JP2003302452A - 核磁気共鳴装置の多重同調回路およびプローブ - Google Patents

核磁気共鳴装置の多重同調回路およびプローブ

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JP2003302452A JP2002239176A JP2002239176A JP2003302452A JP 2003302452 A JP2003302452 A JP 2003302452A JP 2002239176 A JP2002239176 A JP 2002239176A JP 2002239176 A JP2002239176 A JP 2002239176A JP 2003302452 A JP2003302452 A JP 2003302452A
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    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/32Excitation or detection systems, e.g. using radio frequency signals
    • G01R33/36Electrical details, e.g. matching or coupling of the coil to the receiver
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Abstract

(57)【要約】 【課題】共振回路のRF電圧に対する耐圧性を向上させ
て、高電力のRF注入を行なっても、放電事故が起こり
にくい核磁気共鳴装置の多重同調回路を提供する。 【解決手段】サンプルコイルとインダクタンスで、共振
回路のRF振幅電圧がサンプルコイルの中点付近でゼロ
となるような平衡共振回路を構成するとともに、該平衡
共振回路を構成するサンプルコイルとインダクタンスの
間を、容量素子を介して接続することにより、サンプル
コイルとインダクタンスに発生するRF電圧が相互に加
算されないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴装置の
多重同調回路に関し、特に、RF電圧に対する耐圧性を
高めた核磁気共鳴装置の多重同調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、共鳴周波数がLF1およびLF
2であるような、2種類の低周波共鳴核に対し、同時に
RFの照射またはNMR信号の検出を行なえるように構
成した従来の多重同調回路を示すものである。ここで、
LF1は、LF2よりも周波数が高いRFで、例えば、
LF1は13C核の共鳴周波数、LF2は17Oの共鳴
周波数に相当している。
【0003】図中1は、ソレノイドコイルやサドルコイ
ルなどから成るサンプルコイルである。サンプルコイル
1の両端には、インダクタンス2、3が直接接続されて
いる。これらのインダクタンス2、3は、一端がサンプ
ルコイル1に接続され、他端がコンデンサー6および/
または9を介し間接的に、またはコンデンサー6、9を
介することなく直接的に接地して使用される。図では、
2つのインダクタンスを共に間接的に接地させた例を示
している。
【0004】サンプルコイル1の両端は、LF1の2つ
の同調コンデンサー4、7を介して接地されている。ま
た、LF1の同調バリコン10も、サンプルコイル1の
一端に、同調コンデンサー7と並列に接続されている。
このとき、LF1の同調コンデンサー4の容量と、LF
1の同調コンデンサー7とLF1の同調バリコン10の
和容量とは、ほぼ同程度になるように設定される。
【0005】また、LF2の同調バリコン12と整合バ
リコン13は、インダクタンス2、または3のうち、ど
ちらか一方の接地側端部に接続される。例えば、図1の
例では、LF2の同調バリコン12と整合バリコン13
は、インダクタンス3の接地側端部に接続され、LF2
の同調コンデンサー6の容量と、LF2の同調コンデン
サー9と同調バリコン12の和容量とが、ほぼ同程度に
なるように設定されている。
【0006】このとき、サンプルコイル1、インダクタ
ンス2、3、同調コンデンサー6、9、4、7は、サン
プルコイル1の中点付近で振幅電圧がゼロとなるような
平衡共振回路を構成している。
【0007】尚、インダクタンス2、3は、電線をコイ
ル状に巻いたヘリカルコイルのような集中インダクタン
スであっても、導体棒のような分布インダクタンスであ
っても、インダクタンス成分の素子であれば何でも良
い。
【0008】次に、この多重同調回路の動作について説
明する。図2は、周波数LF1のRFに対して共振して
いるときの多重同調回路の等価回路を示している。LF
2に対する同調コンデンサー6および9は容量が大き
く、LF1の周波数では十分に小さなインピーダンスな
ので、2つのインダクタンス2、3は、図のように直列
に接続されていると見なされる。また、同調コンデンサ
ー9の容量が大きいことにより、LF2側の同調バリコ
ン12と整合バリコン13の寄与は小さい。
【0009】その結果、LC共振回路は、直列接続され
た2つのインダクタンス2、3に、サンプルコイル1が
並列接続された合成インダクタンスと、LF1に対する
同調コンデンサー4および7とで構成され、LF1側の
同調バリコン10と整合バリコン11とでLF1に対す
るLC共振回路の同調および整合が行なわれる。LF1
に対する同調と整合が取れて、共振電流が最大になった
ある時点でのRF電流の向きの一例を、矢印21、22
で示す。
【0010】次に、図3に、周波数LF2のRFに対し
て共振しているときの多重同調回路の等価回路を示す。
LF1に対する同調コンデンサー4および7は容量が小
さく、LF2の周波数では十分に大きなインピーダンス
なので、2つの同調コンデンサー4および7の寄与は小
さい。また、LF1側の同調バリコン10と整合バリコ
ン11も、容量が小さいので寄与が小さい。
【0011】その結果、LC共振回路は、インダクタン
ス2、サンプルコイル1、インダクタンス3の順番に直
列接続された合成インダクタンスと、LF2に対する同
調コンデンサー6および9とで構成され、LF2側の同
調バリコン12と整合バリコン13とでLF2に対する
同調・整合が行なわれる。
【0012】LF2に対する同調・整合が取れて、共振
電流が最大になったある時点でのRF電流の向きの一例
を、矢印31で示す。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、LF2に対
して共振しているときの多重同調回路の等価回路を示し
た図3では、インダクタンス2、サンプルコイル1、イ
ンダクタンス3が直列接続された合成インダクタンスと
なるので、RF電流31が流れた場合、インダクタンス
2に発生するRF電圧、サンプルコイル1に発生するR
F電圧、インダクタンス3に発生するRF電圧が加算さ
れ、32の位置と33の位置に、接地に対して極めて高
いRF電圧が発生する。そのため、32、33と接地と
の間で放電事故が起こりやすいという問題があった。い
ったん放電事故が発生すると、コンデンサーなどの電子
部品が焼損してしまい、高額な修理費用が必要となる。
【0014】本発明の目的は、上述した点に鑑み、多重
同調回路の耐圧を向上させて、高電力のRF注入を行な
っても放電事故が起こりにくい核磁気共鳴装置の多重同
調回路を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明にかかる核磁気共鳴装置の多重同調回路は、
端部A、Bを備え、端部Aが第1の容量素子を介して接
地され、また、端部Bが第2の容量素子を介して接地さ
れたサンプルコイルと、一端が第3の容量素子を介して
サンプルコイルの端部Aに接続され、他端が接地された
第1のインダクタンスと、一端が第4の容量素子を介し
てサンプルコイルの端部Bに接続され、他端が接地され
た第2のインダクタンスと、前記サンプルコイルに第1
の高周波を供給する整合回路および同調回路と、前記サ
ンプルコイルに第2の高周波を供給する整合回路および
同調回路とを備えた核磁気共鳴装置の多重同調回路であ
って、サンプルコイル、第1のインダクタンス、第2の
インダクタンス、第1の容量素子、第2の容量素子、第
3の容量素子、および第4の容量素子が、サンプルコイ
ルの中点付近で振幅電圧がゼロとなるような平衡共振回
路を構成していることを特徴としている。
【0016】また、前記第1のインダクタンスの接地端
は、第5の容量素子を介して接地されていることを特徴
としている。
【0017】また、前記第2のインダクタンスの接地端
は、第6の容量素子を介して接地されていることを特徴
としている。
【0018】また、前記第1の高周波のための整合回路
および同調回路は、前記サンプルコイルの一端に直接接
続されていることを特徴としている。
【0019】また、前記第2の高周波のための整合回路
および同調回路は、前記第1のインダクタンスと前記第
5の容量素子との間、または前記第2のインダクタンス
と前記第6の容量素子との間に接続されていることを特
徴としている。
【0020】また、前記第3の容量素子と第4の容量素
子のうち、少なくとも一方が前記第2の高周波のための
同調用可変容量素子であることを特徴としている。
【0021】また、前記第2の高周波のための同調用可
変容量素子は、一端が前記サンプルコイルと第2の容量
素子との接続点に接続され、他端が前記第2のインダク
タンスに接続されると共に、前記第2の高周波のための
同調用可変容量素子と前記第2のインダクタンスとの接
続点は、前記第1の高周波を共振させるための第8の容
量素子を介して接地されていることを特徴としている。
【0022】また、サンプルコイルの端部Aに接続され
た前記第3の容量素子を少なくとも2つに分割して直列
に接続し、該直列接続された容量素子同士の接続点に、
第1の容量素子の一端および第1の高周波のための整合
回路および同調回路の一端を接続すると共に、該第1の
容量素子の他端および該第1の高周波のための整合回路
および同調回路の他端を共に接地すると共に、サンプル
コイルの端部Bに接続された前記第4の容量素子を少な
くとも2つに分割して直列に接続し、該直列接続された
容量素子同士の接続点に、第1の高周波を共振させるた
めの第2の容量素子の一端を接続すると共に、該第2の
容量素子の他端を接地したことを特徴としている。
【0023】また、少なくとも前記第1のインダクタン
