JP2003300231A - 射出成型部品の製造方法 - Google Patents

射出成型部品の製造方法

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JP2003300231A
JP2003300231A JP2002108329A JP2002108329A JP2003300231A JP 2003300231 A JP2003300231 A JP 2003300231A JP 2002108329 A JP2002108329 A JP 2002108329A JP 2002108329 A JP2002108329 A JP 2002108329A JP 2003300231 A JP2003300231 A JP 2003300231A
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molding
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carrier
molded part
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Katsushige Ishizuka
勝重 石塚
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲面や段差を有する射出成形部品に対しても
高精度なパターン形成を容易に且つ低コストで行うこと
が可能な射出成形部品の製造方法を提供する。 【解決手段】 周面59に回路パターン9hが形成され
たパターンキャリア18dの位置決め基準穴25を、可
動側金型3の入れ駒10に設けられた位置決め基準ピン
26と嵌合させ、パターンキャリア18dを成形金型1
内に組み込む。成形金型1を閉じるとパターンキャリア
18dの両端面57、58は入れ駒4、10のキャビテ
ィ内壁4a、10aによって挟み込まれ保持される。高
圧で射出された溶融樹脂はパターンキャリア18dの周
面59全体を覆いこむように充填され、パターンキャリ
ア18dと樹脂部が一体化する。その後、内部に含まれ
たパターンキャリア18dを適当な溶剤により溶融さ
せ、中空部表面にパターンキャリア18d上の回路パタ
ーン9hが転移された射出成形部品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面もしくは内層
にパターンを有する射出成形部品の製造方法に関し、さ
らに詳しくは、電気回路パターンや防食を目的とした保
護皮膜または電気的なシールド効果を目的とした金属め
っき膜等を含む種々のパターンを有する射出成形部品の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、射出成形部品に回路パターン
を形成する様々な方法が提案されている。例えば、射出
成形部品の表面に薄付け無電解銅めっきを施した後、電
解銅めっきにより厚付けを行い、露光レジスト塗布、露
光、現像等の一連の写真製版工程を経てエッチングを行
い所望の回路パターンを形成する方法や、射出成形部品
を再度成形金型内に位置決めし、回路パターンを形成す
る部位を除いて全体を溶融樹脂で覆いこみめっきマスク
を形成し、こうして得られた部品に対してめっきを施し
回路パターン形成を行った後に、めっきマスク樹脂を化
学的に溶融することで、ベースとなる樹脂に回路パター
ンを形成する二段成形法等が知られている。また、生産
性を向上させるべく、ロール状のPET等の樹脂フィル
ム上に予め回路パターンを形成し、射出成形時の成形金
型周辺にフィルムの自動供給、巻き取り機構を備え連続
的に成形金型内にフィルム上の回路パターンを供給し、
射出成形を行うことによって回路パターンを転移する方
法も提案されている。このようなフィルムシートをキャ
リアとした転移方法について、例えば特許公報第251
6650号では、位置決め精度を向上させるためにフィ
ルムに設けられた位置決め基準穴をキャビティ内の突起
に嵌合させる製造方法が提示されている。また、特許公
報第2748320号では、曲面部に対する転移位置決
め精度向上に関して提示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り行われている写真製版技術を用いたパターニング法で
は、平板状の基板のような部品に対しては精度良くパタ
ーン形成が行えるが、曲面や段差等を有する立体形状の
射出成形部品に対してはレジストを均一の厚みに塗布す
ることが困難であり、露光の際に露光マスクと射出成形
部品の位置決めを精度よく行うことが難しいという問題
があった。また、精度確保のために必要な管理工数も多
いため低価格化が困難であった。また、二段成形法によ
り回路パターンを形成する方法では、めっきマスクを射
出成形により形成するため写真製版工程を用いる場合に
比べて作業は単純であるが、二段目の射出成形時に部品
を金型に再度保持する必要があり、製品形状もしくは回
路パターンに影響を及ぼす恐れがあった。また、二回の
成形を行うための成形金型等に必要となる初期費用が多
いという問題があった。さらに、射出成形部品に直接め
っき等の方法で回路パターンを形成する従来方式では、
めっきの厚さや表面粗さのばらつきが生じやすく、特に
曲面部や段差部、または穴部や中空部内への回路パター
ン形成は困難であった。また、このような方法では、め
っきと下地の密着強度を高くする為には下地が粗い方が
望ましいが、一方でめっき下地が粗い場合、得られる回
路パターンも粗くなるという相反する課題が生じてい
た。
【0004】また、フィルムシートをキャリアとした回
路パターンの転移方法については、量産において低コス
ト化を実現することが可能であるが、成形金型内へ溶融
樹脂を射出する際にフィルムシートが位置ずれを起こし
たり、しわになったり、破損したりするという問題があ
った。これらの問題点を改善するために、成形金型内に
位置決め用の突起を設けておき、フィルム側に設けられ
た位置決め基準穴と嵌合させることにより、位置決め精
度を向上させる方法が提案されているが、この方法を採
用したとしてもフィルムシートが軟らかく、射出成形時
に高圧で溶融樹脂を射出するためにフィルムシートが変
形するという問題は依然として残っている。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、曲面や段差等を有する立体形状
の射出成形部品に対しても高精度なパターン形成を容易
に且つ低コストで行うことが可能な射出成形部品の製造
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる射出成形
部品の製造方法は、成形キャビティ内に溶融樹脂を射出
して、表面に所望のパターンを有する射出成形部品を製
造する射出成形部品の製造方法であって、成形表面を有
しこの成形表面にパターンが形成された置き駒を準備す
る工程と、掘り込み部を有する第1の成形金型とこれに
対応する第2の成形金型とを準備する工程と、置き駒を
掘り込み部に取り付ける工程と、パターンを有する置き
駒の成形表面が成形キャビティの内壁の一部を構成する
ようにして第1、第2の成形金型を型締めし成形キャビ
ティを形成する工程と、成形キャビティ内に溶融樹脂を
射出して射出成形部品を形成しこの射出成形部品の表面
にパターンを密着させる工程と、第1、第2の成形金型
の型開きによりパターンを射出成形部品の表面に転移さ
せる工程とを含んだことを特徴とする。また、置き駒
は、金属材料よりなることを特徴とする。また、置き駒
