JP2003303735A - 誘電体用硬化型組成物及び積層フィルムコンデンサ - Google Patents

誘電体用硬化型組成物及び積層フィルムコンデンサ

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JP2003303735A
JP2003303735A JP2002107127A JP2002107127A JP2003303735A JP 2003303735 A JP2003303735 A JP 2003303735A JP 2002107127 A JP2002107127 A JP 2002107127A JP 2002107127 A JP2002107127 A JP 2002107127A JP 2003303735 A JP2003303735 A JP 2003303735A
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meth
acrylate
dielectric
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JP2002107127A
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Eiichi Okazaki
栄一 岡崎
Yasunori Muramatsu
靖則 村松
Yasuhiro Kubo
泰宏 久保
Shigeyoshi Nishikawa
重義 西川
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Toagosei Co Ltd
Nichicon Corp
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Nichicon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属化フィルムの接着性に優れ、小形ではんだ
耐熱性の高い積層フィルムコンデンサを製造し得る、誘
電体用硬化型組成物及び積層フィルムコンデンサを提供
する。 【解決手段】(メタ)アクリレート(A)及びエチレン
性不飽和基を有するシランカップリング剤(B)を含有
する誘電体用硬化型組成物、及び基板上に、前記組成物
にて1.0μm以下の塗膜を形成した後、活性エネルギ
ー線の照射及び/または加熱により硬化して製造された
誘電体層と、金属の電極層とを交互に積層してなる積層
フィルムコンデンサである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体用硬化型組
成物及びこれから製造された積層フィルムコンデンサに
関するものであり、本発明の積層フィルムコンデンサ
は、特に電子機器に使用される小形の積層フィルムチッ
プコンデンサに適したものであり、これら技術分野にお
いて賞用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、積層フィルムコンデンサは、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド
及びポリエチレンナフタレート等の誘電体フィルムの片
面または両面に、アルミニウム等の金属を蒸着した金属
化フィルムを重ね合わせ、積層体を形成する方法で製造
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
積層フィルムコンデンサは、誘電体フィルムの厚さが
1.2μmが限界でこれ以上薄くすることができず、小
形化を図ることができなかった。また、積層させた金属
化フィルム間の接着性が不十分であるため、はんだ耐熱
性、特に鉛フリーはんだに対するリフロー耐熱試験(2
60℃、10秒)において変形、層間で剥離を起し、十
分な電気特性及び耐湿性が得られないという問題があっ
た。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
ので、金属化フィルムの接着性に優れ、小形ではんだ耐
熱性の高い積層フィルムコンデンサを製造し得る、誘電
体用硬化型組成物及び積層フィルムコンデンサを提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の検
討の結果、前記課題を解決するためには、(メタ)アク
リレートと特定のシランカップング剤を併用した硬化型
組成物が、金属の電極層との接着性に優れており、さら
にこれを使用して特定の方法で積層したフィルムコンデ
ンサが前記課題を解決することを見出し、本発明を完成
した。すなわち、本発明の第1発明は、(メタ)アクリ
レート(A)及びエチレン性不飽和基を有するシランカ
ップリング剤(B)を含有することを特徴とする誘電体
用硬化型組成物であり、第2発明は、(A)成分の合計
量に対して、前記(B)成分を0.01〜5質量%の割
合で含有してなる第1発明の誘電体用硬化型組成物であ
り、第3発明は、前記(B)成分が、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリエトキシシラン及びγ−アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランから選択される1種以上の化合
物である第1発明または第2発明の誘電体用硬化型組成
物であり、第4発明は、基板上に、第1発明〜第3発明
のいずれかに記載の組成物にて1.0μm以下の塗膜を
形成した後、活性エネルギー線の照射及び/または加熱
により硬化して製造された誘電体層と、金属の電極層と
を交互に積層してなる積層フィルムコンデンサ。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書においては、アクリレートまたはメタク
リレートを(メタ)アクリレートと表す。1.誘電体用硬化型組成物 本発明は、(メタ)アクリレート(A)及びエチレン性