スまたは第2のインダクタンスと並列に、可変または固
定容量素子を接続したことを特徴としている。
【0024】また、端部A、Bを備えたサンプルコイル
と、一端が第1の容量素子および第2の容量素子を介し
てサンプルコイルの端部Aに接続され、他端が接地され
た第1のインダクタンスと、一端が第3の容量素子およ
び第4の容量素子を介してサンプルコイルの端部Bに接
続され、他端が接地された第2のインダクタンスと、前
記第1の容量素子と前記第2の容量素子との接続点と、
前記第3の容量素子と前記第4の容量素子との接続点と
の間を直接的に、または接地を介して間接的に結ぶ第5
の容量素子または容量素子群と、前記サンプルコイルに
第1の高周波を供給する整合回路と、前記サンプルコイ
ルに第2の高周波を供給する整合回路とを備えた核磁気
共鳴装置の多重同調回路であって、サンプルコイル、第
1のインダクタンス、第2のインダクタンス、第1の容
量素子、第2の容量素子、第3の容量素子、および第4
の容量素子が、サンプルコイルの中点付近で振幅電圧が
ゼロとなるような平衡共振回路を構成していることを特
徴としている。
【0025】また、前記第1のインダクタンスの接地端
は、第6の容量素子を介して接地されていることを特徴
としている。
【0026】また、前記第2のインダクタンスの接地端
は、第7の容量素子を介して接地されていることを特徴
としている。
【0027】また、前記第1の容量素子ないし第4の容
量素子のうち、少なくとも1つが、前記第2の高周波の
ための同調用可変容量素子であることを特徴としてい
る。
【0028】また、前記第5の容量素子または容量素子
群の中の少なくとも1つの容量素子が、前記第1の高周
波のための同調用可変容量素子であることを特徴として
いる。
【0029】また、少なくとも前記第1のインダクタン
スまたは第2のインダクタンスと並列に、可変または固
定容量素子を接続したことを特徴としている。
【0030】また、第1の高周波は、第2の高周波より
も周波数が高いことを特徴としている。
【0031】また、端部A、Bを備えたサンプルコイル
と、一端が第1の容量素子、第1のインダクタンス、お
よび、第2の容量素子を介してサンプルコイルの端部A
に接続され、他端が接地された第2のインダクタンス
と、一端が第3の容量素子、第3のインダクタンス、お
よび、第4の容量素子を介してサンプルコイルの端部B
に接続され、他端が接地された第4のインダクタンス
と、前記第1のインダクタンスと前記第2の容量素子と
の接続点と、前記第3のインダクタンスと前記第4の容
量素子との接続点との間を直接的に、または接地を介し
て間接的に結ぶ第5の容量素子または容量素子群と、前
記サンプルコイルに第1の高周波を供給する整合回路
と、前記サンプルコイルに第2の高周波を供給する整合
回路と、前記サンプルコイルに第3の高周波を供給する
整合回路とを備えた核磁気共鳴装置の多重同調回路であ
って、サンプルコイル、第1のインダクタンス、第2の
インダクタンス、第3のインダクタンス、第4のインダ
クタンス、第1の容量素子、第2の容量素子、第3の容
量素子、および、第4の容量素子が、サンプルコイルの
中点付近で振幅電圧がゼロとなるような平衡共振回路を
構成していることを特徴としている。
【0032】また、前記第2のインダクタンスの接地端
は、第6の容量素子を介して接地されていることを特徴
としている。
【0033】また、前記第4のインダクタンスの接地端
は、第7の容量素子を介して接地されていることを特徴
としている。
【0034】また、前記第1の容量素子ないし第4の容
量素子のうち、少なくとも1つが、前記第2の高周波の
ための同調用可変容量素子であることを特徴としてい
る。
【0035】また、前記第5の容量素子または容量素子
群の中の少なくとも1つの容量素子が、前記第1の高周
波のための同調用可変容量素子であることを特徴として
いる。
【0036】また、前記第3の高周波のための同調容量
素子は、少なくとも前記第1のインダクタンスの所定の
位置、または第3のインダクタンスの所定の位置に設け
られていることを特徴としている。
【0037】また、少なくとも前記第2のインダクタン
スまたは第4のインダクタンスと並列に、可変または固
定容量素子を接続したことを特徴としている。
【0038】また、前記第1の高周波の入力端子と整合
容量素子との間に、前記第2の高周波をリジェクトする
バンド・リジェクト・フィルターを挿入したことを特徴
としている。
【0039】また、前記第2の高周波の入力端子と整合
容量素子との間に、前記第1の高周波をリジェクトする
バンド・リジェクト・フィルターを挿入したことを特徴
としている。
【0040】また、第3の高周波は、第1の高周波より
も周波数が高く、第1の高周波は、第2の高周波よりも
周波数が高いことを特徴としている。
【0041】また、端部A、Bを備え、端部Aが第1の
容量素子を介して接地され、また、端部Bが第2の容量
素子を介して接地されたサンプルコイルと、一端が第3
の容量素子を介してサンプルコイルの端部Aに接続さ
れ、他端が接地された第1のインダクタンスと、一端が
第4の容量素子を介してサンプルコイルの端部Bに接続
され、他端が接地された第2のインダクタンスと、前記
サンプルコイルに第1の高周波を供給する整合回路およ
び同調回路と、前記サンプルコイルに第2の高周波を供
給する整合回路および同調回路とを備えた多重同調回路
を構成要素とする核磁気共鳴装置のプローブであって、
該多重同調回路の少なくとも電気回路部分の外側を包囲
する筒状電極を設け、該筒状電極を該多重同調回路の接
地電極として用いるようにしたことを特徴としている。
【0042】また、端部A、Bを備えたサンプルコイル
と、一端が第1の容量素子および第2の容量素子を介し
てサンプルコイルの端部Aに接続され、他端が接地され
た第1のインダクタンスと、一端が第3の容量素子およ
び第4の容量素子を介してサンプルコイルの端部Bに接
続され、他端が接地された第2のインダクタンスと、前
記第1の容量素子と前記第2の容量素子との接続点と、
前記第3の容量素子と前記第4の容量素子との接続点と
の間を直接的に、または接地を介して間接的に結ぶ第5
の容量素子または容量素子群と、前記サンプルコイルに
第1の高周波を供給する整合回路と、前記サンプルコイ
ルに第2の高周波を供給する整合回路とを備えた多重同
調回路を構成要素とする核磁気共鳴装置のプローブであ
って、該多重同調回路の少なくとも電気回路部分の外側
を包囲する筒状電極を設け、該筒状電極を該多重同調回
路の接地電極として用いるようにしたことを特徴として
いる。
【0043】また、端部A、Bを備えたサンプルコイル
と、一端が第1の容量素子、第1のインダクタンス、お
よび、第2の容量素子を介してサンプルコイルの端部A
に接続され、他端が接地された第2のインダクタンス
と、一端が第3の容量素子、第3のインダクタンス、お
よび、第4の容量素子を介してサンプルコイルの端部B
に接続され、他端が接地された第4のインダクタンス
と、前記第1のインダクタンスと前記第2の容量素子と
の接続点と、前記第3のインダクタンスと前記第4の容
量素子との接続点との間を直接的に、または接地を介し
て間接的に結ぶ第5の容量素子または容量素子群と、前
記サンプルコイルに第1の高周波を供給する整合回路
と、前記サンプルコイルに第2の高周波を供給する整合
回路と、前記サンプルコイルに第3の高周波を供給する
整合回路とを備えた多重同調回路を構成要素とする核磁
気共鳴装置のプローブであって、該多重同調回路の少な
くとも電気回路部分の外側を包囲する筒状電極を設け、
該筒状電極を該多重同調回路の接地電極として用いるよ
うにしたことを特徴としている。
【0044】また、前記筒状電極は、所定の位置にプロ
ーブの内側と外側を連通させる窓を有することを特徴と
している。
【0045】また、端部A、Bを備えたサンプルコイル
と、一端がサンプルコイルの端部Aに接続され、他端が
接地された第1のコンデンサーと、一端がサンプルコイ
ルの端部Bに接続され、他端が接地された第2のコンデ
ンサーとを備え、サンプルコイル、第1のコンデンサ
ー、第2のコンデンサーの3者が、サンプルコイルの中
点付近でRFの振幅電圧がゼロとなるような平衡共振回
路を構成している核磁気共鳴装置のプローブであって、
該プローブの少なくとも電気回路部分の外側を筒状電極
で包囲すると共に、該筒状電極を該電気回路の接地電極
として用いるようにしたことを特徴としている。
【0046】また、前記筒状電極は、所定の位置にプロ
ーブの内側と外側を連通させる窓を有することを特徴と
している。
【0047】 [発明の詳細な説明]
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図4は、本発明にかかる核磁気
共鳴装置の多重同調回路の一実施例を示したもので、共
鳴周波数がLF1およびLF2であるような、2種類の
低周波共鳴核に対し、同時にRFの照射またはNMR信
号の検出を行なえるように構成した多重同調回路であ
る。ここで、LF1は、LF2よりも周波数が高いRF
で、例えば、LF1は13C核の共鳴周波数、LF2は
17Oの共鳴周波数に相当している。
【0048】図中1は、ソレノイドコイルやサドルコイ
ルなどから成るサンプルコイルである。サンプルコイル
1の両端には、インダクタンス2、3が、LF2の2つ
の同調コンデンサー6、9を介して間接的に接続されて
いる。また、これらのインダクタンス2、3の他端は、
コンデンサー6、9よりも大容量のコンデンサー14お
よび/または15を介し間接的に、またはコンデンサー
14、15を介することなく直接的に接地して使用され
る。図では、2つのインダクタンスを共に間接的に接地
させた例を示している。
【0049】サンプルコイル1の両端は、LF1核の2
つの同調コンデンサー4、7を介して接地されている。
また、LF1核の同調バリコン10も、サンプルコイル
1の一端に、同調コンデンサー7と並列に接続されてい
る。このとき、LF1核の同調コンデンサー4の容量
と、LF1核の同調コンデンサー7と同調バリコン10
の和容量とは、ほぼ同程度になるように設定される。
【0050】また、LF2核の同調バリコン12と整合
バリコン13は、インダクタンス2、または3のうち、
どちらか一方の接地側端部に接続される。例えば、図4
の例では、LF2核の同調バリコン12と整合バリコン
13は、インダクタンス3の接地側端部に接続され、コ
ンデンサー6と9とがほぼ同程度、またコンデンサー1
5とバリコン12との和容量とコンデンサー14とがほ