の成形表面には、蒸着法、スクリーン印刷法または電解
めっき法によりパターンが形成されることを特徴とす
る。さらに、置き駒は、相対する一対の平面を有する平
板状であり、その一方の平面を成形表面としてパターン
が形成されることを特徴とする。また、置き駒は、一つ
の平面とこれに相対する曲面を有し、曲面を成形表面と
してパターンが形成されることを特徴とする。
【0007】また、置き駒は、少なくとも1個の位置決
め基準穴を有し、また掘り込み部には位置決め基準穴に
対応する位置決め基準ピンが設けられており、この位置
決め基準ピンと位置決め基準穴を嵌合させることにより
置き駒の位置決めを行うことを特徴とする。また、置き
駒を、1つの成形キャビティに対して2個以上取り付け
ることを特徴とする。また、置き駒として成形表面の形
状またはパターンの形状が異なるものを複数用意し、1
組の第1および第2金型で複数種類の射出成形部品を順
次製造することを特徴とする。また、第1および第2の
成形金型は、複数個の成形キャビティを形成し、それぞ
れの成形キャビティに対して置き駒が取り付けられるこ
とを特徴とする。さらに、置き駒の成形表面には、n個
(n≧2)のパターンが形成され、また第1および第2
の成形金型は、それぞれのパターンに対応するn個の成
形キャビティを形成することを特徴とする。また、置き
駒として、成形表面の形状またはパターンの形状が異な
るものを複数用意し、1組の第1および第2の成形金型
で複数種類の射出成形部品を同時に製造することを特徴
とする。
【0008】また、成形キャビティ内に溶融樹脂を射出
して、表面もしくは内層に所望のパターンを有する射出
成形部品を製造する射出成形部品の製造方法であって、
成形表面を有しこの成形表面にパターンが形成されたキ
ャリアを準備する工程と、キャリアの固定手段を有する
第1の成形金型とこれに対応する第2の成形金型とを準
備する工程と、キャリアを第1の成形金型に取り付け固
定手段により固定する工程と、パターンを有するキャリ
アが成形キャビティの内壁の一部を構成するようにして
第1、第2の成形金型を型締めし成形キャビティを形成
する工程と、成形キャビティ内に溶融樹脂を射出してキ
ャリアの一部もしくは全体を溶融樹脂にて包含すること
により、パターンを有するキャリアと樹脂部が一体化し
た射出成形部品を形成する工程とを含んだことを特徴と
する。また、キャリアは、金属材料よりなることを特徴
とする。また、キャリアの成形表面には、蒸着法、スク
リーン印刷法または電解めっき法によりパターンが形成
されることを特徴とする。
【0009】また、第1および第2の成形金型は、複数
個の成形キャビティを形成し、それぞれの成形キャビテ
ィに対してキャリアが取り付けられることを特徴とす
る。また、キャリアの成形表面には、n個(n≧2)の
パターンが形成され、また第1および第2の成形金型
は、それぞれのパターンに対応するn個の成形キャビテ
ィを形成しており、それぞれの成形キャビティ内に溶融
樹脂を射出して1つのキャリアと一体化したn個の射出
成形部品を形成することを特徴とする。さらに、1つの
キャリアと一体化したn個の射出成形部品を成形キャビ
ティから取り出した後、キャリアを切断しn個の射出成
形部品を個片化することを特徴とする。また、パターン
がキャリアと樹脂部の間に挟まれるように配置された射
出成形部品を形成し、この射出成形部品を成形キャビテ
ィから取り出した後、キャリアを適当な溶剤で溶融する
ことによりパターンを射出成形部品の樹脂部に転移させ
ることを特徴とする。さらに、キャリアとして、相対す
る一対の端面とこれらを繋ぐ周面を有しこの周面を成形
表面としてパターンが形成されたキャリアを用い、この
キャリアの両方の端面を成形キャビティ内壁で保持した
状態で成形キャビティ内に溶融樹脂を射出して、キャリ
アの周面全体を溶融樹脂にて包含することにより樹脂部
内部にキャリアを含んだ射出成形部品を形成し、この射
出成形部品を成形キャビティから取り出した後、キャリ
アを適当な溶剤で溶融することによりパターンを射出成
形部品の中空部内表面に転移させることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下に、本発明の
実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明
の実施の形態1において用いられる成形金型が開いた状
態を示す斜視図である。成形金型1は、第1の成形金型
である固定側金型2とこれに対応する第2の成形金型で
ある可動側金型3より構成されている。固定側金型2の
中央部には、入れ駒4が組み込まれており、さらにこの
入れ駒4の略中央部には着脱可能な置き駒5を取り付け
るための掘り込み7が形成されている。この掘り込み7
に組み込まれる置き駒5は、相対する一対の平面51、
52とこれらの平面51、52を繋ぐ周面53を有し、
その一方の平面51を成形表面として射出成形部品に転
移される回路パターン9が予め形成されている。置き駒
5の成形表面51への回路パターン9形成方法として
は、一般的な蒸着法やスクリーン印刷法の他、めっきマ
スクを形成した後にめっきを行う、またはめっき後にパ
ターンエッチングを行う等の種々の方法が選択可能であ
り、転写性、必要精度、生産性等を考慮して適宜選択す
ればよい。なお、置き駒5の材質選択や、めっき前の離
型材塗布による離型層の形成などの必要性についても適
宜選択すればよい。置き駒5は、掘り込み7に対して取
り付け、取り外しが容易な構造となっている。本実施の
形態では、置き駒5は2個の位置決め基準穴6a、6b
を有し、また掘り込み7には位置決め基準穴6a、6b
に対応する位置決め基準ピン8a、8bが設けられてい
る。この位置決め基準ピン8a、8bと位置決め基準穴
6a、6bを嵌合させることにより置き駒5の位置決め
が行われ、掘り込み7内に確実に固定される。また、入
れ駒4の掘り込み7近傍には、溶融樹脂の通路であるス
プルー16を形成するスプルーブッシュ16aが配置さ
れている。
【0011】一方、可動側金型3の中央部にも入れ駒1
0が組み込まれており、この入れ駒10の置き駒5に対
向する箇所には溶融樹脂が充填される成形キャビティ1
1を形成するための空間が設けられている。また、可動
側金型3には、成形後に成形品を型から離すための突出
ピン(図示せず)を戻すためのスプリング12や、型締
めの際に固定側金型2のガイドブッシュ14と嵌合され
るガイドピン13が設けられている。なお、本実施の形
態では、置き駒5および掘り込み7にそれぞれ位置決め
基準穴6a、6bと位置決め基準ピン8a、8bを2個
ずつ設けたが、置き駒5と掘り込み7の外形寸法をそれ
ぞれ精度よく加工することにより、位置決め基準ピンと
位置決め基準穴による嵌合を省略することも可能であ
る。また、置き駒5は必ずしも固定側金型2に配置する
必要はなく、製品形状、回路パターン形状、パターン配
置および金型制作上の制約などを考慮し、可動側金型3
に配置することも可能である。
【0012】次に具体的な製造方法について説明する。
図2(a)は、図1中II−IIで示す部分で切断した断面
図で、成形金型1が閉じた状態を示している。また、図
2(b)は図2(a)の主要部分を示す部分拡大断面図
である。パーティングライン(P/L)は、成形金型1
の分割面を示している。固定側金型2の入れ駒4に設け
られた掘り込み7に置き駒5を精度よく取り付けた後、
回路パターン9を有する置き駒5の成形表面51が成形
キャビティ11の内壁の一部を構成するようにして固定
