JP2003304112A - アレーアンテナの制御方法及び制御装置 - Google Patents

アレーアンテナの制御方法及び制御装置

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JP2003304112A
JP2003304112A JP2002106485A JP2002106485A JP2003304112A JP 2003304112 A JP2003304112 A JP 2003304112A JP 2002106485 A JP2002106485 A JP 2002106485A JP 2002106485 A JP2002106485 A JP 2002106485A JP 2003304112 A JP2003304112 A JP 2003304112A
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variable reactance
impedance matching
variable
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JP2002106485A
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English (en)
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Kiyouichi Iigusa
恭一 飯草
Takashi Ohira
孝 大平
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ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
Original Assignee
ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エスパアンテナ装置などの可変指向性アンテ
ナにおいて、アンテナ装置と無線送受信機との間で常に
インピーダンス整合をとることができる。 【解決手段】 エスパアンテナ装置100と無線送受信
機との間に、整合用可変リアクタンス素子を含むインピ
ーダンス整合回路30が挿入される。適応制御型コント
ローラ20は、励振素子A0によって受信された受信信
号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法
を用いて、受信信号の電力を表す目的関数が実質的に最
大となるように、アレーアンテナの主ビームを所望波の
方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可
変リアクタンス素子のリアクタンス値、及び整合用可変
リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のアンテナ素
子からなるアレーアンテナ装置の指向特性を変化させる
ことができるアレーアンテナの制御方法及び制御装置に
関し、特に、電子制御導波器アレーアンテナ装置(Elec
tronically Steerable Passive Array Radiator (ESPA
R) Antenna;以下、エスパアンテナという。)の指向特
性を適応的に変化させることができるアレーアンテナの
制御方法及び制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術のエスパアンテナは、例えば、
従来技術文献1「T. Ohira et al., "Electronically s
teerable passive array radiator antennas for low-c
ost analog adaptive beamforming," 2000 IEEE Intern
ational Conference on PhasedArray System & Technol
ogy pp. 101-104, Dana point, California, May 21-2
5, 2000」や特開2001−24431号公報において
提案されている。このエスパアンテナは、無線信号が給
電される励振素子と、この励振素子から所定の間隔だけ
離れて設けられ、無線信号が給電されない少なくとも1
個の非励振素子と、この非励振素子に接続された可変リ
アクタンス素子とから成るアレーアンテナを備え、上記
可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させるこ
とにより、上記アレーアンテナの指向特性を変化させる
ことができる。
【0003】このエスパアンテナを受信側で適応制御す
る方法として、一般的に、以下の方法が用いられてい
る。すなわち、送信側で各無線パケットデータの先頭部
分に学習シーケンス信号を予め含ませておき、当該学習
シーケンス信号と同一の信号を受信側でも発生させ、受
信側において、受信された学習シーケンス信号と、上記
発生された学習シーケンス信号との相互相関が最大とな
ることを規範として、上記可変リアクタンス素子のリア
クタンス値を変化させてその指向特性を変化させる。こ
れにより、エスパアンテナの指向性を最適パターンと
し、すなわち所望波の方向に主ビームを向けかつ干渉波
の方向にヌルを形成するパターンとなる。
【0004】このエスパアンテナ装置において、可変リ
アクタンス素子は安価なバラクタダイオード等により構
成でき、移相器等を必要とせず、1つの給電系で構成で
きるため、小型、軽量、低コスト、低消費電力のアダプ
ティブアンテナを実現可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エスパ
アンテナ装置などの可変指向性アンテナでは指向性の変
化に伴って入力インピーダンス(受信時には出力インピ
ーダンス)が変化する。従って、すべての可変リアクタ
ンス素子のとりうるすべての状態でインピーダンス整合
をとることはできない。
【0006】本発明の目的は以上の問題点を解決し、エ
スパアンテナ装置などの可変指向性アンテナにおいて、
アンテナ装置と無線送受信機との間で常にインピーダン
ス整合をとることができるアレーアンテナの制御方法及
び制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアレーアン
テナの制御方法は、無線信号を送受信するための励振素
子と、上記励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられ
た複数の非励振素子と、上記複数の非励振素子にそれぞ
れ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、上
記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させ
