JP2003301860A - スプリングクラッチ - Google Patents

スプリングクラッチ

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JP2003301860A
JP2003301860A JP2002110594A JP2002110594A JP2003301860A JP 2003301860 A JP2003301860 A JP 2003301860A JP 2002110594 A JP2002110594 A JP 2002110594A JP 2002110594 A JP2002110594 A JP 2002110594A JP 2003301860 A JP2003301860 A JP 2003301860A
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Japan
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clutch
side member
seal
grease
output side
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Application number
JP2002110594A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Terada
義主 寺田
Akira Tokuda
亮 得田
Masakazu Domoto
正和 堂本
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑不良による寿命の低下を抑制することが
できるスプリングクラッチを提供することである。 【解決手段】 プーリ1とその内側に組込まれたプーリ
ハブ2間の空間の両端の開口を片シール軸受3とシール
部材4とで閉塞する。片シール軸受3とシール部材4間
に形成されたグリース封入空間5の外周壁内面をクラッ
チ面7とし、そのクラッチ面7に外周面を弾性接触させ
たコイルスプリング8の一方の端部をプーリハブ2に係
止する。グリース封入空間5内に充填されたグリースを
回転時の遠心力によりグリース封入空間5内の外周部で
滞溜させてコイルスプリング8とクラッチ面7の接触部
を潤滑し、潤滑不良による寿命の低下を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入力側部材の回
転を出力側部材に伝達し、出力側部材の回転速度が入力
側部材の回転速度を上回った場合に、入力側部材から出
力側部材への回転伝達を遮断するスプリングクラッチに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のエンジンにおいては、
爆発行程時に駆動エネルギが発生するため、クランクシ
ャフトは一回転中において角速度が変化する。そのよう
なクランクシャフトの回転をベルト伝動装置によってオ
ルタネータ等の慣性力の大きなエンジン補機を駆動した
場合、クランクシャフトの角速度の低下時に、エンジン
補機の回転軸の回転速度が上回ると、その回転軸に取付
けられたプーリとベルトとの間でスリップが生じる。
【0003】また、エンジンを高速回転状態から急減速
した場合、オルタネータ等のエンジン補機は慣性力によ
って高速回転を続けようとするため、上記と同様にプー
リとベルトとの間でスリップが生じ、そのスリップ時に
異音が発生し、あるいはベルトが摩耗して耐久性が低下
する。
【0004】そのような不都合を解消するため、図7に
示すクラッチプーリ装置が提案されている。このクラッ
チプーリ装置においては、クランクシャフトの回転がベ
ルトを介して伝達されるプーリ21の内側にエンジン補
機の回転軸に取付けられるプーリハブ22を設け、上記
プーリ21とプーリハブ22とを軸受23によって相対
的に回転自在に支持している。
【0005】また、プーリ21の内周に環状の内向き突
出部24を設け、一方、プーリハブ22の外周には上記
内向き突出部24と軸方向で対向する環状の外向き突出
部25を形成し、この外向き突出部25と内向き突出部
24の対向面に、上記両突出部24、25に跨がって軸
方向に延びるスプリング収納空間26を設け、そのスプ
リング収納空間26内に組込まれたコイルスプリング2
7の外径面をスプリング収納空間26の外周壁内面に形
成されたクラッチ面28a、28bにそれぞれ弾性接触
させるようにしている。
【0006】上記クラッチプーリ装置においては、ベル