側金型2および可動側金型3を型締めし、成形キャビテ
ィ11を形成する。固定側金型2と可動側金型3はそれ
ぞれ成形機本体の固定盤、可動盤(いずれも図示せず)
に取り付けられ、可動盤の作動によって固定側金型2と
可動側金型3は密着し、型締めされる。成形金型1を型
締めした状態で、ロケットリング15と接続された成型
機本体の射出シリンダー(図示せず)内で成型樹脂が溶
融、加圧され、射出される。高圧で射出された溶融樹脂
は、スプルー16、ランナー17を経てキャビティ11
に充填され、所望の射出成形部品を形成すると共に、こ
の射出成形部品の表面と置き駒5に形成された回路パタ
ーン9が密着する。溶融樹脂の充填完了後、型開きによ
って回路パターン9は置き駒5から離型されて射出成形
部品の樹脂部23表面へ転移され、表面に回路パターン
9を有する射出成形部品20aが完成する(図2
(c))。
【0013】本実施の形態における射出成形部品への回
路パターン転写方法と、射出成形部品に直接回路パター
ン形成を行う従来方法の工程の流れを図3を用いて比較
する。図3(a)は、本実施の形態における射出成形部
品の製造方法を示し、図3(b)は従来の射出成形部品
への回路パターン形成方法の一例を示している。本実施
の形態では、図3(a)に示すように、例えば銅(C
u)板よりなる置き駒に、図中Aの枠内に示す各工程に
より回路パターンの形成を行う。すなわち、置き駒の成
形表面に離型材を塗布した後(工程S1)、同表面にめ
っきレジストを塗布し(工程S2)、露光、現像により
レジストにパターンを形成する(工程S3)。続いて、
置き駒に電極を取り付け電解Cuめっきを施し回路パタ
ーンを形成後(工程S4)、レジスト剥離剤でめっきレ
ジストを除去する(工程S5)。このような工程を経て
回路パターンが形成された置き駒を成形金型内に組み込
み、溶融樹脂を射出して射出成形部品を形成し(工程S
6)、成形金型の型開きにより置き駒に形成された回路
パターンが射出成形部品の表面に転移される。最後に保
護膜としてNiめっき膜を形成する(工程S7)。これ
に対して射出成形部品に直接パターン形成を行う従来方
法では、図3(b)に示すように、成形金型により射出
成形部品を形成後(工程S8)、表面粗化のためのアル
カリエッチングを行い(工程S9)、まず無電解Cuめ
っきで薄付けを行う(工程S10)。続いて、電極を取
り付け電解Cuめっきで厚付けを行う(工程S11)。
さらに、コンベア上でシャワーリングを行うタイプのエ
ッチング装置を用いる場合、両面の同時エッチングがで
きないため、回路パターンを形成する必要のない裏面の
Cuめっき膜をエッチングで除去する工程が必要となる
(工程S12)。続いて、Cuめっき形成面にエッチン
グレジスト塗布を行い(工程S13)、露光・現像によ
りレジストにパターンを形成し(工程S14)、エッチ
ング(工程S15)、レジスト除去(工程S16)の各
工程を経て所望の回路パターンが形成され、最後にNi
めっき膜を形成する(工程S17)。このように、本実
施の形態によれば、置き駒の材質を金属材料とすること
により、無電解めっきの必要がなく、めっきレジストを
形成して電解めっきを行うことによりエッチング工程も
不要であるため、射出成形部品に直接回路パターン形成
するよりも大幅に工程の簡略化が図られる。また、置き
駒上に離型材を塗布してから回路パターン形成を行うこ
とにより離型性が向上し、製造歩留まりが向上する。
【0014】以上のように、本実施の形態によれば、置
き駒5は単純な平板形状であり精度良く加工されている
ため、置き駒5の平面(成形表面)51に回路パターン
9を形成する際に位置決め基準が確保しやすく、高精度
のパターン形成が比較的容易に行える。また、入れ駒4
に設けられた掘り込み7への取り付け、取り外しも容易
であり、位置決めも精度良く行うことができる。さら
に、金属材料よりなる置き駒5は、従来の柔らかいフィ
ルムシートに比べて強度が大きいため、溶融樹脂を高圧
で射出する際にも位置ずれ、変形等について危惧する必
要はない。また、転移後の回路パターン9の表面粗さ、
平面度等の面精度および部品全体に対する回路パターン
9表面の高さ精度等は、置き駒5の加工精度によって制
御できる。このため、フィルムシートをキャリアとした
場合に比べて管理が容易であり、下地となる樹脂部23
の表面粗さ、平面度等の影響が抑制されるため、密着力
強化のために下地を粗くする処理を施しておいてもよ
い。また、置き駒5に形成された回路パターン9の転移
面に、必要に応じて化学研磨、機械的ブラスト処理等を
施し、転写後の回路パターン9の樹脂部23への密着性
を向上させることも可能である。
【0015】さらに、曲面や段差を有する置き駒に回路
パターンを形成することにより、曲面部や角部への回路
パターン形成が可能となる。例えば、図4は一つの平面
54とこれに相対する曲面55およびこれらを繋ぐ周面
56を有する置き駒5aであり、曲面55を成形表面と
してパターン9aを形成したものである。この置き駒5
aは、図1に示す掘り込み部7と同様な、平面54の外
形と同じ外形を有する掘りこみ部(図示せず)に取り付
けられる。また、置き駒5aの成形表面55は成形キャ
ビティの内壁の一部を構成する。このように、成形表面
が曲面55の場合のパターン形成は単純な平板形状の置
き駒5へのパターン形成より難しいが、置き駒5aの材
質を銅などの金属とすることにより、前述の理由により
射出成形部品に直接パターン形成するよりも工程が簡略
化される。さらに、成形表面の形状またはパターン形状
等が異なる置き駒を複数用意することで、一つの成形金
型で複数種類の射出成形部品を順次製造することがで
き、少ない設備投資で多品種少量生産に対応することが
可能となる。
【0016】実施の形態2.図5(a)は、本発明の実
施の形態2において用いられる成形金型が閉じた状態を
示す断面図である。図中、同一、相当部分には同一符号
を付し説明を省略する。本実施の形態では、固定側金型
2に組み込まれた入れ駒4には2つの掘り込み7b、7
cが設けられ、それぞれに置き駒5b、5cが取り付け
られており、共に成形キャビティ11の内壁の一部を構
成している。この2個の置き駒5b、5cの成形表面に
はそれぞれ回路パターン9b、9cが形成されている。
成形金型1を型締めした状態で高圧で射出された溶融樹
脂は、成形キャビティ11に充填され、所望の射出成形
部品を形成すると共に、この射出成形部品の表面と置き
駒5b、5cに形成された回路パターン9b、9cが密
着する。溶融樹脂の充填完了後、型開きによって回路パ
ターン9b、9cは置き駒5b、5cから離型されて射
出成形部品の樹脂部23表面へ転移され、表面に回路パ
ターン9b、9cを有する射出成形部品20bが完成す
る(図5(b))。なお、置き駒5b、5cへの回路パ
ターン9b、9cの形成方法や、置き駒5b、5cの位
置決め方法については、上記実施の形態1と同様である
ので説明を省略する。本実施の形態によれば、上記実施
の形態1と同様の効果が得られ、さらに、成形金型1の
1つの成形キャビティ11内に2個の置き駒5b、5c
を配置し、それぞれに形成された回路パターン9b、9
cを転移するようにしたので、段差等により形状が連続
的でない部位への回路パターンの形成が可能である。な
お、本実施の形態では置き駒の数を2個としたが、3個
以上であってもよい。また、パターン形状が異なる置き
駒を複数用意したり、置き駒の組み合わせを変えて配置
することで、一つの成形金型で複数種類の射出成形部品
を製造することができ、少ない設備投資で多品種少量生
産に対応することが可能となる。