不飽和基を有するシランカップリング剤(B)を含有す
る誘電体用硬化型組成物に関するものである。以下それ
ぞれの成分について説明する。
【0007】1-1.(メタ)アクリレート(A) 本発明の組成物に使用する(メタ)アクリレート(A)
〔以下単に(A)成分という〕は、モノマー及びオリゴ
マーのいずれも使用できる。
【0008】モノマーの例としては、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート
等のフェノールのアルキレンオキシド付加物のアクリレ
ート類及びそのハロゲン核置換体;エチレングリコール
のモノまたはジ(メタ)アクリレート、メトキシエチレ
ングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート及
びトリプロピレングリコールのモノまたはジ(メタ)ア
クリレート等のグリコールのモノまたはジ(メタ)アク
リレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート等のポリオールの(メタ)アクリレート、並
びにこれらポリオールのアルキレンオキサイド付加物の
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0009】オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)ア
クリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート及びエ
ポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0010】ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
としては、ポリオールと有機ポリイソシアネート反応物
に対して、さらにヒドロキシル基含有(メタ)アクリレ
ートを反応させた反応物等が挙げられる。ここで、ポリ
オールとしては、低分子量ポリオール、ポリエチレング
リコール及びポリエステルポリオール等がある。低分子
量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、シクロヘキサンジメタノール及び3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、ポリエ
ーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール及
びポリプロピレングリコール等が挙げられ、ポリエステ
ルポリオールとしては、これら低分子量ポリオールまた
は/及びポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハ
ク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル
酸等の二塩基酸またはその無水物等の酸成分との反応物
が挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、トリ
レンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及び
イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。ヒドロキ
シル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0011】ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴ
マーとしては、ポリエステルポリオールと(メタ)アク
リル酸との脱水縮合物が挙げられる。ポリエステルポリ
オールとしては、エチレングリコール、ポリエチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール及
びトリメチロールプロパン等の低分子量ポリオール、並
びにこれらのアルキレンオキシド付加物等のポリオール
と、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸またはその無水物
等の酸成分とからの反応物等が挙げられる。
【0012】エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂に
(メタ)アクリル酸を付加反応させたもので、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、フェ
ノールまたはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の
(メタ)アクリレート、及びポリエーテルのジグリシジ
ルエーテルの(メタ)アクリル酸付物等が挙げられる。
【0013】これらの中で特に好ましいものとしては、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート及び
トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート
を挙げることができる。
【0014】(A)成分は、2種以上を併用することも
できる。
【0015】1-2.エチレン性不飽和基を有するシラン
カップリング剤(B) 本発明の組成物におけるエチレン性不飽和基を有するシ
ランカップリング剤(B)〔以下単に(B)成分とい
う〕としては種々の化合物が使用可能である。例えば、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、p−
スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルメチルジメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチ
ルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、p−スチリルトリエトキシシラン、p−スチリ
ルメチルジエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラ
ン、ビニルメチルジプロポキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリプロポキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−アクリロキ
シプロピルトリプロポキシシラン、γ−アクリロキシプ
ロピルメチルジプロポキシシラン、p−スチリルトリプ
ロポキシシラン、p−スチリルトリメチルプロポキシシ
ラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シラン等を挙げることができる。これ
らの中でも、誘電体層と電極層との接着強度に優れると
いう理由で、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン及びγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
が好ましい。
【0016】(B)成分は、2種以上を併用することも
できる。
【0017】1-3.その他の成分 本発明の組成物は、電子線または紫外線等の活性エネル
ギー線の照射、または加熱により硬化させることができ
る。
【0018】本発明の組成物を紫外線により硬化させる
場合には、組成物に光重合開始剤を配合する。光重合開
始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロ
ピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル、
アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセ
トフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒ
ドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチル
チオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−
オン等のアセトフェノン、2−メチルアントラキノン、
2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルア
ントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミ
ルアントラキノン等のアントラキノン、2,4−ジメチ
ルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソピルチオ
キサントン等のチオキサントン、アセトフェノンジメチ
ルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケター
ル、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン、並びにキサン
トン等がある。これら光重合開始剤は、単独で使用する
ことも、安息香酸系、アミン系等の光重合開始促進剤と
組み合わせて使用することもできる。
【0019】本発明の組成物を加熱により硬化させる場
合には、組成物に熱重合開始剤を配合する。熱重合開始
剤としては、過酸化物及びアゾ化合物等が挙げられる。
過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイル、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロ
ペルオキシド及びジクミルペルオキシド等が挙げられ
る。アゾ化合物の例としては、アゾビスイソブチロニト
リル及びアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等
が挙げられる。
【0020】また、必要に応じ架橋の度合いを調整する
ために、連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動
剤としては、ドデシルメルカプタン、キサントゲン酸ジ
スルフィド、ジアゾチオエーテル及び2−プロパノール
等が挙げられる。
【0021】本発明の組成物には、更に必要に応じて、
消泡剤、レベリング剤及び酸化防止剤等の各種添加剤を
配合することもできる。
【0022】1-4.組成物の製造方法 本発明の組成物は、(A)成分、(B)成分及び必要に
応じてその他の成分を、常法に従い攪拌・混合すること
により製造することができる。この場合、必要に応じて
加熱しても良い。
【0023】本発明の(B)成分の割合としては、
(A)成分の合計量に対して、0.01〜5質量%が好
ましい。この範囲外のものは、誘電体層と電極層の接着
強度が不十分となる場合がある。
【0024】2.用途及び積層フィルムコンデンサ 本発明の組成物は、活性エネルギー線または加熱により
硬化させ、誘電体として使用するものである。硬化方法
としては、活性エネルギー線を使用する方法が、硬化速
度に優れるため、目的物の製造工程を短縮化させること
ができ好ましい。活性エネルギー線としては、紫外線及
び電子線等が挙げられ、電子線により硬化させること
が、紫外線により硬化させる場合と比較して、組成物に
光重合開始剤を配合する必要がなく、得られた硬化物
(誘電体)が誘電性能に優れたものとなるため好まし
い。この場合において、硬化性をさらに改善するため、
組成物中に熱重合開始剤を配合し、活性エネルギー線を
照射した後、加熱する方法も採用できる。
【0025】本発明の組成物から得られる誘電体の用途
としては、種々の積層フィルムコンデンサの製造に好ま
しく使用できる。本発明の組成物によれば、従来の誘電
体フィルムを使用して製造される積層フィルムコンデン
サと異なり、積層フィルムコンデンサの積層体の製造工