ぼ同程度になるように設定されている。
【0051】このとき、サンプルコイル1、インダクタ
ンス2、3、同調コンデンサー6、9、4、7、14、
15は、サンプルコイル1の中点付近で振幅電圧がゼロ
となるような平衡共振回路を構成している。
【0052】尚、インダクタンス2、3は、電線をコイ
ル状に巻いたヘリカルコイルのような集中インダクタン
スであっても、導体棒のような分布インダクタンスであ
っても、インダクタンス成分の素子であれば何でも良
い。
【0053】次に、この多重同調回路の動作について説
明する。図5は、周波数LF1のRFに対して共振して
いるときの多重同調回路の等価回路を示している。LF
2に対する4つの同調コンデンサー6、9、14、およ
び15は容量が大きく、LF1の周波数では十分に小さ
なインピーダンスなので、2つのインダクタンス2、3
は、図のように直列に接続されていると見なされる。ま
た、同調コンデンサー15の容量が大きいことにより、
LF2側の同調バリコン12と整合バリコン13の寄与
は小さい。
【0054】その結果、LC共振回路は、直列接続され
た2つのインダクタンス2、3に、サンプルコイル1が
並列接続された合成インダクタンスと、LF1に対する
同調コンデンサー4および7とで構成され、LF1側の
同調バリコン10と整合バリコン11とでLF1に対す
るLC共振回路の同調および整合が行なわれる。LF1
に対する同調と整合が取れて、共振電流が最大になった
ある時点でのRF電流の向きの一例を、矢印21、22
で示す。
【0055】次に、図6に、周波数LF2のRFに対し
て共振しているときの多重同調回路の等価回路を示す。
LF1に対する同調コンデンサー4および7は容量が小
さく、LF2の周波数では十分に大きなインピーダンス
なので、2つの同調コンデンサ4および7の寄与は小さ
い。また、LF1側の同調バリコン10と整合バリコン
11も、容量が小さいので寄与は小さい。
【0056】その結果、LC共振回路は、コンデンサー
14、インダクタンス2、コンデンサー6、サンプルコ
イル1、コンデンサー9、インダクタンス3、コンデン
サー15の順番に直列接続されたものとなり、LF2側
の同調バリコン12と整合バリコン13とで、このLC
共振回路に対する同調・整合が行なわれる。
【0057】LF2に対する同調・整合が取れて、共振
電流が最大になったある時点でのRF電流の向きの一例
を、矢印61および62で示す。
【0058】このとき、インダクタンス2にはRF電圧
が発生するが、一端がコンデンサー6、9よりも大容量
のコンデンサー14で接地されているので、67の位置
には、インダクタンス2に発生するRF電圧分の電圧し
か発生しない。インダクタンス3も同様で、インダクタ
ンス3にはRF電圧が発生するが、一端がコンデンサー
6、9よりも大容量のコンデンサー15で接地されてい
るので、68の位置には、インダクタンス3に発生する
RF電圧分の電圧しか発生しない。また、図6のLC共
振回路は平衡共振回路なので、サンプルコイル1の中点
がほぼゼロ電位になり、65と66の位置には、サンプ
ルコイル1に発生するRF電圧の1/2が発生するに過
ぎない。このため、LC共振回路内で、インダクタンス
2に発生するRF電圧、サンプルコイル1に発生するR
F電圧、インダクタンス3に発生するRF電圧が加算さ
れることはない。
【0059】ただ、同調コンデンサー6と同調コンデン
サー9のそれぞれには、従来と同様に大きなRF電圧差
が印加されるが、これに対しては、複数のコンデンサー
を直列に接続して使用することにより、RF電圧を分圧
して放電を防止するように構成させる。
【0060】尚、本発明は、上記実施例に限定されるも
のではなく、さまざまな変形が可能である。例えば、図
7は、本発明にかかる核磁気共鳴装置の多重同調回路の
別の実施例を示したもので、共鳴周波数がLF1および
LF2であるような、2種類の低周波共鳴核に対し、同
時にRFの照射またはNMR信号の検出を行なえるよう
に構成した多重同調回路である。ここで、LF1は、L
F2よりも周波数が高いRFで、例えば、LF1は13
C核の共鳴周波数、LF2は17Oの共鳴周波数に相当
している。
【0061】図中1は、ソレノイドコイルやサドルコイ
ルなどから成るサンプルコイルである。サンプルコイル
1の両端には、インダクタンス2、3が、LF2の2つ
の同調コンデンサー6、9を介して間接的に接続されて
いる。また、これらのインダクタンス2、3の他端は、
LF2の同調コンデンサー14および/または15を介
し間接的に、またはLF2の同調コンデンサー14、1
5を介することなく直接的に接地して使用される。図で
は、2つのインダクタンスを共に間接的に接地させた例
を示している。
【0062】サンプルコイル1の両端は、LF1の2つ
の同調コンデンサー4、7を介して接地されている。ま
た、LF1の同調バリコン10も、サンプルコイル1の
一端に、同調コンデンサー7と並列に接続されている。
このとき、LF1の同調コンデンサー4の容量と、LF
1の同調コンデンサー7と同調バリコン10の和容量と
は、ほぼ同程度になるように設定される。
【0063】また、LF2の同調バリコン12と整合バ
リコン13は、インダクタンス2、または3のうち、ど
ちらか一方の接地側端部に接続される。例えば、図7の
例では、LF2の同調バリコン12と整合バリコン13
は、インダクタンス3の接地側端部に接続され、コンデ
ンサー6と9とがほぼ同程度、またコンデンサー15と
バリコン12との和容量とコンデンサー14とがほぼ同
程度になるように設定されている。
【0064】このとき、サンプルコイル1、インダクタ
ンス2、3、同調コンデンサー6、9、4、7、14、
15は、サンプルコイル1の中点付近で振幅電圧がゼロ
となるような平衡共振回路を構成している。
【0065】尚、インダクタンス2、3は、電線をコイ
ル状に巻いたヘリカルコイルのような集中インダクタン
スであっても、導体棒のような分布インダクタンスであ
っても、インダクタンス成分の素子であれば何でも良
い。
【0066】この実施例では、インダクタンス2および
3に、可変容量素子71および72を並列接続してい
る。可変容量素子71、72の値をそれぞれ適宜な値に
設定することにより、LF1の並列共振回路を構成さ
せ、LF1のRF電力がLF2の同調・整合回路側に通
過するのを防ぐようにさせる。これにより、LF2の同
調と整合を取る際に、バリコン12および13の容量を
変化させても、LF1側に与える影響はほとんどなくな
る。
【0067】尚、このような可変容量素子71、72の
用い方は、図7の場合に限らず、以下に述べる図8〜図
10のような例に用いられるインダクタンスに対しても
適用できることは言うまでもない。
【0068】また、図8は、本発明にかかる核磁気共鳴
装置の多重同調回路の更に別の実施例を示したもので、
共鳴周波数がLF1およびLF2であるような、2種類
の低周波共鳴核に対し、同時にRFの照射またはNMR
信号の検出を行なえるように構成した多重同調回路であ
る。ここで、LF1は、LF2よりも周波数が高いRF
で、例えば、LF1は13C核の共鳴周波数、LF2は
17Oの共鳴周波数に相当している。
【0069】図中1は、ソレノイドコイルやサドルコイ
ルなどから成るサンプルコイルである。サンプルコイル
1の両端には、インダクタンス2、3が、LF2の2つ
の同調コンデンサー81、82、83、84を介して間
接的に接続されている。また、これらのインダクタンス
2、3の他端は、LF2の同調コンデンサー14および
/または15を介し間接的に、またはLF2の同調コン
デンサー14、15を介することなく直接的に接地して
使用される。図では、2つのインダクタンスを共に間接
的に接地させた例を示している。
【0070】このとき、サンプルコイル1、インダクタ
ンス2、3、同調コンデンサー4、7、14、15、8
1、82、83、84は、サンプルコイル1の中点付近
で振幅電圧がゼロとなるような平衡共振回路を構成して
いる。
【0071】尚、インダクタンス2、3は、電線をコイ
ル状に巻いたヘリカルコイルのような集中インダクタン
スであっても、導体棒のような分布インダクタンスであ
っても、インダクタンス成分の素子であれば何でも良
い。
【0072】この実施例では、サンプルコイル1の両端
に接続されたLF2の2つの同調コンデンサーをそれぞ
れ2分割して直列に接続している。そして、一方の直列
接続されたコンデンサーである81と82の接続点に
は、LF1の同調コンデンサー4の一端が接続され、該
同調コンデンサー4の他端側は接地されている。また、
もう一方の直列接続されたコンデンサーである83と8
4の接続点には、LF1の同調コンデンサー7、同調バ
リコン10、および整合バリコン11の一端がそれぞれ
接続され、該同調コンデンサー7、同調バリコン10、
および整合バリコン11の他端側はそれぞれ接地されて
いる。これにより、LF1側の同調・整合回路が接続さ
れている同調コンデンサー83と84の接続点付近は、
LF2共振時のRF振幅電圧がほとんどゼロになり、接
地電位とほぼ等しくなる。その結果、LF1の同調と整
合を取る際に、バリコン10および11の容量を変化さ
せても、LF2側に与える影響はほとんどなくなる。
【0073】また、図9は、本発明にかかる核磁気共鳴
装置の多重同調回路の更に別の実施例を示したもので、
共鳴周波数がLF1およびLF2であるような、2種類
の低周波共鳴核に対し、同時にRFの照射またはNMR
信号の検出を行なえるように構成した多重同調回路であ
る。ここで、LF1は、LF2よりも周波数が高いRF
で、例えば、LF1は13C核の共鳴周波数、LF2は
17Oの共鳴周波数に相当している。
【0074】図中1は、ソレノイドコイルやサドルコイ
ルなどから成るサンプルコイルである。サンプルコイル
1の両端には、インダクタンス2、3が、LF2の同調
コンデンサー6およびLF2の同調バリコン93を介し
て間接的に接続されている。また、これらのインダクタ
ンス2、3の他端は、LF2の同調コンデンサー14お
よび/または15を介し間接的に、またはLF2の同調
コンデンサー14、15を介することなく直接的に接地
して使用される。図では、2つのインダクタンスを共に
間接的に接地させた例を示している。
【0075】尚、LF2の同調コンデンサー6とLF2
の同調バリコン93とは、互いに逆の位置に設けられて
いても良いし、同調バリコン93と対の形で、もう1つ
のLF2用同調バリコンが同調コンデンサー6の代わり
に設けられていても良い。
【0076】また、インダクタンス2、3は、電線をコ