【0017】実施の形態3.図6および図7は、本発明
の実施の形態3において用いられる成形金型が開いた状
態を示す斜視図である。図中、同一、相当部分には同一
符号を付し説明を省略する。本実施の形態では、一つの
成形金型1内に複数の置き駒を設置し、同時に複数個の
射出成形部品を製造することにより生産性の向上を図る
ものである。図6に示す例では、固定側金型2に組み込
まれた入れ駒4に置き駒5dを取り付けるための掘り込
み7が2箇所に形成され、それぞれの掘り込み7に置き
駒5dが組み込まれる。置き駒5dの成形表面51に
は、回路パターン9dが形成されている。なお、置き駒
5dへの回路パターン9d形成方法や、置き駒5dの入
り駒4への設置方法および位置決め方法については、上
記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。ま
た、可動側金型3には、それぞれの置き駒5dに対応す
る2箇所に成形キャビティを形成するための空間が設け
られている。成形金型1を型締めした状態で高圧で射出
された溶融樹脂は、成形キャビティに充填され、所望の
射出成形部品を形成すると共に、この射出成形部品の表
面と置き駒5dに形成された回路パターン9dが密着す
る。溶融樹脂の充填完了後、型開きによって回路パター
ン9dは置き駒5dから離型されて射出成形部品の樹脂
部表面へ転移され、表面に回路パターン9dを有する射
出成形部品(図示せず)が同時に2個完成する(2個取
り生産)。
【0018】また、図7に示す例では、固定側金型2に
組み込まれた入れ駒4に置き駒5eを取り付けるための
掘り込み7が2箇所に形成され、それぞれの掘り込み7
に置き駒5eが組み込まれる。置き駒5eの成形表面5
1には、回路パターン9eがそれぞれ3個ずつ形成され
ている。置き駒5eへの回路パターン9e形成方法につ
いては上記実施の形態1と同様であるので説明を省略す
る。なお、図7では、置き駒5eと掘り込み7の外形寸
法をそれぞれ精度よく加工することにより、位置決め基
準ピンと位置決め基準穴による嵌合を省略している。ま
た、可動側金型3には、それぞれの置き駒5eに形成さ
れた3個の回路パターン9eに対応する6箇所に成形キ
ャビティを形成するための空間が設けられている。成形
金型1を型締めした状態で高圧で射出された溶融樹脂
は、成形キャビティに充填され、所望の射出成形部品を
形成すると共に、この射出成形部品の表面と置き駒5e
に形成された回路パターン9eが密着する。溶融樹脂の
充填完了後、型開きによって回路パターン9eは置き駒
5eから離型されて射出成形部品の樹脂部表面へ転移さ
れ、表面に回路パターン9eを有する射出成形部品(図
示せず)が同時に6個完成する(6個取り生産)。な
お、図6、図7に示した置き駒数や、置き駒に形成され
るパターン数は生産性等を考慮して適宜決定すればよ
い。本実施の形態によれば、上記実施の形態1と同様の
効果が得られ、さらに、設置する置き駒数および置き駒
に形成されるパターン数に応じて複数の射出成形部品を
同時に製造することができるため、生産性が著しく向上
する。さらに、置き駒に回路パターンを形成する際に
も、同時に複数の回路パターンを形成する多面取りの方
が効率がよく、低コスト化が図られる。また、成形表面
の形状またはパターンの形状等が異なる置き駒を複数用
意することで、一組の成形金型で複数種類の射出成形部
品を同時に製造することができ、少ない設備で多品種少
量生産に対応することが可能となる。
【0019】実施の形態4.本発明の実施の形態4につ
いて、図8〜図12を用いて説明する。図8は、本実施
の形態において用いられる成形金型が開いた状態を示す
斜視図、図9は図8中IX−IXで示す部分で切断した断面
図で、成形金型が閉じた状態を示している。また、図1
0は本実施の形態において形成される射出成形部品を示
す斜視図である。なお、図中、同一、相当部分には同一
符号を付し、説明を省略する。上記実施の形態1〜実施
の形態3では、成形金型1の一部としての置き駒に回路
パターンを形成し、射出成形部品に転移する方法を述べ
たが、本実施の形態では、回路パターンが形成されたパ
ターンキャリアを射出成形部品の一部として取り込みパ
ターンキャリアと樹脂部が一体化した射出成形部品を形
成するものである。
【0020】本実施の形態における成形金型1は、図8
に示すように、固定側金型2の中央部に組み込まれた入
れ駒4に、パターンキャリア18の固定手段である掘り
込み7が形成されている。掘り込み7の四隅には座繰り
穴21が形成され、パターンキャリア18側にも座繰り
穴21に相対する位置に貫通穴19が設けられている。
また、平板状のパターンキャリア18の成形表面60に
は回路パターン9fが形成されている。パターンキャリ
ア18への回路パターン9f形成方法としては、一般的
な蒸着法やスクリーン印刷法の他、めっきマスクを形成
した後にめっきを行う、またはめっき後にパターンエッ
チングを行う等の種々の方法が選択可能であり、適宜選
択すればよい。本実施の形態では、回路パターン9fが
固定側金型2側に向くようにしてパターンキャリア18
を掘り込み7に取り付ける。掘り込み7には回路パター
ン9fが直接接触しないように座繰り穴22が設けてあ
る。また、パターンキャリア18の掘り込み7への位置
決め方法については、外形合せ、位置決め基準ピンの勘
合などが考えられるが、選択するキャリア材質や必要パ
ターン精度より適宜選択すればよい。
【0021】次に、具体的な製造方法について図9を用
いて説明する。成形金型1が型締めされた状態では、パ
ターンキャリア18は、可動側金型3に組み込まれた入
れ駒10のパターンキャリア保持部10aによって端部
を保持されている。このような状態で成形金型1のキャ
ビティ11内に高圧で射出された溶融樹脂は、パターン
キャリア18に設けられた貫通穴19を通過して固定側
金型2の入れ駒4に形成された座繰り穴21まで充填さ
れ、図10に示すような所望の回路パターン9fを有す
るパターンキャリア18と樹脂部23が一体化した射出
成形部品20cが完成する。なお、図10(a)、図1
0(b)はそれぞれ射出成形部品20cを表面と裏面か
らみた斜視図である。射出成形部品20cにおいて、パ
ターンキャリア18は、パターンキャリア18の貫通穴
19に埋め込まれた樹脂よりなるキャリア固定部23a
によって保持され、樹脂部23と一体化されている。ま
た、図11および図12は、図10に示す射出成形部品
20cの応用例を示している。図11に示す射出成形部
品20dは、回路パターン9fの背面部を樹脂部23が
覆わないように形成した例であり、電子回路部品などに
おいて電気特性上影響がある場合等に有効である。ま
た、図12に示す射出成形部品20eは、回路パターン
9fが樹脂部23にて覆われるように形成した例であ
り、通信用アンテナ等の電子部品を形成する際に回路パ
ターン9fが露出する必要ない場合に有効である。図1
2の例では回路パターン9fはパターンキャリア18と
樹脂部23の間に挟まれて外気と触れることが無いた
め、回路パターン9fが腐食しにくい、損傷しにくい等
の利点がある。なお、パターンキャリア18と樹脂部2
3の固定方法は必ずしも貫通穴19等を介して行う必要
はなく、溶融樹脂にてパターンキャリア18の一部もし
くは全体を包含することにより一体化でき、例えばパタ
ーンキャリア18の外周部のみを樹脂部23で保持する
等、適宜方式を選択すればよい。
【0022】本実施の形態によれば、パターンキャリア
18を射出成形部品20c、20d、20eの一部とし
て樹脂部23と一体成形するようにしたので、プリント