ることにより、上記複数の非励振素子をそれぞれ導波器
又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性
を変化させるアレーアンテナの制御方法であって、上記
アレーアンテナと無線送受信機との間に、整合用可変リ
アクタンス素子を含むインピーダンス整合回路を挿入
し、上記励振素子によって受信された受信信号に基づい
て、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、
上記受信信号の電力を表す目的関数が実質的に最大とな
るように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方
向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変
リアクタンス素子のリアクタンス値、及び上記整合用可
変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定す
るステップを含むことを特徴とする。
【0008】上記アレーアンテナの制御方法において、
上記インピーダンス整合回路は、上記アレーアンテナと
無線送受信機との間に、直列に挿入された可変リアクタ
ンス素子を備えたことを特徴とする。とって代わって、
上記インピーダンス整合回路は、上記アレーアンテナと
無線送受信機との間の接続点と接地との間に、並列に挿
入された可変リアクタンス素子を備えたことを特徴とす
る。さらに、とって代わって、上記インピーダンス整合
回路は、上記アレーアンテナと無線送受信機との間に直
列に挿入された可変リアクタンス素子と、上記アレーア
ンテナと無線送受信機との間の接続点と接地との間に並
列に挿入された可変リアクタンス素子とを備えたことを
特徴とする。
【0009】本発明に係るアレーアンテナの制御装置
は、無線信号を送受信するための励振素子と、上記励振
素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振
素子と、上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複
数の可変リアクタンス素子とを備え、上記各可変リアク
タンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、
上記複数の非励振素子をそれぞれ導波器又は反射器とし
て動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるア
レーアンテナの制御装置であって、上記アレーアンテナ
と無線送受信機との間に挿入され、整合用可変リアクタ
ンス素子を含むインピーダンス整合回路と、上記励振素
子によって受信された受信信号に基づいて、非線形計画
法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号の
電力を表す目的関数が実質的に最大となるように、上記
アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干
渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素
子のリアクタンス値、及び上記整合用可変リアクタンス
素子のリアクタンス値を計算して設定する制御手段とを
備えたことを特徴とする。
【0010】上記アレーアンテナの制御装置において、
上記インピーダンス整合回路は、上記アレーアンテナと
無線送受信機との間に、直列に挿入された可変リアクタ
ンス素子を備えたことを特徴とする。とって代わって、
上記インピーダンス整合回路は、上記アレーアンテナと
無線送受信機との間の接続点と接地との間に、並列に挿
入された可変リアクタンス素子を備えたことを特徴とす
る。さらに、とって代わって、上記インピーダンス整合
回路は、上記アレーアンテナと無線送受信機との間に直
列に挿入された可変リアクタンス素子と、上記アレーア
ンテナと無線送受信機との間の接続点と接地との間に並
列に挿入された可変リアクタンス素子とを備えたことを
特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0012】図1は本発明に係る実施形態であるアレー
アンテナの制御装置の構成を示すブロック図である。こ
の実施形態のアレーアンテナの制御装置は、図1に示す
ように、1つの励振素子A0と、可変リアクタンス素子
12−1乃至12−6がそれぞれ装荷された6個の非励
振素子A1乃至A6と、接地導体11とを備えてなるエ
スパアンテナ装置100と、適応制御型コントローラ2
0と、学習シーケンス信号発生器21とを備えて構成さ
れ、特に、低雑音増幅器1などの無線受信機及び無線送
信機7と、エスパアンテナ装置100との間に挿入さ
れ、適応制御型コントローラ20によりそれに含まれる
可変リアクタンス素子のリアクタンス値が制御されるイ
ンピーダンス整合回路30を備えたことを特徴としてい
る。
【0013】ここで、適応制御型コントローラ20は、
例えばコンピュータなどのディジタル計算機で構成さ
れ、受信時において、復調器4による無線通信を開始す
る前に、相手先の送信機から送信される無線信号に含ま
れる学習シーケンス信号を上記エスパアンテナ装置10
0の励振素子A0により受信したときの受信信号y
(t)と、上記学習シーケンス信号と同一の信号パター
ンを有して学習シーケンス信号発生器21で発生された
学習シーケンス信号r(t)とに基づいて、最急勾配法
によるインピーダンス整合及び適応制御処理を実行する
ことにより上記エスパアンテナ装置100の主ビームを
所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるた
めの、各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6に
印加されるバイアス電圧値V(m=1,2,…,6)
を探索して制御電圧信号を用いて設定するとともに、イ
ンピーダンス整合回路30を制御してエスパアンテナ装
置100と無線受信機及び無線送信機7との間のインピ
ーダンス整合をとることを特徴としている。具体的に
は、適応制御型コントローラ20は、各可変リアクタン
ス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値及びイン
ピーダンス整合回路30内の可変リアクタンス素子のリ
アクタンス値を、順次所定の差分幅だけ摂動させ、各リ
アクタンス値に対して所定の評価関数値(例えば、受信
信号の電力)を計算し、上記計算された評価関数値に基
づいて、最急勾配法を用いて、当該評価関数値が最大と
なるように、各リアクタンス値を反復して計算すること
により、当該エスパアンテナ装置100の主ビームを所