イル状に巻いたヘリカルコイルのような集中インダクタ
ンスであっても、導体棒のような分布インダクタンスで
あっても、インダクタンス成分の素子であれば何でも良
い。
【0077】このとき、サンプルコイル1、インダクタ
ンス2、3、同調コンデンサー4、7、91、92、1
4、15、6、同調バリコン93は、サンプルコイル1
の中点付近で振幅電圧がゼロとなるような平衡共振回路
を構成している。
【0078】この実施例では、サンプルコイル1とイン
ダクタンス2の間にLF2の同調バリコンを挿入するこ
とにより、より実際的にLF1とLF2の回路調整がで
きるように構成されている。すなわち、LF1とLF2
の同調を取るためには、まず最初に、サンプルコイル1
と同調コンデンサー4、7で構成される部分を、同調バ
リコン10と整合バリコン11とを用いてLF1に同調
させる。次に、同調コンデンサー91、92、インダク
タンス2、3、および同調コンデンサー14、15で構
成される部分を、整合バリコン13を用いてLF1に同
調させる。そして、最後に、サンプルコイル1と同調コ
ンデンサー4、7で構成される部分と同調コンデンサー
91、92、インダクタンス2、3、および同調コンデ
ンサー14、15で構成される部分とをつなぎ合わせ、
全体を同調バリコン93を用いてLF2に同調させる。
このように、3段階でLF1とLF2の同調を取ること
により、多重同調回路全体の複雑な回路調整が効率良く
行なえるようになる。
【0079】また、図10は、本発明にかかる核磁気共
鳴装置の多重同調回路の更に別の実施例を示したもの
で、共鳴周波数がLF1およびLF2であるような、2
種類の低周波共鳴核に対し、同時にRFの照射またはN
MR信号の検出を行なえるように構成した多重同調回路
である。ここで、LF1は、LF2よりも周波数が高い
RFで、例えば、LF1は13C核の共鳴周波数、LF
2は17Oの共鳴周波数に相当している。
【0080】図中1は、ソレノイドコイルやサドルコイ
ルなどから成るサンプルコイルである。サンプルコイル
1の一端には、インダクタンス2がLF2の同調バリコ
ン101およびコンデンサー102を介して間接的に接
続されている。また、サンプルコイル1の他端には、イ
ンダクタンス3がコンデンサー103および104を介
して間接的に接続されている。インダクタンス2、3の
もう一端は、LF2の同調コンデンサー14および/ま
たは15を介し間接的に、またはLF2の同調コンデン
サー14、15を介することなく直接的に接地して使用
される。図では、2つのインダクタンスを共に間接的に
接地させた例を示している。
【0081】また、LF2の同調バリコン101とコン
デンサー102との接続点と、コンデンサー103とコ
ンデンサー104との接続点との間は、コンデンサー1
05、106、107、およびLF1の同調バリコン1
08で直接的に、または接地を介して間接的に接続され
ている。図では、2つの接続点間を、コンデンサー群で
直接的に接続した例を示している。
【0082】尚、インダクタンス2、3は、電線をコイ
ル状に巻いたヘリカルコイルのような集中インダクタン
スであっても、導体棒のような分布インダクタンスであ
っても、インダクタンス成分の素子であれば何でも良
い。
【0083】また、LF2の同調バリコン101は、コ
ンデンサー102、103、104のうちのいずれかと
置き換えられていても良い。また、コンデンサー10
5、106、107、およびLF1の同調バリコン10
8には、その他の組み合わせ方が可能であり、また、コ
ンデンサー105、106、107は、バリコンなどに
置き換えられていても良い。
【0084】このような構成において、LC共振回路が
LF2に対して共振しているときには、LF2の同調バ
リコン101とコンデンサー102との接続点付近、お
よび、コンデンサー103とコンデンサー104との接
続点付近が、共にゼロ電位に近くなるように調整されて
いる。その結果、LF1の同調バリコン108は、LF
2の共振自体に影響を与えない。また、LC共振回路が
LF1に対して共振しているときには、コンデンサー1
06をコンデンサー105、107よりも大容量にして
おけば、LF1の同調バリコン108にはLF1の高電
圧が加わらない。
【0085】以上、二重同調回路の実施例について述べ
たが、以下に述べる例は、三重同調回路の実施例であ
る。
【0086】図11は、本発明にかかる核磁気共鳴装置
の三重同調回路の実施例を示したもので、共鳴周波数が
HF、LF1、およびLF2であるような、1種類の高
周波共鳴核と2種類の低周波共鳴核に対し、同時にRF
の照射またはNMR信号の検出を行なえるように構成し
た多重同調回路である。ここで、HFは、LF1やLF
2よりも周波数が高いRFで、例えば1H核や19F核
の共鳴周波数に相当し、LF1は、LF2よりも周波数
が高いRFで、例えば、LF1は13C核の共鳴周波
数、LF2は17Oの共鳴周波数に相当している。
【0087】図中1は、ソレノイドコイルやサドルコイ
ルなどから成るサンプルコイルである。サンプルコイル
1の一端は、LF2の同調バリコン101を介して導体
110の一端に、また、サンプルコイル1の他端は、L
F2の同調コンデンサー103を介して導体111の一
端に、それぞれ間接的に接続されている。尚、LF2の
同調バリコン101とLF2の同調コンデンサー103
とは、互いに逆の位置に置かれていても良いし、あるい
は、コンデンサー102やコンデンサー104の位置と
置き換えられていても良い。
【0088】また、導体111のサンプルコイル側端部
から所定の距離だけ導体側に入った位置(すなわち、導
体111の途中)には、HF用同調バリコン114の一
端が接続され、このHF用同調バリコン114の他端は
接地されている。尚、このHF用同調バリコン114
は、導体110側に設けられていても良い。
【0089】2つの導体110、111は、互いに平行
線路を形成している。導体110の端部Xは、HFの整
合コンデンサー112とHFの整合バリコン113とか
ら成るHF整合回路を介して、HFの入力端子に接続さ
れている。また、導体111の端部Yは、LF1の整合
バリコン11を介して、LF1の入力端子に接続されて
いる。また、導体110の端部Xと導体111の端部Y
の間は、LF1用同調コンデンサー105、LF1用同
調バリコン108、LF1用同調コンデンサー107に
より接続されている。尚、導体110の端部Xと導体1
11の端部Yの間は、図12のように、接地を介して、
間接的にLF1同調用の容量素子で接続されていても良
い。また、このときのHF整合回路とLF1用整合バリ
コン11の位置は、互いに逆であっても良い。
【0090】導体110の端部Xは、コンデンサー10
2を介してインダクタンス2の一端に接続され、インダ
クタンス2の他端は、コンデンサー14を介して間接的
に、またはコンデンサー14を介さず直接的に接地され
ている。図11は、コンデンサー14を介して接地させ
た例を示している。また、導体111の端部Yは、コン
デンサー104を介してインダクタンス3の一端に接続
され、インダクタンス3の他端は、コンデンサー15を
介して間接的に、またはコンデンサー15を介さず直接
的に接地されている。図11は、コンデンサー15を介
して接地させた例を示している。インダクタンス2とコ
ンデンサー14の接続部には、LF2の整合バリコン1
3を介して、LF2の入力端子が接続されている。尚、
このLF2の整合バリコン13とLF2の入力端子は、
インダクタンス3とコンデンサー15の接続部側に設け
られていても良い。
【0091】このとき、サンプルコイル1、LF2用同
調バリコン101、同調コンデンサー103、導体11
0、導体111、同調コンデンサー102、同調コンデ
ンサー104、インダクタンス2、インダクタンス3、
同調コンデンサー14、同調コンデンサー15は、サン
プルコイル1の中点付近で振幅電圧がゼロとなるような
平衡共振回路を構成している。
【0092】尚、インダクタンス2、インダクタンス3
は、電線をコイル状に巻いたヘリカルコイルのような集
中インダクタンスであっても、導体棒のような分布イン
ダクタンスであっても、インダクタンス成分の素子であ
れば何でも良い。また、導体110、導体111も、電
線をコイル状に巻いたヘリカルコイルのような集中イン
ダクタンスであっても、導体棒のような分布インダクタ
ンスであっても、インダクタンス成分の素子であれば何
でも良い。
【0093】次に、この三重同調回路の動作について説
明する。図13は、周波数HFのRFに対して共振して
いるときの、ある瞬間におけるHFの振幅電圧を示す。
LF2用同調バリコン101、同調コンデンサー10
3、同調コンデンサー105、同調コンデンサー10
7、LF1用同調バリコン108は、周波数HFでは、
インピーダンスが十分に小さくなるので、短絡している
と見なして良い。その結果、導体110、導体111、
LF2用同調バリコン101、コンデンサー103で、
1/4波長平行線路共振器が形成され、サンプルコイル
1の両端に、電圧振幅が等しく、符号が互いに逆のRF
電圧が発生し、HF共振する。サンプルコイル1から見
た場合、このHF共振は、逆符号で電圧振幅が同じにな
る平衡共振なので、同じRF電力で比較した場合、不平
衡共振回路に比べて、発生するRF電圧は半分で済む。
その結果、本実施例は、通常の不平衡回路の場合の4倍
のRF電力に耐えることができる。
【0094】次に、図14は、周波数LF1のRFに対
して共振しているときの三重同調回路を示している。L
F2用同調バリコン101、コンデンサー14、15、
102、103、104は、容量が大きく、LF1の周
波数では十分に小さなインピーダンスなので、短絡に近
い状態となる。また、導体110、111のインダクタ
ンスの値は小さいので、誘導素子としての寄与は小さ
い。その結果、2つのインダクタンス2、3は直列に、
また、2つのインダクタンス2、3とサンプルコイル1
とは並列に、それぞれ接続されていると近似的に見なさ
れる。
【0095】その結果、共振回路は、直列接続された2
つのインダクタンス2、3に、サンプルコイル1が並列
接続された合成インダクタンスと、LF1に対する同調
コンデンサー105、107、およびLF1用同調バリ
コン108とで構成され、LF1側の同調バリコン10
8と整合バリコン11とでLF1に対する共振回路の同
調および整合が行なわれる。尚、HFとLF1とは、周
波数が離れているため、HF整合回路がLF1共振に与
える影響は小さい。また、LF2整合回路は、LF1の