基板等の市場において量産プロセスとして実績のある回
路基板をパターンキャリア18として採用することも可
能となる。すなわち、回路パターン9fと基材との密着
性、耐はんだ付け性、耐環境性等、信頼性の面ですでに
実績のある回路基板を低コストで利用できることから、
射出成形部品の低価格化および信頼性の向上が図られ
る。また、電気特性、回路パターンの構成などの理由か
ら量産プロセスとして実績のある回路基板を採用できな
い場合でも、パターンキャリア18は単純な平板形状で
あり精度良く加工されているため、パターン形成の際に
位置決め基準が確保しやすく、高精度のパターン形成が
比較的容易に行える。さらに、パターンキャリア18の
材質を銅、アルミニウム等の金属材料とすることによ
り、上記実施の形態1で示した図3(a)と同様の手順
によってパターン形成を行うことができるため工程の簡
略化が行える。なお、本実施の形態の応用として、2個
以上の成形キャビティ11を有する成形金型1を用い、
それぞれの成形キャビティ11内にパターンキャリア1
8を組み込むことにより、複数の射出成形部品を同時に
製造することができるため、生産性が向上する。
【0023】実施の形態5.図13は、本発明の実施の
形態5において形成された射出成形部品の切断前の状態
を示す斜視図である。図中、同一、相当部分には同一符
号を付し、説明を省略する。本実施の形態では、パター
ンキャリア18aには、10個の回路パターン9fが形
成されており、また成形金型は、それぞれの回路パター
ン9fに対応する10個の成形キャビティを有してい
る。成形金型を型締めした状態において高圧で射出され
た溶融樹脂はそれぞれの成形キャビティ内に充填され、
1つのパターンキャリア18aと一体化した10個の射
出成形部品が同時に成形される。その後、パターンキャ
リア18aを切断面24にて切断し個片化することによ
り、前記実施の形態4で得られた射出成形部品20c
(図10)とほぼ同様のものが得られる。ただし、切断
面24での切断方法によって外形精度は異なり、切断部
位での外形精度は前記実施の形態4で得られた射出成形
部品20cに比べてやや劣るが、成形品に対する回路パ
ターン9fの位置精度はほぼ同等である。切断方法とし
ては、予めパターンキャリア18aの切断面24にV溝
加工を施し手割を行う方法や、ミクロジョイント加工等
を施し簡易プレスにて切断する方法等が考えられる。
【0024】本実施の形態によれば、同時に複数の射出
成形部品を得ることができるため、生産性が向上する。
また、最終製品に組み込まれる直前まで複数の射出成形
部品が1つのパターンキャリア18aによって一体化さ
れた状態で取り扱うことができるため、検査、運搬、収
納においても効率化が図られる。さらに、パターンキャ
リア18aに回路パターン9fを形成する際にも、同時
に複数の回路パターン9fを形成する多面取りの方が効
率がよく低コスト化が図られる。なお、パターンキャリ
ア18aに予め形成される回路パターン9fの数は10
個に限定するものではなく、2個以上であれば本実施の
形態と同様の効果が得られるため、生産性等を考慮して
適宜決定すればよい。
【0025】実施の形態6.図14(a)は、本発明の
実施の形態6において形成された射出成形部品のパター
ンキャリア溶融前の状態を示す断面図、図14(b)は
パターンキャリア溶融後の状態を示す断面図である。本
実施の形態では、前記実施の形態4および実施の形態5
と同様に、所望の回路パターン9gを有するパターンキ
ャリア18bと樹脂部23が一体化された射出成形部品
20fを形成後、パターンキャリア18bを適当な溶剤
により化学的に溶融し回路パターン9gのみを残し、回
路パターン9gが転写された射出成形部品20gを得る
ものである。すなわち、本実施の形態では、図14
(a)に示すように、パターンキャリア18bと樹脂部
23の間に回路パターン9gが挟まれた状態となるよう
に射出成形部品20fを成形する必要がある。なお、パ
ターンキャリア18b、樹脂部23および回路パターン
9gの素材及び溶融する為の処理液を適当に選択するこ
とで、回路パターン9gおよび樹脂部23は侵食される
ことはない。一例として、アルミニウム板よりなるパタ
ーンキャリア18bに銅で回路パターン9gを形成した
場合、適当なアルカリ溶液によりパターンキャリア18
bのみを溶融することができる。また、図15は本実施
の形態の応用例であり、1つのパターンキャリア18c
に5個の回路パターン9gを形成し、また成形金型とし
てそれぞれの回路パターン9gに対応する5個の成形キ
ャビティを有するものを用い、1つのパターンキャリア
18cと一体化した5個の射出成形部品を同時に成形し
た後、パターンキャリア18cを適当な溶剤により溶融
することにより、図14(b)に示す射出成形部品20
gと同様のものが得られる。このように、1回の成形で
多数個取りを行うことにより、生産性が向上する。
【0026】本実施の形態によれば、予め回路パターン
9gが形成されたパターンキャリア18bと樹脂部23
が一体化した射出成形部品20fを形成した後、パター
ンキャリア18bを化学的に溶融することによって回路
パターン9gのみを射出成形部品20gに転移させるよ
うにしたので、回路パターン9gをパターンキャリア1
8bから離型する際にストレスがかからず、離型不良が
生じにくいという利点がある。また、前記実施の形態5
において述べたパターンキャリア18aと一体化された
射出成形部品(図13)では、パターンキャリア18a
の切断面24での寸法精度が確保しにくい上、複数の材
料が混在することにより電気的な影響が生じる可能性が
あり、製品形状も大きくなるなどの不都合があるが、本
実施の形態ではこれらの問題を解決し、さらに多数個取
りの際にもパターンキャリア18bを切断する必要がな
く効率的である。
【0027】実施の形態7.図16(a)は、本発明の
実施の形態7において用いられるパターンキャリアを示
す斜視図、図16(b)は、図16(a)に示すパター
ンキャリアが組み込まれた成形金型が閉じた状態を示す
断面図である。図中、同一、相当部分には同一符号を付
し説明を省略する。本実施の形態において用いられるパ
ターンキャリア18dは、図16(a)に示すように、
互いに対向する一対の端面57、58とこれらを繋ぐ周
面59を有する略円柱状であり、一方の端面57には位
置決め基準穴25が設けられている。さらに、周面59
を成形表面とし、めっき等により回路パターン9hが形
成されている。また、図16(b)に示すように、本実
施の形態における成形金型1を構成する可動側金型3に
は入れ駒10が組み込まれ、さらに入れ駒10にはパタ
ーンキャリア18dを位置決めするための位置決め基準
ピン26が設置されている。成形金型1が開いた状態
で、パターンキャリア18dの位置決め基準穴25を位
置決め基準ピン26と嵌合させてパターンキャリア18
dを組み込み、成形金型1を閉じる。成形金型1が閉じ
た状態においては、パターンキャリア18dは固定側金
型2と可動側金型3のそれぞれの入れ駒4、10にて形
成される成形キャビティ11の内壁4a、10aによっ
て挟み込まれ保持される。すなわち、入れ駒4、10に
よって両端面57、58が挟み込まれたパターンキャリ
ア18dの周囲に成形キャビティ11が形成される。こ
のような状態で溶融樹脂が射出されると、成形キャビテ
ィ11の内壁4a、10aに保持されたパターンキャリ
アの両端面57、58を除いてパターンキャリア18d
の周面59全体を覆いこむように溶融樹脂が充填され、
パターンキャリア18dと樹脂部が一体化した射出成形