程において、組成物を薄膜状に塗工し硬化させることに
より誘電体を形成することができるため、誘電体層を厚
さ1.0μm以下の薄膜化が可能となり、得られる積層
フィルムコンデンサの小型化が可能となるのである。さ
らに本発明の組成物の硬化物(誘電体)は、電極層との
接着性に優れるため、はんだ耐熱性が向上したものとな
る。
【0026】本発明の組成物を使用して製造した好まし
い積層フィルムコンデンサとしては、基板上に、前記組
成物を1.0μm以下の塗膜を形成した後、活性エネル
ギー線の照射により硬化して製造された誘電体層と、そ
の上に金属の電極層を交互に積層したものである。当該
基板としては、銅、ステンレス、黄銅、及びクロームメ
ッキ鋼板等の金属板、並びにPET樹脂、ポリイミド樹
脂及びPPS樹脂等のプラスチックフィルム等が挙げら
れる。
【0027】本発明の組成物を1.0μm以下の塗膜形
成するための塗布方法としては、真空蒸着法、超音波に
よる霧化法及びインクジェット法等を挙げることができ
る。
【0028】組成物の塗膜を形成した後、活性エネルギ
ー線の照射により組成物を硬化させる。この場合の条件
は、常法に従えばよい。また、活性エネルギー線の照射
は、窒素雰囲気または真空下で行うこともできる。
【0029】誘電体層の上に形成される金属の電極層に
おいて、使用される金属としては、アルミニウム及び/
または亜鉛等が挙げられる。この場合、真空蒸着等の方
法により、金属の電極層を形成する。
【0030】以上の操作を複数回繰り返し、積層フィル
ムコンデンサが製造される。
【0031】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を
より具体的に説明する。 ○実施例1 <組成物の製造>(A)成分としてトリシクロデカンジ
メタノールジアクリレート(以下A−1という)を、
(B)成分としてビニルトリメトキシシラン(以下B−
1という)またはγ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン(以下B−2という)を使用し、A−1に対
してB−1またはB−2を、それぞれ表1示す割合に従
い配合して、組成物を調製した。得られた組成物を使用
し、その硬化膜とアルミ蒸着面との接着性試験を実施し
た。以下、図1に基づき、接着性試験を説明する。アル
ミ蒸着されたポリイミドフィルム1(厚さ50μmで、
厚さ数百オングストロームのアルミニウム蒸着膜2を施
したもの)に、バーコーターを使用して得られた組成物
を3μmの膜厚さで塗布し、窒素ガス雰囲気下で、電子
線を170KVの加速電圧の下、5Mrad照射して、
硬化膜3を形成した樹脂シートを作成した。この硬化膜
に粘着PETフィルム4を貼り(接着面20mm×20
mm)、引張せん断試験(引張速度10mm/分)によ
り接着強度を測定した。はんだ耐熱性は、前記樹脂シー
トを溶融はんだに260℃、5秒浸漬した後に前記と同
様の方法で接着剤強度(引張せん断試験)を測定した。
それらの結果を、表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】○実施例2 (A)成分としてヘキサンジオールジアクリレート(以
下A−2という)を、(B)成分としてB−1またはB
−2を使用し、A−2に対してB−1またはB−2を、
それぞれ表2に示す割合に従い配合して、組成物を調製
した。得られた組成物を使用して、実施例1と同様の方
法に従い樹脂シートを作成し、はんだ浸漬前後の接着強
度を測定した。それらの結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】○比較例1 (A)成分としてA−1を、シランカップリング剤とし
て、(B)成分と異なるエチレン性不飽和基を有しない
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン(以下S−1と
いう)またはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン(以下S−2という)を使用し、A−1に対してS
−1またはS−2を、それぞれ表3に示す割合に従い配
合して、組成物を調製した。得られた組成物を使用し
て、実施例1と同様の方法に従い樹脂シートを作成し、
はんだ浸漬前後の接着強度を測定した。それらの結果を
表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】上記の結果から明らかなように、(A)成
分単独のものよりも、(B)成分を添加した本発明の組
成物は、硬化膜とアルミ蒸着膜との接着強度が高くな
り、更にはんだ浸漬後向上することが分かった。また、
(B)成分の割合は、特に0.01〜5重量%において
大きな効果を有するものであった。また、(B)成分と
異なるシランカップリング剤を配合した組成物(比較例
1)は、無添加の場合より硬化膜とアルミ蒸着膜との接
着強度が若干向上するものの、本発明の組成物(実施例
1及び同2)と比較すると、不十分なものであった。
【0038】○実施例3 <組成物の製造>(A)成分としてA−1を、(B)成
分としてB−1またはB−2を使用し、A−1に対して
B−1またはB−2を、それぞれ表4に示す割合に従い
配合して、組成物を調製した。 <積層フィルムコンデンサの製造>得られた組成物を使
用して積層フィルムコンデンサを製造した。これを図2
に従い説明する。金属基板上に得られた組成物を厚さ
0.3μmとなるよう塗布し、実施例1と同様の条件で
電子線照射により硬化した保護層5を100回繰り返し
形成した。その上に、テープマスク、シャドウマスク、
オイルマスク等のマスク方式により複数本の帯状の絶縁
マージン(幅0.2mm)6で分離されるようにアルミ
ニウムを真空蒸着し電極層7を形成した。その後、再び
全面に得られた組成物を厚さ0.3μmとなるよう塗布
し前記と同様にして電子線照射により硬化させた誘電体
層8を形成した。次に、前記の絶縁マージン6に対し
