JP2003300591A - 容器キャップの多連着脱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遺伝子解析や創薬の研究などで取り扱う多数
で少量の試料を、遠心分離や抽出などの操作を行う際に
液体試料を入れる遠沈管など容器のキャップを迅速に、
かつ確実に着脱する装置を提供する。 【解決手段】 容器のキャップを着実に締める場合に、
一旦キャップを閉じる方向と逆の方向に回転した後、容
器とキャップの溝を会わせて正回転してキャップを締め
る方法を、ロボットを使用した多連式の容器キャップ着
脱装置とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、製薬、創薬、遺伝
子解析、タンパク質解析などの分野で幅広く使用されて
いる試験装置に使用される容器のキャップ着脱装置に関
する。更に詳しくは、遠心分離器に使用されている遠沈
管のキャップを一度に複数個、開閉することが可能な多
連式の容器キャップの多連着脱装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、多数の容器に液体を落下して充填
した後、キャップを自動的に装着する方法および装置と
しては、平面上に配置された容器にキャップをロボット
アームで摘み、容器の上に正確に置き、キャップを摘ん
で一定方向に回転して閉じるか、ベルトコンベア上を一
定速度で流れる容器に上部からキャップを落として容器
の頭部に固定した後、容器を回転して締める装置が一般
的に用いられていた。

【０００３】また、充填物が液化高圧ガスの様に容器内
にノズルを挿入して圧力液体の充填と同時にキャップを
閉じる必要のある場合に、人手を要さずにキャップの着
脱を行う方法および装置としては特開平６−２０１０９
６に開示されている様に容器を固定し、回転式充填機を
使用する方法などによってなされていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】製薬、創薬、遺伝子解
析、タンパク質解析などの分野で試料を処理するために
使用される遠心分離や抽出操作では少量の液体を容器に
入れ激しく回転させたり、振ったりする場合には試料液
体が圧力液体でなくても作業中に液体は圧力液体と同じ
ような状態となるので容器のキャップは強固に閉じ、ま
た、操作終了時には速やかにキャップを開く必要があ
る。

【０００５】容器へのキャップの着脱操作を円滑に、か
つ確実に行うと共に省力化および自動化を図った優れた
方法として特開平５−７７８８８が開示されている。し
かし、この方法は大型容器に適用される方法であり、遠
心分離器などの科学機器に使用される小型の容器キャッ
プの着脱には適用できない。

【０００６】最近の製薬、創薬、遺伝子解析、タンパク
質解析などの研究においては多数で少量の試料を取り扱
い、遠心分離や抽出などの操作を繰り返して短時間に人
手を掛けずに迅速、確実に作業を行う必要から、試験容
器のキャップの着脱を、ロボットを使用して自動的に行
う装置の開発が待たれている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】係る事情に鑑み、発明者
らは鋭意研究の結果、多数で少量の試料を取り扱い、遠
心分離や抽出操作を行う操作の工程で使用される容器の
キャップを、迅速に確実に行う容器キャップの多連着脱
装置の発明に至った。

【０００８】容器のキャップを確実に閉める方法とし
て、容器のねじ溝とキャップのねじ溝とを確実に合わせ
る必要がある。両者のねじ溝を確実に噛み合わせる方法
として、手で瓶など容器のキャップを閉じる場合に、キ
ャップまたは容器を一度閉じる方向と逆の方向に回し、
容器とキャップのねじ溝の噛み合いを確保した後、正回
転の方向にキャップまたは容器を回して締める方法が一
般に行われている。

【０００９】本発明は、容器のキャップ着脱おいて、上
述の一度閉じる方向と逆の方向に回転し、その後に正回
転してキャップを確実に締める発想を遠心分離器の遠沈
管など、科学機器に使用される容器のキャップを自動的
に着脱する装置に応用したもので、キャップを回転させ
てキャップを開閉する場合に開閉時のトルクを、正逆回
転に対応する２系統の電流検出式のトルクリミッターで
検出し、それらを別個に設定できる方式によって課題を
達成した。

【００１０】容器とキャップの開閉において、容器また
はキャップを閉じる方向と逆の方向に回転して両者のね
じ溝の噛み合いを確保した後に正回転してキャップを確
実に閉じる方法は容器を固定してキャップを回転させて
キャップを閉じる場合およびキャップを固定して容器の
方を回転してキャップを閉じる場合の何れの方法にも適
用できる。