部品が得られる。その後、射出成形部品の内部に含まれ
たパターンキャリア18dを前記実施の形態6と同様に
適当な溶剤で溶融させることにより、中空部内表面にパ
ターンキャリア18d上の回路パターン9hが転移され
た射出成形部品が得られる。
【0028】回路パターン9hの形成方法としてめっき
を想定した場合、めっきの厚みは一般的に凹凸部、穴部
等においてはばらつきが生じやすく、場合によっては形
成されないこともあり、従来は中空部品の内表面へのめ
っき、さらに回路形成は困難であった。しかしながら、
本実施の形態によれば、パターンキャリア18dの周面
59にめっきにより形成された回路パターン9hを射出
成形部品の中空部内表面へ転移することができるため、
めっき厚の管理がし易くなり、高品質な回路パターン9
hを形成することができる。また、前記実施の形態1と
同様に、転移後の回路パターン9hの表面粗さ、平面度
等の面精度および部品全体に対する回路パターン9h表
面の高さ精度等は、パターンキャリア18dの加工精度
によって制御できるため、射出成形部品の外形寸法、表
面粗さ、平面度等の影響が抑制され、中空部内表面に高
精度の回路パターン9hを形成することができる。
【0029】図17〜図20は、上記実施の形態1〜実
施の形態7にて述べた射出成形部品の製造方法によって
作製される製品(部品)の例を示している。図17
(a)は、例えば実施の形態1において作製される射出
成形部品20hであり、樹脂部23上に回路パターン9
iが形成されている。この射出成形部品20hを、図1
7(b)に示すように回路パターン9iと同様のパター
ンが形成された基板27上に搭載することにより、アン
テナ回路を形成するアンテナ素子として用いられる。ま
た、図18、図19は、実施の形態1および実施の形態
2を組み合わせたもので、曲面や角部に回路パターン9
i、9k、9mが形成された置き駒を用い、且つ1つの
成形キャビティ内に複数の置き駒を配置することによ
り、複数の回路パターン9j、9kおよび9m、9n、
9pと樹脂部23が一体化した射出成形部品20i、2
0jを得たものである。さらに、図20は、実施の形態
7において作製される射出成形部品20kであり、樹脂
部23の中空部28内表面に回路パターン9qが形成さ
れたもので、例えば導波管等を形成することが可能であ
る。なお、上記実施の形態1〜実施の形態7では、射出
成形部品に回路パターンを形成する場合を例に挙げて説
明したが、本発明は、電気回路パターンの他にも、防食
を目的とした保護皮膜または電気的なシールド効果を目
的とした金属めっき膜等を含む種々のパターン形成に対
して適用可能である。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、成形キ
ャビティの内壁の一部を構成する置き駒の成形表面にパ
ターンを形成し、この置き駒を第1の成形金型内の掘り
込み部に取り付けて第1、第2の成形金型を型締めを行
い、成形キャビティ内に溶融樹脂を射出して射出成形部
品を形成しこの射出成形部品の表面にパターンを密着さ
せ、第1、第2の成形金型の型開きによりパターンを射
出成形部品の表面に転移させるようにした。この置き駒
は、従来の転写用フィルムシートに比べて強度が大きい
ため、成形金型内への取り付け、取り外しが容易であ
り、位置決めも精度良く行うことができる。さらに、溶
融樹脂を高圧で射出する際にも位置ずれ、変形等が起こ
らないため、高精度なパターン形成を容易に行うことが
できる。
【0031】また、置き駒は金属材料よりなるため、め
っきによるパターン形成の際に無電解めっきによる薄付
けが必要なく直接電解めっきを行うことが可能であり、
樹脂よりなる射出成形部品に直接パターン形成するより
も大幅に工程の簡略化が図られる。
【0032】また、置き駒の成形表面には、蒸着法、ス
クリーン印刷法または電解めっき法によりパターンを形
成することができるので、これらの種々の方法の中から
転写性、必要精度、生産性を考慮して適宜選択すること
が可能である。
【0033】また、置き駒は、相対する一対の平面を有
する平板状であるため、その一方の平面を成形表面とし
てパターンを形成する際に位置決め基準が確保しやす
く、高精度のパターン形成が比較的容易に行われ、製造
プロセスの簡素化が図られる。
【0034】また、置き駒の曲面を成形表面としてパタ
ーンを形成することにより、射出成形部品の曲面部への
パターン形成が容易に行える。
【0035】さらに、置き駒に設けられた位置決め基準
穴と掘り込み部に設けられた位置決め基準ピンを嵌合さ
せることにより置き駒の位置決めを行うようにしたの
で、高精度な位置決めが容易に行え、置き駒が掘り込み
部内に確実に固定される。
【0036】また、置き駒を、1つの成形キャビティに
対して2個以上取り付けることにより、段差等により形
状が連続的でない部位へのパターンの形成が可能であ
る。
【0037】また、置き駒として、成形表面の形状また
はパターンの形状が異なるものを複数用意し、1組の成
形金型で複数種類の射出成形部品を順次製造するもので
は、少ない設備で、多品種少量生産に対応できる。
【0038】さらに、第1および第2の成形金型は複数
個の成形キャビティを形成し、それぞれの成形キャビテ
ィに対して置き駒が設置されることにより、複数の射出
成形部品を同時に製造することができ、生産性が向上す
る。
【0039】また、置き駒の成形表面にn個(n≧2)
のパターンを形成し、第1および第2の成形金型は、そ
れぞれのパターンに対応するn個の成形キャビティを形
成するようにしたので、n個の射出成形部品を同時に製
造することができ、生産性が著しく向上する。さらに、
置き駒にパターンを形成する際にも、同時に複数のパタ
ーンを形成する多面取りの方が効率がよく、低コスト化
が図られる。
【0040】さらに、置き駒として、成形表面の形状や
パターン形状等が異なるものを複数用意し、1組の第1
および第2の成形金型で複数種類の射出成形部品を同時
に製造することにより、少ない設備投資で多品種少量生
産に対応することが可能となる。
【0041】また、成形キャビティの内壁の一部を構成
するキャリアの成形表面にパターンを形成し、このキャ
リアを第1の成形金型に取り付け固定して第1、第2の
成形金型を型締めし、成形キャビティ内に溶融樹脂を射
出してキャリアの一部もしくは全体を溶融樹脂にて包含
することにより、パターンを有するキャリアと樹脂部が
一体化した射出成形部品を形成するようにしたので、例
えばプリント基板等の市場において量産プロセスとして
実績のある回路基板をキャリアとして採用することも可
能となり、回路パターンと基材との密着性、耐はんだ付
け性、耐環境性等の信頼性の高い回路基板を低コストで
利用できることから、射出成形部品の低価格化および信
頼性の向上が図られる。また、量産プロセスとして実績
のある回路基板を採用しない場合でも、単純な平板状の
キャリアは位置決め基準が確保しやすく高精度のパター
ン形成が比較的容易に行われ、製造プロセスの簡素化が
図られる。
【0042】さらに、キャリアは金属材料よりなるた
め、めっきによるパターン形成の際に無電解めっきによ
る薄付けが必要なく直接電解めっきを行うことが可能で
あり、樹脂よりなる射出成形部品に直接パターン形成す
るよりも大幅に工程の簡略化が図られる。
【0043】また、キャリアの成形表面には、蒸着法、
スクリーン印刷法または電解めっき法によりパターンを
形成することができるので、これら種々の方法の中から
転写性、必要精度、生産性等を考慮して適宜選択するこ
とが可能である。