トとの接触によって一方向に回転するプーリ21の回転
時にコイルスプリング27を拡径させてクラッチ面28
a、28bに対する係合力を高め、そのコイルスプリン
グ27を介してプーリ21の回転をプーリハブ22に伝
えるようにしている。
【0007】また、プーリハブ22の回転速度がプーリ
21の回転速度より上回った場合に、コイルスプリング
27を縮径させてクラッチ面28a、28bに対する係
合力を弱め、コイルスプリング27とクラッチ面28
a、28bの接触部で滑りを生じさせて、プーリハブ2
2からプーリ21側への回転伝達を遮断し、プーリ21
とベルトとの間で滑りが生じるのを防止するようにして
いる。
【0008】上記のようなクラッチプーリ装置において
は、スプリング収納空間26内にグリースを充填して、
コイルスプリング27とクラッチ面28a、28bの接
触部を潤滑するようにしている。そのグリースの外部へ
の漏洩を防止し、かつ内部への異物の侵入を防止するた
め、プーリ21の端部内周にシール部材29の外周部を
取付け、そのシール部材29の内周に設けられた二つの
シールリップ29aをプーリハブ22の端部外周および
外向き突出部25の外側面に弾性接触させて、プーリ2
1とプーリハブ22の嵌合部に形成された嵌合空間30
の開口部を閉塞するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7に示す
クラッチプーリ装置においては、プーリ21とプーリハ
ブ22とが高速回転すると、遠心力によってスプリング
収納空間26内に充填された潤滑用グリースが外径方向
に流動して、プーリ21とプーリハブ22の嵌合部に形
成された嵌合空間30内に流れ、コイルスプリング27
とクラッチ面28a、28bの接触部に潤滑不良が生じ
て寿命が低下するという不都合があった。
【0010】また、コイルスプリング27とクラッチ面
28a、28bの潤滑を良好な状態に保つため、潤滑に
必要な量より多めのグリースを初期に封入しておく必要
があり、コスト面において不利であった。
【0011】さらに、単一の軸受23によってプーリ2
1とプーリハブ22とを相対的に回転自在に支持する構
成であるため、上記軸受23をプーリ21の幅方向のほ
ぼ中央に配置して、プーリ21にモーメント荷重が付加
された場合に、その軸受23で支持する必要がある。そ
の軸受23の配置によってコイルスプリング27はプー
リ21の幅方向中央から片側にオフセットとされた配置
となり、クラッチプーリ装置の軸方向長さが大型化する
という不都合もある。
【0012】この発明の課題は、潤滑不良による寿命の
低下を抑制することができると共に、軸方向長さのコン
パクト化を図ることができるスプリングクラッチを提供
することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、第1の発明においては、入力側部材の内周とその
内側に組込まれた出力側部材の外周間に形成される空間
の一端開口を、入力側部材と出力側部材を相対的に回転
自在に支持するシール付き軸受によって閉塞し、かつ他
端の開口をシール部材で閉塞し、そのシール部材とシー
ル付き軸受間に形成されたグリース封入空間の外周壁に
おける内面をクラッチ面とし、そのクラッチ面にコイル
スプリングの外周面を弾性接触させ、コイルスプリング
の一方の端部を出力側部材に係止した構成を採用したの
である。
【0014】上記のように構成すれば、コイルスプリン
グがクラッチ係合するクラッチ面が入力側部材の最大内
径であるため、コイルスプリングとクラッチ面の接触部
を潤滑するグリースは遠心力によってグリース封入空間
内の外周部に保持されることになる。このため、コイル
スプリングとクラッチ面の接触部はグリースによって常
に潤滑され、潤滑不良によるスプリングクラッチの寿命
低下を抑制し、長寿命化を図ることができる。
【0015】また、遠心力によってグリースがグリース
封入空間から漏洩することがないので、グリースの初期
充填量を、例えばグリース封入空間にグリースを実質的
に封入することができる量の50%程度でよく、コスト
の低減を図ることができる。
【0016】第1の発明に係るスプリングクラッチにお
いて、前記出力側部材の外周には、コイルスプリングと
対向する位置に複数のグリース溜りを周方向に間隔をお
いて設けると、出力側部材の組付け前の段階でコイルス
プリングとのすきまからクラッチ溜りにグリースを充填
することができるため、出力側部材の組付け後に、グリ
ース封入空間の端部開口からグリースを充填する場合に
比較して、グリースを容易に充填することができる。