望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるため
の各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリア
クタンス値を計算して設定し、かつ、エスパアンテナ装
置100と無線受信機及び無線送信機7との間のインピ
ーダンス整合をとるように制御する。これにより、当該
評価関数値が実質的に最大となるように、上記エスパア
ンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ
干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス
素子12−1乃至12−6のバイアス電圧値Vを探索
し、探索の結果発見された各バイアス電圧値Vmを有す
る制御電圧信号を各可変リアクタンス素子12−1乃至
12−6に出力して設定するとともに、インピーダンス
整合処理を行う。
【0014】図1において、エスパアンテナ装置100
は、接地導体11上に設けられた励振素子A0及び非励
振素子A1乃至A6から構成され、励振素子A0は、半
径raの円周上に設けられた6本の非励振素子A1乃至
A6によって囲まれるように配置されている。好ましく
は、各非励振素子A1乃至A6は上記半径raの円周上
に互いに等間隔を保って設けられる。各励振素子A0及
び非励振素子A1乃至A6は、例えば、所望波の波長λ
に対して約1/4の長さのモノポール素子になるように
構成され、また、上記半径raはλ/4になるように構
成される。励振素子A0の給電点は直接にインピーダン
ス整合回路30に接続され、さらに同軸ケーブル5及び
サーキュレータ6を介して低雑音増幅器(LNA)1に
接続され、また、非励振素子A1乃至A6はそれぞれ可
変リアクタンス素子12−1乃至12−6に接続され、
これら可変リアクタンス素子12−1乃至12−6は、
適応制御型コントローラ20からの制御電圧信号を設定
されることによって、そのリアクタンス値を変化させ
る。
【0015】図2は、エスパアンテナ装置100の縦断
面図である。励振素子A0は接地導体11と電気的に絶
縁され、各非励振素子A1乃至A6は、可変リアクタン
ス素子12−1乃至12−6を介して、接地導体11に
対して高周波的に接地される。可変リアクタンス素子1
2−1乃至12−6の動作を説明すると、例えば励振素
子A0と非励振素子A1乃至A6の長手方向の長さが実
質的に同一であるとき、例えば、可変リアクタンス素子
12−1がインダクタンス性(L性)を有するときは、
可変リアクタンス素子12−1は延長コイルとなり、非
励振素子A1乃至A6の電気長が励振素子A0に比較し
て長くなり、反射器として働く。一方、例えば、可変リ
アクタンス素子12−1がキャパシタンス性(C性)を
有するときは、可変リアクタンス素子12−1は短縮コ
ンデンサとなり、非励振素子A1の電気長が励振素子A
0に比較して短くなり、導波器として働く。また、他の
可変リアクタンス素子12−2乃至12−6に接続され
た非励振素子A2乃至A6についても同様に動作する。
【0016】従って、図1のエスパアンテナ装置100
において、各非励振素子A1乃至A6に接続された可変
リアクタンス素子12−1乃至12−6に印加するバイ
アス電圧値を変化させて、その接合容量値であるリアク
タンス値を変化させることにより、エスパアンテナ装置
100の平面指向性特性を変化させることができる。
【0017】図1のアレーアンテナの制御装置におい
て、エスパアンテナ装置100は無線信号を受信し、上
記受信された信号は、詳細後述するインピーダンス整合
回路30、給電用同軸ケーブル5及びサーキュレータ6
を介して低雑音増幅器(LNA)1に入力されて増幅さ
れ、次いで、ダウンコンバータ(D/C)2は増幅され
た信号を所定の中間周波数の信号(IF信号)に低域変
換する。さらに、A/D変換器3は低域変換されたアナ
ログ信号をディジタル信号にA/D変換し、そのディジ
タル信号を適応制御型コントローラ20及び復調器4に
出力する。次いで、適応制御型コントローラ20は、入
力される受信信号y(t)と学習シーケンス信号r
(t)とに基づいて、各可変リアクタンス素子12−1
乃至12−6のリアクタンス値及びインピーダンス整合
回路30内の可変リアクタンス素子のリアクタンス値
を、順次所定の差分幅だけ摂動させ、各リアクタンス値
に対して所定の評価関数値(例えば、受信信号の電力)
を計算し、上記計算された評価関数値に基づいて、最急
勾配法を用いて、当該評価関数値が最大となるように、
各リアクタンス値を反復して計算することにより、当該
エスパアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に
向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リア
クタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値を
計算して設定し、かつ、エスパアンテナ装置100と無
線受信機及び無線送信機7との間のインピーダンス整合
をとるように制御する。これにより、当該評価関数値が
最大となるように、上記エスパアンテナ装置100の主
ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを
向けるための各可変リアクタンス素子12−1乃至12
−6のバイアス電圧値Vを探索し、探索の結果発見さ
れた各バイアス電圧値Vmを有する制御電圧信号を各可
変リアクタンス素子12−1乃至12−6に出力して設
定するとともに、インピーダンス整合処理を行う。
【0018】また、送信時においては、無線送信機7は
入力される送信ベースバンド信号に基づいて無線搬送波
を所定の変調方式で変調し、変調された無線搬送波であ
る無線信号をサーキュレータ6、給電用同軸ケーブル
5、インピーダンス整合回路30を介してエスパアンテ
ナ装置100の励振素子A0に出力され、これにより当
該エスパアンテナ装置100から無線信号が放射され
る。なお、送信時において、受信時に設定された各可変
リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス
値を用いる。
【0019】アレーアンテナ100で受信される無線信
号を送信する送信局は、学習シーケンス信号発生器21
で発生される所定の学習シーケンス信号と同一の信号パ
ターンを有する学習シーケンス信号を含む所定のシンボ
ルレートのディジタルデータ信号に従って、無線周波数
の搬送波信号を、例えばBPSK、QPSKなどのディ
ジタル変調法を用いて変調し、当該変調信号を電力増幅
して受信局のエスパアンテナ装置100に向けて送信す
る。本実施形態においては、データ通信を行う前に、送
信局から受信局に向けて学習シーケンス信号を含む無線
信号が送信され、受信局では、適応制御型コントローラ
