向を検出し、オフセット量が低減する方向
へ工具保有軸を移動させて衝突時の主軸モータ負荷電流
の増減変化の極性より工具保有軸のオフセット方向の検
出を繰り返し、主軸モータ負荷電流の増減変化の極性が
反転する位置より前記被加工物の中心位置を検出する。
【0020】つぎの発明に係る数値制御装置における被
加工物中心位置検出方法は、円形横断面の棒状の被加工
物に対して工具保有軸を径方向に移動させ、当該工具保
有軸に装着されている工具の側面が前記被加工物の外周
面に衝突したことを前記工具保有軸のモータ負荷電流の
変化より検出し、この衝突時の前記工具保有軸の径方向
の座標値より前記被加工物の中心位置を算出するもので
ある。
【0021】この発明に係る数値制御装置における被加
工物中心位置検出方法では、工具の側面が前記被加工物
の外周面に衝突したことを工具保有軸のモータ負荷電流
の変化より検出し、この衝突時の工具保有軸の径方向の
座標値より被加工物の中心位置を算出する。
【0022】つぎの発明に係る数値制御装置は、ワーク
中心を決定するワーク中心決定指令を解析するワーク中
心決定指令解析手段と、前記ワーク中心決定指令により
円形横断面の棒状の被加工物を回転させる主軸モータを
サーボロックさせた状態で主軸モータの負荷電流を検出
し、工具保有軸を軸移動させて当該工具保有軸に装着さ
れている工具の先端を前記被加工物の外周面に衝突さ
せ、この衝突時の前記主軸モータの負荷電流の増減変化
の極性より前記被加工物の中心軸線に対する前記工具保
有軸のオフセット方向を検出し、オフセット量が低減す
る方向へ前記工具保有軸を移動させて衝突時の主軸モー
タ負荷電流の増減変化の極性より前記工具保有軸のオフ
セット方向の検出を繰り返し、主軸モータ負荷電流の増
減変化の極性が反転する位置より前記被加工物の中心位
置を検出するワーク中心決定手段とを有しているもので
ある。
【0023】この発明に係る数値制御装置では、ワーク
中心決定指令解析手段がワーク中心決定指令を解析し、
ワーク中心決定手段が、被加工物を回転させる主軸モー
タをサーボロックさせた状態で、工具の先端が被加工物
の外周面に衝突した時の主軸モータの負荷電流の増減変
化の極性より被加工物の中心軸線に対する工具保有軸の
オフセット方向を検出し、オフセット量が低減する方向
へ前記工具保有軸を移動させて衝突時の主軸モータ負荷
電流の増減変化の極性より前記工具保有軸のオフセット
方向の検出を繰り返し、主軸モータ負荷電流の増減変化
の極性が反転する位置より前記被加工物の中心位置を検
出する。
【0024】つぎの発明に係る数値制御装置は、ワーク
中心を算出するワーク中心算出指令を解析するワーク中
心算出指令解析手段と、前記ワーク中心算出指令により
円形横断面の棒状の被加工物に対して工具保有軸を径方
向に移動させ、当該工具保有軸に装着されている工具の
側面が前記被加工物に衝突したことを前記工具保有軸の
モータ負荷電流の変化より検出し、この衝突時の前記工
具保有軸の径方向の座標値より前記被加工物の中心位置
を算出するワーク中心算出手段とを有しているものであ
る。
【0025】この発明に係る数値制御装置では、ワーク
中心算出指令解析手段がワーク中心算出指令を解析し、
ワーク中心算出手段が、被加工物に対して工具保有軸を
径方向に移動させて工具の側面が前記被加工物に衝突し
たことを工具保有軸のモータ負荷電流の変化より検出
し、この衝突時の工具保有軸の径方向の座標値より被加
工物の中心位置を算出する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に説明す
るこの発明の実施の形態において上述の従来例と同一構
成の部分は、上述の従来例に付した符号と同一の符号を
付してその説明を省略する。
【0027】(実施の形態1)図1はこの発明に係る数
値制御装置の実施の形態1を示している。
【0028】この数値制御装置1における工具保有軸は
X軸であり、X軸と同一方向に軸移動可能に衝突面板2
00(図2参照)が設けられている。衝突面板200
は、金属板などにより構成され、X軸と直交して工具保
有軸の工具Tと対向する平面201を有している。な
お、ここでは、衝突面板200の可動軸をW軸とする。
【0029】この数値制御装置1は、加工プログラム解
析部10に、加工プログラム解析手段11に加えて、工
具保有軸(X軸)を全ストローク或いは所定ストローク
だけ軸移動させて工具保有軸のモータ負荷電流をサンプ
リングするサンプリングモード指令を解析するサンプリ
ングモード指令解析手段13と、所定の測定開始座標位
置から工具保有軸を軸移動させる工具長測定指令を解析
する工具長測定指令解析手段14とを有している。
【0030】補間処理部30は、補間処理手段31に加
えて、補正量算出手段32と、サンプリング電流解析手
段33と、衝突面板軸移動補間処理手段34とを有して
いる。
【0031】X軸用の軸制御部60は、移動量キャンセ
ル手段61と、位置検出手段62と、サーボ電流値入力
手段63と、電流値サンプリング手段64と、衝突検出
手段65とを有している。
【0032】数値制御装置1にはX軸用のサーボモータ
90の負荷電流(以下、サーボ電流値と云うことがあ
る)を入力するサーボ電流値入力回路71が設けられて
おり、サーボ電流値入力回路71によって入力されたサ
ーボ電流値はX軸用軸制御部60のサーボ電流値入力手
段63を介して電流値サンプリング手段64と衝突検出
手段65とに与えられる。
【0033】電流値サンプリング手段64は、サンプリ
ングモード指令解析手段13によるサンプリングモード
指令の解析により動作し、全ストローク或いは所定スト
ロークに亙る工具保有軸のX軸移動においてサンプリン
グされたモータ電流値をメモリ20に書き込む。
【0034】サンプリング電流解析手段33は、サンプ
リングモード指令によって全ストローク或いは所定スト
ロークの軸移動に亙ってサンプリングされたサーボ電流
値(メモリ20に書き込まれているサーボ電流値のデー
タ列)より、サーボ電流値の変動が少ないストローク領
域を検出する。
【0035】ここでのサーボ電流値の変動は図3に例示
されているような特性を示し、このサーボ電流値の変動
は、主として、工具保有軸の送りねじ機構部をなすリー
タンパイプ式やデフレクタ式のボールねじナットのボー
ルが循環する際の抵抗変動に起因するものであり、これ
は、送りねじの移動開始時(ボールねじナットのボール
循環開始時)や、潤滑油温度が低い低温時において顕著
なものになる。
【0036】衝突面板軸移動補間処理手段34は、サン
プリング電流解析手段33によって検出された前記スト