【0017】また、前記出力側部材のシール部材側に位
置する端部外周に鍔を設け、その鍔の外周をラジアル軸
受面とすることによって、入力側部材の支持の安定化を
図り、その入力側部材をきわめて高精度に回転させるこ
とができると共に、入力側部材にモーメント荷重が付加
された場合に、そのモーメント荷重をラジアル軸受面で
支持することができるので、軸受のオフセット量を大き
くすることができ、スプリングクラッチの軸方向長さの
コンパクト化を図ることができる。
【0018】さらに、前記シール部材を、内周が出力側
部材の端部外周に弾性接触するラジアル接触型シールと
すると、入力側部材と出力側部材が相対的に軸方向に移
動してもシール性を良好に維持することができる。ま
た、スプリングクラッチの全体が高速回転すると、遠心
力によってラジアル接触型シールの出力側部材に対する
締め代が減少し、低速回転時のシール性を損なうことな
く高速回転時の低トルク化を可能とすることができる。
【0019】入力側部材と出力側部材とを相対的に回転
自在に支持する軸受は、両シール軸受であってもよく、
あるいは片シール軸受であってもよい。片シール軸受を
採用する場合、その片シール軸受を、その内部空間がグ
リース封入空間と連通するよう組付けることによって、
クラッチ部を潤滑するグリースによって軸受も同時に潤
滑することができる。
【0020】前記と同様の課題を解決するため、第2の
発明においては、入力側部材の内周とその内側に組込ま
れた出力側部材の外周間に形成される空間の一端開口
を、入力側部材と出力側部材を相対的に回転自在に支持
するシール付き軸受によって閉塞し、かつ他端の開口を
シール部材で閉塞し、そのシール部材に設けられた芯金
の外周部に入力側部材の内面に圧入される円筒部を設
け、この円筒部の内周に形成されたクラッチ面と出力側
部材の外周面間に形成されたグリース封入空間内にコイ
ルスプリングを組込み、そのコイルスプリングの外周面
を前記クラッチ面に弾性接触し、コイルスプリングの一
方の端部を出力側部材に係止した構成を採用している。
【0021】また、第3の発明においては、入力側部材
の内周とその内側に組込まれた出力側部材の外周間に形
成される空間の一端開口を、入力側部材と出力側部材を
相対的に回転自在に支持するシール付き軸受によって閉
塞し、かつ他端の開口をシール部材で閉塞し、前記入力
側部材の内側にクラッチ輪を圧入し、そのクラッチ輪の
内周に形成されたクラッチ面と出力側部材の外周面間に
形成されたグリース封入空間内にコイルスプリングを組
込み、そのコイルスプリングの外周面を前記クラッチ面
に弾性接触し、コイルスプリングの一方の端部を出力側
部材に係止した構成を採用している。
【0022】第2の発明および第3の発明のいずれの発
明も、グリース封入空間内の外周部にグリースを保持す
ることができるため、コイルスプリングとクラッチ面の
接触部をグリースによって常に潤滑することができ、潤
滑不良によるスプリングクラッチの寿命低下を抑制する
ことができる。また、入力側部材の内周面をクラッチ面
とする場合は、入力側部材の全体を熱処理してクラッチ
面の硬度を高める必要があるが、第2の発明のように、
芯金に設けた円筒部の内面をクラッチ面とし、あるい
は、第3の発明のように、クラッチ輪の内周をクラッチ
面とすることによって、入力側部材の熱処理を不要とす
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
1乃至図6に基づいて説明する。図1乃至図4は、この
発明に係るスプリングクラッチを採用したクラッチプー
リ装置を示す。このクラッチプーリ装置は、入力側部材
としてのプーリ1と、そのプーリ1の内側に組込まれた
出力側部材としてのプーリハブ2とを有し、前記プーリ
ハブ2は、ハブ本体2aとその外側に設けられたスリー
ブ2bとから成る。ハブ本体2aとスリーブ2bとは、
図3に示すように、スリーブ2bの内周に形成された軸
方向の溝aとハブ本体2aの外周に形成された突条bの
はめ合いによって回り止めされている。
【0024】プーリ1の内周とプーリハブ2の外周間に
形成された空間の一端開口は、プーリ1とプーリハブ2
とを相対的に回転自在に支持するシール付き軸受3によ
って閉塞されている。また、他端の開口はシール部材4
によって閉塞され、そのシール部材4と軸受3間にグリ
ース封入空間5が形成されている。
【0025】ここで、軸受3として、片シール軸受が採
用され、そのシールが外側端に位置するようにしてプー
リ1とプーリハブ2間に組込まれている。一方、シール
部材4としてラジアル接触型シールが採用されている。