振幅電圧がほぼゼロ電位となる位置に設けられているた
め、LF2整合回路がLF1共振に与える影響は小さ
い。LF1に対する同調と整合が取れて、共振電流が最
大になったある時点でのRF電流の向きの一例を、矢印
120、121で示す。矢印120はサンプルコイル1
側を流れるRF電流、矢印121は直列接続されたイン
ダクタンス2、3側を流れるRF電流で、両者は並列の
関係にある。これは、図5で示した電流21、22の流
れ方とまったく同じである。
【0096】次に、図15は、周波数LF2のRFに対
して共振しているときの三重同調回路を示している。L
F1に対する2つの同調コンデンサー105、107、
LF1用同調バリコン108、HF整合回路、LF1整
合回路は、いずれもLF2の振幅電圧がほぼゼロ電位と
なる位置に設けられているため、LF2共振への影響は
小さい。また、コンデンサー14、15は、容量が大き
く、LF2の周波数では十分に小さなインピーダンスな
ので、インダクタンス2、3は直列に接続されていると
見なして良い。また、導体110、111のインダクタ
ンスの値は小さいので、誘導素子としての寄与は小さ
い。その結果、サンプルコイル1と2つのインダクタン
ス2、3は直列に接続されていると近似的に見なされ
る。
【0097】その結果、共振回路は、直列接続されたサ
ンプルコイル1と2つのインダクタンス2、3による合
成インダクタンスと、LF2用同調バリコン101、L
F2に対する3つの同調コンデンサー102、103、
104とで構成され、LF2側の同調バリコン101と
整合バリコン13とでLF2に対するLC共振回路の同
調および整合が行なわれる。直列接続されたサンプルコ
イル1、インダクタンス2、3による合成インダクタン
スは、インダクタンスとしての値が大きいため、LF1
よりも周波数の低いLF2に対して共振させるのに適し
ている。LF2に対する同調と整合が取れて、共振電流
が最大になったある時点でのRF電流の向きの一例を、
矢印122、123で示す。矢印122はサンプルコイ
ル1側を流れるRF電流、矢印123は直列接続された
インダクタンス2、3側を流れるRF電流で、両者は直
列の関係にある。
【0098】これは、図6で示した電流61、62の流
れ方とまったく同じである。したがって、共振回路内に
おいて、インダクタンス2に発生するRF電圧、サンプ
ルコイル1に発生するRF電圧、および、インダクタン
ス3に発生するRF電圧が加算されずに済むことも、図
6の場合とまったく同じである。
【0099】次に、図16は、本発明にかかる核磁気共
鳴装置の三重同調回路の別の実施例を示したもので、共
鳴周波数がHF、LF1、およびLF2であるような、
1種類の高周波共鳴核と2種類の低周波共鳴核に対し、
同時にRFの照射またはNMR信号の検出を行なえるよ
うに構成した三重同調回路である。ここで、HFは、L
F1やLF2よりも周波数が高いRFで、例えば1H核
や19F核の共鳴周波数に相当し、LF1は、LF2よ
りも周波数が高いRFで、例えば、LF1は13C核の
共鳴周波数、LF2は17Oの共鳴周波数に相当してい
る。
【0100】図中1は、ソレノイドコイルやサドルコイ
ルなどから成るサンプルコイルである。サンプルコイル
1の一端は、LF2の同調バリコン101を介して導体
110の一端に、また、サンプルコイル1の他端は、L
F2の同調コンデンサー103を介して導体111の一
端に、それぞれ間接的に接続されている。尚、LF2の
同調バリコン101とLF2の同調コンデンサー103
とは、互いに逆の位置に置かれていても良いし、あるい
は、コンデンサー102やコンデンサー104の位置と
置き換えられていても良い。
【0101】また、導体111のサンプルコイル側端部
から所定の距離だけ導体側に入った位置(すなわち、導
体111の途中)には、HF用同調バリコン114の一
端が接続され、このHF用同調バリコン114の他端は
接地されている。尚、このHF用同調バリコン114
は、導体110側に設けられていても良い。
【0102】2つの導体110、111は、互いに平行
線路を形成している。導体110の端部Xは、HFの整
合コンデンサー112とHFの整合バリコン113とか
ら成るHF整合回路を介して、HFの入力端子に接続さ
れている。また、導体111の端部Yは、LF1の整合
バリコン11を介して、LF1の入力端子に接続されて
いる。また、導体110の端部Xと導体111の端部Y
の間は、LF1用同調コンデンサー105、LF1用同
調バリコン108、LF1用同調コンデンサー107に
より接続されている。尚、このHF整合回路とLF1用
整合バリコン11の位置は、互いに逆であっても良い。
【0103】導体110の端部Xは、コンデンサー10
2を介してインダクタンス2の一端に接続され、インダ
クタンス2の他端は、コンデンサー14を介して間接的
に、またはコンデンサー14を介さず直接的に接地され
ている。図16は、コンデンサー14を介して接地させ
た例を示している。また、導体111の端部Yは、コン
デンサー104を介してインダクタンス3の一端に接続
され、インダクタンス3の他端は、コンデンサー15を
介して間接的に、またはコンデンサー15を介さず直接
的に接地されている。図16は、コンデンサー15を介
して接地させた例を示している。インダクタンス2とコ
ンデンサー14の接続部には、LF2の整合バリコン1
3を介して、LF2の入力端子が接続されている。尚、
このLF2の整合バリコン13とLF2の入力端子は、
インダクタンス3とコンデンサー15の接続部側に設け
られていても良い。
【0104】このとき、サンプルコイル1、LF2用同
調バリコン101、同調コンデンサー103、導体11
0、導体111、同調コンデンサー102、同調コンデ
ンサー104、インダクタンス2、インダクタンス3、
同調コンデンサー14、同調コンデンサー15は、サン
プルコイル1の中点付近で振幅電圧がゼロとなるような
平衡共振回路を構成している。
【0105】尚、インダクタンス2、インダクタンス3
は、電線をコイル状に巻いたヘリカルコイルのような集
中インダクタンスであっても、導体棒のような分布イン
ダクタンスであっても、インダクタンス成分の素子であ
れば何でも良い。また、導体110、導体111も、電
線をコイル状に巻いたヘリカルコイルのような集中イン
ダクタンスであっても、導体棒のような分布インダクタ
ンスであっても、インダクタンス成分の素子であれば何
でも良い。
【0106】この実施例では、インダクタンス2および
3に、可変容量素子71および72を並列接続してい
る。可変容量素子71、72の値をそれぞれ適宜な値に
設定することにより、LF1の並列共振回路を構成さ
せ、LF1のRF電力がLF2の同調・整合回路側に通
過するのを防ぐようにさせる。これにより、LF2の同
調と整合を取る際に、バリコン12および13の容量を
変化させても、LF1側に与える影響はほとんどなくな
る。尚、可変容量素子71および72は、固定容量素子
であっても良い。
【0107】次に、図17は、本発明にかかる核磁気共
鳴装置の三重同調回路の別の実施例を示したもので、共
鳴周波数がHF、LF1、およびLF2であるような、
1種類の高周波共鳴核と2種類の低周波共鳴核に対し、
同時にRFの照射またはNMR信号の検出を行なえるよ
うに構成した三重同調回路である。ここで、HFは、L
F1やLF2よりも周波数が高いRFで、例えば1H核
や19F核の共鳴周波数に相当し、LF1は、LF2よ
りも周波数が高いRFで、例えば、LF1は13C核の
共鳴周波数、LF2は17Oの共鳴周波数に相当してい
る。
【0108】図中1は、ソレノイドコイルやサドルコイ
ルなどから成るサンプルコイルである。サンプルコイル
1の一端は、LF2の同調バリコン101を介して導体
110の一端に、また、サンプルコイル1の他端は、L
F2の同調コンデンサー103を介して導体111の一
端に、それぞれ間接的に接続されている。尚、LF2の
同調バリコン101とLF2の同調コンデンサー103
とは、互いに逆の位置に置かれていても良いし、あるい
は、コンデンサー102やコンデンサー104の位置と
置き換えられていても良い。
【0109】また、導体111のサンプルコイル側端部
から所定の距離だけ導体側に入った位置(すなわち、導
体111の途中)には、HF用同調バリコン114の一
端が接続され、このHF用同調バリコン114の他端は
接地されている。尚、このHF用同調バリコン114
は、導体110側に設けられていても良い。
【0110】2つの導体110、111は、互いに平行
線路を形成している。導体110の端部Xは、HFの整
合コンデンサー112とHFの整合バリコン113とか
ら成るHF整合回路を介して、HFの入力端子に接続さ
れている。また、導体110の端部Xと導体111の端
部Yの間は、LF1用同調コンデンサー105、LF1
用同調バリコン108、LF1用同調コンデンサー10
7により接続されている。尚、このHF整合回路の位置
は、端部X側であっても端部Y側であっても良い。
【0111】導体110の端部Xは、コンデンサー10
2を介してインダクタンス2の一端に接続され、インダ
クタンス2の他端は、コンデンサー14を介して間接的
に、またはコンデンサー14を介さず直接的に接地され
ている。図17は、コンデンサー14を介して接地させ
た例を示している。また、導体111の端部Yは、コン
デンサー104を介してインダクタンス3の一端に接続
され、インダクタンス3の他端は、コンデンサー15を
介して間接的に、またはコンデンサー15を介さず直接
的に接地されている。図17は、コンデンサー15を介
して接地させた例を示している。インダクタンス2とコ
ンデンサー14の接続部には、LF2の整合バリコン1
3を介して、LF2の入力端子が接続されている。尚、
このLF2の整合バリコン13とLF2の入力端子は、
インダクタンス3とコンデンサー15の接続部側に設け
られていても良い。また、インダクタンス3とコンデン
サー15の接続部には、LF1の整合バリコン11を介
して、LF1の入力端子が接続されている。尚、このL
F1の整合バリコン11とLF1の入力端子は、インダ
クタンス2とコンデンサー14の接続部側に設けられて
いても良い。
【0112】また、図17の例では、HF整合回路は、
導体110の端部Xに設けられているが、これは、導体
111の端部Yに設けられていても良く、インダクタン
ス2とコンデンサー14との接続点、すなわちLF2の
整合回路と同じ場所に設けられていても良く、あるい
は、インダクタンス3とコンデンサー15との接続点、