ローク領域で衝突面板200に工具先端が衝突するよう
に衝突面板200をW軸移動させる補間処理を行う。
【0037】工具保有軸は工具長測定指令解析手段14
による工具長測定指令の解析によって所定の測定開始座
標位置からX軸移動し、衝突検出手段65は、このX軸
移動下においてサーボ電流値入力手段63よりサーボ電
流値を取り込み、このサーボ電流値の変化より工具Tの
先端が衝突面板200の平面(対向面部)201に衝突
したことを検出する。なお、測定開始座標位置は衝突面
板200の配置位置に応じて適正な位置に可変設定され
る。
【0038】サーボ電流値の変化より工具Tの先端が衝
突面板200の平面201に衝突したことの検出は、図
4(a)に示されているように、負荷電流が衝突検出レ
ベルを超えたことにより、あるいは図4(b)に示され
ているように、負荷電流の増加率が所定値を超えたこと
により行われ、衝突検出レベルなどは負荷電流のサンプ
リング結果より適正値に可変設定することができる。
【0039】移動量キャンセル手段61は衝突検出手段
65によって工具Tの先端が衝突面板200の平面20
1に衝突したことが検出されることにより直ちにX軸移
動を停止させて残りのX軸移動指令をキャンセルし、補
正量算出手段32は、この軸停止時に位置検出手段62
により検出されるX軸座標値、即ち工具長測定点でのX
軸座標値Xaと測定開始位置のX軸座標値Xoとの差に
より工具長補正量を算出する。
【0040】補間処理部30は補正量算出手段32によ
り算出された工具長補正量によって工具長を自動補正す
る。
【0041】つぎに、図5に示されているフローチャー
トを参照して上述のような構成による数値制御装置によ
る工具長補正方法の実施手順を説明する。
【0042】電流サンプリングモード指定の場合には
(ステップS10)、衝突面板200を退避させ(ステ
ップS11)、工具保有軸を全ストロークに亙ってX軸
移動させ、電流値サンプリング手段64によって工具保
有軸のモータ負荷電流をサンプリングし、これをメモリ
20に登録する(ステップS12)。
【0043】つぎに、メモリ20に書き込まれている全
ストロークのサンプリング負荷電流をサンプリング電流
解析手段33によって解析し、サーボ電流値の変動が少
ないストローク領域を検出する(ステップS13)。
【0044】つぎに、サンプリング電流解析手段33に
よって検出された負荷電流変動が少ないストローク領域
で衝突面板200に工具先端が衝突するように、衝突面
板軸移動補間処理手段34が衝突面板200をW軸移動
させる補間処理を行う。これにより衝突面板200が負
荷電流の変動が少ない箇所に位置決めされ、この位置を
基準にパラメータで決められた範囲を工具長の測定領域
とする(ステップS14)。
【0045】つぎに、負荷電流変動が少ないストローク
領域でのサーボ電流値に応じて衝突検出負荷電流レベル
を決定し(ステップS15)、衝突面板200の配置位
置に基づいて測定開始位置を変更する(ステップS1
6)。
【0046】工具長測定指令では(ステップS17)、
まず工具保有軸(ツール)を測定開始位置に位置決めし
(ステップS18)、工具保有軸を工具長測定速度(1
0mm/分程度)により衝突面板200に接近する方向
にX軸移動させる(ステップS19)。
【0047】この軸移動下で、工具保有軸のモータ負荷
電流を検出し(ステップS20)、モータ負荷電流が衝
突検出負荷電流レベルを超えたか否かを衝突検出手段6
5によって判別する(ステップS21)。この衝突検出
はサーボ電流値の変動が少ないストローク領域で行われ
るから、誤検出のない正確な衝突検出が行われる。
【0048】モータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベル
を超えれば、工具Tの先端が衝突面板200の平面20
1に衝突したとして、移動量キャンセル手段61によっ
て残りのX軸移動指令をキャンセルし、工具保有軸を逆
方向へ早送り(最大送り)速度で移動させ(ステップS
22)、工具Tの先端が衝突面板200の平面201に
衝突した位置(工具長測定点)のX座標値Xaを読み出
し(ステップS23)、補正量算出手段32によってX
軸座標値Xaと測定開始位置のX軸座標値Xoとの差に
より工具長補正量を算出する(ステップS24)。
【0049】これにより特別なセンサなどを必要とする
ことなく工具長補正量が得られるようになる。
【0050】工具Tの先端が衝突面板200の平面20
1に衝突すれば、即座に工具保有軸を逆方向へ最大送り
速度で移動させることにより、工具先端にチッピングが
生じることが回避される。
【0051】(実施の形態2)図6はこの発明に係る数
値制御装置の実施の形態2を示している。なお、図6に
於いて、図1に対応する部分は図1に付した符号と同一
の符号を付けてその説明を省略する。
【0052】この実施の形態では、対向面部として円形
横断面の棒状のワークW(図7参照)が使用される。ワ
ークWは、図7に示されているように、コレットチャッ
ク211によって把持され、主軸210によって自身の
中心軸線周りに回転される。
【0053】主軸210は主軸モータ91(図6参照)
により回転駆動され、主軸モータ91はサーボロック可
能な主軸制御部81(図6参照)により運転制御され
る。数値制御装置1における工具保有軸はこの実施の形
態でもX軸である。
【0054】この数値制御装置1は、加工プログラム解
析部10に、加工プログラム解析手段11に加えて、サ
ンプリングモード指令解析手段13と、工具長測定指令
解析手段14と、ワーク中心を計測決定するワーク中心
決定指令を解析するワーク中心決定指令解析手段15と
を有している。
【0055】補間処理部30は、補間処理手段31に加
えて、補正量算出手段32と、サンプリング電流解析手
段33と、ワーク中心決定手段35と、高速送り付加手
段36とを有している。
【0056】X軸用の軸制御部60は、移動量キャンセ
ル手段61と、位置検出手段62と、サーボ電流値入力
手段63と、電流値サンプリング手段64と、衝突検出
手段65と、主軸電流値入力手段66とを有している。
【0057】なお、工具長測定指令解析手段14、補正
量算出手段32、サンプリング電流解析手段33、移動
量キャンセル手段61、位置検出手段62、サーボ電流
値入力手段63、電流値サンプリング手段64は、実施
の形態1における場合と同等のものである。
【0058】数値制御装置1にはサーボ電流値入力回路
71とは別に、主軸モータ91の負荷電流(以下、主軸
電流値と云うことがある)を入力する主軸電流値入力回