図4に示すように、このラジアル接触型シール4の外周
部はプーリ1の他端部内周に形成されたシール溝6に支
持され、内径部に設けられたシールリップ4aがハブ本
体2aの他端部外周に弾性接触している。
【0026】グリース封入空間5の外周壁内面はクラッ
チ面7とされている。グリース封入空間5内にはコイル
スプリング8が組込まれている。コイルスプリング8は
断面が角形の線材から成り、そのコイルスプリング8は
自然状態において外径がクラッチ面7の内径より大き
く、縮径された状態でグリース封入空間5内に組込まれ
て外周面がクラッチ面7に弾性接触している。ここで、
クラッチ面7はプーリ全体を熱処理することによって硬
度が高められている。
【0027】プーリハブ2を形成するスリーブ2bは合
成樹脂の成形品から成る。そのスリーブ2bは外周面の
両端部に一対の鍔9a、9bを有し、その一対の鍔部9
a、9b間におけるスリーブ2bの外周に軸方向に延び
る溝状の複数のグリース溜り10が周方向に等間隔に設
けられ、各グリース溜り10にクラッチ面7とコイルス
プリング8の接触部を潤滑するグリースが充填されてい
る。
【0028】グリース溜り10に対するグリースの充填
は、プーリハブ2の組付け前の段階において、コイルス
プリング8との間に形成された隙間から充填する。
【0029】上記グリースは、必要に応じてグリース封
入空間5内にも充填する。そのグリースの充填量は、グ
リース封入空間5およびグリース溜り10に実質的に封
入されるグリース量の50%程度が好ましい。
【0030】前記スリーブ2bに形成された一対の鍔9
a、9bのうち、ラジアル接触型シール4に近接する位
置の鍔9aの外径はクラッチ面7の内径よりやや小径と
され、その鍔9aの外周面はラジアル軸受面11とされ
ている。一方、片シール軸受3に近接する位置の鍔9b
にはうず巻き溝12が形成され、そのうず巻き溝12に
コイルスプリング8の一方の端部が挿入され、その挿入
端に設けられた係合片8aがうず巻き溝12の端部に設
けられた内向きの係止溝12aに係止されている。
【0031】実施の形態で示すクラッチプーリ装置は上
記の構造から成り、エンジン補機としてのオルタネータ
の駆動に際しては、そのオルタネータの回転軸にプーリ
ハブ2を取付けて回り止めし、プーリ1の外周にかけら
れるベルトを介してクランクシャフトの回転をプーリ1
に伝達する。
【0032】上記のような使用状態において、クランク
シャフトの回転がプーリ1に伝達されると、コイルスプ
リング8は、クラッチ面7と接触により拡径して、クラ
ッチ面7に対する圧接係合力が増大し、そのコイルスプ
リング8を介してプーリ1の回転がプーリハブ2に伝達
され、オルタネータの回転軸が回転される。
【0033】オルタネータの回転軸の回転時、ベルトの
移動速度が低下し、オルタネータの回転軸を駆動するプ
ーリハブ2の回転速度がプーリ1の回転速度を上回る
と、コイルスプリング8が縮径してクラッチ面7に対す
る圧接係合力が弱くなり、コイルスプリング8とクラッ
チ面7の接触部において滑りが生じ、プーリハブ2の回
転がプーリ1に伝達されず、プーリ1はフリー回転す
る。
【0034】このため、プーリ1とベルトの接触部にお
いて滑りが防止される。
【0035】ここで、プーリ1からプーリハブ2に回転
が伝達されてプーリ1とプーリハブ2とが回転すると
き、グリース溜り10に充填されたグリースは遠心力に
より外径方向に移動してコイルスプリング8とクラッチ
面7の接触部を潤滑する。
【0036】遠心力によって外径方向に移動するグリー
スはグリース封入空間5内の外周部において滞溜してグ
リース封入空間5から逃げ出すことがないため、コイル
スプリング8とクラッチ面7の接触部はグリースによっ
て常に潤滑されることになり、潤滑不良によるクラッチ
部の寿命低下を抑制し、長寿命化を図ることができる。
【0037】また、グリースは片シール軸受3内に侵入
して、その片シール軸受3も同時に潤滑することにな
る。なお、軸受3は片シール軸受に限定されず、両シー
ル軸受であってもよい。この両シール軸受の場合、グリ
ース封入空間5内に充填されたグリースと同種のグリー
スを封入して軸受内部を潤滑してもよく、あるいは軸受
用グリースを封入して軸受内部を潤滑してもよい。
【0038】図1および図2に示すように、プーリハブ
2を形成するスリーブ2bの外周に複数のグリース溜り
10を設けておくと、グリース封入空間5内に多量のグ
リースを充填しておくことができるため、コイルスプリ
ング8とクラッチ面7の接触部を長期にわたって潤滑す