すなわちLF1の整合回路と同じ場所に設けられていて
も良い。これは、HF共振回路のQ値が高いため、HF
共振回路からやや離れた位置からでも、HFのRF電力
を、HF共振回路に注入することが可能なためである。
【0113】このとき、サンプルコイル1、LF2用同
調バリコン101、同調コンデンサー103、導体11
0、導体111、同調コンデンサー102、同調コンデ
ンサー104、インダクタンス2、インダクタンス3、
同調コンデンサー14、同調コンデンサー15は、サン
プルコイル1の中点付近で振幅電圧がゼロとなるような
平衡共振回路を構成している。
【0114】尚、インダクタンス2、インダクタンス3
は、電線をコイル状に巻いたヘリカルコイルのような集
中インダクタンスであっても、導体棒のような分布イン
ダクタンスであっても、インダクタンス成分の素子であ
れば何でも良い。また、導体110、導体111も、電
線をコイル状に巻いたヘリカルコイルのような集中イン
ダクタンスであっても、導体棒のような分布インダクタ
ンスであっても、インダクタンス成分の素子であれば何
でも良い。
【0115】この実施例では、LF1の入力端子とLF
1の整合バリコン11との間には、LF2に並列共振す
るコイル130とコンデンサー131とから成り、LF
2をリジェクトするバンド・リジェクト・フィルターが
挿入されている。また、LF2の入力端子とLF2の整
合バリコン13との間には、LF1に並列共振するコイ
ル132とコンデンサー133とから成り、LF1をリ
ジェクトするバンド・リジェクト・フィルターが挿入さ
れている。これにより、LF2の入力端子へのLF1の
透過、およびLF1の入力端子へのLF2の透過を抑制
することができ、強いRF電力による送信器の破損を防
ぐことができる。
【0116】図18は、本発明にかかる核磁気共鳴装置
の多重同調回路を、プローブに実装した場合の電子部品
の配置構造を示したものである。図18(a)は、プロ
ーブの縦方向の断面図、(b)は、プローブのカバーを
取った様子を示す図、(c)は、プローブの横方向の断
面図である。尚、この実施例は、具体的には、外部磁場
に対して所定の角度に傾斜させた試料管を高速回転させ
る、固体試料専用の核磁気共鳴測定プローブを想定して
いる。
【0117】図中、200はプローブのカバーである。
カバー200の内側には、中空で円筒形をした筒状電極
201が設けられており、更に、筒状電極201の上部
内側には、外部磁場に対して所定の角度だけ傾斜させた
試料回転機構202が設けられている。また、試料回転
機構202の内部にはサンプルコイル1、更にその内側
には固体試料を封入した試料管203が設けられてい
る。また、試料回転機構202には、試料管203を高
速回転させるために、エアー配管204が接続されてお
り、加圧された駆動用のエアー・ジェットが、試料管2
03に対して適宜吹き付けられる構成になっている。ま
た、筒状電極201には、上部に、試料管203を試料
回転機構202から出し入れするための、プローブの内
側と外側を連通させた窓205が設けられている。
【0118】サンプルコイル1の両端には、LF2同調
用バリコン101、LF2同調用コンデンサー103が
接続されており、LF2同調用バリコン101は、シャ
フト206でその静電容量を可変させる構成になってい
る。そして、これらのLF2用同調バリコン101、L
F2同調用コンデンサー103の外に、導体110、1
11を内部導体、筒状電極201を外部導体として利用
することにより、全体でHFに共振する1/4波長共振
器を構成させている。また、筒状電極201を共通の接
地電極として利用することにより、筒状電極201の内
側に、LF1同調用コンデンサー105、107、LF
1同調用バリコン114、HF整合用コンデンサー11
2、HF整合用バリコン113、HF同調用バリコン1
14、LF1整合用バリコン11、LF2同調用コンデ
ンサー102、104、インダクタンス2、3、コンデ
ンサー14、15、LF2整合用バリコン13、同軸ケ
ーブル207、208をコンパクトに実装している。
【0119】今回、中空の筒状電極201を接地電極と
して利用したことにより、従来の接地電極であった支柱
と円板とから成るフレームが不要となり、電子部品を実
装するための内部空間が広く取れるようになった。その
結果、LF2同調用バリコン101、LF2同調用コン
デンサー103に外径の大きな高耐圧容量素子を設置す
ることが可能になり、LF2共振時、多重同調回路が従
来よりも高電圧に耐えられるようになった。また、筒状
電極201を接地電極に採用して、接地インピーダンス
を従来よりも小さくした結果、高周波の電力損失を低減
させることが可能になると共に、従来よりも高い共振周
波数のHFが得られるようになった。また、共振器の外
部導体として、大型の筒状電極201を採用したので、
共振器のQ値自体も高まった。
【0120】尚、大型の容量素子101、103は、電
極間の寸法が大きいので、導体110、111は、1/
4波長の長さよりも短くして調整する必要がある。それ
ゆえ、導体110、111は、1/4波長の長さである
必要はない。導体110、111の一端をサンプルコイ
ル1に接続する容量素子101、103と、導体11
0、111の他端をインダクタンス2、3に接続するす
るLF2同調用コンデンサー102、104とを含め
て、全体で1/4波長共振器として動作すれば良い。
【0121】また、上記筒状電極201の形状は、必ず
しも円筒形に制限されるものではない。また、筒状電極
201は、必ずしもプローブ全体を覆っている必要はな
い。多重同調回路の電気回路部分を覆うのみであっても
良い。
【0122】以上、代表例として、図11に示した多重
同調回路を実装した核磁気共鳴装置のプローブについて
説明したが、筒状電極201を外部電極および接地電極
として用いる実装方法が、図4から図17に示した他の
実施例に対しても、同様に適用できる実装方法であるこ
とは言うまでもない。
【0123】また、このような実装方法は、サンプルコ
イル以外にインダクタンス素子を持たない平衡共振型プ
ローブ、例えば、共振回路のRF振幅電圧がサンプルコ
イルの中点付近でゼロとなるようなMQ−MAS(Mult
i Quantum−Magic Angle Spinning)プローブに対して
も、応用することができる。
【0124】図19は、MQ−MASプローブの電気回
路の一例を示す図である。図中、301は、サンプルコ
イルである。サンプルコイル301は、第1のコンデン
サー302、第のコンデンサー303、同調バリコン3
04、および整合バリコン305と共に、サンプルコイ
ル301の中点付近でRFの振幅電圧がゼロとなるよう
な平衡動作をするLC共振器を構成している。本回路で
は、同調バリコン304と整合バリコン305により、
同調整合を行なわせている。
【0125】また、図20は、MQ−MASプローブに
対して本発明の実装方法を実施した一実施例を示したも
のである。図20(a)は、プローブの縦方向の断面
図、(b)は、プローブのカバーを取った様子を示す
図、(c)は、バリコン304、305付近の横方向の
断面図である。
【0126】図中、314はプローブのカバーである。
カバー314の内側には、円筒形の筒状電極341が設
けられ、電気回路共通の接地電極として利用されてい
る。筒状電極341の内側の最上部には、外部磁場に対
して所定の角度だけ傾斜させた試料回転機構306が設
けられている。また、試料回転機構306の内部にはサ
ンプルコイル301、更にその内側には固体試料を封入
した試料管315が設けられている。また、試料回転機
構306には、試料管315を高速回転させるために、
エアー配管307が接続されており、加圧された駆動用
のエアー・ジェットが、試料管315に対して適宜吹き
付けられる構成になっている。また、筒状電極341に
は、上部に、試料管315を試料回転機構306から出
し入れするための、プローブの内側と外側を連通させた
窓342が設けられている。
【0127】サンプルコイル301の両端には、同調用
のコンデンサー302、303が接続されている。この
同調用のコンデンサー302、303の片側の電極は、
筒状電極341の内壁に直接はんだ付けされることによ
り、接地されている。また、これらの同調用コンデンサ
ー302、303の外に、同調用バリコン304、整合
用バリコン305が設けられ、シャフト312で可変さ
せる構成になっている。また311は、外部の分光器と
MQ−MASプローブの電気回路とを接続する同軸ケー
ブルである。
【0128】今回、中空の筒状電極341を接地電極と
して利用したことにより、従来の接地電極であった支柱
と円板とから成るフレームが不要となり、同調用バリコ
ン304と整合用バリコン305の実装空間を広く取る
ことが可能になった。その結果、外径の大きな高耐圧バ
リコンを採用することができ、RF回路の耐圧性を向上
させることが可能になった。また、筒状電極341を接
地電極に採用した結果、RFの接地電流は、筒状電極3
41の広い表面を伝わって流れるようになり、接地イン
ピーダンスが小さいので、RFの電力損失が少なくて済
むようになった。
【0129】尚、上記筒状電極341の形状は、必ずし
も円筒形に制限されるものではない。また、筒状電極3
41は、必ずしもMQ−MASプローブ全体を覆ってい
る必要はない。図21に示すように、RF回路の電気回
路部分を覆うのみであっても良い。
【0130】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の核磁気共鳴
装置の多重同調回路およびプローブによれば、平衡共振
回路を構成するサンプルコイルと2つのインダクタンス
の間、またはサンプルコイルと2つの導体の間を、容量
素子を介して接続したので、サンプルコイルと2つのイ
ンダクタンス、またはサンプルコイルと2つの導体それ
ぞれに発生するRF電圧が相互に加算されることがな
く、多重同調回路の耐圧性が向上し、高電力のRF注入
を行なっても放電事故が起こりにくい核磁気共鳴装置の
多重同調回路およびプローブを提供することが可能にな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の核磁気共鳴装置の多重同調回路を示す図
である。
【図2】従来の核磁気共鳴装置の多重同調回路における
共振状態の一例を示す図である。
【図3】従来の核磁気共鳴装置の多重同調回路における
共振状態の一例を示す図である。
【図4】本発明にかかる核磁気共鳴装置の多重同調回路