路72が設けられており、主軸電流値入力回路71によ
って入力された主軸電流値はX軸用軸制御部60に設け
られている主軸電流値入力手段66を介して衝突検出手
段65に与えられる。
【0059】衝突検出手段65は、工具保有軸のX軸移
動下においてサーボ電流値入力手段63よりサーボ電流
値を取り込み、このサーボ電流値の変化より工具Tの先
端がワークWの外周面に衝突したことを検出し、また主
軸モータ91をサーボロックした状態において主軸電流
値入力手段66より主軸電流値を取り込み、この主軸電
流値の変化より工具Tの先端がワークWの外周面に衝突
したことを検出する。
【0060】ワーク中心決定手段35は、ワーク中心決
定指令により、主軸モータ91をサーボロックさせた状
態で、主軸モータ91の負荷電流を取り込み、工具保有
軸をX軸移動させて工具保有軸に装着されている工具T
の先端をワークWの外周面に衝突させた時の主軸モータ
91の負荷電流の増減変化の極性よりワークWの中心軸
線に対する工具保有軸のY軸方向のオフセット方向を検
出し、オフセット量が低減する方向へ工具保有軸をY軸
移動させ、衝突時の主軸モータ91の負荷電流の増減変
化の極性より工具保有軸のオフセット方向の検出を繰り
返し、主軸モータ負荷電流の増減変化の極性が反転する
位置よりワークWの中心位置を検出する。
【0061】高速送り付加手段36は、サンプリング電
流解析手段33によるサンプリング電流の解析により工
具長測定領域におけるX軸のモータ負荷電流の変動が大
きい場合に、工具先端をワークWに衝突させることに先
立って工具保有軸(ツール)を測定開始座標位置まで高
速移動させる。この高速移動速度は3000mm/分程
度であってよい。
【0062】つぎに図8、図9、図12に示されている
フローチャートを参照して上述のような構成による数値
制御装置による被加工物中心位置検出方法および中心工
具長補正方法の実施手順を説明する。
【0063】先ず準備プロセスとして、図8に示されて
いる負荷電流サンプリングルーチンを実行する。このル
ーチンでは、まず工具保有軸(ツール)を測定開始位置
に位置決めし(ステップS30)、ワークWを−Z軸方
向(図7にて右側)に移動させてワークWを退避させる
(ステップS31)。つぎに工具保有軸を工具長の測定
領域に対応する所定ストロークに亙ってX軸移動させ、
電流値サンプリング手段64によって工具保有軸のモー
タ負荷電流をサンプリングし、これをメモリ20に登録
する(ステップS32)。
【0064】つぎにメモリ20に書き込まれている工具
長測定領域の負荷電流をサンプリング電流解析手段33
によって解析し(ステップS33)、工具長の測定領域
に所定レベル以上の負荷変動があるか否かを判別する
(ステップS34)。工具長の測定領域に所定レベル以
上の負荷変動がある場合には高速送り付加モードを設定
する(ステップS35)。
【0065】図9はワーク中心決定ルーチンを示してい
る。このルーチンでは、まず工具保有軸(ツール)を測
定開始位置に位置決めし(ステップS40)、ワークW
をZ軸方向(図7にて左側)に移動させてワークWを位
置決めする(ステップS41)。このワークWの位置決
め位置は工具保有軸のX軸によって工具刃先がワークW
の外周面に衝突し得る位置である。
【0066】つぎに、ワーク中心決定手段35によって
主軸モータ91をサーボロック状態にし(ステップS4
2)、主軸制御部81が内蔵している主軸アンプの電流
値の変化が現れやすいように工具TのY軸方向位置をツ
ール選択位置よりパラメータで指定された初期オフセッ
ト分だけ偏倚させる(ステップS43)。
【0067】つぎに、工具保有軸を10mm/分程度の
工具長測定速度(低速送り)によりワークWの外周面に
接近する方向にX軸移動させる(ステップS44)。
【0068】この軸移動下で、主軸モータ91の負荷電
流を検出し(ステップS45)、この負荷電流が衝突検
出負荷電流レベルを超えたか否かを衝突検出手段65に
よって判別する(ステップS46)。この衝突検出負荷
電流レベルは、図10に示されているように、プラス側
とマイナス側とがある。
【0069】図11に示されているように、工具Tがワ
ーク中心より左側にオフセットされていると、工具刃先
がワークWの外周面に押し付けられることによってワー
クWを反時計廻り方向を回転せようとする力が作用す
る。主軸モータ91がサーボロック状態であることによ
り、主軸モータ91はワークWの現在の回転角位置を維
持するように動作する。この結果、主軸モータ91の正
回転方向が時計廻り方向であると、衝突によって主軸モ
ータ91の負荷電流はプラス側の衝突検出負荷電流レベ
ルを超えることになる。
【0070】これに対し、工具Tがワーク中心より右側
にオフセットされていると、衝突によって主軸モータ9
1の負荷電流はマイナス側の衝突検出負荷電流レベルを
超えることになる。
【0071】主軸モータ91の負荷電流がプラス側ある
いはマイナス側の衝突検出負荷電流レベルを超えれば、
工具Tの先端がワークWの外周面に衝突したとして、移
動量キャンセル手段61によって残りのX軸移動指令を
キャンセルし、刃先のチッピング防止のために工具保有
軸を逆方向へ早送り(最大送り)速度で移動させる(ス
テップS47)。
【0072】つぎにワーク中心決定手段35が衝突検出
手段2より主軸電流値が増加したか、減少したかの通知
を受け、その増減変化の極性より工具保有軸がワーク中
心より何れの側(図12にて右側か左側)にオフセット
しているかを検出し(ステップS48)、そのオフセッ
ト量が減少する方向へ工具保有軸をY軸移動させる(ス
テップS49)。
【0073】この後に再び、ステップS44〜ステップ
S48と同等の処理を繰り返すことによってオフセット
方向を検出し(ステップS50)、主軸電流値の増減変
化の極性が反転するまで(ステップS51)、オフセッ
ト方向検出とステップS49による工具保有軸のY軸移
動を繰り返す。
【0074】主軸電流値の増減変化の極性が反転すると
云うことは、ステップS49による工具保有軸のY軸移
動により、工具保有軸がワーク中心を超え、工具保有軸
のオフセット方向が反転したことを意味する。例えば、
初期オフセットの方向が左側であると、オフセット方向
が右側になったことを意味する。
【0075】主軸電流値の増減変化の極性が反転すれば
(ステップS51肯定)、オフセット量が減少する方向
へ工具保有軸を微少量だけY軸移動させる(ステップS
52)。この後に再び、ステップS44〜ステップS4
8と同等の処理を繰り返すことによってオフセット方向
を検出し(ステップS53)、主軸電流値の増減変化の