ることができ、クラッチ部のより長寿命化を図ることが
できる。また、グリース溜り10を設けることによっ
て、プーリハブ2の組付け前の状態でコイルスプリング
8との隙間からグリース溜り10にグリースを充填する
ことができるため、プーリハブ2の組付け後に、グリー
ス封入空間5の端部開口からグリースを充填する場合に
比較して、グリースを容易に充填することができ、充填
の作業性を向上させることができる。
【0039】さらに、スリーブ2bのシール部材4側の
端部外周に鍔9aを設け、その鍔9aの外周面をラジア
ル軸受面11とすることにより、プーリ1に付与される
ラジアル荷重やモーメント荷重をそのラジアル軸受面1
1と片シール軸受3によって受けることができる。
【0040】このため、プーリ1をきわめて高精度に回
転させることができると共に、片シール軸受3をプーリ
1の軸方向中央からプーリ1の一端側の位置まで大きく
オフセットさせることができ、クラッチ面7の軸方向長
さを図5に示すクラッチプーリ装置のクラッチ面28
a、28bの軸方向長さに等しくした場合に、クラッチ
プーリ装置の軸方向長さのコンパクト化を図ることがで
きる。
【0041】図4に示すように、グリース封入空間5の
端部開口を閉塞するシール部材としてラジアル接触型シ
ール4を採用すると、プーリ1とプーリハブ2とが高速
度で回転するとき、ラジアル接触型シール4の内周のシ
ールリップ4aは遠心力により外径方向に変形してハブ
本体2aの外周面に対する締め代が減少するため、高速
回転時の低トルク化を図ることができる。
【0042】図5および図6は、クラッチプーリ装置の
他の例を示す。図5に示すクラッチプーリは、ラジアル
接触型シール4に設けられた芯金4bの外周部にプーリ
1の内周面に圧入される円筒部4cを設け、その円筒部
4cを熱処理すると共に、その内面をクラッチ面7aと
し、そのクラッチ面7aとプーリハブ2の外周面間をグ
リース封入空間5としている点で先に述べた図1に示す
クラッチプーリ装置と相違している。このため、図1に
示すクラッチプーリ装置と同一の部品には同一の符号を
付して説明を省略する。
【0043】図5に示すように、円筒部4cにクラッチ
面7aを設けることによって、図1に示すクラッチプー
リ装置と同様にグリース封入空間5の外周部でグリース
を保持することができるため、コイルスプリング8とク
ラッチ面7aの接触部をグリースで常に潤滑することが
でき、クラッチ部の潤滑不良による寿命の低下を抑制す
ることができる。また、円筒部4cのみを熱処理して硬
度を高めるだけでよいため、プーリ1の熱処理を不要と
することができ、コストの低減を図ることができる。
【0044】ここで、プーリ1を熱処理すると、熱歪み
により寸法精度が悪くなり、回転時の振れ精度が低下す
ることが考えられる。図5で示す例では、上記のよう
に、円筒部4cの内面をクラッチ面7aとしているた
め、プーリ1の熱処理を不要とすることができ、熱歪み
によるプーリ1の寸法精度の低下がなく、プーリ回転時
の振れ精度の低下を抑制することができる。
【0045】図6に示す例では、プーリ1の内周面に熱
処理が施されたクラッチ輪13を圧入し、そのクラッチ
輪13の内面をクラッチ面14とし、そのクラッチ面1
4とプーリハブ2の外周面間をグリース封入空間5とし
ている点で先に述べた図1に示すクラッチプーリ装置と
相違している。このため、図1に示すクラッチプーリ装
置と同一の部品には同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0046】図6に示す例においても、図5に示すクラ
ッチプーリ装置と同様に、グリース封入空間5内の外周
部でグリースを保持することができるため、クラッチ部
の潤滑不良による寿命の低下を抑制することができると
共に、プーリ1の熱処理を不要とすることができるた
め、コストの低減を図ることができる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、この発明においては、ス
プリングクラッチの回転時にコイルスプリングとクラッ
チ面の接触部を潤滑するグリースがグリース封入空間内
の外周部に滞溜してグリース封入空間から逃げ出すこと
がないため、クラッチ部の潤滑不良による寿命の低下を
抑制することができ、スプリングクラッチの長寿命化を
図ることができる。
【0048】また、出力側部材のシール部材に近接する
位置の端部外周に鍔を設け、その鍔の外周面をラジアル
軸受面としたことによって入力側部材と出力側部材を相
対的に回転自在に支持する軸受のオフセット量を大きく