20による適応制御処理が実行される。
【0020】次いで、当該エスパアンテナ装置100に
係る各種の信号の定式化について詳細に説明する。エス
パアンテナであるエスパアンテナ装置100の受信信号
y(t)は次式で表される。
【0021】
【数1】y(t)=iS(t)
【0022】ここで、iは励振素子A0及び非励振素子
A1乃至A6に誘起する電流分布を要素とする電流ベク
トルであり、S(t)はエスパアンテナ装置100の受
信信号ベクトルである。ここで、上添え字Tは転置を表
す。
【0023】電流ベクトルiは上記数1から分かるよう
に、従来技術のアダティブアレーアンテナにおけるウエ
イトベクトルの役割を果たすが、エスパアンテナである
エスパアンテナ装置100においては電流分布を直接操
作することができず、リアクタンス値を操作することに
より間接的に電流分布を制御するため、電流ベクトルi
はリアクタンス値の関数として次式のように表される。
【0024】
【数2】i=v(Z+Xm)−1
【0025】ここで、Xmは送信機の出力インピーダン
スz及び各素子のリアクタンス値を対角成分にもつ行
【数3】Xm=diag[z,jx,jx,jx
,jx,jx,jx] であり、Zは素子間結合を含めたインピーダンス行列で
ある。また、uは単位ベクトル
【数4】u=[1,0,0,0,0,0,0,] であり、vは送信機の内部電圧(開放電圧)である。
【0026】上記数3において各可変リアクタンス素子
12−1乃至12−6のリアクタンス値を要素としても
つベクトルはリアクタンスベクトルXと呼ばれ、次式の
ように表す。
【数5】X=[x,x,x,x,x,x
【0027】本実施形態において、各可変リアクタンス
素子12−1乃至12−6のバラクタダイオードに印加
するバイアス電圧値Vは適応制御型コントローラ20
からの制御電圧信号としてデジタル値−2048から2
047として入力して設定する。この数値を以下、「デ
ジタル制御電圧V」と表す。使用するバラクタダイオ
ードのカタログデータにより、デジタル制御電圧V
バラクタダイオードのインピーダンスZの関係を次式
で表すことにする。
【0028】
【数6】Z=−j(0.0217V+49.21)
【0029】エスパアンテナであるエスパアンテナ装置
100の指向性は上記数2の電流ベクトルiから計算す
ることができる(例えば、従来技術文献2「大平孝,
“エスパアンテナの等価ウェイトベクトルとアレーファ
クタ表現”,電子情報通信学会技術報告,AP2000
−44,SAT2000−41,MW2000−44,
pp.7−12,2000年7月」など参照。)。7素
子エスパアンテナ装置100の非励振素子の数Mは6で
ある。デジタル制御電圧Vのとりうる値の数4086
のM=6乗の張る空間の中から、幾つかのデータを測定
し、できるだけ評価関数値の高い点の6個の組み合わせ
を見つけることが要求される。
【0030】次いで、インピーダンス整合回路30に対
する制御処理について、以下に詳細に説明する。例え
ば、エスパアンテナ装置100において、ビームの利得
が高くなるように、ビーム形成状態に整合をとることも
考えられるが、通信品質改善と使用可能周波数の帯域確
保のためには、指向性が変化してもインピーダンス整合
がとれることが好ましい。本実施形態では、励振素子A
0にも、可変リアクタンス素子を含むインピーダンス整
合回路30を接続することを提案する。エスパアンテナ
装置100では、非励振素子A1−A6に接続された可
変リアクタンス素子12−1乃至12−6と同時に制御
できるので、インピーダンス整合調整のための装置を新
たに必要としない。
【0031】本実施形態では、図3に示すように、無限
の接地導体11上の7素子モノポール型エスパアンテナ
装置100について検討する。励振素子A0及び非励振
素子A1−A6の素子半径を0.02λ、励振素子A1
及び非励振素子A1−A6の長さを0.24λ、これら
素子の配列半径raを0.25λとする。6本の非励振
素子A1−A6に接続される可変リアクタンス素子12
−1乃至12−6のリアクタンス値ベクトルXと、入力
インピーダンスZinの関係を、モーメント法で計算し
た結果を図4に示す。ここで、6個のリアクタンス値は
すべて等しいとした。図4から明らかなように、リアク
タンス値の変化により入力インピーダンスが変化するこ
とが分かる。給電線路の特性インピーダンスzは一定
であるので、入力インピーダンス変化に対応して、不整
合損変化により動作利得も変化する。
【0032】リアクタンス値変化に伴う入力インピーダ
ンス変化を打ち消すために、図6乃至図8に示すように
それぞれ、励振素子A0の給電部にもインピーダンス整
合回路30−1乃至30−3の可変リアクタンス素子3
1,32を接続する構成を提案する。インピーダンス整
合のとれている帯域を拡大できるので、「広帯域型」と
呼ぶことができる。これに対して、図5のように励振素
子A0に可変リアクタンス素子31,32を接続しない
構造を従来例と呼ぶ。
【0033】1番目の非励振素子A1の可変リアクタン
ス素子12−1の電気容量が0.7pFでその他の非励
振素子A2−A5の可変リアクタンス素子12−2乃至
12−6のリアクタンス値を93pFとすると、リアク
タンス値の小さい1番目の非励振素子A1方向にビーム
が形成される。このビーム形成状態の入力インピーダン
スの周波数特性をモーメント法で計算した結果を図9に
示す。設計周波数2.5GHzにおいて、給電線路の特
性インピーダンス50Ωからずれており、インピーダン
スの不整合が生じることが分かる。入力インピーダンス
の虚部が0となるための、励振素子A0に接続される可
変リアクタンス素子31の電気容量を計算すると0.7
32pFとなる。励振素子A0に電気容量0.732p
Fの固定のリアクタンス素子を直列接続した場合の入力
インピーダンスの周波数特性を図10に示す。周波数
2.5GHzで入力インピーダンスの絶対値|Zin|
が小さくなっており、その虚部が設計通り小さくなって
いることが分かる。ただし、実部も小さくなっている。
固定のリアクタンス素子では、1つの周波数(2.5G
Hz)のみのインピーダンス整合の調整がされるが、可
変リアクタンス素子31を用いてそのリアクタンス値を
制御することにより入力インピーダンスが広帯域に調整
可能であることが分かる。
【0034】次いで、インピーダンス整合の調整のため
の等価ウェイトベクトル表現について以下に説明する。
エスパアンテナ装置100の特性は次式のような「エス
パ行列」Eを用いて、等価ウェイトベクトルで表現され
る(従来技術文献3「大平孝,“エスパアンテナの等価
ウェイトベクトルとその勾配に関する基本的定式化”,
電子情報通信学会技術報告,AP2001−16,SA
T2001−3,pp.15−20,2001年5月」
など参照。)。
【数7】E=(Z+Xm)−1
【0035】ここで、Zは素子間のインピーダンス行列