1.0mmずらして複数本の帯状の絶縁マージン(幅
0.2mm)9で分離されるようにアルミニウムを真空
蒸着し対向電極層10とした。以下同様にして、組成物
の塗布とアルミニウムの真空蒸着を、真空槽の中で連続
して3760回繰り返し積層し、所定の積層数になった
後アルミニウムの真空蒸着を停止し、誘電体用組成物を
塗布と硬化のみ繰り返し保護層11を積層し積層フィル
ムコンデンサ用積層体を得た。この積層体を基板より外
して絶縁マージン6、9で切断し外部電極を取付け、定
格1μF、16VDCの積層フィルムコンデンサを製作
した。
【0039】○比較例2 誘電体製造のための剤として、A−1のみを使用した。
A−1を使用する以外は、実施例3と同様の方法によ
り、厚さ0.3μmの誘電体層8からなる定格1μF、
16VDCの積層フィルムコンデンサを製造した。
【0040】○比較例3 (A)成分としてA−1を、シランカップリング剤とし
てS−1またはS−2を使用し、A−1に対してS−1
またはS−2を、それぞれ表4に示す割合に従い配合し
て、組成物を調製した。得られたそれぞれの組成物を使
用し、実施例3と同様の方法により、厚さ0.3μmの
誘電体層8からなる定格1μF、16VDCの積層フィ
ルムコンデンサを製造した。
【0041】○比較例4 比較のため、従来の積層フィルムコンデンサを製造し
た。金属化フィルムは、厚さ1.2μmのポリフェニレ
ンサルファイドフィルム上に複数本の帯状の絶縁マージ
ン(幅0.2mm)に分離されるように、アルミニウム
を真空蒸着して電極層を形成し、ロール状に製造した。
この金属化フィルム1対を幅方向に1mmずらして所定
回数巻き取り、その後扁平に熱プレスして積層体にし、
この積層体を切断し外部電極を取付け、定格1μF、1
6VDCの積層フィルムコンデンサを製造した。
【0042】実施例3及び比較例2〜4で得られた積層
フィルムコンデンサの10個を、リフロー(260℃、
10秒)によるはんだ耐熱試験を行った。次に、リフロ
ー(260℃、10秒)後の積層フィルムコンデンサを
60℃、95%(相対湿度)の耐湿試験を500時間及
び1000時間行った。はんだ耐熱試験、耐湿試験前後
の静電容量をLCRメータにより測定した。それらの静
電容量変化率(平均値)を、表4に示す。本発明の組成
物によれば、厚さ1.0μm以下の誘電体層の薄膜化が
可能となり、積層フィルムコンデンサの小形化が図れ
る。また、表4の結果から明らかなように、本発明の積
層フィルムコンデンサは、260℃リフローによるはん
だ耐熱試験において静電容量変化率が少なく、更に耐湿
試験の結果も安定した特性を示すことが分かった。これ
は、積層体の誘電体層とアルミ蒸着膜電極層とが、高温
に曝されても高い接着性を維持し、層間剥離を防げたた
めと考えられる。
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】本発明の組成物により、誘電体層の薄膜
化が可能となり、積層フィルムコンデンサの小形化を図
ることができる。更に、本発明の組成物からなる製造さ
れる積層フィルムコンデンサは、誘電体層と電極層との
接着強度が高く、積層フィルムコンデンサの実装におけ
る鉛フリー対応の260℃リフローに対し高品質で優れ
た特性が得られるものであり、工業的に価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1及び同2、並びに比較例1の
接着性試験で使用した樹脂シートを表す図である。
【図2】図2は、実施例3で製造した積層フィルムコン
デンサ用積層体の構造を表す図である。
【符号の説明】
1 ポリイミドフィルム 2 アルミニウム蒸着膜 3 誘電体用硬化型組成物の硬化膜 4 粘着PETフィルム 5、11 保護層 6、9 絶縁マージン 7、10 蒸着電極層 8 誘電体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村松 靖則 徳島県徳島市川内町中島575番地の1東亞 合成株式会社徳島工場内 (72)発明者 久保 泰宏 京都府京都市中京区御池通烏丸東入一筋目 仲保利町191番地の4 上原ビル3階 ニ チコン株式会社内 (72)発明者 西川 重義 京都府京都市中京区御池通烏丸東入一筋目 仲保利町191番地の4 上原ビル3階 ニ チコン株式会社内 Fターム(参考) 5E082 AA01 AB03 BB07 BC23 EE27 EE37 FF05 FG32 LL02 MM22 MM23 MM24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリレート(A)及びエチレン
    性不飽和基を有するシランカップリング剤(B)を含有
    することを特徴とする誘電体用硬化型組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分の合計量に対して、前記(B)
    成分を0.01〜5質量%の割合で含有してなる請求項
    1に記載の誘電体用硬化型組成物。
  3. 【請求項3】前記(B)成分が、ビニルトリメトキシシ
    ラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシ
    プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
    ピルトリエトキシシラン及びγ−アクリロキシプロピル
    トリメトキシシランから選択される1種以上の化合物で
    ある請求項1または請求項2記載の誘電体用硬化型組成
    物。
  4. 【請求項4】基板上に、請求項1〜請求項3のいずれか
    に記載の組成物にて1.0μm以下の塗膜を形成した
    後、活性エネルギー線の照射及び/または加熱により硬
    化して製造された誘電体層と、金属の電極層とを交互に
    積層してなる積層フィルムコンデンサ。
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