極性が再度反転するまで(ステップS54)、オフセッ
ト方向検出とステップS53による工具保有軸のY軸移
動を繰り返す。
【0076】主軸電流値の増減変化の極性が反転すれば
(ステップS54肯定)、この極性反転前後の2位置の
Y座標値の平均値よりワーク中心位置を決定する(ステ
ップS55)。
【0077】これにより、特別な計測装置などを必要と
することなく、ワーク中心位置が自動検出され、バイト
工具などの刃先位置とワークの中心位置との心合わせを
自動化することが可能になる。
【0078】図12は工具長測定ルーチンを示してい
る。まず、工具保有軸(ツール)を測定開始位置に位置
決めし(ステップS60)、ワーク中心決定手段35に
よって測定したワーク中心に工具選択軸(工具刃先)を
位置決めする(ステップS61)。
【0079】つぎに、負荷サンプリングルーチンで高速
送り付加モードが設定されているか否かを調べる(ステ
ップS63)。高速送り付加モードが設定されていれ
ば、工具保有軸を後退させ(ステップS64)、図13
に示されているように、後退位置より測定開始位置まで
工具保有軸を高速送りする。
【0080】この高速送りは、高速送りにより工具保有
軸の送りねじ機構部をなすボールねじナットのボールが
高速循環し、その後の低速送りでも慣性力によりボール
の高速循環が速い状態が得られることによってボールね
じナットのボールが循環する際の抵抗変動に起因する工
具保有軸のサーボ電流値の変動を低減するために行われ
る。図14は高速送りによってその後の低速送りでの負
荷電流の変動が低減することを模式的に示している。こ
の高速送りによる負荷電流の変動低減効果は、図15に
示されているように、3000mm/分程度で飽和する
から、高速送り速度は3000mm/分程度であればよ
い。
【0081】高速送りにより工具保有軸が測定開始位置
に到達すると、工具保有軸の送り速度が工具長測定速度
に切り換えられ、工具保有軸が工具長の測定領域を低速
送りされる(ステップS66)。
【0082】この軸移動下で、工具保有軸のモータ負荷
電流を検出し(ステップS67)、モータ負荷電流が衝
突検出負荷電流レベルを超えたか否かを判別する(ステ
ップS68)。この衝突検出は、負荷電流の変動が低減
された状態で行われるから、誤検出を生じることなく正
確に行われる。
【0083】モータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベル
を超えれば、工具Tの先端がワークWの外周面に衝突し
たとして、移動量キャンセル手段61によって残りのX
軸移動指令をキャンセルし、工具保有軸を逆方向へ早送
り(最大送り)速度で移動させ(ステップS69)、工
具Tの先端がワークWの外周面に衝突した位置(工具長
測定点)のX座標値Xaを読み出し(ステップS7
0)、実施の形態1における場合と同様に、補正量算出
手段32によってX軸座標値Xaと測定開始位置のX軸
座標値Xoとの差により工具長補正量を算出する(ステ
ップS71)。
【0084】従って、この実施の形態でも、特別なセン
サなどを必要とすることなく工具長補正量が得られるよ
うになる。
【0085】(実施の形態3)図16はこの発明に係る
数値制御装置の実施の形態3を示している。なお、図1
6に於いて、図6に対応する部分は図6に付した符号と
同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0086】この実施の形態は、実施の形態2の応用例
であり、実施の形態2との相違点は、測定領域送り速度
設定手段37が設けられ、測定領域送り速度を自動盤に
セットされているワークの材質(SUS,BS,Al
等)に応じて適正値に可変設定されることである。
【0087】これは、硬質の材料ほど、バイトの刃先の
チッピングの危険性が増えるため、送り速度を小さくす
ることが好ましく、軟質の材料ほど、衝突時の電流値の
変化が小さくなるため、送り速度を大きくすることによ
って衝突時の電流値の変化を大きくすることが好ましい
からである。また、材料が軟らかい場合は、送り速度を
大きくしても刃先がチッピングすることはあまりない。
この実施の形態では、衝突検出は電流変化率によって行
われればよい。
【0088】この測定領域送り速度は数値制御装置1に
接続されている画面表示器による画面表示のもとにオペ
レータにより入力され、ワーク材質設定手段23によっ
てパラメータ設定部21に登録される。
【0089】つぎに、この実施の形態においける工具長
測定ルーチンを図17に示す。この実施の形態における
工具長測定ルーチンと実施の形態2における場合との相
違点は、図12と比較して明らかなように、最初にワー
クの材質を読み出すこと(ステップS59)と、ステッ
プS66で、材質に応じて測定領域送り速度を設定して
工具保有軸を低速送りすることだけであり、その他のこ
とは実施の形態2における場合と同じである。
【0090】この実施の形態では、ワークの材質の如何
に拘らず、正確な衝突検出が行われ、ついては正確な工
具長補正が行われるようになる。
【0091】(実施の形態4)図18はこの発明に係る
数値制御装置の実施の形態4を示している。なお、図1
8に於いて、図6に対応する部分は図6に付した符号と
同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0092】この実施の形態は、実施の形態2の変形例
であり、高速送り付加手段36に代えてウォームアップ
手段38が設けられている。ウォームアップ手段38
は、工具先端をワークWに衝突させることに先立って工
具保有軸を所定時間に亙って軸移動させ、工具保有軸の
送りねじ機構部のウォームアップを行う。
【0093】この実施の形態では、工具長測定に先立っ
て、図19に示されているような負荷サンプリング・ウ
ォームアップルーチンを実行する。このルーチンでは、
まずワークWを−Z軸方向(図7にて右側)に移動させ
てワークWを退避させ(ステップS80)、工具保有軸
(ツール)を測定開始位置に位置決めする(ステップS
81)。
【0094】つぎに工具保有軸を工具長の測定領域に対
応する所定ストロークに亙ってX軸移動させ、電流値サ
ンプリング手段64によって工具保有軸のモータ負荷電
流をサンプリングし、これをメモリ20に登録する(ス
テップS82)。
【0095】つぎにメモリ20に書き込まれている工具
長測定領域の負荷電流をサンプリング電流解析手段33
によって解析し(ステップS83)、工具長の測定領域
に所定レベル以上の負荷変動があるか否かを判別する
(ステップS84)。工具長の測定領域に所定レベル以