であり、Xmは1番目乃至6番目の非励振素子A1−A
6に接続される可変リアクタンス素子12−1乃至12
−6のリアクタンス値x−xを用いて表されるイン
ピーダンスベクトルである。
【0036】ここで、zは給電線路の特性インピーダ
ンスを表す。指向性Dは次式で表される。
【数8】D=vEu
【0037】ここで、aはステアリングベクトル、u
は第1の要素だけが1で他は0の7列の列ベクトルであ
る。上添え字のTは転置行列を表す。
【0038】本発明者らが試作したエスパアンテナ装置
100の指向性を表現できるアドミタンス行列(インピ
ーダンス行列の逆行列)の行列要素を従来技術文献4
「飯草恭一ほか,“エスパアンテナの実測値に基づくパ
ラメータフィッティング”,電子情報通信学会技術報
告,AP2001−104,pp.93−100,20
01年10月」で求めた。この試作アンテナを基にビー
ム形成状態で整合をとるように、励振素子A0に調整を
加えたアンテナを試作した。その試作アンテナの指向性
パターンの実測値を図11に示す。なお、図11乃至図
13に示す各放射パターンにおける各可変リアクタンス
素子12−1乃至12−6のリアクタンス値x1−x6
を以下の表に示す。
【0039】
【表1】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― パターン名称 [x1,x2,x3,x4,x5,x6] ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ビームパターン:[-90.8,-91.5,-6.9,-8.8,-6.9,-91.5] ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ヌルパターン:[-30.1,-60.9,-42.1,-43.6,-7.0,-6.9] ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 第1のオムニパターン:[-6.9,-6.9,-6.9,-6.9,6.9,-6.9] ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 第2のオムニパターン:[-28.6,-28.6,-28.6,-28.6,-28.6,-28.6] ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 第3のオムニパターン:[-54.8,-54.8,-54.8,-54.8,-54.8,-54.8] ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0040】すなわち、図11乃至図13は、0゜度方
向にピークを持つビームパターンと、−45°から−9
0°付近にヌルを形成したヌルパターンと、3種類の第
1乃至第3のオムニパターンを形成した結果であり、利
得の最大レベル値で規格化して相対利得を表している。
放射パターンの形状は元の試作アンテナとほぼ同じであ
るが、インピーダンス整合の調整により4つのパターン
のレベル関係が変化している。
【0041】次いで、従来技術文献5「飯草恭一ほか,
“7素子モノポール形エスパアンテナの試作結果”,電
子情報通信学会ソサエティ大会講演論文集,B−1−6
4,2001年9月」で求めたアドミタンス行列Yで計
算した指向性を図12に示す。図12から明らかなよう
に、ヌルパターンと第2のオムニパターンのレベルが図
11の実際の放射パターンに比べて小さく、レベルの相
対的関係が異なっていることが分かる。
【0042】さらに、図14に示すように、インピーダ
ンス整合に対応したインピーダンスの変化を表す、例え
ば可変リアクタンス素子にてなるインピーダンス整合回
路30を励振素子A0と給電用同軸ケーブル5などの給
電線路との間に装荷する。これは、上記数7のエスパ行
列Eの1行1列目にインピーダンス整合のためのインピ
ーダンスzを加えることで表される。zはエスパア
ンテナ装置100のアンテナのインピーダンスの変化に
よるものとして、上記数7のアンテナ側の入力インピー
ダンス行列Zの1行1列成分z00の変化と考えられる
が、上記数7より給電部の特性リアクタンス行列Xmに
含めて考えることもできる。そこで、整合インピーダン
スzを次式のように給電線路の特性インピーダンスz
と合わせてz’とし、フィッティングパラメータA
とBを用いて次式のように表す。
【0043】
【数9】 z’=z+z=A・exp(j2πB/360)
【0044】ここで、A=145、B=275°とした
ときの放射パターンを図13に示す。図13から明らか
なように、実験結果とほぼ同じレベル関係が表現できて
いる。これにより、整合インピーダンスzにより実際
のアンテナの整合調整が表現できることが分かる。同様
に、可変リアクタンス素子を接続した場合は固定のイン
ピーダンスzの代わりに、可変リアクタンス値jx
を用いxを変数として扱えばよいことが分かる。
【0045】次いで、図6に示すような直列接続型イン
ピーダンス整合回路30−1を用いる場合について以下
に説明する。図6において、インピーダンス整合回路3
0−1の可変リアクタンス素子31(リアクタンス値j
)が励振素子A0の給電点側一端と、無線送信機7
との間に挿入して装荷される。エスパアンテナ装置10
0のリアクタンス値と指向性は非線形の関係にあるた
め、制御処理は公知の最急勾配法などの方法を用いる。
送受信高周波電力Pの勾配の解析的表現は次式で表され
る(例えば、従来技術文献3参照。)。
【0046】
【数10】
【0047】ここで、Im(・)は引数の虚数部を表
し、行列Uは次式で与えられる。
【0048】
【数11】U=diag[0,δi−1,…,δ
i−6],(i=1,2,…,6)
【0049】さらに、励振素子A0にもリアクタンス値
の可変リアクタンス素子31を接続した効果を、上
記数7の回路側の特性に追加して考える。図6のような
直列接続型インピーダンス整合回路30−1の場合、上
記数7よりエスパ行列Eの1行1列目に変数jxを追
加するだけでよい。故に、送受信高周波電力Pの勾配に
関して、従来技術文献3と同様の定式化が可能であり、
上記数7、数10はそのまま成り立つ。ただし、リアク
タンス行列Xmと行列Uは制御パラメータx が増え
ることに対応して、次式のように更新される。
【0050】
【数12】Xm=diag[z+jx,jx,j
,…,jx
【数13】U=diag[δ,δi−1,…,δ
i−6],(i=0,1,2,…,6)
【0051】上記数10の最急勾配表現を用いて0°方
向の利得が高くなるように制御した場合の収束結果のパ
ターンを図15に示す。従来例に係るエスパアンテナ装
置の最急勾配法による収束結果を同じ図15に細い破線
で示す。リアクタンス値xの可変範囲を従来技術文献
5の試作アンテナに用いているバラクタダイオードの特
性に合わせて、−6.8j(9.3pF)から−91.