【0044】また、第1および第2の成形金型は複数個
の成形キャビティを形成し、それぞれのキャビティに対
してキャリアが取り付けられることにより、複数の射出
成形部品を同時に製造することができ、生産性が向上す
る。
【0045】さらに、キャリアの成形表面にn個(n≧
2)のパターンを形成し、また第1および第2の成形金
型はそれぞれのパターンに対応するn個の成形キャビテ
ィを形成しており、それぞれの成形キャビティ内に溶融
樹脂を射出し1つのキャリアと一体化したn個の射出成
形部品を形成した後、キャリアを切断しn個の射出成形
部品を個片化するようにしたので、同時に複数の射出成
形部品を得ることができ、生産性が向上する。また、最
終製品組み込み直前まで複数の射出成形部品が一体化し
た状態で取り扱うことができるため、検査、運搬、収納
においても効率化が図られる。さらに、キャリアにパタ
ーンを形成する際にも、同時に複数のパターンを形成す
る多面取りの方が効率がよく低コスト化が図られる。
【0046】また、パターンがキャリアと樹脂部の間に
挟まれるように配置された射出成形部品を成形し、この
射出成形部品を成形キャビティから取り出した後、キャ
リアを適当な溶剤で溶融することによりパターンを射出
成形部品の樹脂部に転移させるようにしたので、パター
ンをキャリアから離型する際にストレスがかからず、離
型不良が生じ難いという効果があり、さらに多数個取り
の際にもキャリアを切断する必要がなく個片化できるた
め効率的である。
【0047】さらに、キャリアとして、相対する一対の
端面とこれらを繋ぐ周面を有しこの周面にパターンが形
成されたキャリアを用い、このキャリアの両方の端面を
成形金型のキャビティ内壁で保持した状態でキャビティ
内に溶融樹脂を射出し、キャリアの周面全体を溶融樹脂
にて包含することにより樹脂部内部にキャリアを含んだ
射出成形部品を形成し、この射出成形部品を成形キャビ
ティから取り出した後、キャリアを適当な溶剤で溶融す
ることにより、射出成形部品の中空部内表面に高精度の
パターンを転移させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1において用いられる成
型金型が開いた状態を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1において用いられる成
型金型が閉じた状態を示す断面図と部分拡大断面図およ
び成形された射出成形部品を示す斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態1における射出成形部品
の製造方法と従来方法を比較する図である。
【図4】 本発明の実施の形態1において用いられる置
き駒の変形例を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態2において用いられる成
型金型が閉じた状態を示す断面図および成形された射出
成形部品を示す斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態3において用いられる成
型金型が開いた状態を示す斜視図である。
【図7】 本発明の実施の形態3において用いられる成
型金型が開いた状態を示す斜視図である。
【図8】 本発明の実施の形態4において用いられる成
形金型が開いた状態を示す斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態4において用いられる成
型金型が閉じた状態を示す断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態4において形成された
射出成形部品を示す斜視図である。
【図11】 本発明の実施の形態4において形成された
射出成形部品の応用例を示す斜視図である。
【図12】 本発明の実施の形態4において形成された
射出成形部品の応用例を示す断面図である。
【図13】 本発明の実施の形態5において形成された
射出成形部品の切断前の状態を示す斜視図である。
【図14】 本発明の実施の形態6において形成された
射出成形部品のパターンキャリア溶融前後の状態を示す
断面図である。
【図15】 本発明の実施の形態6において形成された
射出成形部品のパターンキャリア溶融前の状態を示す断
面図である。
【図16】 本発明の実施の形態7において用いられる
成型金型が閉じた状態を示す断面図およびパターンキャ
リアを示す斜視図である。
【図17】 本発明の実施の形態1において作製される
射出成形部品の例を示す斜視図および断面図である。
【図18】 本発明の実施の形態1および実施の形態2
を組み合わせて作製される射出成形部品の例を示す斜視
図である。
【図19】 本発明の実施の形態1および実施の形態2
を組み合わせて作製される射出成形部品の例を示す斜視
図である。
【図20】 本発明の実施の形態7において作製される
射出成形部品の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 成形金型、2 固定側金型、3 可動側金型、4
入れ駒、4a キャビティ内壁、5、5a、5b、5
c、5d、5e 置き駒、6、25 位置決め基準穴、
7、7b、7c 掘り込み、8、26 位置決め基準ピ
ン、9、9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g、
9h、9i、9j、9k、9m、9n、9p、9q 回
路パターン、10 入れ駒、10a キャビティ内壁、
11 キャビティ、12 スプリング、13 ガイドピ
ン、14 ガイドブッシュ、15 ロケットリング、1
6 スプルー、16a スプルーブッシュ、17 ラン
ナー、18、18a、18b、18c、18d パター
ンキャリア、19 貫通穴、20a、20b、20c、
20d、20e、20f、20g 射出成形部品、2
1、22 座繰り穴、23 樹脂部、23a キャリア
固定部、24 切断面、27 基板、28 中空部、5
1 平面(成形表面)、52、54 平面、53、56
周面、55 曲面(成形表面)、57、58 端面、
59 周面(成形表面)、60 平面(成形表面)。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形キャビティ内に溶融樹脂を射出し
    て、表面に所望のパターンを有する射出成形部品を製造
    する射出成形部品の製造方法であって、成形表面を有し
    この成形表面に前記パターンが形成された置き駒を準備
    する工程、掘り込み部を有する第1の成形金型とこれに
    対応する第2の成形金型とを準備する工程、前記置き駒
    を前記掘り込み部に取り付ける工程、前記パターンを有
    する前記置き駒の成形表面が前記成形キャビティの内壁
    の一部を構成するようにして前記第1、第2の成形金型
    を型締めし前記成形キャビティを形成する工程、前記成
    形キャビティ内に前記溶融樹脂を射出して前記射出成形
    部品を形成しこの射出成形部品の表面に前記パターンを
    密着させる工程、および前記第1、第2の成形金型の型
    開きにより前記パターンを前記射出成形部品の表面に転
    移させる工程を含んだことを特徴とする射出成形部品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記置き駒は、金属材料よりなることを
    特徴とする請求項1記載の射出成形部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記置き駒の前記成形表面には、蒸着