上の負荷変動がある場合には、ウォームアップ手段38
によって測定開始位置から工具保有軸がワークWに対し
て遠ざかる方向のストロークエンドの手前までの間を早
送り速度で1分程度繰り返し往復動させる(ステップS
85)。これによって、ボールねじが発熱し、ボールと
パイプまたディフクレタの間の摩擦抵抗が小さくなり、
負荷変動が徐々になくなっていく。
【0096】以降、工具長の測定領域に所定レベル以上
の負荷変動が低下するまで、上述の処理を繰り返し、負
荷変動がなくなった時点で、工具長測定に入る。
【0097】工具長測定は、測定開始位置から低速送り
のみで送り、実施例2と同様な手段で衝突を検出し、補
正量算出手段32によって工具長補正量を算出する。
【0098】この実施の形態でも、衝突検出は、負荷電
流の変動が低減された状態で行われるから、誤検出を生
じることなく正確に行われ、工具長補正も正確に行われ
るようになる。
【0099】(実施の形態5)図20はこの発明に係る
数値制御装置の実施の形態5を示している。なお、図2
0に於いても、図6に対応する部分は図6に付した符号
と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0100】この実施の形態では、衝突検出手段65
は、円形横断面の棒状のワークWを回転させる主軸モー
タ91をサーボロックさせた状態での主軸モータ91の
負荷電流の変化と、工具保有軸のモータ負荷電流の変化
とにより工具先端がワークWの外周面に衝突したことを
検出する。
【0101】衝突時にワークWに回転力が与えられるこ
とによって主軸電流値が変化するよう、ワーク中心から
数μm程度〜数mm程度、Y軸方向にずらした位置に工
具刃先を位置決めするから、衝突位置はワーク中心線上
でない。このため、補正量算出のための工具長測定点で
の座標値をワーク中心線上に対応するものに補正する必
要がある。
【0102】このため補間処理部30には衝突位置計算
手段39が設けられている。
【0103】図21(a)、(b)に示されているよう
に、ワーク中心からの工具刃先の衝突位置のY軸方向の
オフセット量をA、ワークWの半径をRとすると、座標
値補正量Bは下式により算出される。すなわち、 B=R−√(R2 −A2 ) である。
【0104】図22はこの実施の形態における工具長測
定ルーチンを示している。このルーチンでは、まず、工
具保有軸(ツール)を測定開始位置に位置決めし(ステ
ップS90)、ワークWのZ軸方向の位置決めを行う
(ステップS91)。そしてワーク中心決定手段35に
よって測定したワーク中心に工具選択軸(工具刃先)を
所定のオフセット量をもって位置決めする(ステップ9
2)。
【0105】つぎに、工具保有軸が工具長の測定領域を
低速送りされる(ステップS93)。
【0106】この軸移動下で、工具保有軸(ツール送り
軸)のモータ負荷電流と主軸モータ91の負荷電流とを
検出し(ステップS94)、ツール送り軸のモータ負荷
電流が衝突検出負荷電流レベルを超え(ステップS9
5)、且つ主軸モータ91の電流値に変化があったかを
判別する(ステップS96)。
【0107】ツール送り軸のモータ負荷電流が衝突検出
負荷電流レベルを超えたことと、主軸モータ91の電流
値に変化があったことのAND条件が成立すれば、工具
Tの先端がワークWの外周面に衝突したとして、移動量
キャンセル手段61によって残りのX軸移動指令をキャ
ンセルし、工具保有軸を逆方向へ早送り速度で移動させ
(ステップS97)、工具Tの先端がワークWの外周面
に衝突した位置(工具長測定点)のX座標値Xbを読み
出し(ステップS98)、衝突位置計算手段39によっ
て座標値補正量Bを算出する(ステップS99)。
【0108】そして補正量算出手段32によってX軸座
標値Xb+座標値補正量Bをセンタ中心上のX軸座標値
Xaとし、X軸座標値Xb+座標値補正量Bと、測定開
始位置のX軸座標値Xoとの差により工具長補正量を算
出する(ステップS100)。
【0109】この実施の形態では、図23に示されてい
るように、送りねじ機構による送り動作に起因した負荷
変動eによって途中で、ツール送り軸のモータ負荷電流
が衝突検出負荷電流レベルを超えても、この時には主軸
モータ91の電流値に変化が生じないから、誤った衝突
検出が行われることがない。
【0110】(実施の形態6)図24はこの発明に係る
数値制御装置の実施の形態6を示している。なお、図2
4に於いて、図1に対応する部分は図1に付した符号と
同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0111】この実施の形態では、補間処理部30に主
軸回転指令手段40が設けられており、主軸回転指令手
段40は工具長測定指令によって主軸モータ91をパラ
メータ、加工プログラム指令等で決められた回転数をも
って回転させる制御を行う。
【0112】従って、実施の形態1における工具長測定
処理と同様の工具長測定処理において、図25に示され
ているように、回転しているワークWの外周面に工具刃
先が衝突することになる。ワークWの外周面に工具刃先
が衝突すると、ワークWが回転していることから、工具
Tに接線方向の力が作用し、ツール送り軸のモータ負荷
電流が比較的大きい増加率をもって急激に増加する。
【0113】これにより停止している面部に工具刃先を
衝突させる場合に比してモータ負荷電流の衝突検出負荷
電流レベルを高く設定でき、送りねじ機構による送り動
作に起因した負荷変動があっても、誤った衝突検出が行
われることがない。
【0114】(実施の形態7)図26はこの発明に係る
数値制御装置の実施の形態7を示している。なお、図2
6に於いて、図1に対応する部分は図1に付した符号と
同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0115】この実施の形態では、加工プログラム解析
処理部10に、通常の加工プログラム解析手段11に加
えて、ワーク中心を算出するワーク中心算出指令を解析
するワーク中心算出指令解析手段16と、工具長補正用
切り込み・測定指令を解析する工具長補正用切り込み・
測定指令解析手段17とを有している。
【0116】補間処理部30にはワーク中心算出手段4
1が設けられている。ワーク中心算出手段41は、ワー
ク中心算出指令により円形横断面の棒状のワークWに対
して工具保有軸を径方向(Y軸方向)に移動させ、工具
保有軸に装着されている工具Tの側面がワークWに衝突
したことを工具保有軸のモータ負荷電流の変化より検出
し、この衝突時の工具保有軸の径方向の座標値よりワー