5j(0.7pF)とした。励振素子A0に可変リアク
タンス素子31を直列に接続することにより、利得が約
2.5dB改善している。リアクタンスの収束値を図1
6に示す。励振素子A0に、インピーダンス整合回路3
0−1である可変リアクタンス素子31を接続した第1
の実施形態に係る広帯域型のエスパアンテナ装置100
では、0番目の励振素子A0に対するリアクタンス値が
表れるが、それ以外の素子のリアクタンス値は従来例の
エスパアンテナ装置にほぼ一致している。図15の利得
パターンの形状が大きく変わっていないことからも、利
得の向上は励振素子接続のリアクタの値xが最適化さ
れることによって給電整合が改善したためであることが
分かる。このことは、インピーダンス整合に関する状態
をモニタしなくても、受信信号の電力Pをモニタするこ
とにより、整合改善が達成できることを意味している。
従って、給電部に接続された可変リアクタンス素子31
だけのための制御装置やアルゴリズムが不要であること
が分かる。なお、図15の縦軸のレベルは、z=50
Ω、v=100V(電源電圧)として上記数8により
算出される値(相対利得)であり、絶対利得や指向性利
得ではない。
【0052】また、インピーダンスは複素数で実部と虚
部の2つの自由度がある。一方、可変リアクタンス素子
31のリアクタンス値jxの自由度は1である。故
に、完全なインピーダンス整合の調整を行うには、例え
ば図8に図示した直並列型インピーダンス整合回路か3
0−3のように2つ以上の可変リアクタンス素子31,
32を用いる必要がある。ただし、非励振素子A1−A
6に接続された可変リアクタンス素子12−1乃至12
−6の数Mを増やすと、リアクタンス可変範囲のM乗的
に制御空間が広がり、制御用の信号を受信できるポート
が1つであるエスパアンテナ装置100では制御負荷が
急速に増加する。故に、図6や図7のように1つの可変
リアクタンス素子31で制御できることが好ましい。そ
こで、入力インピーダンスの実数部である抵抗Rsに対
しては、指向性が変化しても効率よくインピーダンス整
合をとれる抵抗値を与えるのが有効と考えられる。抵抗
値をパラメータとして、横軸に最急勾配法で利得を最大
にしようとする方位角φを、縦軸に利得の収束値を図1
7に示す。7素子エスパアンテナの対称性より、方位角
φに関して30度毎の対称性を有するので、30度の範
囲のみを示す。抵抗Rs=10Ωとした場合、可変リア
クタンス素子31のリアクタンス値jxの調整で達成
できる利得が高くなることが分かる。この結果から、1
つの可変リアクタンス素子31で十分な整合改善が行う
ためには、リアクタンスの可変範囲に応じて適切な固定
のRsを設定することが重要であることが分かる。
【0053】次いで、図7に図示した並列接続型インピ
ーダンス整合回路30−2について以下に説明する。制
御負荷低減のため、励振素子A0に1つの可変リアクタ
ンス素子を接続する方法には図6の直列接続型インピー
ダンス整合回路30−1の他に、図7のような並列接続
型インピーダンス整合回路30−2がある。図7におい
て、並列接続型インピーダンス整合回路30−2の可変
リアクタンス素子32(リアクタンス値jx)が、励
振素子A0の給電点側一端と、接地との間に並列に挿入
して装荷される。
【0054】以下では、並列接続型インピーダンス整合
回路30−2について検討を行う。実装状態の制御は可
変リアクタンス素子32の接続法や数によらず、最急勾
配法の変数として扱うことにより処理が行える。しかし
ながら、等価ウェイトベクトルにより上記数9のように
勾配の解析的表現が得られるので、並列接続型インピー
ダンス整合回路30−2に対する表現を求める。上記数
9のような解析的表現が得られる理由は、励振素子A0
への可変リアクタンス素子31の接続が他の非励振素子
A1−A6と同様に和の形式で表現でき、上記数7のよ
うな線形性により上記数13のような単純な行列が表れ
るためである。並列接続型インピーダンス整合回路30
−2において、線形表現を得るためには、インピーダン
スXmでなくアドミタンスYで表現するのが有効であ
る。従来技術文献3と同様の導出により、次式のように
新たなエスパ行列E’,E”を定義することにより、電
力Pの勾配が解析的に表される。
【0055】
【数14】
【数15】E’=(Z−1+Y)−1
【数16】E”=Z−1(Z−1+Y)−1
【0056】ここで、iは電源電流である。すなわち、
電力Pの勾配は、定電流源に対応した表現となる。ま
た、アドミタンス行列Yは次式のように、励振素子A0
及び非励振素子A1−A6に負荷する可変リアクタンス
素子32,12−1乃至12−6のアドミタンス値y
からなる行列である。
【0057】
【数17】 Y=diag[y+jy,jy,…,jy
【0058】また、指向性Dはステアリングベクトルa
を用いて次式で表される。
【0059】
【数18】D=iE”u
【0060】上記直列型インピーダンス整合回路30−
1と同じ条件で、この関係式を用いて最急勾配法を適用
した収束パターンを図18に示す。この計算結果から並
列接続型インピーダンス整合回路30−2に対しても最
急勾配法により0度方向の利得の最大化ができることが
確認できる。収束アドミタンス値をリアクタンス値に変
換した結果を図19に示す。直列型の図16の結果と比
較すると、リアクタンスの収束値はほぼ等しいことが分
かる。図18の指向性パターンも図15の指向性とほぼ
等しいが、レベルが約15dB高くなっている。これ
は、図7の並列接続型インピーダンス整合回路30−2
では定電流源として計算され、一方、図7では定電圧源
として計算されるためである。ここで、抵抗Rs=50
Ωとし、上記数8ではv=100Vとしているので、
入力インピーダンスが50Ωにインピーダンス整合がと
れているとき、給電線路から1Aの電流が流れる。一
方、上記数17ではi=1Aとして、電源電流i
与えられる。上記数8、数18のように、指向性は電流
から計算されるので、上記数17により指向性利得に近
い値が算出できる。
【0061】以上説明したように、従来例のエスパアン
テナ装置の励振素子A0にも可変リアクタンス素子3
1,32を接続することによるインピーダンス整合法を
提案した。インピーダンス整合状態をモニタする必要が
無く、また、非励振素子A1−A6に接続された可変リ
アクタンス素子12−1乃至12−6と一緒に適応制御
できるので、装置やアルゴリズムの追加が不要であり、
回路構成を簡単に構成できる。
【0062】また、可変リアクタンス素子31,32の
直列装荷による、すなわち直列接続型インピーダンス整
合回路30−1によるインピーダンス整合の調整は、エ
スパ行列Eの1行1列にリアクタンス値パラメータを加
えることにより表現できる。受信RF電力を最急勾配法
による最適化した結果、給電整合の改善により利得が向
上することを計算により示した。
【0063】さらに、可変リアクタンス素子32を並列
接続してなる、並列接続型インピーダンス整合回路30
−2では、これに対応するエスパ行列E’,E”と、指
向性や電力勾配の等価ウェイトベクトル表現を求めた。
並列接続の表現式では電源電流を与えることができると
いう特長がある。
【0064】以上の実施形態においては、図6の直列型
インピーダンス整合回路30−1及び図7の並列型イン
ピーダンス整合回路30−2について説明しているが、
本発明はこれに限らず、図8の直並列型インピーダンス