の一実施例を示す図である。
【図5】本発明にかかる核磁気共鳴装置の多重同調回路
の一実施例における共振状態の一例を示す図である。
【図6】本発明にかかる核磁気共鳴装置の多重同調回路
の一実施例における共振状態の一例を示す図である。
【図7】本発明にかかる核磁気共鳴装置の多重同調回路
の一実施例を示す図である。
【図8】本発明にかかる核磁気共鳴装置の多重同調回路
の一実施例を示す図である。
【図9】本発明にかかる核磁気共鳴装置の多重同調回路
の一実施例を示す図である。
【図10】本発明にかかる核磁気共鳴装置の多重同調回
路の一実施例を示す図である。
【図11】本発明にかかる核磁気共鳴装置の三重同調回
路の一実施例を示す図である。
【図12】本発明にかかる核磁気共鳴装置の三重同調回
路の一実施例を示す図である。
【図13】本発明にかかる核磁気共鳴装置の三重同調回
路の一実施例における共振状態の一例を示す図である。
【図14】本発明にかかる核磁気共鳴装置の三重同調回
路の一実施例における共振状態の一例を示す図である。
【図15】本発明にかかる核磁気共鳴装置の三重同調回
路の一実施例における共振状態の一例を示す図である。
【図16】本発明にかかる核磁気共鳴装置の三重同調回
路の一実施例を示す図である。
【図17】本発明にかかる核磁気共鳴装置の三重同調回
路の一実施例を示す図である。
【図18】本発明にかかる核磁気共鳴装置のプローブの
一実施例を示す図である。
【図19】MQ−MASプローブの電気回路の一例を示
す図である。
【図20】本発明にかかるMQ−MASプローブの一実
施例を示す図である。
【図21】本発明にかかるMQ−MASプローブの一実
施例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・サンプルコイル、2・・・インダクタンス、3
・・・インダクタンス、4・・・LF1用同調コンデン
サー、6・・・LF2用同調コンデンサー、7・・・L
F1用同調コンデンサー、9・・・LF2用同調コンデ
ンサー、10・・・LF1用同調バリコン、11・・・
LF1用整合バリコン、12・・・LF2用同調バリコ
ン、13・・・LF2用整合バリコン、14・・・LF
2用同調コンデンサー、15・・・LF2用同調コンデ
ンサー、21・・・RF電流、22・・・RF電流、3
1・・・RF電流、32・・・RF電圧発生点、33・
・・RF電圧発生点、61・・・RF電流、62・・・
RF電流、65・・・RF電圧発生点、66・・・RF
電圧発生点、67・・・RF電圧発生点、68・・・R
F電圧発生点、71・・・可変容量素子、72・・・可
変容量素子、81・・・LF2用同調コンデンサー、8
2・・・LF2用同調コンデンサー、83・・・LF2
用同調コンデンサー、84・・・LF2用同調コンデン
サー、91・・・LF1用同調コンデンサー、92・・
・LF1用同調コンデンサー、93・・・LF2用同調
バリコン、101・・・LF2用同調バリコン、102
・・・LF2用同調コンデンサー、103・・・LF2
用同調コンデンサー、104・・・LF2用同調コンデ
ンサー、105・・・LF1用同調コンデンサー、10
6・・・LF1用同調コンデンサー、107・・・LF
1用同調コンデンサー、108・・・LF1用同調バリ
コン、110・・・導体、111・・・導体、112・
・・HF用整合コンデンサー、113・・・HF用整合
バリコン、114・・・HF用同調バリコン、120・
・・LF1の共振電流、121・・・LF1の共振電
流、122・・・LF2の共振電流、123・・・LF
2の共振電流、130・・・コイル、131・・・コン
デンサー、132・・・コイル、133・・・コンデン
サー、200・・・プローブカバー、201・・・筒状
電極、202・・・試料回転機構、203・・・試料
管、204・・・エアー配管、205・・・窓、206
・・・シャフト。301・・・サンプルコイル、302
・・・第1のコンデンサー、303・・・第2のコンデ
ンサー、304・・・同調バリコン、305・・・整合
バリコン、306・・・試料回転装置、307・・・エ
アー配管、308・・・支柱、309・・・円板、31
0・・・バネ、311・・・同軸ケーブル、312・・
・シャフト、313・・・ブラケット、314・・・カ
バー、315・・・試料管、341・・・筒状電極、3
42・・・窓。

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端部A、Bを備え、端部Aが第1の容量素
    子を介して接地され、また、端部Bが第2の容量素子を
    介して接地されたサンプルコイルと、一端が第3の容量
    素子を介してサンプルコイルの端部Aに接続され、他端
    が接地された第1のインダクタンスと、一端が第4の容
    量素子を介してサンプルコイルの端部Bに接続され、他
    端が接地された第2のインダクタンスと、前記サンプル
    コイルに第1の高周波を供給する整合回路および同調回
    路と、前記サンプルコイルに第2の高周波を供給する整
    合回路および同調回路とを備えた核磁気共鳴装置の多重
    同調回路であって、サンプルコイル、第1のインダクタ
    ンス、第2のインダクタンス、第1の容量素子、第2の
    容量素子、第3の容量素子、および第4の容量素子が、
    サンプルコイルの中点付近で振幅電圧がゼロとなるよう
    な平衡共振回路を構成していることを特徴とする核磁気
    共鳴装置の多重同調回路。
  2. 【請求項2】前記第1のインダクタンスの接地端は、第
    5の容量素子を介して接地されていることを特徴とする
    請求項1記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  3. 【請求項3】前記第2のインダクタンスの接地端は、第
    6の容量素子を介して接地されていることを特徴とする
    請求項1記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  4. 【請求項4】前記第1の高周波のための整合回路および
    同調回路は、前記サンプルコイルの一端に直接接続され
    ていることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴装置
    の多重同調回路。
  5. 【請求項5】前記第2の高周波のための整合回路および
    同調回路は、前記第1のインダクタンスと前記第5の容
    量素子との間、または前記第2のインダクタンスと前記
    第6の容量素子との間に接続されていることを特徴とす
    る請求項1、2、3、または4記載の核磁気共鳴装置の
    多重同調回路。
  6. 【請求項6】前記第3の容量素子と第4の容量素子のう
    ち、少なくとも一方が前記第2の高周波のための同調用
    可変容量素子であることを特徴とする請求項1、2、
    3、または4記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  7. 【請求項7】前記第2の高周波のための同調用可変容量
    素子は、一端が前記サンプルコイルと第2の容量素子と
    の接続点に接続され、他端が前記第2のインダクタンス
    に接続されると共に、前記第2の高周波のための同調用
    可変容量素子と前記第2のインダクタンスとの接続点
    は、前記第1の高周波を共振させるための第8の容量素
    子を介して接地されていることを特徴とする請求項1、
    2、3、または4記載の核磁気共鳴装置の多重同調回
    路。
  8. 【請求項8】サンプルコイルの端部Aに接続された前記
    第3の容量素子を少なくとも2つに分割して直列に接続
    し、該直列接続された容量素子同士の接続点に、第1の
    容量素子の一端および第1の高周波のための整合回路お
    よび同調回路の一端を接続すると共に、該第1の容量素
    子の他端および該第1の高周波のための整合回路および
    同調回路の他端を共に接地すると共に、サンプルコイル
    の端部Bに接続された前記第4の容量素子を少なくとも
    2つに分割して直列に接続し、該直列接続された容量素
    子同士の接続点に、第1の高周波を共振させるための第
    2の容量素子の一端を接続すると共に、該第2の容量素
    子の他端を接地したことを特徴とする請求項1、2、
    3、4、または5記載の核磁気共鳴装置の多重同調回
    路。
  9. 【請求項9】少なくとも前記第1のインダクタンスまた
    は第2のインダクタンスと並列に、可変または固定容量
    素子を接続したことを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、または8記載の核磁気共鳴装置の多重
    同調回路。
  10. 【請求項10】端部A、Bを備えたサンプルコイルと、
    一端が第1の容量素子および第2の容量素子を介してサ
    ンプルコイルの端部Aに接続され、他端が接地された第
    1のインダクタンスと、一端が第3の容量素子および第
    4の容量素子を介してサンプルコイルの端部Bに接続さ
    れ、他端が接地された第2のインダクタンスと、前記第
    1の容量素子と前記第2の容量素子との接続点と、前記
    第3の容量素子と前記第4の容量素子との接続点との間
    を直接的に、または接地を介して間接的に結ぶ第5の容
    量素子または容量素子群と、前記サンプルコイルに第1
    の高周波を供給する整合回路と、前記サンプルコイルに
    第2の高周波を供給する整合回路とを備えた核磁気共鳴
    装置の多重同調回路であって、サンプルコイル、第1の
    インダクタンス、第2のインダクタンス、第1の容量素
    子、第2の容量素子、第3の容量素子、および第4の容
    量素子が、サンプルコイルの中点付近で振幅電圧がゼロ
    となるような平衡共振回路を構成していることを特徴と
    する核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  11. 【請求項11】前記第1のインダクタンスの接地端は、
    第6の容量素子を介して接地されていることを特徴とす
    る請求項10記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  12. 【請求項12】前記第2のインダクタンスの接地端は、