とることができるため、スプリングクラッチの軸方向長
さのコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るスプリングクラッチの実施の形
態を示す縦断正面図
【図2】図1のII−II線に沿った断面図
【図3】図1のIII −III 線に沿った断面図
【図4】図1のラジアル接触型シールの取付け部を拡大
して示す断面図
【図5】この発明に係るスプリングクラッチの他の例を
示す断面図
【図6】この発明に係るスプリングクラッチのさらに他
の例を示す断面図
【図7】従来のクラッチプーリ装置の縦断正面図
【符号の説明】
1 プーリ(入力側部材) 2 プーリハブ(出力側部材) 3 シール付き軸受(片シール軸受) 4 シール部材(ラジアル接触型シール) 4b 芯金 4c 円筒部 5 グリース封入空間 7、7a クラッチ面 8 コイルスプリング 9a、9b 鍔 10 グリース溜り 11 ラジアル軸受面 13 クラッチ輪 14 クラッチ面
フロントページの続き (72)発明者 堂本 正和 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 Fターム(参考) 3J016 AA02 BB03 CA02 CA03 3J056 AA49 BC02 BE23 GA02 GA12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力側部材の内周とその内側に組込まれ
    た出力側部材の外周間に形成される空間の一端開口を、
    入力側部材と出力側部材を相対的に回転自在に支持する
    シール付き軸受によって閉塞し、かつ他端の開口をシー
    ル部材で閉塞し、そのシール部材とシール付き軸受間に
    形成されたグリース封入空間の外周壁における内面をク
    ラッチ面とし、そのクラッチ面にコイルスプリングの外
    周面を弾性接触させ、コイルスプリングの一方の端部を
    出力側部材に係止したスプリングクラッチ。
  2. 【請求項2】 前記出力側部材の外周には、コイルスプ
    リングと対向する位置に複数のグリース溜りを周方向に
    間隔をおいて設けた請求項1に記載のスプリングクラッ
    チ。
  3. 【請求項3】 前記出力側部材のシール部材側に位置す
    る端部外周に鍔を設け、その鍔の外周をラジアル軸受面
    とした請求項1又は2に記載のスプリングクラッチ。
  4. 【請求項4】 前記シール部材を、内周が出力側部材の
    端部外周に弾性接触するラジアル接触型シールとした請
    求項1乃至3のいずれかに記載のスプリングクラッチ。
  5. 【請求項5】 前記軸受が、片シール軸受とされ、その
    片シール軸受を、その内部空間がグリース封入空間と連
    通するよう組付けた請求項1乃至4のいずれかに記載の
    スプリングクラッチ。
  6. 【請求項6】 前記軸受が両シール軸受から成る請求項
    1乃至4のいずれかに記載のスプリングクラッチ。
  7. 【請求項7】 入力側部材の内周とその内側に組込まれ
    た出力側部材の外周間に形成される空間の一端開口を、
    入力側部材と出力側部材を相対的に回転自在に支持する
    シール付き軸受によって閉塞し、かつ他端の開口をシー
    ル部材で閉塞し、そのシール部材に設けられた芯金の外
    周部に入力側部材の内面に圧入される円筒部を設け、こ
    の円筒部の内周に形成されたクラッチ面と出力側部材の
    外周面間に形成されたグリース封入空間内にコイルスプ
    リングを組込み、そのコイルスプリングの外周面を前記
    クラッチ面に弾性接触し、コイルスプリングの一方の端
    部を出力側部材に係止したスプリングクラッチ。
  8. 【請求項8】 入力側部材の内周とその内側に組込まれ
    た出力側部材の外周間に形成される空間の一端開口を、
    入力側部材と出力側部材を相対的に回転自在に支持する
    シール付き軸受によって閉塞し、かつ他端の開口をシー
    ル部材で閉塞し、前記入力側部材の内側にクラッチ輪を
    圧入し、そのクラッチ輪の内周に形成されたクラッチ面
    と出力側部材の外周面間に形成されたグリース封入空間
    内にコイルスプリングを組込み、そのコイルスプリング
    の外周面を前記クラッチ面に弾性接触し、コイルスプリ
    ングの一方の端部を出力側部材に係止したスプリングク
    ラッチ。
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