    法、スクリーン印刷法または電解めっき法により前記パ
    ターンが形成されることを特徴とする請求項2に記載の
    射出成形部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記置き駒は、相対する一対の平面を有
    する平板状であり、その一方の前記平面を前記成形表面
    として前記パターンが形成されることを特徴とする請求
    項3に記載の射出成形部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記置き駒は、一つの平面とこれに相対
    する曲面を有し、前記曲面を前記成形表面とし前記パタ
    ーンが形成されることを特徴とする請求項3に記載の射
    出成形部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記置き駒は、少なくとも1個の位置決
    め基準穴を有し、また前記掘り込み部には前記位置決め
    基準穴に対応する位置決め基準ピンが設けられており、
    この位置決め基準ピンと前記位置決め基準穴を嵌合させ
    ることにより前記置き駒の位置決めを行うことを特徴と
    する請求項1に記載の射出成形部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記置き駒を、1つの前記成形キャビテ
    ィに対して2個以上取り付けることを特徴とする請求項
    1に記載の射出成形部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記置き駒として、前記成形表面の形状
    または前記パターンの形状が異なるものを複数用意し、
    1組の前記第1および第2の成形金型で複数種類の前記
    射出成形部品を順次製造することを特徴とする請求項1
    に記載の射出成形部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1および第2の成形金型は、複数
    個の前記成形キャビティを形成し、それぞれの前記成形
    キャビティに対して前記置き駒が取り付けられることを
    特徴とする請求項1に記載の射出成形部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記置き駒の前記成形表面には、n個
    (n≧2)の前記パターンが形成され、また前記第1お
    よび第2の成形金型は、それぞれの前記パターンに対応
    するn個の前記成形キャビティを形成することを特徴と
    する請求項1に記載の射出成形部品の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記置き駒として、前記成形表面の形
    状または前記パターンの形状が異なるものを複数用意
    し、1組の前記第1および第2の成形金型で複数種類の
    前記射出成形部品を同時に製造することを特徴とする請
    求項9または10に記載の射出成形部品の製造方法。
  12. 【請求項12】 成形キャビティ内に溶融樹脂を射出し
    て、表面もしくは内層に所望のパターンを有する射出成
    形部品を製造する射出成形部品の製造方法であって、成
    形表面を有しこの成形表面に前記パターンが形成された
    キャリアを準備する工程、前記キャリアの固定手段を有
    する第1の成形金型とこれに対応する第2の成形金型と
    を準備する工程、前記キャリアを前記第1の成形金型に
    取り付け前記固定手段により固定する工程、前記パター
    ンを有する前記キャリアが前記成形キャビティの内壁の
    一部を構成するようにして前記第1、第2の成形金型を
    型締めし前記成形キャビティを形成する工程、前記成形
    キャビティ内に前記溶融樹脂を射出して前記キャリアの
    一部もしくは全体を前記溶融樹脂にて包含することによ
    り、前記パターンを有する前記キャリアと樹脂部が一体
    化した前記射出成形部品を形成する工程を含んだことを
    特徴とする射出成形部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記キャリアは、金属材料よりなるこ
    とを特徴とする請求項12に記載の射出成形部品の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 前記キャリアの前記成形表面には、蒸
    着法、スクリーン印刷法または電解めっき法により前記
    パターンが形成されることを特徴とする請求項13に記
    載の射出成形部品の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第1および第2の成形金型は、複
    数個の前記成形キャビティを形成し、それぞれの前記成
    形キャビティに対して前記キャリアが取り付けられるこ
    とを特徴とする請求項12に記載の射出成形部品の製造
    方法。
  16. 【請求項16】 前記キャリアの前記成形表面には、n
    個(n≧2)の前記パターンが形成され、また前記第1
    および第2の成形金型は、それぞれの前記パターンに対
    応するn個の前記成形キャビティを形成しており、それ
    ぞれの前記成形キャビティ内に前記溶融樹脂を射出して
    1つの前記キャリアと一体化したn個の前記射出成形部
    品を形成することを特徴とする請求項12に記載の射出
    成形部品の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記1つのキャリアと一体化したn個
    の前記射出成形部品を前記成形キャビティから取り出し
    た後、前記キャリアを切断しn個の前記射出成形部品を
    個片化することを特徴とする請求項16記載の射出成形
    部品の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記パターンが前記キャリアと前記樹
    脂部の間に挟まれるように配置された前記射出成形部品
    を形成し、この射出成形部品を前記成形キャビティから
    取り出した後、前記キャリアを適当な溶剤で溶融するこ
    とにより前記パターンを前記射出成形部品の前記樹脂部
    に転移させることを特徴とする請求項12に記載の射出
    成形部品の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記キャリアとして、相対する一対の
    端面とこれらを繋ぐ周面を有しこの周面を前記成形表面
    として前記パターンが形成されたキャリアを用い、この
    キャリアの両方の前記端面を前記成形キャビティ内壁で
    保持した状態で前記成形キャビティ内に前記溶融樹脂を
    射出して、前記キャリアの前記周面全体を前記溶融樹脂
    にて包含することにより前記樹脂部内部に前記キャリア
    を含んだ前記射出成形部品を形成し、この射出成形部品
    を前記成形キャビティから取り出した後、前記キャリア
    を適当な溶剤で溶融することにより前記パターンを前記
    射出成形部品の中空部内表面に転移させることを特徴と
    する請求項18記載の射出成形部品の製造方法。
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