整合回路30−3のように構成してもよい。図8におい
て、可変リアクタンス素子31がが、励振素子A0の給
電点側一端と、無線送信機7との間に挿入して装荷され
るとともに、可変リアクタンス素子32が、励振素子A
0の給電点側一端と、接地との間に並列に挿入して装荷
される。各可変リアクタンス素子31,32の2つのリ
アクタンス値を適応制御処理により計算する必要がある
が、インピーダンス整合処理をより精密に実行すること
ができる。
【0065】<変形例>以上の実施形態においては、6
本の非励振素子A1乃至A6を用いているが、その本数
は少なくとも複数本あれば、当該アレーアンテナ装置の
指向特性を電子的に制御することができる。それに代わ
って、6個よりも多くの非励振素子を備えてもよい。ま
た、非励振素子A1乃至A6の配置形状も上記の実施形
態に限定されず、励振素子A0から所定の距離だけ離れ
ていればよい。すなわち、各非励振素子A1乃至A6に
対する間隔は一定でなくてもよい。また、素子長も均一
でなくてもよい。
【0066】以上の実施形態においては、学習シーケン
ス信号r(t)を用いた適応制御処理は実際の通信の開
始前に実行しているが、本発明はこれに限らず、通信の
最初に行っても、ある時間周期毎に行ってもよい。
【0067】以上の実施形態においては、例えば、評価
関数値を最大となるように改善させるべく適応制御して
いるが、評価関数をその逆数にしたときは、それを最小
となるように改善させるべく適応制御してもよい。
【0068】以上の実施形態においては、最急勾配法を
用いて適応制御処理を行っているが、本発明はこれに限
らず、適応制御方法として、純粋ランダム探索法、最急
勾配法、高次元二分法、順次ランダム法、回帰ステップ
法、ハミルトン力学による方法などの非線形計画法にお
ける反復的な数値解法を用いてもよい。
【0069】以上の実施形態においては、評価関数とし
て高周波出力電力Pを用いているが、出力SINR又は
その度合いを示す他の種々の評価関数を用いてもよい。
また、以上の実施形態においては、学習シーケンス信号
r(t)を用いて評価関数を計算しているが、本発明は
これに限らず、学習シーケンス信号r(t)を用いない
種々の評価関数を用いてもよい。例えば、従来技術文献
6「大平孝,“モーメント規範に基づくエスパアンテナ
の定振幅ブラインド適応ビーム形成”,電子情報通信学
会技術報告,ED2001−155,MW2001−1
15,pp.23−28,2001年11月」において
開示されているように、励振素子によって受信された受
信信号に基づいて、例えば最急勾配法などの非線形計画
法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号の
みで表された目的関数の値が最大又は最小となるよう
に、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向
けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアク
タンス素子のリアクタンス値を計算して設定するステッ
プを含み、上記目的関数は、所定の期間における、上記
受信信号の絶対値の時間平均値の二乗値を、上記受信信
号の絶対値の二乗値の時間平均値で除算した関数である
ように構成してもよい。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係るアレー
アンテナの制御方法又は制御装置によれば、エスパアン
テナ装置において、上記アレーアンテナと無線送受信機
との間に、整合用可変リアクタンス素子を含むインピー
ダンス整合回路を挿入し、上記励振素子によって受信さ
れた受信信号に基づいて、非線形計画法における反復的
な数値解法を用いて、上記受信信号の電力を表す目的関
数が実質的に最大となるように、上記アレーアンテナの
主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌル
を向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス
値、及び上記整合用可変リアクタンス素子のリアクタン
ス値を計算して設定する。従って、アレーアンテナの適
応制御処理と同時に、アンテナ装置と無線送受信機との
間で常にインピーダンス整合をとることができる。すな
わち、インピーダンス整合回路のための制御処理を必要
としないので、きわめて簡単な構成で、適応制御処理
と、インピーダンス整合処理を同時に実行できる。これ
により、給電点におけるインピーダンス整合の調整によ
り送受信時における利得を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施形態であるアレーアンテナ
の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のエスパアンテナ装置100の詳細な構
成を示す断面図である。
【図3】 図1の無線送信機7を接続したときのエスパ
アンテナ装置100の構成を示す斜視図及びブロック図
である。
【図4】 従来例のエスパアンテナ装置におけるリアク
タンス値の変化に伴う入力インピーダンスの変化を示す
グラフである。
【図5】 従来例に係るエスパアンテナ装置における励
振素子A0と非励振素子An(n=1,2,…,6)に
接続された回路を示す回路図である。
【図6】 第1の実施形態に係るエスパアンテナ装置1
00において直列接続型インピーダンス整合回路30−
1を励振素子A0に接続したときの、励振素子A0と非
励振素子An(n=1,2,…,6)に接続された回路
を示す回路図である。
【図7】 第2の実施形態に係るエスパアンテナ装置1
00において並列接続型インピーダンス整合回路30−
2を励振素子A0に接続したときの、励振素子A0と非
励振素子An(n=1,2,…,6)に接続された回路
を示す回路図である。
【図8】 第3の実施形態に係るエスパアンテナ装置1
00において直並列接続型インピーダンス整合回路30
−3を励振素子A0に接続したときの、励振素子A0と
非励振素子An(n=1,2,…,6)に接続された回
路を示す回路図である。
【図9】 従来例に係るエスパアンテナ装置における入
力インピーダンスの周波数特性を示すグラフである。
【図10】 第1の実施形態に係る直列接続型インピー
ダンス整合回路30−1を備えたエスパアンテナ装置1
00における入力インピーダンスの周波数特性を示すグ
ラフである。
【図11】 実施形態に係る試作エスパアンテナ装置1
00の実験結果であって、インピーダンス整合パラメー
タによる水平面内指向性パターンレベルの変化を示すグ
ラフである。
【図12】 実施形態に係る試作エスパアンテナ装置1
00の実験結果であって、インピーダンス整合を考慮し
ていないエスパ行列Eで計算した結果であり、インピー
ダンス整合パラメータによる水平面内指向性パターンレ
ベルの変化を示すグラフである。
【図13】 実施形態に係る試作エスパアンテナ装置1
00の実験結果であって、インピーダンス整合を表すパ
ラメータzを考慮して計算した結果であり、インピー
ダンス整合パラメータによる水平面内指向性パターンレ
ベルの変化を示すグラフである。
【図14】 本実施形態においてインピーダンス整合調
整を表すパラメータzを示すための励振素子A0付近
の回路図である。