    第7の容量素子を介して接地されていることを特徴とす
    る請求項10記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  13. 【請求項13】前記第1の容量素子ないし第4の容量素
    子のうち、少なくとも1つが、前記第2の高周波のため
    の同調用可変容量素子であることを特徴とする請求項1
    0、11、または12記載の核磁気共鳴装置の多重同調
    回路。
  14. 【請求項14】前記第5の容量素子または容量素子群の
    中の少なくとも1つの容量素子が、前記第1の高周波の
    ための同調用可変容量素子であることを特徴とする請求
    項10、11、12、または13記載の核磁気共鳴装置
    の多重同調回路。
  15. 【請求項15】少なくとも前記第1のインダクタンスま
    たは第2のインダクタンスと並列に、可変または固定容
    量素子を接続したことを特徴とする請求項10、11、
    12、13、または14記載の核磁気共鳴装置の多重同
    調回路。
  16. 【請求項16】第1の高周波は、第2の高周波よりも周
    波数が高いことを特徴とする請求項1ないし15のいず
    れかに記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  17. 【請求項17】端部A、Bを備えたサンプルコイルと、
    一端が第1の容量素子、第1のインダクタンス、およ
    び、第2の容量素子を介してサンプルコイルの端部Aに
    接続され、他端が接地された第2のインダクタンスと、
    一端が第3の容量素子、第3のインダクタンス、およ
    び、第4の容量素子を介してサンプルコイルの端部Bに
    接続され、他端が接地された第4のインダクタンスと、
    前記第1のインダクタンスと前記第2の容量素子との接
    続点と、前記第3のインダクタンスと前記第4の容量素
    子との接続点との間を直接的に、または接地を介して間
    接的に結ぶ第5の容量素子または容量素子群と、前記サ
    ンプルコイルに第1の高周波を供給する整合回路と、前
    記サンプルコイルに第2の高周波を供給する整合回路
    と、前記サンプルコイルに第3の高周波を供給する整合
    回路とを備えた核磁気共鳴装置の多重同調回路であっ
    て、サンプルコイル、第1のインダクタンス、第2のイ
    ンダクタンス、第3のインダクタンス、第4のインダク
    タンス、第1の容量素子、第2の容量素子、第3の容量
    素子、および、第4の容量素子が、サンプルコイルの中
    点付近で振幅電圧がゼロとなるような平衡共振回路を構
    成していることを特徴とする核磁気共鳴装置の多重同調
    回路。
  18. 【請求項18】前記第2のインダクタンスの接地端は、
    第6の容量素子を介して接地されていることを特徴とす
    る請求項17記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  19. 【請求項19】前記第4のインダクタンスの接地端は、
    第7の容量素子を介して接地されていることを特徴とす
    る請求項17記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  20. 【請求項20】前記第1の容量素子ないし第4の容量素
    子のうち、少なくとも1つが、前記第2の高周波のため
    の同調用可変容量素子であることを特徴とする請求項1
    7、18、または19記載の核磁気共鳴装置の多重同調
    回路。
  21. 【請求項21】前記第5の容量素子または容量素子群の
    中の少なくとも1つの容量素子が、前記第1の高周波の
    ための同調用可変容量素子であることを特徴とする請求
    項17、18、19、または20記載の核磁気共鳴装置
    の多重同調回路。
  22. 【請求項22】前記第3の高周波のための同調容量素子
    は、少なくとも前記第1のインダクタンスの所定の位
    置、または第3のインダクタンスの所定の位置に設けら
    れていることを特徴とする請求項17、18、19、2
    0、または21記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  23. 【請求項23】少なくとも前記第2のインダクタンスま
    たは第4のインダクタンスと並列に、可変または固定容
    量素子を接続したことを特徴とする請求項17、18、
    19、20、21、または22記載の核磁気共鳴装置の
    多重同調回路。
  24. 【請求項24】前記第1の高周波の入力端子と整合容量
    素子との間に、前記第2の高周波をリジェクトするバン
    ド・リジェクト・フィルターを挿入したことを特徴とす
    る請求項17、18、19、20、21、22、または
    23記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  25. 【請求項25】前記第2の高周波の入力端子と整合容量
    素子との間に、前記第1の高周波をリジェクトするバン
    ド・リジェクト・フィルターを挿入したことを特徴とす
    る請求項17、18、19、20、21、22、または
    23記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  26. 【請求項26】第3の高周波は、第1の高周波よりも周
    波数が高く、第1の高周波は、第2の高周波よりも周波
    数が高いことを特徴とする請求項17ないし25のいず
    れかに記載の核磁気共鳴装置の多重同調回路。
  27. 【請求項27】端部A、Bを備え、端部Aが第1の容量
    素子を介して接地され、また、端部Bが第2の容量素子
    を介して接地されたサンプルコイルと、一端が第3の容
    量素子を介してサンプルコイルの端部Aに接続され、他
    端が接地された第1のインダクタンスと、一端が第4の
    容量素子を介してサンプルコイルの端部Bに接続され、
    他端が接地された第2のインダクタンスと、前記サンプ
    ルコイルに第1の高周波を供給する整合回路および同調
    回路と、前記サンプルコイルに第2の高周波を供給する
    整合回路および同調回路とを備えた多重同調回路を構成
    要素とする核磁気共鳴装置のプローブであって、該多重
    同調回路の少なくとも電気回路部分の外側を包囲する筒
    状電極を設け、該筒状電極を該多重同調回路の接地電極
    として用いるようにしたことを特徴とする核磁気共鳴装
    置のプローブ。
  28. 【請求項28】端部A、Bを備えたサンプルコイルと、
    一端が第1の容量素子および第2の容量素子を介してサ
    ンプルコイルの端部Aに接続され、他端が接地された第
    1のインダクタンスと、一端が第3の容量素子および第
    4の容量素子を介してサンプルコイルの端部Bに接続さ
    れ、他端が接地された第2のインダクタンスと、前記第
    1の容量素子と前記第2の容量素子との接続点と、前記
    第3の容量素子と前記第4の容量素子との接続点との間
    を直接的に、または接地を介して間接的に結ぶ第5の容
    量素子または容量素子群と、前記サンプルコイルに第1
    の高周波を供給する整合回路と、前記サンプルコイルに
    第2の高周波を供給する整合回路とを備えた多重同調回
    路を構成要素とする核磁気共鳴装置のプローブであっ
    て、該多重同調回路の少なくとも電気回路部分の外側を
    包囲する筒状電極を設け、該筒状電極を該多重同調回路
    の接地電極として用いるようにしたことを特徴とする核
    磁気共鳴装置のプローブ。
  29. 【請求項29】端部A、Bを備えたサンプルコイルと、
    一端が第1の容量素子、第1のインダクタンス、およ
    び、第2の容量素子を介してサンプルコイルの端部Aに
    接続され、他端が接地された第2のインダクタンスと、
    一端が第3の容量素子、第3のインダクタンス、およ
    び、第4の容量素子を介してサンプルコイルの端部Bに
    接続され、他端が接地された第4のインダクタンスと、
    前記第1のインダクタンスと前記第2の容量素子との接
    続点と、前記第3のインダクタンスと前記第4の容量素
    子との接続点との間を直接的に、または接地を介して間
    接的に結ぶ第5の容量素子または容量素子群と、前記サ
    ンプルコイルに第1の高周波を供給する整合回路と、前
    記サンプルコイルに第2の高周波を供給する整合回路
    と、前記サンプルコイルに第3の高周波を供給する整合
    回路とを備えた多重同調回路を構成要素とする核磁気共
    鳴装置のプローブであって、該多重同調回路の少なくと
    も電気回路部分の外側を包囲する筒状電極を設け、該筒
    状電極を該多重同調回路の接地電極として用いるように
    したことを特徴とする核磁気共鳴装置のプローブ。
  30. 【請求項30】前記筒状電極は、所定の位置にプローブ
    の内側と外側を連通させる窓を有することを特徴とする
    請求項27、28、または29記載の核磁気共鳴装置の
    プローブ。
  31. 【請求項31】端部A、Bを備えたサンプルコイルと、
    一端がサンプルコイルの端部Aに接続され、他端が接地
    された第1のコンデンサーと、一端がサンプルコイルの
    端部Bに接続され、他端が接地された第2のコンデンサ
    ーとを備え、サンプルコイル、第1のコンデンサー、第
    2のコンデンサーの3者が、サンプルコイルの中点付近
    でRFの振幅電圧がゼロとなるような平衡共振回路を構
    成している核磁気共鳴装置のプローブであって、該プロ
    ーブの少なくとも電気回路部分の外側を筒状電極で包囲
    すると共に、該筒状電極を該電気回路の接地電極として
    用いるようにしたことを特徴とする核磁気共鳴装置のプ
    ローブ。
  32. 【請求項32】前記筒状電極は、所定の位置にプローブ
    の内側と外側を連通させる窓を有することを特徴とする
    請求項31記載の核磁気共鳴装置のプローブ。
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