クWの中心位置を算出する。工具保有軸の径方向座標値
(Y軸座標値)はY軸用の軸制御部60が有している位
置検出手段より取得することができる。
【0117】このワーク中心算出手段41によるワーク
中心算出は、具体的には、図27に示されているよう
に、左側より工具Tの側面をワークWに衝突させてこの
時のY軸座標値Yaを取得し、つぎに右側より工具Tの
側面をワークWに衝突させてこの時のY軸座標値Ybを
取得し、工具Tの既知の工具幅寸法tを考慮して下式に
よりワークWのY軸方向の中心座標値Wcを算出する。
すなわち、 Wc={(Yb−t−Ya)/2}+Ya =(Ya+Yb−t)/2 である。
【0118】なお、ワークWの半径rが既知の場合には
片側計測だけで下式などによりワークWのY軸方向の中
心座標値Wcを算出することもできる。すなわち、 Wc=Ya+(r/2) である。
【0119】補間処理部30は、主軸回転指令手段40
を含み、工具長補正用切り込み・測定指令により、主軸
モータ91の回転を指令し、工具保有軸を所定量だけX
軸移動させて回転しているワークWを工具保有軸に装着
されている工具Tによって切削するための補間処理を行
う。
【0120】補正量算出手段32は、切削前のワークW
の半径と切削後のワークWの半径との差により実切り込
み量を算出し、実切り込み量と工具保有軸の軸移動指令
値から得られる指令切り込み量との偏差より工具長補正
量を算出する。実際には、工具長補正量の初期設定値が
存在するから、この初期設定値をCo、実切り込み量を
Cr、指令切り込み量をCtとすると(図28参照)、
工具長補正量Cは下式により算出される。すなわち、 C=Co+(Cr−Ct) である。
【0121】つぎに図29、図30に示されているフロ
ーチャートを参照して上述のような構成による数値制御
装置による被加工物中心位置検出方法および工具長補正
方法の実施手順を説明する。
【0122】図29はワーク中心算出ルーチンを示して
いる。このルーチンでは、まず、ツール(工具T)をワ
ークWの左側に位置決めし(ステップS110)、ツー
ルホルダとワークWとが接触する手前2〜3mm程度の
Y軸位置に工具保有軸をもってツールを位置決めする
(ステップS111)。
【0123】つぎに、工具保有軸を工具長測定速度(1
0mm/分程度)によりワークWに接近する方向にY軸
移動させ(ステップS112)、この軸移動下で、工具
保有軸のサーボ電流値(モータ負荷電流)を検出し(ス
テップS113)、サーボ電流値が衝突検出負荷電流レ
ベルを超えたか否かを衝突検出手段65によって判別す
る(ステップS114)。この衝突時の電流変化は、工
具刃先をワークWに衝突させる場合に比して大きく、ま
た食い込みもないから、衝突検出位置の誤差が非常に小
さくなり、正確な衝突検出が行われるようになる。
【0124】工具保有軸のサーボ電流値が衝突検出負荷
電流レベルを超えれば、ツールTの先端がワークWの外
周面に衝突したとして、残りのY軸移動指令をキャンセ
ルし、工具保有軸を逆方向へ早送り(最大送り)速度で
移動させ(ステップS115)、工具Tの側面がワーク
Wの外周面に衝突した位置のY座標値Yaを読み出し、
これをメモリ20に書き込む(ステップS116)。
【0125】つぎに、ワークの右側と左側の両方の衝突
位置が読み出されたかをチェックし、まだ両方の衝突位
置が読み出されていない場合には、ツールTをワークW
の右側に位置決めし、ワークの右側の衝突位置を検出す
るために、ステップS111〜ステップS116を再度
実行する。
【0126】これにより、ワークWの左側の衝突位置の
Y座標値Yaと、ワークWの右側の衝突位置のY座標値
Ybとが得られ、ワーク中心算出手段41によって上述
のような計算式によりワークWのY軸方向の中心座標値
Wcを算出する(ステップS119)。
【0127】これにより、特別な計測装置などを必要と
することなく、ワーク中心位置が自動検出され、バイト
工具などの刃先位置とワークの中心位置との心合わせを
自動化することが可能になる。
【0128】図30は工具長計測ルーチンを示してい
る。まず、主軸回転指令手段40の刃令により主軸モー
タ91を回転駆動し、主軸回転によりワークWを所定の
旋削速度で回転させる(ステップS120)。
【0129】つぎにツールを上述のワーク中心算出ルー
チンで算出されたワーク中心に位置決めし(ステップS
121)、基準工具長補正(初期工具長補正を行われた
X軸移動指令(切り込み指令)により工具保有軸をX軸
移動させ、工具保有軸のツールTによってワークWを切
削する(ステップS122)。
【0130】この切削が完了すれば、主軸の回転を停止
し(ステップS123)、ツールTをワークWの左側に
位置決めし(ステップS124)、ツールホルダとワー
クWとが接触する手前2〜3mm程度のY軸位置に工具
保有軸をもってツールを位置決めする(ステップS12
5)。
【0131】つぎに、工具保有軸を工具長測定速度によ
りワークWに接近する方向にY軸移動させ(ステップS
126)、この軸移動下で、工具保有軸のサーボ電流値
を検出し(ステップS127)、サーボ電流値が衝突検
出負荷電流レベルを超えたか否かを衝突検出手段65に
よって判別する(ステップS128)。この衝突時の電
流変化も、工具刃先をワークWに衝突させる場合に比し
て大きいため、衝突検出位置の誤差が非常に小さくな
り、また食い込みもないから、正確な衝突検出が行われ
るようになる。
【0132】工具保有軸のサーボ電流値が衝突検出負荷
電流レベルを超えれば、ツールTの先端がワークWの外
周面に衝突したとして、残りのY軸移動指令をキャンセ
ルし、工具保有軸を逆方向へ早送り(最大送り)速度で
移動させ(ステップS129)、工具Tの側面がワーク
Wの外周面に衝突した位置のY座標値Ya'を読み出
し、これをメモリ20に書き込む(ステップS13
0)。
【0133】つぎに、補正量算出手段34が、ワーク中
心算出ルーチンで取得した切削前のY座標値Yaと切削
後のY座標値Ya'より実切り込み量Crを算出し、こ
れと切り込み指令よりわかる指令切り込み量Ctと初期
設定値Coとにより上述の計算式により工具長補正量C
を算出する。
【0134】従って、この実施の形態でも、特別なセン
サなどを必要とすることなく工具長補正量が得られるよ
うになる。
【0135】(実施の形態8)図31はこの発明に係る
数値制御装置の実施の形態8を示している。なお、図3
1に於いて、図26に対応する部分は図26に付した符
号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0136】この実施の形態では、加工プログラム解析