【図15】 従来例及び第1の実施形態に係るエスパア
ンテナ装置100における可変リアクタ直接接続による
収束利得の放射パターンの改善を示すグラフである。
【図16】 従来例及び第1の実施形態に係るエスパア
ンテナ装置100におけるリアクタ追加による収束リア
クタンス値への影響を示すグラフである。
【図17】 第1の実施形態に係るエスパアンテナ装置
100において利得収束値の方位角依存性の固定抵抗R
sによる変化を示すグラフである。
【図18】 第2の実施形態に係るエスパアンテナ装置
100における0度方向利得最適化を示す収束利得パタ
ーンを示すグラフである。
【図19】 第2の実施形態に係るエスパアンテナ装置
100における0度方向利得最適化を示すリアクタンス
の収束値を示すグラフである。
【符号の説明】
A0…励振素子、 A1乃至A6…非励振素子、 1…低雑音増幅器(LNA)、 2…ダウンコンバータ、 3…A/D変換器、 4…復調器、 5…給電用同軸ケーブル、 6…サーキュレータ、 7…無線送信機、 11…接地導体、 12−1乃至12−6…可変リアクタンス素子、 20…適応制御型コントローラ、 21…学習シーケンス信号発生器、 30,30−1,30−2,30−3…インピーダンス
整合回路、 31,32…可変リアクタンス素子、 100…エスパアンテナ装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J020 AA03 BA02 BC02 BC08 DA01 DA03 5J021 AA05 AA09 AB02 CA06 DB02 DB03 EA04 FA04 FA24 FA32 GA02 HA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線信号を送受信するための励振素子
    と、 上記励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数
    の非励振素子と、 上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変
    リアクタンス素子とを備え、 上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化さ
    せることにより、上記複数の非励振素子をそれぞれ導波
    器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特
    性を変化させるアレーアンテナの制御方法であって、 上記アレーアンテナと無線送受信機との間に、整合用可
    変リアクタンス素子を含むインピーダンス整合回路を挿
    入し、 上記励振素子によって受信された受信信号に基づいて、
    非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記
    受信信号の電力を表す目的関数が実質的に最大となるよ
    うに、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に
    向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リア
    クタンス素子のリアクタンス値、及び上記整合用可変リ
    アクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定するス
    テップを含むことを特徴とするアレーアンテナの制御方
    法。
  2. 【請求項2】 上記インピーダンス整合回路は、上記ア
    レーアンテナと無線送受信機との間に、直列に挿入され
    た可変リアクタンス素子を備えたことを特徴とする請求
    項1記載のアレーアンテナの制御方法。
  3. 【請求項3】 上記インピーダンス整合回路は、上記ア
    レーアンテナと無線送受信機との間の接続点と接地との
    間に、並列に挿入された可変リアクタンス素子を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載のアレーアンテナの制御
    方法。
  4. 【請求項4】 上記インピーダンス整合回路は、上記ア
    レーアンテナと無線送受信機との間に直列に挿入された
    可変リアクタンス素子と、上記アレーアンテナと無線送
    受信機との間の接続点と接地との間に並列に挿入された
    可変リアクタンス素子とを備えたことを特徴とする請求
    項1記載のアレーアンテナの制御方法。
  5. 【請求項5】 無線信号を送受信するための励振素子
    と、 上記励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数
    の非励振素子と、上記複数の非励振素子にそれぞれ接続
    された複数の可変リアクタンス素子とを備え、 上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化さ
    せることにより、上記複数の非励振素子をそれぞれ導波
    器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特
    性を変化させるアレーアンテナの制御装置であって、 上記アレーアンテナと無線送受信機との間に挿入され、
    整合用可変リアクタンス素子を含むインピーダンス整合
    回路と、 上記励振素子によって受信された受信信号に基づいて、
    非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記
    受信信号の電力を表す目的関数が実質的に最大となるよ
    うに、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に
    向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リア
    クタンス素子のリアクタンス値、及び上記整合用可変リ
    アクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定する制
    御手段とを備えたことを特徴とするアレーアンテナの制
    御装置。
  6. 【請求項6】 上記インピーダンス整合回路は、上記ア
    レーアンテナと無線送受信機との間に、直列に挿入され
    た可変リアクタンス素子を備えたことを特徴とする請求
    項5記載のアレーアンテナの制御装置。
  7. 【請求項7】 上記インピーダンス整合回路は、上記ア
    レーアンテナと無線送受信機との間の接続点と接地との
    間に、並列に挿入された可変リアクタンス素子を備えた
    ことを特徴とする請求項5記載のアレーアンテナの制御
    装置。
  8. 【請求項8】 上記インピーダンス整合回路は、上記ア
    レーアンテナと無線送受信機との間に直列に挿入された
    可変リアクタンス素子と、上記アレーアンテナと無線送
    受信機との間の接続点と接地との間に並列に挿入された
    可変リアクタンス素子とを備えたことを特徴とする請求
    項5記載のアレーアンテナの制御装置。
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