【００１１】本発明の容器あるいはキャップ回転方式の
容器キャップの多連式着脱装置では容器キャップの開閉
度合をキャップ毎に取り付けられた独立懸架のバネで調
整して位置を会わせ板バネ製の爪でキャップを掴み、容
器キャップの開閉を行うので爪がキャップの溝に填り込
む様に掴むためにキャップを締め過ぎることがなく、過
度のトルクが掛かった時には爪が滑って容器やキャップ
の破壊を防ぐ。本発明の容器キャップ着脱装置は、容器
キャップの着脱を１個で行う単式と２個以上を同時に行
う多連式とがある。

【００１２】容器回転方式の場合、キャップを一定の力
が掛かると空転する様に設定したエアチャックをエアシ
リンダーに連結して上下、左右に移動させることによっ
て容器の口の部分にキャップを合わせた後、トルク制御
された直流モーターを正逆に回転して容器のキャップを
開閉する。

【００１３】本発明の容器のキャップ多連着脱装置では
キャップの着脱だけでなく、関連工程として所定の位置
に置かれたキャップを取る機構、容器口に搬送する機
構、外されたキャップを廃棄する機構が設けられてお
り、それらの工程をロボットを使用して処理するもので
ある。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に本発明を、図面を用いて説明
する。図１はキャップ回転方式の４連式容器のキャップ
着脱装置の概略図である。下部の板バネ製の爪でキャッ
プを摘み、上部トルク制御されたモーターでシャフトを
正逆に回転させてキャップを開閉するが、爪がキャップ
の溝に填り込む様に掴むため、軽い圧力でキャップをし
っかりと固定出来る。一方、過度のトルクが掛かった場
合には爪が滑ってキャップや容器の破損を未然に防ぐ機
構となっている。

【００１５】バネはキャップ毎の独立懸架方式となって
おり、個々のキャップの開閉度合に応じてキャッパーが
上下できる機構となっているのでキャップの開閉が円滑
にできる。また、プッシャーがキャップの締め付け後に
作動し、別に設置された容器保持機構と連携することに
よってキャップの着脱、廃棄、キャップをされた容器の
搬送などの容器キャップの着脱作業を連続して行う事が
可能となる。

【００１６】上部に設置されたモーターは電流検出式の
トルクリミット回路を各々２系統持っているため、キャ
ップを閉じる時のトルクと開ける時のトルクを個々に設
定できる。また、この回路ではトルクリミットが停止し
たことの信号が出る設計となっているために動作不良の
検知が容易に行える。図１では４連式の容器キャップ着
脱装置の概略図を示したが、単式でも良く、また、２連
以上の多連式でも良い。

【００１７】

【発明の効果】本発明の容器のキャップ多連着脱装置
は、容器にキャップを締める場合には閉める方向と逆方
向に一度回転させ、溝を会わせた後、しっかりと閉める
機構を機械的に自動化して行ったものであり、遺伝子や
創薬の研究などの多数で少量の試料を遠心分離や抽出な
どの操作を行う時の容器のキャップを迅速に、確実に着
脱するための装置として有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】キャップ回転方式の４連式容器キャップの着脱
装置の概略図である。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャップ開閉時のトルクを電流検出式の
   トルクリミッター回路で設定し、同時にキャップの開閉
   度合をキャップ毎に取り付けられた独立懸架のバネで調
   整して摘み位置を定めて板バネ製の爪でキャップを掴
   み、該キャップを回転して開閉することを特徴とする容
   器キャップの多連着脱装置。
2. 【請求項２】 電流検出式のトルクリミッター回路を２
   系有し、キャップを開ける時のトルクと閉じる時のトル
   クをそれぞれ別個に設定できることを特徴とする請求項
   １に記載の容器キャップの多連着脱装置。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２の容器キャップ
   着脱装置において、容器キャップを閉じる時にキャップ
   または容器を一度閉じる方向と逆方向に回転し、容器と
   キャップのねじ溝の噛み合いを確保した後、正回転して
   キャップを規定のトルクで閉じることを特徴とする容器
   キャップの多連着脱装置。
4. 【請求項４】 容器の保持機構において、複数の容器保
   持機構を連携することによってキャップの着脱、キャッ
   プの廃棄および容器の搬送、廃棄などの容器キャップの
   着脱作業を連続して行うことを可能とした請求項１また
   は請求項２に記載の容器キャップの多連着脱装置。
5. 【請求項５】 請求項１または請求項２の容器キャップ
   着脱装置がロボットで操作される遠心分離装置に設置さ
   れる遠沈管用キャップの着脱装置であることを特徴とす
   る容器キャップの多連着脱装置。