処理部10に工具摩耗度合いを推定するための工具摩耗
度合い推定指令を解析する工具摩耗度合い推定指令解析
手段18が設けられている。
【0137】補間処理部30には、摩耗度推定手段42
が設けられている。摩耗度推定手段42は、工具摩耗度
合い推定指令より工具保有軸をX軸移動させ、工具保有
軸に装着されている工具Tの先端がワークに衝突したこ
とを工具保有軸のモータ負荷電流を検出し、この衝突時
のモータ負荷電流の変化率の大小より工具Tの摩耗度合
いを推定する。この推定は、被加工物の材質毎に設定さ
れた電流変化率と工具摩耗度合いとの相関性を示すデー
タを表または近似曲線でグラフ化して予めメモリ20に
登録しておき、このデータに基づいて行うことができ
る。
【0138】この工具摩耗度の推定は、工具摩耗が進む
と、切れ味が低下し、工具刃先がワークに衝突した時の
食い込みが少なくなり、これに応じて、図32、図33
に示されているように、衝突時のモータ負荷電流の変化
率(傾き)が大きくなることに基づいて行われる。衝突
時のモータ負荷電流の傾きは摩耗度が大きいほど大きく
なる。
【0139】つぎに図34を参照して工具摩耗度推定ル
ーチンを説明する。まず、工具保有軸(ツール)を測定
開始位置に位置決めし(ステップS140)、ワーク中
心算出手段41によって算出したワーク中心に工具選択
軸(工具刃先)を位置決めする(ステップS141)。
【0140】つぎに、工具長測定速度によって工具保有
軸が工具長の測定領域を低速送りされる(ステップS1
42)。
【0141】この軸移動下で、工具保有軸のモータ負荷
電流を検出し(ステップS143)、モータ負荷電流が
衝突検出負荷電流レベルを超えたか否かを判別する(ス
テップS144)。
【0142】モータ負荷電流が衝突検出負荷電流レベル
を超えれば、工具Tの先端がワークWの外周面に衝突し
たとして、移動量キャンセル手段61によって残りのX
軸移動指令がキャンセルされ、工具保有軸が逆方向へ早
送り(最大送り)速度で移動し(ステップS145)、
この時のモータ負荷電流の変化率(傾き)を検出する
(ステップS146)。つぎにモータ負荷電流の傾きに
基づいて工具Tの摩耗度を推定する(ステップS14
7)。
【0143】これにより、画像処理手段などを含む特別
な計測装置を使用することなく、工具の摩耗度合いが検
出され、工具の交換時期を容易に把握することができる
ようになる。
【0144】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、この発
明に係る数値制御装置における被加工物中心位置検出方
法によれば、工具の先端が被加工物の外周面に衝突する
時の主軸モータの負荷電流の増減変化の極性より被加工
物の中心軸線に対する工具保有軸のオフセット方向を検
出し、オフセット量が低減する方向へ工具保有軸を移動
させて衝突時の主軸モータ負荷電流の増減変化の極性よ
り工具保有軸のオフセット方向の検出を繰り返し、主軸
モータ負荷電流の増減変化の極性が反転する位置より被
加工物の中心位置を検出するから、被加工物の中心位置
検出が特別なセンサ、計測装置や、特別なハードウェア
構成を数値制御装置に付加することなく簡便に行われる
ようになる。
【0145】つぎの発明に係る数値制御装置における被
加工物中心位置検出方法によれば、工具の側面が被加工
物の外周面に衝突したことを工具保有軸のモータ負荷電
流の変化より検出し、この衝突時の工具保有軸の径方向
の座標値より被加工物の中心位置を算出するから、被加
工物の中心位置検出が特別なセンサ、計測装置や、特別
なハードウェア構成を数値制御装置に付加することなく
簡便に行われるようになる。
【0146】つぎの発明に係る数値制御装置によれば、
工具の先端が被加工物の外周面に衝突する時の主軸モー
タの負荷電流の増減変化の極性より被加工物の中心軸線
に対する工具保有軸のオフセット方向を検出し、オフセ
ット量が低減する方向へ工具保有軸を移動させて衝突時
の主軸モータ負荷電流の増減変化の極性より工具保有軸
のオフセット方向の検出を繰り返し、主軸モータ負荷電
流の増減変化の極性が反転する位置より被加工物の中心
位置を検出するから、被加工物の中心位置検出が特別な
センサ、計測装置や、特別なハードウェア構成を数値制
御装置に付加することなく簡便に行われるようになる。
【0147】つぎの発明に係る数値制御装置によれば、
工具の側面が被加工物の外周面に衝突したことを工具保
有軸のモータ負荷電流の変化より検出し、この衝突時の
工具保有軸の径方向の座標値より被加工物の中心位置を
算出するから、被加工物の中心位置検出が特別なセン
サ、計測装置や、特別なハードウェア構成を数値制御装
置に付加することなく簡便に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態1
を示すブロック線図である。
【図2】 実施の形態1における工具長測定要領を示す
説明図である。
【図3】 工具保有軸のモータ負荷電流の変動特性を示
すグラフである。
【図4】 (a)、(b)は各々実施の形態1における
衝突検出要領を示す負荷電流特性のグラフである。
【図5】 実施の形態1における工具長補正ルーチンを
示すフローチャートである。
【図6】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態2
を示すブロック線図である。
【図7】 実施の形態2で適用される工作機械を示す説
明図である。
【図8】 実施の形態2における負荷サンプリングルー
チンを示すフローチャートである。
【図9】 実施の形態2におけるワーク中心決定ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図10】 実施の形態2における衝突検出要領を示す
負荷電流特性のグラフである。
【図11】 実施の形態2におけるワーク中心決定要領
を示す説明図である。
【図12】 実施の形態2における工具長測定ルーチン
を示すフローチャートである。
【図13】 実施の形態2における工具長測定要領を示
す説明図である。
【図14】 実施の形態2における工具長測定要領を示
す負荷電流特性のグラフである。
【図15】 送り速度と負荷変動との関係を示すグラフ
である。
【図16】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態
3を示すブロック線図である。
【図17】 実施の形態3における工具長測定ルーチン
を示すフローチャートである。
【図18】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態
4を示すブロック線図である。
【図19】 実施の形態4における負荷サンプリング・
ウォームアップルーチンを示すフローチャートである。
【図20】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態
5を示すブロック線図である。
【図21】 (a)、(b)は実施の形態5における工
具長測定要領を示す説明図である。
【図22】 実施の形態5における工具長測定ルーチン
を示すフローチャートである。
【図23】 実施の形態5における衝突検出要領を示す
負荷電流特性のグラフである。
【図24】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態
6を示すブロック線図である。
【図25】 実施の形態6における衝突検出要領を示す
説明図である。
【図26】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態
7を示すブロック線図である。
【図27】 実施の形態7におけるワーク中心算出要領
を示す説明図である。
【図28】 実施の形態7における工具長補正量算出要
領を示す説明図である。
【図29】 実施の形態7におけるワーク中心算出ルー
チンを示すフローチャートである。
【図30】 実施の形態7における工具長測定ルーチン
を示すフローチャートである。
【図31】 この発明に係る数値制御装置の実施の形態
8を示すブロック線図である。
【図32】 実施の形態8における衝突検出要領を示す
負荷電流特性のグラフである。
【図33】 工具の摩耗度と負荷電流の傾きとの関係を
示すグラフである。
【図34】 実施の形態8における摩耗度推定ルーチン
を示すフローチャートである。
【図35】 従来における数値制御装置を示すブロック
線図である。
【図36】 従来における工具長測定要領を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 数値制御装置,10 加工プログラム解析処理部,
11 加工プログラム解析処理手段,13 サンプリン
グモード指令解析手段,14 工具長測定指令解析手
段,15 ワーク中心決定指令解析手段,16 ワーク
中心算出指令解析手段,17 工具長補正用切り込み・
測定指令解析手段,18 工具摩耗度合い推定指令解析
手段18,20 メモリ,21 パラメータ設定部,2
2 画面表示処理部,23 ワーク材質設定手段,30
補間処理部,31 補間処理手段,32 補正量算出
手段,33 サンプリング電流解析手段,34 衝突面
板軸移動補間処理手段,35 ワーク中心決定手段,3
6 高速送り付加手段,37測定領域送り速度設定手
段,38 ウォームアップ手段,39 衝突位置計算手
段,40 主軸回転指令手段,41 ワーク中心算出手
段,42 摩耗度推定手段,50 機械制御信号処理
部,55 ラダー回路部,60 軸制御部,61移動量
キャンセル手段,62 位置検出手段,63 サーボ電
流値入力手段,64 電流値サンプリング手段,65
衝突検出手段,66 主軸電流値入力手段,70 軸移
動量出力回路,71 サーボ電流値入力回路,72 主
軸電流値入力回路,80 サーボ制御部,81 主軸制
御部,90 サーボモータ,91主軸モータ,200
衝突面板,210 主軸,211 コレットチャック。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形横断面の棒状の被加工物を回転させ
    る主軸モータをサーボロックさせた状態で主軸モータの
    負荷電流を検出し、工具保有軸を軸移動させて当該工具
    保有軸に装着されている工具の先端を前記被加工物の外
    周面に衝突させ、この衝突時の前記主軸モータの負荷電
    流の増減変化の極性より前記被加工物の中心軸線に対す
    る前記工具保有軸のオフセット方向を検出し、オフセッ
    ト量が低減する方向へ前記工具保有軸を移動させて衝突
    時の主軸モータ負荷電流の増減変化の極性より前記工具
    保有軸のオフセット方向の検出を繰り返し、主軸モータ
    負荷電流の増減変化の極性が反転する位置より前記被加
    工物の中心位置を検出することを特徴とする数値制御装
    置における被加工物中心位置検出方法。
  2. 【請求項2】 円形横断面の棒状の被加工物に対して工
    具保有軸を径方向に移動させ、当該工具保有軸に装着さ
    れている工具の側面が前記被加工物の外周面に衝突した
    ことを前記工具保有軸のモータ負荷電流の変化より検出
    し、この衝突時の前記工具保有軸の径方向の座標値より
    前記被加工物の中心位置を算出する数値制御装置におけ
    る被加工物中心位置検出方法。
  3. 【請求項3】 ワーク中心を決定するワーク中心決定指
    令を解析するワーク中心決定指令解析手段と、 前記ワーク中心決定指令により円形横断面の棒状の被加
    工物を回転させる主軸モータをサーボロックさせた状態
    で主軸モータの負荷電流を検出し、工具保有軸を軸移動
    させて当該工具保有軸に装着されている工具の先端を前
    記被加工物の外周面に衝突させ、この衝突時の前記主軸
    モータの負荷電流の増減変化の極性より前記被加工物の
    中心軸線に対する前記工具保有軸のオフセット方向を検
    出し、オフセット量が低減する方向へ前記工具保有軸を
    移動させて衝突時の主軸モータ負荷電流の増減変化の極
    性より前記工具保有軸のオフセット方向の検出を繰り返
    し、主軸モータ負荷電流の増減変化の極性が反転する位
    置より前記被加工物の中心位置を検出するワーク中心決
    定手段と、 を有していることを特徴とする数値制御装置。
  4. 【請求項4】 ワーク中心を算出するワーク中心算出指
    令を解析するワーク中心算出指令解析手段と、 前記ワーク中心算出指令により円形横断面の棒状の被加
    工物に対して工具保有軸を径方向に移動させ、当該工具
    保有軸に装着されている工具の側面が前記被加工物に衝
    突したことを前記工具保有軸のモータ負荷電流の変化よ
    り検出し、この衝突時の前記工具保有軸の径方向の座標
    値より前記被加工物の中心位置を算出するワーク中心算
    出手段と、 を有していることを特徴とする数値制御装置。
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